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特許7371868較正装置、変換装置、較正方法、および較正プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-23
(45)【発行日】2023-10-31
(54)【発明の名称】較正装置、変換装置、較正方法、および較正プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01R 35/00 20060101AFI20231024BHJP
   G01R 23/165 20060101ALI20231024BHJP
   G01R 23/173 20060101ALI20231024BHJP
【FI】
G01R35/00 K
G01R35/00 G
G01R23/165 B
G01R23/173 D
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020076379
(22)【出願日】2020-04-22
(65)【公開番号】P2021173590
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2022-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】390005175
【氏名又は名称】株式会社アドバンテスト
(73)【特許権者】
【識別番号】504137912
【氏名又は名称】国立大学法人 東京大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浅見 幸司
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 哲也
(72)【発明者】
【氏名】ゾルボー ビャムバドルジ
【審査官】永井 皓喜
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第105933008(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第105281779(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第104717162(CN,A)
【文献】Laming Chen, Jian Jin, and Yuantao Gu,A CALIBRATION SYSTEM AND PERTURBATION ANALYSIS FOR THE MODULATED WIDEBAND CONVERTER,IEEE 10th INTERNATIONAL CONFERENCE ON SIGNAL PROCESSING PROCEEDINGS,中国,IEEE,2010年12月03日,p.78-81,https://ieeexplore.ieee.org/stamp/stamp.jsp?arnumber=5656659
【文献】Weisong Liu, Zhitao Huang, Xiang Wang and Weichao Sun,Design of a Single Channel Modulated Wideband Converter for Wideband Spectrum Sensing: Theory, Architecture and Hardware Implementation,sensors,Sensors 2017, 17(5), 1035,2017年05月17日,p.1-18,https://www.mdpi.com/1424-8220/17/5/1035
【文献】Etgar Israeli, Shahar Tsiper, Deborah Cohen, Eli Shoshan, Rolf Hilgendorf, Alex Reysenson, Yonina C. Eldar,Hardware calibration of the modulated wideband converter,2014 IEEE Global Communications Conference,米国,IEEE,2015年02月12日,p.948-953,https://ieeexplore.ieee.org/stamp/stamp.jsp?tp=&arnumber=7036931
【文献】Ning Fu, Siyi Jiang, Libao Deng, Liyan Qiao,Successive-phase correction calibration method for modulated wideband converter system,IET Signal Processing,Volume13, Issue6,The Institution of Engineering and Technology,2019年08月01日,P.624-632,https://ietresearch.onlinelibrary.wiley.com/doi/epdf/10.1049/iet-spr.2018.5325
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 35/00
G01R 23/173
G01R 23/165
H03M 7/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力信号に複数の信号パターンのそれぞれを乗じて帯域制限することにより複数のバンドパス信号のそれぞれを得て、前記複数のバンドパス信号から入力信号に応じた出力信号を再構成する変換器に対して、複数の周波数帯域にトーンを有するマルチトーン信号を較正用入力信号として供給する較正用信号供給部と、
前記マルチトーン信号に応じて前記変換器により得られる複数の較正用バンドパス信号を取得する較正用バンドパス信号取得部と、
前記複数の較正用バンドパス信号に基づいて、前記変換器における前記再構成のパラメータを較正する較正処理部と
を備える較正装置。
【請求項2】
前記較正用入力信号は、それぞれが前記複数の信号パターンの繰り返し周波数の整数倍の周波数を中心とし、前記繰り返し周波数の幅を有する、互いに異なる前記複数の周波数帯域のそれぞれの中にトーンを有する請求項1に記載の較正装置。
【請求項3】
前記複数の周波数帯域のうちの異なる2つの周波数帯域内のトーン同士は、前記繰り返し周波数の整数倍からオフセットされた周波数差を有する請求項2に記載の較正装置。
【請求項4】
前記較正用入力信号は、前記入力信号における検出対象の周波数範囲を前記繰り返し周波数毎に分割して得られる前記複数の周波数帯域にトーンを有する請求項3に記載の較正装置。
【請求項5】
前記較正用入力信号は、基本周波数をf、前記繰り返し周波数をfp、オフセット周波数をΔf、lを整数としたときに、前記検出対象の周波数範囲内で、周波数f+l・fp+lΔfのトーンを有する請求項4に記載の較正装置。
