(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-05
(45)【発行日】2023-10-16
(54)【発明の名称】処理チャンバにおける流量制御の改善のための装置
(51)【国際特許分類】
C23C 16/44 20060101AFI20231006BHJP
C23C 16/455 20060101ALI20231006BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20231006BHJP
【FI】
C23C16/44 B
C23C16/455
H01L21/31 B
(21)【出願番号】P 2021570234
(86)(22)【出願日】2020-05-28
(86)【国際出願番号】 US2020034904
(87)【国際公開番号】W WO2020243289
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2022-01-20
(32)【優先日】2019-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ムスタファ, ムハンナド
(72)【発明者】
【氏名】ラシード, ムハンマド エム.
【審査官】西田 彩乃
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-244244(JP,A)
【文献】特開2011-146434(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0001848(US,A1)
【文献】特表2016-536797(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0261176(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 16/44
C23C 16/455
H01L 21/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理チャンバ用のポンプライナーであって、
内部周壁と、外部周壁と、上部と、下部とを有するリング型の本体と;
環状上部チャネルであって、前記外部周壁の前記上部に形成され、前記環状上部チャネルと前記内部周壁の前記上部との間に流体連結を提供する複数の円周方向に離間された開口部を有し、前記複数の開口部が高さを有し、前記開口部のそれぞれが独立した幅を有する、環状上部チャネルと;
パーティションによって前記環状上部チャネルから分離された前記外部周壁の前記下部の下部チャネルであって、前記パーティション内の少なくとも一つの通路を通じて前記上部チャネルと流体連結している下部チャネルと;
前記内部周壁から前記外部周壁へ延びる前記本体の前記下部のスリットバルブ開口部と;
を含
み、前記開口部の前記幅が、最大幅と最小幅の間で変化し、前記最小幅が前記パーティション内の前記通路に隣接しており、前記開口部が長方形の形をしている、ポンプライナー。
【請求項2】
前記開口部の前記高さが、0.1インチから0.8インチの範囲である、請求項1に記載のポンプライナー。
【請求項3】
前記開口部の前記高さが、0.2インチから0.6インチの範囲である、請求項
2に記載のポンプライナー。
【請求項4】
前記上部チャネルの前記
外部周壁が、前記下部チャネルの前記
外部周壁の半径方向距離よりも小さい、前記リング型の本体の中心からの半径方向距離を有する、請求項1に記載のポンプライナー。
【請求項5】
前記スリットバルブ開口部が、半導体ウエハがそれを通って移動することを可能にするのに十分な幅を有する、請求項1に記載のポンプライナー。
【請求項6】
前記スリットバルブ開口部が、半導体ウエハを支持するロボットエンドエフェクタがそれを通って移動することを可能にするのに十分な高さを有する、請求項
5に記載のポンプライナー。
【請求項7】
前記外部周壁内の前記スリットバルブ開口部が、前記リング型の本体の100度から140度の範囲で延びる、請求項1に記載のポンプライナー。
【請求項8】
前記下部チャネルが、150度から250度の範囲で前記外部周壁の周りに延びる、請求項1に記載のポンプライナー。
【請求項9】
前記下部チャネルが、200度から225度の範囲で前記外部周壁の周りに延びる、請求項
8に記載のポンプライナー。
【請求項10】
4個から256個の範囲の開口部がある、請求項
1に記載のポンプライナー。
【請求項11】
36個から144個の範囲の開口部がある、請求項
10に記載のポンプライナー。
【請求項12】
2個から24個の範囲の異なるサイズの開口部がある、請求項
10に記載のポンプライナー。
【請求項13】
4個から12個の範囲の異なるサイズの開口部がある、請求項
12に記載のポンプライナー。
【請求項14】
前記パーティション内の前記通路が、前記外部周壁に面する凹面を有する円弧型のセグメントである、請求項1に記載のポンプライナー。
