(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-13
(45)【発行日】2023-10-23
(54)【発明の名称】文字情報表示制御装置、方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 40/103 20200101AFI20231016BHJP
G06F 40/58 20200101ALI20231016BHJP
G06F 3/14 20060101ALI20231016BHJP
【FI】
G06F40/103
G06F40/58
G06F3/14 310A
(21)【出願番号】P 2020121166
(22)【出願日】2020-07-15
【審査請求日】2022-08-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 昌洋
(72)【発明者】
【氏名】望月 理香
(72)【発明者】
【氏名】下田 宏
(72)【発明者】
【氏名】石井 裕剛
(72)【発明者】
【氏名】上田 樹美
(72)【発明者】
【氏名】久留島 隆史
(72)【発明者】
【氏名】坂本 佳樹
(72)【発明者】
【氏名】高島 由妃
(72)【発明者】
【氏名】魚谷 拓未
【審査官】木村 大吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-224140(JP,A)
【文献】特開昭63-080360(JP,A)
【文献】特開2015-056037(JP,A)
【文献】特開2016-173803(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 40/00-40/58
G06F 3/01
G06F 3/048
G06F 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の文字情報およ
び第2の文字情報を取得する文字情報取得部と、
前記第1の文字情報および前記第2の文字情報の色、透明度、表示位置および文字の太さの少なくとも1つを、前記第1の文字情報と前記第2の文字情報との間で別々に設定した周期および別々に設定した初期位相をもって変化させる、表示パラメータを設定する表示パラメータ設定部と、
設定された前記表示パラメータに基づいて、前記第1の文字情報および前記第2の文字情報を少なくともその一部が互いに重なり合う状態で重畳表示させるための表示情報を生成する表示情報生成部と、
生成された前記表示情報を表示装置へ出力する出力部と
を具備する文字情報表示制御装置。
【請求項2】
前記文字情報取得部は、第1の言語により表される前記第1の文字情報の入力を受け付け、入力された前記第1の文字情報と同一の意味を有しかつ前記第1の言語とは異なる第2の言語により表される前記第2の文字情報を生成する、請求項1に記載の文字情報表示制御装置。
【請求項3】
前記表示パラメータ設定部は、前記第1の文字情報および前記第2の文字情報の各表示位置が、その文字列の方向と直交する方向に別々の周期および別々の初期位相になるように、前記表示パラメータを設定する、請求項1に記載の文字情報表示制御装置。
【請求項4】
前記表示パラメータ設定部は、前記第1の文字情報および前記第2の文字情報の各透明度が、最大の不透明度と予め設定された有限値からなる最小の不透明度との間で別々の周期および別々の初期位相になるように、前記表示パラメータを設定する、請求項1に記載の文字情報表示制御装置。
【請求項5】
前記表示パラメータ設定部は、前記第1の文字情報からその文字特性を解析し、解析された文字特性および前記第1の文字情報に対応して予め記憶されている第1の表示パラメータと、予め設定された変換ルールとに基づいて、前記第2の文字情報の文字特性および第2の表示パラメータを設定する、請求項1に記載の文字情報表示制御装置。
【請求項6】
前記表示パラメータ設定部は、予め記憶されている複数の表示パラメータ候補の中から、前記第1の文字情報に対し設定された第1の表示パラメータとの類似度が最も高いものを選択し、選択された前記表示パラメータ候補を前記第2の文字情報に対応する第2の表示パラメータとして設定する、請求項1に記載の文字情報表示制御装置。
【請求項7】
表示装置に接続される情報処理装置が実行する文字情報表示制御方法であって、
第1の文字情報およ
び第2の文字情報を取得する過程と、
前記第1の文字情報および前記第2の文字情報の色、透明度、表示位置および文字の太さの少なくとも1つが、前記第1の文字情報と前記第2の文字情報との間で別々に設定した周期および別々に設定した初期位相をもって変化させる、表示パラメータを設定する過程と、
設定された前記表示パラメータに基づいて、前記第1の文字情報および前記第2の文字情報を少なくともその一部が互いに重なり合う状態で重畳表示させるための表示情報を生成する過程と、
生成された前記表示情報を前記表示装置へ出力する過程と
を具備する文字情報表示制御方法。
【請求項8】
請求項1乃至6のいずれかに記載の文字情報表示制御装置が具備する前記各部の処理を、前記文字情報表示制御装置が備えるプロセッサに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の一態様は、例えば、言語の異なる複数の文字列を表示装置に表示させる文字情報表示制御装置、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルサイネージ等の表示装置においては、情報を一つの言語で表示する(単言語表示)だけでなく、異なる言語で表示する場合がある。例えば、非特許文献1には、翻訳機能を用いて、同一のコンテンツを日本語または翻訳された英語により表示する装置が記載されている。
【0003】
また、同一の情報を複数の言語で1つの表示装置に表示する手法としては、例えば、各言語のコンテンツを並べて表示するものと、任意の時間間隔で切り替えて表示するものが知られている。前者を併記表示法、後者を時分割表示法と呼ぶ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
