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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-26
(45)【発行日】2023-11-06
(54)【発明の名称】バッテリパック
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/522 20210101AFI20231027BHJP
   H01M 50/284 20210101ALI20231027BHJP
   H01M 50/50 20210101ALI20231027BHJP
   H01M 50/569 20210101ALI20231027BHJP
   H01M 50/298 20210101ALN20231027BHJP
   H01M 50/516 20210101ALN20231027BHJP
   H01M 50/519 20210101ALN20231027BHJP
【FI】
H01M50/522
H01M50/284
H01M50/50 101
H01M50/569
H01M50/298
H01M50/516
H01M50/519
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2022017807
(22)【出願日】2022-02-08
(65)【公開番号】P2022122843
(43)【公開日】2022-08-23
【審査請求日】2022-02-08
(31)【優先権主張番号】10-2021-0019356
(32)【優先日】2021-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】150-20 Gongse-ro,Giheung-gu,Yongin-si, Gyeonggi-do, 446-902 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲廉▼ 吉春
【審査官】上野 文城
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-265610(JP,A)
【文献】特開2001-325939(JP,A)
【文献】特開2018-110084(JP,A)
【文献】特開2012-123946(JP,A)
【文献】特開2011-167714(JP,A)
【文献】国際公開第2020/255876(WO,A1)
【文献】特開2012-033299(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/284
H01M 50/298
H01M 50/50
H01M 50/569
H01M 50/502 - 526
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリセルと、
前記バッテリセルと電気的に連結されたバスバーと、
前記バスバーと電気的に連結された回路基板と、
前記バスバーと前記回路基板とを電気的に連結するものであり、1つのエッジを介して互いに接する第1面及び第2面を含む導電ブロックと、を含むバッテリパックであって、
前記導電ブロックの第1面上には、互いに異なる異種素材の第1金属及び第2金属が形成され、前記導電ブロックの第2面上には、第2金属が形成され
前記第1金属は、前記バスバーと同種の金属を含み、前記導電ブロックの第1面において前記バスバーとの接続箇所を提供し、
前記第2金属は、前記回路基板または回路基板に形成された接続パッドと同種の金属を含み、前記導電ブロックの第2面において前記回路基板との接続箇所を提供することを特徴とするバッテリパック。
【請求項2】
前記バッテリセルは、多数のバッテリセルを含み、
前記バスバーは、前記多数のバッテリセルを電気的に連結することを特徴とする請求項1に記載のバッテリパック。
【請求項3】
前記導電ブロックの第1面とバスバーとの間には、第1連結部材が介在され、
前記導電ブロックの第2面と回路基板との間には、第2連結部材が介在されることを特徴とする請求項に記載のバッテリパック。
【請求項4】
前記第1連結部材は、導電性ワイヤまたは導電性リボンを含むことを特徴とする請求項に記載のバッテリパック。
【請求項5】
前記第2連結部材は、ソルダリング物質を含むことを特徴とする請求項に記載のバッテリパック。
【請求項6】
前記導電ブロックの第1面上において、第1面の芯部には、第1金属が形成され、前記第1面の芯部を取り囲む枠に沿っては、第2金属が形成されることを特徴とする請求項1に記載のバッテリパック。
【請求項7】
前記導電ブロックの第2面上には、前記第2金属が全体的に形成されたことを特徴とする請求項1に記載のバッテリパック。
【請求項8】
前記回路基板は、回路素子が装着される装着面と、前記装着面が終端になる終端面と、を含むことを特徴とする請求項1に記載のバッテリパック。
