(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】(メタ)アクリレート樹脂の製造方法
(51)【国際特許分類】
C08G 59/17 20060101AFI20231108BHJP
C08F 299/00 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
C08G59/17
C08F299/00
(21)【出願番号】P 2023514766
(86)(22)【出願日】2022-09-15
(86)【国際出願番号】 JP2022034508
【審査請求日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】P 2022100967
(32)【優先日】2022-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002886
【氏名又は名称】DIC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149445
【氏名又は名称】大野 孝幸
(72)【発明者】
【氏名】山田 駿介
(72)【発明者】
【氏名】迫 雅樹
(72)【発明者】
【氏名】亀山 裕史
【審査官】牟田 博一
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-293876(JP,A)
【文献】特開2010-150397(JP,A)
【文献】特開2007-326933(JP,A)
【文献】国際公開第2019/188897(WO,A1)
【文献】国際公開第2021/235299(WO,A1)
【文献】国際公開第2022/137591(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G59/
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エポキシ樹脂(A1)と、
不飽和一塩基酸(A2)とを必須原料とする(メタ)アクリレート樹脂の製造方法であって、
前記エポキシ樹脂(A1)がノボラック型エポキシ樹脂及び/又はナフタレン型エポキシ樹脂であり、
前記エポキシ樹脂(A1)中に含まれる全塩素濃度が
1800ppm以下であり、
前記エポキシ樹脂(A1)中に含まれるα-グリコール量が
0.01~0.20meq/g
の範囲であり、
前記エポキシ樹脂(A1)の軟化点が70℃以上であり、
前記エポキシ樹脂(A1)のエポキシ当量が218g/当量未満であり、
前記エポキシ樹脂(A1)が、フェノール樹脂が含有するフェノール性水酸基とエピハロヒドリンとの反応によるグリシジルエーテル基を有する反応物であり、
前記フェノール樹脂の軟化点が70~140℃であり、
前記不飽和一塩基酸(A2)がアクリル酸及び/又はメタクリル酸であり、
前記エポキシ樹脂(A1)と前記不飽和一塩基酸(A2)との反応を、塩基性触媒の存在下、酸素を含有する気体(b1)及び不活性ガス(b2)の雰囲気下で撹拌しながら行うものであり、
前記気体(b1)を反応系内の液面より下部から導入するものであり、前記不活性ガス(b2)を液面より上部から導入するものであり、
反応系内の酸素濃度を4~10質量%の範囲とし、
単位体積当たりの撹拌動力を1~7kW/m
3の範囲とする
ものであり、
前記(メタ)アクリレート樹脂が銅基材コーティング用であることを特徴とする(メタ)アクリレート樹脂の製造方法。
【請求項2】
前記エポキシ樹脂(A1)と、前記不飽和一塩基酸(A2)とを反応した後、さらに多塩基酸無水物(A3)を反応する請求項1記載の(メタ)アクリレート樹脂の製造方法。
【請求項3】
前記多塩基酸無水物(A3)の使用量が、前記エポキシ樹脂(A1)が有するエポキシ基1モルに対して、0.25~1モルの範囲である請求項2記載の(メタ)アクリレート樹脂の製造方法。
【請求項4】
前記多塩基酸無水物(A3)の使用量が、前記エポキシ樹脂(A1)1モルに対して、0.25~1モルの範囲である請求項2又は請求項3記載の(メタ)アクリレート樹脂の製造方法。
【請求項5】
請求項1又は請求項2記載の(メタ)アクリレート樹脂の製造方法で得た(メタ)アクリレート樹脂と、光重合開始剤とを混合して得る硬化性樹脂組成物の製造方法。
【請求項6】
請求項5記載の硬化性樹脂組成物の製造方法で得た硬化性樹脂組成物を硬化して得る硬化物の製造方法。
【請求項7】
請求項6記載の硬化物を用いることを特徴とする絶縁材料の製造方法。
【請求項8】
請求項6記載の硬化物を用いることを特徴とするレジスト部材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れたアルカリ現像性及び高い光感度を有し、硬化物における優れた弾性、耐熱性及び基材密着性を有する(メタ)アクリレート樹脂の製造方法、これを含有する硬化性樹脂組成物の製造方法、前記硬化性樹脂組成物からなる硬化物の製造方法、絶縁材料及びレジスト部材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プリント配線基板用のソルダーレジスト用樹脂材料には、エポキシ樹脂をアクリル酸でアクリレート化した後、酸無水物を反応させて得られる酸基含有エポキシアクリレート樹脂が広く用いられている。ソルダーレジスト用樹脂材料に対する要求性能は、少ない露光量で硬化すること、アルカリ現像性に優れること、硬化物における耐熱性や強度、柔軟性、伸び、誘電特性、基材密着性、及び絶縁信頼性等に優れることなど様々なものが挙げられる。
【0003】
従来知られているソルダーレジスト用樹脂材料としては、ノボラック型エポキシ樹脂と不飽和モノカルボン酸との反応物と、飽和または不飽和多塩基酸無水物とを反応させて得られる活性エネルギー線硬化性樹脂が知られているが(例えば、下記特許文献1参照。)、硬化物における耐熱性には優れるものの、基材密着性においては今後ますます高まる要求特性を満足するものではなく、昨今の市場要求に対し十分なものではなかった。
【0004】
そこで、優れたアルカリ現像性及び高い光感度を有し、硬化物における耐熱性、基材密着性及び絶縁信頼性を兼備する一層優れた特性を有する材料が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、優れたアルカリ現像性及び高い光感度を有し、硬化物における優れた耐熱性、基材密着性及び絶縁信頼性を兼備する(メタ)アクリレート樹脂の製造方法、これを含有する硬化性樹脂組成物の製造方法、前記硬化性樹脂組成物からなる硬化物の製造方法、絶縁材料及びレジスト部材の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の物性値を有するエポキシ樹脂を原料として用い、当該エポキシ樹脂と、不飽和一塩基酸とを含む原料を、塩基性触媒の存在下、特定の気体の雰囲気下、反応系内の酸素濃度が特定の範囲となるよう、また、単位体積当たりの撹拌動力が特定の範囲となるように撹拌しながら反応させることによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明は、エポキシ樹脂(A1)と、不飽和一塩基酸(A2)とを必須原料とする(メタ)アクリレート樹脂の製造方法であって、前記エポキシ樹脂(A1)中に含まれる全塩素濃度が2400ppm以下であり、前記エポキシ樹脂(A1)中に含まれるα―グリコール量が0.20meq/g以下であり、前記エポキシ樹脂(A1)と前記不飽和一塩基酸(A2)との反応を、塩基性触媒の存在下、酸素を含有する気体(b1)及び不活性ガス(b2)の雰囲気下で撹拌しながら行うものであり、反応系内の酸素濃度を2~12質量%の範囲とし、単位体積当たりの撹拌動力を0.2~8kW/m3の範囲とすることを特徴とする(メタ)アクリレート樹脂の製造方法、これを含有する硬化性樹脂組成物の製造方法、前記硬化性樹脂組成物からなる硬化物の製造方法、絶縁材料の製造方法、及びレジスト部材の製造方法に関するものである。
【0009】
より具体的には、本発明の態様1は、エポキシ樹脂(A1)と、不飽和一塩基酸(A2)とを必須原料とする(メタ)アクリレート樹脂の製造方法であって、前記エポキシ樹脂(A1)中に含まれる全塩素濃度が2400ppm以下であり、前記エポキシ樹脂(A1)中に含まれるα―グリコール量が0.20meq/g以下であり、前記エポキシ樹脂(A1)と前記不飽和一塩基酸(A2)との反応を、塩基性触媒の存在下、酸素を含有する気体(b1)及び不活性ガス(b2)の雰囲気下で撹拌しながら行うものであり、反応系内の酸素濃度を2~12質量%の範囲とし、単位体積当たりの撹拌動力を0.2~8kW/m3の範囲とすることを特徴とする(メタ)アクリレート樹脂の製造方法に関する。
【0010】
本発明の態様2は、前記気体(b1)を反応系内の液面より下部から導入するものであり、前記不活性ガス(b2)を液面より上部から導入するものである態様1に記載の(メタ)アクリレート樹脂の製造方法に関する。
【0011】
本発明の態様3は、前記エポキシ樹脂(A1)の軟化点が70℃以上である、態様1又は態様2に記載の(メタ)アクリレート樹脂の製造方法に関する。
【0012】
本発明の態様4は、前記エポキシ樹脂(A1)と、前記不飽和一塩基酸(A2)とを反応した後、さらに多塩基酸無水物(A3)を反応する態様1~態様3のいずれかに記載の(メタ)アクリレート樹脂の製造方法に関する。
【0013】
本発明の態様5は、前記多塩基酸無水物(A3)の使用量が、前記エポキシ樹脂(A1)が有するエポキシ基1モルに対して、0.25~1モルの範囲である態様4に記載の(メタ)アクリレート樹脂の製造方法に関する。
【0014】
本発明の態様6は、態様1~態様5のいずれかに記載の(メタ)アクリレート樹脂の製造方法で得た(メタ)アクリレート樹脂と、光重合開始剤とを混合して得る硬化性樹脂組成物の製造方法に関する。
【0015】
本発明の態様7は、態様6に記載の硬化性樹脂組成物の製造方法で得た硬化性樹脂組成物を硬化して得る硬化物の製造方法に関する。
【0016】
本発明の態様8は、態様7に記載の硬化物の製造方法で得られた硬化物を用いることを特徴とする絶縁材料の製造方法に関する。
【0017】
