(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-06
(45)【発行日】2023-11-14
(54)【発明の名称】より優れた膜品質を可能にするためにマスク基板を処理する方法
(51)【国際特許分類】
G03F 1/82 20120101AFI20231107BHJP
C23C 16/40 20060101ALI20231107BHJP
C23C 16/42 20060101ALI20231107BHJP
C23C 16/56 20060101ALI20231107BHJP
G03F 1/24 20120101ALI20231107BHJP
G03F 1/32 20120101ALI20231107BHJP
G03F 1/54 20120101ALI20231107BHJP
【FI】
G03F1/82
C23C16/40
C23C16/42
C23C16/56
G03F1/24
G03F1/32
G03F1/54
(21)【出願番号】P 2020543976
(86)(22)【出願日】2019-01-28
(86)【国際出願番号】 US2019015332
(87)【国際公開番号】W WO2019164636
(87)【国際公開日】2019-08-29
【審査請求日】2020-10-16
【審判番号】
【審判請求日】2022-07-15
(32)【優先日】2018-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ネマニ, シュリニヴァス ディ.
(72)【発明者】
【氏名】イー, エリー ワイ.
(72)【発明者】
【氏名】メイ-イー シェク, メイ-イー
【合議体】
【審判長】山村 浩
【審判官】波多江 進
【審判官】松川 直樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-153635(JP,A)
【文献】特開2003-188387(JP,A)
【文献】特開2008-118118(JP,A)
【文献】特開2000-221799(JP,A)
【文献】特開2014-103351(JP,A)
【文献】国際公開第2014/115600(WO,A1)
【文献】特開2003-2648(JP,A)
【文献】特開2011-79733(JP,A)
【文献】特開2001-146421(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0163540(US,A1)
【文献】特表2016-514288(JP,A)
【文献】特表2013-517616(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0173470(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0232921(US,A1)
【文献】特開平7-66424(JP,A)
【文献】特開平5-21310(JP,A)
【文献】特表2017-501954(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0194615(US,A1)
【文献】米国特許第3758316(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0159135(US,A1)
【文献】特開平10-275805(JP,A)
【文献】特開2001-75079(JP,A)
【文献】特開2001-166453(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0239291(US,A1)
【文献】特表2013-515355(JP,A)
【文献】特表2013-533639(JP,A)
【文献】特表2018-503259(JP,A)
【文献】特表2009-539231(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 1/00 - 1/86
H01L 21/31
H01L 21/316
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に誘電材料を形成する方法であって、該方法は、
処理チャンバ内の基板上に酸素含有混合ガスを供給することであって、前記基板が、光学的に透明なケイ素含有材料上に配置された
硬化された前記誘電材料を含み、前記光学的に透明なケイ素含有材料は
、厚さ0.381~0.635cmの石英又はガラスで
ある、酸素含有混合ガスを供給することと、
前記基板に前記酸素含有混合ガスを供給する前に、
硬化される前の前記誘電材料から水分を除去するため、
硬化される前の前記誘電材料を摂氏400度未満でベーキング
して硬化することと、
前記処理チャンバ内の前記酸素含有混合ガスを、2barを越える処理圧力に維持することと、
前記酸素含有混合ガスの存在の下で
、硬化された前記誘電材料を熱アニーリングすることと
を含み、
前記基板が、
前記熱アニーリングの間、
摂氏400
度未満の温度に維持さ
れ、
前記誘電材料が、フォトマスクになるように作製される、方法。
【請求項2】
前記酸素含有混合ガスが、少なくとも、O
3ガス、O
2ガス、H
2O、H
