(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-06
(45)【発行日】2023-10-17
(54)【発明の名称】放射線治療装置
(51)【国際特許分類】
A61N 5/10 20060101AFI20231010BHJP
【FI】
A61N5/10 M
(21)【出願番号】P 2020530014
(86)(22)【出願日】2019-05-23
(86)【国際出願番号】 JP2019020395
(87)【国際公開番号】W WO2020012785
(87)【国際公開日】2020-01-16
【審査請求日】2022-05-10
(31)【優先権主張番号】P 2018129750
(32)【優先日】2018-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成29年度、国立研究開発法人日本医療研究開発機構、「未来医療を実現する医療機器・システム研究開発事業低侵襲がん診療装置研究開発プロジェクト」「微粒子腫瘍マーカとリアルタイム3次元透視を融合した次世代高精度粒子線治療技術の開発」委託研究開発、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】504173471
【氏名又は名称】国立大学法人北海道大学
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮本 直樹
(72)【発明者】
【氏名】梅垣 菊男
(72)【発明者】
【氏名】清水 伸一
(72)【発明者】
【氏名】富岡 智
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼尾 聖心
【審査官】羽月 竜治
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0143576(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0241497(US,A1)
【文献】特表2016-536035(JP,A)
【文献】特表2015-535434(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照射対象に存在するランドマークを検出する検出手段と、
治療計画時において予め取得した、前記ランドマークを含む前記照射対象についての時間経過に従った複数の3次元CT画像の中における1つを基準画像として、前記基準画像におけるランドマーク位置から前記複数の3次元CT画像の中における前記基準画像以外の画像である他の3次元CT画像におけるランドマーク位置の変位と、前記他の3次元CT画像における各部位の変形との関係を記憶する記憶手段と、
前記照射対象に対し治療放射線を照射する治療時において、前記検出手段により検出した前記ランドマークの位置に応じ、前記関係を参照して、各部位の変形を推定し、推定された3次元CT画像を再生する3次元CT画像再生手段と、
を有する放射線治療装置。
【請求項2】
請求項1に記載の放射線治療装置であって、
さらに、
前記3次元CT画像再生手段により再生された3次元CT画像に基づいて、前記治療放射線の照射を制御する制御手段有する放射線治療装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の放射線治療装置であって、
前記ランドマークは金属マーカを含み、
前記検出手段は、前記金属マーカを検出するX線カメラを含む、
放射線治療装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1つに記載の放射線治療装置であって、
前記ランドマークは、照射対象の表面位置を含み、
前記検出手段は前記表面位置を検出する表面位置検出手段を含む、
放射線治療装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、放射線治療装置および放射線治療方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、放射線治療においては、患者の呼吸等に伴って移動するがん等の患部に対して、正常な部位の被曝を最小限に抑えつつ、放射線を照射することが求められている。このため、体内の患部近傍に留置されたマーカをリアルタイムでモニタし、マーカの3次元位置が計画領域にある場合にのみ放射線を照射する動体追跡放射線治療が行われている(特許文献1参照)。
【0003】
また、肝臓や肺などのがんに対する放射線治療において、呼吸により移動する患部に対して正確に放射線を照射する目的で、腹壁表面の動きをモニタして特定の呼吸位相(呼気位相や吸気位相など)で放射線を照射する方法も提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2000-167072号公報