【請求項6】
前記較正用信号供給部は、複数のトーンの初期位相をずらして前記較正用入力信号の最大振幅が前記変換器の定格範囲内に抑える請求項1から5のいずれか一項に記載の較正装置。
【請求項7】
入力信号に複数の信号パターンのそれぞれを乗じて帯域制限して複数のバンドパス信号のそれぞれを得て、前記複数のバンドパス信号から入力信号に応じた出力信号を再構成する変換器と、
請求項1から6のいずれか一項に記載の較正装置と
を備える変換装置。
【請求項8】
前記変換器は、
前記入力信号に複数の信号パターンのそれぞれを乗じる複数のミキサと、
前記複数のミキサが出力する複数の信号のそれぞれを帯域制限する複数のバンドパスフィルタと、
前記複数のバンドパスフィルタを通過した信号をそれぞれサンプリングした前記複数のバンドパス信号を出力する複数のAD変換器と、
前記複数のバンドパス信号から前記出力信号を再構成する再構成部と
を有する請求項7に記載の変換装置。
【請求項9】
入力信号に複数の信号パターンのそれぞれを乗じて帯域制限することにより複数のバンドパス信号のそれぞれを得て、前記複数のバンドパス信号から入力信号に応じた出力信号を再構成する変換器に対して、複数の周波数帯域にトーンを有するマルチトーン信号を較正用入力信号として供給し、
前記マルチトーン信号に応じて前記変換器により得られる複数の較正用バンドパス信号を取得し、
前記複数の較正用バンドパス信号に基づいて、前記変換器における前記再構成のパラメータを較正する
較正方法。
【請求項10】
コンピュータにより実行され、前記コンピュータを、
入力信号に複数の信号パターンのそれぞれを乗じて帯域制限することにより複数のバンドパス信号のそれぞれを得て、前記複数のバンドパス信号から入力信号に応じた出力信号を再構成する変換器に対して、複数の周波数帯域にトーンを有するマルチトーン信号を較正用入力信号として供給する較正用信号供給部と、
前記マルチトーン信号に応じて前記変換器により得られる複数の較正用バンドパス信号を取得する較正用バンドパス信号取得部と、
前記複数の較正用バンドパス信号に基づいて、前記変換器における前記再構成のパラメータを較正する較正処理部と
して機能させる較正プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、較正装置、変換装置、較正方法、および較正プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
圧縮センシングは、広い周波数帯域中にスパースに存在する狭帯域信号をサンプリングする技術である。圧縮センシングを行う変換器として、モジュレーテッド・ワイドバンド・コンバータ(MWC:Modulated Wideband Converter)が知られている(非特許文献1~2)。MWCは、狭帯域信号がスパースに存在する広帯域の入力信号に複数の周期符号関数(PSF:Periodic Sign Function)をそれぞれ乗じてサンプリングした複数の信号を用いて元の入力信号を再構成する。非特許文献3~8は、このようなMWCを較正(キャリブレーション)する技術を開示する。
[先行技術文献]
[非特許文献]
[非特許文献1]Mishali and Y. C. Eldar,「From theory to practice: Sub-nyquist sampling of sparse wideband analog signals」,IEEE Journal of Selected Topics in Signal Processing,vol. 4,no. 2,pp. 375-391,April 2010
[非特許文献2]D. L. Donoho,「Compressed sensing」,in IEEE Transactions on Information Theory,vol. 52,no. 4,pp. 1289-1306,April 2006
[非特許文献3]Peng Wang,Fei You, and Songbai He,「An Improved Signal Reconstruction of Modulated Wideband Converter Using a Sensing Matrix Built upon Synchronized Modulated Signals」,Circuits Syst. Signal Process. 38,7,July 2019
[非特許文献4]J. Park,J. Jang and H. Lee,「A calibration for the modulated wideband converter using sinusoids with unknown phases」,2017 Ninth International Conference on Ubiquitous and Future Networks(ICUFN),Milan,2017,pp. 951-955
[非特許文献5]L. Chen, J. Jin and Y. Gu,「A calibration system and perturbation analysis for the Modulated Wideband Converter」,IEEE 10th INTERNATIONAL CONFERENCE ON SIGNAL PROCESSING PROCEEDINGS,Beijing,2010,pp. 78-81
[非特許文献6]Liu, Weisong et al.,「Design of a Single Channel Modulated Wideband Converter for Wideband Spectrum Sensing: Theory, Architecture and Hardware Implementation」,Sensors(Basel, Switzerland) vol. 17,5 1035.4 May. 2017
[非特許文献7]E. Israeli et al.,「Hardware calibration of the modulated wideband converter」,2014 IEEE Global Communications Conference,Austin,TX,2014,pp. 948-953
[非特許文献8]N. Fu,S. Jiang,L. Deng and L. Qiao,「Successive-phase correction calibration method for modulated wideband converter system」,in IET Signal Processing,vol. 13,no. 6,pp. 624-632,8 2019
[非特許文献9]S. Boyd,「Multitone signals with low crest factor」,IEEE Trans. Circuits Syst.,vol. CAS-33,no. 10,pp. 1018-1022,Oct. 1986
