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特許7374158生成物除去装置、処理システム及び生成物除去方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-26
(45)【発行日】2023-11-06
(54)【発明の名称】生成物除去装置、処理システム及び生成物除去方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/31 20060101AFI20231027BHJP
   C23C 16/44 20060101ALI20231027BHJP
【FI】
H01L21/31 B
C23C16/44 J
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021169407
(22)【出願日】2021-10-15
(65)【公開番号】P2023059416
(43)【公開日】2023-04-27
【審査請求日】2023-05-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100146710
【弁理士】
【氏名又は名称】鐘ヶ江 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100186613
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100211236
【弁理士】
【氏名又は名称】道下 浩治
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 史弥
【審査官】長谷川 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-095698(JP,A)
【文献】特開平09-184075(JP,A)
【文献】特開2017-089462(JP,A)
【文献】特開平11-222680(JP,A)
【文献】特表2019-518327(JP,A)
【文献】特表2009-516920(JP,A)
【文献】特開2013-151714(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/31
C23C 16/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空ポンプの内部の温度、前記真空ポンプ内の流路上の生成物の膜厚又は前記真空ポンプの振動数を測定するためのセンサと、
前記真空ポンプに、ハロゲン化水素、フッ素、塩素、三フッ化塩素又はフッ素ラジカルを含むガスを供給するためのガス供給装置と、
制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記センサが測定した前記温度から算出された昇温速度、前記膜厚又は前記振動数に基づいて、前記真空ポンプへの前記ガスの供給が停止されるように前記ガス供給装置を制御し
前記センサは、前記真空ポンプの内部の前記温度を測定するための温度センサを備え、
前記制御装置は、前記センサが測定した前記温度から前記昇温速度を算出し、前記昇温速度が減少し始めたとき又は前記昇温速度が所定の昇温速度以上から以下になったときに、前記真空ポンプへの前記ガスの供給が停止されるように前記ガス供給装置を制御し、
前記温度センサは、前記真空ポンプのロータの下流側に配置されるための温度計測部を有する、
生成物除去装置。
【請求項2】
請求項1に記載の生成物除去装置において、
前記センサは、前記真空ポンプ内の流路上の生成物の膜厚を測定するための膜厚計を備え、
前記制御装置は、膜厚計が測定した前記膜厚が所定の厚さ以下になったときに、前記真空ポンプへの前記ガスの供給が停止されるように前記ガス供給装置を制御する、
生成物除去装置。
【請求項3】
請求項2に記載の生成物除去装置において、
前記膜厚計は、光学式膜厚計であり、
前記光学式膜厚計は、光を射出するための入射光ファイバーと、前記光が反射した反射光を受光するための受光ファイバーとを有し、前記受光ファイバーが受光した前記反射光に基づいて、前記膜厚を求めるように構成されている、
生成物除去装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の生成物除去装置において、
前記センサは、前記真空ポンプの振動数を測定するための振動計測機を備え、
前記制御装置は、前記振動計測機が測定した前記振動数が所定の範囲に収まったときに、前記真空ポンプへの前記ガスの供給が停止されるように前記ガス供給装置を制御する、
生成物除去装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の生成物除去装置において、
前記ガス供給装置は、前記真空ポンプへ供給される前記ガスの流量を調整するためのバルブを有し、
前記真空ポンプへの前記ガスの供給を停止するために、前記制御装置は前記バルブを制御する、
生成物除去装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の生成物除去装置において、
前記ガス供給装置は、前記フッ素ラジカルを生成するためのプラズマ源を備える、
生成物除去装置。
【請求項7】
請求項6に記載の生成物除去装置において、
前記プラズマ源は、三フッ化窒素、六フッ化硫黄又は四フッ化炭素から、前記フッ素ラジカルを生成するように構成されている、
生成物除去装置。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の生成物除去装置において、
前記ガス供給装置は、前記プラズマ源の下流側に位置するレデューサであって、前記プラズマ源の内部の圧力を10Torr以上に保つように構成されたレデューサを備える、
生成物除去装置。
【請求項9】
請求項6から8のいずれか1項に記載の生成物除去装置において、
前記ガス供給装置は、前記プラズマ源の下流に位置し、酸化アルミニウムコーティング又は絶縁コーティングされた配管を備える、
生成物除去装置。
【請求項10】
チャンバと、
前記真空ポンプと、
前記チャンバを前記真空ポンプに接続するための配管と、
前記配管に接続された、請求項1から9のいずれか1項に記載の生成物除去装置と、
を備える、処理システム。
【請求項11】
請求項10に記載の処理システムにおいて、
前記真空ポンプの下流に位置する除害装置をさらに備える、
処理システム。
【請求項12】
真空ポンプに、ハロゲン化水素、フッ素、塩素、三フッ化塩素又はフッ素ラジカルを含むガスを供給する工程と、
前記真空ポンプの内部の温度、前記真空ポンプ内の流路上の生成物の膜厚又は前記真空
ポンプの振動数をセンサが測定する工程と、
前記温度から算出された昇温速度、前記膜厚又は前記振動数に基づいて、前記真空ポンプへの前記ガスの供給を停止するように制御装置が制御をする、工程と、
を有し、
前記センサは、前記真空ポンプの内部の前記温度を測定するための温度センサを備え、
前記制御装置は、前記センサが測定した前記温度から前記昇温速度を算出し、前記昇温速度が減少し始めたとき又は前記昇温速度が所定の昇温速度以上から以下になったときに、前記真空ポンプへの前記ガスの供給が停止されるようにガス供給装置を制御し、