併記表示法では、異なる言語のコンテンツを表示領域に並べて表示するため、所望の言語による情報をすぐに見ることができるという利点があるが、単言語表示と比較してより多くの表示領域を必要とするという課題がある。例えば、4つの言語(日本語、英語、中国語、韓国語)を使って同じ情報を表示する場合には、単言語表示と比較して約4倍の表示領域を必要とする。また、例えば日本語を母国語とする人がそのようなデジタルサイネージ表示を見る場合、日本語部分だけを読むためその他の3言語のコンテンツは読まれることがない場合が多く、表示領域が無駄に使用されることになってしまう。同様に、英語を母国語とする人がそのようなデジタルサイネージ表示を見る場合は、英語部分だけを読むため、その他の3言語のコンテンツは読まれることがなく、この場合も表示領域が無駄になってしまう。
【0006】
一方、時分割表示法では、異なる言語は同一の表示領域に時分割で表示されるため、表示領域は単言語表示と同じで済むという利点がある。しかし、所望の言語が表示されるまでの待ち時間が発生するという課題がある。例えば、同一のコンテンツが日本語、英語、中国語、韓国語の順で15秒ずつ表示されると仮定すると、日本語のコンテンツを見たい場合、日本語から英語に切り替わった後は、3言語の表示時間、つまり、45秒間は日本語以外の言語のコンテンツが表示され、日本語が表示されるまで長時間待たなければならない。
【0007】
また、別の表示法として複数の情報を同時に重畳表示する方法も考えられる。しかし、この表示法では、無駄な表示領域を減らししかも待ち時間を無くすことができるが、複数の情報が重なり合って表示されるため、各情報を識別し難いという別の課題が発生する。
【0008】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、一側面では、複数の文字情報を少ない表示領域を用いつつ明確に識別可能な状態に表示することが可能な表示制御技術を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するためにこの発明に係る文字情報表示制御装置または方法の一態様は、第1の文字情報および第2の文字情報を取得する文字情報取得部または過程と、前記第1の文字情報および前記第2の文字情報の色、透明度、表示位置および文字の太さの少なくとも1つが、前記第1の文字情報と前記第2の文字情報との間で別々に設定した周期および別々に設定した初期位相をもって変化させる、表示パラメータを設定する表示パラメータ設定部または過程と、設定された前記表示パラメータに基づいて、前記第1の文字情報および前記第2の文字情報を少なくともその一部が互いに重なり合う状態で重畳表示させるための表示情報を生成する表示情報生成部または過程と、生成された前記表示情報を表示装置へ出力する出力部または過程とを具備するものである。
【発明の効果】
【0010】
この発明の一態様によれば、第1の文字情報と第2の文字情報とが重畳表示されるため、併記表示の場合に比べ必要とする表示領域を削減することができる。しかも、重畳表示を行う際に、文字の色、透明度、表示位置および文字の太さの少なくとも1つが、第1の文字情報と第2の文字情報との間で別々に設定した周期および別々に設定した初期位相に従い変化する。このため、単純に重畳表示する場合に比べ、第1の文字情報と第2の文字情報の識別性を改善することが可能となる。
【0011】
すなわちこの発明の一態様によれば、複数の文字情報を少ない表示領域を用いつつ明確に識別可能な状態に表示することが可能な表示制御技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、この発明の第1の実施形態に係る文字情報表示制御装置のハードウェア構成と、この文字情報表示制御装置を含むデジタルサイネージ表示システムの全体構成を示す図である。
【
図2】
図2は、この発明の第1の実施形態に係る文字情報表示制御装置のソフトウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、
図2に示した文字情報表示制御装置による文字情報制御処理の手順と処理内容の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、
図2に示した文字情報表示制御装置により表示される文字情報入力画面の情報入力前の状態の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、
図4に示した文字情報入力画面に文字情報が入力された状態の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、文字特性データの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、文字列の透明度を変化させる際に使用される表示パラメータの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、文字列の表示位置を変化させる際に使用される表示パラメータの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、文字列の文字の太さを変化させる際に使用される表示パラメータの一例を示す図である。
【
図11】
図11は、表示パラメータの設定範囲の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、複数の文字列を重畳表示した状態の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、この発明の第2の実施形態に係る文字情報表示制御装置による文字情報表示制御処理の手順と処理内容の一例を示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、この発明の第2の実施形態に係る文字情報表示制御装置により表示される文字情報入力画面の情報入力前の状態の一例を示す図である。
【
図15】
図15は、
図14に示した文字情報入力画面に文字情報が入力された状態の一例を示す図である。
【
図16】
