(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】計測装置及び基板ステージ・ハンドラ・システム
(51)【国際特許分類】
G03F 7/20 20060101AFI20231011BHJP
G01B 11/00 20060101ALI20231011BHJP
【FI】
G03F7/20 501
G03F7/20 521
G01B11/00 C
(21)【出願番号】P 2018133192
(22)【出願日】2018-07-13
【審査請求日】2021-06-28
(32)【優先日】2017-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2018-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ビジネン,フランシスカス,ゴデフリドゥス,キャスパー
(72)【発明者】
【氏名】金原 淳一
(72)【発明者】
【氏名】ケイ,ステファン,カロルス,ヤコブス,アントニウス
(72)【発明者】
【氏名】マタール,トーマス,オウガスタス
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ギルス,ペトルス,フランシスカス
【審査官】今井 彰
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2007/102484(WO,A1)
【文献】特開2002-158168(JP,A)
【文献】特開2006-287122(JP,A)
【文献】特表2012-531032(JP,A)
【文献】特開2005-203483(JP,A)
【文献】特開2014-120746(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/20-7/24、9/00-9/02
G02B 11/00-11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の測定装置と、第2の測定装置と、第1の基板及び/又は第2の基板を保持するように構成された第1の基板ステージと、前記第1の基板及び/又は前記第2の基板を保持するように構成された第2の基板ステージと、前記第1の基板及び/又は前記第2の基板をハンドリングするように構成された第1の基板ハンドラと、前記第1の基板及び/又は前記第2の基板をハンドリングするように構成された第2の基板ハンドラと、露光ユニットが含まれない第1のステーションと、露光ユニットが含まれない第2のステーションと、を備える計測装置であって、
前記第1の基板は、第1のFOUP(Front-Opening Unified Pod)、第2のFOUP又は第3のFOUPからロードされ、
前記第2の基板は、前記第1のFOUP、前記第2のFOUP又は前記第3のFOUPからロードされ、
前記第1の測定装置は、前記第1の基板ステージ及び/又は前記第2の基板ステージによって支持される基板上の第1の数のアライメントマークの位置を測定するための第1のアライメントセンサを備えるアライメント測定装置としての機能を有し、
前記第2の測定装置は、レベルセンサとしての機能を有し、
前記第1の基板ステージ及び/又は前記第2の基板ステージが前記第1のステーションと前記第2のステーションとの間で移動可能であるために、前記第1の基板
ステージ及び前記第2の基板
ステージのうちの1つの上で支持されている基板が前記第1のステーション及び/又は前記第2のステーション内で処理可能であり、
前記レベルセンサとしての前記第2の測定装置は、前記第1のアライメントセンサによるそれぞれのアライメントマークの測定の間に、前記第1のアライメントセンサに対する基板の垂直位置及び/又は傾斜位置を最適化するために、前記アライメントマークが提供されるエリアについてのみ、前記基板の上面の高さレベルを決定する、計測装置。
【請求項2】
前記第1の基板ステージ及び前記第2の基板ステージの各々を平面移動域内で移動させるための基板ステージ位置決めシステムを備え、
前記第1の基板ステージと第1のケーブル接続支持体との間に第1のケーブル接続が提供され、前記第2の基板ステージと第2のケーブル接続支持体との間に第2のケーブル接続が提供され、
前記平面移動域の第1の側で、前記第1のケーブル接続支持体を誘導するために第1のリニアガイドが提供され、前記第1の側と反対の前記平面移動域の第2の側で、前記第2のケーブル接続支持体を誘導するために第2のリニアガイドが提供される、請求項1に記載の計測装置。
【請求項3】
前記第1のリニアガイド及び前記第2のリニアガイドは、同じ接続ケーブル誘導方向に延在する、請求項2に記載の計測装置。
【請求項4】
前記第1のリニアガイド及び前記第2のリニアガイドは、リニア磁気支持ガイドである、請求項2又は3に記載の計測装置。
【請求項5】
前記第1の基板ステージ及び前記第2の基板ステージの各々は、前記平面移動域を画定する平面位置決め面にわたって移動可能である位置決めモジュールによって支持される、請求項2から4の何れか一項に記載の計測装置。
【請求項6】
前記平面移動域の第3の側で、前記第1の基板ステージ上に基板をロード及び/又はアンロードするために、前記第1の基板ハンドラが提供され、
前記第3の側の反対の前記平面移動域の第4の側で、前記第2の基板ステージ上に基板をロード及び/又はアンロードするために、前記第2の基板ハンドラが提供される、請求項2から5の何れか一項に記載の計測装置。
【請求項7】
前記第1の基板ハンドラに隣接する第1のローディングステーションと、
前記第2の基板ハンドラに隣接する第2のローディングステーションと、
を備える、請求項6に記載の計測装置。
【請求項8】
前記平面移動域の第3の側で、前記第1及び第2の基板ステージ上に基板をロード及び/又はアンロードするために、ロングアーム基板ハンドラが提供される、請求項2から5の何れか一項に記載の計測装置。
【請求項9】
前記第1及び前記第2の基板ステージの位置を決定するための位置測定システムを備える、請求項1から8の何れか一項に記載の計測装置。
【請求項10】
前記第1のステーション及び/又は前記第2のステーションは、前記基板上に投影されたパターンの間のオーバーレイを測定するためのオーバーレイセンサを備える、請求項1
から9の何れか一項に記載の計測装置。
【請求項11】
前記第1のステーションが配置された側とは反対の側の、前記第2のステーションの隣に、第3のステーションが配置される、請求項1
0に記載の計測装置。
【請求項12】
前記第1のステーション、前記第2のステーション及び/又は前記第3のステーションの構造は、アライメント測定装置、レベルセンサ、膜厚測定装置、分光反射率測定装置、レーザ・アブレーション・ユニット、及び/又は、オーバーレイセンサを、選択的に追加するように設計される、請求項
11に記載の計測装置。
【請求項13】
前記第2のステーションが、前記第1の基板
ステージ及び/又は前記第2の基板
ステージによって支持される基板上の第2の数のアライメントマークの位置を測定するための第2のアライメントセンサシステムを有する、請求項
1から12の何れか一項に記載の計測装置。
【請求項14】
請求項13に記載の計測装置の使用方法であって、
前記第1のアライメントセンサシステムを用いて測定される前記アライメントマーク
の前記第1の数は、
前記第2のアライメントセンサシステムを用いて測定される前記アライメントマーク
の前記第2の数より
も少ない
、計測装置
の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の第1の態様は、アライメント測定装置、及び基板上のアライメントマークの位置を測定するための方法に関する。
【0002】
本発明の第2の態様は、リソグラフィ装置及び基板ステージ・ハンドラ・システムに関する。
【0003】
本発明の第3の態様は、計測装置に関する。
【背景技術】
【0004】
リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に、通常は基板のターゲット部分に適用する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用可能である。このような場合、代替的にマスク又はレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層上に形成すべき回路パターンを生成することができる。このパターンを、基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば1つ又は幾つかのダイの一部を含む)に転写することができる。パターンの転写は通常、基板に設けた放射感応性材料(レジスト)の層への結像により行われる。一般的に、1枚の基板は、順次パターンが付与される隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。従来のリソグラフィ装置は、パターン全体をターゲット部分に1回で露光することによって各ターゲット部分が照射される、いわゆるステッパと、基板を所与の方向(「スキャン」方向)と平行あるいは逆平行に同期的にスキャンしながら、パターンを所与の方向(「スキャン」方向)に放射ビームでスキャンすることにより、各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナと、を含む。パターンを基板にインプリントすることによっても、パターニングデバイスから基板へとパターンを転写することが可能である。
【0005】
リソグラフィ装置の既知の実施形態において、リソグラフィ装置は、基板上に設けられたアライメントマークの位置を測定するためのアライメント測定システムを備える。これらのアライメントマークの位置を測定することによって、基板を保持する基板テーブルに対して基板の位置及び/又は変形が決定され得る。基板のこの測定された位置及び/又は変形によって、基板のターゲット部分上でのパターン付き放射ビームの実際の投影の間に、リソグラフィ装置は、投影システム及び/又はパターニングデバイスに対して望ましい位置に基板を位置決めすることができる。
【0006】