2O
2、N
2O、NO
2、CO
2、CO、乾燥蒸気からなる群から選択された酸素含有ガスを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記酸素含有混合ガスが、乾燥蒸気を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記処理圧力が、約5barと100barとの間である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記誘電材料が、酸化ケイ素(SiO
2)、オキシ炭化ケイ素(SiOC)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(SiN)、酸窒化ケイ素(SiON)、アモルファスシリコン、並びに窒素含有炭化ケイ素(SiCN)及び高誘電率材料からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記誘電材料が、二酸化ハフニウム(HfO
2)、二酸化ジルコニウム(ZrO
2)、ハフニウムシリコン酸化物(HfSiO
2)、ハフニウムアルミニウム酸化物(HfAlO)、ジルコニウムシリコン酸化物(ZrSiO
2)、二酸化タンタル(TaO
2)、アルミニウム酸化物、アルミニウムでドープされた二酸化ハフニウム、ビスマスストロンチウムチタン(BST)、及び白金ジルコニウムチタン(PZT)からなる群から選択さ
れる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記誘電材料が、酸化ケイ素である、請求項
5に記載の方法。
【請求項8】
硬化される前の前記誘電材料をベー
キングすることが
、プレート、オーブン、又は加熱されたチャンバにおいて1秒から1時間の間、行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
モリブデン層とケイ素層の反復層を含む複数膜のスタックを形成することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
硬化される前の前記誘電材料が、流動性化学気相堆積処理によって形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
硬化された前記誘電材料が、前記熱アニーリングの後により高い膜密度を有する、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明の実施形態は、概して、位相シフト及びバイナリフォトマスク製造、並びにEUVフォトマスク製造の両方に利用され得る、膜スタックにおいて材料層を形成するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]集積回路(IC)又はチップの製造では、チップの種々の層を表すパターンは、チップの設計者によって生成される。製造プロセス中に各チップ層のデザインを半導体基板に転写するために、一連の再利用可能なマスク、又はフォトマスクがこれらのパターンから作成される。マスクパターン生成システムは、精密レーザ又は電子ビームを使用して、チップの各層のデザインを対応するマスクに映し出す。次いで、マスクは、写真ネガのように使用されて、各層の回路パターンを半導体基板に転写する。これらの層は、一連のプロセスを用いて構築され、それぞれの完成したチップを構成する小さなトランジスタ及び電気回路に転換される。したがって、マスクにおける任意の欠陥がチップに転写されることがあり、潜在的に性能に悪影響を及ぼす。十分に深刻な欠陥は、マスクを完全に役に立たなくする場合がある。通常、15から30個で1セットのマスクが使用されてチップが構築され、繰り返し使用することができる。
【0003】
[0003]フォトマスクは、通常、吸収層、キャッピング層、及びその上に配置されたフォトマスクシフトマスク層を含む複数の層を有する膜スタックを設けるガラス基板又は石英基板である。フォトマスク層を製造する場合、フォトレジスト層が、通常、膜スタック上に配置され、これにより、その後のパターニング処理の間にフィーチャを膜スタック内に転写することが容易になる。パターニング処理中、フォトレジストの一部を極端紫外線又は紫外線に曝露し、曝露された部分を現像液内で可溶にすることによって、回路設計がフォトマスクに書き込まれる。次に、レジストの可溶性部分が除去され、曝露された下層の膜スタックをエッチングすることが可能になる。エッチング処理により、レジストが除去された位置、すなわち曝露された膜スタックが除去された位置で、膜スタックがフォトマスクから除去される。
【0004】
[0004]臨界寸法(CD:critical dimension)の縮小に伴い、現在の光リソグラフィは、45ナノメートル(nm)技術ノードで技術的限界に近づいている。次世代リソグラフィ(NGL:next generation lithography)は、例えば32nm技術ノード以降として、従来の光リソグラフィ法に代わるものとして期待されている。NGLの候補としては、極端紫外線(EUV)リソグラフィ(EUVL:extreme ultraviolet lithography)、電子投影リソグラフィ(EPL:electron projection lithography)、イオン投影リソグラフィ(IPL:ion projection lithography)、ナノインプリント、及びX線リソグラフィなどがある。これらの中で、EUVLが後継技術として最も可能性が高い。というのは、EUVLは、他のNGL法に比べて成熟した技術である光リソグラフィの特性のほとんどを有しているからである。
