(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-17
(45)【発行日】2023-10-25
(54)【発明の名称】発光モジュールおよび面状光源
(51)【国際特許分類】
F21V 8/00 20060101AFI20231018BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20231018BHJP
【FI】
F21V8/00 350
F21S2/00 481
F21S2/00 482
(21)【出願番号】P 2021124567
(22)【出願日】2021-07-29
【審査請求日】2022-08-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101683
【氏名又は名称】奥田 誠司
(74)【代理人】
【識別番号】100155000
【氏名又は名称】喜多 修市
(74)【代理人】
【識別番号】100202197
【氏名又は名称】村瀬 成康
(74)【代理人】
【識別番号】100184985
【氏名又は名称】田中 悠
(74)【代理人】
【識別番号】100218981
【氏名又は名称】武田 寛之
(72)【発明者】
【氏名】山本 泰正
(72)【発明者】
【氏名】渋谷 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】勝野 誠
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-057586(JP,A)
【文献】特開2021-036536(JP,A)
【文献】特開2018-101521(JP,A)
【文献】特開2019-215956(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 8/00
F21S 2/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1上面と、前記第1上面の反対側に位置する第1下面と、前記第1上面と前記第1下面との間に位置する第1側面と、前記第1上面よりも前記第1下面側に位置する前記第1側面の一部から連続して延びて前記第1側面と対向する
ように前記第1上面に向かって傾斜した第1延伸部と、前記第1下面に開口する第1孔部と、を含む第1導光部と、第2上面と、前記第2上面の反対側に位置する第2下面と、前記第2上面と前記第2下面との間に位置する第2側面と、前記第2上面よりも前記第2下面側に位置する前記第2側面の一部から連続して延びて前記第2側面と対向する
ように前記第2上面に向かって傾斜した第2延伸部と、前記第2下面に開口する第2孔部と、を含む第2導光部と、を含む導光部材と、
前記第1下面側に位置し前記第1孔部に配置される第1光源と、前記第2下面側に位置し前記第2孔部に配置される第2光源と、を含む光源部と、
前記第1側面の内で前記第1延伸部と対向する少なくとも一部と、前記第1延伸部の内で前記第1側面と対向する少なくとも一部と、を覆う第1光反射部材と、を備え、
前記第1延伸部は、前記第2延伸部と対向する発光モジュール。
【請求項2】
前記第2延伸部と対向する前記第2側面の少なくとも一部と、前記第2側面と対向する前記第2延伸部の少なくとも一部と、を覆う第2光反射部材と、を備える請求項1に記載の発光モジュール。
【請求項3】
断面視において、前記第1光反射部材が、前記第1延伸部の内で前記第2導光部に最も近い点を覆う請求項1又は請求項2に記載の発光モジュール。
【請求項4】
前記第1光反射部材が前記第2延伸部の少なくとも一部を覆う請求項1~3のいずれか1つに記載の発光モジュール。
【請求項5】
第1光源と前記第2光源は第1方向に並んで配置され、
断面視において、前記第1延伸部から前記第2延伸部までの第1方向における最小の長さが、前記第1光源の中心から前記第1延伸部までの第1方向における最大の長さの0.01倍以上0.1倍以下である請求項1~4のいずれか1つに記載の発光モジュール。
【請求項6】
第1上面と、前記第1上面の反対側に位置する第1下面と、前記第1上面と前記第1下面との間に位置する第1側面と、前記第1上面よりも前記第1下面側に位置する前記第1側面の一部から連続して延びて前記第1側面と対向する第1延伸部と、前記第1下面に開口する第1孔部と、を含む第1導光部と、第2上面と、前記第2上面の反対側に位置する第2下面と、前記第2上面と前記第2下面との間に位置する第2側面と、前記第2上面よりも前記第2下面側に位置する前記第2側面の一部から連続して延びて前記第2側面と対向する第2延伸部と、前記第2下面に開口する第2孔部と、を含む第2導光部と、を含む導光部材と、
前記第1下面側に位置し前記第1孔部に配置される第1光源と、前記第2下面側に位置し前記第2孔部に配置される第2光源と、を含む光源部と、
前記第1側面の内で前記第1延伸部と対向する少なくとも一部と、前記第1延伸部の内で前記第1側面と対向する少なくとも一部と、を覆う第1光反射部材と、を備え、
前記第1延伸部は、前記第2延伸部と対向しており、
平面視において前記第1光源の中心から最も近い前記第1延伸部の外縁を覆い、平面視において前記第1光源の中心から最も遠い前記第1延伸部の外縁を露出する第3光反射部材を更に備え
る発光モジュール。
【請求項7】
第1上面と、前記第1上面の反対側に位置する第1下面と、前記第1上面と前記第1下面との間に位置する第1側面と、前記第1上面よりも前記第1下面側に位置する前記第1側面の一部から連続して延びて前記第1側面と対向する第1延伸部と、前記第1下面に開口する第1孔部と、を含む第1導光部と、第2上面と、前記第2上面の反対側に位置する第2下面と、前記第2上面と前記第2下面との間に位置する第2側面と、前記第2上面よりも前記第2下面側に位置する前記第2側面の一部から連続して延びて前記第2側面と対向する第2延伸部と、前記第2下面に開口する第2孔部と、を含む第2導光部と、を含む導光部材と、
前記第1下面側に位置し前記第1孔部に配置される第1光源と、前記第2下面側に位置し前記第2孔部に配置される第2光源と、を含む光源部と、
前記第1側面の内で前記第1延伸部と対向する少なくとも一部と、前記第1延伸部の内で前記第1側面と対向する少なくとも一部と、を覆う第1光反射部材と、を備え、
前記第1延伸部は、前記第2延伸部と対向しており、
平面視において前記第1光源の中心から最も近い前記第1延伸部の外縁を覆う第1部と、
平面視において前記第1光源の中心から最も遠い前記第1延伸部の外縁を覆う第2部と、を含む第3光反射部
材を更に備え、
前記第2部の透過率が前記第1部の透過率よりも高
い発光モジュール。
【請求項8】
断面視において、前記第1延伸部の内で前記第2導光部に最も近い点と、前記第1下面の内で前記第2導光部に最も近い点と、を結ぶ線と、前記第1下面とが、なす角が105°以上165°以下である請求項1~7のいずれか1つに記載の発光モジュール。
【請求項9】
支持部材と、
前記第1下面及び前記第2下面を前記支持部材に対向させ、前記支持部材上に配置された請求項1~8のいずれか1つに記載の発光モジュールと、
を備える面状光源。
【請求項10】
前記第1光源と前記第2光源は第1方向に並んで配置され、
前記第1光反射部材は、前記第1側面の内で前記第1延伸部と対向する前記少なくとも一部を覆う第1部分と、前記第1延伸部の内で前記第1側面と対向する前記少なくとも一部を覆う第2部分と、を有し、
前記第1方向において、前記第1部分と前記第2部分の間に間隙が位置する請求項1~4、6、7のいずれか1つに記載の発光モジュール。
【請求項11】
前記第1光反射部材は、前記第1側面の内で前記第1延伸部と対向する前記少なくとも一部を覆う第1部分と、前記第1延伸部の内で前記第1側面と対向する前記少なくとも一部を覆う第2部分と、を有し、
前記第1方向において、前記第1部分と前記第2部分の間に間隙が位置する請求項5に記載の発光モジュール。
【請求項12】
断面視において、前記第1延伸部の内で前記第2導光部に最も近い部分が、前記第1光反射部材から露出する請求項1~10のいずれか1つに記載の発光モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明に係る実施形態は、発光モジュールおよび面状光源に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード等の発光素子と、導光板とを組み合わせた発光モジュールは、例えば液晶ディスプレイのバックライト等の面状光源に広く利用されている。また、導光板を溝によって複数の領域に区画し、領域ごとに発光と非発光の制御を可能にした面状光源も提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