このようにして、基板のターゲット部分上でのパターン付き放射ビームの連続投影を、相互に位置合わせすることができる。オーバーレイ性能、すなわち、基板のターゲット部分上へのパターン付き放射ビームの連続投影のアライメントは、リソグラフィ装置を使用して製造されるデバイスの製品品質における重要な要因である。
【0007】
製品品質を向上させるために、リソグラフィ装置のオーバーレイ性能を向上させる一般的な必要性がある。オーバーレイ性能は、例えば、基板上で実質的により多くのアライメントマークを測定することによって向上され得る。特に、基板アライメントグリッドは、より多数のアライメントマークを測定することにより、良好に補正することが可能な、歪みの高周波成分を含み得る。しかしながら、より多数のアライメントマークを測定するとアライメント測定時間が増加するため、リソグラフィ装置の生産性能に対して制限的な影響を与えることになる。
【0008】
更に、デバイスの測定プロセスの間、基板には、層堆積、エッチング、及びアニールなどの、複数の処理ステップが施される。これらの処理ステップがリソグラフィプロセスのオーバーレイ性能に与える影響も重大であり、通常、結果として基板間及び/又は基板のスタック間及び/又は基板の層間に変動を生じさせることになる。
【0009】
従来は、基板の一種類の特性をそれぞれ計測(又は検査)するための、単一の基板ステージを備える装置が提案されている(例えば、特許文献1~4参照)。しかし、このような従来の技術を採用すると、同じ基板の複数の特性を計測(及び/又は検査)するために、それぞれ異なる種類の特性を計測(及び/又は検査)する装置が複数台必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特開2007-250578号公報
【文献】特開2012-202980号公報
【文献】特開2006-135211号公報
【文献】国際公開第2012/115013号パンフレット
【発明の概要】
【0011】
本発明の目的は、多数のアライメントマークを測定することが可能な、及び/又は、基板間及び/又は基板のスタック間及び/又は基板の層間の変動に対してより良好に対処することが可能な、基板上の複数のアライメントマークの位置を測定するための装置及び/又は方法を提供することである。また、本発明の他の目的は、基板の複数種類の特性を計測(検査)することができる、複数の基板ステージを備える統一された一台の計測(検査)装置を提供することである。換言すると、総合的な計測装置・検査装置のスループット性能及び/又は(例えば、所有コスト、製品価格又は設置面積の観点から認識され得る)経済性を改善することである。
【0012】
本発明の態様によれば、
基板上の第1の数のアライメントマークの位置を測定するための第1のアライメントセンサシステム、及び、基板の上面の高さマップを測定するための第1のレベルセンサを備える第1のステーションと、
基板上の第2の数のアライメントマークの位置を測定するための第2のアライメントセンサシステム、及び、基板の上面の高さマップを測定するための第2のレベルセンサを備える第2のステーションと、
基板を保持するように構築された可動基板テーブルであって、基板テーブルは第1のステーション及び第2のステーションへと移動するように配置される、可動基板テーブルと、
を備える、基板上のアライメントマークの位置を測定するためのアライメント測定装置が提供される。
【0013】
本発明の態様によれば、
パターニングデバイスを支持するように構築された支持体であって、パターニングデバイスは、パターン付き放射ビームを形成するために放射ビームの断面内にパターンを付与することが可能である、支持体と、
基板を保持するように構築された基板テーブルと、
パターン付き放射ビームを基板のターゲット部分上に投影するように構成された投影システムと、
を備えるリソグラフィ装置と、
請求項1に記載のアライメント測定装置と、
アライメント測定装置のそれぞれの基板テーブルとリソグラフィ装置の基板テーブルとの間で基板を移送するための1つ以上の基板ハンドラと、
を備える、リソグラフィシステムが提供される。
【0014】
本発明の態様によれば、
第1のステーションにおいて、基板上の第1の数のアライメントマークの位置を測定することと、
第2のステーションにおいて、基板上の第2の数のアライメントマークの位置を測定することと、を含み、
基板は、第1のステーション及び第2のステーションにおいて同じ基板テーブルによって保持され、
第2のステーションにおける第2の数のアライメントマークの位置の測定のために、第1のステーションにおいて測定された第1の数のアライメントマークの測定された位置を使用すること
を含む、基板上のアライメントマークの位置を測定するための方法が提供される。
【0015】
本発明の態様によれば、
アライメント測定装置の第1のステーションにおいて、基板上の第1の数のアライメントマークの位置を測定すること、及び/又は、
アライメント測定装置の第2のステーションにおいて、基板上の第2の数のアライメントマークの位置を測定すること、を含み、
基板テーブルは、第1のステーション及び/又は第2のステーションにおいて基板を保持しており、
1つ以上の基板ハンドラを用いて、基板をアライメント測定装置の基板テーブルからリソグラフィ装置の基板テーブルに移送すること、及び、
リソグラフィ装置において、第1の数及び/又は第2の数のアライメントマークの位置の測定を使用して、基板上にパターン付き放射ビームを投影すること、
を含む、基板上にパターン付き放射ビームを投影することを含むデバイス製造方法が提供される。
【0016】
本発明の態様によれば、
パターニングデバイスを支持するためのパターニングデバイス支持体と、
各々が基板を支持するように構築された、第1の基板テーブル、第2の基板テーブル、及び第3の基板テーブルと、
基板上のいくつかのアライメントマークの位置を測定するためのアライメントセンサシステム、及び/又は、基板の上面の高さマップを測定するためのレベルセンサを備える第1のステーションと、
パターニングデバイスから基板へとパターンを転写するための露光ユニットを備える第2のステーションと、
第1の基板テーブル、第2の基板テーブル、及び第3の基板テーブルの各々を、少なくとも第1のステーションと第2のステーションとの間の平面移動域内で移動させるための、基板テーブル位置決めシステムと、
を備える、リソグラフィ装置が提供され、
第1の基板テーブルと第1のケーブル接続支持体との間に第1のケーブル接続が提供され、第2の基板テーブルと第2のケーブル接続支持体との間に第2のケーブル接続が提供され、第3の基板テーブルと第3のケーブル接続支持体との間に第3のケーブル接続が提供され、
平面移動域の第1の側で、第1のケーブル接続支持体及び第3のケーブル接続支持体を誘導するために第1のリニアガイドが提供され、第1の側と反対の平面移動域の第2の側で、第2のケーブル接続支持体を誘導するために第2のリニアガイドが提供される。
【0017】
本発明の態様によれば、
第1の測定装置と、
第2の測定装置と、
第1の基板及び/又は第2の基板を保持するように構成された第1の基板ステージと、
第1の基板及び/又は第2の基板を保持するように構成された第2の基板ステージと、
第1の基板及び/又は第2の基板をハンドリングするように構成された第1の基板ハンドラと、
第1の基板及び/又は第2の基板をハンドリングするように構成された第2の基板ハンドラと、を備え、
第1の基板は、第1のFOUP(Front-Opening Unified Pod)、第2のFOUP又は第3のFOUPからロードされ、
第2の基板は、第1のFOUP、第2のFOUP又は第3のFOUPからロードされ、
第1の測定装置は、アライメント測定装置であり、
第2の測定装置は、レベルセンサ、膜厚測定装置又は分光反射率測定装置である、
計測装置が提供される。
【0018】
対応する参照符号が対応する部分を示す添付の概略図を参照しながら以下に本発明の実施形態について説明するが、これは単に例示としてのものに過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の態様に従った、リソグラフィ装置を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態に従った、リソグラフィシステムを概略的に示す図である。
【
図3】本発明の実施形態に従った、アライメント測定装置を概略的に示す図である。
【
図4】本発明の態様の第1の実施形態に従った、基板ステージ・ハンドラ・システムを示す図である。
【
図5】リソグラフィ装置の一部を示す側面図である。
【
図6】本発明の態様の第2の実施形態に従った、基板ステージ・ハンドラ・システムを示す図である。
【
図7】本発明の態様の第3の実施形態に従った、基板ステージ・ハンドラ・システムを示す図である。
【
図8】本発明の態様の第4の実施形態に従った、基板ステージ・ハンドラ・システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィシステムの一部であり得るリソグラフィ装置を概略的に示す。リソグラフィ装置は、照明システムILと、支持構造MTと、基板テーブルWTと、投影システムPSと、を備える。
【0021】
照明システムILは、放射ビームBを調整するように構成される。支持構造MT(例えば、マスクテーブル)は、パターニングデバイスMA(例えばマスク)を支持するように構成され、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1ポジショナPMに接続される。基板テーブルWT(例えば、ウェーハテーブル)は、基板W(例えば、レジストコートウェーハ)を保持するように構成され、特定のパラメータに従って基板を正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続される。投影システムPSは、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに与えられたパターンを、基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ以上のダイを含む)に投影するように構成される。
【0022】
照明システムILは、放射を誘導し、整形し、又は制御するための、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、又はその他のタイプの光学コンポーネント、あるいはそれらの任意の組み合わせなどの様々なタイプの光学コンポーネントを含むことができる。
