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特許7368412無線送電装置、無線給電システム、及び無線給電方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-16
(45)【発行日】2023-10-24
(54)【発明の名称】無線送電装置、無線給電システム、及び無線給電方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/80 20160101AFI20231017BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20231017BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20231017BHJP
【FI】
H02J50/80
H02J50/10
H02J7/00 301D
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021069318
(22)【出願日】2021-04-15
(62)【分割の表示】P 2016191655の分割
【原出願日】2016-09-29
(65)【公開番号】P2021103941
(43)【公開日】2021-07-15
【審査請求日】2021-04-15
(73)【特許権者】
【識別番号】308033711
【氏名又は名称】ラピスセミコンダクタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】赤堀 博次
【審査官】坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-150636(JP,A)
【文献】特開2015-035944(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0211239(US,A1)
【文献】特開2015-208157(JP,A)
【文献】特開2012-065472(JP,A)
【文献】特開2014-222998(JP,A)
【文献】特開2012-125112(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/80
H02J 50/10
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線により無線受電装置へ電力を送電する送電部と、
前記無線受電装置が送電を希望する電力を表す希望送電電力情報の受信を行う送電側通信部と、
前記送電側通信部が受信した前記希望送電電力情報に応じた送電電力に対する前記無線受電装置が受電した受電電力の割合である給電効率に対して予め定められている時間情報を用いて、前記送電部による電力の送電時間を制御する制御部と、
を備え
前記送電側通信部は、さらに前記無線受電装置から連続して送電を行う第1連続送電時間を表す連続送電時間情報と、前記給電効率を表す給電効率情報を受信し、
前記制御部は、前記給電効率に基づいて第2連続送電時間を導出し、前記第1連続送電時間と前記第2連続送電時間とのうちの時間の短い方を、前記時間情報として用いる、
無線送電装置。
【請求項2】
無線により無線受電装置へ電力を送電する送電部と、
前記無線受電装置が送電を希望する電力を表す希望送電電力情報の受信を行う送電側通信部と、
前記送電側通信部が受信した前記希望送電電力情報に応じた送電電力に対する前記無線受電装置が受電した受電電力の割合である給電効率に対して予め定められている時間情報を用いて、前記送電部による電力の送電時間を制御する制御部と、
を備え
前記送電側通信部は、さらに前記無線受電装置から連続して送電を行う第1連続送電時間を表す連続送電時間情報と、前記受電電力を表す受電電力情報を受信し、
前記制御部は、前記送電側通信部が受信した前記受電電力情報によって表される受電電力を用いて前記給電効率を導出すると共に、前記給電効率に基づいて第2連続送電時間を導出し、前記第1連続送電時間と前記第2連続送電時間とのうちの時間の短い方を、前記時間情報として用いる、
無線送電装置。
【請求項3】
無線送電装置と無線受電装置とを備えた無線給電システムであって、
前記無線送電装置は、無線により前記無線受電装置へ電力を送電する送電部、前記無線受電装置が送電を希望する電力を表す希望送電電力情報の受信を行う送電側通信部、及び前記希望送電電力情報に応じた送電電力に対する前記無線受電装置が受電した受電電力の割合である給電効率に対して予め定められている時間情報を用いて、前記送電部による電力の送電時間を制御する制御部を含み、
前記送電側通信部は、さらに前記無線受電装置から連続して送電を行う第1連続送電時間を表す連続送電時間情報と、前記給電効率を表す給電効率情報を受信し、
前記制御部は、前記給電効率に基づいて第2連続送電時間を導出し、前記第1連続送電時間と前記第2連続送電時間とのうちの時間の短い方を、前記時間情報として用い、
前記無線受電装置は、無線により前記無線送電装置から電力を受電する受電部、送電を希望する電力を表す希望送電電力情報の送信を行う受電側通信部、及び送電電力に対する前記受電部が受電した受電電力の割合である給電効率を導出する導出部を含む、
