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特許7374208ポリアミド系繊維およびその製造方法ならびに繊維構造体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-26
(45)【発行日】2023-11-06
(54)【発明の名称】ポリアミド系繊維およびその製造方法ならびに繊維構造体
(51)【国際特許分類】
   D01F 6/90 20060101AFI20231027BHJP
   C08L 77/00 20060101ALI20231027BHJP
【FI】
D01F6/90 311A
C08L77/00
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021556133
(86)(22)【出願日】2020-11-11
(86)【国際出願番号】 JP2020042138
(87)【国際公開番号】W WO2021095783
(87)【国際公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-05-12
(31)【優先権主張番号】P 2019206559
(32)【優先日】2019-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001085
【氏名又は名称】株式会社クラレ
(74)【代理人】
【識別番号】100087941
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100112829
【弁理士】
【氏名又は名称】堤 健郎
(74)【代理人】
【識別番号】100142608
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 由佳
(74)【代理人】
【識別番号】100154771
【弁理士】
【氏名又は名称】中田 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100213470
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 真二
(72)【発明者】
【氏名】大賀 大介
(72)【発明者】
【氏名】中塚 均
(72)【発明者】
【氏名】河角 慎也
(72)【発明者】
【氏名】池田 貴志
(72)【発明者】
【氏名】小野木 祥玄
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 康平
【審査官】印出 亮太
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04142031(US,A)
【文献】特開昭49-001016(JP,A)
【文献】特開平01-229810(JP,A)
【文献】国際公開第2017/146018(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D01F 1/00 - 9/04
C08K 3/00 - 13/08
C08L 1/00 - 101/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリアミド系樹脂とアミノ基含有発色改良剤とで構成されたポリアミド系樹脂組成物から形成され、末端アミノ基濃度が5.0~40.0μeq/gである、ポリアミド系繊維であって、前記アミノ基含有発色改良剤がポリアミドオリゴマーで構成され、前記ポリアミド系樹脂と前記アミノ基含有発色改良剤との質量比が、前者/後者として、98/2~70/30である、ポリアミド系繊維
【請求項2】
請求項1のポリアミド系繊維において、前記ポリアミド系樹脂が、炭素数1~22の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪族炭化水素基を含む繰り返し単位を有するポリアミド系樹脂で構成される、ポリアミド系繊維。
【請求項3】
請求項1または2のポリアミド系繊維において、前記ポリアミド系樹脂がポリアミド系エラストマーを含む、ポリアミド系繊維。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項のポリアミド系繊維において、ポリアミドオリゴマーがポリアミド6オリゴマー、ポリアミド4/6オリゴマー、ポリアミド6/6オリゴマー、ポリアミド6/10オリゴマー、ポリアミド6/11オリゴマー、ポリアミド6/12オリゴマー、ポリアミド9オリゴマー、ポリアミド10オリゴマー、ポリアミド11オリゴマー、および/またはポリアミド12オリゴマーで構成される、ポリアミド系繊維。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項のポリアミド系繊維において、ポリアミドオリゴマーの数平均分子量が500~10000である、ポリアミド系繊維。