(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-06
(45)【発行日】2023-10-17
(54)【発明の名称】処理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/60 20140101AFI20231010BHJP
A63F 13/52 20140101ALI20231010BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20231010BHJP
G06F 11/36 20060101ALI20231010BHJP
G06F 3/0481 20220101ALI20231010BHJP
A63F 13/77 20140101ALI20231010BHJP
【FI】
A63F13/60
A63F13/52
A63F13/53
G06F11/36 188
G06F3/0481
A63F13/77
(21)【出願番号】P 2019160749
(22)【出願日】2019-09-03
【審査請求日】2022-08-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100104710
【氏名又は名称】竹腰 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100124682
【氏名又は名称】黒田 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100090479
【氏名又は名称】井上 一
(72)【発明者】
【氏名】平岡 忠志
(72)【発明者】
【氏名】大場 友喜緒
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-018492(JP,A)
【文献】特開2000-057009(JP,A)
【文献】米国特許第10282280(US,B1)
【文献】中国特許出願公開第104572444(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0019009(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24、13/00-13/98
G06F 11/36
G06F 3/0481
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動操作により進行するゲームのゲーム動画を再生するための再生情報を記録する処理を行う記録処理部と、
前記自動操作の入力状況又は前記自動操作によるゲーム処理の状況である自動操作状況に対するコメントの設定処理を行うコメント設定部と、
前記再生情報に基づいて前記ゲーム動画を再生して表示すると共に、前記ゲーム動画の再生の際に、前記自動操作状況に対して設定された前記コメントを表示する処理を行う表示処理部と、
を含むことを特徴とする処理システム。
【請求項2】
請求項1において、
前記表示処理部は、
前記ゲーム動画の再生の際に、前記コメントの字幕を前記ゲーム動画に重ねて表示する処理を行うことを特徴とする処理システム。
【請求項3】
請求項2において、
前記表示処理部は、
前記ゲーム動画のレイヤーとは異なるレイヤーに設定された前記字幕を表示する処理を行うことを特徴とする処理システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記表示処理部は、
前記自動操作が行われる画面の操作位置に対応する位置に、前記コメントを前記ゲーム動画に重ねて表示する処理を行うことを特徴とする処理システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかにおいて、
前記表示処理部は、
前記コメントを表示する際に、再生速度及び再生方向の少なくとも一方が可変に設定される前記ゲーム動画の再生処理を行うことを特徴とする処理システム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかにおいて、
前記コメント設定部は、
前記自動操作の各タイミングに対応して作業者が入力した入力情報を、前記自動操作の前記各タイミングにおける前記コメントとして設定し、
前記表示処理部は、
前記ゲーム動画の再生の際の前記自動操作の前記各タイミングにおいて、前記各タイミングに対応して設定された前記コメントを表示する処理を行うことを特徴とする処理システム。
【請求項7】
請求項6において、
前記コメント設定部は、
前記自動操作の前記各タイミングを示すタイムスタンプに対して、前記作業者の前記入力情報である前記コメントを対応づける処理を行うことを特徴とする処理システム。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかにおいて、
前記自動操作によるゲーム処理に不具合が発生したかを判断するテスト処理を行うテスト処理部を含むことを特徴とする処理システム。
【請求項9】
請求項8において、
前記テスト処理部は、
前記自動操作の指示コマンドを端末装置に対して送信して、前記自動操作による前記ゲーム処理を前記端末装置に行わせることを特徴とする処理システム。
【請求項10】
請求項8又は9において、
前記テスト処理部は、
前記自動操作による前記ゲーム処理を行う端末装置でのゲーム画像の遷移に基づいて、前記ゲーム処理での不具合の発生を判断することを特徴とする処理システム。
【請求項11】
請求項8乃至10のいずれかにおいて、
前記テスト処理部は、
1つの端末装置において前記自動操作による前記ゲーム処理を複数回実行させて、前記ゲーム処理の不具合の発生を判断することを特徴とする処理システム。
【請求項12】
請求項8乃至11のいずれかにおいて、
前記テスト処理部は、
複数の端末装置において前記自動操作による前記ゲーム処理を並列して実行させて、前記ゲーム処理の不具合の発生を判断することを特徴とする処理システム。
【請求項13】
請求項8乃至12のいずれかにおいて、
前記テスト処理部は、
サーバシステムと通信しながら前記ゲーム処理を行う端末装置に、前記自動操作による前記ゲーム処理を行わせて、前記ゲーム処理の不具合の発生を判断することを特徴とする処理システム。
【請求項14】
自動操作により進行するゲームのゲーム動画を再生するための再生情報を記録する処理を行う記録処理部と、
前記自動操作の入力状況又は前記自動操作によるゲーム処理の状況である自動操作状況に対するコメントの設定処理を行うコメント設定部と、
前記再生情報に基づいて前記ゲーム動画を再生して表示すると共に、前記ゲーム動画の再生の際に、前記自動操作状況に対して設定された前記コメントを表示する処理を行う表示処理部として、
コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理システム及びプログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ゲームプログラムのアプリを端末装置にダウンロードしてプレイできるゲームが知られている。このようなゲームでは、ゲームプログラムが端末装置において正しく実行されているかを検証するためのデバッグシステムが必要になる。デバッグシステムの従来技術としては特許文献1に開示される技術がある。またゲームのコントローラにより入力された操作入力の状況を、ゲーム画面のコントローラ表示領域に表示する従来技術としては特許文献2に開示される技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-57009号公報
【文献】特開平7-112072号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の従来技術では、画像非表示エリアにゲームプログラムの内部情報を画像信号化してゲーム画面と共に記録したデバッグ用データのゲーム記憶画面を、表示部に表示することで、デバッグの作業を行えるようにする。しかしながら、この従来技術では、ゲームの操作入力の状況とゲームプログラムの内部情報との関連性が分かりにくいため、効率的なデバッグ作業を実現できないという課題がある。
【0005】
本実施形態の幾つかの態様によれば、ゲームプログラムのデバッグ作業等の効率化を図れる処理システム及びプログラム等を提供できる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、自動操作により進行するゲームのゲーム動画を再生するための再生情報を記録する処理を行う記録処理部と、前記自動操作の入力状況又は前記自動操作によるゲーム処理の状況である自動操作状況に対するコメントの設定処理を行うコメント設定部と、前記再生情報に基づいて前記ゲーム動画を再生して表示すると共に、前記ゲーム動画の再生の際に、前記自動操作状況に対して設定された前記コメントを表示する処理を行う表示処理部と、を含む処理システムに関係する。また本開示の一態様は、上記各部としてコンピュータを機能させるプログラム、又は該プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に関係する。
【0007】
本開示の一態様では、自動操作により進行するゲーム動画の再生情報が記録されると共に、自動操作の入力状況又は自動操作によるゲーム処理の状況である自動操作状況に対するコメントの設定処理が行われる。そして再生情報に基づいてゲーム動画が再生されて表示されると共に、ゲーム動画の再生の際に、自動操作状況に対して設定されたコメントが表示される。このようにすれば、作業者は、ゲーム動画を見ながら、自動操作状況に対して設定されたコメントを確認できるようになり、自動操作の入力状況又は自動操作によるゲーム処理の状況を把握できるようになるため、ゲームプログラムのデバッグ作業等の効率化を図れる。
【0008】
また本開示の一態様では、前記表示処理部は、前記ゲーム動画の再生の際に、前記コメントの字幕を前記ゲーム動画に重ねて表示する処理を行ってもよい。
【0009】
このように自動操作状況に対するコメントを、字幕としてゲーム動画に重ねて表示することで、作業者は、字幕に書かれた言葉を読むだけで、自動操作の入力状況又は自動操作によるゲーム処理の状況を把握できるようになる。
【0010】
また本開示の一態様では、前記表示処理部は、前記ゲーム動画のレイヤーとは異なるレイヤーに設定された前記字幕を表示する処理を行ってもよい。
【0011】
このようにゲーム動画と字幕を別レイヤーに設定することで、字幕に変更を加えて表示するなどの処理が可能になる。
【0012】
また本開示の一態様では、前記表示処理部は、前記自動操作が行われる画面の操作位置に対応する位置に、前記コメントを前記ゲーム動画に重ねて表示する処理を行ってもよい。
【0013】
このようにすれば、自動操作の入力状況又は自動操作によるゲーム処理の状況がどのような状況であるかを、自動操作の操作位置に対応する位置に表示されるコメントを用いて認識させることが可能になる。
【0014】
また本開示の一態様では、前記表示処理部は、前記コメントを表示する際に、再生速度及び再生方向の少なくとも一方が可変に設定される前記ゲーム動画の再生処理を行ってもよい。
【0015】
このようにすれば、コメントの表示の際に、ゲーム動画の再生速度や再生方向を可変に設定できるようになり、作業効率を向上できる。
【0016】
