(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-05
(45)【発行日】2023-10-16
(54)【発明の名称】リソグラフィ測定のためのセンサ装置及び方法
(51)【国際特許分類】
G03F 9/00 20060101AFI20231006BHJP
【FI】
G03F9/00 H
(21)【出願番号】P 2021556296
(86)(22)【出願日】2020-03-25
(86)【国際出願番号】 EP2020058250
(87)【国際公開番号】W WO2020207794
(87)【国際公開日】2020-10-15
【審査請求日】2021-11-10
(32)【優先日】2019-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】503195263
【氏名又は名称】エーエスエムエル ホールディング エヌ.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】エラズハリー,ターメル,モハメド,タウフィク,アフマド,モハメド
(72)【発明者】
【氏名】クロイツァー,ジャスティン,ロイド
(72)【発明者】
【氏名】リン,ユシャン
(72)【発明者】
【氏名】ソボレフ,キリル,ユリエヴィッチ
【審査官】植木 隆和
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-060214(JP,A)
【文献】再公表特許第2017/209132(JP,A1)
【文献】国際公開第2018/114152(WO,A1)
【文献】特表2018-535560(JP,A)
【文献】特表2019-507368(JP,A)
【文献】特表2019-503504(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
G03F 7/20
G03F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上のアライメントマークのパラメータを測定するための装置であって、
前記アライメントマークから少なくとも1つの回折次数を受け取るように配置され、変調された回折次数を生成するために、光学システムの瞳面及び/又はアライメントマーク面と共役な面において、前記少なくとも1つの回折次数の放射照度分布を変調するための構成可能空間光変調器を含む、光学システムと、
前記変調された回折次数を受け取るように配置されたソリッドステート光デバイスと、
を備
え、
前記構成可能空間光変調器は、少なくとも1つの正規基底関数に従って前記回折次数を整形する、
装置。
【請求項2】
前記ソリッドステート光デバイスから前記変調された回折次数を受け取るように配置され、及び、前記変調された回折次数における1つ以上のスペクトル成分の強度を決定するように配置された、スペクトロメータを更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記回折次数は1次回折次数である、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記構成可能空間光変調器は、低次多項式として特徴付けられるアポダイゼーションを実行するコンスタントアポダイザを備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記構成可能空間光変調器は、デジタルマイクロミラーデバイスを備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記構成可能空間光変調器は、液晶デバイスを備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記構成可能空間光変調器は、液晶オンシリコンデバイスを備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記構成可能空間光変調器は、マイクロ電気機械システムを備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記スペクトロメータは、複数のダイクロイックミラー及び複数のフォトディテクタを備える、請求項2に記載の装置。
【請求項10】
前記スペクトロメータはデマルチプレクサを備え、前記デマルチプレクサは前記少なくとも1つの基底関数の係数を抽出する、請求項2に記載の装置。
【請求項11】
前記スペクトロメータは、デマルチプレクサ及びフォトディテクタを備える、請求項2に記載の装置。
【請求項12】
前記ソリッドステート光デバイスは、マルチモード光ファイバを備える、請求項1から
11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記パラメータは、前記アライメントマークにおいて非対称である、請求項1から
12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記パラメータは、前記瞳又はウェーハ共役面で測定される回折次数の角度成分における変動である、請求項1から
12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記変動は、前記回折次数放射照度分布の重心における変位である、請求項
14に記載の装置。
【請求項16】
前記パラメータは、前記アライメントマークにおける傾斜の量である、請求項1から
12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記パラメータは、前記アライメントマークの位置における高さ変動である、請求項1から
12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
基板上のアライメントマークのパラメータを測定するための装置であって、