前記温度センサは、前記真空ポンプのロータの下流側に配置されるための温度計測部を有する、
生成物除去方法。
【請求項13】
真空ポンプの内部の温度、前記真空ポンプ内の流路上の生成物の膜厚又は前記真空ポンプの振動数を測定するためのセンサと、
前記真空ポンプに、ハロゲン化水素、フッ素、塩素、三フッ化塩素又はフッ素ラジカルを含むガスを供給するためのガス供給装置と、
制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記センサが測定した前記温度から算出された昇温速度、前記膜厚又は前記振動数に基づいて、前記真空ポンプへの前記ガスの供給が停止されるように前記ガス供給装置を制御し、
前記センサは、前記真空ポンプ内の流路上の生成物の膜厚を測定するための膜厚計を備え、
前記制御装置は、膜厚計が測定した前記膜厚が所定の厚さ以下になったときに、前記真空ポンプへの前記ガスの供給が停止されるように前記ガス供給装置を制御する、
生成物除去装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生成物除去装置、処理システム及び生成物除去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
真空ポンプは、半導体、液晶、太陽光パネル、LED等の製造設備の一つとして広く使用されている。これらの製品の製造工程では、真空ポンプは、半導体処理装置のチャンバに接続され、チャンバ内のプロセスガスを吸気し、チャンバ内に真空環境を作り出す。また、半導体の処理に用いられるプロセスガスには、生成物を生成するガスが含まれる場合がある。このため、チャンバから真空ポンプにガスが流れると、真空ポンプ内の流路上に生成物が生成されることがある。そして、生成物が、真空ポンプのロータ同士の隙間や、ロータとロータを収納するケーシングとの隙間等に挟まると、生成物が真空ポンプの正常な回転を阻害する虞がある。このため、真空ポンプの内部に堆積した生成物を除去することが求められている。
【0003】
このような課題を解決する発明の一例として、特許文献1に開示された排気系設備システムが知られている。特許文献1には、その図1等に示されるように、製造装置のチャンバ内のガスを排気するための排気系設備と、ガス供給装置とを有する排気系設備システムが開示されている。そして、ガス供給装置は、ハロゲン化水素、フッ素、塩素、三フッ化塩素、フッ素ラジカルのうちの少なくとも1つを含むガスを排気系設備に供給可能に構成されている。これにより、この排気系設備システムは、排気系設備を構成する真空ポンプ等の内部に堆積した生成物と、ハロゲン化水素、フッ素、塩素、三フッ化塩素、フッ素ラジカルのうちの少なくとも1つを含むガスとを反応させることにより、生成物を除去することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-12812号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に開示された排気系設備システムでは、ガス供給装置が、ハロゲン化水素、フッ素、塩素、三フッ化塩素、フッ素ラジカルのうちの少なくとも1つを含むガスを、排気系設備に供給する量について何ら開示をしていない。ハロゲン化水素、フッ素、塩素、三フッ化塩素及びフッ素ラジカルは、真空ポンプ内に堆積した生成物を除去するとともに、真空ポンプを構成する母材もエッチングする場合がある。このため、真空ポンプに供給されるハロゲン化水素、フッ素、塩素、三フッ化塩素又はフッ素ラジカルが多すぎる場合には、真空ポンプを構成する母材が、オーバーエッチングによって腐食され、早期の母材交換が必要となる虞がある。また、真空ポンプに供給されるハロゲン化水素、フッ素、塩素、三フッ化塩素又はフッ素ラジカルが少なすぎる場合には、真空ポンプ内に堆積した生成物が充分に除去されない場合がある。この場合、生成物が、真空ポンプのロータ同士又はロータとロータを収納するケーシングとの隙間等に挟まり、真空ポンプの正常な回転を阻害する虞がある。
【0006】
そこで、本発明の1つの目的は、上述した課題に鑑み、真空ポンプの内部に堆積する生成物を充分に除去できるとともに、真空ポンプを構成する母材の腐食を抑止できる生成物除去装置、処理システム及び生成物除去方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態に係る生成物除去装置は、真空ポンプの内部の温度、前記真空ポンプ内の流路上の生成物の膜厚又は前記真空ポンプの振動数を測定するためのセンサと、前記真空ポンプに、ハロゲン化水素、フッ素、塩素、三フッ化塩素又はフッ素ラジカルを含むガスを供給するためのガス供給装置と、制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記センサが測定した前記温度から算出された昇温速度、前記膜厚又は前記振動数に基づいて、前記真空ポンプへの前記ガスの供給が停止されるように前記ガス供給装置を制御する。
【0008】
一実施形態に係る処理システムは、チャンバと、前記真空ポンプと、前記チャンバを前記真空ポンプに接続するための配管と、前記配管に接続された上記の生成物除去装置と、を備える。
【0009】
一実施形態に係る生成物除去方法は、真空ポンプに、ハロゲン化水素、フッ素、塩素、三フッ化塩素又はフッ素ラジカルを含むガスを供給する工程と、前記真空ポンプの内部の温度、前記真空ポンプ内の流路上の生成物の膜厚又は前記真空ポンプの振動数を測定する工程と、前記温度から算出された昇温速度、前記膜厚又は前記振動数に基づいて、前記真空ポンプへの前記ガスの供給を停止する、工程と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の実施形態に係る処理システムのブロック図である。
図2図1に示した制御装置と真空ポンプの構成を示すブロック図である。
図3図1に示したプラズマ源の構成を示す構造図である。
図4】本開示の別の実施形態に係るガス供給装置の構成を示すブロック図である。
図5図1に示した生成物除去装置の動作時における、真空ポンプ内の時間と昇温速度の関係を示す図である。
図6図1に示した生成物除去装置の動作時における、真空ポンプ内の時刻と温度の関係を示す図である。
図7】本開示の別の実施形態に係る制御装置と真空ポンプの構成を示すブロック図である。
図8】本開示の別の実施形態に係る制御装置と真空ポンプの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下で説明する図面において、同一又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0012】
図1は、本開示の実施形態に係る処理システム100のブロック図である。図1を参照すると、処理システム100は、一例として、半導体処理装置110と、生成物除去装置200と、除害装置120と、真空ポンプ150と、複数の配管130,132とを備える。まず、処理システム100の各構成要素について説明する。
【0013】
