(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】ゴム組成物
(51)【国際特許分類】
C08L 21/00 20060101AFI20231108BHJP
C08L 45/00 20060101ALI20231108BHJP
C08L 9/06 20060101ALI20231108BHJP
C08L 7/00 20060101ALI20231108BHJP
C08L 9/00 20060101ALI20231108BHJP
B60C 1/00 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
C08L21/00
C08L45/00
C08L9/06
C08L7/00
C08L9/00
B60C1/00 Z
B60C1/00 A
(21)【出願番号】P 2019208580
(22)【出願日】2019-11-19
【審査請求日】2022-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000003300
【氏名又は名称】東ソー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】内田 良樹
(72)【発明者】
【氏名】由里 貴史
【審査官】山口 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-131516(JP,A)
【文献】国際公開第2019/207925(WO,A1)
【文献】特開平07-330989(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08K 3/00 - 13/08
C08L 1/00 - 101/14
C08C 19/00 - 19/44
C08F 6/00 - 246/00
B60C 1/00 - 19/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴム100重量部に対して、部分水添ジシクロペンタジエン-芳香族系単量体共重合樹脂5~50重量部を含むものであって、部分水添ジシクロペンタジエン-芳香族系単量体共重合樹脂が、重クロロホルム中、室温下で
1H-NMRにて測定したスペクトルにおいて、6.5~7.5ppmのピーク面積が全ピーク面積に対して0.5%以上20.0%以下の範囲内にあり、5.8~6.5ppmのピーク面積(A)と4.8~5.8ppmのピーク面積(B)の合計が全ピーク面積に対して0%を超え、8.0%以下の範囲内、ピーク面積(A)とピーク面積(B)の比として表される(A/B)が0.01以上0.2以下の範囲内、にある部分水添ジシクロペンタジエン-芳香族系単量体共重合樹脂であることを特徴とするゴム組成物。
【請求項2】
ゴムが、スチレン-ブタジエンゴムを50重量%以上含むジエン系ゴムであることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
【請求項3】
ゴムが、スチレン-ブタジエンゴムを50重量%以上90重量%以下及び天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンのうち少なくとも1種以上を10重量%以上50重量%以下の割合で併用した混合ジエン系ゴムであることを特徴とする請求項1又は2に記載のゴム組成物。
【請求項4】
部分水添ジシクロペンタジエン-芳香族系単量体共重合樹脂が、カチオン重合系ジシクロペンタジエン-芳香族系単量体共重合樹脂の部分水添物であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のゴム組成物。
【請求項5】
タイヤを構成する加硫ゴム組成物であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のゴム組成物。
【請求項6】
請求項5に記載のゴム組成物によりトレッドを構成することを特徴するタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の部分水添ジシクロペンタジエン-芳香族系単量体共重合樹脂を含む新規なゴム組成物に関するものであり、粘性特性、成形加工性に優れ、特にウェットグリップ性と転がり抵抗性のバランスに優れ、粘度を低減することで加工性の向上をも可能とし、特にタイヤ用として優れた性能を有する新規なゴム組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車の高性能化、高機能化に伴い、タイヤ性能への要求が高まっている。例えば、相反関係にあるウェットグリップ性、転がり抵抗性を向上したタイヤが求められている。また、転がり抵抗性を改善するためゴムにシリカを配合する技術や、シリカの分散性を高めるため末端にシリカと親和性の高い、又は化学結合し得る官能基を導入した末端変性ゴムを使用する技術が利用されている。その一方でシリカや末端変性ゴムの使用により粘度が上昇するため、加工性の向上が求められている。