【0023】
本明細書で使用する「放射ビーム」という用語は、イオンビーム又は電子ビームなどの粒子ビームのみならず、(例えば、365nm、355nm、248nm、193nm、157nm若しくは126nm、又はこれら辺りの波長を有する)紫外線(UV)放射、及び、(例えば、5nm~20nmの範囲の波長を有する)極端紫外光(EUV)放射を含むあらゆるタイプの電磁放射を網羅する。
【0024】
支持構造MTは、パターニングデバイスMAを支持、すなわちその重量を支えている。支持構造MTは、パターニングデバイスMAの方向、リソグラフィ装置の設計等の条件、例えばパターニングデバイスMAが真空環境で保持されているか否かに応じた方法で、パターニングデバイスを保持する。支持構造MTは、パターニングデバイスMAを保持するために、機械的、真空、静電気等のクランプ技術を使用することができる。支持構造MTは、例えばフレーム又はテーブルでよく、必要に応じて固定式又は可動式でよい。支持構造MTは、パターニングデバイスMAが例えば投影システムPSなどに対して確実に所望の位置にくるようにできる。
【0025】
本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板Wのターゲット部分Cにパターンを生成するように、放射ビームBの断面にパターンを付与するために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。ここで、放射ビームBに付与されるパターンは、例えばパターンが位相シフトフィーチャ又はいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板Wのターゲット部分Cにおける所望のパターンに正確には対応しないことがある点に留意されたい。一般的に、放射ビームに付与されるパターンは、集積回路などのターゲット部分Cに生成されるデバイスの特定の機能層に相当する。
【0026】
パターニングデバイスMAは透過性又は反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、更には様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例として、小型ミラーのマトリクス配列を使用し、ミラーは各々、入射する放射ビームを異なる方向に反射するよう個々に傾斜することができる。傾斜したミラーは、ミラーマトリクスによって反射する放射ビームにパターンを付与する。
【0027】
本明細書において使用する「投影システム」という用語は、例えば使用する露光放射、又は液浸液の使用や真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、例えば屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、磁気光学システム、電磁気光学システム及び静電気光学システム、又はその任意の組み合わせを含む任意のタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。
【0028】
本明細書で示すように、本装置は、(例えば透過マスクを使用する)透過タイプである。あるいは、装置は、(例えば上記で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイを使用する、又は反射マスクを使用する)反射タイプでもよい。
【0029】
リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)又はそれ以上の基板テーブルWT(及び/又は、2つ以上のマスクテーブル)を有するタイプであってよい。このような「マルチステージ」機械では、追加のテーブルを並行して使用するか、1つ以上の他のテーブルを露光に使用している間に1つ以上のテーブルで予備工程を実行することができる。1つ以上の基板テーブルWTに加えて、リソグラフィ装置は、基板テーブルWTがその位置から離れている時に、投影システムPSの下の位置になるように配置される、測定ステージを有し得る。基板Wを支持する代わりに、測定ステージにはリソグラフィ装置の特性を測定するためのセンサが提供され得る。例えば、投影システムは、イメージ品質を決定するために、測定ステージ上のセンサにイメージを投影することができる。
【0030】
リソグラフィ装置は、投影システムと基板との間の空間を充填するように、基板Wの少なくとも一部を水などの比較的高い屈折率を有する液体で覆えるタイプでもよい。液浸液は、例えばパターニングデバイスMAと投影システムPSの間など、リソグラフィ装置の他の空間に適用することもできる。液浸技術は、投影システムの開口数を増やすための分野では周知である。本明細書で使用する「液浸」という用語は、基板Wなどの構造を液体に沈めなければならないという意味ではなく、露光中に投影システムPSと基板Wの間に液体が存在するというほどの意味である。
【0031】
図1を参照すると、照明システムILは放射源SOから放射ビームを受ける。放射源SO及びリソグラフィ装置は、例えば放射源SOがエキシマレーザである場合に、別々の構成要素であってもよい。このような場合、放射源はリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームBは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダなどを備えるビームデリバリシステムBDの助けにより、放射源SOから照明システムILへと渡される。他の事例では、例えば放射源SOが水銀ランプの場合は、放射源SOがリソグラフィ装置の一体部分であってもよい。放射源SO及び照明システムILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDとともに放射システムと呼ぶことができる。
【0032】
照明システムILは、放射ビームの角度強度分布を調整するためのアジャスタADを備えていてもよい。一般に、照明システムの瞳面における強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。また、照明システムILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の種々のコンポーネントを備えていてもよい。照明システムILを用いて放射ビームを調節し、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とが得られるようにしてもよい。
【0033】
放射ビームBは、支持構造MT上に保持されたパターニングデバイスMAに入射し、パターニングデバイスMAによってパターン形成される。パターニングデバイスMAを横断した放射ビームBは、投影システムPSを通過し、投影システムPSは、ビームを基板Wのターゲット部分C上に合焦させる。第2のポジショナPW及び位置センサIF(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、又は容量センサ)の助けにより、基板テーブルWTを、例えば様々なターゲット部分Cを放射ビームBの経路に位置決めするように正確に移動できる。同様に、第1のポジショナPMと別の(
図1には明示されていない)位置センサを用いて、マスクライブラリからの機械的な取り出し後又はスキャン中などに放射ビームBの経路に対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めできる。一般に、支持構造MTの移動は、第1のポジショナPMの部分を形成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールの助けにより実現できる。ロングストロークモジュールは、移動の広範囲にわたってショートストロークモジュールの粗動位置決めを提供することができる。ショートストロークモジュールは、移動の小範囲にわたってロングストロークモジュールに対する支持構造MTの微動位置決めを提供することができる。同様に、基板テーブルWTの移動は、第2のポジショナPWの部分を形成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを用いて実現できる。ステッパの場合(スキャナとは対照的に)、支持構造MTをショートストロークアクチュエータのみに接続するか、又は固定してもよい。パターニングデバイス(例えばマスク)MA及び基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。図示のような基板アライメントマークP1、P2は、専用のターゲット部分を占有するが、ターゲット部分の間の空間に位置してもよい(スクライブライン・アライメントマークとして周知である)。同様に、パターニングデバイスMA上に複数のダイを設ける状況では、マスクアライメントマークM1、M2をダイ間に配置してもよい。
【0034】
図示のリソグラフィ装置は、以下のモードのうち少なくとも1つにて使用可能である。
【0035】
第1のモード、いわゆるステップモードでは、支持構造MT及び基板テーブルWTは、基本的に静止状態に維持される一方、放射ビームBに付与されたパターン全体が1回でターゲット部分Cに投影される(すなわち単一静的露光)。次に、別のターゲット部分Cを露光できるように、基板テーブルWTがX方向及び/又はY方向に移動される。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一静的露光で像が形成されるターゲット部分Cのサイズが制限される。
【0036】
第2のモード、いわゆるスキャンモードでは、支持構造MT及び基板テーブルWTは同期的にスキャンされる一方、放射ビームBに付与されるパターンがターゲット部分Cに投影される(すなわち単一動的露光)。支持構造MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)及び像反転特性によって求めることができる。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一動的露光におけるターゲット部分の(非スキャン方向における)幅が制限され、スキャン動作の長さによってターゲット部分の(スキャン方向における)高さが決まる。