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項のポリアミド系繊維において、アミノ基含有発色改良剤の末端アミノ基濃度が100~2000μeq/gである、ポリアミド系繊維。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項のポリアミド系繊維において、ポリアミドオリゴマー中の繰り返し単位の炭化水素基は、その炭素数が、ポリアミド系樹脂の繰り返し単位中の単素数±3の範囲内である、ポリアミド系繊維。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項のポリアミド系繊維において、示差走査熱量測定で得られたDSC曲線が示す融解ピークの形状がシングルピークである、ポリアミド系繊維。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項のポリアミド系繊維を含む、繊維構造体。
【請求項10】
請求項1から8のいずれか一項のポリアミド系繊維を製造する方法であって、ポリアミド系樹脂とアミノ基含有発色改良剤とで構成されたポリアミド系樹脂組成物を溶融混練し、所定の溶融粘度の溶融物を得る溶融混錬工程と、溶融混錬物を紡糸して繊維化する紡糸工程とを少なくとも備える、製造方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本願は、日本国で2019年11月14日に出願した特願2019-206559の優先権を主張するものであり、その全体を参照により本出願の一部をなすものとして引用する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、発色性に優れるポリアミド系繊維およびその製造方法ならびに繊維構造体に関する。
【背景技術】
【0003】
ポリアミド系樹脂は分子鎖内にアミド結合(‐CONH‐)を繰り返し単位として有する結晶性線状高分子である。耐薬品性、耐寒性などに優れるグレードの樹脂として、ポリアミド9、ポリアミド10、ポリアミド11、ポリアミド12などが存在し、伸縮性を有するグレードの樹脂としては、ポリアミドエラストマーなどが存在している。
【0004】
ポリアミド系樹脂のグレードの中には染色性の改良を課題とする樹脂があり、例えば、特許文献1(国際公開第2017/146018号)には、染色性及び染色堅牢性の改良を目的として、ポリアミドエラストマーと亜リン酸化合物とを含むポリアミドエラストマー組成物であり、前記ポリアミドエラストマーに対する亜リン酸化合物の含有率が0.02質量%以上0.15質量%以下であり、前記ポリアミドエラストマーの末端アミノ基濃度が2.0×10-5eq/g以上である、ポリアミドエラストマー組成物が開示されている。このポリアミドエラストマー組成物は、成形体、繊維、衣料用ボタン、線ファスナーなどとして用いられる。
【0005】
また、特許文献2(特開2010-189773号公報)には、ポリアミド系エラストマーを含有する成分とポリエステル系樹脂を含有する成分との2成分分割型構造を有するコンジュゲート繊維であって、繊維中の前記ポリアミド系エラストマーの含有率が40~80重量%であることを特徴とするコンジュゲート繊維が開示されている。このコンジュゲート繊維は、優れた染色性を有し、かつ、接触冷感及び肌触りが良好な生地を得ることができる。
【0006】
【文献】国際公開第2017/146018号
【文献】特開2010-189773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1のポリアミドエラストマー組成物では、染色性や染色堅牢度を改善するため、溶融重合時に亜リン酸化合物の添加や末端アミン基の調整が必要となり、ポリアミドエラストマー繊維の特徴である風合いが低減するだけでなく、紡糸性の悪化やプロセスの複雑化によるコスト高に影響している。また、特許文献2では、ポリエステルと複合して染色性を得ているが、ポリアミドエラストマーの特徴である風合いや機能性(柔軟性、耐加水分解性など)が損なわれるといった問題がある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、発色性に優れるとともに、ポリアミド系樹脂の特性を損なうことなく利用することができるポリアミド系繊維およびその製造方法ならびに繊維構造体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者等は上記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、繊維化するためのポリアミド系樹脂に対して、アミノ基含有発色改良剤を組み合わせて樹脂組成物とし、このアミノ基含有発色改良剤を利用して繊維中に存在する末端アミノ基濃度を特定の値にすることにより、発色性に優れるとともに、ポリアミド系樹脂の特性を維持したポリアミド系繊維を得ることができることを見出し、本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明は、以下の態様で構成されうる。
