(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-26
(45)【発行日】2023-11-06
(54)【発明の名称】強化された低臭/低ブルームシアノアクリレート組成物
(51)【国際特許分類】
C08L 33/14 20060101AFI20231027BHJP
C08F 2/44 20060101ALI20231027BHJP
C08F 220/26 20060101ALI20231027BHJP
C08K 5/092 20060101ALI20231027BHJP
C08K 5/103 20060101ALI20231027BHJP
C08K 5/06 20060101ALI20231027BHJP
C09J 4/04 20060101ALI20231027BHJP
C09J 11/06 20060101ALI20231027BHJP
C09J 121/00 20060101ALI20231027BHJP
【FI】
C08L33/14
C08F2/44 C
C08F220/26
C08K5/092
C08K5/103
C08K5/06
C09J4/04
C09J11/06
C09J121/00
(21)【出願番号】P 2020523358
(86)(22)【出願日】2018-10-26
(86)【国際出願番号】 EP2018079485
(87)【国際公開番号】W WO2019081753
(87)【国際公開日】2019-05-02
【審査請求日】2021-10-25
(32)【優先日】2017-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】391008825
【氏名又は名称】ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D-40589 Duesseldorf,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100106297
【氏名又は名称】伊藤 克博
(72)【発明者】
【氏名】コボ、 イシドロ
(72)【発明者】
【氏名】フェラン、 マリサ
(72)【発明者】
【氏名】サダウスカイテ、 ヴィクトリヤ
(72)【発明者】
【氏名】ウォード、 エマー
(72)【発明者】
【氏名】タリー、 レイモンド
(72)【発明者】
【氏名】バーンズ、 バリー エヌ.
(72)【発明者】
【氏名】バーンズ、 ロリー ビー.
(72)【発明者】
【氏名】ハーシー、 レイチェル
【審査官】岩田 行剛
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-112766(JP,A)
【文献】特開平04-272980(JP,A)
【文献】国際公開第2017/077089(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/077091(WO,A1)
【文献】特表2021-500459(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0260422(US,A1)
【文献】国際公開第2010/074095(WO,A1)
【文献】特表2012-501361(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L
C09J
C08F 2/
C08F 220/
C08K 5/
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)β-アルコキシアルキルシアノアクリレート成分、
(b)2-メチルブチルシアノアクリレート、イソアミルシアノアクリレート、2-ペンチルシアノアクリレート、3-メチルペンチルシアノアクリレート、2-エチルブチルシアノアクリレート、3,7-ジメチルオクチルシアノアクリレートおよびそれらの組み合わせからなる群から選択されるシアノアクリレート成分および
(c)
(i)エチレン、メチルアクリレートおよびカルボン酸硬化部位を有するモノマーの組み合わせの反応生成物、(ii)エチレンおよびメチルアクリレートのジポリマー、(iii)塩化ビニリデン-アクリロニトリルコポリマー、(iv)塩化ビニル/ビニルアセテートコポリマー、(v)ポリエチレンとポリビニルアセテートのコポリマー、およびそれらの組み合わせからなる群から選択され、組成物中に溶解したゴム強化成分を含むシアノアクリレート組成物であって、
β-アルコキシアルキルシアノアクリレート成分(a)が、組成物の総重量に基づいて55~75重量%、およびシアノアクリレート成分(b)が、20~35重量%で存在する組成物。
【請求項2】
β-アルコキシアルキルシアノアクリレート成分が、β-メトキシエチルシアノアクリレート、β-エトキシエチルシアノアクリレート、およびそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
