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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-13
(45)【発行日】2023-10-23
(54)【発明の名称】光ファイバケーブル
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/44 20060101AFI20231016BHJP
【FI】
G02B6/44 371
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020034108
(22)【出願日】2020-02-28
(65)【公開番号】P2021135467
(43)【公開日】2021-09-13
【審査請求日】2022-10-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096091
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 誠一
(72)【発明者】
【氏名】三浦 貴博
(72)【発明者】
【氏名】塚本 昌義
(72)【発明者】
【氏名】宋 敏碩
(72)【発明者】
【氏名】安冨 徹也
【審査官】大西 孝宣
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-080749(JP,A)
【文献】特開2013-186444(JP,A)
【文献】特開2004-117854(JP,A)
【文献】特開2004-037765(JP,A)
【文献】特開2005-121754(JP,A)
【文献】特開2010-224496(JP,A)
【文献】特開2007-165201(JP,A)
【文献】特開2006-251769(JP,A)
【文献】特開2006-267600(JP,A)
【文献】国際公開第2013/006984(WO,A1)
【文献】特開2010-271560(JP,A)
【文献】特開2013-097253(JP,A)
【文献】特開2013-097255(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数本の光ファイバ心線又は複数本の光ファイバが併設された一つ以上の光ファイバテープ心線からなる光ファイバユニットと、
前記光ファイバユニットの長手方向に垂直な断面において、前記光ファイバユニットを挟み込むように配置される一対の防護壁と、
前記光ファイバユニットの両側に設けられる一対のテンションメンバと、
前記光ファイバユニット、前記防護壁および前記テンションメンバを覆うように設けられる略矩形の外被と、
を具備し、
前記外被の上下面には、互いに対向するように2組のノッチが形成され、前記ノッチの断面形状が非対称であり、
前記ノッチは、略四角形であり、前記略四角形の前記ノッチの四つの頂点のうち、一対の前記防護壁のそれぞれの中心を結ぶ中心線に一番近い頂点と二番目に近い頂点の内角の和が180度未満であり、前記二番目に近い頂点が最深部の頂点であることを特徴とする光ファイバケーブル。
【請求項2】
複数本の光ファイバ心線又は複数本の光ファイバが併設された一つ以上の光ファイバテープ心線からなる光ファイバユニットと、
前記光ファイバユニットの長手方向に垂直な断面において、前記光ファイバユニットを挟み込むように配置される一対の防護壁と、
前記光ファイバユニットの両側に設けられる一対のテンションメンバと、
前記光ファイバユニット、前記防護壁および前記テンションメンバを覆うように設けられる略矩形の外被と、
を具備し、
前記外被の上下面には、互いに対向するように2組のノッチが形成され、前記ノッチの断面形状が非対称であり、
前記ノッチは、最深部が前記ノッチの幅方向の中心に対して光ファイバケーブルの幅方向の中心線の側にずらして配置され、前記最深部よりも光ファイバケーブルの幅方向内側が直線形状であり、前記最深部よりも光ファイバケーブルの幅方向外側が厚み中心方向に凸となる曲線形状であることを特徴とする光ファイバケーブル。
【請求項3】
略四角形の前記ノッチの四つの頂点のうち、一対の前記防護壁のそれぞれの中心を結ぶ中心線に一番近い頂点の内角が30度以上60度以下であることを特徴とする請求項記載の光ファイバケーブル。
【請求項4】
前記ノッチの開口部の近傍において、前記外被の外面に凸部が形成されることを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の光ファイバケーブル。
【請求項5】
前記ノッチの前記最深部の深さが0.25mm~0.4mmであることを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の光ファイバケーブル。
【請求項6】
前記ノッチの前記最深部の深さが0.25mm~0.3mmであることを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の光ファイバケーブル。