前記アライメントマークから少なくとも1つの回折次数を受け取るように配置され、変調された回折次数を生成するために、光学システムの瞳面及び/又はアライメントマーク面と共役な面において、前記少なくとも1つの回折次数の放射照度分布を変調するための構成可能空間光変調器を含む、光学システムと、
前記変調された回折次数を受け取るように配置されたソリッドステート光デバイスと、
を備え、
前記構成可能空間光変調器は、低次多項式として特徴付けられるアポダイゼーションを実行するコンスタントアポダイザを備える、
装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
[0001] 本願は、2019年4月8日出願の米国仮特許出願第62/831,001号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本開示は、基板のターゲットからの情報を決定するためのセンサ装置及び方法に関する。センサ装置はリソグラフィ装置の一部を形成することができる。センサ装置はメトロロジツールの一部を形成することができる。センサ装置はスタンドアロン型デバイスとすることができる。
【背景技術】
【0003】
[0003] リソグラフィ装置は、基板に所望のパターンを適用するように構築された機械である。リソグラフィ装置は、例えば集積回路(IC)の製造において使用可能である。リソグラフィ装置は、例えばパターニングデバイス(例えばマスク)のパターン(「設計レイアウト」又は「設計」と称されることも多い)を、基板(例えばウェーハ)上に提供された放射感応性材料(レジスト)層に投影し得る。
【0004】
[0004] 半導体製造プロセスが進み続けるにつれ、回路素子の寸法は継続的に縮小されてきたが、その一方で、デバイス毎のトランジスタなどの機能素子の量は、「ムーアの法則」と通称される傾向に従って、数十年にわたり着実に増加している。ムーアの法則に対応するために、半導体産業はますます小さなフィーチャを作り出すことを可能にする技術を追求している。基板上にパターンを投影するために、リソグラフィ装置は電磁放射を使用することができる。この放射の波長は、基板上にパターン付与されるフィーチャの最小サイズを少なくとも部分的に決定する。現在使用されている典型的な波長は、365nm(i線)、248nm、193nm、及び13.5nmである。4nmから20nmの範囲内(例えば、6.7nm又は13.5nm)の波長を有する極端紫外線(EUV)放射を使用するリソグラフィ装置を使用して、例えば193nmの波長を有する放射を使用するリソグラフィ装置よりも小さなフィーチャを基板上に形成することができる。
【0005】
[0005] デバイスフィーチャを基板上に正確に置くようにリソグラフィプロセスを制御するために、一般にアライメントマークが基板上に提供され、リソグラフィ装置は1つ以上のアライメント測定システムを含み、このシステムを使用して基板上のアライメントマークの位置を正確に測定することができる。これらのアライメント測定システムは、効果的に位置を測定する装置である。アライメントマークは、事前に形成されたプロセス層に関して基板上に形成されるプロセス層の正確な配置に役立つ。アライメント測定は、典型的には、各プロセス層が形成される前に、基板がリソグラフィ装置内に装填されるごとにリソグラフィ装置内で行われる。本発明の一目的は、本明細書又は他の場所で識別されるかどうかにかかわらず、従来技術の問題のうちの1つ以上に少なくとも部分的に対処する、基板上のターゲットの位置を決定するセンサ装置及び方法を提供することである。
【発明の概要】
【0006】
[0006] 下記に、実施形態の基本的な理解を提供するために、1つ以上の実施形態の簡略化された概要を提示する。この概要は、すべての企図される実施形態の広範な概要ではなく、また、すべての実施形態の主要又は重要な要素を識別すること、又は、任意又はすべての実施形態の範囲に制限を課すことは意図されていない。その唯一の目的は、後に提示するより詳細な説明の前置きとして、1つ以上の実施形態のいくつかの概念を簡略形式で提示することである。
【0007】
[0007] 一実施形態の一態様に従い、基板上のアライメントマークのパラメータを測定するための装置が開示され、装置は、アライメントマークから少なくとも1つの回折次数を受け取るように配置され、変調された回折次数を生成するために、光学システムの瞳面及び/又はアライメントマーク面と共役な面において、少なくとも1つの回折次数の放射照度分布を変調するための構成可能空間光変調器を含む、光学システムと、変調された回折次数を受け取るように配置されたソリッドステート光デバイスとを備える。装置は、ソリッドステート光デバイスから変調された回折次数を受け取るように配置され、及び、変調された回折次数における1つ以上のスペクトル成分の強度を決定するように配置されたスペクトロメータを、更に備えることができる。回折次数は、1次回折次数とすることができる。構成可能空間光変調器は、低次多項式として特徴付けられるアポダイゼーションを実行するコンスタントアポダイザを備えることができる。構成可能空間光変調器は、デジタルマイクロミラーデバイスを備えることができる。構成可能空間光変調器は、液晶デバイスを備えることができる。構成可能空間光変調器は、液晶オンシリコンデバイスを備えることができる。構成可能空間光変調器は、マイクロ電気機械システムを備えることができる。構成可能空間光変調器は、少なくとも1つの正規基底関数に従って回折次数を整形することができる。スペクトロメータは、複数のダイクロイックミラー及びフォトディテクタを備えることができる。スペクトロメータは、少なくとも1つの基底関数の係数を抽出できるデマルチプレクサを備えることができる。スペクトロメータは、デマルチプレクサ及びフォトディテクタを備えることができる。ソリッドステート光デバイスは、マルチモード光ファイバを備えることができる。パラメータは、アライメントマークにおいて非対称とすることができる。パラメータは、瞳又はウェーハ共役面で測定される回折次数の角度成分における変動とすることができる。変動は、回折次数放射照度分布の重心における変位とすることができる。パラメータは、アライメントマークにおける傾斜の量とすることができる。パラメータは、アライメントマークの位置における高さ変動とすることができる。