ゴム強化成分が、エチレン、メチルアクリレートおよびカルボン酸硬化部位を有するモノマーの組み合わせの反応生成物であり、反応生成物が離型剤、酸化防止剤、ステアリン酸およびポリエチレングリコールエーテルワックスを含まない、請求項1
または2に記載の組成物。
【請求項4】
チキソトロープ剤、ゲル化剤、増粘剤、促進剤および耐衝撃性付与剤のうちの1以上をさらに含む、請求項1~
3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
促進剤が、カリックスアレーン、オキサカリックスアレーン、シラクラウン、シクロデキストリン、クラウンエーテル、ポリ(エチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、エトキシル化水酸基化合物、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項
4に記載の組成物。
【請求項6】
カリックスアレーンが、テトラブチルテトラ[2-エトキシ-2-オキソエトキシ]カリックス-4-アレーンである、請求項
5に記載の組成物。
【請求項7】
クラウンエーテルが、15-クラウン-5、18-クラウン-6、ジベンゾ-18-クラウン-6、ベンゾ-15-クラウン-5、ジベンゾ-24-クラウン-8、ジベンゾ-30-クラウン-10、トリベンゾ-18-クラウン-6、asym-ジベンゾ-22-クラウン-6、ジベンゾ-14-クラウン-4、ジシクロヘキシル-18-クラウン-6、ジシクロヘキシル-24-クラウン-8、シクロヘキシル-12-クラウン-4、1,2-デカリル-15-クラウン-5、1,2-ナフト-15-クラウン-5、3,4,5-ナフチル-16-クラウン-5、1,2-メチル-ベンゾ-18-クラウン-6、1,2-メチルベンゾ-5,6-メチルベンゾ-18-クラウン-6、1,2-t-ブチル-18-クラウン-6、1,2-ビニルベンゾ-15-クラウン-5、1,2-ビニルベンゾ-18-クラウン-6、1,2-t-ブチル-シクロヘキシル-18-クラウン-6、asym-ジベンゾ-22-クラウン-6、および1,2-ベンゾ-1,4-ベンゾ-5-オキシジェン-20-クラウン-7およびそれらの組み合わせからなる群内のメンバーから選択される、請求項
5に記載の組成物。
【請求項8】
ポリ(エチレングリコール)ジ(メタ)アクリレートが以下の構造内
【化1】
(式中、nは、3より大きい)にある、請求項
5に記載の組成物。
【請求項9】
耐衝撃性付与剤が、クエン酸である、請求項
4に記載の組成物。
【請求項10】
β-アルコキシアルキルシアノアクリレート成分(a)およびシアノアクリレート成分(b)が、組成物中に70:30の範囲の重量比で存在する、請求項1~
9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
安定化量の酸性安定剤およびフリーラジカル阻害剤をさらに含む、請求項1~
10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
構造H
2C=C(CN)-COOR(式中、RはC
1-15アルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アラルキル、アリール、アリルおよびハロアルキル基から選択される)内のシアノアクリレート成分をさらに含む、請求項1~
11のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
ゴム強化成分が、組成物の総重量に基づいて、5重量%~15重量%の量で存在する、請求項1~
12のいずれか1項に記載のシアノアクリレート組成物。
【請求項14】
請求項1~
13のいずれか1項に記載の組成物の反応生成物。
【請求項15】
(a)2-メチルブチルシアノアクリレート、イソアミルシアノアクリレート、2-ペンチルシアノアクリレート、3-メチルペンチルシアノアクリレート、2-エチルブチルシアノアクリレート、3,7-ジメチルオクチルシアノアクリレートおよびそれらの組み合わせからなる群から選択されるシアノアクリレート成分、および(b)
(i)エチレン、メチルアクリレートおよびカルボン酸硬化部位を有するモノマーの組み合わせの反応生成物、(ii)エチレンおよびメチルアクリレートのジポリマー、(iii)塩化ビニリデン-アクリロニトリルコポリマー、(iv)塩化ビニル/ビニルアセテートコポリマー、(v)ポリエチレンとポリビニルアセテートのコポリマー、およびそれらの組み合わせからなる群から選択され、組成物中に溶解したゴム強化成分を含む組成物
であって、
シアノアクリレート成分(a)が、組成物の総重量に基づいて20~35重量%で存在する組成物。
【請求項16】
