(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-11
(45)【発行日】2023-10-19
(54)【発明の名称】拡散促進雰囲気中の超大気プロセスにおけるシーム修復法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/768 20060101AFI20231012BHJP
【FI】
H01L21/90 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020103812
(22)【出願日】2020-06-16
(62)【分割の表示】P 2018564195の分割
【原出願日】2017-05-22
【審査請求日】2020-07-15
【審判番号】
【審判請求日】2022-09-09
(32)【優先日】2016-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ムバルキ, ベンチャーキ
(72)【発明者】
【氏名】カン, ショーン エス.
(72)【発明者】
【氏名】ウォン, キース タットスン
(72)【発明者】
【氏名】レン, ホー
(72)【発明者】
【氏名】ナイク, メフル ビー.
(72)【発明者】
【氏名】イー, エリー ワイ.
(72)【発明者】
【氏名】ネマニ, シュリニヴァス ディ.
【合議体】
【審判長】瀧内 健夫
【審判官】恩田 春香
【審判官】棚田 一也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/195081(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/092780(WO,A1)
【文献】特開2006-261296(JP,A)
【文献】特開2007-281318(JP,A)
【文献】特開2010-80949(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L21/3205-3215,768
H01L23/52,522-532
H01L21/28-288
H01L21/44-445
H01L29/40-51
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する方法であって、
導電性材料を前記基板に堆積して、1または複数のシームまたはボイドがその中に形成された相互接続を形成することであって、前記導電性材料が、コバルトまたはルテニウムを含む、堆積することと、
前記基板を
、水素含有雰囲気に12barから50barの圧力でさらすこと
、及び、所定の温度に加熱することを同時に含むことによって、前記1または複数のシームまたはボイドを修復することとを含み、
前記所定の温度が、摂氏300度から摂氏400度の温度であり、前記導電性材料の融点より低く、
前記1または複数のシームまたはボイドを修復することが粒界を減少させることを更に含む、方法。
【請求項2】
前記水素含有雰囲気が、1原子パーセントから100原子パーセントの範囲内で存在する水素を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記水素含有雰囲気が、重水素を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記さらすことによって、前記導電性材料の表面結合を弱める、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
基板を処理する方法であって、
導電性材料を前記基板に堆積して、1または複数のシームまたはボイドがその中に形成された相互接続を形成することであって、前記導電性材料が、コバルトまたはルテニウムを含む、堆積することと、
前記1または複数のシームまたはボイドを修復することであって、
前記相互接続を重水素雰囲気に12barから50barの圧力でさらすことと、
前記基板を所定の温度に加熱することであって、前記所定の温度が
、摂氏250度から摂氏400度であり、前記導電性材料の融点より低い、加熱することとを
同時に含む、修復することとを含み、前記1または複数のシームまたはボイドを修復することが粒界を減少させることを更に含む、方法。
【請求項6】
前記重水素雰囲気が2原子パーセントから5原子パーセントの範囲内で重水素を含む、請求項
5に記載の方法。
【請求項7】
前記さらすことが、水素をさらに含み、前記さらすことによって、前記導電性材料の表面結合が弱まる、請求項
5に記載の方法。
【請求項8】
基板を処理する方法であって、
基板を処理チャンバ内に位置決めすることであって、前記基板がその上に形成された導電性材料から形成された相互接続部分を有し、前記導電性材料はコバルトまたはルテニウムを含み、前記相互接続部分の中に1または複数のシーム又はボイドが存在する、位置決めすることと、
