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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-30
(45)【発行日】2023-11-08
(54)【発明の名称】投写装置および投写システム
(51)【国際特許分類】
   G02B 13/16 20060101AFI20231031BHJP
   G02B 13/04 20060101ALI20231031BHJP
   G03B 21/14 20060101ALI20231031BHJP
   G02B 13/18 20060101ALN20231031BHJP
【FI】
G02B13/16
G02B13/04
G03B21/14 Z
G02B13/18
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020143524
(22)【出願日】2020-08-27
(65)【公開番号】P2022038839
(43)【公開日】2022-03-10
【審査請求日】2022-08-01
(73)【特許権者】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 力
【審査官】堀井 康司
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-215419(JP,A)
【文献】特開2020-016857(JP,A)
【文献】特開2017-219741(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00-17/08
G02B 21/02-21/04
G02B 25/00-25/04
G03B 21/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示素子と、
前記画像の中間像を空気間隔内に形成し、前記中間像を投写して投写像を形成する投写光学系と、
前記空気間隔内に配置された遮光部材とを備え、
前記遮光部材は、前記表示素子から出射されて前記投写像の形成に用いられる有効光束全ての光路外に位置する遮光領域と、前記遮光領域に囲まれて前記有効光束が透過する透光領域とを含み、
前記投写光学系の少なくとも一部と、前記表示素子との相対位置が可変であり、
前記遮光領域の位置が可変であり、
前記表示素子と前記投写光学系との前記投写光学系の光軸に垂直な方向における相対位置に応じて、前記光軸に垂直な方向に対する前記遮光領域の位置を変化させ、
前記透光領域の面積をSTr、
前記表示素子の表示領域の面積をSDとした場合、
0.25<STr/SD<9 (1)
で表される条件式(1)を満足する投写装置。
【請求項2】
前記遮光部材が配置された位置における前記透光領域に平行な面内での前記有効光束の面積をSLFとした場合、
0.5<SLF/STr<1 (2)
で表される条件式(2)を満足する請求項1に記載の投写装置。
【請求項3】
前記投写光学系の光軸方向における前記遮光部材の位置と前記中間像の近軸結像位置との距離をD、
前記投写光学系の縮小側のイメージサークルの直径をIMとした場合、
0≦D/IM<1.5 (3)
で表される条件式(3)を満足する請求項1又は2に記載の投写装置。
【請求項4】
前記表示素子と前記投写光学系との相対的な位置関係に応じて、前記透光領域の面積が設定される請求項1から3のいずれか1項に記載の投写装置。
【請求項5】
画像を表示する表示素子と、
前記画像の中間像を空気間隔内に形成し、前記中間像を投写して投写像を形成する投写光学系と、
前記表示素子から出射されて前記投写像の形成に用いられる有効光束全ての光路外に位置する遮光領域を含み、前記空気間隔内に配置された遮光部材とを備え、
前記投写光学系の少なくとも一部と、前記表示素子との相対位置が可変であり、
前記遮光領域の位置が可変であり、
前記表示素子と前記投写光学系との前記投写光学系の光軸に垂直な方向における相対位置に応じて、前記光軸に垂直な方向に対する前記遮光領域の位置を変化させ、
前記投写光学系の光軸方向における前記遮光部材の位置と前記中間像の近軸結像位置との距離をD、
前記投写光学系の縮小側のイメージサークルの直径をIMとした場合、
0≦D/IM<1.5 (3)
で表される条件式(3)を満足する投写装置。
【請求項6】
前記遮光部材は、透過率を可変にすることにより前記遮光領域の位置を変化させることが可能であり、
前記表示素子と前記投写光学系との相対位置に応じて、前記遮光部材の位置は固定されたまま前記遮光領域の位置が設定される請求項1からのいずれか1項に記載の投写装置。
【請求項7】
前記遮光部材は曲面形状を有する請求項1からのいずれか1項に記載の投写装置。
【請求項8】
0.4<STr/SD<7 (1-1)
で表される条件式(1-1)を満足する請求項1に記載の投写装置。
【請求項9】
0.7<SLF/STr<1 (2-1)
で表される条件式(2-1)を満足する請求項2に記載の投写装置。
【請求項10】
0≦D/IM<1.2 (3-1)
で表される条件式(3-1)を満足する請求項3又は5に記載の投写装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載の複数の投写装置と、
前記複数の投写装置を連携させるための制御を行う制御装置とを備えた投写システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術は、投写装置および投写システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の投写光学系は、中間像を結像させる第1光学系と、中間像の結像位置に設けられた遮光マスクと、中間像を拡大投写する第2光学系とを備える。この遮光マスクによる遮光領域は、中間像の結像位置における第1光学系の光軸を中心とする円形の有効結像領域の範囲内で中間像と重ならない領域を含む。
【0003】
特許文献2に記載の投写型表示装置は、撮像素子と、光源と、ライトバルブと、結像光学系とを備える。結像光学系は、少なくとも1枚のレンズを備え投写と撮影で共用する第1光学系と、少なくとも1枚のレンズを備え投写のみで使用する第2光学系と、少なくとも1枚のレンズを備え撮影のみで使用する第3光学系と、第2光学系から第1光学系に向かう光路と第1光学系から第3光学系に向かう光路とを分離する分離部材とを備える。第3光学系は、第3光学系の絞り位置の近傍に、光束の一部を遮光する第1遮光部材を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-215419号公報
【文献】特開2020-016857号公報
【発明の概要】
【0005】
本開示の技術に係る1つの実施形態は、装置の大型化を抑制しながら迷光を軽減可能な投写装置および投写システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の投写装置は、画像を表示する表示素子と、画像の中間像を空気間隔内に形成し、中間像を投写して投写像を形成する投写光学系と、空気間隔内に配置された遮光部材とを備え、遮光部材は、表示素子から出射されて投写像の形成に用いられる有効光束全ての光路外に位置する遮光領域と、遮光領域に囲まれて有効光束が透過する透光領域とを含み、透光領域の面積をSTr、表示素子の表示領域の面積をSDとした場合、下記条件式(1)を満足する。
0.25<STr/SD<9 (1)
【0007】
本開示の第1の投写装置は、下記条件式(1-1)を満足することが好ましい。
0.4<STr/SD<7 (1-1)
