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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-24
(45)【発行日】2023-11-01
(54)【発明の名称】焦点調整補助装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/28 20210101AFI20231025BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20231025BHJP
   G03B 17/00 20210101ALI20231025BHJP
   G03B 17/18 20210101ALI20231025BHJP
   G06T 5/50 20060101ALI20231025BHJP
   H04N 23/63 20230101ALI20231025BHJP
   H04N 23/60 20230101ALI20231025BHJP
【FI】
G02B7/28 N
G03B15/00 H
G03B17/00 Q
G03B17/18
G06T5/50
H04N23/63
H04N23/60
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019196130
(22)【出願日】2019-10-29
(65)【公開番号】P2021071505
(43)【公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-09-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】三須 俊枝
(72)【発明者】
【氏名】池谷 健佑
(72)【発明者】
【氏名】三ツ峰 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】洗井 淳
【審査官】▲うし▼田 真悟
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-135490(JP,A)
【文献】特開2014-110523(JP,A)
【文献】特開2009-163220(JP,A)
【文献】特開2004-212891(JP,A)
【文献】国際公開第2014/054498(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/28-7/40
G03B 13/36
G03B 17/18
H04N 23/63
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1カメラの合焦位置の撮影者による調整を補助する焦点調整補助装置であって、
前記撮影者による操作に応答して合焦位置が調整される前記第1カメラが第1物体を撮影する第1画像と、前記第1カメラの合焦位置から前記第1物体までの距離が大きくなるほど、前記第1物体の位置のずれ量が大きくなる第2画像を合成する合成部と、
前記合成部により合成された第3画像を画面に表示させる表示制御部と、を有し、
前記合成部は、前記第1画像と前記第2画像とが重畳された前記第3画像を生成する、
焦点調整補助装置。
【請求項2】
前記合成部は、前記第1カメラから前記第1物体までの距離が小さくなるほど、前記第1物体の位置のずれ量を大きくした前記第2画像を合成する、
請求項1に記載の焦点調整補助装置。
【請求項3】
前記合成部は、前記第1カメラに並べて設置される第2カメラにより撮影された画像を、前記第1カメラの合焦位置に応じてずらした前記第2画像を合成する、
請求項1または2に記載の焦点調整補助装置。
【請求項4】
前記合成部は、水平方向に上から分割された第1領域、第2領域、及び第3領域のうち、前記第1領域、及び前記第3領域に、前記第1画像に含まれる各領域の画像を設定し、前記第2領域に、前記第1画像に含まれる領域の画像と前記第2画像に含まれる領域の画像とを重畳するようにした前記第3画像を生成する、
請求項1に記載の焦点調整補助装置。
【請求項5】
前記合成部は、前記第1物体の輪郭の明瞭度に応じた透過率で、前記第2画像に含まれる前記第1物体の領域を重畳する、
請求項1または4に記載の焦点調整補助装置。
【請求項6】
コンピュータを、請求項1から5のいずれか一項に記載の焦点調整補助装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焦点調整補助装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、動画、及び静止画等の画像を撮影するカメラにおいて、撮影者がフォーカスリングを回す等の手動操作により焦点(ピント、フォーカス)を合わせて撮影できるようにする技術が知られている。カメラの焦点が合う位置(合焦位置)を撮影者が手動で調整することは、マニュアルフォーカス等とも称されている。撮影者が手動で焦点を合わせる場合、ファインダーに写された被写体の輪郭のぼやけが最少となるように、撮影者がフォーカスリングを操作することにより、当該被写体に焦点が合った画像を撮影できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5723489号
