(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】半導体用接着剤、半導体装置の製造方法及び半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 23/29 20060101AFI20231011BHJP
H01L 23/31 20060101ALI20231011BHJP
H01L 21/60 20060101ALI20231011BHJP
C09J 163/00 20060101ALI20231011BHJP
C09J 11/04 20060101ALI20231011BHJP
C09J 11/06 20060101ALI20231011BHJP
C09J 7/38 20180101ALI20231011BHJP
【FI】
H01L23/30 D
H01L21/60 311S
C09J163/00
C09J11/04
C09J11/06
C09J7/38
(21)【出願番号】P 2020550470
(86)(22)【出願日】2019-10-01
(86)【国際出願番号】 JP2019038821
(87)【国際公開番号】W WO2020071391
(87)【国際公開日】2020-04-09
【審査請求日】2022-08-15
(31)【優先権主張番号】P 2018187510
(32)【優先日】2018-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004455
【氏名又は名称】株式会社レゾナック
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100169454
【氏名又は名称】平野 裕之
(72)【発明者】
【氏名】谷口 徹弥
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 慎
(72)【発明者】
【氏名】茶花 幸一
【審査官】豊島 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-041499(JP,A)
【文献】特開2013-038175(JP,A)
【文献】特開2013-173834(JP,A)
【文献】特開2017-122193(JP,A)
【文献】特開2017-45890(JP,A)
【文献】特開2017-179199(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 1/00 -201/10
H01L21/447- 21/449
H01L21/60 - 21/607
H01L23/28 - 23/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)無機フィラーを含有し、前記(a)無機フィラーが、グリシジル基を有する表面処理が施された無機フィラーを、前記(a)無機フィラー全量を基準として50質量%以上含
み、
前記(a)無機フィラーの含有量が、半導体用接着剤の固形分全量を基準として3390/55.12~80質量%である、半導体用接着剤。
【請求項2】
(b)エポキシ樹脂、(c)硬化剤、及び、(d)重量平均分子量10000以上の高分子量成分を更に含有する、請求項1に記載の半導体用接着剤。
【請求項3】
(e)フラックス剤を更に含有する、請求項1又は2に記載の半導体用接着剤。
【請求項4】
フィルム状である、請求項1~3のいずれか一項に記載の半導体用接着剤。
【請求項5】
半導体チップ及び配線回路基板のそれぞれの接続部が互いに電気的に接続された半導体装置、又は、複数の半導体チップのそれぞれの接続部が互いに電気的に接続された半導体装置の製造方法であって、
前記接続部の少なくとも一部を、請求項1~4のいずれか一項に記載の半導体用接着剤を用いて封止する工程を備える、半導体装置の製造方法。
【請求項6】
半導体チップ及び配線回路基板のそれぞれの接続部が互いに電気的に接続された接続構造、又は、複数の半導体チップのそれぞれの接続部が互いに電気的に接続された接続構造と、
前記接続部の少なくとも一部を封止する接着材料と、を備え、
前記接着材料は、請求項1~4のいずれか一項に記載の半導体用接着剤の硬化物からなる、半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体用接着剤、半導体装置の製造方法、及び半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体チップと基板とを接続するには金ワイヤ等の金属細線を用いるワイヤーボンディング方式が広く適用されている。一方、半導体装置に対する高機能化、高集積化、高速化等の要求に対応するため、半導体チップ又は基板にバンプと呼ばれる導電性突起を形成して、半導体チップと基板とを直接接続するフリップチップ接続方式(FC接続方式)が広まりつつある。
【0003】
FC接続方式としては、はんだ、スズ、金、銀、銅等を用いて接続部を金属接合させる方法、超音波振動を印加して接続部を金属接合させる方法、樹脂の収縮力によって機械的接触を保持する方法などが知られている。接続部の信頼性の観点から、はんだ、スズ、金、銀、銅等を用いて接続部を金属接合させる方法が一般的である。
【0004】
例えば、半導体チップ及び基板間の接続に関して、BGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package)等に盛んに用いられているCOB(Chip On Board)型の接続方式もFC接続方式に該当する。また、FC接続方式は、半導体チップ上に接続部(バンプ又は配線)を形成して、半導体チップ間を接続するCOC(Chip On Chip)型、及び、半導体ウエハ上に接続部(バンプ又は配線)を形成して、半導体チップと半導体ウエハ間を接続するCOW(Chip On Wafer)型の接続方式にも広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、さらなる小型化、薄型化、高機能化が強く要求されるパッケージでは、上述した接続方式を積層・多段化したチップスタック型パッケージ、POP(Package On Package)、TSV(Through-Silicon Via)等も広く普及し始めている。このような積層・多段化技術は、半導体チップ等を三次元的に配置することから、二次元的に配置する手法と比較してパッケージを小さくできる。また、このような積層・多段化技術は、半導体の性能向上、ノイズ低減、実装面積の削減、省電力化にも有効であることから、次世代の半導体配線技術として注目されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
高機能化、高集積化、低コスト化が進んでいるフリップチップパッケージは、今後さらなる用途拡大とそれに伴う生産量拡大が見込まれる。フリップチップパッケージの持続的な大量生産には、それに用いる半導体用接着剤の持続的な供給が必須であり、そのためには、この半導体用接着剤が経時安定性に優れていることが求められている。半導体用接着剤の経時安定性が悪いと、室温に放置される間に半導体用接着剤の粘度が増加し、半導体装置組み立て時の実装性悪化の懸念がある。