また本開示の一態様では、前記コメント設定部は、前記自動操作の各タイミングに対応して作業者が入力した入力情報を、前記自動操作の前記各タイミングにおける前記コメントとして設定し、前記表示処理部は、前記ゲーム動画の再生の際の前記自動操作の前記各タイミングにおいて、前記各タイミングに対応して設定された前記コメントを表示する処理を行ってもよい。
【0017】
このようにすれば、作業者が、自動操作状況に対するコメントを入力すると、入力されたコメントが、自動操作の各タイミングにおけるコメントとして設定されるようになる。そして自動操作の各タイミングにおいて、作業者により入力されたコメントが表示されるようになる。
【0018】
また本開示の一態様では、前記コメント設定部は、前記自動操作の前記各タイミングを示すタイムスタンプに対して、前記作業者の前記入力情報である前記コメントを対応づける処理を行ってもよい。
【0019】
このようにすれば、自動操作の各タイミングを示すタイムスタンプを用いて、自動操作の各タイミングにおいて、作業者により入力されたコメントを表示できるようになる。
【0020】
また本開示の一態様では、前記自動操作によるゲーム処理に不具合が発生したかを判断するテスト処理を行うテスト処理部を含んでもよい(テスト処理部としてコンピュータを機能させてもよい)。
【0021】
このようにすれば、自動操作によるゲーム処理に不具合が発生したかを適切に判断して、ゲームプログラムのデバッグ等を実現できるようになる。
【0022】
また本開示の一態様では、前記テスト処理部は、前記自動操作の指示コマンドを端末装置に対して送信して、前記自動操作による前記ゲーム処理を前記端末装置に行わせてもよい。
【0023】
このような指示コマンドにより自動操作を行わせることで、一連の自動操作によりゲームを進行させるゲーム処理を、端末装置に実行させることが可能になる。
【0024】
また本開示の一態様では、前記テスト処理部は、前記自動操作による前記ゲーム処理を行う端末装置でのゲーム画像の遷移に基づいて、前記ゲーム処理での不具合の発生を判断してもよい。
【0025】
このようにゲーム画像の遷移により不具合の発生を判断すれば、例えばゲーム動画の再生に用いるゲーム画像を有効活用して、ゲーム処理の不具合の発生を判断できるようになる。
【0026】
また本開示の一態様では、前記テスト処理部は、1つの端末装置において前記自動操作による前記ゲーム処理を複数回実行させて、前記ゲーム処理の不具合の発生を判断してもよい。
【0027】
このようにすれば、周囲環境の変動、実行環境の変動又は通信環境の変動などを反映させた、ゲーム処理の不具合の発生の適切な判断処理を実現できるようになる。
【0028】
また本開示の一態様では、前記テスト処理部は、複数の端末装置において前記自動操作による前記ゲーム処理を並列して実行させて、前記ゲーム処理の不具合の発生を判断してもよい。
【0029】
このようにすれば、例えば機種が異なる複数の端末装置にゲーム処理を並列して実行させて、ゲーム処理の不具合の発生を判断できるようになるため、機種依存によるゲーム処理の不具合に対しても対応することが可能になる。
【0030】
また本開示の一態様では、前記テスト処理部は、サーバシステムと通信しながら前記ゲーム処理を行う端末装置に、前記自動操作による前記ゲーム処理を行わせて、前記ゲーム処理の不具合の発生を判断してもよい。
【0031】
このようにすれば、サーバシステムと通信しながら行うゲーム処理についての適正なデバッグ処理等を実現できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図4】複数のプログラムモジュールにより構成されるテスト処理のプログラムの説明図。
【
図12】ゲーム動画でのエラーの表示についての説明図。
【
図13】ゲーム動画でのエラーの表示についての説明図。
【
図14】自動操作の指示コマンドを送信し、ゲーム画像の遷移に基づいてゲーム処理の不具合の発生を判断する手法の説明図。
【
図15】指定されたテスト範囲においてテスト処理を行う手法の説明図。
【
図16】ゲーム動画でのコメントの設定についての説明図。
【
図17】ゲーム動画でのコメントの設定についての説明図。
【
図19】字幕とゲーム動画のレイヤー構造の説明図。
【
図20】自動操作の操作位置に識別画像を表示する処理の説明図。
【
図21】自動操作の操作位置にコメントを表示する処理の説明図。
【
図22】ゲーム動画を可変の再生速度、再生方向で再生可能にする手法の説明図。
【
図23】1つの端末装置において自動操作によるゲーム処理を複数回実行させる手法の説明図。
【
図24】複数の端末装置において自動操作によるゲーム処理を並列して実行させる手法の説明図。
【
図25】サーバシステムと通信しながら自動操作によるゲーム処理を端末装置が実行する手法の説明図。
【
図26】本実施形態の詳細な処理例を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲の記載内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、必須構成要件であるとは限らない。
【0034】
1.デバッグシステム、端末装置、処理システム
図1に本実施形態のデバッグシステムの構成例を示す。本実施形態のデバッグシステムは、情報処理装置10と端末装置20を含む。またサーバシステム500を含むことができる。
【0035】
サーバシステム500は例えば1又は複数のサーバ(ゲームサーバ、管理サーバ、課金サーバ、サービス提供サーバ、コンテンツ配信サーバ、認証サーバ、データベースサーバ、又は通信サーバ等)により実現できる。このサーバシステム500は、コミュニティ型ウェブサイトやオンラインゲームを運営するための各種サービスを提供し、ゲーム実行に必要なデータの管理や、クライアントプログラム及び各種データ等の配信を行うことができる。これにより、例えば、ユーザ端末である端末装置20によりSNS(Social Networking Service)などを利用するためにサーバシステム500にアクセスし、当該サーバシステム500から提供されるオンラインゲームであるソーシャルゲームや家庭用ゲームなどのネットワークゲームのプレイが可能になる。
【0036】
ネットワーク510(配信網、通信回線)は、例えばインターネットや無線LAN等を利用した通信路であり、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLANの他、電話通信網やケーブル網や無線LAN等の通信網を含むことができる。また通信方法については有線/無線を問わない。
【0037】
端末装置20(プレーヤ端末)は、例えばネット接続機能(インターネット接続機能)を有する端末である。
図1では、端末装置20はスマートフォンや携帯電話機などの携帯型通信端末により実現されている。なお端末装置20としては、
図2(A)に示す携帯型ゲーム装置、
図2(B)に示す家庭用ゲーム装置(据え置き型)、或いは
図2(C)に示す業務用ゲーム装置などの種々の装置を用いることができる。或いは、端末装置20として、プレーヤの頭部や腕などの部位に装着されるウェアラブル機器(HMD、ウォッチ型機器等)を用いてもよい。
【0038】
情報処理装置10は、例えば
図1に示すようなパーソナルコンピュータ(PC)などにより実現できる。なお情報処理装置10としては、デスクトップ型のPC、ノート型のPC又はタブレット型のPCなどの種々の装置を用いることができる。また
図1では、情報処理装置10と端末装置20は、USBなどによる有線通信により接続されているが、WiFi(登録商標)やブルートゥース(登録商標)などの無線通信により接続されていてもよい。
【0039】
図3に本実施形態の処理システムの構成例を示す。なお、処理システムの構成は
図3に限定されず、その構成要素(各部)の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。本実施形態の処理システムは例えば
図1の情報処理装置10により実現される。例えば本実施形態の処理システムの処理は情報処理装置10のハードウェアを用いて実現される。なお本実施形態の処理システムの処理を端末装置20により実現したり、端末装置20と情報処理装置10の分散処理により実現する変形実施も可能である。
【0040】
処理システムは、処理部100、操作部160、記憶部170、表示部190、音出力部192、I/F部194、通信部196を含む。
【0041】
処理部100(プロセッサ)は、記憶部170(データベース)に記憶される各種の情報、プログラム、又は操作情報等に基づいて、記録処理、テスト処理、コメント設定処理、通知処理、表示処理、或いは音処理などを行う。
【0042】
処理部100の各部が行う本実施形態の各処理(各機能)はプロセッサ(ハードウェアを含むプロセッサ)により実現できる。例えば本実施形態の各処理は、プログラム等の情報に基づき動作するプロセッサと、プログラム等の情報を記憶するメモリーにより実現できる。プロセッサは、例えば各部の機能が個別のハードウェアで実現されてもよいし、或いは各部の機能が一体のハードウェアで実現されてもよい。例えば、プロセッサはハードウェアを含み、そのハードウェアは、デジタル信号を処理する回路及びアナログ信号を処理する回路の少なくとも一方を含むことができる。例えば、プロセッサは、回路基板に実装された1又は複数の回路装置(例えばIC等)や、1又は複数の回路素子(例えば抵抗、キャパシタ等)で構成することもできる。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)であってもよい。但し、プロセッサはCPUに限定されるものではなく、GPU(Graphics Processing Unit)、或いはDSP(Digital Signal Processor)等、各種のプロセッサを用いることが可能である。またプロセッサはASICによるハードウェア回路であってもよい。またプロセッサは、アナログ信号を処理するアンプ回路やフィルタ回路等を含んでもよい。メモリー(記憶部170)は、SRAM、DRAM等の半導体メモリーであってもよいし、レジスターであってもよい。或いはハードディスク装置(HDD)等の磁気記憶装置であってもよいし、光学ディスク装置等の光学式記憶装置であってもよい。例えば、メモリーはコンピュータにより読み取り可能な命令を格納しており、当該命令がプロセッサにより実行されることで、処理部100の各部の処理(機能)が実現されることになる。ここでの命令は、プログラムを構成する命令セットでもよいし、プロセッサのハードウェア回路に対して動作を指示する命令であってもよい。
【0043】
処理部100は、記録処理部102、テスト処理部104、コメント設定部106、通知処理部108、表示処理部120、音処理部130を含む。
【0044】
記録処理部102は再生情報の記録処理を行う。テスト処理部104はプログラムのデバッグのためのテスト処理を行う。コメント設定部106はコメントの設定処理を行う。通知処理部108はエラーの通知処理を行う。表示処理部120は、表示部190に画像を表示するための処理を行う。音処理部130は、音出力部192から音を出力するための処理を行う。これらの各部の処理の詳細については後述する。
【0045】
操作部160は、作業者が、操作情報等の種々の情報を入力するためのものであり、その機能は、キーボード、タッチパネル型ディスプレイ、操作ボタン又は方向指示キーなどにより実現できる。タッチパネル型ディスプレイを用いる場合には、操作部160となるタッチパネルと、ディスプレイとなる表示部190とが一体に設けられることになる。
