(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-06
(45)【発行日】2023-10-17
(54)【発明の名称】分散剤としてのアルコキシル化ポリアミドアミン
(51)【国際特許分類】
C08G 69/48 20060101AFI20231010BHJP
C09D 7/41 20180101ALI20231010BHJP
C09D 7/61 20180101ALI20231010BHJP
C09D 7/65 20180101ALI20231010BHJP
C09D 201/00 20060101ALI20231010BHJP
C09J 11/02 20060101ALI20231010BHJP
C09J 201/00 20060101ALI20231010BHJP
C09K 3/10 20060101ALI20231010BHJP
C09K 23/46 20220101ALI20231010BHJP
C09K 23/52 20220101ALI20231010BHJP
【FI】
C08G69/48
C09D7/41
C09D7/61
C09D7/65
C09D201/00
C09J11/02
C09J201/00
C09K3/10 Z
C09K23/46
C09K23/52
(21)【出願番号】P 2020567837
(86)(22)【出願日】2019-05-27
(86)【国際出願番号】 EP2019063593
(87)【国際公開番号】W WO2019233795
(87)【国際公開日】2019-12-12
【審査請求日】2022-05-24
(32)【優先日】2018-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミューラー-クリスタドロ,アンナ マリア
(72)【発明者】
【氏名】ホルカム,トーマス ウェスリー
(72)【発明者】
【氏名】ピルンク,フランク
(72)【発明者】
【氏名】エンゲルト,スザンネ カリーナ
(72)【発明者】
【氏名】パンチェンコ,アレクサンダー
【審査官】古妻 泰一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/045987(WO,A1)
【文献】特開2004-269880(JP,A)
【文献】特表2013-512333(JP,A)
【文献】特表2004-526067(JP,A)
【文献】特表2007-529587(JP,A)
【文献】特開2002-339290(JP,A)
【文献】特開2003-292941(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0247697(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 69/48
C09D 7/41
C09D 7/61
C09D 7/65
C09D 201/00
C09J 11/02
C09J 201/00
C09K 3/10
C09K 23/46
C09K 23/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)カルボン酸基の全数TNが3~10であるポリカルボン酸化合物と式I
H
2N-Z-NH
2
[式中、Zは
、1~20個の炭素原子を有する有機基を表
し、式IにおけるZは、脂肪族炭化水素基である]
の第一級ジアミンをポリカルボン酸化合物1mol当たり0.3TN~TNmolのジアミンの比で反応させ、
b)a)において得られた生成物を第一級アミノ基1mol当たり少なくとも0.5molのアルキレンオキシドでアルコキシル化する
ことによって得ることができる、アルコキシル化ポリアミドアミン。
【請求項2】
カルボン酸基が、カルボン酸基、カルボン酸ハロゲニド基、カルボン酸エステル基若しくはカルボン酸無水物基又はその混合物から選択され、カルボン酸無水物基が、2つのカルボン酸基に対応する、請求項1に記載のアルコキシル化ポリアミドアミン。
【請求項3】
カルボン酸化合物が、式II
【化1】
[式中、X
1~X
3は互いに独立して、ハロゲニド、シアニド又はO-R
1基を表し、R
1は、水素、又は最大で30個の炭素原子を有する有機基であり、Rは、水素、又はC(=O)-R
2基を表し、R
2は、最大で30個の炭素原子を有する有機基である]
の化合物である、請求項1又は2に記載のアルコキシル化ポリアミドアミン。
【請求項4】
式IにおけるZが、脂環式環系を含む脂肪族炭化水素基である、請求項1から3のいずれか一項に記載のアルコキシル化ポリアミドアミン。
【請求項5】
式Iのジアミンが、1-メチル-2,4-ジアミン-シクロヘキサン、1-メチル-2,6-ジアミン-シクロヘキサン又はその混合物である、請求項1又は4に記載のアルコキシル化ポリアミドアミン。
【請求項6】
ポリカルボン酸化合物及びジアミンをポリカルボン酸化合物1mol当たり0.3TN~0.98TNmolのジアミンの比で反応させる、請求項1又は5に記載のアルコキシル化ポリアミドアミン。
【請求項7】
ステップa)において得られるポリアミドアミンが、100~1500mgKOH/gのアミン価を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載のアルコキシル化ポリアミドアミン。
【請求項8】
ステップb)において使用されるアルキレンオキシドが、2~6個の炭素原子を有するアルキレンオキシドである、請求項1から6のいずれか一項に記載のアルコキシル化ポリアミドアミン。
【請求項9】
アルコキシル化ポリアミドアミンのアルコキシル化度が、ステップa)において得られるポリアミドアミンの第一級アミノ基1mol当たり0.5~100molのアルキレンオキシドである、請求項1から7のいずれか一項に記載のアルコキシル化ポリアミドアミン。
【請求項10】
アルコキシル化ポリアミドアミンが、300~50,000g/molの数平均分子量(Mn)を有する、請求項1から9のいずれか一項に記載のアルコキシル化ポリアミドアミン。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載のアルコキシル化ポリアミドアミンの、分散剤としての使用。
【請求項12】
請求項1から10のいずれか一項に記載のアルコキシル化ポリアミドアミンの、顔料分散体の調製のための分散剤としての使用。
【請求項13】
顔料、
請求項1から10のいずれか一項に記載のアルコキシル化ポリアミドアミン、及び
水、有機溶媒又はその混合物から選択される溶媒
を含む顔料分散体。
【請求項14】
請求項13に記載の顔料分散体の、水系若しくは有機溶媒系のコーティング組成物、接着剤又はシーラントの調製のための使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、
a)カルボン酸基の全数TNが3~10であるポリカルボン酸化合物と式I
H2N-Z-NH2
[式中、Zは、結合、又は1~20個の炭素原子を有する有機基を表す]
の第一級ジアミンをポリカルボン酸化合物1mol当たり0.3TN~TNmolのジアミンの比で反応させ、
b)a)において得られた生成物を第一級アミノ基1mol当たり少なくとも0.5molのアルキレンオキシドでアルコキシル化する
ことによって得ることができる、アルコキシル化ポリアミドアミンに関する。
【背景技術】
【0002】