面状光源は、発光領域と非発光領域との明暗の差を更に大きくすることが求められている。本発明に係る実施形態は、発光領域と非発光領域との明暗の差を大きくすることができる発光モジュールおよび面状光源を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、発光モジュールは、第1上面と、前記第1上面の反対側に位置する第1下面と、前記第1上面と前記第1下面との間に位置する第1側面と、前記第1上面よりも前記第1下面側に位置する前記第1側面の一部から連続して延びて前記第1側面と対向する第1延伸部と、前記第1下面に開口する第1孔部と、を含む第1導光部と、第2上面と、前記第2上面の反対側に位置する第2下面と、前記第2上面と前記第2下面との間に位置する第2側面と、前記第2上面よりも前記第2下面側に位置する前記第2側面の一部から連続して延びて前記第2側面と対向する第2延伸部と、前記第2下面に開口する第2孔部と、を含む第2導光部と、を含む導光部材と、前記第1下面側に位置し前記第1孔部に配置される第1光源と、前記第2下面側に位置し前記第2孔部に配置される第2光源と、を含む光源部と、前記第1側面の内で前記第1延伸部と対向する少なくとも一部と、前記第1延伸部の内で前記第1側面と対向する少なくとも一部と、を覆う第1光反射部材と、を備え、前記第1延伸部は、前記第2延伸部と対向する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一実施の形態の発光モジュール及び面状光源によれば、発光領域と非発光領域との明暗の差を大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態に係る面状光源を示す模式平面図である。
【
図2】
図1に示すII-II線における模式断面図である。
【
図3A】実施形態に係る第1延伸部、第2延伸部及び第1反射部材の周辺を示す模式断面図である。
【
図3B】実施形態に係る第1延伸部、第2延伸部及び第1光源の周辺を示す模式断面図である。
【
図5】実施形態に係る第1延伸部、第2延伸部及び第1反射部材の変形例の周辺を示す模式断面図である。
【
図6】実施形態に係る第1光源の模式断面図である。
【
図7A】実施形態に係る第1延伸部、第2延伸部及び第1反射部材の変形例の周辺を示す模式断面図である。
【
図7B】実施形態に係る第1延伸部、第2延伸部及び第1反射部材の変形例の周辺を示す模式断面図である。
【
図7C】実施形態に係る第1延伸部、第2延伸部及び第3反射部材の周辺を示す模式断面図である。
【
図7D】実施形態に係る第1延伸部、第2延伸部及び第3反射部材の変形例の周辺を示す模式断面図である。
【
図8A】実施形態に係る面状光源を変形例の示す模式平面図である。
【
図8B】実施形態に係る面状光源を変形例の示す模式平面図である。
【
図9A】実施形態に係る面状光源の製造方法を示す模式断面図である。
【
図9B】実施形態に係る面状光源の製造方法を示す模式断面図である。
【
図9C】実施形態に係る面状光源の製造方法を示す模式断面図である。
【
図9D】実施形態に係る面状光源の製造方法を示す模式断面図である。
【
図9E】実施形態に係る面状光源の製造方法を示す模式断面図である。
【
図10A】実施形態に係る面状光源の製造方法を示す模式断面図である。
【
図10B】実施形態に係る面状光源の製造方法を示す模式断面図である。
【
図10C】実施形態に係る面状光源の製造方法を示す模式断面図である。
【
図10D】実施形態に係る面状光源の製造方法を示す模式断面図である。
【
図10E】実施形態に係る面状光源の製造方法を示す模式断面図である。
【
図10F】実施形態に係る面状光源の製造方法を示す模式断面図である。
【
図10G】実施形態に係る面状光源の製造方法を示す模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照し、実施形態について説明する。各図面は、実施形態を模式的に示したものであるため、各部材のスケール、間隔若しくは位置関係などが誇張、又は部材の一部の図示を省略する場合がある。
図1等に示す面状光源を示す模式平面図は、面状光源を上方から見た図面である。本明細書では、Z軸の矢印方向を上方とする。また、断面図として、切断面のみを示す端面図を示す場合がある。
【0009】
以下の説明において、実質的に同じ機能を有する構成要素は共通の参照符号で示し、説明を省略することがある。また、特定の方向又は位置を示す用語(例えば、「上」、「下」及びそれらの用語を含む別の用語)を用いる場合がある。しかしながら、それらの用語は、参照した図面における相対的な方向又は位置を分かり易さのために用いているに過ぎない。参照した図面における「上」、「下」等の用語による相対的な方向又は位置の関係が同一であれば、本開示以外の図面、実際の製品等において、参照した図面と同一の配置でなくてもよい。本明細書において「平行」とは、2つの直線、辺、面等が延長しても交わらない場合だけでなく、2つの直線、辺、面等がなす角度が10°以内の範囲で交わる場合も含む。本明細書において「上」と表現する位置関係は、接している場合と、接していないが上方に位置している場合も含む。
【0010】
[実施形態]
実施形態の面状光源300を
図1から
図8Bを参照して説明する。例えば
図2に示すように、面状光源300は、発光モジュール100と、支持部材200と、を備える。発光モジュール100は、支持部材200上に配置される。発光モジュール100は、導光部材10と、光源部20と、光反射部材30と、を備える。導光部材10は、第1導光部10Aと、第2導光部10Bと、を備える。導光部材10は、更に第3導光部10Cと、第4導光部10Dと、を備えていてもよい。導光部材10の導光部の数は、適宜設定することができる。第1導光部10Aは、第1上面11Aと、第1下面11Bと、第1側面11Cと、第1延伸部11Dと、第1孔部11Eと、を含む。第1下面11Bは、第1上面11Aの反対側に位置する。第1側面11Cは、第1上面11Aと第1下面11Bの間に位置する。第1延伸部11Dは、第1上面11Aよりも第1下面11B側に位置する第1側面11Cの一部から連続して延びる。第1延伸部11Dは、第1側面11Cと異なる第1導光部10Aの一部である。第1延伸部11Dは、第1側面11Cと対向する。第1孔部11Eは、第1下面11Bに開口する。第2導光部10Bは、第2上面12Aと、第2下面12Bと、第2側面12Cと、第2延伸部12Dと、第2孔部12Eと、を含む。第2下面12Bは、第2上面12Aの反対側に位置する。第2側面12Cは、第2上面12Aと第2下面12Bの間に位置する。第2延伸部12Dは、第2上面12Aよりも第2下面12B側に位置する第2側面12Cの一部から連続して延びる。第2延伸部12Dは、第2側面12Cと異なる第2導光部10Bの一部である。第2延伸部12Dは、第2側面12Cと対向する。第1延伸部11Dは、第2延伸部12Dと対向する。第2孔部12Eは、第2下面12Bに開口する。光源部20は、第1光源20Aと、第2光源20Bと、を含む。光源部20は、更に第3光源20Cと、第4光源20Dと、を含んでいてもよい。面状光源300の光源部20の数は、適宜設定することができる。第1光源20Aは、第1下面11B側に位置する。第1光源20Aは、第1孔部11Eに配置される。第2光源20Bは、第2下面12B側に位置する。第2光源20Bは、第2孔部12Eに配置される。光反射部材30は、第1光反射部材31を含む。第1光反射部材31は、第1側面11Cの内で第1延伸部11Dと対向する少なくとも一部を覆う。第1光反射部材31は、第1延伸部11Dの内で第1側面11Cと対向する少なくとも一部を覆う。第1光源20Aと第2光源20Bは第1方向に並んで配置される。第1下面11Bの少なくとも一部と平行であり、第1方向と直交する方向を第2方向とする。第1方向及び第2方向と直交する方向を第3方向とする。
図1において、第1方向とはX方向であり、第2方向とはY方向であり、第3方向とはZ方向である。第1光源20A側から第2光源20B側に向かう方向を+X方向と呼び、第2光源20B側から第1光源20A側に向かう方向を-X方向と呼ぶことがある。第1上面11A側から第1下面11B側に向かう方向を-Z方向と呼ぶことがある。
【0011】
第1光反射部材31は、第1側面11Cの内で第1延伸部11Dと対向する少なくとも一部と、第1延伸部11Dの内で第1側面11Cと対向する少なくとも一部と、を覆う。このため、第1光源20Aから出射された+X方向に進む光の一部を第1光反射部材31によって遮ることができる。これにより、第1光源20Aから出射された+X方向に進む光の一部が第2導光部10Bに当たることを抑制できる。従って、発光領域と非発光領域との明暗の差を大きくできる。例えば、第1光源20Aが点灯し第2光源20Bが点灯していないの場合における第1導光部10Aと第2導光部10Bとの明暗の差を大きくできる。第1側面11Cの内で第1延伸部11Dと対向する少なくとも一部とは、第1方向(X方向)において第1延伸部11Dと重なる第1側面11Cの少なくとも一部のことである。第1延伸部11Dの内で第1側面11Cと対向する少なくとも一部とは、第1方向(X方向)において第1側面11Cと重なる第1延伸部11DCの少なくとも一部のことである。