【文献】特開2008-514352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1の動体追跡放射線治療においてモニタしているのはマーカの3次元位置のみであり、患部そのものや周辺臓器の構造は考慮できていない。また、特許文献2では呼吸位相あるいはがんの代表点位置のみを参照しており、がん周辺の臓器の3次元的な変形等は考慮できていない。実際には、マーカと患部の位置関係や、周辺臓器の構造が治療中に変化する。従って、より精度の高い患部位置(照射対象位置)への放射線照射のために、周辺臓器の状態についての検出が望まれる。
【0006】
また、体内での呼吸運動は日々変化するため、例えば、呼気における腫瘍の位置が治療計画CT撮影時とは異なる場合が散見される。このような場合、そのまま治療を継続してよいかすぐに判断することは難しく、現状では、呼吸運動が落ち着くまで時間をおく、あるいはCTを再撮像するなどの方策がとられており、これが治療時間増加の要因となっている。そこで、その時の状態に応じたCT画像を短時間で得ることが望まれる。
【0007】
さらに、粒子線治療においては、粒子線の飛程が周辺臓器の状況により大きく変化する。従って、治療計画時と治療時において、照射対象となる患部位置だけではなく、周辺臓器の状況も同じでなければ、所期の治療が行えない場合もある。そこで、がんの位置だけでなく、周辺臓器も含めた3次元構造をリアルタイムで評価することが可能となれば、限りなく治療計画時と近い状態で治療することで、より正確性が高まると考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る放射線治療装置は、照射対象に存在するランドマークを検出する検出手段と、治療計画時において予め取得した、前記ランドマークを含む前記照射対象についての時間経過に従った複数の3次元CT画像の中における1つを基準画像として、前記基準画像におけるランドマーク位置から前記複数の3次元CT画像の中における前記基準画像以外の画像である他の3次元CT画像におけるランドマーク位置の変位と、前記他の3次元CT画像における各部位の変形との関係を記憶する記憶手段と、前記照射対象に対し治療放射線を照射する治療時において、前記検出手段により検出した前記ランドマークの位置に応じ、前記関係を参照して、各部位の変形を推定し、推定された3次元CT画像を再生する3次元CT画像再生手段と、を有する。
【0009】
さらに、前記3次元CT画像再生手段により再生された3次元CT画像に基づいて、前記治療放射線の照射を制御する制御手段を有するとよい。
【0011】
前記ランドマークは金属マーカを含み、前記検出手段は、前記金属マーカを検出するX線カメラを含むとよい。
【0012】
前記ランドマークは、照射対象の表面位置を含み、前記検出手段は前記表面位置を検出する表面位置検出手段を含むとよい。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、ランドマークの検出によって得られた3次元CT画像を得ることができ、これを利用して適切な治療放射線の照射制御が行える。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施形態に係る放射線治療装置の構成を示す図である。
【
図2】SI方向におけるマーカ変位と変形の間の相関を明度で示したアキシャル方向のCT画像である。
【
図3】SI方向におけるマーカ変位と変形の間の相関を明度で示したコロナル方向のCT画像である。
【
図4】SI方向におけるマーカ変位と変形の間の相関を明度で示したサジタル方向のCT画像である。
【
図8】計算によって求めた吸気位相のコロナル方向の合成画像である。
【
図9】
図7のCT画像と
図8のCT画像の差を示した画像である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本開示の実施形態について、図面に基づいて説明する。なお、本開示は、ここに記載される実施形態に限定されるものではない。
【0018】
「装置の全体構成」
図1は、実施形態に係る放射線治療装置の全体構成を示す図である。
【0019】
治療台10上に固定される患者12の体内には、ランドマークとして金属のマーカ(金属マーカ)14が埋め込まれている。このマーカ14は、例えば金製のボールで直径は1~2mm程度であり、患部の近傍に予め埋め込まれる。
【0020】
治療台10の周辺には、2つのX線カメラ20,20が設けられている。この2つのX線カメラ20,20に患者12を介してそれぞれ対向する位置には、2つのX線照射装置22,22が配置されている。
【0021】
X線照射装置22,22からのX線ビームは治療台10上の患者12の所定部位を通過して対向するX線カメラ20,20に入射する。X線カメラ20,20は、入射してくるX線から患者(照射対象)12の透視画像についての電気信号を出力する。
【0022】
2つのX線カメラ20,20からの画像信号は、X線カメラインタフェース24を介し、画像処理部30に入力される。X線カメラ20,20、X線照射装置22,22が、ランドマークの検出手段を構成する。
【0023】