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様においては、較正装置を提供する。較正装置は、入力信号に複数の信号パターンのそれぞれを乗じて帯域制限することにより複数のバンドパス信号のそれぞれを得て、複数のバンドパス信号から入力信号に応じた出力信号を再構成する変換器に対して、複数の周波数帯域にトーンを有するマルチトーン信号を較正用入力信号として供給する較正用信号供給部を備えてよい。較正装置は、マルチトーン信号に応じて変換器により得られる複数の較正用バンドパス信号を取得する較正用バンドパス信号取得部を備えてよい。較正装置は、複数の較正用バンドパス信号に基づいて、変換器における再構成のパラメータを較正する較正処理部を備えてよい。
【0004】
較正用入力信号は、それぞれが複数の信号パターンの繰り返し周波数の整数倍の周波数を中心とし、繰り返し周波数の幅を有する、互いに異なる複数の周波数帯域のそれぞれの中にトーンを有してよい。
【0005】
複数の周波数帯域のうちの異なる2つの周波数帯域内のトーン同士は、繰り返し周波数の整数倍からオフセットされた周波数差を有してよい。
【0006】
較正用入力信号は、入力信号における検出対象の周波数範囲を繰り返し周波数毎に分割して得られる複数の周波数帯域にトーンを有してよい。
【0007】
較正用入力信号は、基本周波数をf、繰り返し周波数をfp、オフセット周波数をΔf、lを整数としたときに、検出対象の周波数範囲内で、周波数f+l・fp+lΔfのトーンを有してよい。
【0008】
較正用信号供給部は、複数のトーンの初期位相をずらして較正用入力信号の最大振幅が変換器の定格範囲内に抑えてよい。
【0009】
本発明の第2の態様においては、変換装置を提供する。変換装置は、入力信号に複数の信号パターンのそれぞれを乗じて帯域制限して複数のバンドパス信号のそれぞれを得て、複数のバンドパス信号から入力信号に応じた出力信号を再構成する変換器を備えてよい。変換装置は、較正装置を備えてよい。
【0010】
変換器は、入力信号に複数の信号パターンのそれぞれを乗じる複数のミキサを有してよい。変換器は、複数のミキサが出力する複数の信号のそれぞれを帯域制限する複数のバンドパスフィルタを有してよい。変換器は、複数のバンドパスフィルタを通過した信号をそれぞれサンプリングした複数のバンドパス信号を出力する複数のAD変換器を有してよい。変換器は、複数のバンドパス信号から出力信号を再構成する再構成部を有してよい。
【0011】
本発明の第3の態様においては、較正方法を提供する。較正方法においては、入力信号に複数の信号パターンのそれぞれを乗じて帯域制限することにより複数のバンドパス信号のそれぞれを得て、複数のバンドパス信号から入力信号に応じた出力信号を再構成する変換器に対して、複数の周波数帯域にトーンを有するマルチトーン信号を較正用入力信号として供給してよい。較正方法においては、マルチトーン信号に応じて変換器により得られる複数の較正用バンドパス信号を取得してよい。較正方法においては、複数の較正用バンドパス信号に基づいて、変換器における再構成のパラメータを較正してよい。
【0012】
本発明の第4の態様においては、コンピュータにより実行される較正プログラムを提供する。較正プログラムは、コンピュータを、入力信号に複数の信号パターンのそれぞれを乗じて帯域制限することにより複数のバンドパス信号のそれぞれを得て、複数のバンドパス信号から入力信号に応じた出力信号を再構成する変換器に対して、複数の周波数帯域にトーンを有するマルチトーン信号を較正用入力信号として供給する較正用信号供給部として機能させてよい。較正プログラムは、コンピュータを、マルチトーン信号に応じて変換器により得られる複数の較正用バンドパス信号を取得する較正用バンドパス信号取得部として機能させてよい。較正プログラムは、コンピュータを、複数の較正用バンドパス信号に基づいて、変換器における再構成のパラメータを較正する較正処理部として機能させてよい。
【0013】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施形態に係る変換装置の構成を示す。
図2】本実施形態に係る変換装置のサンプリングフローの一例を示す。
図3】周波数領域における入力信号X(f)の波形の一例を示す。
図4】周波数領域における信号パターンP(f)の波形の一例を示す。
図5】周波数領域における、入力信号および信号パターンP(f)を乗じた信号Yp(f)の波形の一例を示す。
図6】周波数領域における、入力信号および信号パターンを乗じた信号を帯域制限したバンドパス信号Y(f)の波形の一例を示す。
図7】周波数領域における、バンドパス信号Y(f)から再構成した出力信号Xo(f)の波形の一例を示す。
図8】本実施形態に係る変換装置の較正フローの一例を示す。
図9】周波数領域における、較正用入力信号Xcal(f)および信号パターンP(f)を乗じた信号Yp(f)の波形の一例を示す。
図10】本実施形態に係る較正用信号供給部の構成を示す。
図11】本実施形態に係る構成処理部の構成を示す。
図12】本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータの例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0016】
図1は、本実施形態に係る変換装置100の構成を示す。変換装置100は、広い周波数帯域中にスパースに存在する狭帯域信号であってよいアナログの入力信号x(t)をサンプリングして、デジタルの出力信号xo(t)として出力する。ここで、tは時刻を示す。また、変換装置100は、外部からの入力信号x(t)に代えて較正用入力信号xcal(t)を用いて較正を行う機能を有する。
【0017】
変換装置100は、セレクタ110、周期信号発生器120-1~m、ミキサ130-1~m、バンドパスフィルタ140-1~m、AD変換器150-1~m、再構成部160、較正用信号供給部170、較正用バンドパス信号取得部180、および較正処理部190を備える。周期信号発生器120-1~m、ミキサ130-1~m、バンドパスフィルタ140-1~m、AD変換器150-1~m、および再構成部160は、アナログの入力信号x(t)に複数の信号パターンp(t)(ただしiは、1≦i≦mである整数)のそれぞれを乗じて帯域制限することにより複数のバンドパス信号y[n]のそれぞれを得て、複数のバンドパス信号y[n]から入力信号x(t)に応じた出力信号xo(t)を再構成する変換器として機能する。この変換器は、MWCであってよい。
【0018】
複数の周期信号発生器120-1~m(以下、「周期信号発生器120」とも示す。)のそれぞれは、互いに異なる信号パターンp(t)を発生する。本実施形態に係る信号パターンp(t)は、予め定めれられた周期Tpを有し、その周期TpをM分割した区間毎に、正または負の符号(例えば±1)を有する周期的符号関数(PSF:Periodic Sign Function)である。ここで、信号パターンの繰り返し周波数fp(Hz)は、1/Tpとなる。なお、複数の周期信号発生器120は、周期Tpのクロックをトリガとして同一タイミングで信号パターンp(t)の発生を開始するように構成されてよい。
