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特許7380695情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び情報処理システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20231108BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2021548121
(86)(22)【出願日】2019-09-27
(86)【国際出願番号】 JP2019038163
(87)【国際公開番号】W WO2021059487
(87)【国際公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-03-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】100107836
【弁理士】
【氏名又は名称】西 和哉
(72)【発明者】
【氏名】石川 桃太郎
(72)【発明者】
【氏名】唯木 俊秀
(72)【発明者】
【氏名】阿部 雄之
(72)【発明者】
【氏名】林 耕磨
(72)【発明者】
【氏名】根岸 恭子
(72)【発明者】
【氏名】仙洞田 良子
【審査官】樋口 龍弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-137635(JP,A)
【文献】国際公開第2018/062125(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/059326(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の観察条件で複数の対象物を撮像して得られた観察結果を取得する取得部と、
複数の前記対象物がそれぞれ収容される複数の収容部を有する容器に関する表示画像に対して、ユーザによって選択された分類基準に対応するグループに属する前記容器の前記収容部を明示する表示制御部と、を備え
前記表示制御部は、前記分類基準に対応する前記グループに属する前記容器の前記収容部を明示した後、前記表示画像に対して、前記ユーザによって指定された前記観察条件又は前記観察結果に該当する前記容器の前記収容部を明示する、情報処理装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記分類基準の選択に応じて、対応する前記グループに属する前記容器の前記収容部の明示を切り替える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記分類基準は、前記収容部に投入する培養液の種類及び量を含む前記観察条件の少なくとも1つである、請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記分類基準は、前記収容部に投入する培養液に含まれる血清の種類及び濃度を含む前記観察条件の少なくとも1つである、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記分類基準は、前記収容部に投入する薬剤の種類、濃度、暴露期間、及び暴露タイミングを含む前記観察条件の少なくとも1つである、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記分類基準は、前記収容部に投入する前記対象物の種類及び数を含む前記観察条件の少なくとも1つである、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記分類基準は、前記容器が配置された空間における温度設定、湿度設定、雰囲気の供給設定、及び光の出力設定を含む前記観察条件の少なくとも1つである、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記分類基準は、前記対象物の数、数の経時変化、数の倍加時間、移動量、及び形態変化を含む前記観察結果の少なくとも1つである、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記表示制御部は、同一の前記グループに属する前記容器の前記収容部を色で明示する、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記表示制御部は、同一の前記グループに属する前記容器の前記収容部を枠で明示する、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記表示制御部は、前記容器の前記収容部の近傍に、属する前記グループを示すコンテンツを付加して明示する、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記表示制御部は、同一の前記観察条件又は前記観察結果に該当する前記容器の前記収容部を色で明示する、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記表示制御部は、同一の前記観察条件又は前記観察結果に該当する前記容器の前記収容部を枠で明示する、請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記表示制御部は、前記容器の前記収容部の近傍に、いずれの前記観察条件又は前記観察結果であるかを示すコンテンツを付加して明示する、請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記表示制御部は、前記分類基準に対応する前記グループに属する前記容器の前記収容部を明示した後、前記表示画像に対して、前記ユーザによって指定された閾値条件に応じて前記容器の前記収容部を明示する、請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記表示制御部は、前記表示画像に対して、前記閾値条件を調整するコンテンツを付加する、請求項15に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記表示制御部は、前記分類基準に対応する前記グループに属する前記容器の前記収容部を明示した後、前記表示画像に対して、前記ユーザによって指定された関数の組み合わせに該当する前記容器の前記収容部を明示する、請求項1から請求項16のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項18】
コンピュータによる情報処理方法であって、
所定の観察条件で複数の対象物を撮像して得られた観察結果を取得することと、
複数の前記対象物がそれぞれ収容される複数の収容部を有する容器に関する表示画像に対して、ユーザによって選択された分類基準に対応するグループに属する前記容器の前記収容部を明示することと、
前記分類基準に対応する前記グループに属する前記容器の前記収容部を明示した後、前記表示画像に対して、前記ユーザによって指定された前記観察条件又は前記観察結果に該当する前記容器の前記収容部を明示することと、
を含む、情報処理方法。
【請求項19】
コンピュータに、
所定の観察条件で複数の対象物を撮像して得られた観察結果を取得することと、
複数の前記対象物がそれぞれ収容される複数の収容部を有する容器に関する表示画像に対して、ユーザによって選択された分類基準に対応するグループに属する前記容器の前記収容部を明示することと、
前記分類基準に対応する前記グループに属する前記容器の前記収容部を明示した後、前記表示画像に対して、前記ユーザによって指定された前記観察条件又は前記観察結果に該当する前記容器の前記収容部を明示することと、
を実行させる、情報処理プログラム。
【請求項20】
クラウドコンピューティングによりユーザ端末に表示画像を出力する情報処理システムであって、
サーバを備え、
前記サーバは、
所定の観察条件で複数の対象物を撮像して得られた観察結果を取得する取得部と、
複数の前記対象物がそれぞれ収容される複数の収容部を有する容器に関する前記表示画像に対して、前記ユーザ端末のユーザによって選択された分類基準に対応するグループに属する前記容器の前記収容部を明示する画像生成部と、
ネットワークを介して、前記画像生成部が生成した前記表示画像を前記ユーザ端末に出力する出力部と、を備え
前記画像生成部は、前記分類基準に対応する前記グループに属する前記容器の前記収容部を明示した後、前記表示画像に対して、前記ユーザによって指定された前記観察条件又は前記観察結果に該当する前記容器の前記収容部を明示する、情報処理システム。
【請求項21】
所定の観察条件で複数の対象物を撮像して得られた観察結果を取得する取得部と、
複数の前記対象物がそれぞれ収容される複数の収容部を有する容器に関する表示画像に対して、ユーザによって選択された分類基準に対応するグループに属する前記容器の前記収容部を明示する表示制御部と、を備え、
前記表示制御部は、前記分類基準に対応する前記グループに属する前記容器の前記収容部を明示した後、前記表示画像に対して、前記ユーザによって指定された閾値条件に応じて前記容器の前記収容部を明示する、情報処理装置。
【請求項22】
前記表示制御部は、前記表示画像に対して、前記閾値条件を調整するコンテンツを付加する、請求項21に記載の情報処理装置。
【請求項23】
所定の観察条件で複数の対象物を撮像して得られた観察結果を取得する取得部と、
