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  • 特許-ピペリレンの製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-16
(45)【発行日】2023-10-24
(54)【発明の名称】ピペリレンの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 7/12 20060101AFI20231017BHJP
   C07C 7/11 20060101ALI20231017BHJP
   C07C 11/20 20060101ALI20231017BHJP
   B01D 61/36 20060101ALI20231017BHJP
   B01D 69/10 20060101ALI20231017BHJP
   B01D 69/12 20060101ALI20231017BHJP
   B01D 71/02 20060101ALI20231017BHJP
【FI】
C07C7/12
C07C7/11
C07C11/20
B01D61/36
B01D69/10
B01D69/12
B01D71/02
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020541168
(86)(22)【出願日】2019-08-29
(86)【国際出願番号】 JP2019033981
(87)【国際公開番号】W WO2020050137
(87)【国際公開日】2020-03-12
【審査請求日】2022-07-04
(31)【優先権主張番号】P 2018166100
(32)【優先日】2018-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000229117
【氏名又は名称】日本ゼオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100150360
【弁理士】
【氏名又は名称】寺嶋 勇太
(74)【代理人】
【識別番号】100174001
【弁理士】
【氏名又は名称】結城 仁美
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 貴博
【審査官】柳本 航佑
(56)【参考文献】
【文献】特開昭48-086846(JP,A)
【文献】特開昭48-076840(JP,A)
【文献】特開2002-348579(JP,A)
【文献】国際公開第2017/169195(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/121377(WO,A1)
【文献】特開2015-160186(JP,A)
【文献】国際公開第2013/125661(WO,A1)
【文献】特開2013-139401(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 7/00-7/20
C07C 11/20
B01D 61/00-61/58
B01D 69/00-69/14
B01D 71/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素数が5の石油留分に由来する炭化水素混合物からピペリレンを製造するピペリレンの製造方法であって、
前記炭化水素混合物は、ピペリレンの含有割合が60質量%以上80質量%以下であるとともに、環状炭化水素の含有割合が20質量%以上40質量%以下であり、
前記炭化水素混合物を、ゼオライト膜により膜分離して、ピペリレンが富化された分離物を得る膜分離工程を含む、
ピペリレンの製造方法。
【請求項2】
前記膜分離工程を、浸透気化法に従って行う、請求項1に記載のピペリレンの製造方法。
【請求項3】
前記ゼオライト膜が、液相中にてシリル化したシリル化ゼオライト膜である、請求項2に記載のピペリレンの製造方法。
【請求項4】
前記ゼオライト膜が、多孔性支持体上に多孔性分離層を有する分離膜であって、前記多孔性支持体が、シラスポーラスガラス又はシリコンカーバイドからなるものである、請求項1から3のいずれか1項に記載のピペリレンの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピペリレンの製造方法に関し、特には、炭素数が5の石油留分に由来する炭化水素混合物を原料としたピペリレンの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ナフサをクラッキングしてエチレンを生産する際に得られる炭素数が5の石油留分などの、炭素数5の炭化水素の混合物からイソプレンなどの有用成分を分離回収する方法として、抽出蒸留を用いた方法が知られている。
【0003】
