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特許7368445コア-シェル化合物、これを含む感光性樹脂組成物、感光性樹脂膜、カラーフィルタおよびCMOSイメージセンサ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-16
(45)【発行日】2023-10-24
(54)【発明の名称】コア-シェル化合物、これを含む感光性樹脂組成物、感光性樹脂膜、カラーフィルタおよびCMOSイメージセンサ
(51)【国際特許分類】
   C08F 20/62 20060101AFI20231017BHJP
   C07D 471/08 20060101ALI20231017BHJP
   C09B 57/00 20060101ALI20231017BHJP
   C09B 69/10 20060101ALI20231017BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20231017BHJP
   G03F 7/027 20060101ALI20231017BHJP
【FI】
C08F20/62
C07D471/08
C09B57/00 X CSP
C09B69/10 B
G03F7/004 505
G03F7/027 502
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021209346
(22)【出願日】2021-12-23
(65)【公開番号】P2022104822
(43)【公開日】2022-07-11
【審査請求日】2021-12-23
(31)【優先権主張番号】10-2020-0186683
(32)【優先日】2020-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】150-20 Gongse-ro,Giheung-gu,Yongin-si, Gyeonggi-do, 446-902 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】金 善 大
(72)【発明者】
【氏名】楊 叡 知
(72)【発明者】
【氏名】李 英
(72)【発明者】
【氏名】高 ▲さい▼ 赫
(72)【発明者】
【氏名】金 二 柱
(72)【発明者】
【氏名】柳 アルム
(72)【発明者】
【氏名】趙 明 鎬
(72)【発明者】
【氏名】馮 新 惠
【審査官】谷合 正光
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-532918(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0142301(US,A1)
【文献】特開2016-117858(JP,A)
【文献】特開2020-184073(JP,A)
【文献】特開2020-076995(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0072682(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 20/62
C07D 471/08
C09B 57/00
C09B 69/10
G03F 7/004
G03F 7/027
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3個以上のアクリロイルオキシ基またはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基を含むスクアリリウム系コア、および
前記スクアリリウム系コアを囲んだシェル、
からなるコア-シェル化合物であって、
前記スクアリリウム系コアは、下記化学式1で表される化合物である、コア-シェル化合物:
【化1】

前記化学式1中、
~Rは、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルコキシ基であり、この際、前記R~Rは同時に水素原子ではなく、
、R、RおよびRのうちの少なくとも1つは、末端にアクリロイルオキシ基またはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基を含み、
、R、RおよびRのうちの少なくとも2つは、末端にアクリロイルオキシ基またはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基を含み、
n1、n2、n3およびn4は、それぞれ独立して、0~2の整数であり、この際、n1+n2≠0であり、n3+n4≠0である。
【請求項2】
前記R、R、RおよびRのうちのいずれか2つならびに前記R、R、RおよびRのうちのいずれか2つは、それぞれ独立して、末端にアクリロイルオキシ基またはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基を含む、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記R、R、RおよびRのうちのいずれか3つならびに前記R、R、RおよびRのうちのいずれか3つは、それぞれ独立して、末端にアクリロイルオキシ基またはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基を含む、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
前記化学式1で表されるスクアリリウム系コアは、下記化学式1-1で表される化合物である、請求項に記載の化合物:
【化2】

前記化学式1-1中、
、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルコキシ基であり、この際、前記R~R、RおよびRは同時に水素原子ではなく、
、R、RおよびRは、全てアクリロイルオキシ基またはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基を含まず、
、R、RおよびRは、それぞれ独立して、末端にアクリロイルオキシ基またはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基を含む炭素数1~20のアルキル基または末端にアクリロイルオキシ基またはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基を含む炭素数1~20のアルコキシ基であり、
n5およびn6は、それぞれ独立して、0~2の整数である。
【請求項5】
前記化学式1で表されるスクアリリウム系コアは、下記化学式1-2で表される化合物である、請求項に記載の化合物:
【化3】

前記化学式1-2中、
およびRは、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルコキシ基であり、この際、前記RおよびRは同時に水素原子ではなく、
およびRは、全てアクリロイルオキシ基またはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基を含まず、
~Rは、それぞれ独立して、末端にアクリロイルオキシ基またはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基を含む炭素数1~20のアルキル基または末端にアクリロイルオキシ基またはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基を含む炭素数1~20のアルコキシ基であり、
n5およびn6は、それぞれ独立して、0~2の整数である。
【請求項6】
前記化学式1で表されるスクアリリウム系コアは、下記化学式1-3で表される化合物である、請求項3に記載の化合物:
【化4】

前記化学式1-3中、
およびRは、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルコキシ基であり、この際、前記RおよびRは同時に水素原子ではなく、
およびRは、全てシロキサン基を含まず、
~RおよびRは、それぞれ独立して、末端にアクリロイルオキシ基もしくはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基を含む炭素数1~20のアルキル基、または末端にアクリロイルオキシ基もしくはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基を含む炭素数1~20のアルコキシ基であり、
n5およびn6は、それぞれ独立して、0~2の整数である。
【請求項7】
前記化学式1で表されるスクアリリウム系コアは、610nm~640nmで最大吸光波長を有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
前記シェルは、下記化学式2で表される化合物である、請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物:
【化5】

前記化学式2中、
およびLは、それぞれ独立して、単結合または置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキレン基であり、
nは、2以上の整数である。
【請求項9】
前記化学式2で表されるシェルは、下記化学式2-1で表される化合物である、請求項8に記載の化合物。
【化6】
【請求項10】
前記コア-シェル化合物は、下記化学式A~化学式Nのうちのいずれか1つで表される化合物である、請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物:
【化7】

【化8】

【化9】

【化10】

【化11】

前記化学式A~化学式N中、
は、水素原子または置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基である。
【請求項11】
前記化合物は、緑色染料である、請求項1~10のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の化合物を含む感光性樹脂組成物。
【請求項13】
前記化合物は、前記感光性樹脂組成物の総質量に対して15~30質量%で含まれる、請求項12に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項14】