【0046】
記憶部170は、処理部100や通信部196などのワーク領域となるもので、その機能は、半導体メモリー、HDD、SSD、光ディスク装置などにより実現できる。記憶部170は、再生情報記憶部172、エラー情報記憶部174、表示情報記憶部176を含む。再生情報記憶部172は、ゲーム動画を再生するための情報である再生情報を記憶する。再生情報は、ゲーム動画を構成する各画像の情報であってもよいし、ゲーム動画自体の情報であってもよい。エラー情報記憶部174は、ゲーム処理で発生した不具合であるエラーについての情報を記憶する。例えばエラーのログファイルなどの情報をエラー情報として記憶する。表示情報記憶部176は、字幕等を表示するための情報である表示情報を記憶する。例えば字幕ファイルの情報を表示情報として記憶する。
【0047】
情報記憶媒体180(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク、HDD、半導体メモリーなどにより実現できる。処理部100は、情報記憶媒体180に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。この情報記憶媒体180に、本実施形態の各部としてコンピュータ(操作部、処理部、記憶部、出力部を備える装置)を機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)を記憶できる。
【0048】
表示部190は、本実施形態により生成された画像を出力するものであり、その機能は、LCD、有機ELディスプレイ、CRT、或いはHMDなどにより実現できる。音出力部192は、本実施形態により生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどにより実現できる。
【0049】
I/F(インターフェース)部194は、携帯型情報記憶媒体195とのインターフェース処理を行うものであり、その機能はI/F処理用のASICなどにより実現できる。携帯型情報記憶媒体195は、プレーヤが各種の情報を保存するためのものであり、電源が非供給になった場合にもこれらの情報の記憶を保持する記憶装置である。携帯型情報記憶媒体195は、ICカード(メモリーカード)、USBメモリー、或いは磁気カードなどにより実現できる。
【0050】
通信部196(通信インターフェース)は、外部装置との間で通信を行うものであり、その機能は、通信用ASIC又は通信用プロセッサなどのハードウェアや、通信用ファームウェアにより実現できる。
【0051】
なお本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(データ)は、サーバシステム(ホスト装置)が有する情報記憶媒体からネットワーク及び通信部196を介して情報記憶媒体180(あるいは記憶部170)に配信してもよい。このようなサーバシステムによる情報記憶媒体の使用も本実施形態の範囲内に含めることができる。
【0052】
そして
図3に示すように本実施形態の処理システムは、記録処理部102とテスト処理部104と表示処理部120を含む。
【0053】
記録処理部102は再生情報の記録処理を行う。例えば記録処理部102は、自動操作により進行するゲームのゲーム動画を再生するための再生情報を記録する処理を行う。具体的には再生情報を再生情報記憶部172に書き込んで記憶する処理を行う。
【0054】
例えば
図1のデバッグシステムでは、端末装置20がゲーム処理を行う。ゲーム処理は、ゲームを開始する処理、ゲームを進行させる処理、ゲームイベントを発生する処理、ゲームを終了する処理、或いはゲーム結果であるゲーム成績を演算する処理などである。例えば端末装置20は、ネットワーク510を介してサーバシステム500と通信してゲーム処理を実行する。ゲーム処理は、例えば端末装置20とサーバシステム500の分散処理により実現される。そして端末装置20は、自動操作によりゲームが進行するゲーム処理を実行する。一例としては、端末装置20は、情報処理装置10のテスト処理部104から自動操作の指示コマンドを受信し、この指示コマンドにしたがった自動操作によりゲームを進行させる。或いは端末装置20は、自動操作用のプログラムに基づいてゲームの自動操作を行うようにしてもよい。例えば端末装置20は、AI(Artificial Intelligence)などを利用した自動操作のアルゴリズムにより自律的にゲームの自動操作を行うようにしてもよい。
【0055】
そして端末装置20は、自動操作によるゲーム処理のゲーム動画を再生するための再生情報を送信し、情報処理装置10が再生情報を受信する。例えば端末装置20が、自動操作のゲーム処理により生成される一連のゲーム画像の情報を送信する。そして記録処理部102が、受信した一連のゲーム画像の録画処理を行う。例えば一連のゲーム画像のエンコード処理などを行って、ゲーム動画の再生情報として、再生情報記憶部172に記録する処理を行う。なお端末装置20においてゲーム動画の録画処理を行い、録画情報を再生情報として情報処理装置10に送信するようにしてもよい。
【0056】
テスト処理部104はゲームのプログラムのデバッグのためのテスト処理を実行する。例えばテスト処理部104は、自動操作によるゲーム処理に不具合が発生したかを判断するテスト処理を行う。ゲーム処理の不具合は、予定されているゲーム処理が行われない状態であり、例えばプログラムのバグなどによるエラーによりゲーム進行が停止したり、誤った表示物が表示されたり、或いは誤った内容のゲーム処理が実行されてしまう状態である。テスト処理部104は、このようなゲーム処理の不具合が発生したか否かを判断する。
図1のデバッグシステムを例にとれば、情報処理装置10が、端末装置20から、自動操作のゲーム処理による生成される一連のゲーム画像を受信する。そしてテスト処理部104が、例えばゲーム画像の遷移に基づいて、ゲーム処理に不具合が発生したか否かを判断する。例えばゲーム画像の遷移が、予定された画像遷移ではない場合に、不具合が発生したと判断する。
【0057】
そして表示処理部120は、再生情報に基づいてゲーム動画を再生して表示部190に表示する処理を行う。例えば再生情報のデコード処理などを行ってゲーム動画として表示部190に表示する処理を行う。更に表示処理部120は、ゲーム動画の再生の際に、自動操作により進行するゲーム処理の状況(テスト処理の状況)を表示部190に表示する処理を行う。例えば表示処理部120は、ゲーム処理の状況を画像化してゲーム動画に重ねて表示する処理を行う。例えば本実施形態では、自動操作により進行するゲームのゲーム動画の再生情報が、端末装置20から情報処理装置10に送信される。そしてゲーム動画の再生の際に、ゲーム動画の再生の各タイミングにおいてゲーム処理がどのような状況であるのかが表示される。例えばテスト処理のプログラムが複数のプログラムモジュールにより構成される場合に、ゲーム動画の再生の各タイミングにおいて、複数のプログラムモジュールのうちのいずれのプログラムモジュールが実行されているのかや、或いは当該プログラムモジュールの実行状況が、ゲーム処理の状況としてゲーム動画に重ねて表示される。
【0058】
また表示処理部120は、ゲーム処理の状況を表示する処理として、ゲーム処理の状況を示す字幕をゲーム動画に重ねて表示する処理を行う。例えばゲーム処理の状況を表すキーワードが記載された字幕を、ゲーム動画に重畳して表示する。例えばテスト処理のプログラムが複数のプログラムモジュールにより構成される場合に、各プログラムモジュールに対して記述されたキーワードの字幕を、ゲーム動画に重ねて表示する。例えば第1~第N(Nは2以上の整数)のプログラムモジュールに対して第1~第Nのキーワードが記述されている場合に、テスト処理によるゲーム進行に伴い、これらの第1~第Nのキーワードの字幕を、順次に表示する。例えば第1~第Nのキーワードが、ゲーム動画上でスクロールされるように表示する。ここで第iのプログラムモジュール(iは1≦i≦Nとなる整数)は第i-1のプログラムモジュールの次に実行されるプログラムモジュールである。
【0059】
また表示処理部120は、ゲーム動画のレイヤーとは異なるレイヤーに設定された字幕を表示する処理を行う。例えばゲーム動画については第pのレイヤーに設定し、字幕については第pのレイヤーの上層の第qのレイヤーに設定する(p、qは1以上の整数)。そしてゲーム動画とは独立して、第qのレイヤーの字幕を変更したり、編集できるようにする。このようにすればゲーム動画の内容を変更することなく、字幕の内容だけを変更したり、編集することが可能になる。
【0060】
また表示処理部120は、ゲーム処理の状況を表示する処理として、自動操作が行われる画面の操作位置を識別するための識別画像をゲーム動画に重ねて表示する処理を行う。例えば自動操作が、画面上の表示物や所定領域をタップ又はクリック等する操作であった場合に、タップ又はクリック等の操作が行われた操作位置を視覚的に識別するための識別画像を、ゲーム動画に重ねて表示する。操作位置に表示される識別画像としては、例えばマーカ、アイコン又は吹き出し等の種々の表示物の画像が考えられる。例えばコメントが記載された吹き出し等を識別画像として操作位置に表示してもよい。
【0061】
また表示処理部120は、ゲーム処理の状況を表示する際に、再生速度及び再生方向の少なくとも一方が可変に設定されるゲーム動画の再生処理を行う。例えばゲーム動画の再生速度を速くしたり遅くしたり、或いは再生方向を巻き戻し再生に設定できるようにする。例えばゲーム処理の状況が重畳されるデバッグ用のゲーム動画の再生の際に、作業者が、ゲーム動画の再生速度を所望の速度に設定したり、巻き戻して再生できるようにする。例えば作業者が入力した操作情報に基づいて、ゲーム動作の再生速度や再生方向を可変に変更できるようにする。この場合には、例えばゲーム動画の再生速度や再生方向を作業者がコントロールするための操作パネルの表示物を、表示部190に表示してもよい。
【0062】
また表示処理部120は、テスト処理のプログラムを構成する複数のプログラムモジュールの各プログラムモジュールに付与されたキーワードを、ゲーム処理の状況を示す情報として表示する処理を行う。例えばテスト処理のプログラムが第1~第Nのプログラムモジュールにより構成され、第1~第Nのプログラムモジュールに対して第1~第Nのキーワードが付与されていたとする。例えば第1~第Nのプログラムモジュールの各プログラムの先頭等に、第1~第Nのキーワードの各キーワードが記述されていたとする。この場合には表示処理部120は、テスト処理による自動操作のゲーム進行に伴い、これらの第1~第Nのキーワードを、テスト処理によるゲーム処理の状況を示す情報として表示する処理を行う。
【0063】
また通知処理部108は、ゲーム処理の不具合として所定エラーが発生した場合に、所定エラーの発生を通知する処理を行う。所定エラーは、例えばテスト処理により実行されるゲーム処理のプログラムが、予定されている動作を行わない状態である。例えば所定エラーは、ゲーム進行が停止してしまったり、予定されている進行とは異なるゲーム進行になってしまったり、予定されている画像とは異なる画像が表示されてしまったり、或いはゲーム操作に不具合が生じるなどのエラーである。このような所定エラーが発生した場合には、所定エラーの発生を例えば他の情報処理装置(PC)に通知するための処理が行われる。通知処理は、例えばメールや掲示板などによる通知により実現できる。