また、抽出蒸留を用いて炭素数が5の石油留分からイソプレンなどの炭化水素を分離回収するプロセスにおいては、残留分を有効活用することにより原料の利用効率を高めることが試みられている。
【0004】
具体的には、例えば特許文献1では、抽出蒸留によりC5留分からイソプレンを分離した後に得られる抽出残油(ラフィネート)を水素化し、得られた水素化物をエチレンセンターに返送してガソリン基材やエチレンクラッカーの原料として利用する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2012/133732号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、炭素数が5の石油留分から得られる成分の中で、イソプレン以外に、ピペリレン(1,3-ペンタジエン)についても、化学合成に用いるモノマーとしての有用性が着目されつつある。炭素数が5の石油留分から目的の成分が回収されて残留した、所定の組成を有する炭化水素混合物が、ピペリレン及び環状炭化水素を含有することがある。
しかし、特許文献1に記載されたような抽出蒸留によっては、かかる所定の組成の炭化水素混合物から高純度でピペリレンを分離することが難しかった。
【0007】
そこで、本発明は、所定の組成を有する炭化水素混合物から、高純度のピペリレンを製造することができる、ピペリレンの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明のピペリレンの製造方法は、炭素数が5の石油留分に由来する炭化水素混合物からピペリレンを製造するピペリレンの製造方法であって、前記炭化水素混合物は、ピペリレンの含有割合が60質量%以上80質量%以下であるとともに、環状炭化水素の含有割合が20質量%以上40質量%以下であり、前記炭化水素混合物を、ゼオライト膜により膜分離して、ピペリレンが富化された分離物を得る膜分離工程を含むことを特徴とする。かかる製造方法によれば、上記所定の組成を有する炭化水素混合物から、高純度のピペリレンを製造することができる。
【0009】
ここで、本発明のピペリレンの製造方法は、前記膜分離工程を、浸透気化法に従って行うことが好ましい。膜分離工程を、浸透気化法に従って行うことで、高い持続性で、高純度のピペリレンを製造することができる。
【0010】
また、本発明のピペリレンの製造方法において、前記ゼオライト膜が、液相中にてシリル化したシリル化ゼオライト膜であることが好ましい。膜分離工程を浸透気化法に従って行うにあたり、液相中にてシリル化したシリル化ゼオライト膜を用いることで、より高い持続性で、高純度のピペリレンを製造することができる。
【0011】
さらにまた、本発明のピペリレンの製造方法において、前記ゼオライト膜が、多孔性支持体上に多孔性分離層を有する分離膜であって、前記多孔性支持体が、シラスポーラスガラス又はシリコンカーバイドからなることが好ましい。多孔性支持体がシラスポーラスガラス又はシリコンカーバイドからなるものであれば、より高い持続性で、高純度のピペリレンを製造することが可能となる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、所定の組成を有する炭化水素混合物から、高純度のピペリレンを製造することができる、ピペリレンの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に従う炭化水素の製造方法にて用いる原料としての炭化水素混合物を製造可能な炭化水素製造装置の一例の概略構成を示す説明図である。
図2】本発明に従う炭化水素の製造方法の試験に用いた試験装置の一例の概略構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0015】
(ピペリレンの製造方法)
本発明のピペリレンの製造方法は、炭素数が5の石油留分に由来する炭化水素混合物からピペリレンを製造する方法である。そして、本発明のピペリレンの製造方法は、ピペリレンの含有割合が60質量%以上80質量%以下であるとともに、環状炭化水素の含有割合が20質量%以上40質量%以下である炭化水素混合物を原料とすること、及び、炭化水素混合物を、ゼオライト膜により膜分離して、ピペリレンが富化された分離物を得る膜分離工程を実施することを特徴とする。以下、本発明のピペリレンの製造方法にて用いる原料である炭化水素混合物、及び、本発明のピペリレンの製造方法に含まれうる各工程について順次説明する。
【0016】
<炭素数が5の石油留分に由来する炭化水素混合物>