複数の前記対象物がそれぞれ収容される複数の収容部を有する容器に関する表示画像に対して、ユーザによって選択された分類基準に対応するグループに属する前記容器の前記収容部を明示する表示制御部と、を備え、
前記表示制御部は、前記分類基準に対応する前記グループに属する前記容器の前記収容部を明示した後、前記表示画像に対して、前記ユーザによって指定された関数の組み合わせに該当する前記容器の前記収容部を明示する、情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、細胞のコロニーが撮像された画像に基づいて、コロニーの面積と、コロニーの面積を算出したコロニーに含まれる細胞の数とから、細胞の密度を算出する技術が開示されている。例えば、こうした技術を用いた解析結果は日々の解析によって膨大な量となるため、ユーザがそれらの解析結果を容易に視認できる技術が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2015/193951号
【発明の概要】
【0004】
第1の態様に従えば、所定の観察条件で複数の対象物を撮像して得られた観察結果を取得する取得部と、複数の対象物がそれぞれ収容される複数の収容部を有する容器に関する表示画像に対して、ユーザによって選択された分類基準に対応するグループに属する容器の収容部を明示する表示制御部と、を備え、表示制御部は、分類基準に対応するグループに属する容器の収容部を明示した後、表示画像に対して、ユーザによって指定された観察条件又は観察結果に該当する容器の収容部を明示する、情報処理装置が提供される。
【0005】
第2の態様に従えば、コンピュータによる情報処理方法であって、所定の観察条件で複数の対象物を撮像して得られた観察結果を取得することと、複数の対象物がそれぞれ収容される複数の収容部を有する容器に関する表示画像に対して、ユーザによって選択された分類基準に対応するグループに属する容器の収容部を明示することと、分類基準に対応するグループに属する容器の収容部を明示した後、表示画像に対して、ユーザによって指定された観察条件又は観察結果に該当する容器の収容部を明示することと、を含む情報処理方法が提供される。
【0006】
第3の態様に従えば、コンピュータに、所定の観察条件で複数の対象物を撮像して得られた観察結果を取得することと、複数の対象物がそれぞれ収容される複数の収容部を有する容器に関する表示画像に対して、ユーザによって選択された分類基準に対応するグループに属する容器の収容部を明示することと、分類基準に対応するグループに属する容器の収容部を明示した後、表示画像に対して、ユーザによって指定された観察条件又は観察結果に該当する容器の収容部を明示することと、を実行させる情報処理プログラムが提供される。
【0007】
第4の態様に従えば、クラウドコンピューティングによりユーザ端末に表示画像を出力する情報処理システムであって、サーバを備え、サーバは、所定の観察条件で複数の対象物を撮像して得られた観察結果を取得する取得部と、複数の対象物がそれぞれ収容される複数の収容部を有する容器に関する表示画像に対して、ユーザ端末のユーザによって選択された分類基準に対応するグループに属する容器の収容部を明示する画像生成部と、ネットワークを介して、画像生成部が生成した表示画像をユーザ端末に出力する出力部と、を備え、画像生成部は、分類基準に対応するグループに属する容器の収容部を明示した後、表示画像に対して、ユーザによって指定された観察条件又は観察結果に該当する容器の収容部を明示する、情報処理システムが提供される。
【0008】
第5の態様に従えば、複数の収容部を有する容器に収容された複数の対象物を所定の観察条件において撮像して得られた観察結果を取得する取得部と、観察条件又は観察結果から得られる分類基準と、観察結果とに基づいて、2以上の収容部を同一のグループとして登録する登録部と、を備える情報処理装置が提供される。
【0009】
第6の態様に従えば、複数の収容部を有する容器に収容された複数の対象物を所定の観察条件において撮像して得られた観察結果を取得することと、観察条件又は観察結果から得られる分類基準と、観察結果とに基づいて、2以上の収容部を同一のグループとして登録することと、を含む情報処理方法が提供される。
【0010】
第7の態様に従えば、コンピュータに、複数の収容部を有する容器に収容された複数の対象物を所定の観察条件において撮像して得られた観察結果を取得することと、観察条件又は観察結果から得られる分類基準と、観察結果とに基づいて、2以上の収容部を同一のグループとして登録することと、を実行させる情報処理プログラムが提供される。
【0011】
第8の態様に従えば、クラウドコンピューティングにより処理を実行する情報処理システムであって、サーバを備え、サーバは、複数の収容部を有する容器に収容された複数の対象物を所定の観察条件において撮像して得られた観察結果を取得する取得部と、観察条件又は観察結果から得られる分類基準と、観察結果とに基づいて、2以上の収容部を同一のグループとして登録する登録部と、を備える情報処理システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1実施形態に係る情報処理装置を含む解析システムの全体構成例を示す図。
図2】第1実施形態に係る情報処理装置に接続される培養システムの構成例を示す図。
図3】第1実施形態に係る情報処理装置に接続される培養システムの構成例を示すブロック図。
図4】第1実施形態に係る情報処理装置に接続される培養システムの制御ユニット回りの接続関係の例を説明する図。
図5】第1実施形態に係る情報処理装置の機能構成例を示すブロック図。
図6】第1実施形態に係る記憶装置が記憶する情報例を示す図。
図7】第1実施形態に係るグループ登録における画面例を示す図。
図8】第1実施形態に係るグループ登録における画面例を示す図。
図9】第1実施形態に係るグループ登録における画面例を示す図。
図10】第1実施形態に係るグループ登録における画面例を示す図。
図11】第1実施形態に係るグループ登録における画面例を示す図。
図12】第1実施形態に係るグループ登録における画面例を示す図。
図13】第1実施形態に係るグループ登録における画面例を示す図。
図14】第1実施形態に係るグループ登録における画面例を示す図。
図15】第1実施形態に係るグループ登録における画面例を示す図。
図16】第1実施形態に係るグループ登録における画面例を示す図。
図17】第1実施形態に係るグループ登録における画面例を示す図。
図18】第1実施形態に係る情報処理装置における処理の流れの例を示すフローチャート。
図19】第1実施形態に係る観察画像の表示切り替え処理の流れの例を示すフローチャート。
図20】第2実施形態に係る情報処理装置の機能構成例を示すブロック図。
図21】第2実施形態に係るプレートマップの例を示す図。
図22】第2実施形態に係るプレートマップの例を示す図。
図23】第2実施形態に係る収容部の明示例を示す図である。
図24】第2実施形態に係る収容部の明示例を示す図である。
図25】第2実施形態に係る収容部の明示例を示す図である。
図26】第2実施形態に係る収容部の明示例を示す図である。
図27】第2実施形態に係る情報処理装置における処理の流れの例を示すフローチャート。
図28】第3実施形態に係る情報処理装置の機能構成例を示すブロック図。
図29】第3実施形態に係るプレートマップの例を示す図。
図30】第3実施形態に係る情報処理装置における処理の流れの例を示すフローチャート。
図31】第4実施形態に係る情報処理装置の機能構成例を示すブロック図。
図32】第4実施形態に係るプレートマップの例を示す図。
図33】第4実施形態に係るプレートマップの例を示す図。
図34】第4実施形態に係る情報処理装置における処理の流れの例を示すフローチャート。
図35】第5実施形態に係る情報処理装置の機能構成例を示すブロック図。
図36】第5実施形態に係るプレートマップの例を示す図。
図37】第5実施形態に係る情報処理装置における処理の流れの例を示すフローチャート。
図38】第6実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、実施形態について図面を参照して説明する。図面においては実施形態を説明するため、一部分を大きく又は強調して表すなど適宜縮尺を変更して表現しており、実際の製品とは大きさ、形状が異なる場合がある。
【0014】
[第1実施形態]
第1実施形態を説明する。図1は、第1実施形態に係る情報処理装置を含む解析システムの全体構成例を示す図である。図1に示すように、解析システム1000は、培養システムBSと、情報処理装置100と、記憶装置110とを含む。培養システムBSは、培養装置8と、観察装置5とを含む。解析システム1000は、対象物(例えば、細胞、試料、標本等)を培養するとともに、培養の過程を観察(撮像)し、観察結果(例、撮像画像)を解析するシステムである。
【0015】
培養システムBS、情報処理装置100、及び記憶装置110は、インターネット、LAN(Local Area Network)、及びWAN(Wide Area Network)等のネットワークを介して接続される。また、培養システムBS、情報処理装置100、及び記憶装置110は、インターネット、LAN、及びWAN等を組み合わせたネットワークを介して接続されてもよい。かかるネットワークは、有線通信によるネットワークに限らず、無線通信によるネットワークを含んでもよい。また、情報処理装置100が記憶装置110を備えた構成としてもよい。また、培養システムBSと記憶装置110とは、ネットワークを介して接続されてもよい。
