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特許7380013眼科装置、眼科装置の制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】眼科装置、眼科装置の制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 3/10 20060101AFI20231108BHJP
【FI】
A61B3/10 300
A61B3/10 100
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019175890
(22)【出願日】2019-09-26
(65)【公開番号】P2021049278
(43)【公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-08-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古谷 俊輔
【審査官】▲高▼木 尚哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-077506(JP,A)
【文献】特開2014-188187(JP,A)
【文献】特開2011-110290(JP,A)
【文献】特開2011-229834(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 3/00-3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検眼の眼底画像撮影および断層画像撮影の少なくとも一方の撮影用の光源と、
第1方向に所定速度で回転移動して光を反射させながら、前記光源からの光を被検眼上で走査する第1走査部と、
前記眼底画像撮影時および前記断層画像撮影時の少なくとも一方の撮影時に前記被検眼の視線方向を誘導する固視標用の固視光源と、
前記第1方向とは反対方向の第2方向に前記所定速度で回転移動して光を反射させながら、前記固視光源からの光を走査する第2走査部と、
を備え
前記第1走査部は、前記第1方向への回転移動により、前記第2走査部を介した、前記固視光源からの光を前記被検眼上の所定位置に照射させつつ、前記光源からの光を前記被検眼上で走査方向に走査させる、眼科装置。
【請求項2】
前記固視光源の点灯位置を変更する変更制御部を備える、請求項1に記載の眼科装置。
【請求項3】
前記第2走査部は、前記第2方向への回転移動を、前記第1走査部の前記第1方向への回転移動開始よりも、所定時間遅らせて開始させる、請求項1に記載の眼科装置。
【請求項4】
前記第2方向と交差する第3方向に回転移動し、前記固視光源からの光を走査する第3走査部を備える、請求項1から請求項3の何れか一項に記載の眼科装置。
【請求項5】
前記第1方向と交差する第3方向に回転移動し、前記光源からの光を走査する第4走査部と、
前記光源からの光を透過し、かつ前記固視光源からの光を反射する光学部材を備える、
請求項1から請求項4の何れか一項に記載の眼科装置。
【請求項6】
前記被検眼の前眼部を撮影する撮影部を含む
請求項1から請求項5の何れか1項に記載の眼科装置。
【請求項7】
被検眼の眼底画像撮影および断層画像撮影の少なくとも一方の撮影用の光源と、
第1方向に所定速度で回転移動して光を反射させながら、前記光源から光を被検眼上で走査する第1走査部と、
前記眼底画像撮影時および前記断層画像撮影時の少なくとも一方の撮影時に前記被検眼の視線方向を誘導する固視標用の固視光源と、
前記第1方向とは反対方向の第2方向に前記所定速度で回転移動して光を反射させながら、前記固視光源からの光を走査する第2走査部と、
を備えた眼科装置に対して、
前記第1方向への回転移動により、前記第2走査部を介した、前記固視光源からの光が前記被検眼上の所定位置に照射されつつ、前記光源からの光が前記被検眼上で走査方向に走査されるように前記第1走査部の制御を行う
ことを含む眼科装置の制御方法。
【請求項8】
記憶媒体に記憶され、プロセッサに固視制御を実行させるプログラムであって、
前記プロセッサが、
被検眼の眼底画像撮影および断層画像撮影の少なくとも一方の撮影用の光源と、
第1方向に所定速度で回転移動して光を反射させながら、前記光源から光を被検眼上で走査する第1走査部と、
前記眼底画像撮影時および前記断層画像撮影時の少なくとも一方の撮影時に前記被検眼の視線方向を誘導する固視標用の固視光源と、
前記第1方向とは反対方向の第2方向に前記所定速度で回転移動して光を反射させながら、前記固視光源からの光を走査する第2走査部と、
を備えた眼科装置に対して、
前記第1方向への回転移動により、前記第2走査部を介した、前記固視光源からの光が前記被検眼上の所定位置に照射されつつ、前記光源からの光が前記被検眼上で走査方向に走査されるように前記第1走査部の制御を行う
ことを含む処理を実行するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼科装置、眼科装置の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、被検眼の視線方向を変更するために、固視標として複数の光源を設け、複数の光源の何れかに光源を切り替えて被検眼へ向けて固視標を提示する眼科撮影装置が開示されている。
しかし、固視目標を提示するための固視光学系の設置場所に制限があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-158721号公報
【発明の概要】
【0004】
本開示の技術の第1の態様は、
光源からの光によって被検眼を走査する走査光学系と、
前記走査光学系を介して前記被検眼に固視光を照射し固視標として機能させる固視光源と、
照射された固視標が、前記走査光学系の走査により、所定距離以上移動しないように、前記走査光学系の走査に同期して前記固視光を走査する固視光走査部と、
を備えた眼科装置である。
【0005】
本開示の技術の第2の態様は、
光源からの光によって被検眼を走査する走査光学系、
前記走査光学系を介して前記被検眼に固視光を照射し固視標として機能させる固視光源及び
前記被検眼に照射された固視標が、前記走査光学系の走査により、所定距離以上移動しないように、前記走査光学系の走査に同期して前記固視光を走査する固視光走査部
を含む眼科装置に対して、
前記被検眼の向きを誘導するための指示を示す指示情報に基づいて、前記固視光が、前記指示に対応する位置に固視標が照射されるように前記固視光源及び前記固視光走査部の制御を行う
ことを含む眼科装置の制御方法である。
【0006】
本開示の技術の第3の態様は、
記憶媒体に記憶され、プロセッサに固視制御を実行させるプログラムであって、
前記プロセッサが、
光源からの光によって被検眼を走査する走査光学系、
前記走査光学系を介して前記被検眼に固視光を照射し固視標として機能させる固視光源、及び、
前記被検眼に照射された固視標が、前記走査光学系の走査により、所定距離以上移動しないように、前記走査光学系の走査に同期して前記固視光を走査する固視光走査部
を含む眼科装置に対して、
前記被検眼の向きを誘導するための指示を示す指示情報に基づいて、前記固視光が、前記指示に対応する位置に固視標が照射されるように前記固視光源及び前記固視光走査部の制御を行う
ことを含む処理を実行するプログラムである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】眼科システムの一例を示すブロック図である。