無線給電システム。
【請求項4】
無線により無線受電装置へ電力を送電し、
前記無線受電装置が送電を希望する電力を表す希望送電電力情報の受信を行い、
前記希望送電電力情報に応じた送電電力に対する前記無線受電装置が受電した受電電力の割合である給電効率に対して予め定められている時間情報を用いて、電力の送電時間を制御する場合に、
さらに前記無線受電装置から連続して送電を行う第1連続送電時間を表す連続送電時間情報と、前記給電効率を表す給電効率情報を受信し、
前記給電効率に基づいて第2連続送電時間を導出し、前記第1連続送電時間と前記第2連続送電時間とのうちの時間の短い方を、前記時間情報として用いる
処理を含む無線給電方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線送電装置、無線給電システム、及び無線給電方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、非接触(ワイヤレス)で、無線により無線送電装置から無線受電装置に対して電力の送電を行い、無線受電装置が受電した電力を電池等に給電する無線給電システムが知られている。
【0003】
当該無線給電システムでは、給電状態によって、無線受電装置が受電する電力量が変化することが知られている。例えば、受電する単位時間あたりの電力量は、無線送電装置及び無線受電装置の位置や距離等に応じて変化する。また、例えば、無線送電装置と無線受電装置との間に遮蔽物等、他の物体が存在するか否かにより、受電する電力量は異なる。
【0004】
このように給電状態により、受電する電力量が変化するため、効率的な給電処理を行う技術が知られている。例えば、特許文献1には、無線送電装置が、設定電力に応じて無線受電装置に電力を給電し、受電した電力量を無線受電装置から受信し、設定電力に対する受電電力の割合である受電率を算出して、算出した受電率に基づいて送電のオンオフを制御する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2014-150636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述したように無線送電装置と無線受電装置との給電状態により受電する電力量が変化することにより生じる問題が知られている。
【0007】
例えば、無線送電装置と無線受電装置との距離が近い場合(図3参照、詳細後述)、無線送電装置と無線受電装置との距離が遠い場合(図4参照、詳細後述)に比べて、受電する電力量が多くなる。無線送電装置から無線受電装置へ送電している最中に、無線送電装置と無線受電装置との距離が近付いた場合、無線受電装置が受電する電力量が増加する。無線受電装置では、必要とする電力量が変化しない場合、増加した電力量は給電に利用されず、熱に変換されて消費される。この際、発生した熱が、無線送電装置に悪影響を与える場合があるという問題があった。
【0008】
この問題に対して、無線受電装置で発生する発熱量を考慮して無線送電装置が連続して送電する時間を制御する必要がある。この場合、上述した様に無線受電装置が受電する電力量が変化することにより、発熱量も変化するため、例えば、最大発熱量を勘案して連続して送電する時間(以下、「連続送電時間」という)を短くする制御を行う方法が挙げられる。しかしながら、連続送電時間を短くすることにより、必要な電力量を給電するために要する全体の給電時間が長くなる場合があった。
【0009】
一方、無線送電装置から無線受電装置へ送電している最中に、無線送電装置と無線受電装置との距離が離れた場合、無線受電装置が受電する電力量が減少する。この場合、無線受電装置では、発生する熱量が減少する、または熱が発生しなくなるため、連続送電時間を長くすることができる。しかしながら、上述したように、再び、無線送電装置と無線受電装置との距離が近付く場合があるため、最大発熱量を勘案して連続送電時間を制御する等、必ずしも連続送電時間を短くすることができない場合があった。そのため、無線給電の処理効率が低下するという問題が生じる場合があった。
【0010】
特許文献1に記載の技術では、高効率な給電処理を行うことを目的としているが、特許文献1に記載の技術を用いても、充分に処理効率を向上させることができない場合があった。
【0011】
本発明は、無線給電の処理効率を向上させることができる、無線送電装置、無線給電システム、及び無線給電方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の無線送電装置は、無線により無線受電装置へ電力を送電する送電部と、前記無線受電装置が送電を希望する電力を表す希望送電電力情報の受信を行う送電側通信部と、前記送電側通信部が受信した前記希望送電電力情報に応じた送電電力に対する前記無線受電装置が受電した受電電力の割合である給電効率に対して予め定められている時間情報を用いて、前記送電部による電力の送電時間を制御する制御部と、を備え、前記送電側通信部は、さらに前記無線受電装置から連続して送電を行う第1連続送電時間を表す連続送電時間情報と、前記給電効率を表す給電効率情報を受信し、前記制御部は、前記給電効率に基づいて第2連続送電時間を導出し、前記第1連続送電時間と前記第2連続送電時間とのうちの時間の短い方を、前記時間情報として用いる。