【0008】
[0008] 一実施形態の別の態様に従い、基板上のアライメントマークのパラメータを測定する方法が開示され、方法は、少なくとも1つの回折次数を発生させること、及び、瞳又はウェーハ共役面内の回折次数を変調することを含む。方法は、回折次数を集積するためにソリッドステート光デバイスを使用するステップ、及び、回折次数のスペクトル成分を決定するステップを、更に含むことができる。回折次数は、1次回折次数とすることができる。変調ステップは、空間光変調器によって実行することができる。変調ステップは、デジタルマイクロミラーデバイスによって実行することができる。変調ステップは、液晶デバイスによって実行することができる。変調ステップは、液晶オンシリコンデバイスによって実行することができる。変調ステップは、マイクロ電気機械システムによって実行することができる。変調ステップは、少なくとも1つの正規基底関数に従って回折次数を整形することを含むことができる。回折次数ソリッドステート光デバイスを集積するためにソリッドステート光デバイスを使用するステップは、マルチモード光ファイバを使用して実行することができる。回折次数のスペクトル成分を決定するステップは、少なくとも1つの基底関数の係数を抽出することを含むことができる。回折次数のスペクトル成分を決定するステップは、デマルチプレクサ及びフォトディテクタを備えるスペクトロメータによって実行することができる。パラメータは、アライメントマークにおいて非対称とすることができる。パラメータは、瞳又はウェーハ共役面で測定される回折次数の角度成分における変動とすることができる。変動は、回折次数放射照度分布の重心における変位とすることができる。パラメータは、アライメントマークにおける傾斜の量とすることができる。パラメータは、アライメントマークの位置における高さ変動とすることができる。
【0009】
[0009] 本発明の更なる特徴及び利点、並びに本発明の様々な実施形態の構造及び動作を、添付の図面を参照しながら下記で詳細に説明する。本発明は、本明細書で説明する特定の実施形態に限定されないことに留意されたい。こうした実施形態は、本明細書では単なる例示の目的で提示される。当業者であれば、本明細書に含まれる教示に基づいて、追加の実施形態が明らかとなろう。
【0010】
[0010] 本明細書に組み込まれ、その一部を形成する添付の図面は、本発明を図示し説明とともに、更に本発明の原理を説明し、当業者が本発明を作成して使用できるようにする働きをする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】[0011] リソグラフィ装置を示す概略図である。
【
図2】[0012] 既知のセンサ装置の一部を概略的に示す図である。
【
図3】[0013] 一実施形態の一態様に従った、ハイパースペクトル感知システムを示す図である。
【
図4】[0014] 一実施形態の一態様に従った、ハイパースペクトル感知システムを示す図である。
【
図5】[0015] 一実施形態の一態様に従った、ハイパースペクトル感知システムを示す図である。
【
図6】[0016] アライメント感知システムにおけるハイパースペクトル感知の方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0017] 次に、添付の図面内に例が示された例示的実施形態を詳細に説明する。下記の説明は添付の図面に言及し、添付の図面内では、異なる図面内の同じ番号は、特に明示されていない限り同じか又は同様の要素を表す。例示的実施形態の下記の説明に示される実施例は、本発明に適合するすべての実施例を表すものではない。代わりに、添付の特許請求の範囲に記載されるような本発明に関する態様に適合するシステム、装置、及び方法の単なる例である。図面内のコンポーネント及び構造の相対寸法は、明確にするために誇張されている場合がある。
【0013】
[0018] 本文献では、「放射」及び「ビーム」という用語は、特に明記しない限り、紫外線(例えば、波長が365nm、248nm、193nm、157nm又は126nmの波長)及びEUV(極端紫外線放射、例えば、約5~100nmの範囲の波長を有する)を含む、すべてのタイプの電磁放射を包含するために使用される。
【0014】
[0019] 「レチクル」、「マスク」、又は「パターニングデバイス」という用語は、本文で用いる場合、基板のターゲット部分に生成されるパターンに対応して、入来する放射ビームにパターン付き断面を与えるため使用できる汎用パターニングデバイスを指すものとして広義に解釈され得る。また、この文脈において「ライトバルブ」という用語も使用できる。古典的なマスク(透過型又は反射型マスク、バイナリマスク、位相シフトマスク、ハイブリッドマスク等)以外に、他のそのようなパターニングデバイスの例は、プログラマブルミラーアレイ及びプログラマブルLCDアレイを含む。
【0015】
[0020]