〔態様1〕
ポリアミド系樹脂とアミノ基含有発色改良剤とで構成されたポリアミド系樹脂組成物(ポリアミド系樹脂とアミノ基含有発色改良剤とを含むポリアミド系樹脂組成物)から形成され、末端アミノ基濃度が5.0~40.0μeq/g(好ましくは10.0~35.0μeq/g、より好ましくは12.0~30.0μeq/g)である、ポリアミド系繊維。
〔態様2〕
態様1のポリアミド系繊維において、前記ポリアミド系樹脂が、炭素数1~22の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪族炭化水素基を含む繰り返し単位を有するポリアミド系樹脂で構成される、ポリアミド系繊維。
〔態様3〕
態様1または2のポリアミド系繊維において、前記ポリアミド系樹脂がポリアミド系エラストマーを含む、ポリアミド系繊維。
〔態様4〕
態様1から3のいずれか一態様のポリアミド系繊維において、アミノ基含有発色改良剤がポリアミドオリゴマーで構成される(アミノ基含有発色改良剤がポリアミドオリゴマーを含む)、ポリアミド系繊維。
〔態様5〕
態様4のポリアミド系繊維において、ポリアミドオリゴマーの数平均分子量が500~10000(好ましくは500~9000、より好ましくは1000~6000)である、ポリアミド系繊維。
〔態様6〕
態様1から5のいずれか一態様のポリアミド系繊維において、アミノ基含有発色改良剤の末端アミノ基濃度が100~2000μeq/g(好ましくは125~2000μeq/g、より好ましくは200~1000μeq/g)である、ポリアミド系繊維。
〔態様7〕
態様1から6のいずれか一態様のポリアミド系繊維において、ポリアミド系樹脂とアミノ基含有発色改良剤との質量比が、前者/後者として、99/1~70/30(好ましくは98/2~75/25、より好ましくは95/5~80/20)である、ポリアミド系繊維。
〔態様8〕
態様1から7のいずれか一態様のポリアミド系繊維において、示差走査熱量測定で得られたDSC曲線が示す融解ピークの形状がシングルピークである、ポリアミド系繊維。
〔態様9〕
態様1から8のいずれか一態様のポリアミド系繊維を含む、繊維構造体。
〔態様10〕
態様1から8のいずれか一態様のポリアミド系繊維を製造する方法であって、ポリアミド系樹脂とアミノ基含有発色改良剤とで構成されたポリアミド系樹脂組成物を溶融混練し、所定の溶融粘度の溶融物を得る溶融混錬工程と、溶融混錬物を紡糸して繊維化する紡糸工程とを少なくとも備える、製造方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明のポリアミド系繊維は、アミノ基含有発色改良剤により末端アミノ基濃度を特定の値に制御することにより、ポリアミド系繊維を構成するポリアミド系樹脂の特徴を生かしつつ、繊維の発色性を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のポリアミド系繊維は、ポリアミド系樹脂とアミノ基含有発色改良剤とで構成されたポリアミド系樹脂組成物から紡糸される。
【0013】
(ポリアミド系樹脂)
ポリアミド系樹脂は、アミド結合を介して、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基が連なる繰り返し単位を少なくとも有しており、例えば、下記式(1)~(3)であらわされる繰り返し単位のいずれかを少なくとも有している。
【0014】
-NH-R1-NH- (1)
-CO-(R2)-CO- (2)
-NH-R3-CO- (3)
【0015】
ここで、R1,R2,R3は、同一または異なって、炭素数1~22の炭化水素基であり、mは0または1の整数である。
【0016】
式(1)は、ジアミン化合物に由来する繰り返し単位であり、式(2)はジカルボン酸化合物に由来する繰り返し単位であり、式(3)はラクタムまたはωアミノカルボン酸に由来する繰り返し単位である。
【0017】
炭素数1~22の炭化水素基としては、例えば、炭素数1~22(好ましくは6~20、より好ましくは9~18)の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数6~22(好ましくは6~20、より好ましくは6~18)の直鎖または分岐鎖の飽和脂環式炭化水素基、炭素数6~22(好ましくは6~20、より好ましくは6~18)の直鎖または分岐鎖の芳香族炭化水素基などがあげられる。これらの炭化水素基には、本発明の効果を阻害しない範囲で、置換基が存在していてもよい。
【0018】
