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7377768ズームレンズ、撮像光学装置及びデジタル機器
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-01
(45)【発行日】2023-11-10
(54)【発明の名称】ズームレンズ、撮像光学装置及びデジタル機器
(51)【国際特許分類】
   G02B 15/20 20060101AFI20231102BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
G02B15/20
G02B13/18
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020097093
(22)【出願日】2020-06-03
(65)【公開番号】P2021189377
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2022-12-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 卓万
(72)【発明者】
【氏名】山田 恵子
(72)【発明者】
【氏名】山本 康
(72)【発明者】
【氏名】山本 浩史
【審査官】殿岡 雅仁
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/012639(WO,A1)
【文献】特開2017-107067(JP,A)
【文献】特開2017-021060(JP,A)
【文献】国際公開第2014/087855(WO,A1)
【文献】特開2013-186379(JP,A)
【文献】特開2011-237737(JP,A)
【文献】国際公開第2012/086154(WO,A1)
【文献】特開2013-171165(JP,A)
【文献】特開2019-133072(JP,A)
【文献】特開2015-031829(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 - 17/08
G02B 21/02 - 21/04
G02B 25/00 - 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から像面側へ順に、
負パワーを有する第1レンズ群と、
正パワーを有する第2レンズ群と、
負パワーを有する第3レンズ群と、
正パワーを有する第4レンズ群とからなり、
前記第2レンズ群は、絞りに対して前記物体側に配置されている第2レンズ前群と、前記絞りに対して前記像面側に配置されている第2レンズ後群とからなり、
広角端から望遠端への変倍時に、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔が減少し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔が変化し、前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間隔が変化し、かつ、前記絞りが前記第2レンズ群と一体で移動し、
前記第2レンズ後群は、前記物体側から順に、正パワーを有する単レンズと、負パワーを有する単レンズとからなり、
前記第2レンズ後群の前記正パワーを有する前記単レンズは、非球面単レンズであ
前記第2レンズ群は、以下の条件式(1)を満足するズームレンズ
0.4<f2f/f2r<1.6 …(1)
ただし、
f2f:前記第2レンズ前群の焦点距離、
f2r:前記第2レンズ後群の焦点距離、
である
【請求項2】
前記第1レンズ群は、前記物体側から順に、負パワーを有する単レンズと、第1パワーを有する非球面単レンズと、正パワーを有する単レンズとからなり、
以下の条件式(2)を満足する、請求項1に記載のズームレンズ;
-0.03<f1・φ12<0.27 …(2)
ただし、
φ12:第1パワー、
f1:前記第1レンズ群の焦点距離、
である。
【請求項3】
前記第1レンズ群は、以下の条件式(3)を満足する、請求項に記載のズームレンズ;
34<|νp-νn|<40 …(3)
ただし、
νp:前記第1レンズ群の前記正パワーを有する前記単レンズのアッベ数、
νn:前記第1レンズ群の前記負パワーを有する前記単レンズのアッベ数、
である。
【請求項4】
前記第3レンズ群は、前記物体側から順に、負パワーを有する単レンズと、第2パワーを有する非球面単レンズとからなり、
前記第3レンズ群は、フォーカシング時に前記像面側に移動し、
前記第3レンズ群は、以下の条件式(4)を満足する、請求項1から請求項のいずれか一項に記載のズームレンズ;
-0.19<f3・φ32<0.21 …(4)
ただし、
φ32:第2パワー、
f3:前記第3レンズ群の焦点距離、
である。
【請求項5】
前記広角端から前記望遠端への前記変倍時に、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間の間隔が増加し、かつ、前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間の間隔が増加する、請求項1から請求項のいずれか一項に記載のズームレンズ。
【請求項6】
以下の条件式(5)及び(6)を満足する、請求項1から請求項のいずれか一項に記載のズームレンズ;
-1.6<f1/f2<-1.3 …(5)
-1.5<f1/fw<-1.3 …(6)
ただし、
f1:前記第1レンズ群の焦点距離、
f2:前記第2レンズ群の焦点距離、
fw:前記広角端における全系の焦点距離、
である。
【請求項7】
以下の条件式(7)を満足する、請求項1から請求項のいずれか一項に記載のズームレンズ;
-0.7<f2/f3<-0.4 …(7)
ただし、
f2:前記第2レンズ群の焦点距離、
f3:前記第3レンズ群の焦点距離、
である。
【請求項8】
以下の条件式(8)を満足する、請求項1から請求項のいずれか一項に記載のズームレンズ;
-3.1<f1/BF<-2.8 …(8)
ただし、
f1:前記第1レンズ群の焦点距離、
BF:前記ズームレンズの前記広角端のバックフォーカス、
である。
【請求項9】
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の前記ズームレンズと、
受光面上に形成された光学像を電気的な信号に変換する撮像素子とを備え、
前記撮像素子の前記受光面上に被写体の光学像が形成されるように、前記ズームレンズが設けられている、撮像光学装置。
【請求項10】
請求項に記載の前記撮像光学装置を備え、
前記被写体の静止画撮影または前記被写体の動画撮影のうちの少なくとも一方の機能を有する、デジタル機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ズームレンズ、撮像光学装置及びデジタル機器に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2018-169618公報(特許文献1)は、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群、正の屈折力を有する第2レンズ群、負の屈折力を有する第3レンズ群、負の屈折力を有する第4レンズ群、正の屈折力を有する第5レンズ群、および正の屈折力を有する第6レンズ群からなるズームレンズを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-169618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のズームレンズは、6つのレンズ群で構成されているため、ズームレンズのサイズが大きい。本開示はこのような課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、より小型化されたズームレンズ並びにこのズームレンズを備える撮像光学装置及びデジタル機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1局面のズームレンズは、物体側から像面側へ順に、負パワーを有する第1レンズ群と、正パワーを有する第2レンズ群と、負パワーを有する第3レンズ群と、正パワーを有する第4レンズ群とからなる。第2レンズ群は、絞りに対して物体側に配置されている第2レンズ前群と、絞りに対して像面側に配置されている第2レンズ後群とからなる。広角端から望遠端への変倍時に、第1レンズ群と第2レンズ群との間隔が減少し、かつ、絞りが第2レンズ群と一体で移動する。第2レンズ群は、以下の条件式(1)を満足する。