【0003】
タイヤ性能や加工性を向上することを目的に、ゴムに樹脂を配合することが提案されている。ゴムに相溶性の高い水素添加樹脂を配合することでウェットグリップ性を改良する方法が提案されている(例えば特許文献1~4参照。)。その際の水素化する原料の樹脂として、スチレン系樹脂、C5留分またはC9留分を重合して得られる石油樹脂、C5留分とC9留分を共重合して得られる石油樹脂、ジシクロペンタジエン等を重合して得られる石油樹脂、不飽和環式化合物で変性したC9系石油樹脂等が提案されている。
【0004】
また、ウェットグリップ性を改良するため、イソブチレンと芳香族ビニル化合物からなるブロック共重合体とゴム成分に粘着付与樹脂を配合することが提案されている(例えば特許文献5参照。)。そして、粘着付与樹脂として、脂環族系石油樹脂及びその水素化物、芳香族系石油樹脂及びその水素化物、脂肪族芳香族共重合系石油樹脂及びその水素化物、ジシクロペンタジエン系石油樹脂及びその水素化物等が提案されている。
【0005】
スチレン-ブタジエン共重合体ゴムとの相溶性に優れた水添スチレン系共重合樹脂が提案されている(例えば特許文献6参照。)。
【0006】
スチレンまたは置換スチレンと、ジシクロペンタジエンより作製した熱重合共重合体、およびそれらの部分水素化物が提案されている(例えば特許文献7参照。)。熱重合の際、ジシクロペンタジエンの一部が熱分解によりシクロペンタジエンとなり、ディールスアルダー反応により、スチレンやジシクロペンタジエンと反応することでジシクロペンタジエンより環構造が大きく変化することが報告されている。カチオン重合と熱重合で生成物の構造が異なると報告されている。
【0007】
さらに、ジシクロペンタジエン樹脂の重合法による分子構造の違いが報告されている(例えば非特許文献1,2参照。)。そして、非特許文献1には、フリーデルクラフツ触媒による重合(カチオン重合)と、ディールスアルダー反応を伴う重合(熱重合)により得られたジシクロペンタジエン樹脂の分子構造について報告されている。カチオン重合では、ジシクロペンタジエンのように炭素数10個の環構造を維持したまま、重合が進行する。一方、熱重合では、ジシクロペンタジエンの一部が熱分解によりシクロペンタジエンとなり、ディールスアルダー反応により炭素数が5、10、15、20個程度の環構造に変化すると共に、それらのビニレン基の重合反応が進行する。熱重合ではジシクロペンタジエンから環構造が変化するため、カチオン重合により得られたジシクロペンタジエン樹脂との分子構造が大きく異なることが報告されている。
【0008】
また、非特許文献2には、ジシクロペンタジエンのカチオン重合において、2つのビニレン基の反応、及びそれらの異性化により、炭素数10個の環構造ではあるが、4つの分子構造を形成することが報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2008-174696号公報
【文献】特開2009-138025号公報
【文献】特開2011-88988号公報
【文献】特開2011-88998号公報
【文献】特開2003-113287号公報
【文献】特開2018-131515号公報
【文献】特表2004-515618号公報
【非特許文献】
【0010】
【文献】石油学会誌,27巻,26頁(1984年)
【文献】Journal of Polymer Science:PartA,34巻,3527頁(1996年)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、特許文献1~7に提案の方法においては、ゴムと樹脂の相溶性が不十分であり、ウェットグリップ性が満足できない、ゴムよりガラス転移点が高い樹脂を配合するため転がり抵抗性が増加し低燃費性が悪化する、粘度が高くなるため加工性が悪化しシリカや末端変性ゴムの使用量が制限される、混練不良によりタイヤ性能が低下する、という課題を有するものである上に、(部分)水添ジシクロペンタジエン-芳香族系単量体共重合樹脂の分子構造について何ら言及されていないものであった。
【0012】
また、非特許文献1、2には、重合方法の選択により分子構造の異なるジシクロペンタジエン系樹脂が得られることの記載はなされているが、(部分)水添ジシクロペンタエン-芳香族系単量体共重合樹脂については何ら言及のなされていないものであった。