【0005】
[0005]したがって、EUV技術と協働するような新たな膜スキームが開発されており、これにより、所望のフィーチャが上部に配置されたフォトマスクを形成することが容易になる。膜スタックは、種々の新しい材料を有する複数の層を含み得る。しかしながら、多様な品質を有する種々の材料により、膜スタックの一体化が不十分になることが多い。このように、適正な膜品質を有する適切な材料を開発することが、EUV技術用のフォトマスクを作製する上で重要な課題となっている。
【0006】
[0006]したがって、EUV技術、並びに位相シフト及びバイナリフォトマスク用途においてフォトマスクを形成するための膜スタックに使用するのに適した材料層が必要とされている。
【発明の概要】
【0007】
[0007]本開示は、EUV用途、並びに位相シフト及びバイナリフォトマスク用途において、フォトマスク製造用の膜スタックにおいて材料層を形成するための方法を提供する。一実施例では、基板上に誘電材料を形成する方法は、処理チャンバ内の基板上に酸素含有混合ガスを供給することであって、基板が、光学的に透明なケイ素含有材料上に配置された誘電材料を含む、酸素含有混合ガスを供給することと、処理チャンバ内の酸素含有混合ガスを、2barを越える処理圧力に維持することと、酸素含有混合ガスの存在の下で誘電材料を熱処理することとを含む。
【0008】
[0008]別の実施例では、基板上に配置された誘電体層を高密度化するための方法は、2barを越える圧力で、ガラス基板上に配置された誘電体層を熱処理することと、誘電体層を熱処理する間、基板温度を摂氏400度未満に維持することとを含む。
【0009】
[0009]さらに別の実施例では、基板上に配置された誘電体層を高密度化するための方法は、流動性化学気相堆積処理によってガラス基板上に誘電体層を形成することと、摂氏400度未満の基板温度で誘電体層を硬化させることと、基板温度を摂氏400度未満に維持しながら、2barバールを超える圧力でガラス基板上の誘電体層を熱処理することとを含む。
【0010】
[0010]本開示の上述の特徴を詳細に理解できるように、上記で簡単に要約されている本開示のより詳細な説明を、実施形態を参照することによって得ることができる。実施形態の一部は、添付の図面に示されている。しかしながら、本開示は、他の等しく効果的な実施形態も許容し得ることから、添付の図面は本開示の典型的な実施形態のみを例示しており、したがって、本開示の範囲を限定すると見なすべきではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】幾つかの実施形態に係る、カセットが内部に配置された処理チャンバの簡略化された正面断面図である。
【
図2】幾つかの実施形態に係る、EUVフォトマスクの形成に利用される膜スタックの一実施形態を示す。
【
図3】幾つかの実施形態に係る、EUVフォトマスクの形成に利用される材料層を製造するための方法のフロー図である。
【
図4A-4D】幾つかの実施形態に係る、
図3の材料層を製造するためのシーケンスの一実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0015]理解しやすくするために、可能な場合には、図に共通する同一の要素を指し示すのに同一の参照番号を使用した。さらなる記載がなくても、ある実施形態の要素及び特徴を他の実施形態に有益に組み込むことができることが想定されている。
【0013】
[0016]しかしながら、本開示は他の等しく効果的な実施形態も許容し得ることから、添付の図面は本開示の典型的な実施形態のみを例示しており、したがって、その範囲を限定していると見なすべきではないことに留意されたい。
【0014】
[0017]本開示の実施形態は、フォトマスクを製造するためにガラス基板上に材料を形成するための方法及び装置を提供する。より具体的には、本開示は、基板の統合性が改善された状態で、ガラス基板及び/又はフォトマスク基板上に誘電体層を形成する方法に関する。一実施形態では、ガラス基板上に形成された誘電体層は、ガラス基板の表面の平滑化を支援し得る。2バールを超える圧力などの高圧アニーリング処理を利用することによって、誘電体層を高密度化し、滑らかな表面、及び高い膜密度を実現することができる。
【0015】
[0018]
図1は、単一の基板の高圧アニーリング処理用の単一の基板処理チャンバ100の簡略化された正面断面図である。単一の基板処理チャンバ100は、外側表面112と、内部空間115を取り囲む内側表面113とを有する本体110を有する。