顔料分散体が、様々な技術的用途において使用される。注目すべきことに、それらは、水又は溶媒ベースのコーティング組成物、例えば塗料又はインクにおいて使用される。
【0003】
顔料分散体は、まさにうってつけの濃度の顔料を有するべきである。通常、分散剤が、顔料分散体の調製に使用される。分散剤は、顔料を選択された溶媒に分散させるのに非常に効果的であるべきである。分散剤は、顔料を水及び有機溶媒に分散させるものが望まれている。分散剤の化学合成は容易であるべきであり、入手可能性の低い出発原料、あるいは毒性若しくは環境汚染に関して問題のある又は他の点で有害である出発原料をいずれも必要とするべきでない。さらに、分散剤は、高均質性及び小粒径の顔料粒子を分配させた顔料分散体の調製を可能にするべきである。最後に、得られた顔料分散体の使用により、水又は溶媒ベースのコーティング組成物の塗布特性に悪い影響が与えられるべきではない。
【0004】
アルコキシル化化合物、例えばアルコキシル化ポリエチレンイミンを含めて様々な分散剤が既に公知である。例えば、欧州特許出願公開第1454964号、同第1132440号、及び国際公開第01/92421号には、アルコキシル化ポリエチレンイミンを含む顔料分散体及びそのような顔料分散体の様々なコーティング組成物における使用が開示されている。国際公開第2014/012812号には、顔料分散体の分散剤としてのトリアルカノールアミンの重縮合生成物が開示されている。
【0005】
トリカルボン酸化合物をベースにしたポリアミドアミンは、国際公開第2017/045987号、米国特許第5,026,821号、中国特許第101497695号及び中国特許第101328267号により公知である。ポリアミドアミンは、ポリマーの架橋剤として使用される。国際公開第2017/045987号、米国特許第5,026,821号、中国特許第101497695号及び同第101328267号には、分散剤としてのポリアミドアミンの使用は開示されていない。さらに、国際公開第2017/045987号、米国特許第5,026,821号、中国特許第101497695号及び同第101328267号には、アルコキシル化ポリアミドアミンの合成は開示されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上記の需要及び要件を可能な限りよく満たす代替分散剤を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、上記のポリアルコキシル化アミドアミン及び分散剤としてのその使用が見出された。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、プロセスステップa)及びb)により、式IIのポリカルボン酸化合物、1-メチル-2,4-ジアミン-シクロヘキサンと1-メチル-2,6-ジアミン-シクロヘキサンとの混合物、及びエチレンオキシドから得られるアルコキシル化ポリアミドアミンを例示する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
プロセスステップa)
プロセスステップa)において、カルボン酸基の全数TNが3~10であるポリカルボン酸化合物と式I
H2N-Z-NH2
[式中、Zは、結合、又は1~20個の炭素原子を有する有機基を表す]
の第一級ジアミンをポリカルボン酸化合物1mol当たり0.3TN~TNmolのジアミンの比で反応させる。
【0010】
カルボン酸基は、好ましくはカルボン酸基、カルボン酸ハロゲニド基、カルボン酸エステル基若しくはカルボン酸無水物基又はその混合物から選択され、カルボン酸無水物基は、2つのカルボン酸基に対応する。
【0011】
より好ましくは、カルボン酸基はカルボン酸エステル基、特に式-C(=O)-O-Y[式中、Yはアルキル基、好ましくは1~10個の炭素原子、より好ましくは1~4個の炭素原子を有するアルキル基である]のカルボン酸アルキルエステル基である。
【0012】
好ましい実施形態において、ポリカルボン酸化合物は、3~6つのカルボン酸基を含む。より好ましい実施形態において、ポリカルボン酸化合物は、3つ又は4つのカルボン酸基を含む。最も好ましい実施形態において、ポリカルボン酸化合物は、3つのカルボン酸基を含む。
【0013】
好ましくは、ポリカルボン酸化合物は、カルボン酸基を含むが、他のヘテロ原子も官能基も含まない炭化水素である。
【0014】
好ましくは、ポリカルボン酸化合物は、2000g/mol未満、特に1000g/mol未満、より好ましくは500g/mol未満の分子量を有する。
【0015】
ポリカルボン酸化合物は、例えばクエン酸、イソクエン酸、アコニット酸、プロパン-1,2,3-トリカルボン酸、トリメシン酸、トリメリト酸、トリメリト酸無水物、シクロブタン及びシクロペンタン-1,2,3,4-テノテトラカルボン酸(tenotetracarboxylic acid)、ベンゼン-1,2,4,5-テトラカルボン酸、ベンゾフェノン-3,3',4,4'-テトラカルボン酸二無水物、並びにそれらの無水物、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)である。
【0016】
ポリカルボン酸化合物の別の例は、ポリカルボン酸及び無水物、例えば1,2,3-ベンゼントリカルボン酸及び1,2,3-ベンゼントリカルボン酸二無水物、1,3,5-ベンゼントリカルボン酸(トリメシン酸)、好ましくは1,2,4-ベンゼントリカルボン酸(トリメリト酸)、トリメリト酸無水物、特に1,2,4,5-ベンゼンテトラカルボン酸(ピロメリト酸)及び1,2,4,5-ベンゼンテトラカルボン酸二無水物(ピロメリト酸二無水物)、3,3',4,4''-ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3',4,4''-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、さらにベンゼンヘキサカルボン酸(メリト酸)及びメリト酸の無水物などである。
【0017】
他の好適なポリカルボン酸及びその無水物は、メロファン酸及びメロファン酸無水物、1,2,3,4-ベンゼンテトラカルボン酸及び1,2,3,4-ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,3,4,4-ビフェニルテトラカルボン酸及び3,3,4,4-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2,3,3-ビフェニルテトラカルボン酸及び2,2,3,3-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸及び1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5-ナフタレンテトラカルボン酸及び1,2,4,5-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸及び2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8-デカヒドロナフタレンテトラカルボン酸及び1,4,5,8-デカヒドロナフタレンテトラカルボン酸二無水物、4,8-ジメチル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロナフタレン-1,2,5,6-テトラカルボン酸及び4,8-ジメチル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロナフタレン-1,2,5,6-テトラカルボン酸二無水物、2,6-ジクロロナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸及び2,6-ジクロロナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、2,7-ジクロロナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸及び2,7-ジクロロナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-テトラクロロナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸及び2,3,6,7-テトラクロロナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、1,3,9,10-フェナントレンテトラカルボン酸及び1,3,9,10-フェナントレンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸及び3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)メタン及びビス(2,3-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)メタン及びビス(3,4-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、1,1-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エタン及び1,1-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エタン及び1,1-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、2,2-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)プロパン及び2,2-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,3-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)プロパン及び2,3-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4-カルボキシフェニル)スルホン及びビス(3,4-カルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4-カルボキシフェニル)エーテル及びビス(3,4-カルボキシフェニル)エーテル二無水物、エチレンテトラカルボン酸及びエチレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸及び1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-シクロペンタンテトラカルボン酸及び1,2,3,4,-シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,4,5-ピロリジンテトラカルボン酸及び2,3,4,5-ピロリジンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6-ピラジンテトラカルボン酸及び2,3,5,6-ピラジンテトラカルボン酸二無水物、2,3,4,5-チオフェンテトラカルボン酸及び2,3,4,5-チオフェンテトラカルボン酸二無水物である。
【0018】
ポリカルボン酸化合物の別の例は、上記のポリカルボン酸及び無水物のエステルに対応するポリカルボン酸エステルである。好ましくは、そのようなポリカルボン酸エステルのカルボン酸エステル基は、アルキルエステル基であり、そのアルキルが、1~10個の炭素原子、より好ましくは1~4個の炭素原子を有するアルキルである。
【0019】
好ましいポリカルボン酸化合物は、式II
【0020】
【化1】
[式中、X
1~X
3は互いに独立して、ハロゲニド、シアニド(C≡N)又は基O-R
1を表し、R
1は、水素、又は最大で30個の炭素原子を有する有機基であり、Rは、水素、又はC(=O)-R
2基を表し、R
2は、最大で30個の炭素原子を有する有機基である]
の化合物である。
【0021】
好ましくは、Rは、水素、又はC(=O)-R2基であり、R2は、1~10個の炭素原子、特に1~4個の炭素原子を有するアルキル基である。
【0022】
より好ましくは、Rは水素である。
【0023】
好ましくは、X1~X3は互いに独立して、クロリド又はO-R1基を表す。
【0024】
好ましくは、R1は、水素、又は1~10個の炭素原子、特に1~4個の炭素原子を有するアルキル基である。
【0025】
より好ましくは、X1~X3は互いに独立して、Cl又はO-R1基を表し、R1は、水素、メチル、エチル、n-プロピル、又はイソプロピルである。
【0026】
最も好ましくは、X1~X3は互いに独立して、O-R1基を表し、R1は、水素、メチル、エチル、n-プロピル、又はイソプロピルであり、特にR1はエチルである。
【0027】
ポリカルボン酸化合物と式I
H2N-Z-NH2
[式中、Zは、結合、又は1~20個の炭素原子、特に1~10個の炭素原子を有する有機基を表す]
の第一級ジアミンを反応させる。
【0028】
好ましくは、Zは炭化水素であり、水素及び炭素以外の他の原子を含まない。特に、Zは脂肪族炭化水素である。
【0029】
より好ましくは、Zは、脂環式環系を含む脂肪族炭化水素基である。脂環式環系は、好ましくはシクロヘキシル環であり、1つ~3つ、特に1つ又は2つのアルキル基によって置換されていてもよい。アルキル基は、C1~C6-アルキル基であり得る。特に、アルキル基は、メチル又はエチルである。
【0030】
最も好ましい実施形態において、式Iのジアミンは、1-メチル-2,4-ジアミン-シクロヘキサン、1-メチル-2,6-ジアミン-シクロヘキサン又はその混合物である。1-メチル-2,4-ジアミン-シクロヘキサンと1-メチル-2,6-ジアミン-シクロヘキサンとの混合物は、水素化により対応する2,6-ジアミノトルエンと2,4-ジアミノトルエンとの混合物から入手可能である。
【0031】
第一級ジアミン及びポリカルボン酸化合物を反応させて、アミドアミン又はポリアミドアミンと呼ばれる、アミド基及びアミノ基を有する化合物を形成する。第一級アミノ基とカルボン酸基の反応は周知であり、アミド基になる。
【0032】
0.3TN~TNmolの第一級ジアミンとポリカルボン酸化合物を反応させる。TNは、ポリカルボン酸化合物のカルボン酸基の全数である。
【0033】
例えば、TN=3のポリカルボン酸化合物の場合に、ジアミンのモル量は、0.9(0.3×TN=0.9に起因する)~3(TNに対応する)である。
【0034】
