(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-24
(45)【発行日】2023-11-01
(54)【発明の名称】微生物学的試験のための濾過アセンブリを保持するためのフレームおよび試験ユニット
(51)【国際特許分類】
C12M 1/12 20060101AFI20231025BHJP
【FI】
C12M1/12
(21)【出願番号】P 2020513517
(86)(22)【出願日】2018-09-04
(86)【国際出願番号】 EP2018073672
(87)【国際公開番号】W WO2019048400
(87)【国際公開日】2019-03-14
【審査請求日】2021-09-03
(32)【優先日】2017-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591032596
【氏名又は名称】メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D-64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】リヴァット,フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】アロ,マテュー
【審査官】小田 浩代
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-525260(JP,A)
【文献】特表2013-532980(JP,A)
【文献】特表2003-530171(JP,A)
【文献】特開平10-174891(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0034317(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0253870(US,A1)
【文献】NucleoBond Xtra Combi Rackプレゼントキャンペーン,タカラバイオ株式会社,2014年
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12M1/00-3/10
C12Q1/00-3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
微生物学的試験のための
外周を有する複数の濾過アセンブリ(100)を保持するためのフレーム(1)であって、該フレーム(1)は、
共通の支持平面(2)上で濾過アセンブリ(100)の1つを受け入れおよび支持するようにそれぞれ構成される支持体(5)のアレイ、および
フレーム(1)の周囲(7)上に提供され、フォームロッキング係合により、接続されたフレーム(1)の共通の支持平面(2)が近接するように、さらなるフレーム(1)を解除可能に接続するように構成される接続手段(6)を含み、
支持体(5)が、濾過アセンブリ(100)を支持体(5)上に設置されたときに解除可能に留めるように構成される固定機構(15)をそれぞれ含み、
固定機構(15)が、濾過アセンブリ(100)の
外周と弾性的に係合するように構成される、前記フレーム(1)。
【請求項2】
接続手段(6)が、隣接するフレーム(1)が手動操作によって互いに接続および外すことができるように構成される嵌合係合機能を含む、請求項1に記載のフレーム(1)。
【請求項3】
固定機構(15)が、スナップフィットによって、濾過アセンブリ(100)の
外周と弾性的に係合するように構成される、請求項1または2に記載のフレーム(1)。
【請求項4】
支持平面(2)を作業面の上に持ち上げ、フレームの下側上にスペース(37)を画定するように構成されるスペーサー(35)をさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のフレーム(1)。
【請求項5】
各支持体(5)には、フレームを通して延伸する開口部(9)が提供され、濾過アセンブリ(100)の底部の少なくとも一部を、フレーム(1)の下側上に画定されたスペース(37)に露出するように配置される、請求項4に記載のフレーム(1)。
【請求項6】
支持体(5)が、開口部(9)に吊り下げられ、濾過アセンブリ(100)が支持体(5)上に設置されたとき、濾過アセンブリ(100)の排出ポート(33)をカバーおよび/またはシールするように構成されるカバー要素(60)を含む、請求項5に記載のフレーム(1)。
【請求項7】