半導体処理装置110は、一例として、チャンバ112及びバルブ114を備える。半導体処理装置110は、一例として、チャンバ112内に配置された基板にプロセスガスを提供し、基板に成膜処理を行うための装置である。チャンバ112は、配管130に接続されている。このため、成膜処理で使用された後のプロセスガスは、配管130を介して真空ポンプ150に排気される。また、バルブ114は、チャンバ112から排気されるプロセスガスの流量を調整する機能を有する。なお、本明細書では、半導体処理装置とは、半導体製造時に基板に対して何らかの処理を行う装置のことを意味する。例えば、半導体処理装置には、化学気相成長(CVD)装置や原子層堆積(ALD)装置が含まれる。
【0014】
真空ポンプ150は、チャンバ112の内部のプロセスガスを吸気し、チャンバ112内に真空を作り出すために使用される。真空ポンプ150は、吸気時に吸気口側の圧力を100Paから300Paとするように構成されている。また、真空ポンプ150は、配管132を介して、除害装置120に接続されている。これにより、真空ポンプ150が、チャンバ112内から吸気したプロセスガスは、除害装置120に流れる。なお、真空ポンプ150の詳細な構造については後述する。
【0015】
除害装置120は、既知の方法によりプロセスガスを無害化処理する機能を有する。半導体処理に使用されるプロセスガスには、シランガス(SiH)、ジクロロシランガス(SiHCl)、アンモニア(NH)等の有害可燃性ガス、又はNF、ClF,SF,CHF,C,CF等のハロゲン系難分解性ガスが含まれる場合がある。このため、真空ポンプ150が排気するプロセスガスは、そのまま大気中に放出することができず、除害装置120によって無害化処理される。無害化処理された後のプロセスガスは、大気に放出される。
【0016】
次に、図2を参照して真空ポンプ150の構成について説明する。図2は、図1に示した制御装置500と真空ポンプ150の構成を示すブロック図である。図2に示されるように、真空ポンプ150は、一例として、ブースターポンプとしての第1の真空ポンプ160と、メインポンプとしての第2の真空ポンプ170と、第1の真空ポンプ160及び第2の真空ポンプ170を収容するためのハウジング180と、吸気配管182と、接続配管184と、排気配管186とを備える。
【0017】
第1の真空ポンプ160及び第2の真空ポンプ170は、一例として、ルーツ型真空ポンプである。第1の真空ポンプ160は、一対のルーツ型ポンプロータ162(図2では1つのポンプロータのみを示す)を備える。また、第2の真空ポンプ170は、一例として、一対のルーツ型ポンプロータ172(図2では1つのポンプロータのみを示す)を備える。
【0018】
第1の真空ポンプ160の吸気口には吸気配管182が設けられていて、この吸気配管182は、配管130を経由してチャンバ112に接続されている(図1参照)。第1の真空ポンプ160の下流には排気口が設けられていて、この排気口は接続配管184を介して第2の真空ポンプ170の吸気口に接続されている。第2の真空ポンプ170の排気口には排気配管186が接続され、この排気配管186は、配管132を経由して除害装置120に接続されている(図1参照)。このように、第1の真空ポンプ160と第2の真空ポンプ170とは直列に接続され、第2の真空ポンプ170は、第1の真空ポンプ160よりも下流側に配置されている。すなわち、第1の真空ポンプ160は第2の真空ポンプ170よりも真空側に配置され、第2の真空ポンプ170は大気側に配置されている。
【0019】
図2に示すように、第1の真空ポンプ160は、互いに対向する一対の多段ポンプロータ162と、モータM1と、ケーシング168と、を備えている。それぞれのポンプロータ162は、吸気側に配置される1段目のルーツロータ(ロータ)164aと、排気側に配置される2段目のルーツロータ(ロータ)164bと、これらのルーツロータ164a,164bが固定される回転軸166とを備えている。モータM1は回転軸166の端部に固定されている。ケーシング168は、ルーツロータ164a,164bを収容している。また、ルーツロータ164同士、及びルーツロータ164とケーシング168の内面との間には微小な隙間が形成されていて、これによりルーツロータ164がケーシング168内で、非接触で回転可能となっている。そして、モータM1が回転すると、第1の真空ポンプ160は、吸気口からガスを吸気できる。
【0020】
第2の真空ポンプ170は、5段のポンプロータ172を備える点で第1の真空ポンプ160と異なっている。その他の第2の真空ポンプ170の構成は第1の真空ポンプ160と同様であり、その重複する説明を省略する。図2に示すように、第2の真空ポンプ170は、互いに対向する一対の多段ポンプロータ172と、モータM2と、ケーシング178と、を備えている。それぞれのポンプロータ172は、吸気側から排気側に向かって順に配置される1段目のルーツロータ(ロータ)174aと、2段目のルーツロータ(ロータ)174bと、3段目のルーツロータ(ロータ)174cと、4段目のルーツロータ(ロータ)174dと、5段目のルーツロータ(ロータ)174eと、これらのルーツロータが固定される回転軸176とを備えている。モータM2は、回転軸176の端部に固定されている。また、ルーツロータ174同士、及びルーツロータ174とケーシング178の内面との間には微小な隙間が形成されていて、これによりルーツロータ174がケーシング178内で、非接触で回転可能となっている。そして、モータM2が回転すると、第2の真空ポンプ170は、吸気口からガスを吸気できる。
【0021】
なお、本開示に係る別の実施形態では、真空ポンプ150は、ルーツ型真空ポンプのかわりに、スクリュー型やクロー型等の真空ポンプを備えてもよい。このような場合でも、複数段のロータが軸方向に配列された多段型のポンプロータが用いられてもよい。また、ポンプロータ162、172の段数は2段、5段に限られず、それぞれ3段以上、又は、5段以上または5段以下であってもよい。
【0022】
上述したように、吸気配管182は、チャンバ112に接続されている(図1及び2参照)。このため、チャンバ112から排気されたプロセスガスが、第1の真空ポンプ160及び第2の真空ポンプ170内の流路を流れる。半導体処理工程に使用されるプロセスガスには、ガスの温度が低下すると固形化あるいは液状化する成分が含まれ得る。このため、プロセスガスが真空ポンプ150内の流路を流れるときに、その温度が低下すると、プロセスガスが固形化又は液状化し、真空ポンプ150内の流路上に生成物が堆積する場合がある。つまり、この生成物が、ルーツロータ164,174同士や、ルーツロータ164,174とケーシング168,178の内面との間の微小な隙間に堆積する場合がある。このような場合、生成物がポンプロータ162,174の回転を妨げ、モータM1,M2に過剰な負荷が掛かってモータM1,M2が加熱する虞がある。また、モータM1,M2の起動トルクではポンプロータ162,174を回転させることができないという問題も生じ得る。したがって、真空ポンプ150の内部に堆積した生成物を除去することが求められる。処理システム100は、この問題に対応するために、生成物除去装置200を備えている。なお、本開示では、「真空ポンプ150の内部」及び「真空ポンプ150内」とは、真空ポンプ150のハウジング180の内側を意味する。
【0023】