図2】眼科装置の全体構成の一例を示す概略構成図である。
図3】サーバの電気系の構成の一例を示すブロック図である。
図4】サーバの機能の一例を示すブロック図である。
図5】撮影光学系の概略構成の一例を示す概念図である。
図6】第1スキャナと固視部の第3スキャナとの駆動信号の一例を示す特性図である。
図7】固視標を提示する固視標の位置変更可能な光源の一例を示す説明図である。
図8】固視標を提示する固視標の位置変更可能な光源の一例を示す説明図である。
図9】眼科装置の撮影機能の一例を示すブロック図である。
図10】撮影処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図11】ビューワの診断用画面の一例を示すイメージ図である。
図12】眼底画像から生成される合成画像の説明図である。
図13】第1変形例の駆動信号の一例を示す特性図である。
図14】第1変形例の固視標を提示する構成の一例を示す概念図である。
図15】第2変形例の概念構成図である。
図16】第1の応用例の構成例を示す概念図である。
図17】第2の応用例の構成例を示す概念図である。
図18】第3の応用例の構成例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、作用、機能が同じ働きを担う構成要素及び処理には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明を適宜省略する場合がある。
【0009】
図1を参照して、眼科システム100の構成を説明する。図1に示すように、眼科システム100は、眼科装置110と、サーバ装置(以下、「サーバ」という)140と、画像表示装置(以下、「ビューワ」という)150と、を備えている。眼科装置110は、眼底画像を取得する。サーバ140は、眼科装置110によって複数の患者の眼底が撮影されることにより得られた複数の眼底画像を、患者のIDに対応して記憶する。ビューワ150は、サーバ140から取得した眼底画像を表示する。
【0010】
眼科装置は、本開示の技術の「眼科装置」の一例である。
【0011】
眼科装置110、サーバ140、及びビューワ150は、ネットワーク130を介して、相互に接続されている。
【0012】
次に、図2を参照して、眼科装置110の構成を説明する。
説明の便宜上、走査型レーザ検眼鏡(Scanning Laser Ophthalmoscope)を「SLO」と称する。また、光干渉断層計(Optical Coherence Tomography)を「OCT」と称する。
【0013】
なお、眼科装置110が水平面に設置された場合の水平方向を「X方向」、水平面に対する垂直方向を「Y方向」とし、被検眼12の前眼部の瞳孔の中心と眼球の中心とを結ぶ方向を「Z方向」とする。従って、X方向、Y方向、及びZ方向は互いに垂直である。
【0014】
眼科装置110は、撮影装置14及び制御装置16を含む。撮影装置14は、SLOユニット18、OCTユニット20、及び撮影光学系19を備えており、被検眼12の眼底の眼底画像を取得する。以下、SLOユニット18により取得された二次元眼底画像をSLO画像と称する。また、OCTユニット20により取得されたOCTデータに基づいて作成された眼底(例えば網膜)の断層画像や正面画像(en-face画像)などをOCT画像と称する。
【0015】
撮影装置14は、本開示の技術の「撮影部」の一例である。制御装置16は、本開示の技術の「制御部」の一例である。
【0016】
制御装置16は、プロセッサの一例であるCPU(Central Processing Unit(中央処理装置))16A、RAM(Random Access Memory)16B、ROM(Read-Only memory)16C、及び入出力(I/O)ポート16Dを有するコンピュータを備えている。
【0017】
制御装置16は、I/Oポート16Dを介してCPU16Aに接続された入力/表示装置16Eを備えている。入力/表示装置16Eは、被検眼12の画像を表示したり、ユーザから各種指示を受け付けたりするグラフィックユーザインターフェースを有する。グラフィックユーザインターフェースとしては、タッチパネル・ディスプレイが挙げられる。
【0018】
また、制御装置16は、I/Oポート16Dに接続された画像処理装置17を備えている。画像処理装置17は、撮影装置14によって得られたデータに基づき被検眼12の画像を生成する。なお、制御装置16は、I/Oポート16Dに接続された通信I/F16Fも備えており、通信I/F16Fを介してネットワーク130に接続される。
【0019】
上記のように、図2では、眼科装置110の制御装置16が入力/表示装置16Eを備えているが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、眼科装置110の制御装置16は入力/表示装置16Eを備えず、眼科装置110とは物理的に独立した別個の入力/表示装置を備えるようにしてもよい。この場合、当該表示装置は、制御装置16のCPU16Aの制御下で動作する画像処理ユニットを備える。画像処理ユニットが、CPU16Aが出力指示した画像信号に基づいて、SLO画像等を表示するようにしてもよい。
【0020】
撮影装置14は、制御装置16のCPU16Aの制御下で作動する。撮影装置14は、SLOユニット18、撮影光学系19、及びOCTユニット20を含む。撮影光学系19は、第1光学スキャナ22、第2光学スキャナ24、合成部26、対物光学系28、及び固視部29を含む。これらの第1光学スキャナ22、第2光学スキャナ24、合成部26、対物光学系28、及び固視部29は、撮影光学系19内に機能ブロックとして示している。
【0021】
第1光学スキャナ22は、入射された光を一方向(例えばX方向)に走査し、第2光学スキャナ24は、他方向(例えばY方向)に走査する。これにより、第1光学スキャナ22及び第2光学スキャナ24は、SLOユニット18から射出された光、及びOCTユニット20から射出された光を、X方向、及びY方向に2次元走査する。第1光学スキャナ22及び第2光学スキャナ24は、光束を偏向できる光学素子であればよく、例えば、ポリゴンミラーや、ガルバノミラー等を用いることができる。また、それらの組み合わせであってもよい。
【0022】
合成部26は、SLOユニット18からの光とOCTユニット20からの光を合成する。対物光学系28は、SLOユニット18からの光とOCTユニット20からの光を、被検眼12へ射出する。固視部29は、被検眼12の向き(視線方向)を誘導する固視標として機能する。
【0023】
なお、対物光学系28は、楕円鏡などの凹面ミラーを用いた反射光学系や、広角レンズなどを用いた屈折光学系、あるいは、凹面ミラーやレンズを組み合わせた反射屈折光学系でもよい。楕円鏡や広角レンズなどを用いた広角光学系を用いることにより、眼底中心部だけでなく眼底周辺部の網膜を撮影することが可能となる。
【0024】
楕円鏡を含むシステムを用いる場合には、国際公開WO2016/103484あるいは国際公開WO2016/103489に記載された楕円鏡を用いたシステムを用いる構成でもよい。国際公開WO2016/103484の開示及び国際公開WO2016/103489の開示の各々は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
【0025】