カバー要素(60)が、開口部(9)の少なくとも部分が覆われないまま、フレーム(1)の下側上のスペース(37)に露出するように、カバー要素(60)をフレームに接続する1以上のウェブ(10)によって開口部(9)に吊り下げられている、請求項6に記載のフレーム(1)。
【請求項8】
スペーサー(35)が、フレーム(1)の周囲スカート(36)として形成され、スカート(36)は、支持体(5)の開口部への空気の流れを可能にするために、フレーム(1)の外側周囲とフレーム(1)の下側上に画定されたスペース(37)との間の連通を提供する1以上の開口部(38)を含む、請求項4~7のいずれか一項に記載のフレーム(1)。
【請求項9】
スペーサー(35)が、互いに上に垂直に積み重ねられた2つのフレーム(1)が互いに内側に入れ子となるように形成されている、請求項4~8のいずれか一項に記載のフレーム(1)。
【請求項10】
各支持体(5)が、支持体(5)上に設置される濾過アセンブリ(100)のスペーサー(35)のスカートを受け入れるための凹部(11)を含む、請求項4~9のいずれか一項に記載のフレーム(1)。
【請求項11】
フレーム(1)および/またはアレイにおける各支持体(5)に関連付けられたコード化手段(25;26)をさらに含む、請求項1~10のいずれか一項に記載のフレーム(1)。
【請求項12】
支持体(5)が、行および列を含むアレイに配置される、請求項1~11のいずれか一項に記載のフレーム(1)。
【請求項13】
予め滅菌条件でバッグ(20)にパックされた、請求項1~12のいずれか一項に記載の濾過アセンブリ(100)を保持するための少なくとも1つのフレーム(1)を含む、微生物学的試験のための試験ユニット(10)。
【請求項14】
フレーム(1)の支持体(5)上で支持され、バッグ(20)に予め滅菌条件でパックされた複数の濾過アセンブリ(100)をさらに含む、請求項13に記載の微生物学的試験のための試験ユニット(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微生物学的試験のための複数の濾過(filtration)アセンブリを保持するためのフレームおよび試験ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
濾過アセンブリは既知であり、例えば、製薬、バイオ医薬品、バイオテクノロジー、病院、食品および飲料業界での製造プロセスの制御や最終製品の試験に関連するだけでなく、診断、ヘルスケアおよび研究、および粒子や生物学的要素のための他の試験タスクに関連する、無菌性およびバイオバーデン試験を含む微生物学的試験によく使用される。
【0003】
かかる試験の間、試験される流体は、典型的には、リザーバーから、対象の微生物を捕捉することができるフィルター要素、例としてフィルター膜を通過する。濾過プロセスの完了後、微生物の成長を促進する栄養溶液は、例えばインキュベーターの助けを借りて、分析可能なサイズの微生物コロニーが得られるまで微生物の成長を支持するために、フィルター要素に捕捉された微生物と接触させられる。
【0004】
WO2014/197831A1に開示されたこのプロセスのための濾過アセンブリは、円錐形のより狭い上部と下端の開口部とを備えた円筒形のリザーバー、およびフィルター膜を保持する円形の膜ホルダーを含む。膜ホルダーの上端は、バヨネットコネクターを利用して、リザーバーの下方開口部に取り外し可能およびしっかりと取り付けることができる。リザーバーの上端は、サンプル流体のための入口接続と疎水性ベントとを除いて閉じている。円形膜ホルダーの下端には、真空バーまたはポンプと培地カートリッジにフィットするように設計された接続領域を有する。
【0005】
濾過後、膜ホルダーを真空バー/ポンプから外し、リザーバーを膜ホルダーから取り外し、膜ホルダーの下端を培地カートリッジに取り付け、フィルター膜を栄養溶液と接触させ、膜ホルダーの上端は、必要に応じて、サンプルを好気性または嫌気性条件下でインキュベートできるキャップで閉じられ、キャップのどちらの側が膜ホルダーに差し込まれているかに応じて、サンプルをより簡単に積み重ねることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
微生物学的試験は通常、試験グループを形成する複数の濾過アセンブリにおける同じまたは異なるサンプル流体のバッチの同時または順次処理を必要とする。これには、同じ試験グループに属する濾過アセンブリを、保管から、試験のセットアップ、濾過、媒体カセットへの移送、インキュベーション、読み取り/評価、および廃棄まで同じ試験条件下でできるだけ正確に処理して同じグループの試験を同程度にする必要がある。