【請求項9】
前記導電ブロックの第1面は、前記回路基板の終端面と平行になるように配され、
前記導電ブロックの第2面は、前記回路基板の装着面と平行になるように配されることを特徴とする請求項に記載のバッテリパック。
【請求項10】
前記導電ブロックの第1面は、前記回路基板の終端面と同一平面をなすように整列されるか、あるいは少なくとも前記回路基板の終端面と隣接した位置に形成されることを特徴とする請求項に記載のバッテリパック。
【請求項11】
前記導電ブロックの第1面は、電極が形成されたバッテリセルの上端部と同じ方向に向くように配されることを特徴とする請求項1に記載のバッテリパック。
【請求項12】
前記導電ブロックは、前記第1面と第2面との間が充填されたソリッド形態に形成されることを特徴とする請求項1に記載のバッテリパック。
【請求項13】
前記導電ブロックは、六面体形状に形成されることを特徴とする請求項1に記載のバッテリパック。
【請求項14】
前記導電ブロックは、前記第1面と対向する第3面と、前記第2面と対向する第4面と、前記第1面と前記第3面との間において、前記第2面と前記第4面とを連結する第5面及び第6面を含むことを特徴とする請求項13に記載のバッテリパック。
【請求項15】
前記第2金属は、前記導電ブロックの第1面の芯部を形成する第1金属の外周に沿い、第2面と第4面との上、及び第5面と第6面との上に連続的に形成されることを特徴とする請求項14に記載のバッテリパック。
【請求項16】
前記導電ブロックの第3面には、前記第1金属及び前記第2金属が共に形成されるか、あるいは全体的に前記第2金属が形成されることを特徴とする請求項14に記載のバッテリパック。
【請求項17】
前記導電ブロックの第3面上において、該第3面の芯部には、第1金属が形成され、前記第3面の芯部を取り囲む枠に沿っては、第2金属が形成されることを特徴とする請求項16に記載のバッテリパック。
【請求項18】
前記バッテリセルは、列方向に沿って配列された多数のバッテリセルが、横方向に沿って多数列に配列されたバッテリセルを含むことを特徴とする請求項1に記載のバッテリパック。
【請求項19】
前記多数のバッテリセルを収容するケースをさらに含み、
前記回路基板は、前記列方向に沿い、互いに対向する前記ケースの第1辺部及び第2辺部のうちいずれか1辺部において、前記列方向及び前記横方向と交差する高さ方向に沿って立てられて配されることを特徴とする請求項18に記載のバッテリパック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリパックに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、二次電池は、充電が不可能な一次電池とは異なり、充電及び放電が可能な電池である。該二次電池は、モバイル機器、電気自動車、ハイブリッド自動車、電気自転車、無停電電源供給装置(uninterruptible power supply)のようなエネルギー源として使用され、適用される外部機器の種類により、単一電池の形態としても使用された、多数の電池を連結し、1つの単位にまとめたパック形態としても使用される。
【0003】
携帯電話のような小型モバイル機器は、単一電池の出力と容量とでもって、所定時間の間、作動が可能であるが、ノート型パソコンのように、さらに大サイズのモバイル機器や、電力消耗が多い電気自動車、ハイブリッド自動車のように、長期間駆動、高電力駆動が必要な場合には、出力及び容量の問題により、多数の電池を含むパック形態が好まれ、内蔵された電池の個数により、出力電圧や出力電流を高めることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、バッテリセルと回路基板との間に形成される連結の信頼性を確保することができながらも、製造工程の利便性が改善されるバッテリパックを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前述のような目的、及びそれ以外の目的を達成するために、本発明のバッテリパックは、
バッテリセルと、
前記バッテリセルと電気的に連結された回路基板と、
前記バッテリセルと前記回路基板とを電気的に連結するものであり、1つのエッジを介して互いに接する第1面及び第2面を含む導電ブロックと、を含むものの、
前記導電ブロックの第1面上には、互いに異なる異種素材の第1金属及び第2金属が形成され、前記導電ブロックの第2面上には、第2金属が形成される。
【0006】
前記バッテリセルは、多数のバッテリセルを含み、
前記バッテリパックは、前記多数のバッテリセルを電気的に連結するバスバーをさらに含んでもよい。
【0007】
例えば、前記導電ブロックの第1面は、前記バスバーとの接続箇所を提供し、
前記導電ブロックの第2面は、前記回路基板との接続箇所を提供することができる。