原料となる炭素数が5の石油留分に由来する炭化水素混合物(以下、「原料となる炭化水素混合物」とも称する)は、ピペリレンの含有割合が60質量%以上80質量%以下であるとともに、環状炭化水素の含有割合が20質量%以上40質量%以下であることを特徴とする。なお、原料となる炭化水素混合物は、任意で、他の成分を含有していても良い。他の成分の含有割合は、20質量%以下であり、5質量%以下であることが好ましく、0質量%であっても良い。環状炭化水素としては、特に限定されることなく、シクロペンタン、1-メチルシクロブタン、シクロペンテン、1-メチルシクロブテン、及びシクロペンタジエン等が挙げられる。また、他の成分としては、イソペンタン、イソアミレン、n-ペンタン、及びペンテン等が挙げられる。
【0017】
原料となる炭化水素混合物は、上記組成を満たす限りにおいて、あらゆる方法に従って製造することができる。例えば、原料となる炭化水素混合物は、図1に示す概略構成に従う炭化水素製造装置を用いて得ることができる。図1に示す製造装置100は、炭素数が5の石油留分から、主としてジシクロペンタジエン及びイソプレン等を製造するために用いる製造装置である。かかる製造装置に導入される一次原料としての炭化水素混合物(即ち、炭素数が5の石油留分)は、イソプレン及びピペリレンと、ジシクロペンタジエン及びシクロペンタジエンと、炭素数が5で炭素-炭素二重結合の数が1つ以下の直鎖状炭化水素と、炭素数が5で炭素-炭素二重結合の数が1つ以下の分岐鎖状炭化水素と、炭素数が5で炭素-炭素二重結合の数が1つ以下の環状炭化水素とを含む。
【0018】
製造装置100は、二量化器11と、前蒸留塔12とを備えている。また、製造装置100は、前蒸留塔12から流出した前処理済混合物を含む被抽出蒸留物を抽出蒸留する第一抽出蒸留塔21と、第一抽出蒸留塔21の塔底から流出する留分(A)から抽出溶剤を分離する放散塔22と、放散塔22で留分(A)から抽出溶剤を分離して得た留分を蒸留する第一蒸留塔31とを更に備えている。
【0019】
更に、製造装置100は、第一蒸留塔31の塔頂から流出する留分(C)を精製して高純度のイソプレンを得るイソプレン精製部として、留分(C)が流入する第二抽出蒸留塔41と、第二抽出蒸留塔41の塔底から流出した留分を残留分と抽出溶剤とに分離する放散塔42と、第二抽出蒸留塔41の塔頂から流出した留分を蒸留する第二蒸留塔43と、第二蒸留塔43の塔頂から流出する留分を精製する精製塔44とを備えている。
【0020】
更に、製造装置100は、前蒸留塔12の塔底から流出する留分(E)を精製して高純度のジシクロペンタジエンを得るジシクロペンタジエン精製部として、蒸留塔51を備えている。
【0021】
上記のような構成を有する製造装置では、炭素数が5の石油留分を、まず、二量化器11にて炭素数が5の石油留分中のシクロペンタジエンを二量化してジシクロペンタジエンを含む混合物を得る。そして、得られたジシクロペンタジエンを含む混合物を、前蒸留塔12にて蒸留して、塔頂からは、前処理済混合物を得て、塔底からはジシクロペンタジエンが富化された留分(E)を得る。さらに、前処理済混合物を、第一抽出蒸留塔21で抽出蒸留して、イソプレンおよびピペリレンが富化された留分(A)と、抽出蒸留に用いた抽出溶剤に対する溶解性がイソプレンおよびピペリレンよりも低い直鎖状炭化水素および分岐鎖状炭化水素が富化された留分(B)とを得る。得られた留分(A)からは、放散塔22にて抽出溶剤が分離される。その後、第一蒸留塔31にて、抽出溶剤が除去された留分(A)を蒸留して、イソプレンが富化された留分(C)と、ピペリレンが富化された留分(D)とを得る。なお、留分(C)は、第二抽出蒸留塔41、第二蒸留塔43、精製塔44等を経て、イソプレン及び2-ブチン等に分離されうる。そして、第一蒸留塔31にて得られた留分(D)が、ピペリレンの含有割合が60質量%以上80質量%以下であるとともに、環状炭化水素の含有割合が20質量%以上40質量%以下である炭化水素混合物に相当しうる。
【0022】
<膜分離工程>
膜分離工程では、上述した組成を満たす炭素数が5の石油留分に由来する炭化水素混合物をゼオライト膜により膜分離して、ピペリレンが富化された分離物を得る。ゼオライト膜により所定の組成の炭化水素混合物を膜分離することで、得られる分離物中におけるピペリレン濃度を飛躍的に高めることができる。
【0023】
膜分離工程では、一度の膜分離工程の中で、一回以上の膜分離を実施する限りにおいて特に限定されることなく、複数回の膜分離を実施することができる。一度の膜分離工程の中で複数回の膜分離を実施することで、得られるピペリレンの濃度を一層高めることができる。なお、製造効率の観点から、一度の膜分離工程における膜分離回数の上限は、3回であることが好ましく、2回であることがより好ましい。
【0024】