【0007】
さらに、1つの試験グループの試験は、多くの場合、数日間連続して作業する数人の技術者によって作業されるか、1以上の技術者が同時に異なる試験グループで作業する。これには、特定の試験グループに属する濾過アセンブリが明確に識別されて一緒に取り扱われることが必要であり、これにより、技術者に整理、マーキングおよび文書化の大幅な作業を強いることになる。さらに、取り扱いエラー、試験グループ間での濾過アセンブリの取り違え、または特にバイオバーデン試験中の不正確さは、長期間の費用のかかる調査を要求する場合がある。
【0008】
したがって、本発明の目的は、取り扱いエラー、試験グループ間の濾過アセンブリの取り違え、または試験手順中の不正確さの可能性を低減する、その問題の解決策を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この問題を解決するために、本発明は、請求項1に記載の複数の濾過アセンブリを保持するための、トレイとも呼ばれるフレームと、請求項14に記載の微生物学的試験のための試験ユニットを提供する。好ましい実施形態は、従属請求項に画定されている。
【0010】
本発明は、微生物学的試験のための複数の濾過アセンブリを保持するためのフレームを提供し、該フレームは、共通の支持平面(support plane)上で濾過アセンブリの1つを受け入れおよび支持するようにそれぞれ構成される支持体のアレイ、およびフレームの周囲(periphery)上に提供され、フォームロッキング(form-locking)係合(engagement)により、接続されたフレームの共通の支持平面が近接するように、さらなるフレームを解除可能に(releasably)接続するように構成される接続手段を含む。支持体は、行および列を含む規則的なアレイで配置されることが好ましい。
【0011】
フレームにより、試験グループに属する複数の濾過アセンブリを機械的に組み合わせてフレーム上で一緒に取り扱えるため、アセンブリの保管および準備から、試験のセットアップ、濾過、インキュベーションへの移送、分析および廃棄までの一貫の試験手順中に、グループのすべての濾過アセンブリに対して同一の試験条件を確保することができる。
【0012】
フレームの接続手段は、「オーバーヘッドスペース」なしに、それぞれのグループのさまざまな数の濾過アセンブリをまとめて収容および取り扱うために、フレームを接続するまたは外す可能性を提供する。さらに、フレームまたは接続されたフレーム上の同じ試験グループに属する濾過アセンブリの配置は、アセンブリの整理、制御、識別および文書化を促進し、特定の試験グループにおける濾過アセンブリの関連付けの正確性と一貫性が、より直感的で簡単に認識でき、エラーをすばやく回避できる。
【0013】
共通平面における1以上の(接続された)フレームの支持体の配置は、個々の濾過アセンブリの単純な積み重ねと比較して、機械的安定性を向上させる。支持体のアレイの行および列は、数個のフレームに渡っており、数個のフレームが互いに接続されている。
【0014】
好ましくは、接続手段は、隣接するフレームを手動操作によって互いに接続および外すことができるように構成される嵌合(mating)係合機能を備える。
これは、濾過アセンブリのより大きなグループを収容または濾過アセンブリのサブグループに分割するために、複数のフレームを容易におよびさらなるツールまたは機器なしに互いに接続できるという利点を提供する。
【0015】
好ましくは、支持体はそれぞれ、支持体上に設置されたときに濾過アセンブリを解除可能に留めるように構成される固定機構(securing mechanism)を含む。
したがって、濾過アセンブリはフレーム上に確実に保持され、例えば、インキュベーションまたは分析への移送中に、技術者がフレームを取り扱う場合でも、フレームから落ちることが防止される。
【0016】
好ましくは、固定機構は、好ましくはスナップフィットによって、濾過アセンブリの外周(outer circumference)と弾性的に係合するように構成される。
したがって、濾過アセンブリを簡単なプロセスで支持体に挿入して取り付けることができ、取り外しには、弾力性によって与えられるバイアス保持力を克服するためのアクティブプロセスが要求されるため、取り扱いエラーやアセンブリのフレームからの意図しない取り外しを回避できる。
【0017】
好ましくは、フレームは、支持平面を作業面の上に持ち上げ、フレームの下側上にスペースを画定するように構成されるスペーサーを含む。