【0008】
本開示の第1の投写装置は、遮光部材が配置された位置における透光領域に平行な面内での有効光束の面積をSLFとした場合、下記条件式(2)を満足することが好ましく、下記条件式(2-1)を満足することがより好ましい。
0.5<SLF/STr<1 (2)
0.7<SLF/STr<1 (2-1)
【0009】
本開示の第1の投写装置は、投写光学系の光軸方向における遮光部材の位置と中間像の近軸結像位置との距離をD、投写光学系の縮小側のイメージサークルの直径をIMとした場合、下記条件式(3)を満足することが好ましく、下記条件式(3-1)を満足することがより好ましい。
0≦D/IM<1.5 (3)
0≦D/IM<1.2 (3-1)
【0010】
本開示の第1の投写装置は、表示素子と投写光学系との相対的な位置関係に応じて、透光領域の面積が設定されることが好ましい。
【0011】
本開示の第2の投写装置は、画像を表示する表示素子と、画像の中間像を空気間隔内に形成し、中間像を投写して投写像を形成する投写光学系と、表示素子から出射されて投写像の形成に用いられる有効光束全ての光路外に位置する遮光領域を含み、空気間隔内に配置された遮光部材とを備え、投写光学系の光軸方向における遮光部材の位置と中間像の近軸結像位置との距離をD、投写光学系の縮小側のイメージサークルの直径をIMとした場合、下記条件式(3)を満足する。
0≦D/IM<1.5 (3)
【0012】
本開示の第2の投写装置は、下記条件式(3-1)を満足することが好ましい。
0≦D/IM<1.2 (3-1)
【0013】
以下本項では、本開示の第1の投写装置および第2の投写装置を総括して本開示の投写装置という。本開示の投写装置は、投写光学系の少なくとも一部と、表示素子との相対位置が可変であることが好ましい。
【0014】
本開示の投写装置は、遮光部材の位置が可変であることが好ましい。
【0015】
本開示の投写装置は、表示素子と投写光学系との相対位置に応じて、遮光部材の位置が設定されることが好ましい。
【0016】
本開示の投写装置においては、遮光部材は、透過率を可変にすることにより遮光領域の位置を変化させることが可能であり、表示素子と投写光学系との相対位置に応じて、遮光部材の位置は固定されたまま遮光領域の位置が設定されるように構成してもよい。
【0017】
本開示の投写装置においては、遮光部材は曲面形状を有するように構成してもよい。
【0018】
本開示の投写システムは、複数の本開示の投写装置と、複数の本開示の投写装置を連携させるための制御を行う制御装置とを備えている。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】投写装置の使用状態を模式的に示す図である。
図2】投写装置の別の使用状態を模式的に示す図である。
図3】一実施形態に係る投写装置の概略構成図である。
図4】表示素子の構成を模式的に示す図である。
図5】投写光学系および遮光部材の断面構成を示す図である。
図6】迷光を説明するための図である。
図7】迷光を説明するための図である。
図8】迷光を説明するための図である。
図9】投写有効領域における有効光束を示す図である。
図10】一実施形態に係る遮光部材の構成を示す図である。
図11】投写有効領域における有効光束および遮光部材を示す図である。
図12】変形例の遮光部材の構成を示す図である。
図13】有効光束位置が変化した際の遮光部材の配置を説明するための図である。
図14】遮光部材の位置の設定処理を説明するフローチャートである。
図15】有効光束位置が変化した際の別の変形例の遮光部材の配置を説明するための図である。
図16】有効光束サイズが変化した際の別の変形例の遮光部材の配置を説明するための図である。
図17】遮光部材の位置およびサイズの設定処理を説明するフローチャートである。
図18】さらに別の変形例の遮光部材の構成を示す図である。
図19A】実施例1に係る表示領域の位置を示す図である。
図19B】実施例1に係る有効光束および遮光部材の位置を示す図である。
図20A】実施例2に係る表示領域の位置を示す図である。
図20B】実施例2に係る有効光束および遮光部材の位置を示す図である。
図21A】実施例3に係る表示領域の位置を示す図である。
図21B】実施例3に係る有効光束および遮光部材の位置を示す図である。
図22A】実施例4に係る表示領域の位置を示す図である。
図22B】実施例4に係る有効光束および遮光部材の位置を示す図である。
図23A】実施例5に係る表示領域の位置を示す図である。
図23B】実施例5に係る有効光束および遮光部材の位置を示す図である。
図24A】実施例6に係る表示領域の位置を示す図である。
図24B】実施例6に係る有効光束および遮光部材の位置を示す図である。
図25】変形例の投写光学系の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本開示の技術の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。
【0021】
本明細書の説明において、「平行」又は「垂直」はそれぞれ、完全な平行又は完全な垂直の他に、本開示の技術が属する技術分野で一般的に許容される誤差が含まれる略平行又は略垂直を指す。
【0022】
図1に本開示の技術の一実施形態に係る投写装置10の使用状態を示す。図1では投写装置10が内部に備える表示素子12と、投写ユニット14とを概念的に図示している。表示素子12は、画像を表示する。投写ユニット14は、表示素子12が表示した画像の拡大像を投写像18としてスクリーン16に投写する。投写像18の位置は後述のレンズシフト機構22により調整可能である。
【0023】
スクリーン16は、投写像18が投写される対象物を意味する。スクリーン16としては、専用のスクリーンの他、部屋の壁面の他、床面および天井などでもよい。また、投写装置10を室外で使用する場合は、建物の外壁などもスクリーン16に含まれる。
【0024】
図2に投写装置10の別の使用状態を示す。図2には、2つの投写装置10とコンピュータ88とを組み合わせることによって、投写システム90を構成した例を示す。投写システム90は、例えば複数の投写像18をつなぎ合わせて投写する、いわゆるブレンディング投写に用いられる。コンピュータ88は本開示の技術の「制御装置」の一例である。コンピュータ88は、2つの投写装置10を連携させるための制御を行い、2つの投写装置10によって形成される2つの投写像18を関連付けて投写させる。
【0025】
コンピュータ88は、例えば図2に示すように、2つの投写像18の投写位置を隣接させることにより、1つの投写像18の2倍の画面サイズの連結画像を生成することができる。連結画像の構成要素となる複数の投写像18のデータは、例えばコンピュータ88から各投写装置10に出力される。複数の投写装置10を使用することにより、画面サイズの大きな画像を投写することが可能である。コンピュータ88が行う制御は上記例に限定されず、種々の態様が可能である。例えば、投写像18の少なくとも一部が重畳するように2つの投写像18を配置したり、2つの投写像18の相対位置を時間とともに変化させたりしてもよい。なお、図2では投写システム90が2つの投写装置10を備える例を示すが、投写システム90は3以上の投写装置10を備えてもよい。
【0026】
図3に、投写装置10の概略構成図を模式的に示す。投写装置10は、表示素子12と、投写ユニット14とに加え、光源ユニット20と、レンズシフト機構22と、遮光部材シフト機構24と、プロセッサ26と、操作部28とを備える。
【0027】