3つのカルボン酸基を有するポリカルボン酸化合物と3molの第一級ジアミンを反応させることによって、定義された3つのアミド基及び3つの第一級アミノ基を有するポリアミドアミンが生じ、正確には1molのポリカルボン酸化合物及び3molの第一級ジアミンから形成される。3mol未満の第一級ジアミンを使用すると、通常、より高い分子量のポリアミドアミンが生じる。というのは、第一級ジアミンのより多くのアミノ基が消費されて、アミド基を形成し、したがってポリカルボン酸化合物を連結するからである。
【0035】
好ましくは、ポリカルボン酸化合物及びジアミンをポリカルボン酸化合物1mol当たり0.3TN~0.98TNmolのジアミンの比で反応させる。
【0036】
より好ましくは、ポリカルボン酸化合物及びジアミンをポリカルボン酸化合物1mol当たり0.3TN~0.86TNmolのジアミンの比で反応させる。
【0037】
最も好ましくは、ポリカルボン酸化合物及びジアミンをポリカルボン酸化合物1mol当たり0.3TN~0.8TNmolのジアミンの比で反応させる。
【0038】
ジアミン及びポリカルボン酸化合物の反応は、溶媒を使用して、又は使用せずに行うことができる。反応は、ポリカルボン酸化合物及びジアミンが21℃、1バールで液体である場合好ましくは溶媒を用いずに行われる。
【0039】
反応において、触媒を使用してもよい。しかし、第一級アミノ基及びカルボキシル基の反応性のために、触媒は通常必要とされない。使用してもよい触媒は、例えば次亜リン酸ナトリウム又は他のいずれか公知のアミド化触媒である。
【0040】
反応は、常圧(1バール)で行ってもよい。減圧は、低沸点化合物、例えば水(カルボン酸基を有するポリカルボン酸化合物を反応させる場合)又はアルコール、例えばエタノール(カルボン酸エステル基を有するポリカルボン酸化合物を反応させる場合)を取り除くのに助けとなり得る。
【0041】
反応は、高温で行ってもよい。好ましくは、反応は、50~150℃、具体的には80~120℃の温度で行われる。
【0042】
好ましくは、反応は、酸素の排除下で行われる。反応は、例えば窒素中で行ってもよい。
【0043】
プロセスステップa)から得られるポリアミドアミンは、21℃、1バールで液体でも、固体でもよい。
【0044】
溶媒を使用しない場合、別のワークアップは必要でない。そうでなければ、溶媒を反応中又は後に除去してもよい。
【0045】
ステップa)において得られるポリアミドアミンは、好ましくはポリアミドアミンのアミノ価が100~1500mgKOH/gである。
【0046】
より好ましくは、ステップa)において得られるポリアミドアミンは、ポリアミドアミンのアミノ価が100~800mgKOH/gである。
【0047】
アミノ価は、ポリアミドアミンのアミド基を含まない。
【0048】
したがって、アミノ価は、ステップb)においてアルコキシル化し得る、ポリアミドアミンのアミノ基の数に対応する。
【0049】
アミノ価は滴定により決定した。それは、国際公開第2016/062578号に記載されているように、国際公開第2016/062578号の13頁に記載の式に従って決定された。
計算:
【0050】
【数1】
[式中、
アミン価=mgKOH/gとして計算した全アミンの割合
VP=変曲点までの標準液の消費[ml]
VB=ブランク値滴定における標準液の消費[ml]
t=標準液の力価
c=標準液の濃度[=0.1mol/l]
56.1=KOHのモル重量[g/mol]
E=採取された試料の重量[g]]。
【0051】
プロセスステップb)
プロセスステップb)において、プロセスステップa)から得られるポリアミドアミンは、ポリアミドアミンの第一級アミノ基1mol当たり少なくとも0.5molのアルキレンオキシドでアルコキシル化される。0.5は、ステップa)において得られるポリアミドアミンのすべての第一級アミノ基の平均アルコキシル化度に対応し、以降「アルコキシル化度」と呼ぶ。
【0052】
アルキレンオキシドを用いたアルコキシル化は、元は第一級であったアミノ基の窒素原子に結合したHO(-Z-O)n-基をもたらす。Zは、アルキレンオキシドのアルキレン基であり、nは整数である。
【0053】
第一級アミノは2個の反応性水素原子を有するので、水素基が両方とも、HO(-Z-O)n-基によって置き換えられることがある。
【0054】
したがって、例えば、アルコキシル化度2は、特定の元は第一級であったアミノ基がHO(-Z-O)n-基(式中、nは1である)を2つ有し、第三級アミノ基に転じた場合、又は元は第一級であったアミノ基がHO(-Z-O)n-基(式中、nは2である)を1つのみ有し、第二級アミノ基になった場合を含む。
【0055】
アルキレンオキシドは、好ましくは2~6個の炭素原子を有するアルキレンオキシドである。特に好ましい実施形態において、アルキレンオキシドは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド又はその混合物である。
【0056】
最も好ましい実施形態において、アルキレンオキシドはエチレンオキシドである。
【0057】
第一級アミノ基のアルコキシル化は、周知のプロセスであり、当技術分野で記載されている手順に従って行ってもよい。
【0058】
好ましくは、アルコキシル化は、2ステップで行われる。第1のステップにおいて、ポリアミドアミンのアミノ基と、好ましくはアルキレンオキシドを触媒としての水の存在下に反応させ、こうしてヒドロキシアルキル基によって少なくとも部分置換されたアミノ基が得られる。次いで、ヒドロキシアルキル基及び残りの第一級又は第二級アミノ基は、第2のステップにおいてヒドロキシアルキル基とさらなるアルキレンオキシドを好ましくはアルカリ又はアルカリ土類水酸化物である触媒の存在下に反応させることによってさらにアルコキシル化される。好ましくは、いかなる水(例えば、第1のステップ由来の水又はアルカリ若しくはアルカリ土類水酸化物の溶媒として導入された水)も反応混合物から除去した後、第2のステップの反応を始める。
【0059】
溶媒をプロセスステップb)において必要なら、特に出発原料として使用されるポリアミドアミンがステップb)において反応温度で固体である場合(下記を参照のこと)、使用してもよい。好適な溶媒は、例えばトルエンであり得る。
【0060】
アルコキシル化は、好ましくは高温、特に50~150℃、具体的に80~130℃の温度で行われる。
【0061】
好ましくは、反応は、酸素の排除下で行われる。反応は、例えば窒素中で行ってもよい。
【0062】
好ましい実施形態において、プロセスステップb)は半連続的に行われる。それにより、ポリアミドアミンの全量を反応器に投入し、アルキレンオキシドを反応時間中、連続的に添加する。
【0063】
揮発性化合物、例えば水を含むことがある生成物混合物が得られる。いかなる揮発性化合物も、蒸留、好ましくは真空中、高温での蒸留により除去し得る。
【0064】
得られるアルコキシル化ポリアミドアミンは、21℃、1バールで液体でも、固体でもよい。
【0065】
好ましくは、アルコキシル化ポリアミドアミンのアルコキシル化度は、第一級アミノ基1mol当たり0.5~100molのアルキレンオキシド、より好ましくは第一級アミノ基1mol当たり5~80molのアルキレンオキシドである。
【0066】
最も好ましくは、ステップa)において得られるポリアミドアミンの第一級アミノ基のアルコキシル化度は、第一級アミノ基1mol当たり10~60molのアルキレンオキシドである。
【0067】
得られるアルコキシル化ポリアミドアミンは、好ましくは300~50,000、より好ましくは300~10,000、最も好ましくは500~5,000g/molの数平均分子量(Mn)を有する。