【0064】
また通知処理部108は、所定のエラーが発生した場合に、所定エラーの内容情報を取得するための情報を通知する。所定エラーの内容情報を取得するための情報は、例えば所定エラーのログファイル等のファイルにアクセスするための情報であり、例えば当該ファイルのリンク先の情報(アドレス)などである。所定エラーの発生が通知された作業者は、通知処理によるメール等に記載されたリンク先の情報に基づいて、所定エラーのログファイル等のファイルにアクセスして、所定エラーがどのようなエラーなのかについての内容情報を取得する。
【0065】
またテスト処理部104は、ゲーム進行における指定されたテスト範囲において、ゲーム処理の不具合を判断するテスト処理を行う。例えばゲーム進行における第1のタイミングと第2のタイミングの間のテスト範囲でテスト処理を行う。具体的にはテスト処理部104は、第1のゲームイベントの開始タイミングから第2のゲームイベントの終了タイミングまでの間のテスト範囲や、第1のゲームイベントの開始タイミングから第1のゲームイベントの終了タイミングまでの間のテスト範囲でテスト処理を行う。例えばゲームのアプリの開始タイミングから、チュートリアルなどのゲームイベントの終了タイミングまでの間のテスト範囲でテスト処理を行う。或いは、対戦のゲームイベント、ダンジョンやボスの出現イベント、或いは所定のミッションをクリアするイベントなどのゲームイベントの開始タイミングから終了タイミングまでの間のテスト範囲でテスト処理を行う。
【0066】
またテスト処理部104は、ゲーム処理を行う指示コマンドを端末装置20に対して送信して、自動操作によるゲーム処理を端末装置20に行わせる。例えばテスト処理部104は、テスト処理の実行に必要な一連の複数の自動操作の各操作を行うことを指示する複数の指示コマンドの各指示コマンドを、端末装置20に送信する。端末装置20は、指示コマンドにより指示された自動操作を行うことで、ゲームを進行させるゲーム処理を実行する。そしてテスト処理部104は、このようにして端末装置20が行う自動操作によるゲーム処理に、不具合が発生したか否かを判断する。即ちテスト処理による自動操作により実行されるゲーム処理に所定エラーが発生するなどの不具合が発生したかを判断する。
【0067】
またテスト処理部104は、自動操作によるゲーム処理を行う端末装置20でのゲーム画像の遷移に基づいて、ゲーム処理の不具合の発生を判断する。例えば自動操作のゲーム処理により端末装置20が生成する一連のゲーム画像を、情報処理装置10が受信する。例えばゲーム動画を再生するための再生情報が一連のゲーム画像である場合に、再生情報として受信した一連のゲーム画像を用いることができる。そしてテスト処理部104は、これらのゲーム画像の遷移に基づいて、ゲーム処理に不具合が発生したか否かを判断する。例えばテスト処理において、第1のゲーム画像の表示の後に第2のゲーム画像が表示されていることが予定されているのに、第2のゲーム画像とは異なるゲーム画像が表示されている場合には、ゲーム処理に不具合が発生したと判断する。具体的にはテスト処理部104は、第1のゲーム画像の受信後に受信した第2のゲーム画像において、予定されている表示物が表示されているか否かを画像比較処理等により検出し、予定されている表示物が表示されていなかった場合には、ゲーム処理に不具合が発生したと判断する。
【0068】
またテスト処理部104は、1つの端末装置20において自動操作によるゲーム処理を複数回実行させて、ゲーム処理の不具合の発生を判断する。例えばテスト処理部104は、所定のテスト範囲での自動操作によるゲーム処理を、同じ端末装置20に複数回実行させる。例えばテスト処理部104は、テスト処理を実行するための自動操作の一連の指示コマンド群を送信して、第1のテスト処理によるゲーム処理を端末装置20に実行させる。次にテスト処理部104は、テスト処理を実行するための自動操作の一連の指示コマンド群を送信して、第2のテスト処理によるゲーム処理を端末装置20に実行させる。このように第1のテスト処理、第2のテスト処理、第3のテスト処理・・・というように複数回のテスト処理を端末装置20に実行させる。そして、これらの複数回のテスト処理の結果に基づいて統計処理等を行ってゲーム処理の不具合の状況を解析する。例えば周囲環境の変動、実行環境の変動又は通信環境の変動などによるゲーム処理の実行状況や不具合状況の変動を解析する。
【0069】
またテスト処理部104は、複数の端末装置において自動操作によるゲーム処理を並列して実行させて、ゲーム処理の不具合の発生を判断する。ここで複数の端末装置は、例えば機種が異なる端末装置であり、例えば製造メーカ等が異なる端末装置である。テスト処理部104は、このように異なる複数の機種の端末装置において、自動操作によるゲーム処理を実行させ、異なる複数の機種の端末装置でのゲーム処理の不具合の発生(ゲーム処理の状況)を判断する。例えばテスト処理部104は、複数の端末装置でのゲーム処理の状況に基づいて、統計処理等を行って、ゲーム処理の不具合の発生を判断する。そして例えば機種依存のゲーム処理の不具合の発生を判断したり、不具合の状況を解析する。
【0070】
またテスト処理部104は、サーバシステム500と通信しながらゲーム処理を行う端末装置20に、自動操作によるゲーム処理を行わせて、ゲーム処理の不具合の発生を判断する。例えば端末装置20は、サーバシステム500(ゲームサーバ)との間で、ゲーム処理の実行のための通信処理を行う。この場合のゲーム処理は、端末装置20とサーバシステム500の分散処理により実現されることになる。そしてテスト処理部104は、このようにサーバシステム500として通信しながら行われるゲーム処理の状況に不具合が発生したかを判断する。この場合にテスト処理部104は、サーバシステム500側でのゲーム処理の状況と、端末装置20側でのゲーム処理の状況の比較判断等を行って、ゲーム処理の不具合の発生を判断したり、不具合の原因を解析するようにしてもよい。
【0071】
また
図3に示すように本実施形態の処理システムは、記録処理部102とコメント設定部106と表示処理部120を含む。この構成の場合には、処理システムはテスト処理部104を含まなくてもよい。
【0072】
記録処理部102は、自動操作により進行するゲームのゲーム動画を再生するための再生情報を記録する処理を行う。
【0073】
コメント設定部106は、コメント(しおり、注釈)の設定処理を行う。例えばコメント設定部106は、自動操作の入力状況又は自動操作によるゲーム処理の状況である自動操作状況に対するコメントの設定処理を行う。即ち、コメント設定部106は、自動操作の入力状況に対するコメントの設定処理を行ったり、或いはゲーム処理の状況に対するコメントの設定処理を行う。例えばコメント設定部106は、一連の複数の自動操作の入力が行われて、入力された自動操作に対して、作業者がコメントを入力する操作を行うと、入力されたコメントを受け付けて、当該コメントを、自動操作入力に対応づける処理を行う。或いはコメント設定部106は、自動操作によりゲーム処理が行われて、自動操作によるゲーム処理の状況に対して、作業者がコメントを入力する操作を行うと、入力されたコメントを受け付けて、当該コメントを、ゲーム処理の状況に対応づける処理を行う。
【0074】
そして表示処理部120は、再生情報に基づいてゲーム動画を再生して表示すると共に、ゲーム動画の再生の際に、自動操作状況に対して設定されたコメントを表示する処理を行う。例えばゲーム動画の再生に連動して、自動操作状況に対して設定されたコメントを画像化して、ゲーム動画に重ねて表示する処理を行う。例えば表示処理部120は、自動操作の入力の各タイミングにおいて、自動操作の入力状況に対して設定されたコメントを表示する処理を行う。或いは表示処理部120は、自動操作によるゲーム処理が行われた場合に、自動操作によるゲーム処理の各タイミングにおいて、ゲーム処理の状況に対して設定されたコメントを表示する処理を行う。例えば本実施形態では、自動操作の入力状況やゲーム処理の状況に対して、コメントを対応づける処理が行われている。そしてゲーム動画の再生の各タイミングにおいて、自動操作の入力状況やゲーム処理の状況に対応づけられたコメントを、ゲーム動画に重ねて表示する。
【0075】
また表示処理部120は、ゲーム動画の再生の際に、コメントの字幕をゲーム動画に重ねて表示する処理を行う。例えば自動操作の入力状況に設定されたコメントの字幕や、ゲーム処理の状況に対して設定されたコメントの字幕を、ゲーム動画に重畳して表示する。
【0076】
また表示処理部120は、ゲーム動画のレイヤーとは異なるレイヤーに設定された字幕を表示する処理を行う。即ち、ゲーム動画のレイヤーとは異なるレイヤーに対して、自動操作の入力状況又は自動操作によるゲーム処理の状況に対して設定されたコメントの字幕を設定して、表示するようにする。例えばゲーム動画については第pのレイヤーに設定し、コメントの字幕については第pのレイヤーの上層の第qのレイヤーに設定する。そしてゲーム動画とは独立して、第qのレイヤーの字幕を変更したり、編集できるようにする。
【0077】
また表示処理部120は、自動操作が行われる画面の操作位置に対応する位置に、コメントをゲーム動画に重ねて表示する処理を行う。例えば自動操作が、画面上の表示物や所定領域をタップ又はクリック等する操作であった場合に、タップ又はクリック等の操作が行われた操作位置に対応する位置に、自動操作の入力状況又は自動操作によるゲーム処理の状況に対して設定されたコメントを表示する。この場合に、自動操作の操作位置に対応する位置に、吹き出し等の表示物を表示し、その表示物に対してコメントが表示されるようにしてもよい。
【0078】
また表示処理部120は、コメントを表示する際に、再生速度及び再生方向の少なくとも一方が可変に設定されるゲーム動画の再生処理を行う。例えばコメントが重畳して表示されるゲーム動画の再生の際に、作業者が、ゲーム動画の再生速度を所望の速度に設定したり、巻き戻して再生できるようにする。例えば作業者が入力した操作情報に基づいて、ゲーム動作の再生速度や再生方向を可変に変更できるようにする。
【0079】
またコメント設定部106は、自動操作の各タイミングに対応して作業者が入力した入力情報を、自動操作の各タイミングにおけるコメントとして設定する。そして表示処理部120は、ゲーム動画の再生の際の自動操作の各タイミングにおいて、各タイミングに対応して設定されたコメントを表示する処理を行う。例えば作業者が、操作部160を用いて、自動操作の入力状況又は自動操作によるゲーム処理の状況に対するコメントを入力すると、入力されたコメントが、自動操作の各タイミングにおけるコメントとして設定される。そして自動操作の各タイミングにおいて、作業者により入力されたコメントが表示されるようになる。
【0080】
またコメント設定部106は、自動操作の各タイミングを示すタイムスタンプに対して、作業者の入力情報であるコメントを対応づける処理を行う。例えば作業者が、操作部160を用いて、自動操作の入力状況又は自動操作によるゲーム処理の状況に対するコメントを入力すると、入力されたコメントが、自動操作の各タイミングを示すタイムスタンプに対して対応づけられる。例えば字幕ファイル等のコメント表示用のファイルにおいて、自動操作の各タイミングを示すタイムスタンプに対して、作業者が入力したコメントが対応づけられる。そして、ゲーム動画の再生の際に、このコメント表示用のファイルを用いることで、自動操作の各タイミングにおいて各タイミングに対応して設定されたコメントを表示できるようになる。