さらに、膜分離工程は、特に限定されることなく、ガス透過法及び浸透気化法等に従って実施することができる。中でも、膜分離工程を浸透気化法に従って行うことが好ましい。なお、本明細書における「浸透気化法」とは、透過側を減圧条件としたゼオライト膜に対して、液状の炭化水素混合物を供給して、液状の炭化水素混合物の一部をゼオライト膜中にて拡散浸透させることで、ゼオライト膜の透過側に到達し、蒸発して気体となった分離物を得る方法を意味する。膜分離工程を浸透気化法に従って行うことで、ゼオライト膜に詰まりが生じることや、ゼオライト膜表面に付着物が残留することを抑制することができる。より具体的には、液状の炭化水素混合物が接触するゼオライト膜の供給側表面にて、液状の炭化水素混合物の流れがあることにより、非透過成分がゼオライト膜の細孔内に留まって目詰まりを生じることや、非透過成分等が膜表面に残留することを効果的に抑制することができる。このため、浸透気化法を採用することにより、ゼオライト膜を交換、清浄、又は再生等することなく使用可能な期間を長期化することができ、高い持続性で、高純度のピペリレンを製造することができるようになる。
【0025】
膜分離工程を浸透気化法に従って実施する場合において、供給側にて液状の炭化水素混合物に対して印加する圧力、及び、供給側にて液状の炭化水素混合物を昇温する温度は、供給側にて炭化水素混合物が気化しないように、適宜制御することができる。中でも、供給側における炭化水素混合物の加熱温度は、100℃以下であることが好ましく、80℃以下であることがより好ましく、75℃以下であることが特に好ましい。このとき、圧力は、温度条件に基づいて、炭化水素混合物が気化しないように、適宜制御することができるが、供給側と透過側の圧力差は、200kPa以上1.1MPa以下であることが好ましく、200kPa以上600kPa以下であることがより好ましい。加熱温度が上記上限値以下であれば、供給側にて炭化水素混合物に過度に高い圧力を印加する必要無く、効率的に膜分離を実施することができる。また、供給側における炭化水素混合物の加熱温度は、10℃以上であることが好ましく、15℃以上であることがより好ましい。加熱温度が上記下限値以上であれば、膜分離工程における透過流束を高めることができ、効率的にピペリレンを製造することができる。
【0026】
また、膜分離工程で使用するゼオライト膜は、複数の細孔を有する多孔質体である多孔性支持体として、シラスポーラスガラス等のガラス;二酸化ケイ素(シリカ)、シリコンカーバイド(炭化ケイ素)、チタニア等のセラミックス;及びステンレス鋼等の金属からなる多孔質体を用いて、国際公開第2016/121377号に開示されたような既知の方途に従って製造することができる。前記多孔質体の中でも、シラスポーラスガラス又はシリコンカーバイドからなる多孔質体が、好ましい。多孔性支持体がシラスポーラスガラス又はシリコンカーバイドからなるものであれば、より高い持続性で、高純度のピペリレンを製造することが可能となる。上記列挙に係る多孔性支持体は、ジオレフィンであるピペリレンを接触させた場合であっても、固体酸反応を起こし難いため、ピペリレンの製造に際して好適に用いることができる。ゼオライト膜としては、かかる多孔性支持体上に、MFI型ゼオライトを含む多孔性分離層を有する分離膜が好ましい。
【0027】
また、膜分離工程で使用するゼオライト膜は、シリル化剤を用いたシリル化処理を施されたゼオライト膜であることが好ましい。シリル化剤としては、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン等が挙げられる。また、シリル化剤は、ハロゲン原子を非含有であることが好ましく、上記列挙にかかるシリル化剤の中でも、ヘキサメチルジシラザンが特に好ましい。シリル化剤がハロゲン原子を非含有であれば、ゼオライト膜がシリル化処理によって劣化することを抑制することができるからである。そして、シリル化処理の方法としては、特に限定されることなく、蒸気状態としたシリル化剤に対してゼオライト膜を接触させることを含む気相シリル化法、及び液体状態のシリル化剤に対してゼオライト膜を接触させることを含む液相シリル化法が挙げられる。
【0028】
より具体的には、気相シリル化法では、シリル化剤をバブリング等の既知の気化方法に従って気化する気化工程と、気化工程で得られたシリル化剤の蒸気に対して、ゼオライト膜を接触させる蒸気接触工程とを実施する。そして、気相シリル化法における接触時間は、例えば、12時間以上24時間以下であり得る。
【0029】
また、液相シリル化法では、シリル化剤を含む液体に対してゼオライト膜を浸漬させる浸漬工程を実施する。シリル化剤を含む液体は、液状のシリル化剤のみからなる液体であっても良いし、シリル化剤と、溶媒とを含む溶液であっても良い。溶媒としては、特に限定されることなく、既知の溶媒を用いることができる。液相シリル化法における浸漬時間は、例えば、12時間以上24時間以下であり得る。
【0030】
ゼオライト膜をシリル化処理するにあたり、シリル化処理の方法として、液相シリル化法を採用することが好ましい。液相中にてシリル化したシリル化ゼオライト膜を用いて膜分離工程を実施することで、ゼオライト膜を交換、清浄、又は再生等することなく使用可能な期間を長期化することができ、高い持続性で、高純度のピペリレンを製造することができるようになる。
