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特許7369133プレイヤーから観客へのハンドオフ及びその他の観客の制御
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-17
(45)【発行日】2023-10-25
(54)【発明の名称】プレイヤーから観客へのハンドオフ及びその他の観客の制御
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/86 20140101AFI20231018BHJP
   A63F 13/52 20140101ALI20231018BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20231018BHJP
   A63F 13/30 20140101ALI20231018BHJP
   A63F 13/55 20140101ALI20231018BHJP
   A63F 13/54 20140101ALI20231018BHJP
   H04N 21/2668 20110101ALI20231018BHJP
   H04N 21/24 20110101ALI20231018BHJP
   H04N 21/233 20110101ALI20231018BHJP
【FI】
A63F13/86
A63F13/52
A63F13/79
A63F13/30
A63F13/55
A63F13/54
H04N21/2668
H04N21/24
H04N21/233
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020545275
(86)(22)【出願日】2019-01-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-17
(86)【国際出願番号】 US2019016167
(87)【国際公開番号】W WO2019168630
(87)【国際公開日】2019-09-06
【審査請求日】2021-09-03
(31)【優先権主張番号】15/908,345
(32)【優先日】2018-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518187455
【氏名又は名称】ソニー・インタラクティブエンタテインメント エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】トロベッタ、スティーヴン
(72)【発明者】
【氏名】シールバー、クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】フェアバーン、ジェームズ
【審査官】赤坂 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-224204(JP,A)
【文献】特開2001-170360(JP,A)
【文献】特開2012-176127(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0274368(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00 -13/98、9/24
H04N 21/233-21/2668
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオゲームのゲームプレイ中に異なるデバイス間で役割を自動的に切り替えるための方法であって、
前記ビデオゲームに関連付けられた共有仮想環境を生成すること、
第1のクライアントデバイスに、前記ビデオゲーム内でプレイヤーの役割を割り当てることであって、前記プレイヤーの役割が前記共有仮想環境のアスペクトの制御に関連付けられる、前記割り当てること、
前記共有仮想環境に対応するゲームデータを、前記第1のクライアントデバイスが前記プレイヤーの役割を有することを特定することに応答して、第1の待ち時間で前記第1のクライアントデバイスにストリーミングすること、
第2のクライアントデバイスに、前記ビデオゲーム内で観客の役割を割り当てることであって、前記観客の役割が前記共有仮想環境のアスペクトの制御を欠くことに関連付けられる、前記割り当てること、
前記共有仮想環境に対応する前記ゲームデータを、前記第2のクライアントデバイスが前記観客の役割を有することを特定することに応答して、第2の待ち時間で前記第のクライアントデバイスにストリーミングすることであって、前記第2の待ち時間が前記第1の待ち時間よりも高次である、前記第2のクライアントデバイスにストリーミングすること
トリガーイベントが発生したことを特定すること、
前記トリガーイベントが発生したことを特定することに応答して、前記ビデオゲーム内で前記プレイヤーの役割から前記観客の役割に前記第1のクライアントデバイスを自動的に切り替えること、
前記第1のクライアントデバイスを前記観客の役割に切り替えることに応答して、前記共有仮想環境に対応する前記ゲームデータを前記第1のクライアントデバイスに、前記第2のクライアントデバイスに比べてより低いビットレートでストリーミングすること、
前記トリガーイベントが発生したことを特定することに応答して、前記ビデオゲーム内で前記観客の役割から前記プレイヤーの役割に前記第2のクライアントデバイスを自動的に切り替えること、及び
前記第2のクライアントデバイスを前記プレイヤーの役割に切り替えることに応答して、前記共有仮想環境に対応する前記ゲームデータを前記第2のクライアントデバイスに、前記第1のクライアントデバイスに比べてより高いビットレートでストリーミングすること、
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1のクライアントデバイスが、前記プレイヤーの役割を有することを特定することに応答して前記第1のクライアントデバイスからの第1の制御入力を受信すること、
前記第1の制御入力に基づいて前記共有仮想環境を変更すること、
前記第2のクライアントデバイスを前記プレイヤーの役割に切り替えることに応答して、前記第2のクライアントデバイスから第2の制御入力を受信すること、及び
前記第2の制御入力に基づいて前記共有仮想環境を変更すること、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記共有仮想環境の前記アスペクトが、前記共有仮想環境内の1つまたは複数のキャラクターアバターを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ビデオゲームのゲームプレイ中に異なるデバイス間で役割を自動的に切り替えるための方法であって、
クライアントデバイスに前記ビデオゲーム内で観客の役割が割り当てられていることを特定することであって、前記観客の役割が、前記ビデオゲームに関連付けられた共有仮想環境のアスペクトの制御を欠くことに関連する、前記特定すること、
より低いビットレートで前記共有仮想環境に対応するゲームデータを前記クライアントデバイスにストリーミングすること、
トリガーイベントが発生したことを特定すること、
前記トリガーイベントが発生したことを特定することに応答して、前記ビデオゲーム内で前記観客の役割からプレイヤーの役割に前記クライアントデバイスを自動的に切り替えることであって、前記プレイヤーの役割が前記共有仮想環境の前記アスペクトの制御に関連付けられている、前記切り替えること、
前記クライアントデバイスを前記プレイヤーの役割に切り替えることに応答して、自動的により高いビットレートで前記共有仮想環境に対応するゲームデータを前記クライアントデバイスにストリーミングすること、
前記クライアントデバイスを前記観客の役割から前記プレイヤーの役割に切り替えることに応答して、前記クライアントデバイスから制御入力を受信すること、及び
前記制御入力に基づいて前記共有仮想環境を変更すること、
を含む、方法。
【請求項5】
前記制御入力に基づいて前記共有仮想環境を変更することは、前記プレイヤーを表すアバターに、前記共有仮想環境内で移動させることを含む、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記クライアントデバイスを前記観客の役割から前記プレイヤーの役割に切り替えながら、第2のクライアントデバイスを前記プレイヤーの役割から前記観客の役割に切り替えることをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記トリガーイベントが発生したことを特定することは、前記第2のクライアントデバイスが前記プレイヤーの役割を割り当てられてから少なくとも所定の期間が経過したことを特定することを含む、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記トリガーイベントが発生したことを特定することは、前記第2のクライアントデバイスからプレイヤーハンドオフ入力を受信することを含む、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記トリガーイベントが発生したことを特定することは、前記プレイヤーに対応するアバターが差し迫った危険にない時間を特定することを含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記トリガーイベントが発生したことを特定することは、前記プレイヤーに対応するアバターが差し迫った危険にない時間を特定することを含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記より高いビットレートはより高いサービスの質に組み合わされている、請求項に記載の方法。