【0013】
そこで、本発明は、粘性特性、成形加工性に優れ、特にウェットグリップ性と転がり抵抗性のバランスに優れ、粘度を低減することで加工性の向上までをも可能とする新規なゴム組成物を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を進めた結果、ゴムに対して特定の構造を有する部分水添ジシクロペンタジエン-芳香族系単量体共重合樹脂を特定の割合で配合することにより、ウェットグリップ性と転がり抵抗性のバランスや、加工性を改善するゴム組成物を提供することが可能となることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0015】
即ち、本発明は、ゴム100重量部に対して、部分水添ジシクロペンタジエン-芳香族系単量体共重合樹脂5~50重量部を含むものであって、部分水添ジシクロペンタジエン-芳香族系単量体共重合樹脂が、重クロロホルム中、室温下で1H-NMRにて測定したスペクトルにおいて、6.5~7.5ppmのピーク面積が全ピーク面積に対して0.5%以上20.0%以下の範囲内にあり、5.8~6.5ppmのピーク面積(A)と4.8~5.8ppmのピーク面積(B)の合計が全ピーク面積に対して0%を超え、8.0%以下の範囲内、ピーク面積(A)とピーク面積(B)の比として表される(A/B)が0.01以上0.2以下の範囲内、にある部分水添ジシクロペンタジエン-芳香族系単量体共重合樹脂であることを特徴とするゴム組成物に関するものである。
【0016】
以下に、本発明に関して詳細に説明する。
【0017】
本発明のゴム組成物は、ゴム100重量部に対して、部分水添ジシクロペンタジエン-芳香族系単量体共重合樹脂5~50重量部を含むものであり、ゴムに特定の部分水添ジシクロペンタジエン-芳香族系単量体共重合樹脂を配合することにより、ウェットグリップ性と転がり抵抗性のバランスや、加工性の改善というゴム改質に優れた特性を発揮するものである。
【0018】
本発明のゴム組成物を構成するゴムとしては、ゴムと称される範疇に属するものであればよく、例えば炭素・炭素二重結合を有するジエン系ゴムを例示することができ、より具体的には天然ゴム(NRと記す場合もある。)、ポリイソプレンゴム(IRと記す場合もある。)、ポリブタジエンゴム(BRと記す場合もある。)、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBRと記す場合もある。)、スチレン-イソプレン共重合体ゴム等が挙げられる。これらは単独で使用しても混合して使用しても良い。該ゴムの製造方法は特に制限されず、アニオン重合品であっても、乳化重合品であっても良い。その分子量やミクロ構造は特に制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。なかでも、ゴム組成物とした際にウェットグリップ性、転がり抵抗性を高度に両立できるゴム組成物の提供が可能となることから、SBRを50重量%以上含むものであることが好ましく、特に相溶性を高めて耐摩耗性をも含めたバランスに優れるものとなることからSBR50重量%以上90重量%以下及びNR、IR、BRのうち少なくとも1種以上を10重量%以上50重量%以下で併用するものであることが好ましい。
【0019】
本発明のゴム組成物を構成する部分水添ジシクロペンタジエン-芳香族系単量体共重合樹脂は、重クロロホルム中、室温下で1H-NMR(プロトン核磁気共鳴装置と称される場合もある。)にて測定したスペクトルにおいて、6.5~7.5ppmのピーク面積が全ピーク面積に対して0.5%以上20.0%以下の範囲内にあり、5.8~6.5ppmのピーク面積(A)と4.8~5.8ppmのピーク面積(B)の合計が全ピーク面積に対して0%を超え、8.0%以下の範囲内、ピーク面積(A)とピーク面積(B)の比として表される(A/B)が0.01以上0.2以下の範囲内にある部分水添ジシクロペンタジエン-芳香族系単量体共重合樹脂である。その際の6.5~7.5ppmのピークは、芳香族系単量体残基単位のベンゼン環に付加したプロトンに由来する。また、5.8~6.5ppmのピークは、ジシクロペンタジエン残基単位のノルボルネン環のプロトンに由来する。さらに、4.8~5.8ppmのピークは、ジシクロペンタジエン残基単位のシクロペンテン環のビニレン基のプロトンに由来するものである。そして、ジシクロペンタジエン-芳香族系単量体共重合樹脂を(部分)水添することによりこれらピークは減少するものである。ここで、部分水添物であること、ジシクロペンタジエン-芳香族系単量体共重合体であることにより、ゴムとの相溶性に優れ、加工性に優れる、等の効果を奏するものであり、未水添物、完全水添物、ジシクロペンタジエン単独重合体、芳香族系単量体単独重合体である場合、これら効果を奏するものとすることは困難となる。