【0016】
図2は、第1実施形態に係る情報処理装置に接続される培養システムの構成例を示す図である。図3は、第1実施形態に係る情報処理装置に接続される培養システムの構成例を示すブロック図である。図4は、第1実施形態に係る情報処理装置に接続される培養システムの制御ユニット回りの接続関係の例を説明する図である。
【0017】
培養システムBSは、大別して、筐体1の上部に設けられた培養室2と、複数の培養容器10を収容及び保持するストッカ3と、培養容器10内の対象物を観察(撮像)する観察装置5と、培養容器10を搬送する搬送ユニット(搬送装置)4とを有する。加えて、培養システムBSは、システムの作動を制御する制御ユニット(制御装置)6と、表示装置を備える操作盤7とを有する。なお、培養室2、ストッカ3、及び搬送ユニット4等は、培養装置8に相当する。
【0018】
培養室2は、顕微鏡観察における細胞等の観察対象物の培養環境を形成するチャンバである。培養室2には、温度調整装置21と、加湿器22と、ガス供給装置23と、循環ファン24と、環境センサ25とが設けられる。温度調整装置21は、環境センサ25と連携し、培養室2内の温度を所定の設定温度に調整する。加湿器22は、環境センサ25と連携し、培養室2内の湿度を所定の設定湿度に調整する。ガス供給装置23は、環境センサ25と連携し、COガス、Nガス、及びOガス等を供給する。循環ファン24は、環境センサ25と連携し、培養室2内の気体(空気)を循環させ、温度調整するファンである。環境センサ25は、培養室2の温度、湿度、二酸化炭素濃度、窒素濃度、及び酸素濃度等を検出する。
【0019】
ストッカ3は、前後、及び上下に仕切られた棚状にて形成される。各棚には、例えば、固有の番地が設定される。培養容器10は、培養する対象物の種別や目的等に応じて適宜選択される。培養容器10は、例えば、ウェルプレート、フラスコ、又はディッシュタイプ等の培養容器でよい。本実施形態では、ウェルプレートを利用する場合を例に挙げる。培養容器10には、対象物が液体培地(培養液)とともに注入され、保持される。培養容器10のそれぞれには、例えば、コード番号が付与される。培養容器10は、付与されたコード番号に応じて、ストッカ3の指定番地に対応付けて収容される。搬送ユニット4は、培養室2の内部に設けられた、上下移動可能なZステージ41と、前後移動可能なYステージ42と、左右移動可能なXステージ43とを有する。支持アーム45は、Xステージ43の先端側において、培養容器10を持ち上げ、支持する。
【0020】
観察装置5は、第1照明部51と、第2照明部52と、第3照明部53と、マクロ観察系54と、顕微観察系55と、制御ユニット6とを有する。第1照明部51は、試料台15の下側から対象物を照明する。第2照明部52は、顕微観察系55の光軸に沿って、試料台15の上方から対象物を照明する。第3照明部53は、顕微観察系55の光軸に沿って、試料台15の下方から対象物を照明する。マクロ観察系54は、対象物のマクロ観察を実施する。顕微観察系55は、対象物のミクロ観察を実施する。試料台15には、顕微観察系55の観察領域において、ガラス等の透明な窓部16が設けられる。
【0021】
マクロ観察系54は、観察光学系54aと、観察光学系54aにより結像された対象物の像を撮影するCCDカメラ等の撮像装置54cとを有する。マクロ観察系54は、第1照明部51によりバックライト照明された培養容器10の上方からの全体観察画像を取得する。顕微観察系55は、対物レンズ、中間変倍レンズ、及び蛍光フィルタ等を含む観察光学系55aと、観察光学系55aにより結像された対象物の像を撮影する冷却CCDカメラ等の撮像装置55cとを有する。対物レンズ、及び中間変倍レンズは、それぞれが複数設けられてもよい。対物レンズ、及び中間変倍レンズについては、レンズの組み合わせを変化させることで、任意の観察倍率に設定可能に構成される。顕微観察系55は、第2照明部52が照明した対象物の透過像と、第3照明部53が照明した対象物の反射像と、第3照明部53が照明した対象物の蛍光像とを取得する。つまり、顕微観察系55は、培養容器10内の対象物を顕微鏡観察した顕微観察画像を取得する。
【0022】
制御ユニット6は、マクロ観察系54の撮像装置54c、及び顕微観察系55の撮像装置55cから入力された信号を処理し、全体観察画像、及び顕微観察画像等の画像を生成する。また、制御ユニット6は、全体観察画像、及び顕微観察画像に画像解析を施し、タイムラプス画像を生成する。制御ユニット6は、生成した画像を情報処理装置100に出力し、記憶装置110に格納させる。
【0023】
制御ユニット6は、CPU(Central Processing Unit)(プロセッサ)61と、ROM(Read Only Memory)62と、RAM(Random Access Memory)63とを有する。CPU61は、制御ユニット6を統括し、制御ユニット6において各種の処理を実行する。ROM62は、培養システムBSに関する制御プログラム、及び制御データ等を記憶する。RAM63は、ハードディスクやDVD(Digital Versatile Disc)等の補助記憶装置を含み、観察条件や画像データ等を一時記憶する。制御ユニット6には、培養室2、搬送ユニット4、観察装置5、及び操作盤7等の各構成機器が接続される(図3参照)。
【0024】
RAM63は、例えば、観察プログラムに応じた培養室2の環境条件、及び観察スケジュール、観察装置5における観察種別、観察位置、及び観察倍率等を記憶する。また、RAM63は、観察装置5が撮影した画像データを記憶する記憶領域を含み、該画像データと、培養容器10のコード番号や撮影日時等を含むインデックスデータとを対応付けて記憶する。操作盤7は、操作パネル(操作部、入力部)71と、表示パネル72とを有する。操作パネル71は、キーボード、マウス、及びスイッチ等の入出力機器(操作部、入力部)を含む。ユーザは、操作パネル71を操作し、観察プログラムの設定、条件の選択、及び動作指令等を入力する。通信部65は、有線又は無線の通信規格に準拠して構成され、観察装置5、培養システムBS、又は制御ユニット6に接続される外部の機器(例、サーバ、ユーザのクライアント端末等)との間でデータを送受信する。RAM63が記憶する各種の情報は、情報処理装置100を介して、適宜、記憶装置110に格納され得る。
【0025】
図5は、第1実施形態に係る情報処理装置の機能構成例を示すブロック図である。図5に示すように、情報処理装置100は、通信部131と、取得部132と、表示制御部133と、演算部134と、登録部135とを有する。また、情報処理装置100には、入力部121と、表示部122とが接続される。
【0026】
入力部121は、情報処理装置100のユーザによる各種操作を受け付け、ユーザ操作に応じた制御信号を出力する。入力部121は、例えば、マウス、及びキーボード等で構成される。表示部122は、入力部121に対するユーザ操作に応じた各種情報(画像を含む情報)を表示出力する。表示部122は、例えば、ディスプレイ等で構成される。なお、入力部121と表示部122とは、一体的に構成されてもよい。すなわち、入力部121と表示部122とは、表示部122に表示される各種情報に対して直接的に入力操作を実施するタッチパネルを有する携帯型端末(例、タブレット端末)等で構成されてもよい。
【0027】
通信部131は、ネットワークを介して、培養システムBS、及び記憶装置110と通信し、各種情報を送受信する。通信部131は、例えば、ネットワークを介して、観察条件及び観察結果に関する情報を培養システムBSから受信する。また、通信部131は、例えば、ネットワークを介して、観察条件及び観察結果に関する情報を記憶装置110との間で送受信する。
【0028】
取得部132は、複数の収容部を有する容器に収容された複数の対象物を所定の観察条件において撮像して得られた観察結果を取得する。例えば、取得部132は、ネットワーク又は通信部131を介して、記憶装置110が記憶する培養システムBSにおける種々の観察結果に関する情報を、記憶装置110から適宜取得する。また、取得部132は、観察結果に関する情報だけではなく、観察条件に関する情報についても記憶装置110から適宜取得することができる。
【0029】
図6は、第1実施形態に係る記憶装置が記憶する情報例を示す図である。図6に示すように、記憶装置110は、データ項目として、実験番号、実験名、実験責任者、実験担当者、観察開始日時、観察終了日時、顕微鏡名、倍率、容器製品、容器種別、判定結果、ステータス、アプリ番号、及びアプリ名を含む。実験番号は、実験毎に一意に割り当てられる識別番号を示す情報である。実験番号には、例えば、「Exp00001」等の情報が記憶される。実験名は、実験の名称を示す情報である。実験名には、例えば、「BS-T00001」等の情報が記憶される。実験責任者は、実験の責任者の氏名を示す情報である。実験責任者には、例えば、「責任者A」等の情報が記憶される。実験担当者は、実験の担当者の氏名を示す情報である。実験担当者には、例えば、「担当E」等の情報が記憶される。なお、実験番号、実験名、実験責任者、及び実験担当者のデータ項目は、単にそれぞれ、番号、名称、責任者、及び担当者のデータ項目としてもよい。例えば、実験工程に限らず、培養工程に利用される場合は、培養番号、培養名、培養責任者、及び培養担当者のデータ項目であってもよい。
【0030】