図1は、本発明の実施形態によるセンサ装置100を備えるリソグラフィ装置LAを概略的に示す。リソグラフィ装置LAは、放射ビームB(例えばUV放射、DUV放射、又はEUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータとも呼ばれる)ILと、パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するように構築され、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスMAを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに連結されたマスクサポート(例えばマスクテーブル)MTと、基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構成され、特定のパラメータに従って基板サポートWTを正確に位置決めするように構築された第2のポジショナPWに連結された基板サポート(例えばウェーハテーブル)WTと、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付与されたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ以上のダイを含む)上に投影するように構成された投影システム(例えば、屈折投影レンズシステム)PSと、を含む。
【0016】
[0021] 動作中、照明システムILは、例えばビームデリバリシステムBDを介して放射源SOから放射ビームを受ける。照明システムILは、放射を誘導し、整形し、及び/又は制御するための、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、及び/又はその他のタイプの光学コンポーネント、又はそれらの任意の組み合わせなどの様々なタイプの光学コンポーネントを含むことができる。イルミネータILを使用して放射ビームBを調節し、パターニングデバイスMAの平面において、その断面にわたって所望の空間及び角度強度分布が得られるようにしてもよい。
【0017】
[0022] 本明細書で用いられる「投影システム」PSという用語は、使用する露光放射、及び/又は液浸液の使用や真空の使用のような他のファクタに合わせて適宜、屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、アナモルフィック光学システム、磁気光学システム、電磁気光学システム、及び/又は静電気光学システム、又はそれらの任意の組み合わせを含む様々なタイプの投影システムを包含するものとして広義に解釈するべきである。本明細書で「投影レンズ」という用語が使用される場合、これは更に一般的な「投影システム」PSという用語と同義と見なすことができる。
【0018】
[0023] リソグラフィ装置LAは、投影システムPSと基板Wとの間の空間を満たすように、基板Wの少なくとも一部が相対的に高い屈折率を有する液体、例えば水によって覆われている可能性のあるタイプとすることができる。この液体の使用は、液浸リソグラフィと呼ぶことができる。液浸技法に関する他の情報は、2003年11月12日出願の「Lithographic Apparatus and Device Manufacturing Method」という名称の米国特許第6,952,253号に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0019】
[0024] リソグラフィ装置LAは、2つ以上の基板サポートWTを有するタイプ(「デュアルステージ」又は「マルチステージ」とも呼ばれる)であってもよい。こうした「マルチステージ」機械において、基板サポートWTは並列に用いられ得る。追加又は代替として、基板Wの後続の露光の準備に含まれるステップは、他の基板サポートWT上の別の基板Wが他方の基板W上でのパターンの露光に用いられている間、基板サポートWTのうちの1つに位置する基板W上で実施され得る。例えば、基板Wの後続の露光の準備に含まれるステップのうちの1つ以上は、1つの基板サポートWT上の基板Wのターゲットの位置を、他のサポート上で別の基板の露光が行われる間に決定するために、センサ装置100を使用することを含むことができる。
【0020】
[0025] 基板サポートWTに加えて、リソグラフィ装置LAは測定ステージを含むことができる。測定ステージは、センサ及び/又はクリーニングデバイスを保持するように配置されている。センサは、投影システムPSの特性又は放射ビームBの特性を測定するよう配置できる。測定ステージは複数のセンサを保持することができる。測定ステージは、例えば、センサ装置100を保持することができる。クリーニングデバイスは、例えば投影システムPSの一部又は液浸液を提供するシステムの一部のような、リソグラフィ装置LAの一部をクリーニングするよう配置できる。基板サポートWTが投影システムPSから離れている場合、測定ステージは投影システムPSの下方で移動することができる。
【0021】
[0026] 動作中、放射ビームBは、マスクサポートMT上に保持されている、例えばマスクのようなパターニングデバイスMAに入射し、パターニングデバイスMA上に存在するパターン(即ち設計レイアウト)によってパターンが付与される。マスクMAと相互作用した放射ビームBは投影システムPSを通過し、投影システムPSは放射ビームBを基板Wのターゲット部分Cに合焦させる。第2のポジショナPW及び位置測定システムIFを用いて、例えば、放射ビームBの経路内の合焦し位置合わせした位置に様々なターゲット部分Cを位置決めするように、基板サポートWTを正確に移動させることができる。同様に、第1のポジショナPMと、場合によっては別の位置センサ(
図1には明示的に図示されていない)を用いて、放射ビームBの経路に対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めすることができる。パターニングデバイスMA及び/又は基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を用いて位置合わせすることができる。
図1の例に示される基板アライメントマークP1、P2は専用ターゲット部分Cを占有しているが、基板アライメントマークP1、P2はターゲット部分Cの間の空間に位置することができる。基板アライメントマークP1、P2は、ターゲット部分Cの間に位置する場合、スクライブラインアライメントマークとして知られている。
【0022】