【文献】特許第6071748号
【文献】特開2014-103490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術では、撮影者が焦点を適切に合わせられない場合がある。開示の技術は、撮影者による合焦位置の調整を適切に補助することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一実施形態に係る、第1カメラの合焦位置の撮影者による調整を補助する焦点調整補助装置が、前記撮影者による操作に応答して合焦位置が調整される前記第1カメラが第1物体を撮影する第1画像と、前記第1カメラの合焦位置から前記第1物体までの距離が大きくなるほど、前記第1物体の位置のずれ量が大きくなる第2画像を合成する合成部と、前記合成部により合成された第3画像を画面に表示させる表示制御部と、を有し、前記合成部は、前記第1画像と前記第2画像とが重畳された前記第3画像を生成する

【発明の効果】
【0006】
開示の技術によれば、撮影者による合焦位置の調整を適切に補助することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態に係る画像撮影システムの構成例を示す図である。
図2】実施形態に係る制御装置の機能構成を示す機能ブロック図である。
図3】実施形態に係る画像撮影システムの処理の一例を示すシーケンス図である。
図4A】実施形態に係る焦点確認用画像の一例について説明する図である。
図4B】実施形態に係る焦点確認用画像の一例について説明する図である。
図4C】実施形態に係る焦点確認用画像の一例について説明する図である。
図5A】実施形態に係る焦点確認用画像の一例について説明する図である。
図5B】実施形態に係る焦点確認用画像の一例について説明する図である。
図5C】実施形態に係る焦点確認用画像の一例について説明する図である。
図6A】実施形態に係る焦点確認用画像の一例について説明する図である。
図6B】実施形態に係る焦点確認用画像の一例について説明する図である。
図6C】実施形態に係る焦点確認用画像の一例について説明する図である。
図7A】実施形態に係る焦点確認用画像の一例について説明する図である。
図7B】実施形態に係る焦点確認用画像の一例について説明する図である。
図7C】実施形態に係る焦点確認用画像の一例について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら本開示の実施形態について説明する。
【0009】
<システム構成>
図1は、実施形態に係る画像撮影システム1の構成例を示す図である。図1において、画像撮影システム1は、撮影装置2、及び焦点調整補助装置3を有する。画像撮影システム1は、焦点調整補助装置3を用いて撮影者によりカメラの焦点(ピント、フォーカス)が合う位置(以下で適宜「合焦位置」とも称する。)を調整された撮影装置2により、動画、及び静止画等の画像を撮影するシステムである。なお、撮影装置2、及び焦点調整補助装置3は一体の構成とされてもよい。この場合、撮影装置2、及び焦点調整補助装置3は、同一の筐体に収容されるようにしてもよい。
【0010】
なお、画像撮影システム1は、複数のカメラと、タッチパネルを有するスマートフォン等の情報処理端末でもよい。
【0011】
≪撮影装置2≫
撮影装置2は、動画、及び静止画等の画像を撮影する装置である。図1の例では、撮影装置2は、カメラ(撮影用カメラ、主カメラ)21、レンズ22、及び調整装置23を有する。カメラ21は、画像を撮影する装置であり、放送用の4K(横4,000、縦2,000前後の画面解像度)、及び8K(横8,000、縦4,000前後の画面解像度)の画像を撮影できるデジタルカメラ等でもよい。なお、カメラ21で撮影された画像は、内蔵、または外付けの記録装置に記録されてもよいし、放送用等の外部機器に出力されてもよい。レンズ22は、カメラ21で画像を撮影するために用いられるレンズである。
【0012】
調整装置23は、撮影者による直接的、または間接的な操作に応答して、カメラ21で撮影される画像の焦点、及びズームを調整(変更、設定)する装置であり、フォーカスリング(ピントリング)、及びズームリング等を有してもよい。
【0013】
調整装置23は、フォーカスリングが回される等の撮影者による直接的な操作に応答して、現在の焦点、及びズームの状況を示す情報を、焦点調整補助装置3の制御装置34に出力してもよい。また、調整装置23は、撮影者による間接的な操作により焦点調整補助装置3の制御装置34から受信した信号に基づいて、焦点、及びズームを調整してもよい。
【0014】
≪焦点調整補助装置3≫
焦点調整補助装置3は、撮影者によるカメラ21の合焦位置の調整を補助する装置である。焦点調整補助装置3は、カメラ31(焦点調整補助用カメラ、副カメラ)、レンズ32、調整装置33、制御装置34、及び表示装置35を有する。