【0012】
以下、面状光源300を構成する各要素について詳説する。
【0013】
(導光部材10)
導光部材10は光源部20が発する光に対する透光性を有する部材である。第1光源20Aのピーク波長に対する導光部材10の透過率は、例えば、60%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。導光部材10は、第1方向(X方向)において隣り合う第1導光部10Aと、第2導光部10Bと、を備える。導光部材10は、第2方向(Y方向)において第1導光部10Aと隣り合う第3導光部10Cと、第2導光部10Bと隣り合う第4導光部10Dと、を更に備えていてもよい。第1方向(X方向)において第3導光部10Cと第4導光部10Dは隣り合っている。尚、第2導光部10B、第3導光部10C及び第4導光部10Dは、第1導光部10Aと同様の構造であるので適宜説明を省略する。
【0014】
導光部材10の材料としては、例えば、アクリル、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート若しくはポリエステル等の熱可塑性樹脂、エポキシ若しくはシリコーン等の熱硬化性樹脂、又は、ガラスなどを用いることができる。
【0015】
導光部材10の厚さは、例えば、150μm以上800μm以下が好ましい。本明細書において、各部材の厚さとは第3方向(Z方向)上に位置する各部材の上面から各部材の下面までの最大値とする。導光部材10は、第3方向に単層で構成されてもよいし、複数の層の積層体で構成されてもよい。導光部材10が積層体で構成される場合、各層の間に透光性の接着部材を配置してもよい。積層体の各層は、異なる種類の主材を用いてもよい。接着部材の材料としては、例えば、アクリル、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート若しくはポリエステル等の熱可塑性樹脂、又は、エポキシ若しくはシリコーン等の熱硬化性樹脂を用いることができる。
【0016】
図2に示すように、第1導光部10Aは、面状光源300の発光面となる第1上面11Aと、第1上面11Aの反対側に位置する第1下面11Bと、を含む。第1導光部10Aは、第1上面11Aと第1下面11Bとの間に位置する第1側面11Cを含む。断面視において、第1側面11Cは直線でもよく、曲線でもよく、凹凸を有していてもよい。
図2に示すように、第1側面11Cは第1方向における第1上面11Aの幅が狭くなる方向に傾斜することが好ましい。このようにすることで、第1光源20Aから出射された+X方向に進む光が、第1側面11Cを覆う第1光反射部材31によって-Z方向に反射されやすくなる。これにより、第1側面11Cの近傍において輝度が高くなることを抑制できる。
【0017】
第1導光部10Aは、第1上面11Aよりも第1下面11B側に位置する第1側面11Cの一部から連続して延びる第1延伸部11Dを含む。第1延伸部11Dは、第1方向(X方向)において第1側面11Cと対向する。言い換えると、第1延伸部11Dの少なくとも一部は、第1方向(X方向)において第1側面11Cと重なる。
図3Aに示すように、第1延伸部11Dは、第1下面11Bから連続して延びていることが好ましい。このようにすることで、第1延伸部11Dの第3方向(Z方向)における高さを低くしやすくなる。このため、第1延伸部11Dを覆う第1光反射部材31の第3方向(Z方向)における高さも低くしやすくなる。第1光源20Aは第1下面11B側に位置しているので、第1光反射部材31の第3方向(Z方向)における高さを低くすることにより第1光源20Aから出射された+X方向に進む光が第1光反射部材31に当たり易くなる。これにより、発光領域と非発光領域との明暗の差を大きくできる。尚、本明細書において高さが低くなるとは-Z方向に向かうことを意味する。
【0018】
図1に示すように、第1導光部10Aは、第2導光部10Bと対向する第1側面以外の第1導光部10Aの側面の一部から連続して延びる第3延伸部11Fを備えていることが好ましい。第3延伸部11Fは、第1延伸部11Dと同様の形状をしている。第3延伸部11Fは、光反射部材30と同様の部材によって覆われている。このようにすることで、第1側面以外の第1導光部10Aの側面においても発光領域と非発光領域との明暗の差を大きくすることができる。第1延伸部11Dと第3延伸部11Fとは繋がっている。平面視において、第1延伸部11D及び第3延伸部11Fによって第1光源20Aは切れ目なく囲まれていることが好ましい。尚、第1延伸部11Dと第3延伸部11Fは離れていてもよい。
【0019】
図2に示すように、第2導光部10Bは、面状光源300の発光面となる第2上面12Aと、第2上面12Aの反対側に位置する第2下面12Bとを含む。第2導光部10Bは、第2上面12Aと第2下面12Bとの間に位置する第2側面12Cを含む。断面視において、第2側面12Cは直線でもよく、曲線でもよく、凹凸を有していてもよい。
図2に示すように、第2側面12Cは第1方向における第2上面12Aの幅が狭くなる方向に傾斜することが好ましい。このようにすることで、第2光源20Bから出射された-X方向に進む光が、第2側面12Cを覆う光反射部材30によって-Z方向に反射されやすくなる。これにより、第2側面12Cの近傍において輝度が高くなることを抑制できる。
【0020】
第2導光部10Bは、第2上面12Aよりも第2下面12B側に位置する第2側面12Cの一部から連続して延びる第2延伸部12Dを含む。第2延伸部12Dは、第1方向(X方向)において第2側面12Cと対向する。第1延伸部11Dは、第2延伸部12Dと対向する。言い換えると、第1延伸部11Dの少なくとも一部は、第1方向(X方向)において第2延伸部12Dと重なる。
図3Aに示すように、第2延伸部12Dは、第2下面12Bから連続して延びていてもよい。第2延伸部12Dは、第1延伸部11Dと同様の構造であるので適宜説明を省略する。
【0021】
図1に示すように、第2導光部10Bは、第1導光部10Aと対向する第2側面以外の第2導光部10Bの側面の一部から連続して延びる第4延伸部12Fを備えていることが好ましい。第4延伸部12Fは、第2延伸部12Dと同様の形状をしている。第4延伸部12Fは、光反射部材30と同様の部材によって覆われている。このようにすることで、第2側面以外の第2導光部10Bの側面においても発光領域と非発光領域との明暗の差を大きくすることができる。第2延伸部12Dと第4延伸部12Fとは繋がっている。平面視において、第2延伸部12D及び第4延伸部12Fによって第2光源20Bは切れ目なく囲まれていることが好ましい。尚、第2延伸部12Dと第4延伸部12Fは離れていてもよい。
【0022】
第1延伸部11Dから第2延伸部12Dまでの第1方向(X方向)における最小の長さは、特に限定されない。
図3Bに示すように、断面視において、第1延伸部11Dから第2延伸部12Dまでの第1方向(X方向)における最小の長さT1は、第1光源20Aの中心から第1延伸部11Dまでの第1方向(X方向)における最大の長さT2の0.01倍以上0.1倍以下であることが好ましい。断面視において、第1延伸部11Dから第2延伸部12Dまでの第1方向(X方向)における最小の長さT1が、第1光源20Aの中心から第1延伸部11Dまでの第1方向(X方向)における最大の長さT2の0.01倍以上であることにより、第1延伸部11Dと第2延伸部12Dの間の輝度が高くなることを抑制できる。断面視において、第1延伸部11Dから第2延伸部12Dまでの第1方向(X方向)における最小の長さT1が、第1光源20Aの中心から第1延伸部11Dまでの第1方向(X方向)における最大の長さT2の0.1倍以下であることにより、第1延伸部11Dと第2延伸部12Dの間の輝度が低くなることを抑制できる。断面視における第1光源20Aの中心とは、断面視における第1光源20Aの幾何学的な重心を意味する。
【0023】