観察開始日時は、観察を開始した日時を示す情報である。観察開始日時には、例えば、「2019/08/25 09:00:00」等の情報が記憶される。観察終了日時は、観察を終了した日時を示す情報である。観察終了日時には、例えば、「2019/08/26 15:15:25」等の情報が記憶される。顕微鏡名は、観察で利用した顕微鏡の名称を示す情報である。顕微鏡名には、例えば、「顕微鏡H」等の情報が記憶される。倍率は、観察のときに設定した顕微鏡の倍率を示す情報である。倍率には、例えば、「8x」等の情報が記憶される。容器製品は、対象物を収容する収容部(例えば、ウェル、ディッシュ等)を複数有する容器(例えば、ウェルプレート等)のメーカ名を示す情報である。容器製品には、例えば、「製品タイプK」等の情報が記憶される。
【0031】
容器種別は、対象物を収容する収容部(例えば、ウェル等)を複数有する容器(例えば、ウェルプレート等)の種別を示す情報である。容器種別には、例えば、「6WP(Well Plate)」等の情報が記憶される。判定結果は、実験に対するユーザの判定を示す情報である。判定結果には、例えば、「OK」又は「NG」等の情報が記憶される。ステータスは、観察結果の解析の進捗を示す情報である。ステータスには、例えば、「完了」又は「60%」等の情報が記憶される。アプリ番号は、観察結果の解析で利用されるアプリケーションパッケージ毎に一意に割り当てられる識別番号を示す情報である。アプリ番号には、例えば、「App.00001」等の情報が記憶される。アプリ名は、アプリケーションパッケージの名称を示す情報である。アプリ名には、例えば、「AppX」等の情報が記憶される。なお、アプリケーションパッケージとしては、例えば、画像解析のアプリ、対象物の面積を算出するアプリ、対象物の数を算出するアプリ等が存在する。
【0032】
また、記憶装置110は、上記の情報のほかにも、実験番号及びコード番号等に対応付けて、対象物がそれぞれ収容される複数の収容部の観察画像を記憶する。観察画像は、例えば、上述した全体観察画像や顕微観察画像に相当する。従って、取得部132は、観察画像についても記憶装置110から適宜取得することができる。また、記憶装置110は、後述するグループ情報についても記憶する。
【0033】
図5の説明に戻る。表示制御部133は、表示部122に表示する表示画像を生成し、生成した表示画像を表示部122に表示する。表示制御部133は、表示部122に表示する種々の表示画像を生成し、生成した表示画像を表示部122に表示するが、本実施形態では主に、後述する登録部135で実行されるグループの登録に関わる表示画像を生成する。また、表示制御部133は、表示画像の生成に関して、演算を要する情報については演算部134から取得する。すなわち、演算部134は、観察結果に基づく演算を実行する。換言すると、表示制御部133は、観察条件及び観察結果等の生データについては記憶装置110から取得し、観察結果をもとにした演算処理結果の情報については演算部134から取得する。本実施形態に係る表示制御部133による処理の詳細については後述する。
【0034】
登録部135は、観察条件又は観察結果から得られる分類基準と、観察結果とに基づいて、2以上の収容部を同一のグループとして登録する。分類基準は、例えば、収容部に投入する培養液の種類及び量を含む観察条件の少なくとも1つである。分類基準は、例えば、収容部に投入する培養液に含まれる血清の種類、濃度及び量を含む観察条件の少なくとも1つである。分類基準は、例えば、収容部に投入する薬剤の種類、濃度、暴露期間、及び暴露タイミングを含む観察条件の少なくとも1つである。分類基準は、例えば、収容部に投入する対象物の種類及び数を含む観察条件の少なくとも1つである。分類基準は、例えば、顕微鏡名、倍率、容器が配置された空間(例えば、培養室2)における温度設定、湿度設定、雰囲気の供給設定、及び光の出力設定を含む観察条件の少なくとも1つである。分類基準は、例えば、対象物の数、数の経時変化、数の倍加時間、移動量、及び形態変化を含む観察結果の少なくとも1つである。分類基準は、例えば、対象物の専有面積、及び対象物の周囲長を含む観察結果の少なくとも1つである。分類基準は、例えば、観察結果(画像)の解析後の輝度値を用いてもよい。例えば、画像の解析後の輝度値を用いる場合は、コロニーの細胞密度(粗密)に対して輝度値の平均値を「5」等とし、平均値を基準値とした場合、基準値以上と基準値未満とで分類することができる。すなわち、登録部135は、上述した分類基準の1つ、又は分類基準の組み合わせと、観察結果とが、同一となった(類似する、関連する)2以上の収容部を同一のグループとして登録する。登録部135は、グループ情報について、記憶装置110に格納する。また、例えば、分類基準は、後述するグループ登録やグループ表示に用いる特徴又は指標を含む。
【0035】
グループ登録で利用される情報には、観察結果の1つである収容部を撮像した観察画像が含まれてもよい。すなわち、登録部135は、観察の任意の過程(期間)において、観察画像が同一となった(類似する、関連する)2以上の収容部を同一のグループとして登録する。また、グループ登録で利用される情報には、観察結果を視覚的に表現した情報が含まれてもよい。すなわち、登録部135は、観察結果をグラフ化した情報に基づいて、グラフ化した情報が同一となった(類似する、関連する)2以上の収容部を同一のグループとして登録する。
【0036】
なお、グループ登録に関しては、観察結果を利用せずに実施することができる。登録部135は、例えば、任意のタイミングで、観察結果を利用せずにグループ登録を実行する。任意のタイミングは、例えば、観察前、観察中、及び/又は観察後である。一例として、観察結果を利用しないグループ登録は、観察前に(観察条件に関する分類基準が設定されたタイミングで)行うことができる。すなわち、登録部135は、観察条件に関する分類基準に基づいて、2以上の収容部を同一のグループとして登録してもよい。観察条件に関する分類基準は、ユーザによって予め決定されればよい。
【0037】
図7から図17は、第1実施形態に係る分類基準を用いたグループ登録における画面例を示す図である。また、図7から図17の説明において、適宜、表示制御部133、演算部134、及び登録部135における処理を説明する。図7に示すように、表示制御部133は、観察結果の検索画面を示す表示画像を表示部122に表示する。観察結果の検索画面には、キーワード検索を行うテキスト入力部KSaと、予め決定された検索条件の中から選択することにより検索を行う条件検索部FSa、FSb、FSc、FSdと、検索を実行する検索ボタンSBとが含まれる。条件検索部FSaは、例えば、実験担当者の氏名を選択するプルダウンである。条件検索部FSbは、例えば、ステータスを選択するプルダウンである。条件検索部FScは、例えば、観察開始日と観察終了日とを選択するプルダウンである。条件検索部FSdは、例えば、アプリケーション名を選択するプルダウンである。なお、条件検索部FSa、FSb、FSc、FSdは、テキスト入力により実現してもよい。また、検索条件は、上記に限られない。
【0038】
ユーザは、入力部121を操作し、テキスト入力部KSaに対するテキスト入力、条件検索部FSa、FSb、FSc、FSdを用いた選択を行い、検索ボタンSBを押下する。又は、ユーザは、入力部121を操作し、テキスト入力や条件検索の選択を行わずに、検索ボタンSBを押下する。検索ボタンSBの押下に応じて、表示制御部133は、検索条件に該当する情報を記憶装置110から取得し、検索結果SRを示す表示画像を表示部122に表示する。つまり、表示制御部133は、検索条件に基づく観察結果の一覧、又は全ての観察結果の一覧を示す表示画像を表示部122に表示する。検索結果SRには、例えば、実験名、実験責任者、実験担当者、観察開始日時、観察終了日時、顕微鏡名、倍率、容器製品、容器種別、アプリ名、判定、及びステータスのデータ項目に対する情報が含まれる。なお、検索結果SRのデータ項目は、上記に限られない。また、検索結果SRは、データ項目の指示等によりソートすることができる。ユーザは、観察結果の確認のために、検索結果SRの中から選択する(指定する)操作を行う。
【0039】
次に、図8に示すように、表示制御部133は、検索結果SRの中から選択された観察結果を表示画像に示す。観察結果の表示画像には、例えば、観察に関する情報ExpI、撮影条件(観察条件)に関する情報ScI、観察画像を含むプレートマップPmI、及び観察におけるイベントに関する情報EvIが含まれる。これらのうち、プレートマップPmIには、観察画像OI、グループ名GN、時系列切替コンテンツTS、及び深さ切替コンテンツDPが含まれる。観察画像OIには、例えば、選択された観察結果に含まれる観察画像が表示される。グループ名GNには、例えば、登録済みのグループ名が表示される。時系列切替コンテンツTSには、例えば、観察画像を時系列で切り替えるコンテンツが表示される。深さ切替コンテンツDPには、例えば、収容部の深さに対応する観察画像を切り替えるコンテンツが表示される。
【0040】
時系列切替コンテンツTSは、例えば、一定期間ごとに区切られた複数の矩形で表現される。ユーザは、入力部121を操作し、時系列切替コンテンツTSの矩形を選択することができる。表示制御部133は、時系列切替コンテンツTSの矩形が選択されると、該当する期間に対応する観察画像を表示画像として、プレートマップPmIの表示を切り替える。このとき、表示制御部133は、選択された矩形における観察日時に関する情報を表示してもよい。なお、時系列切替コンテンツTSを用いた観察画像の切り替えは、矩形の選択に限られず、矩形の選択位置を移動させる時系列切替コンテンツTSaにより実現してもよい。