【0008】
例えば、前記導電ブロックの第1面とバスバーとの間には、第1連結部材が介在され、
前記導電ブロックの第2面と回路基板との間には、第2連結部材が介在されうる。
【0009】
例えば、前記第1連結部材は、導電性ワイヤまたは導電性リボンを含んでもよい。
【0010】
例えば、前記第2連結部材は、ソルダリング物質を含んでもよい。
【0011】
例えば、前記第1金属は、前記バスバーと同種の金属を含み、
前記第2金属は、前記回路基板または回路基板に形成された接続パッドと同種の金属を含んでもよい。
【0012】
例えば、前記導電ブロックの第1面上において、第1面の芯部には、第1金属が形成され、前記第1面の芯部を取り囲む枠に沿っては、第2金属が形成されうる。
【0013】
例えば、前記導電ブロックの第2面上には、前記第2金属が全体的に形成されうる。
【0014】
例えば、前記回路基板は、回路素子が装着される装着面と、前記装着面が終端される(terminate)終端面を含んでもよい。
【0015】
例えば、前記導電ブロックの第1面は、前記回路基板の終端面と並んで配され、
前記導電ブロックの第2面は、前記回路基板の装着面と並んでも配される。
【0016】
例えば、前記導電ブロックの第1面は、前記回路基板の終端面のような平面をなすように整列されるか、あるいは少なくとも前記回路基板の終端面と隣接した位置にも形成される。
【0017】
例えば、前記導電ブロックの第1面は、電極が形成されたバッテリセルの上端部と同じ方向に向くようにも配される。
【0018】
例えば、前記導電ブロックは、前記第1面と第2面との間が充填されたソリッド形態にも形成される。
【0019】
例えば、前記導電ブロックは、六面体形状にも形成される。
【0020】
例えば、前記導電ブロックは、前記第1面と対向する第3面と、前記第2面と対向する第4面と、前記第1面と前記第3面との間において、前記第2面と前記第4面とを連結する第5面及び第6面を含んでもよい。
【0021】
例えば、前記第2金属は、前記導電ブロックの第1面の芯部を形成する第1金属の外周に沿い、第2面と第4面との上、及び第5面と第6面との上に連続しても形成される。
【0022】
例えば、前記導電ブロックの第3面には、前記第1金属及び前記第2金属が共に形成されるか、あるいは全体的に前記第2金属が形成されうる。
【0023】
例えば、前記導電ブロックの第3面上において、第3面の芯部には、第1金属が形成され、前記第3面の芯部を取り囲む枠に沿っては、第2金属が形成されうる。
【0024】
例えば、前記バッテリセルは、列方向に沿って配列された多数のバッテリセルが横方向に沿って多数列に配列されたバッテリセルを含んでもよい。
【0025】
例えば、前記バッテリパックは、前記多数のバッテリセルを収容するケースをさらに含み、
前記回路基板は、前記列方向に沿って互いに対向する前記ケースの第1辺部及び第2辺部のうちいずれか1辺部において、前記列方向及び前記横方向と交差する高さ方向に沿って立てられても配される。
【発明の効果】
【0026】
本発明の一実施形態によれば、バッテリセルに連結されたバスバーとの親和力にすぐれる第1金属を含む第1面と、回路基板、または回路基板に形成された接続パッドとの親和力にすぐれる第2金属を含む第2面と、を備える導電ブロックを介し、バッテリセルと回路基板との連結を媒介することにより、それら間の連結信頼性を確保することができ、また、ワイヤボンディング(または、リボンボンディング)を介し、製造工程の利便性を改善しながらも、十分な接続強度が確保されうる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の望ましい一実施形態によるバッテリパックの分解斜視図である。
図2図1に図示された導電ブロックの接続を示す斜視図である。
図3図1に図示されたバッテリセルの斜視図である。
図4図1に図示された導電ブロックの斜視図である。
図5図1に図示された導電ブロックの形成、及び導電ブロックの接続について説明するための互いに異なる斜視図である。
図6図1に図示された導電ブロックの形成、及び導電ブロックの接続について説明するための互いに異なる斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付図面を参照し、本発明の望ましい実施形態に係わるバッテリパックについて説明する。
【0029】
図1には、本発明の望ましい一実施形態によるバッテリパックの分解斜視図が図示されている。図2には、図1に図示された導電ブロックの接続を示す斜視図が図示されている。図3には、図1に図示されたバッテリセルの斜視図が図示されている。図4には、図1に図示された導電ブロックの斜視図が図示されている。図5及び図6には、図1に図示された導電ブロックの形成、及び導電ブロックの接続について説明するための互いに異なる斜視図が図示されている。