図3Aに示す断面視において、第1延伸部11Dの内で第2導光部10Bに最も近い点P1と、第1下面11Bの内で第2導光部10Bに最も近い点P2と、を結ぶ線L1と、第1下面11Bとが、なす角の角度は特に限定されない。断面視において、第1延伸部11Dの内で第2導光部10Bに最も近い点P1と、第1下面11Bの内で第2導光部10Bに最も近い点P2と、を結ぶ線L1と、第1下面11Bとが、なす角θ1は105°以上165°以下であることが好ましい。断面視において、第1延伸部11Dの内で第2導光部10Bに最も近い点P1と、第1下面11Bの内で第2導光部10Bに最も近い点P2と、を結ぶ線L1と、第1下面11Bとが、なす角θ1が105°以上であることにより、第1延伸部11Dから第2延伸部12Dまでの第1方向(X方向)における最小の長さを短くすることができる。これにより、第1延伸部11Dと第2延伸部12Dの間の輝度が低くなることを抑制できる。断面視において、第1延伸部11Dの内で第2導光部10Bに最も近い点P1と、第1下面11Bの内で第2導光部10Bに最も近い点P2と、を結ぶ線L1と、第1下面11Bとが、なす角θ1が165°以下であることにより、第1延伸部11Dの第3方向(Z方向)における高さを高くしやすくなる。このため、第1延伸部11Dを覆う第1反射部材の一部の第3方向(Z方向)における高さを高くしやすくなる。これにより、第1光源20Aから出射された+X方向に進む光の一部を第1光反射部材31によって遮りやすくなる。また、第1延伸部11Dの内で第2導光部10Bに最も近い点P1と、第1下面11Bの内で第2導光部10Bに最も近い点P2と、を結ぶ線L1と、第1下面11Bとが、なす角θ1を105°以上135°以下にしてもよい。断面視において、第1延伸部11Dの内で第2導光部10Bに最も近い点P1と、第1下面11Bの内で第2導光部10Bに最も近い点P2と、を結ぶ線L1と、第1下面11Bとが、なす角θ1が135°以下であることにより、第1光源20Aから出射された+X方向に進む光の一部を第1光反射部材31によって遮りやすくなる。また、第1延伸部11Dの内で第2導光部10Bに最も近い点P1と、第1下面11Bの内で第2導光部10Bに最も近い点P2と、を結ぶ線L1と、第1下面11Bとが、なす角θ1を145°以上165°以下にしてもよい。断面視において、第1延伸部11Dの内で第2導光部10Bに最も近い点P1と、第1下面11Bの内で第2導光部10Bに最も近い点P2と、を結ぶ線L1と、第1下面11Bとが、なす角θ1が145°以上であることにより、第1延伸部11Dから第2延伸部12Dまでの第1方向(X方向)における最小の長さを短くすることができる。
【0024】
平面視において、第1光源20Aの中心から最も遠い第1延伸部11Dの外縁から第2導光部10Bまでの最小の長さは、特に限定されない。
図1、
図4に示すように、平面視において第1光源20Aの中心から最も遠い第1延伸部11Dの外縁11P1から第2導光部10Bまでの最小の長さは、平面視において第1光源20Aの中心から最も近い第1延伸部11Dの外縁11P2から第2導光部10Bまでの最小の長さよりも短いことが好ましい。第1光源20Aからの距離が長くなるにつれて輝度は低くなりやすい。このため、平面視において第1光源の中心から最も遠い第1延伸部の外縁11P1から第2導光部10Bまでの最小の長さが短くなることによって、平面視において第1光源の中心から最も遠い第1延伸部の外縁の近傍における輝度が低くなることを抑制できる。
図4に示すように、平面視において第1光源の中心から最も遠い第1延伸部11Dの外縁11P1が第2導光部10B側に延びていることが好ましい。このようにすることで、平面視において第1光源20Aの中心から最も遠い第1延伸部11Dの外縁11P1から第2導光部10Bまでの最小の長さを短くしやすくなる。
図4に示すように平面視において第1光源20Aの中心から最も遠い第1延伸部11Dの外縁11P1が第3導光部10C及び第4導光部10D側に延びていることが好ましい。このようにすることで、平面視において第1光源の中心から最も遠い第1延伸部の外縁の近傍の輝度が低くなることを抑制できる。同様に、平面視において第2光源20Bの中心から最も遠い第2延伸部12Dの外縁から第1導光部10Aまでの最小の長さは、平面視において第2光源20Bの中心から最も近い第2延伸部12Dの外縁から第1導光部10Aまでの最小の長さよりも短いことが好ましい。
【0025】
断面視において、第1延伸部の外縁の一部は、直線でもよく、曲線でもよく、凹凸を有していてもよい。例えば、
図5に示すように第1延伸部11Dは、複数の凸部11D1を有していてもよい。第1延伸部11Dの凸部11D1が第1光反射部材31に覆われることにより、第1延伸部11Dと第1光反射部材31とが接する面積を大きくすることができる。これにより、第1延伸部11Dと第1光反射部材31の密着性を向上させることができる。尚、第1延伸部11Dは、1つの凸部を有していてもよい。また、
図5に示すように、断面視において、第1延伸部11Dの下面の少なくとも一部は、曲線であることが好ましい。例えば、第1導光部10Aを支持体200上に配置する時に第1延伸部11Dに外力が加わったとしても、断面視において第1延伸部11Dの下面の少なくとも一部が曲線であることにより、第1延伸部11Dの下面が欠けることを抑制できる。
【0026】
第1導光部10Aは、第1光源20Aが配置される第1孔部11Eを含む。第2導光部10Bは、第2光源20Bが配置される第2孔部12Eを含む。第1孔部11Eは、第1上面11Aから第1下面11Bまで貫通する貫通孔である。第1孔部11Eは、第1下面11B側にのみ開口する凹部であってもよい。第1孔部11Eが凹部の場合には、第1孔部11Eは第1導光部10Aにより形成された底面を備えている。第2孔部12Eは、第2上面12Aから第2下面12Bまで貫通する貫通孔である。第2孔部12Eは、第2下面12B側にのみ開口する凹部であってもよい。第2孔部12Eが凹部の場合には、第2孔部12Eは第2導光部10Bにより形成された底面を備えている。
【0027】
平面視における第1孔部11E及び第2孔部12Eの形状は特に限定されない。
図1に示すように、平面視において、第1孔部11E及び第2孔部12Eは、円形であってもよい。平面視において、第1孔部11E及び第2孔部12Eは、楕円、又は、三角形、四角形、六角形若しくは八角形等の多角形であってもよい。
【0028】
(光源部20)
光源部20は、第1光源20Aと、第2光源20Bと、を含む。光源部20は、更に第3光源20Cと、第4光源20Dと、を含んでいてもよい。第1光源20Aは、第1孔部11E内に配置される。尚、第1孔部11E内に1つの第1光源20Aが配置されていてもよく、複数の第1光源20Aが配置されていてよい。第2光源20Bは、第2孔部12E内に配置される。尚、第2孔部12E内に1つの第2光源20Bが配置されていてもよく、複数の第2光源20Bが配置されていてよい。第2光源20B、第3光源20C及び第4光源20Dは、第1光源20Aと同様の構造であるので適宜説明を省略する。
【0029】
図6に示すように、第1光源20Aは、発光素子21を含む。発光素子21は、半導体積層体を含む。半導体積層体は、n型半導体層およびp型半導体層と、これらに挟まれた発光層とを含む。発光層は、ダブルヘテロ接合または単一量子井戸(SQW)等の構造を有していてもよいし、多重量子井戸(MQW)のようにひとかたまりの活性層群をもつ構造を有していてもよい。半導体積層体は、可視光または紫外光を発光可能に構成されている。このような発光層を含む半導体積層体は、例えばIn
xAl
yGa
1-x-yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)を含むことができる。
【0030】
半導体積層体は、n型半導体層とp型半導体層との間に1つ以上の発光層を含む構造を有していてもよいし、n型半導体層と発光層とp型半導体層とを順に含む構造が複数回繰り返された構造を有していてもよい。半導体積層体が複数の発光層を含む場合、発光ピーク波長が異なる発光層を含んでいてもよいし、発光ピーク波長が同じ発光層を含んでいてもよい。なお、発光ピーク波長が同じとは、数nm程度のばらつきがある場合も含む。複数の発光層の間の発光ピーク波長の組み合わせは、適宜選択することができる。例えば半導体積層体が2つの発光層を含む場合、青色光と青色光、緑色光と緑色光、赤色光と赤色光、紫外光と紫外光、青色光と緑色光、青色光と赤色光、または、緑色光と赤色光などの組み合わせで発光層を選択することができる。各発光層は、発光ピーク波長が異なる複数の活性層を含んでいてもよいし、発光ピーク波長が同じ複数の活性層を含んでいてもよい。
【0031】
図6に示すように、第1光源20Aは、さらに光源透光性部材22を含むことができる。光源透光性部材22は、発光素子21の上面及び側面を覆っている。光源透光性部材22は、発光素子21を保護するとともに、光源透光性部材22に添加される粒子に応じて、波長変換や光拡散等の機能を備える。
【0032】