【0020】
該部分水添ジシクロペンタジエン-芳香族系単量体共重合樹脂は、6.5~7.5ppmのピーク面積が全ピーク面積に対して0.5%以上20.0%以下の範囲内にあることにより、ゴム、特にSBRとの相溶性、取扱性に優れ、特に0.5%以上15.0%以下の範囲内にあることが好ましい。また、ピーク面積(A)とピーク面積(B)の合計が全ピーク面積に対しては、0%を超え、8.0%以下の範囲内にあることにより、ゴム、特にSBRとの相溶性、取扱性に優れ、特に0.1%以上7.0%以下の範囲内にあることが好ましい。ここで、ピーク面積(A)とピーク面積(B)の合計が、0%である場合、又は8.0%を超える場合、ゴムとの相溶性に劣り、性能的に劣るゴム組成物となる。また、ピーク面積(A)とピーク面積(B)の比である(A/B)は、0.01以上0.2以下の範囲内であることによりゴムの改質効果に優れるものなり、好ましくは0.01以上0.15以下の範囲内である。ここで、(A/B)が0.01未満又は0.2を超えるものである場合、ゴムとの相溶性に劣り、性能的に劣るゴム組成物となる。
【0021】
また、該部分水添ジシクロペンタジエン-芳香族系単量体共重合樹脂は、ジシクロペンタジエン-芳香族系単量体共重合樹脂(以下、DCPD-芳香族系樹脂と記す場合もある。)を部分水素化してなるものであり、水素化の際には主にDCPD-芳香族系樹脂を構成する炭素-炭素二重結合の水素化が進行するものである。この際、ジシクロペンタジエン残基単位の炭素-炭素二重結合の水素化が、芳香族系単量体残基単位の炭素-炭素二重結合の水素化より優先的に進行する。そして、特にゴムとの相溶性に優れ、その改質効果に優れるゴム組成物を提供することが可能となることから該炭素-炭素二重結合の水素化率は、ジシクロペンタジエン残基単位の水素化率が50~99.9%、芳香族系単量体残基単位の水素化率が0~95%のものであることが好ましく、特にジシクロペンタジエン残基単位の水素化率が60~99.9%、芳香族系単量体残基単位の水素化率が0~90%のものであることが好ましい。
【0022】
さらに、該部分水添DCPD-芳香族系樹脂は、特にゴムとの相溶性に優れるものとなることから、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用い、標準ポリスチレン換算値として測定した際の重量平均分子量(Mw)が600以上2500以下のものが好ましく、特に600以上2000以下のものが好ましい。また、該部分水添DCPD-芳香族系樹脂は、特にゴムとの相溶性や加工性に優れるものとなることから、JIS K-2207を準拠した軟化点が70℃以上150℃以下のものであることが好ましく、更に80℃以上140℃以下のものが好ましい。
【0023】
該部分水添DCPD-芳香族系樹脂は、DCPD-芳香族系樹脂を部分水素化することにより入手可能であり、その際のDCPD-芳香族系樹脂としては、本発明の部分水添DCPD-芳香族系樹脂とすることが可能であれば如何なるものであってもよく、ジシクロペンタジエン類と、芳香族系単量体を共重合することにより得ることが可能である。
【0024】
ジシクロペンタジエン類としては、一般的に石油類の熱分解および精製により得られるジシクロペンタジエン類として知られているものであれば如何なるものを用いることも可能であり、例えばジシクロペンタジエン、メチルジシクロペンタジエン、ジメチルジシクロペンタジエン、これらの混合物等のジシクロペンタジエン類を挙げることができる。
【0025】
芳香族系単量体としては、例えばスチレン、α-メチルスチレン、β-メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、イソプロぺニルトルエン等のスチレン類;インデン、メチルインデン、ジメチルインデン等のインデン類等が挙げられる。なかでもジシクロペンタジエン類との共重合性に優れるため、芳香族系単量体は特にスチレン類が好ましい。また、芳香族系単量体としては、これらの純単量体を用いても、石油類の熱分解により得られる沸点範囲が140~280℃の範囲にあるC9留分を蒸留精製して用いても良い。
【0026】
該部分水添DCPD-芳香族系樹脂は、部分的に水素化することによりゴム改質、特に反発弾性、伸び、強度等の改質性能に優れるゴム改質剤としての適用を可能とすることから、ジシクロペンタジエン残基単位量が50~95モル%、芳香族系単量体残基単位量が5~50モル%であることが好ましく、更に芳香族系単量体残基単位中に占めるスチレン類の残基単位量が50モル%以上であることが好ましい。