【請求項12】
前記より高いビットレートはより高いネットワーク優先度に組み合わされている、請求項に記載の方法。
【請求項13】
前記クライアントデバイスが前記観客の役割に割り当てられている間に、前記クライアントデバイスから観客の入力を受信すること、
前記クライアントデバイスからの前記観客の入力の受信に応答して、前記共有仮想環境内でオーディオ効果を生成すること、
をさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項14】
前記オーディオ効果が群衆の歓声をシミュレートする、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
主題の技術の態様は、オンラインゲームリーグの管理、特に、開発者またはプレイヤーが開始したオンラインでのゲームの競技大会におけるプレイヤーのランキングを自動的に管理するためのオンラインプラットフォームに関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオゲームは、プレイヤーがコンピューティングデバイスに接続されたユーザインターフェイスと対話して、テレビ画面やコンピュータモニタなどのビデオデバイスを介してコンピューティングデバイスに視覚的なフィードバックを生成させる電子ゲームである。ビデオゲームのユーザインターフェイスは、例えば、アーケードのジョイスティック、ビデオゲームのコンソールコントローラ、コンピュータのキーボード、コンピュータのマウス、タッチスクリーンのディスプレイがあり得る。
【0003】
一部のビデオゲームは、競合または協力的なマルチプレイヤーのゲームプレイを特徴としている。つまり、複数のプレイヤーが同じゲームを同時に競合または協力してプレイし、通常、各プレイヤーは独自のユーザインターフェイスを備えている。「ローカル」のマルチプレイヤーでは、様々なプレイヤーのユーザインターフェイスがすべて単一のコンピューティングデバイスに接続する。ローカルエリアネットワーク(LAN)マルチプレイヤーまたはオンラインマルチプレイヤーでは、代わりに様々なプレイヤーのユーザインターフェイスが様々なコンピューティングデバイスに接続し、その後LANまたはインターネットを介して相互に通信する。
【0004】
多くのスポーツファンが、プロまたはアマチュアのスポーツ選手が参加するスポーツゲームを観戦してスポーツの技術を学び、またコミュニティの感覚を共有するのと同じように、多くのビデオゲームファンはプロまたはアマチュアのビデオゲームプレイヤーを見てビデオゲームの技術を学び、同様のコミュニティ感覚を共有する。インターネットの前、ビデオゲームファンは、友人の家、アーケード、またはビデオゲームの競技大会などで、ビデオゲームプレイヤーの身体的近傍にいて、ビデオゲームプレイヤーや画面を実物で見ることで、ビデオゲームプレイヤーのプレイを見ることが可能であった。
【0005】
さらに最近では、ゲームのコードにおける統合された「観客」機能を伴う、ネットワーク接続による一部のビデオゲームが開発され、同じビデオゲームを持つユーザが、実際にゲームをプレイすることも、ゲームの結果に影響を与えることもなく、プレイヤーが受信するゲームのサーバから得る同じデータの一部を受信することでライブのゲームプレイを見ることができるようになった。さらに、Twitch(登録商標)などのビデオストリーミングサービスにより、ビデオゲームプレイヤーは、ゲームのコードにおける統合された「観客」機能を伴って開発する必要のないビデオゲームについて自分自身のプレイのビデオコンテンツを記録し、ビデオコンテンツを観客にライブでストリーミングできるようになった。
【0006】
しかし、従来のアーケードのビデオゲームプレイヤーは、自分がプレイしているアーケードマシンから身体が離れることが可能であり得、またゲームの制御を以前の観戦している友人にハンドオフして、ゲーム途中のゲームプレイの制御を引き継ぐことが可能であり得たが、これらのネットワークベースのビデオゲームの観戦技術のどちらも、プレイヤーと観客の間で制御をハンドオフする方法を提供していない。さらに、スポーツスタジアムで試合をするスポーツ選手が、選手の耳で聞こえる範囲でスタジアムに座っているスポーツ観戦者の歓声、詠唱、ブーイング、または冷やかしイヤホンに励まされたり、落胆させられたりする場合があるが、ネットワークベースのビデオゲームの観客は通常、声を出さず、互いの姿が見えずまたビデオゲームプレイヤーに見えていない。したがって、ネットワークベースのビデオゲームのプレイヤーも観客も、群衆の群がるスポーツアリーナにいるスポーツ選手とスポーツ観客が感じるのと同種のコミュニティ感覚、目標の共有、またはファンベースの規模感を感じない。さらに、様々なスポーツのファンタジーリーグが今では広く利用できるようになったが、ネットワークベースのビデオゲームのファン/観客のための同等のリーグは容易には利用できない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】技術のいくつかの態様を実装できるネットワーク環境の例を示している。
【0008】
図2】異なるタイプのクライアントコンピューティングデバイスを含むネットワークベースのビデオゲーム環境を示している。
【0009】
図3】トリガーイベントに応答してプレイヤーと観客の役割を自動的に切り替えるためのサーバネットワーク操作を示す流れ図である。
【0010】
図4A】ゲーム観客からの入力に基づいてゲームプレイ中に歓声または詠唱を自動的に生成するためのサーバネットワーク操作を示す流れ図である。
【0011】
図4B】ゲーム観客からの入力に基づいてゲームプレイ中にブーイングまたは冷やかしを自動的に生成するためのサーバネットワーク操作を示す流れ図である。
【0012】
図5】カスタマイズされた観戦エクスペリエンスのための観客の操作を示す流れ図である。
【0013】
図6】主題の技術のいくつかの態様を実装するために使用され得る例示的なコンピューティングデバイスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
多くのスポーツファンが、プロまたはアマチュアのスポーツ選手が参加するスポーツゲームを観戦してスポーツの技術を学び、またコミュニティの感覚を共有するのと同じように、多くのビデオゲームファンはプロまたはアマチュアのビデオゲームプレイヤーを見てビデオゲームの技術を学び、同様のコミュニティ感覚を共有する。エレクトロニックスポーツまたは「eスポーツ」と呼ばれることもある競争型ゲーミングには、従来のスポーツと比較可能な競争的な環境でのビデオゲームのプレイが含まれる。
【0015】
単一プレイヤーのゲームでの競争型ゲーミングの最中、プレイヤーは時に競争してハイスコアを獲得したり、記録的な時間でビデオゲーム内で特定の目標を達成したりする。これは「スピードラン」と呼ばれることもある。マルチプレイヤーのゲームの競争型ゲーミングの最中、プレイヤーは時に同様に最高スコアまたはタイムを競うが、また相互に対する勝利数及び/または敗北数、または他の統計に基づいて、時々トーナメント形式で、経時的に広がる複数のゲームの「マッチ」に頻繁に基づいて、互いにランク付けされることもある。
【0016】
競争型ゲーミングには、特定の物理的な場所で行われるローカライズされたビデオゲームの競技大会が含まれる。この場合、観客はプレイヤーの物理的に近い所にいる可能性がある。競争型ゲーミングには、オンラインまたはローカルエリアネットワーク(LAN)を介して行われる、より仮想的な組織構造を持つ仮想のビデオゲームの競技大会も含まれる。それにおいては、ゲームプレイの映像は、ネットワーク接続を介して、観客にビデオストリームを介して広く配信されるか、より狭い範囲でビデオゲーム自体の「観客」機能を介してビデオゲームのコピーが観客にのみ配信され得る。競争型ゲーミングのコミュニティの人気が高まっているため、さらに最近では、メジャーリーグゲーミング(MLG)などの競技大会のプロバイダーは、多くのビデオゲーム、特にプロレベルでのビデオゲームの競技大会に、より高いレベルの組織と構造を提供するよう努めている。
【0017】
本明細書で説明する主題の技術は、ビデオゲームの観客にゲームプレイ情報を提供するサーバ(複数可)及び観客に対応するユーザデバイスの機能を強化及び拡張する。サーバは、ビデオゲーム、ビデオゲームのプラットフォーム/コンソール、ビデオゲームリーグ、またはそれらの組み合わせに関連付けられている場合がある。サーバ(複数可)はタイマー及び/またはゲーム内イベントを監視してトリガーイベントが発生したことを特定し、それに応答してサーバ(複数可)である。
【0018】
図1は、技術のいくつかの態様を実装できるネットワーク環境の例を示している。
【0019】