0.4<f2f/f2r<1.6 …(1)
ただし、
f2f:第2レンズ前群の焦点距離、
f2r:第2レンズ後群の焦点距離、
である。
【0006】
本開示の第2局面のズームレンズでは、本開示の第1局面のズームレンズにおいて、第2レンズ後群は、物体側から順に、正パワーを有する単レンズと、負パワーを有する単レンズとからなる。第2レンズ後群の正パワーを有する単レンズは、非球面単レンズである。
【0007】
本開示の第3局面のズームレンズでは、本開示の第1局面または第2局面のズームレンズにおいて、第1レンズ群は、物体側から順に、負パワーを有する単レンズと、第1パワーを有する非球面単レンズと、正パワーを有する単レンズとからなる。第1レンズ群は、以下の条件式(2)を満足する。
-0.03<f1・φ12<0.27 …(2)
ただし、
φ12:第1パワー、
f1:第1レンズ群の焦点距離、
である。
【0008】
本開示の第4局面のズームレンズでは、本開示の第3局面のズームレンズにおいて、第1レンズ群は、以下の条件式(3)を満足する。
34<|νp-νn|<40 …(3)
ただし、
νp:第1レンズ群の正パワーを有する単レンズのアッベ数、
νn:第1レンズ群の負パワーを有する単レンズのアッベ数、
である。
【0009】
本開示の第5局面のズームレンズでは、本開示の第1局面からは第4局面のいずれかのズームレンズにおいて、第3レンズ群は、物体側から順に、負パワーを有する単レンズと、第2パワーを有する非球面単レンズとからなる。第3レンズ群は、フォーカシング時に像面側に移動する。第3レンズ群は、以下の条件式(4)を満足する。
-0.19<f3・φ32<0.21 …(4)
ただし、
φ32:第2パワー、
f3:第3レンズ群の焦点距離、
である。
【0010】
本開示の第6局面のズームレンズでは、本開示の第1局面からは第5局面のいずれかのズームレンズにおいて、広角端から望遠端への変倍時に、第2レンズ群と第3レンズ群との間の間隔が増加し、かつ、第3レンズ群と第4レンズ群との間の間隔が増加する。
【0011】
本開示の第7局面のズームレンズでは、本開示の第1局面からは第6局面のいずれかのズームレンズにおいて、以下の条件式(5)及び(6)を満足する。
-1.6<f1/f2<-1.3 …(5)
-1.5<f1/fw<-1.3 …(6)
ただし、
f1:第1レンズ群の焦点距離、
f2:第2レンズ群の焦点距離、
fw:広角端における全系の焦点距離、
である。
【0012】
本開示の第8局面のズームレンズでは、本開示の第1局面からは第7局面のいずれかのズームレンズにおいて、以下の条件式(7)を満足する。
-0.7<f2/f3<-0.4 …(7)
ただし、
f2:第2レンズ群の焦点距離、
f3:第3レンズ群の焦点距離、
である。
【0013】
本開示の第9局面のズームレンズでは、本開示の第1局面からは第8局面のいずれかのズームレンズにおいて、以下の条件式(8)を満足する。
-3.1<f1/BF<-2.8 …(8)
ただし、
f1:第1レンズ群の焦点距離、
BF:ズームレンズのバックフォーカス、
である。
【0014】
本開示の撮像光学装置は、本開示の第1局面からは第9局面のいずれかのズームレンズと、受光面上に形成された光学像を電気的な信号に変換する撮像素子とを備える。撮像素子の受光面上に被写体の光学像が形成されるように、ズームレンズが設けられている。
【0015】
本開示のデジタル機器は、本開示の撮像光学装置を備える。デジタル機器は、被写体の静止画撮影または被写体の動画撮影のうちの少なくとも一方の機能を有する。
【発明の効果】
【0016】
本開示のズームレンズは、より小型化され得る。また、本開示の撮像光学装置及び本開示のデジタル機器は本開示のズームレンズを備えるため、より小型化され得る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1の実施の形態に係るズームレンズの構成を示す図である。
図2】第2の実施の形態に係るズームレンズの構成を示す図である。
図3】第3の実施の形態に係るズームレンズの構成を示す図である。
図4】第4の実施の形態に係るズームレンズの構成を示す図である。
図5】第5の実施の形態に係るズームレンズの構成を示す図である。
図6A】実施例1の広角端における縦収差図であり、広角端における収差(球面収差、非点収差及び歪曲収差)を示す図である。
図6B】実施例1の中間焦点距離状態における縦収差図であり、中間焦点距離状態における収差(球面収差、非点収差及び歪曲収差)を示す図である。
図6C】実施例1の望遠端における縦収差図であり、望遠端における収差(球面収差、非点収差及び歪曲収差)を示す図である。
図7A】実施例2の広角端における縦収差図であり、広角端における収差(球面収差、非点収差及び歪曲収差)を示す図である。
図7B】実施例2の中間焦点距離状態における縦収差図であり、中間焦点距離状態における収差(球面収差、非点収差及び歪曲収差)を示す図である。
図7C】実施例2の望遠端における縦収差図であり、望遠端における収差(球面収差、非点収差及び歪曲収差)を示す図である。
図8A】実施例3の広角端における縦収差図であり、広角端における収差(球面収差、非点収差及び歪曲収差)を示す図である。
図8B】実施例3の中間焦点距離状態における縦収差図であり、中間焦点距離状態における収差(球面収差、非点収差及び歪曲収差)を示す図である。
図8C】実施例3の望遠端における縦収差図であり、望遠端における収差(球面収差、非点収差及び歪曲収差)を示す図である。
図9A】実施例4の広角端における縦収差図であり、広角端における収差(球面収差、非点収差及び歪曲収差)を示す図である。
図9B】実施例4の中間焦点距離状態における縦収差図であり、中間焦点距離状態における収差(球面収差、非点収差及び歪曲収差)を示す図である。
図9C】実施例4の望遠端における縦収差図であり、望遠端における収差(球面収差、非点収差及び歪曲収差)を示す図である。
図10A】実施例5の広角端における縦収差図であり、広角端における収差(球面収差、非点収差及び歪曲収差)を示す図である。
図10B】実施例5の中間焦点距離状態における縦収差図であり、中間焦点距離状態における収差(球面収差、非点収差及び歪曲収差)を示す図である。
図10C】実施例5の望遠端における縦収差図であり、望遠端における収差(球面収差、非点収差及び歪曲収差)を示す図である。
図11】本実施の形態のズームレンズを備えた撮像光学装置およびデジタル機器の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、図面を参照しつつ、本開示の一実施形態について説明する。実施の形態に係るズームレンズは、物体側から像面側へ順に、負パワーを有する第1レンズ群と、正パワーを有する第2レンズ群と、負パワーを有する第3レンズ群と、正パワーを有する第4レンズ群とからなる。第2レンズ群は、絞りに対して物体側に配置されている第2レンズ前群と、絞りに対して像面側に配置されている第2レンズ後群とからなる。広角端から望遠端への変倍時に、第1レンズ群と第2レンズ群との間隔が減少し、かつ、絞りが第2レンズ群と一体で移動する。第2レンズ群は、以下の条件式(1)を満足する。
0.4<f2f/f2r<1.6 …(1)
ただし、
f2f:第2レンズ前群の焦点距離、
f2r:第2レンズ後群の焦点距離、
である。
【0019】
上記ズームレンズでは、レンズ群の数が四つにまで減少している。そのため、ズームレンズは、小型化され得る。また、上記ズームレンズでは、絞りは、第2レンズ前群と第2レンズ後群との間に配置されており、かつ、広角端から望遠端への変倍時に第2レンズ群と一体で移動する。そのため、望遠端において、第1レンズ群と第2レンズ群との間の間隔を減少させることができる。変倍に必要なレンズ群の移動量を確保しながら、ズームレンズの全長を減少させることができる。ズームレンズは、小型化され得る。
【0020】