図1のような幾つかの実施形態では、本体110は、環状断面を有するが、他の実施形態では、本体110の断面は、長方形又は任意の閉じた形状であってもよい。本体110の外側表面112は、ステンレス鋼のような耐食鋼(CRS)から作製することができるが、これに限定されない。単一の基板処理チャンバ100から外部環境への熱損失を防止する1つ又は複数の熱シールド125が、本体110の内側表面113に配置される。本体110の内側表面113、並びに熱シールド125は、HASTELLOY(登録商標)、ICONEL(登録商標)、及びMONEL(登録商標)のような高い耐食性を示すニッケル系鋼合金から作製されてもよいが、これに限定されない。
【0016】
[0019]基板支持体130が、内部空間115内に配置される。基板支持体130は、ステム134、及びステム134によって保持された基板支持部材132を有する。ステム134は、チャンバ本体110を貫通して形成された通路122を通過する。アクチュエータ138に接続されたロッド139は、チャンバ本体110を貫通して形成された第2の通路123を通過する。ロッド139は、基板支持体130のステム134を収容する開口136を有するプレート135に連結される。リフトピン137が、基板支持部材132に接続されている。アクチュエータ138は、ロッド139を作動させ、プレート135を上下に移動させてリフトピン137との接続及び分離を行う。リフトピン137を上昇又は下降させると、基板支持部材132が、チャンバ100の内部空間積115内で上昇又は下降する。基板支持部材132は、その内部中央に埋め込まれた抵抗加熱要素131を有する。電源133は、抵抗加熱要素131に電気的に電力供給するように構成されている。電源133、及びアクチュエータ138の動作は、コントローラ180によって制御される。
【0017】
[0020]単一の基板処理チャンバ100は、本体110上に開口111を有する。開口111を通して、1つ又は複数の基板120を、内部空間115内に配置された基板支持体130にロードし、基板支持体130からアンロードすることができる。開口111は、本体110においてトンネル121を形成する。スリット弁128が開いているときのみ、開口111及び内部空間115にアクセスできるように、スリット弁128は、トンネル121を密封可能に閉じるように構成されている。処理のために内部空間115を密封するため、高圧シール127を利用して、スリット弁128が本体110に封止される。高圧シール127は、ポリマー(例えば、ペルフルオロエラストマー、及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフルオロポリマー)から作製されてもよいが、これらに限定されない。高圧シール127は、密封性能を改善するためにシールを付勢するスプリング部材をさらに含み得る。処理中に、高圧シール127を、高圧シール127の最高安全作動温度より低い温度に維持するため、冷却チャネル124が、高圧シール127に隣接するトンネル121上に配置される。流体源126からの冷却剤が、冷却チャネル124内で循環し得る。冷却剤は、例えば、不活性で、誘電性の、高性能伝熱流体であるが、これに限定されない。冷却流体源126からの冷却剤の流れは、温度センサ116又は流量センサ(図示せず)から受信したフィードバックにより、コントローラ180によって制御される。環状形状のサーマルチョーク129がトンネル221の周りに形成され、スリット弁128が開いているときに、開口111を通して内部空間115から熱が流れることが防止される。
【0018】
[0021]単一の基板処理チャンバ100は、本体110を通るポート117を有し、ポート117は、ガスパネル150、コンデンサ160、及びポート117を接続する流体回路190に、流体的に接続される。流体回路190は、ガス導管192、ソース導管157、入口隔離弁155、排気導管163、及び出口隔離弁165を有する。数々のヒータ196、158、152、154、164、166は、流体回路190の種々の部分と接続する。さらに数々の温度センサ151、153、119、167、及び169が、流体回路190の種々の部分に配置されて、温度測定を行い、その情報をコントローラ180に送信する。コントローラ180は、温度測定情報を使用して、ヒータ152、154、158、196、164、及び166の動作を制御し、流体回路190の温度を、流体回路190及び内部空間115に配置された処理流体の凝縮点よりも高い温度に維持する。
【0019】
[0022]ガスパネル150は、圧力下の処理流体を内部空間115に供給するように構成されている。内部空間115内に導入された処理流体の圧力は、本体110に連結された圧力センサ114によってモニタリングされる。コンデンサ160は、冷却流体源(図示せず)に流体的に連結され、ガス導管192を通して内部空間115から排出される気相処理流体を凝縮するように構成されている。次いで、凝縮された処理流体は、ポンプ176によって除去される。1つ又は複数のヒータ140が、本体110上に配置され、単一の基板処理チャンバ100内の内部空間115を加熱するように構成されている。ヒータ140、152、154、158、196、164、及び166が、流体回路190内の処理流体を気相に維持する一方で、コンデンサ160への出口隔離弁165は開いており、流体回路内の凝縮が防止される。
【0020】