【請求項15】
処理チャンバであって、
ガス分配アセンブリと;
前記ガスアセンブリに面する支持表面を有する基板支持体と;
請求項1に記載のポンプライナーと;
を含む処理チャンバ。
【請求項16】
処理チャンバ用のポンプライナーであって、
内部周壁と、外部周壁と、上部と、下部とを有するリング型の本体と;
環状上部チャネルであって、前記外部周壁の前記上部に形成され、前記環状上部チャネルと前記内部周壁の前記上部との間に流体連結を提供する複数の円周方向に離間された長方形の開口部を有し、前記複数の開口部のそれぞれが0.2インチから0.6インチの範囲の同じ高さと、最大幅と最小幅の間で変化する独立した幅を有する、環状上部チャネルと;
パーティションによって前記環状上部チャネルから分離された前記外部周壁の前記下部の下部チャネルであって、前記パーティション内の少なくとも一つの通路を通じて前記上部チャネルと流体連結している下部チャネルと;
前記内部周壁から前記外部周壁へ延びる前記本体の前記下部のスリットバルブ開口部であって、前記外部周壁の前記スリットバルブ開口部が、100度から140度の範囲で第1の側面から第2の側面へ延びる、スリットバルブ開口部と;
を含み、
4個から12個の範囲の異なるサイズの開口部があり、前記最小幅が前記パーティション内の前記通路に隣接している、
ポンプライナー。
【請求項17】
処理チャンバであって、
ガス分配アセンブリと;
前記ガス分配アセンブリに面する支持表面を有する基板支持体と;
請求項
16に記載のポンプライナーと;
を含む処理チャンバ。
【請求項18】
処理チャンバからガスを除去する方法であって、
内部周壁と、外部周壁と、上部と、下部とを有するリング型の本体を含むポンプライナーの下部に減圧を適用して、円周方向に離間された開口部を通じて前記内部周壁内からガスを引き出し、前記本体の前記外部周壁の前記上部に形成された環状上部チャネル中に引き入れて、前記上部と前記下部とを分離するパーティション内の通路に通して、前記外部周壁の前記下部の下部チャネル内に流すことを含み、
前記複数の円周方向に離間された開口部が、等しい高さと、最も狭い幅から最も広い幅まで変化する独立した幅と有し、前記最も狭い幅が、前記パーティション内の前記通路に隣接
し、
前記開口部が長方形の形をしている、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施態様は、電子デバイス製造の分野に関する。より具体的には、本開示の実施態様は、処理チャンバにおける流量制御を改善するための装置を対象とする。
【背景技術】
【0002】
[0002]さまざまな処理チャンバ、例えば、原子層堆積(ALD)チャンバ及び化学気相堆積(CVD)チャンバは、ポンプライナーを使用して、反応ガスを基板表面に隣接する反応空間にとどめる。ポンプライナーは、反応空間内にガスを有し、反応空間からのガスの迅速な排気を可能にすることに役立つ。ポンプライナーは、複数の開口部を含み、反応ガスがライナーを通って流れて排気できるようにする。ポンプポートは、他の開口部よりも一部の開口部に近い。例えば、ポンプポートがリング型のライナーの片側にある場合、ポンプポートに直に隣接するライナーの開口部は、ライナーの反対側の開口部よりも近い。異なる距離を補正するために、現在の処理チャンバライナーは、ポンピングポートに向かうガスの流れをチョークするための可変サイズの開口部を有する。ポンプポートに最も近い開口部は、ポンプポートからさらに離れた開口部よりも小さい。
【0003】
[0003]可変の孔サイズを有する現在のポンピングライナーは、より小さな孔によってポンピングポートに向かうガスの流れをチョークし、より大きな孔を通ってライナーの側面に向かうより多くの流れを可能にして、処理空間内の流れ圧力分布を最適化するために使用される。孔は円形であるため、孔の面積の増加によって、孔の高さ及び幅の両方が増加する。孔の一部が覆われている、例えば、孔の下半分が覆われている状況では、孔の面積関係は非線形に変化する。これは、異なるプロセスごとに処理空間が異なるため、流れ特性の拡張性及び一貫性に悪影響を与える可能性がある。
【0004】
[0004]したがって、当該技術分野では、処理空間にガスの均一な流れを提供するための装置及び方法が必要である。
【発明の概要】
【0005】
[0005]本開示の一又は複数の実施態様は、処理チャンバ用のポンプライナーを対象とする。ポンプライナーは、内部周壁と、外部周壁と、上部と、下部とを有するリング型の本体を含む。外部周壁の上部内には環状上部チャネルが形成され、その環状上部チャネルは、環状上部チャネルと内部周壁の上部との間の流体連結を提供する、円周方向に離間された複数の開口部を有する。複数の開口部は、高さを有し、開口部のそれぞれは、独立した幅を有する。パーティションによって環状上部チャネルから分離された外部周壁の下部には、下部チャネルがある。下部チャネルは、パーティション内の少なくとも一つの通路を通じて上部チャネルと流体連結している。内部周壁から外部周壁へ延びる本体の下部には、スリットバルブ開口部がある。