条件式(1)は、第2レンズ後群の焦点距離に対する第2レンズ前群の焦点距離の比を適切に設定して、良好に収差及び像面湾曲を補正するための条件を規定している。f2f/f2rが条件式(1)の上限を上回ると、第2レンズ後群のパワーが強くなりすぎるため、像面湾曲の補正が困難になる。f2f/f2rが条件式(1)の下限を下回ると、第2レンズ前群のパワーが強くなりすぎるため、球面収差の補正が困難になる。
【0021】
本実施の形態において、第2レンズ後群は、物体側から順に、正パワーを有する単レンズと、負パワーを有する単レンズとからなり、第2レンズ後群の正パワーを有する単レンズが非球面単レンズであることが好ましい。
【0022】
そのため、第2レンズ前群で発生する球面収差及びコマ収差を、第2レンズ後群の非球面単レンズで補正することができる。
【0023】
本実施の形態において、第1レンズ群は、物体側から順に、負パワーを有する単レンズと、第1パワーを有する非球面単レンズと、正パワーを有する単レンズとからなる。第1レンズ群は、以下の条件式(2)を満足する。
-0.03<f1・φ12<0.27 …(2)
ただし、
φ12:第1パワー、
f1:第1レンズ群の焦点距離、
である。
【0024】
第1レンズ群の非球面単レンズは、負パワーを有する第1レンズ群で発生する歪曲収差を低減することができる。
【0025】
条件式(2)は、ズームレンズにとってより実用的な第1レンズ群の非球面単レンズの条件を規定している。f1・φ12が条件式(2)の上限を上回ると、第1レンズ群の非球面単レンズの負パワーが強くなりすぎるため、負の歪曲収差を十分に補正することが難しくなる。f1・φ12が条件式(2)の下限を下回ると、第1レンズ群の非球面単レンズの正パワーが強くなりすぎるため、非点収差を十分に補正することが難しくなる。
【0026】
本実施の形態において、第1レンズ群は、以下の条件式(3)を満足することが好ましい。
34<|νp-νn|<40 …(3)
ただし、
νp:第1レンズ群の正パワーを有する単レンズのアッベ数、
νn:第1レンズ群の負パワーを有する単レンズのアッベ数、
である。
【0027】
条件式(3)は、第1レンズ群における望ましいアッベ数を規定している。|νp-νn|が条件式(3)の上限を上回ると、倍率色収差補正量が大きくなりすぎるため、好ましくない。|νp-νn|が条件式(3)の下限を下回ると、軸上色収差が増大するため、好ましくない。
【0028】
本実施の形態において、第3レンズ群は、物体側から順に、負パワーを有する単レンズと、第2パワーを有する非球面単レンズとからなることが好ましい。第3レンズ群は、フォーカシング時に像面側に移動する。第3レンズ群は、以下の条件式(4)を満足することが好ましい。
-0.19<f3・φ32<0.21 …(4)
ただし、
φ32:第2パワー、
f3:第3レンズ群の焦点距離、
である。
【0029】
第3レンズ群は、負パワーを有する単レンズと、第2パワーを有する非球面単レンズとからなるため、フォーカシング時のコマ収差変動を抑制することができる。
【0030】
条件式(4)は、ズームレンズにとってより実用的な第3レンズ群の非球面単レンズの条件を規定している。f3・φ32が条件式(4)の上限を上回ると、第3レンズ群の非球面単レンズの負パワーが強くなりすぎるため、フォーカス時に発生するコマ収差が大きくなり好ましくない。f3・φ32が条件式(4)の下限を下回ると、第1レンズ群の非球面単レンズの正パワーが強くなりすぎるため、非点収差が増大して、非点収差を十分に補正することが難しくなる。
【0031】
本実施の形態において、広角端から望遠端への変倍時に、第2レンズ群と第3レンズ群との間の間隔が増加し、かつ、第3レンズ群と第4レンズ群との間の間隔が増加することが好ましい。
【0032】
そのため、第3レンズ群によって、広角端における像面湾曲の変動と望遠端における像面湾曲の変動とを互いに独立して補正することが可能になる。
【0033】
本実施の形態において、以下の条件式(5)及び(6)を満足することが好ましい。
-1.6<f1/f2<-1.3 …(5)
-1.5<f1/fw<-1.3 …(6)
ただし、
f1:第1レンズ群の焦点距離、
f2:第2レンズ群の焦点距離、
fw:広角端における全系の焦点距離、
である。
【0034】
条件式(5)は、第2レンズ群のパワーに対する第1レンズ群のパワーの比を規定している。f1/f2が条件式(5)の下限を下回ると、第2レンズ群の正パワーが強くなりすぎるため、球面収差の補正が困難になる。f1/f2が条件式(5)の上限を上回ると、第1レンズ群の負パワーが強くなりすぎるため、負の歪曲収差の補正が困難になる。
【0035】
条件式(6)は、第1レンズ群の負のパワーの好ましい範囲に規定している。f1/fwが条件式(6)の下限以上であると、第1レンズ群の負のパワーを適切に設定することができ、ズームレンズの全長を短縮することができる。f1/fwが条件式(6)の上限を上回ると、第1レンズ群の負パワーが強くなりすぎるため、負の歪曲収差の補正が困難になる。
【0036】
本実施の形態において、以下の条件式(7)を満足することが好ましい。
-0.7<f2/f3<-0.4 …(7)
ただし、
f2:第2レンズ群の焦点距離、
f3:第3レンズ群の焦点距離、
である。
【0037】
条件式(7)は、第3レンズ群のパワーに対する第2レンズ群のパワーの比を規定している。f2/f3が条件式(7)の上限を上回ると、第2レンズ群の正パワーが強くなりすぎるため、球面収差及び軸外コマ収差の補正が困難になる。f2/f3が条件式(7)の下限を下回ると、第3レンズ群の負パワーが強くなりすぎるため、フォーカシング時の軸外コマ収差変動の補正が困難になる。
【0038】
本実施の形態において、以下の条件式(8)を満足することが好ましい。
-3.1<f1/BF<-2.8 …(8)
ただし、
f1:第1レンズ群の焦点距離、
BF:ズームレンズのバックフォーカス、
である。
【0039】
条件式(8)は、ズームレンズのバックフォーカスに対する第1レンズ群のパワーの比を規定している。f1/BFが条件式(8)の上限以下であると、ズームレンズのバックフォーカスが短くなって、ズームレンズを一層小型化することができる。f1/BFが条件式(8)の下限以上であると、第1レンズ群の負パワーが強いため、ズームレンズの全長が一層短くなって、ズームレンズを一層小型化することができる。
【0040】
本実施の形態の撮像光学装置は、本実施の形態のズームレンズと、受光面上に形成された光学像を電気的な信号に変換する撮像素子とを備える。撮像素子の受光面上に被写体の光学像が形成されるように、本実施の形態のズームレンズが設けられている。
【0041】
本実施の形態のデジタル機器は、本実施の形態の撮像光学装置を備える。本実施の形態のデジタル機器は、被写体の静止画撮影または被写体の動画撮影のうちの少なくとも一方の機能を有する。
【0042】
本実施の形態の撮像光学装置及び本実施の形態のデジタル機器は本実施の形態のズームレンズを備えているため、小型化された撮像光学装置を実現することができる。本実施の形態のズームレンズ又は撮像光学装置を本実施の形態デジタル機器(例えばデジタルカメラ)に用いることによって、デジタル機器に対して高性能の画像入力機能をコンパクトに付加することが可能となり、デジタル機器のコンパクト化及び低コスト化等に寄与することができる。例えば、本実施の形態のズームレンズは、ミラーレスタイプのレンズ交換式デジタルカメラ用の交換レンズとして好適であるため、持ち運びに便利な軽量・小型で高性能な交換レンズを実現することができる。
【0043】
<本発明の実施の形態に係るズームレンズの具体的な光学構成>
図1図5は、第1~第5の実施の形態に係るズームレンズZLの構成をそれぞれ示すレンズ構成図である。図1図8の各々において、「Wide」は広角端におけるレンズ断面図であり、「Middle」は中間焦点距離状態におけるレンズ断面図であり、「Tele」は望遠端におけるレンズ断面図であり、「AX」は光軸を指す。「Wide」、「Middle」及び「Tele」は、いずれも、無限遠物体合焦時のレンズ断面図である。
【0044】
(第1の実施の形態)