また、本発明の無線送電装置は、無線により無線受電装置へ電力を送電する送電部と、前記無線受電装置が送電を希望する電力を表す希望送電電力情報の受信を行う送電側通信部と、前記送電側通信部が受信した前記希望送電電力情報に応じた送電電力に対する前記無線受電装置が受電した受電電力の割合である給電効率に対して予め定められている時間情報を用いて、前記送電部による電力の送電時間を制御する制御部と、を備え、前記送電側通信部は、さらに前記無線受電装置から連続して送電を行う第1連続送電時間を表す連続送電時間情報と、前記受電電力を表す受電電力情報を受信し、前記制御部は、前記送電側通信部が受信した前記受電電力情報によって表される受電電力を用いて前記給電効率を導出すると共に、前記給電効率に基づいて第2連続送電時間を導出し、前記第1連続送電時間と前記第2連続送電時間とのうちの時間の短い方を、前記時間情報として用いる。
【0013】
また、上記目的を達成するために、本発明の無線給電システムは、無線送電装置と無線受電装置とを備えた無線給電システムであって、前記無線送電装置は、無線により前記無線受電装置へ電力を送電する送電部、前記無線受電装置が送電を希望する電力を表す希望送電電力情報の受信を行う送電側通信部、及び前記希望送電電力情報に応じた送電電力に対する前記無線受電装置が受電した受電電力の割合である給電効率に対して予め定められている時間情報を用いて、前記送電部による電力の送電時間を制御する制御部を含み、前記送電側通信部は、さらに前記無線受電装置から連続して送電を行う第1連続送電時間を表す連続送電時間情報と、前記給電効率を表す給電効率情報を受信し、前記制御部は、前記給電効率に基づいて第2連続送電時間を導出し、前記第1連続送電時間と前記第2連続送電時間とのうちの時間の短い方を、前記時間情報として用い、前記無線受電装置は、無線により前記無線送電装置から電力を受電する受電部、送電を希望する電力を表す希望送電電力情報の送信を行う受電側通信部、及び送電電力に対する前記受電部が受電した受電電力の割合である給電効率を導出する導出部を含む。
【0014】
さらに、上記目的を達成するために、本発明の無線給電方法は、無線により無線受電装置へ電力を送電し、前記無線受電装置が送電を希望する電力を表す希望送電電力情報の受信を行い、前記希望送電電力情報に応じた送電電力に対する前記無線受電装置が受電した受電電力の割合である給電効率に対して予め定められている時間情報を用いて、電力の送電時間を制御する場合に、さらに前記無線受電装置から連続して送電を行う第1連続送電時間を表す連続送電時間情報と、前記給電効率を表す給電効率情報を受信し、前記給電効率に基づいて第2連続送電時間を導出し、前記第1連続送電時間と前記第2連続送電時間とのうちの時間の短い方を、前記時間情報として用いる処理を含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、無線給電の処理効率を向上させることができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1実施形態における無線給電システムの一例の概略を表す構成図である。
図2】第1実施形態の無線給電システムにおける給電動作の制御において、無線送電装置が実行する送電制御処理及び無線受電装置が実行する受電制御処理の一例を示すフローチャートである。
図3】給電状態として無線送電装置と無線受電装置との距離が短い場合の一例を説明する説明図である。
図4】給電状態として無線送電装置と無線受電装置との距離が長い場合の一例を説明する説明図である。
図5】第1実施形態の無線送電装置のマイコンに予め記憶されている給電効率と連続送電時間との対応関係を表す情報を説明する説明図である。
図6】第1実施形態の無線受電装置のマイコンに予め記憶されている給電効率と連続送電時間との対応関係を表す情報を説明する説明図である。
図7】第2実施形態の無線給電システムにおける給電動作の制御において、無線送電装置が実行する送電制御処理及び無線受電装置が実行する受電制御処理の一例を示すフローチャートである。
図8】第3実施形態の無線給電システムにおける給電動作の制御において、無線送電装置が実行する送電制御処理及び無線受電装置が実行する受電制御処理の一例を示すフローチャートである。
図9】各実施形態における無線給電システムの変形例の概略を表す構成図である。
図10】給電制御情報が単位時間あたりの送電電力値及び連続送電時間である場合に、無線送電装置のマイコンに予め記憶されている対応関係を表す情報、及び無線受電装置のマイコンに予め記憶されている対応関係を表す情報を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、図面を参照して、各実施形態を詳細に説明する。
【0018】
[第1実施形態]
まず、本実施形態の無線給電システムの構成について説明する。図1には、本実施形態の無線給電システム10の一例の概略を表す構成図を示す。
【0019】
図1に示すように、本実施形態の無線給電システム10は、コイルアンテナ22を含む無線送電装置12と、コイルアンテナ32を含む無線受電装置14と、を備える。