図16は、文字列の特性データの一例を示す図である。
【
図17】
図17は、表示パラメータの変換ルールの一例を示す図である。
【
図18】
図18は、この発明の第3の実施形態に係る文字情報表示制御装置で用いられる表示パラメータ候補の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照してこの発明に係わる実施形態を説明する。
【0014】
[第1の実施形態]
(構成例)
(1)システム
図1は、この発明の第1の実施形態に係る文字情報表示制御装置のハードウェア構成と、この文字情報表示制御装置を含むデジタルサイネージ表示システムの全体構成を示す図である。このシステムは、デジタルサイネージ表示装置DCに対しネットワークNWを介して文字情報表示制御装置CSを接続したものとなっている。
【0015】
デジタルサイネージ表示装置DCは、例えば映像や文字情報を表示可能な表示デバイスにより構成され、不特定多数のユーザに情報を提示するために、例えば、駅のコンコースや待合場所、公共施設やスポーツ施設、商業施設等に設置される。なお、デジタルサイネージ表示装置DCの設置場所はこれらに限るものではなく、また設置台数も1台に限らず複数台が設置されていてもよい。さらに、表示デバイスの種類についても複数の種類が混在していてもよい。
【0016】
ネットワークNWは、例えば、インターネットを中核とする広域網と、この広域網にアクセスするためのアクセス網とを備える。アクセス網としては、例えば有線および無線の公衆ネットワーク、有線および無線のLAN(Local Area Network)が使用される。なお、デジタルサイネージ表示装置DCと文字情報表示制御装置CSとの間は、ネットワークNWを介さずに、信号ケーブル等を用いて1対1または1対Nの状態で直接接続されるようにしてもよい。
【0017】
(2)文字情報表示制御装置CS
文字情報表示制御装置CSは、例えば情報管理センタなどに設けられるサーバコンピュータまたはパーソナルコンピュータからなる。文字情報表示制御装置CSは、
図1に示すように中央処理ユニット(Central Processing Unit:CPU)等のハードウェアプロセッサを有する制御部1を備え、この制御部1に対しバス6を介して、プログラム記憶部2およびデータ記憶部3を有する記憶ユニットと、通信インタフェース(通信I/F)4および入出力インタフェース(入出力I/F)5を接続したものとなっている。
【0018】
通信I/F4は、制御部1の制御の下、ネットワークNWにより定義される通信プロトコルを使用して、上記デジタルサイネージ表示装置DCとの間でデータ伝送を行うもので、例えば有線ネットワーク用のインタフェースにより構成される。
【0019】
入出力I/F5には、入力デバイス7および表示デバイス8が接続される。入力デバイス7は、キーボードやマウス等からなり、管理者がデジタルサイネージ表示装置DCに表示させるための文字列等の情報を入力するために使用される。表示デバイス8は、例えば液晶又は有機ELを表示素子として使用したもので、上記入力情報および制御部1において生成された表示情報を管理者が確認するために用いられる。
【0020】
また、文字情報表示制御装置CSは、この発明の第1の実施形態に係る制御を実現するために以下のような処理機能を有している。
図2は、文字情報表示制御装置CSのソフトウェア構成を示すブロック図である。
【0021】
プログラム記憶部2は、例えば、記憶媒体としてHDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリとを組み合わせて構成したもので、OS(Operating System)等のミドルウェアに加えて、この発明の一実施形態に係る各種制御処理を実行するために必要なプログラムを格納する。
【0022】
データ記憶部3は、例えば、記憶媒体として、HDDまたはSSD等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリと組み合わせたもので、入力画面データ記憶部31と、文字特性データ記憶部32と、表示パラメータ記憶部33とを備えている。
【0023】
入力画面データ記憶部31は、管理者が表示対象の文字情報を入力するために使用する入力画面のテンプレートデータを記憶する。この入力画面のテンプレートデータは1種類でもよいが、レイアウト等の異なる複数種類が記憶されていてもよい。
【0024】
文字特性データ記憶部32は、制御部1の後述する文字特性解析処理により抽出された文字特性データを保存するために使用される。
【0025】
表示パラメータ記憶部33には、入力された文字列を表示する際に使用される複数の表示パラメータが記憶されている。表示パラメータには、透明度を制御することで文字列を点滅表示させる第1のパラメータ群と、文字列の表示位置を変化させるための第2のパラメータ群と、文字列のウェイト(太さ)を変化させるための第3のパラメータ群とが含まれる。第1のパラメータ群は、例えば点滅周期、点滅位相差および点滅最小不透明度により表される。第2のパラメータ群は、例えば表示位置の振動周期、振動振幅および振動位相差により表される。第3のパラメータ群は、文字の太さの種類を表すリストにより構成される。
【0026】
制御部1は、この発明の第1の実施形態を実現するための処理機能として、入力画面表示処理部11と、文字列取得処理部12と、文字特性解析処理部13と、表示パラメータ設定処理部14と、表示情報生成処理部15と、表示情報出力処理部16とを備えている。これらの処理部11~16は、何れもプログラム記憶部2に格納されたプログラムを制御部1のハードウェアプロセッサに実行させることにより実現される。
【0027】
入力画面表示処理部11は、入力デバイス7により入力された管理者のコンテンツ作成要求に応じて、入力画面データ記憶部31から入力画面テンプレートデータを読み出し、読み出された入力画面テンプレートデータを入出力I/F5から表示デバイス8へ出力し表示させる処理を行う。
【0028】