ネットワーク環境100は、公衆ネットワーク102を含み、1つまたは複数の私設ネットワークを含むことができ、例えばローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)があり、またはインターネットなどの公私のネットワークのネットワークを含む。公衆ネットワーク102は、例えば、特定のブランドのビデオゲームコンソールなどの特定のタイプのクライアントコンピューティングデバイスのオンラインでのゲームプレイをサポートするサーバ、ルータ、及び他のネットワークハードウェア220を例えば表すことができるゲームネットワーク104に通信可能に結合される。ゲームネットワーク104は、サーバに通信可能に結合され得るか、ゲームリーグ管理システム112を実装するように構成されているサーバ及び他のネットワークハードウェア/リソースを含み得る。ゲームリーグ管理システム112はまた、任意選択で、異なるゲームネットワーク104間、したがって異なるタイプのクライアントコンピューティングデバイス210間のゲームリーグの相互運用性のために他のゲームネットワーク104で動作し得る。ゲームリーグ管理システム112は、特定のビデオゲームのネットワークベースのゲームプレイの操作と保守に関連する複数のサーバ及び/またはルータ、特定のビデオゲームのプラットフォーム/コンソール、ビデオゲームリーグ、またはそれらの組み合わせを含み得る。ゲームリーグ管理システム112、ゲームネットワーク104、及び公衆ネットワーク102で使用されるサーバ、ルータ、及びその他のハードウェアは、図6に示され、説明されるコンピュータシステム600であるか、コンピュータシステム600のコンポーネントを含み得る。
【0020】
公衆ネットワーク102、及びゲームネットワーク104は、リーグ管理システム112へのクライアント及び開発者のアクセスを提供する。図示されるように、クライアント108、109、及び110は、それぞれのクライアントデバイス(例えば、108A、109A、及び110A)を使用して、リーグ管理システム112へのアクセスを許可される。クライアントとその各デバイスは、特定のビデオゲームの対戦でいつでもプレイヤーの役割または観客の役割を担うことができる。クライアントデバイス108A、109A、及び110Aは、パーソナルコンピューティングデバイスとして示されているが、クライアントデバイスは、ゲームコンソール、スマートフォン、タブレットコンピュータシステムを含むがこれらに限定されない様々なタイプのプロセッサベースのシステムなどを含み得ることが理解される。クライアントデバイスを実装するために使用できるハードウェアシステムの例は、図2図6に関連させて、以下でさらに詳しく示され説明されている。同様に、開発者(105、106、107など)は、それぞれのコンピューティングシステム(105A、106A、107Aなど)を介したリーグ管理システムへのアクセスが許可されている。同様に、開発者コンピューティングシステムは、図6に関連して示され、説明されるようなコンピュータシステム600であり得、またはコンピュータシステム600のコンポーネントを含み得る。
【0021】
より多いまたは少ない数のクライアント及び/または開発者は、技術の範囲から逸脱することなく、図1に示されて本明細書で説明されているよりも、環境100に従事することができることを理解されたい。
【0022】
一部のビデオゲーム、特にオンラインマルチプレイヤー機能を備えたビデオゲームでは、実際にプレイしたり、ゲームの結果にいずれかの影響を与えたりすることなく、観客がゲームプレイを見ることができる。観客機能は通常、統合された「観客」機能を備えた開発者(例えば、105、106、107)によって開発される。統合された「観客」機能は、ゲームプレイ中に実行される特定のビデオゲームのコード、及び/または特定のビデオゲームのオンラインマルチプレイヤー機能を操作するのに役立つオンラインサーバに統合することができる。そのような統合された観客機能を使用する観客クライアントは、一般に、そのゲームプレイを対応するクライアントデバイスで観戦しているビデオゲームのコピーを有しており、観客クライアントデバイスが、観客のクライアントコンピューティングデバイスを介してゲームプレイを制御するいずれかの機会を観客クライアントに与えないのみで、プレイヤークライアントのクライアントコンピューティングデバイスがゲームプレイをレンダリングするのと同じ方法または同様の方法で、ゲームプレイをレンダリングできるようにする。
【0023】
このタイプのゲーム統合観戦技術には、ネットワーク帯域幅の使用量に関して、ビデオコンテンツのストリーミングによる観戦よりも効率的であるという利点がある。オンラインゲームは通常、可能な限り少ない帯域幅を使用してすべてのプレイヤーと観客の許容可能なゲームプレイ速度を維持するように最適化されているためである。オンラインゲームは、共有仮想空間をレンダリングする方法、次にゲームの対戦の開始から終了までの間のゲームプレイの過程で、その共有された仮想空間に変更/更新をレンダリングする方法に関する指示を送信することで、これを実現する。共有仮想空間の第1のレンダリングは複雑かもしれない(例えばゲーム及び/またはゲームのサーバは、プレイヤー及び観客クライアントデバイスに、多数のキャラクターアバター、風景の一部、風景、建物などをレンダリングするように指示する場合がある)が、後に共有仮想空間への更新/変更は、一般的にそれほど複雑ではない。例えば、前の文の例のゲームプレイ中の更新/変更について、ゲーム及び/またはゲームのサーバは、以前にレンダリングされた他のすべてのものが静止したまま、キャラクターアバターの1つが少し前に移動したことをレンダリングするようにプレイヤー及び観客クライアントデバイスに指示する場合がある。
【0024】
観戦が発生する可能性のある代替の技術的方法論は、オンラインビデオストリーミングを介したものである。これにより、観客は、リアルタイムで、または少し遅れて、特定のビデオゲームをプレイしている特定のプレイヤーのビデオコンテンツを「ライブストリーミング」できる。ビデオゲームの観戦へのこのビデオストリーミングアプローチには、ゲームに統合された観戦機能と比較して、利点と欠点の両方がある。図1を参照すると、ゲームプレイはプレイヤークライアントデバイス(108A/109A/110A)で記録され、観客クライアントデバイス(108A/109A/110A)に送信され、任意選択でネットワーク102/104/112経由または図1に示されていない類似のビデオストリーミングに重点を置いたネットワークで記録される。
【0025】
ゲーム統合観戦に勝るビデオゲーム観戦へのビデオストリーミングアプローチの利点の1つは、開発中にゲームに統合された「観客」機能のないビデオゲームでも依然観戦できることである。例えば、観客がより古いゲームでのプレイヤーのプレイ、エミュレートされたゲーム、または他の方法でオンライン接続がないゲームを見ることができる。したがって、ビデオストリーミングは基本的に、ビデオゲームの機能を元の機能を超えて拡張する。もう1つの利点は、処理能力や見ているゲームとの互換性に関係なく、様々なコンピューティングデバイスを使用して観戦できることである。つまり、観客は、グラフィック集約型ゲームのゲームプレイをレンダリングする処理能力を持たない及び/またはグラフィック集約型ゲームと互換性のない操作システムを実行している携帯電話または別のデバイスから、グラフィック集約型ゲームをプレイしているプレイヤーを観戦できる。
【0026】
ただし、ビデオストリーミングアプローチの欠点の1つは、通常、ゲームプレイ中に前述のハードコードされた「観客」機能よりも多くのネットワーク帯域幅を使用することである。例えば、ゲームの共有仮想空間がほとんどまたはまったく変化していない場合でも(アバターを移動したり、共有仮想空間にその他何らかの変更を加えたりするために何らかの制御用入力を入力したプレイヤーがほとんどまたはまったくいない場合など)ビデオは依然プレイヤークライアントデバイスで記録され、任意選択でネットワーク102/104/112または同様のビデオネットワークを介して観客のクライアントデバイスに送信される。これはまた、プレイヤークライアントデバイスや、プレイヤークライアントデバイスと観客のクライアントデバイスの間のサーバネットワークハードウェアに対し、より要求が多い。
【0027】
統合観戦技術は、ビデオゲーム自体に加えて、またはその代わりに、特定のタイプのクライアントデバイス(特定のブランドのビデオゲームコンソール/プラットフォームなど)、ゲームネットワーク104、及び/またはビデオゲームリーグ管理プラットフォーム112にコード化されることにより、その利点を維持しながら、その欠点の大半を克服できる。つまり、特定のタイプのクライアントコンピューティングデバイス108A/109A/110A(特定のブランドのビデオゲームコンソールなど)は、この統合観戦技術だけでなく、その特定のタイプのクライアントコンピューティングデバイス210に関連付けられたゲームネットワーク104も含まれ得る。代替的または追加的に、任意選択で異なるタイプのクライアントコンピューティングデバイス210はすべて、サーバ112及び/またはクライアントコンピューティングデバイス210で実行されるソフトウェアを含むビデオゲームリーグ管理プラットフォーム112と互換性があってもよい。
【0028】