【0037】
第3のモードでは、支持構造MTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止状態に維持され、基板テーブルWTを移動又はスキャンさせながら、放射ビームBに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する。このモードでは、一般にパルス状放射源を使用して、基板テーブルWTを移動させるごとに、又はスキャン中に連続する放射パルスの間で、プログラマブルパターニングデバイスを必要に応じて更新する。この動作モードは、以上で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に利用できる。
【0038】
上述した使用モードの組み合わせ及び/又はその類型を利用してもよい。また、全く異なる使用モードを利用してもよい。
【0039】
前述のように、本発明のリソグラフィ装置は、基板上に設けられたアライメントマークの位置を測定するためのアライメント測定システムを備えていてもよい。これらのアライメントマークP1、P2の位置を測定することによって、基板テーブルWTに対する基板Wの位置が決定され得る。
【0040】
基板Wのこの測定された位置によって、リソグラフィ装置は、基板のターゲット部分へのパターン付き放射ビームの実際の投影の間に、基板Wを投影システムPS及び/又はパターニングデバイスMに対して所望の位置に位置決めすることができる。このようにして、基板Wのターゲット部分Cへのパターン付き放射ビームの連続投影が、相互に位置合わせできる。オーバーレイ性能、すなわち、基板Wのターゲット部分Cへのパターン付き放射ビームの連続投影のアライメントは、リソグラフィ装置を使用して製造されるデバイスの製品品質における重要な要因である。
【0041】
製品品質を向上させるためには、一般に、リソグラフィ装置のオーバーレイ性能を向上させることが必要である。オーバーレイ性能は、例えば、基板W上で実質的により多くのアライメントマークを測定することによって向上され得る。特に、基板アライメントグリッドは、より多数のアライメントマークを測定することにより、良好に補正することが可能な、歪みの高周波成分を含み得る。しかしながら、より多数のアライメントマークを測定するとアライメント測定時間が増加するため、リソグラフィ装置の生産性能に対して制限的な影響を与えることになる。
【0042】
更に、デバイスの測定プロセスの間、基板には、層堆積、エッチング、及びアニールなどの、複数の処理ステップが施される。これらの処理ステップがリソグラフィプロセスのオーバーレイ性能に与える影響も重大であり、通常、結果として基板間及び/又は基板のスタック間及び/又は基板の層間に変動を生じさせることになる。
【0043】
本発明は、アライメント測定のかなりの部分が別々のアライメント測定デバイス内で行えるという洞察に基づく。結果として、リソグラフィ装置の生産性能は、アライメント測定の数の増加によってそれほど制限されることはない。
【0044】
図2は、本発明の実施形態に従ったリソグラフィシステムを示す。リソグラフィシステムは、リソグラフィ装置LA、アライメント測定装置AMA、及び基板ハンドラSHを備える。
【0045】
リソグラフィ装置LAは、
図1に示され、
図1に関して説明される、リソグラフィ装置と同じであるか又は実質的に同じであってよい。アライメント測定装置AMAは、リソグラフィ装置LAの生産性能に直接影響を与えることなく、多数のアライメントマークの測定に使用可能な、別のデバイスとして提供される。
【0046】
基板ハンドラSHは、アライメント測定装置AMAとリソグラフィ装置LAとの間で基板Wを移送するために提供される。基板Wをアライメント測定装置AMA内にロードするため、及び、デバイスを製造するための基板Wの更なる処理ステップのためにリソグラフィ装置LAから基板Wを取り出すために、更なる基板ハンドラ(図示せず)が提供され得る。
【0047】
基板ハンドラSHは、基板Wをアライメント測定装置AMAからリソグラフィ装置LAへと移送できる任意のデバイスであってよい。例えば、基板ハンドラSHは、基板の下側に接触するグリッパ、単数又は複数のロボットアーム、及び/又は、基板の上面で基板を保持するベルヌーイチャックを備えていてもよい。ベルヌーイチャックは、引用により本願に含まれる国際公開第2013/100203号パンフレットに記載されている。
【0048】
所望であれば、1つ以上の基板ハンドラSHを介してリソグラフィ装置LAに結合される、複数のアライメント測定装置AMAが提供され得る。これによって、リソグラフィ装置の生産性能は、アライメント測定装置AMAの出力に更に依存しなくなる。また、1つ以上のアライメント測定装置AMAと1つ以上の基板ハンドラSHを備える装置を、計測装置と称してもよい。
【0049】
図3は、アライメント測定装置AMAの実施形態をより詳細に示す。アライメント測定装置AMAは、基板W上に設けられた複数のアライメントマークを測定するように配置される。例えば、アライメント測定装置AMAは、単数若しくは複数のFIA(Field Image Alignment)センサを備える基板・アライメント・システムを含む。この基板・アライメント・システムは、(リソグラフィ装置内において基板上に設けられたアライメントマークの位置を測定するための)前述のアライメント測定システムと同様であっても、類似していてもよい。更に、アライメント測定装置AMAは、基板上の露光フィールド間(又は、ダイ間)に設けられたアライメントマークの位置だけでなく、基板上の露光フィールド内(又は、ダイ内)に設けられたオーバーレイマークを測定してもよい。また、アライメント測定装置AMAは、基板上に設けられたアライメントマーク及び/又はオーバーレイマークの位置を測定するだけでなく、アライメントマーク及び/又はオーバーレイマークの非対称性を測定してもよい。
【0050】
アライメント測定装置AMAは、第1の基板テーブル(基板ステージ)WT1及び第2の基板テーブル(基板ステージ)WT2を備える。第1の基板テーブルWT1及び第2の基板テーブルWT2は、各々、アライメント測定装置AMAにおける基板Wの処理の間、基板Wを支持するように構成される。なお、第1の基板テーブルWT1及び第2の基板テーブルWT2で支持される2つの基板Wは、は、各々、第1のFOUP、第2のFOUP又は第3のFOUPからロードされ得る。
【0051】
第1の位置決めシステムPOS1が、第1の基板テーブルWT1を所望の位置に位置決めするために提供され、第2の位置決めシステムPOS2が、第2の基板テーブルWT2を所望の位置に位置決めするために提供される。第1の位置決めシステムPOS1及び第2の位置決めシステムPOS2は、ベースフレームBF上で支持される。第1の位置決めシステムPOS1及び第2の位置決めシステムPOS2は、基板Wを所望の位置に6自由度で位置決めするために、アクチュエータシステム及び位置測定システムを備える。
【0052】
アライメント測定装置AMAは、防振支持体VISによってベースフレームBF上に支持される、メトロフレームMFを更に備える。
【0053】
アライメント測定装置AMAは、基板Wを処理するための第1のステーションST1及び第2のステーションST2を備える。第1の基板テーブルWT1及び第2の基板テーブルWT2は、第1のステーションST1と第2のステーションST2との間を移動できるため、第1の基板テーブルWT1及び第2の基板テーブルWT2のうちの1つの上で支持されている基板Wは、第1のステーションST1及び/又は第2のステーションST2内で処理可能である。したがって、第1のステーションST1内に引き続いて第2のステーションST2内で処理するために、第1の基板テーブルWT1及び第2の基板テーブルWT2の間で基板Wを移送する必要はない。
【0054】
第1の基板テーブルWT1及び/又は第2の基板テーブルWT2上に基板Wを配置するため、及び/又は、第1の基板テーブルWT1及び/又は第2の基板テーブルWT2から基板Wをとるために、基板ハンドラ(
図3には図示せず)が提供され得る。
【0055】
第1のステーションST1において、第1のアライメントセンサAS1及び/又は第1のレベルセンサLS1が提供される。第2のステーションST2は、第2のアライメントセンサAS2及び/又は第2のレベルセンサLS2を備える。第1のアライメントセンサAS1は、例えば、単数のFIA(Field Image Alignment)センサを備える。あるいは、第1のアライメントセンサAS1は、引用により本願にも含まれるものとする米国特許出願US2009/0233234A1号に開示されているような複数のFIAセンサを備えていてもよい。第2のアライメントセンサAS2は、第1のアライメントセンサAS1と同様に構成され得る。若しくは、第2のアライメントセンサAS2が、第1のアライメントセンサAS1とは異なるタイプのアライメントセンサを備えていてもよい。第1のレベルセンサLS1、第1のアライメントセンサAS1、第2のレベルセンサLS2、及び/又は、第2のアライメントセンサAS2の、センサ信号を受信し、これらのセンサ信号を処理するために、処理ユニットPUが提供される。処理ユニットPUは、第1の位置決めシステムPOS1及び第2の位置決めシステムPOS2を制御するようにも配置され得る。
【0056】
第1のステーションST1及び第2のステーションST2と、この2つのステーションST1、ST2の間を移動できる2つ又はそれ以上の基板WTと、を伴う構造は、基板W上のアライメントマークの位置の測定に関して使用可能な更なるデバイス又はシステムを提供するため、あるいは、基板W上で他の測定を実行するために、非常に好適である。実際に、アライメント測定装置AMAのユーザのニーズに応じて、アライメント測定装置AMAが更なるデバイス又はシステムを含むように構成するための基礎として、要望に合わせてこの構造を使用することができる。アライメント測定装置AMAが、複数種類のセンサ、デバイス又はシステムを備える場合、アライメント測定装置AMAは、計測装置と称されてもよい。また、アライメント測定装置AMAが、基板の特性を検査するデバイスを1つ以上備えている場合、アライメント測定装置AMAは、検査装置と称されてもよい。