例えば、光源透光性部材22は、透光性樹脂を含み、蛍光体を更に含んでいてもよい。透光性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂又はエポキシ樹脂等を用いることができる。また、蛍光体としては、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Y3(Al,Ga)5O12:Ce)、ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Lu3(Al,Ga)5O12:Ce)、テルビウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Tb3(Al,Ga)5O12:Ce)、CCA系蛍光体(例えば、Ca10(PO4)6Cl2:Eu)、SAE系蛍光体(例えば、Sr4Al14O25:Eu)、クロロシリケート系蛍光体(例えば、Ca8MgSi4O16Cl2:Eu)、βサイアロン系蛍光体(例えば、(Si,Al)3(O,N)4:Eu)、αサイアロン系蛍光体(例えば、Ca(Si,Al)12(O,N)16:Eu)、SLA系蛍光体(例えば、SrLiAl3N4:Eu)、CASN系蛍光体(例えば、CaAlSiN3:Eu)若しくはSCASN系蛍光体(例えば、(Sr,Ca)AlSiN3:Eu)等の窒化物系蛍光体、KSF系蛍光体(例えば、K2SiF6:Mn)、KSAF系蛍光体(例えば、K2Si0.99Al0.01F5.99:Mn)若しくはMGF系蛍光体(例えば、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn)等のフッ化物系蛍光体、ペロブスカイト構造を有する蛍光体(例えば、CsPb(F,Cl,Br,I)3)、又は、量子ドット蛍光体(例えば、CdSe、InP、AgInS2又はAgInSe2)等を用いることができる。光源透光性部材22に添加する蛍光体としては、1種類の蛍光体を用いてもよく、複数種類の蛍光体を用いてもよい。
【0033】
KSAF系蛍光体としては、下記式(I)で表される組成を有していてよい。
M2[SipAlqMnrFs] (I)
【0034】
式(I)中、Mはアルカリ金属を示し、少なくともKを含んでよい。Mnは4価のMnイオンであってよい。p、q、r及びsは、0.9≦p+q+r≦1.1、0<q≦0.1、0<r≦0.2、5.9≦s≦6.1を満たしていてよい。好ましくは、0.95≦p+q+r≦1.05又は0.97≦p+q+r≦1.03、0<q≦0.03、0.002≦q≦0.02又は0.003≦q≦0.015、0.005≦r≦0.15、0.01≦r≦0.12又は0.015≦r≦0.1、5.92≦s≦6.05又は5.95≦s≦6.025であってよい。例えば、K2[Si0.946Al0.005Mn0.049F5.995]、K2[Si0.942Al0.008Mn0.050F5.992]、K2[Si0.939Al0.014Mn0.047F5.986]で表される組成が挙げられる。このようなKSAF系蛍光体によれば、輝度が高く、発光ピーク波長の半値幅の狭い赤色発光を得ることができる。
【0035】
また、上述した蛍光体を含有する波長変換シートを、面状光源300上に配置してもよい。波長変換シートは、光源部20からの青色光の一部を吸収して、黄色光、緑色光及び/又は赤色光を発し、白色光を出射する面状光源とすることができる。例えば、青色の発光が可能な光源部20と、黄色の発光が可能な蛍光体を含有する波長変換シートと、を組み合わせて白色光を得ることができる。また他には、青色の発光が可能な光源部20と、赤色蛍光体及び緑色蛍光体を含有する波長変換シートとを組み合わせてもよい。また、青色の発光が可能な光源部20と、複数の波長変換シートとを組み合わせてもよい。複数の波長変換シートとしては、例えば、赤色の発光が可能な蛍光体を含有する波長変換シートと、緑色の発光が可能な蛍光体を含有する波長変換シートと、を選択することができる。また、青色の発光が可能な発光素子21と、赤色の発光が可能な蛍光体を含有する光源透光性部材22とを有する光源部20と、緑色の発光が可能な蛍光体を含有する波長変換シートとを組み合わせてもよい。
【0036】
波長変換シートに用いられる黄色の蛍光体としては、例えば、上述したイットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体を用いるのが好ましい。また、波長変換シートに用いられる緑色の蛍光体としては、発光ピーク波長の半値幅の狭い、例えば、上述したペロブスカイト構造を有する蛍光体又は量子ドット蛍光体を用いるのが好ましい。また、波長変換シートに用いられる赤色の蛍光体としては、緑色の蛍光体同様に発光ピーク波長の半値幅の狭い、例えば、上述したKSF系蛍光体、KSAF系蛍光体又は量子ドット蛍光体を用いるのが好ましい。
【0037】
第1光源20Aは、さらに被覆部材24を含むことができる。被覆部材24は、発光素子21の下面に配置される。被覆部材24は、第1光源20Aの電極25の下面が被覆部材24から露出するように配置される。被覆部材24は、発光素子21の側面を覆う光源透光性部材22の下面にも配置される。
【0038】
被覆部材24は、第1光源20Aが発する光に対する反射性を有する。被覆部材24は、例えば、光散乱粒子を含む樹脂部材である。被覆部材24の光散乱粒子として例えば、チタニア、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ジルコニア、イットリア、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、五酸化ニオブ、チタン酸バリウム、五酸化タンタル、硫酸バリウム、又は、ガラス等の粒子を用いることができる。被覆部材24の樹脂材料としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂若しくはポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂、又は、エポキシ樹脂若しくはシリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。
【0039】
第1光源20Aは、第1光調整部材23を含む。第1光調整部材23は、第1光源20Aの上面に配置される。第1光調整部材23は、発光素子21の上面を覆っている。第1光調整部材23は、光源透光性部材22の上面に配置され、光源透光性部材22の上面から出射する光の量や出射方向を制御する。第1光調整部材23は、発光素子21が発する光に対する反射性及び透光性を有する。光源透光性部材22の上面から出射した光の一部は第1光調整部材23により反射し、他の一部は第1光調整部材23を透過する。発光素子21のピーク波長に対する第1光調整部材23の透過率は、例えば、1%以上50%以下が好ましく、3%以上30%以下であることがより好ましい。これにより、第1光源20Aの直上での輝度を低くし、面状光源300の輝度むらを軽減する。
【0040】
第1光調整部材23は、透光性樹脂と、透光性樹脂中に含まれる光散乱粒子によって構成することができる。透光性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂若しくはポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂、又は、エポキシ樹脂若しくはシリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。光散乱粒子としては、例えば、チタニア、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ジルコニア、イットリア、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、五酸化ニオブ、チタン酸バリウム、五酸化タンタル、硫酸バリウム、又は、ガラス等の粒子等を用いることができる。また、第1光調整部材23は、例えば、アルミニウム若しくは銀などの金属部材、又は誘電体多層膜であってもよい。
【0041】
第1光源20Aは被覆部材24を含まなくてもよい。例えば、発光素子21の下面及び光源透光性部材22の下面によって光源の下面が構成されいてもよい。他の形態としては、第1光源20Aは発光素子21の単体のみであってもよい。他の形態としては、第1光源20Aは、被覆部材24及び光源透光性部材22を含まず、発光素子21の上面に第1光調整部材23が配置されたものであってもよい。他の形態としては、第1光源20Aは、光源透光性部材22を含まず、発光素子21の上面に第1光調整部材23が配置され、発光素子21の下面に被覆部材24が配置されたものであってもよい。
【0042】
(光反射部材30)
光反射部材30は、光源部20が発する光に対する反射性を有する部材である。光反射部材30は、例えば、光散乱粒子を含む樹脂部材である。光反射部材30の光散乱粒子として、例えば、チタニア、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ジルコニア、イットリア、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、五酸化ニオブ、チタン酸バリウム、五酸化タンタル、硫酸バリウム、又は、ガラス等の粒子を用いることができる。光反射部材30の樹脂材料としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂若しくはポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂、又は、エポキシ樹脂若しくはシリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。