文字列取得処理部12は、上記入力デバイス7において管理者が上記入力画面テンプレートデータに従い入力した複数列の文字列、例えば同一の情報内容を異なる2種類の言語により表した2つの文字列をリアルタイムに表示デバイス8に表示させる。そして、登録操作が行われた場合に、上記入力された各文字列を取得して図示しないバッファメモリに保存する処理を行う。なお、文字列に加えて映像、画像、イラスト等を取得することも可能である。
【0029】
文字特性解析処理部13は、上記文字列取得処理部12により取得された各文字列を解析して当該文字列の特徴を抽出し、抽出された特徴を文字特性データとして文字特性データ記憶部32に保存させる処理を行う。文字特性データとしては、例えば言語種別および文字列の方向(横書きであるか縦書きであるかを表す)が挙げられる。
【0030】
表示パラメータ設定処理部14は、上記2つの文字列の各々について、上記文字特性データ記憶部32から文字特性データを読み出し、読み出された文字特性データを参照して表示パラメータ記憶部33から上記各文字列に対しそれぞれ設定するための表示パラメータを読み出す。そして、上記文字特性データを含む表示パラメータを表示情報生成処理部15に渡す。
【0031】
表示情報生成処理部15は、別途入力された映像または画像に加え、先に文字列取得処理部12により取得された2つの文字列が重畳表示された1画面の表示情報を生成する。上記2つの文字列の重畳表示は、上記表示パラメータ設定処理部14により設定された表示パラメータに基づいて行う。重畳表示処理の一例については後述する。
【0032】
表示情報出力処理部16は、上記表示情報生成処理部15により生成された1画面の表示情報を、入出力I/F5から表示デバイス8へ出力して管理者向けにプレビュー表示情報として表示させると共に、通信I/F4からデジタルサイネージ表示装置DCへ送信して表示させる処理を行う。
【0033】
(動作例)
次に、以上のように構成された文字情報表示制御装置CSの動作例を説明する。
図3は、文字情報表示制御装置CSの処理手順と処理内容の一例を示すフローチャートである。
【0034】
(1)文字列の入力
例えば、管理者が入力デバイス7からコンテンツ作成要求を入力すると、文字情報表示制御装置CSの制御部1は、入力画面表示処理部11の制御の下、先ずステップS10において入力画面データ記憶部31から入力画面テンプレートデータを読み出す。そして、読み出された入力画面テンプレートデータを、入出力I/F5から表示デバイス8へ出力して表示させる。
【0035】
図4は、表示された入力画面70の一例を示すもので、プレビュー表示ウィンドウ71と文字入力ウィンドウ72とを備えている。プレビュー表示ウィンドウ71には、文字情報表示領域711および映像表示領域712が設けられている。入力ウィンドウ72には、2個の文字列入力ボックス721,722と、登録ボタン723およびリセットボタン724が設けられている。なお、この例では、映像表示領域712に別途入力された映像が既に表示されている状態を示している。
【0036】
この状態で、管理者は入力デバイス7を操作して、文字列入力ボックス721に基準文字列として例えば日本語の文字列aを、また文字列入力ボックス722に従属文字列として上記文字列aと同一の意味を持つ英語の文字列bをそれぞれ入力する。
【0037】
文字情報表示制御装置CSの制御部1は、文字列取得処理部12の制御の下、ステップS11において、上記文字列a,bの入力を受け付け、入力された各文字列a,bをそれぞれ文字列入力ボックス721,722に表示させる。またそれと共に、上記各文字列a,bのうち基準言語である日本語の文字列aをプレビュー表示ウィンドウ71の文字情報表示領域711に表示させる。
【0038】
図5は、日本語の文字列aとして「さくらの花が満開になるでしょう」と、英語の文字列bとして「Cherry blossoms will be in full bloom」が入力され、表示された状態を例示している。
【0039】
なお、デジタルサイネージ用の表示コンテンツはウェブコンテンツ技術を使用して作成することもできる。ウェブコンテンツ技術を使ってデジタルサイネージ用の表示コンテンツを作成する場合には、一般にオーサリングツールが使用される。そして、2つの文字列を同一の表示位置に重畳表示させた状態で表示させるには、例えばスタイルシートが使用される。
【0040】
(2)文字特性の解析
この状態で、管理者が入力画面の登録ボタン723を選択操作すると、文字情報表示制御装置CSの制御部1は、文字特性解析処理部13の制御の下、ステップS12において、入力された上記各文字列a,bの特徴をそれぞれ解析して文字特性データを取得する。そして、取得された文字特性データを文字特性データ記憶部32に記憶させる。
【0041】
例えば、文字特性解析処理部13は、上記文字列a,bから言語種別と文字列の方向を認識し、その認識結果を文字特性データとする。
図6は上記文字列a,bの文字特性データの一例を示す。
【0042】
なお、文字特性の解析処理部13は、上記言語種別と文字列の方向に加えて、文字色や背景色、文字の太さおよびフォント種別等の文字属性をさらに認識し、これらを文字特性データに含めるようにしてもよい。また、管理者が文字列a,bと共にその属性情報を入力する場合には、上記文字特性の解析処理を省略し、入力された上記文字属性情報を文字特性データとして使用するようにしてもよい。
【0043】
(3)表示パラメータの設定
表示パラメータ記憶部33には、複数の表示パラメータが記憶されている。表示パラメータには、透明度を制御することで文字列を点滅表示させる第1のパラメータと、文字列の表示位置を変化させるための第2のパラメータと、文字列のウェイト(太さ)を変化させるための第3のパラメータが含まれる。第1のパラメータは、例えば「点滅周期」、「点滅位相差」および「点滅最小不透明度」により定義される。第2のパラメータは、例えば表示位置の「振動周期」、「振動振幅」および「振動位相差」により定義される。第3のパラメータは、文字の「ウェイト値(太さ)」の種類を表すリストにより表される。
【0044】