【請求項7】
前記ノッチの開口部の幅が1.0mm以下であることを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の光ファイバケーブル。
【請求項8】
前記外被の上下面において、併設される前記ノッチの間の領域における前記外被の厚みが、前記ノッチよりも外側の領域における前記外被の厚みよりも薄いことを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の光ファイバケーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の光ファイバが内蔵され、いわゆる少心架空ケーブルと呼ばれる光ファイバケーブルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、少心架空ケーブルは、複数の光ファイバ心線が外被で被覆されたものが用いられている。内部の光ファイバ心線を取り出す際には、外被に切込みを入れて解体し、光ファイバ心線が取り出される。
【0003】
このような、光ファイバケーブルとしては、例えば、光ファイバ心線の両側にテンションメンバを配して、ケーブル外被で一括被覆し、上下に分岐用の一対のノッチを形成した光ファイバケーブルがある(例えば、特許文献1)
【0004】
また、光ファイバケーブルの上下に、2対のノッチを形成し、外被の内部に、光ファイバ心線の配列幅より幅広で、光ファイバ心線に接触するように合成樹脂製の防護壁を配した光ファイバケーブルがある(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2003-202471号公報
【文献】特開2008-70601号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図7は、例えば特許文献2に示されるような、従来の光ファイバケーブル100を示す断面図である。光ファイバケーブル100は、外被103、介在105、テンションメンバ109、防護壁113、光ファイバユニット115等により構成される。
【0007】
光ファイバケーブル100の断面略中央位置には、光ファイバユニット115が配置される。光ファイバユニット115は、複数の光ファイバ心線107からなる。光ファイバ心線107は、例えば、複数本の光ファイバ心線からなる。
【0008】
光ファイバケーブル100の断面において、光ファイバユニット115の両側方には、一対のテンションメンバ109が設けられる。テンションメンバ109は、光ファイバケーブル100の張力を負担する。
【0009】
テンションメンバ109の併設方向に対して略直交する方向であって、光ファイバユニット115の全体を上下方向から挟み込むように、一対の防護壁113が設けられる。防護壁113は、光ファイバユニット15よりも幅広に形成される。
【0010】
光ファイバユニット115の側方であって、防護壁13の間には、介在105が設けられる。介在105は、光ファイバユニット115に接触するように配置される。介在5は、例えば撚られたヤーンで形成される。
【0011】
介在105、光ファイバユニット115、防護壁113、テンションメンバ109は、外被103で覆われて一体化される。外被103の上下面のそれぞれには、V字状のノッチ111が形成される。ノッチ111は、上下面のそれぞれに2つ併設され、互いに対向する2対のノッチ111が形成される。ノッチ111は、例えばケーブル解体工具などによって、光ファイバケーブル100を分割する起点部となる。
【0012】
図8(a)は、分岐の際に使用される解体工具117の一部を示す図であり、図8(b)は、図8(a)のP-P線断面図、図8(c)は、図8(a)のQ-Q線断面図である。解体工具117には、一対のガイド刃119と一対の切込み刃121が配置される。ガイド刃119と切込み刃121は、移動方向(図中R方向)に対して、同一直線状に配置される。
【0013】
ガイド刃119同士及び切込み刃121同士の幅方向(Rに垂直な方向)のピッチは、前述した、外被103のノッチ111のピッチに対応する。図9(a)は、ガイド刃119をノッチ111にあてがった状態を示す図である。ガイド刃119をノッチ111に挿入すると、図9(b)に示すように、切込み刃121も同じくノッチ111に配置することができる。解体工具117で光ファイバケーブル100を挟み込み、光ファイバケーブル100の長手方向に沿って移動させると、切込み刃121によって、防護壁113までの外被103に切込みを入れることができる。
【0014】
このように、切込みによって所定長さの外被103を分割して、内部の光ファイバ心線107を取り出すことができる。なお、解体工具117を用いずに、例えば、ノッチ111にニッパ等で切込みを入れて、手で、ノッチ111(切込み部分)を引き裂くことで、外被103を解体する方法もある。いずれの場合でも、防護壁113と介在105によって、外被103に光ファイバ心線107が埋まってしまうことがなく、光ファイバ心線107の取り出し作業が容易である。