前記1または複数のシームまたはボイドを修復することであって、
12barから50barの大気圧を超える圧力にて前記相互接続を水素含有環境にさらすことと、
前記基板を所定の温度に加熱することであって、前記所定の温度が
、摂氏250度から摂氏400度であり、前記導電性材料の融点より低い、加熱することとを同時に含む、修復することとを有し、
前記1または複数のシームまたはボイドを修復することが粒界を減少させることを更に含む、方法。
【請求項9】
前記水素含有環境が、1原子パーセントから100原子パーセントの範囲内で存在する水素を含む、請求項
8に記載の方法。
【請求項10】
前記水素含有環境が、さらに重水素を含む請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
前記さらすことによって、前記導電性材料の表面結合を弱める、請求項
8に記載の方法。
【請求項12】
前記導電性材料の移動を促進することによって、前記1または複数のシームまたはボイドを修復する
、請求項
8に記載の方法。
【請求項13】
前記1または複数のシームまたはボイドを修復することによって、汚染物質を前記シーム又はボイド内から除去する請求項
8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に、集積回路製造方法に関し、特に、トレンチ又はビアにおけるシーム欠陥を修正することに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体部品の更なる小型化には多くの障害が存在する。そのような障害の1つは、金属相互接続の充填であり、それは現代のCMOSデバイスの歩留まりに影響を与える。金属相互接続信号線は、絶縁層に形成されるビアを介して集積回路の下部導電層に接触する。デバイスの最適な動作を保証するために、相互接続層を形成するために使用される金属で接点及び相互接続を充填することが望ましい。
【0003】
銅のような導電性金属は、現在、集積回路における相互接続線の製造のために選択された材料である。相互接続線を充填するために使用される従来の技術は、一般に、バリア材料の物理的気相堆積(PVD)又は原子層堆積(ALD)、それに続くライナー、次に銅リフロー又は電気メッキを含む。
【0004】
従来の技術を使用するとき、絶縁層の上面に比較的大きな粒子の材料を蓄積すること、並びに導電性バルク内に不純物を蓄積することから相互接続線に問題が生じる。接点ビア又は相互接続のエッジにこのような粒子が蓄積すると、接点又は相互接続を完全に充填する前に、接点又は相互接続が遮断又は妨害される可能性があり、その結果、接点又は相互接続内にボイド、シーム、及び不均一な構造が形成される。集積回路がより小さい形状寸法を用いて製造されるので、上述の問題は特に深刻である。
【0005】
数十ナノメートル以下の範囲の接点又は相互接続など、より小さな形状寸法のデバイスに使用されるより小さな接点は、より大きな形状寸法のデバイスよりもアスペクト比(すなわち、特徴の高さと幅の関係)が必然的に大きくなり、それによって、上述の接点充填又は相互接続充填の困難性が悪化する。例えば、過度に大きいボイドは、設計よりかなり高いライン抵抗及び接触抵抗をもたらす可能性がある。加えて、接点又は相互接続充填領域に隣接する導電性材料のより薄い領域は、エレクトロマイグレーションを受けやすく、これは最終的に回路の開放及びデバイスの故障をもたらす可能性がある。
【0006】
上記の問題に対処するために、他の材料及び堆積技術が検討されてきた。化学気相堆積(CVD)のような他の充填技術を使用するとき、周期的堆積/処理プロセスが使用される。1つの手法は、低気圧から準大気圧のプロセス状態で導電性材料内のシーム及びキャビティを回復させる試みにおいて、複数サイクルの堆積及びアニールを利用する。この方法により、極めて遅い処理時間がもたらされ、処理時間を短縮しようとする試みは、不満足な抵抗を生じさせた。他の手法では、導電性材料の欠陥を回復させる試みにおいて、堆積した金属が、700barから2000bar、又はそれ以上の極めて高い圧力にさらされる。加えられた圧力は、堆積した金属を堆積した膜内の望ましくないボイドに押し込む。しかしながら、粒界欠陥又は他の欠陥を修正するためのその後の熱的後処理は、ボイドの部分的又は完全な再形成をもたらす。加えて、従来の手法で利用される圧力は、相互接続に隣接する低誘電率誘電体材料に物理的損傷を生じさせることがある。
【0007】
したがって、シーム欠陥を修正する改良された方法が必要である。
【発明の概要】
【0008】
一実施形態では、基板を処理する方法は、基板を処理チャンバ内に位置決めすることであって、基板がその上に形成された相互接続を有し、相互接続がその中にシーム又はボイドのうちの一又は複数を有する導電性材料を含む、位置決めすることと、基板を摂氏約300度から摂氏約400度の温度まで加熱することと、基板を水素含有雰囲気に約12barから約50barの圧力でさらすこととを含む。