【0030】
図面を参照すれば、本発明の一実施形態によるバッテリパックは、バッテリセル10と、前記バッテリセル10と電気的に連結された回路基板50と、前記バッテリセル10と回路基板50とを電気的に連結するものであり、1つのエッジEを介して互いに接する第1面21及び第2面22を含む導電ブロック20と、を含んでもよい。そして、前記導電ブロック20の第1面21上には、互いに異なる異種素材の第1金属M1及び第2金属M2が形成され、前記導電ブロック20の第2面22上には、第2金属M2が形成されうる。
【0031】
前記バッテリセル10は、少なくとも1以上の多数バッテリセル10を含んでもよい。本発明の一実施形態において、前記バッテリセル10は、バスバーBを介し、互いに電気的に連結された多数のバッテリセル10を含んでもよい。本発明の一実施形態において、前記バッテリセル10は、列方向Z1に沿って配列された多数のバッテリセル10が、横方向Z2に沿って多数列に配列されたバッテリセル10を含んでもよい。本発明の一実施形態において、列方向Z1に沿って配列された多数のバッテリセル10は、互いに並列連結され、横方向Z2に沿って配列された互いに隣接する列のバッテリセル10は、互いに直列連結されうる。
【0032】
図3を参照すれば、本発明のバッテリセル10は、列方向Z1及び横方向Z2と交差する高さ方向Z3に沿い、上端部10aと下端部10bとを含んでもよく、バッテリセル10の上端部10aには、互いに異なる第1電極11及び第2電極12が形成されうる。本発明の一実施形態において、前記第1電極11及び前記第2電極12は、それぞれバッテリセル10上端部10aの中央位置と枠位置とに形成されうる。
【0033】
図2に図示されているように、本発明の一実施形態において、バッテリセル10の上端部10aに形成された第1電極11及び第2電極12は、接続部材Wを介し、バスバーBに連結されうる。このとき、前記接続部材Wは、導電性ワイヤまたは導電性リボンを含んでもよい。本発明の一実施形態においては、互いに隣接するバッテリセル10の第1電極11及び第2電極12が、同じ電極11,12同士、または互いに異なる電極11,12同士バスバーBに連結されることにより、並列連結されたり直列連結されたりし、このとき、前記バスバーBは、互いに隣接するバッテリセル10の第1電極11及び第2電極12を連結する方式で、互いに隣接するバッテリセル10を電気的に連結することができる。本発明の一実施形態において、列方向Z1に沿って配列された互いに隣接するバッテリセル10の第1電極11及び第2電極12は、同じ電極11,12同士同じバスバーBに連結されることにより、列方向Z1に沿って配列された互いに隣接するバッテリセル10同士並列連結されうる。また、本発明の一実施形態において、横方向Z2に沿って配列された互いに隣接するバッテリセル10の第1電極11及び第2電極12は、互いに異なる電極11,12同士同じバスバーBに連結されることにより、横方向Z2に沿って配列された互いに隣接するバッテリセル10同士直列連結されうる。
【0034】
前記バスバーBは、互いに隣接するバッテリセル10を電気的に連結しながら、バッテリセル10と回路基板50とを連結することができる。言い換えれば、互いに電気的に連結されたバッテリセル10は、バスバーBを介し、回路基板50に連結され、回路基板50を介し、バッテリセル10の放電電力が外部負荷に供給されるか、あるいは外部充電器の充電電力がバッテリセル10に供給されうる。すなわち、回路基板50を介し、バッテリセル10と、外部負荷または外部充電器との電気的な連結がなされうる。本発明の多様な実施形態において、前記回路基板50は、バッテリセル10と電気的に連結され、外部負荷または外部充電器との電力フローを媒介するか、あるいはバッテリセル10の電圧信号のような状態情報を入手し、バッテリセル10の充放電動作を制御することができる。
【0035】
本明細書を通じ、回路基板50がバッテリセル10と電気的に連結されるということは、回路基板50を介し、バッテリセル10の充放電電力が外部に出力されるか、あるいは外部から入力されうるということを意味したり、回路基板50を介し、バッテリセル10の電圧のような状態情報が入手されうるということを意味したりするのである。
【0036】
前記バスバーBは、互いに異なるバッテリセル10を電気的に連結するものであり、バッテリセル10と連結される本体部BMと、前記本体部BMから延長され、回路基板50に連結される一端の接続端BTと、を含んでもよい。本発明の一実施形態において、前記バスバーBは、列方向Z1に沿って延長され、互いに隣接する列のバッテリセル10間で延長されながら、互いに隣接する列のバッテリセル10を電気的に連結することができる。このとき、前記バスバーBの本体部BMは、列方向Z1に沿い、互いに隣接するバッテリセル10間で延長され、前記バスバーBの接続端BTは、前記列方向Z1に沿って延長される本体部BMから曲折され、回路基板50に接続されるバスバーBの一端部を形成することができる。