【0020】
本実施形態の無線給電システム10では、無線送電装置12から無線受電装置14へ、無線により非接触(ワイヤレス)で給電を行う。本実施形態の無線給電システム10では、無線給電の一例として、電磁誘導方式を用いる場合について説明する。本実施形態の無線給電システム10では、給電を行う場合、無線送電装置12は、コイルアンテナ22に交流電流を流すことにより磁束を発生させる。その結果、無線受電装置14のコイルアンテナ32を貫く磁束が変化し、コイルアンテナ32にも交流電流が流れる。
【0021】
また、本実施形態の無線給電システム10は、近距離無線通信によって無線送電装置12と無線受電装置14との間で相互にデータの通信を行う。無線給電システム10が行う近距離無線通信は、例えば、NFC(Near Field Communication)による近距離無線通信等が挙げられる。無線送電装置12のコイルアンテナ22及び無線受電装置14のコイルアンテナ32は、無線通信に用いるアンテナ及び無線給電に用いるアンテナの両方の機能を有する。無線送電装置12及び無線受電装置14は、コイルアンテナ22及びコイルアンテナ32により、給電と情報の通信とを切り替えて行うことが可能とされている。
【0022】
無線送電装置12は、送電及び通信部(以下、「送電/通信部」という)20、コイルアンテナ22、及びマイクロコンピュータ(以下、「マイコン」という)24を備える。
【0023】
マイコン24は、送電/通信部20による電力の送電、及び通信に関する制御を行う。なお、詳細は後述するが、本実施形態のマイコン24には、給電効率と連続送電時間との対応関係を表す情報(以下、単に「情報」という)25が予め記憶されており、情報25を参照して得られた連続送電時間に基づいて、送電/通信部20による給電の制御を行う。本実施形態のマイコン24が、本発明の制御部の一例である。また、本実施形態の連続送電時間が本発明の給電制御情報の一例である。
【0024】
送電/通信部20には、電源電圧が入力され、マイコン24の制御に応じて、コイルアンテナ22に交流電流を流すことにより、電力を送電(給電)する。また、上述したように本実施形態の送電/通信部20は、マイコン24の制御に応じて、コイルアンテナ22を用いて無線通信を行う。本実施形態の送電/通信部20が、本発明の送電部及び送電側通信部の一例である。
【0025】
一方、無線受電装置14は、受電/通信部30、コイルアンテナ32、抵抗素子33、マイコン34、ADC(Analog-to-Digital Converter)36、及びADC38を備える。
【0026】
マイコン34は、受電/通信部30による電力の受電、及び通信に関する制御を行う。なお、詳細は後述するが、本実施形態のマイコン34には、給電効率と連続送電時間との対応関係を表す情報(以下、単に「情報」という)35が予め記憶されており、情報35を参照して得られた連続送電時間に基づいて、受電/通信部30による給電の制御を行う。本実施形態のマイコン34が、本発明の導出部の一例である。
【0027】
受電/通信部30は、誘導起電力によりコイルアンテナ32を貫く磁束密度が変化し、コイルアンテナ32を交流電流が流れることにより、無線送電装置12から送電(給電)された電力の受電を行う。また、上述したように本実施形態の受電/通信部30は、マイコン34の制御に応じて、コイルアンテナ32を用いて無線通信を行う。本実施形態の受電/通信部30が、本発明の受電部及び受電側通信部の一例である。
【0028】
受電/通信部30で受電された電力は、抵抗素子33を介して電池18に出力される。本実施形態の電池18は、例えば、リチウムイオン電池等の二次電池である。なお、電池18は、特に限定されず、給電された電力により充電可能なものであればよい。
【0029】
本実施形態のADC36は、抵抗素子33を通過する前の電圧を検出する。一方、ADC38は抵抗素子33を通過した後の電圧を検出する。ADC36及びADC38により検出された電圧は、マイコン34に出力される。電流が抵抗素子33を通過すると、電圧降下が生じるため、マイコン34は、ADC36が検出した電圧及びADC38が検出した電圧に基づいて抵抗素子33を流れる電流値を導出することができ、これにより、受電した(給電された)電力を導出することができる。
【0030】
次に本実施形態の無線給電システム10における給電動作の制御について説明する。本実施形態の無線給電システム10では、給電を行う際、図2に一例を示した送電制御処理を無線送電装置12が実行し、受電制御処理を無線受電装置14が実行する。
【0031】
なお、図2に示した送電制御処理及び受電制御処理を実行する前に、給電を行おうとしている無線送電装置12及び無線受電装置14が適切な組合せであること、即ち、無線送電装置12により、無線受電装置14を給電することが可能とされていることを所定の確認処理により確認しておくことが好ましい。なお、例えば、給電するために無線送電装置12と無線受電装置14とを特殊形状を有する接続部に物理的に接続する場合等、無線送電装置12と無線受電装置14とが不適切な組合せとならないことが想定される場合は、当該確認処理は省略してもよい。