【0008】
そこで、本開示は、室温放置後の粘度増加を抑制することができ、経時的に半導体装置組み立て時の実装性悪化が生じ難い半導体用接着剤、並びに、それを用いた半導体装置の製造方法及び半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本開示は、(a)無機フィラーを含有し、上記(a)無機フィラーが、グリシジル基を有する表面処理が施された無機フィラーを、上記(a)無機フィラー全量を基準として50質量%以上含む、半導体用接着剤を提供する。上記半導体用接着剤によれば、(a)無機フィラー全体のうちの50質量%以上をグリシジル基を有する表面処理が施された無機フィラーとすることで、室温放置中の吸湿による水分の影響で粘度が増加することを抑制することができる。例えば、メタクリル基を有する表面処理等の他の表面処理が施された無機フィラーの場合、表面処理剤と水分とが水素結合を形成して粘度増加が生じやすいが、グリシジル基を有する表面処理が施された無機フィラーの場合には、水分と水素結合が形成され難く、粘度上昇が生じ難い。そして、上記半導体用接着剤によれば、室温放置後の粘度増加を抑制することができるため、経時的に半導体装置組み立て時の実装性悪化が生じることを抑制することができる。また、無機フィラーにグリシジル基を有する表面処理が施されていることで、半導体用接着剤中での分散性に優れ、半導体用接着剤は良好な接着力及び良好な絶縁信頼性を得ることができる。
【0010】
上記半導体用接着剤は、(b)エポキシ樹脂、(c)硬化剤、及び、(d)重量平均分子量10000以上の高分子量成分を更に含有していてもよい。また、上記半導体用接着剤は、(e)フラックス剤を更に含有していてもよい。
【0011】
上記半導体用接着剤は、フィルム状であってもよい。この場合、半導体用接着剤の取り扱い性を向上させることができ、パッケージ製造時の作業性及び生産性を向上させることができる。
【0012】
本開示はまた、半導体チップ及び配線回路基板のそれぞれの接続部が互いに電気的に接続された半導体装置、又は、複数の半導体チップのそれぞれの接続部が互いに電気的に接続された半導体装置の製造方法であって、上記接続部の少なくとも一部を、上記半導体用接着剤を用いて封止する工程を備える、半導体装置の製造方法を提供する。上記製造方法によれば、使用する半導体用接着剤が経時的に粘度増加し難いものであるため、安定して良好な実装性を得ることができる。
【0013】
本開示は更に、半導体チップ及び配線回路基板のそれぞれの接続部が互いに電気的に接続された接続構造、又は、複数の半導体チップのそれぞれの接続部が互いに電気的に接続された接続構造と、上記接続部の少なくとも一部を封止する接着材料と、を備え、上記接着材料は、上記半導体用接着剤の硬化物からなる、半導体装置を提供する。上記半導体装置は、実装性が良好であり、半導体チップと配線回路基板又は半導体チップとの間の接着力及び信頼性が優れたものとなる。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、室温放置後の粘度増加を抑制することができ、経時的に半導体装置組み立て時の実装性悪化が生じ難い半導体用接着剤、並びに、それを用いた半導体装置の製造方法及び半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本開示の半導体装置の一実施形態を示す模式断面図である。
【
図2】本開示の半導体装置の他の一実施形態を示す模式断面図である。
【
図3】本開示の半導体装置の他の一実施形態を示す模式断面図である。
【
図4】本開示の半導体装置の他の一実施形態を示す模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、場合により図面を参照しつつ本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
【0017】
本明細書において、「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値と任意に組み合わせることができる。本明細書に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。「A又はB」とは、A及びBのどちらか一方を含んでいればよく、両方とも含んでいてもよい。本明細書に例示する材料は、特に断らない限り、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、アクリル又はそれに対応するメタクリルを意味する。
【0018】
<半導体用接着剤>
本実施形態に係る半導体用接着剤は、(a)無機フィラー(以下、場合により「(a)成分」という。)を含有する。上記(a)無機フィラーは、グリシジル基を有する表面処理が施された無機フィラーを、(a)無機フィラー全量を基準として50質量%以上含む。また、本実施形態に係る半導体用接着剤は、(b)エポキシ樹脂(以下、場合により「(b)成分」という。)、(c)硬化剤(以下、場合により「(c)成分」という。)、及び、(d)重量平均分子量10000以上の高分子量成分(以下、場合により「(d)成分」という。)のうちの1種以上を含有していてもよい。更に、本実施形態に係る半導体用接着剤は、(e)フラックス剤(以下、場合により「(e)成分」という。)を含有していてもよい。以下、各成分について説明する。
【0019】
((a)成分:無機フィラー)
(a)成分の無機フィラーとしては、絶縁性無機フィラー等が挙げられる。中でも、平均粒径100nm以下の無機フィラーであればより好ましい。絶縁性無機フィラーの材質としては、ガラス、シリカ、アルミナ、シリカ・アルミナ、酸化チタン、マイカ、窒化ホウ素等が挙げられ、その中でも、シリカ、アルミナ、シリカ・アルミナ、酸化チタン、窒化ホウ素が好ましく、シリカ、アルミナ、窒化ホウ素がより好ましい。絶縁性無機フィラーは、ウィスカーであってもよく、ウィスカーの材質としては、ホウ酸アルミニウム、チタン酸アルミニウム、酸化亜鉛、珪酸カルシウム、硫酸マグネシウム、窒化ホウ素等が挙げられる。絶縁性無機フィラーは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0020】
分散性及び接着力向上の観点から、(a)成分は表面処理フィラーであることが好ましい。表面処理としては、グリシジル系(エポキシ系)、アミン系、フェニル系、フェニルアミノ系、アクリル系、ビニル系等が挙げられる。
【0021】
表面処理としては、表面処理のしやすさから、エポキシシラン系、アミノシラン系、アクリルシラン系等のシラン化合物によるシラン処理が好ましい。表面処理剤としては、分散性及び流動性に優れ、接着力を更に向上させる観点から、グリシジル系、フェニルアミノ系、(メタ)アクリル系の化合物が好ましい。表面処理剤としては、室温放置後の半導体用接着剤の粘度増加を抑制する観点から、グリシジル系の化合物が好ましい。
【0022】