【0037】
図1を参照すれば、前記回路基板50は、多数のバッテリセル10が収容されたケース100の一端にも配される。例えば、多数のバッテリセル10は、ケース100が提供する収納空間内に収容され、多数のバッテリセル10は、ケース100を介し、互いに物理的にも結束される。本発明の一実施形態において、多数のバッテリセル10は、ケース100内に収容され、前記ケース100には、それぞれのバッテリセル10の組み込み位置を定義するように、それぞれのバッテリセル10を取り囲むリブ(図示せず)が形成されうる。本明細書を通じ、ケース100とは、多数のバッテリセル10を収容するために、多数のバッテリセル10に対する収容空間を提供するか、あるいは多数のバッテリセル10それぞれの組み込み位置を定義するように、バッテリセル10を取り囲むリブ(図示せず)が形成された形態にも形成される。例えば、本発明の一実施形態において、多数のバッテリセル10は、ケース100に形成されたリブ(図示せず)に差し込まれて組み込まれながら、互いに物理的に結束され、またバスバーBを介し、互いに電気的に連結されながら、1つのパック形態にもモジュール化される。そのような意味で、本明細書において、ケース100とは、セルホルダを含む広義の意味にも使用される。
【0038】
本発明の一実施形態において、前記回路基板50は、多数のバッテリセル10が収容されたケース100の一端にも配される。さらに具体的には、前記ケース100は、列方向Z1に沿い、互いに対向する第1辺部101及び第2辺部102と、列方向Z1と交差する横方向Z2に沿い、互いに対向する第3辺部103及び第4辺部104を含んでもよい。本発明の一実施形態において、前記回路基板50は、列方向Z1に沿い、互いに対向する第1辺部101あるいは第2辺部102に配され、例えば、第1辺部101にも配される。本発明の一実施形態において、前記回路基板50は、列方向Z1に沿って延長されるバスバーBの一端部、すなわち、バスバーBの接続端BTと隣接するように、列方向Z1に沿って対向する第1辺部101及び第2辺部102のうちいずれか1辺部に配され、バスバーBの接続端BTと隣接する第1辺部101にも配される。言い換えれば、前記バスバーBは、列方向Z1に沿って延長され、前記回路基板50は、前記列方向Z1と交差する横方向Z2に沿い、多数のバスバーBの接続端BTを横切って延長されながら、多数のバスバーBの接続端BTとそれぞれ電気的な接続を形成することができる。
【0039】
前記回路基板50は、バッテリセル10の高さ方向Z3に沿って立てられた形態にも配される。ここで、高さ方向Z3とは、列方向Z1及び横方向Z2と交差する方向にも該当し、回路基板50の高さ方向Z3、またはバッテリセル10の高さ方向Z3にも該当する。前記回路基板50は、多数のバッテリセル10が収容されたケース100の一端(第1辺部101に該当する)において、バッテリセル10の高さ方向Z3に沿って立てられた形態に配されることにより、全体バッテリパックをコンパクトに具現することができ、全体バッテリパックが占める空間を縮小させることができる。
【0040】
前記回路基板50には、前記バスバーBとの接続のための導電ブロック20が形成されうる。本発明の一実施形態において、前記回路基板50は、多数のバスバーBが配列された横方向Z2に沿って延長されながら、それぞれのバスバーBと接続を形成することができ、横方向Z2に沿い、それぞれのバスバーB位置に形成された多数の導電ブロック20の配列を含んでもよい。本発明の多様な実施形態において、前記導電ブロック20は、バスバーBと回路基板50との電気的な連結を媒介するためのものであり、連結対象になるバスバーBの個数により、回路基板50上で単数にも形成され、あるいは多数にも形成される。
【0041】
図2を参照すれば、前記導電ブロック20は、バスバーBと回路基板50との電気的な連結を媒介することにより、バスバーBとの接続箇所を提供する第1面21と、回路基板50との接続箇所を提供する第2面22と、を含んでもよい。ここで、該接続箇所とは、導電ブロック20が、バスバーBまたは回路基板50と、結合または連結を形成する位置であり、物理的な結合と、電気的な連結とを同時に形成する位置にも該当する。ただし、本発明の多様な実施形態において、前記接続箇所とは、導電ブロック20が、バスバーBまたは回路基板50と物理的な結合を形成するか、あるいは電気的な連結を形成する位置にも該当し、本明細書を通じ、前記接続箇所は、さらに広義の意味にも使用される。
【0042】