図7は、上記第1のパラメータの一例を示したもので、この例では、文字列aについて文字「あ」の不透明度を正弦波を用いて最大不透明度(100%)と最小不透明度との間で周期的に変化させる場合を示している。ここで不透明度とは、文字色の不透明度を指す。文字色の不透明度が0%のときは、文字色が透明になっており、文字が見えなくなる。文字色の不透明度が100%のときは、文字色が元の色と同じであることを示す。不透明度は、最小不透明度から最大不透明度まで変化される。
【0045】
また、文字列aの波形の初期位相はt0に設定される。これに対し、
図7には図示されていないが、文字列bの波形の初期位相は、上記文字列aの波形の初期位相t0に対し例えば180度異なるタイミングに設定される。その結果、文字列a,b間の点滅位相差は
図10に例示されるように180度に設定される。
【0046】
なお、文字列a,bの波形の周期(周波数)は例えば同一に設定される。従って、この場合に、第1のパラメータを用いて文字列a,bを重畳表示すると、同一の表示位置において文字列aと文字列bが交互に周期的に点滅表示される。なお、透明度は、正弦波に限らず矩形波等の他の任意の波形により変化させてもよい。
【0047】
図8は、上記第2のパラメータの一例を示したもので、この例では、文字列aについて文字「あ」の表示位置を正弦波を用いて横書き(文字列の方向は水平方向)に対し直交する方向、つまり垂直方向に周期的に変化させる場合を示している。その際、表示位置の変化量は正弦波の振幅値により定義される。
【0048】
また、文字列aの波形の初期位相はt0に設定される。これに対し、
図8には図示されていないが、文字列bの波形の初期位相は上記文字列aの波形の初期位相t0に対し例えば180度異なるタイミングに設定される。従って、この場合、上記第2のパラメータを用いて文字列a,bを重畳表示すると、同一の表示領域において文字列aと文字列bの表示位置が交互に垂直方向に周期的に振動する。なお、表示位置は、正弦波に限らず矩形波等のその他の任意の波形により変化させてもよい。
【0049】
図9は、上記第3のパラメータの一例を示したもので、この例では、日本語の「あ」および韓国語の「ハン」の文字のウェイト値として“100”から“1000”までの10種類を用意した場合を示している。なお、文字フォントによってはウェイト値に対応したフォントがない場合があり、
図9の例ではウェイト値“600”、“800”、“1000”に対応するフォントがない場合を×で示している。上記複数のウェイト値の中から異なるものを任意に選択して文字列a,bに対し割り当てる。このようにすると、文字列a,bを同一の表示位置に重畳して表示しても、文字の太さの違いにより文字列a,bを識別することが可能となる。なお、文字列a,bの文字のウェイト値は固定せずに、上記ウェイト値の範囲で交互に周期的に変化させるようにしてもよい。
【0050】
文字情報表示制御装置CSの制御部1は、表示パラメータ設定処理部14の制御の下、ステップS13において文字特性データ記憶部32から上記解析された文字特性データを読み出す。そして、ステップS14において、読み出された上記文字特性データに含まれる「文字列の方向」に基づいて、上記各文字列a,bに対し適切なパラメータを表示パラメータ記憶部33から選択的に読み出し、読み出された上記パラメータを上記文字特性データと共に文字列a,bに対し表示パラメータとして設定する。
【0051】
図10は、文字列a,bに対し設定された表示パラメータの一例を示したものであり、この例では基準文字列である文字列aおよび従属文字列である文字列bに対し、第1のパラメータである「点滅周期」、「点滅位相差」および「点滅最小不透明度」と、第2のパラメータである「振動振幅、「振動周期」および「振動位相差」と、文字の「ウェイト値(太さ)」の3種類を同時に設定した場合を示している。
【0052】
なお、
図10のパラメータは、文字列a,bに対し、異なる値に設定するようにしてもよい。また
図10では、点滅周期、振動振幅、振動周期が同一になっているが、異なる値に設定するようにしてもよい。
【0053】
従って、この設定結果に従い、文字列a,bを重畳表示すると、文字列a,bはその「透明度」および「表示位置」が同時に変化することになり、さらに異なる「文字の太さ」により表示される。なお、
図10における「文字色」、「背景色」は、いずれも文字特性解析処理において文字列a,bから認識したもの、もしくは管理者が任意に入力したものが使用される。
【0054】
図11は、表示パラメータを構成する各パラメータ、つまり「文字色」、「点滅」、「振動」および「ウェイト」それぞれの設定可能範囲の一例を示すものであり、第1の実施形態ではこの設定可能範囲の中から管理者が任意に選択して表示パラメータ記憶部33に記憶する。なお、「文字色」はR成分、G成分、B成分の各値により表される。
【0055】
(4)表示情報の生成と出力
文字情報表示制御装置CSの制御部1は、表示情報生成処理部15の制御の下、ステップS15において、上記文字特性データを含む表示パラメータに基づいて、文字列取得処理部12により取得された文字列a,bの表示形態を決定し、表示情報を生成する。
【0056】
上記表示情報を生成すると文字情報表示制御装置CSの制御部1は、続いて表示情報生成処理部15の制御の下、ステップS16において、生成された上記表示情報を入出力I/F5から表示デバイス8へ出力して管理者向けに表示させる。そして、例えば管理者が当該表示情報の確認した後表示指示を入力すると、表示情報生成処理部15は上記表示情報を通信I/F4からネットワークNWを介してデジタルサイネージ表示装置DCへ送信する。
【0057】
かくして、デジタルサイネージ表示装置DCには、2つの文字列a,bが重畳された表示情報が表示される。
図12は、デジタルサイネージ表示装置DCにおける表示情報の表示結果の一例を示すものである。同図に示すように、表示画面の文字情報表示領域には、日本語による文字列a「桜の花が満開になるでしょう」と、同一の意味を持つ英語による文字列b「Cherry blossoms will be in full bloom」が、同一の表示位置において所定の周期で交互に点滅しかつ表示位置が変化しながら、重畳表示される。さらに、上記文字列a,b間の文字の太さも異なる値に設定される。
【0058】
(作用・効果)
