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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】シールガスケットの取り付け方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/673 20060101AFI20231108BHJP
【FI】
H01L21/68 T
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020187719
(22)【出願日】2020-11-11
(65)【公開番号】P2022077079
(43)【公開日】2022-05-23
【審査請求日】2022-11-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000190149
【氏名又は名称】信越半導体株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102532
【弁理士】
【氏名又は名称】好宮 幹夫
(74)【代理人】
【識別番号】100194881
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 俊弘
(72)【発明者】
【氏名】神津 和則
(72)【発明者】
【氏名】久米 史高
【審査官】杢 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-170591(JP,A)
【文献】特開平10-184924(JP,A)
【文献】特開2010-251425(JP,A)
【文献】特開2008-62979(JP,A)
【文献】特開2007-308161(JP,A)
【文献】特開2013-105931(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/673
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェーハを収納する容器本体と、該容器本体の開口部に嵌め合わされる蓋体と、前記容器本体の開口部と前記蓋体との間をシールする着脱可能なシールガスケットと、前記容器本体の前記開口部を形成する縁部に、前記開口部が形成する仮想平面に対して垂直方向に形成された嵌入溝と、を有するウェーハ収納容器を用意し、前記嵌入溝に前記シールガスケットを取り付けるシールガスケットの取り付け方法であって、
前記嵌入溝に、嵌入補助部材を挿入する嵌入補助部材挿入工程と、
該嵌入補助部材挿入工程で挿入した前記嵌入補助部材に、前記シールガスケットを架ける架け渡し工程と、
該架け渡し工程で架けた前記シールガスケットを、前記嵌入補助部材に沿って前記嵌入溝に嵌入する嵌入工程と、を有することを特徴とするシールガスケットの取り付け方法。
【請求項2】
前記嵌入補助部材挿入工程において、前記嵌入溝に前記嵌入補助部材を挿入して斜めに傾けておき、
前記架け渡し工程において、前記挿入した嵌入補助部材に外側から前記シールガスケットを架け、
前記嵌入工程において、前記傾いている嵌入補助部材を前記仮想平面に対して垂直方向に立て直すことにより、前記シールガスケットを前記嵌入補助部材に沿って滑り落とし、前記嵌入溝に嵌入することを特徴とする請求項1に記載のシールガスケットの取り付け方法。
【請求項3】
前記ウェーハ収納容器として、前記嵌入溝が平面視において矩形であり、かつ、前記シールガスケットが矩形の環状のものを用意し、
前記嵌入補助部材挿入工程において、前記矩形の嵌入溝の角部に前記嵌入補助部材を挿入することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシールガスケットの取り付け方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシールガスケットの取り付け方法に関し、より詳しくは、シリコン単結晶等の半導体ウェーハを収納するウェーハ収納容器に用いられるシールガスケットの取り付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シリコン単結晶等の半導体ウェーハ(以下、単にウェーハということがある。)を収納するウェーハ収納容器は、複数のウェーハを収納する容器本体と、容器本体の開口部に嵌合される蓋体とから概略構成される。
【0003】
容器本体には、ウェーハを整列収納するためのウェーハ保持溝が容器本体に形成されたタイプと、ウェーハ保持溝の形成されたカセットが容器本体に着脱可能に構成されたタイプとがある。
また蓋体には、ウェーハエッジ部を押圧して固定するための抑え体が蓋本体に形成されたタイプと、抑え体が蓋体内側に着脱可能に構成されたタイプとがある。
【0004】
さらに、容器本体開口部と蓋体との間をシールするために、シールガスケットを有するウェーハ収納容器があるが、シールガスケットが容器本体に固着されたタイプと、容器本体または蓋体へ着脱可能に構成されたタイプとがある。