【0015】
カメラ31は、カメラ21とは異なる位置からの画像を撮影する装置であり、デジタルカメラ等でもよい。なお、カメラ31で撮影される画像は、合焦位置の調整のために撮影者に対して表示されるのみであり、記録等はされないため、カメラ21で撮影される画像よりも解像度が低くてもよい。レンズ32は、カメラ31で画像を撮影するために用いられるレンズである。
【0016】
調整装置33は、制御装置34から受信した信号に基づいて、カメラ31で撮影される画像の焦点、及びズームを調整する装置である。なお、調整装置33を有しない構成としてもよい。
【0017】
制御装置34は、カメラ21で撮影された画像、及びカメラ31で撮影された画像等に基づいて、焦点調整用の画像を生成し、生成した画像を表示装置35に表示させる装置である。制御装置34は、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、SSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置、及び外部インターフェイス等を有するコンピュータでもよい。この場合、外部インターフェイスを介して、1以上のプログラムがインストールされてもよい。
【0018】
表示装置35は、制御装置34により出力された、焦点調整用の画像を表示する装置(ファインダー、ビューファインダー)であり、液晶ディスプレイ(LCD,liquid Crystal Display)、陰極線管(CRT, Cathode Ray Tube)、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ(OLED, Organic Light Emitting Display)、プラズマディスプレイ(PDP, Plasma Display Panel)等の表示装置でもよい。また、表示装置35はタッチパネルを有してもよい。なお、表示装置35は、撮影装置2に含まれてもよい。
【0019】
<制御装置34の機能構成>
次に、図2を参照し、実施形態に係る制御装置34の機能構成について説明する。図2は、実施形態に係る制御装置34の機能構成を示す機能ブロック図である。
【0020】
制御装置34は、判定部341、生成部342、合成部343、表示制御部344、受付部345、及び調整部346を有する。これら各部は、制御装置34にインストールされた1以上のプログラムと、制御装置34のCPU等との協働により実現される。
【0021】
判定部341は、カメラ21の合焦位置、及びズーム等を判定する。
【0022】
生成部342は、カメラ21の合焦位置から第1物体までの距離、及びカメラ21から第1物体までの距離に応じて第1物体の位置がずらされた第2画像を生成する。
【0023】
合成部343は、撮影者の操作に応答して合焦位置が調整されるカメラ21により第1物体が撮影された第1画像と、生成部342により生成された第2画像とを合成する。
【0024】
表示制御部344は、合成部343により合成された画像を表示装置35の画面に表示させる。
【0025】
受付部345は、撮影者からの各種の操作を受け付ける。受付部345は、撮影者からの、カメラ21の合焦位置やズームを調整(変更、設定)する操作を受け付ける。
【0026】
調整部346は、カメラ21の合焦位置やズームを調整する。調整部346は、受付部345により受け付けられた撮影者の操作に応答して、撮影装置2の調整装置23に制御信号を送信してもよい。なお、撮影装置2の調整装置23を撮影者が直接操作できるようにしてもよい。
【0027】
<画像撮影システムの処理>
次に、図3から図7Cを参照し、実施形態に係る画像撮影システム1の処理について説明する。図3は、実施形態に係る画像撮影システム1の処理の一例を示すシーケンス図である。図4Aから図7Cは、実施形態に係る焦点確認用画像の一例について説明する図である。
【0028】
ステップS1において、判定部341は、カメラ21の現在の合焦位置、及びズームを判定する。ここで、判定部341は、撮影装置2の調整装置23から、カメラ21の現在の合焦位置、及びズームの情報を取得してもよい。この場合、撮影装置2の調整装置23は、レンズ22によるカメラ21の合焦位置、及びズームを測定するためのセンサを有してもよい。当該センサは、レンズ22の合焦位置調整機構(例えば、フォーカスリング)、及びズーム調整機構(例えば、ズームリング)に機械的、電子的または光学的に結合されたセンサでもよい。より具体的には、当該センサは、フォーカスリング、及びズームリングに機械的に連動させたロータリエンコーダやポテンショメータ等でもよい。
【0029】
当該センサは、検出した値をそのまま判定部341に出力してもよい。または、当該センサは、検出した値を、合焦位置、及びズームを示す情報に変換して判定部341に出力してもよい。この場合、当該センサは、予め校正したルックアップテーブルを使用して、検出した値を、合焦位置、及びズームを示す情報に変換するようにしてもよい。また、合焦位置(奥行き距離Z)は、カメラ21の焦点面から合焦位置までの距離、またはカメラ21の第一主点から合焦位置までの距離でもよい。ズームを示す情報には、倍率の値が含まれてもよい。