再び図1を参照すると、生成物除去装置200は、ガス供給装置300を備える。そして、ガス供給装置300は、プラズマ源310と、配管340とを備える。ここで、図3を参照する。図3は、図1に示したプラズマ源310の構成を示す構造図である。図3を参照すると、プラズマ源310は、セラミック管312と、セラミック管312の外周に巻かれたコイル314とを備える。そして、プラズマ源310は、コイル314に高周波が印加されることで、セラミック管312内部にプラズマ316を生成するように構成されている。なお、コイル314は、一例として、銅(Cu)から構成されていて、セラミック管312は、一例として、窒化アルミニウム(AlN)、アルミナ(Al)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化ハフニウム(HfO)、イットリア(Y)のうちいずれか1つの材料から構成されている。
【0024】
プラズマ源310は、エッチングガス供給源902及びアルゴンガス供給源904と接続されている(図1参照)。エッチングガス供給源902は、エッチングガスをプラズマ
源310に供給するように構成されている。エッチングガスには、三フッ化窒素(NF)、六フッ化硫黄(SF)及び四フッ化炭素(CF)が含まれる。他方、アルゴンガス供給源904は、アルゴン(Ar)ガスをプラズマ源310に供給するように構成されている。エッチングガス及びアルゴンガスは、プラズマ源310で混合されて、この混合されたガスにプラズマが印加される。これにより、プラズマ源310は、三フッ化窒素、六フッ化硫黄、四フッ化炭素等のエッチングガスから、フッ素ラジカルガスを生成する。なお、アルゴンガスはプラズマを着火するガスとして広く使用されているガスであり、プラズマの放電安定性を確保するために用いられる。そして、このようにして生成されたフッ素ラジカルは、配管340及び配管130を通って、真空ポンプ150に供給される(図1参照)。
【0025】
上述したように、真空ポンプ150の内部に生成物が堆積する場合があるが、プロセスガスによって生成される生成物の大部分は、二酸化ケイ素(SiO)である。二酸化ケイ素とフッ素ラジカルは、以下の化学反応式のような反応を起こす。なお、化学反応式では、フッ素ラジカル1分子はFRと示されている。
SiO+4FR→SiF+O
この化学反応式からわかるように、二酸化ケイ素とフッ素ラジカルとが反応すると、フッ化ケイ素(SiF)及び酸素(O)が生成される。フッ化ケイ素は、沸点が低く、-95.5℃で昇華するため、常温においては気体として容易に除去される。以上のことから、真空ポンプ150に供給されたフッ素ラジカルは、真空ポンプ150の内部に堆積している生成物を除去することができる。別言すると、生成物除去装置200は、フッ素ラジカルを用いて、真空ポンプ150の内部に堆積した生成物を除去する機能を有している。なお、生成物にはタングステン(W)系の生成物や炭化ケイ素(SiC)も含まれ得るが、これらの生成物もフッ素ラジカルによって除去できる。
【0026】
再度図1を参照すると、ガス供給装置300は、プラズマ源310の下流側に位置するレデューサ320を備える。そして、レデューサ320は、プラズマ源310の内部の圧力を10Torr以上に保つように構成されている。真空ポンプ150とプラズマ源310との間に、圧力制御を行うレデューサ320が存在しない場合、真空ポンプ150がガスを吸気するときに、プラズマ源310の内部の圧力が、レデューサ320が存在する場合よりも低下してしまう。そして、プラズマ源310の内部の圧力が下がりすぎた場合には、プラズマ源310はプラズマを発生させられなくなってしまう場合がある。これに対し、ガス供給装置300は、プラズマ源310の内部の圧力を10Torr以上に保つように構成されたレデューサ320を備えている。これにより、真空ポンプ150がガスを吸気している場合でも、プラズマ源310は、プラズマ316を安定して発生させることができる。
【0027】
また、プラズマ源310の下流に位置する配管340は、酸化アルミニウムコーティング又は絶縁コーティングされている。これにより、配管340を流れるフッ素ラジカルは、酸化アルミニウムコーティング又は絶縁コーティングされていない配管を流れる場合よりも失活を抑止される。
【0028】
また、ガス供給装置300は、配管340に取付けられたバルブ330を備える。バルブ330は、配管340を流れるガスの流量を調整する機能を有している。バルブ330は、プラズマ源310から真空ポンプ150へのガスの供給を停止するために使用される。さらに、バルブ330は、チャンバ112から放出されたガスがプラズマ源310に流入することを防止するために、及び真空ポンプ150の不具合発生時にガスがプラズマ源310から真空ポンプ150に流れることを防止するためにも使用される。
【0029】
本開示に係る別の実施形態では、生成物除去装置200は、プラズマ源310の代わり
に、他の既知の方式でプラズマを発生させフッ素ラジカルを生成するプラズマ源を備えてもよい。プラズマ源は、一例として、バリア放電方式、沿面放電方式、高周波放電方式等でプラズマを発生させて、フッ素ラジカルを生成してもよい。
【0030】
また、本開示に係る別の実施形態では、生成物除去装置200が、ガス供給装置300の代わりに、ハロゲン化水素、フッ素、塩素、三フッ化塩素を真空ポンプ150に供給できるように構成されているガス供給装置360を備えてもよい。図4は、ガス供給装置360の構成を示すブロック図である。
【0031】
図4を参照すると、ガス供給装置360は、2つのマスフローコントローラ362a,362bと、バルブ364と、配管370とを有する。マスフローコントローラ362aは、配管366を介してガス供給源906に接続され、ガス供給源906から供給されるガスの流量制御を行う機能を有する。ガス供給源906は、ハロゲン化水素、フッ素、塩素又は三フッ化塩素をマスフローコントローラ362aへ供給する。他方、マスフローコントローラ362bは、窒素ガス供給源908に接続され、配管368を介して窒素ガス供給源908から供給されるガスの流量制御を行う機能を有する。窒素ガス供給源908は、窒素(N)をマスフローコントローラ362bへ供給する。バルブ364は、配管を開閉するために使用される。ガス供給装置360は、このような構成を有するため、ハロゲン化水素、フッ素、塩素、三フッ化塩素の濃度を、窒素によって調整し、濃度の調整されたハロゲン化水素、フッ素、塩素又は三フッ化塩素を真空ポンプ150に供給できる。また、ハロゲン化水素、フッ素、塩素及び三フッ化塩素は、生成物に含まれる二酸化ケイ素を分解できることが知られている。このため、生成物除去装置200が、ガス供給装置300の代わりに、ガス供給装置360を備える場合でも、生成物除去装置200は、真空ポンプ150の内部の生成物を除去できる。
【0032】
以上のように、ガス供給装置360の構成の一例を説明した。しかしながら、ガス供給装置360は、ハロゲン化水素、フッ素、塩素又は三フッ化塩素を真空ポンプ150に供給できるように構成されていれば、必ずしも上述したような構成を有する必要はない。例えば、ガス供給装置360は、ハロゲン化水素、フッ素、塩素又は三フッ化塩素が充填されたボンベをその内部に有し、ボンベに充填されているハロゲン化水素、フッ素、塩素又は三フッ化塩素を真空ポンプ150に供給してもよい。