【0032】
無線送電装置12では、マイコン24が、送電制御プログラムを実行することにより図2に示した送電制御処理を実行する。
【0033】
ステップS100でマイコン24は、送電する送電電力の値(「送電電力値」)を無線受電装置14へ通知する。なお、本実施形態の無線給電システム10では、無線送電装置12から送電する単位時間あたりの送電電力値が予め定められている。
【0034】
次のステップS102でマイコン24は、送電/通信部20により、通知した送電電力値に応じた電力の送電を開始する。詳細は後述するが、当該送電に応じて、無線受電装置14は、受電を開始する(図2、ステップS202参照)。
【0035】
次のステップS104でマイコン24は、連続送電時間が経過したか否かを判定する。具体的には、マイコン24は、図示を省略した記憶部に設定されている連続送電時間に基づいて、送電を開始してから連続送電時間が経過したか否かを判定する。
【0036】
一般に、無線送電装置12のコイルアンテナ22と、無線受電装置14のコイルアンテナ32との位置関係や、結合状態等に応じて、無線受電装置14が受電する電力が変化する。例えば、無線受電装置14が受電する電力量は、無線送電装置12のコイルアンテナ22と、無線受電装置14のコイルアンテナ32との距離に応じて変化する。図3に示した給電状態の一例では、図4に示した給電状態の一例よりも、コイルアンテナ22とコイルアンテナ32との距離が短い(近い)。この場合、図3に示した給電状態の方が、図4に示した給電状態よりも、無線受電装置14が受電する電力量が大きくなる。
【0037】
無線受電装置14では、受電する電力量が増加すると、増加した電力量が給電に利用されず、熱に変換されて消費される。この際、発生した熱が、無線受電装置14に悪影響を与えるのを抑制するため、無線受電装置14で発生する発熱量を考慮して無線送電装置12の連続送電時間が定められる。
【0038】
本実施形態の無線給電システム10では、本送電制御処理を開始してから最初にステップS104を実行する際は、無線送電装置12及び無線受電装置14は、給電状態、より具体的には給電効率が不明である。そのため、本実施形態の無線給電システム10では、無線受電装置14で発生する最大発熱量を考慮した連続送電時間を初期連続送電時間として予め設定しておく。本実施形態では、最初に送電を開始してから最初に送電を停止するまでの期間が、初期連続送電時間に相当する。
【0039】
連続送電時間が経過するまで、ステップS104の処理が否定判定となり、送電動作を継続する。一方、連続送電時間が経過した場合、ステップS104の処理が肯定判定となり、ステップS106へ移行する。
【0040】
ステップS106でマイコン24は、送電を停止する。詳細は後述するが、送電が停止されると無線受電装置14は、受電電力の測定結果を、無線送電装置12に対して通知する(図2、ステップS204参照)。
【0041】
そこで、次のステップS108でマイコン24は、無線受電装置14から受電電力測定結果を受信する。
【0042】
次のステップS110でマイコン24は、本送電制御処理を終了するか、即ち、給電を終了するか否かを判定する。例えば、予め定められた電力量を送電した場合や、上記ステップS108で受電電力測定結果と共に、充電が完了したことを表す情報を無線受電装置14から受信した場合等、所定の給電終了条件を満たす場合、ステップS110の判定が肯定判定となり、本送電制御処理を終了する。一方、所定の給電終了条件を満たさない場合、ステップS110の判定が否定判定となり、ステップS112へ移行する。
【0043】
ステップS112でマイコン24は、無線受電装置14に対して送電した送電電力値と、受電電力測定結果とに基づいて、給電効率を導出する。本実施形態では、一例としてマイコン24は、送電電力に対する受電電力(受電電力測定結果)の割合(%)を給電効率として導出する。
【0044】
上述したように、無線送電装置12のコイルアンテナ22と、無線受電装置14のコイルアンテナ32との位置関係や、結合状態等に応じて、無線受電装置14が受電する電力が変化するため、給電効率も変化する。受電電力が大きくなると、マイコン24において導出される給電効率も大きくなる。例えば、図3に示した給電状態の方が、図4に示した給電状態よりも、無線受電装置14が受電する電力が大きくなり、マイコン24において導出される給電効率も大きくなる。
【0045】
次のステップS114でマイコン24は、上記ステップS112で導出した給電効率に応じた送電側連続送電時間を導出する。本実施形態では、一例として、マイコン24は、図5に一例を示した情報25に基づいて、給電効率に応じた送電側連続送電時間を導出する。図5に示すように、情報25は、給電効率と連続送電時間との対応関係を表す情報である。給電効率と連続送電時間との対応関係は、予め実験的に得ておけばよいが、本実施形態では、一例として、マイコン24において導出される給電効率が低下するほど、連続送電時間は長くなる。
【0046】
一方、詳細は後述するが、無線受電装置14においても、同様に受電側連続送電時間が導出され、無線送電装置12に通知される(図2、ステップS212、S214参照)。
【0047】