本実施形態において、(a)成分は、グリシジル基を有する表面処理が施された無機フィラーを、(a)成分全量を基準として50質量%以上含む。グリシジル基を有する表面処理は、表面処理剤として下記一般式(1)で表される構造を有するグリシジル系の化合物を用いて施すことができる。これにより、無機フィラーは、表面に下記一般式(1)で表される構造を有するものとなる。
【0023】
【0024】
グリシジル基を有する表面処理が施された無機フィラーの含有量は、(a)成分全量を基準として50質量%以上であり、室温放置後の半導体用接着剤の粘度増加をより抑制する観点から、60質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。(a)成分の全量(100質量%)が、グリシジル基を有する表面処理が施された無機フィラーであってもよい。
【0025】
(a)成分の平均粒径は、視認性(透明性)向上の観点から、100nm以下であると好ましく、60nm以下であることがより好ましい。(a)成分の平均粒径は、レーザ回折式粒度分布計により測定することができる。
【0026】
また、(a)成分の平均粒径が100nmを超えると、粒径が大きいことに起因して半導体用接着剤の粘度が低くなり過ぎる場合があり、半導体チップの実装後にフィレットと呼ばれるチップ外への樹脂のはみ出しが発生しやすくなる場合がある。これに対し、(a)成分の平均粒径が100nm以下であると、半導体用接着剤の粘度を好ましい範囲に調整しやすく、フィレットの発生を十分に抑制する、又は、フィレット量を十分に低減することができる。
【0027】
(a)成分の平均粒径の下限値は特に限定されないが、(a)成分の凝集を抑制する観点から、1nm以上、5nm以上、又は、10nm以上であってもよい。表面処理が施されていない無機フィラーを用いた場合には、例えば平均粒径が50nm程度であっても凝集が生じる恐れがあるが、グリシジル基を有する表面処理が施された無機フィラーを用いた場合には、平均粒径が50nm程度又はそれ以下であっても、凝集の発生を抑制することができる。
【0028】
(a)成分は単独又は2種以上の混合体として使用することもできる。(a)成分の形状については、特に制限されない。
【0029】
(a)成分の含有量は、半導体用接着剤の固形分全量を基準として、10~80質量%であることが好ましく、15~60質量%であることがより好ましく、20~50質量%であることが更に好ましい。この含有量が10質量%以上であると、接着力及び耐リフロー性をより向上できる傾向があり、80質量%以下であると、増粘により接続信頼性が低下することを抑制できる傾向がある。
【0030】
本実施形態に係る半導体用接着剤は、樹脂フィラーを含有していてもよい。樹脂フィラーとしては、例えば、ポリウレタン、ポリイミド等の樹脂からなるフィラーが挙げられる。樹脂フィラーは、他の有機成分(エポキシ樹脂及び硬化剤等)と比較して熱膨張率が小さいため接続信頼性の向上効果に優れる。また、樹脂フィラーによれば、半導体用接着剤の粘度調整を容易に行うことができる。また、樹脂フィラーは、無機フィラーと比較して応力を緩和する機能に優れている。
【0031】
絶縁信頼性の観点から、半導体用接着剤に含まれるフィラーは絶縁性であることが好ましい。半導体用接着剤は、銀フィラー、はんだフィラー等の導電性の金属フィラーは含有していないことが好ましい。導電性フィラー(導電性粒子)を含有しない半導体用接着剤(回路接続材料)は、NCF(Non-Conductive-FILM)又はNCP(Non-Conductive-Paste)と呼ばれることもある。本実施形態に係る半導体用接着剤は、NCF又はNCPとして好適に用いることができる。
【0032】
((b)成分:エポキシ樹脂)
(b)成分のエポキシ樹脂としては、分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂が挙げられ、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、各種多官能エポキシ樹脂等を使用することができる。(b)成分は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0033】
エポキシ樹脂の中でも、ビスフェノールA型又はビスフェノールF型の液状エポキシ樹脂は、1%熱重量減少温度が250℃以下であるため、高温加熱時に分解して揮発成分が発生する恐れがある。このため、室温(1気圧、25℃)で固形のエポキシ樹脂を用いることが好ましい。液状エポキシ樹脂を用いる場合は、固形のエポキシ樹脂と組み合わせて用いることが好ましい。
【0034】
(b)成分の重量平均分子量は10000未満であってもよく、耐熱性の観点から、100以上10000未満が好ましく、300以上8000以下がより好ましく、300以上5000以下が更に好ましい。
【0035】
(b)成分の含有量は、半導体用接着剤の固形分全量を基準として、好ましくは10~50質量%であり、より好ましくは20~45質量%であり、更に好ましくは30~40質量%である。(b)成分の含有量が10質量%以上であると、硬化後の樹脂の流動を十分に制御しやすく、50質量%以下であると、硬化物の樹脂成分が多くなりすぎず、パッケージの反りを低減しやすい。
【0036】
本実施形態に係る半導体用接着剤は、上記(b)エポキシ樹脂以外の他の熱硬化性樹脂を更に含有していてもよい。他の熱硬化性樹脂としては、例えばフェノール樹脂、イミド樹脂、(メタ)アクリル化合物等が挙げられる。
【0037】
((c)成分:硬化剤)
(c)硬化剤としては、フェノール樹脂系硬化剤、酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤及びホスフィン系硬化剤等が挙げられる。(c)成分がフェノール性水酸基、酸無水物、アミン類又はイミダゾール類を含むと、接続部に酸化膜が生じることを抑制するフラックス活性を示しやすく、接続信頼性及び絶縁信頼性を容易に向上させることができる。以下、各硬化剤について説明する。
【0038】
(c-i)フェノール樹脂系硬化剤
フェノール樹脂系硬化剤としては、分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有する硬化剤が挙げられ、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、クレゾールナフトールホルムアルデヒド重縮合物、トリフェニルメタン型多官能フェノール樹脂、各種多官能フェノール樹脂等を使用することができる。フェノール樹脂系硬化剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0039】
上記(b)成分に対するフェノール樹脂系硬化剤の当量比(フェノール性水酸基/エポキシ基、モル比)は、硬化性、接着性及び保存安定性に優れる観点から、0.3~1.5が好ましく、0.4~1.0がより好ましく、0.5~1.0がさらに好ましい。当量比が0.3以上であると、硬化性が向上し接着力が向上する傾向があり、1.5以下であると、未反応のフェノール性水酸基が過剰に残存することがなく、吸水率が低く抑えられ、絶縁信頼性がさらに向上する傾向がある。
【0040】
(c-ii)酸無水物系硬化剤