図1に示されるように、第1の実施の形態に係るズームレンズZLは、物体側から順に、負パワーを有する第1レンズ群G1と、正パワーを有する第2レンズ群G2と、負パワーを有する第3レンズ群G3と、正パワーを有する第4レンズ群G4とからなる。ズームレンズZLは、負正負正の4群ズームレンズである。第2レンズ群G2は、正パワーを有する第2レンズ前群G2fと、正パワーを有する第2レンズ後群G2rとからなる。第2レンズ前群G2fは、絞りSTに対して物体側に配置されている。第2レンズ後群G2rは、絞りSTに対して像面IM側に配置されている。絞りSTは、第2レンズ前群G2fと第2レンズ後群G2rとの間に配置されている。
【0045】
広角端から望遠端への変倍時に、第1レンズ群G1、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3及び第4レンズ群G4のうち互いに隣り合う2つのレンズ群の間隔が変化する。具体的には、広角端から望遠端への変倍時に、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔が減少する。第1レンズ群G1と第2レンズ群G2とは、ズームレンズZLの主な変倍機能を担っている。広角端から望遠端への変倍時に、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔が増加し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔が増加する。特定的には、広角端から望遠端への変倍時に、第1レンズ群G1は一旦像面IM側に移動した後に物体側にUターンし、第2レンズ群G2及び第3レンズ群G3は物体側へ単調に移動し、第4レンズ群G4は固定されている。広角端から望遠端への変倍時に、絞りSTは、第2レンズ群G2と一体で移動する。特定的には、広角端から望遠端への変倍時に、絞りSTは、第2レンズ前群G2fと一体で移動する。
【0046】
第3レンズ群G3は、フォーカス群である。無限遠から近距離物体へのフォーカシングの際に、第3レンズ群G3は像面IM側へ移動する。
【0047】
第1の実施の形態における第1レンズ群G1から第4レンズ群G4は、各々、近軸の面形状で各レンズを見た場合、物体側から順に以下のように構成されている。
【0048】
第1レンズ群G1は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1aと、両凹の負レンズL1bと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL1cとからなる。負レンズL1bは、非球面単レンズである。
【0049】
第2レンズ前群G2fは、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL2aと、両凸の正レンズL2bと、両凹の負レンズL2cとからなる。正レンズL2bと負レンズL2cとは接合されて、正パワーを有する接合レンズを構成する。第2レンズ後群G2rは、物体側から順に、正パワーを有する単レンズと、負パワーを有する単レンズとからなる。具体的には、第2レンズ後群G2rは、両凸の正レンズL2dと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL2eとからなる。両凸の正レンズL2dは、非球面単レンズである。
【0050】
第3レンズ群G3は、像面IM側に凸面を向けた負メニスカスレンズL3aと、像面IM側に凸面を向けた負メニスカスレンズL3bとからなる。負メニスカスレンズL3bは、非球面単レンズである。
【0051】
第4レンズ群G4は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL4aからなる。
【0052】
(第2の実施の形態)
図2に示されるように、第2の実施の形態に係るズームレンズZLは、物体側から順に、負パワーを有する第1レンズ群G1と、正パワーを有する第2レンズ群G2と、負パワーを有する第3レンズ群G3と、正パワーを有する第4レンズ群G4とからなる。ズームレンズZLは、負正負正の4群ズームレンズである。第2レンズ群G2は、正パワーを有する第2レンズ前群G2fと、正パワーを有する第2レンズ後群G2rとからなる。第2レンズ前群G2fは、絞りSTに対して物体側に配置されている。第2レンズ後群G2rは、絞りSTに対して像面IM側に配置されている。絞りSTは、第2レンズ前群G2fと第2レンズ後群G2rとの間に配置されている。
【0053】
広角端から望遠端への変倍時に、第1レンズ群G1、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3及び第4レンズ群G4のうち互いに隣り合う2つのレンズ群の間隔が変化する。具体的には、広角端から望遠端への変倍時に、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔が減少する。第1レンズ群G1と第2レンズ群G2とは、ズームレンズZLの主な変倍機能を担っている。広角端から望遠端への変倍時に、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔が増加し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔が増加する。特定的には、広角端から望遠端への変倍時に、第1レンズ群G1は一旦像面IM側に移動した後に物体側にUターンし、第2レンズ群G2及び第3レンズ群G3は物体側へ単調に移動し、第4レンズ群G4は固定されている。広角端から望遠端への変倍時に、絞りSTは、第2レンズ群G2と一体で移動する。特定的には、広角端から望遠端への変倍時に、絞りSTは、第2レンズ前群G2fと一体で移動する。
【0054】
第3レンズ群G3は、フォーカス群である。無限遠から近距離物体へのフォーカシングの際に、第3レンズ群G3は像面IM側へ移動する。
【0055】
第2の実施の形態における第1レンズ群G1から第4レンズ群G4は、各々、近軸の面形状で各レンズを見た場合、物体側から順に以下のように構成されている。
【0056】
第1レンズ群G1は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1aと、両凹の負レンズL1bと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL1cとからなる。負レンズL1bは、非球面単レンズである。
【0057】
第2レンズ前群G2fは、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL2aと、両凸の正レンズL2bと、両凹の負レンズL2cとからなる。正レンズL2bと負レンズL2cとは接合されて、正パワーを有する接合レンズを構成する。第2レンズ後群G2rは、物体側から順に、正パワーを有する単レンズと、負パワーを有する単レンズとからなる。具体的には、第2レンズ後群G2rは、両凸の正レンズL2dと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL2eとからなる。両凸の正レンズL2dは、非球面単レンズである。
【0058】
第3レンズ群G3は、像面IM側に凸面を向けた負メニスカスレンズL3aと、像面IM側に凸面を向けた負メニスカスレンズL3bとからなる。負メニスカスレンズL3bは、非球面単レンズである。
【0059】
第4レンズ群G4は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL4aからなる。
【0060】
(第3の実施の形態)
図3に示されるように、第3の実施の形態に係るズームレンズZLは、物体側から順に、負パワーを有する第1レンズ群G1と、正パワーを有する第2レンズ群G2と、負パワーを有する第3レンズ群G3と、正パワーを有する第4レンズ群G4とからなる。ズームレンズZLは、負正負正の4群ズームレンズである。第2レンズ群G2は、正パワーを有する第2レンズ前群G2fと、正パワーを有する第2レンズ後群G2rとからなる。第2レンズ前群G2fは、絞りSTに対して物体側に配置されている。第2レンズ後群G2rは、絞りSTに対して像面IM側に配置されている。絞りSTは、第2レンズ前群G2fと第2レンズ後群G2rとの間に配置されている。
【0061】