【0057】
更なるデバイス又はシステムは、例えば、第1のステーション及び/又は第2のステーション内に、第1のレベルセンサLS1、第2のレベルセンサLS2、第1の露光ユニットEU1、第2の露光ユニットEU2、レーザ・アブレーション・ユニットLAU、及び/又はオーバーレイセンサOSを含んでよい。更なるデバイス又はシステムは、第3のアライメントセンサAS3及び第4のアライメントセンサAS4などの、更なるアライメントセンサを含んでもよい。更なるデバイス又はシステムに1つ以上の露光ユニットが含まれる装置を、リソグラフィ装置と称することができる。また、更なるデバイス又はシステムに露光ユニットが含まれない装置を、計測装置又は検査装置と称することができる。換言すると、リソグラフィ装置と計測装置・検査装置の本質的な違いは、露光ユニットの有無であり、リソグラフィ装置と計測装置・検査装置が、同様の、単数又は複数のアライメント測定装置AMA、単数又は複数の基板テーブル、及び、単数又は複数の基板ハンドラを備えていてもよい。
【0058】
更なるデバイス又はシステムの各々を処理ユニットPUに接続できるため、処理ユニットPUが更なるデバイス又はシステムから測定データを受信できること、及び/又は、処理ユニットPUがそれぞれのデバイス又はシステムに命令を送信できることになる。
【0059】
図3は、このように構成可能なアライメント測定装置AMAの実施形態を示す。
【0060】
アライメント測定装置AMAは、第1のステーションST1内に第1のレベルセンサLS1を、また第2のステーションST2内に第2のレベルセンサLS2を備える。レベルセンサLS1、LS2は、基板Wの上面の少なくとも一部の高さマップを測定するために提供される。こうした高さマップは、例えば、第2のステーションST2内の第2のアライメントセンサAS2などの他の測定デバイスに対して、基板Wをより最適に位置決めするために使用可能である。また、レベルセンサに加えて又はレベルセンサの代わりに、アライメント測定装置AMAは、膜厚測定装置、及び/又は、分光反射率測定装置を備えていてもよい。例えば、第1のステーションST1内に膜厚測定装置を、第2のステーションST2内に分光反射率測定装置を備えていてもよい。また、第1のステーションST1内には第1のアライメントセンサAS1のみが備えられ、第2のステーションST2内には膜厚測定装置/分光反射率測定装置のみが備えられていてもよい。アライメント測定装置AMAが、1つ以上のアライメントセンサAS及び膜厚測定装置/分光反射率測定装置を備える場合、アライメント測定装置AMAは、計測装置と称されてもよい。計測装置は1つ以上のアライメントセンサAS、1つ以上のレベルセンサ、1つ以上の膜厚測定装置、及び/又は、1つ以上の分光反射率測定装置を備えていてもよい。膜厚測定装置は、例えば、引用により本願にも含まれるものとする特開2010-025575号公報に開示されているような、基板表面全体の膜厚分布を高速に測定可能な膜厚測定装置であってもよい。分光反射率測定装置の代わりに、例えば、引用により本願にも含まれるものとする特開2006-084333号公報に開示されているような、分光反射率予測装置が用いられてもよい。また、引用により本願にも含まれるものとする特開2005-265655号公報に開示されているように、膜厚測定装置が分光反射率測定装置を備えていてもよい。
【0061】
基板Wの高さマップの所望の確度に応じて、それぞれの基板Wの上面で1回以上のスキャンを行うことができる。上面は、基板Wの完全な高さマップを取得するために、第1のレベルセンサLS1によって完全にスキャン可能である。他の実施形態では、基板Wの上面は、基板Wの関連部分で部分的にスキャンされるのみである。高さレベルは、例えば、第2のアライメントセンサAS2によるそれぞれのアライメントマークの測定の間に、第2のアライメントセンサAS2に対する基板Wの垂直位置及び/又は傾斜位置を最適化するために、アライメントマークが提供される小さなエリアについてのみ決定され得る。第2のアライメントセンサAS2に対してアライメントマークの位置がこのように最適化されることで、第2のアライメントセンサAS2の測定性能が向上することになる。
【0062】
これに加えて又はこの代わりに、アライメント測定装置AMAは、第1のステーションST1内にレーザ・アブレーション・ユニットLAUを備えていてもよい。このレーザ・アブレーション・ユニットLAUは、局所的に、特にアライメントマークのロケーションで、リソグラフィプロセスのために基板W上に提供されたレジスト層の一部をカットするために使用され得る。いくつかのタイプのアライメントセンサは、レジスト層を介して測定を実施しなければならない時に、アライメント測定性能が低下する。また、デバイスの製造時に使用されるいくつかのタイプのレジスト層は不透明である。不透明層は、例えば3Dセル・スタッキング・デバイスの製造時に、しばしば使用される。これらの不透明層は、アライメントセンサAS1、AS2、AS3、AS4が、アライメントマークの上の不透明層を介してアライメントマークの位置を測定するのを防ぐ。
【0063】
レーザ・アブレーション・ユニットLAUを用いてレジスト層を局所的に除去することによって、測定ビームが基板Wのレジスト層を通過する必要なしに、アライメントセンサAS1、AS2、AS3、AS4はアライメントマークにアクセスできる。したがってレーザ・アブレーション・ユニットLAUは、アライメントマークの位置測定の測定品質を向上させること、又は、以前に不透明層でコーティングされたアライメントマークを測定すること、を可能にする。
【0064】
これに加えて又はこの代わりに、第1のステーションST1及び第2のステーションST2において、第1の露光ユニットEU1及び第2の露光ユニットEU2がそれぞれ提供されてもよい。第1の露光ユニットEU1及び第2の露光ユニットEU2は、基板W上に更なるアライメントマークを投影するために使用できる。例えば、アライメントマークはリソグラフィプロセスステップの間に劣化する傾向があるため、又は、アライメントマークは不透明層によって覆われており、アライメントマークのロケーションで、例えばレーザ・アブレーション・ユニットLAUを使用して層が局所的にカットされることは望ましくないため、いくつかの応用例では、基板W上に新しいアライメントマークを提供することが望ましい。その後、露光ユニットEU1、EU2を使用して、基板W上に新しいアライメントマークをプリントすることができる。
【0065】
第1の露光ユニットEU1及び第1のアライメントセンサAS1は同時に使用できるため、露光ユニットEUが基板W上に新しいアライメントマークを投影する間、少なくとも1つの既存のアライメントマークが第1のアライメントセンサAS1によって測定可能であり、既存のアライメントマークに対する新しいアライメントマークの正確なロケーションが決定可能であることがわかる。同様に、第2の露光ユニットEU2及び第2のアライメントセンサAS2も、第2のステーションST2内で同時に使用できる。
【0066】
第1の露光ユニットEU1及び/又は第2の露光ユニットEU2を使用して、レジスト層の特定の部分を局所的に取り除くために、レジスト層のこの特定の部分にビームを投影することもできる。特に、第1の露光ユニットEU1及び/又は第2の露光ユニットEU2を使用して、下記で説明するレーザ・アブレーション・ユニットLAUの使用に対応する、基板Wの1つ以上のアライメントマークの上に提供されたレジスト層の一部を取り除くことができる。
【0067】
第1のステーションST1は、第3のアライメントセンサAS3も備える。第2のステーションST2は、第4のアライメントセンサAS4及びオーバーレイセンサOSを備える。第3及び第4のアライメントセンサAS3、AS4は、第1のアライメントセンサAS1及び第2のアライメントセンサAS2とは異なるタイプのアライメント測定装置であり得る。
【0068】
第3のアライメントセンサAS3及び第4のアライメントセンサAS4の提供によって、アライメント測定装置AMAで実施可能なアライメント測定に関して更に多くの柔軟性が与えられる。例えば、以前のアライメント測定の成果及び/又は測定されるべき特定の基板Wの知識に応じて、基板W上のアライメントマークのアライメント測定における使用に、第1及び/又は第2のステーションST1、ST2のいずれのアライメントセンサが最も適しているかが特定できる。
【0069】
また、第1のアライメントセンサAS1、第2のアライメントセンサAS2、第3のアライメントセンサAS3、及び第4のアライメントセンサAS4は、同じ基板W上の異なるタイプのアライメントマークの測定が可能であり、これによって、基板Wのアライメント測定の品質を向上させることもできる。また、これらのアライメントセンサは、基板上の露光フィールド間(又は、ダイ間)に設けられたアライメントマークの位置だけでなく、基板上の露光フィールド内(又は、ダイ内)に設けられたオーバーレイマークを測定してもよい。
【0070】
オーバーレイセンサOSは、基板W上に投影されるパターン間のオーバーレイを測定するために提供される。オーバーレイセンサOSは、例えばリソグラフィシステムのオーバーレイ性能を測定するために使用可能である。例えば、オーバーレイセンサOSは、基板上のオーバーレイマークを測定してもよい。また、上述のアライメントセンサ及び/又はオーバーレイセンサOSは、アライメントマーク及び/又はオーバーレイマークの非対称性を測定してもよい。これらのマークの非対称性の測定には、例えば、引用により本願にも含まれるものとする特開2006-060214号公報、及び、国際公開第2014/026819号パンフレットに開示されているような装置・測定方法、若しくは、それらに類似した装置・測定方法が用いられてもよい。
【0071】
アライメント測定装置AMAは、基板Wのアライメント測定に関してかなりの柔軟性を与える。これによってユーザは、層厚み、材料特性、及びターゲット形状などの、処理されるべき基板Wのスタック特性のうちの特定の特性について、アライメント測定を適応することができる。これらのスタック特性は、一般に、半導体デバイスタイプによって異なるが、これらのスタック特性は基板によって、及び基板ごとに異なる場合もある。リソグラフィ装置は異なるデバイスタイプに使用できるため、これらすべての異なるスタックに効率的に対処するために、柔軟なアライメント測定装置AMAを適用することができる。