[0023]コントローラ180は、単一基板処理チャンバ100の動作を制御する。コントローラ180は、ガスパネル150、コンデンサ160、ポンプ170、入口隔離弁155、出口隔離弁165、電源133及び145の動作を制御する。さらに、コントローラ180は、温度センサ116、圧力センサ114、アクチュエータ138、冷却流体源126、並びに温度読み取りデバイス156及び162に通信的に接続している。
【0021】
[0024]処理流体は、酸素、乾燥蒸気、水、過酸化水素、及び/又はアンモニアなどの酸素含有ガス及び/又は窒素含有ガスを含み得る。酸素含有ガス及び/又は窒素含有ガスの代わりに、又はそれに加えて、処理流体はシリコン含有ガスを含んでもよい。シリコン含有ガスの例には、有機シリコンガス、オルトケイ酸テトラメチルガス(tetraalkyl orthosilicate gases)、及びジシロキサンが含まれる。有機シリコンガスは、少なくとも1つの炭素-シリコン結合を有する有機化合物のガスを含む。オルトケイ酸テトラメチルガスは、SiO4
4-イオンに付着した4つのアルキル基からなるガスを含む。より具体的には、1つ又は複数のガスは、(ジメチルシリル)(トリメチルシリル)メタン((Me)3SiCH2SiH(Me)2)、ヘキサメチルジシラン((Me)3SiSi(Me)3)、トリメチルシラン((Me)3SiH)、クロロトリメチルシラン((Me)3SiCl)、テトラメチルシラン((Me)4Si)、テトラエトキシシラン((EtO)4Si)、テトラメトキシシラン((MeO)4Si)、テトラキス-(トリメチルシリル)シラン((Me3Si)4Si)、(ジメチルアミノ)ジメチルシラン((Me2N)SiHMe2)ジメチルジエトキシシラン((EtO)2Si(Me)2)、ジメチルジメトキシシラン((MeO)2Si(Me)2)、メチルトリメトキシシラン((MeO)3Si(Me))、ジメトキシテトラメチルジシロキサン(((Me))2Si(OMe))2O)、トリス(ジメチルアミノ)シラン((Me2N)3SiH)、ビス(ジメチルアミノ)メチルシラン((Me2N)2CH3SiH)、ジシロキサン((SiH3)2O)、及びこれらの組み合わせを含む。
【0022】
[0025]基板120の処理中、高圧領域115の環境は、高圧領域内の処理流体を気相に維持する温度及び圧力に維持される。このような圧力及び温度は、処理流体の組成に基づいて選択される。蒸気の場合、温度及び圧力は、蒸気を乾燥蒸気状態に維持する状態で保持される。一実施例では、高圧領域115は、大気を超える圧力(例えば、約2barを超える圧力)まで加圧される。別の例では、高圧領域115は、約10から約180barの間(例えば、約20から約100barの間)の圧力まで加圧される。別の実施例では、高圧領域115は、最大約200barの圧力まで加圧される。処理中、高圧領域115は,さらに高温(例えば、摂氏約300度から摂氏約450度の間などの摂氏225度を超える温度(カセット上に配置された基板の熱収支によって制限される))に維持される。
【0023】
[0026]
図2は、誘電体層201が利用され得る例示的な実施形態を示す。誘電体層201は、基板202と膜スタック200との間に配置された界面層であり得る。
図2に示すように、基板202は、光学的に透明なケイ素系材料又はケイ素含有材料、例えば、石英(すなわち、二酸化ケイ素(SiO
2))又はガラス材料であってもよい。誘電体層201が、基板202上に配置され、その上に膜スタック200がさらに配置される。膜スタック200は、EUV用途に適したフォトマスクを作製するために膜スタック200内に所望の特徴を形成するよう利用され得る基板202上に配置される。
【0024】
[0027]誘電体層201は、基板202の表面の平滑化を助けるために基板202上に形成される。
図2の例示的な実施形態で示されるように、基板202は、石英基板(すなわち、低熱膨張二酸化ケイ素(SiO
2))層であってもよい。基板202から任意のピット、欠陥、又は不均一な表面構造がある場合、基板202上に形成された誘電体層201は、基板202の平坦な表面を設けることを助ける。基板202は、長さが約5インチから約9インチの間の側面を有する長方形形状を有し得る。基板202は、約0.15インチから約0.25インチの厚さであってもよい。一実施形態では、基板202は、約0.25インチの厚さである。任意選択的なクロム含有層204(例えば、窒化クロム(CrN)層)が、必要に応じて、基板202の裏側に配置されてもよい。
【0025】
[0028]EUV反射マルチ材料層206が、基板202上の誘電体層201上に配置される。反射マルチ材料層206は、少なくとも1つのモリブデン層206a及び少なくとも1つのケイ素層206bを含み得る。
図2に示される実施形態は、モリブデン層206a及びシリコン層206bの5つのペア(基板202上に反復形成される、交互するモリブデン層206aとシリコン層206b)を示すが、モリブデン層206a及びシリコン層206bの数は、種々の処理の必要性に応じて変更され得ることに留意されたい。特定の一実施形態では、モリブデン層206a及びシリコン層206bのペアを40個堆積させて、反射マルチ材料層206を形成することができる。一実施形態では、それぞれの単一のモリブデン層206aの厚さは、約1Åから約10Åの間(例えば、約3Å)で制御されてもよく、それぞれの単一のシリコン層206bの厚さは、約1Åから約10Å(例えば、約4Å)で制御されてもよい。反射マルチ材料層206は、約10Åから約500Åの間の総厚を有し得る。反射マルチ材料層206は、13.5nm波長において最大70%のEUV光反射率を有し得る。反射マルチ材料層206は、約70nmから約140nmの間の総厚を有し得る。