酸無水物系硬化剤としては、メチルシクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート等を使用することができる。酸無水物系硬化剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0041】
上記(b)成分に対する酸無水物系硬化剤の当量比(酸無水物基/エポキシ基、モル比)は、硬化性、接着性及び保存安定性に優れる観点から、0.3~1.5が好ましく、0.4~1.0がより好ましく、0.5~1.0がさらに好ましい。当量比が0.3以上であると、硬化性が向上し接着力が向上する傾向があり、1.5以下であると、未反応の酸無水物が過剰に残存することがなく、吸水率が低く抑えられ、絶縁信頼性がさらに向上する傾向がある。
【0042】
(c-iii)アミン系硬化剤
アミン系硬化剤としては、ジシアンジアミド、各種アミン化合物等を使用することができる。
【0043】
上記(b)成分に対するアミン系硬化剤の当量比(アミン/エポキシ基、モル比)は、硬化性、接着性及び保存安定性に優れる観点から0.3~1.5が好ましく、0.4~1.0がより好ましく、0.5~1.0がさらに好ましい。当量比が0.3以上であると、硬化性が向上し接着力が向上する傾向があり、1.5以下であると、未反応のアミンが過剰に残存することがなく、絶縁信頼性がさらに向上する傾向がある。
【0044】
(c-iv)イミダゾール系硬化剤
イミダゾール系硬化剤としては、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、1-シアノ-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾールトリメリテイト、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-ウンデシルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-エチル-4’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加体、2-フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加体、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、エポキシ樹脂とイミダゾール類の付加体等が挙げられる。これらの中でも、硬化性、保存安定性及び接続信頼性にさらに優れる観点から、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、1-シアノ-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾールトリメリテイト、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-エチル-4’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加体、2-フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加体、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール及び2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾールが好ましい。イミダゾール系硬化剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらをマイクロカプセル化した潜在性硬化剤としてもよい。
【0045】
イミダゾール系硬化剤の含有量は、(b)成分100質量部に対して、0.1~20質量部が好ましく、0.1~10質量部がより好ましい。イミダゾール系硬化剤の含有量が0.1質量部以上であると、硬化性が向上する傾向があり、20質量部以下であると、金属接合が形成される前に接着剤組成物が硬化することがなく、接続不良が発生しにくい傾向がある。
【0046】
(c-v)ホスフィン系硬化剤
ホスフィン系硬化剤としては、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラ(4-メチルフェニル)ボレート及びテトラフェニルホスホニウム(4-フルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
【0047】
ホスフィン系硬化剤の含有量は、(b)成分100質量部に対して、0.1~10質量部が好ましく、0.1~5質量部がより好ましい。ホスフィン系硬化剤の含有量が0.1質量部以上であると、硬化性が向上する傾向があり、10質量部以下であると、金属接合が形成される前に半導体用接着剤が硬化することがなく、接続不良が発生しにくい傾向がある。
【0048】
フェノール樹脂系硬化剤、酸無水物系硬化剤及びアミン系硬化剤は、それぞれ1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。イミダゾール系硬化剤及びホスフィン系硬化剤はそれぞれ単独で用いてもよいが、フェノール樹脂系硬化剤、酸無水物系硬化剤又はアミン系硬化剤と共に用いてもよい。
【0049】
(c)成分としては、硬化性に優れる観点から、フェノール樹脂系硬化剤とイミダゾール系硬化剤の併用、酸無水物系硬化剤とイミダゾール系硬化剤の併用、アミン系硬化剤とイミダゾール系硬化剤の併用、イミダゾール系硬化剤単独使用が好ましい。短時間で接続すると生産性が向上することから、速硬化性に優れたイミダゾール系硬化剤単独使用がより好ましい。この場合、短時間で硬化すると低分子成分等の揮発分が抑制できることから、ボイドの発生を容易に抑制することもできる。
【0050】
((d)成分:重量平均分子量10000以上の高分子量成分)
(d)重量平均分子量10000以上の高分子量成分((b)成分に該当する化合物を除く)としては、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカルボジイミド樹脂、シアネートエステル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルゴム等が挙げられ、その中でも、耐熱性及びフィルム形成性に優れる観点から、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、(メタ)アクリル樹脂、アクリルゴム、シアネートエステル樹脂、ポリカルボジイミド樹脂が好ましく、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、(メタ)アクリル樹脂、アクリルゴムがより好ましく、フェノキシ樹脂が更に好ましい。(d)成分は、単独又は2種以上の混合体又は共重合体として使用することもできる。
【0051】
(d)成分と(b)成分との質量比は、特に制限されないが、フィルム状を良好に保持する観点から、(d)成分1質量部に対して、(b)成分の含有量は、0.01~5質量部であることが好ましく、0.05~4質量部であることがより好ましく、0.1~3質量部であることがさらに好ましい。(b)成分の含有量が0.01質量部以上であると、硬化性が低下したり、接着力が低下することがなく、含有量が5質量部以下であると、フィルム形成性及び膜形成性が低下することがない。
