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特許7361562粉体輸送方法、樹脂組成物の製造方法、及び、プラグ輸送装置
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  • 特許-粉体輸送方法、樹脂組成物の製造方法、及び、プラグ輸送装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-05
(45)【発行日】2023-10-16
(54)【発明の名称】粉体輸送方法、樹脂組成物の製造方法、及び、プラグ輸送装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 53/06 20060101AFI20231006BHJP
   B65G 53/24 20060101ALI20231006BHJP
   B65G 53/58 20060101ALI20231006BHJP
   B65G 53/66 20060101ALI20231006BHJP
   B29C 31/00 20060101ALI20231006BHJP
   B29B 7/88 20060101ALI20231006BHJP
【FI】
B65G53/06
B65G53/24
B65G53/58
B65G53/66 B
B29C31/00
B29B7/88
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019186077
(22)【出願日】2019-10-09
(65)【公開番号】P2021059450
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2022-08-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(72)【発明者】
【氏名】福島 和幸
(72)【発明者】
【氏名】西本 侑真
(72)【発明者】
【氏名】香月 佑介
【審査官】今野 聖一
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-213007(JP,A)
【文献】特開2015-110329(JP,A)
【文献】特開2004-131189(JP,A)
【文献】特開昭59-190112(JP,A)
【文献】特開平06-255777(JP,A)
【文献】特開2014-117859(JP,A)
【文献】特開平07-258649(JP,A)
【文献】特開2001-063823(JP,A)
【文献】特開平03-279118(JP,A)
【文献】特開昭60-087121(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 53/00 - 53/28
B65G 53/32 - 53/66
B29C 31/00
B29B 7/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不活性ガスを1kPaG以下の圧力に維持されたガスタンクに供給し、前記ガスタンクから1kPaG以下の圧力の不活性ガスを粉体輸送ラインに供給する工程と、
粉体輸送ライン内を大気圧未満の圧力に維持した状態で粉体を前記ガスタンクから供給される不活性ガスによりプラグ輸送する工程を含む、粉体輸送方法。
【請求項2】
前記ガスタンク内の圧力を、前記ガスタンク内の圧力が設定圧力以上になるとガスを外部に放出する弁により1kPaG以下の圧力に維持する、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記弁は、背圧弁、逃がし弁、またはブリーザバルブである、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記不活性ガスは窒素ガスである、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記粉体輸送ラインは13mm~100mmの内径を有する、請求項1~の何れか1項に記載の粉体輸送方法。
【請求項6】
前記プラグ輸送の際における、前記粉体輸送ラインにおけるガス流量は0~30Nm/minである請求項1~の何れか1項に記載の粉体輸送方法。
【請求項7】
添加剤と樹脂とを含む樹脂組成物を製造する方法であって、
請求項1~の何れか1項に記載の粉体輸送方法により輸送された添加剤の粉体と、樹脂粉とを混合する工程を含む、
樹脂組成物の製造方法。
【請求項8】
粉体輸送元容器と、
粉体輸送先容器と、
前記粉体輸送元容器と粉体輸送先容器とを接続する粉体輸送ラインと、
前記粉体輸送先容器に接続された真空ポンプと、
前記粉体輸送ラインの前記粉体輸送元容器側の端部と不活性ガス源とを接続するガスラインと、
前記ガスラインに設けられて不活性ガスを1kPaG以下の圧力に維持するガスタンクと、を備える、プラグ輸送装置。
【請求項9】