そこで、次のステップS116でマイコン24は、無線受電装置14から受電側連続送電時間を受信する。
【0048】
次のステップS118でマイコン24は、送電側連続送電時間の長さが受電側連続送電時間の長さ以上であるか否か(送電側≧受電側)を判定する。送電側連続送電時間の長さが受電側連続送電時間の長さ以上の場合、ステップS118の処理が肯定判定となりステップS120へ移行する。
【0049】
ステップS120でマイコン24は、受電側連続送電時間を、連続送電時間として設定した後、ステップS100に戻る。本ステップの処理により、次にステップS104の処理を実行する際には、受電側連続送電時間に基づいて判定が行われる。
【0050】
一方、送電側連続送電時間の長さが受電側連続送電時間の長さ未満である場合(送電側<受電側)、ステップS118の処理が否定判定となりステップS122へ移行する。
【0051】
ステップS122でマイコン24は、送電側連続送電時間を、連続送電時間として設定した後、ステップS100に戻る。本ステップの処理により、次にステップS104の処理を実行する際には、送電側連続送電時間に基づいて判定が行われる。
【0052】
このようにして、本実施形態の無線送電装置12のマイコン24は、給電を終了するまで、具体的には、上記ステップS110で肯定判定となるまで送電制御処理を実行する。なお、本実施形態では、マイコン24は、送電制御処理を終了する際、図示を省略した記憶部に設定されている連続送電時間を初期連続送電時間に設定する。
【0053】
一方、無線受電装置14では、マイコン24が、受電制御プログラムを実行することにより図2に示した受電制御処理を実行する。
【0054】
ステップS200でマイコン34は、上記送電制御処理のステップS100の処理により無線送電装置12から通知された送電電力値を受信する。
【0055】
そして、上記送電制御処理のステップS102の処理により送電が開始されるため、次のステップS202でマイコン34は、電力の受電及び受電した電力の測定を行う。
【0056】
次のステップS204でマイコン34は、無線送電装置12からの送電が停止したか否かを判定する。マイコン34は、送電が停止したか否かを判定する方法は特に限定されない。本実施形態では、マイコン34は、一例として所定の送電停止条件を満たす場合に、送電が停止したと判定する。なお、所定の送電停止条件は特に限定されないが、例えば、所定の時間が経過しても、電力を受電しないこと等であってもよい。所定の送電停止条件を満たさない場合、ステップS204の判定が否定判定となり、ステップS202に戻る。一方、所定の送電停止条件を満たす場合、ステップS204の判定が肯定判定となり、ステップS206へ移行する。
【0057】
ステップS206でマイコン34は、受電電力の測定結果を無線送電装置12に通知する。なお、マイコン34は、電池18の充電量が所定の充電量に達した場合等、充電が完了したことを表す情報も無線送電装置12に通知してもよい。
【0058】
次のステップS208でマイコン34は、本受電制御処理を終了するか、即ち、給電を終了するか否かを判定する。例えば、電池18の充電量が所定の充電量に達した場合や、予め定められた電力量を受電した場合等、所定の給電終了条件を満たす場合、ステップS208の判定が肯定判定となり、本受電制御処理を終了する。一方、所定の給電終了条件を満たさない場合、ステップS208の判定が否定判定となり、ステップS210へ移行する。
【0059】
ステップS210でマイコン34は、上記ステップS200で受信した送電電力値と、受電電力測定結果とに基づいて、給電効率を導出する。給電効率の導出方法は、上記送電制御処理のステップS114と同様である。
【0060】
次のステップS212でマイコン34は、上記ステップS210で導出した給電効率に応じた受電側連続送電時間を導出する。本実施形態では、一例として、マイコン34は、図6に一例を示した情報35に基づいて、給電効率に応じた受電側連続送電時間を導出する。図6に示すように、情報35は、図5に示した情報25と同様に、給電効率と連続送電時間との対応関係を表す情報である。なお、情報25と情報35とは、同一である場合もあるし、異なる場合もある。本実施形態の情報35は、情報25と同様に、給電効率と連続送電時間との対応関係は、予め実験的に得ておけばよいが、本実施形態では、一例として、マイコン34において導出される給電効率が低下するほど、連続送電時間は長くなる。
【0061】
次のステップS214でマイコン34は、上記ステップS212で導出した受電側連続送電時間を無線送電装置12に通知する。本実施形態では、給電が終了していない場合、再び、無線送電装置12から電力が送電されるため、ステップS214の実行後、ステップS200に戻り、本受電制御処理を繰り返す。
【0062】
[第2実施形態]
上記第1実施形態の無線給電システム10では、無線送電装置12が送電電力値を無線受電装置14に通知することにより、無線送電装置12及び無線受電装置14が送電電力を認識する形態について説明した。本実施形態では、無線送電装置12及び無線受電装置14における送電電力量の認識方法が異なる形態について説明する。
【0063】