以上述べたように第1の実施形態では、入力された言語の異なる2つの文字列a,bについて、それぞれ文字特性を解析すると共に、表示パラメータ記憶部33から表示パラメータを読み出し、上記文字特性を含めた上記表示パラメータに基づいて上記各文字列a,bを重畳表示するようにしている。上記表示パラメータには、文字の透明度を変化させる第1のパラメータが含まれ、この第1のパラメータにより上記各文字列a,bの文字の透明度を180度の位相差を有して周期的に変化させることで上記各文字列a,bを交互に点滅させる。また上記表示パラメータには、文字の表示位置を変化させる第2のパラメータが含まれ、この第2のパラメータにより上記各文字列a,bの表示位置を文字列の方向に対し直交する方向に周期的に変化させることで、上記各文字列a,bの表示位置を縦方向に交互に振動させる。さらに上記表示パラメータには文字のウェイト(太さ)を指定する第3のパラメータが含まれ、この第3のパラメータにより上記各文字列a,bの文字の太さを異ならせる。
【0059】
従って第1の実施形態によれば、文字列a,bが同一の表示位置に重畳表示されることで文字列を表示するために必要な表示領域を削減することができ、しかも表示パラメータにより文字列a,bの透明度および表示位置が交互に周期的に変化し、さらに文字の太さが異なる値に設定されることで、重畳表示されるにもかかわらず各文字列a,bの識別性を高く維持することが可能となる。
【0060】
また、文字列a,bをそれぞれ解析することで文字特性が得られ、この文字特性が表示パラメータに加えられるため、管理者が文字特性データを入力することなく、文字列の文字特性に応じた適切な表示パラメータを設定することが可能となる。
【0061】
[第2の実施形態]
この発明の第2の実施形態は、2つの文字列のうち基準となる第1の文字列が入力されると、入力された第1の文字列を翻訳して他方の第2の文字列を自動生成する機能と、上記入力された第1の文字列の文字特性を解析し、解析された文字特性および上記第1の文字列に対応して予め記憶されている第1の表示パラメータと、予め設定された変換ルールとに基づいて、第2の文字列の文字特性および第2の表示パラメータを設定する機能を、文字情報表示制御装置CSが新たに備えるようにしたものである。
【0062】
図13は、この発明の第2の実施形態に係る文字情報表示制御装置CSが実行する制御処理の処理手順と処理内容を示すフローチャートである。なお、文字情報表示制御装置CSの構成については、上記
図1および
図2と基本構成が同一であるため、この第2の実施形態においても
図1および
図2を用いて説明を行う。
【0063】
(1)文字列の入力
例えば、管理者が入力デバイス7からコンテンツ作成要求を入力すると、文字情報表示制御装置CSの制御部1は、入力画面表示処理部11の制御の下、先ずステップS20において入力画面データ記憶部31から入力画面テンプレートデータを読み出す。そして、読み出された入力画面テンプレートデータを、入出力I/F5から表示デバイス8へ出力して表示させる。
【0064】
図14は、表示された入力画面70の一例を示すもので、プレビュー表示ウィンドウ71と文字入力ウィンドウ72とを備えている。プレビュー表示ウィンドウ71には、文字情報表示領域711および映像表示領域712が設けられている。入力ウィンドウ72には、2個の文字列入力ボックス721,722と、登録ボタン723と、リセットボタン724と、文字設定ボタン725が設けられている。なお、映像表示領域712に別途入力された映像が既に表示されている状態を示している。
【0065】
この状態で、管理者は入力デバイス7を操作して、文字列入力ボックス721に基準文字列として例えば日本語の文字列aを入力する。文字情報表示制御装置CSの制御部1は、文字列取得処理部12の制御の下、ステップS21において、上記文字列aの入力を受け付け、入力された文字列aを文字列入力ボックス721に表示させる。またそれと共に、上記文字列aをプレビュー表示ウィンドウ71の文字情報表示領域711に表示させる。
【0066】
(2)文字列の翻訳と文字特性の解析
上記文字列aの入力が終了した後、管理者が文字設定ボタン725を押下したとする。そうすると文字情報表示制御装置CSの制御部1は、文字特性解析処理部13の制御の下、先ずステップS22において、入力された上記文字列aを翻訳して同一の意味を持つ英語の文字列bを生成する。そして、生成された英語の文字列bを文字列入力ボックス722に表示させる。
【0067】
図15は、上記文字列bが表示デバイス8に表示された状態の一例を示している。なお、管理者が入力する文字列aの言語と翻訳先の言語の種類は、例えば事前に管理者が入力してデータ記憶部3の文字特性データ記憶部32等に記憶しておくことで、言語の如何なる組合せにも対応可能である。
【0068】
文字特性解析処理部13は、続いてステップS23において、上記文字列aの特徴を解析して文字特性データを取得する。そして、取得された文字特性データを文字特性データ記憶部32に記憶させる。例えば、文字特性解析処理部13は、上記文字列aから言語種別、文字色、背景色、文字の太さおよび文字列の方向をそれぞれ認識し、その認識結果を文字特性データして文字特性データ記憶部32に記憶させる。
【0069】
また文字特性解析処理部13は、上記翻訳された英語の文字列bについて、翻訳時に判明している言語種別「英語」と文字列の方向「横書き」を、文字列bの文字特性データの一部として文字特性データ記憶部32に記憶させる。
図16は、上記文字列a,bの文字特性データの一例を示すものである。
図16に示すように、この段階では文字列bの文字色、背景色および文字の太さはまだ決定されていない。
【0070】
(3)表示パラメータの設定
表示パラメータ記憶部33には、基準文字列である日本語の文字列aに対応して予め用意された表示パラメータが記憶されている。表示パラメータは、透明度を制御することで文字列を点滅表示させる第1のパラメータと、文字列の表示位置を変化させるための第2のパラメータとを含んでいる。第1のパラメータは、
図7に例示したように「点滅周期」、「点滅位相差」および「点滅最小不透明度」により定義されている。第2のパラメータは、