【0015】
しかし、近年、より高密度に光ファイバを収容した光ファイバケーブルが要求されている。しかし、従来使用している工具やコネクタ等を使用しようとすると、光ファイバケーブルの断面寸法は現状と変えることなく、光ファイバ心線107の収容効率(占積率)を高めることが望まれる。
【0016】
この場合、例えば、防護壁113同士の間隔を広くして、防護壁113と介在105とで囲まれた、光ファイバ心線107の収容スペースを大きくする方法が考えられる。しかし、防護壁113同士の間隔を広くすると、ノッチ111の先端と防護壁113との距離が短くなる。このため、ノッチ111の先端が防護壁113に達してしまい、防護壁113が露出したり、ノッチ111の先端部において外被103の厚さが非常に薄くなるため、外被103のノッチ111に外力がかかったりすると、簡単に外被103が変形したり裂けてしまう恐れがある。
【0017】
特に、外被103の厚みが薄くなると、低温(-30℃)において光ファイバケーブルの短径方向から衝撃を与えた際に、ノッチ111のように先端が鋭角な部位において、材料の脆性による亀裂が入り防護壁113等が露出する恐れがある。
【0018】
これに対し、ノッチ111の下端と防護壁113までの距離を確保するためにノッチ111の深さを浅くすると、ノッチ111の両斜面の傾斜角度(ノッチ111が形成された外被3の外周面に対する斜面の角度)が小さくなり、ガイドとしての機能が低下する。例えば、外被103を分割する際に使用され、従来から広く普及している解体工具117を用いると、ガイド刃119がノッチ111の内面に十分に接触せずに、ノッチ111の両側の外被103の外周面へ乗り上げやすくなる。
【0019】
また、ガイド刃119の乗り上げを防ぐため、ノッチ111にガイド刃119が嵌るような形状とすれば、ガイド刃119を走らせるときの抵抗が大きくなり、外被103を切り裂く事が困難となる。
【0020】
また、ノッチ111の断面形状をV形状とせずに、単にノッチ111を浅く広くして、ノッチに底部(平坦部)を設けると、解体工具117を使用せずに、ニッパで解体を行う場合において、ノッチ111の一部に十分な応力集中が起こりにくく、引裂く時に相当大きな力が必要になる。
【0021】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、内部に収容される光ファイバ心数が増えた場合でも、解体作業性に優れ、外被の機械強度を確保することが可能な光ファイバケーブルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
前述した目的を達するために第1の発明は、複数本の光ファイバ心線又は複数本の光ファイバが併設された一つ以上の光ファイバテープ心線からなる光ファイバユニットと、前記光ファイバユニットの長手方向に垂直な断面において、前記光ファイバユニットを挟み込むように配置される一対の防護壁と、前記光ファイバユニットの両側に設けられる一対のテンションメンバと、前記光ファイバユニット、前記防護壁および前記テンションメンバを覆うように設けられる略矩形の外被と、を具備し、前記外被の上下面には、互いに対向するように2組のノッチが形成され、前記ノッチの断面形状が非対称であり、前記ノッチは、略四角形であり、前記略四角形の前記ノッチの四つの頂点のうち、一対の前記防護壁のそれぞれの中心を結ぶ中心線に一番近い頂点と二番目に近い頂点の内角の和が180度未満であり、前記二番目に近い頂点が最深部の頂点であることを特徴とする光ファイバケーブルである。
【0023】
第2の発明は、複数本の光ファイバ心線又は複数本の光ファイバが併設された一つ以上の光ファイバテープ心線からなる光ファイバユニットと、前記光ファイバユニットの長手方向に垂直な断面において、前記光ファイバユニットを挟み込むように配置される一対の防護壁と、前記光ファイバユニットの両側に設けられる一対のテンションメンバと、前記光ファイバユニット、前記防護壁および前記テンションメンバを覆うように設けられる略矩形の外被と、を具備し、前記外被の上下面には、互いに対向するように2組のノッチが形成され、前記ノッチの断面形状が非対称であり、前記ノッチは、最深部が前記ノッチの幅方向の中心に対して光ファイバケーブルの幅方向の中心線の側にずらして配置され、前記最深部よりも光ファイバケーブルの幅方向内側が直線形状であり、前記最深部よりも光ファイバケーブルの幅方向外側が厚み中心方向に凸となる曲線形状であることを特徴とする光ファイバケーブルである。
【0026】
第1の発明では、略四角形の前記ノッチの四つの頂点のうち、一対の前記防護壁のそれぞれの中心を結ぶ中心線に一番近い頂点の内角が30度以上60度以下であることが望ましい。
【0027】
前記ノッチの開口部の近傍において、前記外被の外面に凸部が形成されてもよい。