前記感光性樹脂組成物は、バインダー樹脂、光重合性単量体、光重合開始剤、および溶媒をさらに含む、請求項12または13に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項15】
前記感光性樹脂組成物は、CMOSイメージセンサ用である、請求項12~14のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項16】
請求項12~15のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を用いて製造される感光性樹脂膜。
【請求項17】
請求項16に記載の感光性樹脂膜を含むカラーフィルタ。
【請求項18】
請求項17に記載のカラーフィルタを含むCMOSイメージセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コア-シェル化合物、これを含む感光性樹脂組成物、該感光性樹脂組成物を用いて製造される感光性樹脂膜、該感光性樹脂膜を含むカラーフィルタ、および該カラーフィルタを含むCMOSイメージセンサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、先端情報通信処理技術および電子産業全般の急激な発達により多量の情報を速かに送受信できる次世代検出器に対する必要性と、新概念の素子およびシステムの開発が要求されている。特に、携帯端末機の動画像処理などが台頭するにつれて、超小型化、超節電型の画像イメージセンサの技術は、既存のCCD(Charge Coupled Device)とCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)とを中心にして、急速に開発に拍車がかかっている傾向にある。
【0003】
イメージセンサは、光子を電子に転換してディスプレイで表示するか保存装置に保存できるようにする半導体であって、受光信号を電気信号に変換させる受光素子、変換された電気信号を増幅および圧縮するピクセル回路部分と、このように前処理されたアナログ信号をデジタルに変換してイメージ信号を処理するASIC部分から構成され、CCD、CMOS、CIS(Contact Image Sensor)などの種類がある。
【0004】
CCDとCMOSイメージセンサとは同一の受光素子を使用しており、CCDイメージセンサの場合、受光部で発生した電荷が一列に連結されたMOS Capacitorを経て順次に移動して、末端に連結されたソースフォロワ(Source Follower)で電圧に変換される。一方、CMOSイメージセンサは、それぞれのPixel内部に内蔵されたSource Followerで、電荷が電圧に変わって外部に出力される。より具体的に見てみると、光によって発生した電子をそのままゲートパルスを用いて出力部まで移動させるものがCCDイメージセンサであり、光によって発生した電子を各画素内で電圧に変換した後に、様々なCMOSスイッチを通じて出力するものがCMOSイメージセンサである。このようなイメージセンサの適用分野は、デジタルカメラ、携帯電話など家庭用製品だけでなく、病院で使用する内視鏡、地球を回っている人工衛星の望遠鏡に至るまで非常に広範囲である。
【0005】
CMOSイメージセンサ関連技術動向で、高画質および機器小型化実現のためのピクセル(pixel)数増加およびサイズ(size)が減少されており、ピクセルの大きさが小さくなるにつれて、顔料を用いた微細パターン製造には限界があり、これを補完するために染料の開発が必要である。しかし、染料は顔料に比べてパターン製造時、工程性の面から問題点があり、特に、耐化学性(耐薬品性)の側面から問題が発生する。その理由としては、顔料は微細粒子であり、結晶性を有していて溶解度が良くなくて、ベーク(bake)後にPGMEAのような溶媒に溶出されない反面、染料は無定形固体であるためベーク(bake)工程後に溶媒に溶け出る短所を有しているためである。特に、CMOSイメージセンサの場合、色材の含有量が高くて、共に使用されるバインダー樹脂や単量体の比率が相対的に低くなって染料の耐化学性を向上させるのが難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】韓国登録特許第1413072号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、CMOSイメージセンサ用カラーフィルタ内の緑色画素を構成するコア-シェル化合物を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、上記コア-シェル化合物を含む感光性樹脂組成物を提供することにある。
【0009】
また、本発明のさらに他の目的は、上記感光性樹脂組成物を用いて製造される感光性樹脂膜を提供することにある。
【0010】
また、本発明のさらに他の目的は、上記感光性樹脂膜を含むカラーフィルタを提供することにある。
【0011】
また、本発明のさらに他の目的は、上記カラーフィルタを含むCMOSイメージセンサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施形態は、3個以上のアクリロイルオキシ基またはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基を含むスクアリリウム系コア、および前記スクアリリウム系コアを囲むシェルからなるコア-シェル化合物を提供する。
【0013】
上記スクアリリウム系コアは、4個以上のアクリロイルオキシ基またはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基を含むことができる。
【0014】
上記3個以上のアクリロイルオキシ基またはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基は、全て上記スクアリリウム系コアを構成するアルキル基の置換基として存在するか、上記スクアリリウム系コアを構成するアルコキシ基の置換基として存在し得る。
【0015】
上記3個以上のアクリロイルオキシ基またはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基のうちの少なくとも1つは、上記スクアリリウム系コアを構成するアリール基の置換基として存在し、上記3個以上のアクリロイルオキシ基またはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基のうちの少なくとも1つは、上記スクアリリウム系コアを構成するアルキル基またはアルコキシ基の置換基として存在し得る。
【0016】
上記スクアリリウム系コアは、下記化学式1で表される化合物であることが好ましい。
【0017】
【化1】
【0018】
上記化学式1中、
~Rは、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルコキシ基であり、この際、上記R~Rは同時に水素原子ではなく、
、R、RおよびRのうちの少なくとも1つは、末端にアクリロイルオキシ基またはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基を含み、
、R、RおよびRのうちの少なくとも2つは、末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を含み、
n1、n2、n3およびn4は、それぞれ独立して、0~2の整数であり、この際、n1+n2≠0であり、n3+n4≠0である。
【0019】
上記化学式(1)中のR、R、RおよびRのうちのいずれか2つならびに上記R、R、RおよびRのうちのいずれか2つは、それぞれ独立して、末端にアクリロイルオキシ基またはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基を含むことができる。
【0020】
上記R、R、RおよびRのうちのいずれか3つならびに上記R、R、RおよびRのうちのいずれか3つは、それぞれ独立して、末端にアクリロイルオキシ基またはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基を含むことができる。
【0021】
上記化学式1で表されるスクアリリウム系コアは、下記化学式1-1で表される化合物であることがより好ましい。
【0022】
【化2】
【0023】
上記化学式1-1中、
、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基または置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルコキシ基であり、この際、上記R~R、RおよびRは同時に水素原子ではなく、
、R、RおよびRは、全てアクリロイルオキシ基またはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基を含まず、
、R、RおよびRは、それぞれ独立して、末端にアクリロイルオキシ基もしくはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基を含む炭素数1~20のアルキル基または末端にアクリロイルオキシ基もしくはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基を含む炭素数1~20のアルコキシ基であり、
n5およびn6は、それぞれ独立して、0~2の整数である。
【0024】
上記化学式1は、下記化学式1-2で表すことができる。
【0025】
【化3】
【0026】
上記化学式1-2中、
およびRは、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基または置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルコキシ基であり、この際、上記RおよびRは同時に水素原子ではなく、
およびRは、全てアクリロイルオキシ基またはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基を含まず、
~Rは、それぞれ独立して、末端にアクリロイルオキシ基もしくはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基を含む炭素数1~20のアルキル基または末端にアクリロイルオキシ基もしくはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基を含む炭素数1~20のアルコキシ基であり、