前記ガスタンクは、前記ガスタンク内の圧力が設定圧力以上になるとガスを外部に放出する弁により前記不活性ガスを1kPaG以下の圧力に維持する、請求項に記載のプラグ輸送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体輸送方法、樹脂組成物の製造方法、及び、プラグ輸送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、空気により粉体を粉体輸送ライン内でプラグ輸送して供給先容器等に供給する方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平3―279118号公報
【文献】特開2004―131189号公報
【文献】特開昭60―87121号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、最小着火エネルギーの小さい粉体の輸送時には、当該粉体が酸素などの支燃性物質を含む空気に触れることを避けることが好ましい。一方、その場合でも、粉体のつまり等を抑制して粉体を安定的に粉体輸送ライン内で輸送することが求められる。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、最小着火エネルギーの小さい粉体を安全かつ安定的に輸送を行う方法、該方法を適用した樹脂組成物の製造方法、該方法に適した輸送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかる粉体輸送方法は、粉体輸送ライン内を大気圧未満の圧力に維持した状態で粉体を不活性ガスによりプラグ輸送する工程を含む。
【0007】
ここで、上記方法は、不活性ガスを1kPaG以下の圧力に維持されたガスタンクに供給し、前記ガスタンクから1kPaG以下の圧力の不活性ガスを前記粉体輸送ラインに供給する工程をさらに有することができる。ガスタンクに供給される不活性ガスは0.1MPaG以上の圧力であることができる。
【0008】
また、前記ガスタンク内の圧力を、前記ガスタンク内の圧力が設定圧力以上になるとガスを外部に放出する弁により1kPaG以下の圧力に維持することができる。
【0009】
また、前記弁は、背圧弁、逃がし弁、またはブリーザバルブであることができる。
【0010】
また、前記不活性ガスは窒素ガスであることができる。
【0011】
また、前記粉体輸送ラインは13mm~100mmの内径を有することができる。
【0012】
また、前記プラグ輸送の際における、前記粉体輸送ラインにおけるガス流量は0~5Nm3/minであることができる。
【0013】
本発明にかかる樹脂組成物の製造方法は、添加剤と樹脂とを含む樹脂組成物を製造する方法であって、上述のいずれかの粉体輸送方法により輸送された添加剤の粉体と、樹脂粉とを混合する工程を含む。
【0014】
本発明にかかるプラグ輸送装置は、粉体輸送元容器と、粉体輸送先容器と、前記粉体輸送元容器と粉体輸送先容器とを接続する粉体輸送ラインと、前記粉体輸送先容器に接続された真空ポンプと、前記粉体輸送ラインの前記粉体輸送元容器側の端部と不活性ガス源とを接続するガスラインと、を備える。
【0015】
ここで、上記プラグ輸送装置は、前記ガスラインに設けられたガスタンク60と、前記ガスタンクに設けられ、前記ガスタンク内の圧力が設定圧力以上になるとガスを外部に放出する弁と、を更に備えることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、最小着火エネルギーの小さい粉体を安全かつ安定的にプラグ輸送を行う方法、該方法を適用した樹脂組成物の製造方法、該方法に適したプラグ輸送装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明の一実施形態にかかる粉体輸送装置100及びこれを含む成型システム200のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかるプラグ輸送装置100及びこれを含む成型システム200のフロー図である。
【0019】
本実施形態にかかるプラグ輸送装置100は、粉体輸送元容器10、粉体輸送先容器20、粉体輸送元容器10と粉体輸送先容器20とを接続する粉体輸送ラインL1、粉体輸送先容器20に接続された真空ポンプ40、粉体輸送ラインのL1の粉体輸送元容器10側の端部と不活性ガス源95とを接続するガスラインL2、を主として備える。
【0020】
粉体輸送元容器10は、プラグ輸送される粉体が予め貯留される容器である。容器の形式に特に限定はないが、ホッパーなどを利用できる。粉体輸送元容器10の底部出口10aに粉体輸送ラインL1の一端が接続されている。
【0021】
粉体輸送元容器10の上には、フレキシブルコンテナ開袋機18が配置されていてもよく、この場合、フレキシブルコンテナFCから粉体輸送元容器10に粉体を供給することができる。
【0022】
粉体輸送元容器10内の粉体を不活性ガス雰囲気内で貯留すべく、粉体輸送元容器10が雰囲気制御ブース16内に収容されていてもよい。雰囲気制御ブース16では、酸欠防止のため換気が行われる。
【0023】
粉体輸送ラインL1は粉体輸送元容器10の底部出口10aと粉体輸送先容器20の粉体入口20aとを接続している。粉体輸送ラインL1の内径に特に限定はないが、例えば、13~100mmとすることができる。