これらのうち、紡糸性の観点からは、炭素数2~22の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪族炭化水素基を含む繰り返し単位を有するポリアミド系樹脂が好ましく、特に高機能を付与する観点からは、炭素数6~20(好ましくは9~18)の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪族炭化水素基を含む繰り返し単位を有するポリアミド系樹脂が好ましい。
【0019】
好ましいポリアミド系樹脂としては、ポリアミド6、ポリアミド6/6、ポリアミド6/10、ポリアミド6/11、ポリアミド6/12、ポリアミド9、ポリアミド10、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミドMXD6などが挙げられる。
【0020】
耐薬品性、耐寒性などに優れる高機能性ポリアミド系樹脂としては、ポリアミド9、ポリアミド10、ポリアミド11、ポリアミド12などの炭素数が長いCH基を有するポリアミド系樹脂(脂肪族ポリアミド系樹脂)が好ましい。
【0021】
ポリアミド系樹脂は、非エラストマーだけでなく、ポリアミド系エラストマーを含んでいてもよい。ポリアミド系エラストマーは繊維に独自の風合いを付与できるため好ましい。
【0022】
ポリアミド系エラストマーは、前記ポリアミド系樹脂成分をハードセグメントとし、ポリエーテルブロックまたはポリエステルブロックをソフトセグメントとして構成されるポリエーテルブロックポリアミド、ポリエステルブロックポリアミド、ポリエステルエーテルブロックポリアミドであってもよい。
【0023】
ポリエーテルブロックとしては、炭素数2~10の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪族ポリエーテルであってもよく、好ましくは、エーテル結合間に2~6個の炭素を有するセグメント、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリペンタメチレングリコールおよびポリヘキサメチレングリコールなどであってもよい。
【0024】
紡糸性を有する限り特に限定されないが、ハードセグメントとソフトセグメントとの割合(質量比)は、例えば、50/50~95/5程度であってもよく、好ましくは60/30~92/8程度、より好ましくは70/30~90/10程度であってもよい。
【0025】
ポリアミド系エラストマーは、例えば、炭素数6~22の脂肪族ポリアミドをハードセグメントとして有していてもよく、好ましくは素数9~20の脂肪族ポリアミドをハードセグメントとして有していてもよい。ここで、脂肪族ポリアミドとは、上述した式(1)~(3)の繰り返し単位中の炭化水素基が飽和脂肪族炭化水素基であるポリアミドを意味している。
【0026】
具体的には、例えば、ハードセグメントとして、ポリアミド6、ポリアミド6/6、ポリアミド6/11、ポリアミド6/12、ポリアミド9、ポリアミド11、またはポリアミド12などをハードセグメントとし、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどをソフトセグメントとして有するポリエーテルブロックポリアミドであってもよい。
【0027】
(アミノ基含有発色改良剤)
アミノ基含有発色改良剤は、少なくともアミノ基を有しており、ポリアミド系樹脂とともに用いられ、ポリアミド系繊維に対して所定の末端アミノ基濃度を付与することができる。アミノ基含有発色改良剤は、その末端アミノ基濃度が、例えば、100~2000μeq/gであってもよく、好ましくは、125~2000μeq/g、より好ましくは、200~1000μeq/gであってもよい。
【0028】
アミノ基含有発色改良剤は、ポリアミド系繊維において発揮されるポリアミド系樹脂の特性を損なわない範囲であれば、アミノ基含有発色改良剤の種類に応じて適当な割合で組み合わせることができる。例えば、ポリアミド系樹脂とアミノ基含有発色改良剤との質量比は、発色性および相溶性の観点から、例えば、前者/後者として、99/1~70/30であってもよく、好ましくは98/2~75/25、より好ましくは95/5~80/20であってもよい。
【0029】
なお、ポリアミド系繊維(特にポリアミド系エラストマー繊維)中におけるポリアミド系樹脂(特にポリアミド系エラストマー樹脂)の割合は、例えば、70~99質量%であってもよく、好ましくは75~98質量%、より好ましくは80~95質量%であってもよい。
【0030】
アミノ基含有発色改良剤としては、ポリアミド系樹脂の特徴を損なわずに、ポリアミド系繊維の発色性を向上させる観点から、ポリアミドオリゴマー、多岐アミンなどのアミノ基含有化合物が挙げられる。
【0031】