無線給電システム10の構成は第1実施形態と同様であるため説明を省略し、本実施形態の無線給電システム10における給電動作の制御について説明する。本実施形態の無線給電システム10では、給電を行う際、図7に一例を示した送電制御処理を無線送電装置12が実行し、受電制御処理を無線受電装置14が実行する。
【0064】
図7に示した本実施形態の無線受電装置14において実行される受電制御処理は、第1実施形態の無線受電装置14において実行される受電制御処理(図2参照)のステップS200の処理に代わり、ステップS201の処理を実行する点で、異なっている。
【0065】
ステップS201でマイコン34は、希望する送電電力の値(「希望送電電力値」)を無線送電装置12へ通知する。なお、希望する送電電力は特に限定されず、予め定められていてもよいし、電池18の充電量に応じて、マイコン34が導出してもよい。
【0066】
このように、希望送電電力値を通知するため、本実施形態の無線受電装置14は、ステップS210の処理において、希望する送電電力を用いて給電効率を導出することができる。
【0067】
一方、図7に示した本実施形態の無線送電装置12において実行される送電制御処理は、第1実施形態の無線送電装置12において実行される送電制御処理(図2参照)のステップS100の処理に代わり、ステップS101の処理を実行する点で、異なっている。
【0068】
ステップS101でマイコン24は、無線受電装置14から希望送電電力値を受信する。これにより、次のステップS102でマイコン24は、希望送電電力値に基づいた電力の送電を開始する。
【0069】
このように本実施形態の無線給電システム10では、無線送電装置12が希望送電電力値を無線受電装置14に通知し、無線受電装置14は、通知された希望送電電力値に応じた送電電力を無線送電装置12に送電する。従って、無線送電装置12及び無線受電装置14は、希望送電電力値に応じて送電電力を認識することができる。
【0070】
[第3実施形態]
上記各実施形態の無線給電システム10では、無線送電装置12及び無線受電装置14の両者が給電効率を導出する形態について説明した。これに対して、本実施形態では、無線受電装置14のみが給電効率を導出する場合について説明する。
【0071】
無線給電システム10の構成は第1実施形態と同様であるため説明を省略し、本実施形態の無線給電システム10における給電動作の制御について説明する。本実施形態の無線給電システム10では、給電を行う際、図8に一例を示した送電制御処理を無線送電装置12が実行し、受電制御処理を無線受電装置14が実行する。
【0072】
図8に示した本実施形態の無線受電装置14において実行される受電制御処理は、第1実施形態の無線受電装置14において実行される受電制御処理(図2参照)のステップS206の処理が含まれない点で異なっている。そのため、本実施形態の無線受電装置14は、無線送電装置12へ受電電力測定結果を通知しない。
【0073】
また、本実施形態の無線受電装置14において実行される受電制御処理は、第1実施形態の無線受電装置14において実行される受電制御処理(図2参照)のステップS210とS212との間に、ステップS211の処理を実行する点で、異なっている。
【0074】
ステップS211でマイコン34は、上記ステップS210で導出した給電効率(「給電効率導出結果)を無線送電装置12に通知する。
【0075】
一方、図8に示した本実施形態の無線送電装置12において実行される送電制御処理は、第1実施形態の無線送電装置12において実行される送電制御処理(図2参照)のステップS108の処理が含まれない点で、異なっている。そのため、本実施形態の無線受電装置14は、無線送電装置12から受電電力測定結果を受信しない。
【0076】
また、本実施形態の無線送電装置12において実行される送電制御処理は、第1実施形態の無線送電装置12において実行される送電制御処理(図2参照)のステップS112の処理に代わり、ステップS113の処理を実行する点で、異なっている。
【0077】
ステップS113でマイコン24は、無線受電装置14から給電効率導出結果を受信する。これにより、次のステップS114でマイコン24は、受信した給電効率導出結果に応じた給電効率を用いて、送電側連続送電時間を導出する。
【0078】
このように、本実施形態の無線給電システム10では、無線受電装置14のみが給電効率を導出するため、無線送電装置12と無線受電装置14とで同一の給電効率を共有することができる。そのため、例えば、無線送電装置12が導出した給電効率と、無線受電装置14が導出した給電効率とが誤差等により異なることがない。
【0079】
従って、本実施形態の無線給電システム10によれば、より正確に、送電電力の制御が行えるようになる。
【0080】
なお、本実施形態は、上記第2実施形態と組み合わせてもよいことはいうまでもない。この場合、図8に示した送電制御処理のステップS100に代わり、第2実施形態の送電制御処理のステップS101(図7参照)を実行すればよい。また、図8に示した受電制御処理のステップS200に代わり、第2実施形態の受電制御処理のステップS201(図7参照)を実行すればよい。
【0081】