【0028】
前記ノッチの最も深い部位の深さが0.25mm~0.4mmであることが望ましく、前記ノッチの最も深い部位の深さが0.25mm~0.3mmであることがさらに望ましい。
【0029】
前記ノッチの開口部の幅が1.0mm以下であることが望ましい。
【0030】
前記外被の上下面において、併設される前記ノッチの間の領域における前記外被の厚みが、前記ノッチよりも外側の領域における前記外被の厚みよりも薄くてもよい。
【0031】
第1、第2の発明によれば、ノッチの断面形状を非対称とすることで、ノッチの深さを浅くして、開口部を広くしても、少なくとも一方のノッチの斜面の傾斜角度を大きくすることができる。このため、ガイド刃が乗り上げにくく、ガイド刃の外被外周面への乗り上げを抑制することができる。
【0032】
第2の発明では、ノッチの最深部の頂点から側方に向かって曲線形状とすることで、頂点部への応力集中が生じやすく、例えば手でノッチを裂く際に、解体が容易となる。
【0033】
第1の発明では、ノッチを略四角形とすること、外被外周部の二点の頂点と、外被内部側に二点の頂点を形成することができる。
【0034】
また、この場合には、略四角形のノッチの四つの頂点のうち、一対の防護壁のそれぞれの中心を結ぶ中心線に一番近い頂点と二番目に近い頂点の内角の和を180度未満とすることで、光ファイバケーブルの幅方向の中央に近い外被内部側の頂点を最深部とすることができる。このようにすることで、例えば手でノッチを引き裂いた際に、断面において対角線上のノッチ間を引き裂くことが容易となる。
【0035】
略四角形のノッチの四つの頂点のうち、一対の防護壁のそれぞれの中心を結ぶ中心線に一番近い頂点と二番目に近い頂点の内角を30度以上60度以下とすることで、ガイド刃の乗り上げを抑制することができる。
【0036】
第1、第2の発明では、中心線に一番近い頂点となる部位の近傍において、外被の外面に凸部を形成することで、ガイド刃の乗り上げを抑制することができる。この際、凸部が微小であれば、外被の断面サイズに制約がある場合でも、突部を容易に潰すことができるため、従来と同様に取り扱うことができる。
【0037】
また、ノッチの最も深い部位の深さを適切に設定することで、ガイド刃によるガイド機能と、外被の厚みを確保することによる外被の機械強度を確保することができる。
【0038】
また、ノッチの開口部の幅を所定以下とすることで、ノッチ内でのガイド刃の遊びを抑制することができる。このため、切込み刃の向きと工具の移動方向を一致させることができ、切断時の抵抗を抑制することができる。
【0039】
また、外被の上下面において、併設されるノッチの間の領域における外被の厚みを、ノッチよりも外側の領域における外被の厚みよりも薄くすることで、光ファイバケーブルに上下方向の力が付与された際に、光ファイバユニットへかかる力を抑制することができる。このため、伝送損失の増加を抑制することができる。
【発明の効果】
【0040】
本発明によれば、内部に収容される光ファイバ心数が増えた場合でも、解体作業性に優れ、外被の機械強度を確保することが可能な光ファイバケーブルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】光ファイバケーブル1の断面図。
図2図1のE部拡大図。
図3】(a)は、ノッチ11にガイド刃119が挿入された状態を示す図、(b)は、ノッチ11に切込み刃121が挿入された状態を示す図。
図4】ノッチ11の他の形態を示す拡大断面図。
図5】ノッチ11の他の形態を示す拡大断面図。
図6】外被3の他の形態を示す拡大断面図。
図7】従来の光ファイバケーブル100の断面図。
図8】(a)は、解体工具117の平面図、(b)は、(a)のP-P線断面図、(c)は、(a)のQ-Q線断面図。
図9】(a)は、ノッチ111にガイド刃119が挿入された状態を示す図、(b)は、ノッチ111に切込み刃121が挿入された状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0042】
(第1実施形態)
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。図1は、光ファイバケーブル1の断面図である。光ファイバケーブル1は、外被3、介在5、光ファイバユニット15、テンションメンバ9、防護壁13等により構成される。
【0043】
光ファイバケーブル1の断面略中央位置には、光ファイバユニット15が配置される。光ファイバユニット15は、複数本の光ファイバ心線7からなる。なお、光ファイバユニット15は、複数本の光ファイバが併設された一つ以上の光ファイバテープ心線で構成されてもよい。この場合、光ファイバテープ心線としては、例えば複数の光ファイバが長手方向に間欠的に接着された間欠接着型の光ファイバテープ心線が適用可能である。なお、光ファイバユニット15は、例えば一方向に螺旋状に撚られていてもよく、またはSZ状に撚られていてもよい。また、光ファイバユニット15は、押さえ巻きに巻かれていてもよい。