【0041】
深さ切替コンテンツDPは、例えば、収容部に対する一定の深さ(厚さ、Z方向)ごとに区切られた矩形で表現される。ユーザは、入力部121を操作し、深さ切替コンテンツDPの矩形を選択することができる。表示制御部133は、深さ切替コンテンツDPの矩形が選択されると、該当する収容部の深さに対応する観察画像を表示画像として、プレートマップPmIの表示を切り替える。なお、深さ切替コンテンツDPを用いた観察画像の切り替えは、矩形の選択に限られず、矩形の選択位置を移動させる深さ切替コンテンツDPaにより実現してもよい。
【0042】
つまり、表示制御部133は、ユーザによって選択されたグループの観察結果を、複数の収容部を有する容器に関する表示画像に対して示し、該表示画像を表示部122に表示する。また、表示制御部133は、検索条件が使用されない場合、一覧(全ての一覧)からユーザによって選択された観察結果を、複数の収容部を有する容器に関する表示画像に対して示し、該表示画像を表示部122に表示する。また、表示制御部133は、検索条件が使用される場合、検索条件に基づく一覧からユーザによって選択された観察結果を、複数の収容部を有する容器に関する表示画像に対して示し、該表示画像を表示部122に表示する。そして、表示制御部133は、観察結果に含まれる収容部の観察画像を、表示画像に対して示し、該表示画像を表示部122に表示する。
【0043】
次に、ユーザは、入力部121を操作し、グループ登録のために、編集ボタンEB(図9参照)を押下する。ここで、編集とは、新規のグループを登録することにより、グループ情報が編集されることを含む。図9に示すように、表示制御部133は、編集ボタンEBが押下されたことを示す信号を受け付ける。そして、図10に示すように、表示制御部133は、観察画像OI、及び新規のグループを追加するグループ追加ボタンAGを含む表示画像を表示する。続いて、図11に示すように、ユーザは、入力部121を操作し、新規のグループに追加したい収容部に対応する2以上の観察画像OIを選択し、グループ追加ボタンAGを押下する。ここで、表示制御部133は、観察画像OIの選択に応じて、観察画像OIを所定色で反転させた表示画像を表示する。これにより表示制御部133はグループ追加ボタンAGの押下を示す信号を受信し、図12に示すように、表示制御部133は、新規のグループのグループ名を入力(又は編集)するテキスト入力部KSbと、グループ登録を実行する登録ボタンRBとを含む表示画像を表示する。加えて、表示制御部133は、グループ登録の対象となる観察画像OIについて、色、枠や線等の強調情報により明示する。なお、テキスト入力部KSbの近傍には、観察結果等をグループごとに異なる色で表現するグループカラーコンテンツGCが配置される。
【0044】
次に、図13に示すように、ユーザは、入力部121を操作し、グループカラーコンテンツGCの選択と、テキスト入力部KSbへのグループ名の入力とを行い、登録ボタンRBを押下する。これにより表示制御部133は登録ボタンRBの押下を示す信号を受信し、図14に示すように、表示制御部133は、グループ登録の実行を確認する画像を示す確認画像CIを含む表示画像を表示する。ユーザは、分類基準を用いたグループ登録を実行させる場合に、入力部121を操作し、確認画像CIに含まれる登録ボタンを押下する。一方、ユーザは、グループ登録を実行させない場合に、入力部121を操作し、確認画像CIに含まれるキャンセルボタンを押下する。図15に示すように、表示制御部133は、登録ボタンが押下されると、グループ登録が完了したことを示す完了画像CSを含む表示画像を表示する。このとき、登録部135は、新規のグループに関するグループ情報を記憶装置110に格納する。
【0045】
その後、図16に示すように、表示制御部133は、プレートマップPmIのグループ名GNに、新規に登録されたグループ名を含む表示画像を表示する。また、ユーザは、入力部121を操作し、プレートマップPmIにおいてグループ名GNから登録済みのグループを選択する。これにより表示制御部133はグループ名GNからのグループの選択を示す信号を受信し、図17に示すように、表示制御部133は、選択されたグループ名に対応する解析結果を示す解析結果ARと、倍加時間を示す倍加時間DTとを含む表示画像を表示する。表示制御部133は、例えば、解析結果AR及び倍加時間DTの表示に際して、演算部134から演算処理結果を受け付けて表示する。図17に示す解析結果ARは、グループBに属する収容部の対象物の数の平均をエラーバーとともに視覚的に表現した例である。つまり、表示制御部133は、演算部134が実行した演算に基づいて、観察結果を視覚的に表現した情報を、表示画像に対して示し、該表示画像を表示部122に表示する。
【0046】
なお、本実施形態におけるグラフ(例、解析結果ARを表示する箇所)においては、該グラフの縦軸及び横軸のデータを一例として示している。例えば、横軸には、観察開始日時から観察終了日時までの期間における時間に関する情報が表示されてもよい。例えば、縦軸には、プレートマップPmIのプルダウンで選択された項目に対する情報が表示されてもよい。例えば、縦軸は、プルダウンで細胞の数が選択された場合、0から1.0の(×10)等で示される。例えば、縦軸は、プルダウンで細胞の専有面積率が選択された場合、0から100(又は、0から1.0)等の割合で示される。従って、グラフの縦軸及び横軸は、表示する内容に応じて変化する。
【0047】
図18は、第1実施形態に係る情報処理装置における処理の流れの例を示すフローチャートである。ステップS101において、取得部132は、検索条件を設定した検索が実行されたかを判定する。例えば、取得部132は、テキスト入力部KSaにテキストを入力して検索ボタンSBが押下される検索、条件検索部FSa、FSb、FSc、FSdを用いた検索条件から選択して検索ボタンSBが押下される検索、及び検索ボタンSBが押下されるのみの検索のうちいずれであるかを判定する。このとき、取得部132は、テキスト入力部KSaにテキストを入力して検索ボタンSBが押下される検索、又は条件検索部FSa、FSb、FSc、FSdを用いた検索条件から選択して検索ボタンSBが押下される検索である場合(ステップS101:Yes)、ステップS102における処理を実行する。一方、取得部132は、検索ボタンSBが押下されるのみの検索である場合(ステップS101:No)、ステップS103における処理を実行する。
【0048】
ステップS102において、取得部132は、検索条件に基づく観察結果を取得する。例えば、取得部132は、通信部131を介して、検索条件に該当する観察結果を記憶装置110から取得する。ステップS103において、取得部132は、全ての観察結果を取得する。例えば、取得部132は、通信部131を介して、全ての観察結果を記憶装置110から取得する。ステップS104において、表示制御部133は、観察結果の一覧を表示する。例えば、表示制御部133は、取得部132が取得した観察結果の一覧を表示画像に示し、該表示画像を表示部122に表示する。
【0049】
ステップS105において、表示制御部133は、観察結果に対する選択を受け付ける。例えば、表示制御部133は、観察結果の一覧の表示画像において、観察結果に対するユーザによる選択を信号として受け付ける。ステップS106において、表示制御部133は、プレートマップを表示する。例えば、表示制御部133は、ユーザによって選択された観察結果を、複数の収容部を有する容器に関する表示画像に対して示し、該表示画像を表示部122に表示する。このとき、表示制御部133は、演算部134による演算の実行結果に基づいて、観察結果に対するグラフ等を表示画像に示し、該表示画像を表示部122に表示してもよい。また、表示制御部133は、時系列切替コンテンツTSや深さ切替コンテンツDP等を表示画像に示し、該表示画像を表示部122に表示してもよい。
【0050】
ステップS107において、表示制御部133は、観察画像に対する選択と、選択された観察画像に対応する収容部のグループ登録とを受け付ける。例えば、表示制御部133は、編集ボタンEBの押下を示す信号を受け付ける。そして、表示制御部133は、観察画像OI、及びグループ追加ボタンAGを含む表示画像を表示部122に表示する。続いて、表示制御部133は、観察画像OIの選択と、グループ追加ボタンAGの押下とを示す信号を受け付ける。このとき、表示制御部133は、選択された観察画像OIを所定色で反転させた表示画像を表示してもよい。その後、表示制御部133は、グループ名を入力するテキスト入力部KSbと、グループ登録を実行する登録ボタンRBとを含む表示画像を表示部122に表示する。このとき、グループ登録の対象となる観察画像OIについて、枠等により明示してもよい。そして、表示制御部133は、グループカラーコンテンツGCの選択、テキスト入力部KSbに入力されたグループ名、及び登録ボタンRBの押下を示す信号を受け付ける。
【0051】
ステップS108において、登録部135は、グループ登録を実行する。例えば、登録部135は、新規のグループの対象となる観察結果に対して、表示制御部133が受け付けたグループカラー及びグループ名に基づいて、グループ情報を記憶装置110に格納する。なお、グループ登録は、新規のグループ登録に限らない。例えば、図11に示すように、ユーザは、観察画像OIの選択後に、既存のグループ(ここでは「グループA」)を選択し、登録ボタンRBを押下してもよい。これにより、登録部135は、選択された収容部について、「グループA」に追加するグループ情報を記憶装置110に格納してもよい。