【0030】
なお、判定部341は、調整部346から、カメラ21の現在の合焦位置、及びズームの情報を取得してもよい。
【0031】
続いて、ステップS2において、生成部342は、カメラ21の焦点、及びズームに基づいて、合成用画像(「第2画像」の一例。)を生成する。ここで、生成部342は、カメラ21の合焦位置から被写体(「第1物体」の一例。)までの距離、及びカメラ21から当該被写体までの距離に応じて当該被写体の位置がずらされた合成用画像を生成する。
【0032】
生成部342は、カメラ21の合焦位置から当該被写体までの距離が大きくなるほど、当該被写体の位置のずれ量を大きくした合成用画像を生成してもよい。これにより、カメラ21の画像と、合成用画像とが合成された場合に、撮影者は、合成された画像において、ある被写体のずれ量が大きい程、当該被写体に焦点を合わせるためには合焦位置の調整量を大きくする必要があることを把握できる。
【0033】
また、生成部342は、カメラ21から当該被写体までの距離が大きくなるほど、当該被写体の位置のずれ量を小さくした画像を生成してもよい。これにより、カメラ21の画像と、合成用画像とが合成された場合に、撮影者は、近くの被写体ほど、被写体のずれ量が大きいため、近くの被写体ほど合焦位置を調整し易くすることができる。
【0034】
生成部342は、カメラ21の画像等から、各被写体を画像認識により認識(抽出、検出)し、カメラ21から各被写体までの距離を算出し、算出した各距離に基づいて、各被写体の位置をずらした合成用画像を生成してもよい。この場合、生成部342は、カメラ21とカメラ31によるステレオカメラ画像から各被写体の視差を算出し、算出した視差に基づいてカメラ21から各被写体までの各距離を算出してもよい。または、生成部342は、ライダー(LIDAR:Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)等のセンサにより、カメラ21から各被写体までの各距離を算出してもよい。
【0035】
生成部342は、カメラ21に並べて設置されるカメラ31により撮影された画像を、カメラ21の合焦位置に応じてずらした合成用画像を生成してもよい。これにより、カメラ21の合焦位置から当該被写体までの距離が大きくなるほど、当該被写体の位置のずれ量を大きくなり、カメラ21から当該被写体までの距離が大きくなるほど、当該被写体の位置のずれ量を小さくした合成用画像を生成できる。
【0036】
≪合成用画像生成処理の一例≫
ステップS2において、カメラ21に並べて設置されるカメラ31により撮影された画像を、カメラ21の合焦位置に応じてずらした合成用画像を生成する場合の、生成部342の処理の一例について説明する。
【0037】
なお、カメラ21に対するカメラ31の相対位置、及び相対姿勢は任意である。図1の例では、レンズ22の光軸とレンズ32の光軸は平行であり、レンズ22の第一主点Pとレンズ32の第一主点Qとを結ぶ直線は、レンズ22の光軸、及びレンズ32の光軸にそれぞれ直交している。なお、線分PQの長さをBとする。
【0038】
レンズ22の第一主点Pを原点とし、点Pからレンズ32の第一主点Qの向きにX軸、主レンズの光軸をZ軸(被写体方向を正とする)、及びX軸-Y軸-Z軸の順で右手系を成す方向にY軸をとった直交座標系をカメラ座標系Σとする。
【0039】
カメラ21において撮像される画像を画像Iとし、その画像座標(x,y)における画素値をI(x,y)とする。カメラ21の画像座標系をΣとし、x軸はX軸と同じ向き、y軸はY軸と同じ向きにとる。また、レンズ22の焦点距離をfとする。
【0040】
また、カメラ31において撮像される画像を画像Jとし、その画像座標(s,t)における画素値をJ(s,t)とする。カメラ31の画像座標系をΣとし、s軸はX軸と同じ向き、t軸はY軸と同じ向きにとる。また、カメラ31のレンズの焦点距離をfとする。
【0041】
レンズ22にピンホールモデルを適用すると、カメラ座標系Σにおいて座標(X,Y,Z)の画像I上の像[x y]は、以下の式(1)となる。
【0042】
【数1】
また、カメラ31のレンズにピンホールモデルを適用すれば、カメラ座標系Σにおいて座標(X,Y,Z)の画像J上の像[x y]は、以下の式(2)となる。
【0043】
【数2】
上記式(1)、及び式(2)より、以下の式(3)が得られる。
【0044】
【数3】
式(3)により、奥行き距離Zの位置にある点が投影された画像I上の点(x,y)は、画像J上において点(fq・x/fp-fq・x/Z, fq・y/fp)に対応することが示されている。したがって、画像Jにおいては、画像Iを(fq/fp)倍したものが、奥行き距離Zが小さいほどs軸の負方向にずれて観測される。また、奥行き距離Zが無限遠に近づくほど、ずれは0に漸近する。
【0045】