【0027】
また、該部分水添DCPD-芳香族系樹脂は、その効果・目的を逸脱しない範囲において、他の単量体成分を共重合することも可能である。例えばイソプレン、ピペリレン、シクロペンタジエン等のC5単量体等を挙げることができる。
【0028】
そして、該部分水添DCPD-芳香族系樹脂の製造方法とはしては、該部分水添DCPD-芳香族系樹脂の製造が可能であれば如何なる方法であってもよく、例えば水素化触媒の存在下でDCPD-芳香族系樹脂を(部分)水素化添加する方法を挙げることができる。
【0029】
この際のDCPD-芳香族系樹脂は、例えばフリーデルクラフツ型触媒を用いたカチオン重合法により得れるDCPD-芳香族系樹脂、熱重合法により得られるDCPD-芳香族系樹脂、等を挙げることができる。そして、中でもより部分水添を容易に進行することが可能となる分子構造を有することからカチオン重合法により得られるDCPD-芳香族系樹脂であることが好ましい。カチオン重合法における該フリーデルクラフツ型触媒としては、例えば三塩化アルミニウム、三臭化アルミニウム、三フッ化ホウ素、これらのフェノール錯体,これらのブタノール錯体,これらのメタノール錯体、これらのジメチルエーテル錯体、これらのジエチルエーテル錯体等が挙げられ、中でも三フッ化ホウ素フェノール錯体、三フッ化ホウ素ブタノール錯体、三フッ化ホウ素メタノール錯体、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体が好ましい。その際の重合温度は0℃以上100℃以下が好ましく、特に好ましくは0℃以上80℃以下である。また、フリーデルクラフツ型触媒の添加量としては、任意であり、その中でも特に生産効率に優れた製造方法となることから、該混合物100重量部に対して0.1重量部以上2.0重量部以下であることが好ましい。さらに、重合時間としては、0.1時間以上10時間以下の範囲が好ましい。反応圧力は大気圧以上1MPa以下が好ましい。
【0030】
該部分水添DCPD-芳香族系樹脂は、DCPD-芳香族系樹脂を水素化触媒存在下、公知の方法により部分水素化することで製造することが出来る。水素化触媒としては、例えばニッケル、コバルト、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、白金、モリブデン等に代表される金属の酸化物、硫化物等の金属化合物が挙げられ、多孔質で表面積の大きい珪藻土、アルミナ、シリカ、カーボン、チタニア等の担体に担持したのものでも良い。水素化反応の条件は、所望の水素化率となるように水素圧、温度、触媒量、溶剤の使用量を適宜調整すればよい。
【0031】
本発明のゴム組成物は、ゴム100重量部に対して、該部分水添ジシクロペンタジエン-芳香族系単量体共重合樹脂5~50重量部を含むものである。ここで、部分水添ジシクロペンタジエン-芳香族系単量体共重合樹脂が5重量部未満である場合、ウェットグリップ性、成形加工性に劣り、50重量部を越える場合、耐摩耗性、転がり抵抗性に劣るものとなる。
【0032】
そして、本発明のゴム組成物とする際には、硫黄,過酸化物等の加硫剤、加硫助剤、スルフィド系,メルカプト系,ビニル系,アミノ系,グリシドキシ系,ニトロ系,クロロ系等シランカップリング剤、加硫促進助剤、ステアリン酸、亜鉛華、可塑剤、オイル、老化防止剤、フェノール系抗酸化剤、リン系抗酸化剤、硫黄系抗酸化剤、ラクトン系抗酸化剤、紫外線吸収剤、顔料、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、等を配合してもよい。
【0033】
本発明のゴム組成物は、粘性特性、成形加工性に優れるものであり、例えば緩衝用途、運輸機器、摺動機器等に適用することが可能であり、中でもタイヤ、特にトレッドとして優れた性能を発揮するものとなる。
【発明の効果】
【0034】
本発明により、粘性特性、成形加工性に優れ、特にウェットグリップ性と転がり抵抗性のバランスに優れ、粘度を低減することで加工性に優れた性能を有する新規なゴム組成物を提供することが可能となる。
【実施例】
【0035】
以下に、実施例および比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例において用いた原料、分析、試験法は下記の通りである。
【0036】
1.原料
(1)ジシクロペンタジエン-芳香族系単量体共重合樹脂原料
ジシクロペンタジエン:富士フィルム和光純薬製試薬。
メチルシクロペンタジエンダイマー:アルドリッチ製試薬。
スチレン:富士フィルム和光純薬製試薬。