また、治療台10の上方には、2つの光学カメラ26,26が配置されている。この光学カメラ26,26により、患者12の体表(照射対象の表面)についての画像が撮影され、得られた画像信号は、光学カメラインタフェース28を介し、画像処理部30に入力される。
【0024】
画像処理部30は、2つのX線カメラ20,20からの画像信号について画像処理して、患者12の体内に埋め込まれているマーカ14を同定する。そして、同定されたマーカ14の3次元位置を特定する。すなわち、2つのX線カメラ20,20によって得られた画像中のマーカ14の2次元座標を特定するとともに、予めわかっている2つのX線カメラ20,20の位置と、得られた2の画像中のマーカ14の座標とに基づいてマーカ14の3次元位置を検出する。
【0025】
また、表面検出装置として、2つの光学カメラ26,26が設けられており、2つの光学カメラ26,26によって得られた体表の画像と、光学カメラ26,26の位置とから、体表の3次元位置(表面位置)を検出する。すなわち、得られた体表画像と、光学カメラ26,26の位置とから体表の3次元位置を検出する。マーカ位置に代えて体表の3次元位置をランドマーク位置としてもよく、両者を共にランドマーク位置として使用してもよい。
【0026】
画像処理部30によって得られた、マーカ位置、体表位置は、変形量評価部32に供給される。ここで、変形量評価部32には、記憶部(記憶手段)34が接続されており、この記憶部34には、治療計画時において取得したCT3次元画像が記憶されているとともに、マーカ位置の変動量や、体表の変形量に対応した、周辺組織の変形の関係が記憶されている。なお、この関係については後述する。なお、体表位置については、体表全体の3次元位置のデータをそのまま利用することができるが、平均、標準偏差などの統計データを利用することもできる。さらに、複数のエリアに分割し、各分割エリア毎に統計データを利用してもよい。
【0027】
変形量評価部32は、逐次入力されてくるマーカ位置および体表位置を記憶部34に記憶されている関係に基づき、推定された3次元CT画像を逐次算出する。得られたCT画像は、リアルタイムで表示部36に表示される。
【0028】
また、得られた3次元CT画像は、制御部(制御手段)38に供給される。制御部38は、3次元CT画像に基づき、患部の位置を特定し、治療放射線ビームを患者12に照射するライナックなどのビーム照射装置40を制御する。例えば、3次元CT画像データをパターンマッチングなどの画像処理することで患部を特定することができる。なお、3次元CT画像データをボクセルデータで構成するとよい。
【0029】
ビーム照射装置40については、そこからの治療放射線ビームの照射位置を予め定めておき、3次元CT画像から、患部(がん)位置が、照射位置と一致する際に、治療放射線ビームを照射するとよい。なお、ビーム照射装置40は、回転しながら照射するものでもよく、この場合には周辺組織の変形を考慮した回転強度変調放射線治療などが行える。また、治療放射線の放射位置を、検出したターゲット位置に追従して制御してもよい。
【0030】
さらに、得られた3次元CT画像と治療計画時に利用したCT画像との比較から差分を算出し、得られた差分が予め定めておいた閾値を超える場合には、計画通りの治療が行えないと判断して、治療放射線の照射を中止するとよい。
【0031】
また、重粒子線および陽子線等を用いる粒子線治療においては、治療放射線ビームパスの厚み(水換算の厚み)の影響が大きい。そこで、得られた3次元CT画像から治療放射線ビームパスにおける水換算での厚さを評価し、計画時との差分に応じて治療放射線ビームの強度などを制御するとよい。
【0032】
ここで、3次元CT画像再生手段である、画像処理部30、変形量評価部32、記憶部34、制御部38は、1つ複数のコンピュータによって構成することができる。また、CTスキャンを利用した治療前の準備における解析処理もコンピュータによって行うことできる。そこで、CTスキャンによって得られた画像についての解析結果に基づく、ランドマークと変形量の関係と、処理プログラムを記憶部34に記憶しておき、コンピュータがプログラムを実行することで、逐次検出されるランドマーク位置に基づき、対応する3次元CT画像を作成するとともに再生し、また得られた3次元CT画像に基づいて、治療放射線の照射を制御するとよい。
【0033】
「治療前の準備」
治療前に患者についての3次元CT画像、すなわち時間経過に従った複数の3次元CT画像を取得する。例えば、肺などの呼吸によって変化する部位については、呼吸の1周期について、時間経過に従った各位相の3次元CT画像を得る。本実施形態では、呼吸1周期を10分割した10セットの3次元CT画像を得る。なお、CT画像の取得については、通常のCTスキャン装置によって行うことができる。
【0034】
そして、呼気の3次元CT画像を基準とし、その他の位相の3次元CT画像のそれぞれに対して、(i)体内で生じている変形量、(ii)体内マーカ位置の変位量、(iii)体表面形状の変化量を評価する。すなわち、上記(ii)、(iii)の測定値から、(i)を評価するための関係(関数)を最適化する。関数のモデルは線形関数など任意のものでよい。本実施形態では、線形関数を利用する。