【0033】
上述したように、本開示は、ハロゲン化水素、フッ素、塩素又は三フッ化塩素が真空ポンプ150に供給されることと、フッ素ラジカルが真空ポンプ150に供給されることを開示したが、フッ素ラジカルが真空ポンプ150に供給される方が好ましい。フッ素ラジカルは、ハロゲン化水素、フッ素、塩素又は三フッ化塩素よりもエッチング効率が高く、より少ない体積のガスで生成物を除去できる。つまり、同体積のガスを供給する場合、フッ素ラジカルは、ハロゲン化水素、フッ素、塩素又は三フッ化塩素よりも短時間で生成物を除去できる。また、ハロゲン化水素、フッ素、塩素、三フッ化塩素又はフッ素ラジカルが真空ポンプ150へ供給されるときには、通常、半導体処理装置110の運転が停止される。このため、停止時間を短くするために、エッチング効率の高いフッ素ラジカルが真空ポンプ150に供給される方が好ましい。
【0034】
また、本開示に係る生成物除去装置200は、上述したように、ハロゲン化水素、フッ素、塩素、三フッ化塩素又はフッ素ラジカルを使用して、真空ポンプ150に堆積している生成物を除去する。これらのガスは、生成物を除去するときに、真空ポンプ150を構成する母材もエッチングする場合がある。このため、真空ポンプ150に供給されるハロゲン化水素、フッ素、塩素、三フッ化塩素又はフッ素ラジカルが多すぎる場合には、真空ポンプ150を構成する母材が、オーバーエッチングによって腐食され得る。また、真空ポンプ150に供給されるハロゲン化水素、フッ素、塩素、三フッ化塩素又はフッ素ラジ
カルが少なすぎる場合には、真空ポンプ150内に堆積した生成物が充分に除去されない場合がある。しかしながら、生成物除去装置200は、このような問題に対応するために、後述する構成を有していて、処理システム100は、このような問題の発生を防止している。
【0035】
再び図1を参照すると、生成物除去装置200は、センサ400と制御装置500とを有する。図2を参照すると、センサ400は、一例として、真空ポンプ150の内部の温度を測定するための2つの温度センサ420a,420bを備える。温度センサ420a,420bは、一例として、熱電対である。なお、2つの温度センサ420a,420bは、真空ポンプ150の内部のガスの温度を測定して真空ポンプ150の内部の温度としてもよいし、真空ポンプ150を構成する部材の温度を測定して真空ポンプ150の内部の温度としてもよい。特に、2つの温度センサ420a,420bは、ケーシング168,178の温度をそれぞれ測定して真空ポンプ150の内部の温度とすることが好ましい。また、制御装置500は、少なくとも1つの温度センサ420a,420bが測定した温度から昇温速度を算出するように構成されている。さらに、制御装置500は、昇温速度が減少し始めたとき真空ポンプ150へのガスの供給が停止されるようにガス供給装置300を制御するように構成されている。なお、昇温速度Eは、一例として、以下の式で求められる。
E=(T2-T1)/Δt
ここで、T1は、ある時刻における測定温度であり、T2は、ある時刻のΔt秒後の測定温度である。
【0036】
次いで、生成物除去装置200が生成物を除去する際の動作について説明する。生成物除去装置200が動作を開始すると、まず、制御装置500は、プラズマ源310にフッ素ラジカルを生成させる。次いで、制御装置500は、バルブ330を開放させる。これにより、真空ポンプ150にフッ素ラジカルが供給され、真空ポンプ150の内部の生成物が除去される。このとき、制御装置500は、温度センサ420a,420bから真空ポンプ150の内部の温度を受信し、昇温速度を算出する。そして、昇温速度が減少し始めたとき、制御装置500は、バルブ330を制御し、ガス供給装置300に真空ポンプ150へのガスの供給を停止させる。なお、制御装置500は、プラズマ源310にプラズマ発生停止信号を送り、プラズマ源310にプラズマの発生を停止させることによって、ガス供給装置300に真空ポンプ150へのガスの供給を停止させてもよい。これにより、生成物除去装置200は、真空ポンプ150のオーバーエッチングによる腐食を抑止しながら、真空ポンプ150の内部に堆積した生成物を充分に除去することができる。その理由を以下に説明する。
【0037】
真空ポンプ150内の生成物は、フッ素ラジカルと反応することによって、反応熱が発生する。このため、真空ポンプ150内の生成物が減少すると、反応熱が減少し、真空ポンプ150の内部の昇温速度が減少する。つまり、真空ポンプ150内の生成物が充分に除去された場合、真空ポンプ150内の昇温速度が減少する。換言すると、真空ポンプ150の内部の昇温速度から、真空ポンプ150内の生成物の量が推定できる。
【0038】
このことから、制御装置500が、昇温速度が減少したことをトリガーとして、ガス供給装置300に真空ポンプ150へのガスの供給が停止させることで、生成物除去装置200は、真空ポンプ150のオーバーエッチングによる腐食を抑止しながら、真空ポンプ150の内部に堆積した生成物を充分に除去することができる。
【0039】
このように生成物除去装置200では、制御装置500は、温度センサ420a,420bが測定した温度自体ではなく、この温度から算出された昇温速度に基づいてガス供給装置300を制御しているが、この理由について説明する。図5は、生成物除去装置20
0の動作時における、真空ポンプ150内の時間と昇温速度の関係を示す図である。図6は、生成物除去装置200の動作時における、真空ポンプ150内の時間と温度の関係を示す図である。図5を参照すると、時刻tで昇温速度が減少し始めたている。そして、時刻tにおける昇温速度の減少がトリガーとなり、フッ素ラジカルの供給が停止される。ここで、図6を参照すると、フッ素ラジカルの供給が停止され反応熱が発生していないにも関わらず、時刻t以降の時刻でも、真空ポンプ150の内部の温度が上昇し続けていることがわかる。これは、反応熱が発生し無くなった後も、真空ポンプ150内部でガスが圧縮され、圧縮熱が発生しているためである。つまり。真空ポンプ150の内部の温度は、反応熱だけでなく、圧縮熱にも依存している。このため、真空ポンプ150の内部のある時刻における温度だけからは、真空ポンプ150の内部の生成物の量を推定することが困難である。つまり、ある時刻における温度のみに基づいて、フッ素ラジカルの停止が制御された場合、オーバーエッチングによる腐食が抑止されながら、真空ポンプ150の内部に堆積した生成物が充分に除去されない虞がある。よって、制御装置500は、一例として、温度自体ではなく昇温速度に基づいてガス供給装置300を制御している。
【0040】
また、図5及び図6に示される例では、昇温速度は正の値である。つまり、制御装置500は、昇温速度が正の値である場合に、昇温速度の減少をトリガーとして、フッ素ラジカルの供給を停止させている。しかしながら、本開示はこの例に限定されない。本開示に係る別の実施形態では、制御装置500は、昇温速度が負の値である場合に、昇温速度の減少をトリガーとして、フッ素ラジカルの供給を停止させてもよい。
【0041】