インデン:富士フィルム和光純薬製試薬。
トルエン:富士フィルム和光純薬製試薬、超脱水グレード。
所定の組成となるように重合に用いる原料を調製した。原料の組成を表1に示す。なお、表1中のDCPDはジシクロペンタジエンの略記である。
重合触媒:三フッ化ホウ素メタノール(アルドリッチ製)。
【0037】
(2)ジシクロペンタジエン-芳香族系単量体共重合樹脂の(部分)水素化
水素化触媒:パラジウム-カーボン(アルドリッチ製、パラジウム30%)。
溶媒:メチルシクロヘキサン(富士フィルム和光純薬製試薬)。
【0038】
(3)ゴム組成物原料
スチレンブタジエンゴム:JSR社製(商品名)SL563。
イソプレンゴム:JSR社製(商品名)IR2200。
天然ゴム:RSS3号。
ブタジエンゴム:JSR社製(商品名)BR01。
シリカ:東ソー・シリカ製(商品名)NipsilAQ。
シランカップリング剤:大阪ソーダ製(商品名)CABRUS4。
ステアリン酸:富士フィルム和光純薬製試薬。
亜鉛華:井上石灰工業製。
硫黄:鶴見化学工業製(商品名)サルファックス5。
加硫促進剤1:大内新興化学工業製(商品名)ノクセラーCZ。
加硫促進剤2:大内新興化学工業製(商品名)ノクセラーD。
老化防止剤:大内新興化学工業製(商品名)ノクラック810NA。
【0039】
2.分析方法
(1)DCPD-芳香族系樹脂の共重合組成、スチレン類含量
JIS K-0114(2000年)に準拠してガスクロマトグラフ法により重合前後の油中の単量体量の測定を行い、単量体転化率より共重合組成(DCPD類残基含量、芳香族系単量体残基含量)、芳香族系単量体残基含量中に占めるスチレン類残基含量を算出した。
【0040】
(2)軟化点
JIS K-2207に従って測定した。
【0041】
(3)平均分子量
標準ポリスチレンを標準物質としてゲル浸透クロマトグラフィーにより、数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を測定した。
【0042】
(4)水添DCPD-芳香族系樹脂の1H-NMR測定
重クロロホルム中で核磁気共鳴測定装置(日本電子製、(商品名)JNM-ECZ400S/LI、周波数400MHz)により1H-NMRスペクトルを測定した。
【0043】
(5)水素化率
1H-NMRスペクトルの測定における4.8~6.5ppm、6.5~7.5ppmの炭素-炭素二重結合由来のピーク面積を基に、以下の式により水素化率を算出した。
DCPD類残基単位の水素化率=(1-(部分水添DCPD-芳香族系樹脂の4.8~6.5ppmのピーク面積/DCPD-芳香族系樹脂の4.8~6.5ppmのピーク面積))×100(%)
芳香族系残基単位の水素化率=(1-(部分水添DCPD-芳香族系樹脂の6.5~7.5ppmのピーク面積/DCPD-芳香族系樹脂の6.5~7.5ppmピーク面積))×100(%)
(6)ムーニー粘度
ムーニー粘度計(島津製作所製)を使用し、JIS K6300に準拠して未加硫ゴム組成物のムーニー粘度を100℃で測定した。ムーニー粘度が低いほど加工性に優れると判断した。
【0044】
(7)加硫ゴム組成物の粘弾性測定
粘弾性測定装置(UBM社製)を使用し、温度-100℃~100℃、昇温速度2℃/分、周波数10Hz、歪み0.1%、剪断モードでtanδを測定した。
【0045】
(8)ウェットグリップ性
加硫ゴム組成物の粘弾性測定における0℃のtanδをウェットグリップ性の指標とした。0℃のtanδが高いほどウェットグリップ性が良好であると判断した。
【0046】
(9)転がり抵抗性
加硫ゴム組成物の粘弾性測定における60℃のtanδを転がり抵抗性の指標とした。60℃のtanδが低いほど転がり抵抗性が小さく、低燃費性が良好であると判断した。
【0047】
製造例1(原料油の調製)
市販の原料を用いて所定の濃度に調製し、原料油A~Cとした。原料油の組成を表1に示す。
【0048】
【0049】
製造例2(ジシクロペンタジエン-芳香族系単量体共重合樹脂の製造)
下記に示す方法により、原料油A~Cのそれぞれを用い、ジシクロペンタジエン-芳香族系単量体共重合樹脂A(以下、樹脂Aと記す場合もある。)~ジシクロペンタジエン-芳香族系単量体共重合樹脂C(以下、樹脂Cと記す場合もある)のそれぞれを製造した。
【0050】
内容積2リットルのガラス製オートクレーブに表1に示す原料油500gを仕込んだ。次に、窒素雰囲気下で85℃に加熱した後、フリーデルクラフツ型触媒として三フッ化ホウ素メタノール錯体(アルドリッチ製)を原料油100重量部に対して、0.5重量部を加えて85℃で2時間重合した。苛性ソーダ水溶液を添加した後、水相を除去した。
【0051】