[0027] 説明を明確にするために、デカルト座標系が使用される。デカルト座標系は、3本の軸、すなわち、x軸、y軸、及びz軸を有する。3本の軸の各々は、他の2本の軸に対して直角である。x軸の周りの回転はRx回転と呼ぶことができる。y軸の周りの回転はRy回転と呼ぶことができる。z軸の周りの回転はRz回転と呼ぶことができる。x軸及びy軸は水平面を定義するものとして記載可能であり、z軸は水平面に対して垂直方向であるものとして記載可能である。デカルト座標系は、単に明確にするためにのみ使用される。代替として、本発明を明確にするために、円筒座標系などの別の座標系を使用することができる。デカルト座標系の配向は、例えば、z軸が水平面に沿った成分を有するように変更可能である。
【0023】
[0028]
図2は、基板Wのターゲット205の位置を決定するための、既知のセンサ装置200の一部を概略的に示す。ターゲット205は、例えば基板アライメントマーク(例えば、
図1に示される基板アライメントマークP1、P2)とすることができる。
図2の例において、ターゲット205は、基板Wの最上表面上に位置する格子を備える。
【0024】
[0029] ターゲット205は、基板W上の他の場所に位置する、例えば基板Wの1つ以上の層の下に埋め込まれることが可能である。既知のセンサ装置200は、放射ビーム215を基板W上に投影するように構成された投影光学系を備える。
図2の例において、投影光学系は、放射ビーム215をレンズ213に向けて反射する反射要素214を備え、次いでレンズ213は放射ビーム215を基板W上に合焦させる。投影光学系は、他の光学素子を備えることができる20。放射ビーム215は、ターゲット205から散乱して測定放射225を形成する。
図2の例において、放射ビーム215はターゲット205から回折して、複数の回折次数226、228を含む測定放射225を形成する。明確に理解するために、
図2では、ゼロ次回折次数226、プラス1の回折次数227、及びマイナス1の回折次数228のみが示される。しかしながら、測定放射225は、より多くの回折次数226~228を含むことができることを理解されよう。ゼロ次回折次数226は、投影光学系に戻り、センサ装置200から遠くへ誘導される。プラス1及びマイナス1の回折次数227、228は、対応する回折角θでターゲット205から散乱する。回折角θは互いに異なってよい。センサ装置200は、ターゲット205から散乱した測定放射225を集めるように構成された集光光学系を更に備える。
図2の例において、集光光学系は、レンズ213(投影光学系の一部も形成する)、及び1対の反射要素220を備える。プラス1及びマイナス1の回折次数227、228は、レンズ213によってコリメートされ、集光光学系の反射要素220によって互いに向けて反射される。
【0025】
[0030] センサ装置200は、集められた測定放射225に少なくとも部分的に依存してターゲット205の位置を決定するように構成された、測定システム230を更に備える。
図2の例において、測定システム230は、ビームスプリッタ231、1対のフォーカス要素236、237、及び1対のフォトディテクタ232、234を備える。1対のフォトディテクタ232、234は、プロセッサ235と通信する。ビームスプリッタ231は、プラス1の回折次数227のうちの少なくともいくつかが第1のフォーカス要素236及び第1のフォトディテクタ232上に入射し、プラス1の回折次数227のうちの少なくともいくつかが第2のフォーカス要素237及び第2のフォトディテクタ234上に入射するように、プラス1の回折次数227を分割する。ビームスプリッタ231は、マイナス1の回折次数228のうちの少なくともいくつかが第1のフォトディテクタ232上に入射し、マイナス1の回折次数238のうちの少なくともいくつかが第2のフォトディテクタ234上に入射するように、マイナス1の回折次数228も分割する。
【0026】
[0031] したがって、ビームスプリッタ231は、プラス1の回折次数227及びマイナス1の回折次数228の各々の一部を、第1及び第2のフォトディテクタ232、234の各々に誘導する。特に、ビームスプリッタ231は、プラス1の回折次数227及びマイナス1の回折次数228の各々の一部を、それらの間の第1の相対位相と共に第1のフォトディテクタ232に誘導し、プラス1の回折次数227及びマイナス1の回折次数228の各々の一部を、それらの間の第2の相対位相と共に第2のフォトディテクタ234に誘導する。このようにして、測定システム230は、マッハツェンダー干渉計と同様に挙動する。フォトディテクタ232、234は、プラス1の回折次数227とマイナス1の回折次数228との間に結果として生じる干渉の強度を測定し、対応する測定信号を発生させるように、構成される。
【0027】
[0032] 一般に、回折格子からの散乱の結果生じる各個別回折ビームの位相は、回折格子に対する入射放射ビームの位置に依存する。入射放射ビームのビームスポットが回折格子を介してスキャンされる場合、形成される回折ビームの位相は変化することになる。
【0028】
[0033] 作動システム(図示せず)は、放射ビーム215がターゲット205上に入射する間に、基板Wとセンサ装置200との間に相対運動を発生させるように構成される。結果として、干渉パターン240が発生し、基板Wとセンサ装置200との間の相対運動で発振する。プロセッサ235は、干渉パターン240を示す測定信号を受信し、測定信号に依存してターゲット205の位置を決定するように構成される。プロセッサ235は、例えば、干渉パターン240の位相オフセットを決定し、それによって、ターゲット205とセンサ装置200との間の位置オフセットを決定するように構成することができる。干渉パターン240の位相オフセットを決定することは、干渉パターン240上で位相フィットを実行することを含むことができる。位相フィットは、例えば、最小二乗フィット又はフーリエ分解などの、任意の適切なフィッティング方法を実行することを含むことができる。位相オフセットは、ターゲット205の位置を決定するために使用される。