n5およびn6は、それぞれ独立して、0~2の整数である。
【0027】
上記化学式1で表されるスクアリリウム系コアは、下記化学式1-3で表される化合物であることが好ましい。
【0028】
【化4】
【0029】
上記化学式1-3中、
およびRは、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基または置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルコキシ基であり、この際、上記RおよびRは同時に水素原子ではなく、
およびRは、全てシロキサン基を含まず、
~RおよびRは、それぞれ独立して、末端にアクリロイルオキシ基もしくはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基を含む炭素数1~20のアルキル基または末端にアクリロイルオキシ基もしくはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基を含む炭素数1~20のアルコキシ基であり、
n5およびn6は、それぞれ独立して、0~2の整数である。
【0030】
上記化学式1で表されるスクアリリウム系コアは、610nm~640nmで最大吸光波長を有することができる。
【0031】
上記シェルは、下記化学式2で表される化合物であることが好ましい。
【0032】
【化5】
【0033】
上記化学式2中、
およびLは、それぞれ独立して、単結合、または置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキレン基であり、
nは、2以上の整数である。
【0034】
上記化学式2で表されるシェルは、下記化学式2-1で表される化合物であることがより好ましい。
【0035】
【化6】
【0036】
上記コア-シェル化合物は、下記化学式A~化学式Nで表される化合物のうちの少なくとも1種であることがさらに好ましい。
【0037】
【化7】
【0038】
【化8】
【0039】
【化9】
【0040】
【化10】
【0041】
【化11】
【0042】
上記化学式A~化学式N中、
は、水素原子または置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基である。
【0043】
上記コア-シェル化合物は、緑色染料であり得る。
【0044】
他の一実施形態は、上記コア-シェル化合物を含む感光性樹脂組成物を提供する。
【0045】
上記コア-シェル化合物は、上記感光性樹脂組成物の総質量に対して15~30質量%の含有量で含まれてもよい。
【0046】
上記感光性樹脂組成物は、バインダー樹脂、光重合性単量体、光重合開始剤、および溶媒をさらに含んでもよい。
【0047】
上記感光性樹脂組成物は、CMOSイメージセンサ用であり得る。
【0048】
また、本発明の他の一実施形態は、上記感光性樹脂組成物を用いて製造される感光性樹脂膜を提供する。
【0049】
また、本発明のさらに他の一実施形態は、上記感光性樹脂膜を含むカラーフィルタを提供する。
【0050】
また、本発明のさらに他の一実施形態は、上記カラーフィルタを含むCMOSイメージセンサを提供する。
【0051】
その他、本発明の側面の具体的な事項は、以下の詳細な説明に含まれている。
【発明の効果】
【0052】
本発明の一実施形態によるコア-シェル化合物は、それ自体で耐化学性に優れて、硬化および熱工程以後にも優れた耐化学性を維持することができるので、これを染料として含む感光性樹脂組成物は微細パターン形成が可能で、CMOSイメージセンサ用緑色カラーフィルタを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0053】
以下、本発明の実施形態を詳しく説明する。但し、これは例示として提示されるものであって、これによって本発明が制限されず、本発明は後述の特許請求の範囲の範疇によって定義されるだけである。
【0054】
本明細書で特別な言及がない限り、“置換”または“置換された”とは、本発明の官能基中の1つ以上の水素原子がハロゲン原子(F、Br、ClまたはI)、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基(NH、NH(R200)またはN(R201)(R202)であり、ここで、R200、R201およびR202は、同一であるか互いに異なり、それぞれ独立して、炭素数1~10のアルキル基である)、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボキシル基、置換または非置換のアルキル基、置換または非置換のアルケニル基、置換または非置換のアルキニル基、置換または非置換の脂環族有機基、置換または非置換のアリール基、および置換または非置換のヘテロ環基からなる群より選択される少なくとも1種の置換基で置換されたことを意味する。
【0055】
本明細書で特別な言及がない限り、“アルキル基”とは炭素数1~20のアルキル基を意味し、具体的には、炭素数1~15のアルキル基を意味し、“シクロアルキル基”とは炭素数3~20のシクロアルキル基を意味し、具体的には、炭素数3~18のシクロアルキル基を意味し、“アルコキシ基”とは炭素数1~20のアルコキシ基を意味し、具体的には、炭素数1~18のアルコキシ基を意味し、“アリール基”とは炭素数6~20のアリール基を意味し、具体的には、炭素数6~18のアリール基を意味し、“アルケニル基”とは炭素数2~20のアルケニル基を意味し、具体的には、炭素数2~18のアルケニル基を意味し、“アルキレン基”とは炭素数1~20のアルキレン基を意味し、具体的には、炭素数1~18のアルキレン基を意味し、“アリーレン基”とは炭素数6~20のアリーレン基を意味し、具体的には、炭素数6~16のアリーレン基を意味する。本明細書において「または」とは排他的な意味ではなく、例えば「AまたはB」とは、A、B、または、AおよびBを含むことを意味し得る。
【0056】
本明細書で特別な言及がない限り、“(メタ)アクリロイルオキシ基”は“アクリロイルオキシ基”と“メタクリロイルオキシ基”の両方とも可能であることを意味し、“(メタ)アクリル酸”は“アクリル酸”と“メタクリル酸”の両方とも可能であることを意味する。
【0057】
本明細書で別途の定義がない限り、“組み合わせ”とは混合または共重合を意味する。また、“共重合”とはブロック共重合またはランダム共重合を意味し、“共重合体”とはブロック共重合体またはランダム共重合体を意味する。
【0058】
本明細書において、化学式で別途の定義がない限り、化学結合が描かれなければならない位置に化学結合が描かれていない場合は、その位置に水素原子が結合されていることを意味する。
【0059】
また、本明細書で別途の定義がない限り、“*”は同一であるか異なる原子、または化学式と連結される部分を意味する。
【0060】
本発明の一実施形態によれば、3個以上、例えば4個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を含むスクアリリウム系コア、および上記スクアリリウム系コアを囲むシェルからなるコア-シェル化合物を提供する。
【0061】
顔料型感光性樹脂組成物から製造されたカラーフィルタでは、顔料粒子の大きさに起因するカラーフィルタの混色問題および薄膜化の限界が存在する。また、イメージセンサ用カラー撮像素子の場合には、微細なパターン形成のためにさらに小さな分散粒径が要求される。このような要求に応じようと、顔料の代わりに粒子を形成しない染料を導入して、染料に適した感光性樹脂組成物を製造して解像度を高めようとする努力が長い間続いている。
【0062】
本発明は、CMOSイメージセンサ用カラーフィルタに入る緑色染料に関するものである。ピクセルの大きさが小さくなるにつれて、顔料を用いた微細パターンの製造には限界があり、これを補完するために染料の開発が必要である。しかしながら、染料は顔料に比べてパターン製造時、工程性の面から問題があり、特に耐化学性(耐薬品性)において非常に劣り、硬化および熱工程以降に、微細パターンを形成することが非常に難しかった。また、着色剤である染料が組成物の総量に対して少量のみ含まれる場合には、染料自体の耐化学性が少し劣っても大きな問題にならないが、CMOSイメージセンサ用感光性樹脂組成物の場合には、染料が過剰量(感光性樹脂組成物の総質量に対して15~30質量%、例えば16~27質量%)で含まれるので、それ自身が耐化学性に優れた染料を開発する必要性が非常に大きいのが実情である。
【0063】
本発明者らは、幾多の試行錯誤を経た末に、コアを形成するスクアリリウム系化合物に3個以上、例えば4個以上のアクリロイルオキシ基またはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基を特定の条件で制御して導入し、上記コアをシェルで囲んで、1つのコア-シェル化合物を合成した。このように合成された本発明の一実施形態によるコア-シェル化合物は、それ自身が耐化学性に優れ、これを緑色染料として過剰量含む感光性樹脂組成物は、硬化および熱工程を経た後にも耐化学性の低下が少なく、CMOSイメージセンサ用緑色カラーフィルタに使用するのに非常に適合する。
【0064】
上記アクリロイルオキシ基またはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基は、下記化学式Sで表すことができる。
【0065】
【化12】
【0066】
上記化学式S中、
は、水素原子、または置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基である。
【0067】
例えば、上記3個以上のアクリロイルオキシ基またはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基は、全て上記スクアリリウム系コアを構成するアルキル基の置換基として存在するか、上記スクアリリウム系コアを構成するアルコキシ基の置換基として存在し得る。
【0068】
例えば、上記3個以上のアクリロイルオキシ基またはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基のうちの少なくとも1つは、上記スクアリリウム系コアを構成するアリール基の置換基として存在し、上記3個以上のアクリロイルオキシ基またはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基のうちの少なくとも1つは、上記スクアリリウム系コアを構成するアルキル基またはアルコキシ基の置換基として存在し得る。