【0019】
複数のミキサ130-1~m(以下、「ミキサ130」とも示す。)は、セレクタ110および複数の周期信号発生器120に接続され、入力信号x(t)に複数の信号パターンpi(t)のそれぞれを乗じる。そして、複数のミキサ130は、信号yp(t)=x(t)・p(t)を出力する。
【0020】
複数のバンドパスフィルタ140-1~m(以下、「バンドパスフィルタ140」とも示す。)は、複数のミキサ130に接続され、複数のミキサ130が出力する複数の信号yp(t)のそれぞれを帯域制限する。そして、複数のバンドパスフィルタ140は、帯域制限された複数の信号y(t)を出力する。
【0021】
複数のAD変換器150-1~m(以下、「AD変換器150」とも示す。)は、複数のバンドパスフィルタ140に接続され、複数のバンドパスフィルタ140を通過した信号y(t)をそれぞれサンプリングしたデジタルの複数のバンドパス信号y[n]を出力する。ここで、複数のAD変換器150のそれぞれのサンプリング周波数を、fs(Hz)と表す。サンプリング周波数fsは、信号パターンp(t)の符号の周波数fpよりも高く、例えばfs≧fpである。nは、サンプリングタイミング毎の離散時間を示し、t=n・Tsとなる。
【0022】
再構成部160は、複数のAD変換器150に接続され、複数のバンドパス信号y[n]から、入力信号x(t)に応じた出力信号xo(t)を再構成する。ここで、出力信号xo(t)は、アナログのx(t)をデジタルに変換した信号である。これに代えて、再構成部160は、アナログのx(t)をダウンコンバート等したアナログまたはデジタルの信号であってもよい。再構成部160は、専用回路によって実現されてもよく、プログラマブル回路によって実現されてもよい。また、再構成部160は、コンピュータ上で再構成プログラムを実行することによって実現されてもよい。
【0023】
セレクタ110、較正用信号供給部170、較正用バンドパス信号取得部180、および較正処理部190は、入力信号x(t)を出力信号xo(t)に変換する上記の変換器を較正する較正装置として機能する。このような較正装置は、専用回路によって実現されてもよく、プログラマブル回路によって実現されてもよい。また、較正装置は、コンピュータ上で再構成プログラムを実行することによって実現されてもよい。
【0024】
セレクタ110は、外部からの入力信号x(t)を変換器に入力するか、較正用入力信号xcal(t)を変換器に入力するかを切り替える。セレクタ110は、較正用信号供給部170に接続され、変換装置100の通常動作時には外部からの入力信号x(t)を複数のミキサ130へと入力し、変換装置100の較正動作時には較正用信号供給部170からの較正用入力信号xcal(t)を複数のミキサ130へと入力する。
【0025】
較正用信号供給部170は、較正処理部190に接続され、較正処理部190からの指示に応じて較正用入力信号xcal(t)を発生し、セレクタ110を介して変換器に供給する。較正用入力信号xcal(t)は、入力信号x(t)と同様にして、複数のミキサ130、複数のバンドパスフィルタ140、および複数の150によって複数の較正用バンドパス信号y[n]に変換される。
【0026】
較正用バンドパス信号取得部180は、複数のAD変換器150に接続される。較正用バンドパス信号取得部180は、較正用入力信号xcal(t)に応じて変換器により得られる複数の較正用バンドパス信号y[n]を取得する。
【0027】
較正処理部190は、較正用バンドパス信号取得部180に接続され、較正動作を行う。較正動作において、較正処理部190は、セレクタ110に対して較正用入力信号xcal(t)を変換器へと供給するように切り替えることを指示し、較正用信号供給部170に対して較正用入力信号xcal(t)の発生を指示する。較正処理部190は、較正用入力信号xcal(t)に応じて較正用バンドパス信号取得部180によって取得される複数の較正用バンドパス信号y[n]に基づいて、変換器における再構成のパラメータを較正する。本実施形態に係る較正処理部190は、再構成部160が用いる再構成のパラメータを設定または調整する。
【0028】
図2は、本実施形態に係る変換装置100のサンプリングフローの一例を示す。ステップ200(S200)において、変換装置100は、入力信号x(t)を入力する。通常動作においてセレクタ110は、入力信号x(t)を複数のミキサ130へと供給する。
【0029】
S210において、複数の周期信号発生器120は、複数の信号パターンp(t)を発生する。S220において、複数のミキサ130は、入力信号x(t)と複数の信号パターンp(t)とをそれぞれ乗じた複数の信号yp(t)を生成して出力する。
【0030】
S230において、複数のバンドパスフィルタ140は、複数の信号yp(t)を帯域制限した複数のバンドパス信号y(t)を生成して出力する。S240において、複数のAD変換器150は、複数のバンドパス信号y(t)をサンプリングしてAD(Analog-Digital)変換することにより、複数のデジタルのバンドパス信号y[n]を取得する。
【0031】
S250において、再構成部160は、複数のバンドパス信号y[n]に基づいて、出力信号xo(t)を再構成する。以下、図3~7を用いて、変換装置100のサンプリング動作をより具体的に説明する。
【0032】
図3は、周波数領域における入力信号X(f)の波形の一例を示す。入力信号x(t)は、例えば2.4GHzといったような広い周波数帯域中の一部に存在する、例えば20MHzといったような狭帯域信号である。したがって、入力信号x(t)は、横軸を周波数、縦軸を各周波数成分の振幅とした周波数領域においては、図3に示したように、広い周波数帯域の一部に、狭帯域の信号310-1~2およびこれらに対応する負の周波数成分である信号320-1~2を有する入力信号X(f)となる。
【0033】
図4は、周波数領域における信号パターンP(f)の波形の一例を示す。信号パターンp(t)は、周期Tpを有する。したがって、以下の式(1)に示すようにフーリエ展開することができる。
【数1】
【0034】
式(1)から、信号パターンp(t)を周波数領域で表した信号パターンP(f)をl=-L~Lの範囲で表すと図4のとおりとなる。ここで、ci,lは、周波数領域の信号パターンP(f)における、周波数l・fpの周波数成分を示す。
【0035】
図5は、周波数領域における、入力信号X(f)および信号パターンP(f)を乗じた信号Yp(f)の波形の一例を示す。周波数領域における信号Yp(f)は、時間領域における信号yp(t)=x(t)・p(t)を周波数領域に変換したものであり、以下の式(2)に示すフーリエ変換によって表される。