好ましくは、各支持体には、フレームを通って延伸する開口部が提供され、濾過アセンブリの底部の少なくとも一部がフレームの下側上に画定されたスペースに露出するように配置される。
【0018】
スペーサーはフレームの安定性を向上させ、濾過アセンブリの下部と作業面との間の直接的な接触を回避する。
さらに、このスペースは汚染のリスクを低減し、支持体の開口部と組み合わせることで、フレームの下側上のスペースを通して濾過アセンブリへの実質的に妨げられない空気の流れを確保し、同程度で均一なインキュベーション条件を提供する。
【0019】
好ましくは、支持体は、開口部に吊り下げられ、濾過アセンブリが支持体上に設置されたときに濾過アセンブリの排出ポートをカバーおよび/またはシールするように構成されるカバー要素を含む。
カバー要素は、底側から突出する排出ポートを備えた排出部材を含む濾過アセンブリに特定の保護を提供し、排出ポートの開口部を通した膜の汚染または排出ポートの損傷を回避し、濾過アセンブリが濾過後にフレームに移送された場合に、いくらかの流体も排出ポートから滴下するのを防止する。
【0020】
好ましくは、カバー要素は、開口部の少なくとも部分が覆われずに残り、フレームの下側上のスペースに露出するように、カバー要素をフレームに接続する1以上のウェブ(web)によって開口部に吊り下げられる。
カバー要素が支持体の開口部を完全にブロックしないため、空気は依然として濾過アセンブリの下側に到達できるため、フレーム上のアセンブリ間の等しいインキュベーション条件と均一な温度分布が確保される。
【0021】
好ましくは、スペーサーはフレームの周囲スカートとして形成され、スカートは、フレームの外側周囲とフレームの下側上に画定されたスペースとの間の連通を提供する1以上の開口部を含み、支持体の開口部への空気の流れを可能にする。空気の流れとオープンスペースは、インキュベーション中の均一な温度分布と良好な温度勾配を保証することにより、各濾過アセンブリ(またはそのインキュベーションカセットのような要素)の均一な成長条件を特に保証する。
【0022】
周囲スカートはフレームの安定性の向上を提供し、開口部はスカートにギャップを提供し、フレーム下のスペースに空気が通過して、フレームの下側の目視検査が可能になる。
好ましくは、スペーサーは、互いに上に垂直に積み重ねられた2以上のフレームが互いに内側に入れ子となるように形成される。
【0023】
入れ子にすることで、空のフレームの積み重ねの垂直方向の高さが減少し、保管のための積み重ねがよりコンパクトになる。
好ましくは、各支持体は、支持体上に設置される濾過アセンブリのスカートを受け入れるための凹部(recess)を含む。
【0024】
凹部は、濾過アセンブリのフレーム上での安定的な保持を提供する。
好ましくは、フレームは、アレイにおける各支持体に関連付けられたコード化手段をさらに含む。
【0025】
コード化手段は、フレーム上に装填された濾過アセンブリに関する識別情報、例えばカラーコードを追加する可能性を提供し、すなわち、膜材料、サンプルバッチ、試験を実施した技術者などの区別を可能にする。本発明はまた、予め滅菌条件でバッグにパックされた(packed)本発明による濾過アセンブリを保持するための少なくとも1つのフレームを含む、微生物学的試験のための試験ユニットを提供する。
【0026】
好ましくは、複数の濾過アセンブリは、フレームの支持体上に支持され、および予め滅菌条件でバッグにパックされる。
【0027】
1以上の予め滅菌されたフレームをバッグ内にパッキングすることで、フレームをすぐに使用でき、滅菌が不要になるという利点を提供する。数個のフレームが接続された状態でバッグに提供される場合、技術者は接続手段でフレームをサブグループに簡単に分割または分離でき、一方でフレームはまだバッグ内にあり、試験グループに必要な支持体の量は少なく、残りのフレームを滅菌パッキングに入れておくことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本発明による濾過アセンブリを保持するためのフレームおよび試験ユニットの好ましい実施形態を、添付の図面を参照して説明する。
【0029】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態によるフレームを上から見た斜視図である。
【
図2】
図2は、複数の媒体カセットがフレームの支持体上に設置された、本発明の実施形態によるフレームを示す斜視図である。
【
図4】
図4は、互いに内側に入れ子になる複数の積み重ねられたフレームを示す斜視断面図である。
【0030】
【
図5】