【0081】
2.本実施形態の手法
次に本実施形態の手法について詳細に説明する。
【0082】
2.1 テスト処理
本実施形態では、ゲーム処理のプログラムをデバッグするためのテスト処理を行う。具体的には、自動操作により進行するゲームのゲーム動画を再生するための再生情報を記録すると共に、自動操作によるゲーム処理に不具合が発生したかを判断するテスト処理を行う。そして再生情報に基づいてゲーム動画を再生して表示すると共に、ゲーム動画の再生の際に、自動操作により進行するゲーム処理の状況を表示する処理を行う。
【0083】
例えば
図4は、テスト処理のプログラムの構造例を示す図である。ここではアプリの開始からチュートリアルをクリアするまでが、テスト処理のテスト範囲になっている。テスト処理のプログラムは複数のプログラムモジュールPM1、PM2、PM3、PM4、PM5、PM6・・・により構成される。
図4に示すようにPM1~PM6の各プログラムモジュールにはキーワードが付与されている。具体的にはプログラムモジュールPM1、PM2、PM3、PM4、PM5、PM6の各々には、「アプリを開始する」、「利用規約に同意する」、「新しくゲームを始める」、「描画の初期設定で高精細モードを選択する」、「初回ダウンロードをOKする」、「アニメーションムービーを進める」というキーワードが付与されている。例えばプログラマーは各プログラムモジュールの先頭等にこれらの各キーワードを記述する。テスト処理においては、これらのキーワードで表される内容のプログラムモジュールPM1、PM2、PM3、PM4、PM5、PM6・・・が実行される。即ち、情報処理装置10(テスト処理部104)は、これらのプログラムモジュールPM1、PM2、PM3、PM4、PM5、PM6・・・により構成されるテスト処理のプログラムを実行する。このテスト処理により、当該テスト処理で指定されるシーケンスのゲーム処理が端末装置20において実行される。例えば端末装置20は、テスト処理で発行される指示コマンドにより指示される自動操作によりゲームを進行させるゲーム処理を実行する。そして情報処理装置10は、自動操作により進行するゲームのゲーム動画を再生するための再生情報を記録する。例えば情報処理装置10は、ゲーム処理により生成される一連のゲーム画像を、再生情報として端末装置20から受信して、記憶部170(再生情報記憶部172)に記録する。そして情報処理装置10の表示部190において、記録された再生情報に基づきゲーム動画が再生されて表示されると共に、このゲーム動画の再生の際に、自動操作により進行するゲーム処理の状況が表示される。具体的には、
図5~
図9に示すように、ゲーム動画が表示されると共にゲーム処理の状況がゲーム動画に重ねて表示される。
図5~
図9では、ゲーム処理の状況を示す字幕が、ゲーム動画に重ねて表示されている。具体的には
図4のように各プログラムモジュールに付与された一連のキーワードが、ゲーム処理状況を示す字幕として時系列に表示される。
【0084】
例えば
図5ではゲーム動画としてアプリの開始画面のゲーム画像が情報処理装置10の表示部190に表示されている。そしてこの場合には
図4のプログラムモジュールPM1が実行されているため、
図5のA1に示すように、プログラムモジュールPM1に付与されたキーワードである「アプリを開始する」が字幕として表示される。即ちゲーム動画に重ねて表示される。テスト処理のプログラムモジュールPM1は、自動操作による画面へのタッチ操作が適切に行われたか否かを判断して、画面へのタッチ操作が適切に行われると、アプリ開始のゲーム処理を実行する。
【0085】
図6ではゲーム動画として利用規約の同意画面のゲーム画像が表示されている。そしてこの場合には
図4のプログラムモジュールPM2が実行されているため、
図6のA2に示すように、プログラムモジュールPM2に付与されたキーワードである「利用規約に同意する」が字幕として表示される。テスト処理のプログラムモジュールPM2は、自動操作による同意アイコンのタップ操作が適切に行われたか否かを判断して、同意アイコンのタップ操作が適切に行われると、次の
図7のゲーム画像の画面に遷移するゲーム処理を行う。
【0086】
図7ではゲーム動画として新ゲーム開始画面のゲーム画像が表示されている。そしてこの場合には
図4のプログラムモジュールPM3が実行されているため、
図7のA3に示すように、プログラムモジュールPM3に付与されたキーワードである「新しくゲームを開始する」が字幕として表示される。テスト処理のプログラムモジュールPM3は、自動操作による新ゲーム開始アイコンのタップ操作が適切に行われたか否かを判断して、新ゲーム開始アイコンのタップ操作が適切に行われると、次の
図8のゲーム画像の画面に遷移するゲーム処理を行う。
【0087】
図8ではゲーム動画として描画初期設定画面のゲーム画像が表示されている。そしてこの場合には
図4のプログラムモジュールPM4が実行されているため、
図8のA4に示すように、プログラムモジュールPM4に付与されたキーワードである「描画の初期設定で高精細モードを選択する」が字幕として表示される。テスト処理のプログラムモジュールPM4は、自動操作による高精細モード選択アイコンのタップ操作が適切に行われたか否かを判断して、高精細モード選択アイコンのタップ操作が適切に行われると、次の
図9のゲーム画像の画面に遷移するゲーム処理を行う。
【0088】
図9ではゲーム動画として初回ダウンロード開始画面のゲーム画像が表示されている。そしてこの場合には
図4のプログラムモジュールPM5が実行されているため、
図9のA5に示すように、プログラムモジュールPM5に付与されたキーワードである「初回ダウンロードをOKする」が字幕として表示される。テスト処理のプログラムモジュールPM5は、自動操作による初回ダウンロード開始アイコンのタップ操作が適切に行われたか否かを判断して、初回ダウンロード開始アイコンのタップ操作が適切に行われると、A6に示すように初回のデータダウンロードが実行される。
【0089】
以上のように本実施形態では、情報処理装置10によるテスト処理の実行により、自動操作によりゲームが進行するゲーム処理が端末装置20において行われる。例えば
図5において画面にタッチしてアプリを開始し、
図6において同意アイコンをタップし、
図7において新ゲーム開始のアイコンをタップし、
図8において高精細モード選択アイコンをタップし、
図9において初回ダウンロード開始アイコンをタップするという自動操作が行われて、一連のゲーム処理が実行される。そして、このような自動操作のゲーム処理によるゲーム動画の再生情報が記録される。テスト処理が終了した後、テスターである作業者がテスト結果を確認する際には、
図5~
図9に示すような一連のゲーム画像からなるゲーム動画が再生されて情報処理装置10の表示部190に表示される。そしてこのゲーム動画の再生の際に、
図5~
図9に示すように、自動操作による進行するゲーム処理の状況が表示される。例えばゲーム処理の状況を示す字幕が、ゲーム動画に重ねて表示される。例えばテスト処理の複数のプログラムモジュールに付与された一連のキーワードが、ゲーム処理状況を示す字幕として表示される。従って、作業者は、テスト処理の終了後、テスト処理の結果を確認する際に、ゲーム動画と共に表示される字幕等のゲーム処理状況の画像を見ることで、自動操作によるゲーム処理の進行状況を容易に把握できるようになり、ゲームプログラムのデバッグ作業等の効率化を図れる。
【0090】
また本実施形態では、ゲーム処理の不具合として所定エラーが発生した場合に、所定エラーの発生を通知する処理を行う。
【0091】
例えば本実施形態では、テスト処理の終了後に、
図10(A)、
図10(B)に示すような通知が、メールや掲示板などのメッセージ伝達によりプログラマーなどの作業者に対して送られる。
図10(A)は、アプリ開始からチュートリアルのクリアまでのテスト範囲のテスト処理において、エラーが発生しなかった場合の通知の例である。
図10(B)は、当該テスト範囲のテスト処理において、エラーが発生した場合の通知の例である。このような通知を行うことで、プログラマー等の作業者は、テスト処理により行われた自動操作によるゲーム処理にエラーが発生したことを知ることができる。そして
図5~
図9のようにゲーム動画と共に表示されたゲーム処理の状況を確認することで、ゲームプログラムのデバッグ作業を効率的に進めることができる。
【0092】
また本実施形態では、ゲーム処理の不具合として所定エラーが発生した場合に、所定エラーの内容情報を取得するための情報も通知する。
【0093】
例えば
図10(B)のB1では、エラーの内容情報を取得するためのリンク先のアドレスが、通知のメール内に記載されている。プログラマー等の作業者は、このリンク先のアドレスにアクセスすることで、発生したエラーの内容情報を確認できる。具体的には、プログラマー等の作業者は、リンク先のアドレスにアクセスすることで、
図11に示すようなテストログを見ることができ、エラーの内容情報を確認できるようになる。このテストログには、全体的なテスト結果や、テスト処理のエラーのウォーニングや、テスト処理の実行の際の時系列のログが記載されている。例えば作業者は、
図11のテストログを見ることで、B2に示すように利用規約の同意アイコンのタップの際にエラーが発生したり、B3に示すように初回データのダウンロードの際にエラーが発生したことなどを確認できるようになる。
【0094】
なおゲーム処理にエラー(不具合)が発生した場合に、
図12のB4や
図13のB5に示すように、エラーが発生したことを知らせる字幕を表示してもよい。例えばエラーによりゲーム処理が失敗したことを知らせる字幕をゲーム動画に重ねて表示する。例えば
図12のB4では、利用規約の同意アイコンのタップ操作が失敗したことを知らせる字幕が表示されている。
図13のB5では、初回データのダウンロードが失敗したことを知らせる字幕が表示されている。このようにすれば作業者は、ゲーム動画に重ねて表示される字幕を見ることで、ゲーム処理の不具合の原因を把握できるようになり、作業の効率化を図れる。
【0095】
また本実施形態では、テスト処理のプログラムを構成する複数のプログラムモジュールの各プログラムモジュールに付与されたキーワードを、ゲーム処理の状況を示す情報として表示する処理を行っている。
【0096】
例えば
図4に示すように、プログラムモジュールPM1、PM2、PM3、PM4、PM5には、各々、「アプリを開始する」、「利用規約に同意する」、「新しくゲームを始める」、「描画の初期設定で高精細モードを選択する」、「初回ダウンロードをOKする」というキーワードが付与されている。例えばこれらの各プログラムモジュールの先頭に、これらの各キーワードが記述されている。そして
図5ではプログラムモジュールPM1に付与されたキーワードである「アプリを開始する」が字幕として表示される。同様に
図6、
図7、
図8、
図9では、各々、プログラムモジュールPM2、PM3、PM4、PM5に付与されたキーワードである「利用規約に同意する」、「新しくゲームを始める」、「描画の初期設定で高精細モードを選択する」、「初回ダウンロードをOKする」が字幕として表示される。このようにすれば、作業者は、テスト処理により実行されるゲーム処理の実行状況がどのような状況であるのかを、これらのキーワードを見ることで容易に把握できるようになる。そして作業者は、このようなゲーム処理の状況の字幕が表示されるゲーム動画を見ながら、