【0044】
光ファイバユニット15の長手方向に垂直な断面において、光ファイバユニット15の全体を上下方向から挟み込むように、一対の防護壁13が設けられる。防護壁13は、例えばナイロンテープ等であり、外被3との剥離性が良いものが使用される。防護壁13は、光ファイバユニット15よりも幅広に形成される。なお、上下のそれぞれの防護壁13は、最上部および最下部の光ファイバ心線7とそれぞれ接触する。
【0045】
防護壁13の対向方向に対して略直交する方向であって、光ファイバユニット15の両側方には、一対のテンションメンバ9が設けられる。テンションメンバ9は、光ファイバケーブル1の張力を負担する。テンションメンバ9は、例えば鋼線、モノフィラメント、アラミド繊維等による繊維補強プラスチック等が使用でき、望ましくは亜鉛メッキ鋼線を使用することができる。
【0046】
光ファイバユニット15の側方であって、防護壁13の間には、必要に応じて介在5が設けられる。介在5は、光ファイバユニット15に接触するように配置される。
【0047】
介在5は、ヤーン(マルチフィラメント(繊維や繊維状に加工したものの集合体)を含む)やテープ、棒状のコルデルなどが適用可能である。ヤーンの材質としては、ガラス繊維、アラミド繊維、PP(ポリプロピレン)繊維、PE(ポリエチレン)繊維、PET(ポリエステル)繊維、ナイロン繊維、カーボン繊維を用いることができる。介在5としてテープを使用する場合、テープの材質としては、PP、PE、PET、ナイロンを用いることができる。また、介在5として棒状のコルデルを使用する場合、コルデルの材料としては、ポリオレフィン系樹脂、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、UV樹脂、繊維FRPなどのプラスチック製材料を用いることができる。
【0048】
介在5、光ファイバユニット15、防護壁13及びテンションメンバ9は外被3によって一体化される。すなわち、光ファイバユニット15、防護壁13、介在5およびテンションメンバ9が、外被3で覆われる。外被3は、略矩形形状である。外被3は、例えばポリオレフィン系樹脂製等の熱可塑性樹脂を使用することができる。
【0049】
外被3の上下面には、互いに対向するように2組のノッチ11が形成される。より詳細には、外被3の対向する外周部(図中上下面)であって、上下のそれぞれの防護壁13に対応する位置に、それぞれ二つずつのノッチ11が形成される。すなわち、ノッチ11は、計四か所に配置される。前述したように、ノッチ11は、解体工具などによって、光ファイバケーブル1を分割する起点部となる。
【0050】
次に、ノッチ11の詳細を説明する。図2は、図1のE部であってノッチ11近傍の拡大図であって、図2に示すように、ノッチ11は、幅方向(図中左右方向)の中心線に対して、非対称的な断面形状である。なお、個々のノッチ11は、断面形状が非対称であるが、光ファイバケーブル1の全体としては、幅方向の中心線(図1の線O)に対して、ノッチ11の形状及び配置は対称である。
【0051】
ノッチ11の断面形状(外被3の略矩形形状からの除肉部の断面形状)は、略四角形となる。ここで、この四角形の各頂点をA、B、C、Dとする。四角形ABCDは、頂点A、Dが開口部を形成し、頂点B、Cが底部を形成する。
【0052】
この際、略四角形のノッチ11の四つの頂点(A、B、C、D)のうち、一対の防護壁13のそれぞれの中心を結ぶ中心線(図1の線Oであって、以下、単に光ファイバケーブル1の幅方向の中心線Oと称する)に一番近い頂点A(∠DAB)と二番目に近い頂点B(∠ABC)の内角の和は、180度未満であることが望ましい。すなわち、略四角形の底部にあたる線BCは、光ファイバケーブル1の幅方向の中心線O側(B側)から、幅方向外側(C側)に向けて、ノッチ11の深さが浅くなるように形成される。したがって、ノッチ11の最深部は、頂点B部となる。なお、防護壁13は、対向するノッチ11の頂点B同士をつなぐ線上にかかるように配置される。
【0053】
図3(a)は、ガイド刃119をノッチ11にあてがった状態を示す図である。ガイド刃119をノッチ11に挿入すると、図3(b)に示すように、切込み刃121も同じくノッチ11に配置することができる。この際、ガイド刃119及び切込み刃121の併設ピッチを、併設するノッチ11の最深部(頂点B)のピッチと略同一に設定することで、従来の解体工具117を用いることができる。この際、ガイド刃119は、斜面CDとは接触しないが、一対のガイド刃119で、隣り合うノッチ11の斜面ABを挟み込むようにして配置されるため、切込み刃121の先端を、頂点Bの位置に略一致するように配置することができる。
【0054】
前述したように、解体工具117で光ファイバケーブル1を挟み込み、光ファイバケーブル1の長手方向に沿って移動させることで、切込み刃121によって、防護壁13までの外被3に切込みを入れ、外被3の断面を四つに解体することができる。