【0072】
その上、アライメント測定装置AMAは、第1のステーションST1及び第2のステーションST2を提供し、2つの基板が同時に処理可能である。これによって、例えば、単純に、第1のアライメントセンサAS1と第2のアライメントセンサAS2が、それぞれのステーションに配置され、同様に稼働された場合、測定能力を実質的に、例えば2倍に増大させることができる。また、第1のステーションST1及び第2のステーションST2に、異なる種類の測定装置(又はセンサシステム)が配置される場合、例えば、第1のアライメントセンサAS1と膜厚測定装置/分光反射率測定装置がそれぞれのステーションに配置される場合には、2つの基板が同時に処理可能であるだけではなく、必要な測定時間の違いに応じて、アライメント測定装置AMAの稼働方法を最適化することができる。例えば、第1のステーションST1に配置された第1のアライメントセンサAS1が1枚の基板のアライメント測定を終える為に必要な時間が、第2のステーションST2に配置された膜厚測定装置が基板表面全体の膜厚分布を測定するのに必要な時間の3倍である場合(基板ハンドラが基板交換にかかる時間が無視できると仮定すると)、第1のステーションST1で1枚の基板を処理する間に、第2のステーションST2では約3枚の基板を処理することができるであろう。
【0073】
アライメント測定装置を使用する方法の実施形態において、基板W上のアライメントマークの位置に関するアライメント測定は、第1のステーションST1及び第2のステーションST2の両方で実行できるため、それによって基板Wは、第1の基板テーブルWT1及び第2の基板テーブルWT2のうちの1つの上で引き続き支持されている。
【0074】
それによって、第1のステーションST1内での第1のアライメントセンサAS1を用いるアライメント測定の結果を、第2のステーション内での第2のアライメントセンサAS2を用いるアライメント測定のための入力として使用することができる。
【0075】
例えば、第1のステーションST1において、基板上の第1の数のアライメントマークの位置は、第1のアライメントセンサAS1によって測定することができる。第2のステーションST2において、基板W上の第2の数のアライメントマークの位置は、第2のアライメントセンサAS2によって測定することができ、それによって、第2の数のアライメントマーク、すなわち、数量及び/又はロケーションは、第1のステーションST1内のアライメント測定の成果に基づいて測定される。第2の数のアライメントマークの選択は、例えば、第1のアライメントセンサAS1を用いるアライメント測定に関して決定される測定品質についての結果であり得る。
【0076】
第1のアライメントセンサAS1の測定に基づいて、基板Wの所与のエリアが、基板W上のアライメントマークの測定品質を向上させるために、更に多くの、又は相対的に多くのアライメント測定を必要とする可能性が高い場合、これらのエリア内で多くの数のアライメントマークの位置測定を得るために、第2の数のアライメントマークは、特にこれらのエリア内で、又はこれらのエリアに集中して選択することができる。
【0077】
ある実施形態において、第1のアライメントセンサAS1を用いて測定されるアライメントマークの数(第1の数)は、第2のアライメントセンサAS2を用いて測定されるアライメントマークの数(第2の数)よりも実質的に少ない。第1のアライメントセンサAS1を用いた測定は、通常、第2のアライメントセンサAS2を用いた測定を最適化するために使用されることになる。
【0078】
第2のアライメントセンサAS2を用いて測定されるアライメントマークの数(第2の数)は、基板1枚当たり200個以上でよい。好ましくは、基板1枚当たり300個以上でもよい。この相対的に多くの数のアライメントマークの測定により、アライメントマークの測定品質が実質的に向上し、それによって、リソグラフィ装置LAのオーバーレイ性能に対して大幅な好影響が与えられる。
【0079】
第1の数のアライメントマーク及び第2の数のアライメントマークは、部分的又は完全に重複し得ることがわかる。つまり、第1のアライメントセンサAS1を用いて測定されるアライメントマークと第2のアライメントセンサAS2を用いて測定されるアライメントマークが部分的又は完全に重複してもよい。
【0080】
ここまで、
図3に示されるようなアライメント測定装置AMAの実施形態を説明してきた。当業者であれば、多くの他の構成も可能であることが明白となろう。例えば、第1のステーションST1において、レーザ・アブレーション・ユニットLAU、第1の露光ユニットEU1、及び/又は第3のアライメントセンサAS3は省略されてよく、第2のステーションST2において、第2の露光ユニットEU2、第4のアライメントセンサAS4、及び/又はオーバーレイセンサOSは省略されてよい。それに応じて、第1のステーションST1内にオーバーレイセンサOSを追加すること、及び/又は第2のステーションST2内にレーザ・アブレーション・ユニットLAUを追加することができる。また、第1のアライメントセンサAS1、第2のアライメントセンサAS2、第3のアライメントセンサAS3、及び/又は、第4のアライメントセンサAS4が、基板上のアライメントマークの位置だけでなく、基板上のオーバーレイマークを測定する場合、オーバーレイセンサOSが省略されてもよい。
【0081】
図4は、本発明の態様に従った、リソグラフィ装置の第1の実施形態を示す。特に
図4は、本発明の実施形態に従った、リソグラフィ装置内に適用される基板テーブル構成(基板ステージ・ハンドラ・システム)の上面図を示す。本発明の実施形態に従った基板ステージ・ハンドラ・システムは、計測装置や検査装置に適用されてもよい。
【0082】
基板テーブル構成(基板ステージ・ハンドラ・システム)は、第1の基板テーブルWT1、第2の基板テーブルWT2、及び第3の基板テーブルWT3を備え、各々が基板Wを支持するように構築される。第1の基板テーブルWT1、第2の基板テーブルWT2、及び第3の基板テーブルWT3は、基板テーブル位置決めシステムによって、移動可能に支持される。基板テーブル位置決めシステムは、平面移動域PAM内で移動可能な第1の位置決めモジュールPM1を備える。これに応じて、第2の基板テーブルWT2は平面移動域PAM内で移動可能な第2の位置決めモジュールPM2を備え、第3の基板テーブルWT3はこれもまた平面移動域PAM内で移動可能な第3の位置決めモジュールPM3を備える。
【0083】
平面移動域PAMは、例えば、永久磁石の複数アレイによって形成される平面によって画定され得る。第1の位置決めモジュールPM1、第2の位置決めモジュールPM2、及び第3の位置決めモジュールPM3の各々は、1つ以上の作動コイルを備え、これらの作動コイルは、コントローラによってエネルギーが供給された時、それぞれの位置決めモジュールPM1、PM2、PM3を、永久磁石の複数アレイに対して平面移動域PAM内の所望の位置へと移動させることができる。第1の位置決めモジュールPM1、第2の位置決めモジュールPM2、及び第3の位置決めモジュールPM3の各々は、第1の基板テーブルWT1、第2の基板テーブルWT2、及び第3の基板テーブルWT3を、それぞれ高い確度で所望の位置に位置決めするための、微動位置決めデバイスを備えることができる。
【0084】
第1の基板テーブルWT1、第2の基板テーブルWT2、及び第3の基板テーブルWT3の位置を、高い確度で、好ましくは6自由度で測定するために、位置測定システムが提供され得る。ある実施形態において、位置測定システムは、平面移動域PAMの少なくとも一部の上に配置される1つ以上のグリッド板と、1つ以上のグリッド板に対するそれぞれの基板テーブルWT1、WT2、WT3の位置を決定するために、第1の基板テーブルWT1、第2の基板テーブルWT2、及び第3の基板テーブルWT3の各々の上に取り付けられるエンコーダ型センサと、を備える。この代わりに、1つ以上のグリッド板が基板テーブルWT1、WT2、WT3、それぞれの上面、側面及び/又は下面に設けられてもよい。この場合、複数のエンコーダ型センサをメトロフレームMF、ベースフレームBF、及び/又は、各基板テーブルの稼働域周辺の任意の位置に配置すればよい。これに加えて又はこの代わりに、位置測定システムが干渉計システムを備えていてもよい。この場合、単数又は複数の鏡が各基板テーブルそれぞれの上面、側面及び/又は下面に設けられてもよい。
【0085】
第1の基板テーブルWT1は、何らかの必要な物品又は信号を第1の基板テーブルWT1に供給するために、リソグラフィ装置の固定部分に接続される必要がある。例えば、エネルギーを与えるため、例えば作動コイルにエネルギーを与えるための電気接続、真空クランプを容易にするための真空コンジット、冷却流体を提供するための1つ以上の冷却流体コンジット、及び/又は、第1の基板テーブルWT1に制御信号を提供するための制御接続があってもよい。また、センサ信号、又は第1の基板テーブルWT1の冷却に使用される冷却流体などの物品又は信号を、第1の基板テーブルWT1からリソグラフィ装置の固定部分に移送する必要もあり得る。
【0086】
上述された実施形態において、第1の基板テーブルWT1とリソグラフィ装置の固定部分、又は少なくともその一部との間のこれらの接続は、第1のケーブル接続CC1内に提供される。第1のケーブルCC1は、第1の基板テーブルWT1と第1のケーブル接続支持体CCS1との間に提供される。第1のケーブル接続CC1内の異なる接続は、x方向で相対的に堅く、他の方向、特にy方向で相対的に柔軟な、接続の列として提供される。こうしたケーブル接続は、ケーブルシュレップとしても示される。ケーブル接続という用語は、本明細書では、流体、電気エネルギー、空気、及び/又は信号などの物品を、それぞれの基板テーブルとリソグラフィ装置の他の部分との間で移送するための、それぞれの基板テーブルとリソグラフィ装置の他の部分との間の任意の機械的接続に使用されることがわかる。
【0087】
第1のケーブル接続CC1は、x方向に相対的に堅いため、第1のケーブル接続支持体CCS1は、平面移動域PAMの第1の側でx方向に延在する第1のリニアガイドLG1上で移動可能に支持される。第1のケーブル接続支持体CCS1は、第1の基板テーブルWT1のx方向の動きに追従するように、第1のリニアガイドLG1に対して移動するため、第1のケーブル接続CC1は、第1の基板テーブルWT1の位置決めに大きな悪影響は与えない。第1のケーブル接続支持体CCS1からの更なる接続が、リソグラフィ装置の他の部分へ、例えばエネルギー源、真空源、冷却液源、及び/又はコントローラへと提供される。