撮影光学系19によって、眼底において広い視野(FOV:Field of View)12Aでの観察が実現される。FOV12Aは、撮影装置14によって撮影可能な範囲を示している。FOV12Aは、視野角として表現され得る。視野角は、本実施の形態において、内部照射角と外部照射角とで規定され得る。外部照射角とは、眼科装置110から被検眼12へ照射される光束の照射角を、瞳孔27を基準として規定した照射角である。また、内部照射角とは、眼底へ照射される光束の照射角を、眼球中心Oを基準として規定した照射角である。外部照射角と内部照射角とは、対応関係にある。例えば、外部照射角が120度の場合、内部照射角は約160度に相当する。本実施の形態では、内部照射角は200度としている。このような広角光学系で構成された撮影光学系30により、眼底の視野角(FOV:Field of View)を超広角な角度とし、眼球中心を起点として内部照射角200度の眼底の範囲を撮影することができる。つまり、被検眼12の眼底の後極部から赤道部を超える領域を撮影することができる。もちろん本発明は広角光学系ではなく、さまざまな画角の光学系を備えた眼科装置に適用できることは言うまでもない。
【0026】
ここで、内部照射角で160度以上の撮影画角で撮影されて得られたSLO眼底画像をUWF-SLO眼底画像と称する。なお、UWFとは、UltraWide Field(超広角)の略称を指す。
【0027】
SLOシステムは、図2に示す制御装置16、SLOユニット18、及び撮影光学系19によって実現される。SLOシステムは、撮影光学系19によって、広いFOV12Aでの眼底撮影を可能とする。
【0028】
SLOユニット18は、B(青色光)の光源40、G光(緑色光)の光源42、R光(赤色光)の光源44、及びIR光(赤外線(例えば、近赤外光))の光源46と、光源40、42、44、46からの光を、反射または透過して1つの光路に導く光学系48、50、52、54、56とを備えている。光学系48、50、56は、ミラーであり、光学系52、54は、ビームスプリッタ―である。B光は、光学系48で反射し、光学系50を透過し、光学系54で反射し、G光は、光学系50、54で反射し、R光は、光学系52、54を透過し、IR光は、光学系56、52で反射して、それぞれ1つの光路に導かれる。
【0029】
SLOユニット18は、G光、R光、及びB光を発するモードと、赤外線を発するモードなど、波長の異なるレーザ光を発する光源あるいは発光させる光源の組合せを切り替え可能に構成されている。図2に示す例では、B光(青色光)の光源40、G光の光源42、R光の光源44、及びIR光の光源46の4つの光源を備えるが、本開示の技術は、これに限定されない。例えば、SLOユニット18は、さらに、白色光の光源をさらに備え、白色光のみを発するモード等の種々のモードで光を発するようにしてもよい。
【0030】
SLOユニット18から撮影光学系19に入射された光は、第1光学スキャナ22及び第2光学スキャナ24によってX方向及びY方向に走査される。走査光は対物光学系28及び瞳孔27を経由して、被検眼12の後眼部に照射される。眼底により反射された反射光は、対物光学系28、第1光学スキャナ22及び第2光学スキャナ24を経由してSLOユニット18へ入射される。
【0031】
被検眼12の前眼部は、前眼セグメントとして、例えば、角膜、虹彩、隅角、水晶体、毛様体、及び硝子体の一部を含む部分である。被検眼12の後眼部は、後眼セグメントとして、例えば、 硝子体の残りの一部、網膜、脈絡膜、及び強膜を含む部分である。なお、前眼部に属する硝子体は、硝子体の内、水晶体の最も眼球中心に近い点を通るX-Y平面を境界として、角膜側の部分であり、後眼部に属する硝子体は、硝子体の内、前眼部に属する硝子体以外の部分である。
【0032】
SLOユニット18は、被検眼12の後眼部(例えば、眼底)からの光の内、B光を反射し且つB光以外を透過するビームスプリッタ64、ビームスプリッタ64を透過した光の内、G光を反射し且つG光以外を透過するビームスプリッタ58を備えている。SLOユニット18は、ビームスプリッタ58を透過した光の内、R光を反射し且つR光以外を透過するビームスプリッタ60を備えている。SLOユニット18は、ビームスプリッタ60を透過した光の内、IR光を反射するビームスプリッタ62を備えている。SLOユニット18は、ビームスプリッタ64により反射したB光を検出するB光検出素子70、ビームスプリッタ58により反射したG光を検出するG光検出素子72、ビームスプリッタ60により反射したR光を検出するR光検出素子74、及びビームスプリッタ62により反射したIR光を検出するIR光検出素子76を備えている。
【0033】
対物光学系28及び第1光学スキャナ22及び第2光学スキャナ24を経由してSLOユニット18へ入射された光(眼底により反射された反射光)は、B光の場合、ビームスプリッタ64で反射してB光検出素子70により受光され、G光の場合、ビームスプリッタ64を透過し、ビームスプリッタ58で反射してG光検出素子72により受光される。上記入射された光は、R光の場合、ビームスプリッタ64、58を透過し、ビームスプリッタ60で反射してR光検出素子74により受光される。上記入射された光は、IR光の場合、ビームスプリッタ64、58、60を透過し、ビームスプリッタ62で反射してIR光検出素子76により受光される。CPU16Aの制御下で動作する画像処理装置17は、B光検出素子70、G光検出素子72、R光検出素子74、及びIR光検出素子76で検出された信号を用いてUWF-SLO画像を生成する。
【0034】
UWF-SLO画像には、眼底がG色で撮影されて得られたUWF-SLO画像(G色眼底画像)と、眼底がR色で撮影されて得られたUWF-SLO画像(R色眼底画像)とがある。UWF-SLO画像には、眼底がB色で撮影されて得られたUWF-SLO画像(B色眼底画像)と、眼底がIRで撮影されて得られたUWF-SLO画像(IR眼底画像)とがある。
【0035】
また、制御装置16が、同時に発光するように光源40、42、44を制御する。B光、G光及びR光で同時に被検眼12の眼底が撮影されることにより、各位置が互いに対応するG色眼底画像、R色眼底画像、及びB色眼底画像が得られる。G色眼底画像、R色眼底画像、及びB色眼底画像からRGBカラー眼底画像が得られる。制御装置16が、同時に発光するように光源42、44を制御し、G光及びR光で同時に被検眼12の眼底が撮影されることにより、各位置が互いに対応するG色眼底画像及びR色眼底画像が得られる。G色眼底画像及びR色眼底画像からRGカラー眼底画像が得られる。
【0036】
このようにUWF-SLO画像として、具体的には、B色眼底画像、G色眼底画像、R色眼底画像、IR眼底画像、RGBカラー眼底画像、RGカラー眼底画像がある。UWF-SLO画像の各画像データは、入力/表示装置16Eを介して入力された患者の情報と共に、通信I/F16Fを介して眼科装置110からサーバ140へ送信される。UWF-SLO画像の各画像データと患者の情報とは、記憶装置254に、対応して記憶される。なお、患者の情報には、例えば、患者のID、氏名、年齢、視力、右眼/左眼の区別、眼軸長等がある。
【0037】
OCTシステムは、図2に示す制御装置16、OCTユニット20、及び撮影光学系19によって実現される。OCTシステムは、撮影光学系19により、上述したSLO眼底画像の撮影と同様に、広いFOV12Aでの眼底撮影を可能とする。OCTユニット20は、光源20A、センサ(検出素子)20B、第1の光カプラ20C、参照光学系20D、コリメートレンズ20E、及び第2の光カプラ20Fを含む。
【0038】