特定の種類のクライアントデバイス(特定のブランドのビデオゲームコンソール/プラットフォームなど)、ゲームネットワーク104、及び/またはビデオゲームリーグ管理プラットフォーム112は、ビデオゲームの観戦に関連するアプリケーションプログラミングインターフェイス(API)を含み得る。図1では、例えば、ビデオゲームリーグ管理プラットフォーム112は、API 114を有するものとして示されているが、本明細書で論じられるAPIは、代替的または追加的に、ゲームネットワーク104及び/またはクライアントコンピューティングデバイス210に実装されてもよい。次いで、個別のビデオゲーム及び/または個々のビデオゲームに関連付けられたサーバは、ゲームプレイ中にそのようなAPIにコード化された観客機能を呼び出して、観客機能を発動することができる。観客機能は、当該のタイプのクライアントデバイス210、当該のゲームネットワーク104、及び/または当該のビデオゲームリーグプラットフォーム112にわたって標準化され得る。このようにすると、観客クライアントデバイスは、ビデオゲームのゲームプレイを観戦するために特定のビデオゲームのコピーを所有または実行する必要がなくなり、代わりに、観客クライアントデバイスは、特定のタイプであること、ゲームネットワーク104にアクセスすること、ゲームリーグプラットフォーム112にアクセスすること、またはそれらの組み合わせであることのみが必要となる。これは、ゲーム統合観戦技術の主な欠点の1つを排除するという利点を提供する。つまり、観客がプレイすることよりもむしろ観戦することを望むだけであるのにビデオゲームを所有することの必要性がなくなる。
【0029】
さらに、ゲームネットワーク104またはビデオゲームリーグプラットフォーム112へ統合された観戦技術は、場合によっては、観客が別段の場合にはそれぞれの観客クライアントデバイスで実行されない可能性のあるゲームを観戦することを可能にし得る。ビデオゲームのデータは、API 114またはゲームネットワーク104のAPIを使用する標準化されたフォーマットであるため、観客クライアントデバイスがビデオゲームリーグプラットフォーム112またはゲームネットワーク104で動作できる限り、ゲームを観戦することができる。例えば、特定のビデオゲームと互換性がないが、ビデオゲームリーグプラットフォーム112またはゲームネットワーク104と互換性のある操作システムを実行するクライアントコンピューティングデバイスは、別段の場合は互換性のないビデオゲームのゲームの対戦を依然として見ることができる場合がある。
【0030】
ゲーム統合、コンソール/プラットフォーム統合、ネットワーク統合、及び/またはリーグ統合の観戦技術は、観客のコンピューティングデバイスでゲームコンテンツがレンダリングされる前に、特定のプレイヤーが見るものだけでなく、共有仮想空間全体に関する情報が観客に送信されるため、観客に制御レベルの拡張を提供できる。観客は、ゲームプレイの視界をより制御できるため、観客は視点をパン、ズーム、または回転できる。観客はまた、現在ゲームをプレイしている様々なプレイヤーの様々な視点を、連続してまたは並行してエミュレートすることもできる。このようにすると、同じ共有仮想環境に複数のプレイヤーがいるゲームでは、観客は、例えば共有仮想空間の視界を繰り返し変更することにより、いずれかの個々のプレイヤーが可能であるよりも多くを見ることができる場合がある。また、観客は、図5に関してさらに説明するように、視界の一部または全体の制御を「ビューキュレーター」に委ねこともできる。
【0031】
また、ゲーム統合、コンソール/プラットフォーム統合、ネットワーク統合、及び/またはリーグ統合の観戦技術により、プレイヤーと観客が共有仮想環境や互いと対話するための追加の方法も可能になる。例えば、統合観戦技術により、2つのクライアントデバイスは、図3に示され、説明されているように、プレイヤー/観客の役割を交換できる。一部のゲームでは、観客は可視及び/または可聴の仮想観客を、ゲーム内で、プレイヤー及び/または他の観客により形成し得る。例えば、図4A及び図4Bに関して示され、説明されているように、観客からの肯定的または否定的な入力に基づいて、ゲームに様々なレベルの応援、詠唱、ブーイング、または冷やかしを生成させる。肯定的または否定的な入力は、任意選択で、特定の人間のプレイヤー、特定のコンピュータ制御のシミュレートされたプレイヤー、または特定のプレイヤーのチームに関係したものがある。
【0032】
一部のゲームは、観客クライアントデバイス210からのゲームネットワーク104及び/またはリーグプラットフォーム112への入力に応答して、ゲームプレイ中にゲームの共有仮想環境全体にわたって観客が移動できる、観客が制御可能なアバターを生成でき、それにおいては観客が制御可能なアバターが、ゲームの結果に影響を与える様式でプレイヤーと対話する能力が制限されているか、そのような能力がまったくない。このような観客のアバターは、プレイヤーに表示される場合と、他の観客にのみ表示される場合がある。一部のゲームでは、観客は、特定の領域の色を変更したり、プレイヤーを妨げる可能性のあるトラップを設定したりするなど、プレイヤーのゲームプレイに影響を与える方法で、共有ゲーム環境を変更できる場合がある。
【0033】
図2は、異なるタイプのクライアントコンピューティングデバイスを含むネットワークベースのビデオゲーム環境を示している。
【0034】
図1のネットワーク環境100は、異なるタイプのクライアントコンピューティングデバイス210を使用して実装することができ、そのそれぞれは、コンピュータシステム600を表す、または少なくとも図6のコンピュータシステム600の一部であるコンポーネントを含む。
【0035】
例えば、図2は、ラップトップポータブルコンピュータである第1のクライアントコンピューティングデバイス210A、テレビに接続された家庭用ビデオゲームコンソールである第2のクライアントコンピューティングデバイス210B、デスクトップホームコンピュータである第3のクライアントコンピューティングデバイス210C、及びスマートフォン/タブレットポータブルコンピューティングデバイス及び/またはポータブルビデオゲームコンソールである第4のクライアントコンピューティングデバイス210Dを示す。図2のクライアントコンピューティングデバイス210のいずれにも、特定のゲームのプレイヤーの役割または観客の役割を割り当てることができる。図1の環境100との関連で、図1のクライアントコンピューティングデバイス108A、109A、及び110Aのそれぞれは、クライアントコンピューティングデバイス210である。
【0036】
図2の全部で4つのクライアントコンピューティングデバイス210は、ネットワークハードウェア220を介して互いに通信可能に結合され、図1の環境100の状況では、1つまたは複数のゲームリーグ管理プラットフォームシステム112、1つまたは複数のゲームネットワーク104、公衆ネットワーク102、またはそれらの組み合わせの中の様々なサーバ、ルータ、及び他のネットワークハードウェアを含み得る。
【0037】
図3は、トリガーイベントに応答してプレイヤーと観客の役割を自動的に切り替えるためのサーバネットワーク操作を示す流れ図である。
【0038】
ステップ305で、ゲームサーバは、第1のクライアントコンピューティングデバイスAが現在ビデオゲーム内でプレイヤーの役割を割り当てられていることを特定する。
【0039】
ステップ310で、ゲームサーバはビデオゲームデータ、すなわちビデオのゲーム対戦の開始とビデオゲームのゲーム対戦の終了との間の期間中にゲームプレイが行われる少なくとも1つの共有仮想環境に対応するデータを第1のクライアントコンピューティングデバイスAに配信する。第1のクライアントコンピューティングデバイスAは現在ビデオゲーム内でプレイヤーの役割が割り当てられているため、ゲームサーバは、1つまたは複数のより優れたネットワーク転送プロパティを使用して第1のクライアントコンピューティングデバイスAにビデオゲームデータストリームを配信する。すなわち、ゲームサーバは、ビデオゲームデータストリームを、高いビットレート、高い優先度、優れたサービスの質(QoS)、低次の待ち時間、またはそれらの組み合わせで、第1のクライアントコンピューティングデバイスAに配信する。これは、ビデオゲームのプレイヤーとして、第1のクライアントコンピューティングデバイスAのゲームプレイ体験がスムーズであることを確実にする。
【0040】
ステップ315で、ゲームサーバは、第2のクライアントコンピューティングデバイスBが現在ビデオゲーム内で観客の役割を割り当てられていることを特定する。
【0041】
ステップ320で、ゲームサーバはビデオゲームデータを第2のクライアントコンピューティングデバイスBに配信する。第2のクライアントコンピューティングデバイスBは、現在ビデオゲーム内で観客の役割が割り当てられているため、ゲームサーバはビデオゲームデータストリームを第2のクライアントコンピューティングデバイスBに、1つ以上の劣ったネットワーク転送プロパティを使用して配信する。すなわち、ゲームサーバは、ビデオゲームデータストリームを、低いビットレート、低い優先度、低いサービスの質(QoS)、高次の待ち時間、またはそれらの組み合わせで、第2のクライアントコンピューティングデバイスBに配信する。プレイヤーとは異なり、観客はゲームの対戦結果にほとんどまたはまったく影響を与えないため、観客が受け取るビデオゲームデータは、必要な場合、プレイヤーのエクスペリエンスを改善し、そのため、最適なゲームプレイを提供するために、より途切れがちで、より円滑にいかず、よりディテールの不鮮明なものにしてもよい。