【0031】
<回収工程>
そして、膜分離工程にて分離されて、ゼオライト膜の透過側に存在する分離物は、冷却等の既知の方途により、回収することができる。なお、膜分離工程において、上述した、浸透気化法及びガス透過法の何れを採用した場合であっても、ゼオライト膜の透過側に存在する分離物は気体状態で存在し、冷却により凝縮して液状となって回収されうる。なお、回収工程にて回収された分離物における、ピペリレンの濃度は、90質量%以上であることが好ましく、94質量%以上であることがより好ましい。また、分離物における、環状炭化水素の濃度は、10質量%以下であることが好ましく、6質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることがさらに好ましい。
【実施例
【0032】
以下、本発明について実施例を用いて更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、特に断らない限り、圧力はゲージ圧である。
【0033】
(実施例1)
ピペリレンの含有割合が62質量%以上65質量%以下、環状炭化水素の含有割合が35質量%以上38質量%以下である炭化水素混合物(a)について、下記に従って得た液相シリル化済ゼオライト膜を用いて、浸透気化法に従う膜分離工程を実施した。
【0034】
<ゼオライト膜の準備>
<<種結晶用水性ゾルの調製>>
濃度22.5質量%のテトラプロピルアンモニウムヒドロキシド水溶液(東京化成工業社製)152.15g(構造規定剤としてのテトラプロピルアンモニウムヒドロキシド換算で34.23g)と、超純水48.44gとをマグネチックスターラーで混合した。更に、シリカ源としてのテトラエトキシシラン(SIGMA-ALDLICH社製)99.41gを加えて、室温にて70分間マグネチックスターラーで混合することで、種結晶作製用の水性ゾルを調製した。
【0035】
<<ゼオライト種結晶の作製>>
種結晶用水性ゾルをフッ素樹脂製内筒付ステンレス鋼製耐圧容器内に入れ、130℃の熱風乾燥器中で48時間反応(水熱合成)させた。次に、得られた反応液を遠心分離機(4000rpm)で30分間遠心分離することにより固液分離し、固形分を回収した。そして、回収した固形分を80℃の恒温乾燥器中で12時間乾燥し、次いで、得られた乾燥固体を乳鉢にて粉砕することにより、ゼオライト種結晶を得た。得られたゼオライト種結晶は、X線回折測定により、MFI型構造を有していることが確認された。なお、ゼオライト種結晶の平均粒子径は、400nmであった。
【0036】
<<多孔性支持体へのゼオライト種結晶の付着>>
円筒状の多孔質支持体であるシラスポーラスガラス(エス・ピー・ジーテクノ社製、細孔径:1.4μm、外径φ:10mm、長さL:100mm。表中、「SPG」と表記する。)をアセトンで洗浄後乾燥させ、更に超純水に10分間浸漬した。そして、超純水に浸漬した後の湿った多孔性支持体の外表面上に、上記にて得られたゼオライト種結晶0.05gを擦り付け、80℃の乾燥器中で12時間乾燥させることで、多孔性支持体の表面にゼオライト種結晶を付着させた。
【0037】
<<多孔性分離層用水性ゾルの調製>>
濃度22.5質量%のテトラプロピルアンモニウムヒドロキシド水溶液(東京化成工業社製)4.99g(構造規定剤としてのテトラプロピルアンモニウムヒドロキシド換算で1.12g)と、構造規定剤としてのテトラプロピルアンモニウムブロミド(和光純薬社製)0.74gと、超純水238.79gとを、室温にて10分マグネチックスターラーで混合した。更に、シリカ源としてのテトラエトキシシラン(SIGMA-ALDLICH社製)6.71gを加えて、室温にて60分間マグネチックスターラーで混合することで、多孔性分離層形成用の水性ゾルを調製した。なお、水性ゾルの組成は、モル比で、テトラエトキシシラン:テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド:テトラプロピルアンモニウムブロミド:水=1:0.2:0.1:419であった。
【0038】
<<多孔性分離層の形成>>
上記にて得られた多孔性分離層用水性ゾルをステンレス鋼製耐圧容器内に入れた。次に、ゼオライト種結晶を付着させた多孔性支持体を多孔性分離層用水性ゾルに浸漬し、185℃の熱風乾燥器中で24時間反応(水熱合成)させて、多孔性支持体上に多孔性分離層を形成した。そして、多孔性分離層を形成した多孔性支持体に対し、洗浄液として蒸留水を使用して、1時間の煮沸洗浄を2回行った。その後、多孔性分離層を形成した多孔性支持体を80℃の恒温乾燥器で12時間乾燥させた。次いで、多孔性分離層中に含まれている構造規定剤(テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムブロミド)を除去するために焼成を行い、分離膜を得た。なお、焼成条件は、昇温速度:0.25℃/分、焼成温度:500℃、焼成時間(保持時間):20時間、降温速度0.38℃/分とした。