前記導電ブロック20は、1つのエッジEを介して互いに接する第1面21及び第2面22を含んでもよく、バスバーBとの接続箇所を提供する第1面21と、回路基板50との接続箇所を提供する第2面22は、導電ブロック20の1つのエッジEを介して互いに接することができる。例えば、前記第1面21及び第2面22は、1つのエッジEで互いに当接する導電ブロック20の隣接する2面にも該当する。本発明の一実施形態において、前記導電ブロック20は、6面を含む六面体形態にも形成され、前記第1面21及び前記第2面22は、導電ブロック20が形成する6面のうち、互いに隣接する2面にも該当する。
【0043】
前記導電ブロック20の第1面21及び第2面22の配向は、回路基板50との関係によっても定義される。本発明の一実施形態において、前記回路基板50は、回路素子が装着される装着面51と、前記装着面51が終端される(terminate)終端面(end surface)50a,50cと、を含んでもよい。例えば、前記回路基板50の装着面51は、高さ方向Z3及び横方向Z2に沿って延長される面にも該当し、前記回路基板50の終端面50a,50cは、高さ方向Z3に沿い、回路基板50が終端される第1終端面50aと、横方向Z2に沿い、回路基板50が終端される第2終端面50cと、を含んでもよい。ここで、前記導電ブロック20の第1面21は、高さ方向Z3に沿い、回路基板50が終端される第1終端面50aと並んでも配され、前記導電ブロック20の第2面22は、回路基板50の装着面51と並んでも配される。
【0044】
本発明の一実施形態において、前記導電ブロック20の第1面21は、回路基板50の第1終端面50aのような平面上に整列されるように形成されるか、あるいは少なくとも第1終端面50aと隣接した位置にも形成される。例えば、前記導電ブロック20の第1面21と、前記回路基板50の第1終端面50aは、実質的に互いに同じ平面上に配されるようにも互いに位置整列される。このとき、前記導電ブロック20は、導電ブロック20の第1面21と、回路基板50の第1終端面50aとが互いに位置整列されるように、回路基板50の最上端位置に配され、回路基板50の最上端位置において、バスバーBとの接続距離を最小化させることができる。
【0045】
本発明の一実施形態において、前記バスバーBは、バッテリセル10の上端部10a上に配され、前記回路基板50は、回路基板50の第1終端面50aが、バスバーBと大体整列されうる高さ、またはバスバーBが配されたバッテリセル10の上端部10aと、大体整列されうる高さにも配される。このとき、バスバーBと最も近接した高さに該当する第1終端面50aと位置整列されるように、導電ブロック20が配されることにより、バスバーBとの接続距離を最小化させることができる。前記導電ブロック20の第1面21は、バッテリセル10の上端部10a上に配されたバスバーBとの接続のために、高さ方向Z3に沿い、上方に向けても配される。言い換えれば、前記導電ブロック20の第1面21は、バッテリセル10の高さ方向Z3に沿い、第1電極11及び第2電極12が形成されたバッテリセル10の上端部10aと同じ上方に向くようにも配される。本発明の一実施形態において、前記バッテリセル10の高さ方向Z3に沿い、上端部10aには、第1電極11及び第2電極12が形成されうる。例えば、前記導電ブロック20の第1面21は、第1電極11及び第2電極12が形成されたバッテリセル10の上端部10aと同じ上方に向けても配される。
【0046】
前記導電ブロック20は、バスバーBとの接続箇所を提供する第1面21と、回路基板50との接続箇所を提供する第2面22と、を含んでもよい。本発明の一実施形態において、前記第1面21は、バスバーBとの接続強度を考慮し、バスバーB、あるいはバスバーBとの間に介在される第1連結部材C1との親和力にすぐれる第1金属M1を含んでもよい。また、前記第2面22は、回路基板50との接続強度を考慮し、回路基板50(例えば、回路基板50に形成された接続パッド)、あるいは回路基板50との間に介在される第2連結部材C2との親和力にすぐれる第2金属M2を含んでもよい。本発明の一実施形態において、前記第1金属M1及び前記第2金属M2は、互いに異なる異種金属であり、それぞれ第1金属M1及び第2金属M2は、アルミニウムとニッケルとを含んでもよい。本発明の一実施形態において、前記第1金属M1は、アルミニウムまたはアルミニウム合金によっても形成され、前記第2金属M2は、ニッケルまたはニッケル合金によっても形成される。
【0047】
前記第1金属M1及び前記第2金属M2は、導電ブロック20の第1面21及び第2面22にそれぞれ形成されうる。本発明の一実施形態において、前記導電ブロック20の第1面21上には、第1金属M1及び第2金属M2が共に形成され、前記導電ブロック20の第2面22上には、第2金属M2が形成されうる。本発明の一実施形態において、前記導電ブロック20の第1面21上において、第1面21の芯部21aには、第1金属M1が形成され、第1面21の芯部21aを取り囲む枠21bに沿っては、第2金属M2が形成されうる。例えば、前記第2金属M2は、第1金属M1の外周に沿っても形成される。本発明の一実施形態においては、第1金属M1を芯部21aにし、芯部21aを形成する第1金属M1の外周に沿い、第2金属M2のメッキを形成することにより、第1金属M1及び第2金属M2がそれぞれ芯部21aと枠21bとに形成された第1面21と、全体的に第2金属M2が形成された第2面22と、を含む導電ブロック20を形成することができる。