【0042】
ステップ330において、ゲームサーバは、ゲームのゲーム対戦中にトリガーイベントを検出する。トリガーイベントは時間ベースの場合がある。例えば、トリガーイベントは、所定の分数などの所定の期間が経過した後に、現在のプレイヤーから現在の観客に制御をハンドオフすることができる。ゲームサーバは、切り替えが「安全」なときに切り替えが発生するかどうかをゲームプレイに基づいて検出することができる。例えば、現在のプレイヤーによって制御されているアバターが差し迫った危険にさらされている場合、ゲームサーバは、ステップ335でトリガーイベントを検出して切り替えを発生させる前に、現在のプレイヤーによって制御されているアバターが危険でなくなるまで追加の時間を加えてもよい。
【0043】
ステップ330のトリガーイベントは、代替的/追加的に現在のプレイヤーからの入力に基づいてもよく、例えば、現在のプレイヤーがボタンを押して、永続的に(例えば、プレイヤーが眠るつもりであるとき)または一時的に(例えば、プレイヤーがトイレを使用したいとき)もはやプレイしたくないことを示す。このようにすると、現在のプレイヤーが「キーボードから離れている」か、さもなくば制御から離れているにもかかわらず、ゲームプレイは影響を受けない。
【0044】
ステップ330のトリガーイベントは、代替的/追加的に観客からの入力に基づいてよい。例えば、特定のプレイヤーが不正行為をしている、不正なプレイをしている、または良くないプレイをしていると十分な観客が投票した場合、観客はそのプレイヤーを入れ替えるように投票でき、この場合(観客の総数の)所定の閾値の数またはパーセンテージを超える観客からのそのような投票の数は、トリガーイベントとしてゲームサーバによって検出できる。
【0045】
ステップ335で、ゲームサーバは、ステップ330でトリガーイベントを検出したことに応答して、第1のクライアントコンピューティングデバイスA及び第2のクライアントコンピューティングデバイスBのプレイヤー/観客の役割を切り替える。すなわち、第1のクライアントコンピューティングデバイスAの役割は、プレイヤーの役割から観客の役割に切り替えられ、第2のクライアントコンピューティングデバイスBの役割は、観客の役割からプレイヤーの役割に切り替えられる。
【0046】
ステップ340で、ゲームサーバは、第1のクライアントコンピューティングデバイスAが現在ビデオゲーム内で観客の役割を割り当てられていることを特定する。
【0047】
ステップ345で、ゲームサーバはビデオゲームデータを第1のクライアントコンピューティングデバイスAに配信する。現在、第1のクライアントコンピューティングデバイスAはビデオゲーム内で観客の役割が割り当てられているため、ゲームサーバは、ビデオゲームデータストリームを1つまたは複数の劣ったネットワーク転送プロパティを使用して、第1のクライアントコンピューティングデバイスAに配信する。すなわち、ゲームサーバは、ビデオゲームデータストリームを、低いビットレート、低い優先度、低いサービスの質(QoS)、高次の待ち時間、またはそれらの組み合わせで、第1のクライアントコンピューティングデバイスAに配信する。ゲームサーバがビデオゲームデータを第1のクライアントコンピューティングデバイスAに配信するためにステップ345で使用する劣ったネットワーク転送プロパティは、ゲームサーバがビデオゲームデータをステップ310の第1のクライアントコンピューティングデバイスAに配信するために使用する優れたネットワーク転送プロパティより劣る。
【0048】
ステップ350で、ゲームサーバは、第2のクライアントコンピューティングデバイスBが現在ビデオゲーム内で観客の役割を割り当てられていることを特定する。
【0049】
ステップ355で、ゲームサーバはビデオゲームデータを第2のクライアントコンピューティングデバイスBに配信する。第2のクライアントコンピューティングデバイスBは、現在ビデオゲーム内でプレイヤーの役割が割り当てられているため、ゲームサーバは、1つ以上の優れたネットワーク転送プロパティを使用して、ビデオゲームデータストリームを第2のクライアントコンピューティングデバイスBに配信する。すなわち、ゲームサーバは、ビデオゲームデータストリームを、高いビットレート、高い優先度、優れたサービスの質(QoS)、低次の待ち時間、またはそれらの組み合わせで、第2のクライアントコンピューティングデバイスBに配信する。ゲームサーバがビデオゲームデータを第2のクライアントコンピューティングデバイスBに配信するためにステップ355で使用する優れたネットワーク転送プロパティは、ゲームサーバがビデオゲームデータをステップ320の第1のクライアントコンピューティングデバイスAに配信するために使用する劣ったネットワーク転送プロパティより優れている。
【0050】
ゲームサーバは、ステップ310とステップ345との間で第1のクライアントデバイスAへのビデオゲームデータの転送における1つまたは複数のネットワーク転送プロパティをダウングレードする。すなわち、ビットレートが低下する、優先度が低下する、QoSが低下する、待ち時間が増加する、またはそれらの組み合わせになる。これらの測定値の一部がネットワークの使用中に変動するため、このダウングレードが範囲または平均の点でダウングレードを表し得る。つまり、ビットレート/優先度/QoSの許容範囲の一方または両方のエンドポイントが低下し得、及び/または許容可能な待ち時間の範囲の一方または両方のエンドポイントが増加し得る。同様に、平均のビットレート/優先度/QoSが低下し得、及び/または平均の待ち時間が増加し得る。
【0051】
ゲームサーバは、ステップ320とステップ355の間で第2のクライアントデバイスBへのビデオゲームデータの転送における1つまたは複数のネットワーク転送プロパティをダウングレードする。すなわち、ビットレートが高くなる、優先度が上がる、QoSが増加する、待ち時間が低減する、またはそれらの組み合わせになる。これらの測定値の一部がネットワークの使用中に変動するため、このアップグレードが範囲または平均の点でのアップグレードを表し得る。つまり、ビットレート/優先度/QoSの許容範囲の一方または両方のエンドポイントが高まる可能性があり、及び/または許容可能な待ち時間の範囲の一方または両方のエンドポイントが低減する場合がある。同様に、平均のビットレート/優先度/QoSが高まる可能性があり、及び/または平均の待ち時間が低減する可能性がある。
【0052】
ステップ310とステップ355でネットワーク転送プロパティを説明した用語と、ステップ320とステップ345でネットワーク転送プロパティを説明した用語と同じ用語が図4で使用されているが、これらは任意選択で同じネットワーク転送プロパティを表すことができ、必ずというわけではないという旨を理解されたい。すなわち、ステップ310の優れたネットワーク転送プロパティは、ステップ355の優れたネットワーク転送プロパティと同じである必要がなく(ただし任意選択で同じであり得る)、ステップ320の劣ったネットワーク転送プロパティは、ステップ345の劣ったネットワーク転送プロパティと同じである必要はない(ただし任意選択で同じであり得る)。これらのステップのペアは、固有の処理やネットワーク機能が異なる可能性があり、またゲームサーバが制御できない方法で、ビットレート、優先度、QoS、または遅延に影響を与え得る接続の型/性質が異なる可能性がある異なるクライアントデバイスに関係する。同様に、同じ理由で、ステップ310の優れたネットワーク転送プロパティは、ステップ320の劣ったネットワーク転送プロパティより優れている必要がなく(ただし任意選択で優れている場合がある)、ステップ355の優れたネットワーク転送プロパティは、ステップ345の劣ったネットワーク転送プロパティより優れている必要はない(ただし任意選択で優れている場合がある)。
【0053】
図4Aは、ゲームの観客からの入力に基づいてゲームプレイ中に応援または詠唱を自動的に生成するためのサーバネットワーク操作を示す流れ図である。
【0054】
ステップ405で、ゲームサーバは、特定の期間中に1つまたは複数の観客クライアントデバイス210から1つまたは複数の肯定的な入力を受信する。期間は、ゲームの対戦の期間であり得る。別法として、最初の肯定的な入力を受信すると、期間のカウントダウンを開始でき、次に、タイマーが期間の最後までカウントダウンしている間に、いくつかの肯定的な入力がカウントされる。代替的に、期間が柔軟であってもよい(例えば、肯定的な入力が受信されるたびに、期間が所定の追加の期間延長されてもよい)。図4Aのステップ405の期間は、図4Bのステップ445の期間と同じであってもよいが、そうである必要はない。
【0055】
肯定的な入力は、例えば、サムズアップのシンボル、スマイルの顔、あるいは肯定的な語句または激励する語句によって表すことができる。期間中に受信された肯定的な入力の総数は、リアルタイムまたは期間の終了時にゲームサーバによってカウントされ、この場合肯定的な入力の総数は、期間中に受信された肯定的な入力の数または肯定的な入力を送信した観客の数の割合である。
【0056】