【0068】
数平均分子量は、溶媒としてテトラヒドロフランを使用したゲル浸透クロマトグラフィーによって決定された。線状ポリスチレン標準物質を使用して、682~2520000g/molの分子量範囲で系を較正した。
【0069】
図1は、プロセスステップa)及びb)により、式IIのポリカルボン酸化合物、1-メチル-2,4-ジアミン-シクロヘキサンと1-メチル-2,6-ジアミン-シクロヘキサンとの混合物、及びエチレンオキシドから得られるアルコキシル化ポリアミドアミンを例示する。
【0070】
分散剤としてのアルコキシル化ポリアミドアミンの使用
アルコキシル化ポリアミドアミンは、分散剤、特に液体組成物中の固体粒子のための分散剤として使用してもよい。
【0071】
固体粒子は、有機粒子でも、無機粒子でもよい。液体組成物は、溶媒として水を含む組成物又は有機溶媒を含む組成物であり得る。
【0072】
好ましくは、固体粒子は、20nm~50μm、より好ましくは50nm~20μm、最も好ましくは50nm~5μmの範囲の平均粒子直径を有する。平均粒子直径は、粒径分布のd50値(すべての粒子の50重量%がd50値より大きい粒子直径を有し、すべての粒子の50重量%がd50値より小さい粒子直径を有する)に対応する。
【0073】
好ましい実施形態において、アルコキシル化ポリアミドアミンは、顔料分散体の調製のための分散剤として使用される。顔料は例えばコーティング組成物中で使用される。通常、顔料分散体が最初に調製され、次いで、得られた顔料分散体がコーティング組成物に添加される。
【0074】
顔料は、有機顔料でも、無機顔料でもよい。「顔料」という用語は、増量剤を包含する。増量剤は、コーティング組成物の体積を増加させ、したがって必要とされる化学結合剤の量を低減するのに使用される有機又は無機粒子である。
【0075】
好ましい顔料分散体は、
- 顔料、
- アルコキシル化ポリアミドアミン、及び
- 水、有機溶媒又はその混合物から選択される溶媒
を含む。
【0076】
有機顔料は、例えば、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、アンタントロン顔料、アントラキノン顔料、アントラピリミジン顔料、キナクリドン顔料、キノフタロン顔料、ジオキサジン顔料、フラバントロン顔料、インダントロン顔料、イソインドリン顔料、イソインドリノン顔料、イソビオラントロン顔料、金属錯体顔料、ペリノン顔料、ペリレン顔料、フタロシアニン顔料、ピラントロン顔料、チオインジゴ顔料及びトリアリールカルボニウム顔料である。
【0077】
無機顔料は、例えば、
白色顔料、例えば二酸化チタン、亜鉛白、酸化亜鉛;硫化亜鉛、リトポン;鉛白、硫酸バリウム及び炭酸カルシウム;
黒色顔料、例えば酸化鉄ブラック、鉄マンガンブラック、スピネルブラック及びカーボンブラック;
着色顔料、例えば酸化クロム、酸化クロム水和物グリーン、クロムグリーン、コバルトグリーン、ウルトラマリングリーン、コバルトブルー、群青、紺青、マンガンブルー、ウルトラマリンバイオレット、コバルトバイオレット、マンガンバイオレット、ベンガラ、カドミウムスルホセレニド、モリブデンレッド、ウルトラマリンレッド、酸化鉄ブラウン、混合ブラウン、スピネル及びコランダム相、クロムオレンジ;酸化鉄イエロー、ニッケルチタンイエロー、クロムチタンイエロー、硫化カドミウム及びカドミウム硫化亜鉛、黄鉛、亜鉛黄、アルカリ土類金属クロム酸塩、ナポリ黄、バナジン酸ビスマス;
干渉顔料、例えば被覆金属プレートレットをベースにしたメタリック効果顔料、金属酸化物で被覆した雲母プレートレットをベースにしたパール光沢顔料、及び液晶顔料である。
【0078】
無機顔料、特に無機黄色顔料及び無機白色顔料から選択される無機顔料、特に二酸化チタン、硫酸バリウム及び炭酸カルシウムが好ましい。
【0079】
顔料分散体は、異なる顔料の混合物を含んでもよい。さらに詳細な顔料一覧は、参照により組み込まれる国際公開第2014/012812号で見られる。
【0080】
顔料分散体は、上記のアルコキシル化ポリアミドアミンを含む。
【0081】
好ましくは、顔料分散体は、アルコキシル化ポリアミドアミンを顔料100重量部当たり0.1~200重量部の量で含む。
【0082】
より好ましくは、顔料分散体は、アルコキシル化ポリアミドアミンを顔料100重量部当たり1~150重量部の量で含む。
【0083】
最も好ましくは、顔料分散体は、アルコキシル化ポリアミドアミンを顔料100重量部当たり2~120重量部の量で含む。
【0084】
顔料分散体は、別の分散剤を含んでもよい。
【0085】
好ましい実施形態において、顔料分散体中のすべての分散剤の少なくとも50%、より好ましくは少なくとも80重量%は、上記のアルコキシル化ポリアミドアミンである。
【0086】
本発明の最も好ましい実施形態において、他の分散剤が使用されず、アルコキシル化ポリアミドアミンが顔料分散体中の唯一の分散剤である。
【0087】
顔料分散体は、水、有機溶媒又はその混合物から選択される溶媒を含む。有機溶媒は、親水性有機溶媒でも、疎水性有機溶媒でもよい。水若しくは水といかなる比でも混和可能な親水性有機溶媒、又はその混合物が好ましい。そのような溶媒は、例えば、n-ブチルアセテート、メトキシプロパノール、メトキシプロピルアセテート、エチルアセテート、イソプロパノール、イソブタノール、ブチルグリコール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトン、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、ポリエチレン-及びポリプロピレン-グリコール、アルキルベンゼン、キシレン、トルエンなどである。
【0088】
水が最も好ましい。
【0089】
顔料分散体は、溶媒を固形分1~85重量%、好ましくは20~50重量%の顔料分散体を得るための量で好ましくは含む。
【0090】
顔料分散体は、別の添加剤、例えば殺生物剤及び湿潤剤を含んでもよい。
【0091】
顔料分散体は、顔料、アルコキシル化ポリアミドアミン、溶媒、及び任意選択で他の分散剤及び別の添加剤を分散装置中で混合することによって調製してもよい。
【0092】
分散装置の例は、ミル、例えば、ローターステーターミル、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、遊星式ミル、ダブルチャンバミル、3本ロールミル、及び撹拌ボールミルである。分散装置の別の例は、混練機、溶解機、混練混合機、遊星式混練機、バット式混練機、及びSkandex振盪機である。ボールミル、ビーズミル、及び撹拌ボールミルが好ましい。
【0093】
顔料分散体は、例えば5~80℃の温度で調製してもよい。分散装置中での成分の混合は、例えば1分~24時間、分散装置としてボールミル若しくは撹拌ボールミルの場合に好ましくは1~10時間、又は3本ロールミルの場合に2~10分間行ってもよい。
【0094】
顔料分散体は、好ましくは水性又は有機溶媒ベースのコーティング組成物、接着剤又はシーラントの調製に使用される。
【0095】