【0029】
[0034] 基板Wのターゲット205の決定される位置は、測定された回折次数227、228の位相及び強度分布に依存する。回折次数227、228の位相及び強度分布は、複数の誤差源の影響を受ける可能性がある。誤差源は、例えば、ターゲット205の変形及び/又は非対称、基板Wの厚み及び/又は材料層の変動、局所高さ及び傾きの変動、フォーカス誤差(例えば、基板Wの意図せぬ傾斜及び/又は光学システムのテレセントリック性)、及び/又は、センサ装置200の光学素子212、220の光学収差を含むことができる。誤差源の少なくともいくつかは、経時的に変化し得る。誤差源は、結果として生じる干渉パターン240のシフトを生じさせる可能性がある。次に、こうしたシフトは、ターゲット205の位置におけるシフトとしてプロセッサ235によって解釈される。したがって、誤差源によって生じる干渉パターン240におけるシフトは、既知のセンサ装置200を使用して実行される測定の確度に悪影響を与える。例えば、誤差源によって生じる干渉パターン240のシフトは、結果としてターゲット位置測定誤差を生じさせる可能性がある。ターゲット位置測定誤差は、その後基板W上で実行されるリソグラフィプロセスに悪影響を与える可能性がある。例えば、基板Wは、後続のリソグラフィ露光の間にリソグラフィ装置の露光放射とずれが生じる可能性があり、結果として、リソグラフィ装置によって欠陥デバイスが製造されることになる。
【0030】
[0035] 本システムに対する制限は、プロセス変動と内部センサ誤差との間の結合に起因した確度に対する制限を含む。アライメントマークから反射される回折次数の角度成分は、基板の層の厚み及び/又は基板の層を作るために使用される材料に依存する。基板の厚み及び/又は材料層の変動が、回折次数の角度成分の再重み付けを生じさせる。これは、瞳面内の回折次数の変位として(1次数に)近似することができる。変位した回折次数は、較正の間に決定される収差とは異なるセンサ収差に起因して、位相オフセットをピックアップすることになる。この結果、プロセスに依存したアライメントされた位置誤差が生じる。対応するアライメント位置誤差を補正するために、回折次数の角度成分の測定が使用される。
【0031】
[0036] 局所高さ及び傾きにおける変動は、較正不可能なアライメント位置誤差の追加源である。局所高さ及び傾きを測定することは、対応するアライメント位置誤差を補正するために使用可能である。
【0032】
[0037] 一実施形態の一態様に従い、メトロロジシステムは、異なるロケーションにおける光モジュール内部の回折次数特性のハイパースペクトル測定を取得するように構成される。複数の面における回折次数の空間及びスペクトル成分の測定は、プロセス誘起アライメント位置誤差を補正するために使用される。測定は、すべてのスペクトルチャネルに対して同時である。
【0033】
[0038] 一実施形態の一態様に従い、ハイパースペクトルメトロロジシステムは、構成可能空間光変調器、マルチモードファイバ、及び、多くのスペクトル帯域にわたる特定の空間情報を抽出するためのスペクトルデマルチプレクサを含む。この概念は、任意のハイパースペクトル結像適用例に拡張可能である。適用例に応じて、放射照度分布は、ゼルニケ関数、2進ウェーブレット変換、HAARなどの、正規直交基底関数を使用して変調される。
【0034】
[0039] 瞳における回折次数重心シフトのハイパースペクトル検出は、センサ誤差とプロセス変動との間の結合によって誘起される、アライメント誤差の補正を実行可能にすることができる。±1次回折次数間の反対称シフトのハイパースペクトル検出は、マーク非対称の補正を実行可能にすることができる。
【0035】
[0040] 回折次数の放射照度分布は、通常、放射相称である。これは、ゼルニケ多項式を使用してより良く説明される。ゼルニケ多項式は、単位円上で正規直交である。ゼルニケ多項式は、通常、極座標(ρ,φ)で定義され、ρは0から1の範囲の動径座標であり、φは0から2πの範囲のアジマス成分である。回折次数の放射照度分布は、これらの直交多項式内への線膨張として表すことができる。この表現は連続しており、明視野を介した様々なスライスを再構築するために必要な積分の計算を容易にする。
【0036】
[0041]
図3では、数字500は放射照度分布を示し、その空間及びスペクトル成分が測定されることになる。レンズ510は、放射照度分布を構成可能空間光変調器530上に再結像する。オブジェクト500の放射照度分布がI(ρ,φ)である場合、積I(ρ,φ,λ)Z
i(ρ,φ)は、構成可能空間光変調器530によって元の放射照度分布に適用されるアポダイゼーション(Z
i)と等価である。レンズ540は、空間光変調器530において変調された放射照度分布をマルチモードファイバ550に結合する。変調された放射照度分布をマルチモードファイバ550に再結像することは、以下の積分ステップと等価である。
【0037】
【0038】
[0043] スペクトロメータ560は、放射照度分布に対する各スペクトルチャネルの寄与(本例では、ゼルニケ係数)を抽出する。空間光変調器の速度は、元の放射照度分布を多くのスペクトル成分に分解することを実行可能にする。構成可能空間光変調器は、例えばデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、液晶デバイス(LCD)、液晶オンシリコン(LCoS)、マイクロ電気機械システム(MEMS)、又は同様のデジタル光処理システムを使用して、実施可能である。特定の実施例において、空間光変調器はコンスタントアポダイザに置き換えられ、そのアポダイゼーションは低次多項式として記述される。
【0039】