光源20Aから射出された光は、第1の光カプラ20Cで分岐される。分岐された一方の光は、測定光として、コリメートレンズ20Eで平行光にされた後、撮影光学系19に入射される。測定光は、第1光学スキャナ22及び第2光学スキャナ24によってX方向及びY方向に走査される。走査光は対物光学系28及び瞳孔27を経由して、眼底に照射される。眼底により反射された測定光は、対物光学系28、第1光学スキャナ22及び第2光学スキャナ24を経由してOCTユニット20へ入射され、コリメートレンズ20E及び第1の光カプラ20Cを介して、第2の光カプラ20Fに入射する。
【0039】
光源20Aから射出され、第1の光カプラ20Cで分岐された他方の光は、参照光として、参照光学系20Dへ入射され、参照光学系20Dを経由して、第2の光カプラ20Fに入射する。
【0040】
第2の光カプラ20Fに入射されたこれらの光、即ち、眼底で反射された測定光と、参照光とは、第2の光カプラ20Fで干渉されて干渉光を生成する。干渉光はセンサ20Bで受光される。CPU16Aの制御下で動作する画像処理装置17は、センサ20Bで検出されたOCTデータに基づいて断層画像やen-face画像などのOCT画像を生成する。
【0041】
ここで、内部照射角で160度以上の撮影画角で撮影されて得られたOCT眼底画像をUWF-OCT画像と称する。
【0042】
UWF-OCT画像の画像データは、患者の情報と共に、通信I/F16Fを介して眼科装置110からサーバ140へ送信される。UWF-OCT画像の画像データと患者の情報とは、記憶装置254に、対応して記憶される。
【0043】
なお、本実施の形態では、光源20Aが波長掃引タイプのSS-OCT(Swept-Source OCT)を例示するが、SD-OCT(Spectral-Domain OCT)、TD-OCT(Time-Domain OCT)など、様々な方式のOCTシステムであってもよい。
【0044】
次に、図3を参照して、サーバ140の電気系の構成を説明する。図3に示すように、サーバ140は、コンピュータ本体252を備えている。コンピュータ本体252は、バス270により相互に接続されたCPU262、RAM266、ROM264、及び入出力(I/O)ポート268を有する。入出力(I/O)ポート268には、記憶装置254、ディスプレイ256、マウス255M、キーボード255K、及び通信インターフェース(I/F)258が接続されている。記憶装置254は、例えば、不揮発メモリで構成される。入出力(I/O)ポート268は、通信インターフェース(I/F)258を介して、ネットワーク130に接続されている。従って、サーバ140は、眼科装置110、及びビューワ150と通信することができる。記憶装置254には、後述する撮影処理プログラムが記憶されている。なお、撮影処理プログラムを、ROM264に記憶してもよい。
【0045】
サーバ140の後述する処理部208は、眼科装置110から受信した各データを、記憶装置254に記憶する。
【0046】
ビューワ150の電気系の構成は、サーバ140の電気系の構成と同様であるので、その説明を省略する。
【0047】
次に、図4を参照して、サーバ140のCPU262が画像処理プログラムを実行することで実現される機能について説明する。画像処理プログラムは、所定の表示制御機能、所定の画像処理機能、及び所定の処理機能を備えている。CPU262がこの各機能を有する画像処理プログラムを実行することで、CPU262は、図4に示すように、表示制御部204、画像処理部206、及び処理部208として機能する。
【0048】
次に、図5を参照して、固視部29を含む撮影光学系19の構成を説明する。なお、以下では、SLOユニット18から射出して撮影光学系19へ入射する光を「SLO光」といい、OCTユニット20から射出して撮影光学系19へ入射する光を「OCT光」という。本実施形態では、撮影光学系19へ入射するSLO光及びOCT光は略平行光となるように構成されている。
【0049】
図5は、撮影光学系19の概略構成の一例を示す概念図である。図5に示すように、撮影光学系19は、SLO光とOCTユニット光を合成する合成部26、第1光学スキャナ22(図5ではHスキャナと表記)、第2光学スキャナ24(図5ではVスキャナと表記)、対物光学系28、及び被検眼12の向き(視線方向)を誘導する固視標として機能する固視部29を含む。
【0050】
本実施形態では、合成部26として、波長依存性を有するダイクロイックミラーを用いることができ、合成部26は、被検眼側へ向かうSLO光の光路と被検眼側へ向かうOCTの光路とを合成する機能を有する。また、合成部26は、被検眼12に照射した光が被検眼12で反射される光については、SLO光に基づく反射光の光路と、OCT光に基づく反射光の光路とを分離し、SLO光に基づく反射光をSLOユニット18へ導き、OCT光に基づく反射光をOCTユニット20へ導く機能も有する。
【0051】
合成部26から射出された光(SLO光又はOCT光)は、第1光学スキャナ22、及び第2光学スキャナ24を介して対物光学系28に入射され、対物光学系28によって、被検眼12へ射出される。第1光学スキャナ22、及び第2光学スキャナ24の間の光路上には、第1光学スキャナ22側の第1レンズ群295と、第2光学スキャナ24側の第2レンズ群296とが配置される。
【0052】
第1レンズ群295と第2レンズ群296とで構成される光学系は、アフォーカル光学系であり、第1光学スキャナ22の位置(第1光学スキャナ22の走査中心の位置)と第2光学スキャナ24の位置(第2光学スキャナ24の走査中心の位置)とを共役関係にするように構成されている。なお、本明細書において、「共役関係」とは、完全な共役関係に限定されず、製造上の誤差及び経時変化に伴う誤差等として予め許容された誤差を含む共役関係を意味する。また、本明細書において、「アフォーカル光学系」とは、完全なアフォーカル光学系に限定されず、製造上の誤差及び経時変化に伴う誤差等として予め許容された誤差を含むアフォーカル光学系を意味する。
【0053】
上記構成を有する撮影光学系19の動作概要を説明する。撮影光学系19に入射された平行光のSLO光又はOCT光は、合成部を介して、ポリゴンミラーなどの第2光学スキャナ24によって角度走査される。角度走査された平行光のSLO光又はOCT光は、第2レンズ群296及び第1レンズ群295を順に透過し、第1光学スキャナ22によって角度走査され、対物光学系28を介して平行光のまま被検眼12の瞳面上に所定の倍率で投影され、被検眼12の瞳を走査中心として角度走査を行う。この平行光は被検眼12によって集光され、被検眼12の眼底においてはSLO光又はOCT光の集光スポットが、照射光として眼底を走査することになる。この照射光が眼底で反射されて得られた反射光は、被検眼12の瞳を通り、対物光学系28、第1光学スキャナ22、第1レンズ群295、第2レンズ群296、第2光学スキャナ24、及び合成部26を順に通過して、SLOユニット18又はOCTユニット20に入射する。各反射光がSLOユニット18又はOCTユニット20に入射した後の動作は、上述した説明の通りである。
【0054】
第1光学スキャナ22、及び第2光学スキャナ24の間に配置された第1レンズ群295と、第2レンズ群296との間には、固視標を提示する光学系である固視部29が配置される。固視部29は、固視灯として機能する固視灯光源291と、固視灯スキャナ292と、第3レンズ群293と、ハーフミラー等の反射素子294を有し、撮影光学系19の主光軸AX上に、固視灯光源291からの光(以下、固視光という。)を案内するように構成される。また、固視部29おける第3レンズ群293は、第1レンズ群295と第2レンズ群296との光路長と共通位置に配置される。また、第3レンズ群293は、第1光学スキャナ22の位置(第1光学スキャナ22の走査中心の位置)と固視灯スキャナ292の位置(固視灯スキャナ292の走査中心の位置)とを共役関係とされ、アフォーカル光学系となるように構成される。