【数2】
【0036】
式(2)から、信号Yp(f)は、図5に示したように、入力信号X(f)を、fpの整数倍lfpずつシフトしてp(f)の各周波数成分ci,lによって重み付けした和となる。このようにして、変換器は、広い周波数帯域内にスパースに存在する狭帯域信号を、ベースバンド近傍に周波数変換することができる。
【0037】
図6は、周波数領域における、入力信号X(f)および信号パターンP(f)を乗じた信号Yp(f)を帯域制限したバンドパス信号Y(f)の波形の一例を示す。本実施形態において、バンドパスフィルタ140は、周波数fbpf未満の周波数成分を低域濾波し、周波数fbpf以上の周波数成分をカットするローパスフィルタである。この場合、バンドパスフィルタ140は、図6に示したように、図5に示した信号Yp(f)における、周波数-fbpf以下の周波数成分および周波数fbpf以上の周波数成分を帯域制限し、周波数―fbpfを超え周波数fbpf未満の周波数成分を低域濾波する。ここで、周波数fbpfは、サブナイキストサンプリングを実現するために、サンプリング周波数fsの2倍またはそれ以上であってよい。
【0038】
バンドパス信号Yは、デジタルのバンドパス信号y[n]の離散フーリエ変換によって以下の式(3)のように近似できる。
【数3】
【0039】
ここで、Lは、X(f)の全ての非0成分がバンドパス信号Yの-fs/2≦f≦fs/2の範囲に含まれるように選択される正の整数である。Lは、この条件を満たす最小の正整数であってよい。
【0040】
式(3)は、以下の式(4)に示す行列ベクトル積の形で表すことができる。
【数4】
【0041】
図7は、周波数領域における、バンドパス信号Y(f)から再構成した出力信号Xo(f)の波形の一例を示す。式(4)のci,lの行列をAと表すと、行列Aは、m行2L+1列であり、2L+1はmと比較して非常に大きいから、左辺のYのベクトルから右辺のX(f-lfp)のベクトルを一意に算出することは困難である。しかし、入力信号X(f)が十分にスパースである場合、右辺のX(f-lfp)の大部分は0となり、行列Aに含まれる複数のパラメータci,lを用いて左辺のYのベクトルから右辺のX(f-lfp)のベクトルを一意に算出することができる。
【0042】
このような原理により、再構成部160は、複数のバンドパス信号y[n]のそれぞれを周波数領域のバンドパス信号Y(f)に変換し、図4に示した信号パターンの各周波数成分ci,lから算出される再構成のパラメータを用いて周波数領域の複数のバンドパス信号Y(f)から図3に示したような周波数領域の出力信号Xo(f)を再構成し、周波数領域の出力信号Xo(f)を時間領域の出力信号xo(t)に逆変換することにより、出力信号xo(t)を求めることができる。ここで、再構成部160は、出力信号xo(t)を、デジタルの離散時間信号xo[n]の形式で出力してもよい。
【0043】
なお、上記の説明においては、周波数領域のバンドパス信号Y(f)から周波数領域のXo(f)を再構成する例を示した。これに代えて、変換装置100は、周波数領域における上記の演算と等価な時間領域の演算を用いることによって、時間領域のバンドパス信号y[n]から時間領域の出力信号xo(t)を再構成することも可能である。
【0044】
また、上記の説明においては、各バンドパスフィルタ140は、ローパスフィルタである場合を示した。しかし、上記の処理は、出力信号xo(t)を再構成するのに十分は周波数範囲の信号を帯域濾波できれば同様に行うことができるから、各バンドパスフィルタ140は、バンドパスフィルタであってもよい。
【0045】
以上に示した変換装置100によれば、周波数―Lfpから周波数Lfpを含むような広い周波数帯域の中にある狭帯域信号を、周波数Lfpと比較して非常に小さいサンプリング周波数fsを有する複数のAD変換器150を用いてサンプリングすることができる。これにより、変換装置100は、例えば、数GHzから数十GHzの周波数帯域中にスパースに存在する20MHzの狭帯域信号を、サンプリング周波数80MHzのAD変換器150を複数用いてサンプリングすることが可能となる。
【0046】
図8は、本実施形態に係る変換装置の較正フローの一例を示す。S800において、較正用信号供給部170は、較正動作の開始を較正処理部190から指示されたことに応じて、較正用入力信号xcal(t)を発生する。較正動作においてセレクタ110は、較正用入力信号xcal(t)を複数のミキサ130へと供給する。
【0047】
S810において、複数の周期信号発生器120は、通常動作時のS220と同様に、複数の信号パターンp(t)を発生する。S820において、複数のミキサ130は、通常動作時のS230と同様に、較正用入力信号xcal(t)と複数の信号パターンp(t)とをそれぞれ乗じた複数の信号yp(t)を生成して出力する。
【0048】
S830において、複数のバンドパスフィルタ140は、通常動作時のS230と同様に、複数の信号yp(t)を帯域制限した複数の較正用バンドパス信号y(t)を生成して出力する。S840において、複数のAD変換器150は、通常動作時のS240と同様に、複数の較正用バンドパス信号y(t)をサンプリングしてAD変換することにより、複数のデジタルの較正用バンドパス信号y[n]を出力する。較正用バンドパス信号取得部180は、複数のAD変換器150が出力する複数の較正用バンドパス信号y[n]を取得する。
【0049】
S850において、較正処理部190は、複数の較正用バンドパス信号y[n]に基づいて、再構成部160が用いる再構成のパラメータを較正する。以下、図9を用いて、変換装置100の較正動作をより具体的に説明する。
【0050】
図9は、周波数領域における、較正用入力信号Xcal(f)および信号パターンP(f)を乗じた信号Yp(f)の波形の一例を示す。図1から図7に関して示したように、変換装置100は、理想的には行列Aの要素となる各信号パターンp(t)の周波数成分ci,lが与えられれば、入力信号x(t)に応じた出力信号xo(t)を正しく再構成することができる。しかし、現実には、変換装置100は、非常にセンシティブであり、実際に使用する部品の特性および配線の特性等の影響を大きく受ける。したがって、出力信号xo(t)を正しく再構成するためには、変換装置100の較正が必要となる。
【0051】
非特許文献3~8は、単一トーンの較正用信号を用いて周波数領域をスイープすることにより、再構成のパラメータを較正する技術を開示する。しかし、このような技術においては、異なるタイミングにおいて発生される単一トーンの較正用信号を用いた測定結果から、全ての再構成用パラメータを算出するのに時間を要してしまう。また、異なる複数のタイミングのそれぞれで単一トーンの較正用信号を発生するので、これらの較正用信号が、開始タイミングに重畳されるランダムジッタによる位相ずれ等の影響を受ける可能性があり、再構成用パラメータを精度良く設定することができない可能性があった。