生成部342は、カメラ31の画像Jを縦横ともに(fp/fq)倍に拡大し、判定部341により判定された合焦位置Zに応じてs軸方向に(fq・B)/Zだけ平行移動した合成用画像(ずらし画像)K(Z)(「第2画像」の一例。)を出力してもよい。この場合、合成用画像Kの画像座標(x,y)における画素値K(Z; x,y)は、以下の式(4)となる。これにより、カメラ21の合焦位置に応じてずらした合成用画像が生成される。
【0046】
【数4】
なお、式(4)はピンホールモデルを仮定しているが、光学系によっては合焦位置の調整に伴って像が拡大または縮小することや、ひずみ(例えば、樽型や糸巻き型のひずみ)が生じることやひずみが変化することが生じ得る。そのため、生成部342は、画像Iと画像Jとの間の倍率やひずみの度合いが整合するよう、判定部341により判定された合焦位置Zに応じて幾何補正を行うようにしてもよい。
【0047】
続いて、ステップS3において、合成部343は、カメラ21で撮影された画像(「第1画像」の一例。)と、生成部342により生成された合成用画像とを合成することにより、焦点確認用画像(「第3画像」の一例。)を生成する。
【0048】
以下では、生成部342が、カメラ21から見てカメラ21の合焦位置よりも近くに位置する各被写体については、カメラ21からの距離が近いほど大きく左側へずらされ、合焦位置よりも遠くに位置する各被写体については、カメラ21からの距離が近いほど大きく右側へずらされた合成用画像を生成した場合の例について説明する。なお、生成部342が各被写体の位置をずらす方向は、水平方向に限定されない。合成部343は、上下方向、または斜め方向にずらしてもよい。
【0049】
以下で、図4Aから図7Cの例では、カメラ21で撮影された画像には、サッカーボール502、第1選手503、第2選手504、及び背景の山505等の各被写体が写されているものとして説明する。
【0050】
また、図4A図5A図6A、及び図7Aの例では、カメラ21の合焦位置が無限遠に近い場合の合成用画像には、カメラ21で撮影された画像に含まれる各被写体の位置が各々ずらされた、サッカーボール512、第1選手513、第2選手514、及び背景の山515等の各被写体が写されているものとして説明する。
【0051】
また、図4B図5B図6B、及び図7Bの例では、カメラ21の合焦位置が第2選手504の位置に調整されている場合の合成用画像には、カメラ21で撮影された画像に含まれる各被写体の位置が各々ずらされた、サッカーボール522、選手523、選手524、及び背景の山525等の各被写体が写されているものとして説明する。
【0052】
また、図4C図5C図6C、及び図7Cの例では、カメラ21の合焦位置が第1選手503の位置に調整されている場合の合成用画像には、カメラ21で撮影された画像に含まれる各被写体の位置が各々ずらされた、サッカーボール522、選手523、選手524、及び背景の山525等の各被写体が写されているものとして説明する。
【0053】
≪並べる例≫
合成部343は、図4Aから図4Cに示すように、カメラ21で撮影された画像と合成用画像とを合成し、カメラ21で撮影された画像と合成用画像とが並べられた焦点確認用画像を生成してもよい。
【0054】
図4Aから図4Cの例では、焦点確認用画像400において、カメラ21で撮影された画像が上側の領域401に表示され、カメラ21で撮影された画像と並べて合成用画像が下側に表示されている。
【0055】
図4Aでは、カメラ21の合焦位置が無限遠に近い場合の焦点確認用画像の例が示されている。カメラ21の距離が無限遠に近い背景の山505と515の水平方向の距離(ずれ)424は、ほぼ0(無し)である。また、カメラ21からの距離が最も近いサッカーボール502と512とのずれ421、その次に近い第1選手503と513とのずれ422、その次の近い第2選手504と514とのずれ423の順に、ずれが小さくなっている。
【0056】
図4Bでは、カメラ21の合焦位置が第2選手504の位置に調整されている場合の焦点確認用画像の例が示されている。そのため、図4Bでは、合焦位置に存在する第2選手504と524のずれ443は0である。また、カメラ21から見てカメラ21の合焦位置よりも近くに位置する各被写体のうち、カメラ21からの距離が最も近いサッカーボール502と522とのずれ441、その次に近い第1選手503と523とのずれ442の順に、左側へのずれが小さくなっている。また、カメラ21から見てカメラ21の合焦位置よりも遠くに位置する背景の山505と525とのずれ444は、右側へのずれとなっている。
【0057】
図4Cでは、カメラ21の合焦位置が第1選手503の位置に調整されている場合の焦点確認用画像の例が示されている。そのため、図4Cでは、合焦位置に存在する第1選手503と533のずれ462は0である。また、カメラ21から見てカメラ21の合焦位置よりも近くに位置するサッカーボール502と535とのずれ461は、左側へのずれとなっている。また、カメラ21から見てカメラ21の合焦位置よりも遠くに位置する各被写体のうち、カメラ21からの距離が最も近い第2選手504と534とのずれ463、その次に近い背景の山505と535とのずれ464の順に、右側へのずれが大きくなっている。
【0058】