【0052】
(d)成分の重量平均分子量は、ポリスチレン換算で10000以上であるが、単独で良好なフィルム形成性を示すために、30000以上が好ましく、40000以上がより好ましく、50000以上がさらに好ましい。重量平均分子量が10000以上である場合にはフィルム形成性が低下する恐れがない。なお、本明細書において、重量平均分子量とは、高速液体クロマトグラフィー(島津製作所製C-R4A)を用いて、ポリスチレン換算で測定したときの重量平均分子量を意味する。
【0053】
((e)成分:フラックス剤)
半導体用接着剤は、フラックス活性(酸化物、不純物等を除去する活性)を示す化合物である(e)フラックス剤をさらに含有することができる。フラックス剤としては、非共有電子対を有する含窒素化合物(イミダゾール類、アミン類等。ただし、(c)成分に含まれるものを除く)、カルボン酸類、フェノール類及びアルコール類等が挙げられる。なお、アルコール類に比べてカルボン酸類の方がフラックス活性を強く発現し、接続性を向上し易い。
【0054】
(e)成分の含有量は、はんだ濡れ性の観点から、半導体用接着剤の固形分全量を基準として、0.2~3質量%であることが好ましく、0.4~1.8質量%であることがより好ましい。
【0055】
半導体用接着剤には、更に、イオントラッパー、酸化防止剤、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、レベリング剤等を配合してもよい。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。これらの配合量については、各添加剤の効果が発現するように適宜調整すればよい。
【0056】
半導体用接着剤をフィルム状にした場合の80℃におけるずり粘度は、4500~14000Pa・sであることが好ましく、5000~13000Pa・sであることがより好ましく、5000~10000Pa・sであることが更に好ましい。ずり粘度が4500Pa・s以上であることで、フィレットの発生を十分に抑制する、又は、フィレット量を十分に低減することができる。ずり粘度が14000Pa・s以下であることで、半導体装置組み立て時の実装性を向上させることができる。フィルム状にした半導体用接着剤のずり粘度は、例えば、動的ずり粘弾性測定装置(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製、商品名「ARES-G2」等)により、昇温速度10℃/分、測定温度範囲30℃~145℃、周波数10Hzの条件で測定することができる。上記方法で測定された粘度値の80℃での値を、半導体用接着剤のフィルム状にした場合の80℃におけるずり粘度として求めることができる。
【0057】
<半導体用接着剤の製造方法>
本実施形態に係る半導体用接着剤は、生産性が向上する観点から、フィルム状(フィルム状接着剤)であることが好ましい。フィルム状接着剤の作製方法を以下に説明する。
【0058】
まず、(a)成分、(b)成分、(c)成分、(d)成分、及び必要に応じてその他の成分を有機溶媒中に加えた後に攪拌混合、混錬等により溶解又は分散させて樹脂ワニスを調製する。その後、離型処理を施した基材フィルム上に、ナイフコーター、ロールコーター、アプリケーター、ダイコーター、コンマコーター等を用いて樹脂ワニスを塗布した後、加熱により有機溶媒を減少させて、基材フィルム上にフィルム状接着剤を形成する。また、加熱により有機溶媒を減少させる前に、樹脂ワニスをウエハ等にスピンコートして膜を形成した後、溶媒乾燥を行う方法によりウエハ上にフィルム状接着剤を形成してもよい。
【0059】
樹脂ワニスの調製に用いる有機溶媒としては、各成分を均一に溶解又は分散し得る特性を有するものが好ましく、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブ、ジオキサン、シクロヘキサノン、及び酢酸エチルが挙げられる。これらの有機溶媒は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。樹脂ワニス調製の際の攪拌混合及び混錬は、例えば、攪拌機、らいかい機、3本ロール、ボールミル、ビーズミル又はホモディスパーを用いて行うことができる。
【0060】
基材フィルムとしては、有機溶媒を揮発させる際の加熱条件に耐え得る耐熱性を有するものであれば特に制限はなく、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリエーテルナフタレートフィルム、メチルペンテンフィルム等が挙げられる。基材フィルムとしては、これらのフィルムのうちの1種からなる単層のものに限られず、2種以上のフィルムからなる多層フィルムであってもよい。
【0061】
塗布後の樹脂ワニスから有機溶媒を揮発させる際の条件としては、具体的には、50~200℃、0.1~90分間の加熱を行うことが好ましい。実装後のボイド、粘度調整等に影響がなければ、有機溶媒が1.5質量%以下まで揮発する条件とすることが好ましい。
【0062】
本実施形態に係るフィルム状接着剤におけるフィルムの厚さは、視認性、流動性、充填性の観点から、10~100μmが好ましく、20~50μmがより好ましい。
【0063】
<半導体装置>
本実施形態に係る半導体用接着剤は、半導体装置に好適に用いられ、半導体チップ及び配線回路基板のそれぞれの接続部の電極同士が互いに電気的に接続された半導体装置、又は複数の半導体チップのそれぞれの接続部の電極同士が互いに電気的に接続された半導体装置において、接続部の封止に特に好適に用いられる。以下、本実施形態に係る半導体用接着剤を用いた半導体装置について説明する。半導体装置における接続部の電極同士は、バンプと配線との金属接合、及び、バンプとバンプとの金属接合のいずれでもよい。半導体装置では、例えば、半導体用接着剤を介して電気的な接続を得るフリップチップ接続が用いられてよい。
【0064】
図1は、半導体装置の実施形態(半導体チップ及び基板のCOB型の接続態様)を示す模式断面図である。
図1の(a)に示すように、第1の半導体装置100は、互いに対向する半導体チップ10及び基板(配線回路基板)20と、半導体チップ10及び基板20の互いに対向する面にそれぞれ配置された配線15と、半導体チップ10及び基板20の配線15を互いに接続する接続バンプ30と、半導体チップ10及び基板20間の空隙に隙間なく充填された接着材料40とを有している。半導体チップ10及び基板20は、配線15及び接続バンプ30によりフリップチップ接続されている。配線15及び接続バンプ30は、接着材料40により封止されており外部環境から遮断されている。接着材料40は、本実施形態の半導体用接着剤の硬化物である。
【0065】