【0009】
別の実施形態では、基板を処理する方法は、基板を処理チャンバ内に位置決めすることであって、基板がその上に形成された相互接続を有し、相互接続がその中にシーム又はボイドのうちの一又は複数を有する導電性材料を含む、位置決めすることと、基板を摂氏約250度から摂氏約400度の温度まで加熱することと、基板を水素含有雰囲気に約12barから約50barの圧力でさらすこととを含む。
【0010】
別の実施形態では、基板を処理する方法は、その中にシーム又はボイドのうちの一又は複数を有する導電性材料を含む相互接続を基板の上に形成することと、相互接続を形成することの後に、シーム又はボイドのうちの一又は複数を修復することとを含み、修復することが、基板を摂氏約250度から摂氏約400度の温度まで加熱すること、及び基板を水素含有雰囲気に約12barから約20barの圧力でさらすことを含む。
【0011】
本開示の上記の特徴を詳細に理解できるように、上記で簡単に要約されている本開示のより詳細な説明が、実施形態を参照することによって得られ、実施形態のうちの一部は、添付の図面に示される。しかしながら、添付の図面は例示的な実施形態を示しているに過ぎず、したがって、その範囲を限定するものとみなされるべきではなく、本開示は他の同等に有効な実施形態を許容しうることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の一実施形態による、基板を処理するための方法のフロー図である。
【
図2A】間隙充填プロセスからの一又は複数の欠陥を含む相互接続を有する基板の概略断面図である。
【
図2B】本明細書に記載の実施形態による、処理後の
図2Aの基板の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
理解を容易にするため、可能な場合には、図に共通する同一の要素を示すために同一の参照番号を使用した。一実施形態の要素及び特徴は、更なる記述がなくとも、他の実施形態に有益に組み込まれうると想定される。
【0014】
本開示の態様は、基板上に形成された相互接続からボイド、シーム、又は粒界のうちの一又は複数を除去するために基板を処理する方法を含む。方法は、約1barから約50barの圧力で加圧される環境で基板を加熱することを含む。
【0015】
図1は、本開示の一実施形態による、基板を処理するための方法100のフロー図である。
図2Aは、間隙充填プロセスからの一又は複数の欠陥を含む相互接続を有する基板の概略断面図である。
図2Bは、本明細書に記載の実施形態による、処理後の
図2Aの基板の概略断面図である。本開示の態様の説明を容易にするために、
図2A及び
図2Bが
図1と併せて説明されることになる。
【0016】
方法100は、工程101で開始する。工程101において、基板210が、処理チャンバ内に位置決めされる。基板210は、相互接続を形成するために、その中に堆積された導電性材料212を有する一又は複数のトレンチ211(2つが図示される)を含む。導電性材料212は、CVD、PVD、ALD、メッキ、又は他の堆積方法によって堆積されうる、コバルト、銅、ルテニウム、又はアルミニウムなどの金属である。導電性材料212の堆積中に、シーム213、ボイド214、又は粒界215のうちの一又は複数が形成されうる。シーム213、ボイド214、及び粒界215は、相互接続の電気抵抗を増加させることによって、相互接続の性能に悪影響を及ぼす。
【0017】
工程102において、基板210は、所定の圧力で水素含有雰囲気にさらされる。水素含有環境は、水素ガス、及び二原子窒素又はアルゴンなどの一又は複数の非反応性ガスを含む。水素は、約1原子パーセントから約10原子パーセント、例えば、約2原子パーセントから約5原子パーセント、又は約3.5原子パーセントから約4.5原子パーセントなど、約1原子パーセントから約100原子パーセントの範囲内で存在する。一例では、水素は約4原子パーセントで存在する。より低い原子百分率の水素は、より長い処理時間又は高温を要求しうる一方で、より高い原子百分率の水素は、インターロックのような追加のハードウェアの使用を要求しうると考えられる。別の例では、重水素が、上記の原子百分率で水素の代わりに、又は水素と組み合わせて使用されてもよい。
【0018】