また、昇温速度が減少し始めた場合でも、一定量の生成物が真空ポンプ150の内部に残っている場合がある。このため、本開示に係る別の実施形態では、制御装置500は、ある閾値以上にある昇温速度が減少して、この閾値以下となったときに、真空ポンプ150へのフッ素ラジカルの供給が停止されるようにガス供給装置300を制御してもよい。換言すると、制御装置500は、昇温速度が所定値以上から以下に減少したときに、真空ポンプ150へのフッ素ラジカルの供給が停止されるようにガス供給装置300を制御するように構成されてもよい。真空ポンプ150内部の生成物が減少するにつれて、反応熱が減少し、昇温速度がさらに低下する。このため、昇温速度が所定値以上から以下に減少したときがトリガーとなって、真空ポンプ150へのフッ素ラジカルの供給が停止することによって、生成物除去装置200は、さらに多くの真空ポンプ150の内部に堆積した生成物を充分に除去することができる。
【0042】
なお、上記では、ガス供給装置300が、フッ素ラジカルを真空ポンプ150に供給する場合を例として説明したが、ハロゲン化水素、フッ素、塩素又は三フッ化塩素が真空ポンプ150に供給される場合でも、制御装置500が同じ制御を行うことで、同様の効果が得られる。
【0043】
再度図2を参照すると、温度センサ420aは、温度計測部422aを有している。また、温度センサ420bは、温度計測部422bを有している。温度計測部422aは、ルーツロータ164の回転を阻害しないように、ルーツロータ164とケーシング168との間の空間に配置されている。温度計測部422bは、ルーツロータ174の回転を阻害しないように、ルーツロータ174とケーシング178との間の空間に配置されている。これにより、温度センサ420a,420bは、ルーツロータ164,174の近傍のガス又はケーシング168,178の温度を測定できる。
【0044】
また、本開示の別の実施形態では、温度センサ420aの温度計測部422aは、下流側のルーツロータ164bの下流に配置されていて、この位置のガスの温度を測定している。温度センサ420bの温度計測部422bは、最も下流側のルーツロータ174eの下流に配置されていて、この位置のガスの温度を測定している。これにより、生成物除去
装置200は、ルーツロータ164b又はルーツロータ174eの下流側の昇温速度に基づいて、真空ポンプ150へのフッ素ラジカルの供給を停止する。また、ロータの下流側の温度は、ロータに堆積している生成物と、フッ素ラジカルとの反応熱の影響を大きく受ける。なぜなら、ロータに堆積している生成物とフッ素ラジカルとの反応熱によって温められた直後のガスが、ロータの下流側に流れ、ロータの下流側の温度に大きく影響を与えるためである。このため、ロータの下流側の温度から、ロータに堆積している生成物の量が推定できる。つまり、生成物除去装置200は、特にルーツロータ164b,164eのオーバーエッチングによる腐食を抑止しながら、ルーツロータ164b,164eに堆積した生成物を充分に除去することができる。その結果、生成物が、ルーツロータ164,174同士や、ルーツロータ164,174とケーシング168,178の内面との間の微小な隙間に堆積し、生成物がポンプロータ162,174の回転を妨げるといった問題がより確実に防止される。なお、本開示に係る別の実施形態では、温度計測部422aは、ルーツロータ164aの下流側に配置されてもよく、温度計測部422bは、ルーツロータ174a,174b,174c,174dの下流側に配置されてもよい。本開示に係るさらに別の実施形態では、温度計測部422a,422bは、真空ポンプ150のハウジング180の内側の任意の位置に配置されてもよい。
【0045】
また、本開示に係る別の実施形態では、センサ400が、生成物の膜厚を測定するための光学式膜厚計(膜厚計)440a,440bを備えていてもよい。図7は、センサ400が2つの光学式膜厚計440a,440bを備える場合の制御装置500と真空ポンプ150の構成を示すブロック図である。図7を参照すると、2つの光学式膜厚計440a,440bは、それぞれ、入射光ファイバー442a,442bと、受光ファイバー444a,444bとを有している。そして、受光ファイバー444a,444bは、それぞれ入射光ファイバー442a,442bが射出した光の反射光を受光することができるように構成されている。また、光学式膜厚計440a,440bは、既知の方法によって、受光ファイバー444a,444bが受光した反射光に基づいて、生成物の膜厚を求めるように構成されている。これにより、光学式膜厚計440は、真空ポンプ150内の生成物の膜厚を測定できる。
【0046】
なお、光学式膜厚計440a,440bは、真空ポンプ150内の流路上の任意の位置にある生成物の膜厚を測定するように構成されてもよい。しかしながら、光学式膜厚計440a,440bは、吸気配管182又はケーシング168,178に堆積した生成物の膜厚を測定するように構成されることが好ましい。光学式膜厚計440a,440bは、一般に測定面に対し垂直方向に入射及び反射した光から膜厚を求める方が、他の方向に入射及び反射した光から膜厚を求めるときよりも測定精度が向上する。吸気配管182やケーシング168,178は動くことがなく、且つ吸気配管182やケーシング168,178内には、入射光ファイバー442a,442b及び受光ファイバー444a,444bを配置するための充分なスペースがある。このため、受光ファイバー444a,444bが測定面に対し垂直方向に入射及び反射した光を受光できるように、入射光ファイバー442a,442b及び受光ファイバー444a,444bは、吸気配管182又はケーシング168,178内に配置されることができる。よって、光学式膜厚計440a,440bは、上記のように構成されることが好ましい。
【0047】
図7に係る実施形態では、制御装置500は、光学式膜厚計440a,440bの少なくとも一方が測定した生成物の膜厚が所定の厚さ以下になったときに、真空ポンプ150へのフッ素ラジカルの供給が停止されるようにガス供給装置300を制御するように構成されている。つまり、真空ポンプ150内の生成物の膜厚が所定の厚さ以下になったときに、フッ素ラジカルの真空ポンプ150への供給が停止される。このことから、真空ポンプ150のオーバーエッチングによる腐食が抑止される。
【0048】
また、本開示に係る別の実施形態では、図8に示されるように、センサ400が、真空ポンプ150の振動数を測定するための振動計測機450を備えていてもよい。この場合、制御装置500は、振動計測機450が測定した振動数が所定の範囲に収まったときに、真空ポンプ150へのフッ素ラジカルの供給が停止されるようにガス供給装置300を制御するように構成されている。制御装置500が、このような制御をすることで、真空ポンプ150のオーバーエッチングによる腐食を抑止される。その理由を説明する。
【0049】