【0026】
[0029]続いて、キャッピング層208が、反射マルチ材料層206上に配置される。キャッピング層208は、金属材料(例えば、ルテニウム(Ru)材料、ジルコニウム(Zr)材料)、又は任意の他の適切な材料によって作製されてもよい。
図2に示される実施形態では、キャッピング層208は、ルテニウム(Ru)層である。キャッピング層208は、約1nmから約10nmの間の厚さを有し得る。
【0027】
[0030]次に、吸収層216が、キャッピング層208上に配置され得る。吸収層216は、リソグラフィ処理中に発生する光の一部を吸収するように構成された不透明で遮光性の層である。吸収層216は、単層構造又は多層構造の形態であってもよく、例えば、
図2に示す実施形態のように、バルク吸収層210上に配置された自己マスク層212を含む。吸収層216は、金属含有層、例えば、Cr金属、酸化クロム(CrO
x)、窒化クロム(CrN)層、酸窒化クロム(CrON)などのクロム含有層、又は必要に応じてこれらの材料を用いた多層であってもよい。一実施形態では、吸収層216は、約50nmから約200nmの間の総膜厚を有する。吸収層216の総厚により、有利には、サブ45nm技術ノード用途においてEUVマスクに対する厳格な総エッチングプロファイル許容範囲を満たすことが容易になる。
【0028】
[0031]一実施形態では、バルク吸収層210は、実質的に酸素を含まないタンタル系材料、例えば、TaSi又はTaSiNなどのケイ化タンタル系材料、TaBNなどの窒化タンタルホウ化物系材料(nitrogenized tantalum boride-based material)、及びTaNなどの窒化タンタル系材料を含み得る。自己マスク層212は、タンタル及び酸素系材料から作製されてもよい。自己マスク層212の組成は、バルク吸収層210の組成に対応し、バルク吸収層210がTaSi又はTaSiNを含む場合、TaSiONなどの酸化かつ窒素化されたタンタル及びケイ素系材料を含んでもよく、バルク吸収層210がTaBNを含む場合、TaBOなどのタンタルホウ素酸化物系材料を含んでもよく、バルク吸収層210がTaNを含む場合、TaON又はTaOなどの酸化かつ窒素化されたタンタル系材料を含んでもよい。
【0029】
[0032]
図3は、EUVフォトマスク用途に利用され得る、
図2に示される誘電体層201のような誘電体層を形成するための方法300の一実施例のフロー図である。
図4Aから
図4Dは、方法300の様々な段階に対応する複合基板の一部の断面図である。
【0030】
[0033]方法300は、
図4Aに示すように基板を設ける工程302で開始する。基板202は、
図2に示す基板202であってもよい。上述のように、基板202は、石英基板(すなわち、低熱膨張二酸化ケイ素(SiO
2))層であってもよい。基板202は、長さが約5インチから約9インチの間の側面を有する長方形形状を有し得る。基板202は、約0.15インチから約0.25インチの厚さであってもよい。一実施形態では、基板202は、約0.25インチの厚さである。任意選択的なクロム含有層204(例えば、窒化クロム(CrN)層)が、必要に応じて、基板202の裏側に配置されてもよい。
【0031】
[0034]工程304では、
図4Bに示されるように、適切な堆積技法を使用することにより、誘電材料402が堆積され得る。一実施例では、誘電材料402は、流動性化学気相堆積処理によって形成され得る。一実施形態では、誘電材料402は、基板202が移送される処理チャンバ内に供給される堆積混合ガスによって堆積されるケイ素含有材料である。ケイ素含有材料の好適な例には、とりわけ、酸化ケイ素(SiO
2)、オキシ炭化ケイ素(SiOC)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(SiN)、酸窒化ケイ素(SiON)、アモルファスシリコン、及び窒素含有炭化ケイ素(SiCN)が含まれる。幾つかの実施例では、高誘電率材料は、とりわけ、二酸化ハフニウム(HfO
2)、二酸化ジルコニウム(ZrO
2)、ハフニウムシリコン酸化物(HfSiO
2)、ハフニウムアルミニウム酸化物(HfAlO)、ジルコニウムシリコン酸化物(ZrSiO
2)、二酸化タンタル(TaO
2)、アルミニウム酸化物、アルミニウムでドープされた二酸化ハフニウム、ビスマスストロンチウムチタン(BST:bismuth strontium titanium)、及び白金ジルコニウムチタン(PZT)を含み、誘電材料402を形成するためにさらに利用され得る。
【0032】