【0052】
これに対し、本実施形態に係る較正用信号供給部170は、図9の上段の周波数スペクトルに例示したように、複数の周波数帯域にトーンを有するマルチトーン信号を較正用入力信号xcal(t)として変換器に供給する。較正用入力信号xcal(t)は、それぞれが複数の信号パターンp(t)の繰り返し周波数fpの整数倍lの周波数l・fpを中心とし、繰り返し周波数fpの幅を有する、互いに異なる複数の周波数帯域のそれぞれの中にトーンを有してよい。ミキサ130は、このような較正用入力信号xcal(t)に信号パターンp(t)を乗じることにより、信号パターンp(t)における互いに異なる周波数成分ci,lをベースバンド近傍に周波数変換することができる。この結果、バンドパスフィルタ140は、互いに異なる周波数成分ci,lを通過させ、AD変換器150は、互いに異なる周波数成分ci,lを含むバンドパス信号y[n]をサンプリングすることができる。
【0053】
較正用入力信号xcal(t)は、入力信号x(t)における検出対象の周波数範囲を繰り 返し周波数fp毎に分割して得られる複数の周波数帯域にトーンを有してよい。検出対象の周波数範囲が0から(L+1/2)fpである場合、較正用入力信号xcal(t)は、図9の上段に示したように、検出対象の周波数範囲を繰り返し周波数fp毎に分割して得られる、周波数l・fp(l=0~L)を中心とする各周波数帯域にトーンを有してよい。これに代えて、較正用入力信号xcal(t)は、少なくとも2つのlに対応する周波数帯域のそれぞれにトーンを有するものであってもよい。
【0054】
ここで、上記のような複数の周波数帯域のうちの異なる2つの周波数帯域内のトーン同士は、繰り返し周波数fpの整数倍からオフセットされた周波数差を有してよい。2つのトーンにこのような周波数差を持たせることにより、バンドパスフィルタ140は、較正用入力信号xcal(t)に信号パターンp(t)を乗じる結果、信号パターンの互いに異なる周波数成分ci,lを、ベースバンド近傍におけるこの周波数差分ずれた位置へと周波数変換させることができる。これにより、較正処理部190は、これらの異なる周波数成分ci,lを分離して検出することができる。
【0055】
図9に示した較正用入力信号xcal(t)は、基本周波数をf、繰り返し周波数をfp、オフセット周波数をΔf、lを整数としたときに、検出対象の周波数範囲内で、周波数f+l・fp+lΔfのトーンを有する。このような較正用入力信号xcal(t)は、ある周波数帯域内のトーンと、その周波数帯域に隣接する高周波数帯域内のトーンとの間に、fp+Δfの周波数差を有する。ここで、基本周波数fは、-1/2fp≦f≦1/2fpであってよく、オフセット周波数Δfは、全てのトーンがトリガ発生器1010対応する周波数帯域から外れないような正または負の周波数であってよい。
【0056】
Δfを正の微小周波数とした場合、較正用入力信号xcal(t)に信号パターンp(t)を乗じると、図9の下段に示したように、周波数領域における信号パターンP(f)の各周波数l・fpの周波数成分ci,l(l=0~L)が、ベースバンド近傍において周波数軸上で同じ並びで圧縮されて配列されたバンドパス信号Yp(f)が得られる。したがって、較正処理部190は、周波数領域におけるバンドパス信号Yp(f)から周波数順に周波数成分ci,1を検出することができる。なお、Δfを負の微小周波数とした場合、バンドパス信号Yp(f)における周波数成分ci,lの並びは逆順となる。
【0057】
なお、図9に示した較正用入力信号xcal(t)に代えて、較正用入力信号xcal(t)は、検出対象の周波数範囲内で、周波数f0+l・fp+qΔfのトーンを有してもよい。ここで、qは、複数の周波数帯域について0≦q≦Lを満たすように重複なく選択された整数であってよく、この条件の下でランダムに選択された整数であってもよい。
【0058】
このようにして、変換装置100は、周期信号発生器120-i、ミキサ130-i、バンドパスフィルタ140-i、およびAD変換器150-iを有するi番目のフロントエンドについて、マルチトーンの較正用入力信号xcal(t)に応じて取得されるバンドパス信号y[n]から、P(f)の複数の周波数成分ci,l(l=0~L)を取得することができる。したがって、較正処理部190は、これら複数の周波数成分ci,lに対応する複数の再構成用パラメータを一括して較正することができる。
【0059】
さらに、変換装置100は、2以上または全てのフロントエンドについて、同じタイミングで供給したマルチトーンの較正用入力信号xcal(t)に応じて取得されるバンドパス信号y[n]から、P(f)の複数の周波数成分ci,l(l=0~L)を取得することができる。この場合、較正処理部190は、2以上または全てのiについて、これら複数の周波数成分ci,lに対応する複数の再構成用パラメータまたは全ての再構成用パラメータを一括して較正することができる。
【0060】
ここで、同じタイミングで供給したマルチトーンの較正用入力信号xcal(t)に応じて取得した複数の周波数成分ci,lは、異なるタイミングで較正用入力信号xcal(t)を供給した場合に生じるランダムジッタの影響を受けない。したがって、較正処理部190は、再構成部160の再構成用パラメータを精度良く較正することができる。
【0061】
なお、上記の説明は、較正用入力信号xcal(t)の各トーンが振幅1かつ位相0である単純な場合を例として説明した。各トーンが1以外の振幅および0でない位相の少なくとも一方を有する場合、バンドパス信号Yp(f)中の各周波数成分は、周波数領域における較正用入力信号X(f)の対応するトーンと周波数領域における信号パターンP(f)における対応する周波数成分ci,lとの積となる。したがって、較正処理部190は、バンドパス信号Yp(f)中の各周波数成分を、較正用入力信号X(f)中の対応するトーンの周波数成分で除することにより、信号パターンP(f)の対応する周波数成分を算出することができる。
【0062】
図10は、本実施形態に係る較正用信号供給部1000の構成を示す。較正用信号供給部1000は、図1の較正用信号供給部170として用いられてもよく、図1の較正用信号供給部170とは異なる構成をとるものであってもよい。
【0063】
較正用信号供給部1000は、トリガ発生器1010と、複数のサイン波発生器1020-1~kと、複数のアッテネータ1030-1~kと、マルチプレクサ1040と、位相振幅設定部1050とを有する。トリガ発生部1010は、較正用入力信号xcal(t)の開始タイミングを示すトリガを発生する。トリガ発生器1010は、周期的にトリガを発生することにより、較正用入力信号xcal(t)を周期的に発生させてもよい。
【0064】