【0069】
上記3個以上、例えば4個以上のアクリロイルオキシ基またはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基が上記のような位置の条件で制御される場合、本発明の一実施形態によるコア-シェル化合物自体の耐久性をより大きく向上させることができる。
【0070】
例えば、上記スクアリリウム系コアは、下記化学式1で表される化合物であることが好ましいできる。
【0071】
【化13】
【0072】
上記化学式1中、
~Rは、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルコキシ基であり、この際、上記R~Rは同時に水素原子ではなく、
、R、RおよびRのうちの少なくとも1つは、末端にアクリロイルオキシ基またはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基を含み、
、R、RおよびRのうちの少なくとも2つは、末端にアクリロイルオキシ基またはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基を含み、
n1、n2、n3およびn4は、それぞれ独立して、0~2の整数であり、この際、n1+n2≠0であり、n3+n4≠0である。
【0073】
例えば、上記化学式1中、R、R、RおよびRのうちのいずれか2つならびに上記R、R、RおよびRのうちのいずれか2つは、それぞれ独立して、末端にアクリロイルオキシ基またはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基を含むことができる。より具体的には、上記化学式1で表されるスクアリリウム系コアは、下記化学式1-1または化学式1-2で表される化合物であることがより好ましい。
【0074】
【化14】
【0075】
上記化学式1-1中、
、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基または置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルコキシ基であり、この際、上記R~R、RおよびRは同時に水素原子ではなく、
、R、RおよびRは、全てアクリロイルオキシ基またはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基を含まず、
、R、RおよびRは、それぞれ独立して、末端にアクリロイルオキシ基もしくはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基を含む炭素数1~20のアルキル基、または末端にアクリロイルオキシ基もしくはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基を含む炭素数1~20のアルコキシ基であり、
n5およびn6は、それぞれ独立して、0~2の整数である。
【0076】
【化15】
【0077】
上記化学式1-2中、
およびRは、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルコキシ基であり、この際、上記RおよびRは同時に水素原子ではなく、
およびRは、全てアクリロイルオキシ基またはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基を含まず、
~Rは、それぞれ独立して、末端にアクリロイルオキシ基もしくはα-アルキル置換アクリロイル基を含む炭素数1~20のアルキル基、または末端にアクリロイルオキシ基もしくはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基を含む炭素数1~20のアルコキシ基であり、
n5およびn6は、それぞれ独立して、0~2の整数である。
【0078】
例えば、上記化学式1中、R、R、RおよびRのうちのいずれか3つならびに上記R、R、RおよびRのうちのいずれか3つは、それぞれ独立して、末端にアクリロイルオキシ基またはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基を含むことができる。より具体的に、上記化学式1で表されるスクアリリウム系コアは、下記化学式1-3で表される化合物であることがより好ましい。
【0079】
【化16】
【0080】
上記化学式1-3中、
およびRは、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基または置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルコキシ基であり、この際、上記RおよびRは同時に水素原子ではなく、
およびRは、全てシロキサン基を含まず、
~RおよびRは、それぞれ独立して、末端にアクリロイルオキシ基もしくはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基を含む炭素数1~20のアルキル基、または末端にアクリロイルオキシ基もしくはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基を含む炭素数1~20のアルコキシ基であり、
n5およびn6は、それぞれ独立して、0~2の整数である。
【0081】
上記化学式1で表されるスクアリリウム系コアは、アクリロイルオキシ基またはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基を3個以上、例えば3個、4個、5個または6個含むことができる。例えば、上記化学式1で表されるスクアリリウム系コアは、アクリロイルオキシ基またはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基を4個または6個含むことができる。アクリロイルオキシ基またはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基を3個または5個含む上記化学式1で表されるスクアリリウム系コアは、アクリロイルオキシ基またはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基が2個以下である構造に比べて化合物の耐久性自体は優れるが、その構造上、合成が難しくて(低い収率)、実際合成に成功するとしてもこれを実際ラインに適用時、費用が多くかかって経済性の側面から好ましくないこともある。
【0082】
また、上記化学式1で表されるスクアリリウム系コアは、上記アクリロイルオキシ基またはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基の数が多ければ多いほど耐化学性の側面から優れる。すなわち、化合物の耐化学性の側面のみを考慮すれば、上記化学式1で表されるコア構造において、アクリロイルオキシ基またはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基の数は3個よりは4個が良く、4個よりは5個が良く、5個よりは6個が良い。
【0083】
一方、上記化学式1で表されるスクアリリウム系コアにおいて、上記アクリロイルオキシ基またはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基基の数が1個または2個である場合は耐化学性が過度に大きく低下し、また、上記アクリロイルオキシ基またはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基基の数が1個である場合は前述のように合成が難しいので、上記化学式1で表されるスクアリリウム系コアは3個以上のアクリロイルオキシ基またはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基を含むことが好ましい。
【0084】
すなわち、上記化学式1で表されるコアは、耐化学性および化合物の合成容易性の側面を全て考慮する時、4個以上のアクリロイルオキシ基またはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基、例えば、4個または6個のアクリロイルオキシ基またはα-アルキル置換アクリロイルオキシ基を有するものが最も好ましい。
【0085】
例えば、上記化学式1で表されるスクアリリウム系コアは、610nm~640nmで最大吸光波長を有することができる。有機溶媒に対する溶解度が10%以上で優れた溶解度を有する染料化合物であるとしても、610nm~640nmで最大吸光波長を有しない場合、光透過性が低くて、CMOSイメージセンサ用緑色感光性樹脂組成物として使用されるのに好適ではない場合がある。
【0086】
上記シェルは、下記化学式2で表される化合物であることが好ましい。
【0087】
【化17】
【0088】
上記化学式2中、
およびLは、それぞれ独立して、単結合、または置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキレン基であり、
nは、2以上の整数である。
【0089】
上記化学式2で表されるシェルは、下記化学式2-1で表される化合物であることがより好ましい。
【0090】
【化18】
【0091】
例えば、上記コア-シェル化合物は、下記化学式A~化学式Nで表される化合物のうちの少なくとも1種であることが好ましいが、必ずしもこれらに限定されるのではない。
【0092】
【化19】
【0093】
【化20】
【0094】
【化21】
【0095】
【化22】
【0096】
【化23】
【0097】
上記化学式A~化学式N中、
は、水素原子、または置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基である。
【0098】
例えば、上記コア-シェル化合物は、緑色染料であり得る。
【0099】
本発明の他の一実施形態によれば、本発明の一実施形態によるコア-シェル化合物を含む感光性樹脂組成物を提供する。
【0100】
例えば、上記感光性樹脂組成物は、波長540nmで90%以上の光透過性を有することができ、波長600nm~640nmで10%以下の光透過性を有することができ、波長450nmで5%以下の光透過性度を有することができて、高透過型CIS用緑色カラーフィルタの実現に適するものであり得る。すなわち、上記感光性樹脂組成物は、高透過型CMOSイメージセンサ用であり得る。
【0101】
上記感光性樹脂組成物は、上記コア-シェル化合物、バインダー樹脂、光重合性単量体、光重合開始剤、および溶媒をさらに含むことができる。