【0024】
粉体輸送ラインL1の他端(粉体輸送先容器20)側には、バルブV4が設けられている。
【0025】
粉体輸送先容器20の形式は、密閉できる容器であれば特に限定されない。例えば、鉛直方向に伸びる円筒形状の容器などが使用できる。
【0026】
粉体輸送先容器20は、粉体入口20a及びガス出口20bを有し、ガス出口20bにはラインL6が接続されている。ガス出口20bは、粉体入口20aよりも上にあってもよい。ガス出口20bには粉体捕集フィルタが設けられていてよい。ラインL6には、粉体輸送先容器20側から順に、バルブV6及び真空ポンプ40が接続されている。
【0027】
真空ポンプ40の形式に特に限定はない。真空ポンプ40として、ロータリーベーンポンプなどの油回転式真空ポンプ;ドライ真空ポンプ;等の真空ポンプを使用できる。
【0028】
粉体輸送先容器20の出口20cは、粉体輸送先容器20の底部に設けられている。出口20cにはバルブV5が接続され、バルブV5には更にラインL3が接続されている。
【0029】
バルブV5は、気体及び粉体の流通を制御できるバルブであればよく、バタフライバルブ、ゲートバルブ、チョークバルブなどを利用できる。
【0030】
ラインL3は、ラインL4に接続されている。ラインL4は、樹脂粉源85と成形機90とを接続する。ラインL4には、さらに、他の添加剤源87とラインL4とを接続するラインL5を有していてもよい。成形機90は、例えば、フィルム成形機であることができる。
【0031】
粉体輸送ラインL1の粉体輸送元容器10側には、ガスラインL2が接続されている。具体的には、ガスラインL2は、ラインL2aのように粉体輸送ラインL1の粉体輸送元容器10側の端部に直接接続されていてもよいし、ラインL2bのように、粉体輸送元容器10に接続され、粉体輸送元容器10を介して粉体輸送ラインL1の粉体輸送元容器10側に間接的に接続されていてもよく、ガスラインL2から供給される不活性ガスが粉体輸送ラインL1に供給される構成であればよい。
【0032】
ガスラインL2の他端には不活性ガス源95が接続されている。ガスラインL2には、不活性ガス源95から粉体輸送元容器10に向かって順に、バルブV7、バルブV2、ガスタンク60、及び、バルブV3が接続されている。
【0033】
不活性ガス源95が供給する不活性ガスの例は、窒素、及び、アルゴンである。不活性ガス源95の圧力は、通常、0.1MPaGより大きいが、大気圧以上であれば実施は可能である。不活性源のガスの圧力の例は、0.3~0.7MPaGである。
【0034】
バルブV2は減圧弁であり、二次側、すなわち下流(ガスタンク)側の圧力を、一次側、すなわち上流(不活性ガス源95)側よりも低い一定の圧力に維持する。バルブV2の二次側の設定圧力PV2の例は、0.05~0.1MPaGである。
【0035】
ガスタンク60は、不活性ガスを貯留する。ガスタンク60の容量に特に限定はないが、0.5~3.0mとすることができる。
【0036】
ガスタンク60には、さらに、バルブV1を有するラインL7が接続され、ラインL7の他端は大気開放されている。バルブV1は、ガスタンク60内の圧力が設定圧力PV1以上になるとガスを外部に放出する弁である。このような弁の例は、背圧弁、逃がし弁、及び、ブリーザバルブである。背圧弁及び逃がし弁は、一次側(上流すなわちガスタンク側)の圧力が設定圧力以上になると、ガスを二次側(下流側すなわち大気中)に流す弁である。ブリーザバルブにおいても、一次側(上流すなわちガスタンク側)の圧力が設定圧力PV1(大気圧超)以上になるとガスを一次側(上流側)から二次側(下流側すなわち大気中)に流す弁があればよく、一次側(上流すなわちガスタンク側)の圧力が設定圧力PV1’(大気圧未満)以下になるとガスを二次側(下流側すなわち大気中)から一次側(下流側すなわちガスタンク)に流す弁は、二次側の大気を一次側に流入することを避ける上で備えられていないことが好適である。
【0037】
設定圧力PV1は、1kPaG以下とすることが好適である。設定圧力PV1は0kPaG以上であればよく、0.2kPaG以上であることが好ましい。
【0038】
ガスラインL2のバルブV7よりも上流側からラインL8が分岐しており、ラインL8の他端はラインL6におけるガス出口20bとバルブV6との間に接続されている。ラインL8にはバルブV8が設けられている。
【0039】
続いて、本発明の実施形態にかかる粉体輸送方法及び樹脂組成物の製造方法について説明する。
【0040】
あらかじめ、バルブV3、バルブV4、バルブV5、バルブV6、バルブV7、バルブV8は閉状態とされているものとする。
【0041】
実施形態にかかる粉体輸送方法では、まず、輸送の対象となる粉体を、粉体輸送元容器10内に貯留する。例えば、フレキシブルコンテナFC内の粉体を、フレキシブルコンテナ開袋機18で開袋して、粉体輸送元容器10に供給することができる。
【0042】