複数のサイン波発生器1020-1~k(「サイン波発生器1020」とも示す。)は、トリガ発生器1010に接続され、較正用入力信号xcal(t)に含めるべき各トーンをそれぞれ発生する。例えば、サイン波発生器1020-1は、図9における周波数fのトーン、サイン波発生器1020-2は、周波数fp+f+Δfのトーン、…、サイン波発生器1020-kは、周波数Lfp+f+LΔfのトーンである。この場合、kは、L+1である。ここで、各トーンは単一周波数を有するサイン波信号である。
【0065】
本実施形態において、各サイン波発生器1020は、トーンを出力すべき初期位相の指示を位相振幅設定部1050から受けて、トリガに対して指定された初期位相を有するトーンを出力する。各サイン波発生器1020は、トーンを出力すべき初期位相の指示として、トリガに対するトーンの開始タイミングの遅延時間の指示を受けてもよい。
【0066】
複数のアッテネータ1030-1~k(「アッテネータ1030」とも示す。)は、複数のサイン波発生器1020に接続され、対応するサイン波発生器1020が出力するトーンの振幅を、位相振幅設定部1050から指定される重みに応じてそれぞれ増幅または減衰させる。これにより、各アッテネータ1030は、対応するサイン波発生器1020からのトーンに、位相振幅設定部1050から指定される重みを乗じたトーンを出力する。
【0067】
マルチプレクサ1040は、複数のアッテネータ1030に接続される。マルチプレクサ1040は、複数のアッテネータ1030が出力する、振幅または位相の少なくとも1つが調整されたトーンを合成(すなわち加算)して、較正用入力信号xcal(t)として出力する。
【0068】
位相振幅設定部1050は、各サイン波発生器1020が出力するべきトーンの初期位相を、各サイン波発生器1020に対して指示する。また、位相振幅設定部1050は、各アッテネータ1030がトーンに乗じるべき重みを、各アッテネータ1030に対して指示する。これにより、位相振幅設定部1050は、複数のトーンの初期位相をずらすこと、または複数のトーンの振幅を調整することの少なくとも1つを行うことで、較正用入力信号xcal(t)の最大振幅を変換器の定格範囲内に抑える。
【0069】
より具体的には、複数のミキサ130、複数のバンドパスフィルタ140、および複数のAD変換器150を含む変換器を正しく動作させるために、本実施形態に係る較正用信号供給部1000は、較正用入力信号の振幅を変換器の定格範囲内に制限する。ここで、較正用信号供給部1000は、複数のトーンの合成波を較正用入力信号として変換器に供給するところ、多数のトーンのピークが同時に発生すると、合成波の最大振幅が大きくなってしまう。そこで、位相振幅設定部1050は、複数のトーンのピークがずれるように、複数のサイン波発生器1020に指示する初期位相を調整する。ここで、位相振幅設定部1050は、変換装置100の製造者または使用者等によって予め指定された初期位相の組を格納し、格納された初期位相を各サイン波発生器1020に対して設定してもよい。これに代えて、位相振幅設定部1050は、複数のトーンの初期位相に応じた合成波の最大振幅を数値計算またはシミュレーション等によって算出し、合成波の振幅が最小となるように各トーンの初期位相を調整してもよい。また、位相振幅設定部1050は、複数のトーンの振幅を実質的に同一とし、複数のトーンの位相を非特許文献1に記載のNeuman位相とすることによって、較正用入力信号xcal(t)の最大振幅を変換器の定格範囲内に抑えてもよい。
【0070】
また、マルチプレクサ1040は、複数のアッテネータ1030のそれぞれに対して、対応するサイン波発生器1020が出力するトーンの重みを指定することにより、較正用入力信号の振幅を変換器の定格範囲内に制限してもよい。位相振幅設定部1050は、複数のトーンの振幅を一律に変更してもよく、少なくとも2つのトーンの振幅が異なるようにトーン毎に調整してもよい。ここで、位相振幅設定部1050は、変換装置100の製造者または使用者等によって予め指定された重みの組を格納し、格納された重みを各アッテネータ1030に対して設定してもよい。これに代えて、位相振幅設定部1050は、複数のトーンの振幅に応じた合成波の最大振幅を数値計算またはシミュレーション等によって算出し、合成波の振幅が最小となるように調整してもよい。例えば、位相振幅設定部1050は、合成波が最大振幅となるタイミングにおいて、合成波の振幅増加により大きく寄与するトーンの振幅をより小さく調整してもよい。位相振幅設定部1050は、各トーンの初期位相の調整および各トーンの振幅の調整を併用して、合成波の最大振幅を変換器の定格範囲内に抑えてもよい。
【0071】
以上において、変換装置100が複数の周波数帯域のうちのいずれかについては測定対象外としている場合には、較正用信号供給部1000は、その周波数帯域に対応するサイン波発生器1020およびアッテネータ1030の組を有しない構成をとってもよい。なお、複数のサイン波発生器1020および複数のアッテネータ1030の一部または全てに代えて、コンピュータが対応する一部または全てのトーンの合成波をプログラム処理による演算を用いて生成し、これをDA変換器または任意波形発生器(AWG:Arbitrary Waveform Generator)がアナログに変換して出力する方式を用いてもよい。
【0072】
図11は、本実施形態に係る較正処理部1100の構成を示す。較正処理部1100は、図1の較正処理部190として用いられてもよく、図1の較正処理部190とは異なる構成をとるものであってもよい。
【0073】
較正処理部1100は、信号成分検出部1110および較正パラメータ算出部1120を有する。信号成分検出部1110は、較正用バンドパス信号取得部180等の較正用バンドパス信号取得部に接続され、複数のバンドパス信号y[n]のそれぞれから、対応する信号パターンp(t)に含まれる各周波数成分ci,lを検出する。本実施形態に係る信号成分検出部1110は、離散フーリエ変換により、複数のバンドパス信号y[n]のそれぞれを、周波数領域のバンドパス信号Y(f)に変換する(式(3)参照)。そして、信号成分検出部1110は、周波数領域のバンドパス信号Y(f)から、信号パターンp(t)に含まれる各周波数成分ci,lに対応する各周波数成分を抽出する。ここで、較正用入力信号xcal(t)は既知であるから、信号成分検出部1110は、抽出した各周波数成分から信号パターンp(t)に含まれる各周波数成分ci,lの振幅および初期位相を逆算することができる。
【0074】