2-メチルブチルシアノアクリレート、イソアミルシアノアクリレート、2-ペンチルシアノアクリレート、3-メチルペンチルシアノアクリレート、2-エチルブチルシアノアクリレート、3,7-ジメチルオクチルシアノアクリレートおよびそれらの組み合わせからなる群から選択されるシアノアクリレート成分中に20重量パーセントまでの量で溶解した
(i)エチレン、メチルアクリレートおよびカルボン酸硬化部位を有するモノマーの組み合わせの反応生成物、(ii)エチレンおよびメチルアクリレートのジポリマー、(iii)塩化ビニリデン-アクリロニトリルコポリマー、(iv)塩化ビニル/ビニルアセテートコポリマー、(v)ポリエチレンとポリビニルアセテートのコポリマー、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるゴム強化成分を含む組成物。
【請求項17】
請求項1~
13、15~16のいずれか1項に記載のシアノアクリレート組成物を少なくとも1つの基材に塗布し、組成物を固定するのに十分な時間、基材を互いに合わせる工程を含む、2つの基材を結合する方法。
【請求項18】
2-メチルブチルシアノアクリレート、イソアミルシアノアクリレート、2-ペンチルシアノアクリレート、3-メチルペンチルシアノアクリレート、2-エチルブチルシアノアクリレート、3,7-ジメチルオクチルシアノアクリレートおよびそれらの組み合わせからなる群から選択されるシアノアクリレート成分からなる群から選択されるシアノアクリレート成分に溶解されたゴム強化成分を提供する工程と、β-アルコキシアルキルシアノアクリレート成分を混合することで、それらと混ぜ合わせる工程を含む、請求項1~
13のいずれか1項に記載のシアノアクリレート組成物の調製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(a)β-アルコキシアルキルシアノアクリレート成分、(b)2-メチルブチルシアノアクリレート、イソアミルシアノアクリレート、2-エチルヘキシルシアノアクリレート、2-ペンチルシアノアクリレート、3-メチルペンチルシアノアクリレート、2-エチルブチルシアノアクリレート、3,7-ジメチルオクチルシアノアクリレートおよびそれらの組み合わせからなる群から選択されるシアノアクリレート成分および(c)ゴム強化成分を含むシアノアクリレート含有組成物に関する。本発明のシアノアクリレート組成物の硬化生成物は、シアノアクリレート含有組成物で典型的に見られる臭いまたはしばしばその硬化生成物で見られるブルーミングを伴わずに、改善された靭性を示す。
【背景技術】
【0002】
<関連技術の簡単な説明>
シアノアクリレート接着剤組成物は周知であり、多種多様な用途をもつ、短時間で硬化する瞬間接着剤として広範に使用される。H.V.Coover、D.W.Dreifus及びJ.T.O’Connor、「Cyanoacrylate Adhesives」Handbook of Adhesives中、27、463~77、I.Skeist編、Van Nostrand Reinhold、New York、第3版(1990)を参照のこと。G.H.Millet、「Cyanoacrylate Adhesives」Structural Adhesives:Chemistry and Technology中、S.R.Hartshorn編、Plenun Press、New York、249~307ページ(1986)も参照のこと。
【0003】
米国特許第4,440,910号(O’Connor)は、ある種の有機ポリマーをエラストマー、すなわち実際にはゴム状の性質を有する強化添加剤として使用することにより、ゴム強化シアノアクリレート組成物を開発した。したがって、’910特許は、(a)シアノアクリレートエステルと、(b)約0.5重量%~約20重量%のエラストマーポリマーとの実質的に無溶媒の混合物を含む硬化性接着剤を対象とし、特許請求されている。エラストマーポリマーは、低級アルケンモノマーおよび(i)アクリル酸エステル、(ii)メタクリル酸エステルまたは(iii)酢酸ビニルとのエラストマーコポリマーから選択される。より具体的には、’910特許には、シアノアクリレートのための強化添加剤として、アクリルゴム、ポリエステルウレタン、エチレン-酢酸ビニル;フッ素ゴム、イソプレン-アクリロニトリルポリマー、クロロスルフィン化ポリエチレン、ポリ酢酸ビニルのホモポリマーが特に有用であることが判明したと記載されている。
【0004】
エラストマーポリマーは、’910特許に、アクリル酸のアルキルエステルのホモポリマー、低級アルケンなどの他の重合性モノマーとアクリル酸のアルキルまたはアルコキシエステルとのコポリマー、およびアクリル酸のアルキルまたはアルコキシエステルのコポリマーのいずれかである、と記載されている。アクリルのアルキルおよびアルコキシエステルと共重合され得る他の不飽和モノマーとしては、ジエン、反応性ハロゲン含有不飽和化合物、およびアクリルアミドなどの他のアクリルモノマーが挙げられる。
【0005】