【0088】
第1のケーブル接続支持体CCS1は、第1のリニアガイドLG1上で任意の好適な手法で誘導され得る。例えば、第1のケーブル接続支持体CCS1と第1のリニアガイドLG1との間に、機械的、流体、又は気体のベアリングがあってよい。例えば、エアベアリングを用いることができる。好ましくは、第1のリニアガイドLG1は、リニア磁気支持ガイドとして形成される。
【0089】
第2の基板テーブルWT2は、第2のケーブル接続CC2を用いて第2のケーブル接続支持体CCS2に接続される。第2のケーブル接続支持体CCS2は、第2のリニアガイドLG2上で移動可能に誘導される。第2のリニアガイドLG2は、第1のリニアガイドLG1が平面移動域PAMに沿って延在する第1の側の反対側の、平面移動域PAMの第2の側に配置される。第1のリニアガイドLG1及び第2のリニアガイドLG2は、どちらも同じ方向、例えば
図4の実施形態ではx方向に延在する。
【0090】
第3の基板テーブルWT3は、第3のケーブル接続CC3を用いて第3のケーブル接続支持体CCS3に接続される。第3のケーブル接続支持体CCS3は、第1のリニアガイドLG1によって移動可能に誘導される。第1のケーブル接続支持体CCS1及び第3のケーブル接続支持体CCS3がどちらも第1のリニアガイドLG1上で誘導される結果として、第1の基板テーブルWT1及び第3の基板テーブルWT3はx方向に位置をスワップできない。これに対して、第2のケーブル接続CC2を用いて、第2のリニアガイドLG2によって誘導される第2のケーブル接続支持体CCS2に接続される第2の基板テーブルWT2は、第1の基板テーブルWT1及び第3の基板テーブルWT3の両方とx方向に位置をスワップすることができる。これは、第2の基板テーブルWT2は
図4に示されるように第3の基板テーブルWT3の右側に位置決めできるが、第1の基板テーブルWT1と第3の基板テーブルWT3との間、及び第1の基板テーブルWT1の左側にも位置決めできることを意味する。
【0091】
基板Wを、第1の基板テーブルWT1及び第3の基板テーブルWT3の両方にロードできるようにするために、第1の基板ハンドラSH1が、第1の基板テーブルWT1上に基板Wをロード及び/又はアンロードするように平面移動域PAMの第3の側に配置され、第2の基板ハンドラSH2が、第3の基板テーブルWT3上に基板Wをロード及び/又はアンロードするように、第3の側の反対の平面移動域PAMの第4の側に配置される。第1の基板ハンドラSH1及び第2の基板ハンドラSH2の両方を使用して、第2の基板テーブルWT2上に基板をロード及び/又はアンロードすることができる。
【0092】
第1のローディングステーションLST1が、第1の基板ハンドラSH1に隣接して配置され、第2のローディングステーションLST2が、第2の基板ハンドラSH2に隣接して配置される。第1の基板テーブルWT1及び第2の基板テーブルWT2は、第1の基板ハンドラSH1が第1の基板テーブルWT1又は第2の基板テーブルWT2から基板Wをロード又はアンロードする時に、第1のローディングステーションLST1内に配置可能である。これに応じて、第2の基板テーブルWT2及び第3の基板テーブルWT3は、第2の基板ハンドラSH2が第2の基板テーブルWT2又は第3の基板テーブルWT3上に基板Wをロード又はアンロードする時に、第2のローディングステーションLST2内に配置可能である。
【0093】
第1の基板ハンドラSH1及び第2の基板ハンドラSH2の代わりに、単一のロングアーム基板ハンドラを平面移動域PAMの一方の側で提供することが可能であり、これは、第1の基板テーブルWT1、第2の基板テーブルWT2、及び第3の基板テーブルWT3の各々の上のこの一方の側の基板Wからロード及び/又はアンロード可能である。
【0094】
基板テーブル位置決めシステムは、第1の基板テーブルWT1、第2の基板テーブルWT2、及び第3の基板テーブルWT3が、少なくともアライメント・レベル測定ステーションALSTと露光ステーションESTとの間で移動可能なように、構成される。
【0095】
図5は、アライメント・レベル測定ステーションALST及び露光ステーションESTをより詳細に示す。アライメント・レベル測定ステーションALSTにおいて、基板上のいくつかのアライメントマークの位置を測定するために、アライメントセンサASが提供され、基板Wの上面の高さマップを測定するために、レベルセンサLSが提供される。露光ステーションESTにおいて、パターニングデバイスMAから基板Wへとパターンを転写するために、露光ユニットが提供される。露光ユニットは、
図1に関して説明しているように、光源SO、照明システムIL、パターニングデバイスを支持するためのパターニングデバイス支持体MT、及び、基板W上にパターン付き放射ビームを投影するための投影システムPSを備える。
【0096】
アライメント・レベル測定ステーションALSTは、複数のアライメントセンサ及び/又はレベルセンサ、例えば、所望に応じて、リソグラフィ装置のユーザによって使用され得る異なるタイプのアライメントセンサを、備えることができることがわかる。
【0097】
アライメント・レベル測定ステーションALST並びに露光ステーションESTは、相互に位置合わせされ、すなわち、相互にx方向に隣り合って位置決めされる。アライメント・レベル測定ステーションALST並びに露光ステーションESTのアライメントの方向は、第1のリニアガイドLG1及び第2のリニアガイドLG2の接続ケーブル誘導方向と同じである。
【0098】
図4に示されるような基板テーブル構成の利点は、追加の基板テーブルWT3が、基板テーブルWT1、WT2、WT3上に基板Wをロード及び/又はアンロードするための時間、及び/又は、アライメント・レベル測定ステーションALSTにおけるアライメント及び/又はレベルの測定のための時間を、より長く確保できることである。
【0099】
基板Wをロード及びアンロードするための時間をより長くすることによって、高速ウェーハローディングに起因する基板テーブルWT1、WT2、WT3のグリッドの歪み及び摩耗を減少させることができる。
【0100】
アライメント測定時間をより長くすることによって、アライメント・レベル測定ステーションALSTにおいて測定できるアライメントマークの数を増加させることができる。この結果、基板W上で測定されるアライメントマークの(フィールド間及びフィールド内)グリッド密度をより高くすることができる。したがって、露光ステーションEST内の実際のリソグラフィ露光プロセスにおいて、オーバーレイ精度を向上させることができる。
【0101】
図6は、本発明の実施形態に従った、リソグラフィ装置及び計測装置に適用できる基板ステージ・ハンドラ・システムの代替実施形態を示す。
図6の実施形態において、リソグラフィ装置は、
図4の実施形態に加えて、第2のアライメント・レベル測定ステーションALST2を備える。第2のアライメント・レベル測定ステーションALST2では、基板上のいくつかのアライメントマークの位置を測定するためのアライメントセンサAS、及び、基板の上面の高さマップを測定するためのレベルセンサLSが、提供される。アライメント・レベル測定ステーションALST及び第2のアライメント・レベル測定ステーションALST2におけるアライメントセンサAS及びレベルセンサLSは、実質的に同じであってよい。アライメント・レベル測定ステーションALST、露光ステーションEST、及び第2のアライメント・レベル測定ステーションALST2は、x方向に位置合わせされ、すなわち、x方向に互いに隣り合って配置される。この基板ステージ・ハンドラ・システムが計測装置に適用される場合、露光ステーションESTの代わりに、第3のアライメント・レベル測定ステーションALST3が配置されてもよい。
【0102】
アライメント・レベル測定ステーションALST並びに第2のアライメント・レベル測定ステーションALST2は、2つの基板Wの上面でのアライメントマーク及び/又はレベルの同時測定を可能にする。例えば、
図6に示されるように、第1の基板テーブルWT1上で支持される基板Wは、アライメント・レベル測定ステーションALST内に配置され、第3の基板テーブルWT3上で支持される基板Wは、第2のアライメント・レベル測定ステーションALST2内に配置される。同時に、第2の基板テーブルWT2上で支持される基板Wは、露光ステーションEST内で処理される。典型的には、第1の基板テーブルWT1は、アライメント・レベル測定ステーションALSTとの組み合わせで使用されることになり、第3の基板テーブルWT3は、第2のアライメント・レベル測定ステーションALST2との組み合わせで使用されることになる。第2の基板テーブルWT2は、アライメント・レベル測定ステーションALSTとの組み合わせ、及び、第2のアライメント・レベル測定ステーションALST2との組み合わせの、両方で使用できる。
【0103】
図6に示されるような基板テーブル構成の利点は、第2のアライメント・レベル測定ステーションALST2を用いることによって、基板テーブルWT1、WT2、WT3上に基板Wをロード及び/又はアンロードするための時間、及び/又は、アライメント・レベル測定ステーションALSTにおけるアライメント及びレベルの測定のための時間を、更により長くできることである。
【0104】
図7は、本発明の実施形態に従った、リソグラフィ装置及び計測装置に適用できる基板ステージ・ハンドラ・システムの別の代替実施形態を示す。
図7の実施形態において、リソグラフィ装置は、
図6の実施形態に加えて、第1の基板テーブルWT1、第2の基板テーブルWT2、及び第3の基板テーブルWT3のうちの1つによって支持される基板W上の、いくつかのアライメントマークの位置を測定するためのアライメントセンサシステムを備える、追加のアライメント測定ステーションAASTを備える。追加のアライメント測定ステーションAAST内で提供及び使用されるアライメントセンサのタイプは、アライメント・レベル測定ステーションALST並びに第2のアライメント・レベル測定ステーションALST2のアライメントセンサASとは異なってよい。代替の実施形態において、追加のアライメント測定ステーションAASTにおけるアライメントセンサのタイプは、アライメント・レベル測定ステーションALST並びに第2のアライメント・レベル測定ステーションALST2のアライメントセンサASと同じであってよく、追加のアライメント測定ステーションAASTでは、同じアライメントセンサと異なるアライメントセンサとの組み合わせも、提供され得る。