図8に例示したように表示位置の「振動周期」、「振動振幅」および「振動位相差」により定義されている。
【0071】
文字情報表示制御装置CSの制御部1は、表示パラメータ設定処理部14の制御の下、ステップS24において、上記文字列a,bに対し以下のように表示パラメータを設定する。
【0072】
すなわち、表示パラメータ設定処理部14は、先ず文字特性データ記憶部32から上記文字列aの文字特性データを読み出すと共に、表示パラメータ記憶部33から文字列aに対応する第1および第2のパラメータを読み出す。次に表示パラメータ設定処理部14は、表示パラメータ記憶部33から、事前に用意されている変換ルールを読み出す。そして、読み出された上記文字特性データおよび第1および第2のパラメータと、読み出された上記ルールとに基づいて、文字列bに適した表示パラメータを設定する。
【0073】
図17は、基準文字列である文字列aの文字特性およびパラメータの一例と、変換ルールの一例をそれぞれ示したものである。
この例では、「文字色」、「背景色」および「文字の太さ」について、基準文字列である文字列aにそれぞれ「白」、「緑」、「600」が設定されているため、従属文字列である文字列bに対してはそれぞれ基準文字列の補色である「黒」、基準文字列と同一色である「緑」、基準文字列の1/10である「60」が設定される。
【0074】
また、第1のパラメータの「点滅周期」、「点滅位相差」および「点滅最小不透明度」について、基準文字列である文字列aにそれぞれ「1秒」、「10%」、「0度」が設定されているため、従属文字列である文字列bに対してはそれぞれ基準文字列の点滅周期と同じ「1秒」、基準文字列の点滅位相差+180度である「180度」、基準文字列の点滅不透明度の2倍である「20%」が設定される。
【0075】
さらに、第2のパラメータの「振動周期」、「振動振幅」および「振動位相差」について、基準文字列である文字列aにそれぞれ「1.5秒」、「10%」、「0度」が設定されているため、従属文字列である文字列bに対してはそれぞれ基準文字列の振動周期と同じ「1.5秒」、基準文字列の振動振幅+5%である「15%」、基準文字列の振動位相差+180度である「180度」が設定される。
【0076】
(4)表示パラメータの変更
文字情報表示制御装置CSの制御部1は、次に表示情報生成処理部15の制御の下、ステップS25において、上記表示パラメータ設定処理部14により設定された表示パラメータに基づいて上記各文字列a,bの表示情報を生成する。そして、生成された上記表示情報を、表示情報出力処理部16により入出力I/F5を介して表示デバイス8へ出力し、表示デバイス8に表示させる。この結果、表示デバイス8のプレビュー表示ウィンドウ71の文字情報表示領域711には、文字列a,bが上記表示パラメータに従い重畳表示される。
【0077】
この状態で、例えば管理者が入力デバイス7において、文字列aの表示パラメータを変更する操作を行ったとする。文字情報表示制御装置CSの制御部1は、表示パラメータ設定処理部14の制御の下、ステップS26において上記表示パラメータの変更操作を検出すると、ステップS25に戻り、上記変更操作に応じて文字列aの表示パラメータを変更する。またそれと共に、上記変更後の表示パラメータと変換ルールとに基づいて、文字列bの表示パラメータを変更する。
【0078】
そして、文字情報表示制御装置CSの制御部1は、表示情報生成処理部15の制御の下、変更された上記各表示パラメータに従い文字列a,bの表示情報を生成し、生成された上記表示情報を表示情報出力処理部16により入出力I/F5を介して表示デバイス8へ出力し、表示デバイス8に表示させる。この結果、表示デバイス8のプレビュー表示ウィンドウ71の文字情報表示領域711には、変更された表示パラメータに従い文字列a,bが重畳表示される。
【0079】
(5)表示情報の生成と出力
表示パラメータの変更処理が終了し、管理者が入力デバイス7により「登録ボタン」723を操作したとする。文字情報表示制御装置CSの制御部1は、表示情報生成処理部15の制御の下、ステップS27において上記登録操作を検出すると、ステップS28に移行して、変更された上記表示パラメータに基づいて文字列a,bの表示情報を生成する。そして、表示情報出力処理部16により、ステップS29において、生成された上記表示情報を通信I/F4からネットワークNWを介してデジタルサイネージ表示装置DCへ送信する。
【0080】
かくして、デジタルサイネージ表示装置DCには、上記変更された表示パラメータに従い、文字列a,bが、指定された文字色および背景色で、かつ指定された文字の太さで、所定の周期で交互に点滅しかつ表示位置が変化しながら、重畳表示される。
【0081】
従って、第2の実施形態によれば、入力された基準文字列である日本語の文字列aをもとに対応する英語の文字列bが翻訳される。このため、管理者は英語の文字列bを手操作で入力する必要がなくなる。
【0082】
また、入力された文字列aから文字特性が解析され、解析された上記文字特性および当該文字特性をもとに表示パラメータ記憶部33から読み出された第1および第2のパラメータと、事前に記憶された変換ルールとに基づいて、文字列bに対し文字列aとの識別性が考慮された適切な文字特性および表示パラメータが自動設定される。このため、管理者は基準文字列である日本語の文字列aについて文字特性および表示パラメータを設定するだけでよくなり、これにより管理者のコンテンツ作成に要する負担を軽減することが可能となる。
【0083】
さらに、文字列a,bの表示パラメータの変更処理機能を備えたことで、管理者の要求に応じた高品質のコンテンツを作成することが可能となる。
【0084】
[第3の実施形態]
この発明の第3の実施形態は、従属文字列である第2の文字列に係る複数の表示パラメータ候補を記憶しておき、基準文字列である第1の文字列とその文字特性を含む表示パラメータを管理者が入力すると、入力された第1の文字列の表示パラメータに対応する表示パラメータを上記複数の表示パラメータ候補の中から選択し、設定するようにしたものである。
【0085】
なお、第3の実施形態においても、文字情報表示制御装置CSの構成については第1の実施形態で説明した