【0055】
第1光学スキャナ22は、本開示の技術の「走査光学系」及び「第2走査光学系」の一例である。第2光学スキャナ24は、本開示の技術の「第1走査光学系」の一例である。また、第2光学スキャナ24は、本開示の技術の「光学スキャナ」の一例である。反射素子294は、本開示の技術の「光学部材」の一例である。固視灯光源291は、本開示の技術の「固視光源」の一例であり、固視灯スキャナ292は、本開示の技術の「固視光走査部」の一例である。また、固視灯スキャナ24は、本開示の技術の「固視灯スキャナ」の一例である。
【0056】
固視部29の固視灯スキャナ292は、第1光学スキャナ22と同期して駆動するように制御される。固視灯スキャナ292の駆動制御は、制御装置16によって行われる(詳細は後述)。
【0057】
図5に示すように、固視部29により固視光を主光軸に案内すると、第1光学スキャナ22の走査によって、被検眼12への照射角度が変更され、固視標が水平方向に移動する。このため、本実施形態では、固視灯スキャナ292を配置し、固視標が定在するように、第1光学スキャナ22と同期して(Hスキャナ22による水平移動量を打ち消すように固視灯スキャナ292を駆動する。これにより、SLO光やOCT光が光スキャナ22(水平方向のHスキャナ)で走査されても、固視標は被検眼12に対して同じ位置に点灯され続けることになる。すなわち、固視灯光源291による固視標が、第1光学スキャナ22の走査により被検眼12に対して当該位置から所定距離以上移動しないように、第1光学スキャナ22の走査に同期して固視灯光源291からの固視光を固視灯スキャナ292で走査する。
【0058】
具体的には、第1光学スキャナ22の走査角度と等価な走査角度で、かつ、走査方向は反対方向に、固視灯スキャナ292を駆動する。図5に示すように、第1光学スキャナ22が矢印Ra方向に回転(光を走査)した場合、固視灯スキャナ292を、矢印Rb方向に回転する。固視灯スキャナ292の矢印Rb方向の回転により固視光は、反射素子294上で矢印Rc方向に移動する。この場合、第1光学スキャナ22及び固視灯スキャナ292の各々を共通する位相で同期駆動する。すなわち、制御装置16は、図6に示すように、第1光学スキャナ22の駆動信号297と、固視灯スキャナ292の駆動信号298とを、信号周期及び位相を一致させ、第1光学スキャナ22及び固視灯スキャナ292の各々を駆動する。これにより、第1光学スキャナ22の回転角度の変動と、固視灯スキャナ292の回転角度の変動とが共通する変動で、同期されて、第1光学スキャナ22及び固視灯スキャナ292の各々が駆動される。
【0059】
このように、第1光学スキャナ22と固視灯スキャナ292とを共通の信号周期でかつ共通の位相で同期駆動することにより、第1光学スキャナ22の走査で走査角度が変動しても、その変動を相殺する角度で固視光が第1光学スキャナ22に入射される。これによって、固視標が定在され、被検眼12には任意の角度(例えば主光軸AX上の視線方向となる角度)で固視光が照射され、固視光の照射方向に被検眼12の向き(視線方向)を任意の方向へ誘導することが可能になる。
【0060】
また、第1光学スキャナ22の駆動信号を第1駆動信号、固視灯スキャナ292の駆動信号を第2駆動信号と定義した時、第1駆動信号と第2駆動信号は同波形、相似波形、あるいは第1駆動信号に比例した波形である第2駆動信号としてもよい。このように第1駆動信号と第2駆動信号を生成することにより、第1スキャナによる光線の偏向量と第2スキャナによる光線の偏向量の光学共役位置における合計量が一定になる。よって、撮影光であるSLO光又はOCT光が第1光学スキャナ22により被検眼を走査している間、固視標は一定の位置で点灯し続けることになる。撮影光であるSLO光やOCT光が被検眼12を走査している間、被検眼12の向きを固定できる。
【0061】
固視部29は、固視標を提示する位置を変更可能に構成可能である。この固視標を提示する位置を変更する制御は、制御装置16によって行われる。図7及び図8に、固視標を提示する位置を変更可能に構成例を示す。
【0062】
図7に示す例では、固視部29は、固視灯2912を複数有する固視光を射出する光源アレイ2910を備える。光源アレイ2910は、制御装置16によって点灯制御される。光源アレイ2910の発光面は被検眼12の網膜と共役である。制御装置16によって光源アレイ2910の何れか1個の固視灯2912を点灯することで、固視灯光源291において固視光を射出する位置を2次元に位置変更可能である。つまり、固視灯が点灯される位置を第1位置から、第1位置と異なる第2位置に変更する制御を行う。これにより、光軸に対する被検眼の向きを変えることができる。よって、固視灯が第1位置で点灯している場合は、被検眼12の第1領域に対して撮影光であるSLO光又はOCT光を走査し、例えば眼底の中心部(黄斑や視神経乳頭を含む眼底後極部の撮影を行うことができる。固視灯が点灯される位置を第2位置にした場合は、被検眼12が第2位置を向くことになり、被検眼12の第1領域とは異なる第2領域(当該中心部に一部を含み当該中心部の周辺の周辺部を含む領域)を撮影光で走査することができる。
【0063】
また、図8に示す例では、固視部29は、固視灯2916を有すると共に、X方向に沿うXa方向に移動可能でかつY方向に沿うYa方向に移動可能に構成された光源2914を備える。光源2914は、制御装置16によって位置制御される。制御装置16によって光源2914の位置を変更することで、固視灯光源291において固視光を射出する位置(固視灯2916の位置)を2次元に位置変更可能である。このように、固視標を提示する位置を変更することによって、被検眼12の向き(視線方向)を任意の方向へ誘導することが可能になる。本実施形態では、固視灯光源291として図7に示す光源アレイ2910を用いた場合を一例として説明する。
【0064】
次に、図9を参照して、眼科装置110の制御装置16におけるCPU16Aが撮影処理プログラムを実行することで実現される撮影機能について説明する。撮影処理プログラムは、撮影モード設定処理機能、撮影処理機能(固視標処理機能、実処理機能)、及び画像処理制御機能を備えている。CPU16Aがこの各機能を有する撮影処理プログラムを実行することで、CPU16Aは、図9に示すように、撮影モード設定処理部162、撮影処理部164(固視標処理部164A、実処理部164B)、及び画像処理制御部166として機能する。
撮影処理プログラムは、本開示の技術の「プログラム」の一例である。
【0065】
次に、図10を参照して、眼科装置110による撮影処理を詳細に説明する。眼科装置110における制御装置16のCPU16Aが撮影処理プログラムを実行することで、図10のフローチャートに示された撮影処理が実現される。撮影処理プログラムは、オペレータによる眼科装置110の入力/表示装置16Eの操作で被検眼12の撮影処理の開始が指示された時にスタートする。
図10のフローチャートに示された撮影処理は、本開示の技術の「眼科装置の制御方法」を実現する処理の一例である。
【0066】