【0005】
シールガスケットが容器本体または蓋体へ着脱可能に構成されたタイプのウェーハ収納容器において、従来、容器本体または蓋体の嵌入溝にシールガスケットを嵌入する作業は、作業員による手作業で行われているので、作業員の技能によりシールガスケットの嵌入具合にバラツキが発生するという問題がある。
【0006】
このような問題を解決するためのシールガスケットの取り付け方法は、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1は、シールガスケットの保持力低下を抑制してその一部が蓋体と共に外れてしまうおそれを排除し、シールガスケットの嵌入具合にバラツキが発生するのを抑制できる基板収納容器及びそのシールガスケットの取り付け方法を提供している。
【0007】
特許文献1ではシールガスケットの保持力低下を抑制する手段として、シールガスケットに、容器本体の開口上部に対する蓋体の嵌合方向と平行に位置する嵌合突起部を形成している。具体的には、特許文献1のシールガスケットは、嵌入溝に嵌入される枠体と、枠体から伸びて蓋体に接触するシール形成部とから形成されており、嵌合突起部は、枠体の直線部に複数形成される第一の嵌合突起部と、枠体のコーナ部に形成される第二の嵌合突起部から形成されている。
【0008】
また、特許文献1は、シールガスケットの嵌入具合にバラツキが発生することを防止する手段として、まず、容器本体と蓋体のいずれかに形成された嵌入溝に弾性のシールガスケットの枠体を手作業で挿入し、シール形成部に接触しないよう枠体の平坦面に押圧治具の圧接平坦面を接触させ、押圧治具を強く押して嵌入溝にシールガスケットの枠体を嵌め入れている。これにより、嵌入溝と嵌合突起部の第一、第二の嵌合突起部とがそれぞれ密接し、嵌入溝にシールガスケットがバラツクことなく適切に嵌め入れられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2009-170591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1に開示されたような押圧治具を用いる方法であれば、容器本体の嵌入溝にシールガスケットをバラツクことなく適切に押し込むことができる。しかしその前に、弾性のシールガスケットの枠体を、手作業で嵌入溝に挿入する必要がある。
【0011】
シールガスケットの成形材料としては、例えばポリエステル系、ポリオレフィン系、フッ素系、ウレタン系のエラストマー(弾性を持った高分子)、フッ素ゴム、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)、シリコーンゴムが挙げられる。
このような弾性を有するシールガスケットは柔らかいため、その形状が歪み易く、嵌入溝に手作業で挿入する際に手間取ることがしばしばある。
【0012】
本発明は上記課題を解決するために為されたものであり、シールガスケットを容器本体の嵌入溝に速やかに嵌入することができるシールガスケットの取り付け方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するため、本発明では、ウェーハを収納する容器本体と、該容器本体の開口部に嵌め合わされる蓋体と、前記容器本体の開口部と前記蓋体との間をシールする着脱可能なシールガスケットと、前記容器本体の前記開口部を形成する縁部に、前記開口部が形成する仮想平面に対して垂直方向に形成された嵌入溝と、を有するウェーハ収納容器を用意し、前記嵌入溝に前記シールガスケットを取り付けるシールガスケットの取り付け方法であって、
前記嵌入溝に、嵌入補助部材を挿入する嵌入補助部材挿入工程と、
該嵌入補助部材挿入工程で挿入した前記嵌入補助部材に、前記シールガスケットを架ける架け渡し工程と、
該架け渡し工程で架けた前記シールガスケットを、前記嵌入補助部材に沿って前記嵌入溝に嵌入する嵌入工程と、を有することを特徴とするシールガスケットの取り付け方法を提供する。
【0014】
このような本発明のシールガスケットの取り付け方法であれば、予め挿入した嵌入補助部材にシールガスケットを架けることで、嵌入前のシールガスケットの形状を整えて維持することができ、さらに補助部材に沿って嵌入するため、形状を維持したままシールガスケットを速やかに嵌入溝に嵌入することができる。
【0015】
また、前記嵌入補助部材挿入工程において、前記嵌入溝に前記嵌入補助部材を挿入して斜めに傾けておき、
前記架け渡し工程において、前記挿入した嵌入補助部材に外側から前記シールガスケットを架け、
前記嵌入工程において、前記傾いている嵌入補助部材を前記仮想平面に対して垂直方向に立て直すことにより、前記シールガスケットを前記嵌入補助部材に沿って滑り落とし、前記嵌入溝に嵌入することができる。
【0016】
このような方法であれば、シールガスケットが嵌入補助部材に沿って自重で滑り落ち嵌入溝に嵌入されるため、より簡便な取り付け方法となる。
【0017】
また、前記ウェーハ収納容器として、前記嵌入溝が平面視において矩形であり、かつ、前記シールガスケットが矩形の環状のものを用意し、