コーティング組成物、接着剤又はシーラントは通常、好ましくは有機化合物、例えばポリマー、オリゴマー若しくはモノマー又はその混合物である結合剤を含む。コーティング組成物を基材表面に塗布した後、モノマー及びオリゴマーは通常反応して、(重合又は架橋反応により)ポリマーになる。結合剤として使用される有機ポリマーは、特にラジカル又はイオン重合プロセスにより得られるアルキド樹脂、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリマー、例えばポリ(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル又はエポキシ樹脂である。
【0096】
顔料分散体をコーティング組成物、接着剤又はシーラントに添加し、他の成分と当技術分野において公知のいかなる方式でも混合してもよい。
【0097】
得られるコーティング組成物、接着剤又はシーラントは、顔料を、結合剤100重量部当たり例えば1~1000重量部、好ましくは5~500重量部の量、特に10~200重量部の量で含んでもよい。
【0098】
本発明のアルコキシル化ポリアミドアミンは調製が容易であり、原料は、容易に入手可能であり、再生可能源から得てもよい。
【0099】
アルコキシル化ポリアミドアミンは、分散剤として適合性が高いが、それらのアミノ密度は低く、アルコキシル化ポリエチレンイミンのアミノ密度より低いことが多い。
【0100】
顔料分散体は安定性が高く、粘度が低く、コーティング組成物、接着剤又はシーラントに顔料を備えさせるのに非常に有用である。
【0101】
得られるコーティング組成物、接着剤又はシーラントは良好な塗布性を有し、高光沢及び良好な機械的特性を有するコーティング、ラミネート又はシールになる。硬化コーティングは均質であり、欠陥を示さず、良好な外観を有する。
【実施例】
【0102】
ポリマーの合成:
[実施例1]
ポリアミドアミン1
138.15gのクエン酸トリエチルを、撹拌機、凝縮カラム、温度計及び窒素入口を装備した500mLの四ツ口フラスコに入れた。179.51gのメチルジアミノシクロヘキサンを、撹拌下に反応フラスコに10分以内で滴下して加えた。反応混合物を95℃(外部温度)までゆっくり加熱し、窒素中、撹拌下にこの温度で5時間維持した。エタノールを留出液として回収した。次いで、反応器内の圧力を40ミリバールに徐々に下げ、反応を撹拌下に2時間半続けた。次いで、外部熱源の温度を112℃にゆっくり上げ、撹拌下に2時間維持した。エタノールを留出液としてさらに回収した。次いで、反応温度を室温に下げ、284.5gの流体生成物を回収した。
【0103】
ポリマーを、ヘキサフルオロイソプロパノールでのゲルパーミエーションクロマトグラフィー及びアミノ価によって特性決定した:
Mn:341g/mol
Mw:1000g/mol
PD*:2.9
アミノ価**:458mgKOH/g
粘度:23℃及び100 1/sにて300mPas
*PD:多分散性(Mw/Mn)
【0104】
[実施例2]
ポリアミドアミン2
331.55gのクエン酸トリエチルを、撹拌機、凝縮カラム、温度計及び窒素入口を装備した1Lの四ツ口フラスコに入れた。430.82gのメチルジアミノシクロヘキサンを、撹拌下に反応フラスコに20分以内で滴下して加えた。反応混合物を143℃(外部温度)までゆっくり加熱し、撹拌下にこの温度で6時間維持した。エタノールを留出液として回収した。次いで、外部熱源の温度を105℃に下げ、ゆっくりと圧力を250ミリバールに1時間半以内で下げた。エタノールを留出液としてさらに回収した。次いで、反応温度を室温に下げ、623gの粘性流体生成物を回収した。
【0105】
ポリマーを、ヘキサフルオロイソプロパノールでのゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって特性決定した:
Mn:407g/mol
Mw:1970g/mol
PD*:4.8
アミノ価:425mgKOH/g
粘度:40℃及び100 1/sにて9800mPas
【0106】
[実施例3]
ポリアミドアミン3
331.55gのクエン酸トリエチルを、撹拌機、凝縮カラム、温度計及び窒素入口を装備した1Lの四ツ口フラスコに入れた。430.82gのメチルジアミノシクロヘキサンを、撹拌下に反応フラスコに20分以内で滴下して加えた。反応混合物を143℃(外部温度)までゆっくり加熱し、撹拌下にこの温度で8時間維持した。エタノールを留出液として回収した。次いで、外部熱源の温度を105℃に下げ、ゆっくりと圧力を350ミリバールに30分以内で下げ、撹拌下に350ミリバールでさらに30分間維持した。エタノールを留出液としてさらに回収した。次いで、反応温度を80℃に下げ、541.7gの粘性生成物を回収した。ポリアミドアミンは、室温で固体であった。
【0107】
ポリマーを、ヘキサフルオロイソプロパノールでのゲルパーミエーションクロマトグラフィー及びアミノ価によって特性決定した:
Mn:667g/mol
Mw:4010g/mol
PD*:6
アミノ価:402mgKOH/g
【0108】
[実施例4]
ポリマーA=第一級アミノ基1つ当たり40のエトキシ基でエトキシ化されたポリアミドアミン1
122.0gの実施例1からのポリアミドアミン1及び16gの水(全量に対して10%)を2Lのオートクレーブに投入し、窒素でフラッシュした。反応器を120℃に加熱し、35gのエチレンオキシドを10分以内で加え、混合物を終夜撹拌した。次いで、4gの水酸化カリウム水溶液(50重量%)を添加し、反応器を減圧下で120℃に加熱することによって水を系から除去した。続いて、30gのエチレンオキシドを反応混合物に10分以内で加え、その後816gのエチレンオキシドを16時間以内で添加した。反応混合物を6時間ポスト反応させ、続いて反応器を100℃に冷却した。反応混合物を窒素でストリッピングし、揮発性化合物を真空中80℃で除去した。1010gのエトキシ化ポリアミドアミンが得られた。エトキシ化ポリアミドアミンは、室温で液体であった。
【0109】
ポリマーを、THFでのゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって特性決定した。
Mn(THF):670g/mol
MW(THF):1700g/mol
PD:2.5
全アミン価:45mgKOH/g
第三級アミン価:42mgKOH/g
ヒドロキシル価:129mgKOH/g
【0110】
[実施例5]
ポリマーB=第一級アミノ基1つ当たり40のエトキシ基でエトキシ化されたポリアミドアミン2
133.8gの実施例2からのポリアミドアミン2及び16gの水(全量に対して10%)を2Lのオートクレーブに投入し、窒素でフラッシュした。反応器を120℃に加熱し、35gのエチレンオキシドを10分以内で加え、混合物を終夜撹拌した。次いで、4gの水酸化カリウム水溶液(50重量%)を添加し、反応器を減圧下で120℃に加熱することによって水を系から除去した。続いて、30gのエチレンオキシドを反応混合物に10分以内で加え、その後816gのエチレンオキシドを16時間以内で添加した。反応混合物を6時間ポスト反応させ、続いて反応器を100℃に冷却した。反応混合物を窒素でストリッピングし、揮発性化合物を真空中80℃で除去した。1020gのエトキシ化ポリアミドアミンが得られた。エトキシ化ポリアミドアミンは、室温で固体であった。
【0111】
ポリマーを、THFでのゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって特性決定した。
Mn(THF):3500g/mol
MW(THF):6600g/mol
PD:1.9
全アミン価:59mgKOH/g
第三級アミン価:54mgKOH/g