【0055】
なお、解体工具117を用いずに、例えば、ノッチ11にニッパ等で切込みを入れて、手で、ノッチ11(切込み部分)を引き裂くことで、外被3を解体することもできる。この場合には、必ずしも、外被3を四分割する必要はなく、例えば、対角線上のノッチ11同士の間を引き裂いて、外被3の断面を二つに解体しても、内部の光ファイバ心線7を取り出すことができる。
【0056】
ここで、図2に示すように、断面において、外被3の表面から最も深い部位(頂点B)までの深さをaとし、外被3の表面から、底部を構成するもう一方の頂点Cまでの深さをcとする。また、最深部(頂点B)と防護壁13までの距離をbとする。また、ノッチ11の開口部の幅(AD間距離)をXとする。
【0057】
この際、ノッチ11の最も深い部位の深さaは、0.25mm~0.4mmであることが望ましく、より好ましくは、ノッチ11の最も深い部位の深さは0.25mm~0.3mmである。ノッチ11の最深部の深さが浅すぎると、前述した解体工具117を用いて解体作業を行う際に、ガイド刃119がノッチ11から外被3の外周面に乗り上げ、解体作業を行うことが困難となる。また、ノッチ11の最深部の深さが深くなりすぎると、ノッチ11と防護壁13との距離bが小さくなり、外被3の機械強度が低下する。
【0058】
また、ノッチ11の開口部の幅Xは、1.0mm以下であることが望ましい。ノッチ11の開口幅が大きくなりすぎると、ノッチ11の両斜面(斜面ABと斜面DC)の傾斜角度が小さくなりすぎるため、解体工具117を用いて解体作業を行う際に、ガイド刃119がノッチ11から外被3の外周面に乗り上げやすくなり、解体作業を行うことが困難となる。
【0059】
なお、ノッチ11の開口部の幅Xは、0.4mm以上であることが望ましい。ノッチ11の開口幅が狭くなりすぎると、ノッチ11の位置を把握しにくくなるとともに、ノッチ11にガイド刃119を挿入することが困難となる。また、ガイド刃119をノッチ11に押し込んで使用すると、解体工具117の移動抵抗が大きくなりすぎて、解体作業が困難となる。
【0060】
また、略四角形のノッチ11の四つの頂点(A、B、C、D)のうち、一対の防護壁13のそれぞれの中心を結ぶ中心線(図1の線Oであって、以下、単に光ファイバケーブル1の幅方向の中心線Oと称する)に一番近い頂点A(∠DAB)の内角は、30度以上60度以下であることが望ましい。頂点A(∠DAB)の内角が30度未満では、ノッチ内壁ABがなだらかになりすぎるため、ガイド刃119が脱線し易くなる。また、頂点A(∠DAB)の内角が60度を超えると、ノッチ内壁ABが急になりすぎるため、ガイド刃119が頂点Aに当たってしまい、ガイド刃19がノッチ底まで到達しないため、脱線し易くなる。
【0061】
以上、本実施の形態によれば、ノッチ11の断面形状を単純なV字形状ではなく、非対称な形状とすることで、最深部の位置を、ノッチ11の中心からずらした位置に形成することができる。このようにすることで、ノッチ11の深さを浅くするとともに、ノッチ11の開口幅を広くしても、ガイド刃119が接触する斜面の傾斜角度をある程度大きくすることができる。このため、ガイド刃119の乗り上げを抑制することができる。
【0062】
特に、ノッチ11の断面形状を、底部を有する略四角形とすることで、V字状の場合と比較して、ノッチ11の両方の斜面の傾斜角度を大きくすることができる。このため、ガイド刃119やニッパでの解体作業を行う際に、ガイド刃119やニッパをあてがう際に、ガイド刃119等がいずれかの斜面を乗り上げてしまうことを抑制することができる。また、ノッチ11の断面積を大きくすることができるため、外被3の樹脂の使用量を削減することができる。
【0063】
また、ノッチ11の幅方向の中心に対して、最深部Bを光ファイバケーブル1の幅方向の中心線O側にずらして配置することで、対角線上のノッチ11の最深部B同士の距離を短くすることができる。このため、解体工具117を使用せずに、ニッパと手で外被3を解体する際に、対角線上のノッチ11間を破断するのが容易となる。また、最深部を頂点C側に位置させると、対向するノッチ11の頂点Cを結ぶ直線状に防護壁13を配置する必要があるため、防護壁13の幅を広くする必要があるが、最深部が頂点Bであれば、防護壁13の幅を狭くすることができる。
【0064】
(第2実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。図4は、第2の実施形態にかかるノッチ11aを示す拡大断面図である。なお、以下の説明において、第1の実施形態と同様の機能を奏する構成については、図1図3等と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0065】
ノッチ11aは、ノッチ11と略同様の構成であるが、ノッチ11aは、断面形状が略四角形ではなく、最深部の頂点Bから側方(幅方向の外側)に向かって厚み中心方向(防護壁13又はテンションメンバ9側)に凸となる曲線形状である。