前記嵌入補助部材挿入工程において、前記矩形の嵌入溝の角部に前記嵌入補助部材を挿入することができる。
【0018】
このような方法であれば、容器本体の形状が平面視において矩形のウェーハ収納容器に対して特に好適である。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明のシールガスケットの取り付け方法によれば、シールガスケットの形状を嵌入補助部材で整えるとともに、嵌入補助部材に沿ってシールガスケットを嵌入溝に嵌入するので、形状を維持したまま速やかに、シールガスケットを嵌入溝に嵌入することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明のシールガスケットの取り付け方法の工程の概略を示すフロー図である。
図2】本発明のシールガスケットの取り付け方法を適用することができるウェーハ収納容器の一例を示す概略図である。
図3】シールガスケットの一例を示す部分断面図である。
図4】容器本体の一例を示す部分断面図である。
図5】本発明の嵌入補助部材挿入工程を示す概略説明図である。
図6】本発明の架け渡し工程を示す概略説明図である。
図7】本発明の嵌入工程を示す部分断面図である。
図8】実施例において、嵌入補助部材の上端が容器の内側に向かって斜めに傾いた状態を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明について、実施態様の一例として、図を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0022】
まず、図2を参照して本発明のシールガスケットの取り付け方法を適用することができるウェーハ収納容器の一例について簡単に説明する。ウェーハ収納容器1は、1つ以上のウェーハを収納する容器本体2と、容器本体2の開口部2aに嵌合される蓋体3と、容器本体2へ着脱可能に構成され、容器本体2の開口部2aと蓋体3との間をシールするためのシールガスケット4を有している。また、容器本体2の開口部2aを形成する縁部2bには、開口部2aが形成する仮想平面Aに対して垂直方向に、シールガスケット4を嵌入する嵌入溝5が形成されている。
ウェーハ収納容器1はさらに、容器本体2に着脱可能に構成されウェーハ保持溝の形成されたカセット6と、蓋体3の内側に着脱可能に構成されウェーハエッジ部を押圧して固定する抑え体7とを有している。なお、ここでは図2に示すようにウェーハ保持溝の形成されたカセット6が容器本体2に着脱可能に構成されたタイプ、かつ、抑え体7が蓋体3の内側に着脱可能に構成されたタイプを例に挙げて説明するが、本発明はこれに限定されず、ウェーハ保持溝が容器本体2に形成されたタイプや、抑え体7が蓋体3に形成されたタイプとすることもできる。
【0023】
容器本体2、蓋体3、カセット6、抑え体7は、例えば、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート等からなる熱可塑性樹脂を含む成形材料を使用して成形されたものとすることができる。
シールガスケット4は、例えば、ポリエステル系、ポリオレフィン系、フッ素系、ウレタン系のエラストマー、フッ素ゴム、EPDM、シリコーンゴム等を使用して成形されたものとすることができる。
【0024】
図3にシールガスケット4の部分断面図を、図4に容器本体2の部分断面図を示す。それぞれ、図面の左側が容器の内側(内周部)を示す。シールガスケット4は、容器本体2の嵌入溝5に嵌入されるもので、枠体4aと、該枠体4aの内周部から伸長して蓋体3に接触するシール形成部4bと、容器本体2の嵌入溝5で変形して密嵌される断面略逆U字形の嵌合部4cとを有し、嵌合部4cが変形する際の弾性反発力により、嵌入溝5に保持される。平面視においてシールガスケット4や嵌入溝5の形状は特に限定されず、例えば、図2に示すような矩形のものとすることができる。
【0025】
また、後述する本発明のシールガスケットの取り付け方法において用いる嵌入補助部材について説明する。図5、6に示すように、嵌入補助部材8は予め嵌入溝5に挿入され、シールガスケット4を嵌入する際に架けるために用いられる。嵌入補助部材8の厚さは、例えば、嵌入補助部材8とシールガスケット4が同時に嵌入溝5に挿入可能な厚さとすることができ、シールガスケット4の厚さや嵌入溝5の幅等に応じて適宜決定することができる。また、嵌入補助部材8の数や形状は特に限定されず、嵌入溝5の形状等に応じて適宜決定することができ、例えば、図5に示すようにL字型のものとすることができる。また、嵌入補助部材8の材質は特に限定されないが、例えば、ポリエチレン製硬質フィルムとすることができる。
【0026】
以下、本発明のシールガスケットの取り付け方法の工程について具体的に説明する。図1は本発明のシールガスケットの取り付け方法の工程の概略を示すフロー図である。
【0027】
まず、図2に示すようなウェーハ収納容器1を用意する(図1の工程1)。なお、ここでは嵌入溝5が平面視において矩形であり、かつ、シールガスケット4が矩形の環状のものを例に挙げて説明するが、本発明はこれに限定されない。