以上説明したように、上記各実施形態の無線給電システム10の無線送電装置12は、送電/通信部20を備え、送電/通信部20が、無線により無線受電装置14へ電力を送電する。また、送電/通信部20は、送電する電力を表す送電電力情報の送信、または無線受電装置14が送電を希望する電力を表す希望送電電力情報の受信を無線受電装置14と行う。また、無線送電装置12は、送電/通信部20が送信した送電電力情報または送電/通信部20が受信した希望送電電力情報に応じた送電電力と、無線受電装置14が受電した受電電力と、に応じて導出された給電効率に基づいて導出された連続送電時間に基づいて、送電/通信部20による電力の送電を制御するマイコン24を備える。
【0082】
また、上記各実施形態の無線給電システム10の無線送電装置12は、無線により無線受電装置14から電力を受電し、また、無線受電装置14が送電する電力を表す送電電力情報の受信、または送電を希望する電力を表す希望送電電力情報の送信を無線受電装置14と行う受電/通信部30と、送電電力に対する送電/通信部20が受電した受電電力の割合である給電効率を導出するマイコン34と、を備える。
【0083】
このように上記各実施形態の無線給電システム10によれば、無線送電装置12及び無線受電装置14の各々が、得られた情報から、給電効率に基づいて給電制御情報の一例として連続送電時間(送電側連続送電時間及び受電側連続送電時間)を導出することができる。
【0084】
例えば、上記各実施形態のように、送電側連続送電時間と受電側連続送電時間とが異なる場合、時間が長い方を連続送電時間として用いた場合、発熱量が増加してしまう懸念が生じる。これに対して、上記各実施形態の無線給電システム10によれば、送電側連続送電時間と受電側連続送電時間とが異なる場合、時間が短い方を連続送電時間として用いることができるため、発熱を抑制するとともに、連続送電時間を適切な時間とすることができる。
【0085】
従って、上記各実施形態の無線送電装置12によれば、無線給電の処理効率を向上させることができる。
【0086】
なお、上記各実施形態では、電磁誘導方式により無線給電を行う無線給電システム10について説明したが、無線給電の方式はこれに限定されるものではない。例えば、磁気共鳴方式、電界結合方式、及びマイクロ波方式等であってもよい。
【0087】
また、上記各実施形態の無線給電システム10では、無線通信に用いるアンテナと無線給電に用いるアンテナとを共用のアンテナ(コイルアンテナ22及びコイルアンテナ32)とした形態について説明したが当該形態に限定されず、無線通信に用いるアンテナと無線給電に用いるアンテナとを別個に設けてもよい。
【0088】
また、上記各実施形態では、無線受電装置14がADC36及びADC38を備える形態について説明したが当該形態に限定されない。例えば、受電電力の電流と電圧との対応関係を表す情報が予め得られている場合、ADC36及びADC38のいずれか一方のみを備えていてもよい。また例えば、図9に示すように、ADC36に代わりコンパレータ37を、ADC38に代わりコンパレータ39を備えていてもよいが、この場合、ADC36及びADC38を備える場合に比べて、受電電力の測定精度は低下する。
【0089】
また、上記各実施形態では、給電制御情報の一例として、連続送電時間を用いる形態について説明したが当該形態に限定されない。例えば、無線送電装置12が送電する単位時間あたりの送電電力値や、単位時間あたりの送電電力値及び連続送電時間の両方であってもよい。給電制御情報として、単位時間あたりの送電電力値及び連続送電時間を用いる場合、情報25及び情報35として、図10に示した一例のように、給電効率と、連続送電時間と単位時間あたりの送電電力値(送電電力)との対応関係を表す情報を用いればよい。
【0090】
また、上記各実施形態の無線給電システム10では、1つの無線送電装置12と、1つの無線受電装置14と、を備える形態について説明したが当該形態に限定されない。例えば、無線給電システム10は、1つの無線送電装置12と、複数の無線受電装置14と、を備え、複数の無線受電装置14に同時に送電(給電)してもよい。この場合、無線送電装置12は、送電制御処理において、複数の無線受電装置14の各々から受電側連続送電時間を受信する。マイコン24は、複数の受電側連続送電時間と送電側連続送電時間との中から、最も時間が短いものを連続送電時間として設定すればよい。
【0091】
また、上記各実施形態では無線送電装置12がマイコン24を備え、無線受電装置14がマイコン34を備える形態について説明したが、当該形態に限定されない。例えば、ハードウェアとソフトウェアとが協同して動作するマイコン24及びマイコン34の各々に代えて、ハードウェアのみにより動作する処理回路等を用いる形態としてもよい。
【0092】
また、その他の上記各実施の形態で説明した無線給電システム10、無線送電装置12、及び無線受電装置14の構成及び動作は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0093】
10 無線給電システム
12 無線送電装置
14 無線受電装置
20 送電/通信部
24 マイコン
30 受電/通信部
34 マイコン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10