従来の市販のエチルシアノアクリレート組成物には悪臭があり、一部のエンドユーザーは不快に感じる。β-メトキシエチルシアノアクリレートは、同じ臭いがないことが知られている。エチルシアノアクリレート組成物は、硬化するとブルーミングを示すことも知られている。β-メトキシエチルシアノアクリレートではそうではない。
【0006】
今日、市場で市販されている強化された低臭/低ブルームシアノアクリレート製品はない。市販の強化シアノアクリレート製品は、主にエチルシアノアクリレートモノマーに基づいており、(1)一部のエンドユーザーが不快に感じる臭い、および/または(2)硬化したときにブルーミングすることがある。
【0007】
市販のシアノアクリレート製品は、多くの場合、エチレンメチルメタクリレートターポリマーで強化されている。このポリマーは、β-メトキシエチルシアノアクリレートを含むシアノアクリレート組成物にほとんど靭性を与えない。その一つの理由は、β-メトキシエチルシアノアクリレートの不足した溶解度かもしれない。
【0008】
β-アルコキシアルキルシアノアクリレート組成物の靭性を改善するための最新技術およびこれまでの努力にもかかわらず、そのようなシアノアクリレート組成物の硬化反応生成物に靭性を提供し、なおかつシアノアクリレート組成物に関連することが多い臭いおよびブルーミングを最小限に抑える、長年の切実で、まだ満たしていない要求がこれまでにある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
(a)β-アルコキシアルキルシアノアクリレート成分、(b)2-メチルブチルシアノアクリレート、イソアミルシアノアクリレート、2-エチルヘキシルシアノアクリレート、2-ペンチルシアノアクリレート、3-メチルペンチルシアノアクリレート、2-エチルブチルシアノアクリレート、3,7-ジメチルオクチルシアノアクリレートおよびそれらの組み合わせからなる群から選択されるシアノアクリレート成分および(c)ゴム強化成分を含むシアノアクリレート組成物が提供される。
【0010】
β-アルコキシアルキルシアノアクリレート成分を含めると、シアノアクリレート組成物に一般的に見られる臭いを発しない組成物のためのシアノアクリレートベースが提供される。上記のシアノアクリレート成分は、ゴム強化成分をβ-アルコキシアルキルシアノアクリレート成分に導入するための媒体を提供する。ゴム強化成分は、実施例に示されるように、改善された靭性を提供する。ゴム強化成分は、シアノアクリレート組成物、特にβ-アルコキシアルキルシアノアクリレートを含有するシアノアクリレート組成物において、溶解性が低いことが時々知られている。その結果、これまでの試みで観察された靭性はせいぜい制限されていた。上記のシアノアクリレート成分はその点で役立つ。
【0011】
本発明はまた、2つの基材を一緒に結合する方法であって、少なくとも1つの基材に上記の組成物を塗布し、その後に基材を互いに合わせる工程を含む方法に関する。
【0012】
さらに、本発明は、本発明の組成物の反応生成物に関する。
【0013】
また、本発明は、本発明の組成物を調製する方法、および硬化した反応生成物に改善された靭性を与える方法に関する。シアノアクリレート組成物に関連することが多い臭い、ならびにその硬化生成物で時々観察されるブルームを最小限に抑える。
【0014】
そして、本発明は、2-メチルブチルシアノアクリレート、イソアミルシアノアクリレート、2-エチルヘキシルシアノアクリレート、2-ペンチルシアノアクリレート、3-メチルペンチルシアノアクリレート、2-エチルブチルシアノアクリレート、3,7-ジメチルオクチルシアノアクリレート、およびそれらの組み合わせから選択されるシアノアクリレート成分とゴム強化成分を含む組成物に関する。
【0015】
本発明は、以下の「詳細な説明」と題されたセクションを読むことにより、より完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、室温で3日間、1週間および4週間の期間硬化した後の、サンプルAおよびLOCTITE 435で結合されたアルミニウム基材上のT-剥離強度の棒グラフを示す。
【0017】
【
図2】
図2は、室温で3日間、1週間および4週間の期間硬化した後の、サンプルAおよびLOCTITE 435で結合された軟鋼基材上のT-剥離強度の棒グラフを示す。
【0018】
【
図3】
図3は、室温で1週間および4週間の期間硬化した後の、サンプルAおよびLOCTITE 435で結合されたアルミニウム基材上の側面衝撃強度の棒グラフを示す。
【0019】
【
図4】
図4は、室温で1週間および4週間の期間硬化した後の、サンプルAおよびLOCTITE 435で結合された軟鋼基材上の側面衝撃強度の棒グラフを示す。
【0020】
【
図5】
図5は、室温で3日間および1週間の期間硬化した後の、サンプルBおよびLOCTITE FlexGelで結合されたアルミニウム基材上のT剥離強度の棒グラフを示す。
【0021】