【0028】
次に、図1の工程2のように、容器本体2の嵌入溝5に、嵌入補助部材8を挿入する(嵌入補助部材挿入工程)。
嵌入補助部材挿入工程において嵌入補助部材8を挿入した状態を図5に示す。嵌入溝5の4箇所の角部5aにL字型の嵌入補助部材8を挿入している。このように角部5aに嵌入補助部材8を挿入する方法は、容器本体2の形状が平面視において矩形、すなわち、嵌入溝5が平面視において矩形であり、かつ、シールガスケット4が矩形の環状のものなど、角を有するものに対して特に好適である。
【0029】
次に、図1の工程3のように、嵌入補助部材挿入工程で挿入した嵌入補助部材8に、シールガスケット4を架ける(架け渡し工程)。
架け渡し工程において嵌入補助部材8にシールガスケット4を外側から架けた状態を図6に示す。このように嵌入補助部材8にシールガスケット4を架けることで、嵌入前のシールガスケット4の形状を整えたまま維持することができる。
【0030】
最後に、図1の工程4のように、架け渡し工程で架けたシールガスケット4を、嵌入補助部材8に沿って嵌入溝5に嵌入する(嵌入工程)。
嵌入工程においてシールガスケット4を嵌入溝5に嵌入した状態の部分断面図を図7に示す。シールガスケット4の嵌合部4cが、嵌入補助部材8に沿って嵌入溝5に嵌入されている。この状態で嵌入補助部材8を取り除くことで、シールガスケット4の取り付けが完了する。このような取り付け方法により、従来の方法よりも速やかにシールガスケット4の取り付けが可能となる。
【0031】
なお、本発明は上記の取り付け方法の各工程を実施すれば良いが、より一層スムーズにシールガスケット4を取り付けることができるように、例えば、以下のように行うことができる。まず、嵌入補助部材挿入工程において、嵌入溝5に嵌入補助部材8を挿入して斜めに傾けておく。内側と外側のどちらに傾けても良いが、特には上端を容器の内側に向けて傾ける。次に、架け渡し工程において、嵌入補助部材8に外側からシールガスケット4を架ける。そして、嵌入工程において、傾いている嵌入補助部材8を容器本体2の開口部2aが形成する仮想平面Aに対して垂直方向に立て直すことにより、シールガスケット4を嵌入補助部材8に沿って滑り落とし、嵌入溝5に嵌入する。このような方法であれば、シールガスケット4が嵌入補助部材8に沿って自重で嵌入溝5に嵌入されるため、より簡便な取り付け方法となる。
【実施例
【0032】
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0033】
まず、図2に示すようなウェーハ収納容器1として、直径200mmのウェーハを25枚収納可能な容器本体2を有するものを用意する。容器本体2の開口部2aを形成する縁部2bには、深さ略10mmの嵌入溝5が矩形に形成されている。
【0034】
(実施例)
嵌入溝5にある4つの角部5aに、嵌入補助部材8をそれぞれ挿入した(嵌入補助部材挿入工程)。各々の嵌入補助部材8として、縦幅57mm、横幅82mm、厚さ100μmのポリエチレン製硬質フィルムを用い、角部5aに沿って横幅を2つ折りにし、角部5aに挿入した。このとき嵌入補助部材8は、そのフィルム下端が嵌入溝5の底面に接し、フィルムの内側の側面が嵌入溝5の内壁面(容器の内側の方)に接し、上端が容器の内側に向かって斜めに傾いた状態で保持されている。この状態を図8に示す。
次に、嵌入補助部材8に矩形の環状のシールガスケット4を外側から架けた(架け渡し工程)。最後に、嵌入補助部材8を嵌入溝5内で仮想平面Aに対して垂直に立て直すことにより、シールガスケット4が自重で嵌入補助部材8に沿って滑り落ち、嵌入溝5内に嵌入された(嵌入工程)。4つの嵌入補助部材8を嵌入溝5の角部5aに挿入するときから、シールガスケット4が嵌入溝5内に嵌入されるまでの間の所要時間は、略10秒間であった。
【0035】
(比較例)
実施例と同様のウェーハ収納容器1を用意し、嵌入補助部材8を用いず、従来の方法と同様にして手作業でシールガスケット4を嵌入溝5内に嵌入した。その結果、嵌入されるまでの所要時間は、略30秒間であった。
【0036】
以上のように本発明のシールガスケットの取り付け方法によれば、従来の手作業による取り付け方法と比較して、約1/3の時間でシールガスケットを嵌入溝に嵌入させることができる。シールガスケットを嵌入溝に嵌入させるに当たって、本発明は嵌入補助部材を挿入したりシールガスケットを嵌入補助部材に架けたりしているが、それでも、取り付けの全体に要する時間を大幅に削減できる。
【0037】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【符号の説明】
【0038】
1…ウェーハ収納容器、 2…容器本体、 2a…開口部、 2b…縁部、
3…蓋体、 4…シールガスケット、 4a…枠体、 4b…シール形成部、
4c…嵌合部、 5…嵌入溝、 5a…角部、 6…カセット、 7…抑え体、
8…嵌入補助部材、 A…仮想平面。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8