[0035]一実施形態では、誘電材料402は、酸化ケイ素材料である。誘電材料402を形成するために利用される堆積混合ガスは、誘電材料前駆体及び処理前駆体を含んでもよい。誘電材料前駆体の好適な例には、シラン、ジシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、テトラメチルシラン、テトラエトキシシラン(TEOS)、トリエトキシシラン(TES)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)、テトラメチル-ジシロキサン(TMDSO)、テトラメチルシクロテトラシロキサン(TMCTS)、テトラメチル-ジエトキシル-ジシロキサン(tetramethyl-diethoxyl-disiloxane)(TMDDSO)、ジメチル-ジメトキシル-シラン(dimethyl-dimethoxyl-silane)(DMDMS)、又はこれらの組み合わせが含まれる。窒化ケイ素堆積用の追加の前駆体には、SixNyHz含有前駆体(例えば、トリシリルアミン(TSA)及びジシリルアミン(DSA)を含むシリル-アミン及びその誘導体)、SixNyHzOzz含有前駆体、SixNyHzClzz含有前駆体、又はこれらの組み合わせが含まれる。例示的な一実施形態では、誘電材料408を堆積させるために使用されるケイ素含有前駆体は、トリシリルアミン(TSA)である。さらに、処理前駆体の好適な例には、窒素含有前駆体が含まれ得る。窒素含有前駆体の好適な例には、H2/N2混合物、N2、NH3、NH4OH、N2、N2H4蒸気を含むNxHy化合物、NO、N2O、NO2が含まれる。さらに、処理前駆体は、水素含有化合物、酸素含有化合物、又はこれらの組み合わせをさらに含んでもよい。好適な処理前駆体の例には、H2、H2/N2混合物、O3、O2、H2O2、水蒸気、又はこれらの組み合わせからなる群から選択された1つ又は複数の化合物が含まれる。処理前駆体は、N*及び/又はH*及び/又はO*含有ラジカル又はプラズマ、例えば、NH3、NH2
*、NH*、N*、H*、O*、N*O*、又はこれらの組み合わせを含むように、RPSユニットの中などでプラズマ励起され得る。処理前駆体は、代替的に、必要に応じて前駆体のうちの1つ又は複数を含み得る。
【0033】
[0036]一実施形態では、堆積処理中の基板温度は、所定の範囲に維持される。一実施形態では、基板温度を摂氏約200度未満(例えば、摂氏100度未満)に維持することにより、基板上に形成された誘電材料408が、流動可能となり、再流動してトレンチ406内を充填することが可能になる。摂氏100度未満などの比較的低い基板温度は、基板表面に最初に形成された膜を液体状の流動可能な状態に維持することを助けることができ、それにより、基板表面に結果的に形成された膜の流動性及び粘度が維持されると考えられている。ある程度の流動性及び粘度を有する、結果的に得られる膜が基板上に形成されると、後続の熱処理及び湿式処理の後、膜の結合構造は、種々の機能群又は結合構造に変形、変換されるか、種々の機能群又は結合構造と置き換えられてもよい。
一実施態様では、処理チャンバ内の基板温度は、およそ室温から摂氏約200度の間の範囲(例えば、摂氏約30度から摂氏約80度など、摂氏約100度未満)で維持される。
【0034】
[0037]誘電材料前駆体は、約1sccmから約5000sccmの間の流量で処理チャンバ内に供給され得る。処理前駆体は、約1sccmから約1000sccmの流量で処理チャンバ内へ供給され得る。代替的に、処理中に供給される混合ガスは、誘電材料前駆体と処理前駆体との流量比が約0.1から約100の間になるように制御することもできる。処理圧力は、約0.10Torrから約10Torrとの間(例えば、約0.5Torrと約0.7Torrなど、約0.1Torrと約1Torr)に維持される。
【0035】
[0038]さらに1つ又は複数の不活性ガスが、処理チャンバ100に供給される混合ガスと共に含まれ得る。不活性ガスは、Ar、He、Xeなどの希ガスを含み得るが、これらに限定されない。不活性ガスは、約1sccmから約50000sccmの間の流量比で処理チャンバに供給され得る。
【0036】
[0039]堆積中にプラズマを維持するために、RF電力が印加される。RF電力は、約100kHzから約100MHzの間(例えば、約350kHz又は約13.56MHz)で供給される。代替的には、最大で約27MHzから約200MHzの間の周波数を供給するために、VHF電力が利用してもよい。一実施形態では、RF電力は、約1000ワットから約10000ワットの間で供給され得る。処理チャンバ100の上部までの基板の間隔を基板寸法に従って制御することができる。一実施形態では、処理間隔は、約100ミルから約5インチの間で制御される。
【0037】
[0040]一実施形態では、基板202上に形成される誘電材料402は、SiO2などの酸素原子を有するケイ素含有材料である。
【0038】
[0041]工程306では、基板202上に誘電材料402が形成された後、
図4Cに示されるように、基板202が硬化かつ/又は熱処理されて誘電材料402がベークされ、硬化された誘電材料403が形成される。硬化/ベーキング処理は、誘電材料402から水分を除去し、
図4Cに示すように、固相の硬化された誘電材料403が形成される。誘電材料402を硬化すると、誘電材料402内の水分及び溶媒が追い出され、その結果、誘電材料402が再流動して、基板202上に実質的に平坦な表面が形成される。一実施形態では、工程306で実行される硬化処理は、ホットプレート、オーブン、加熱チャンバ、又は基板202に十分な熱を供給し得る適切なツールにおいて実行される。