ポリアミドオリゴマーは、ポリアミド系樹脂において記載した式(1)~(3)であらわされる繰り返し単位のいずれかで構成されているのが好ましい。式(1)~(3)であらわされる繰り返し単位で用いられる炭素数1~22の炭化水素基としては、例えば、炭素数1~22(好ましくは6~20、より好ましくは9~18)の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数6~22(好ましくは6~20、より好ましくは6~18)の直鎖または分岐鎖の飽和脂環式炭化水素基、炭素数6~22(好ましくは6~20、より好ましくは6~18)の直鎖または分岐鎖の芳香族炭化水素基などがあげられる。これらの炭化水素基には、本発明の効果を阻害しない範囲で、置換基が存在していてもよい。
【0032】
好ましいポリアミドオリゴマーとしては、ポリアミド6オリゴマー、ポリアミド4/6オリゴマー、ポリアミド6/6オリゴマー、ポリアミド6/10オリゴマー、ポリアミド6/11オリゴマー、ポリアミド6/12オリゴマー、ポリアミド9オリゴマー、ポリアミド10オリゴマー、ポリアミド11オリゴマー、ポリアミド12オリゴマーなどが挙げられる。
【0033】
ポリアミド系樹脂との相溶性の観点から、ポリアミドオリゴマーとポリアミド系樹脂の繰り返し単位の炭化水素基は同程度の単素数を有するのが好ましく、例えば、ポリアミドオリゴマー中の繰り返し単位の炭化水素基は、その炭素数が、ポリアミド系樹脂の繰り返し単位中の単素数±3の範囲内であってもよく、好ましくはポリアミド系樹脂の繰り返し単位中の単素数±2の範囲内、より好ましくはポリアミド系樹脂の繰り返し単位中の単素数±1の範囲内であってもよい。なお、ポリアミド系樹脂がポリアミド系エラストマーである場合、ハードセグメント中のポリアミド系樹脂成分の繰り返し単位の炭化水素基が、上述する関係を有しているのが好ましい。
【0034】
ポリアミドオリゴマーの数平均分子量は、例えば、500~10000であってもよく、好ましくは500~9000、より好ましくは1000~6000であってもよい。ここで、ポリアミドオリゴマーの分子量は、後述する実施例に記載された方法により測定される値である。
【0035】
また、多岐アミンは、単量体や重合体に制限されず3~12のアミノ基を有する構造を有するものであり、直鎖の脂肪族、脂環式または芳香族の多岐アミン(ジアミン、トリアミン、テトラアミン等)であってもよい。
【0036】
本発明で用いられるポリアミド系樹脂組成物は、必要に応じて、通常使用されている各種添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、着色剤(例えば着色顔料)、平滑剤、可塑剤、抗菌剤、防かび剤および消臭剤などの添加剤が挙げられる。本発明で用いられるポリアミド系樹脂組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で他の熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。
【0037】
本発明で用いられるポリアミド系樹脂組成物は、繊維化を良好にする観点から、240℃における溶融粘度が、600~3000poiseであることが好ましい。該溶融粘度が3000poiseを超える場合には繊維化時の高速紡糸性が低下する場合がある。また、600poise未満となる場合には紡糸中に断糸しやすく生産性が乏しくなる場合があり、得られた繊維の強度も低いものとなる場合がある。ポリアミド系樹脂組成物の溶融粘度は、より好ましくは800~2000pоiseである。
【0038】
また、本発明で用いられるポリアミド系樹脂組成物は、ポリアミド系樹脂と、アミノ基含有発色改良剤との相溶性が良好であるのが好ましく、例えば、ポリアミド系樹脂組成物(ポリアミド系繊維)は、示差走査熱量測定(DSC)されたDSC曲線が示す融解ピークの形状がシングルピークであることが好ましい。
なお、融解ピークの形状がシングルピークか否かは、DSC曲線を微分したDDSC曲線を調べることで判定することができる。DDSC曲線とは、DSC曲線を時間で一次微分した曲線であり、DSC曲線の傾きを示す。そのため、DSC曲線の傾きがゼロになる時にDDSC曲線の値がゼロとなることから、DSC曲線における極大値や極小値ではDDSC曲線の値がゼロとなる。すなわち、DSC曲線が示す融解ピークにおいて、DDSC曲線の値がゼロとなる点が一点のみである時、融解ピークの形状がシングルピークであると判断することができる。
【0039】
本発明のポリアミド系繊維は、紡糸が可能である限り、公知の方法で得ることができ、例えば、ポリアミド系樹脂組成物の溶融紡糸により紡糸してもよい。溶融紡糸としては、紡糸・延伸法、直延伸法、POY(partially oriented yarn)-DTY(draw-textured yarn)法などが挙げられる。または、ポリアミド系樹脂組成物をメルトブロー法、エレクトロスピニング法などにより繊維化してもよい。
【0040】
例えば、ポリアミド系繊維の製造方法は、ポリアミド系樹脂組成物を溶融混練し、所定の溶融粘度の溶融物を得る溶融混錬工程と、溶融混錬物を紡糸して繊維化する紡糸工程とを備えていてもよい。