なお、合成部343は、撮影者の設定操作により「並べるモード」が指定された場合に、図4Aから図4Cのような分割画面に切り替えてもよい。
【0059】
≪重畳する例≫
合成部343は、図5Aから図5Cに示すように、カメラ21で撮影された画像と合成用画像とを合成し、カメラ21で撮影された画像と合成用画像とが重畳された焦点確認用画像を生成してもよい。
【0060】
この場合、合成部343は、重畳する領域において、以下の式(5)のように、画像Iと合成用画像K(Z)とを比率(1-α):αにて合成した画像を焦点確認用画像L(Z)として出力してもよい。なお、αは0から1までの実数である。
【0061】
【数5】
なお、合成部343は、撮影者の設定操作によりαの値を変更できるようにしてもよい。この場合、プッシュスイッチ、またはトグルスイッチ等のスイッチの操作により、αの値を0、0.5、及び1のように離散的な値に設定できるようにしてもよい。または、ボリュームやロータリエンコーダなどによって連続的または多値で設定できるようにしてもよい。
【0062】
図5Aでは、カメラ21の合焦位置が無限遠に近い場合の焦点確認用画像の例が示されている。カメラ21の距離が無限遠に近い背景の山505と515の水平方向の距離(ずれ)は、ほぼ0(無し)である。また、カメラ21からの距離が近いほど、合成用画像における各被写体は、カメラ21で撮影された画像での各被写体の位置と比べて、左側へずれが大きくなっている。そのため、カメラ21からの距離が最も近いサッカーボール502と512とのずれ、その次に近い第1選手503と513とのずれ、その次の近い第2選手504と514とのずれの順に、ずれが小さくなっている。
【0063】
図5Bでは、カメラ21の合焦位置が第2選手504の位置に調整されている場合の焦点確認用画像の例が示されている。そのため、図5Bでは、合焦位置に存在する第2選手504と524のずれは0である。
【0064】
そのため、カメラ21から見てカメラ21の合焦位置よりも近くに位置する各被写体のうち、カメラ21からの距離が最も近いサッカーボール502と522とのずれ、その次に近い第1選手503と523とのずれの順に、左側へのずれが小さくなっている。また、カメラ21から見てカメラ21の合焦位置よりも遠くに位置する背景の山505と525とのずれは、右側へのずれとなっている。
【0065】
図5Cでは、カメラ21の合焦位置が第1選手503の位置に調整されている場合の焦点確認用画像の例が示されている。そのため、図5Cでは、合焦位置に存在する第1選手503と533のずれは0である。また、カメラ21から見てカメラ21の合焦位置よりも近くに位置するサッカーボール502と532とのずれは、左側へのずれとなっている。また、カメラ21から見てカメラ21の合焦位置よりも遠くに位置する各被写体のうち、カメラ21からの距離が最も近い第2選手504と534とのずれ、その次に近い背景の山505と535とのずれの順に、右側へのずれが大きくなっている。
【0066】
なお、合成部343は、撮影者の設定操作により「重畳モード」が指定された場合に、図5Aから図5Cのような重畳画面に切り替えてもよい。
【0067】
(輪郭の明瞭度に応じた重畳)
合成部343は、カメラ21で撮影された画像に写されている各被写体の輪郭の明瞭度に応じた透過率で、合成用画像に含まれる各被写体の領域を重畳してもよい。これにより、被写体の輪郭が不明瞭となり易い領域では、重畳しても合焦位置の調整の補助になりにくく、画像が見苦しくなるだけのため、重畳しないようにすることができる。そのため、画像の見易さが阻害されることが低減され、撮影者は、焦点を合わせやすい領域に集中することができる。
【0068】
この場合、合成部343は、カメラ21で撮影された画像を複数の領域に分割する。そして、領域に含まれる画素の明るさ(輝度)の合計値等が大きい程、合成用画像における当該領域に対応する領域の透過率を所定の値(例えば、0.5)に近づく値とし、明るさの合計値等が小さい程、当該透過率を0に近づく値としてもよい。
【0069】
また、合成部343は、領域に含まれる画像のコントラスト等が大きい程、合成用画像における当該領域に対応する領域の透過率を所定の値(例えば、0.5)に近づく値とし、コントラスト等が小さい程、当該透過率を0に近づく値としてもよい。
【0070】
また、合成部343は、画像認識により、被写体の輪郭の領域を認識し、認識した領域のエッジらしさの度合いが大きい程、合成用画像における当該領域に対応する領域の透過率を所定の値(例えば、0.5)に近づく値とし、エッジらしさの度合いが小さい程、当該透過率を0に近づく値としてもよい。
【0071】
(差分画像の重畳)
合成部343は、カメラ21で撮影された画像の各画素の値と、合成用画像の各画素の値との差に基づく画像を、カメラ21で撮影された画像に重畳してもよい。これにより、被写体の輪郭付近のみが重畳されるため、画像の見易さが阻害されることが低減され、撮影者は、焦点を合わせやすい領域に集中することができる。
【0072】