光源ユニット20は一例として以下のように構成される。光源ユニット20は、ランプと、回転カラーフィルタと、照明光学系とを有する。ランプは白色光を発光する。回転カラーフィルタは、円周上に青色、緑色、および赤色の3色のフィルタが設けられている。回転カラーフィルタが回転すると、ランプが発した白色光の光路内に各色のフィルタが選択的に挿入される。これによって、白色光が青色光、緑色光、および赤色光の各色光に時分割で選択的に変換される。照明光学系は、回転カラーフィルタから出射された光に対し、光軸と垂直な断面における光量分布の均一性を高める作用を施し、表示素子12へ導光する。
【0028】
表示素子12としては例えば、DMD(Digital Micromirror Device:登録商標)を用いることができる。DMDは、光源ユニット20から照射される光の反射方向を変化させることが可能な複数のマイクロミラーを有しており、各マイクロミラーを画素単位で二次元に配列した画像表示素子である。DMDは、画像に応じて各マイクロミラーの向きを変化させることで、光源ユニット20からの光の反射光のオンオフを切り替えることにより、画像に応じた光変調を行う。
【0029】
投写ユニット14は、投写光学系30と、遮光部材50と、遮光部材シフト機構24とを備える。投写光学系30は、投写像18を形成する。遮光部材50は、迷光を遮光するための部材である。投写光学系30および遮光部材50の詳細構成については後述する。
【0030】
投写光学系30は、表示素子12との相対位置が可変になるように構成されている。本例では、レンズシフト機構22が、表示素子12に対し投写ユニット14を投写光学系30の光軸に垂直な面内で平行移動させる。これによって、投写光学系30は、表示素子12に対し投写光学系30の光軸に垂直な方向に相対移動する(以下、この動作をレンズシフトという)。これによって、スクリーン16での投写像18の位置をシフトさせることができるで、投写像18の位置を調整することができる。図1に投写像18が下方にシフトする様子を矢印と二点鎖線で模式的に示す。レンズシフト機構22は、例えば、ソレノイド又はモータ等のアクチュエータ(不図示)を含んで構成される。
【0031】
遮光部材50は、位置が可変になるように構成されている。本例では、遮光部材シフト機構24が、遮光部材50を、投写光学系30の光軸方向およびこの光軸に垂直な方向に移動させる。遮光部材シフト機構24は、例えば、ソレノイド等のアクチュエータを含んで構成される。
【0032】
プロセッサ26は、レンズシフト機構22および遮光部材シフト機構24と電気的に接続されている。プロセッサ26は例えば、CPU(Central Processing Unit)であり、メモリ(不図示)と協働して、制御プログラムを実行することにより、レンズシフト機構22および遮光部材シフト機構24を含む各部を制御する。
【0033】
操作部28は、ユーザーの操作入力を受け付ける。操作部28は、例えば、方向指示キーを含んで構成される。方向指示キーは、例えばレンズシフトにおける投写光学系30の移動方向および移動量を指定するために用いられる。操作部28は、投写装置10の本体に設けられていてもよく、投写装置10の本体とは別のリモートコントロール装置として設けられていてもよい。ユーザーが操作部28を操作すると、操作信号がプロセッサ26に入力される。プロセッサ26は操作信号に基づいて、各部を制御する。
【0034】
次に、表示素子12および投写ユニット14の要部について説明する。図4に、投写光学系30の光軸に垂直な面における表示素子12の構成を示す。図4の表示素子12は、一例として矩形状である。表示素子12は、画像が表示される矩形状の表示領域12Aを有する。図4では、表示領域12Aにドットハッチングを付している。本明細書では、表示領域12Aの面積をSDとしている。
【0035】
図5に一例として、光軸AXを含む断面における投写光学系30の構成を示す。また、図5には投写光学系30の内部に配置される遮光部材50を模式的に示す。以下の投写光学系30に関する説明では、スクリーン側を拡大側、表示素子側を縮小側という。図5では、左側を拡大側、右側を縮小側としている。また、以下の説明では、投写光学系30の光軸方向をZ方向とし、Z方向に垂直であり図5の上下方向となる方向をY方向とし、Z方向およびY方向の両方に垂直な方向をX方向とする。
【0036】
投写光学系30は、拡大側から縮小側へ光軸AXに沿って順に、レンズL1~L16、開口絞りSt、レンズL17~L20、および光学部材PPを備える。図5に示す開口絞りStは大きさおよび形状ではなく光軸方向の位置を示す。光学部材PPは、プリズム等を想定した屈折力を有しない部材である。光学部材PPは必須の構成要素ではない。図5の例では、Z方向において、光学部材PPの縮小側の面の位置は、表示素子12の画像表示面の位置と一致している。
【0037】
図5には、表示素子12から出射されて投写光学系30を通り投写像18の形成に用いられる有効光束34も示している。表示素子12の表示領域12Aの任意の点から出射されて投写像18の形成に用いられる光束が有効光束34であり、実際には無数の有効光束34が存在するが、図5では図の煩雑化を避けるため、画角0、中間画角、および最大画角の3つに関する有効光束34を代表的に示している。表示素子12の画像表示面における、最大画角の有効光束34の主光線の光軸AXからの高さIM/2は、投写光学系30の縮小側のイメージサークルの半径である。
【0038】
投写光学系30は、表示素子12で表示される画像の中間像MIを投写光学系30内部の空気間隔内に形成し、この中間像MIをスクリーン16に投写して投写像18を形成する。このような中間像MIを形成する構成は、広い画角を確保しながら拡大側のレンズの大径化を抑制することに有利である。図5の投写光学系30では、中間像MIはレンズL12とレンズL13との間の空気間隔内に形成されている。
【0039】
一例として、図5の遮光部材50は板状の部材であり、光軸AXに対して板面が垂直になるように配置されている。図5では見やすさのため厚みを誇張して図示している。図5に示す遮光部材50の厚みおよび大きさは正確なものではない。遮光部材50は、迷光を遮光するための遮光領域52を有する。図5では光軸AXを含むYZ面内での遮光部材50の断面構成を示し、遮光領域52にハッチングを付している。遮光領域52は、全ての有効光束34の光路外に位置するように構成される。すなわち、遮光部材50は、いずれの有効光束34も遮光しない。
【0040】
遮光部材50のZ方向における位置は、中間像MIの位置、もしくは中間像MIの近傍とされる。具体的には、遮光部材50は、中間像MIが形成される空気間隔内に配置される。言い換えると、遮光部材50は、中間像MIに最も近い拡大側の光学素子と、中間像MIに最も近い縮小側の光学素子との間に配置される。ここでいう光学素子はパワーを有する光学素子に限定されず、平面ミラー等のパワーを有しない光学素子も含む。図5の例では遮光部材50はレンズL12とレンズL13との間の空気間隔内に配置されている。中間像MIが形成される空気間隔内に遮光部材50を配置することで、有効光束34と迷光との峻別が容易となる。なお、図5の例では、遮光部材50は中間像MIの近軸結像位置より縮小側に配置されているが、配置可能であれば遮光部材50は中間像MIの近軸結像位置より拡大側に配置されていてもよい。
【0041】