【0041】
例えば、溶融混錬工程では、ポリアミド系樹脂にアミノ基含有発色改良剤を添加して溶融混錬を行ってもよいし、一旦、アミノ基含有発色改良剤を含有したポリアミド系樹脂組成物(マスターバッチ)を形成し、さらにポリアミド系樹脂とマスターバッチとを混練し、溶融紡糸することにより繊維化を行ってもよい。
【0042】
また、紡糸工程では、アミノ基含有発色改良剤を利用することにより、ポリアミド系樹脂組成物の溶融粘度を紡糸に適した粘度に調節することができ、ポリアミド系樹脂単独で紡糸する場合よりも紡糸性を向上することが可能である。
【0043】
また、本発明のポリアミド系繊維は発色性に優れているため、得られた繊維の染色工程をさらに含んでいてもよい。染色工程は、用いる染色剤に応じて、公知の方法によりおこなうことができる。
【0044】
染色剤としては、酸性染料、酸性媒染染料、金属錯塩酸性染料、分散染料などが挙げられる。これらのうち、発色性および紡糸性の観点から、酸性染料、酸性媒染染料、金属錯塩酸性染料が好ましい。
【0045】
酸性染料は、スルホン酸基、カルボキシル基、ヒドロキシ基等を可溶性基として含有する染料であり、アゾ系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、酸素アントラセン系、フタロシアニン系、インジゴイド系、ニトロソ基系及びピラゾロン系などの酸性染料が挙げられる。
【0046】
酸性媒染染料は、酸性染料による発色性を有しつつ、主として金属錯塩化(例えば、クロム原子との配位結合)ができる染料であり、アゾ系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、酸素アントラセン系、フタロシアニン系、インジゴイド系、ニトロソ基系及びピラゾロン系などの酸性媒染染料が挙げられる。
【0047】
金属錯塩酸性染料は、1個の金属原子と染料1分子が結合した1:1型染料と、1個の金属原子に染料2分子が結合した1:2型染料に大別され、アゾ系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、酸素アントラセン系、フタロシアニン系、インジゴイド系、ニトロソ基系及びピラゾロン系などの金属錯塩酸性染料が挙げられる。
【0048】
(ポリアミド系繊維)
本発明のポリアミド系繊維は、その末端アミノ基濃度が5.0~40.0μeq/gであり、好ましくは10.0~35.0μeq/g、より好ましくは12.0~30.0μeq/gであってもよい。ポリアミド系繊維では、アミノ基含有発色改良剤を利用して繊維中に存在する末端アミノ基濃度を増やすことができる。一方、アミノ基含有発色改良剤の添加量が多すぎる場合などにより、末端アミノ基濃度が上記上限値を超えると、ポリアミド系樹脂が有する特性(例えば、洗濯堅牢度など)が劣る場合がある。
【0049】
本発明のポリアミド系繊維は、モノフィラメントであってもよく、マルチフィラメントであってもよい。また、複合繊維(例えば、芯鞘型、海島型、サイドバイサイド型など)であってもよいが、非複合繊維であっても良好な発色性を発揮することができる。
【0050】
本発明のポリアミド系繊維の断面形状は、公知または慣用の形状であればよく、中実断面形状である円形断面であってもよく、異形断面(例えば、偏平状、楕円状、三角形などの多角形断面)であってもよい。また、中空断面形状などであってもよい。
【0051】
本発明のポリアミド系繊維の繊度は特に限定されず、用途に応じて、例えば単繊維繊度が0.1~1000dtex程度、好ましくは1~100dtex、より好ましくは2~50dtexの範囲であってもよい。例えば、布帛に用いる場合、単繊維繊度が1~10dtexであってもよく、1~5dtexであってもよい。
【0052】
本発明のポリアミド系繊維は、室温における繊維強度が1.0cN/dtex以上、例えば1.0~10cN/dtexであることが好ましく、2.0~10cN/dtex以上であることがより好ましい。ここで繊維強度は、JIS L 1013試験法に準拠して測定される値である。
【0053】
本発明のポリアミド系繊維は、発色性に優れており、特に、濃紺、濃茶、黒色などの濃色染めにおける発色性に優れている。本発明のポリアミド系繊維は、例えば、濃色染めにおけるL*値が20以下であってもよく、好ましくは19以下、より好ましくは18以下であってもよい。なお、L*値は、後述する実施例に記載された方法により測定される値である。
【0054】
また、本発明のポリアミド系繊維は、洗濯堅牢度についても良好であり、例えば、JIS L 0844に定義される洗濯堅牢度試験において、4級以上を示すことができる。
【0055】
また、本発明のポリアミド系繊維は、耐光堅牢度についても良好であり、例えば、JIS L 0842に定義される耐光堅牢度試験において、3級以上を示すことができる。
【0056】