この場合、合成部343は、カメラ21で撮影された画像の各画素の値と、合成用画像の各画素の値との差の絶対値をそれぞれ算出する。そして、算出した各画素の値の絶対値の画像を合成用画像として、カメラ21で撮影された画像に重畳してもよい。これにより、カメラ21で撮影された画像の画素の値と、合成用画像の画素の値とが一致する画素は、カメラ21で撮影された画像に重畳されないようにすることができる。
【0073】
また、合成部343は、カメラ21で撮影された画像の各画素の値と、合成用画像の各画素の値との差の絶対値をそれぞれ算出する。そして、算出した各画素の値の絶対値の画像を焦点確認用画像として出力するようにしてもよい。この場合、合焦位置に位置する被写体は黒く表示され、合焦位置から離れている被写体の領域は、黒以外の色で表示される。
【0074】
≪一部を置換して並べる例≫
合成部343は、カメラ21で撮影された画像の領域の一部が、合成用画像の領域の一部で置換された焦点確認用画像を生成してもよい。図6Aから図6Cの例では、合成部343は、水平方向に上から分割された第1領域、第2領域(中央領域)、及び第3領域のうち、第1領域、及び第3領域に、カメラ21で撮影された画像に含まれる各領域の画像が設定され、第2領域に、合成用画像に含まれる領域の画像が設定された焦点確認用画像を生成している。なお、合成部343は、撮影者の設定操作により第2領域の垂直方向の位置及び高さを変更できるようにしてもよい。
【0075】
図6Aから図6Cの例では、図5Aから図5Cの例と同様に、カメラ21で撮影された画像には、サッカーボール502、第1選手503、第2選手504、及び背景の山505等の被写体が写されている。
【0076】
図6Aから図6Cの例では、第1領域602、及び第3領域604に、カメラ21で撮影された画像が合成され、第2領域603に、合成用画像が合成されている点等が、図5Aから図5Cの例と異なる。
【0077】
図6Aでは、カメラ21の合焦位置が無限遠に近い場合の焦点確認用画像601の例が示されている。図6Bでは、カメラ21の合焦位置が第2選手504の位置に調整されている場合の焦点確認用画像611の例が示されている。図6Cでは、カメラ21の合焦位置が第1選手503の位置に調整されている場合の焦点確認用画像621の例が示されている。
【0078】
図6A図6B、及び図6Cにおける合成用画像における各被写体のずれの量と方向は、図5A図5B、及び図5Cの場合とそれぞれ同様である。
【0079】
図6Aから図6Cの例では、焦点確認用画像L(Z)は、以下の式(6)のように定式化されてもよい。
【0080】
【数6】
なお、β及びγは、0≦β≦γ<H(Hは焦点確認用画像L(Z)の垂直画素数)となる実数(典型的には整数)である。β及びγは定数としてもよいし、撮影者の設定操作により変更できるようにしてもよい。また、合成部343は、撮影者の設定操作により「一部を置換して並べるモード」が指定された場合に、C=1と設定し、以下の式(7)のように図6Aから図6Cのような3分割画面に切り替えてもよい。
【0081】
【数7】
≪一部を重畳して並べる例≫
合成部343は、カメラ21で撮影された画像の領域の一部に、合成用画像の領域の一部が重畳された焦点確認用画像を生成してもよい。図7Aから図7Cの例では、合成部343は、水平方向に上から分割された第1領域、第2領域、及び第3領域のうち、第1領域、及び第3領域に、カメラ21で撮影された画像に含まれる各領域の画像が設定され、第2領域に、カメラ21で撮影された画像に含まれる領域の画像と合成用画像に含まれる領域の画像とが重畳された焦点確認用画像を生成している。
【0082】
図7Aから図7Cの例では、図5Aから図5Cの例と同様に、カメラ21で撮影された画像には、サッカーボール502、第1選手503、第2選手504、及び背景の山505等の被写体が写されている。
【0083】
図7から図7Cの例では、第2領域603に、カメラ21で撮影された画像と、合成用画像とが重畳されている点等が、図5Aから図5Cの例と異なる。
【0084】
図7Aでは、カメラ21の合焦位置が無限遠に近い場合の焦点確認用画像701の例が示されている。図7Bでは、カメラ21の合焦位置が第2選手504の位置に調整されている場合の焦点確認用画像711の例が示されている。図7Cでは、カメラ21の合焦位置が第1選手503の位置に調整されている場合の焦点確認用画像721の例が示されている。
【0085】
図7A図7B、及び図7Cにおける合成用画像における各被写体のずれの量と方向は、図5A図5B、及び図5Cの場合とそれぞれ同様である。
【0086】
図7Aから図7Cの例では、焦点確認用画像L(Z)は、以下の式(8)のように定式化されてもよい。
【0087】
【数8】
また、合成部343は、撮影者の設定操作により「一部を重畳して並べるモード」が指定された場合に、C=1と設定し、以下の式(9)のように図7Aから図7Cのような3分割画面の中央部に重畳する画像に切り替えてもよい。
【0088】
【数9】
続いて、ステップS4において、表示制御部344は、焦点確認用画像を表示装置35に表示させる。これにより、撮影者は、カメラ21で撮影された画像の各被写体と、合成用画像の各被写体との位置のずれの大きさ、及び方向に基づいて、所望の被写体に焦点を合わせる場合の合焦位置の調整量、及び方向を容易に認識することができる。