真空ポンプ150の内部に生成物が堆積していない場合、真空ポンプ150は、安定して略一定の振動数で振動する。つまり、真空ポンプ150の振動数は、ある所定の範囲に収まっている。他方、生成物が真空ポンプ150内に堆積すると、ルーツロータ164,174の回転時に部品に堆積している生成物が部品間における擦れを引き起こす。これにより、真空ポンプ150は、内部に生成物が堆積していない場合の振動数と異なる振動数で振動する。つまり、真空ポンプ150の振動数は、前述の所定の範囲から外れる。換言すると、真空ポンプ150の振動数が所定の範囲に収まっている場合には、真空ポンプ150の内部の生成物が少なく、真空ポンプ150の振動数が所定の範囲から外れている場合には、真空ポンプ150の内部の生成物が多い。図8に係る実施形態では、振動計測機450が測定した振動数が所定の範囲に収まったときに、真空ポンプ150へのフッ素ラジカルの供給が停止される。このことから、真空ポンプ150のオーバーエッチングによる腐食が抑止される。なお、所定の範囲は、一例として、生成物が堆積していない場合の振動数の+5%から-5%の範囲であってもよい。
【0050】
なお、振動計測機450は、真空ポンプ150の任意の位置の振動を測定するように構成されていてもよい。例えば、振動計測機450は、ハウジング180、モータM1、モータM2の振動を測定してもよい。
【0051】
上述したように、図2に係る実施形態では、センサ400は、温度センサ420a,420bを備えている。図7に係る実施形態では、センサ400は、光学式膜厚計440a,440bを備えている。図8に係る実施形態では、センサ400は、振動計測機450を備えている。つまり、センサ400が単一の方式のセンサを備える例が開示されている。しかしながら、本開示は、このような例に限定されない。本開示に係る別の実施形態では、センサ400は、温度センサ420a,420bと、光学式膜厚計440a,440bと、振動計測機450とを必要に応じて、組み合わせて備えていてもよい。
【0052】
[付記]
上記の実施の形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0053】
(付記1)
付記1に係る生成物除去装置は、真空ポンプの内部の温度、前記真空ポンプ内の流路上の生成物の膜厚又は前記真空ポンプの振動数を測定するためのセンサと、前記真空ポンプに、ハロゲン化水素、フッ素、塩素、三フッ化塩素又はフッ素ラジカルを含むガスを供給するためのガス供給装置と、制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記センサが測定した前記温度から算出された昇温速度、前記膜厚又は前記振動数に基づいて、前記真空ポンプへの前記ガスの供給が停止されるように前記ガス供給装置を制御する。
【0054】
半導体処理装置に接続される真空ポンプの内部に、二酸化ケイ素(SiO)や炭化ケイ素(SiC)が堆積する場合がある。付記1に係る生成物除去装置は、真空ポンプにハロゲン化水素、フッ素、塩素、三フッ化塩素又はフッ素ラジカルを供給することができ、生成物と、ハロゲン化水素、フッ素、塩素、三フッ化塩素又はフッ素ラジカルとを反応させることによって、真空ポンプ内の生成物を除去できる。
【0055】
また、真空ポンプ内の生成物は、ハロゲン化水素、フッ素、塩素、三フッ化塩素又はフッ素ラジカルと反応することによって、反応熱が発生する。このため、真空ポンプ内の生成物が減少すると、反応熱が減少し、真空ポンプの内部の昇温速度が減少する。つまり、真空ポンプの内部の昇温速度から、真空ポンプ内の生成物の量が推定できる。
【0056】
また、生成物が、真空ポンプ内に堆積すると、ロータの回転時に部品に堆積している生成物が部品間における擦れを引き起こす。これにより、ロータの回転が阻害され、真空ポンプの振動数が変化する。他方、生成物が真空ポンプから除去されると、擦れが解消され真空ポンプの振動数が、もとの値(生成物が真空ポンプ内に堆積していないときの振動数の値)に戻る。このため、真空ポンプの振動数から、真空ポンプ内の生成物の量が推定できる。
【0057】
付記1に係る生成物除去装置は、真空ポンプの内部の温度、前記真空ポンプ内の流路上の生成物の膜厚又は前記真空ポンプの振動数に基づいて、ハロゲン化水素、フッ素、塩素、三フッ化塩素又はフッ素ラジカルを含むガスの真空ポンプへの供給が停止されるように構成されている。つまり、この生成物除去装置は、直接測定された生成物の膜厚又は推定された生成物の量に基づいて、真空ポンプへの、ハロゲン化水素、フッ素、塩素、三フッ化塩素又はフッ素ラジカルを含むガスの提供を停止できる。その結果、ハロゲン化水素、フッ素、塩素、三フッ化塩素又はフッ素ラジカルが、真空ポンプをオーバーエッチングすることが防止される。つまり、この生成物除去装置は、真空ポンプのオーバーエッチングによる腐食を抑止しながら、真空ポンプの内部に堆積した生成物を充分に除去することができる。
【0058】
(付記2)
付記2に係る生成物除去装置では、付記1に記載の生成物除去装置において、前記センサは、前記真空ポンプの内部の前記温度を測定するための温度センサを備え、前記制御装置は、前記センサが測定した前記温度から前記昇温速度を算出し、前記昇温速度が減少し始めたとき又は前記昇温速度が所定の昇温速度以上から以下になったときに、前記真空ポンプへの前記ガスの供給が停止されるように前記ガス供給装置を制御する。
【0059】
真空ポンプ内の生成物が充分に除去され、生成物と、ハロゲン化水素、フッ素、塩素、三フッ化塩素又はフッ素ラジカルとの反応が終了すると、反応熱の発生が消失する。これにより、真空ポンプ内の温度上昇に使用されるエネルギーが減少する。その結果、昇温速度が減少する。付記2に係る生成物除去装置は、昇温速度が減少し始めたとき又は昇温速度が所定の昇温速度以上から以下になったときに、ハロゲン化水素、フッ素、塩素、三フッ化塩素又はフッ素ラジカルの真空ポンプへの供給を停止する。つまり、この生成物除去装置では、真空ポンプ内の生成物が充分に除去されたときには、ハロゲン化水素、フッ素、塩素、三フッ化塩素又はフッ素ラジカルの真空ポンプへの供給が停止している。このことから、この生成物除去装置は、真空ポンプのオーバーエッチングによる腐食を抑止できる。
【0060】
(付記3)
付記3に係る生成物除去装置では、付記2に記載の生成物除去装置において、前記温度センサは、前記真空ポンプのロータの下流側に配置されるための温度計測部を有する。
【0061】
ロータの下流側の温度は、ロータに堆積している生成物と、ハロゲン化水素、フッ素、塩素、三フッ化塩素又はフッ素ラジカルとの反応熱の影響を受ける。このため、ロータの下流側の温度から、ロータに堆積している生成物の量が推定できる。また、付記3に係る生成物除去装置は、ロータの下流側に基づいて、真空ポンプへのハロゲン化水素、フッ素
、塩素、三フッ化塩素又はフッ素ラジカルの供給を停止させる。このため、この生成物除去装置は、特に真空ポンプのロータのオーバーエッチングによる腐食を抑止しながら、ロータに堆積した生成物を充分に除去することができる。
【0062】
(付記4)
付記4に係る生成物除去装置では、付記1から3のいずれか1項に記載の生成物除去装置において、前記センサは、前記真空ポンプ内の流路上の生成物の膜厚を測定するための膜厚計を備え、前記制御装置は、膜厚計が測定した前記膜厚が所定の厚さ以下になったときに、前記真空ポンプへの前記ガスの供給が停止されるように前記ガス供給装置を制御する。
【0063】
付記4に係る生成物除去装置は、真空ポンプ内の生成物の膜厚が所定の厚さ以下になったときに、ハロゲン化水素、フッ素、塩素、三フッ化塩素又はフッ素ラジカルの真空ポンプへの供給を停止する。このことから、この生成物除去装置は、真空ポンプのオーバーエッチングによる腐食を抑止できる。