本発明のポリアミド系繊維が、ベース樹脂をポリアミド系エラストマーとする場合、特に風合いに優れたポリアミド系繊維を得ることができる。ここで、風合いとは、繊維のグリップ性(滑りにくさ)に優れることを意味している。
【0057】
(繊維構造体)
本発明は、前記ポリアミド系繊維を含む繊維構造体を包含する。繊維構造体としては、連続繊維(モノフィラメント、マルチフィラメント)、短繊維(カットファイバー)、糸類、紐類、ロープ類などの一次元構造体であってもよいし、前記ポリアミド系繊維を含む織物、編物、不織布などの布帛であってもよい。繊維構造体は、ポリアミド系繊維のみで構成されてもよいし、ポリアミド系繊維と他の繊維などとを組み合わせて構成されていてもよい。
【実施例
【0058】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれにより何等限定されるものではない。
【0059】
[末端アミノ基濃度(NH)]
ポリアミド系繊維またはアミノ基含有発色改良剤のサンプル約1gを40mLのフェノール/メタノール混合溶媒(容量比:9/1)に溶解し、得られた試料溶液に指示薬としてチモールブルーを加えて、N/20塩酸で滴定して、末端アミノ基濃度NH(μeq/g)を測定した。
【0060】
[溶融粘度]
溶融粘度は、紡糸時の溶融粘度を再現するために、ポリアミド系樹脂組成物にアミノ基含有発色改良剤を添加して押出成形したペレットを作製し、東洋精機製作所製「キャピログラフ1C PMD-C」を用いて、240℃、剪断速度1000sec-1の条件で測定した。
【0061】
[数平均分子量]
数平均分子量(Mn)は、末端アミノ基濃度(NH)および末端カルボキシル基濃度(COOH)から、下記式より求めた。
Mn=2/(末端アミノ基濃度(NH)+末端カルボキシル基濃度(COOH))
なお、末端カルボキシル基濃度(COOH)は以下のように測定した。
ポリアミド系繊維またはアミノ基含有発色改良剤のサンプル約0.5gを50mLのベンジルアルコールに溶解し、得られた試料溶液に指示薬としてフェノールフタレインを加えて、N/20水酸化カリウム/メタノール溶液で滴定して、末端カルボキシル基濃度COOH(μeq/g)を測定した。
【0062】
[紡糸性]
ポリアミド系繊維を100kg紡糸した際の毛羽・断糸の発生状況で評価した。
〇:紡糸時の毛羽・断糸なし
△:紡糸時の毛羽・断糸が1~2回発生
×:紡糸時の毛羽・断糸が3回以上発生
【0063】
[アミノ基含有発色改良剤との相溶性]
ポリアミド系繊維の示差走査熱量測定(DSC)で得られたDSC曲線が示す融解ピークの形状がシングルピークかどうかで評価した。なお、上記測定はメトラー・トレド社製「TA-4000」を使用し、窒素雰囲気下、昇温速度10℃/minにて300℃まで測定して、DSC曲線を得た。
○:融解ピークの形状がシングルピークである
×:融解ピークの形状がシングルピークでない
【0064】
[繊度]
JIS L 1013「化学繊維フィラメント糸試験方法」に準じて、繊維の繊度を測定した。
【0065】
[L*値]
実施例及び比較例で得られた繊維を編物にし、L*値は、コニカミノルタ製分光測色計「CM-3700A」を用いて、正反射処理:SCE、測定径:LAV(25.4mm)、UV条件:100%Full、視野:2度、主光源:C光源の条件で測定した。
【0066】
[洗濯堅牢度]
実施例及び比較例で得られた繊維を編物にし、JIS L 0844 B-4号の測定方法に準拠して測定した。
【0067】
[耐光堅牢度]
実施例及び比較例で得られた繊維を編物にし、JIS L 0842 紫外線カーボンアークの測定方法に準拠して測定した。
【0068】
[強度]
JIS L 1013に準じ、試長20cm、初荷重0.1g/d、引張速度10cm/minの条件で破断強伸度(初期引張抵抗度)を求め、5点以上の平均値を採用した。
【0069】
[風合い評価]
実施例及び比較例で得られた繊維を編物にし、10人の被験者によるグリップ性の確認試験を行った。なお、試験は、エラストマーでないポリアミド12繊維から同様に作製した編物と比較して、編物を触った際の滑りにくさによって評価した。評価基準は以下の通りとした。
◎:10人全員が滑りにくさを感じた
〇:滑りにくさを感じた人が8-9人
△:滑りにくさを感じた人が5-7人
×:滑りにくさを感じた人が4以下
【0070】
[実施例1]
(1)ポリアミド12オリゴマーの作製
オートクレーブを窒素置換し、ラウリルラクタム1.000g及びドデカンジアミン38gを少量の水及び少量の燐酸と共に添加し、得られた混合物を加熱下に攪拌した。反応系を徐々に昇温すると共に窒素ガスにより調圧し、17.5kgf/cm(1.7×10Pa)で270℃に保ち、約4時間加熱攪拌を続けた。次いで、反応系を徐々に常圧に戻し、さらに、ごく少量の窒素ガスを循環させながら、減圧に約1時間を要して系内の水分を排出した。その後、常圧で系を冷却しながらポリアミド12オリゴマーを溶融状態で取り出した。得られたポリアミド12オリゴマーをさらに冷却し、ややもろい固体として得た。ポリアミド12オリゴマーの数平均分子量は約5400と低分子量であり、末端アミノ基の含有量は、350μeq/gであった。このポリアミド12オリゴマーをアミノ基含有発色改良剤とした。