広角端から望遠端への変倍時に、第1レンズ群G1、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3及び第4レンズ群G4のうち互いに隣り合う2つのレンズ群の間隔が変化する。具体的には、広角端から望遠端への変倍時に、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔が減少する。第1レンズ群G1と第2レンズ群G2とは、ズームレンズZLの主な変倍機能を担っている。広角端から望遠端への変倍時に、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔が増加し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔が増加する。特定的には、広角端から望遠端への変倍時に、第1レンズ群G1は一旦像面IM側に移動した後に物体側にUターンし、第2レンズ群G2及び第3レンズ群G3は物体側へ単調に移動し、第4レンズ群G4は固定されている。広角端から望遠端への変倍時に、絞りSTは、第2レンズ群G2と一体で移動する。特定的には、広角端から望遠端への変倍時に、絞りSTは、第2レンズ前群G2fと一体で移動する。
【0062】
第3レンズ群G3は、フォーカス群である。無限遠から近距離物体へのフォーカシングの際に、第3レンズ群G3は像面IM側へ移動する。
【0063】
第3の実施の形態における第1レンズ群G1から第4レンズ群G4は、各々、近軸の面形状で各レンズを見た場合、物体側から順に以下のように構成されている。
【0064】
第1レンズ群G1は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1aと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1bと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL1cとからなる。負メニスカスレンズL1bは、非球面単レンズである。
【0065】
第2レンズ前群G2fは、両凸の正レンズL2aと、両凹の負レンズL2bとからなる。正レンズL2aと負レンズL2bとは接合されて、正パワーを有する接合レンズを構成する。第2レンズ後群G2rは、物体側から順に、正パワーを有する単レンズと、負パワーを有する単レンズとからなる。具体的には、第2レンズ後群G2rは、両凸の正レンズL2cと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL2dとからなる。両凸の正レンズL2cは、非球面単レンズである。
【0066】
第3レンズ群G3は、両凹の負レンズL3aと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL3bと、物体側に凸の平凸レンズL3cとからなる。負レンズL3aと負メニスカスレンズL3bと接合されて、負パワーを有する接合レンズを構成する。接合レンズは、フォーカス時に発生する色収差を改善することができる。平凸レンズL3cは、負レンズである。平凸レンズL3cは、非球面単レンズである。
【0067】
第4レンズ群G4は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL4aからなる。
【0068】
(第4の実施の形態)
図4に示されるように、第4の実施の形態に係るズームレンズZLは、物体側から順に、負パワーを有する第1レンズ群G1と、正パワーを有する第2レンズ群G2と、負パワーを有する第3レンズ群G3と、正パワーを有する第4レンズ群G4とからなる。ズームレンズZLは、負正負正の4群ズームレンズである。第2レンズ群G2は、正パワーを有する第2レンズ前群G2fと、正パワーを有する第2レンズ後群G2rとからなる。第2レンズ前群G2fは、絞りSTに対して物体側に配置されている。第2レンズ後群G2rは、絞りSTに対して像面IM側に配置されている。絞りSTは、第2レンズ前群G2fと第2レンズ後群G2rとの間に配置されている。
【0069】
広角端から望遠端への変倍時に、第1レンズ群G1、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3及び第4レンズ群G4のうち互いに隣り合う2つのレンズ群の間隔が変化する。具体的には、広角端から望遠端への変倍時に、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔が減少する。第1レンズ群G1と第2レンズ群G2とは、ズームレンズZLの主な変倍機能を担っている。広角端から望遠端への変倍時に、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔が増加し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔が増加する。特定的には、広角端から望遠端への変倍時に、第1レンズ群G1は一旦像面IM側に移動した後に物体側にUターンし、第2レンズ群G2及び第3レンズ群G3は物体側へ単調に移動し、第4レンズ群G4は固定されている。広角端から望遠端への変倍時に、絞りSTは、第2レンズ群G2と一体で移動する。特定的には、広角端から望遠端への変倍時に、絞りSTは、第2レンズ前群G2fと一体で移動する。
【0070】
第3レンズ群G3は、フォーカス群である。無限遠から近距離物体へのフォーカシングの際に、第3レンズ群G3は像面IM側へ移動する。
【0071】
第4の実施の形態における第1レンズ群G1から第4レンズ群G4は、各々、近軸の面形状で各レンズを見た場合、物体側から順に以下のように構成されている。
【0072】
第1レンズ群G1は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1aと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1bと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL1cとからなる。負メニスカスレンズL1bは、非球面単レンズである。
【0073】
第2レンズ前群G2fは、両凸の正レンズL2aと、両凹の負レンズL2bとからなる。正レンズL2aと負レンズL2bとは接合されて、正パワーを有する接合レンズを構成する。第2レンズ後群G2rは、物体側から順に、正パワーを有する単レンズと、負パワーを有する単レンズとからなる。具体的には、第2レンズ後群G2rは、両凸の正レンズL2cと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL2dとからなる。両凸の正レンズL2cは、非球面単レンズである。
【0074】
第3レンズ群G3は、両凹の負レンズL3aと、両凸の正レンズL3bとからなる。両凸の正レンズL3bは、非球面単レンズである。
【0075】
第4レンズ群G4は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL4aからなる。
【0076】
(第5の実施の形態)
図5に示されるように、第5の実施の形態に係るズームレンズZLは、物体側から順に、負パワーを有する第1レンズ群G1と、正パワーを有する第2レンズ群G2と、負パワーを有する第3レンズ群G3と、正パワーを有する第4レンズ群G4とからなる。ズームレンズZLは、負正負正の4群ズームレンズである。第2レンズ群G2は、正パワーを有する第2レンズ前群G2fと、正パワーを有する第2レンズ後群G2rとからなる。第2レンズ前群G2fは、絞りSTに対して物体側に配置されている。第2レンズ後群G2rは、絞りSTに対して像面IM側に配置されている。絞りSTは、第2レンズ前群G2fと第2レンズ後群G2rとの間に配置されている。
【0077】