【0006】
[0006]本開示の追加の実施態様は、処理チャンバ用のポンプライナーを対象とする。ポンプライナーは、内部周壁と、外部周壁と、上部と、下部とを有するリング型の本体を含む。外部周壁の上部内には環状上部チャネルが形成され、その環状上部チャネルは、環状上部チャネルと内部周壁の上部との間の流体連結を提供する、円周方向に離間された複数の長方形の開口部を有する。複数の開口部のそれぞれは、0.2インチから0.6インチの範囲の同じ高さと、最大幅と最小幅の間で変化する独立した幅とを有する。パーティションによって環状上部チャネルから分離された外部周壁の下部には、下部チャネルがある。下部チャネルは、パーティション内の少なくとも一つの通路を通じて上部チャネルと流体連結している。内部周壁から外部周壁へ延びる本体の下部には、スリットバルブ開口部がある。外部周壁のスリットバルブ開口部は、100度から140度の範囲で第1の側面から第2の側面へ延びる。4から12の異なるサイズの開口部には、パーティションの通路に隣接する最小幅がある。
【0007】
[0007]本開示のさらなる実施態様は、処理チャンバからガスを除去する方法を対象とする。内部周壁と、外部周壁と、上部と、下部とを有するリング型の本体を含むポンプライナーの下部には減圧が適用されて、円周方向に離間された開口部を通じて内部周壁内からガスを引き出し、本体の外部周壁の上部に形成された環状上部チャネル中に引き入れて、上部と下部とを分離するパーティション中の通路を通じて流して、外部周壁の下部の下部チャネル中に流す。複数の円周方向に離間された開口部は、等しい高さと、最も狭い幅から最も広い幅まで変化する独立した幅とを有し、最も狭い幅はパーティション中の通路に隣接している。
【0008】
[0008]本開示の上述の特徴を詳細に理解し得るように、上記で簡単に要約された本開示のより具体的な説明が、実施態様を参照することによって得られ、一部の実施態様は、添付の図面に例示されている。しかし、添付の図面は本開示の典型的な実施態様のみを示すものであり、従って、本開示の範囲を限定するものと見做されず、本開示が他の等しく有効な実施態様も許容し得ることに留意されたい。本書に記載の実施態様では、限定ではなく例示のために添付図面を用いて記載されており、図面においては同様の要素は類似の参照符号で示されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】[0009]本開示の一又は複数の実施態様による、ポンピングライナーの等角図を示す。
【
図2】[0010]異なる角度で見た
図1のポンピングライナーを示す。
【
図3】[0011]
図1の領域IIIの拡大図である。
【
図4】[0012]
図2の領域IVの拡大図である。
【
図5】[0013]本開示の一又は複数の実施態様による、ポンピングライナーを組み込んだ処理チャンバの等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0014]本開示のいくつかの例示的な実施態様を説明する前に、本開示が以下の説明で提示される構成又は処理ステップの詳細に限定されないことを理解されたい。本開示は、他の実施態様も可能であり、さまざまな方法で実施又は実行することができる。
【0011】
[0015]本書で使用する「基板」とは、製造プロセス中に膜処理が実行される任意の基板又は基板上に形成された材料表面のことを指す。例えば、処理が実行され得る基板表面には、用途に応じて、シリコン、酸化シリコン、ストレインドシリコン、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)、炭素がドープされた酸化シリコン、アモルファスシリコン、ドープされたシリコン、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、ガラス、サファイアなどの材料、並びに金属、金属窒化物、金属合金、及びその他の導電材料などの任意の他の材料が含まれる。基板は、半導体ウエハを含むが、それに限定されるわけではない。基板表面を研磨し、エッチングし、還元し、酸化させ、ヒドロキシル化し、アニールし、かつ/又はベイクするために、基板は前処理プロセスに曝露されることがある。本開示では、基板自体の表面に直接的に膜処理を行うことに加えて、開示されている膜処理工程のうちの任意のものが、より詳細に後述するように、基板に形成された下層に実施されることもある。「基板表面(substrate surface)」という語は、文脈に示唆されるこのような下層を含むことを意図している。したがって、例えば、膜/層又は部分的な膜/層が基板表面に堆積している場合には、新たに堆積した膜/層の露出面が基板表面となる。
【0012】
[0016]「前駆体」、「反応物質」、「反応性ガス」などの用語は、本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、基板表面と反応することができる任意のガス種を指すために、交換可能に使用される。