そして、得られた分離膜について、多孔性分離層の層厚を測定した。また、多孔性分離層のX線回折測定を行い、X線回折パターンを得た。その結果、得られたX線回折パターンより、多孔性分離層はMFI型ゼオライトを含んでいることが確認された。
【0039】
<<シリル化工程>>
シリル化剤として、ヘキサメチルジシラザンを用いた。上記で得られた分離膜を、常温(JIS Z 8703:1983)下で、常温液体であるヘキサメチルジシラザンに対して24時間浸漬させてから引き上げ、150℃で4時間乾燥させて、液相中にてシリル化したシリル化ゼオライト膜を得た。
【0040】
<膜分離工程>
上記に従って得られたシリル化ゼオライト膜を使用し、図2に示すような概略構成を有する試験装置200を用いて、膜分離を行った。膜分離工程では、膜分離を2度実施した。以下、最初の膜分離を第1の膜分離と称し、2度目の膜分離を第2の膜分離と称する。
【0041】
[試験装置]
図2に示す試験装置200は、原料タンク102と、送液ポンプ103と、第1熱交換器104と、分離装置105と、第2熱交換器107とを備えている。なお、分離装置105は、円筒管に、上記にて得られたシリル化ゼオライト膜を組み付けることにより構成されている。また、図2に示す試験装置200は、三方弁110を介して分離装置105に接続されたコールドトラップ106及びサンプリング用コールドトラップ113と、三方弁114を介してコールドトラップ106及びコールドトラップ113の下流側に接続された減圧ポンプ111とを備えている。更に、試験装置200は、原料タンク102と送液ポンプ103との間に、サンプリング用弁112を備えており、また、分離装置5の下流側に、背圧弁108及び圧力計109を備えている。
ここで、図2に示す試験装置200では、原料タンク102に充填された原料が、送液ポンプ103にて第1熱交換器104へと送られる。この際、膜分離工程で浸透気化法(表中、「PV」と略記した。なお、PVは「pervaporation」の意味である。)を実施する場合には、非透過側の圧力条件下で原料が気化しない範囲の温度に加温されうる。なお、第1熱交換器104にて熱交換を行わない、即ち、原料を加温しなくても良い。また、膜分離工程を浸透気化法ではなくガス透過法(表中、「VP」と略記した。なお、VPは「vapor permeation」の意味である。)に従って実施する場合には、第1熱交換器104により、原料が、非透過側の圧力条件下にて気化するような温度に加温されうる。そして、原料は、液相にて分離装置105へと送られ、シリル化ゼオライト膜を備える分離装置105により成分の分離(膜分離)が行われる。ここで、試験装置200においては、減圧ポンプ111によりシリル化ゼオライト膜の透過側は減圧状態とされており、シリル化ゼオライト膜を透過した成分は、三方弁110を介して接続されたコールドトラップ106又はサンプリング用コールドトラップ113へと送られる。一方、分離装置105に備えられたシリル化ゼオライト膜を透過しなかった非透過成分は、第2熱交換器107で冷却され、原料タンク102に還流される。なお、試験装置200では、分離装置105の下流側に設けた背圧弁108及び圧力計109により、背圧を調整している。そして、試験装置200では、三方弁110,114を切り替えることで、分離装置105に備えられたシリル化ゼオライト膜を透過した透過成分を、透過側のサンプルとして抽出することができる。
[膜分離]
図2に示す試験装置200を用いた第1の膜分離は、以下のようにして実施した。
具体的には、まず、上記所定の組成を満たす炭化水素混合物(a)を原料タンク102に充填し、脱気操作を3回行った後、送液ポンプ103にて、炭化水素混合物(a)を、70℃に加温された第1熱交換器104を介して、液相にて分離装置5に供給し、次いで、第2熱交換器7により凝縮し、原料タンク102に戻す原料循環処理を開始した。そして、原料循環処理開始後、系内の温度が定常状態に達するまで運転を行い、系内の温度が定常状態に達した後、背圧弁108により非透過側を180kPaに加圧するとともに、減圧ポンプ111を起動することで透過側(分離装置105内におけるシリル化ゼオライト膜の透過側の領域、コールドトラップ106、及びコールドトラップ113)を-100kPaに減圧し、系内の温度、圧力が安定したことを確認した後、透過側の三方弁110を開くことで、第1の膜分離を開始した。即ち、温度70℃、非透過側と透過側の差圧280kPaの条件で第1の膜分離を行った。