従来の投写装置における迷光について、図6図7、および図8を参照しながら説明する。図6図7、および図8は全て説明用の模式図である。投写装置において、光源ユニット20から表示素子12へ出射された光の大部分は表示素子12で反射されて投写光学系30を通り有効光束34となる。しかし、光源ユニット20から表示素子12へ出射された光の一部は、図6に示すように、表示素子12の表示領域外にある部品13に入射し、部品13で反射されて投写光学系30を通り迷光36となることがある。部品13は例えば表示素子12が実装されている基板等である。その他にも、表示素子12側から投写光学系30へ向かった光の一部が投写光学系30のレンズおよび/又はレンズ以外の部品で反射されて表示素子12側へ戻り、部品13で再び反射されて投写光学系30を通り迷光36となることがある。
【0042】
このような迷光36は図7に示すように、スクリーン16上で投写像18の周囲に迷光領域38として現れることがある。スクリーン16上の投写像18が1つのみの場合は、迷光領域38は投写像18の外にあるため、程度によっては大きな問題にならないこともある。
【0043】
しかし、図2に示した例のように複数の投写像18を連結させたり、複数の投写像18の一部を重複させたりする場合は、図8に示すように迷光領域38が投写像18の中に入り込んでしまうことがある。このような場合は、投写像18の表示品位の低下を招いてしまう。
【0044】
上記のような迷光を遮光するため本例では遮光部材50の構成および配置を好適に設定する。以下の説明では、遮光部材50が配置されるZ方向の位置を便宜的に遮光位置という。図9に一例として、遮光位置のXY面内での投写有効領域40および有効光束42を示す。図9では有効光束42にドットハッチングを付している。図9の有効光束42は、図5の有効光束34のXY面内における断面を示す。遮光位置がZ方向の中間像MIの位置と等しい場合は、投写有効領域40は中間像MIの位置でのイメージサークルであり、有効光束42の面積は中間像MIの面積と同じである。
【0045】
本例では表示素子12の表示領域12Aが矩形状のため、有効光束42も略矩形状となる。ただし、図9の有効光束42は模式的に示しており、その形状は必ずしも正確ではない。図9には、表示領域12Aの中心に対して投写光学系30の光軸AXがシフトしている例を示しており、そのため、投写有効領域40の中心OAに対して有効光束42の中心もシフトしている。本明細書では、XY面内における有効光束42の面積をSLFとしている。
【0046】
図10に一例として、XY面内における遮光部材50の構成を示す。図10の遮光部材50は、矩形状の外形を有する。遮光部材50は、光を遮光する遮光領域52と、光を透過する透光領域54とを有する。図10では、遮光領域52に斜線のハッチングを付し、透光領域54にドットハッチングを付している。遮光領域52は、例えば、黒色の樹脂など、遮光性を有する部材で構成されている。透光領域54は、矩形状であり、全周が遮光領域52に囲まれている。透光領域54は、孔状の開口部として形成されていてもよく、あるいは透光性を有するガラス又は樹脂からなる構成としてもよい。本明細書において、透光領域54に関する「透過」および「透光性」とは、使用波長域での透過率が平均80%であることを意味する。この透過率は平均95%であることがより好ましい。透光領域54は、遮光位置での有効光束42よりも大きな面積を有するように構成される。本明細書では、透光領域54の面積をSTrとしている。
【0047】
図10の遮光部材50を図9の投写有効領域40内に配置した例を図11に示す。図11に示すように、遮光部材50は、透光領域54の内部に有効光束42が収まり、かつ遮光領域52は有効光束42全ての光路外に位置するように配置される。すなわち、全ての有効光束42が透光領域54を通り、遮光領域52は有効光束42を遮光しない。
【0048】
なお、透光領域54の形状は表示素子12の表示領域12Aと同様にすることが好ましいが、遮光部材の形状は上記例に限定されず、適宜変更が可能である。図5には平板状の遮光部材50を示したが、遮光部材は曲面形状を有する構成としてもよい。図12に一例として曲面形状を有する遮光部材150の光軸AXを含むYZ面内での断面構成を示す。遮光部材150は、光を遮光する遮光領域152と、光を透過する透光領域154とを有する。遮光部材150のXY面内における形状は遮光部材50と略同様であり、透光領域154の内部に有効光束42が収まる構成も同様である。中間像MIの像面は湾曲していることが多いため、曲面形状を有する遮光部材150は有効光束42と迷光との峻別に有利となる。さらに、遮光部材150の曲面形状を中間像MIの像面湾曲に沿った形状にすれば、有効光束42と迷光との峻別により有利となる。
【0049】
遮光部材50は、透光領域54の面積をSTr(図10参照)、表示素子12の表示領域12Aの面積をSD(図4参照)とした場合、下記条件式(1)を満足することが好ましい。条件式(1)の下限以下とならないようにすることによって、透光領域54が小さくなり過ぎないため、中間像MIの大きさを適度な大きさにすることができる。中間像MIの大きさが小さすぎると、中間像MIを拡大して所望の大きさの投写像18を得るために、投写光学系30内の中間像MIより拡大側の光学系が大型化してしまうが、条件式(1)の下限以下とならないようにすることによって、このような光学系の大型化を抑制することができる。条件式(1)の上限以上とならないようにすることによって、透光領域54が大きくなり過ぎないため、中間像MIの近傍の光学素子およびメカ部品の大径化を抑制することができる。より良好な特性を得るためには遮光部材50は下記条件式(1-1)を満足することがより好ましい。
0.25<STr/SD<9 (1)
0.4<STr/SD<7 (1-1)
【0050】
また、透光領域54の面積をSTr、遮光位置における透光領域54に平行な面内での有効光束42の面積をSLFとした場合、遮光部材50は下記条件式(2)を満足することが好ましい。条件式(2)の下限以下とならないようにすることによって、有効光束42に対して透光領域54が極度に大きくなり過ぎることがないため、有効光束42の近傍に生じる迷光を遮光する効果を保持することができる。条件式(2)の上限以上とならないようにすることによって、有効光束42より透光領域54が小さくなることがないため、有効光束42が遮光されることを防止できる。より良好な特性を得るためには遮光部材50は下記条件式(2-1)を満足することがより好ましい。
0.5<SLF/STr<1 (2)
0.7<SLF/STr<1 (2-1)
【0051】
なお、図12に示す例などのように曲面形状を有する遮光部材150を用いる場合は、例えば、透光領域154を囲む遮光領域152の形状から透光領域154の曲面形状を推定し、曲面形状を有する透光領域154を多数の微小領域に分割して考え、各微小領域における透光領域154の面積の総和および有効光束42の面積の総和をそれぞれSTrおよびSLFとしてもよい。あるいは、曲面形状を有する遮光部材150を用いる場合は、光軸AXに垂直な面に透光領域154を投影した投影面積をSTrの代用とし、遮光位置における光軸AXに垂直な面での有効光束の面積をSLFの代用としてもよい。
【0052】
また、遮光部材50は、投写光学系30の光軸方向における遮光部材50の位置と中間像MIの近軸結像位置との距離をD、投写光学系30の縮小側のイメージサークルの直径をIMとした場合、下記条件式(3)を満足するように配置されることが好ましい。なお、Dは常に0以上の値をとるものとする。よって、条件式(3)の下限については、0≦D/IMとなる。条件式(3)の上限以上とならないようにすることによって、有効光束42と迷光とを好適に峻別することに有利となる。より良好な特性を得るためには遮光部材50は下記条件式(3-1)を満足するように配置されることがより好ましい。
0≦D/IM<1.5 (3)
0≦D/IM<1.2 (3-1)