【0043】
光反射部材30は、第1光反射部材31を備える。第1光源20Aのピーク波長に対する第1光反射部材31の反射率は、例えば、60%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。このようにすることで、第1光源20Aからの光を第1光反射部材31によって遮りやすくなる。
【0044】
第1光反射部材31は、第1側面11Cの内で第1延伸部11Dと対向する少なくとも一部を覆う。第1光反射部材31は、第1延伸部11Dの内で第1側面11Cと対向する少なくとも一部を覆う。第1光反射部材31が第1側面11Cの内で第1延伸部11Dと対向する少なくとも一部と、第1延伸部11Dの内で第1側面11Cと対向する少なくとも一部と、を覆うことにより第1光源20Aから出射された+X方向に進む光の一部を第1光反射部材31によって遮ることができる。これにより、発光領域と非発光領域との明暗の差を大きくできる。第1光反射部材31と第1延伸部11Dは接していることが好ましい。このようにすることで、第1延伸部11Dから第1光源20Aからの光が出ることを抑制しやすくなる。断面視において、第1光反射部材31は第1側面11Cの全てを覆っていることが好ましい。このようにすることで、第1光源20Aから出射された+X方向に進む光の一部を第1光反射部材31によって更に遮りやすくなる。
【0045】
第1光反射部材31の厚さは特に限定されない。
図3Aに示すように第1光反射部材31の厚さは略均一でもよい。
図7Aに示すように第1光反射部材31の厚さが第2導光部に近づくにつれて厚くなったり、薄くなったりしてもよい。
【0046】
図3Aに示すように、断面視において第1光反射部材31は第1延伸部11Dの内で第2導光部10Bに最も近い点P1を覆っていない。断面視において第1光反射部材31は第1延伸部11Dの内で第2導光部10Bに最も近い点P1を覆っていないことにより、第1延伸部11Dの近傍において輝度が低くなることを抑制できる。
図7Bに示すように、断面視において第1光反射部材31は第1延伸部11Dの内で第2導光部10Bに最も近い点P1を覆っていてもよい。断面視において第1光反射部材31は第1延伸部11Dの内で第2導光部10Bに最も近い点P1を覆っていることにより、第1光源20Aからの光が第1延伸部11Dから第1導光部の外部に出射されることを抑制することができる。これにより、第1延伸部11Dの近傍において輝度が高くなることを抑制できる。
【0047】
図3Aに示すように第1光反射部材31は第2延伸部12Dから離れている。
図7Bに示すように第1光反射部材31が第2延伸部12Dの少なくとも一部を覆っていてもよい。第1光反射部材31が第2延伸部12Dの少なくとも一部を覆うことにより、第2延伸部12Dの近傍において輝度が高くなることを抑制できる。
【0048】
第1光反射部材31は、第1側面以外の第1導光部10Aの側面の一部から連続して延びる第3延伸部11Fを覆っていてもよい。このようにすることで、第1側面以外の第1導光部10Aの側面においても発光領域と非発光領域との明暗の差を大きくすることができる。平面視において第1光反射部材31は第1光源20Aを切れ目なく囲んでいてもよい。
【0049】
図3Aに示すように、光反射部材30は第2光反射部材32を備えていてもよい。第2光反射部材32は、第1光反射部材と離れて位置する別体である。第2光反射部材32は、第2延伸部12Dと対向する第2側面12Cの少なくとも一部と、第2側面12Cと対向する第2延伸部12Dの少なくとも一部を覆う。このため、第2光源20Bから出射された-X方向に進む光の一部が、第2光反射部材32によって第1導光部10Aに入ることを抑制できる。また、第1光源20Aから出射された+X方向に進む光の一部を第2光反射部材32によって遮ることができる。これにより、発光領域と非発光領域との明暗の差を大きくできる。
【0050】
第2光反射部材32は、第2側面以外の第2導光部10Bの側面の一部から連続して延びる第4延伸部12Fを覆っていてもよい。このようにすることで、第2側面以外の第2導光部10Bの側面においても発光領域と非発光領域との明暗の差を大きくすることができる。平面視において第2光反射部材32は第2光源20Bを切れ目なく囲んでいてもよい。
【0051】
図7Cに示すように、光反射部材30は第1延伸部11Dを覆う第3光反射部材33を備えていてもよい。第3光反射部材33は、第1延伸部11Dと接している。第3光反射部材33は、第1光反射部材31を介して第1延伸部11Dを覆ってもよい。第3光反射部材33は、第1延伸部11Dの内で第2導光部10Bに最も近い点P1を覆っていることが好ましい。このようにすることで、第1延伸部11Dの近傍において輝度が高くなることを抑制できる。第3光反射部材33は、第2延伸部12Dを覆っていてもよい。第3光反射部材33は、第2延伸部12Dと接している。第3光反射部材33は、第2光反射部材32を介して第2延伸部12Dを覆ってもよい。第3光反射部材33は、第1延伸部11D及び第2延伸部12Dを覆っていることが好ましい。このようにすることで、第1延伸部11Dと第2延伸部12Dの間の輝度が高くなることを抑制できる
【0052】
図7Cに示すように第3光反射部材33は支持部材200と接する。このようにすることで、第1光源20Aから出射された+X方向に進む光の一部を第3光反射部材33によって遮りやすくなる。尚、第3光反射部材33は、支持部材200と離れていてもよい。
図7Cに示すように第1延伸部11D及び/又は第2延伸部12Dの一部が第3光反射部材33から露出する。
図7Dに示すように第1延伸部11D及び第2延伸部12Dが第3光反射部材33に埋まっていてもよい。
【0053】
平面視において、第3光反射部材33は第1光源20Aを切れ目なく囲んでいてもよく、第3光反射部材33は第1光源20Aの周囲の一部にのみ設けられていてもよい。
図8Aに示すように、第3光反射部材33は、平面視において第1光源20Aの中心から最も近い第1延伸部11Dの外縁11P2を覆い、平面視において第1光源20Aの中心から最も遠い第1延伸部11Dの外縁11P1を露出していてもよい。第1光源20Aからの距離が長くなるにつれて輝度は低くなりやすい。このため、第1光源の中心から最も近い第1延伸部の外縁11P2が第3光反射部材33に覆われることにより、第1光源の中心から最も近い第1延伸部の外縁の近傍において輝度が高くなることを抑制できる。また、平面視において第1光源の中心から最も遠い第1延伸部の外縁11P1が第3光反射部材33から露出することにより、第1光源の中心から最も遠い第1延伸部の外縁の近傍において輝度が低くなることを抑制できる。これにより、第1導光部10Aにおける輝度むらを軽減することができる。
【0054】
図8Bに示すように、第3光反射部材33は、平面視において第1光源20Aの中心から最も近い第1延伸部11Dの外縁11P2を覆う第1部33Aと、平面視において第1光源20Aの中心から最も遠い第1延伸部11Dの外縁11P1を覆う第2部33Bと、を含んでいてもよい。第1光源20Aのピーク波長に対する第2部33Bの透過率は、第1光源20Aのピーク波長に対する第1部33Aの透過率よりも高いことが好ましい。このようにすることで、第1導光部10Aにおける輝度むらを軽減することができる。第3光反射部材33が光散乱粒子を含む樹脂部材である場合には、第2部33Bに含まれる光散乱粒子の割合を第1部33Aに含まれる光散乱粒子の割合より少なくすることで、第2部33Bの透過率を第1部33Aの透過率よりも高くすることができる。また、第2部33Bにおける第3光反射部材33の断面積を第1部33Aにおける第3光反射部材33の断面積よりも小さくすることで、第2部33Bの透過率を第1部33Aの透過率よりも高くすることができる。第1部33Bにおける第3光反射部材33の断面積とは、第1光源20Aの中心と、第1光源20Aの中心から最も近い第1延伸部11Dの外縁11P2と、を含み第3方向(Z方向)に平行な断面における第3光反射部材33の面積を意味する。第2部33Bにおける第3光反射部材33の断面積とは、第1光源20Aの中心と、第1光源20Aの中心から最も遠い第1延伸部11Dの外縁11P1と、を含み第3方向(Z方向)に平行な断面における第3光反射部材33の面積を意味する。尚、第1部33Aの透過率とは、第1光源20Aから第1部33Aに向かう方向における透過率である。尚、第2部33Bの透過率とは、第1光源20Aから第2部33Bに向かう方向における透過率である。
【0055】
(透光性部材40)