【
図6】
図6は、室温で3日間および1週間の期間硬化した後の、サンプルBおよびLOCTITE FlexGelで結合された軟鋼基材上のT剥離強度の棒グラフを示す。
【0022】
【
図7】
図7は、室温で3日間および1週間の期間硬化した後の、サンプルCおよびLOCTITE 435で結合されたアルミニウム基材上のT剥離強度の棒グラフを示す。
【0023】
【
図8】
図8は、室温で3日間および1週間の期間硬化した後の、サンプルCおよびLOCTITE 435で結合された軟鋼基材上のT剥離強度の棒グラフを示す。
【0024】
【
図9】
図9は、室温で3日間および1週間の期間硬化した後の、サンプルDおよびLOCTITE FlexGelで結合されたアルミニウム基材上のT剥離強度の棒グラフを示す
【0025】
【
図10】
図10は、室温で3日間および7日間の期間硬化した後の、サンプルDおよびLOCTITE FlexGelで結合された軟鋼基材上のT剥離強度の棒グラフを示す。
【0026】
【
図11】
図11は、55μmのギャップがある場合とない場合の、サンプルE、FおよびGで結合された軟鋼基材上のT剥離強度の棒グラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
<詳細な説明>
上述のように、本発明は、(a)β-アルコキシアルキルシアノアクリレート成分、(b)2-メチルブチルシアノアクリレート、イソアミルシアノアクリレート、2-エチルヘキシルシアノアクリレート、2-ペンチルシアノアクリレート、3-メチルペンチルシアノアクリレート、2-エチルブチルシアノアクリレート、3,7-ジメチルオクチルシアノアクリレートおよびそれらの組み合わせからなる群から選択されるシアノアクリレート成分および(c)ゴム強化成分を含むシアノアクリレート組成物に関する。
【0028】
β-アルコキシアルキルシアノアクリレート成分(a)は、β-メトキシメチルシアノアクリレート、β-メトキシエチルシアノアクリレート、β-エトキシメチルシアノアクリレート、β-エトキシエチルシアノアクリレートおよびそれらの組み合わせから選択することができる。それらのβ-アルコキシアルキルシアノアクリレートの中で特に望ましいのは、β-メトキシエチルシアノアクリレートである。
【0029】
β-アルコキシアルキルシアノアクリレート成分(a)は、全組成物の約40重量%~約90重量%の範囲内の量で組成物に含まれるべきであり、約55重量%~約75重量%の範囲、たとえば、約55重量%~約70重量%または約55重量%~約65重量%が望ましく、約60重量%が特に望ましい。
【0030】
シアノアクリレート成分(b)は、2-メチルブチルシアノアクリレート、イソアミルシアノアクリレート、2-エチルヘキシルシアノアクリレート、2-ペンチルシアノアクリレート、3-メチルペンチルシアノアクリレート、2-エチルブチルシアノアクリレート、3,7-ジメチルオクチルシアノアクリレート、およびそれらの組み合わせから選択されてもよい。
【0031】
適切には、シアノアクリレート成分(b)は、2-メチルブチルシアノアクリレート、イソアミルシアノアクリレート、2-エチルヘキシルシアノアクリレート、3-メチルペンチルシアノアクリレート、2-エチルブチルシアノアクリレート、3,7-ジメチルオクチルシアノアクリレート、およびそれらの組み合わせから選択されてもよく、これらのシアノアクリレート成分の中で特に望ましいのは、イソアミルシアノアクリレートである。
【0032】
シアノアクリレート成分(b)は、全組成物の約10重量%~約50重量%の範囲内の量で組成物中に含まれるべきであり、約20重量%~約35重量%の範囲が望ましく、そして約30重量%が特に望ましい。
【0033】
ゴム強化成分(c)は、(i)エチレン、メチルアクリレートおよびカルボン酸硬化部位を有するモノマーの組み合わせの反応生成物、(ii)エチレンおよびメチルアクリレートのジポリマー、(iii)塩化ビニリデン-アクリロニトリルコポリマー、(iv)塩化ビニル/ビニルアセテートコポリマー、(v)ポリエチレンとポリビニルアセテートのコポリマーおよびそれらの組み合わせから選択することができる。
【0034】
望ましくは、(i)エチレン、メチルアクリレートおよびカルボン酸硬化部位を有するモノマーの組み合わせの反応生成物(c)であり、反応生成物は、離型剤、酸化防止剤、ステアリン酸、ポリエチレングリコールエーテルワックスを実質的に含まず、β-アルコキシアルキルシアノアクリレートが使用のために選択される。DuPontは、VAMAC VCS 5500の商品名でそのような反応生成物を供給している。
【0035】
ゴム強化成分(c)は、全組成物の約3重量%~約20重量%の範囲内の量で組成物に含まれるべきであり、約5重量%~約15重量%の範囲が望ましく、約8重量%が特に望ましい。
【0036】
したがって、望ましくは、好ましい実施形態における本発明の組成物は、以下の表1に示される重量パーセントの範囲で以下の成分を含む。