そして、第1の膜分離を開始した後、5分経過した時点において、透過側のサンプルの抽出を開始した。具体的には、三方弁10,14を用いて、透過側の流路をコールドトラップ106側からサンプリング用コールドトラップ113側に切替えて、サンプリング用コールドトラップ113にて透過側のサンプルを凝縮液として捕集することにより抽出した。なお、この際におけるサンプリング時間は10分間とした。
次いで、第2の膜分離を実施した。第2の膜分離の実施にあたり、まず、第1の膜分離にて得られた透過側のサンプル(凝縮液)を、試験装置200の原料タンク102に充填した。第1熱交換器104を加温しなかった点、サンプリングの開始を55分経過時点とした点、及びサンプリング時間を20分間とした点以外は、第1の膜分離の場合と同様にして、第2の膜分離を実施し、透過側のサンプルを得た。
第1及び第2の膜分離で得られた、透過側のサンプルのそれぞれについて、重量を秤量するとともに、ガスクロマトグラフにて、ピペリレン濃度を測定した。その結果、第1の膜分離で得られたサンプルにおけるピペリレン濃度は95質量%であり、第2の膜分離で得られたサンプルにおけるピペリレン濃度は98質量%であった。また、第2の膜分離で得られたサンプルにおける環状炭化水素の濃度は0.5質量%であった。
なお、ピペリレン濃度を測定した際のガスクロマトグラフを用いた測定の測定条件は以下の通りであった。
・装置: 島津製作所社製GC-2025
・カラム: アジレント社製 Inertcap 60m
・カラム温度:40℃~250℃
・インジェクション温度:250℃
・キャリヤーガス:窒素
・検出器:水素炎イオン化型検出器
【0042】
(比較例1)
実施例1と同じ、炭化水素混合物(a)を、膜分離によらず、抽出蒸留法に従って分離して、ピペリレンを製造する場合をシミュレーションソフトウエア(アスペンテック社製、「Aspen plus」)を用いてシミュレーションした。シミュレーション条件は以下の通りとした。
還流比:5
段数:100段
feed段:20段
D/F:0.1
feed量:1kg/hr
温度:70℃
圧力:130kPaG
【0043】
シミュレーション結果は以下の通りであった。
(1)留出液側
留出液量:0.1kg/hr
温度:41℃
圧力:0kPaG
留出液におけるピペリレン濃度:76質量%
(2)缶出液側
缶出液量:0.9kg/hr
温度:56℃
圧力:55kPaG
缶出液におけるピペリレン濃度:64質量%
【0044】
実施例1と比較例1との比較により、以下のことが分かる。実施例1より明らかなように、所定の組成を満たす炭化水素混合物を、膜分離することにより得た分離物は、ピペリレンの濃度が顕著に高かったことが分かる。一方、比較例1より、膜分離に代えて、抽出蒸留法により、所定の組成を満たす炭化水素混合物からピペリレンを分離しようとした場合には、ピペリレンの濃度が充分に高い分離物を得ることができないと考えられる。
【0045】
(実施例2)
実施例1の第1の膜分離で得られたサンプルについて、下記に従って分離係数及び分離性能維持率を算出した。結果を表1に示す。
<分離係数及び分離性能維持率の算出方法>
まず、下記式(I)を用いて透過流束Fを算出した。また、下記式(II)を用いて分離係数αを算出した。そして、分離係数αと透過流束Fとの積(F×α)を算出し、その値に基づいて分離性能を評価した。F×αの値が大きいほど、分離性能に優れていることを示す。さらに、試験開始後10分の時点におけるF×αの値を100%とした、以降のサンプリング時点におけるF×αの値の割合を算出し、分離性能維持率とした。分離性能維持率の値が高い程、高い持続性で、高純度のピペリレンを製造することができることを意味する。
F[Kg/(m2・h)]=W/(A×t) ・・・(I)
α=(Y/Y)/(X/X) ・・・(II)
なお、式(I)中、Wは、分離膜を透過した成分の質量[kg]であり、Aは、分離膜の有効面積[m]であり、tは、処理時間[時間]である。また、式(II)中、Xは、原料中のピペリレンの含有割合[モル%]であり、Xは、原料中の環状炭化水素の含有割合[モル%]であり、Yは、透過側サンプル中のピペリレンの含有割合[モル%]であり、Yは、透過側サンプル中の環状炭化水素の含有割合[モル%]である。
また、透過側サンプルの取得にあたり、後述のように、サンプリング時間は10分間とした。試験開始後10分、1時間後、2時間後、3時間後、4時間後、及び5時間後の各時点における上記各値はそれぞれ、かかる時点が、10分間のサンプリング時間の中間時点となるように取得した各サンプルを用いて算出した。
【0046】
(実施例3)
気相でシリル化を行って得たシリル化膜を用いて膜分離工程を行った例である。具体的には、<ゼオライト膜の準備>における<<シリル化工程>>において、液相ではなく気相でシリル化を行った以外は、第1の膜分離まで、実施例1と同様の操作を行った。第1の膜分離により得られたサンプルについて、実施例2と同様の測定及び評価を実施した。結果を表1に示す。なお、分離膜の多孔性分離層のX線回折測定の結果、多孔性分離層はMFI型ゼオライトを含んでいることが確認された。