図5は、濾過アセンブリが支持体上に設置されたときの支持体を示す斜視断面図である。
【
図6】
図6は、支持体に開口部を有するフレーム、および支持体上に設置された媒体カセットの実施形態を示す下からの斜視図である。
【
図7】
図7は、フレームおよびフレーム上に設置された濾過アセンブリを備えたパックされた試験ユニットを示す断面斜視図である。
【
図8A】
図8Aは、
図7の濾過ユニットからの濾過アセンブリを備えたフレームの開梱を示す斜視図である。
【
図8B】
図8Bは、
図7の濾過ユニットからの濾過アセンブリを備えたフレームの開梱を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の実施形態による微生物学的試験のための複数の濾過アセンブリ100を保持するためのフレーム1またはトレイが、
図1に示されている。フレーム1は、行および列の支持体5のアレイであって、各支持体5は、共通の支持平面2上に濾過アセンブリ100の1つを受け入れおよび支持する、すなわち保持するように構成される前記アレイ、およびフレーム1の周囲の片側上に提供された接続手段6を含む。接続手段6は、接続されたフレーム1の支持平面2が近接する、すなわち互いに整列するように、フォームロッキング係合によって同じタイプのさらなるフレーム1を解除可能に接続するように構成される。
【0032】
フレーム1は、熱可塑性樹脂で作成され、2行2列の4つの支持体を含んでも、少なくとも2つの支持体が提供されていれば、実用的な数の支持体を有していてもよい。この場合のフレーム1は、実質的に角が丸い長方形のように成型されているスカート36の形態の外側周囲7を有する。スカート36は、支持平面2を画定する接続に対して実質的に垂直に延伸するように一体的に形成される。
【0033】
各支持体5は、濾過アセンブリ100を受け入れることができるように形成され、それぞれのアセンブリ100の底部上の突起を収容するための1以上の凹部を有し、例えば、その中にアセンブリ100のスカート部分が挿入され、少なくとも部分的に収容することができる凹部11を含む。濾過アセンブリ100の各々は、支持体5上に設置されると、共通の支持平面2上で支持され、横方向の動きが防止される。さらに、
図2に示されるように、支持体5は、リザーバー、膜ホルダー、媒体カセットなどを含む濾過アセンブリ100の様々な要素を受け入れるように形成されてもよい。
【0034】
接続手段6は、少なくとも2つの隣接するフレーム1間に解除可能な機械的接続を確立するように形成され、ユニットとしての接続されたフレーム1の取り扱いを可能にするのに十分に剛性である。実施形態では、接続手段6は、フレーム1の周囲7の1つの側面のみに提供され、したがって、接続できるフレーム1の数を2つに制限する。接続手段6が各フレーム1の対向する側面に提供されている場合、複数のフレーム1を一列に接続することができ、それらが周囲7の4つの側面のそれぞれに提供されている場合、フレーム1は、各側面に接続してより大きなアレイを形成することができる。
【0035】
接続手段6は、フレーム1が手で容易に接続または外され得るが、接続された状態でのフレーム1の通常の取り扱いの間、接続されたままであるように構成される。例えば、接続手段6は、回転(
図8Aおよび8Bを参照)または横方向の平行移動などの画定された方法でフレーム1を互いに対して移動させることによってフレーム1を接続または外せるように設計することができる。
【0036】
実施形態では、接続手段6は、オス型保持タブ6aと、保持タブ6aを受け入れるように形成された嵌合メス型スロット6bとを含む。
図3に示すように、2つのオス型保持タブ6aと2つのメス型スロット6bとが交互に互いに隣接するフレーム1の一方の側面上に形成されているため、180度回転させた場合、2つの同一のフレームは、対向するメス型スロットにオス型タブを係合させることによって接続できる。上述のように、追加のタブおよびスロットを、フレーム1の対向する側面上またはすべての4つの側面上に形成することができる。
【0037】
フレーム1上の支持体5は、支持体5上に設置されたときに濾過アセンブリ100を解除可能に保持および固定するように構成される固定手段15を含むことができる。固定手段15は、スナップフィットにより、圧入により、バヨネット式のロッキング係合により、または接着力により、濾過アセンブリ100の保持を提供することができる。
【0038】