【0102】
本発明の一実施形態によるコア-シェル化合物は、上記感光性樹脂組成物の総質量に対して15~30質量%、例えば、16~27質量%の含有量で含まれてもよい。上記範囲で本発明の一実施形態によるコア-シェル化合物が含まれる場合、色再現率および明暗比が優れるようになるだけでなく、CMOSイメージセンサへの適用が可能になる。
【0103】
上記感光性樹脂組成物は、顔料、例えば、黄色顔料、緑色顔料またはこれらの組み合わせをさらに含むことができる。
【0104】
上記黄色顔料の例としては、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150などが挙げられ、これらは単独でも、または2種以上混合しても使用することができる。
【0105】
上記緑色顔料の例としては、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントグリーン58、C.I.ピグメントグリーン59などが挙げられ、これらは単独でも、または2種以上混合しても使用することができる。
【0106】
上記顔料は、顔料分散液の形態で感光性樹脂組成物に含まれてもよい。
【0107】
上記顔料分散液は、固形分の顔料、溶剤、および溶剤内に顔料を均一に分散させるための分散剤を含むことができる。
【0108】
上記固形分の顔料は、顔料分散液の総質量に対して1~20質量%、例えば8~20質量%、例えば8~15質量%、例えば10~20質量%、例えば10~15質量%の含有量で含まれてもよい。
【0109】
上記分散剤としては、非イオン性分散剤、陰イオン性分散剤、陽イオン性分散剤などを使用することができる。上記分散剤の具体的な例としては、ポリアルキレングリコールおよびそのエステル、ポリオキシアルキレン、多価アルコールエステルアルキレンオキシド付加物、アルコールアルキレンオキシド付加物、スルホン酸エステル、スルホン酸塩、カルボン酸エステル、カルボン酸塩、アルキルアミドアルキレンオキシド付加物、アルキルアミンなどが挙げられ、これらは単独でも、または2種以上混合しても使用することができる。
【0110】
上記分散剤の市販品の例としては、例えば、BYK社製のDISPERBYK(登録商標、以下同じ)-101、DISPERBYK-130、DISPERBYK-140、DISPERBYK-160、DISPERBYK-161、DISPERBYK-162、DISPERBYK-163、DISPERBYK-164、DISPERBYK-165、DISPERBYK-166、DISPERBYK-170、DISPERBYK-171、DISPERBYK-182、DISPERBYK-2000、DISPERBYK-2001など;EFKAケミカル社製のEFKA-47、EFKA-47EA、EFKA-48、EFKA-49、EFKA-100、EFKA-400、EFKA-450など;Zeneka社製のSolsperse(登録商標、以下同じ)5000、Solsperse12000、Solsperse13240、Solsperse13940、Solsperse17000、Solsperse20000、Solsperse24000GR、Solsperse27000、Solsperse28000など;または味の素株式会社製のPB711、PB821などが挙げられる。
【0111】
上記分散剤は、顔料分散液の総質量に対して1~20質量%の含有量で含まれてもよい。分散剤が上記含有量の範囲内で含まれる場合、適切な粘度を維持することができて、感光性樹脂組成物の分散性に優れ、これによって製品に適用した際、光学的、物理的および化学的品質を維持することができる。
【0112】
上記顔料分散液を形成する溶剤としては、エチレングリコールアセテート、エチルセロソルブ、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、エチルラクテート、ポリエチレングリコール、シクロヘキサノン、プロピレングリコールメチルエーテルなどを使用することができる。
【0113】
上記顔料分散液は、上記感光性樹脂組成物の総質量に対して10~20質量%、例えば、12~18質量%で含まれてもよい。上記顔料分散液が上記含有量の範囲内で含まれる場合、工程マージン確保に有利であり、色再現率および明暗比が優れるようになる。
【0114】
上記バインダー樹脂は、アクリル系バインダー樹脂であり得る。
【0115】
上記アクリル系バインダー樹脂は、第1のエチレン性不飽和単量体およびこれと共重合可能な第2のエチレン性不飽和単量体の共重合体であって、1つ以上のアクリル系繰り返し単位を含む樹脂である。
【0116】
第1のエチレン性不飽和単量体は、1つ以上のカルボキシ基を含有するエチレン性不飽和単量体であり、その具体的な例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸またはこれらの組み合わせ等が挙げられる。
【0117】
第1のエチレン性不飽和単量体由来の構成単位は、上記アクリル系バインダー樹脂の総質量に対して5~50質量%、例えば10~40質量%で含まれてもよい。
【0118】
第2のエチレン性不飽和単量体の例としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルベンジルメチルエーテルなどの芳香族ビニル化合物;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレートなどの不飽和カルボン酸エステル化合物;2-アミノエチル(メタ)アクリレート、2-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル化合物;酢酸ビニル、安息香酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル化合物;グリシジル(メタ)アクリレートなどの不飽和カルボン酸グリシジルエステル化合物;(メタ)アクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物;(メタ)アクリルアミドなどの不飽和アミド化合物;などが挙げられ、これらは単独でも、または2種以上混合しても使用することができる。
【0119】
上記アクリル系バインダー樹脂の具体的な例としては、(メタ)アクリル酸/ベンジルメタクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジルメタクリレート/2-ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジルメタクリレート/スチレン/2-ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらアクリル系バインダー樹脂は、単独でもまたは2種以上混合しても使用することもできる。
【0120】
上記バインダー樹脂の重量平均分子量は、3,000g/mol~150,000g/mol、例えば5,000g/mol~50,000g/mol、例えば20,000g/mol~30,000g/molであってもよい。上記バインダー樹脂の重量平均分子量が上記の範囲内である場合、感光性樹脂組成物の物理的および化学的物性に優れ粘度が適切であり、カラーフィルタ製造時に、基板との密着性に優れる。なお、バインダー樹脂の重量平均分子量は、ポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定することができる。
【0121】
バインダー樹脂の酸価は、15mgKOH/g~60mgKOH/g、例えば20mgKOH/g~50mgKOH/gであってもよい。バインダー樹脂の酸価が上記の範囲内である場合、ピクセルパターンの解像度が優れる。なお、バインダー樹脂の酸価は、JIS K0070(1992)に準じて測定することができる。
【0122】
バインダー樹脂は、上記感光性樹脂組成物の総質量に対して1~30質量%、例えば1~20質量%の含有量で含まれてもよい。バインダー樹脂が上記の含有量の範囲内で含まれる場合、カラーフィルタ製造時に、現像性に優れ架橋性が改善されて、優れた表面平滑性を得ることができる。
【0123】
上記光重合性単量体は、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する(メタ)アクリル酸の一官能または多官能エステルが使用できる。
【0124】
上記光重合性単量体は、エチレン性不飽和二重結合を有することによって、パターン形成工程において、露光時十分な重合を起こすことによって、耐熱性、耐光性および耐化学性に優れたパターンを形成することができる。
【0125】
光重合性単量体の具体的な例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエポキシ(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート、ノボラックエポキシ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0126】
光重合性単量体の市販品の例は、次の通りである。上記(メタ)アクリル酸の一官能エステルの例としては、東亞合成株式会社製のアロニックス(登録商標、以下同じ)M-101、同M-111、同M-114など;日本化薬株式会社製のKAYARAD(登録商標、以下同じ)TC-110S、同TC-120Sなど;大阪有機化学工業株式会社製のビスコート#158、ビスコート#2311などが挙げられる。上記(メタ)アクリル酸の二官能エステルの例としては、東亞合成株式会社製のアロニックスM-210、同M-240、同M-6200など;日本化薬株式会社製のKAYARAD HDDA、同HX-220、同R-604など;大阪有機化学工業株式会社製のビスコート#260、ビスコート#312、ビスコート#335 HPなどが挙げられる。上記(メタ)アクリル酸の三官能エステルの例としては、東亞合成株式会社製のアロニックスM-309、同M-400、同M-405、同M-450、同M-710、同M-8030、同M-8060など;日本化薬株式会社製のKAYARAD TMPTA、DPCA-20、DPCA-30、DPCA-60、DPCA-120など;大阪有機化学工業株式会社製のビスコート#295、ビスコート#300、ビスコート#360、ビスコート#GPT、ビスコート#3PA、ビスコート#400などが挙げられる。これら市販品は、単独でもまたは2種以上混合しても使用することができる。
【0127】