【0013】
[0017]本開示の一又は複数の実施態様は、さまざまなスリット開口部を有するポンピングライナーを対象とする。いくつかの実施態様は、シャワーヘッドとウエハとの間のさまざまな処理間隔に対してより良好な前駆体流れ分布を有利に提供する。いくつかの実施態様は、幅に沿ってのみ変化し、一定の高さを有するスリットタイプの開口部を有利に提供する。いくつかの実施態様は、さまざまな反応空間サイズで流れチョーク効果を有しないポンピングライナーを有利に提供する。
【0014】
[0018]円形の開口部を有する現在のポンピングライナーは、開口部の水平寸法又は垂直寸法のいずれかを変化させることによって制御することはできない。本開示のいくつかの実施態様は、ポンピングライナーのスリットの高さがポンピングポートの位置に関係なく同じであるため、孔の幅を変えるだけで流れ分布を調整できるポンピングライナーを有利に提供する。
【0015】
[0019]スリットタイプのポンピングライナーでは、開口部は、流れ圧力分布の歪度に基づいて幅に沿ってのみ変化する。すべてのスリット開口部の高さは同じままである。さまざまな処理間隔(ウエハとシャワーヘッドとの間の距離)では、ライナー開口部は、円形の孔と異なり、開口部のすべてについて垂直方向に沿って同じになる。スリットタイプのライナー開口部は、さまざまな処理間隔で流れチョーク効果を有しない。さまざまな実施態様のポンピングライナーは、より小さな処理空間が使用される多くの種類の処理チャンバで使用され得る。
【0016】
[0020]
図1及び2は、本開示の一又は複数の実施態様による、処理チャンバのポンプライナー100の平行投影図を示す。ポンプライナー100は、内部101を取り囲むリング型の本体102を含む。リング型の本体102は、頂部104と、底部106と、内部周壁108と、外部周壁110とを有する。本体は、パーティション116によって分離された上部112と下部114とを有する。
【0017】
[0021]外部周壁110の上部112には、環状上部チャネル120が形成される。いくつかの実施態様の環状上部チャネル120は、本体102の周りに360度延びる。図に示される環状上部チャネルは、本体102の頂部104の底面103と、パーティション116の頂面117とに接している。上部チャネル120の外部周辺面(外壁121)は、上部チャネル120の深さを画定する外部周壁110からの距離、凹んでいる。
【0018】
[0022]上部チャネル120は、環状上部チャネル120と内部周壁108の上部112との間に流体連結を提供する複数の円周方向に離間された開口部130を有する。いくつかの実施態様では、複数の開口部130のそれぞれは、同じ高さHを有する(
図3及び4を参照)。いくつかの実施態様では、開口部130のそれぞれは、独立した幅Wを有する(
図3及び4にも示される)。
【0019】
[0023]
図1及び2に戻ると、ポンプライナー100は、外部周壁110の下部114に下部チャネル140を含む。下部チャネル140は、パーティション116によって環状上部チャネル120から分離されている。下部チャネル140の高さは、パーティション116の下面118と本体の底部106の上面107との間の距離によって画定される。下部チャネル140の外部周辺面(外壁141)は、下部チャネル140の深さを画定する外部周壁110からの距離、凹んでいる。
【0020】
[0024]示された実施態様では、上部チャネル120の外壁121は、下部チャネル140の外壁141の半径方向距離DLよりも小さい、リング型の本体102の中心105からの半径方向距離DUを有する。言い換えれば、いくつかの実施態様では、上部チャネル120の深さは、下部チャネル140の深さよりも大きい。当業者は、図面にマークされた中心105は、実際の物理的な点ではなく、リング型の本体102の半径方向の中心であることを認識するであろう。
【0021】
[0025]いくつかの実施態様では、上部チャネル120の外壁121は、下部チャネル140の外壁141の半径方向距離DLに等しいか又はそれよりも大きい、リング型の本体102の中心105からの半径方向距離DUを有する。言い換えれば、いくつかの実施態様では、上部チャネル120の深さは、下部チャネル140の深さに等しいか又はそれよりも大きい。
【0022】
[0026]下部チャネル140は、パーティション116内の少なくとも一つの通路150を通じて上部チャネル120と流体連結している。通路150は、通路150を通るガスの十分な伝導を可能にするのに、任意の適切な形及びサイズであり得る。いくつかの実施態様では、パーティション116内の通路150は、外部周壁110に面する凹面152を有する円弧型のセグメント151である。
【0023】