ステップ410で、1つまたは複数の観客デバイスからゲームサーバによって受信された肯定的な入力の総数は、高い閾値総数と比較される。所定の高い閾値総数は、受信された特定の数の肯定的な入力を表す閾値数であり得る。所定の高い閾値総数は、観客数の特定の割合を表す閾値の割合であり得る。
【0057】
ステップ405で取り出された肯定的な入力の総数が所定の高い閾値総数を超える場合、ゲームサーバは、ステップ415で、所定の応援/詠唱の期間、大きな応援または詠唱を生成し、その後プロセスはステップ405で再び開始することができる。
【0058】
ステップ420で、1つまたは複数の観客デバイスからゲームサーバによって受信された肯定的な入力の総数は、例えばステップ410の所定の高い閾値総数と、ステップ430でも参照される所定の低い閾値総数との間の中間の範囲と比較される。所定の低い閾値総数は、受信された特定の数の肯定的な入力を表す閾値数であり得る。所定の低い閾値総数は、観客数の特定の割合を表す閾値の割合であり得る。いずれの場合でも、所定の低い閾値総数は、所定の高い閾値総数よりも低いものである。
【0059】
ステップ405で取得された肯定的な入力の総数が中間の範囲内である場合、ゲームサーバは、ステップ425で、所定の応援/詠唱の期間、静かな応援または詠唱を生成し、その後プロセスはステップ405で再び開始することができる。
【0060】
ステップ430で、1つまたは複数の観客デバイスからゲームサーバによって受信される肯定的な入力の総数は、ステップ420に関して説明された所定の低い閾値総数よりも低くなければならない。したがって、ステップ435で、ゲームサーバは、ステップ435で、歓声または詠唱を生成せず(または非常に静かな歓声または詠唱を生成する)、その後、プロセスは、ステップ405で再び開始することができる。
【0061】
図4Bは、ゲーム観客からの入力に基づいてゲームプレイ中にブーイングまたは冷やかしを自動的に生成するためのサーバネットワークの動作を示す流れ図である。
【0062】
ステップ445で、ゲームサーバは、特定の期間中に1つまたは複数の観客クライアントデバイス210から1つまたは複数の否定的な入力を受信する。期間は、図4Aのステップ405に関して説明された可能な期間のタイプのいずれかであってもよい。図4Aのステップ445の期間は、図4Bのステップ445の期間と同じであってもよいが、そうである必要はない。
【0063】
否定的な入力は、例えば、イマイチの記号、眉をひそめた顔、または否定的または落胆させる語句によって表すことができる。期間中に受信した否定的な入力の総数は、リアルタイムまたは期間の終了時にゲームサーバによってカウントされ、この場合否定的な入力の総数は、期間中に受信した否定的な入力の数または否定的な入力を送信した観客の数の割合である。
【0064】
ステップ450で、1つまたは複数の観客デバイスからゲームサーバによって受信された否定的な入力の総数は、高い閾値総数と比較される。所定の高い閾値総数は、受信された特定の数の否定的な入力を表す閾値数であり得る。所定の高い閾値総数は、観客数の特定の割合を表す閾値の割合であり得る。
【0065】
ステップ445で取得された否定的な入力の総数が所定の高い閾値総数を超える場合、ゲームサーバは、ステップ455で、所定のブーイング/冷やかしの期間、大きなブーイング/冷やかしを生成し、その後プロセスはステップ445で再び開始することができる。
【0066】
ステップ460で、1つまたは複数の観客デバイスからゲームサーバによって受信された否定的な入力の総数が、例えばステップ450の所定の高い閾値総数と、ステップ470でも参照される所定の低い閾値総数の間の中間の範囲と比較される。所定の低い閾値総数は、受信された特定の数の否定的な入力を表す閾値数であり得る。所定の低い閾値総数は、観客数の特定の割合を表す閾値の割合であり得る。いずれの場合でも、所定の低い閾値総数は、所定の高い閾値総数よりも低い。
【0067】
ステップ445で取得された否定的な入力の総数が中間の範囲内である場合、ゲームサーバは、ステップ465で、所定のブーイング/冷やかしの期間、静かなブーイング/冷やかしを生成し、その後プロセスはステップ445で再び開始することができる。
【0068】
ステップ470で、1つまたは複数の観客デバイスからゲームサーバによって受信される否定的な入力の総数は、ステップ460に関して説明された所定の低い閾値総数よりも低くなければならない。したがって、ステップ475で、ゲームサーバは、ステップ475で、ブーイング/冷やかしを生成せず(または非常に静かなブーイング/冷やかしを生成する)、その後、プロセスは、ステップ445で再び開始することができる。
【0069】
図4A及び図4Bに関して図示及び説明された観客の入力に基づいて応援、詠唱、ブーイング、及び冷やかしを生成するゲームサーバのメカニズムは、本明細書に図示及び記載されるよりも多いまたは少ない範囲または音量レベルを含み得る。すなわち、ステップ410またはステップ460の中間の範囲は、さらに細分される、または完全に排除され得る。
【0070】
図4A及び図4Bに関して図示及び説明された観客の入力に基づいてゲームサーバが応援、詠唱、ブーイング、及び冷やかしを生成するメカニズムは、互いに影響を及ぼし得、純量でまたは平均に基づいて動作し得る。例えば、否定的な入力が負の数を表しながら、否定的な入力が負の数を表し得るため、ある否定的な入力がある否定的な入力を相殺することができる。これは、応援/詠唱かブーイング/冷やかしの一方のみであり、両方ではないことが望ましいときに、ノイズの混乱を避けるために有用であり得る。
【0071】
図4A及び図4Bに関して図示及び説明された観客の入力に基づいて、応援、詠唱、ブーイング、及び冷やかしを生成するゲームサーバのメカニズムは、プレイヤーまたはチームによって分割され得る。つまり、観客は、青のチームまたはプレイヤーに対応する平均の否定的な入力と、赤のチームまたはプレイヤーに対応する平均の否定的な入力を提供でき、青のプレイヤーまたはチームをサポートする応援/詠唱、赤のプレイヤーまたはチームを侮辱するブーイング/冷やかしに至る。
【0072】
図4A及び図4Bに関して図示及び説明された観客の入力に基づいて、ゲームサーバが応援、詠唱、ブーイング、及び冷やかしを生成するメカニズムは、聴覚の代わりに、または聴覚に加えて視覚的であり得る。例えば、大きな応援/詠唱が、大観衆のゲーム内表現または視覚的に応援/詠唱する観衆の大部分に対応する場合があり、静かな応援/詠唱が、小さな観衆のゲーム内表現または視覚的に応援/詠唱する観衆のわずかな部分に対応する場合があり、応援/詠唱がないことが、いかなる観衆のゲーム内表現もないことまたは視覚的に応援/詠唱する観衆が無いことに対応する場合がある。同様に、例えば、大きなブーイング/冷やかしが、大観衆のゲーム内表現または視覚的にブーイング/冷やかしする観衆に対応する場合があり、静かなブーイング/冷やかしが、小さな観衆のゲーム内表現または視覚的にブーイング/冷やかしする観衆のわずかな部分に対応する場合があり、ブーイング/冷やかしがないことが、いかなる観衆のゲーム内表現もないことまたは視覚的にブーイング/冷やかしする観衆の皆無に対応する場合がある。応援/詠唱またはブーイング/冷やかしのボリュームは、ゲーム内にて表されるカラースペクトルに沿った様々な色、または色の強度/明るさに対応し得る。例えば、大きな応援/詠唱を青または緑で表すことができる一方で、大きなブーイングや冷やかしを赤で表すことができる。
【0073】
図4A図4Bに示され、説明されている観客の入力に基づいて、ゲームサーバが応援、詠唱、ブーイング、及び冷やかしを生成するメカニズムが、プレイヤーまたはチームごとに分割されている場合、特定のプレイヤーまたはチームへの応援/詠唱は、そのプレイヤーまたはチームに関連付けられた色またはシンボルで表され得る。同様に、特定のプレイヤーまたはチームへのブーイング/冷やかしは、そのプレイヤーまたはチームに関連付けられた色またはシンボルで表され得る。例えば、観客が青チームまたはプレイヤーに対応する平均の否定的な入力を提供し、赤チームまたはプレイヤーに対応する平均の否定的な入力を提供する場合、観客は「行け!青」や「この、赤の奴め」、または同様の言明を告げるサインをゲーム内で生成し得る。
【0074】
図4A及び図4Bに関して図示及び説明された観客入力に基づいて、応援、詠唱、ブーイング、及び冷やかしを生成するゲームサーバのメカニズムは、肯定的な入力または否定的な入力として、観戦している観客を単純に数えるように簡略化され得る。つまり、応援/詠唱またはブーイング/冷やかしは、単に観客がいずれかの方法で入力を提供する必要なしに、期間中にゲームを見ている観客数に基づいて生じる可能性がある。観客は、いずれかの特定のプレイヤー(複数可)またはチーム(複数可)をサポートまたは非難する観客の存在(または入力)によって引き起こされるいずれかの応援/詠唱またはブーイング/冷やかしが必要であれば、特定のプレイヤーまたはチームへの忠誠を事前に選択できる。
【0075】
図5は、カスタマイズされた観戦エクスペリエンスのための観客の操作を示す流れ図である。
【0076】
ステップ505で、観客は観戦したいと思うビデオゲームを選択する。観客のクライアントデバイス210は、この選択をゲームサーバに送信する。
【0077】