撮影処理プログラムがスタートすると、ステップS102で、撮影モード設定処理部162は、入力/表示装置16Eの操作を検出して得られた撮影モードを設定する。撮影モードは、被検眼12の撮影部位及び撮影方法を示す。例えば、SLOユニット18により被検眼12の後眼部(例えば眼底)を撮影するSLO撮影モード、及びOCTユニット20により被検眼12の後眼部を撮影するOCT撮影モードが挙げられる。なお、撮影モードは、被検眼12の後眼部を撮影する撮影モードに限定されるものではなく、前眼部を撮影する撮影モード、及び被検眼12に関する撮影を行う撮影モードを含む。ステップS102の処理により、撮影モードが設定される。
【0067】
ステップS104で、撮影処理部164の固視標処理部164Aは、設定済の撮影モードに対して予め定められた固視標の位置を、テーブルから取得することにより、固視標の位置取得処理を実行する。テーブルは、撮影モードと固視標の位置とを対応付けた情報であり、ROM16Cに予め記憶されている。なお、テーブルは、外部装置から取得するようにしてもよい。
【0068】
ステップS106で、固視標処理部164Aは、第1光学スキャナ22(Hスキャナ)と、固視灯スキャナ292(第3スキャナ)とを予め定めた初期位置(例えば、各光が主光軸AXに沿う方向に伝播される位置)に設定する。ステップS108では、固視標処理部164Aは、固視標を、ステップS104で取得した所定位置に提示するべく光源アレイ2910における所定位置の固視灯2912を点灯する制御を行う。これにより、撮影モードに対応する予め定めた位置に固視標が提示され、被検眼12の向き(視線方向)が誘導される準備が整えられる。
【0069】
ステップS110で、実処理部164Bは、ステップS102で設定された撮影モードによる撮影処理を実行(開始)する。
【0070】
ステップS112では、固視標処理部164Aは、第1光学スキャナ22(Hスキャナ)と、固視灯スキャナ292(第3スキャナ)とを同期駆動する制御を行う。すなわち、第1光学スキャナ22の駆動信号297と、固視灯スキャナ292の駆動信号298とを、信号周期及び位相を一致させ、第1光学スキャナ22及び固視灯スキャナ292の各々を駆動する(図6)制御を行う。ステップS114で、実処理部164Bは、撮影する処理が完了したか否かを判断し、処理が完了(ステップS114で肯定判断)するまで、ステップS112の処理を繰り返す。ステップ116では、少なくとも第1光学スキャナ22(Hスキャナ)と固視灯スキャナ292(第3スキャナ)とを停止し、初期位置へ戻す。
【0071】
ステップS118で、実処理部164Bは、ステップS104で取得された全ての位置各々に対して固視標提示して撮影する処理が完了したか否かを判断する。実処理部164Bは、全ての処理が未完了の場合(ステップS118で否定判断)、ステップS106へ処理を戻し、全ての処理が完了の場合(ステップS118で肯定判断)、ステップS120へ処理を移行する。
【0072】
ステップS120では、固視標処理部164Aは、固視灯光源291を消灯する。なお、図10に示す処理ルーチンでは、撮影前に固視灯光源291を点灯し、撮影が終了すると撮影前に固視灯光源291を消灯する。本開示の技術は、撮影中に固視灯光源291が点灯することに限定されない。例えば、固視灯光源からの固視光が、撮影に影響する場合は、撮影直前に固視灯光源を消灯するようにしてもよい。また、固視灯光源291の点灯は、常時点灯に限定されるものではなく、予め定めた時間点灯する状態、及び予め定めた時間点灯する状態を繰り返す点滅状態を含む。
【0073】
ステップS122では、画像処理制御部166は、画像データを出力する。具体的には、眼科装置110により被検眼12の眼底が撮影されて得られた眼底画像(例えば、UWF-SLO画像)の画像データが、眼科装置110からサーバ140に送信される。すなわち、画像処理制御部166は、画像処理装置17を制御して、撮影により得られた画像からノイズ除去処理等を行ってUWF-SLO画像やUWF-OCT画像に画像処理した後に、サーバ140に送信される。
【0074】
一方、サーバ140では、眼科装置110により被検眼12の眼底が撮影された眼底画像(例えば、UWF-SLO画像)の画像データを、眼科装置110から受信した時に、CPU262が画像処理プログラムを実行することで、画像処理が実行される。
【0075】
具体的には、サーバ140は、画像処理部206で、画像データから眼底画像を取得し、取得した眼底画像を用いて所定の画像処理が行われ、画像処理が行われた処理後画像を生成する。所定の画像処理の一例には、異なる位置に提示された固視標において撮影された複数のUWF-SLO画像を合成した合成画像(図11図12参照)を生成する画像処理が挙げられる。
【0076】
例えば、眼底画像IG1、IG2、IG3の少なくとも2つを用いて合成した合成画像が生成される。眼底画像IG1は、主光軸AX上で眼底共役位置Fcjに固視標を提示して撮影されたUWF-SLO画像である。眼底画像IG2、IG3は、眼底共役位置Fcjで、かつ主光軸AXから離間した位置に固視標を提示して撮影されたUWF-SLO画像である。具体的には主光軸AXより上方に固視標を提示して撮影されたUWF-SLO画像を眼底画像IG2とし、下方に固視標を提示して撮影されたUWF-SLO画像を眼底画像IG3とする。
【0077】
サーバ140は、眼底画像IG1を基準として、眼底画像IG2、IG3に対して、例えば血管部分を一致させるパターンマッチング等の画像処理を行って眼底画像IG2、IG3を合成する画像処理を行い、処理後画像を生成する。
【0078】
処理部208は、眼底画像の各々と共に、処理後画像(合成画像)を、当該患者の情報(患者のID、氏名、年齢、視力、右眼/左眼の区別、眼軸長等)と共に、記憶装置254(図3参照)に記憶する。
【0079】
表示制御部204は、処理後画像を、ディスプレイ256に表示してもよい。
【0080】
眼科医が患者の被検眼12を診断する際、ビューワ150に、患者IDを入力する。患者IDが入力されたビューワ150は、サーバ140に、患者IDに対応する患者の情報と共に、各画像(IG1、IG4等)の画像データを送信するように指示する。患者の情報と共に、各画像(IG1、IG4)の画像データを受信したビューワ150は、図11に示す、患者の被検眼12の診断用画面400を生成し、ビューワ150のディスプレイに表示する。
【0081】
図11には、ビューワ150の診断用画面400が示されている。図11に示すように診断用画面400は、情報表示領域402と、画像表示領域404とを有する。
【0082】
情報表示領域402には、患者ID、患者名、及び患者性別等の患者に関する情報が表示される。なお、図示は省略したが、情報表示領域402には、患者の年齢、視力、表示される画像が右眼か左眼かを示す情報、及び眼軸長等の各種情報も表示可能である。ビューワ150は、受信した患者の情報に基づいて、情報表示領域402に、対応する患者に関する情報を表示する。
【0083】
画像表示領域404は、主画像表示領域404A、及び合成画像表示領域404Bを有する。ビューワ150は、受信した画像データに基づいて、各画像表示領域(404A、404B)に対応する画像(主画像として眼底画像IG1、合成画像として眼底画像IG4)を表示する。図示は省略したが、各画像表示領域404A、404Bには、表示される画像が取得された撮影日の年月日の表示が可能である。
【0084】
合成画像である眼底画像IG4は、図12に示すように、上方を固視した場合の眼底画像IG2と、下方を固視した場合の眼底画像IG3とを、眼底画像IG1を基準として、血管部分を一致させるパターンマッチング等によって合成した画像である。