図11に示すようなテストのログファイルを確認して、ゲーム処理がどのような状況のときにエラーが発生したのかを、容易に把握できる。これにより作業者の作業効率を大幅に向上できる。
【0097】
また本実施形態では
図14に示すように、情報処理装置10(テスト処理部104)が、自動操作の指示コマンドを端末装置20に対して送信して、自動操作によるゲーム処理を端末装置20に行わせている。例えば
図4のテスト処理のプログラムの各プログラムモジュールには、自動操作の指示コマンドが含まれている。例えばプログラムモジュールPM1には画面へのタッチ操作を指示するコマンドが含まれており、プログラムモジュールPM2には利用規約の同意アイコンのタップ操作を指示するコマンドが含まれている。プログラムモジュールPM3には新ゲーム開始アイコンのタップ操作を指示するコマンドが含まれており、プログラムモジュールPM4には高精細モード選択アイコンのタップ操作を指示するコマンドが含まれており、プログラムモジュールPM5には初回ダウンロード開始アイコンのタップ操作を指示するコマンドが含まれている。このような指示コマンドにより自動操作を行わせることで、一連の自動操作によりゲームを進行させて、テスト処理の対象となるゲーム処理を端末装置20に実行させることが可能になる。
【0098】
また本実施形態では
図14に示すように、自動操作によるゲーム処理を行う端末装置20でのゲーム画像の遷移に基づいて、ゲーム処理の不具合の発生を判断する。例えば自動操作によるゲーム処理により生成された一連のゲーム画像が、端末装置20から情報処理装置10に送信される。情報処理装置10は、これらの一連のゲーム画像を受信して、ゲーム動画の再生情報の記録処理を行う。また情報処理装置10(テスト処理部104)は、これらの一連のゲーム画像の遷移に基づいて、ゲーム処理の不具合の発生を判断する。
【0099】
例えばテスト処理では、
図5のゲーム画像の表示の後、
図6のゲーム画像が表示されていることが予定されている。即ち
図5のゲーム画像において、自動操作による画面へのタッチ操作が適正に行われれば、
図5のゲーム画像から
図6のゲーム画像に遷移するはずである。このとき、
図6のようなゲーム画像に遷移しなかった場合には、ゲーム処理に不具合が発生したと判断する。例えば画像比較処理等により、同意アイコン等の表示物が適正な位置に表示されているか否かを判断し、適正な位置に表示されていなかった場合には、ゲーム処理に不具合が発生したと判断する。
【0100】
またテスト処理では、
図6のゲーム画像の表示の後、
図7のゲーム画像が表示されていることが予定されている。即ち
図6のゲーム画像において、自動操作による同意アイコンのタップ操作が適正に行われれば、
図6のゲーム画像から
図7のゲーム画像に遷移するはずである。このとき、
図7のようなゲーム画像に遷移しなかった場合には、ゲーム処理に不具合が発生したと判断する。例えば画像比較処理等により、ゲーム開始アイコン等の表示物が適正な位置に表示されているか否かを判断し、適正な位置に表示されていなかった場合には、ゲーム処理に不具合が発生したと判断する。
【0101】
またテスト処理では、
図9のゲーム画像の表示の後、初回データのダウンロードが適正に終了すれば、次のゲーム画像に遷移することが予定されている。このとき、例えば通信の不具合等により初回データのダウンロードが失敗して、次のゲーム画像に遷移しなかった場合には、ゲーム処理に不具合が発生したと判断する。例えばサーバシステム500(ゲームサーバ)からの初回データのダウンロードが通信の不具合等が原因となって失敗し、ゲーム処理に不具合が発生したと判断する。
【0102】
このようにゲーム画像の遷移により不具合の発生を判断すれば、例えばゲーム動画の再生に用いるゲーム画像を有効活用して、ゲーム処理の不具合の発生を判断できるようになる。
【0103】
また本実施形態では、ゲーム進行における指定されたテスト範囲において、ゲーム処理の不具合を判断する。例えば
図4~
図11で説明したテスト処理は、
図15に示すようにアプリの開始からチュートリアルの終了までをテスト範囲とするテスト処理である。本実施形態では、このテスト範囲を任意の範囲に設定できる。例えばキャラクタ同士が対戦する戦闘シーンをテスト範囲に設定したり、キャラクタがダンジョンに入った後、ダンジョンをクリアするまでのシーンをテスト範囲に設定するなど、テスト範囲を様々な範囲に設定できる。これにより、ゲームプログラムのデバッグのために好適と考えられる範囲をテスト範囲に設定して、テスト処理を実行し、当該テスト範囲での効率的なゲームプログラムのデバッグを実現できるようになる。
【0104】
以上のように本実施形態では、自動テストのバッチ処理として、自動操作のゲーム処理が端末装置20において行われ、そのゲーム画像が録画される。例えば自動テストの処理の開始時に録画を開始し、自動テストの処理の終了時に録画を終了して、ゲーム動画のファイルに変換される。そしてゲーム動画の再生の際に
図5~
図9に示すようにゲーム処理の状況を示す字幕がゲーム動画に重ねて表示される。そして例えば自動テストのバッチ処理の終了後に、
図10(A)、
図10(B)に示すように、自動テストの成功や失敗がメールや掲示板等により作業者に通知される。作業者は、
図11に示すテストログを確認すると共に、
図5~
図9のゲーム動画を確認して、ゲーム処理のどのタイミングで不具合が発生したかや、どのようなシーケンスで不具合が発生したかなどの不具合の発生状況を確認する。そして確認結果に基づいて、ゲームプログラムのデバッグ作業を行う。
【0105】
例えば本実施形態の比較例として、実行された各テスト処理を羅列したテキスト形式のテストログと、予め設定した特定タイミング(エラー発生時等)での静止画像を記録して、これらのテストログと静止画像を用いてデバッグ作業を行う手法が考えられる。しかしながら、エラー発生時の静止画像の記録は、不具合の発生後の状況の記録であり、そのエラーに至る過程は記録できない。
【0106】
この点、静止画像ではなく動画によって記録を取るようにすれば、エラー発生より前のタイミングからの経過を確認できるようなる。ところが、テストログ(作業結果ログ)と動画とを付き合わせて確認する作業は、時刻情報があれば可能ではあるものの、長い時間(例えば数十分)の動画では、非常に面倒な作業になってしまう。
【0107】
そこで本実施形態では、
図11に示すテストログからのキーワード等の抽出情報を字幕に加工して、ゲーム動画に重ねて表示している。このようにすれば、自動テストのバッチ処理を実行させた後、
図10(A)、
図10(B)に示すような通知を受けた作業者は、ゲーム動画と共に表示される字幕を見ることで、ゲーム処理の不具合の発生タイミングや、不具合の発生に至る経過などを、簡素な作業で確認できるようになり、ゲームプログラムのデバッグ作業等の効率化を図れる。
【0108】
2.2 コメントの設定
本実施形態では、自動操作により進行するゲームのゲーム動画を再生するための再生情報を記録する処理を行うと共に、このような自動操作状況に対するコメントの設定処理を行う。設定されるコメントは、デバッグ等の作業の手引きや案内となるシオリとも言うことができる。また自動操作状況は、自動操作の入力状況、又は自動操作によるゲーム処理の状況である。そして再生情報に基づいてゲーム動画を再生して表示すると共に、ゲーム動画の再生の際に、自動操作状況に対して設定されたコメントを表示する処理を行う。例えばゲーム動画の再生の際に、自動操作の入力状況に対して設定されたコメントを表示したり、自動操作によるゲーム処理の状況に対して設定されたコメントを表示する。
【0109】
例えば
図16では、利用規約の同意アイコンのタップ操作時にエラーが発生している。そして
図16のC1では、エラーの発生を確認した作業者が、自動操作状況であるゲーム処理の状況に対するコメントとして、「同意アイコンの位置を確認する必要がある」というコメントを入力している。即ち、ゲーム動画や、字幕によるゲーム処理の状況を確認した作業者は、同意アイコンが誤った位置に配置されたことが、エラーの発生原因であると判断して、C1に示すようなコメントを入力している。本実施形態では、このように作業者によるコメントが入力されて設定されると、自動操作状況であるゲーム処理の状況に対するコメントとして、ゲーム動画の再生の際に表示する。例えばテスト処理の結果を解析することで生まれた指定時刻に対してのコメントを、ゲーム動画に重ねて表示する。このようにすれば、例えばプログラマーは、このコメントを確認することで、ゲーム処理の不具合の発生の原因等を容易に把握できるようになる。例えばプログラマーは、同意アイコンの位置を適正な位置に変更するなどの作業を直ぐに行えるようになり、デバッグ作業の効率を大幅に向上できる。
【0110】
図17では、初回データのダウンロード時にエラーが発生している。そして
図17のC2では、エラーの発生を確認した作業者が、自動操作状況であるゲーム処理の状況に対するコメントとして、「ダウンロードのウェイト時間の調整の必要がある」というコメントを入力している。即ち、ゲーム動画や、字幕によるゲーム処理の状況を確認した作業者は、初回データのダウンロードのウェイト時間が十分ではなかったことが、エラーの発生原因であると判断して、C2に示すようなコメントを入力している。本実施形態では、このように作業者によるコメントが入力されて設定されると、自動操作状況であるゲーム処理の状況に対するコメントとして、ゲーム動画の再生の際に例えばゲーム動画に重ねて表示する。このようにすれば、例えばプログラマーは、このコメントを確認することで、ゲーム処理の不具合の原因等を容易に把握できるようになる。そして例えばダウンロードのウェイト時間を調整するなどのデバッグ作業を直ぐに行えるようになり、デバッグ作業の効率を大幅に向上できる。
【0111】
例えば本実施形態では、自動操作の各タイミングに対応して作業者が入力した入力情報を、自動操作の各タイミングにおけるコメントとして設定する。そしてゲーム動画の再生の際の自動操作の各タイミングにおいて、各タイミングに対応して設定されたコメントを表示する処理を行う。
【0112】
例えば
図18は本実施形態により生成される字幕ファイルの例である。この字幕ファイルでは、タイムスタンプに対してキーワードやコメントが対応づけられている。タイムスタンプは自動操作のタイミングに対応した時間を示している。キーワードは、ゲーム処理の状況を示すものである。コメントは、自動操作状況であるゲーム処理の状況に対して、テスター等の作業者が入力した入力情報である。例えば作業者は、
図3の操作部160を用いて、コメントを入力する。例えば
図18では、同意アイコンをタップするという自動操作のタイミングに対応するタイムスタンプに対して、「アインコンをタップする」というゲーム処理の状況を表すキーワードが対応づけられている。また当該タイムスタンプに対して、「同意アイコンの位置を確認する必要がある」という作業者が入力したコメントも対応づけられている。例えばテスト処理により、各タイムスタンプに対して各キーワードが対応づけられた字幕ファイルが生成される。コメントの設定処理では、作業者による字幕ファイルの編集処理が可能になる。そしてこの字幕ファイルの編集処理において、作業者が
図18に示すようなコメントを入力する。これにより、タイムスタンプに対して、「アインコンをタップする」というキーワードと共に、「同意アイコンの位置を確認する必要がある」というコメントが対応づけられるようになる。そして