[0044] 本質的には、単一モードファイバ550は放射照度分布を積分する。次いでスペクトロメータ(例えば、デマルチプレクサ及びフォトディテクタとして実施される)は、各スペクトルチャネルについてのプロファイルに対する寄与を抽出するために、積分された放射照度プロファイルを分解することができる。例えば、放射照度分布は、正規基底関数の重畳(線形結合)とみなすことが可能であり、またデマルチプレクサは、分布全体への個々の寄与を決定するために、基底関数の各々の係数を見つけることができる。
【0040】
[0045]
図4は、回折次数の角度スペクトルにおける変動を検出するためのメトロロジシステムを示す。光源600は、スポットミラー620によって反射され、ウェーハW上に衝突する、照明ビーム610を発生させる。照明ビーム610はウェーハW上のターゲットによって回折され、回折次数227及び228は、レンズ640及び光学系650を含む対物レンズ系630によって集光される。ビームスプリッタ660は、光をメトロロジチャネルへと方向転換する。リレーシステム670は、回折次数を変調する空間光変調器680に瞳面をリレーする。次いで、変調された回折次数は瞳ディバイダ690によって分割される。光学系700、720は、変調された回折次数を、それぞれ視野絞り710及び730の背後のマルチモード出力ファイバ内に結合する。マルチモード出力ファイバ740は光をスペクトロメータ750にリレーし、スペクトロメータ750は光をスペクトル分布760内のスペクトル成分に分離する。ディテクタアレイ770は、各色から強度を検出する。測定された回折次数の角度スペクトルは、異なるスペクトルチャネルにおけるアライメント位置誤差のプロセス変動を補正するために使用される。
【0041】
[0046]
図5は、局所高さ及び傾きを測定するためのメトロロジシステムを示す。前の実施形態と同様に、光源600は、スポットミラー620によって反射され、ウェーハW上に衝突する、照明ビーム610を発生させる。照明ビーム610はウェーハW上のターゲットによって回折され、プラス及びマイナスの1次回折次数227及び228は、レンズ640及び光学系650を含む対物レンズ系630によって集光される。ビームスプリッタ660は、レンズ800、空間光変調器810、レンズ820、及び、回折次数を分割する瞳ディバイダ630を含む、第1のメトロロジチャネルへと光を方向転換する。光学システム840は、視野絞り850及び870の後に位置するマルチモード出力ファイバ上に変調された回折次数を再結像する。ファイバ740は、前述のように、スペクトロメータ750及びセンサ760上に光をリレーする。
図5の配置は、直交偏光の回折次数を第2のメトロロジチャネル890内へ方向転換させる、ピックオフミラー880も含む。こうした配置を使用する、回折次数変位のハイパースペクトル検出は、局所高さ及び傾きに関する。局所高さ及び傾きの知識は、対応するアライメント位置誤差の補正を実行可能にする。
【0042】
[0047] 一実施形態の別の態様に従い、放射照度分布からスペクトル情報を抽出する方法が、
図6のフローチャートに示される。ステップS10において、ターゲットを照射することから回折次数が集光される。ステップS20において、回折次数は、回折次数を集光するように配置された光学システムの瞳面内で変調される。ステップS30において、変調された回折次数は、これを、マルチモードファイバなどのソリッドステート光デバイス内に結合することによって集積される。ステップS40において、集積された変調回折次数のスペクトル成分は、例えば、デマルチプレクサ及びフォトディテクタとして実施可能なスペクトロメータによって決定される。
【0043】
[0048] 実施形態は、下記の条項を使用して更に説明することができる。
1.基板上のアライメントマークのパラメータを測定するための装置であって、
アライメントマークから少なくとも1つの回折次数を受け取るように配置され、変調された回折次数を生成するために、光学システムの瞳面及び/又はアライメントマーク面と共役な面において、少なくとも1つの回折次数の放射照度分布を変調するための構成可能空間光変調器を含む、光学システムと、
変調された回折次数を受け取るように配置されたソリッドステート光デバイスと、
を備える、装置。
2.ソリッドステート光デバイスから変調された回折次数を受け取るように配置され、及び、変調された回折次数における1つ以上のスペクトル成分の強度を決定するように配置された、スペクトロメータを更に備える、条項1に記載の装置。
3.回折次数は1次回折次数である、条項1又は2に記載の装置。
4.構成可能空間光変調器は、低次多項式として特徴付けられるアポダイゼーションを実行するコンスタントアポダイザを備える、条項1から3のいずれか一項に記載の装置。
5.構成可能空間光変調器は、デジタルマイクロミラーデバイスを備える、条項1から3のいずれか一項に記載の装置。
6.構成可能空間光変調器は、液晶デバイスを備える、条項1から3のいずれか一項に記載の装置。
7.構成可能空間光変調器は、液晶オンシリコンデバイスを備える、条項1から3のいずれか一項に記載の装置。
8.構成可能空間光変調器は、マイクロ電気機械システムを備える、条項1から3のいずれか一項に記載の装置。
9.構成可能空間光変調器は、少なくとも1つの正規基底関数に従って回折次数を整形する、条項1から3のいずれか一項に記載の装置。
10.スペクトロメータは、複数のダイクロイックミラー及び複数のフォトディテクタを備える、条項2に記載の装置。
11.スペクトロメータはデマルチプレクサを備え、デマルチプレクサは少なくとも1つの基底関数の係数を抽出する、条項2に記載の装置。
12.スペクトロメータは、デマルチプレクサ及びフォトディテクタを備える、条項2に記載の装置。
13.ソリッドステート光デバイスは、マルチモード光ファイバを備える、条項1から12のいずれか一項に記載の装置。
14.パラメータは、アライメントマークにおいて非対称である、条項1から13のいずれか一項に記載の装置。
15.パラメータは、瞳又はウェーハ共役面で測定される回折次数の角度成分における変動である、条項1から13のいずれか一項に記載の装置。