図1の(b)に示すように、第2の半導体装置200は、互いに対向する半導体チップ10及び基板(配線回路基板)20と、半導体チップ10及び基板20の互いに対向する面にそれぞれ配置されたバンプ32と、半導体チップ10及び基板20間の空隙に隙間なく充填された接着材料40とを有している。半導体チップ10及び基板20は、対向するバンプ32が互いに接続されることによりフリップチップ接続されている。バンプ32は、接着材料40により封止されており外部環境から遮断されている。
【0066】
図2は、半導体装置の他の実施形態(半導体チップ同士のCOC型の接続態様)を示す模式断面図である。
図2の(a)に示すように、第3の半導体装置300は、2つの半導体チップ10が配線15及び接続バンプ30によりフリップチップ接続されている点を除き、第1の半導体装置100と同様である。
図2の(b)に示すように、第4の半導体装置400は、2つの半導体チップ10がバンプ32によりフリップチップ接続されている点を除き、第2の半導体装置200と同様である。
【0067】
半導体チップ10としては、特に制限はなく、シリコン、ゲルマニウム等の同一種類の元素から構成される元素半導体、ガリウム・ヒ素、インジウム・リン等の化合物半導体などの各種半導体を用いることができる。
【0068】
基板20としては、配線回路基板であれば特に制限はなく、ガラスエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、セラミック、エポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂等を主な成分とする絶縁基板の表面に形成された金属層の不要な個所をエッチング除去して配線(配線パターン)が形成された回路基板、上記絶縁基板の表面に金属めっき等によって配線(配線パターン)が形成された回路基板、上記絶縁基板の表面に導電性物質を印刷して配線(配線パターン)が形成された回路基板などを用いることができる。
【0069】
配線15、バンプ32等の接続部は、主成分として金、銀、銅、はんだ(主成分は、例えばスズ-銀、スズ-鉛、スズ-ビスマス、スズ-銅)、ニッケル、スズ、鉛等を含有しており、複数の金属を含有していてもよい。
【0070】
配線(配線パターン)の表面には、金、銀、銅、はんだ(主成分は、例えばスズ-銀、スズ-鉛、スズ-ビスマス、スズ-銅)、スズ、ニッケル等を主な成分とする金属層が形成されていてもよい。この金属層は単一の成分のみで構成されていてもよく、複数の成分から構成されていてもよい。また、複数の金属層が積層された構造をしていてもよい。銅、はんだは安価であることから一般的に使用されている。なお、銅、はんだには酸化物、不純物等が含まれるため、半導体用接着剤はフラックス活性を有することが好ましい。
【0071】
バンプと呼ばれる導電性突起の材質としては、主な成分として、金、銀、銅、はんだ(主成分は例えば、スズ-銀、スズ-鉛、スズ-ビスマス、スズ-銅)、スズ、ニッケル等が用いられ、単一の成分のみで構成されていてもよく、複数の成分から構成されていてもよい。また、これらの金属が積層された構造をなすように形成されていてもよい。バンプは半導体チップ又は基板に形成されていてもよい。銅、はんだは安価であることから一般的に使用されている。なお、銅、はんだには酸化物、不純物等が含まれるため、半導体用接着剤はフラックス活性を有することが好ましい。
【0072】
また、
図1又は
図2に示すような半導体装置(パッケージ)を積層して金、銀、銅、はんだ(主成分は、例えばスズ-銀、スズ-鉛、スズ-ビスマス、スズ-銅)、スズ、ニッケル等で電気的に接続してもよい。例えば、TSV技術で見られるような、接着剤を半導体チップ間に介して、フリップチップ接続又は積層し、半導体チップを貫通する孔を形成し、パターン面の電極とつなげてもよい。
【0073】
図3は、半導体装置の他の実施形態(半導体チップ積層型の態様(TSV))を示す模式断面図である。
図3に示すように、第5の半導体装置500では、インターポーザ50上に形成された配線15が半導体チップ10の配線15と接続バンプ30を介して接続されることにより、半導体チップ10とインターポーザ50とはフリップチップ接続されている。半導体チップ10とインターポーザ50との間の空隙には接着材料40が隙間なく充填されている。上記半導体チップ10におけるインターポーザ50と反対側の表面上には、配線15、接続バンプ30及び接着材料40を介して半導体チップ10が繰り返し積層されている。半導体チップ10の表裏におけるパターン面の配線15は、半導体チップ10の内部を貫通する孔内に充填された貫通電極34により互いに接続されている。なお、貫通電極34の材質としては、銅、アルミニウム等を用いることができる。
【0074】
このようなTSV技術により、通常は使用されない半導体チップの裏面からも信号を取得することができる。さらには、半導体チップ10内に貫通電極34を垂直に通すため、対向する半導体チップ10間、又は半導体チップ10及びインターポーザ50間の距離を短くし、柔軟な接続が可能である。本実施形態に係る半導体用接着剤は、このようなTSV技術において、対向する半導体チップ10間、又は半導体チップ10及びインターポーザ50間の封止材料として好適に用いられる。
【0075】
<半導体装置の製造方法>
本実施形態に係る半導体装置の製造方法は、本実施形態に係る半導体用接着剤を用いて、半導体チップ及び配線回路基板、又は、複数の半導体チップ同士を接続する。本実施形態に係る半導体装置の製造方法は、例えば、半導体用接着剤を介して半導体チップ及び配線回路基板を互いに接続すると共に半導体チップ及び配線回路基板のそれぞれの接続部を互いに電気的に接続して半導体装置を得る工程、又は、半導体用接着剤を介して複数の半導体チップを互いに接続すると共に複数の半導体チップのそれぞれの接続部を互いに電気的に接続して半導体装置を得る工程を備える。
【0076】
本実施形態に係る半導体装置の製造方法では、接続部を互いに金属接合によって接続することができる。すなわち、半導体チップ及び配線回路基板のそれぞれの接続部を互いに金属接合によって接続する、又は、複数の半導体チップのそれぞれの接続部を互いに金属接合によって接続する。
【0077】
本実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例として、
図4に示す第6の半導体装置600の製造方法について説明する。第6の半導体装置600は、配線(銅配線)15を有する基板(例えばガラスエポキシ基板)60と、配線(例えば銅ピラー、銅ポスト)15を有する半導体チップ10とが接着材料40を介して互いに接続されている。半導体チップ10の配線15と基板60の配線15とは、接続バンプ(はんだバンプ)30により電気的に接続されている。基板60における配線15が形成された表面には、接続バンプ30の形成位置を除いてソルダーレジスト70が配置されている。
【0078】
第6の半導体装置600の製造方法では、まず、ソルダーレジスト70が形成された基板60上に半導体用接着剤(フィルム状接着剤等)を貼付する。貼付は、加熱プレス、ロールラミネート、真空ラミネート等によって行うことができる。半導体用接着剤の供給面積及び厚みは、半導体チップ10又は基板60のサイズ、バンプ高さ等によって適宜設定される。半導体用接着剤を半導体チップ10に貼付してもよく、半導体ウエハに半導体用接着剤を貼付した後にダイシングして半導体チップ10に個片化することによって、半導体用接着剤を貼付した半導体チップ10を作製してもよい。この場合、高い光透過率を有する半導体用接着剤であれば、アライメントマークを覆っても視認性が確保されることから、半導体ウエハ(半導体チップ)のみならず、基板上においても貼付する範囲が制限されず、取り扱い性に優れる。