処理チャンバの雰囲気中に水素が存在すると、導電性材料212の表面境界が弱まり、導電性材料212のボイド214への流入が促進される。基板210を水素含有環境にさらしつつ、超大気圧(例えば、大気圧より高い圧力)が処理チャンバ内で維持される。一例では、処理チャンバ内の圧力は、約1barから約20bar、例えば約5barから約15barなど、約1barから約50barの範囲内に維持される。別の例では、処理チャンバ内の圧力は、約12barから約20bar、例えば約12barから約15barなど、約12barから約50barの範囲内に維持される。水素含有環境の存在下で上昇した圧力を加えることは、導電性材料212のボイド214内への移動を容易にする。加えて、上昇した圧力を加えることは、水素をシーム213、ボイド214内に導入すること、又は粒界215に沿ってさえも導入することを容易にする可能性があり、その中に閉じ込められた汚染物質を除去する。汚染物質は、導電性材料212の堆積プロセスの結果として、又は処理チャンバ内の源から存在しうる。導電性材料212内に汚染物質が存在すると、電気抵抗が更に増加する可能性がある。
【0019】
工程103で、基板210は、所定の温度まで加熱される。一例では、所定の温度は、摂氏約300度から摂氏約400度、例えば摂氏400度など、摂氏約250度から摂氏約400度である。摂氏約400度を超える温度は、導電性材料212に隣接する基板210の構造に悪影響を及ぼす可能性があると考えられる。例えば、過度の温度は、導電性材料212に隣接する材料を物理的に破壊し、その結果、電流の漏洩を引き起こす可能性がある。一例では、基板の温度は、導電性材料212の融点より低いままである。本明細書に記載の態様において、導電性材料212の融点に達しない可能性があるとしても、高圧及び水素ガスの存在下での高温は、依然として導電性材料212の原子運動を促進する。これにより、ボイド214の充填が促進される。
【0020】
上昇した温度は、上昇した圧力及び水素含有環境と組み合わせて、導電性材料212のボイド214内への移動を容易にし、同時に任意のシーム213を修復し又は回復させ、粒界215を減少させ、粒径を増大させる。シーム213、ボイド214、及び粒界215の除去は、導電性材料212の完全な堆積後に単一の動作で行われる。
【0021】
対照的に、1つの既知の手法は、約20オングストロームから約100オングストロームなどの少量の材料がトレンチ内に堆積され、次いで材料が処理される周期的処理/堆積プロセスを使用する。この以前に試みられた手法は、必要なプロセス数により非常に非効率的であり、時間がかかる。更に、そのような手法の処理プロセスは、多数の段階プロセスであり、実行される動作の数を更に増加させる。
【0022】
マルチサイクル処理プロセスでは、導電性材料を弱めるために、まず基板が高温にさらされ、複数回の反復堆積及び処理サイクルを通して粒子を融合させるが、これは非常に時間がかかる。代替的には、導電性材料を(ボイドを閉じるために)高圧にさらした後、導電性材料が高温にさらされ、これにより、ボイドを再び開くこと又は再形成することが可能になる。従来の手法で利用されていた非常に高い圧力は、導電性材料に加えられて基板に伝達される過剰な力のために、導電性材料に隣接する基板に結果的に損傷を与える。
【0023】
しかしながら、本開示の発明者らは、同時に高温及び水素と組み合わせて、約1barから約50bar又は約12barから約50barの範囲内、例えば約12barから約20barの圧力を発見し、既存の手法に著しい改善をもたらすことになる。具体的には、基板210を望ましくない高い圧力にさらさない単一の動作で、シーム及びボイドを回復させ、粒界を減少させる。特に、ボイド214内の圧力は、PVDプロセスによって形成されたときに約1×10-8barであり、発明者らは、約1barから約50bar、例えば約12barから約20barなど、約12barから約50barといった範囲内の圧力が、シーム213及びボイド214の回復を容易にするのに十分であると決定した。したがって、従来の手法の極めて高い圧力、及びその望ましくない結果は、本開示の態様によって回避される。更に、既存の手法とは異なり、本明細書に記載の態様は、導電性材料212を完全に堆積した後にシーム、ボイド、及び粒子の欠陥を回復させることができる。したがって、本明細書に記載の態様は、周期的な堆積処理を受けず、その結果、基板あたりの処理時間が短縮される。
【0024】
図2Bは、工程103後の基板210を概略的に示す。図示されたように、方法100は、粒界215を除去し、結果として単一の粒構造をもたらす。加えて、方法100はまた、シーム213及びボイド214を取り除いた。得られる導電性材料212は、
図2Aに示す導電性材料よりも低い抵抗を有する。
【0025】
図1は、基板を処理する一実施形態を示すが、追加の実施形態も考えられる。別の態様では、動作102及び103は、同時に又は逆の順序で行われてもよい。別の態様では、処理ガスが基板210又は導電性材料212と不所望に反応しない限り、水素以外の処理ガスが工程102で利用されてもよいと考えられる。別の例では、水素ガスは、工程102から除外されてもよい。そのような例では、アルゴンは、導電性材料212のリフローを容易にしうる。しかしながら、水素と比較してアルゴンのサイズが比較的大きく反応性が低いため、アルゴンは、汚染物質の除去及び導電性材料212の表面結合の弱化において、水素よりも効率が低いことがある。