そして、窒素導入管、温度計および脱気管が付いた0.5リットルセパラブルフラスコに得られた油相400gを添加した。窒素導入管より7ml/分の流速で窒素を導入し、30分かけて220℃に昇温した後、更に30分加熱し未反応油の蒸留除去を行い、ジシクロペンタジエン-芳香族系単量体共重合樹脂(A,B,C)を得た。
【0052】
原料油A~Cのそれぞれを用いて得られた樹脂A~Cそれぞれの重合収率、物性(分子量、軟化点、NMR分析値)を表2に示す。
【0053】
【0054】
合成例1
1Lオートクレーブに樹脂A100g、表3に示す所定量のパラジウム-カーボン触媒、及びメチルシクロヘキサン100gを添加した。150℃に昇温し、水素圧4MPaで5時間水素化を行った。
【0055】
そして、濾過により水素化触媒を除去後、窒素導入管、温度計および脱気管が付いた1リットルセパラブルフラスコに得られた樹脂溶液を添加し、窒素導入管より7ml/分の流速で窒素を導入し、30分かけて220℃に昇温した後、更に30分加熱し溶剤の蒸留除去を行い、部分水添ジシクロペンタジエン-芳香族系単量体共重合樹脂A1を得た。
【0056】
水素化反応条件、及び得られた部分水添ジシクロペンタジエン-芳香族系単量体共重合樹脂A1の物性(水素化率、分子量、軟化点、NMR分析値)を表3に示す。
【0057】
実施例1
ラボプラストミル(容量600cc)にてスチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)((株)JSR製、(商品名)SL563)80重量部、イソプレンゴム(IR)((株)JSR製、(商品名)IR2200)20重量部を30秒間素練り後、シリカ(東ソー・シリカ製(商品名)NipsilAQ)を45重量部、シランカップリング剤(大阪ソーダ製(商品名)CABRUS4)を3.6重量部、ステアリン酸(富士フィルム和光純薬製試薬)を2重量部、合成例1により得られた部分水添ジシクロペンタジエン-芳香族系単量体共重合樹脂A1を10重量部加え、全練り時間5分後にコンパウンドを取り出した。取り出し時のコンパウンド温度を140~150℃となるようにラム圧、回転数を調整した。得られたゴム組成物を室温にて冷却後、更に硫黄(鶴見化学工業製(商品名)サルファックス5)を1.5重量部、加硫促進剤1(大内新興化学工業製(商品名)ノクセラーCZ)を1.2重量部、加硫促進剤2(大内新興化学工業製(商品名)ノクセラーD)を1.5重量部、亜鉛華(井上石灰工業製)を3重量部、老化防止剤(大内新興化学工業製(商品名)ノクラック810NA)を1重量部添加して1分間混練後、8インチロールを用いてシーティングして未加硫ゴム組成物を得た。更に蒸気加熱プレスを用い、加硫温度150℃、加硫時間30分により加硫ゴム組成を得た。
【0058】
得られた未加硫ゴム組成物のムーニー粘度、および加硫ゴム組成物のウェットグリップ性、転がり抵抗性の測定結果を表4に示す。
【0059】
合成例2
水素化触媒の量、水素化時間を表3に示す通りとした以外は、合成例1と同様の方法により、部分水添ジシクロペンタジエン-芳香族系単量体共重合樹脂A2を得た。
【0060】
水素化反応条件、及び得られた部分水添ジシクロペンタジエン-芳香族系単量体共重合樹脂A2物性(水素化率、分子量、軟化点)を表3に示す。
【0061】
実施例2
樹脂A1を10重量部の代わりに、合成例2により得られた樹脂A2を20重量部用いた以外は、実施例1と同様の方法により未加硫ゴム組成物、加硫ゴム組成物を得た。その結果を表4に示す。
【0062】
合成例3
水素化触媒の量、水素化時間を表3に示す通りとした以外は、合成例1と同様の方法により、部分水添ジシクロペンタジエン-芳香族系単量体共重合樹脂A3を得た。
【0063】
水素化反応条件、及び得られた部分水添ジシクロペンタジエン-芳香族系単量体共重合樹脂A3の物性(水素化率、分子量、軟化点)を表3に示す。
【0064】
実施例3
樹脂A1を10重量部の代わりに、合成例3により得られた樹脂A3を15重量部用いた以外は、実施例1と同様の方法により未加硫ゴム組成物、加硫ゴム組成物を得た。その結果を表4に示す。
【0065】
合成例4
水素化触媒の量、水素化時間を表3に示す通りとした以外は、合成例1と同様の方法により、部分水添DCPD-芳香族系樹脂A4を得た。
【0066】
水素化反応条件、及び得られた部分水添DCPD-芳香族系樹脂A4の物性(水素化率、分子量、軟化点)を表3に示す。
【0067】
比較例1
樹脂A1の代わりに、合成例4により得られた樹脂A4を用いた以外は、実施例1と同様の方法により未加硫ゴム組成物、加硫ゴム組成物を得た。その結果を表4に示す。
【0068】
合成例5