広角端から望遠端への変倍時に、第1レンズ群G1、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3及び第4レンズ群G4のうち互いに隣り合う2つのレンズ群の間隔が変化する。具体的には、広角端から望遠端への変倍時に、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔が減少する。第1レンズ群G1と第2レンズ群G2とは、ズームレンズZLの主な変倍機能を担っている。広角端から望遠端への変倍時に、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔が増加し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔が増加する。特定的には、広角端から望遠端への変倍時に、第1レンズ群G1は一旦像面IM側に移動した後に物体側にUターンし、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3及び第4レンズ群G4は物体側へ単調に移動する。広角端から望遠端への変倍時に、絞りSTは、第2レンズ群G2と一体で移動する。特定的には、広角端から望遠端への変倍時に、絞りSTは、第2レンズ前群G2fと一体で移動する。
【0078】
第3レンズ群G3は、フォーカス群である。無限遠から近距離物体へのフォーカシングの際に、第3レンズ群G3は像面IM側へ移動する。
【0079】
第5の実施の形態における第1レンズ群G1から第4レンズ群G4は、各々、近軸の面形状で各レンズを見た場合、物体側から順に以下のように構成されている。
【0080】
第1レンズ群G1は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1aと、ゼロのパワーを有しかつ像面IM側に凸面を向けたメニスカスレンズL1bと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL1cとからなる。メニスカスレンズL1bは、非球面単レンズである。
【0081】
第2レンズ前群G2fは、両凸の正レンズL2aと、両凹の負レンズL2bとからなる。正レンズL2aと負レンズL2bとは接合されて、正パワーを有する接合レンズを構成する。第2レンズ後群G2rは、物体側から順に、正パワーを有する単レンズと、負パワーを有する単レンズとからなる。具体的には、第2レンズ後群G2rは、両凸の正レンズL2cと、両凹の負レンズL2bとからなる。両凸の正レンズL2cは、非球面単レンズである。
【0082】
第3レンズ群G3は、両凹の負レンズL3aと、ゼロのパワーを有しかつ像面IM側に凸面を向けたメニスカスレンズL3bとからなる。メニスカスレンズL3bは、非球面単レンズである。
【0083】
第4レンズ群G4は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL4aからなる。
【実施例
【0084】
以下、実施の形態に係るズームレンズの構成等を、実施例のコンストラクションデータ等を挙げて更に具体的に説明する。ここで挙げる実施例1~5は、前述した第1~第5の実施の形態にそれぞれ対応する数値実施例であり、第1~第5の実施の形態のレンズ構成図(図1図5)は、対応する実施例1~5の光学構成(レンズ配置,レンズ形状等)をそれぞれ示している。
【0085】
各実施例のコンストラクションデータでは、面データとして、左側の欄から順に、面番号(object:物面,stop:開口絞りST,image:像面IM),曲率半径r(mm),軸上面間隔d(mm),d線(波長587.56nm)に関する屈折率nd,d線に関するアッベ数vdを示す。面番号iに*が付された面は非球面であり、その面形状は面頂点を原点とするローカルな直交座標系(x,y,z)を用いた以下の式(AS)で定義される。非球面データとして、非球面係数等を示す。なお、各実施例の非球面データにおいて表記の無い項の係数は0であり、すべてのデータに関してe-n=×10-nである。
z=(c・h2)/[1+√{1-(1+K)・c2・h2}]+Σ(Aj・hj) …(AS)
ただし、
h:z軸(光軸AX)に対して垂直な方向の高さ(h2=x2+y2)、
z:高さhの位置での光軸AX方向のサグ量(面頂点基準)、
c:面頂点での曲率(曲率半径rの逆数)、
K:円錐定数、
Aj:j次の非球面係数、
である。
【0086】
各種データとして、ズーム比および、広角端(Wide)、中間焦点距離状態(Middle)、および望遠端(Tele)の各焦点距離状態における、全系の焦点距離(Fl,mm),F値(Fno.),半画角(ω,°),像高(y’max,mm),レンズ全長(TL,mm),バックフォーカス(BF,mm),および可変軸上面間隔(variable:di(i:面番号),mm)を示す。また、レンズ群データとして、各レンズ群の焦点距離(mm)を示す。ただし、バックフォーカスBFは、レンズ最終面から近軸像面までの距離を空気換算長により表記している。レンズ全長TLは、レンズ最前面からレンズ最終面までの距離にバックフォーカスBFを加えたものである。
【0087】
図6Aから図10Cの球面収差図は、d線(波長587.56nm)に対する球面収差量(実線で示す)、C線(波長656.28nm)に対する球面収差量(一点鎖線で示す)、g線(波長435.84nm)に対する球面収差量(破線で示す)を、それぞれ近軸像面からの光軸AX方向の焦点位置のズレ量(単位:mm)で表している。縦軸は瞳への入射高さをその最大高さで規格化した値(すなわち相対瞳高さ)を表している。
【0088】
図6Aから図10Cの非点収差図において、破線Tは、d線に対するタンジェンシャル像面を、近軸像面からの光軸AX方向の焦点位置のズレ量(単位:mm)で表しており、実線Sは、d線に対するサジタル像面を、近軸像面からの光軸AX方向の焦点位置のズレ量(単位:mm)で表している。縦軸は像高(IMG HT,単位:mm)を表している。
【0089】
図6Aから図10Cの歪曲収差図において、横軸はd線に対する歪曲を理想の像高に対する実際の像高の割合(単位:%)を表しており、縦軸は像高(IMG HT,単位:mm)を表している。なお、像高IMG HTの最大値(すなわち、最大像高y’max)は、撮像素子SRの受光面SSの対角長の半分(すなわち、対角像高)に相当する。
【0090】
数値実施例1
単位:mm
面データ
面番号 r d nd vd
object infinity
1 71.885 1.20 1.69680 55.46
2 15.312 7.80
3* -298.152 1.57 1.53048 55.72
4* 93.305 1.78
5 26.391 2.21 1.92286 20.88
6 37.810 variable
7 21.710 2.23 1.49700 81.61
8 383.239 0.25
9 31.562 3.16 1.49700 81.61
10 -20.356 0.01 1.51400 27.05
11 -20.356 0.89 1.70154 41.24
12 103.171 1.36
13(stop) infinity 3.41
14* 22.656 4.20 1.58313 59.46
15* -32.267 2.51
16 21.017 1.00 1.64769 33.84
17 11.988 variable
18 -27.734 0.90 1.83481 42.72
19 -393.550 1.85
20* -135.797 1.50 1.53048 55.72
21* -189.242 variable
22 -99.603 4.89 1.64769 33.84
23 -34.470 9.90
image infinity
非球面データ
面番号 K A4 A6 A8
3 0 1.99678E-05 -8.24417E-08 -2.12200E-11
4 0 1.73101E-05 -1.05802E-07 -1.53034E-10
14 0 -1.98288E-05 1.05587E-01 4.37228E-09
15 0 3.67654E-05 1.03408E-07 4.94217E-09
非球面データ
面番号 K A4 A6 A8
21 0 -5.93134E-05 -2.83344E-06 1.13683E-01
A10 A12 A14 A16
-2.41213E-09 2.81858E-11 -1.74792E-13 4.56347E-16
非球面データ
面番号 K A4 A6 A8
22 0 -3.19651E-05 -2.14179E-06 7.43176E-08
A10 A12 A14 A16
-1.36585E-09 1.38436E-11 -7.40158E-14 1.64402E-16
各種データ
ズーム比 1.96
Wide Middle Tele
Fl 24.726 34.711 48.503