【0026】
本開示の態様の利点は、既存のプロセスで生じるような複数のサイクルというよりむしろ、シーム、ボイド、及び粒界を単一の動作で修正することができるので、短縮された処理時間を含む。更に、本開示の態様ではかなり低い圧力が利用されるので、本明細書に記載の態様は、かなり高い圧力のために構成されたハードウェアと比較してより安価なハードウェアを使用して実行することができる。加えて、本明細書に記載されているように処理されたときの導電性金属の向上した流動条件により、より薄いライナーの使用が容易になり、よって材料費を削減し、より小さな形状が可能になりうる。場合によっては、ライナーが完全に排除されうると考えられる。本開示の態様は、本明細書に記載の例に限定されるべきではなく、3D-NANDゲートフィル、CMOSロジックゲートフィル、メモリデバイス用のビット線などの金属充填の任意の例に適用されうる。
【0027】
以上は本開示の実施形態を対象としているが、本開示の基本的な範囲を逸脱することなく本開示の他の実施形態及び更なる実施形態が考案されてもよく、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。
また、本願は以下に記載する態様を含む。
(態様1)
基板を処理する方法であって、
前記基板を処理チャンバ内に位置決めすることであって、前記基板がその上に形成された相互接続を有し、前記相互接続がその中にシーム又はボイドのうちの一又は複数を有する導電性材料を含む、位置決めすることと、
前記基板を摂氏約300度から摂氏約400度の温度まで加熱することと、
前記基板を水素含有雰囲気に約12barから約50barの圧力でさらすことと
を含む方法。
(態様2)
前記水素含有雰囲気が、約3.5原子パーセントから約4.5原子パーセントの範囲内で存在する水素を含む、態様1に記載の方法。
(態様3)
前記水素含有雰囲気が、二原子窒素又はアルゴンを更に含む、態様1に記載の方法。
(態様4)
前記水素含有雰囲気が、約1原子パーセントから約100原子パーセントの範囲内で存在する水素を含む、態様1に記載の方法。
(態様5)
前記シーム又はボイドを修復することを更に含む、態様1に記載の方法。
(態様6)
前記相互接続が、粒界を更に含む、態様1に記載の方法。
(態様7)
前記粒界を減少させることを更に含む、態様6に記載の方法。
(態様8)
基板を処理する方法であって、
前記基板を処理チャンバ内に位置決めすることであって、前記基板がその上に形成された相互接続部分を有し、前記相互接続部分がその中にシーム又はボイドのうちの一又は複数を有する導電性材料を含む、位置決めすることと、
前記基板を摂氏約250度から摂氏約400度の温度まで加熱することと、
前記基板を水素含有雰囲気に約12barから約50barの圧力でさらすことと
を含む方法。
(態様9)
前記相互接続が粒界を更に含み、前記水素含有雰囲気が約12barから約20barの範囲内の圧力を有し、前記水素含有雰囲気が二原子窒素又はアルゴンを更に含む、態様8に記載の方法。
(態様10)
前記基板が摂氏約300度から摂氏約400度の範囲内の温度まで加熱され、前記水素含有雰囲気が約12barから約15barの範囲内の圧力を有し、前記水素含有雰囲気が約3.5原子パーセントから約4.5原子パーセントの範囲内で存在する水素を含む、態様9に記載の方法。
(態様11)
前記粒界を減少させること、及び前記シーム又はボイドを修復することを更に含む、態様10に記載の方法。
(態様12)
基板を処理する方法であって、
その中にシーム又はボイドのうちの一又は複数を有する導電性材料を含む相互接続を基板の上に形成することと、
前記相互接続を形成することの後に、前記シーム又はボイドのうちの前記一又は複数を修復することと
を含み、前記修復することが、
前記基板を摂氏約250度から摂氏約400度の温度まで加熱すること、及び
前記基板を水素含有雰囲気に約12barから約20barの圧力でさらすこと
を含む、方法。
(態様13)
前記水素含有雰囲気が約1原子パーセントから約100原子パーセントの範囲内で存在する水素を含み、前記水素含有雰囲気が二原子窒素を更に含み、前記水素が約3.5原子パーセントから約4.5原子パーセントの範囲内で存在する、態様12に記載の方法。
(態様14)
前記基板が、摂氏約300度から摂氏約400度の範囲内の温度まで加熱される、態様13に記載の方法。
(態様15)
前記水素含有雰囲気が、汚染物質を前記シーム又はボイド内から除去するために、圧力を介して前記シーム又はボイド内に移動され、前記基板が摂氏約300度から摂氏約400度の範囲内の温度まで加熱される、態様12に記載の方法。