【0039】
[0042]一実施形態では、硬化温度は、摂氏10度未満など、摂氏400度未満(例えば、摂氏約50度から摂氏80度の間)に制御してもよい。硬化時間は、約1秒から約10時間の間で制御され得る。
【0040】
[0043]硬化処理中、酸素含有ガスなどの処理ガスが基板表面に供給されることにより、高密度化された構造を有する誘電材料402との反応が助けられ得る。一実施例では、硬化処理中に供給される酸素含有ガスは、O3又はO2ガスである。
【0041】
[0044]工程308では、硬化処理の後、高圧アニーリング処理が実行される。2barを超えるような高処理圧力で実行されるアニーリング処理は、
図4Dに示されるように、硬化された誘電材料403内の空孔を高密化かつ修復することを助けることができ、所望の膜特性を有する誘電体層201を形成する。アニーリング処理は、
図1に示す処理チャンバ100などの処理チャンバ、又は、一度に1つずつ基板を処理するチャンバを含む他の適切な処理チャンバで実行することができる。
【0042】
[0045]工程308で実行される高圧アニーリング処理は、高圧領域の処理圧力を気相(例えば、実質的に液滴が存在しない乾燥気相)に維持する。処理圧力及び温度を制御して、膜構造を高密化して膜欠陥を修復し、これにより、不純物が追い出され、膜密度が増加する。一実施例では、高圧領域115は、大気を超える圧力(例えば、約2barを超える圧力)まで加圧される。別の実施例では、高圧領域115は、約5から約100bar(例えば、約5から約75bar)の圧力に加圧される。高圧により、膜構造の高密度化が効率的に補助され得るので、摂氏500度未満のような比較的低い処理温度が、基板202に対する熱サイクル損傷の可能性を低減する。
【0043】
[0046]処理中、高圧領域115は、外側チャンバ本体110内に配置されたヒータ154によって、比較的低い温度(例えば、摂氏約150度から摂氏約350度など、摂氏400度未満の温度)に維持される。したがって、低温状態と共に高圧アニーリング処理を利用することにより、基板への低い熱収支を得ることができる。
【0044】
[0047]高圧処理により、誘電体層201内のダングリングボンドを駆逐する駆動力が与えられ、これにより、アニーリング処理の間、誘電体層201内のダングリングボンドは、修復され、反応し、かつ飽和すると考えられている。一実施例では、アニーリング処理中に酸素含有ガス(例えば、O3ガス、O2ガス、H2O、H2O2、N2O、NO2、CO2、CO、乾燥蒸気、又は他の適切なガス)を供給することができる。特定の一実施例では、酸素含有ガスは、蒸気(例えば、乾燥蒸気)を含む。アニーリング処理中の酸素含有ガスからの酸素元素は、誘電体層201内に付勢され、結合構造を変更し、その中の原子空孔を除去し、これにより、誘電体層201の格子構造が高密度化され、強化され得る。幾つかの実施例では、不活性ガス(例えば、Ar、N2、He、Kr等)は、酸素含有ガスと共に供給され得る。一実施形態では、酸素含有混合ガス中に供給される酸素含有ガスは、2barを超える圧力で供給される乾燥蒸気である。
【0045】
[0048]例示的な一実装態様では、処理圧力は、2barを超える圧力(例えば、20bar及び約80barなど、5バールから100barの間、例えば、約25barから75barの間)に調節される。処理温度は、摂氏150度を超えるが、摂氏400度未満の温度(例えば、摂氏約150度と摂氏約380度との間、摂氏約180度と摂氏約350度との間)に制御され得る。
【0046】
[0049]アニーリング処理の後、誘電体層201は、高密度化された膜構造を有することにより、比較的強固な膜構造がもたらされる。比較的強固な膜構造は、(高い湿式エッチング速度を有することが多い多孔質膜構造と比べて)より低い湿式エッチング速度をもたらす。一実施例では、誘電体層201の湿式エッチング速度は、低下して、熱成長した酸化物(比較的多孔質構造を有する、従来の化学気相堆積処理によって形成された膜層と比較して、より強固な膜として知られている)の湿式エッチング速度よりも6.7大きい速度から1.5大きい速度(アニーリング処理前の誘電体層402対アニーリング処理後の誘電体層201)まで遅くなった。したがって、高圧アニーリング処理の後、誘電体層201の膜密度は、高圧アニーリング処理を経る前の誘電体材料402の膜密度よりも少なくとも3から5倍ほど密度が高い。
【0047】
[0050]このように、EUV用途においてフォトマスクを製造するための膜スタックに材料層を形成する方法が提供される。誘電体層のような材料層は、2barを超えるような高処理圧力を伴う高圧アニーリング処理によって熱処理/アニーリングされ得る。このような高圧アニーリング処理を利用することによって、処理温度を摂氏400度未満に維持することができ、ひいては、誘電体層が上に形成されるガラス基板に寄与する熱収支を低減し、EUVフォトマスク基板を作製するための良好な界面管理及び一体化がもたらされる。
【0048】
[0051]上記は本開示の実施形態を対象とするが、本開示の基本的な範囲から逸脱することがない限り、本開示のその他の実施形態及びさらなる実施形態を考案してもよい。本開示の範囲は、下記の特許請求の範囲によって決定される。