図18に示すような字幕ファイルを用いることで、
図16に示すように、ゲーム処理の状況を示すキーワードの字幕や、ゲーム処理の状況に対するコメントの字幕が、ゲーム動画に重ねて表示されるようになる。
【0113】
このようにすることで、プログラマー等の作業者は、キーワードの字幕を見ることでゲーム処理の状況を把握できると共に、コメントの字幕を見ることで、テスター等の作業者が入力したコメントについても確認できるようになる。これによりゲームプログラムの不具合の発生の状況や経過を容易に把握、確認することができ、デバッグ作業の効率化を図れるようになる。
【0114】
また本実施形態では、自動操作の各タイミングを示すタイムスタンプに対して、作業者の入力情報であるコメントを対応づける処理を行う。例えば
図18では、同意アイコンをタップするという自動操作のタイミングを示すタイムスタンプに対して、作業者が入力した「同意アイコンの位置の確認が必要」というコメントを対応づける処理が行われている。このようにすれば、自動操作のタイミングに連動して、当該自動操作に対応するコメントをゲーム動画に重ねて表示することが可能になる。従って、自動操作状況に対する適切なコメントを設定して、その自動操作のタイミングで、設定されたコメントを表示できるようになり、自動操作状況に応じた適切なコメント表示が可能になる。
【0115】
また本実施形態では、ゲーム処理の状況を表示する処理として、ゲーム処理の状況を示す字幕をゲーム動画に重ねて表示する処理が行われる。またゲーム動画の再生の際に、コメントの字幕をゲーム動画に重ねて表示する処理が行われる。例えばゲーム動画の再生の際に、
図18で説明したような字幕ファイルに基づいて字幕を表示することで、ゲーム動画の各タイミングに対応する字幕が、ゲーム動画に重ねて表示されるようになる。
【0116】
このようにゲーム処理の状況やコメントを、字幕としてゲーム動画に重ねて表示することで、作業者は、字幕に書かれた言葉を読むだけで、ゲーム処理の状況や、入力されたコメントを確認できるようになる。また作業者は、ゲーム動画に基づいてゲーム進行の状況を把握しながら、字幕を読むことで、ゲーム処理の実行状況や、それに対して入力されたコメントを把握できるため、作業効率を大幅に向上できる。また
図18の字幕ファイルに示すように、各タイムスタンプに対応づけられたゲーム処理状況のキーワードやコメントを字幕として表示すれば、ゲーム動画の再生の各タイミングにおいて、各タイミングに適切な字幕をゲーム動画に連動して表示することが可能になる。
【0117】
また本実施形態では、ゲーム動画のレイヤーとは異なるレイヤーに設定された字幕を表示する処理を行う。例えば
図19では、ゲーム動画はレイヤーAに設定され、ゲーム処理状況のキーワードやコメントの字幕は、レイヤーAとは異なるレイヤーBに設定されている。具体的にはゲーム動画のレイヤーAの上層のレイヤーBに字幕が設定される。
【0118】
このようにすることで、ゲーム動画に重ねて、ゲーム処理状況のキーワードやコメントの字幕を表示できるようになる。例えばゲーム動画に字幕の情報を完全に合成してしまうと、必要な情報が字幕に隠れて見えなくなってしまったり、後で字幕だけ変更することが難しくなって利便性が低下する。この点、ゲーム動画と字幕を別レイヤーに設定することで、自動操作のゲーム処理により得られたゲーム動画についてはそのままにして、字幕だけに変更を加えて表示することが可能になる。例えば
図18の字幕ファイルを編集して変更を加えることで、ゲーム動画については変更せずに、ゲーム動画に重ねて表示される字幕だけを変更できる。例えばゲーム処理状況のキーワードが字幕として表示されるゲーム動画を見た作業者が、コメントを作成して字幕ファイルに記述することで、ゲーム動画については変わらないまま、コメント追加により変更された字幕をゲーム動画に重ねて表示できるようになる。従って、ゲーム動画に対して、様々な態様で変更された字幕を重ねて表示できるようになり、デバッグ作業に好適なゲーム動画及び字幕を作業者に表示することが可能になる。
【0119】
なお字幕を表示した場合に、その字幕の存在が、ゲーム動画の表示物の表示の邪魔になってしまう場合もある。従って、例えばゲーム動画において重要な表示物や注目対象となる表示物がある場合に、当該表示物を避けた位置に字幕を表示することが望ましい。例えば自動操作が、キャラクタに対する操作である場合には、キャラクタの表示領域を避けた位置に字幕を表示して、字幕によってキャラクタが隠れてしまわないようにする。また自動操作が、アイコンのタップ等の操作であれば、アイコンの表示領域を避けた位置に字幕を表示して、字幕によってアイコンが隠れてしまわないようにする。このように自動操作のタイプに応じて、字幕の表示位置を変化させる。或いは、ゲーム処理の不具合の種類や内容に応じて、字幕の表示色、表示位置、半透明度又は表示演出などの表示態様を変化させてもよい。例えば重要な不具合であるか否かに応じて、字幕の表示態様を変化させたり、ゲーム処理の不具合の種類が特定の種類か否かに応じて、字幕の表示態様を変化させる。
【0120】
また本実施形態では、ゲーム処理の状況を表示する処理として、自動操作が行われる画面の操作位置を識別するための識別画像をゲーム動画に重ねて表示する処理を行ってもよい。
【0121】
例えば
図20では、同意アイコンにタップする自動操作が行われている。この場合に自動操作が行われる画面の操作位置を識別するための識別画像として、マーカMKが表示されている。即ち自動操作の対象である同意アイコンに対応する位置に、マーカMKが表示されている。このようにすれば、自動操作によるゲーム処理の状況が、同意アイコンにタップ操作が行われている状況であることを、作業者は、マーカMKを見て容易に認識できるようになる。例えば
図20では、ゲーム処理状況を示す字幕は表示されていないが、このようなマーカMKを表示することで、自動操作状況であるゲーム処理状況がどのように進行していくのかを作業者が容易に把握できるようになる。
図6~
図9を例にとれば、
図6では同意アイコンに対応する位置にマーカMKを表示し、
図7では新ゲーム開始アイコンに対応する位置にマーカMKを表示し、
図8では高精細モード選択アイコンに対応する位置にマーカMKを表示し、
図9では初回ダウンロード開始アイコンに対応する位置にマーカMKを表示する。このようにすれば、自動操作のゲーム処理において、どのように自動操作が行われていくのかを、作業者は、例えばマーカMKの動きを追うことで容易に把握できるようになる。
【0122】
また本実施形態では、自動操作が行われる画面の操作位置に対応する位置に、コメントをゲーム動画に重ねて表示する処理を行う。
【0123】
例えば
図21では、同意アイコンにタップする自動操作が行われている。この場合に自動操作が行われる画面の操作位置に対応する位置に、「同意アイコンの位置を確認する必要がある」というコメントが表示されている。具体的には、自動操作の対象である同意アイコンに対応する位置に、吹き出しBBCが表示され、この吹き出しBBCの中にコメントが表示されている。このようにすれば自動操作状況に対して設定されたコメントが、自動操作の操作位置に対応する位置に表示されるようになり、自動操作状況に応じた適切なコメントの表示が可能になる。例えば
図21では、ゲーム処理状況のキーワードの字幕は表示されていないが、自動操作の操作位置に対応する位置にコメントを表示することで、作業者は自動操作の状況を容易に把握できるようになる。
図6~
図9を例にとれば、
図6では同意アイコンに対応する位置にコメントを表示し、
図7では新ゲーム開始アイコンに対応する位置にコメントを表示し、
図8では高精細モード選択アイコンに対応する位置にコメントを表示し、
図9では初回ダウンロード開始アイコンに対応する位置にコメントを表示する。このようにすれば、一連の自動操作の各自動操作に対応する操作位置に、その自動操作に対して設定されたコメントを表示できるようになり、自動操作状況に応じた適切なコメントを、ゲーム動画の再生の際に表示することが可能になる。
【0124】
なお以上では、ゲーム処理の不具合を判断するためのテスト処理を行う場合について主に例にとり説明したが、本実施形態はこれに限定されない。このような不具合の発生を判断するテスト処理を行うことなく、ゲーム動画を再生して表示すると共に、ゲーム動画の再生の際に、自動操作状況に対して設定されたコメントを表示するようにしてもよい。例えば、自動操作の入力状況に対するコメントの設定処理を行い、ゲーム動画の再生の際に、自動操作の入力状況に対して設定されたコメントを表示する。即ち、ゲーム処理の状況に対するコメントではなく、自動操作の入力状況に対するコメントを設定して表示する。例えば
図6、
図7、
図8、
図9のように、同意アイコンのタップの自動操作、新ゲーム開始アイコンのタップの自動操作、高精細モード選択アイコンのタップの自動操作、初回ダウンロード開始アイコンのタップの自動操作が行われる場合に、これらの各自動操作に対して作業者のコメントを設定できるようにする。そして各自動操作に対して設定されたコマンドを、例えば
図21に示すような表示態様で表示する。このようにすれば、例えばテスター等の作業者が、各自動操作のタイミングで、自動操作状況に対するコメントを入力して設定できるようになる。そして、例えばプログラマー等の作業者は、各自動操作に対して設定されたコメントが、ゲーム動画の再生の際に表示されることで、自動操作が適切に行われてゲームが適切に進行しているかを、コメントを見ることで容易に把握することが可能になる。
【0125】
また本実施形態では、ゲーム処理の状況を表示する際や、コメントを表示する際に、再生速度及び再生方向の少なくとも一方が可変に設定されるゲーム動画の再生処理を行う。即ち、ゲーム処理の状況やコメントの表示の際に、作業者が、ゲーム動画の再生速度や再生方向を可変に設定できるようにする。例えばデバッグ作業は、実機である端末装置での動作確認である。このため、ゲーム動画の再生にかかる時間が、実際にプレーヤが操作したときの時間と同じになってしまうと、デバッグの作業時間が長くなってしまうというデメリットがある。
【0126】
この点、例えば
図22では、ゲーム画像の画面に対してコントロールパネルCPAが表示されている。作業者は、このコントロールパネルCPAにおいて、早送り再生を選択したり、巻き戻し再生を選択することができ、ゲーム動画の再生速度や再生方向を設定できるようになっている。例えば
図22の初回ダウンロードは長いウェイト時間を要するため、作業時間が長くなってしまう。従って、このような場合には、作業者は、コントロールパネルCPAにおいて早送り再生を選択する。こうすることで、作業者のウェイト時間を短くすることができ、
図22の次のゲーム画像に短時間で遷移させることが可能になる。また例えばゲーム処理にエラーが発生した場合に、そのエラーの発生原因を遡って調べたい場合があり、このような場合には作業者は、コントロールパネルCPAにおいて巻き戻し再生を選択する。こうすることで、エラーの発生タイミングよりも前のタイミングでのゲーム処理の状況や自動操作の入力状況を、作業者は確認できるようになる。これにより、ゲーム処理の不具合の発生の原因を、より適切に把握することが可能になる。例えばキャラクタ選択における不具合の発生の原因としては、キャラクタ選択画面におけるキャラクタの選択の失敗以外にも、キャラクタ選択画面の表示の失敗などの種々の原因が考えられる。このような場合には、例えばキャラクタ選択の不具合の発生が確認され時点で、作業者はゲーム動画の再生を停止し、コントロールパネルCPAにおいて巻き戻し再生を選択する。そして、例えばキャラクタ選択画面が表示されるタイミングまで、巻き戻し再生により戻り、その時点でのゲーム動画やゲーム処理の状況などを確認する作業を行う。このようにすることで、不具合の発生の原因を遡って調べることが可能になり、デバッグ作業の効率を大幅に向上できるようになる。