上記光重合性単量体は、より優れた現像性を付与するために酸無水物で処理して使用することもできる。
【0128】
上記光重合性単量体は、上記感光性樹脂組成物の総質量に対して1~15質量%、例えば5~10質量%の含有量で含まれてもよい。光重合性単量体の含有量が上記範囲内である場合、パターン形成工程において露光時、硬化が十分に起こって信頼性に優れ、アルカリ現像液への現像性に優れる。
【0129】
光重合開始剤は、感光性樹脂組成物に一般に使用される開始剤であって、例えばアセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、ベンゾイン系化合物、トリアジン系化合物、オキシム系化合物、またはこれらの組み合わせを使用することができる。
【0130】
アセトフェノン系化合物の例としては、2,2’-ジエトキシアセトフェノン、2,2’-ジブトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン、p-t-ブチルトリクロロアセトフェノン、p-t-ブチルジクロロアセトフェノン、4-クロロアセトフェノン、2,2’-ジクロロ-4-フェノキシアセトフェノン、2-メチル-1-(4-(メチルチオ)フェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オンなどが挙げられる。
【0131】
ベンゾフェノン系化合物の例としては、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’-ジクロロベンゾフェノン、3,3’-ジメチル-2-メトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
【0132】
チオキサントン系化合物の例としては、チオキサントン、2-メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン、2-クロロチオキサントンなどが挙げられる。
【0133】
ベンゾイン系化合物の例としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタールなどが挙げられる。
【0134】
トリアジン系化合物の例としては、2,4,6-トリクロロ-s-トリアジン、2-フェニル4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(3’,4’-ジメトキシスチリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4’-メトキシナフチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-トリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-ビフェニル4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、ビス(トリクロロメチル)-6-スチリル-s-トリアジン、2-(ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-メトキシナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-4-ビス(トリクロロメチル)-6-ピペロニル-s-トリアジン、2-4-ビス(トリクロロメチル)-6-(4-メトキシスチリル)-s-トリアジンなどが挙げられる。
【0135】
オキシム系化合物の例としては、O-アシルオキシム系化合物、2-(o-ベンゾイルオキシム)-1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-1,2-オクタンジオン、1-(o-アセチルオキシム)-1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]エタノン、O-エトキシカルボニル-α-オキシアミノ-1-フェニルプロパン-1-オンなどを使用することができる。O-アシルオキシム系化合物の具体的な例としては、1,2-オクタンジオン、2-ジメチルアミノ-2-(4-メチルベンジル)-1-(4-モルフォリン-4-イル-フェニル)-ブタン-1-オン、1-(4-フェニルスルファニルフェニル)-ブタン-1,2-ジオン2-オキシム-O-ベンゾエート、1-(4-フェニルスルファニルフェニル)-オクタン-1,2-ジオン2-オキシム-O-ベンゾエート、1-(4-フェニルスルファニルフェニル)-オクタン-1-オンオキシム-O-アセテート、および1-(4-フェニルスルファニルフェニル)-ブタン-1-オンオキシム-O-アセテートなどが挙げられる。
【0136】
光重合開始剤は、上記の化合物以外にも、カルバゾール系化合物、ジケトン系化合物、スルホニウムボレート系化合物、ジアゾ系化合物、イミダゾール系化合物、ビイミダゾール系化合物、フルオレン系化合物などを使用することができる。
【0137】
光重合開始剤は、光を吸収して励起状態になった後、そのエネルギーを伝達することによって化学反応を起こす光増感剤と共に使用できる。
【0138】
光増感剤の例としては、テトラエチレングリコールビス-3-メルカプトプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス-3-メルカプトプロピオネート、ジペンタエリスリトールテトラキス-3-メルカプトプロピオネートなどが挙げられる。
【0139】
光重合開始剤は、上記感光性樹脂組成物の総質量に対して0.01~10質量%、例えば0.1~5質量%の含有量で含まれてもよい。光重合開始剤の含有量が上記範囲内である場合、パターン形成工程においてで露光時、硬化が十分に起こって優れた信頼性を得ることができ、パターンの耐熱性、耐光性および耐化学性に優れ、解像度および密着性も優れ、未反応開始剤による透過率の低下を防止することができる。
【0140】
上記溶媒は、本発明の一実施形態によるコア-シェル化合物、顔料、バインダー樹脂、光重合性単量体および光重合開始剤との相溶性を有するが反応しない物質が使用できる。
【0141】
このような溶媒の例としては、メタノール、エタノールなどのアルコール類;ジクロロエチルエーテル、n-ブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、メチルフェニルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチルセロソルブアセテートなどのセロソルブアセテート類;メチルエチルカルビトール、ジエチルカルビトール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどのカルビトール類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテートなどのプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、メチル-n-プロピルケトン、メチル-n-ブチルケトン、メチル-n-アミルケトン、2-ヘプタノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸-n-ブチル、酢酸イソブチルなどの飽和脂肪族モノカルボン酸アルキルエステル類;乳酸メチル、乳酸エチルなどの乳酸エステル類;オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチルなどのオキシ酢酸アルキルエステル類;メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチルなどのアルコキシ酢酸アルキルエステル類;3-オキシプロピオン酸メチル、3-オキシプロピオン酸エチルなどの3-オキシプロピオン酸アルキルエステル類;3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸メチルなどの3-アルコキシプロピオン酸アルキルエステル類;2-オキシプロピオン酸メチル、2-オキシプロピオン酸エチル、2-オキシプロピオン酸プロピルなどの2-オキシプロピオン酸アルキルエステル類;2-メトキシプロピオン酸メチル、2-メトキシプロピオン酸エチル、2-エトキシプロピオン酸エチル、2-エトキシプロピオン酸メチルなどの2-アルコキシプロピオン酸アルキルエステル類;2-オキシ-2-メチルプロピオン酸メチル、2-オキシ-2-メチルプロピオン酸エチルなどの2-オキシ-2-メチルプロピオン酸エステル類、2-メトキシ-2-メチルプロピオン酸メチル、2-エトキシ-2-メチルプロピオン酸エチルなどの2-アルコキシ-2-メチルプロピオン酸アルキル類のモノオキシモノカルボン酸アルキルエステル類;2-ヒドロキシプロピオン酸エチル、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸メチルなどのエステル類;ピルビン酸エチルなどのケトン酸エステル類などがあり、また、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルホルムアニリド、N-メチルアセトアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセチルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1-オクタノール、1-ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセテートなどの高沸点溶媒が挙げられる。
【0142】
これらのうち、好ましくは、相溶性および反応性を考慮して、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類;エチルセロソルブアセテートなどのエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;2-ヒドロキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;ジエチレングリコールモノメチルエーテルなどのカルビトール類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテートなどのプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類;および/またはシクロヘキサノンなどのケトン類が挙げられる。
【0143】