発光モジュール100は、更に透光性部材40を備えていてもよい。透光性部材40は、光源部20が発する光に対する透光性を有する。第1光源20Aのピーク波長に対する透光性部材40の透過率は、例えば、50%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。透光性部材40の材料として、例えば樹脂を用いることができる。例えば、透光性部材40の材料として導光部材10の材料と同じ樹脂、又は導光部材10の材料との屈折率差が小さい樹脂を用いることができる。
【0056】
透光性部材40は、第1孔部11E内に配置されて第1光源20Aを覆う第1透光性部材41と、第2孔部12E内に配置されて第2光源20Bを覆う第2透光性部材42と、を含む。透光性部材40は、更に第3光源20Cを覆う第3透光性部材と、第4光源20Dを覆う第4透光性部材と、を含んでいてもよい。第1透光性部材41は、第1孔部11Eと第1光源20Aの側面との間に配置される。第1透光性部材41は、第1光源20A上に配置されてもよい。第1透光性部材41は、第1導光部10A及び第1光源20Aと接することが好ましい。このようにすることで、第1光源20Aからの光を第1導光部10Aに導光させやすくなる。第2透光性部材42は、第2孔部12Eと第2光源20Bの側面との間に配置される。第2透光性部材42は、第2光源20B上に配置されてもよい。第2透光性部材42は、第2導光部10B及び第2光源20Bと接することが好ましい。このようにすることで、第2光源20Bからの光を第2導光部10Bに導光させやすくなる。
【0057】
透光性部材40は、第3方向(Z方向)において、単層で構成されてもよいし、複数の層の積層体で構成されてもよい。また、透光性部材40は蛍光体や光散乱粒子を含んでいてもよい。透光性部材40が積層体である場合には、各層が蛍光体及び/又は光散乱粒子を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。例えば、透光性部材40が、蛍光体を含む層と、蛍光体を含まない層とで構成されていてもよい。
【0058】
(第2光調整部材50)
発光モジュール100は、更に第2光調整部材50を備えていてもよい。第2光調整部材50は、透光性部材40の上に配置される。
図1に示すように、第2光調整部材50は平面視において光源部20と重なる位置に配置される。第2光調整部材50は、光源部20が発する光に対する反射性及び透光性を有する。第1光源20Aのピーク波長に対する第2光調整部材50の透過率は、例えば、1%以上50%以下が好ましく、3%以上30%以下であることがより好ましい。
【0059】
第2光調整部材50は、透光性樹脂と、透光性樹脂中に含まれる光散乱粒子によって構成することができる。透光性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂若しくはポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂、又は、エポキシ樹脂若しくはシリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。光散乱粒子としては、例えば、チタニア、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ジルコニア、イットリア、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、五酸化ニオブ、チタン酸バリウム、五酸化タンタル、硫酸バリウム、又は、ガラス等の粒子等を用いることができる。また、第2光調整部材50は、例えば、アルミニウム若しくは銀などの金属部材、又は誘電体多層膜であってもよい。
【0060】
第2光調整部材50の上面は、導光部材10の第1上面11Aとともに発光モジュール100の発光面として機能する。第2光調整部材50は、光源部20から出射された上方へ向かう光の一部を反射させ、他の一部を透過させる。これにより、発光モジュール100の発光面において、光源部20の直上及び周辺の領域の輝度と、他の領域の輝度との差を小さくすることができる。これにより、発光モジュール100の発光面における輝度むらを軽減することができる。第1光源20Aのピーク波長に対する第2光調整部材50の透過率は、第1光源20Aのピーク波長に対する第1光調整部材23の透過率よりも高いことが好ましい。このようにすることで、第2光調整部材50が設けられた領域と、その周辺領域の輝度むらを軽減することができる。
【0061】
(支持部材200)
支持部材200上に発光モジュール100が配置される。支持部材200の上面と、第1導光部10Aの第1下面11B及び第2導光部10Bの第2下面12Bと、が対向する。
図2に示すように、光源部20は支持部材200上に配置される。
【0062】
支持部材200は、配線基板60を有する。配線基板60は、絶縁基材60Aと、絶縁基材60Aの上面及び下面の少なくとも一方の面に配置された少なくとも第1導電部材60Bと、を有する。絶縁基材60Aは、リジッド基板であってもよく、フレキシブル基板であってもよい。面状光源300の薄型化のため、絶縁基材60Aはフレキシブル基板であることが好ましい。絶縁基材60Aは、第3方向(Z方向)において単層で構成されてもよいし、複数の層の積層体で構成されてもよい。例えば、絶縁基材60Aは、単層のフレキシブル基板で構成されていてもよく、複数のリジッド基板の積層体で構成されていてもよい。絶縁基材60Aの材料として、例えば、ポリイミドなどの樹脂を用いることができる。第1導電部材60Bは、金属膜であり、例えば銅膜である。
【0063】
支持部材200は、配線基板60上に配置された第1接着部材63と、第1接着部材63上に配置された反射性部材64と、反射性部材64上に配置された第2接着部材65と、をさらに有していてもよい。
【0064】
第1接着部材63は、絶縁基材60Aの上面に配置されている。第1接着部材63は、絶縁基材60Aと反射性部材64との間に配置され、絶縁基材60Aと反射性部材64とを接着している。第1接着部材63は、例えば、光散乱粒子を含む樹脂層である。光散乱粒子として、例えば、チタニア、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ジルコニア、イットリア、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、五酸化ニオブ、チタン酸バリウム、五酸化タンタル、硫酸バリウム、又は、ガラス等の粒子を用いることができる。第1接着部材63の樹脂として、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂若しくはポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂、又は、エポキシ樹脂若しくはシリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。
【0065】
反射性部材64は、導光部材10及び光源部20の下方に配置されている。反射性部材64は、光源部20が発する光に対する反射性を有する。反射性部材64として、例えば、多数の気泡を含む樹脂部材や、光散乱粒子を含む樹脂部材を用いることができる。反射性部材64の樹脂として、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂若しくはポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂、又は、エポキシ樹脂若しくはシリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。光散乱粒子として、例えば、チタニア、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ジルコニア、イットリア、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、五酸化ニオブ、チタン酸バリウム、五酸化タンタル、硫酸バリウム、又は、ガラス等の粒子を用いることができる。支持部材200が反射性部材64を含むことにより、面状光源の発光面から取り出される光の輝度を向上させることができる。
【0066】
第2接着部材65は、反射性部材64と導光部材10の間に配置され、反射性部材64と導光部材10とを接着している。また、光源部20は、第2接着部材65上に配置されてもよい。第2接着部材65は、光源部20が発する光に対する透光性を有する。第2接着部材65の材料として、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂又は環状ポリオレフィン樹脂などを用いることができる。
【0067】