【0064】
(付記5)
付記5に係る生成物除去装置では、付記4に記載の生成物除去装置において、前記膜厚計は、光学式膜厚計であり、前記光学式膜厚計は、光を射出するための入射光ファイバーと、前記光が反射した反射光を受光するための受光ファイバーとを有し、前記受光ファイバーが受光した前記反射光に基づいて、前記膜厚を求めるように構成されている。
【0065】
付記5に係る生成物除去装置は、光を用いて、真空ポンプ内の生成物の膜厚を測定できる。
【0066】
(付記6)
付記6に係る生成物除去装置では、付記1から5のいずれか1項に記載の生成物除去装置において、前記センサは、前記真空ポンプの振動数を測定するための振動計測機を備え、前記制御装置は、前記振動計測機が測定した前記振動数が所定の範囲に収まったときに、前記真空ポンプへの前記ガスの供給が停止されるように前記ガス供給装置を制御する。
【0067】
付記6に係る生成物除去装置は、真空ポンプの振動数が所定の範囲に収まったときに、ハロゲン化水素、フッ素、塩素、三フッ化塩素又はフッ素ラジカルの真空ポンプへの供給を停止する。上述したように、生成物が真空ポンプから除去されると、擦れが解消され真空ポンプの振動数がもとの値に戻る。その結果、真空ポンプの振動数が、所定の範囲に収まる。このことから、この生成物除去装置では、生成物の量が減少すると、ハロゲン化水素、フッ素、塩素、三フッ化塩素又はフッ素ラジカルが、真空ポンプに供給されない。つまり、この生成物除去装置は、真空ポンプのオーバーエッチングによる腐食を抑止できる。
【0068】
(付記7)
付記7に係る生成物除去装置では、付記1から6のいずれか1項に記載の生成物除去装置において、前記ガス供給装置は、前記真空ポンプへ供給される前記ガスの流量を調整するためのバルブを有し、前記真空ポンプへの前記ガスの供給を停止するために、前記制御装置は前記バルブを制御する。
【0069】
付記7に係る生成物除去装置は、制御装置がバルブを制御することにより、真空ポンプへのガスの供給を停止できる。
【0070】
(付記8)
付記8に係る生成物除去装置では、付記1から7のいずれか1項に記載の生成物除去装置において、前記ガス供給装置は、前記フッ素ラジカルを生成するためのプラズマ源を備える。
【0071】
付記8に係る生成物除去装置によれば、プラズマ源がフッ素ラジカルを生成できる。
【0072】
(付記9)
付記9に係る生成物除去装置では、付記8に記載の生成物除去装置において、前記プラズマ源は、三フッ化窒素、六フッ化硫黄又は四フッ化炭素から、前記フッ素ラジカルを生成するように構成されている。
【0073】
付記9に係る生成物除去装置によれば、プラズマ源は、三フッ化窒素、六フッ化硫黄又は四フッ化炭素から、フッ素ラジカルを生成できる。
【0074】
(付記10)
付記10に係る生成物除去装置では、付記8又は9に記載の生成物除去装置において、前記ガス供給装置は、前記プラズマ源の下流側に位置するレデューサであって、前記プラズマ源の内部の圧力を10Torr以上に保つように構成されたレデューサを備える。
【0075】
真空ポンプとプラズマ源との間に、圧力制御を行うレデューサが存在しない場合、真空ポンプがガスを吸気するときに、プラズマ源の内部の圧力が、レデューサが存在する場合よりも低下してしまう。そして、プラズマ源の内部の圧力が下がりすぎた場合には、プラズマ源はプラズマを発生させられなくなってしまう場合がある。付記10に係る生成物除去装置は、プラズマ源の内部の圧力を10Torr以上に保つように構成されたレデューサを備えている。これにより、真空ポンプがガスを吸気している場合でも、プラズマ源は、プラズマを安定して発生させることができる。
【0076】
(付記11)
付記11に係る生成物除去装置では、付記8から10のいずれか1項に記載の生成物除去装置において、前記ガス供給装置は、前記プラズマ源の下流に位置し、酸化アルミニウムコーティング又は絶縁コーティングされた配管を備える。
【0077】
付記11に係る生成物除去装置によれば、フッ素ラジカルが流れる配管が酸化アルミニウムコーティング又は絶縁コーティングされている。これにより、フッ素ラジカルは、酸化アルミニウムコーティング又は絶縁コーティングされていない配管を流れる場合よりも失活を抑止される。
【0078】
(付記12)
付記12に係る処理システムは、チャンバと、前記真空ポンプと、前記チャンバを前記真空ポンプに接続するための配管と、前記配管に接続された、付記1から11のいずれか1項に記載の生成物除去装置と、を備える。
【0079】
付記12に係る処理システムは、付記1の生成物除去装置と同様に、真空ポンプのオーバーエッチングによる腐食を抑止しながら、真空ポンプの内部に堆積した生成物を充分に除去することができる。
【0080】
(付記13)
付記13に係る処理システムは、付記12に記載の処理システムにおいて、前記真空ポンプの下流に位置する除害装置をさらに備える。
【0081】
付記13に係る処理システムは、除害装置を使用して、真空ポンプから除害装置に供給されるガスの無害化処理をできる。
【0082】
(付記14)
付記14に係る生成物除去方法は、真空ポンプに、ハロゲン化水素、フッ素、塩素、三フッ化塩素又はフッ素ラジカルを含むガスを供給する工程と、前記真空ポンプの内部の温度、前記真空ポンプ内の流路の生成物の膜厚又は前記真空ポンプの振動数を測定する工程と、前記温度から算出された昇温速度、前記膜厚又は前記振動数に基づいて、前記真空ポンプへの前記ガスの供給を停止する、工程と、を有する。
【0083】
付記14に係る生成物除去方法は、付記1の生成物除去装置と同様に、真空ポンプのオーバーエッチングによる腐食を抑止しながら、真空ポンプ内の流路に堆積した生成物を充分に除去することができる。
【0084】
以上、本発明の実施形態とそれに係る各変形例について説明したが、上述した各例は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではないことは言うまでもない。本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更、改良することができ、本発明にその等価物は含まれる。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲及び明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、又は省略が可能である。
【符号の説明】
【0085】
100:処理システム
110:半導体処理装置
112:チャンバ
120:除害装置
150:真空ポンプ
160:第1の真空ポンプ
164:ルーツロータ
170:第2の真空ポンプ
174:ルーツロータ
200:生成物除去装置
300:ガス供給装置
310:プラズマ源
320:レデューサ
330:バルブ
340:配管
360:ガス供給装置
400:センサ
420a,420b:温度センサ
422a,422b:温度計測部
440a,440b:光学式膜厚計
442a,442b:入射光ファイバー
444a,444b:受光ファイバー
450:振動計測機
500:制御装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8