16.変動は、回折次数放射照度分布の重心における変位である、条項16に記載の装置。
17.パラメータは、アライメントマークにおける傾斜の量である、条項1から13のいずれか一項に記載の装置。
18.パラメータは、アライメントマークの位置における高さ変動である、条項1から13のいずれか一項に記載の装置。
19.基板上のアライメントマークのパラメータを測定する方法であって、
少なくとも1つの回折次数を発生させること、及び、
瞳又はウェーハ共役面内の回折次数を変調すること、
を含む、方法。
20.回折次数を集積するためにソリッドステート光デバイスを使用するステップ、及び、
回折次数のスペクトル成分を決定するステップ、
を更に含む、条項19に記載の方法。
21.回折次数は1次回折次数である、条項19に記載の方法。
22.変調ステップは、空間光変調器によって実行される、条項19から21のいずれか一項に記載の方法。
23.変調ステップは、デジタルマイクロミラーデバイスによって実行される、条項19から21のいずれか一項に記載の方法。
24.変調ステップは、液晶デバイスによって実行される、条項19から21のいずれか一項に記載の方法。
25.変調ステップは、液晶オンシリコンデバイスによって実行される、条項19から21のいずれか一項に記載の方法。
26.変調ステップは、マイクロ電気機械システムによって実行される、条項19から21のいずれか一項に記載の方法。
27.変調ステップは、少なくとも1つの正規基底関数に従って回折次数を整形することを含む、条項19から21のいずれか一項に記載の方法。
28.回折次数ソリッドステート光デバイスを集積するためにソリッドステート光デバイスを使用するステップは、マルチモード光ファイバを使用して実行される、条項17から25のいずれか一項に記載の方法。
29.回折次数のスペクトル成分を決定するステップは、少なくとも1つの基底関数の係数を抽出することを含む、条項20に記載の方法。
30.回折次数のスペクトル成分を決定するステップは、デマルチプレクサ及びフォトディテクタを備えるスペクトロメータによって実行される、条項20に記載の方法。
31.パラメータは、アライメントマークにおいて非対称である、条項17から30のいずれか一項に記載の方法。
32.パラメータは、瞳又はウェーハ共役面で測定される回折次数の角度成分における変動である、条項17から30のいずれか一項に記載の方法。
33.変動は、回折次数放射照度分布の重心における変位である、条項32に記載の方法。
34.パラメータは、アライメントマークにおける傾斜の量である、条項17から30のいずれか一項に記載の方法。
35.パラメータは、アライメントマークの位置における高さ変動である、条項17から30のいずれか一項に記載の方法。
【0044】
[0049] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。考えられる他の用途は、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイダンス及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。
【0045】
[0050] 本明細書ではリソグラフィ装置に関連して本発明の実施形態について具体的な言及がなされているが、本発明の実施形態は他の装置に使用することもできる。本発明の実施形態は、マスク検査装置、メトロロジ装置、又はウェーハ(あるいはその他の基板)もしくはマスク(あるいはその他のパターニングデバイス)などのオブジェクトを測定又は処理する任意の装置の一部を形成してよい。これらの装置は一般にリソグラフィツールと呼ばれることがある。このようなリソグラフィツールは、真空条件又は周囲(非真空)条件を使用することができる。
【0046】
[0051] 以上では光学リソグラフィと関連して本発明の実施形態の使用に特に言及しているが、本発明は、例えばインプリントリソグラフィなど、その他の適用例において使用されてもよく、文脈が許す限り、光学リソグラフィに限定されないことが理解されるであろう10。
【0047】
[0052] 文脈上許される場合、本発明の実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの任意の組み合わせにおいて実装することができる。本発明の実施形態は、1つ以上のプロセッサにより読み取られて実行され得る、機械可読媒体に記憶された命令として実装することも可能である。機械可読媒体は、機械(例えばコンピューティングデバイス)により読み取り可能な形態で情報を記憶又は伝送するための任意の機構を含むことができる。例えば機械可読媒体は、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、電気、光、音響又は他の形態の伝搬信号(例えば搬送波、赤外信号、デジタル信号など)、及び他のものを含むことができる。さらに、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令は、特定のアクションを実行するものとして本明細書で説明されることがある。しかしながら、そのような説明は単に便宜上のものであり、そのようなアクションは実際には、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令などを実行するコンピューティングデバイス、プロセッサ、コントローラ、又は他のデバイスから生じ、実行する際、アクチュエータ又は他のデバイスが物質世界と相互作用し得ることを理解すべきである。
【0048】
[0053] 以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることは理解されよう。上記の説明は例示的であり、限定的ではない。したがって、請求の範囲から逸脱することなく、記載されたような本発明を変更できることが当業者には明白である。