【0053】
平板状の遮光部材50が光軸AXに対して傾いて配置される場合、又は図12に示す例などのように曲面形状を有する遮光部材150を用いる場合は、投写光学系30の光軸方向における透光領域154と中間像MIの近軸結像位置との最短距離をDとする。その際に、透光領域を特定できない形状の遮光部材の場合は、遮光部材と中間像MIの近軸結像位置との最短距離をDとしてもよい。
【0054】
なお、レンズシフトが行われると、移動量および方向が異なる種々の状態ごとに上記条件式(2)の対応値は若干異なるが、少なくとも1つの状態で条件式が満足されていればよく、全ての状態で条件式が満足されていることがより好しい。この点は、上記条件式(3)についても同様である。
【0055】
本例では、遮光部材50は、X方向、Y方向、およびZ方向の位置が可変である。レンズシフトが行われると、XY面内での有効光束42の位置が変化するため、遮光部材50のX方向およびY方向の位置を可変にして、有効光束42の位置の変化に追随してXY面内での遮光部材50の位置を変化させることで迷光の遮光を効果的に行うことができる。
【0056】
また、中間像MIの像面が湾曲している場合は、レンズシフトの移動量および方向によっては、遮光部材50のZ方向の位置を可変にすることで迷光の遮光を効果的に行うことができる。図5の例の中間像MIは像面が湾曲しており、光軸近傍の光束によるZ方向の結像位置と、最大画角の光束によるZ方向の結像位置とが異なっている。このため、表示素子12の表示領域12Aが光軸近傍に位置している場合と、イメージサークル周辺部に位置している場合とでは、中間像MIのZ方向の結像位置が異なる。投写光学系30と表示領域12Aとの径方向における相対位置に応じて遮光部材50のZ方向の位置を変化させることで有効光束42と迷光とを好適に峻別することができる。なお、本明細書の説明における「径方向」は、投写光学系30の光軸AXを中心に考えた場合のXY面内での径方向とする。
【0057】
図13および図14を参照しながら、表示素子12と投写光学系30との相対位置に応じて遮光部材50の位置を設定する例について説明する。図13は、図11と同様に、遮光位置でのXY面内における遮光部材50および有効光束42の状態を示す。図13の白い矢印より上の図はレンズシフト前の状態を示し、下の図はレンズシフト後の状態を示す。レンズシフト前は、投写有効領域40内の左上に有効光束42が位置しており、全ての有効光束42が透光領域54を通過できるように遮光部材50も投写有効領域40内の左上に配置されている。
【0058】
この状態から、ユーザーがレンズシフトのために操作部28の方向指示キーを操作すると、操作部28から操作信号がプロセッサ26に入力される。プロセッサ26は操作信号に基づいて、レンズシフト機構22を動作させる。レンズシフト機構22が動作すると、表示素子12に対して投写光学系30がXY面内でシフトされる。これによって、例えば図13の右下方向に有効光束42が移動する。図13では移動後の有効光束42の位置を破線で示す。
【0059】
このような場合、プロセッサ26は例えば図14に示すフローチャートで示される処理を行う。投写像18を表示している間、図14に示す処理は繰り返し行われる。プロセッサ26は、表示素子12と投写光学系30の相対位置が変化したか否かを監視する(ステップS10)。プロセッサ26は、上記相対位置が変化していない間は(ステップS10:NO)、監視を継続する。プロセッサ26は、レンズシフト機構22の動作によって、相対位置が変化したと判定した場合は(ステップS10:YES)、表示素子12と投写光学系30の相対位置を検出する(ステップS11)。
【0060】
プロセッサ26は、次のように相対位置を検出する。例えば、プロセッサ26は、レンズシフト機構22のアクチュエータに入力する駆動パルスをカウントし、カウントした駆動パルス数に基づいて投写光学系30の移動量を検出する。投写光学系30の基準位置からの移動量を検出できれば、表示素子12と投写光学系30の相対位置を検出することができる。あるいは、レンズシフト機構22が投写光学系30の移動量を検出するためのセンサ(不図示)を含んで構成されている場合は、プロセッサ26はセンサが出力する信号に基づいて、移動量を検出してもよい。センサとしては、例えば、投写光学系30の基準位置からの移動量を検出するためのポテンショメーターおよびリニアエンコーダなどを用いることができる。センサからの出力値がアナログ値の場合は、出力値はA/D変換(Analog to Digital Conversion)された後、プロセッサ26に入力される
【0061】
プロセッサ26は、検出した相対位置に応じてXY面内の遮光部材50の位置を導出する(ステップS12)。例えば、プロセッサ26が備えるメモリに、上記相対位置と遮光部材50の位置とを対応させたルックアップテーブルを記憶しておく。ルックアップテーブルには、有光光束が透光領域54内に収まり、遮光領域52が有効光束42を遮光せず、好適に迷光を遮光できる遮光部材50の位置が、相対位置ごとに記録されている。プロセッサ26は、このルックアップテーブルを参照することにより遮光部材50の位置を導出する。
【0062】
プロセッサ26は、導出した位置に遮光部材50を移動させて(ステップS13)、処理を終了する。ステップS13では、プロセッサ26は、遮光部材シフト機構24に制御信号を送り、遮光部材シフト機構24がこの制御信号に基づき遮光部材50を移動させる。図13の例では、遮光部材シフト機構24は図13の右下方向に遮光部材50を移動させる。処理終了後、図13の下の図に示すように、透光領域54の内部に有効光束42が収まり、有効光束42の周囲に遮光領域52が位置する。このように、レンズシフトに連動させて遮光部材50の位置を設定することで、レンズシフトが行われた場合でも、迷光を遮光した投写状態を簡易に実現することができる。
【0063】
次に、変形例の遮光部材を用いて、表示素子12と投写光学系30との相対位置に応じて遮光領域の位置を設定する例について説明する。図15に変形例の一例を示す。図15に示す例は、図13の例と比べて遮光部材50を遮光部材250に置換した点が異なる。遮光部材250の外形は略正方形であり、その一辺は投写有効領域40の直径より長い。遮光部材250の大きさは投写有効領域40全体を覆うことができる大きさである。
【0064】
遮光部材250は、透過率を可変にすることにより遮光領域の位置を変化させることが可能な部材である。一例として遮光部材250は以下の構成を採る。遮光部材250は、2枚の薄い透光性部材の間に通電時に反応する液晶素子が挟まれた構成を有する。透光性部材はガラス又は樹脂である。遮光部材250は駆動回路(不図示)を介してプロセッサ26と接続されている。液晶素子は、例えば液晶層を1対の偏光板で挟んだ構成をしており、印加される電圧値に応じて液晶層内の液晶の配向状態を変化させることによって光の透過率を変化させる。液晶層は例えばXY平面において複数の微小な区画の液晶セルに分割されており、各液晶セルはマトリックス状に配列されている。液晶素子は液晶セル毎に透過率が制御される。例えば液晶セルに電圧が印加されない状態では不透明となり、駆動回路を通じて液晶セルに電圧が印加されると、液晶の配向状態が変化することにより透明となる。液晶層において、電圧が印加されない区画に対応する液晶セルは遮光領域252となり、電圧が印加された区画に対応する液晶セルは透光領域254となる。図15では遮光領域252にハッチングを付している。
【0065】