【0052】
図19は、第1実施形態に係る観察画像の表示切り替え処理の流れの例を示すフローチャートである。ステップS201において、表示制御部133は、プレートマップが表示されているかを判定する。このとき、表示制御部133は、プレートマップが表示されている場合に(ステップS201:Yes)、ステップS202における処理を実行する。一方、表示制御部133は、プレートマップが表示されていない場合に(ステップS201:No)、観察画像の表示切り替えを実行しなくてよいため、処理を終了する。
【0053】
ステップS202において、表示制御部133は、時系列の切り替え操作を受け付けたかを判定する。例えば、表示制御部133は、時系列切替コンテンツTSの矩形が選択されたかを判定する。なお、表示制御部133は、時系列切替コンテンツTSaに対して矩形の選択位置を移動させる操作が行われたかを判定してもよい。そして、表示制御部133は、時系列の切り替え操作を示す信号を受け付けた場合に(ステップS202:Yes)、ステップS203において、時系列に対応する観察画像を表示する。例えば、表示制御部133は、時系列切替コンテンツTSの矩形の位置に該当する期間に対応する観察画像を表示画像として、プレートマップPmIの表示を切り替える。一方、表示制御部133は、時系列の切り替え操作を受け付けていない場合に(ステップS202:No)、ステップS204における処理を実行する。
【0054】
ステップS204において、表示制御部133は、深さの切り替え操作を受け付けたかを判定する。例えば、表示制御部133は、深さ切替コンテンツDPの矩形が選択されたかを判定する。なお、表示制御部133は、深さ切替コンテンツDPaに対して矩形の選択位置を移動させる操作が行われたかを判定してもよい。そして、表示制御部133は、深さの切り替え操作を示す信号を受け付けた場合に(ステップS204:Yes)、ステップS205において、深さに対応する観察画像を表示する。例えば、表示制御部133は、深さ切替コンテンツDPの矩形が選択されると、該当する収容部の深さに対応する観察画像を表示画像として、プレートマップPmIの表示を切り替える。一方、表示制御部133は、深さの切り替え操作を受け付けていない場合に(ステップS204:No)、ステップS201における処理を実行する。つまり、表示制御部133は、プレートマップが表示されている間、時系列切替コンテンツTS又は深さ切替コンテンツDPに対する操作を示す信号を受け付けた場合に、該当する観察画像に切り替えて表示する処理を実行する。
【0055】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態を説明する。本実施形態において、上述した実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する場合がある。
【0056】
図20は、第2実施形態に係る情報処理装置の機能構成例を示すブロック図である。図20に示すように、情報処理装置100aは、通信部131と、取得部132と、表示制御部133aと、演算部134と、登録部135とを有する。また、情報処理装置100aには、入力部121と、表示部122とが接続される。
【0057】
取得部132は、所定の観察条件で複数の対象物を撮像して得られた観察結果を取得する。取得部132における処理は、上記実施形態と同様である。表示制御部133aは、複数の対象物がそれぞれ収容される複数の収容部を有する容器に関する表示画像に対して、ユーザによって選択された上記の分類基準に対応するグループに属する容器の収容部を色、枠や線等の強調情報によって明示する。例えば、表示制御部133aは、グループ名を有するプレートマップを含む表示画像を表示部122に表示する。そして、表示制御部133aは、かかる表示画像においてグループ名に対するユーザによる選択の操作を示す信号を受け付ける。続いて、表示制御部133aは、容器に関する表示画像に対して、ユーザによって選択されたグループに属する容器の収容部を明示し、明示した表示画像を表示部122に表示する。表示制御部133aは、ユーザによる分類基準の選択(例、分類基準が選択されたことを示す信号)に応じて、対応するグループに属する容器の収容部の明示を切り替える。例えば、表示制御部133aは、ユーザによって複数の分類基準(複数のグループともいう)から1つの第1の分類基準が選択されたことを示す信号を検出した場合、第1の分類基準に対応するグループに属する容器の収容部を明示する。次に、表示制御部133aは、続いて第1の分類基準とは異なる別の第2の分類基準がユーザによって選択されたことを示す信号を検出した場合、第2の分類基準に対応するグループに属する容器の収容部を明示するように表示を切り替える。
【0058】
図21は、第2実施形態に係るプレートマップの例を示す図である。なお、図21では、96well-plateである場合を例に挙げる。図21に示すように、表示制御部133aは、プレートマップにおいて、同一のグループに属する容器の収容部を色で明示した表示画像を表示する。なお、図21に示す収容部では、説明の便宜上、効果を施した表現としているが、実際には色分けで表現する。収容部の色は、上述したグループカラーに対応させてもよい。例えば、容器のうち外側に配置された乾燥防止用緩衝液である収容部は、表示画像に対して灰色で示す。例えば、容器のうち格子状の効果を施して表現した収容部は、表示画像に対して赤色で示す。例えば、容器のうち縦線の効果を施して表現した収容部は、表示画像に対して緑色で示す。例えば、容器のうち横線の効果を施して表現した収容部は、表示画像に対して青色で示す。また、例えば、表示制御部133aは、観察結果の解析情報として、各グループにおける対象物の数を示すグラフを表示画像に示す。表示制御部133aは、グラフについても、実線は赤色(格子状の効果を施した収容部に対応)で示し、破線は緑色(縦線の効果を施した収容部に対応)で示し、一点鎖線は青色(横線の効果を施した収容部に対応)で示す。なお、図21に示すグラフは、各グループに含まれる収容部における対象物の数を平均した値を示す。
【0059】
図22は、第2実施形態に係るプレートマップの例を示す図である。図22に示すように、表示制御部133aは、プレートマップにおいて、同一のグループに属する容器の収容部を枠で明示した表示画像を表示する。枠aは、図21に示した格子状の効果を施した(赤色で示した)グループに相当する。枠bは、図21に示した縦線の効果を施した(緑色で示した)グループに相当する。枠cは、図21に示した横線の効果を施した(青色で示した)グループに相当する。また、グラフについては、枠a、枠b、及び枠cに対応することを表現した表示とする。なお、同一グループを色で明示することと、枠で明示することとは、共存させてもよい。
【0060】
収容部に対する明示については、上記のほかにも様々な形態がある。図23から図26は、第2実施形態に係る収容部の明示例を示す図である。図23及び図24に示すように、表示制御部133aは、分類基準に基づく複数のグループに属する収容部が存在する場合、属するグループに対応する色を組み合わせて示す。例えば、図23では、縦線の効果を施した部分を緑色で示し、横線の効果を施した部分を青色で示す。例えば、図24では、格子状の効果を施した部分を赤色で示し、縦線の効果を施した部分を緑色で示し、横線の効果を施した部分を青色で示す。なお、図24では、ユーザが主体的に確認したいネガティブコントロールに相当するグループ(青色で示すグループ)について、他のグループよりも広く表現している。
【0061】
図25及び図26に示すように、表示制御部133aは、収容部の近傍に、属するグループを示すコンテンツを付加して明示した表示画像を表示する。例えば、図25及び図26では、実線を赤色(格子状の効果を施した収容部に対応)で示し、破線を緑色(縦線の効果を施した収容部に対応)で示し、一点鎖線を青色(横線の効果を施した収容部に対応)で示す。すなわち、図25及び図26に示す収容部は、3つのグループに属することを表している。同一グループの収容部に対する明示やグラフは、上述したように、他の分類基準が選択された場合に切り替えて表示される。
【0062】
図27は、第2実施形態に係る情報処理装置における処理の流れの例を示すフローチャートである。なお、図27では、プレートマップが表示された状況における処理の流れを説明する。ステップS301において、取得部132は、各グループの観察結果に関する情報を記憶装置110から取得する。ステップS302において、表示制御部133aは、取得部132が取得した各グループの観察結果に関する情報を含む表示画像を表示部122に表示する。ここで、ユーザは、入力部121を操作して、任意のグループを選択する。ユーザは、複数のグループを選択してもよいし、1つのグループだけを選択してもよい。
【0063】
ステップS303において、取得部132は、ユーザによって選択されたグループに属する観察画像を含む観察結果を記憶装置110から取得する。ステップS304において、表示制御部133aは、複数のグループが選択された場合、同一グループに属する収容部を明示する。例えば、表示制御部133aは、観察画像をもとに、同一グループに属する収容部を明示した表示画像を生成し、生成した表示画像を表示部122に表示する。ステップS305において、表示制御部133aは、1つのグループが選択された場合、該グループに関する観察結果の解析結果を表示する。例えば、表示制御部133aは、演算部134の演算結果に基づいて、プレートマップにおいて、観察結果をグラフ化した情報を含む表示画像を表示部122に表示する。