溶媒は、上記感光性樹脂組成物の総質量に対して残部量、例えば30~80質量%の含有量で含まれてもよい。溶媒の含有量が上記の範囲内である場合、感光性樹脂組成物が適切な粘度を有することにより、カラーフィルタ製造時、工程性に優れる。
【0144】
本発明の他の一実施形態による感光性樹脂組成物は、基板との密着性などを改善するためにエポキシ化合物をさらに含むことができる。
【0145】
エポキシ化合物の例としては、フェノールノボラックエポキシ化合物、テトラメチルビフェニルエポキシ化合物、ビスフェノールA型エポキシ化合物、脂環族エポキシ化合物、またはこれらの組み合わせ等が挙げられる。
【0146】
エポキシ化合物は、感光性樹脂組成物100質量部に対して0.01~20質量部、例えば0.1~10質量部の含有量で含まれてもよい。エポキシ化合物の含有量が上記範囲内である場合、密着性、保存性などに優れる。
【0147】
また、感光性樹脂組成物は、基板との接着性を向上させるために、カルボキシ基、メタクリロイル基、イソシアネート基、エポキシ基などの反応性置換基を有するシランカップリング剤をさらに含むことができる。
【0148】
シランカップリング剤の例としては、トリメトキシシリル安息香酸、γ-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどが挙げられ、これらは単独でもまたは2種以上混合しても使用することができる。
【0149】
シランカップリング剤は、感光性樹脂組成物100質量部に対して0.01~10質量部の含有量で含まれてもよい。シランカップリング剤の含有量が上記範囲内である場合、密着性、保存性などに優れる。
【0150】
また、感光性樹脂組成物は、必要によってコーティング性向上および欠点生成防止効果のために、界面活性剤をさらに含むことができる。
【0151】
界面活性剤の例としては、BM Chemie社製のBM-1000、BM-1100など;DIC株式会社製のメガファック(登録商標、以下同じ)F142D、同F172、同F173、同F183など;スリーエムジャパン株式会社製のフロリナートFC-135、同FC-170C、同FC-430、同FC-431など;AGCセイミケミカル株式会社製のサーフロン(登録商標、以下同じ)S-112、同S-113、同S-131、同S-141、同S-145など;デュポン・東レ・スペシャルティ・マテリアル株式会社製のSH-28PA、SH-190、SH-193、SZ-6032、SF-8428などの名称で市販されているフッ素系界面活性剤を使用することができる。
【0152】
界面活性剤は、感光性樹脂組成物100質量部に対して0.001~5質量部の含有量で使用できる。界面活性剤の含有量が上記範囲内である場合、コーティング均一性が確保され、染みが発生せず、ガラス基板に対する湿潤性(wetting)に優れる。
【0153】
また、感光性樹脂組成物は、物性を阻害しない範囲内で、酸化防止剤、安定剤などのその他添加剤が一定量添加されてもよい。
【0154】
また、本発明の他の一実施形態によれば、本発明の一実施形態による感光性樹脂組成物を用いて製造された感光性樹脂膜が提供される。
【0155】
また、本発明の他の一実施形態によれば、上記感光性樹脂膜を含むカラーフィルタが提供される。
【0156】
カラーフィルタ内のパターン形成工程は、次の通りである。
【0157】
感光性樹脂組成物を支持基板上にスピンコーティング、スリットコーティング、インクジェットプリンティングなどで塗布する工程;塗布された前記感光性樹脂組成物を乾燥して感光性樹脂組成物膜を形成する工程;前記感光性樹脂組成物膜を露光する工程;露光された前記感光性樹脂組成物膜をアルカリ水溶液で現像して感光性樹脂膜を製造する工程;および前記感光性樹脂膜を加熱処理する工程、を含む。工程上の条件などについては当該分野で広く知られた事項であるので、本明細書で詳しい説明は省略する。
【0158】
また、本発明の他の一実施形態によれば、上記カラーフィルタを含むCMOSイメージセンサを提供する。
【実施例
【0159】
以下、実施例を挙げて本発明についてさらに詳しく説明するが、下記の実施例は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明が下記実施例に限定されるのではない。
【0160】
(化合物の合成)
合成例1:化学式Aで表される化合物の合成
【0161】
【化24】
【0162】
4-ヒドロキシジフェニルアミン(0.1mol)、ヒドロキシアセトン(0.15mol)、SnCl・2HO(0.02mol)、ポリ(メチルヒドロシロキサン)(0.2mol)をメタノールに入れ、60℃で加熱して10時間攪拌した。生成されたポリマーは、フィルターを通じて除去し、メタノールの一部を、減圧蒸留を通じて除去した後、酢酸エチルで抽出し、10%HClと水とで洗浄した。抽出した有機層を減圧蒸留し、カラムクロマトグラフィーにより精製して、中間体1を得た。
【0163】
中間体1(0.05mol)、およびEtN(0.11mol)をジクロロメタンに入れ、0℃に温度を調整した後、塩化メタクリロイル(1.05mol)を徐々に滴下して、2時間攪拌した。ジクロロメタンで抽出し、水で洗浄した。抽出した有機層を減圧蒸留し、カラムクロマトグラフィーにより精製して、中間体2を得た。
【0164】
【化25】
【0165】
中間体2(0.01mol)、スクアリン酸(0.05mol)、およびオルトギ酸トリエチル(TEOF)(0.15mol)をアミルアルコールに入れて、90℃で加熱して7時間攪拌した。減圧蒸留を通じてアミルアルコールを除去し、カラムクロマトグラフィーにより精製して、中間体3を得た。
【0166】
【化26】
【0167】
(Encap方法)
中間体3(5mmol)を600mLクロロホルム溶媒に溶かした後、2,6-ピリジンジカルボニルジクロリド(20mmol)、およびp-キシリレンジアミン(20mmol)を60mLクロロホルムに溶解して、常温で5時間同時に滴下させた。12時間後、減圧蒸留し、カラムクロマトグラフィーにより精製し、下記化学式Aで表される化合物を合成した。
【0168】
【化27】
【0169】
Maldi-Tof MS:R=methyl(1370.53)m/z
Maldi-Tof MS:R=H(1314.47)m/z(この場合、中間体2の合成時、塩化メタクリロイルの代わりに塩化アクリロイルを使用すればよい。)。
【0170】
合成例2:化学式Bで表される化合物の合成
5-ヒドロキシ-2-ペンタノンを使用したこと以外は、合成例1と同様の方法で合成して、下記化学式Bで表される化合物を合成した。
【0171】
【化28】
【0172】
Maldi-Tof MS:R=methyl(1426.59)m/z
Maldi-Tof MS:R=H(1370.52)m/z(この場合、中間体2の合成時、塩化メタクリロイルの代わりに塩化アクリロイルacryloyl chlorideを使用すればよい。)。
【0173】
合成例3:化学式Cで表される化合物の合成
2,3-ジメチル-4-ヒドロキシジフェニルアミン使用したこと以外は、合成例1と同様の方法で合成して、下記化学式Cで表される化合物を合成した。
【0174】
【化29】
【0175】
Maldi-Tof MS:R=methyl(1426.59)m/z
Maldi-Tof MS:R=H(1370.53)m/z(この場合、中間体2の合成時、塩化メタクリロイルの代わりに塩化アクリロイルを使用すればよい。)。
【0176】
合成例4:化学式Dで表される化合物の合成
2,3-ジメチル-4-ヒドロキシジフェニルアミンおよび5-ヒドロキシ-2-ペンタノンを使用したこと以外は、合成例1と同様の方法で合成して、下記化学式Dで表される化合物を合成した。
【0177】
【化30】
【0178】
Maldi-Tof MS:R=methyl(1482.65)m/z
Maldi-Tof MS:R=H(1426.59)m/z(この場合、中間体2の合成時、塩化メタクリロイルの代わりに塩化アクリロイルを使用すればよい。)。
【0179】
合成例5:化学式Eで表される化合物の合成
4-メチル-3-ヒドロキシジフェニルアミンおよびhydroxyacetoneを使用したこと以外は、合成例1と同様の方法で合成して、下記化学式Eで表される化合物を合成した。
【0180】
【化31】
【0181】
Maldi-Tof MS:R=methyl(1398.56)m/z
Maldi-Tof MS:R=H(1342.50)m/z(この場合、中間体2の合成時、塩化メタクリロイルの代わりに塩化アクリロイルを使用すればよい。)。
【0182】
合成例6:化学式Fで表される化合物の合成
4-メチル-3-ヒドロキシジフェニルアミンおよび5-ヒドロキシ-2-ペンタノンを使用したこと以外は、合成例1と同様の方法で合成して、下記化学式Fで表される化合物を合成した。
【0183】
【化32】
【0184】
Maldi-Tof MS:R=methyl(1454.62)m/z
Maldi-Tof MS:R=H(1398.56)m/z(この場合、中間体2の合成時、塩化メタクリロイルの代わりに塩化アクリロイルを使用すればよい。)。
【0185】
合成例7:化学式Gで表される化合物の合成
【0186】
【化33】
【0187】
4-ヒドロキシジフェニルアミン(0.1mol)、2-ヨードエタノール(0.12mol)、およびKCO(0.15mol)をアセトンに入れて、50℃で加熱して12時間攪拌した。酢酸エチルで抽出し、水で洗浄した。抽出した有機層を減圧蒸留し、カラムクロマトグラフィーで精製して、中間体1を得た。
【0188】
その他の中間体合成などの工程は、合成例1と同様の方法で合成して、下記化学式Gで表される化合物を合成した。
【0189】
【化34】
【0190】
Maldi-Tof MS:R=methyl(1486.61)m/z
Maldi-Tof MS:R=H(1430.55)m/z(この場合、塩化メタクリロイルの代わりに塩化アクリロイルを使用すればよい。)。
【0191】
合成例8:化学式Hで表される化合物の合成
5-ヒドロキシ-2-ペンタノンを使用したこと以外は、合成例7と同様の方法で合成して、下記化学式Hで表される化合物を合成した。
【0192】
【化35】
【0193】
Maldi-Tof MS:R=methyl(1514.67)m/z
Maldi-Tof MS:R=H(1456.60)m/z(この場合、塩化メタクリロイルの代わりに塩化アクリロイルを使用すればよい。)。
【0194】
合成例9:化学式Iで表される化合物の合成
1-ブロモブタンおよび1,3-ジヒドロキシアセトンを使用したこと以外は、合成例1と同様の方法で合成して、下記化学式Iで表される化合物を合成した。