較正パラメータ算出部1120は、信号成分検出部1110に接続され、各周波数成分ci,lを用いて、周波数領域の複数のバンドパス信号Y(f)(すなわち式(4)の左辺のベクトル)から、周波数領域の出力信号X(f)の各周波数帯域の信号(すなわち式(4)の右辺のX(f-lfp)のベクトル)を算出するための再構成用パラメータを算出する。ここで、周波数領域の出力信号X(f)は十分にスパースであるから、出力信号X(f)における信号がない周波数帯域が既知であれば、その周波数帯域に対応するX(f-lfp)と、そのX(f-lfp)に対応する行列Aの列とを式(4)から削除することができる。そして、較正パラメータ算出部1120は、このように縮退された行列Aの一般逆行列(Bと示す)を算出して再構成用パラメータとする。再構成部160は、このようにして得られた再構成用パラメータを用いて、入力信号x(t)に応じた複数のバンドパス信号y[n]を離散フーリエ変換により周波数領域の複数のバンドパス信号Y(f)に変換し、複数のバンドパス信号Y(f)のベクトルに行列Bを乗じることによって出力信号X(f)に含まれる複数の信号X(f-lfp)を得ることができる。
【0075】
これに代えて、較正パラメータ算出部1120は、各周波数成分ci,lを再構成用パラメータとして再構成部160に供給してもよい。この場合、再構成部160は、再構成用パラメータである各周波数成分ci,lの値から、一般逆行列Bを算出してから出力信号X(f)を算出してもよい。
【0076】
ここで、出力信号X(f)における信号がない周波数帯域が未知である場合、再構成部160は、出力信号X(f)における信号がある周波数帯域を検出してから、上記の処理を行ってもよい。再構成部160は、一例として、非特許文献1に記載された手法を用いて出力信号X(f)を再構成してもよい。
【0077】
なお、本実施形態に係る較正処理部1100は、周波数領域における演算を用いて再構成用パラメータを算出した。これに代えて、較正処理部1100は、上記の周波数領域における演算に対応する時間領域の演算を用いて再構成用パラメータを算出してもよい。
【0078】
本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0079】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0080】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0081】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のコンピュータ等のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0082】
図12は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、および/またはコンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
【0083】
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、およびディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インターフェイス2222、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226、およびICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータはまた、ROM2230およびキーボード2242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ2240を介して入/出力コントローラ2220に接続されている。
【0084】
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
【0085】
通信インターフェイス2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD-ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD-ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0086】
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、および/またはコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ2240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ2220に接続してよい。
【0087】
プログラムが、DVD-ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
【0088】
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インターフェイス2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インターフェイス2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROM2201、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0089】
また、CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226(DVD-ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
【0090】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0091】
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
【0092】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0093】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0094】
100 変換装置、110 セレクタ、120 周期信号発生器、130 ミキサ、140 バンドパスフィルタ、150 AD変換器、160 再構成部、170 較正用信号供給部、180 較正用バンドパス信号取得部、190 較正処理部、310 信号、320 信号、1000 較正用信号供給部、1010 トリガ発生器、1020 サイン波発生器、1030 アッテネータ、1040 マルチプレクサ、1050 位相振幅設定部、1100 較正処理部、1110 信号成分検出部、1120 較正パラメータ算出部、2200 コンピュータ、2201 DVD-ROM、2210 ホストコントローラ、2212 CPU、2214 RAM、2216 グラフィックコントローラ、2218 ディスプレイデバイス、2220 入/出力コントローラ、2222 通信インターフェイス、2224 ハードディスクドライブ、2226 DVD-ROMドライブ、2230 ROM、2240 入/出力チップ、2242 キーボード
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