ステップ510で、観客は、観客が観戦したいと思う、ステップ505で選択されたビデオゲームのゲーム対戦を選択する。例えば、観客は、特定のプレイヤーまたはチームがそのゲームの対戦でプレイしているという事実に基づいて、特定のゲームの対戦を選択できる。観客のクライアントデバイス210は、この選択をゲームサーバに送信する。
【0078】
ステップ515で、観客は、ステップ510で選択されたゲーム対戦のゲームビューキュレーターを選択する。ゲームビューキュレーターは、観客が見るものを指示し、基本的にゲームの対戦映像の監督または撮影監督として機能する。ゲームビューキュレーターは、観客自身、別の観客、ゲームのプレイヤー、または人工知能システムである可能性がある。ゲームビューキュレーターは、視聴角度、ズーム、回転、速度(例えば、スローモーション、早送り)を制御でき、巻き戻しまたはリプレイ映像の呼び出しができ、他の視界の制御ができる。観客のクライアントデバイス210は、この選択をゲームサーバに送信する。
【0079】
ステップ520で、観客は、ステップ510で選択されたゲーム対戦のゲーム解説者を選択する。ゲーム解説者は、ゲームプレイ中のオーディオベース及び/またはテキストベース及び/またはビデオベースの解説を提供する。ゲームの解説者は、観客自身、別の観客、ゲームのプレイヤー、または人工知能システムであってよい。観客のクライアントデバイス210は、この選択をゲームサーバに送信する。
【0080】
ステップ525で、観客は、ステップ515で選択されたビューキュレーターによって制御される観客のクライアントデバイス210によって表示される視界とともに、またステップ520で選択されたゲーム解説者によって観客のクライアントデバイス210に提供されるオーディオ/テキスト/ビデオの解説とともに、ステップ505で選択されたビデオゲームの、ステップ510で選択されたゲーム対戦を観戦する。観客は、ステップ505、510、515、または520のいずれかに戻って、観戦中のゲーム、観戦中のゲーム対戦、ビューキュレーター、またはゲーム解説者を変更することができる。
【0081】
任意選択のステップ530で、観客は、任意選択で、ゲームの対戦、プレイヤー、選択されたビューキュレーター及び/または選択した解説者への入力を提供する。この入力は、図4A及び図4Bに関して図示及び説明されているものと同様のオーディオ/テキスト/ビデオの解説または肯定/否定の観客の入力の形態であり得る。
【0082】
図3図4A図4B、及び図5の流れ図に示され、それらに関して説明される操作のいくつかは、本明細書では「ゲームサーバ」によって実行されるものとして特定されるが、これらは、1つまたは複数のクライアントコンピューティングデバイス、1つまたは複数のゲームサーバ、本明細書で論じられる任意の他のコンピュータシステム(複数可)600、またはそれらの組み合わせにより実行できることを理解されたい。これらの図に関して使用される「ゲームサーバ」という用語は、ゲームリーグ管理プラットフォームシステム112、ゲームネットワーク104、公衆ネットワーク102、またはそれらの組み合わせの中の任意のサーバまたはネットワークハードウェア220を指すことも理解されたい。
【0083】
図6は、主題の技術のいくつかの態様を実装するために使用され得る例示的なコンピューティングシステム600を図示する。例えば、コンピューティングデバイス、コンピューティングシステム、ネットワークデバイス、ネットワークシステム、サーバ、及び/または本明細書で説明する回路の配置のいずれかは、少なくとも1つのコンピューティングシステム600を含むことができ、または図6で特定されるコンピュータシステム600の少なくとも1つのコンポーネントを含むことができる。図6のコンピューティングシステム600は、1つまたは複数のプロセッサ610及びメモリ620を含む。プロセッサ(複数可)610のそれぞれは、1つまたは複数のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、中央処理装置(CPU)、グラフィック処理装置(GPU)、算術論理演算装置(ALU)、加速処理装置(APU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはそれらの組み合わせを指すことができる。プロセッサ(複数可)610のそれぞれは、単一のチップ上に統合されるか、一緒に接続もしくは連結される複数のチップにわたって広がる1つまたは複数のコアを含み得る。メモリ620は、プロセッサ610による実行のための命令及びデータを部分的に格納する。メモリ620は、動作中に実行可能コードを格納することができる。図6のシステム600は、大容量記憶装置630、ポータブル記憶媒体ドライブ(複数可)640、出力デバイス650、ユーザ入力デバイス660、グラフィックディスプレイ670、及び周辺装置680をさらに含む。
【0084】
図6に示されるコンポーネントは、単一のバス690を介して接続されるものとして示されている。しかし、コンポーネントは、1つ以上のデータ転送手段を介して接続されてもよい。例えば、プロセッサユニット610及びメモリ620は、ローカルマイクロプロセッサバスを介して接続することができ、大容量記憶装置630、周辺装置(複数可)680、ポータブル記憶装置640、及びディスプレイシステム670は、1つまたは複数の入出力(I/O)バスを介して接続することができる。
【0085】
大容量記憶装置630は、磁気ディスクドライブまたは光ディスクドライブまたは他の任意のタイプの以下で説明するメモリ/記憶装置で実装することができ、プロセッサユニット610が使用するデータ及び命令を格納するための不揮発性記憶装置である。大容量記憶装置630は、そのソフトウェアをメモリ620にロードする目的で、主題の技術のいくつかの態様を実装するためのシステムソフトウェアを格納することができる。
【0086】
ポータブル記憶装置640は、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、または他の任意のタイプの以下で説明するメモリ/記憶装置などのポータブルの不揮発性記憶媒体と連動して動作し、図6のコンピュータシステム600との間でデータ及びコードを入出力する。主題の技術の態様を実装するためのシステムソフトウェアは、そのようなポータブルの媒体に格納され、ポータブル記憶装置640を介してコンピュータシステム600に入力されてもよい。
【0087】
メモリ620、大容量記憶装置630、またはポータブル記憶装置640は、場合によっては、取引情報、健康情報、または暗号キーなどの機密情報を格納することができ、あるいは場合によっては、プロセッサ610を利用してそのような情報を暗号化または復号化することができる。メモリ620、大容量記憶装置630、またはポータブル記憶装置640は、場合によっては、プロセッサ610による実行または処理のための命令、実行可能コード、または他のデータを少なくとも部分的に格納することができる。
【0088】
出力デバイス650は、例えば、有線または無線の手段を介してデータを出力するための通信回路、ディスプレイ画面を介してデータを表示するためのディスプレイ回路、ヘッドホンまたはスピーカーを介して音声を出力するための音声回路、プリンタを介してデータを印刷するためのプリンタ回路、またはそれらのいくつかの組み合わせを含み得る。ディスプレイ画面は、ディスプレイシステム670に関して説明された任意のタイプのディスプレイであり得る。プリンタは、インクジェット、レーザジェット、サーマル、またはそれらのいくつかの組み合わせであってもよい。場合によっては、出力デバイス回路650は、オーディオジャック/プラグ、マイクジャック/プラグ、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート/プラグ、Apple(登録商標)Lightning(登録商標)ポート/プラグ、イーサネット(登録商標)ポート/プラグ、光ファイバポート/プラグ、独自の有線ポート/プラグ、BLUETOOTH(登録商標)無線信号転送、BLUETOOTH(登録商標)低エネルギー(BLE)無線信号転送、無線周波数特定(RFID)無線信号転送、近距離通信(NFC)無線信号転送、802.11 Wi-Fi無線信号転送、セルラーデータネットワーク無線信号転送、電波信号転送、マイクロ波信号転送、赤外線信号転送、可視光信号転送、紫外線信号転送、電磁スペクトルに沿った無線信号転送、またはそれらのいくつかの組み合わせを介してデータを送信できる場合がある。出力デバイス650は、セルラーの加入者特定モジュール(SIM)カードなど、上記の通信のタイプに必要ないずれかのポート、プラグ、アンテナ、またはその他いずれかのコンポーネントを含むことができる。
【0089】