【0064】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態を説明する。本実施形態において、上述した実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する場合がある。
【0065】
図28は、第3実施形態に係る情報処理装置の機能構成例を示すブロック図である。図28に示すように、情報処理装置100bは、通信部131と、取得部132と、表示制御部133bと、演算部134と、登録部135とを有する。また、情報処理装置100bには、入力部121と、表示部122とが接続される。
【0066】
表示制御部133bは、表示画像に対して、ユーザによって指定された観察条件又は観察結果に該当する容器の収容部を明示する。例えば、表示制御部133bは、同一グループに属する収容部を明示した後、ユーザによる観察条件又は観察結果の指定を受け付ける。すなわち、ユーザは、複数グループの観察結果を確認した後、さらに、観察条件や観察結果の任意の情報に該当する収容部を確認するために、観察条件又は観察結果を指定する。例えば、同一グループであっても、同一の薬剤が使用されているとは限らないし、同一の薬剤が使用されていても、同一グループに登録されているとは限らない。このため、本実施形態では、グループ(分類基準)に関わらずに、任意の条件に該当する収容部を確認する(絞り込む)ための処理を実行する。そして、表示制御部133bは、指定された観察条件又は観察結果に該当する収容部を明示した表示画像を表示部122に表示する。明示方法としては、色分け、枠、及びコンテンツの付加等の少なくとも1つ以上で実現してもよい。なお、収容部の明示後は、グループ登録されていなければ、ユーザ操作に応じてグループ登録を実施してもよい。
【0067】
図29は、第3実施形態に係るプレートマップの例を示す図である。なお、図29では、血清のある種類と血清のある濃度に該当する収容部を明示する場合を例に挙げる。図29に示すように、表示制御部133bは、プレートマップにおいて、ユーザによって指定された血清の種類と血清の濃度とに該当する容器の収容部を色、枠で明示した表示画像を表示する。なお、図29に示す収容部では、説明の便宜上、効果を施した表現としているが、実際には色分けで表現する。例えば、容器のうち外側に配置された乾燥防止用緩衝液である収容部は、表示画像に対して灰色で示す。例えば、容器のうち格子状の効果を施して表現した収容部は、表示画像に対して赤色で示す。例えば、容器のうち縦線の効果を施して表現した収容部は、表示画像に対して緑色で示す。また、例えば、表示制御部133bは、観察結果の解析情報として、各観察条件又は各観察結果の対象別における対象物の数を示すグラフを表示画像に示す。表示制御部133bは、グラフについても、実線は赤色(格子状の効果を施した収容部に対応)で示し、破線は緑色(縦線の効果を施した収容部に対応)で示す。
【0068】
図30は、第3実施形態に係る情報処理装置における処理の流れの例を示すフローチャートである。なお、図30では、プレートマップが表示された状況における処理の流れを説明する。ステップS401において、取得部132は、各グループの観察結果に関する情報を記憶装置110から取得する。ステップS402において、表示制御部133bは、取得部132が取得した各グループの観察結果に関する情報を含む表示画像を表示部122に表示する。ここで、ユーザは、入力部121を操作して、任意のグループを選択する。ユーザは、複数のグループを選択してもよいし、1つのグループだけを選択してもよい。
【0069】
ステップS403において、取得部132は、ユーザによって選択されたグループに属する観察画像を含む観察結果を記憶装置110から取得する。ここで、ユーザは、入力部121を操作し、確認する観察条件又は観察結果を指定する。ステップS404において、表示制御部133bは、ユーザによって指定された観察条件又は観察結果に該当する収容部を明示した表示画像を表示する。ステップS405において、表示制御部133bは、解析結果を表示する。例えば、表示制御部133bは、ユーザによる観察条件又は観察結果の指定を示す信号を受け付けると、各観察条件又は各観察結果に該当する収容部を色分け、枠、コンテンツの付加等により示した表示画像を表示部122に表示する。また、表示制御部133bは、該当する収容部に関する解析結果についてもあわせて表示部122に表示する。
【0070】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態を説明する。本実施形態において、上述した実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する場合がある。
【0071】
図31は、第4実施形態に係る情報処理装置の機能構成例を示すブロック図である。図31に示すように、情報処理装置100cは、通信部131と、取得部132と、表示制御部133cと、演算部134と、登録部135とを有する。また、情報処理装置100cには、入力部121と、表示部122とが接続される。
【0072】
表示制御部133cは、表示画像に対して、ユーザによって指定された閾値条件に応じて容器の収容部を明示する。例えば、表示制御部133cは、同一グループに属する収容部を明示した後、ユーザによる閾値条件の指定を示す信号を受け付ける。すなわち、ユーザは、複数グループの観察結果を確認した後、さらに、閾値条件に応じた収容部を確認するために、閾値条件を指定する。本実施形態では、グループ(分類基準)に関わらずに、任意の閾値条件に該当する収容部を確認するための処理を実行する。そして、表示制御部133cは、指定された閾値条件に応じて収容部を明示した表示画像を表示部122に表示する。明示方法としては、色分け、及びコンテンツの付加等の少なくとも1つ以上で実現してもよい。なお、収容部の明示後は、グループ登録されていなければ、ユーザ操作に応じてグループ登録を実施してもよい。
【0073】
また、表示制御部133cは、表示画像に対して、閾値条件を調整するコンテンツを付加してもよい。ユーザは、閾値条件の指定後に表示画像を確認しながら、さらに、閾値条件を変更することができる。表示制御部133cは、変更された閾値条件に応じた収容部を明示した表示画像を表示部122に表示する。
【0074】
図32は、第4実施形態に係るプレートマップの例を示す図である。なお、図32では、測定アプリA及び測定アプリBを適用する場合を例に挙げる。図32に示すように、表示制御部133cは、プレートマップにおいて、指定された閾値条件に応じて収容部を色、コンテンツの付加で明示した表示画像を表示する。なお、図32に示す収容部では、説明の便宜上、効果を施した表現としているが、実際には色分けで表現する。例えば、容器のうち外側に配置された乾燥防止用緩衝液である収容部は、表示画像に対して灰色で示す。例えば、容器のうち格子状の効果を施して表現した収容部は、表示画像に対して赤色で示す。例えば、容器のうち縦線の効果を施して表現した収容部は、表示画像に対して緑色で示す。また、観察結果の解析情報として、測定アプリA及び測定アプリBのそれぞれに対応する収容部の対象物の数を示すグラフを表示画像に示す。表示制御部133cは、グラフについても、実線は赤色(格子状の効果を施した収容部に対応)で示し、破線は緑色(縦線の効果を施した収容部に対応)で示す。
【0075】
図33は、第4実施形態に係るプレートマップの例を示す図である。図33に示すように、表示制御部133cは、閾値条件を調整するコンテンツを付加した表示画像を表示する。ユーザは、閾値条件を変更する。これにより、表示制御部133cは、変更された閾値条件に応じた収容部(例、閾値条件に合ったグループの複数の収容部)を明示した表示画像を表示する。
【0076】
図34は、第4実施形態に係る情報処理装置における処理の流れの例を示すフローチャートである。なお、図34では、プレートマップが表示された状況における処理の流れを説明する。ステップS501において、取得部132は、各グループの観察結果に関する情報を記憶装置110から取得する。ステップS502において、表示制御部133cは、取得部132が取得した各グループの観察結果に関する情報を含む表示画像を表示部122に表示する。ここで、ユーザは、入力部121を操作して、任意のグループを選択する。ユーザは、複数のグループを選択してもよいし、1つのグループだけを選択してもよい。
【0077】
ステップS503において、取得部132は、ユーザによって選択されたグループに属する観察画像を含む観察結果を記憶装置110から取得する。ここで、ユーザは、入力部121を操作し、確認する閾値条件を指定する。ステップS504において、表示制御部133cは、ユーザによって指定された閾値条件に応じて収容部を明示する。表示制御部133cは、解析結果を表示する。例えば、表示制御部133cは、ユーザによって指定された閾値条件に応じて収容部を明示し、また、明示した収容部の観察結果の解析結果を示す表示画像を表示する。
【0078】