【0037】
【0038】
本発明のシアノアクリレート組成物には、カリックスアレーンおよびオキサカリックスアレーン、シラクラウン、クラウンエーテル、シクロデキストリン、ポリ(エチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、エトキシル化水酸基(ethoxylated hydric)化合物およびそれらの組み合わせから選択されるいずれか1つ以上などの促進剤もまた含まれてもよい。
【0039】
カリックスアレーンおよびオキサカリックスアレーンのうち、多くは公知であり、特許文献に報告されている。例えば、米国特許第4,556,700号、第4,622,414号、第4,636,539号、第4,695,615号、第4,718,966号、および第4,855,461号に記載されており、これらの各々の開示は参照により本明細書に明確に組み込まれる。
【0040】
例えば、カリックスアレーンに関しては、以下の構造内のものが有用である。
【0041】
【化1】
式中、
R
1は、アルキル、アルコキシ、置換アルキルまたは置換アルコキシであり;R
2はHまたはアルキルであり;nは4,6または8である。
【0042】
1つの特に望ましいカリックスアレーンはテトラブチルテトラ[2-エトキシ-2-オキソエトキシ]カリックス-4-アレーンである。
【0043】
多くのクラウンエーテルが知られている。
たとえば、15-クラウン-5、18-クラウン-6、ジベンゾ-18-クラウン-6、ベンゾ-15-クラウン-5-ジベンゾ-24-クラウン-8、ジベンゾ-30-クラウン-10、トリベンゾ-18-クラウン-6、asym-ジベンゾ-22-クラウン-6、ジベンゾ-14-クラウン-4、ジシクロヘキシル-18-クラウン-6、ジシクロヘキシル-24-クラウン-8、シクロヘキシル-12-クラウン-4、1,2-デカリル-15-クラウン-5、1,2-ナフト-15-クラウン-5、3,4,5-ナフチル-16-クラウン-5、1,2-メチル-ベンゾ-18-クラウン-6、1,2-メチルベンゾ-5、6-メチレンベンゾ-18-クラウン-6、1,2-t-ブチル-18-クラウン-6、1,2-ビニルベンゾ-15-クラウン-5、1,2-ビニルベンゾ-18-クラウン-6、1,2-t-ブチルシクロヘキシル-18-クラウン-6、asym-ジベンゾ-22-クラウン-6および1,2-ベンゾ-1,4-ベンゾ-5-オキシジェン-20-クラウン-7のいずれかを用いることができる。米国特許第4,837,260号(Sato)を参照し、これにより、その開示が参照によって本明細書に明確に組み込まれる。
【0044】
シラクラウンのうち、この場合も先と同様に多くは知られており、文献に報告されている。
【0045】
本発明の組成物に有用なシラクラウン化合物の具体的な例には、
【0046】
【0047】
【0048】
【化4】
およびジメチルシラ-17-クラウン-6が挙げられる。
【0049】
例えば、米国特許第4,906,317号(Liu)などを参照し、これにより、その開示が参照によって本明細書に明確に組み込まれる。
【0050】
本発明に関して多くのシクロデキストリンを使用できる。例えば、その開示がこれにより参照によって本明細書に明確に組み込まれる米国特許第5,312,864号(Wenz)に、少なくとも部分的にシアノアクリレートと溶解可能である、α、β又はγ-シクロデキストリンの水酸基誘導体として記載され、その権利が主張されるシクロデキストリンは、第1の促進剤成分として適切な選択である。
【0051】
例えば、本明細書での使用に適したポリ(エチレングリコール)ジ(メタ)アクリレートには、以下の構造内のものが含まれる。
【0052】
【化5】
式中、
nは3より大きく、例えば3~12の範囲内であり、nは9であることが特に望ましい。より具体的な例として、PEG 200 DMA(nは約4)、PEG 400 DMA(nは約9)、PEG 600 DMA(nは約14)、PEG 800 DMA(nは約19)が挙げられ、ここで、数値(例えば400)は、二つのメタクリレート基を除外した当該分子のグリコール部分の平均分子量を、グラム/モル(すなわち、400g/mol)で表記したものである。特に望ましいPEG DMAはPEG 400 DMAである。
【0053】
そしてエトキシル化水酸基化合物(または使用され得るエトキシル化脂肪アルコール)のうち、適切なものは、以下の構造内のものから選択され得る。
【0054】
【化6】
式中、C
mは、直鎖または分枝アルキルまたはアルケニル鎖であることができ、mは1~30の整数であり、例えば5~20であり、nは2~30の整数であり、例えば5~15であり、RはHまたはアルキル、例えばC
1-6アルキルであってもよい。
【0055】
使用する場合、促進剤は、全組成物の約0.01重量%~約10重量%の範囲内の量で組成物中に含まれるべきであり、約0.1重量%~約0.5重量%の範囲が望ましく、約0.4重量%が特に望ましい。