【0066】
前述したように、ガイド刃119を斜面ABにあてがい、最深部Bに切れ込みを入れるため、第1の実施形態におけるノッチ11の頂点Cは、必ずしも必要ではない。このため、この部分を曲線形状とすることで、より確実に最深部Bに応力集中をさせて、破断させることができる。
【0067】
以上、第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、最深部Bよりも幅方向外側を、中心方向に凸の曲線形状とすることで、V字状のノッチと比較して、外被3の使用樹脂を減らすことができる。また、頂点D近傍においては、傾斜角度を大きくすることができるため、ガイド刃119やニッパをノッチ11aにあてがう際に、当該斜面を乗り上げにくくなり、解体作業が容易となる。
【0068】
(第3実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。図5は、第3の実施形態にかかるノッチ11近傍を示す拡大断面図である。第3の実施形態は、第1の実施形態と略同様の形態であるが、外被3に凸部17が形成される点で異なる。なお、ノッチ11に代えて、ノッチ11aであってもよい。
【0069】
第3の実施形態では、光ファイバケーブル1の中心線Oに一番近い頂点Aの近傍において、外被3の外面に凸部17が形成される。なお、凸部17を形成することで、頂点Aの位置が不明瞭となる場合もあるが、頂点Bから立ち上がる斜面と、外被3の外周面との交点を頂点Aとする。すなわち、凸部17は、頂点Aに接するように形成されることが望ましい。
【0070】
凸部17を形成することで、斜面ABの高さを高くしたのと同様の効果を得ることができる。すなわち、最深部Bの深さを深くしたのと同様の効果を得ることができる。このため、ガイド刃119やニッパ等の乗り上げを抑制することができる。
【0071】
なお、凸部17を形成することで、光ファイバケーブル1(外被3)の厚みが厚くなる。このため、従来の光ファイバケーブル1の断面寸法で規制される場所や部材に適用しようとすると、凸部17がその妨げとなる恐れがある。しかし、凸部17の幅が十分に小さくすれば(例えば、光ファイバケーブル1の幅方向に対する、斜面ABの範囲の幅以下)、対象部位に押し込むことで、容易に凸部17が潰れて、従来の厚みのものと同様に取り扱うことができる。
【0072】
なお、凸部17の高さは、例えば0.05mm以上0.2mm以下が望ましい。凸部17の高さが低すぎると、ガイド刃119等のガイド機能の向上効果がほとんど見込めなくなる。また、凸部17の高さが高くなりすぎると、凸部17が潰れずに、光ファイバケーブル1の厚みが厚くなりすぎて、従来の部材等に適用が困難となる。
【0073】
以上、第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、凸部17を形成することで、ノッチ11の深さを深くしたのと同様の効果を得ることができる。
【0074】
なお、凸部17は、頂点D近傍(光ファイバケーブル1の幅方向の中心線Oとは逆側の頂点側)に形成してもよい。すなわち、ノッチ11の開口部の近傍において、ノッチ11の開口部に向かういずれかの斜面とつながるように、外被3の外面に凸部17が形成されれば、当該斜面におけるガイド刃119やニッパ等の乗り上げを抑制することができる。なお、本実施形態のように、ガイド刃119を光ファイバケーブル1の中心線O側の斜面ABにあてがう場合には、頂点A近傍に凸部17を形成することが望ましい。
【0075】
(第4実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。図6は、第4の実施形態にかかるノッチ11近傍を示す拡大断面図である。第4の実施形態は、第1の実施形態と略同様の形態であるが、ノッチ11を境にして外被3の厚みが同一ではない。なお、ノッチ11に代えて、ノッチ11aであってもよい。
【0076】
本実施形態では、光ファイバケーブル1の幅方向に対して、ノッチ11間の外被3の厚みと、ノッチ11よりも両外側の外被3の厚みとが異なる。より詳細には、外被3の上下面において、併設されるノッチ11の間の領域における外被3の厚みが、ノッチ11よりも外側の領域における外被の厚みよりも薄い。なお、図6において、頂点Aと頂点Dとの高さの差をdとする。すなわち、外被3の幅方向中央部の厚みよりも、両側部の厚みが2dだけ厚くなる。
【0077】
ここで、外被3の上下面において、併設されるノッチ11同士の間は、光ファイバユニット15が収容される領域であり、ノッチ11よりも外側の領域は、テンションメンバ9が配置される領域となる。前述したように、光ファイバユニット15を構成する光ファイバ心線7の本数が多くなると、防護壁13同士の間隔を広くする必要があるため、防護壁13と外被3との距離(a+b)が短くなる。このように、光ファイバユニット15が収容される部位の外被3の厚みが薄いため、光ファイバユニット15に上下方向に力や衝撃がかかると、より直接的に光ファイバ心線7へ力がかかる。このため、伝送損失の増加の要因となる。