【0079】
半導体用接着剤を基板60又は半導体チップ10に貼り付けた後、半導体チップ10の配線15上の接続バンプ30と、基板60の配線15とをフリップチップボンダー等の接続装置を用いて位置合わせする。そして、半導体チップ10と基板60を接続バンプ30の融点以上の温度で加熱しながら押し付けて(接続部にはんだを用いる場合は、はんだ部分に240℃以上かかることが好ましい)、半導体チップ10と基板60を接続すると共に、半導体用接着剤を硬化させ、半導体用接着剤の硬化物からなる接着材料40によって半導体チップ10と基板60の間の空隙を封止充てんする。接続荷重は、バンプ数に依存するが、バンプの高さばらつき吸収、バンプ変形量の制御等を考慮して設定される。接続時間は、生産性向上の観点から、短時間が好ましい。はんだを溶融させ、酸化膜、表面の不純物等を除去し、金属接合を接続部に形成することが好ましい。
【0080】
短時間の接続時間(圧着時間)とは、接続形成(本圧着)中に接続部に240℃以上かかる時間(例えば、はんだ使用時の時間)が10秒以下であることをいう。接続時間は、5秒以下が好ましく、3秒以下がより好ましい。
【0081】
本実施形態の半導体装置の製造方法では、位置合わせをした後に仮固定し(半導体用接着剤を介している状態)、リフロー炉で加熱処理することによってはんだバンプを溶融させて半導体チップと基板を接続することによって半導体装置を製造してもよい。仮固定は、金属接合を形成する必要性が顕著に要求されないため、上述の本圧着に比べて低荷重、短時間、低温度でもよく、生産性向上、接続部の劣化防止等のメリットが生じる。半導体チップと基板を接続した後、オーブン等で加熱処理を行って、半導体用接着剤を更に硬化させてもよい。加熱温度は、半導体用接着剤の硬化が進行し、好ましくはほぼ完全に硬化する温度である。加熱温度及び加熱時間は適宜設定すればよい。
【0082】
本実施形態に係る半導体装置の製造方法は、半導体チップと、基板、他の半導体チップ、又は、他の半導体チップに相当する部分を含む半導体ウエハと、これらの間に配置された半導体用接着剤(フィルム状接着剤)とを有し、半導体チップの接続部と基板又は他の半導体チップの接続部とが対向配置されている、積層体を、対向する一対の仮圧着用押圧部材で挟むことによって加熱及び加圧し、それにより半導体チップに基板、他の半導体チップ又は半導体ウエハを仮圧着する工程(仮圧着工程)と、半導体チップの接続部と基板又は他の半導体チップの接続部とを金属接合によって電気的に接続する工程(本圧着工程)と、をこの順に備える方法であってもよい。
【0083】
上記製造方法においては、仮圧着工程で用いられる上記一対の仮圧着用押圧部材のうち少なくとも一方が、積層体を加熱及び加圧する時に、半導体チップの接続部の表面を形成している金属材料の融点、及び基板又は他の半導体チップの接続部の表面を形成している金属材料の融点よりも低い温度に加熱される。
【0084】
一方、本圧着工程において、積層体は、半導体チップの接続部の表面を形成している金属材料の融点、又は基板若しくは他の半導体チップの接続部の表面を形成している金属材料の融点のうち少なくともいずれか一方の融点以上の温度に加熱される。ここで、本圧着工程は、例えば以下の方法で行うことができる。
【0085】
(第1の方法)
積層体を、仮圧着用押圧部材とは別に準備された、対向する一対の本圧着用押圧部材で挟むことによって加熱及び加圧し、それにより半導体チップの接続部と基板又は他の半導体チップの接続部とを金属接合によって電気的に接続する。この場合、一対の本圧着用押圧部材のうち少なくとも一方が、積層体を加熱及び加圧する時に、半導体チップの接続部の表面を形成している金属材料の融点、又は基板若しくは他の半導体チップの接続部の表面を形成している金属材料の融点のうち少なくともいずれか一方の融点以上の温度に加熱される。
【0086】
上記方法によれば、接続部の表面を形成している金属材料の融点よりも低い温度で仮圧着する工程と、接続部の表面を形成している金属材料の融点以上の温度で本圧着する工程とを別々の圧着用押圧部材を用いて行うことで、それぞれの圧着用押圧部材の加熱及び冷却に要する時間を短縮することができる。そのため、1つの圧着用押圧部材で圧着するよりも短時間で生産性よく半導体装置を製造することができる。その結果、短時間で多くの高信頼性な半導体装置を製造できる。本圧着工程において一括して接続することができる。一括接続をする場合、本圧着では仮圧着と比較して、より多くの複数個の半導体チップを圧着するため、面積の大きな圧着ヘッドを備える圧着用押圧部材を使用することができる。このように複数の半導体チップを一括で本圧着して接続を確保することができると、半導体装置の生産性が向上する。
【0087】
(第2の方法)
ステージ上に配置された複数の積層体又は複数の半導体チップ、半導体ウエハ及び接着剤を有する積層体とそれらを覆うように配置された一括接続用シートとを、ステージと該ステージに対向する圧着ヘッドとで挟むことによって一括して複数の積層体を加熱及び加圧し、それにより半導体チップの接続部と基板又は他の半導体チップの接続部とを金属接合によって電気的に接続する。この場合、ステージ及び圧着ヘッドのうち少なくとも一方が、半導体チップの接続部の表面を形成している金属材料の融点、又は基板若しくは他の半導体チップの接続部の表面を形成している金属材料の融点のうち少なくともいずれか一方の融点以上の温度に加熱される。
【0088】
上記方法によれば、複数の半導体チップと複数の基板、複数の他の半導体チップ又は半導体ウエハとを一括で本圧着する場合において、接続不良の半導体装置の割合を減らすことができる。
【0089】
一括接続用シートの原料は特に限定されないが、例えば、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリイミド樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカルボジイミド樹脂、シアネートエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ウレタン樹脂、及びアクリルゴムが挙げられる。一括接続用シートは、耐熱性及びフィルム形成性に優れるという観点から、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、アクリルゴム、シアネートエステル樹脂、及びポリカルボジイミド樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含むシートであってもよい。一括接続用シートの樹脂は、耐熱性及びフィルム形成性に特に優れるという観点から、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリイミド樹脂、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂及びアクリルゴムから選ばれる少なくとも1種の樹脂を含むシートであってもよい。これらの樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0090】