【0048】
図5を参照すれば、第1金属M1に形成された金属ブロック200、金属ブロック200の芯部210に対し、第2金属M2のメッキ(メッキ層220)を行うことにより、表面に沿い、第2金属M2が形成された第1金属M1の金属ブロック200を形成することができ、そのようなに形成された金属ブロック200を、単位サイズに切断し、一つずつの導電ブロック20を形成することができる。このとき、前記金属ブロック200の切断時、切断面CSに該当する第1面21を介し、芯部21aの第1金属M1が露出され、第1金属M1の外周に沿い、第2金属M2が形成された第1面21が形成され、金属ブロック200の表面に該当する第2面22には、全体的に第2金属M2が形成された導電ブロック20が得られる。本明細書を通じ、第1金属M1の外周とは、第1金属M1を取り囲む側面を含むものであり、第1金属M1を軸にし、一回転した方向に沿い、連続して隣接するように形成された側面を含んでもよい。
【0049】
本発明の一実施形態において、前記第1面21の芯部21aを形成する第1金属M1は、表面に沿い、第2金属M2がメッキされた金属ブロック200を、導電ブロック20の単位サイズに切断しながら、切断面CSに該当する第1面21を介しても露出され、第1面21の枠21bと、第2面22とを形成する第2金属M2は、金属ブロック200の表面にメッキされた第2金属M2から形成されうる。
【0050】
図4を参照すれば、前記導電ブロック20は、1つのエッジEを介して互いに接する第1面21及び第2面22と共に、第1面21と対向する第3面23と、前記第2面22と対向する第4面24と、前記第1面21と前記第3面23との間において、前記第2面22と前記第4面24とを連結する第5面25及び第6面26を含んでもよい。このとき、前記第2金属M2は、第1金属M1の外周に沿って連続しても形成され、例えば、第1金属M1の外周に沿い、第2面22及び第4面24、並びに第5面25及び第6面26の上に連続しても形成される。
【0051】
図5を参照すれば、表面に沿い、第2金属M2がメッキされた金属ブロック200の長手方向に沿い、金属ブロック200の両端には、全体的に第2金属M2が形成されるが、金属ブロック200の長手方向に沿い、一つずつの導電ブロック20単位に、金属ブロック200を切断しながら形成される導電ブロック20の配列において、金属ブロック200の長手方向に沿い、最外郭の導電ブロック20は、切断面CSを第1面21にし、金属ブロック200の両端に該当する非切断面を第3面23にし、最外郭導電ブロック20の第3面23は、第1面21と異なり、第1金属M1の芯部21aと第2金属M2の枠21bとを有さず、全体的に第2金属M2によっても形成される。一方、金属ブロック200を切断しながら形成される導電ブロック20の配列において、最外郭の導電ブロック20ではない中間の導電ブロック20は、第1面21及び第3面23が同一構造を有することができ、第1面21及び第3面23のいずれもが、第1金属M1の芯部21aと、第2金属M2の枠21bと、を有することができる。
【0052】
図2及び図6を参照すれば、前記導電ブロック20は、第1面21を介し、バスバーBと接続され、第2面22を介し、回路基板50と接続されうる。すなわち、前記導電ブロック20の第1面21は、バスバーBとの接続箇所を提供し、導電ブロック20の第2面22は、回路基板50との接続箇所を提供することができる。
【0053】
本発明の一実施形態において、バスバーBとの接続箇所を提供する導電ブロック20の第1面21は、直接バスバーBと連結されるか、あるいは第1連結部材C1を介在させ、バスバーBと接続されうる。本発明の一実施形態において、前記第1連結部材C1は、導電性ワイヤまたは導電性リボンを含んでもよく、ワイヤボンディングまたはリボンボンディングを介し、第1連結部材C1の一端バスバーBの接続端BTにボンディングされ、第1連結部材C1の他端は、導電ブロック20の第1面21にボンディングされうる。このとき、前記第1連結部材C1は、導電ブロック20の第1面21のうち、第1面21の芯部21aにボンディングされ、第1連結部材C1と親和力にすぐれる第1金属M1によって形成された第1面21の芯部21aにボンディングされながら、第1連結部材C1を介し、バスバーBとの堅固な接続を形成することができる。本発明の一実施形態において、前記第1金属M1は、バスバーBと同種の金属によっても形成され、例えば、アルミニウムを含んでもよい。言い換えれば、前記第1連結部材C1は、第1金属M1を含むバスバーBと、第1金属M1を含む導電ブロック20の第1面21の芯部21aとの間において、堅固な接続を形成することができる。