<気相シリル化工程>
気相でのシリル化に際して、実施例1における<<多孔性分離層の形成>>工程と同様の工程を経て得られた分離膜に対して、窒素バブリングにより気化したヘキサメチルジシラザンの蒸気を24時間にわたって接触させた。その後、150℃で4時間乾燥させて、気相中にてシリル化したシリル化ゼオライト膜を得た。
【0047】
(実施例4)
膜分離工程をガス透過法(VP法)に従って実施した例である。具体的には、<ゼオライト膜の準備>における<<シリル化工程>>を実施しなかったこと、及び<膜分離工程>の[膜分離]における非透過側の圧力を140kPaとして、ゼオライト膜の非透過側表面に気体状の炭化水素混合物(a)が接触するようにした以外は、第1の膜分離まで、実施例1と同様の操作を行った。第1の膜分離により得られたサンプルについて、実施例2と同様の測定及び評価を実施した。結果を表1に示す。
【0048】
(実施例5)
ピペリレンの含有割合が60質量%以上80質量%以下、環状炭化水素の含有割合が20質量%以上40質量%以下である炭化水素混合物(a-1)を対象として、膜分離工程を行った。膜分離工程にて用いる分離膜としては、ゼオライト種結晶を付着させる多孔性支持体を、シラスポーラスガラスとは別の多孔性支持体に変更して形成した分離膜を採用した。具体的には、<ゼオライト膜の準備>における<<多孔性支持体へのゼオライト種結晶の付着>>において、多孔質支持体をシラスポーラスガラスに代えてシリコンカーバイド(細孔径:1.4μm、外径φ:12mm、長さL:100mm。表中、「SiC」と表記する。)を用いたこと、及び<<多孔性分離層の形成>>において、熱風乾燥機の温度を185℃に代えて125℃としたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。第1の膜分離により得られたサンプルについて、実施例2と同様の測定及び評価を実施した。結果を表1に示す。
なお、分離膜の多孔性分離層のX線回折測定の結果、多孔性分離層はMFI型ゼオライトを含んでいることが確認された。
【0049】
(実施例6)
ピペリレンの含有割合が60質量%以上80質量%以下、環状炭化水素の含有割合が20質量%以上40質量%以下である炭化水素混合物(a-1)を対象として、膜分離工程を行った。膜分離工程にて用いる分離膜としては、ゼオライト種結晶を付着させる多孔性支持体を、シラスポーラスガラスとは別の多孔性支持体に変更し、さらに、ゼオライト膜についてシリル化を行わずに形成した分離膜を採用した。具体的には、<ゼオライト膜の準備>における<<多孔性支持体へのゼオライト種結晶の付着>>において、シラスポーラスガラスに代えてシリコンカーバイドを用いたこと、及び<<多孔性分離層の形成>>において、熱風乾燥機の温度を185℃に代えて125℃とし、<<シリル化工程>>を実施しなかったこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。第1の膜分離により得られたサンプルについて、実施例2と同様の測定及び評価を実施した。結果を表1に示す。
なお、分離膜の多孔性分離層のX線回折測定の結果、多孔性分離層はMFI型ゼオライトを含んでいることが確認された。
【0050】
【表1】
【0051】
実施例2~3と、実施例4との比較により明らかなように、膜分離工程にて、分離膜としてシリル化ゼオライト膜を採用し、且つ、浸透気化法を採用することで、膜分離工程における分離性能維持率の低下を緩やかにすることができたことが分かる。また、実施例2~実施例6の比較により明らかなように、特に、液相中にてシリル化したシリル化ゼオライト膜を用いた場合に、シリル化をしていないゼオライト膜及び気相中にてシリル化したゼオライト膜を用いた場合と比較して、分離性能維持率の低下を一層緩やかにすることができたことが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明によれば、所定の組成を有する炭化水素混合物から、高純度のピペリレンを製造することができる、ピペリレンの製造方法を提供することができる。
【符号の説明】
【0053】
11 二量化器
12 前蒸留塔
21 第一抽出蒸留塔
22 放散塔
31 第一蒸留塔
41 第二抽出蒸留塔
42 放散塔
43 第二蒸留塔
44 精製塔
51 蒸留塔
100 製造装置
102 原料タンク
103 送液ポンプ
104 第1熱交換器
105 分離装置
106 コールドトラップ
107 第2熱交換器
108 背圧弁
109 圧力計
110,114 三方弁
111 減圧ポンプ
112 サンプリング用弁
113 サンプリング用コールドトラップ
200 試験装置
図1
図2