粉体の種類に特に限定はなく種々の粉体を使用できる。中でも、大気中でなく、不活性ガス中で取り扱う必要性が高い、最小着火エネルギーの小さい粉体であることが好ましい。例えば、JIS Z8834:2016で測定される最小着火エネルギーが10mJ未満の粉体に好適に利用できる。
【0043】
このような粉体の例として、紫外線吸収剤等、樹脂の製造に用いる材料の粉体が挙げられる。
【0044】
粉体の粒径には特に限定はないが、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置で測定した体積基準の粒度分布のD50において、約1μm~約25mmである好適である。
【0045】
本実施形態にかかる粉体輸送方法では、例えば、バルブV3、バルブV4、バルブV5、バルブV6、バルブV7及びバルブV8が閉止した状態において、真空ポンプ40を駆動する。真空ポンプは、プラグ輸送を行う直前に駆動されれば良い。真空ポンプの真空性能は、プラグ輸送が実現する排気風量と真空度を満足するものであればよく、例えば、0.3~30Nm/minで、到達真空度は、0.5hPa程度のものとする。
【0046】
バルブV7を開放することにより、不活性ガス源95から不活性ガスをガスタンク60に供給することができる。ガスタンク60内には、バルブ(減圧弁)V2により設定圧力PV2に減圧されたガスが供給されるが、バルブV1によるガスタンク60からの不活性ガスの排出により、ガスタンク60内の圧力は、設定圧力PV1に維持され、不活性ガス源95からのガスの供給は継続される。図1において、バルブV7の位置は、バルブV2の上流でも、下流でも構わず、不活性ガス源95からガスタンク60の間にあればよい。
【0047】
続いて、バルブV3、バルブV4、及びバルブV6を開放する。開放する順番に特に限定はなく、例えば、バルブV6、バルブV3、バルブV4の順でも良いし、いずれか一つのバルブが他のバルブ(一つでも二つでもよい)と同時に開放されても良い。これにより、ガスラインL2(L2a及びL2b)を介して供給される不活性ガスが、粉体輸送元容器10内の粉体を、大気圧未満の圧力下に維持された状態で、粉体輸送ラインL1内をプラグ輸送し、粉体が粉体輸送先容器20内に供給される。粉体輸送先容器20は計量されており、供給された粉体の量が所定量に到達すると、バルブV4を閉じプラグ輸送を終了する。
【0048】
プラグを安定に形成する観点から、プラグ輸送時の粉体輸送ラインL1内における粉体の輸送速度を0.5~10m/sとすることができ、0.5~5m/sとすることが好適である。粉体の輸送速度は、上記速度範囲においてプラグを安定的に形成する速度に適宜調節できる。
【0049】
安定したプラグ輸送が形成された状態を維持する上で、プラグ輸送の際における、粉体輸送ラインL1を流れる不活性ガスのガス流量は0~30Nm/minであることができ、0~3Nm/minであってもよく、0~0.1Nm/minであってもよい。ガスタンク60から供給されるガスの流量は、上記流量範囲においてプラグを安定的に形成する流量に調節できる。
【0050】
不活性ガスの不要な消費の防止の観点から、プラグ輸送の終了後すぐに、バルブV3およびバルブV7を閉じることが好適である。
【0051】
プラグ輸送終了後、バルブV6を閉じ、続いてバルブV8を開放し、ガス出口20bから粉体輸送先容器20内に不活性ガスを送気する。続いてバルブV5を開放すると、粉体がラインL3を介して、成形機90に供給される。また、樹脂粉源85から、ラインL4を介して成形機90に樹脂粉を供給し、他の添加剤源87からラインL5を介して成形機に他の添加剤を供給し、成形機90でこれらを混合、好ましくは、溶融及び混練して、樹脂組成物を製造することができる。
【0052】
樹脂粉の樹脂の例は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルメタクリレートである。
【0053】
なお、他の添加剤の例は、フィラー、顔料、染料、滑剤、難燃剤、可塑化剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、である。
【0054】
本発明の実施形態によれば、粉体輸送ラインL1を大気圧未満とした状態下でプラグ輸送を行っているので粉体のプラグを安定的に維持しやすく、かつ、不活性ガスを用いるので粉体が着火しにくい。大気圧超の状態でプラグ輸送を行うと、粉体の詰まりなどが生じやすい傾向がある。
【0055】
また、不活性ガス(例えば0.1MPaG以上の圧力)をそのまま粉体輸送ラインL1に供給するのではなく、1kPaG以下の圧力に維持されたガスタンク60を介して1kPaG以下の圧力の不活性ガスを粉体輸送ラインL1に供給している。このように、低圧のガスタンクを介して低圧の不活性ガスを供給するので、大気圧に近い不活性ガスを粉体輸送ラインに大量にかつ長時間供給することが可能となる。また、ガスタンク60に不活性ガス源95が接続されているので、必要十分な窒素ガスを粉体輸送ラインL1に供給することができる。
【符号の説明】
【0056】
10…粉体輸送元容器、20…粉体輸送先容器、40…真空ポンプ、60…ガスタンク、95…不活性ガス源、100…プラグ輸送装置、L1…粉体輸送ライン、L2…ガスライン。

図1