【0085】
なお、画像表示領域404には、画像に関するテキスト情報を表示するテキスト表示領域を含ませることが可能である。テキスト情報の一例には、例えば、「左側の領域には、主光軸AX上に固視標を提示した場合の眼底画像が表示されています。右側の領域には、上下に固視標を提示した場合のそれぞれの眼底画像を合成した画像が表示されています。」等のテキスト情報が挙げられる。
【0086】
また、診断用画面400には、診断に役立つ各種情報が表示可能であるが、図11に示す例では省略している。
【0087】
このように、第1光学スキャナ22と固視灯スキャナ292とを共通の信号周期でかつ共通の位相で同期駆動することにより、第1光学スキャナ22の走査で走査角度が変動しても、その変動を相殺する角度で固視光が第1光学スキャナ22に入射される。これによって、固視標が定在され、被検眼12には任意の位置(例えば主光軸AX上の視線方向となる位置)に固視光が照射され、被検眼12の向き(視線方向)を任意の方向へ誘導することが可能になる。
【0088】
上述した固視部29は、固視灯光源291として光源アレイ2910(図7)を用いて固視灯光源の点灯位置を制御する場合を説明したが、本開示の技術は、これに限定されない。例えば、固視灯光源の点灯位置変更に代えて同期駆動するスキャナの駆動信号にオフセットを付加する構成としてもよい。この駆動信号をオフセットする場合を第1変形例として説明する。
【0089】
図13に示すように、上記では第1光学スキャナ22の駆動信号297と、固視灯スキャナ292の駆動信号298とを、信号周期及び位相を一致させ、第1光学スキャナ22及び固視灯スキャナ292の各々を駆動する。これに対して、固視灯スキャナ292を、所定のオフセット時間tofsだけオフセットした駆動信号299により駆動する構成とする。オフセット時間tofsは、オフセット時間「0」で共通駆動した場合から固視標を提示する位置に対応する第1光学スキャナ22の走査角度との走査時間を定めればよい。これにより、第1光学スキャナ22の回転角度の変動と、固視灯スキャナ292の回転角度の変動との共通する変動がオフセット時間tofsだけオフセットし同期されて、第1光学スキャナ22及び固視灯スキャナ292の各々が駆動される。これによって、固視標がオフセットされた位置に定在され、被検眼12にはオフセットされた任意の位置に固視光が照射され、被検眼12の向き(視線方向)をオフセットされた方向へ誘導することが可能になる。
【0090】
また、第1光学スキャナ22の駆動信号297に対してオフセットして固視光を照射する場合、固視標を2次元に位置変更して提示することも可能である。
【0091】
図14は、固視標を2次元に位置変更して提示する場合の構成例を示す概念図である。
図14に示すように、固視部29は、固視光を一方に走査する第1固視灯スキャナ292V、及び第1固視灯スキャナ292Vと交差(例えば直交)する方向に走査する第2固視灯スキャナ292Hを備えている。第2固視灯スキャナ292Hは、固視灯スキャナ292と同様に、第1光学スキャナ22(Hスキャナ)と同期駆動(又はオフセット駆動)する。第1固視灯スキャナ292Vは、第2固視灯スキャナ292Hの走査軸と交差する方向に初期位置から所定位置までオフセットする所定の走査角度となる駆動信号により駆動する構成とする。第2固視灯スキャナ292Hでオフセットする所定の走査角度は、初期値で共通駆動した場合から固視標を提示する位置に対応する第1光学スキャナ22上の位置から定まる走査時間により定めればよい。このように、第1固視灯スキャナ292V、及び第2固視灯スキャナ292Hによる走査によって、固視標の提示位置を2次元に位置変更可能である。
【0092】
上述の固視灯スキャナ292による走査を、所定のオフセット時間tofsだけオフセットする構成、及び第1固視灯スキャナ292Vと第2固視灯スキャナ292Hは、本開示の技術の「変更部」の一例である。
【0093】
ところで、SLO光又はOCT光による眼底の照射、及び眼底で反射された反射光は、光の減衰が抑制されることが好ましい。このため、固視部29の反射素子294での光減衰を極力低減することがより好ましい。そこで、図15を参照して、固視部29の反射素子294での光減衰を極力低減する構成を、第2変形例として説明する。
【0094】
図15は、第2変形例の概念構成図である。図15に示すように、第2変形例の撮影光学系19は、図5に示す反射素子294に代えて、特定反射素子294Mを備えている。特定反射素子294Mは、固視光を反射する反射領域294Aと、第2光学スキャナ24の走査(矢印Roで示す方向の走査)によるSLO光又はOCT光の走査範囲を少なくとも含む透過領域294Bと、から構成される。このように、特定反射素子294Mが透過領域294Bを備えることで、特定反射素子294Mを通過する際におけるSLO光又はOCT光の光減衰を低減することが可能になる。
【0095】
なお、固視光は、固視灯スキャナ292による走査(矢印Rcで示す方向の走査)で、反射領域294Aと透過領域294Bとを跨って走査される。従って、固視光は、透過領域294Bを通過する場合、被検眼に照射されず、一瞬消灯した状態となり、固視標が点滅状態で提示される。固視光が一瞬消灯する状態は、固視灯スキャナ292による走査範囲の一部を通過する時間であるので、被検眼12における残像現象を考慮すると、被検眼12で確認される固視光の消灯時間は、固視光が透過領域294Bを通過する時間より短くなると想定される。
【0096】
また、SLOユニット18による撮影処理を行う場合、固視光が一瞬消灯する状態では可視光のSLO光が透過領域294Bを通過するので、恰も固視光が連続点灯している状態に近い状態で固視標を提示される。一方、OCTユニット18による撮影処理を行う場合、固視光が透過領域294Bを通過する間、可視光のSLO光を照射することで、恰も固視光が連続点灯している状態に近い状態で固視標を提示することが可能となる。
【0097】
次に、本開示の技術の応用例を例示する。応用例は、第1光学スキャナ22と同期駆動するスキャナを備えることにより、第1光学スキャナ22を介して光を照射しても被検眼12に対する光軸を定在化する機能を、眼科装置の他の装置に用いるものである。なお、以下の応用例は上記実施形態と同様の構成のため、同一部分は同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0098】
一般的に、被検眼を観察する場合、被検眼12の前眼部を撮影して観察することが有効である。しかし、被検眼12の前眼部撮影では、第1光学スキャナ22による走査を排除するために、第1光学スキャナ22より被検眼12側の位置に観察装置を配置する複雑な光学系を必要とする。一方、上述したように、第1光学スキャナ22と同期駆動する特定のスキャナ(固視灯スキャナ292)を備えることにより、第1光学スキャナ22を介する特定の光学系であっても、被検眼12に対する光軸を定在化する構成とすることが可能である。従って、被検眼12を観察する観察装置に、上述の固視部29の機能を適用させることで、被検眼12を簡単に観察できる。また、第1光学スキャナ22を介する光路に観察装置を配置することが可能となり、装置設計の自由度が増大する。
【0099】
第1の応用例は、第1光学スキャナ22と同期駆動するスキャナを備えることにより、第1光学スキャナ22を介して固視光を照射しても被検眼12に照射する固視灯の光軸を定在化する機能を、観察装置の一例として前眼部撮影装置に用いるものである。
【0100】