【0195】
【化36】
【0196】
Maldi-Tof MS:R=methyl(1514.64)m/z
Maldi-Tof MS:R=H(1458.58)m/z(この場合、中間体2の合成時、塩化メタクリロイルの代わりに塩化アクリロイルを使用すればよい。)。
【0197】
合成例10:化学式Kで表される化合物の合成
1,3-ジヒドロキシアセトンおよび4-メチルジフェニルアミンを使用したこと以外は、合成例1と同様の方法で合成して、下記化学式Kで表される化合物を合成した。
【0198】
【化37】
【0199】
Maldi-Tof MS:R=methyl(1398.56)m/z
Maldi-Tof MS:R=H(1342.50)m/z(この場合、中間体2の合成時、methacryloyl chlorideの代わりにacryloyl chlorideを使用すればよい。)
合成例11:化学式Mで表される化合物の合成
4-ヒドロキシジフェニルアミンおよび1,3-ジヒドロキシアセトンを使用したこと以外は、合成例1と同様の方法で合成して、下記化学式Mで表される化合物を合成した。
【0200】
【化38】
【0201】
Maldi-Tof MS:R=methyl(1538.57)m/z
Maldi-Tof MS:R=H(1454.48)m/z(この場合、中間体2の合成時、塩化メタクリロイルの代わりに塩化アクリロイルを使用すればよい。)。
【0202】
合成例12:化学式Oで表される化合物の合成
【0203】
【化39】
【0204】
(化合物1の合成)
スクアリン酸(0.01mol)に塩化チオニル(0.025mol)を添加した後、ここに少量のDMFを入れて、75℃で3時間加熱した。その後、蒸留により過剰量の塩化チオニルを除去した後、メタクリル中間体とトルエン溶媒とで、80℃で16時間攪拌した。酢酸エチルで抽出し、水で洗浄した。抽出した有機層を減圧蒸留し、カラムクロマトグラフィーで精製して、化合物1を得た。
【0205】
(化合物2の合成)
中間体1(0.01mol)に、酢酸(8倍量)、蒸留水(8倍量)、および塩酸(0.1倍量)を入れて130℃で16時間攪拌した。酢酸エチルで抽出し、水で洗浄した。抽出した有機層を減圧蒸留し、カラムクロマトグラフィーで精製して、化合物2を得た。
【0206】
ここで「倍量」とは質量の倍数を意味するので、上記酢酸の質量は上記中間体1の質量の8倍である。上記中間体1の重量平均分子量は243.3g/molであるので、上記中間体1(0.01mol)の質量は2.433gである。この場合、上記酢酸(8倍量)の質量は19.464g(2.433g×8)である。
【0207】
それ以外のスクアリリウム系染料の合成およびEncap方法は、合成例1と同様の方法を行って、下記化学式Oで表される化合物を合成した。
【0208】
【化40】
【0209】
Maldi-Tof MS:1342.57m/z。
【0210】
比較合成例1:化学式C-1で表される化合物の合成
(1-メチルヘキシル)-フェニル-p-トリル-アミン(100mmol)と3,4-ジヒドロキシ-シクロブト-3-エン-1,2-ジオンdione(50mmol)とを、トルエン(300mL)およびブタノール(300mL)に入れ、還流して生成される水をDean-stark蒸留装置で除去した。12時間攪拌した後、反応物を減圧蒸留し、カラムクロマトグラフィーで精製してスクアリリウム系化合物を得た。この化合物(5mmol)を、600mLクロロホルム溶媒に溶かした後、ピリジン-2,6-ジカルボニルジクロライド(20mmol)、およびp-キシリレンジアミン(20mmol)を60mLクロロホルムに溶解して、常温で5時間同時に滴下した。12時間後、減圧蒸留し、カラムクロマトグラフィーで分離して、下記化学式C-1で表される化合物を得た。
【0211】
【化41】
【0212】
Maldi-Tof MS:1175.5m/z。
【0213】
比較合成例2:化学式C-2で表される化合物の合成
プロピオン酸2-{(2-シアノエチル)-[4-(2-ヒドロキシ-3,4-ジオキソ-シクロブト-1-エニル)-フェニル]-アミノ}-エチルエステル(60mmol)、1-(2-エチルヘキシル)-1H-インドール(60mmol)をトルエン(200mL)およびブタノール(200mL)に入れて、還流して生成される水をDean-stark蒸留装置で除去した。12時間攪拌後、緑色反応物を減圧蒸留し、カラムクロマトグラフィーで精製して、非対称スクアリリウム系化合物を得た。この化合物(5mmol)を600mLクロロホルム溶媒に溶かした後、ピリジン-2,6-ジカルボニルジクロライド(20mmol)、p-キシリレンジアミン(20mmol)を60mLクロロホルムに溶解して、常温で5時間同時に滴下した。12時間後、減圧蒸留し、カラムクロマトグラフィーで分離して、下記化学式C-2で表される化合物を得た。
【0214】
【化42】
【0215】
Maldi-Tof MS:1088.48m/z。
【0216】
比較合成例3:化学式C-3で表される化合物の合成
出発物質合成
【0217】
【化43】
【0218】
2,4-ジメチルジフェニルアミン(0.1mol)、NaH(0.2mol)、およびエチレンカーボネート(0.2mol)をDMF溶媒で、140℃で16時間加熱した。酢酸エチルで抽出し、水で洗浄した。抽出した有機層を減圧蒸留し、カラムクロマトグラフィーで精製して中間体を合成した。それ以外に、塩化メタクリロイルは、一般的な方法により合成した。また、スクアリリウム系染料の合成およびEncap方法は、合成例1と同様の方法を使用して、下記化学式C-3で表される化合物を得た。
【0219】
【化44】
【0220】
Maldi-Tof MS:1230.52m/z。
【0221】
(感光性樹脂組成物の合成)
実施例1
下記で記載した構成成分を、下記表1に示す組成で混合して、実施例1による感光性樹脂組成物を製造した。
【0222】
具体的には、溶媒に光重合開始剤を溶かした後、2時間常温で攪拌した。その後、ここにバインダー樹脂および光重合性単量体を添加して、2時間常温で攪拌した。次に、得られた反応物に、着色剤として上記合成例1で製造した化合物(化学式Aで表される化合物)を入れ、1時間常温で攪拌した。得られた生成物を3回ろ過して不純物を除去することによって、感光性樹脂組成物を製造した。
【0223】
【表1】
【0224】
実施例2
合成例1の化合物(化学式Aで表される化合物)の代わりに合成例2の化合物(化学式Bで表される化合物)を使用したことを除いては、実施例1と同様に行って、感光性樹脂組成物を製造した。
【0225】
実施例3
合成例1の化合物(化学式Aで表される化合物)の代わりに合成例3の化合物(化学式Cで表される化合物)を使用したことを除いては、実施例1と同様に行って、感光性樹脂組成物を製造した。
【0226】
実施例4
合成例1の化合物(化学式Aで表される化合物)の代わりに合成例4の化合物(化学式Dで表される化合物)を使用したことを除いては、実施例1と同様に行って、感光性樹脂組成物を製造した。
【0227】
実施例5
合成例1の化合物(化学式Aで表される化合物)の代わりに合成例5の化合物(化学式Eで表される化合物)を使用したことを除いては、実施例1と同様に行って、感光性樹脂組成物を製造した。
【0228】
実施例6
合成例1の化合物(化学式Aで表される化合物)の代わりに合成例6の化合物(化学式Fで表される化合物)を使用したことを除いては、実施例1と同様に行って、感光性樹脂組成物を製造した。
【0229】
実施例7
合成例1の化合物(化学式Aで表される化合物)の代わりに合成例7の化合物(化学式Gで表される化合物)を使用したことを除いては、実施例1と同様に行って、感光性樹脂組成物を製造した。
【0230】
実施例8
合成例1の化合物(化学式Aで表される化合物)の代わりに合成例8の化合物(化学式Hで表される化合物)を使用したことを除いては、実施例1と同様に行って、感光性樹脂組成物を製造した。
【0231】
実施例9
合成例1の化合物(化学式Aで表される化合物)の代わりに合成例9の化合物(化学式Iで表される化合物)を使用したことを除いては、実施例1と同様に行って、感光性樹脂組成物を製造した。
【0232】
実施例10
合成例1の化合物(化学式Aで表される化合物)の代わりに合成例10の化合物(化学式Kで表される化合物)を使用したことを除いては、実施例1と同様に行って、感光性樹脂組成物を製造した。
【0233】
実施例11
合成例1の化合物(化学式Aで表される化合物)の代わりに合成例11の化合物(化学式Mで表される化合物)を使用したことを除いては、実施例1と同様に行って、感光性樹脂組成物を製造した。
【0234】
実施例12
合成例1の化合物(化学式Aで表される化合物)の代わりに合成例12の化合物(化学式Oで表される化合物)を使用したことを除いては、実施例1と同様に行って、感光性樹脂組成物を製造した。
【0235】
比較例1
合成例1の化合物(化学式Aで表される化合物)の代わりに比較合成例1の化合物(化学式C-1で表される化合物)を使用したことを除いては、実施例1と同様に行って、感光性樹脂組成物を製造した。
【0236】
比較例2
合成例1の化合物(化学式Aで表される化合物)の代わりに比較合成例2の化合物(化学式C-2で表される化合物)を使用したことを除いては、実施例1と同様に行って、感光性樹脂組成物を製造した。
【0237】
比較例3
合成例1の化合物(化学式Aで表される化合物)の代わりに比較合成例3の化合物(化学式C-3で表される化合物)を使用したことを除いては、実施例1と同様に行って、感光性樹脂組成物を製造した。
【0238】
評価:組成物の耐化学性(耐薬品性)測定
実施例1~実施例12および比較例1~比較例3で製造した感光性樹脂組成物を用いて製造したカラーフィルタ試験片を、常温でPGMEA溶液に10分間浸漬し、溶液浸漬前と浸漬後のλmaxでの吸光強さ変化率を基準にして、下記のように耐化学性(耐薬品性)を評価し、その結果を下記表2に示した。
【0239】
【数1】
【0240】
【表2】
【0241】
上記表2から明らかなように、本発明の一実施形態によるコア-シェル化合物を高い含有量で含む実施例1~実施例12の感光性樹脂組成物は、耐化学性に優れて、CMOSイメージセンサに使用されることに非常に適していることを確認することができた。
【0242】
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲と発明の詳細な説明および添付した図面の範囲内で多様に変形して実施するのが可能であり、これも本発明の範囲に属するのは当然である。