Fno 4.080 5.115 6.337
ω 41.273 32.013 24.104
y'max 21.700 21.700 21.700
TL 85.702 83.311 85.334
BF 11.438 11.381 11.301
d6 19.973 10.326 3.170
d17 8.661 9.998 11.938
d21 4.448 10.367 17.606
レンズ群データ
群(面) 焦点距離
1 ( 1- 6) -32.856
2 ( 7- 17) 22.899
3 ( 18- 21) -34.440
4 ( 22- 23) 79.052
【0091】
数値実施例2
単位:mm
面データ
面番号 r d nd vd
object infinity
1 89.105 1.20 1.69680 55.46
2 14.947 7.58
3* -292.375 1.78 1.53048 55.72
4* 135.760 1.02
5 26.393 2.32 1.92286 20.88
6 38.348 variable
7 17.736 2.37 1.49700 81.61
8 1754.348 0.35
9 54.094 2.43 1.49700 81.61
10 -19.719 0.01 1.51400 27.05
11 -19.719 0.89 1.70154 41.24
12 93.520 1.16
13(stop) infinity 2.65
14* 31.048 4.51 1.58313 59.46
15* -22.889 3.44
16 24.411 1.00 1.64769 33.84
17 13.087 variable
18 -31.884 0.90 1.83481 42.72
19 -279.244 1.90
20* -95.960 1.50 1.53048 55.72
21* -1016.981 variable
22 -91.885 4.99 1.64769 33.84
23 -31.404
image infinity
非球面データ
面番号 K A4 A6 A8
3 0 2.501600E-05 -1.196650E-07 -1.650900E-11
4 0 1.951670E-05 -1.478360E-07 -1.698320E-10
14 0 -8.199445E-05 -2.372165E-07 -6.512291E-09
15 0 -1.239510E-05 -2.385170E-07 -4.606770E-09
非球面データ
面番号 K A4 A6 A8
20 0 -2.608710E-05 -3.138792E-06 1.167194E-07
A10 A12 A14 A16
-2.428004E-09 2.792077E-11 -1.674886E-13 4.164158E-16
非球面データ
面番号 K A4 A6 A8
21 0 3.933482E-06 -2.330600E-06 7.530133E-08
A10 A12 A14 A16
-1.365926E-09 1.390092E-11 -7.434888E-14 1.641989E-16
各種データ
ズーム比 1.96
Wide Middle Tele
Fl 24.694 35.073 48.452
Fno 4.082 5.137 6.385
ω 41.307 31.746 24.126
y'max 21.700 21.700 21.700
TL 85.007 82.604 84.787
BF 11.436 11.389 11.304
d6 20.009 10.162 3.459
d17 8.513 10.286 12.488
d21 4.591 10.263 16.947
レンズ群データ
群(面) 焦点距離
1 ( 1- 6) -32.292
2 ( 7- 17) 22.962
3 ( 18- 21) -35.172
4 ( 22- 23) 71.348
【0092】
数値実施例3
単位:mm
面データ
面番号 r d nd vd
object infinity
1 83.441 1.20 1.69680 55.46
2 15.992 7.72
3* 321.988 1.91 1.53048 55.72
4* 66.667 1.15
5 25.792 2.47 1.92287 20.88
6 36.959 variable
7 16.639 4.38 1.49700 81.61
8 -20.991 0.01 1.51400 27.05
9 -20.991 0.80 1.60342 38.01
10 88.468 1.68
11(stop) infinity 2.31
12* 17.570 5.87 1.58313 59.46
13* -47.494 2.30
14 21.422 0.80 1.64769 33.84
15 12.172 variable
16 -28.993 0.90 1.83481 42.72
17 125.398 0.01 1.51400 27.05
18 125.398 1.19 1.67270 32.17
19 382.081 1.19
20* 123.458 1.62 1.53048 55.72
21* infinity variable
22 -83.507 4.90 1.64769 33.84
23 -33.443
image infinity
非球面データ
面番号 K A4 A6 A8
3 0 2.84898E-07 -1.57342E-08 -4.83557E-11
4 0 -1.69755E-06 -3.25738E-08 -1.26987E-10
12 0 -1.80411E-05 2.17251E-07 1.66743E-09
13 0 6.93554E-05 2.66578E-07 3.55366E-09
非球面データ
面番号 K A4 A6 A8
20 0 1.04136E-04 -1.18400E-05 4.22304E-07
A10 A12 A14 A16
-8.67523E-09 1.01868E-10 -6.43552E-13 1.70493E-15
非球面データ
面番号 K A4 A6 A8
21 0 1.12746E-04 -8.86742E-06 2.71626E-07
A10 A12 A14 A16
-4.82789E-09 4.89598E-11 -2.66442E-13 6.06793E-16
各種データ
ズーム比 1.96
Wide Middle Tele
Fl 24.751 35.203 48.488
Fno 4.085 5.098 6.349
ω 41.244 31.652 24.110
y'max 21.700 21.700 21.700
TL 85.700 81.811 84.505
BF 11.449 11.422 11.289
d6 20.920 10.013 3.425
d15 7.889 9.322 10.257
d21 4.531 10.115 18.461
レンズ群データ
群(面) 焦点距離
1 ( 1- 6) -35.148
2 ( 7- 15) 22.642
3 ( 16- 21) -36.612
4 ( 22- 23) 82.938
【0093】
数値実施例4
単位:mm
面データ
面番号 r d nd vd
object infinity
1 80.888 1.20 1.69680 55.46
2 15.579 7.74
3* 211.604 1.91 1.53048 55.72
4* 66.667 1.09
5 25.363 2.44 1.92287 20.88
6 35.442 variable
7 17.364 4.35 1.49700 81.61
8 -19.879 0.01 1.51400 27.05
9 -19.879 0.89 1.60342 38.01
10 146.765 1.51
11(stop) infinity 2.65
12* 19.247 6.00 1.58313 59.46
13* -42.437 2.30
14 21.429 1.00 1.64769 33.84
15 12.252 variable
16 -30.545 0.90 1.83481 42.72
17 305.156 1.75
18* 1000.000 1.62 1.53048 55.72
19* -284.004 variable
20 -72.253 5.10 1.64769 33.84