【0127】
2.3 端末装置でのゲーム処理の実行
次に端末装置20でのゲーム処理の種々の実行態様について説明する。例えば本実施形態では、1つの端末装置20において自動操作によるゲーム処理を複数回実行させて、ゲーム処理の不具合の発生を判断する。
【0128】
例えば
図23では、
図4~
図9で説明したようなゲーム処理を、1つの端末装置20において複数回実行させる。即ち
図15のテスト範囲でのテスト処理によるゲーム処理を、端末装置20に複数回実行させて、ゲーム処理の不具合の発生を判断する。例えば本実施形態のテスト処理は自動テストであるため、深夜の時間や人が見ていない時間などに、テスト処理によるゲーム処理を繰り返し行っておき、後からそれらのテスト結果をまとめて集計することで、個別のテストでは見えにくい傾向などを解析することが可能になる。例えば端末装置20でのゲーム処理が、どのゲームシーンで中断し易いかなどについての統計的な解析が可能になる。
【0129】
例えば端末装置20でのゲーム処理は、外気温の変動などの周囲環境の変動、他の処理の負荷の増大などの処理の実行環境の変動、端末装置20とサーバシステム500との間の通信環境の変動などの影響を受ける。従って、1回のテスト処理によるゲーム処理を実行しただけでは、適正な判断処理ができないおそれがある。
【0130】
この点、
図23のように、自動操作によるゲーム処理であるテスト処理を端末装置20に複数回実行させれば、例えばテスト結果の統計解析などを行うことで、ゲーム処理の不具合の発生の適正な判断処理を実現できる。例えば周囲環境の変動、実行環境の変動、或いは通信環境の変動などを反映させた適切な判断処理を実現できる。例えば端末装置20とサーバシステム500との通信環境が良い状況で、テスト処理にパスしたとしても、通信環境が悪い状況になると、ゲーム処理の実行に不具合が発生する場合がある。例えば通信環境が悪い状況では、
図9において、初回データのダウンロードに失敗するなどのエラーが発生する場合がある。この点、
図23に示すように、自動操作によるゲーム処理であるテスト処理を、1つの端末装置20において複数回実行させて、これらの複数回のテスト処理にパスすれば、周囲環境の変動や実行環境の変動や通信環境の変動があった場合にも、端末装置20での適切なゲーム処理の実行を保証できるようになる。従って、より適切なデバッグ処理の実現が可能になる。
【0131】
また本実施形態では、複数の端末装置において自動操作によるゲーム処理を並列して実行させて、ゲーム処理の不具合の発生を判断する。
【0132】
例えば
図24では、情報処理装置10と複数の端末装置20-1、20-2、20-3とが通信接続されている。そして情報処理装置10は、複数の端末装置20-1、20-2、20-3において自動操作によるゲーム処理を並列して実行させて、ゲーム処理の不具合の発生を判断する。端末装置20-1、20-2、20-3は、例えば機種が異なる端末装置であり、製造メーカ等が異なる端末装置である。なおゲーム処理を並列に実行させる端末装置の台数は3台に限定されず、2台であってもよい、4台以上であってもよい。
【0133】
例えば
図24において端末装置20-1、20-2では、ゲーム処理が適正に実行されたとしても、これらとは機種が異なる端末装置20-3においてはゲーム処理の実行が不具合により失敗してしまう場合がある。具体的には、端末装置20-3の処理能力が低い場合には、端末装置20-3での処理負荷が原因で、ゲーム処理の実行に失敗してしまう。また端末装置20-3の通信能力が低い場合には、サーバシステム500との通信が適正に行われないことが原因で、ゲーム処理の実行に失敗してしまう。
【0134】
この点、
図24のように、自動操作によるゲーム処理であるテスト処理を、複数の端末装置20-1、20-2、20-3に並列して実行させれば、例えばテスト結果の統計解析などを行うことで、ゲーム処理の不具合の発生の適正な判断処理を実現できる。例えば機種が異なる端末装置20-1、20-2、20-3においてテスト処理がパスすれば、これらの全ての機種での適切なゲーム処理の実行を保証できるようになり、より適切なデバッグ処理の実現が可能になる。例えば端末装置20-3の処理能力や通信能力が、端末装置20-1、20-2に比べて低い場合に、端末装置20-1、20-2のみならず端末装置20-3においても、自動操作によるゲーム処理において不具合が発生しなければ、全ての機種での適切なゲーム処理の実行を保証できるようになる。これにより、機種依存によるゲーム処理の不具合の発生に対しても適切に対応することが可能になる。
【0135】
なお
図24において、複数の端末装置20-1、20-2、20-3のゲーム処理による複数のゲーム動画を、情報処理装置10の表示部190の1つの画面に表示するようにしてもよい。このようにすれば、表示部190に表示される複数のゲーム動画を作業者が見ることで、端末装置20-1、20-2、20-3でのゲーム処理の不具合の発生を判断できるようになる。この場合に、複数のゲーム動画の各ゲーム動画に対して、ゲーム処理の状況を重ねて表示するようにしてもよい。或いは、自動操作の入力状況又は自動操作によるゲーム処理の状況である自動操作状況に対するコメントを、複数のゲーム動画の各ゲーム動画に対して重ねて表示するようにしてもよい。
【0136】
また
図23の手法と
図24の手法を組み合わせるようなテスト処理も可能である。例えば複数の端末装置20-1、20-2、20-3において自動操作によるゲーム処理を並列して実行させると共に、端末装置20-1、20-2、20-3の各端末装置において、自動操作によるゲーム処理を複数回実行させて、ゲーム処理の不具合の発生を判断する。このようにすれば、更に適切なデバッグ処理の実現が可能になる。
【0137】
また本実施形態では、サーバシステム500と通信しながらゲーム処理を行う端末装置20に、自動操作によるゲーム処理を行わせて、ゲーム処理の不具合の発生を判断する。例えば
図25では、端末装置20は、サーバシステム500と通信しながら自動操作によるゲーム処理を実行している。例えば情報処理装置10が自動操作の指示コマンドを端末装置20に送信し、端末装置20は、サーバシステム500と通信しながら行うゲーム処理において、指示された自動操作によりゲームを進行させる。例えばゲーム処理は、端末装置20とサーバシステム500の分散処理により実現され、当該ゲーム処理における操作入力が、情報処理装置10の指示による自動操作により実現される。そして情報処理装置10は、端末装置20のゲームの動画の再生の際に、ゲーム処理の状況や自動操作入力状況に対するコメントを表示部190に表示する。このようにすれば、サーバシステム500と通信しながら行うゲーム処理についての適正なデバッグ処理を実現できる。
【0138】
また
図25の場合に、情報処理装置10は、サーバシステム500と通信して、ゲーム処理での不具合の発生の判断処理や不具合の解析処理を行うようにしてもよい。例えばユーザ認証の失敗によりゲーム処理が中断してしまった場合には、情報処理装置10は、サーバシステム500と通信して、ユーザ情報のデータベースにアクセスする。そしてユーザ認証の失敗の原因を、ユーザ情報のデータベースからの情報に基づいて判断したり、解析する。またゲーム処理の不具合が原因で、ゲーム画像が次のゲーム画像に遷移しなかった場合に、情報処理装置10は、サーバシステム500と通信して、ゲームの進行状況の情報を取得して、ゲーム処理の不具合の原因を解析する。またサーバシステムと端末装置20との間の通信が失敗して、ゲーム処理が中断してしまった場合には、情報処理装置10は、サーバシステム500にアクセスして、サーバシステム500と端末装置20との間の通信状況の情報を取得する。そして通信の失敗の原因を解析する。このようすれば、更に適切なデバッグ処理の実現が可能になる。
【0139】
次に
図26のフローチャートを用いて本実施形態の詳細な処理例について説明する。まず情報処理装置10が、自動操作の指示コマンドを端末装置20に送信する(ステップS1)。これにより端末装置20は、指示コマンドにより指示された自動操作によるゲーム処理を実行する。そして情報処理装置10は、ゲーム動画を再生するための再生情報を端末装置20から受信する(ステップS2)。例えば端末装置20で生成されたゲーム画像を、ゲーム動画の再生情報として受信する。また情報処理装置10は、再生情報を記憶部170に記録する(ステップS3)。具体的には、記憶部170の再生情報記憶部172に生成情報を書き込んで記録する処理を行う。
【0140】
次に情報処理装置10は、ゲーム処理の不具合の発生の判断処理を行う(ステップS4)。例えばゲーム画像の遷移に基づいてゲーム処理の不具合の発生を判断する。そして情報処理装置10は、テスト処理が終了したか否かを判断し(ステップS5)、終了した場合にはテスト処理のログファイルを作成する(ステップS6)。例えば
図11で説明したようなログファイルを作成する。また情報処理装置10は、字幕ファイルを作成する(ステップS7)。例えば
図18で説明したような字幕ファイルを作成する。そして情報処理装置10はエラーの通知処理を行う(ステップS8)。例えば
図10(A)、
図10(B)に示すような通知を、メール等を用いて作業者に送信する。
【0141】
次にゲーム動画の再生を開始するか否かを判断する(ステップS9)。例えば作業者によるゲーム動画の再生の開始の指示により、ゲーム動画の再生が開始される。そして情報処理装置10は、再生情報に基づいてゲーム動画を再生して表示すると共に、字幕ファイルに基づいて字幕をゲーム動画に重ねて表示する(ステップS10)。例えばゲーム処理状況を示す字幕やコメントの字幕を、ゲーム動画に重ねて表示する。そしてゲーム動画の再生が終了したか否かを判断し(ステップS11)、ゲーム動画の再生が終了した場合には処理を終了する。
【0142】
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本開示の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本開示の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、記録処理、テスト処理、コメント設定処理、通知処理等も本実施形態で説明したものに限定されず、これらと均等な手法も本開示の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0143】
PM1~PM6…プログラムモジュール、MK…マーカ、BBC…吹き出し、
10…情報処理装置、20、20-1、20-2、20-3…端末装置、
100…処理部、102…記録処理部、104…テスト処理部、
106…コメント設定部、108…通信処理部、120…表示処理部、
130…音処理部、160…操作部、170…記憶部、172…再生情報記憶部、
174…エラー情報記憶部、176…表示情報記憶部、
180…情報記憶媒体、190…表示部、192…音出力部、194…I/F部、
195…携帯型情報記憶媒体、196…通信部、
500…サーバシステム、510…ネットワーク