支持部材200は、第1絶縁層66をさらに有していてもよい。第1絶縁層66は、配線基板60の下面に配置され、第1導電部材60Bを覆っている。第1絶縁層66の材料として、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂又はアクリル樹脂を用いることができる。
【0068】
支持部材200は、第2導電部材70をさらに有していてもよい。第2導電部材70は、例えば、樹脂と、樹脂中に含まれる金属粒子とを含む。第2導電部材70の樹脂として、例えば、エポキシ樹脂又はフェノール樹脂を用いることができる。金属粒子として、例えば、銅又は銀の粒子を用いることができる。
【0069】
第2導電部材70は、接続部70Aと配線部70Bとを有する。接続部70Aは、第2接着部材65、反射性部材64、第1接着部材63及び絶縁基材60Aを第3方向(Z方向)において貫通している。配線部70Bは、絶縁基材60Aの下面に配置される。配線部70Bは、接続部70A及び第1導電部材60Bと繋がっている。
【0070】
光源部20の正負の一対の電極25に対応して、一対の第2導電部材70が互いに離れて配置されている。一方の第2導電部材70の接続部70Aは、光源部20の下方において正側の電極25と接続され、他方の第2導電部材70の接続部70Aは、光源部20の下方において負側の電極25と接続されている。光源部20の電極25は、第2導電部材70及び第1導電部材60Bと電気的に接続されている。
【0071】
支持部材200は、第2絶縁層67をさらに有していてもよい。第2絶縁層67は、第2導電部材70の下面を覆って保護している。
【0072】
次に、
図9Aから
図10Gを参照して、面状光源300の製造方法の一例について説明する。
【0073】
図9Aに示す導光板110を購入等により準備する。導光板110は、第1面110Aと、第1面110Aの反対側に位置する第2面110Bとを含む。
【0074】
図9B示すように、導光板110に第1孔部11E及び第2孔部12Eを形成する。第1孔部11E及び第2孔部12Eは、例えば、ドリル加工、パンチ加工、又はレーザー加工により形成することができる。尚、各工程の途中の状態の部材を購入により準備してもよい。例えば、
図9Bに示す第1孔部11E及び第2孔部12Eが形成された導光板110を購入により準備してもよい。各工程において購入により準備してよいことは適宜省略する。
【0075】
図9C示すように、導光板110に溝部114を形成する。溝部114は、第2面110B側に開口された有底の溝として形成される。溝部114は、例えば、切削加工、又はレーザー加工により形成される。
【0076】
図9D示すように、導光板110の溝部114内に光反射部材30を形成する。光反射部材30は、スプレー、印刷、又はポッティング等の公知の方法により形成される。光反射部材30をスプレーにより形成する場合には、導光板110の表面にマスクをして不要な部分に光反射部材30が形成されないようにしてもよい。
【0077】
図9Eに示すように、導光板における溝部114の底面部で繋がっていた部分を切断する。これにより、導光板を第1導光部10Aと、第2導光部10Bと、に分離させることができる。第1導光部10Aと、第2導光部10Bと、に分離された後の導光板を導光部材10と呼ぶことがある。切断にはブレード等の公知の部材を用いることができる。第1面110A側から第2面110B側に向かって溝部114の底面部を切断することで、切断された溝部114の底面部の一部を第2面110B側に傾斜させることができる。このようにすることで、第1導光部10Aに第1延伸部11Dを形成することができる。また、溝部114の一部によって第1導光部10Aの第1側面10Cが規定される。導光板の第1面110Aは、第1導光部10Aの第1下面11Bを形成する。導光板の第2面110Bは、第1導光部10Aの第1上面11Aを形成する。導光板を第1導光部10Aと第2導光部10Bとに分離することで、導光板が溝部114で繋がっている場合よりも熱による導光板の反りを軽減することができる。第2導光部10Bについては、第1導光部10Aと同様であるため説明を適宜省略する。
【0078】
図10Aに示す積層部材210を購入等により準備する。積層部材210は、配線基板60と、配線基板60上と配置された第1接着部材63と、第1接着部材63上に配置された反射性部材64と、反射性部材64上に配置された第2接着部材65と、備える。積層部材210を準備する工程は、配線基板60を購入等により準備した後に、配線基板60上と第1接着部材63を配置する工程と、第1接着部材63上に反射性部材64を配置する工程と、反射性部材64上に第2接着部材65を配置する工程と、を含んでいてもよい。尚、各工程の途中の状態の部材を購入により準備してもよい。各工程において購入により準備してよいことは適宜省略する。積層部材210は、配線基板60の下面を覆う第1絶縁層66をさらに備えていてもよい。積層部材210は、面状光源300の支持部材200の一部である。
【0079】
図10Bに示すように、第2接着部材65、反射性部材64、第1接着部材63、配線基板60、および第1絶縁層66を貫通する貫通孔201を積層部材210に形成する。貫通孔201は、例えば、パンチ加工、ドリル加工、又はレーザー加工によって形成される。平面視における貫通孔201の形状は、円形状である。平面視における貫通孔201の形状は、円形状以外にも、楕円形状または多角形形状であってもよい。貫通孔201は、光源部の正負一対の電極のうち、一方の電極(例えば正電極)に1つの貫通孔201が対向し、他方の電極(例えば負電極)に1つの貫通孔201が対向するように配置される。平面視において、1つの貫通孔201は、1つの電極の少なくとも一部と重なっている。
【0080】
図10Cに示すように、貫通孔201を形成した積層部材210上に導光部材10を配置する。導光部材10の第1下面11Bが、積層部材210の第2接着部材65に接着される。積層部材210に形成された貫通孔201は、導光部材10に形成された第1孔部11Eに重なるように配置される。平面視において、第1孔部11Eと、2つの貫通孔201と、が重なる。
【0081】
図10Dに示すように第1孔部11E内に第1光源20Aを配置する。例えば、第1光源20Aの下面である被覆部材24の下面と第2接着部材65の上面とを接着させてもよい。第1光源20Aは、上面視において第1光源20Aの電極25と、積層部材210に形成された貫通孔201と、が重なるように配置される。第2光源20Bについては、第1光源20Aと同様であるため説明を適宜省略する。
【0082】
第1光源20Aを第1孔部11E内に配置した後、
図10Eに示すように貫通孔内に第2導電部材70を形成する。貫通孔内に例えば導電ペーストを配置した後、硬化させることで、第1光源20Aの電極25と接続された第2導電部材70を形成することができる。第2導電部材70は、配線基板60の下面にも形成され、配線基板60の第1導電部材60Bと接続される。
【0083】
図10Fに示すように、第2導電部材70の下面を覆う第2絶縁層67を形成する。第2絶縁層67は、例えば、印刷、ポッティング、スプレー、インクジェット、又は樹脂シートの貼り合わせ等の方法により形成することができる。
【0084】
第2絶縁層67を形成した後、
図10Gに示すように第1孔部内において第1光源20Aを覆う透光性部材40を形成する。透光性部材40は、第1光源20Aの側面を覆うように形成される。例えば、液状の透光性樹脂を第1孔部内に供給した後、透光性樹脂を加熱して硬化させることで、透光性部材40を形成することができる。
【0085】
透光性部材40を形成した後、透光性部材40を覆う第2光調整部材50を形成することにより
図2に示す面状光源300を製造することができる。第2光調整部材50は、例えば、印刷、ポッティング、スプレー、インクジェット、又は樹脂シートの貼り合わせ等の方法により形成される。上記に示した面状光源300の製造方法は一例であり、技術的に矛盾が生じない限りにおいて種々の改変が可能である。
【0086】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。本発明の上述した実施形態を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての形態も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0087】
10 導光部材
10A 第1導光部
10B 第2導光部
10C 第3導光部
10D 第4導光部
11A 第1上面
11B 第1下面
11C 第1側面
11D 第1延伸部
11E 第1孔部
12A 第2上面
12B 第2下面
12C 第2側面
12D 第2延伸部
12E 第2孔部
20 光源部
20A 第1光源
20B 第2光源
30 光反射部材
31 第1光反射部材
32 第2光反射部材
40 透光性部材
50 第2光調整部材
60 配線基板
100 発光モジュール
200 支持部材
300 面状光源