【0035】
「関数の最適化」
まず、10セットのCT画像の中の1つを基準画像として、他の9つのCT画像の差分を評価する。例えば、呼気相のCT画像を基準ボリュームデータV0とし、それ以外の各呼吸位相CT画像との変形レジストレーションにより、9つの3次元変形フィールドD(x,y,z)pを算出する。ここで、p=0が呼気相、p=2~9が他の位相である。なお、x方向の変形をDx(x,y,z)、y方向の変形をDy(x,y,z)、z方向の変形をDz(x,y,z)のように表す。
【0036】
そして、D(x,y,z)pと相関が高い位置変化の推定パラメータTpを評価する。例えば、各呼吸位相CTにおけるランドマーク位置Mpを算出し、基準CT画像におけるランドマーク位置からのランドマーク位置変位を推定パラメータTp(=Mp-Mp(基準))として評価する。
【0037】
そして、推定パラメータT(ベクトル)から体内で生じているD(x,y,z)pを評価するための関数f(T)のパラメータを求める。
【0038】
例えば、x,y,zの各方向について、評価したい変形フィールドD(x,y,z)をパラメータT(ランドマーク位置変位)を利用して推定する変形モデルを作成する。
Di(x,y,z)=α(x,y,z)Ti+β(x,y,z)
ここで、i=x,y,zである。
【0039】
これによって、各CT画像について、基準CT画像におけるランドマーク位置からの変形パラメータTpがわかれば、それに応じて各CT画像における各部の移動量を推定することができる。例えば、各CT画像をボクセルデータとして、マーカの移動ベクトルに応じた3次元CT画像を作成することができる。
【0040】
なお、ランドマークは、金属マーカなどを埋め込む体内マーカの他、横隔膜や肺の分岐部などでもよい。
【0041】
「計算例」
図2~
図4には、3方向のCT画像について、ランドマーク(この例ではマーカ)変位と、各ボクセル移動量(頭足(SI)方向)の相関について示してある。
図2は体の上下方向(アキシャル)の画像、
図3は体の頭足方向(コロナル)の画像、
図4は体の左右方向(サジタル)の画像であり、画像中における島状の部分において相関の高い部分が明るく表してある。図中丸印がマーカ位置であり、マーカ周辺において相関が高いことがわかる。
【0042】
図5には、マーカの変位と、マーカから30mm離れた位置のボクセル移動量の関係を示してある。このように、マーカの変位に対し頭足方向(SI方向)の移動には非常に大きな相関があることがわかる。他2方向については相関は小さいが、移動の絶対量が小さいため、位置精度への影響は小さい。
【0043】
図6には呼気位相におけるコロナル画像(CT画像)、
図7には吸気位相におけるコロナル画像(CT画像)が示してある。
図8には、呼気位相のコロナル画像に基づき、吸気位相(
図7)のマーカの変位量に基づいて算出した推定吸気位相のコロナル画像(合成画像)を示す。このように、
図8の推定した吸気位相の合成画像は、
図7の吸気位相に非常に近いことがわかる。
図9には、
図7,8の画像についての差について、示してある。
図9の明度の高い部分が差が大きい部分である。図において、白丸で示したマーカ周辺については、ほとんど差がないことがわかる。
【0044】
「その他」
上述の例では、体内マーカの位置に基づいて、CT画像を再生したが、これに体表の位置など他のデータを関連付けることで、再生するCT画像の精度を向上することができる。例えば、マーカ周辺の体表位置の変化と各部のボクセルの変化との関係(例えば線形の相関関係)を求めておく。そして、治療時において、マーカ位置だけでなく、体表位置を検出し、マーカ変位に基づいて得られた各ボクセル位置を、体表位置(統計量でもよい)に基づいて計算した各ボクセルに位置により修正することができる。例えば、両者の重み付け平均によって位置を算出することができる。
【0045】
このようにして、本実施形態によれば、X線カメラ20,20によりリアルタイムで得た画像からマーカ14の位置を検出し、これに基づいて各時点における3次元CT画像をリアルタイムで再生する。
【0046】
従って、随時得られる3次元CT画像を参照して、ビーム照射装置40からの治療放射線ビームの照射を制御することができる。
【0047】
これによって、大きく動く患部に対し、追従して、あるいは特定の患部の位置で確実に治療放射線ビームを照射することができ、無駄な放射線照射を抑制することができる。
【0048】
患者の体内に埋め込まれたマーカの三次元位置あるいは/および体表面形状の情報などのリアルタイムで取得可能なランドマーク位置から体内構造を評価することにより、評価した体内構造と治療計画CTとの整合性を評価することで、治療中リアルタイムで治療放射線の制御ができる。
【符号の説明】
【0049】
10 治療台、12 患者、14 マーカ、20 X線カメラ、22 X線照射装置、24 X線カメラインタフェース、26 光学カメラ、28 光学カメラインタフェース、30 画像処理部、32 変形量評価部、34 記憶部、36 表示部、38 制御部、40 ビーム照射装置。