21 -31.028
image infinity
非球面データ
面番号 K A4 A6 A8
3 0 -4.00556E-06 1.12936E-08 -1.54658E-10
4 0 -7.28436E-06 -5.70938E-09 -2.71699E-10
12 0 -2.11561E-05 1.31277E-07 8.80379E-10
13 0 5.37004E-05 1.85956E-07 1.48491E-09
非球面データ
面番号 K A4 A6 A8
18 0 -1.84156E-05 -2.93816E-06 1.06301E-07
A10 A12 A14 A16
-2.22033E-09 2.57224E-11 -1.62205E-13 4.50328E-16
非球面データ
面番号 K A4 A6 A8
19 0 1.22295E-05 -2.32159E-06 7.10393E-08
A10 A12 A14 A16
-1.29351E-09 1.31310E-11 -7.19786E-14 1.70753E-16
各種データ
ズーム比 1.96
Wide Middle Tele
Fl 24.754 35.104 48.478
Fno 4.086 5.098 6.348
ω 41.241 31.724 24.115
y'max 21.700 21.700 21.700
TL 85.700 82.239 84.669
BF 11.406 11.362 11.240
d6 20.791 10.217 3.459
d15 7.883 9.224 10.393
d19 4.665 10.436 18.454
レンズ群データ
群(面) 焦点距離
1 ( 1- 6) -34.702
2 ( 7- 15) 22.675
3 ( 16- 19) -36.379
4 ( 20- 21) 80.067
【0094】
数値実施例5
単位:mm
面データ
面番号 r d nd vd
object infinity
1 145.5737 1.200 1.696802 55.46
2 16.5974 11.040
3* infinity 1.500 1.530480 55.72
4* infinity 0.800
5 35.5541 2.022 1.986125 16.48
6 45.1165 variable
7 14.0719 4.956 1.496997 81.61
8 -19.4035 0.010 1.514000 27.05
9 -19.4035 0.800 1.540720 47.20
10 67.0124 1.351
11(stop) infinity 2.000
12* 29.7491 6.000 1.583130 59.46
13* -19.2367 1.029
14 -93.9554 1.000 1.603420 38.01
15 18.0822 variable
16 -62.0972 0.900 1.834807 42.72
17 231.6425 1.683
18* infinity 1.500 1.530480 55.72
19* infinity variable
20 -72.3938 4.721 1.603420 38.01
21 -33.7189
image infinity
非球面データ
面番号 K A4 A6 A8 A10
3 0 4.51226E-06 -3.48134E-08 -3.77493E-10 0.00000E+00
4 0 -4.09957E-06 -6.32104E-08 -3.81744E-10 0.00000E+00
12 0 -1.06344E-04 -4.89657E-07 -5.40842E-09 6.04152E-11
13 0 2.26324E-05 -5.51247E-07 3.87067E-09 -6.85977E-12
18 0 -7.13091E-05 1.71132E-07 -6.94043E-09 4.45873E-11
19 0 -4.47137E-05 1.94550E-08 -3.29175E-09 2.16404E-11
各種データ
ズーム比 1.97
Wide Middle Tele
Fl 24.718 35.258 48.732
Fno 3.580 4.814 6.381
ω 41.283 31.612 24.003
y'max 21.700 21.700 21.700
TL 88.900 85.636 87.367
BF 12.197 13.313 15.557
d6 20.655 9.774 2.449
d15 10.049 10.421 11.044
d19 4.984 12.228 20.661
レンズ群データ
群(面) 焦点距離
1 ( 1- 6) -35.312
2 ( 7- 15) 25.406
3 ( 16- 19) -58.578
4 ( 20- 21) 100.004
【0095】
表1に各実施例の数値を示す。表2に、各実施例の条件式対応値を示す。
【表1】

【表2】
【0096】
図11は、本実施の形態に係るズームレンズZLを備えた撮像光学装置LUおよびデジタル機器DUの概略構成図である。図11に示すように、デジタル機器DUは、撮像光学装置LUを備える。撮像光学装置LUは、物体(すなわち被写体)側から順に、物体の光学像(像面IM)を形成するズームレンズZL(AXは光軸を示す)と、ズームレンズZLにより受光面(撮像面)SS上に形成された光学像を電気的な信号に変換する撮像素子SRとを備えている。必要に応じて、平行平面板(例えば、撮像素子SRのカバーガラス;必要に応じて配置される光学的ローパスフィルター、赤外カットフィルター等の光学フィルター等に相当する。)が、撮像光学装置LUに配置されてもよい。
【0097】
撮像素子SRとしては、例えば、複数の画素を有するCCD(Charge Coupled Device)型イメージセンサ、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)型イメージセンサ等の固体撮像素子が用いられる。ズームレンズZLは、撮像素子SRの光電変換部である受光面SS上に被写体の光学像が形成されるように設けられている。ズームレンズZLによって形成された光学像は、撮像素子SRによって電気的な信号に変換される。
【0098】
デジタル機器DUは、撮像光学装置LUに加えて、信号処理部1と、制御部2と、メモリー3と、操作部4と、表示部5とを備えている。信号処理部1は、撮像素子SRで生成された信号に所定のデジタル画像処理あるいは画像圧縮処理等の処理を必要に応じて施してデジタル映像信号を生成する。デジタル映像信号は、メモリー3(半導体メモリー、光ディスク等)に記録される。デジタル映像信号は、他の機器に伝送されてもよい。
【0099】
制御部2はマイクロコンピューターからなっており、撮影機能(静止画撮影機能、動画撮影機能等)、画像再生機能等の機能の制御;ズーミング、フォーカシング、手振れ補正等のためのレンズ移動機構の制御等を集中的に行う。例えば、被写体の静止画撮影、動画撮影のうちの少なくとも一方を行うように、制御部2により撮像光学装置LUに対する制御が行われる。
【0100】
表示部5は液晶モニター等のディスプレイを含む部分であり、撮像素子SRによって変換された画像信号あるいはメモリー3に記録されている画像情報を用いて画像表示を行う。操作部4は、操作ボタン(例えばレリーズボタン)、操作ダイヤル(例えば撮影モードダイヤル)等の操作部材を含む部分であり、操作者が操作入力した情報を制御部2に伝達する。
【0101】
実施の形態および実施例について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0102】
1 信号処理部、2 制御部、3 メモリー、4 操作部、5 表示部、AX 光軸、DU デジタル機器、G1 第1レンズ群、G2 第2レンズ群、G2f 第2レンズ前群、G2r 第2レンズ後群、G3 第3レンズ群、G4 第4レンズ群、G5 第5レンズ群、G6 第6レンズ群、IM 像面、L1a,L1b,L1c,L2a,L2b,L2c,L2d,L2e,L3a,L3b,L3c,L4a レンズ、LU 撮像光学装置、SR 撮像素子、SS 受光面、ZL ズームレンズ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図11