【0105】
アライメント・レベル測定ステーションALST、第2のアライメント・レベル測定ステーションALST2、並びに追加のアライメント測定ステーションAASTは、前述のように、
図3に示されたアライメント測定装置AMAに関して使用可能である。アライメント・レベル測定ステーションALST並びに第2のアライメント・レベル測定ステーションALST2は、アライメント測定装置AMAの第1のステーションとして構成可能であり、追加のアライメント測定ステーションAASTは、アライメント測定装置AMAの第2のステーションとして構成可能であるが、アライメント・レベル測定ステーションALST、第2のアライメント・レベル測定ステーションALST2、並びに、追加のアライメント測定ステーションAASTが、別のアライメント測定装置AMA内ではなく、リソグラフィ装置内に配置される点が異なっている。アライメント・レベル測定ステーションALST、第2のアライメント・レベル測定ステーションALST2、並びに、追加のアライメント測定ステーションAASTの、任意の他の構成も適用可能である。
【0106】
図8は、本発明の態様に従ったリソグラフィ装置及び計測装置に適用できる基板ステージ・ハンドラ・システムの別の代替実施形態を示す。
図8の実施形態において、第4の基板テーブルWT4は、基板Wを支持するように構築される。第4の基板テーブルWT4は、平面移動域PAM内で移動可能な第4の位置決めモジュールPM4上で支持される。
【0107】
第4のケーブル接続CC4が、第4の基板テーブルWT4と第4のケーブル接続支持体CCS4との間に提供される。第4のケーブル接続支持体CCS4は、第2のリニアガイドLG2上で支持される。第1の基板ハンドラSH1は、第1の基板テーブルWT1及び第2の基板テーブルWT2上で、基板Wをロード及びアンロードするために提供される。第2の基板ハンドラSH2は、第3の基板テーブルWT3及び第4の基板テーブルWT4上で、基板Wをロード及びアンロードするために提供される。第2のケーブル接続支持体CCS2及び第4のケーブル接続支持体CCS4は、どちらも、第2のリニアガイドLG2によって誘導されるため、第2の基板テーブルWT2及び第4の基板テーブルWT4はx方向に位置をスワップできないことが明確である。しかしながら、第2の基板テーブルWT2及び第4の基板テーブルWT4は、第1の基板テーブルWT1及び第3の基板テーブルWT3に関して、x方向に任意の位置で配置可能である。
【0108】
基板WT1、WT2、WT3、WT4の平面移動域PAMにおいて、アライメント・レベル測定ステーションALST、追加のアライメント測定ステーションAAST、及び露光ステーションESTが配置される。アライメント・レベル測定ステーションALST、追加のアライメント測定ステーションAAST、及び露光ステーションESTは、x方向に、特に、第1のリニアガイドLG1及び第2のリニアガイドLG2のケーブル接続誘導方向に平行に、位置合わせされる。アライメント・レベル測定ステーションALSTは、アライメント測定装置AMAの第1のステーションとして構成され得るが、追加のアライメント測定ステーションAASTは、アライメント測定装置AMAの第2のステーションとして構成され得る。アライメント・レベル測定ステーションALST並びに追加のアライメント測定ステーションAASTの、任意の他の構成も適用可能である。この基板ステージ・ハンドラ・システムが計測装置に適用される場合、露光ステーションESTの代わりに、第3のアライメント・レベル測定ステーションALST3が配置されてもよい。
【0109】
4つの基板テーブルWT1、WT2、WT3、WT4の提供の結果、基板Wのローディング/アンローディングのための時間、並びに、アライメント及びレベルの測定を実施するための時間が、更により長くなる。
【0110】
また、
図4~
図8のすべての実施形態において、基板Wは、基板W上でのレベル測定、アライメント測定、及びパターン付き放射ビームの露光の間、同じ基板テーブルWT1、WT2、WT3、WT4上にあるままである。
【0111】
単一のリニアガイド上で誘導される2つのケーブル接続支持体の間に、更なる位置決めモジュールへのケーブル接続を支持するために、更なるケーブル接続支持体が提供され得る。更なる位置決めモジュールは、基板ハンドラSH1、SH2の隣に配置できないため、基板テーブルを支持するように構成されなくてよいが、例えば、メトロロジ及び/又は較正プロセスを実施するように構成され得る。
【0112】
しかしながら、ある実施形態において、更なる位置決めモジュールは、基板Wを支持するように構築された基板テーブルを備えることもできる。その場合、更なる位置決めモジュールの基板テーブル上に基板をロード及びアンロードすることが可能な、少なくとも1つの基板ハンドラが提供されるべきである。こうした基板ローダは、例えば、基板ハンドラの基部から、例えば第1の基板テーブルを介して、更なる位置決めモジュールの基板テーブルまでの、相対的に長い距離で、基板をロードすることが可能な、ロングアーム基板ハンドラであってよい。
【0113】
上記では、
図4~
図8に関して、3つ又はそれ以上の基板テーブルと、露光ステーション及び/又はアライメント・レベル測定ステーションを含む複数のプロセススステーションと、の異なる組み合わせを説明した。アライメント・レベル測定ステーションなどの更なるステーションが、それぞれの基板テーブル上に基板をロード/アンロードするため、及び、アライメント・レベル測定を実施するための、使用可能な時間を増加させるために提供され得る。つまり、上記の基板ステージ・ハンドラ・システムをリソグラフィ装置に適用することによって、リソグラフィプロセスのオーバーレイ性能を改善することができる。他の基板テーブル構成も提供可能であることが明らかとなろう。
【0114】
上記の基板ステージ・ハンドラ・システムがリソグラフィ装置に適用された場合の
図4~
図8の実施形態の重要な利点は、基板Wが、アライメント及びレベルの測定、並びに、後続のパターン付き放射ビームの露光の間、それぞれの基板テーブルWT1、WT2、WT3、WT4上に支持されたままであることである。また、上記の基板ステージ・ハンドラ・システムが計測装置(又は検査装置)に適用された場合の利点は、計測デバイス・検査デバイスの数(又は種類)、基板テーブルの数、及び、基板ハンドラの数が同一である必要はなく、これらの数の組み合わせを最適化することによって、基板の複数種類の特性を効率よく計測(検査)できることである。計測装置が異なる種類の計測デバイス(検査デバイス、センサシステム)を含む場合、例えば、アライメントセンサとレベルセンサ(又は膜厚測定装置/分光反射率測定装置)を含む場合には、各計測デバイスが1枚の基板の計測を終えるのに必要な時間の差異を考慮することによって、さらに、計測デバイス・検査デバイスの数、基板テーブルの数、基板ハンドラの数、及び、計測装置の稼働方法を最適化することができる。換言すると、基板の複数種類の特性を計測(検査)できる、統一された一台の計測(検査)装置を提供し、そのような計測装置の計測デバイス・検査デバイスの数、基板テーブルの数、基板ハンドラの数、及び、計測装置の稼働方法を最適化することによって、複数の計測装置・検査装置を使う場合と比べて、計測装置・検査装置のスループット性能及び/又は経済性を改善することができる。
【0115】
本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。例えば、これは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用ガイダンス及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ、「基板」又は「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義と見なしてよいことが、当業者には認識される。本明細書に述べている基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジーツール及び/又はインスペクションツールで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、以上及びその他の基板プロセスツールに適用することができる。更に基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、したがって本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
【0116】
光リソグラフィの分野での本発明の実施形態の使用に特に言及してきたが、本発明は文脈によってはその他の分野、例えばインプリントリソグラフィでも使用することができ、光リソグラフィに限定されないことを理解されたい。インプリントリソグラフィでは、パターニングデバイス内のトポグラフィが基板上に作成されたパターンを画定する。パターニングデバイスのトポグラフィは基板に供給されたレジスト層内に刻印され、電磁放射、熱、圧力又はそれらの組み合わせを印加することでレジストは硬化する。パターニングデバイスはレジストから取り除かれ、レジストが硬化すると、内部にパターンが残される。
【0117】
以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることが理解される。例えば、本発明の実施形態は、上記で開示したような方法を述べる機械読み取り式命令の1つ以上のシーケンスを含むコンピュータプログラム、又はこのようなコンピュータプログラムを内部に記憶したデータ記憶媒体(例えば半導体メモリ、磁気又は光ディスク)の形態をとることができる。
【0118】
上記の説明は例示的であり、限定的ではない。したがって、請求の範囲から逸脱することなく、記載されたような本発明を変更できることが当業者には明白である。