入力デバイス660は、ユーザインターフェイスの一部を提供する回路を含み得る。入力デバイス660は、英数字及び他の情報を入力するためのキーボードなどの英数字キーパッド、またはマウス、トラックボール、スタイラス、またはカーソル方向キーなどのポインティングデバイスを含み得る。入力デバイス660は、タッチセンサ式の表面も含み得、タッチスクリーンのようにディスプレイと統合されるか、トラックパッドのようにディスプレイから分離されるかのいずれかである。タッチセンサ式の表面は、場合によっては、局所的な変動圧力または力の検出を検出することがある。場合によっては、入力デバイス回路により、オーディオジャック、マイクジャック、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート/プラグ、Apple(登録商標)Lightning(登録商標)ポート/プラグ、イーサネット(登録商標)ポート/プラグ、光ファイバポート/プラグ、独自の有線ポート/プラグ、BLUETOOTH(登録商標)無線信号転送、BLUETOOTH(登録商標)低エネルギー(BLE)無線信号転送、無線周波数特定(RFID)無線信号転送、近距離通信(NFC)無線信号転送、802.11 Wi-Fi無線信号転送、セルラーデータネットワーク無線信号転送、電波信号転送、マイクロ波信号転送、赤外線信号転送、可視光信号転送、紫外線信号転送、電磁スペクトルに沿った無線信号転送、またはそれらのいくつかの組み合わせを介してデータを受信できる場合がある。入力デバイス660は、セルラーのSIMカードなど、上記の通信タイプに必要な任意のポート、プラグ、アンテナ、または任意の他のコンポーネントを含み得る。
【0090】
ディスプレイシステム670は、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、電子インクまたは「電子ペーパー」ディスプレイ、プロジェクタベースのディスプレイ、ホログラフィックディスプレイ、または別の適切なディスプレイデバイスを含み得る。ディスプレイシステム670は、テキスト及びグラフィック情報を受信し、ディスプレイデバイスへの出力のために情報を処理する。ディスプレイシステム670は、容量性タッチ検出、抵抗性タッチ検出、表面弾性波タッチ検出、または赤外線タッチ検出などのマルチタッチ・タッチスクリーン入力機能を含み得る。このようなタッチスクリーン入力機能では、可変の圧力または力の検出ができる場合とできない場合がある。
【0091】
周辺機器680は、コンピュータシステムに追加の機能を加えるために、任意のタイプのコンピュータサポートデバイスを含み得る。例えば、周辺機器(複数可)680は、モデム、ルータ、アンテナ、プリンタ、バーコードスキャナ、クイックレスポンス(「QR」)コードスキャナ、ドキュメント/イメージスキャナ、可視光カメラ、サーマル/赤外線カメラ、紫外線に敏感なカメラ、暗視カメラ、光センサ、バッテリ、電源、またはそれらの何らかの組み合わせを含み得る。
【0092】
図6のコンピュータシステム600に含まれるコンポーネントは、主題の技術のいくつかの態様での使用に適している場合があり、当技術分野で周知のそのようなコンピュータコンポーネントの幅広いカテゴリを表すことを意図したコンピュータシステムで通常見られるコンポーネントである。したがって、図6のコンピュータシステム600は、パーソナルコンピュータ、ハンドヘルドコンピューティングデバイス、電話(「スマート」またはその他)、モバイルコンピューティングデバイス、ワークステーション、サーバ(サーバラックまたはその他)、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、タブレットコンピューティングデバイス、ウェアラブルデバイス(時計、指輪、眼鏡、他の形態のジュエリー/衣類/アクセサリーなど)、ビデオゲームコンソール(ポータブルまたはその他)、電子書籍リーダー、メディアプレイヤーデバイス(ポータブルまたはその他)、車両ベースのコンピュータ、それらの何らかの組み合わせ、またはその他いずれかのコンピューティングデバイスであり得る。コンピュータシステム600は、場合によっては、別のコンピュータシステムによって実行される仮想コンピュータシステムであってもよい。コンピュータには、異なるバス構成、ネットワークプラットフォーム、マルチプロセッサプラットフォームなども含めることができる。Unix(登録商標)、Linux(登録商標)、Windows(登録商標)、Macintosh OS、Palm OS、Android(登録商標)、iOS、及びその他の適切な操作システムを含む、様々な操作システムを使用できる。
【0093】
場合によっては、コンピュータシステム600は、それぞれが1つまたは複数の特定のタスクまたは目的のために複数のコンピュータシステム600を使用するマルチコンピュータシステムの一部であってもよい。例えば、マルチコンピュータシステムは、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)、都市域ネットワーク(municipal area network(MAN))、広域ネットワーク(WAN)、またはそれらの組み合わせの少なくとも1つを介して互いに通信可能に結合された複数のコンピュータシステム600を含み得る。マルチコンピュータシステムは、インターネットを介して互いに通信可能に結合された異なるネットワーク(「分散型」システムとしても知られている)からの複数のコンピュータシステム600をさらに含むことができる。
【0094】
主題の技術のいくつかの態様は、様々なデバイスを用いて動作可能であり得るアプリケーションで実施されてよい。非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、実行のために中央処理装置(CPU)に命令を提供することに関与し、メモリ620、大容量記憶装置630、ポータブル記憶装置640、またはそれらの何らかの組み合わせで使用することができる任意の媒体(複数可)を指す。このような媒体は多くの形態をとることができ、例えば光ディスクもしくは磁気ディスクなどの不揮発性メモリ及びダイナミックメモリなどの揮発性媒体を各々含むが、これらに限定されない。非一時的なコンピュータ可読媒体のいくつかの形式には、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、磁気ストリップ/ストライプ、その他いずれかの磁気記憶媒体、フラッシュメモリ、メモリスタメモリ、その他いずれかのソリッドステートメモリ、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)光ディスク、書き換え可能なコンパクトディスク(CD)光ディスク、デジタルビデオディスク(DVD)光ディスク、ブルーレイディスク(BDD)光ディスク、ホログラフィック光ディスク、別の光学媒体、セキュアデジタル(SD)カード、マイクロセキュアデジタル(microSD)カード、メモリースティック(登録商標)カード、スマートカードチップ、Europay(登録商標)/Mastercard(登録商標)/Visa(登録商標)(EMV)チップ、加入者特定モジュール(SIM)カード、mini/micro/nano/pico SIMカード、別の集積回路(IC)チップ/カード、ランダムアクセスメモリ(RAM)、スタティックRAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、プログラム可能な読み取り専用メモリ(PROM)、消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的に消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EEPROM)、フラッシュEPROM(FLASHEPROM)、キャッシュメモリ(L1/L2/L3/L4/L5/L6)、抵抗性ランダムアクセスメモリ(RRAM(登録商標)/ReRAM)、相変化メモリ(PCM)、スピン注入メモリRAM(STT-RAM)、別のメモリチップまたはカートリッジ、またはそれらの組み合わせを含む。
【0095】
様々な形態の伝送媒体が、1つまたは複数の命令の1つまたは複数のシーケンスを実行のためにプロセッサ610に伝えることに関与してよい。バス690は、データをシステムRAMまたは別のメモリ620に伝え、それからプロセッサ610は命令を取得し、実行する。システムRAMまたは別のメモリ620によって受信された命令は、任意選択で、固定のディスク(大容量記憶装置630/ポータブル記憶装置640)に、プロセッサ610による実行の前または後のいずれかに、格納することができる。様々な形態の記憶装置、並びに、必要なネットワークインタフェース及びネットワークインタフェースを実施するためのネットワークトポロジも実施されてよい。
【0096】
上で提供及び説明される様々な流れ図は、主題の技術のいくつかの実施形態によって実行される特定の動作の順序を示し得るが、そのような順序は例示的であることを理解されたい。代替の実施形態は、異なる順序で動作を実行し、特定の動作を組み合わせ、特定の動作を重ね合わせ、またはそれらのいくつかの組み合わせを行うことができる。
【0097】
上記技術の詳細な記載は、例示と説明のために記載した。包括的であることも、開示されたそのままの形態に本技術を限定することも意図するものではない。上記の教示に照らして、多くの修正及び変更が可能である。記載した実施形態は、技術の原理とその実践的な応用を最もよく説明するために、また、様々な実施形態で、及び、企図した特定の用途に合うように様々に修正して当業者が技術を利用できるように、選択した。本技術の範囲は特許請求の範囲によって定められることが意図される。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6