ステップS506において、表示制御部133cは、閾値条件が変更されたかを判定する。例えば、表示制御部133cは、表示画像に付加された閾値条件を変更するコンテンツの操作を示す信号を受け付けた場合に(ステップS506:Yes)、ステップS504における処理を実行する。一方、表示制御部133cは、表示画像に付加された閾値条件を変更するコンテンツの操作を受け付けていない場合に(ステップS506:No)、ステップS507において、プレートマップが表示されているかを判定する。表示制御部133cは、プレートマップが表示されている場合に(ステップS507:Yes)、ステップS506における処理を実行する。一方、表示制御部133cは、プレートマップが表示されていない場合に(ステップS507:No)、処理を終了する。
【0079】
[第5実施形態]
次に、第5実施形態を説明する。本実施形態において、上述した実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する場合がある。
【0080】
図35は、第5実施形態に係る情報処理装置の機能構成例を示すブロック図である。図35に示すように、情報処理装置100dは、通信部131と、取得部132と、表示制御部133dと、演算部134と、登録部135とを有する。また、情報処理装置100dには、入力部121と、表示部122とが接続される。
【0081】
表示制御部133dは、表示画像に対して、ユーザによって指定された関数の組み合わせに該当する容器の収容部を明示する。例えば、表示制御部133dは、同一グループに属する収容部を線や枠等の形、又は色等で明示した後、ユーザによる関数の指定を受け付ける。すなわち、ユーザは、複数グループの観察結果を確認した後、さらに、関数の組み合わせに応じた収容部を確認するために、関数を指定する。本実施形態では、グループ(分類基準)に関わらずに、任意の関数の組み合わせに該当する収容部を確認するための処理を実行する。そして、表示制御部133dは、指定された関数の組み合わせに応じて収容部を明示した表示画像を表示部122に表示する。明示方法としては、色分け、及びコンテンツの付加等の少なくとも1つ以上で実現してもよい。なお、収容部の明示後は、グループ登録されていなければ、ユーザ操作に応じてグループ登録を実施してもよい。
【0082】
図36は、第5実施形態に係るプレートマップの例を示す図である。なお、図36では、測定アプリA及び測定アプリBを適用する場合を例に挙げる。図36に示すように、表示制御部133dは、プレートマップにおいて、指定された関数の組み合わせに応じて収容部を色、コンテンツの付加で明示した表示画像を表示する。なお、図36に示す収容部では、説明の便宜上、効果を施した表現としているが、実際には色分けで表現する。例えば、容器のうち外側に配置された乾燥防止用緩衝液である収容部は、表示画像に対して灰色で示す。例えば、容器のうち格子状の効果を施して表現した収容部は、表示画像に対して青色で示す。また、観察結果の解析情報として、測定アプリAと測定アプリBとを組み合わせた収容部の対象物の数を示すグラフを表示画像に示す。表示制御部133dは、グラフについても、青色(格子状の効果を施した収容部に対応)で示す。
【0083】
図37は、第5実施形態に係る情報処理装置における処理の流れの例を示すフローチャートである。なお、図37では、プレートマップが表示された状況における処理の流れを説明する。ステップS601において、取得部132は、各グループの観察結果に関する情報を記憶装置110から取得する。ステップS602において、表示制御部133dは、取得部132が取得した各グループの観察結果に関する情報を含む表示画像を表示部122に表示する。ここで、ユーザは、入力部121を操作して、任意のグループを選択する。ユーザは、複数のグループを選択してもよいし、1つのグループだけを選択してもよい。
【0084】
ステップS603において、取得部132は、ユーザによって選択されたグループに属する観察画像を含む観察結果を記憶装置110から取得する。ここで、ユーザは、入力部121を操作し、確認する関数の組み合わせを指定する。ステップS604において、表示制御部133dは、ユーザによって指定された関数の組み合わせに応じて収容部を明示する。ステップS605において、表示制御部133dは、解析結果を表示する。例えば、表示制御部133dは、ユーザによって指定された関数の組み合わせに応じて収容部を明示し、また、明示した収容部の観察結果の解析結果を示す表示画像を表示する。
【0085】
[第6実施形態]
次に、第6実施形態を説明する。本実施形態において、上述した実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する場合がある。
【0086】
図38は、第6実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。図38に示すように、情報処理システムSYSは、第1端末30と、第2端末40と、端末装置80と、情報処理装置100と、培養システムBSとを有する。第1端末30、第2端末40、端末装置80、及び情報処理装置100は、ネットワークNを介して、相互に通信可能に接続される。ネットワークNは、例えば、インターネット、移動体通信網、及びローカルネットワークのいずれであってもよく、これらの複数種類のネットワークが組み合わされたネットワークであってもよい。
【0087】
端末装置80は、複数のゲートウェイ装置80aで構成される。ゲートウェイ装置80aは、培養システムBSと有線又は無線により接続される。なお、情報処理システムSYSでは、複数の培養システムBSが端末装置80を介して情報処理装置100に接続される構成としているが、これに限られず、単数の培養システムBSが端末装置80を介して情報処理装置100に接続される構成でもよい。また、情報処理装置100は、情報処理システムSYSにおいて、複数設けられていてもよいし、単数であってもよい。また、各情報処理装置100には、上記実施形態で説明した各種の機能が、全て含まれてもよいし、分散的に含まれてもよい。つまり、本実施形態に係る情報処理装置100は、クラウドコンピューティングにより実現することができる。
【0088】
情報処理システムSYSでは、ユーザ側の端末(第1端末30、第2端末40等)から、情報処理装置100に接続し、ブラウザを用いて観察結果を閲覧や操作することができる。情報処理装置100は、サーバとして、取得部において、複数の収容部を有する容器に収容された複数の対象物を所定の観察条件において撮像して得られた観察結果を取得する。そして、情報処理装置100は、登録部において、観察条件又は観察結果から得られる分類基準と、観察結果とに基づいて、2以上の収容部を同一のグループとして登録する。また、情報処理装置100は、サーバとして、取得部において、所定の観察条件で複数の対象物を撮像して得られた観察結果を取得する。そして、情報処理装置100は、画像生成部として、複数の対象物がそれぞれ収容される複数の収容部を有する容器に関する表示画像に対して、ユーザ端末(第1端末30、第2端末40等)のユーザによって選択された分類基準に対応するグループに属する容器の収容部を明示する。続いて、情報処理装置100は、出力部において、ネットワークNを介して、画像生成部が生成した表示画像をユーザ端末に出力する。
【0089】
上述してきた実施形態において、情報処理装置100は、例えば、コンピュータシステムを含む。情報処理装置100は、メモリに記憶された情報処理プログラムを読み出し、読み出した情報処理プログラムに従って各種の処理を実行する。かかる情報処理プログラムは、例えば、コンピュータに、複数の収容部を有する容器に収容された複数の対象物を所定の観察条件において撮像して得られた観察結果を取得することと、観察条件又は観察結果から得られる分類基準と、観察結果とに基づいて、2以上の収容部を同一のグループとして登録することと、を実行させる。また、情報処理プログラムは、例えば、コンピュータに、所定の観察条件で複数の対象物を撮像して得られた観察結果を取得することと、複数の対象物がそれぞれ収容される複数の収容部を有する容器に関する表示画像に対して、ユーザによって選択された分類基準に対応するグループに属する容器の収容部を明示することと、を実行させる。これらの情報処理プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体(例えば、非一時的な記憶媒体、non‐transitory tangible media)に記録されて提供されてもよい。また、上述した各実施形態において、情報処理装置100の演算部134は、解析結果を視覚的に表現した情報をグラフとして表示する場合に、該グラフに表示する1つのデータ(例、グラフの横軸のデータ等)を複数の観察画像から演算して(例、積算、平均)算出してもよい。
【0090】
なお、技術範囲は、上述した実施形態等で説明した態様に限定されるものではない。上述した実施形態等で説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。また、上述した実施形態等で説明した要件は、適宜、組み合わせることができる。また、法令で許容される限りにおいて、上述した実施形態等で引用した全ての文献の開示を援用して本文の記載の一部とする。
【符号の説明】
【0091】
100・・・情報処理装置、110・・・記憶装置、121・・・入力部、122・・・表示部、131・・・通信部、132・・・取得部、133・・・表示制御部、134・・・演算部、135・・・登録部
図1
図2
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