【0078】
これに対し、光ファイバユニット15が収容される領域の外被3の厚みを、光ファイバユニット15が収容されていない領域の外被3の厚みよりも薄くしておくことで、当該部位の外被表面から光ファイバユニットまでの距離が短くなるが、光ファイバケーブル1に上下方向から力や衝撃がかかった際に、光ファイバユニット15が収容される領域の外被3に直接力が付与されることが抑制される。すなわち、テンションメンバ9が埋設される部位で、上下方向の力の多くを受け持つことで、光ファイバユニット15へかかる力を低減することができる。
【0079】
以上、第4の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、光ファイバユニット15へかかる力が低減され、外被3の厚みが薄くなっても、伝送損失の増大や断線を抑制することができる。
【実施例
【0080】
複数種類の光ファイバケーブルを作成し、解体作業性等の評価を行った。光ファイバケーブルとしては、概ね図1に示す形状であり、外被は略長方形であり、長辺寸法が5.5mm、短辺寸法が3.3mmの断面形状とした。また、外被の材質は、ノンハロゲン難燃ポリエチレンとした。
【0081】
外被の内部には、40心の光ファイバ心線を収容し、厚さ0.2mmのナイロン製の防護壁で挟み込んだ。光ファイバユニットの両側には介在を配置し、介在の両側には、0.7mm径の亜鉛めっき鋼線製のテンションメンバを配置した。
【0082】
外被の上下面(長辺側)には、それぞれ2つずつのノッチを形成した。ノッチ形状は、概ね図2又は図6に示す形状であり、各部の寸法等を変えて、各種の評価を行った。結果を表1に示す。
【0083】
【表1】
【0084】
表中の、a、c、d、Xは、図2図6に示した部位の寸法であり、∠DABは、頂点Aの内角である。
【0085】
また、表中の「脱線」は、解体工具(図8参照)を使用して解体作業を起こった際に、ガイド刃がノッチから外れて脱線したものを「×」とし、脱線しなかったものを「〇」とした。
【0086】
また、「抵抗」は、解体工具を光ファイバケーブルに沿って移動させて解体作業を行う際に、従来の光ファイバケーブル(図7参照)と比較して、解体工具の抵抗が大きいと感じたものを「×」とし、従来と同様に作業が行われたものを「○」とした。
【0087】
また、表中「機械強度」は、光ファイバケーブルを取り扱っている際に、ノッチ部分の外被に変形(略長方形が略平行四辺形状へ変形するなど)が確認されたものを「×」とし、変形が確認されなかったものを「○」とした。
【0088】
また、表中の「引き裂き性」は、光ファイバケーブルの端末のノッチにニッパで切り込みを入れ、外被を手で引き裂いた際に、容易に引き裂きができたものを「○」とし、より力が必要で引き裂きにくいものを「×」とした。
【0089】
結果より、実施例1~実施例9は、全ての評価が「○」であった。これに対し、比較例1は、寸法aが浅いため、ガイド刃の脱線があった。これに対し、ガイド刃をノッチへ押し込んで使用した場合には、抵抗が「×」となった。また、比較例2、3は、寸法aが大きすぎるため、外被の厚みが薄くなり、機械強度が「×」となった。また、比較例4は、寸法Xが狭すぎるため、ノッチの奥までガイド刃が挿入できず、脱線が「×」となった。また、比較例5は、寸法Xが広すぎるため、ノッチ内でのガイド刃の遊びが生じ、切込み刃の向きと工具の移動方向が一致せずに抵抗が「×」となった。また、比較例6は、a<cであり、最深部が頂点C側となるため、ケーブルの中心方向へ応力集中がしにくくなり、引き裂き性が「×」となった。比較例7は、頂点Aの内角が小さすぎるため、ノッチ内壁がなだらかになり、脱線が「×」となった。また、比較例8は、頂点Aの内角が大きすぎるため、ノッチ内壁ABが急になりすぎるため、ガイド刃が角Aに当たってしまい、ガイド刃がノッチ底まで到達せず、脱線が「×」となった。
【0090】
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0091】
例えば、各実施形態は、互いに組み合わせることができることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0092】
1………光ファイバケーブル
3………外被
5………介在
7………光ファイバ心線
9………テンションメンバ
11、11a………ノッチ
13………防護壁
15………光ファイバユニット
17………凸部
100………光ファイバケーブル
103………外被
105………介在
107………光ファイバ心線
109………テンションメンバ
111………ノッチ
113………防護壁
115………光ファイバユニット
117………解体工具
119………ガイド刃
121………切込み刃
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9