樹脂Aの代わりに樹脂Bとし、水素化触媒の量、水素化時間を表3に示す通りとした以外は、実施例1と同様の方法により、部分水添ジシクロペンタジエン-芳香族系単量体共重合樹脂B1を得た。
【0069】
水素化反応条件、及び得られた部分水添ジシクロペンタジエン-芳香族系単量体共重合樹脂B1の物性(水素化率、分子量、軟化点)を表3に示す。
【0070】
実施例4
IRの代わりに、天然ゴム(NR)(RSS3号)を用い、樹脂A1の代わりに、合成例5により得られた樹脂B1を用いた以外は、実施例1と同様の方法により未加硫ゴム組成物、加硫ゴム組成物を得た。その結果を表4に示す。
【0071】
合成例6
樹脂Aの代わりに樹脂Bとし、水素化触媒の量、水素化時間を表3に示す通りとした以外は、実施例1と同様の方法により、部分水添ジシクロペンタジエン-芳香族系単量体共重合樹脂B2を得た。
【0072】
水素化反応条件、及び得られた部分水添ジシクロペンタジエン-芳香族系単量体共重合樹脂B2の物性(水素化率、分子量、軟化点)を表3に示す。
【0073】
実施例5
樹脂B1を10重量部の代わりに、合成例6により得られた樹脂B2を20重量部用いた以外は、実施例4と同様の方法により未加硫ゴム組成物、加硫ゴム組成物を得た。その結果を表4に示す。
【0074】
合成例7
樹脂Aの代わりに樹脂Bとし、水素化触媒の量、水素化時間を表3に示す通りとした以外は、実施例1と同様の方法により、部分水添ジシクロペンタジエン-芳香族系単量体共重合樹脂B3を得た。
【0075】
水素化反応条件、及び得られた部分水添ジシクロペンタジエン-芳香族系単量体共重合樹脂B3の物性(水素化率、分子量、軟化点)を表3に示す。
【0076】
実施例6
IRの代わりに、ブタジエンゴム(BR)((株)JSR製、(商品名)BR01)を用い、樹脂A1を10重量部の代わりに、合成例7により得られた樹脂B3を30重量部用いた以外は、実施例1と同様の方法により未加硫ゴム組成物、加硫ゴム組成物を得た。その結果を表4に示す。
【0077】
合成例8
樹脂Aの代わりに樹脂Bとし、水素化触媒の量、水素化時間を表3に示す通りとした以外は、実施例1と同様の方法により、部分水添ジシクロペンタジエン-芳香族系樹脂B4を得た。
【0078】
水素化反応条件、及び得られた部分水添ジシクロペンタジエン-芳香族系樹脂B4の物性(水素化率、分子量、軟化点)を表3に示す。
【0079】
比較例2
樹脂B1の代わりに、合成例8により得られた樹脂B4を用いた以外は、実施例4と同様の方法により未加硫ゴム組成物、加硫ゴム組成物を得た。その結果を表4に示す。
【0080】
合成例9
樹脂Aの代わりに樹脂Bとし、水素化触媒の量、水素化時間を表3に示す通りとした以外は、実施例1と同様の方法により、部分水添ジシクロペンタジエン-芳香族系樹脂B5を得た。
【0081】
水素化反応条件、及び得られた部分水添ジシクロペンタジエン-芳香族系樹脂B5の物性(水素化率、分子量、軟化点)を表3に示す。
【0082】
比較例3
樹脂B1の代わりに、合成例9により得られた樹脂B5を用いた以外は、実施例4と同様の方法により未加硫ゴム組成物、加硫ゴム組成物を得た。その結果を表4に示す。
【0083】
合成例10
樹脂Aの代わりに樹脂Cとし、水素化触媒の量、水素化時間を表3に示す通りとした以外は、実施例1と同様の方法により、部分水添ジシクロペンタジエン-芳香族系樹脂C1を得た。
【0084】
水素化反応条件、及び得られた部分水添ジシクロペンタジエン-芳香族系樹脂C1の物性(水素化率、分子量、軟化点)を表3に示す。
【0085】
比較例4
樹脂A1の代わりに、合成例10により得られた樹脂C1を用いた以外は、実施例1と同様の方法により未加硫ゴム組成物、加硫ゴム組成物を得た。その結果を表4に示す。
【0086】
比較例5
樹脂A1を10重量部の代わりに、3重量部とした以外は、実施例1と同様の方法により未加硫ゴム組成物、加硫ゴム組成物を得た。その結果を表4に示す。加工性とグリップ性に劣るものであった。
【0087】
比較例6
樹脂A1を10重量部の代わりに、53重量部とした以外は、実施例1と同様の方法により未加硫ゴム組成物、加硫ゴム組成物を得た。その結果を表4に示す。転がり抵抗性、低燃費性に劣るものであった。
【0088】
【0089】
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明は、新規なゴム組成物、特に、特定の部分水添ジシクロペンタジエン-芳香族系単量体共重合樹脂を含むことによりウェットグリップ性と転がり抵抗性のバランスに優れ、粘度を低減することで加工性の向上までをも可能とする新規なゴム組成物を提供するものであり、その産業的利用可能性は極めて高いものである。