[0027]開口部130は、ポンプライナー100の内部101のガスが上部チャネル120内へ入ることを可能にする。開口部130のサイズは、さまざまな角度位置で開口部130を通るガスの伝導を変えるために変化し得る。例えば、通路150に隣接する開口部130は、通路150からさらに離れた開口部よりも小さい可能性がある。
【0024】
[0028]いくつかの実施態様の開口部130は、長方形の形をしている。このように使用される場合、「長方形」という用語は、平行な辺の各セットが他の平行な辺のセットに垂直であるように、平行な辺の2つのセットを有する四辺形を意味する。一又は複数の実施態様による長方形は、丸まった角、又は90度、もしくは85~95度、もしくは87~93度、もしくは88~92度、もしくは89~91度の交差角度を有する角を有する。
【0025】
[0029]
図3及び4を参照すると、いくつかの実施態様によれば、開口部130の幅Wは、最大幅W
Lと最小幅W
Sの間で変化する。いくつかの実施態様では、最小幅WSは、パーティション116内の通路150に隣接している。開口部130の高さHは実質的に同じである。つまり、任意の開口部130の高さは、開口部130の平均高さの5%、2%、1%、又は0.5%内である。いくつかの実施態様では、開口部130の高さHは、0.1インチから0.8インチの範囲、又は0.2インチから0.6インチの範囲、又は0.25インチから0.55インチの範囲である。
【0026】
[0030]ガスの伝導を制御できるよう、開口部130の数を変えることができる。いくつかの実施態様では、4個から256個の範囲の開口部、又は36個から144個の範囲の開口部がある。いくつかの実施態様では、4個、8個、16個、24個、30個、36個、48個、60個、72個、84個、90個、120個、150個、又は180個以上の開口部がある。
【0027】
[0031]いくつかの実施態様の開口部130は、異なるサイズのグループで配置されている。例えば、通路150に隣接する開口部のグループは、同じ最小幅WSを有し得、通路から90度中心にある開口部のグループは同じ最大幅WLを有し得る。いくつかの実施態様では、2個から24個の範囲の異なるサイズの開口部、又は3個から18個の範囲の開口部、又は4個から12個の範囲の開口部、又は6個から10個の範囲の開口部がある。
【0028】
[0032]
図1及び2に戻ると、いくつかの実施態様のポンプライナー100は、本体102の下部114にスリットバルブ開口部170を含む。スリットバルブ開口部170は、本体102を通って内部周壁108から外部周壁110へ延びる。スリットバルブ開口部170は、底面171と、側面172と、頂面173とを有する。側面172は、第1の側面及び第2の側面とも称される。
【0029】
[0033]いくつかの実施態様では、スリットバルブ開口部170は、半導体ウエハがそれを通って移動することを可能にするのに十分な幅を有する。例えば、処理されている半導体ウエハが300mmの直径を有する場合、スリットバルブ開口部170の幅は、最も近いポイント間で少なくとも300mmである。いくつかの実施態様では、スリットバルブ開口部170は、半導体ウエハを支持するロボットエンドエフェクタがそれを通って移動することを可能にするのに十分な高さを有する。
【0030】
[0034]いくつかの実施態様では、外部周壁110のスリットバルブ開口部170は、リング型の本体102の80度から180度の範囲、又は90度から160度の範囲、又は100度から140度の範囲で延びる。いくつかの実施態様では、下部チャネル140は、150度から250の範囲、又は200度から225度の範囲で、外部周壁110の周りに延びる。
【0031】
[0035]
図5を参照すると、本開示の一又は複数の実施態様は、本明細書に記載のポンプライナー100を含む処理チャンバ200を対象とする。処理チャンバ200は、ガス分配アセンブリ220と、ガス分配アセンブリに面する指示表面を有して処理中に基板230を指示する基板支持体210とを有する。ポンプライナー100は、ガス分配アセンブリ220と基板支持体210の周り及び/又は間にある。
【0032】
[0036]本開示の一又は複数の実施態様は、処理チャンバからガスを除去する方法を対象とする。
図1から4に示すように、ポンプライナー100の下部には減圧が適用される。減圧は、真空ポンプを含むがこれに限定されない、当業者に知られる任意の適切な技法又は装置を使用して適用される。減圧は、ガスを内部周壁内から引き出し、環状上部チャネル内の円周方向に離間された開口部を通って環状上部チャネルへ入れ、パーティション内の少なくとも一つの通路を通って、ライナーの下部の下部チャネルへ引き入れる。
【0033】
[0037]上述の明細書では、本開示の特定の例示の実施態様を参照しながら本開示の実施態様を説明してきた。以下の特許請求の範囲に記載されるように、本開示の実施態様のより広い主旨及び範囲から逸脱しない限り、本開示にさまざまな修正を加えることができることが明らかになろう。したがって、本明細書及び図面は、限定を意味するのではなく、例示を意味すると見なすべきである。