ヒドロキシル価:159mgKOH/g
【0112】
[実施例6]
ポリマーC=第一級アミノ基1つ当たり38.4のエトキシ基でエトキシ化されたポリアミドアミン3
145gの実施例3からのポリアミドアミン3及び16gの水(全量に対して10%)を2Lのオートクレーブに投入し、窒素でフラッシュした。反応器を120℃に加熱し、35gのエチレンオキシドを10分以内で加え、混合物を終夜撹拌した。次いで、4gの水酸化カリウム水溶液(50重量%)を添加し、反応器を減圧下で120℃に加熱することによって水を系から除去した。続いて、30gのエチレンオキシドを反応混合物に10分以内で加え、その後816gのエチレンオキシドを16時間以内で添加した。反応混合物を6時間ポスト反応させ、続いて反応器を100℃に冷却した。反応混合物を窒素でストリッピングし、揮発性化合物を真空中80℃で除去した。1036gのエトキシ化ポリアミドアミンが得られた。エトキシ化ポリアミドアミンは、室温で固体であった。
【0113】
ポリマーを、THFでのゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって特性決定した。
Mn(THF):590g/mol
MW(THF):1100g/mol
PD:1.9
全アミン価:58mgKOH/g
第三級アミン価:55mgKOH/g
ヒドロキシル価:150mgKOH/g
【0114】
[実施例7]
ポリマーD=第一級アミノ基1つ当たり24のプロポキシ基でプロポキシ化されたポリアミドアミン1
74.81gの実施例1からのポリアミドアミン1及び3.74gの水を2Lのオートクレーブに投入し、窒素でフラッシュした。反応器を100℃に加熱し、30gのプロピレンオキシドを10分以内で加え、さらに45gを90分かけて加えた。加えるのが完了した後、混合物を終夜撹拌した。次いで、3.7gの水酸化カリウム水溶液(50重量%)を添加し、反応器を減圧下で120℃に加熱することによって水を系から除去した。続いて、30gのプロピレンオキシドを反応混合物に10分以内で加え、その後747gのプロピレンオキシドを800分かけて添加した。反応混合物を6時間ポスト反応させ、続いて反応器を100℃に冷却した。反応混合物を窒素でストリッピングし、揮発性化合物を真空中80℃で除去した。899.7gのプロポキシ化ポリアミドアミンが得られた。
【0115】
ポリマーを、THFでのゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって特性決定した。
Mn(THF):1700g/mol
MW(THF):2200g/mol
PD:1.29
全アミン価:34mgKOH/g
【0116】
適用例:
使用材料
実施例4~7のポリマーA、B、C及びDは、アルコキシル化ポリアミドアミンである。それらを顔料ペーストの調製のための分散剤として使用した。顔料ペーストを水性コーティング系に添加した。
【0117】
Sokalan(登録商標) HP 20(短くポリマーSと呼ぶ)を比較のために使用した。ポリマーSは、水に溶かしたエトキシ化ポリエチレンイミンである(固形分80重量%)。
【0118】
顔料として、カーボンブラック顔料のSpecial Black 100及びColour Black FW 200を使用した。
【0119】
ポリマーA~Dを活性物質含有率100%の無溶媒高粘性材料として用意した。ポリマーA~Dを各顔料分散体に組み込むために、試料を60℃まで加熱して、取扱いをより容易にした。ポリマーSは溶液であるので、温度の上昇に伴って簡単に添加することができた。顔料分散体は、成分を各量で混合し、一次粒子径に粉砕することによって調製した。
【0120】
使用顔料の特性決定を、以下の表1に概説する。顔料は、顔料クラスPigment Black 7(PBK7)から選択した。それらは、化学的には炭化水素の不完全燃焼によるすすに由来する無定形炭素から構成され、異なる粒径及び比表面積を有する。
【0121】
顔料Color Black FW 200はよく分散されている場合、<20nmにおけるその小さい一次粒子のためにかなり透明な黒色コーティングフィルムを導き、高品質コーティングに色合いをつけるのに使用される。Special Black 100は、50nmというわずかにより大きい粒径を有し、水ベースのコーティング中のマストーンに使用される。
【0122】
【0123】
これらの顔料は、結合剤系への添加レベルが低く、乾燥フィルム中10重量%未満である場合、分散体の特性を意味する透明性の挙動を示すことができる。顔料ペーストの粉砕ステップ時に達成されたカーボンブラック粒子の粒径が小さいほど、レットダウン(let-down)及び硬化後の乾燥フィルムの透明性が高まるようである。
【0124】
水ベース系の適用例
顔料分散体は、異なる2つのDOPレベルで顔料のそれぞれについて以下の表2及び3に概説した各添加レベルで成分を混合することによって調製した。そのDOPレベルは、顔料の重量に対する活性分散剤の重量の百分率を意味する。
【0125】
顔料分散体
顔料分散体は、顔料ペーストと呼ぶこともある。
【0126】
顔料ペーストは、表2及び3に列挙された成分を混合し、40gの量のガラスビーズ(すべての成分の全重量の1部当たり1部の重量のガラスビーズ)を添加することによって調製した。表2及び3の混合物は、同時に室温で2時間振盪したSkandex(登録商標)であり、ガラスビーズを濾過により除去した。コーン/プレート形状のPaar Physika UDS 200レオメータを使用することによって、24時間後に、得られた顔料分散体のレオロジーを測定した。粘度を0.01~1024 1/sのせん断速度範囲で測定した。評価するために、1.0 1/sのせん断速度で粘度を比較した。表5及び6の顔料分散体の粘度(単位mPas)を参照のこと。
【0127】
【0128】
【0129】
水性系コーティング組成物の調製
塗料は、顔料分散体(顔料ペースト)の一部と水系アクリル樹脂系を混合することによって調製した。結合剤として、NeoCryl(登録商標) XK-98を使用した。それは、DSM Coating Resins社からの、アンモニアで中和したアニオン性アクリルコポリマーエマルションであり、高光沢、早期の耐ブロック性及び色合いをつけるときの良好な発色を与える。
【0130】
水ベースのアクリル系に関する詳細は、以下の表4に概説する。
【0131】
表4に列挙された成分を続いて添加し、効率的なかき混ぜによって撹拌した。湿潤剤を添加して、液体コーティングの基材上での良好な流動性及びレベリングを確実にする。
【0132】
【0133】
顔料分散体は、乾燥させたフィルムに対して8.8%のSpecial Black 100あるいは5.2%のColour Black FW 200に対応する、得られた湿潤顔料含有コーティングの全重量に対して4.1重量%の顔料Special Black 100あるいは2.5重量%のColour Black FW 200を含む顔料含有コーティングが得られるように選択された。
【0134】
顔料含有コーティングを50μのワイヤーバーコーターでポリエステルシートに塗布し、フィルムを室温で終夜乾燥した。
【0135】
評価のために、角度60°における光沢値を測定した。測定には、Byk-Gardner Haze-Gloss-Spectrometerを使用した。
【0136】
外観に及ぼすマイナスの影響は、ぶつ、表面粗さ及び曇りであった。