実施形態では、固定手段15は、濾過アセンブリ100が支持体5上に設置され、下向きに押し込まれるとき、好ましくはスナップフィットによって、濾過アセンブリ100の外周または周囲上のリム(rim)またはエッジ(edge)または凹部と係合することができる複数の弾性ラッチの形態である。ラッチは、濾過アセンブリ100を支持体5から解除するために手動操作によって取り除かなければならない係合方向の付勢力を適用するように形成されてもよい。
【0039】
この実施形態では、支持体5には、支持体の周辺周りに分配されたラッチの形態の4つの固定手段15が提供されている。より少数および多数の固定手段15を支持体5上に提供することができる。
【0040】
各支持体5には、上部と底側との間の連通を提供するために、フレーム1を通して延伸する開口部9が提供されており、濾過アセンブリ100の底部の少なくとも一部をフレーム1の下側上に画定されたスペース37に露出するように配置される。
【0041】
支持体5は、開口部9に吊り下げられ、濾過アセンブリ100が支持体5上に設置されたときに濾過アセンブリの排出ポート33をカバーおよび/またはシールするように構成されるカバー要素60を含む。カバー要素60は、
図5に示すように、突出した排出ポート33を挿入することができるカップ様の形状である。
【0042】
カバー要素60のカップは、開口部9の周りに等間隔で配置されてカバー要素60のカップを開口部9の周囲でフレーム1に接続する、1以上のウェブ10(実施形態では4つ)によって開口部9に吊り下げられるため、開口部9の少なくとも部分は覆われておらず、フレーム1の下側上のスペース37に露出したままとなる。
【0043】
必要に応じて、カバー要素60は、濾過アセンブリ100が支持体5上に設置されたときに、排出ポート33の開口部を流密に閉じるためのシールを含むことができる。
さらに、カバー要素60は、開口部9が完全に開かれるように、開口部9から取り外し可能であってもよい。例えば、ウェブ10は、ウェブ10を切断してカバー要素60を除去することを可能にする所定の破断点または切断点または弱化ゾーンを有することができる。
開口部9は、濾過アセンブリ100またはその要素を下からまたは側面から目視検査するための分析窓として機能することができ、それは、例えばガラスまたは樹脂で作られた透明なディスクを提供することができる。
【0044】
フレーム1は、フレーム1の外側周囲7上にスカート36の形のスペーサー35を含み、スペーサー35は、支持平面2を作業面の上に持ち上げ、フレーム1の下側上、すなわちフレーム1と作業面との間のスペース37を画定する。作業面は、例えば、フレーム1が設置されるテーブル面であってもよい。
【0045】
フレーム1と作業面との間のスペース37は、濾過アセンブリ100の底と作業面との接触を回避するように寸法決めされ、空気がフレーム1の下側を支持体の開口部で露出した濾過アセンブリ100の底部に向かって通過できるようにする。あるいは、スペーサー35は、フレーム1の周りに分散された様々な形状のいくつかのポスト(post)の形態であってもよい。
【0046】
スカート36の形態の実施形態におけるスペーサー35は、フレーム1の外側周囲とフレーム1の下側上に画定されたスペース37との間の連通を提供する1以上の開口部38を含み、フレーム1の下側上に形成されたスペース37は、空気が支持体5の開口部9に出入りすることを可能にする。開口部38は、図示のようにスカート内のギャップの形態であってもよく、またはフレーム1のスカートに提供された貫通孔によって実現されてもよく、またはスペーサーを形成するポスト間の間隔によって実現されてもよい。
【0047】
スペーサ35、および、提供されている場合は、カバー要素60または凹部11のようなフレーム1上の他の突出部分が形成され、同じ構成の2以上のフレーム1を互いに垂直に積み重ねることができ、内側で互いに入れ子になり、積み重ねは、個々のフレームの高さの合計と比較して低い高さを有する(
図4を参照)。例えば、実施形態においてスペーサーを形成するスカートは、
図4に示すように、積み重ねられた上方フレームのスカートが積み重ねにおいて下方フレームのスカートに沿って少なくとも部分的にスライドできるように、わずかに傾斜させることができる。
【0048】
フレーム1は、アレイおよび/またはフレーム自体における各支持体5に関連付けられたコード化手段25をさらに備えることができ、支持体および/またはフレームに関する情報を提供するように構成されている。コード化手段は、バーコード、タグ、またはステッカーの直接書き込みまたは留めを可能にする区画などの機械可読コードの形態にすることができ(フレームの開口部に取り付けられたラベル用のタグ26の例については、