【0056】
通常、安定剤パッケージもシアノアクリレート組成物中に含まれる。前記安定剤パッケージは、1種以上のフリーラジカル安定剤及びアニオン安定剤を含んでもよく、それぞれの内容及び量は、当業者に周知である。米国特許第5,530,037号及び第6,607,632号を参照すること。これにより、その各開示が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0057】
特定の酸性物質(クエン酸など)、チキソトロピー剤またはゲル化剤、増粘剤、染料、およびそれらの組み合わせなどの他の添加剤を本発明のシアノアクリレート組成物に含めることができる。
【0058】
促進剤およびこれらの添加剤のうち、以下の表に列挙されているものが、特に記載された量で、望ましい例である。
【表2】
【0059】
さらに、シアノアクリレート成分は、H2C=C(CN)-COORによって表されるものなどの多くの置換基で選択され得るシアノアクリレートモノマーをさらに含むことができ、式中、Rは、C1~15アルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アラルキル、アリール、アリルおよびハロアルキル基から選択される。望ましくは、シアノアクリレートモノマーは、メチルシアノアクリレート、エチル-2-シアノアクリレート、プロピルシアノアクリレート、ブチルシアノアクリレート(n-ブチル-2-シアノアクリレートなど)、オクチルシアノアクリレート、アリルシアノアクリレート、およびこれらの組み合わせから選択できる。
【0060】
本発明の別の態様では、2つの基材を互いに結合する方法が提供され、この方法は、少なくとも1つの基材に上記組成物を塗布し、その後、接着剤が固定するのを可能にするのに十分な時間、基材を互いに合わせる工程を含む。
【0061】
本発明のさらに別の態様では、上記組成物の反応生成物が提供される。
【0062】
本発明のさらに別の態様では、そのように記載された組成物を調製する方法が提供される。この方法は、(a)β-アルコキシアルキルシアノアクリレート成分を提供し、(b)2-メチルブチルシアノアクリレート、イソアミルシアノアクリレート、2-エチルヘキシルシアノアクリレート、2-ペンチルシアノアクリレート、3-メチルペンチルシアノアクリレート、2-エチルブチルシアノアクリレート、3,7-ジメチルオクチルシアノアクリレート、およびそれらの組み合わせから選択されるシアノアクリレート成分および(c)ゴム強化成分を混合しそれらと混合することを含み、ここで望ましくは、ゴム強化成分は、約20重量%までの量でシアノアクリレート成分に溶解される。
【0063】
本発明のさらに別の態様では、2-メチルブチルシアノアクリレート、イソアミルシアノアクリレート、2-エチルヘキシルシアノアクリレート、2-ペンチルシアノアクリレート、3-メチルペンチルシアノアクリレート、2-エチルブチルシアノアクリレート、3,7-ジメチルオクチルシアノアクリレート、およびそれらの組み合わせから選択されるシアノアクリレート成分およびゴム強化成分を含む組成物が提供され、ここで望ましくは、ゴム強化成分は、約20重量%までの量でシアノアクリレート成分に溶解される。
【0064】
本発明は、以下の実施例によりさらに説明される。
【実施例】
【0065】
イソアミルシアノアクリレートと2-メチルブチルシアノアクリレートは、従来のシアノアクリレート強化剤、すなわちVAMACを予想外にも可溶化した。VAMACゴム強化剤は、約20重量%までの量で各モノマーに可溶であると決定された。
【0066】
この観察により、VAMACゴム強化剤は、β-メトキシエチルシアノアクリレートを含むイソアミルシアノアクリレートと、8重量%の量のβ-メトキシエチルシアノアクリレートを含む2-メチルブチルシアノアクリレートの約30:70のブレンドに添加され、本発明のシアノアクリレート組成物の溶液を形成した。
【0067】
イソアミルシアノアクリレートまたは2-メチルブチルシアノアクリレートが、ゴム強化剤(ここではVAMAC)を可溶化するために使用され、次に溶液としてβ-メトキシエチルシアノアクリレートに導入されると、靭性が観察される。そして、比較可能な組成物がゲル形態で調製されると、靭性の増加が維持される。結果を示すために、ゴム強化エチルシアノアクリレート生成物とゴム強化ゲルエチルシアノアクリレート生成物を使用して比較を行った。
【0068】
すべてのサンプルは、記載されている成分の実質的な均質性を確実にするのに十分な時間混合することにより調製した。通常、使用する成分の内容と量にもより、通常は約30分で十分である。
【0069】
最初に、ゴム強化成分(VAMAC VCS 5500,デュポンから入手可能)は、β-メトキシエチルシアノアクリレートおよびイソアミルシアノアクリレートまたは2-メチルブチルシアノアクリレートから選択されたシアノアクリレート成分で評価した。