【0089】
合成用画像内の被写体がx軸の負の方向(例えば、左方向)にずれている場合には、当該被写体よりも奥側に合焦している状態(いわゆる後ピン)であるため、撮影者はフォーカスリング等を手前側(ニア側)に操作すればよいことを認識できる。また、ずれ量が大きいほど、合焦状態からかけ離れた状態であることを認識できる。
【0090】
また、合成用画像内の被写体がx軸の正の方向(例えば、右方向)にずれている場合には、当該被写体よりも手前側に合焦している状態(いわゆる前ピン)であるため、撮影者はフォーカスリング等を奥側(ファー側)に操作すればよいことを認識できる。また、この場合も、ずれ量が大きいほど、合焦状態からかけ離れた状態であることを認識できる。
【0091】
また、合成用画像内の被写体がずれていない場合には、当該被写体に合焦している状態(いわゆるジャスピン)であるため、撮影者はフォーカスリング等の操作を要しないことを認識できる。
【0092】
続いて、ステップS5において、受付部345は、撮影者から、焦点、またはズームを調整する操作を受け付けたか否かを判定する。
【0093】
調整操作を受け付けていない場合(ステップS5でNO)、ステップS7の処理に進む。一方、調整操作を受け付けた場合(ステップS5でYES)、ステップS6において、調整部346は、調整操作に基づいて、カメラ21の焦点、及びズームの少なくとも一方を調整する。
【0094】
続いて、ステップS7において、判定部341は、撮影終了操作を受け付けたか否かを判定する。
【0095】
撮影終了操作を受け付けていない場合(ステップS7でNO)、ステップS1の処理に進む。一方、撮影終了操作を受け付けた場合(ステップS7でYES)、処理を終了する。
【0096】
<変形例1>
制御装置34の各機能部は、複数のコンピュータにより構成されるクラウドコンピューティング等により実現されていてもよい。
【0097】
<実施形態の効果>
従来のデジタルカメラ(デジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラ)では、自動で被写体の位置に焦点を合わせるオートフォーカス機能が用いられている。このオートフォーカス機能では、撮影範囲の中心の被写体、または、画像認識により認識された人間の顔に自動で焦点を合わせる。
【0098】
しかしながら、オートフォーカス機能では、自動で合焦位置が調整されるため、撮影者が、意図した被写体に焦点を合わせることができない。また、撮影者が、焦点をずらした画像を撮影したい場合に、意図的に焦点をずらした画像を撮影したりすることができない。そのため、撮影者が手動で合焦位置を調整できるマニュアルフォーカス機能が用いられることがある。
【0099】
この場合、撮影者は、ファインダーに映された画像を目視し、被写体等のぼやけ具合を肉眼で確認しながら、フォーカスリング等を操作することにより、合焦位置を調整していた。この場合、4Kや8K等の高精細な画像を撮影する場合、被写体等のぼやけが微細であること等により、肉眼では合焦位置を瞬時に判断することが困難な場合がある。
【0100】
また、従来のような被写体の輪郭のぼやけ量やコントラストに頼る焦点調整では、狙った部分よりも手前に焦点が合っている前ピンと、狙った部分よりも奥に焦点が合っている後ピンとの区別が困難である。そのため、撮影者は、フォーカスリングを往復操作させて調整する等の操作が生じるため、画像が見苦しくなることがあった。
【0101】
また、オートフォーカス機能を用いて、4Kや8K等の高精細な解像度で、カメラから見た奥行き方向の距離の差が大きい複数の被写体が含まれるスポーツ競技等の動画を撮影する場合、オートフォーカスの処理が間に合わない等により、焦点がぶれた見苦しい動画になる場合がある。
【0102】
上述した実施形態では、焦点調整補助装置3が、撮影者の操作に応答して合焦位置が調整されるカメラ21により第1物体が撮影された第1画像と、カメラ21の合焦位置から第1物体までの距離、及びカメラ21から第1物体までの距離に応じて第1物体の位置がずらされた第2画像とを合成する合成部343と、合成された第3画像を画面に表示させる表示制御部344と、を有する。これにより、撮影者が焦点を適切に合わせることができる。
【0103】
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。また、上述した各実施例の一部又は全部を組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0104】
1 画像撮影システム
2 撮影装置
21 カメラ
22 レンズ
23 調整装置
3 焦点調整補助装置
31 カメラ
32 レンズ
33 調整装置
34 制御装置
341 判定部
342 生成部
343 合成部
344 表示制御部
345 受付部
346 調整部
35 表示装置
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C