図2を参照)、または、それはフレームまたは支持体と一体であるか、または例えば、異なるカラーのリングまたはタブ、あるいはそれらの組み合わせを取り付けることによって適合され得るかのいずれかのカラーリングの形態であり得る。
【0049】
コード化手段、特にカラーリングにより、フレームに保持された濾過アセンブリの要素間の簡単で迅速かつ直感的な関連付けが可能になり、フィルターアセンブリの要素に対応するコードが添付されている場合は、一致または不一致(この場合はエラー)を簡単に識別できる。フレームおよび/または支持体のコード化手段は、例えば、最初に接続手段で接続された複数のフレームが特定のプロセス中に互いに分離されている場合、コンポーネントの簡単な追跡を可能にする。
【0050】
微生物学的試験のための試験ユニット10は
図7に示され、バッグ20にパックされた濾過アセンブリ100を予め滅菌条件で保持するために、好ましくは接続された状態で、本発明の1以上のフレーム1を含む。バッグ20は、内部を滅菌するのが容易で、必要な期間に渡って無菌性を維持し、好ましくは手動でツールなしで容易に開封でき、好ましくは無菌状態で再閉鎖でき、輸送と保管に十分な安定性を提供する適切な材料で作られてもよい。材料は樹脂、好ましくはポリエチレンであってもよい。
【0051】
バッグ20の開口部は、ジッパー、接着剤、クランプなどによって再シール可能であってもよい。
図8Aおよび
図8Bに示されるように複数の接続されたフレームがバッグに受け入れられる場合、ユーザーは開口部からフレームの一部を引き出し、接続手段で所望の部分を外してもよく、ここで曲げることで、未使用のフレームを滅菌バッグに戻し、開口部を再シールする。バッグが柔軟で透明で適切に寸法決めされている場合、フレームがバッグに完全に収まっている状態で外すことができる。
【0052】
本発明の試験ユニットは、
図7、8Aおよび8Bに示されるように、予め滅菌条件でバッグ20にパックされたフレーム1の支持体5上に支持された複数の濾過アセンブリ100をすでに含むことができる。ここに示されている濾過ユニットは、その要素として、膜支持体、膜支持体の下側に取り付けられた排水部材(
図5を参照)、膜支持体の上側に取り付けられたリザーバー、およびリザーバーの上部開口部に取り付けられた蓋を含む。さらに、嵌合するインキュベーションまたは媒体カセットも含むことができ(図示せず)、例えば蓋の上に配置することができる。パッケージ化されたユニットおよびフレームにおける濾過アセンブリの要素には、異なる膜タイプおよび/または容量および/またはインキュベーション媒体の識別を促進にする整合性のあるカラーコーディングを提供することができる。
【0053】
実際には、濾過ユニットの濾過アセンブリ100は、フレームの支持体5上に設置されて送達される。この状態では、濾過アセンブリ100の排出部材の排出ポートの開口部は、(提供されている場合)それぞれの支持体のカバー要素によってカバーおよび/またはシールされる。濾過アセンブリ100が濾過に使用される場合、それらは支持体5から個別に取り外される。濾過後、排出部材が不要になり、濾過アセンブリの膜支持体から取り外されると、カバー要素60およびそれを保持するウェブを支持体の開口部から取り外して、必要に応じてその寸法を大きくすることができる。
【0054】
次に、濾過アセンブリの膜支持体をリザーバーから分離することができ、膜支持体を濾過アセンブリの媒体カセットの上に設置することができ、そのように形成されたインキュベーションユニットをフレームの支持体上に再び設置することができる。蓋をリザーバーから取り外し、このインキュベーションユニットにおける膜支持体の上に再度取り付けることができる。媒体カセットは、支持体における開口部を通して支持平面の下から視覚的に検査できる。
【0055】
さらに、濾過アセンブリ100および媒体カセットのようなその要素は、複数のこれら要素が支持体5上で互いに上に積み重ねられるように構成することができ、フレームは、支持体上に濾過アセンブリが設置されたフレームを備えた複数の濾過ユニットを互いに上に積み重ねられるように、濾過アセンブリの蓋の上に積み重ねることもできるように構成されている。
【符号の説明】
【0056】
1 フレーム/トレイ
2 支持平面
100 濾過アセンブリ
5 支持体
6 接続手段
6a オス型保持タップ
6b メス型スロット
7 フレームの周囲
9 開口部
【0057】
10 ウェブ
11 凹部
15 固定機構
20 バッグ
25 コード化手段
26 ラベル用タグ
33 排出ポート
35 スペーサー
36 スカート
37 スペース
38 開口部
60 カバー要素