図16に、第1の応用例の構成を模式的に示す。図16に示すように、第1の応用例は、固視部29の固視灯光源291(図5)に代えて、前眼部観察カメラ502、及び前眼部観察用のレンズ群504を含む前眼部観察光学系500を配置した応用例である。前眼部観察光学系500の前眼部観察カメラ502の撮像面は、被検眼12の瞳(瞳孔27)と共役関係に配置される。
【0101】
図16に示すように、固視灯光源291(図5)に代えて前眼部観察光学系500を配置することで、被検眼12の前眼部を観察する位置を定在化でき、被検眼12の前眼部を安定的に観察することが可能となる。
【0102】
第1の応用例では、次の開示の技術が提案される。
光源からの光によって眼を走査する走査光学系と、
前記走査光学系を介して前記眼を観察する観察部であって、前記眼の予め定められた部位が、前記走査光学系の走査により前記眼の予め定められた部位から所定距離以上移動しないように、前記走査光学系の走査に同期して前記眼を観察する光軸を変更する観察部と、
を備えた眼科装置。
【0103】
第2の応用例は、上述の実施形態に係る撮影光学系19(図5)に前眼部撮影装置をさらに備えた応用例である。第2の応用例は、固視標を提示しつつ被検眼12を観察する場合に有効に機能する。
【0104】
図17に、第2の応用例の構成を模式的に示す。図17に示すように、第2の応用例は、上述の固視部29(図5)を備えた撮影光学系19に、前眼部観察光学系510をさらに配置する。なお、図17に示す前眼部観察光学系510は、図16に示す前眼部観察光学系500と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0105】
図17に示すように、第2の応用例に係る撮影光学系19は、固視部29により固視標を提示しつつ、被検眼12の前眼部を撮影して観察することが可能となる。すなわち、固視部29(図5)に加えて前眼部観察光学系510を配置することで、前眼部観察光学系510による光路が第1光学スキャナ22を介する場合であっても、被検眼12の前眼部を観察する位置を定在化でき、被検眼12の前眼部を安定的に観察することが可能となる。
【0106】
第2の応用例では、次の開示の技術が提案される。
光源からの光によって眼を走査する走査光学系と、
前記走査光学系を介して前記眼に固視光を照射する固視標として機能する固視光源と、
前記固視光源から前記眼の予め定められた部位に照射された固視光が、前記走査光学系の走査により前記眼の予め定められた部位から所定距離以上移動しないように、前記走査光学系の走査に同期して前記固視光を走査する固視光走査部と、
前記走査光学系を介して前記眼を観察する観察部であって、前記眼の予め定められた部位が、前記走査光学系の走査により前記眼の予め定められた部位から所定距離以上移動しないように、前記固視光走査部を用いて前記走査光学系の走査に同期して前記眼を観察する光軸を変更する観察部と、
を備えた眼科装置。
【0107】
第3の応用例は、被検眼12に照射する固視灯の光軸を定在化する機能を、定点照明の一例である視野計に適用したものである。
【0108】
図18に、第3の応用例の構成を模式的に示す。第3の応用例は、上述の固視部29(図5)を備えた撮影光学系19に、視野計用光学系600をさらに配置する。図18に示すように、視野計用光学系600は、視野計光源602、2次元変更部604、ミラー606、及び固視部29の光路上に設けられたミラー608を備えている。
【0109】
視野計光源602は、固視灯光源291と同様の構成の光源である。2次元変更部604は、被検眼12の眼底(網膜)Fu上で視野計光源602による光スポットLsが予め定めた計測範囲内を移動可能に、視野計光源602からの光を2次元変更可能とする構成である。2次元変更部604の光の射出側には、ミラー606及びミラー608が順に配置される。このように視野計用光学系600を構成することで、被検眼12に視野計測用の光を眼底に2次元的に照明することが可能になる。例えば、図18に示すように、被検眼12の眼底Fu上で、固視光の照射による光スポットLcと、光スポットLcと異なる位置に視野計光源602による光スポットLsを照明することが可能となる。
【0110】
このように、第3の応用例では、固視部29による固視光の照射により、定点位置に固視標を提示しつつ、視野計用光学系600により、被検眼12の眼底に視野計測用の光を2次元的に変更しながら照明可能とされ、被検眼12の視野範囲を計測することが可能になる。
【0111】
第3の応用例では、次の開示の技術が提案される。
光源からの光によって眼を走査する走査光学系と、
前記走査光学系を介して前記眼に固視光を照射する固視標として機能する固視光源と、
前記固視光源から前記眼の予め定められた部位に照射された固視光が、前記走査光学系の走査により前記眼の予め定められた部位から所定距離以上移動しないように、前記走査光学系の走査に同期して前記固視光を走査する固視光走査部と、
前記走査光学系を介して前記眼の視野を計測する計測部であって、前記眼の予め定められた部位が、前記走査光学系の走査により前記眼の予め定められた部位から所定距離以上移動しないように、前記固視光走査部を用いて前記走査光学系の走査に同期して前記眼の視野を計測する光軸を変更する変更部と、
を備えた眼科装置。
【0112】
なお、上記では、眼科装置110は、例えば被検眼12の眼球中心Oを基準位置として内部照射角が200度の領域(被検眼12の眼球の瞳孔を基準とした外部照射角では167度)を撮影する機能を持つが、この画角に限らない。内部照射角が200度以上(外部照射角が167度以上180度以下)であってもよい。
【0113】
また、内部照射角が200度未満(外部照射角が167度未満)のスペックであってもよい。例えば、内部照射角が約180度(外部照射角が約140度)、内部照射角が約156度(外部照射角が約120度)、内部照射角が約144度(外部照射角が約110度)などの画角でも良い。数値は一例である。
【0114】
以上説明した各例では、コンピュータを利用したソフトウェアにより処理が実現される場合を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、コンピュータを利用したソフトウェアに代えて、FPGA(Field-Programmable Gate Array)またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェアのみによって、各種処理が実行されるようにしてもよい。各種処理のうちの一部の処理がソフトウェアにより実行され、残りの処理がハードウェアによって実行されるようにしてもよい。
【0115】
また、以上説明した各例において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU: Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0116】
また上記実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各例において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0117】
12 被検眼
14 撮影装置
16 制御装置
28 対物光学系
29 固視部
30 広角光学系
100 眼科システム
110 眼科装置
130 ネットワーク
140 サーバ
150 ビューワ
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