外観、透明度又は不透明度/隠ぺい力に対する評価は、
×=測定不可能、1=極めて不十分、2=不十分、3=普通、4=良好、5=優秀
であった。
【0137】
顔料含有コーティングの結果を、Special Black 100について表5に、Colour Black FW 200について表6に概説する。
【0138】
【0139】
【0140】
表5及び6から、アルコキシル化ポリアミドアミンを含む顔料分散体の使用により、ブランク実験と比べて明確に改善された特性が示されることがわかる。特に、顔料分散体A1~A4、B1~B4及びC1~C4を含むコーティングは、得られるコーティングの光沢、透明度、外観の指標において良好な成績を示すことがわかる。さらに、顔料分散体S1~S4と比べて顔料分散体A1~A4、B1~B4及びC1~C4の粘度は、顔料Special Black 100に対して分散剤の添加レベル25%でも50%でも、同じ範囲である。
【0141】
DOP100%のレベルにおいては、顔料Colour Black FW 200でフィルム光沢、粘度及び透明度に関して遜色のない成績が見出された。Colour Black FW 200でDOP50%というより低いレベルにおいては、顔料分散体の粘度が顔料分散体S1~S4と比べてわずかに改善されたことが見出された。
【0142】
Special Black 100の場合に、顔料分散体A1~A4、B1~B4及びC1~C4を含むコーティングでは、顔料分散体S1~S4を含むコーティングと比べて、一般によりよい透明度が得られ、それは、より小さい粒径に対してよりよい分散を意味している。
【0143】
有機溶媒ベース系の適用例
以下の節は、表7に示す溶媒ベースのコーティング系中のカーボンブラック顔料Colour Black FW 200に対する分散剤としてのアルコキシル化ポリアミドアミンのその分散効率に関する試験に関する。
【0144】
顔料分散体は上記のように調製した。顔料分散体は、溶媒として1-メトキシ-2-プロピルアセテートを含むものであった。
【0145】
【0146】
得られる顔料分散体の一部と中間固体焼付けエナメル系を混合することによって、塗料を調製した。
【0147】
中間固体焼付けエナメルは、表8に示すように構成されたものである。
【0148】
【0149】
中間固体焼付けエナメルの成分を効率的なかき混ぜによって混合及び撹拌した。
【0150】
10重量部の顔料分散体D1、D2又はO3を、90重量部の中間固体焼付けエナメルに添加した。
【0151】
したがって、基材に塗布した最終顔料含有コーティング(湿潤)は、得られる湿潤顔料含有コーティングの全重量に対して1.5重量%及び硬化フィルムに対して3重量%の顔料Colour Black FW 200を含むものであった。
【0152】
最終顔料含有コーティングを50μのワイヤーバーコーターでポリエステルシートに塗布し、室温で10分間蒸発分離に供し、換気式オーブン中130℃で30分間硬化させた。
【0153】
評価のために、角度20°及び角度60°における光沢値を測定した。測定には、Byk-Gardner Haze-Gloss-Spectrometerを使用した。
【0154】
外観に及ぼすマイナスの影響は、ぶつ、表面粗さ及び曇りであった。
透明度及び外観に対する評価は、
×=測定不可能、1=極めて不十分、2=不十分、3=普通、4=良好、5=優秀
であった。
【0155】
顔料含有コーティングの結果は、以下の表9に概説する。
【0156】
【0157】
表9から、コーティング組成物及び得られるコーティングは、Colour Black FW 200でのブランク実験と比べてアルコキシル化ポリアミドアミンによって明確に改善された光学特性を示したことがわかる。特に、顔料分散体D1及びD2を含むコーティングは、ブランク実験と比べて、20°でも60°でも光沢値における明確な利点を示したことがわかる。改善された顔料分散は、アルコキシル化ポリアミドアミンを含まない得られる顔料分散体が固体であったという事実によって結論づけることもできる。顔料分散体D1及びD2を含むコーティングのフィルム透明度及び外観は明確に向上した。
以下は、本発明の実施形態の一つである。
(1)a)カルボン酸基の全数TNが3~10であるポリカルボン酸化合物と式I
H
2
N-Z-NH
2
[式中、Zは、結合、又は1~20個の炭素原子を有する有機基を表す]
の第一級ジアミンをポリカルボン酸化合物1mol当たり0.3TN~TNmolのジアミンの比で反応させ、
b)a)において得られた生成物を第一級アミノ基1mol当たり少なくとも0.5molのアルキレンオキシドでアルコキシル化する
ことによって得ることができる、アルコキシル化ポリアミドアミン。
(2)カルボン酸基が、カルボン酸基、カルボン酸ハロゲニド基、カルボン酸エステル基若しくはカルボン酸無水物基又はその混合物から選択され、カルボン酸無水物基が、2つのカルボン酸基に対応する、(1)に記載のアルコキシル化ポリアミドアミン。
(3)カルボン酸化合物が、式II
【化2】
[式中、X
1
~X
3
は互いに独立して、ハロゲニド、シアニド又はO-R
1
基を表し、R
1
は、水素、又は最大で30個の炭素原子を有する有機基であり、Rは、水素、又はC(=O)-R
2
基を表し、R
2
は、最大で30個の炭素原子を有する有機基である]
の化合物である、(1)又は(2)に記載のアルコキシル化ポリアミドアミン。
(4)式IにおけるZが、脂環式環系を含む脂肪族炭化水素基である、(1)から(3)のいずれかに記載のアルコキシル化ポリアミドアミン。
(5)式Iのジアミンが、1-メチル-2,4-ジアミン-シクロヘキサン、1-メチル-2,6-ジアミン-シクロヘキサン又はその混合物である、(1)又は(4)に記載のアルコキシル化ポリアミドアミン。
(6)ポリカルボン酸化合物及びジアミンをポリカルボン酸化合物1mol当たり0.3TN~0.98TNmolのジアミンの比で反応させる、(1)又は(5)に記載のアルコキシル化ポリアミドアミン。
(7)ステップa)において得られるポリアミドアミンが、100~1500mgKOH/gのアミン価を有する、(1)から(6)のいずれかに記載のアルコキシル化ポリアミドアミン。
(8)ステップb)において使用されるアルキレンオキシドが、2~6個の炭素原子を有するアルキレンオキシドである、(1)から(6)のいずれかに記載のアルコキシル化ポリアミドアミン。
(9)アルコキシル化ポリアミドアミンのアルコキシル化度が、ステップa)において得られるポリアミドアミンの第一級アミノ基1mol当たり0.5~100molのアルキレンオキシドである、(1)から(7)のいずれかに記載のアルコキシル化ポリアミドアミン。
(10)アルコキシル化ポリアミドアミンが、300~50,000g/molの数平均分子量(Mn)を有する、(1)から(9)のいずれかに記載のアルコキシル化ポリアミドアミン。
(11)(1)から(10)のいずれかに記載のアルコキシル化ポリアミドアミンの、分散剤としての使用。
(12)(1)から(10)のいずれかに記載のアルコキシル化ポリアミドアミンの、顔料分散体の調製のための分散剤としての使用。
(13)顔料、
(1)から(10)のいずれかに記載のアルコキシル化ポリアミドアミン、及び
水、有機溶媒又はその混合物から選択される溶媒
を含む顔料分散体。
(14)(13)に記載の顔料分散体の、水系若しくは有機溶媒系のコーティング組成物、接着剤又はシーラントの調製のための使用。