(第3の方法)
積層体を、加熱炉内又はホットプレート上で、半導体チップの接続部の表面を形成している金属材料の融点、又は基板若しくは他の半導体チップの接続部の表面を形成している金属材料の融点のうち少なくともいずれか一方の融点以上の温度に加熱する。
【0091】
上記方法の場合も、仮圧着工程と、本圧着工程とを別々に行うことで、仮圧着用押圧部材の加熱及び冷却に要する時間を短縮することができる。そのため、1つの圧着用押圧部材で圧着するよりも短時間で生産性よく半導体装置を製造することができる。その結果、短時間で多くの高信頼性な半導体装置を製造できる。また、上記方法では、複数の積層体を加熱炉内又はホットプレート上で一括して加熱してもよい。これにより、更に高い生産性で半導体装置を製造することができる。
【0092】
このような仮圧着工程と本圧着工程とを別々に行う製造方法では、複数の積層体を仮圧着した後、仮圧着した複数の積層体を一括して本圧着することができるが、その際に、複数の積層体のうちの例えば最初に仮圧着したものと、最後に仮圧着したものとで、本圧着後の品質にバラツキが生じないことが求められる。すなわち、上記最初に仮圧着したものは、最後に仮圧着したものよりも仮圧着状態で保持される時間が長くなるため、使用される半導体用接着剤は、仮圧着工程の始めから終わりまで粘度増加が生じ難いことが求められる。本実施形態に係る半導体用接着剤(フィルム状接着剤)は、経時的な粘度増加を抑制することができるため、上記要求を満たすことができ、上記製造方法に好適に使用することができる。
【実施例】
【0093】
以下、実施例を挙げて本開示についてさらに具体的に説明する。ただし、本開示はこれら実施例に限定されるものではない。
【0094】
各実施例及び比較例で使用した化合物は以下の通りである。
(a)無機フィラー
・エポキシ表面処理ナノシリカフィラー(グリシジル基を有する表面処理が施された無機フィラー、株式会社アドマテックス製、商品名「50nm SE-AH1」、平均粒径:約50nm、以下「SEナノシリカ」という。)
・メタクリル表面処理ナノシリカフィラー(株式会社アドマテックス製、商品名「50nm YA050C-HGF」、平均粒径:約50nm、以下「YAナノシリカ」という。)
【0095】
(b)エポキシ樹脂
・トリフェノールメタン骨格含有多官能固形エポキシ樹脂(三菱ケミカル株式会社製、商品名「EP1032H60」、以下「EP1032」という。)
・柔軟性エポキシ樹脂(三菱ケミカル株式会社製、商品名「YL7175」、以下「YL7175」という。)
【0096】
(c)硬化剤
・2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加体(四国化成工業株式会社製、商品名「2MAOK-PW」、以下「2MAOK」という。)
【0097】
(d)重量平均分子量10000以上の高分子量成分
・アクリル樹脂(株式会社クラレ製、商品名「クラリティLA4285」、Mw/Mn=1.28、重量平均分子量Mw:80000、以下「LA4285」という。)
【0098】
(e)フラックス剤
・グルタル酸(シグマアルドリッチジャパン合同会社製、融点:約97℃)
【0099】
<フィルム状接着剤の作製>
(実施例1)
エポキシ樹脂「EP1032」12.4g、「YL7175」0.72g、硬化剤「2MAOK」0.9g、グルタル酸1.2g、無機フィラー「SEナノシリカ」33.9g、アクリル樹脂「LA4285」6.0g、及び、シクロヘキサノン(樹脂ワニス中の固形分量が49質量%になる量)を仕込み、直径1.0mmのジルコニアビーズを固形分と同質量加え、ビーズミル(フリッチュ・ジャパン株式会社製、遊星型微粉砕機P-7)で30分撹拌した。その後、撹拌に用いたジルコニアビーズをろ過によって除去し、樹脂ワニスを得た。
【0100】
得られた樹脂ワニスを基材フィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名「ピューレックスA54」)上に小型精密塗工装置(株式会社康井精機製)で塗工し、塗工された樹脂ワニスをクリーンオーブン(エスペック株式会社製)で乾燥(100℃/5分)して、フィルム状接着剤を得た。厚みは0.02mmとなるよう作製した。
【0101】
(実施例2)
無機フィラー「SEナノシリカ」を17gに減らし、無機フィラー「YAナノシリカ」を17g加えたこと以外は、実施例1と同様にして、フィルム状接着剤を作製した。
【0102】
(比較例1)
無機フィラー「SEナノシリカ」をなくし、無機フィラー「YAナノシリカ」を33.9g加えたこと以外は、実施例1と同様にして、フィルム状接着剤を作製した。
【0103】
表1に、実施例1~2及び比較例1の配合(単位:g)をまとめて示す。
【0104】
<評価>
以下、実施例及び比較例で得られたフィルム状接着剤の評価方法を示す。
【0105】
(1)ずり粘度測定サンプルの作製
作製したフィルム状接着剤を卓上ラミネータ(株式会社ミラーコーポレーション製、商品名「ホットドッグGK-13DX」)にて、総厚が0.4mm(400μm)になるまで複数枚ラミネート(積層)し、縦7.3mm、横7.3mmサイズに切り抜き、測定サンプルを得た。
【0106】
(2)ずり粘度の測定
得られた測定サンプルのずり粘度を、動的ずり粘弾性測定装置(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製、商品名「ARES-G2」)にて測定した。測定条件は、昇温速度10℃/分、測定温度範囲30℃~145℃、周波数10Hzで行い、80℃での粘度値を読み取った。同様の方法で、室温(23℃、50%RH)で4週間放置後の測定サンプルについて、ずり粘度の測定を行った。室温放置前後のずり粘度の測定結果、及び、室温放置前後の粘度増加率を表2に示す。
【0107】
【0108】
【0109】
表2の評価結果より、グリシジル基を有する表面処理が施された無機フィラーが無機フィラー全体の50質量%以上を占める実施例1及び実施例2のフィルム状接着剤では、室温放置前後の粘度増加率が20%以下であり、経時的な粘度増加が抑制されていることが確認された。これら実施例1及び実施例2のフィルム状接着剤は、経時的な粘度増加が抑制されているため、経時的に半導体装置組み立て時の実装性悪化が生じ難い。一方、グリシジル基を有する表面処理が施された無機フィラーが無機フィラー全体の50質量%未満である比較例1のフィルム状接着剤では、室温放置前後の粘度増加率が80%以上であり、経時的に粘度が増加しやすいことが分かった。
【符号の説明】
【0110】
10…半導体チップ、15…配線、20,60…基板、30…接続バンプ、32…バンプ、34…貫通電極、40…接着材料、50…インターポーザ、70…ソルダーレジスト、100,200,300,400,500,600…半導体装置。