【0071】
(2)ポリアミド12エラストマー繊維の作製
以下の方法に従い、ポリアミド系エラストマー繊維を製造した。ポリアミド系樹脂として、ポリアミド12エラストマー(ダイセル・エボニック製「VESTAMID E47-S1」)を用い、これにアミノ基含有発色改良剤として上記記載のポリアミド12オリゴマーを重量比率9%となるように添加し、押出機で溶融させ、250℃の紡糸ノズルより吐出させた。
【0072】
紡糸ノズルより吐出された糸条を、長さ1.0mの横吹付け型冷却風装置により冷却した後、連続して紡糸口金直下から1.3mの位置に設置した長さ1.0m、内径30mmのチューブヒーター(内壁温度:130℃)に導入してチューブヒーター内で延伸した。その後、チューブヒーターから出てきた繊維に紡糸油剤を付与し、引き続いてローラーを介して3000m/分の引取り速度で巻き取って、84dtex/24フィラメントのポリアミド12エラストマー繊維を得た。該繊維の末端アミノ基濃度は、17.6μeq/gであった。この繊維を用いて目付200g/mの筒編地を作製して精錬した後に、染料Kayanol Milling Black TLB(4%owf)、浴比1:50、時間80℃×40分で染色を実施し、各種測定を行った。
【0073】
[実施例2]
ポリアミド12オリゴマーを重量比率20%となるように添加した以外は、実施例1と同様の方法で紡糸し、ポリアミド12エラストマー繊維を得た。該繊維の末端アミノ基濃度は、38.5μeq/gであった。この繊維を用いて実施例1と同様に筒編地を作製、染色を実施し、各種測定を行った。
【0074】
[実施例3]
ポリアミド12オリゴマーを重量比率6%となるように添加した以外は、実施例1と同様の方法で紡糸し、ポリアミド12エラストマー繊維を得た。該繊維の末端アミノ基濃度は、12.1μeq/gであった。この繊維を用いて実施例1と同様に筒編地を作製、染色を実施し、各種測定を行った。
【0075】
[比較例1]
ポリアミド12オリゴマーを添加しない以外は、実施例1と同様の方法で紡糸し、ポリアミド12エラストマー繊維を得た。該繊維の末端アミノ基濃度は、4.0μeq/gであった。この繊維を用いて実施例1と同様に筒編地を作製、染色を実施し、各種測定を行った。
【0076】
[比較例2]
ポリアミド12オリゴマーを重量比率35%となるように添加した以外は、実施例1と同様の方法で紡糸し、ポリアミド12エラストマー繊維を得た。該繊維の末端アミノ基濃度は、63.8μeq/gであった。この繊維を用いて実施例1と同様に筒編地を作製、染色を実施し、各種測定を行った。
【0077】
得られたポリアミド12エラストマー繊維の性能を表1に示す。
【0078】
【表1】
【0079】
実施例1~3では、アミノ基含有発色改良剤をポリアミド系樹脂と組み合わせて繊維化を行っているため、紡糸性が良好である。また、得られた繊維の発色性が良好であり、洗濯堅牢度だけでなく、耐光堅牢度も優れている。また、ポリアミド系エラストマーとしての風合いを生かして繊維化を行うことができ、得られた繊維は風合いに優れている。
【0080】
一方、比較例1では、アミノ基含有発色改良剤を用いずにポリアミド系エラストマーの繊維化を行っており、紡糸性が十分ではない。また、得られた繊維は、発色が不十分であり、洗濯堅牢度および耐光堅牢度も実施例1~3と比べると不良である。比較例2では、末端アミノ基濃度を高めるため、アミノ基含有発色改良剤の添加量を多くした結果、紡糸性が十分ではない。また、得られた繊維は、実施例1~3と比べると、強度が低くなり、洗濯堅牢度および耐光堅牢度も劣っている。また、アミノ基含有発色改良剤の割合が高くなった結果、繊維に占めるエラストマー成分が少なくなり、その結果、実施例1~3と比べると、繊維の風合いも劣っている。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明のポリアミド系繊維は、ポリアミド系樹脂の特徴を生かしながら、その発色性を向上することができるため、前記ポリアミド系繊維から形成された布帛やロープなどの繊維構造体として、例えば、各種衣類(アウターウェア、インナーウェア、ユニフォーム、手術衣、病衣、白衣、作業服、水着、スキーウェア、エプロン、帽子、腹巻、靴下、手袋、マフラーなど)、各種生活用品(フトン、フトンカバー、マクラカバー、ベッド、ベッドカバー、毛布、シーツ、バスマット、タオル、テーブルクロス、カーテン、シャワーカーテン、ネット、ドアノブカバー、おむつカバー、スリッパなど)、建物用資材(カーペット、カーテンなど)、産業用資材(ロープなど)、農林水産業資材(漁網など)に有用である。