図1および
図2を用いて説明を行う。
【0086】
表示パラメータ記憶部33には、従属文字列である文字列bに対する設定候補として予め用意された複数の表示パラメータ候補が、基準文字列である文字列aに設定される表示パラメータと対応付けられて記憶されている。すなわち、表示パラメータ記憶部33には、文字列aに設定される表示パラメータと、文字列bに設定される表示パラメータ候補との対が、記憶されている。
【0087】
図18は、上記表示パラメータ候補の記憶結果の一例を示すもので、文字列aの表示パラメータをPxa、文字列bの表示パラメータをPxbによりそれぞれ示している。すなわち、この例では表示パラメータp1aとp1bが対になっており、同様に表示パラメータp2aとp2b、表示パラメータp3aとp3bがそれぞれ対になっている。表示パラメータのそれぞれの対は、例えば第2の実施形態において
図17に例示した変換ルールにより変換される関係性を有する。
【0088】
文字情報表示制御装置CSの制御部1は、基準文字列である日本語の文字列aとその文字特性を含む表示パラメータが入力デバイス7から入力されると、表示パラメータ設定処理部14の制御の下、入力された文字列aの表示パラメータに含まれる各パラメータのベクトル値と、表示パラメータ記憶部33に記憶されている文字列bの表示パラメータ候補の各々に含まれる各パラメータのベクトル値をそれぞれ算出する。そして、算出された2つのベクトル値間の差を評価値として算出し、この評価値が最も小さくなる表示パラメータ候補を選択して文字列bの表示パラメータとして設定する。
【0089】
例えば、いま仮に、入力された文字列1aの表示パラメータが式(1) に示す10次元のベクトルP1aで表されるとする。
P1a=(p1a1, p1a2, p1a3, p1a4, p1a5, p1a6, p1a7, p1a8, p1a9, p1a10) …(1)
また、記憶された複数の表示パラメータ候補が、同様に式(2) の10次元ベクトルPxで表されるとする。
Px=(px1, px2, px3, px4, px5, px6, px7, px8, px9, px10) …(2)。
【0090】
表示パラメータ設定処理部14は、上記複数の表示パラメータ候補のそれぞれについて、10次元ベクトルPxを算出し、算出された表示パラメータ候補の10次元ベクトルPxと、上記(1) 式により算出された文字列1aの10次元ベクトルP1aとの角度を、評価値Vとして式(3) により算出する。
評価値V=(p1a-px1)2+(p2a-px2)2+(p3a-px3)2+(p4a-px4)2+(p5a-px5)2
+(p6a-px6)2+(p7a-px7)2+(p8a-px8)2+(p9a-px9)2+(p10a-px10)2 …(3)。
【0091】
そして、表示パラメータ設定処理部14は、上記評価値Vが最も小さくなる表示パラメータの対をpXとする。これは文字列pXaの表示パラメータを表している。そして、上記文字列pXaと対をなす文字列pXbの表示パラメータを、文字列bの表示パラメータとして設定する。
【0092】
上記表示パラメータの設定処理が終了し、管理者が入力デバイス7により「登録ボタン」723を操作したとする。文字情報表示制御装置CSの制御部1は、表示情報生成処理部15の制御の下、設定された上記表示パラメータに基づいて文字列a,bの表示情報を生成する。そして、表示情報出力処理部16により、生成された上記表示情報を通信I/F4からネットワークNWを介してデジタルサイネージ表示装置DCへ送信する。
【0093】
かくして、デジタルサイネージ表示装置DCには、上記変更された表示パラメータに従い、文字列a,bが、指定された文字色および背景色で、かつ指定された文字の太さで、所定の周期で交互に点滅しかつ表示位置が変化しながら、重畳表示される。
【0094】
従って、第3の実施形態によれば、文字列bに係る複数の表示パラメータ候補が表示パラメータ記憶部33に予め記憶されている。そして、管理者により入力された文字列aの表示パラメータに含まれる各パラメータのベクトル値と、上記表示パラメータ記憶部33に記憶されている表示パラメータ候補に含まれる各パラメータのベクトル値との間の差が評価値Vとして算出され、この評価値Vが最も小さくなる表示パラメータ候補が選択されて文字列bの表示パラメータとして設定される。
【0095】
このため、第3の実施形態においても、管理者は基準文字列である日本語の文字列aについて文字特性および表示パラメータを入力するだけでよくなり、これにより管理者のコンテンツ作成に要する負担を軽減することが可能となる。
【0096】
[その他の実施形態]
前記各実施形態では、文字列a,bの透明度および表示位置を同時に変化させ、さらに文字列a,b間で文字の太さを異ならせるようにしたが、透明度、表示位置および文字の太さの何れか1つまたは2つを変化させるように設定してもよい。
また、文字列a,bの色を、別々に設定した周期および別々に設定した初期位相により変化させるようにしてもよい。
【0097】
その他、文字情報表示制御装置の構成と機能、表示パラメータを構成する各パラメータの種類とその値、表示パラメータ設定処理の手順と処理内容、表示情報の構成等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0098】
以上、本発明の実施形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
【0099】
要するにこの発明は、上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0100】
DC…デジタルサイネージ表示装置
CS…文字情報表示制御装置
NW…ネットワーク
1…制御部
2…プログラム記憶部
3…データ記憶部
4…通信I/F
5…入出力I/F
6…バス
11…入力画面表示処理部
12…文字列取得処理部
13…文字特性解析処理部
14…表示パラメータ設定処理部
15…表示情報生成処理部
16…表示情報出力処理部
31…入力画面データ記憶部
32…文字特性データ記憶部
33…表示パラメータ記憶部