【0070】
より具体的には、27.3重量%のイソアミルシアノアクリレートを、63.7重量%のβ-メトキシエチルシアノアクリレートとブレンドした。BF3[BF3OEt2]0.9重量%、続いて8重量%VAMAC VCS 5500を添加した。混合物を65℃の温度に加熱し、VAMAC VCS 5500のすべてが溶解したことが観察されるまで、約3~4時間混合した。冷却後、約0.1重量%のジベンゾ-18-クラウン-6エーテルおよび約0.001重量%のクエン酸を加えてサンプルAを形成した。サンプルBは、6重量%のシリカをさらに加えることにより形成した。
【0071】
【0072】
したがって、表3のサンプルAはシリカを含まないが、サンプルBはシリカを含み、それによりサンプルBをゲル形態にする。
【0073】
別に、27.3%重量の2-メチルブチルシアノアクリレートを63.7重量%のβ-メトキシエチルシアノアクリレートとブレンドした。BF3[BF3OEt2]0.9重量%、続いて8重量%のVAMAC VCS 5500を添加した。混合物を65℃の温度に加熱し、VAMAC VCS 5500のすべてが溶解したことが観察されるまで、約3~4時間混合した。冷却後、約0.1重量%のジベンゾ-18-クラウン-6エーテルおよび約0.001重量%のクエン酸を加えてサンプルCを形成した。6重量%のシリカをさらに加えることによりサンプルDを形成した。
【0074】
【0075】
したがって、表4のサンプルCはシリカを含まないが、サンプルDはシリカを含み、それによりサンプルDをゲル形態にする。
【0076】
バックグラウンドとして、靭性は、軟鋼およびアルミニウム基材での180°T剥離テストによって測定した(ASTM 710 / ISO 11339に従い、それぞれ約1インチの幅で、剥離を容易にするためにアセンブリの端で90°タブで一列に並べた)。
【0077】
性能評価のためのサンプルAおよびCのコントロールは、8重量%VAMACを含む透明なゴム強化エチルシアノアクリレート製品であるLOCTITE 435であり、サンプルBおよびDの場合、コントロールは、VAMAC、PMMAおよびシリカを含むエチルシアノアクリレートであるLOCTITE FlexGelであった。
【0078】
表5は、それぞれ
図1、2、5、6に反映されているように、サンプルAおよびBのT剥離強度性能について取得したデータを示している。
【0079】
【0080】
図1および2で示された結果は、アルミニウム基材上のサンプルAとLOCTITE 435の同等のT剥離強度性能を示す。しかし、軟鋼基材では、サンプルAは、LOCTITE 435よりもT剥離強度性能の点で靭性が向上している。
【0081】
【0082】
図3と4、および表6で取得したデータは、LOCTITE 435よりもサンプルAのアルミニウム基材の方が大幅な改善を示している。軟鋼基材では、サンプルAとロックタイト435で同等の靭性が観察されたが、いずれの場合も、アルミニウム基材で示されたものよりも改善されている。
【0083】
図5および6は、3日および1週間のエージング後のアルミニウムおよび軟鋼基材で評価されたLOCTITE FlexGelと比較したサンプルBのT剥離強度性能を示す。アルミニウムでは、T剥離強度性能は、LOCTITE FlexGelで示されたものと同等であった。
【0084】
しかし、軟鋼の基材では、驚くべき結果として、T剥離強度性能5N/mmが得られた。この性能は、あらゆるシアノアクリレート接着剤で優れており、β-メトキシエチルシアノアクリレートを含む低臭/低ブルームシアノアクリレート接着剤では例外的である。
【0085】
表7は、2-メチルブチルシアノアクリレート含有組成物(表4に示す)のT-剥離強度性能を示す。
図7および8は、アルミニウム基材上のサンプルCとLOCTITE 435の同等のT剥離強度性能をグラフで示している。
【0086】
【0087】
図9および10では、サンプルDはコントロールとしてのLOCTITE FlexGelと比較し、アルミニウムおよび軟鋼のLOCTITE FlexGelのT剥離強度性能を示す。驚いたことに、ゲル配合に移行することにより、軟鋼とアルミニウム基材の両方で、LOCTITE FlexGelを超えるT剥離強度性能の向上が見られた。
【0088】
以下の表8では、3つのサンプルを調製し、シリカと、シリカとクエン酸による影響を評価した。各サンプルはメタンスルホン酸と二酸化硫黄で安定化した。
【0089】
【0090】
図11は、軟鋼基材のT剥離強度性能が、基材間に55μmのギャップがある場合とない場合の両方で、シリカの添加(サンプルF)で改善され、シリカとクエン酸の添加(サンプルG)でも改善されたことを示している。シリカとクエン酸を添加した場合(サンプルG)の性能は、シリカのみを添加した場合(サンプルF)と比較して、ギャップのある基材とギャップのない基材の相対的性能が逆である。