遮光部材250は電気信号によって、遮光領域252の位置およびサイズの両方を変化させることが可能であり、また、遮光領域252の位置およびサイズの一方のみを変化させることも可能である。なお、遮光部材250のうち、透光領域254以外の部分は遮光領域252である。従って、遮光部材250において、遮光領域252の位置又はサイズ変化させることはそれぞれ、透光領域254の位置又はサイズを変化させることと等価である。
【0066】
図15は、図13同様、遮光位置でのXY面内における遮光部材250および有効光束42の状態を示す。図15の白い矢印より上の図はレンズシフト前の状態を示し、下の図はレンズシフト後の状態を示す。図15のレンズシフトにより有効光束42の位置が変化する様子は、図13の例と同様である。
【0067】
レンズシフト後は、図15の下の図に示すように、全ての有効光束42が透光領域254を通過できるように透光領域254の位置が変化するが、遮光部材250の位置は固定されたままである。すなわち本例では、遮光部材250の位置は固定されたまま透光領域254および遮光領域252の位置を設定することができる。本例の遮光部材250の全体のサイズは、図13で示した遮光部材50よりも大きいが、遮光部材50と異なり、本例では、遮光部材250を空間的に固定させておくことができる。そのため、遮光部材50を設ける場合のような、遮光部材50を空間的に移動させるための機械的な機構が不要となる。その分、構成を簡素化することができ、かつ、機械的な機構を設けるスペースを低減することができる。
【0068】
図16に、透光領域254のサイズ変化に関する例を示す。図5に示すように、Z方向の位置によってXY面内の有効光束42の径は異なるため、遮光部材250が配置されるZ方向の位置(遮光位置)が変わると、遮光位置でのXY面内における有効光束42のサイズは変わる。図16の例はこのような場合を想定している。
【0069】
図16は遮光位置でのXY面内における遮光部材250および有効光束42の状態を示す。図16の白い矢印より上の図は有効光束42のサイズが変化する前の状態を示し、下の図は有効光束42のサイズが変化した後の状態を示す。図16の上の図に比べて下の図では、有効光束42のサイズが大きくなっており、遮光部材250の透光領域254のサイズも有効光束42に合わせて大きくなっている。遮光部材250は電気信号により透光領域254のサイズを変更できるため、有効光束42のサイズが変化した場合でも効率よく迷光を遮光することが容易に可能である。また、透光領域254のサイズの変化によって、透光領域254の面積を変化させることができるため、上述した条件式(1)および(2)を満足する構成にすることが容易に可能である。
【0070】
上記では有効光束42の位置が変化する場合、有効光束42のサイズが変化する場合について個別に説明したが、有効光束42の位置およびサイズの両方が変化する場合も遮光部材250を用いて効果的に遮光することができる。
【0071】
レンズシフトによって遮光位置での有効光束42の位置およびサイズの両方が変化する場合とは例えば、中間像を形成する際に無視できない量の歪曲収差が発生し、かつレンズシフトによって径方向における投写光学系30と表示領域12Aとの相対位置がシフトした場合である。
【0072】
このような場合、例えばプロセッサ26は図17に示すフローチャートで示される処理を行う。投写像18を表示している間、図17に示す処理は繰り返し行われる。図17のフローチャートのステップS10とステップS11の処理は、図14に示すフローチャートの処理と同じため、重複説明を省略する。
【0073】
ステップS11の処理後、プロセッサ26は検出した相対位置に応じて遮光領域252の位置およびサイズを導出する(ステップS12A)。例えば、プロセッサ26が備えるメモリに、上記相対位置と、遮光部材250の位置およびサイズとを対応させたルックアップテーブルを記憶しておく。ルックアップテーブルには、有光光束が透光領域254内に収まり、遮光領域252が有効光束42を遮光せず、好適に迷光を遮光できる遮光領域252の位置およびサイズが、相対位置ごとに記録されている。プロセッサ26は、このルックアップテーブルを参照することにより遮光領域252の位置およびサイズを導出する。
【0074】
プロセッサ26は、導出した位置およびサイズになるように遮光領域252を変更して(ステップS13A)、処理を終了する。ステップS13Aでは、プロセッサ26は、遮光部材250の駆動回路に制御信号を送る。駆動回路は制御信号に基づいて液晶セルごとに電圧を印加又は非印加する。これにより、遮光領域252の位置およびサイズがレンズシフトに連動して設定される。本例においても、遮光部材250の位置は固定されたまま、表示素子12と投写光学系30との相対位置に応じて、遮光領域252の位置およびサイズを設定することができる。すなわち、遮光部材250の位置は固定されたまま、表示素子12と投写光学系30との相対的な位置関係に応じて、自動で透光領域254の位置および面積が設定されるため、好適に迷光を遮光することが簡易に可能である。
【0075】
透光領域の位置および面積を変更可能な遮光部材の別の例として、図18に遮光部材450の概略構成を示す。遮光部材450は、一例として略L字型で平板状の2つの遮光部材452aおよび遮光部材452bの組み合わせからなる。遮光部材452aおよび遮光部材452bの全面が光を遮光可能であり、遮光部材450の遮光領域452は遮光部材452aおよび遮光部材452bからなる。遮光部材452aおよび遮光部材452bは、図18に示すように各々のL字の角が矩形の対角位置にくるように対向配置される。遮光部材452aおよび遮光部材452bで囲まれた矩形状の領域が透光領域454となる。遮光部材452aおよび遮光部材452bは、L字の2辺の方向がそれぞれX方向、Y方向に一致しており、ともに、X方向およびY方向に移動可能である。遮光部材452aおよび遮光部材452bの少なくとも一方を、X方向およびY方向の少なくとも一方向に移動させることにより透光領域454の位置および面積を変更可能である。また、遮光部材452aおよび遮光部材452bの両方を、X方向およびY方向に移動させることにより、透光領域454の中心位置は固定したまま透光領域454の面積を変更可能である。図18では一例として、遮光部材452bをX方向およびY方向に移動させた様子を二点鎖線で示す。
【0076】
次に、本開示の技術に係る投写装置10の実施例の数値データを示す。まず、図5に示す投写光学系30の数値データとして、基本レンズデータを表1に、諸元を表2に、非球面係数を表3に示す。以下に示す表では、予め定められた桁でまるめた数値を記載している。なお、以下に示す実施例の数値データは、投写光学系30の焦点距離の絶対値が1.00となるように規格化されたものであり、比例拡大又は比例縮小しても同様の性能を発揮することができる。
【0077】
表1ではスクリーン16に相当する面の面番号の欄にscreenと記入している。表1において、面番号の欄には最も拡大側のレンズの拡大側の面を第1面とし縮小側に向かうに従い1つずつ番号を増加させた場合の面番号を示し、曲率半径の欄には各面の曲率半径を示し、面間隔の欄には各面とその縮小側に隣接する面との光軸上の面間隔を示す。Ndの欄には各構成要素のd線に対する屈折率を示し、νdの欄には各構成要素のd線基準のアッベ数を示す。
【0078】
表1では、拡大側に凸面を向けた形状の面の曲率半径の符号を正、縮小側に凸面を向けた形状の面の曲率半径の符号を負としている。表1には光学部材PPも合わせて示している。表1では、中間像MIの近軸結像位置、および開口絞りStに相当する面の面番号の欄にはそれぞれ、(中間像)、および(絞り)という語句を面番号とともに記載している。
【0079】