【0054】
例えば、前記ワイヤボンディングまたは前記リボンボンディングにおいては、連続して供給される第1連結部材C1(導電性ワイヤまたは導電性リボン)を、導電ブロック20の第1面21上に高温圧着させるボンディングヘッド80(図照)の加圧を介し、導電ブロック20の第1面21上に、第1連結部材C1の端部が固定される。このとき、導電ブロック20の第1面21から伝達されるボンディングヘッド80の加圧力は、第2面22を介して支持され、第2面22を介し、回路基板50から支持されうる。
【0055】
本発明の一実施形態において、前記導電ブロック20は、第1面21と第2面22との間が充填されたソリッド形態に形成され、本発明と対比される比較例におけるように、第1面21及び第2面22が曲折された形態に形成され、第1面21と第2面22との間に空間が形成される板材形態を有さない。もし比較例のように、第1面21と第2面22との間が充填されたソリッド形態の導電ブロック20を適用せず、第1面21と第2面22との間に空間が形成された板材形態の導電ブロック20を適用する場合、第1面21から作用するボンディングヘッド80の加圧力が十分に支持されず、ボンディングヘッド80の加圧力により、導電ブロック20の第1面21が反りながら、加圧力の不足により、第1連結部材C1が導電ブロック20の第1面21上に堅固に固定されないのである。本発明の一実施形態においては、第1面21と第2面22との間が充填されたソリッド形態の導電ブロック20を適用することにより、第1面21から作用するボンディングヘッド80の加圧力に対抗し、十分な支持を提供することができ、それにより、ボンディングヘッド80の十分な加圧力下において、第1連結部材C1が導電ブロック20の第1面21上に堅固に固定されうる。
【0056】
本発明の一実施形態において、導電ブロック20の第1面21の接続強度と、第2面22の接続強度は、互いに関連し、ボンディングヘッド80の十分な加圧力下において、第1面21の十分な接続強度を得るためには、導電ブロック20の第2面22の接続強度が、ボンディングヘッド80の加圧力を支持するのに十分なレベルに形成されることが望ましいのである。本発明の一実施形態において、前記導電ブロック20の第2面22は、回路基板50に直接接続されるか、あるいは第2連結部材C2を介し、回路基板50に接続されうる。例えば、本発明の一実施形態において、前記導電ブロック20の第2面22は、回路基板50の接続パッド(図示せず)上にソルダリングされ、前記第2連結部材C2としてのソルダリング物質は、導電ブロック20の第2面22と回路基板50(回路基板50の接続パッド)との接続を媒介することができる。そして、導電ブロック20の第2面22は、ソルダリング物質との親和力にすぐれる第2金属M2を含んでもよく、例えば、ニッケルを含んでもよい。例えば、前記第2連結部材C2は、第2金属M2を含む回路基板50の接続パッドと、第2金属M2を含む導電ブロック20の第2面22との堅固な結合を形成することができる。
【0057】
本発明によれば、バッテリセルと回路基板との間に形成される連結の信頼性を確保することができながらも、製造工程の利便性が改善されるバッテリパックが提供される。
【0058】
本発明の一実施形態によれば、バッテリセルに連結されたバスバーとの親和力にすぐれる第1金属を含む第1面と、回路基板、または回路基板に形成された接続パッドとの親和力にすぐれる第2金属を含む第2面と、を備える導電ブロックを介し、バッテリセルと回路基板との連結を媒介することにより、それら間の連結信頼性を確保することができ、また、ワイヤボンディング(または、リボンボンディング)を介し、製造工程の利便性を改善しながらも、十分な接続強度が確保されうる。
【0059】
本発明は、添付図面に図示された実施形態を参照して説明されたが、それらは、例示的なものに過ぎず、本発明が属する技術分野において当業者であるならば、それらから多様な変形、及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解することができるであろう。
【符号の説明】
【0060】
10 バッテリセル
20 導電ブロック
21 導電ブロックの第1面
21a 第1面の芯部
21b 第1面の枠
22 導電ブロックの第2面
23 導電ブロックの第3面
24 導電ブロックの第4面
25 導電ブロックの第5面
26 導電ブロックの第6面
50 回路基板
51 回路基板の装着面
50a 回路基板の第1面
50c 回路基板の第2終端面
200 金属ブロック
B バスバー
BM 本体部
BT 接続端
C1 第1連結部材
C2 第2連結部材
M1 第1金属
M2 第2金属
W 接続部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6