表2には、投写光学系30について、焦点距離の絶対値|f|、空気換算距離でのバックフォーカスBf、FナンバーFNo.、全画角2ω、および縮小側のイメージサークルの直径IMを示す。全画角の欄の[°]は単位が度であることを意味する。表2に示す値は、d線を基準とした場合の値である。
【0080】
表1では、非球面の面番号には*印を付しており、非球面の曲率半径の欄には近軸の曲率半径の数値を記載している。表3において、面番号の欄には非球面の面番号を示し、KAおよびAm(m=3、4、5、・・・20)の欄には各非球面についての非球面係数の数値を示す。表3の非球面係数の数値の「E±n」(n:整数)は「×10±n」を意味する。KAおよびAmは下式で表される非球面式における非球面係数である。
Zd=C×h/{1+(1-KA×C×h1/2}+ΣAm×h
ただし、
Zd:非球面深さ(高さhの非球面上の点から、非球面頂点が接する光軸に垂直な平面に
下ろした垂線の長さ)
h:高さ(光軸からレンズ面までの距離)
C:近軸曲率半径の逆数
KA、Am:非球面係数
であり、非球面式のΣはmに関する総和を意味する。
【0081】
【表1】
【0082】
【表2】
【0083】
【表3】
【0084】
以下に示す実施例1~6は、図5に示す構成において、中間像MI又は中間像近傍に遮光部材を配置し、矩形状の表示領域12Aを有する表示素子12を用いた例である。実施例1~4は図10に示す遮光部材と同形状の遮光部材50を用いた例である。実施例5~6はL字型の遮光部材550を用いた例である。
【0085】
[実施例1]
実施例1は、投写光学系30の光軸AXと表示素子12の表示領域12Aの中心とが一致しており、Z方向の中間像MIの近軸結像位置が遮光位置と等しい例である。図19Aに表示領域12A、図19Bに遮光位置での有効光束42と遮光部材50を示す。図19Aおよび図19BはXY面内における図であり、X軸とY軸との交点Oは、投写光学系30の光軸上の点である。表示領域12Aの中心、および透光領域54の中心は光軸上にある。
【0086】
表4の枠内に、表示素子12の表示領域12Aと遮光部材50の透光領域54について、サイズおよび中心位置を示す。X方向およびY方向のサイズはそれぞれ、各矩形における、長辺の長さおよび短辺の長さである。X方向およびY方向の位置は、交点OをX=0、Y=0の原点として示している。図19Aおよび図19Bにおいて、X方向の符号は、交点Oより左側を負、交点Oより右側を正とし、Y方向の符号は、交点Oより下側を負、交点Oより上側を正としている。Z方向の符号は中間像MIの位置をZ=0の基準として、基準より拡大側を負、基準より縮小側を正としている。表4の枠外に条件式(1)~(3)それぞれの対応値を示す。
【0087】
【表4】
【0088】
上記の実施例1に関する各データの記載方法、および図示方法は、特に断りが無い限り以下の実施例においても同様であるため、以下では一部重複説明を省略する。
【0089】
[実施例2]
実施例2は、交点Oに対し表示素子12の表示領域12Aの中心が正のY方向にシフトしており、Z方向の中間像MIの近軸結像位置が遮光位置と等しい例である。図20Aに表示領域12A、図20Bに遮光位置での有効光束42と遮光部材50を示す。図20Bに示すように、XY面内での有効光束42の中心、および透光領域54の中心は交点Oから負のY方向にシフトしている。表5の枠内に、表示素子12の表示領域12Aと遮光部材50の透光領域54について、サイズおよび中心位置を示す。表5の枠外に条件式(1)~(3)の対応値を示す。
【0090】
【表5】
【0091】
[実施例3]
実施例3は、交点Oに対し表示素子12の表示領域12Aの中心が負のX方向にシフトしており、Z方向の中間像MIの近軸結像位置が遮光位置と等しい例である。図21Aに表示領域12A、図21Bに遮光位置での有効光束42と遮光部材50を示す。図21Bに示すように、XY面内での有効光束42の中心、および透光領域54の中心は交点Oから正のX方向にシフトしている。表6の枠内に、表示素子12の表示領域12Aと遮光部材50の透光領域54について、サイズおよび中心位置を示す。表6の枠外に条件式(1)~(3)の対応値を示す。
【0092】
【表6】
【0093】
[実施例4]
実施例4は、交点Oに対し表示素子12の表示領域12Aの中心が正のY方向にシフトしており、Z方向の中間像MIの近軸結像位置に対し遮光位置が縮小側へシフトしている例である。図22Aに表示領域12A、図22Bに遮光位置での有効光束42と遮光部材50を示す。図22Bに示すように、XY面内での有効光束42の中心、および透光領域54の中心は光軸から負のY方向にシフトしている。表7の枠内に、表示素子12の表示領域12Aと遮光部材50の透光領域54について、サイズおよび中心位置を示す。表7の枠外に条件式(1)~(3)の対応値を示す。
【0094】
【表7】
【0095】
[実施例5]
実施例5の遮光部材550は、全体がL字形状であり、図18に示す遮光部材452aと同様の構成を有する。DMDを表示素子12に用いる場合、表示素子12に対して斜め方向から照明光が照射されるため、迷光が顕著に生じやすい方向とそうでない方向とがある。この場合は、有効光束42の全周囲を遮光領域で囲まなくても、周囲の一部のみを遮光領域で囲むことによって効果的に迷光を軽減することができる。遮光部材550は、このような場合を想定した部材である。
【0096】
実施例5は、交点Oと表示素子12の表示領域12Aの中心が一致しており、Z方向の中間像MIの近軸結像位置が遮光位置と等しい例である。図23Aに表示領域12A、図23Bに遮光位置での有効光束42と遮光部材550を示す。遮光部材550では、L字の外形を構成するX方向の最長辺およびY方向の最長辺を2辺とする矩形を仮想的に考え、この矩形の中心を遮光部材550の仮想中心としている。表示領域12Aの中心、および遮光部材550の仮想中心は光軸上にある。表8の枠内に、表示素子12の表示領域12Aのサイズ、表示領域12Aの位置、および遮光部材550の仮想中心の位置を示す。表8の枠外に条件式(3)の対応値を示す。
【0097】
【表8】
【0098】
[実施例6]
実施例6の遮光部材550は、実施例5の遮光部材550と同じである。実施例6は、交点Oに対し表示素子12の表示領域12Aの中心が正のY方向にシフトしており、Z方向の中間像MIの近軸結像位置に対し遮光位置が縮小側へシフトしている例である。図24Aに表示領域12A、図24Bに遮光位置での有効光束42と遮光部材550を示す。表9の枠内に、表示素子12の表示領域12Aのサイズ、表示領域12Aの位置、および遮光部材550の仮想中心の位置を示す。表9の枠外に条件式(3)の対応値を示す。
【0099】
【表9】
【0100】
実施例1~4は、異なるレンズシフトの状態のものを含むが、表4~7に示す条件式(1)、(2)、および(3)の対応値は全て各条件式を満足している。また、実施例5~6はともに、条件式(3)を満足している。
【0101】
なお、上記実施形態では光路が直線状の投写光学系30を用いる例を説明したが、屈曲光路を有する投写光学系を用いてもよい。図25に一例として、屈曲光路を有する投写光学系130の構成を示す。投写光学系130は、投写光学系30に光路を折り曲げるための反射部材を追加して形成した光学系である。投写光学系130は、拡大側から縮小側へ光路に沿って順に、第1光学系131と、ミラーR1と、第2光学系132と、ミラーR2と、第3光学系133と、光学部材PPとからなる。第1光学系131は図5のレンズL1~L6からなる。第2光学系132は図5のレンズL7~L12からなる。第3光学系133は図5のレンズL13~L20からなる。投写光学系130では、中間像MIはレンズL12とミラーR2との間の空気間隔内に形成されている。図25の中間像MIは光軸近傍のみ示されている。図25の遮光部材50は、その光軸方向の位置が中間像MIの近軸結像位置と一致するように配置されている。
【0102】
なお、投写光学系の変形例は図25に示す例に限定されず、種々の変形が可能である。屈曲光路における、光路を折り曲げる回数、および折り曲げる方向は、可能な範囲で任意に選択可能である。また、投写光学系を構成するレンズ等の各光学素子の曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数、および非球面係数等は、上記各数値実施例で示した値に限定されず、他の値をとり得る。
【0103】
上記実施形態のレンズシフトの説明では投写光学系全体と表示素子12との相対位置を可変にする例を挙げて説明したが、投写光学系の一部と表示素子12との相対位置を可変にしてもよい。すなわち、投写光学系の少なくとも一部と表示素子12との相対位置が可変であればよい。また、上記実施形態のレンズシフトの説明では、表示素子12に対して投写光学系を移動させることにより、表示素子12と投写光学系との相対位置を可変にする例を説明したが、投写光学系に対して表示素子12を移動させることにより表示素子12と投写光学系との相対位置を可変にしてもよい。
【0104】
図17のフローチャートに基づく説明では、レンズシフトの際に遮光部材250の遮光領域の位置およびサイズが自動で設定される例について説明したが、別の方法を採ることも可能である。例えば、ステップS12Aの後、プロセッサ26は導出した位置およびサイズをユーザーに提示し、提示された位置およびサイズとなるようにユーザーが遮光部材を調整してもよい。この場合は、投写装置10に、アクチュエータの代わりに又はそれに加えて手動で遮光部材を調整する機構を備えておく。
【0105】
あるいは、投写装置10に対して、透光領域の位置およびサイズが異なる複数種類の遮光部材を着脱可能にしておき、複数種類の遮光部材の入れ替えをユーザーが行うようにしてもよい。この場合は、例えば、投写光学系の鏡筒部に、複数種類の遮光部材を選択的に挿脱可能なスロットを備える。ユーザーは、選択した遮光部材をスロットに挿入することにより遮光部材を投写光学系に取り付ける。この場合において、投写装置10には、ユーザーに対して取り付けるべき最適な遮光部材を提示する機構を備えておくことが好ましい。例えば、上記例の投写装置10のように、表示素子12と投写光学系との相対位置と、複数種類の各遮光部材とを対応させたルックアップテーブルを記憶しておく。そして、図14に示すステップS11と同様のステップの後、プロセッサ26は、このルックアップテーブルを参照することにより複数種類の遮光部材の中から最適な遮光部材を表示部(図示せず)に表示することによりユーザーに提示する。ユーザーは提示された最適な遮光部材を選択して取り付ける。
【0106】
表示素子12としては、DMDの代わりに液晶表示素子(LCD;Liquid Crystal Display)を使用した透過型表示素子を用いてもよい。また、DMDの代わりに、LED(Light Emitting Diode)、又はOLED(Organic Light Emitting Diode)のような自発光型素子を用いてもよい。
【0107】
上記実施形態では、光源としてランプを用いる例を説明したが、これに限らず、LED、又はレーザ光源を用いてもよい。
【0108】
上記実施形態において、プロセッサとしては、次に示す各種のプロセッサを用いることができる。各種のプロセッサには、ソフトウェア(プログラム)を実行して機能する汎用的なプロセッサであるCPUに加えて、FPGA(Field Programmable gate Array)などの製造後に回路構成を変更可能なプロセッサが含まれる。FPGAには、PLD(Programmable Logic Device)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路などが含まれる。プロセッサは、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせや、CPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路を用いることができる。
【0109】
本開示の技術は、上述の実施形態と種々の変形例は、矛盾が生じない限り、互いに組み合わせることが可能である。また、上記実施形態に限らず、要旨を逸脱しない限り種々の構成を採用することが可能である。
【0110】
本開示の技術の好ましい第1の態様は、画像を表示する表示素子と、画像の中間像を空気間隔内に形成し、中間像を投写して投写像を形成する投写光学系と、空気間隔内に配置された遮光部材とを備え、遮光部材は、表示素子から出射されて投写像の形成に用いられる有効光束全ての光路外に位置する遮光領域と、遮光領域に囲まれて有効光束が透過する透光領域とを含み、上述した条件式(1)を満足する投写装置である。
【0111】
本開示の技術の好ましい第2の態様は、画像を表示する表示素子と、画像の中間像を空気間隔内に形成し、中間像を投写して投写像を形成する投写光学系と、表示素子から出射されて投写像の形成に用いられる有効光束全ての光路外に位置する遮光領域を含み、空気間隔内に配置された遮光部材とを備え、上述した条件式(3)を満足する投写装置である。
【0112】
以上に示した記載内容および図示内容は、本開示の技術に係る部分についての詳細な説明であり、本開示の技術の一例に過ぎない。例えば、上記の構成、機能、作用、および効果に関する説明は、本開示の技術に係る部分の構成、機能、作用、および効果の一例に関する説明である。よって、本開示の技術の主旨を逸脱しない範囲内において、以上に示した記載内容および図示内容に対して、不要な部分を削除したり、新たな要素を追加したり、置き換えたりしてもよいことは言うまでもない。また、錯綜を回避し、本開示の技術に係る部分の理解を容易にするために、以上に示した記載内容および図示内容では、本開示の技術の実施を可能にする上で特に説明を要しない技術常識等に関する説明は省略されている。
【0113】
本明細書に記載された全ての文献、特許出願および技術規格は、個々の文献、特許出願および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
【符号の説明】
【0114】
10 投写装置
12 表示素子
12A 表示領域
13 部品
14 投写ユニット
16 スクリーン
18 投写像
20 光源ユニット
22 レンズシフト機構
24 遮光部材シフト機構
26 プロセッサ
28 操作部
30、130 投写光学系
34、42 有効光束
36 迷光
38 迷光領域
40 投写有効領域
50、150、250、450、452a、452b、550 遮光部材
52、152、252、452 遮光領域
54、154、254、454 透光領域
88 コンピュータ
90 投写システム
131 第1光学系
132 第2光学系
133 第3光学系
AX 光軸
D 遮光部材の位置と中間像の近軸結像位置との距離
IM イメージサークルの直径
L1~L20
MI 中間像
O 交点
OA 中心
PP 光学部材
R1、R2 ミラー
SD 表示領域の面積
SLF 有効光束の面積
STr 透光領域の面積
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19A
図19B
図20A
図20B
図21A
図21B
図22A
図22B
図23A
図23B
図24A
図24B
図25