本発明の態様9は、態様7に記載の硬化物の製造方法で得られた硬化物を用いることを特徴とするレジスト部材の製造方法に関する。
【発明の効果】
【0018】
本発明の製造方法によって得られた(メタ)アクリレート樹脂は、優れたアルカリ現像性及び高い光感度を有し、硬化物における優れた基材密着性及び絶縁信頼性を兼備することから、絶縁材料及びレジスト部材に好適に用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の(メタ)アクリレート樹脂の製造方法は、特定の物性値を有するエポキシ樹脂(A1)を原料として用い、当該エポキシ樹脂(A1)と不飽和一塩基酸(A2)とを含む原料を、塩基性触媒の存在下、酸素を含有する気体(b1)及び不活性ガス(b2)の雰囲気下で、撹拌しながら反応させることを特徴とする。
【0020】
なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及び/またはメタクリレートを意味する。また、「(メタ)アクリロイル」とは、アクリロイル及び/またはメタクリロイルを意味する。さらに、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及び/またはメタクリルを意味する。
【0021】
<エポキシ樹脂(A1)>
本発明の(メタ)アクリレート樹脂の製造方法は、必須原料として特定の物性値を有するエポキシ樹脂(A1)を用いることを特徴とする。
具体的には、本発明においては下記の通常用いられるエポキシ樹脂を使用することができるが、本発明に使用するエポキシ樹脂は、エポキシ樹脂中に不純物として含まれる全塩素濃度が2400ppm以下であり、2200ppm以下であることが好ましく、2000ppm以下であることがより好ましく、1800ppm以下であることがさらに好ましい。このように全塩素濃度が低減されたエポキシ樹脂を原料として使用することにより、本発明において得られる(メタ)アクリレート樹脂を使用した硬化性樹脂組成物の基材密着性及び絶縁信頼性を高めることができる。エポキシ樹脂中に含まれる塩素分としては、例えば無機塩素や加水分解性塩素などが挙げられ、これらの塩素分の全量を全塩素量と称する。エポキシ樹脂中の全塩素量は例えばJIS K7246の規則に基づき算出することができる。なお、エポキシ樹脂から塩素分を除去、低減する方法としてはエポキシ樹脂を精製水に投入し塩素イオンとして水溶液に溶解させて除去する方法等が挙げられる。
【0022】
また、前述のとおり、本発明においては通常用いられるエポキシ樹脂を原料として使用することができるが、本発明に使用するエポキシ樹脂は、エポキシ樹脂中に含まれるα-グリコール量が0.20meq/g以下であり、0.01meq/g以上0.20meq/g以下が好ましく、0.02meq/g以上0.15meq/g以下がより好ましい。α-グリコール量が0.20meq/gを超えるエポキシ樹脂を使用する場合、本発明において得られる(メタ)アクリレート樹脂を使用した硬化性樹脂組成物の基材密着性を著しく低下させるものである。一方、α-グリコール量が0.01meq/g未満のエポキシ樹脂を使用する場合、本発明において得られる(メタ)アクリレート樹脂を使用した硬化性樹脂組成物の硬化性が低下し硬化物の耐熱性が低下する。通常、α-グリコールが有する水酸基は基材への密着性を高める官能基として導入されるが、エポキシ樹脂中にα-グリコールを多く含有する場合、意外にも基材密着性が低下する結果となった。一方、エポキシ樹脂中のα-グリコール量を前記一定の範囲に制御することにより、当該エポキシ樹脂を原料として用いた(メタ)アクリレート樹脂を使用した硬化性樹脂組成物は硬化性、耐熱性及び基材密着性を兼備することが確認された。なお、エポキシ樹脂中のα-グリコール量は例えばJIS K7146の規則に基づき算出することができる。具体的にはJIS K 7146の規則に基づき市販のオートタイトレータを用いる方法に改良された、齋藤らによるアナリティカルレポート「エポキシ樹脂に含有されるα-グリコールの電位差滴定法による定量とその信頼性」BUNSEKI KAGAKU vol.57、No.6、pp.499-503(2008)に記載されている方法に準拠して測定し、α-グリコールが過ヨウ素酸と定量的に反応、開裂しカルボニル化合物に酸化されることを利用し、余剰の過ヨウ素酸にヨウ化カリウムを加え発生したヨウ素をチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定することで算出することができるものである。また、エポキシ樹脂からα-グリコール量を除去、低減する方法としてはエポキシ樹脂を合成する際に反応系内の水分量を低減コントロールしながら反応を行うことにより、生成したエポキシ基の加水分解を防止することによりα-グリコール量を前記範囲に調整することができる。
【0023】
本発明においては、通常用いられるエポキシ樹脂を原料として使用することができるが、上述のとおりエポキシ樹脂中の全塩素量を前記範囲に調整し、かつ、エポキシ樹脂中のα-グリコール量を前記範囲に調整したものを原料として使用することにより、当該エポキシ樹脂を原料として用いた(メタ)アクリレート樹脂を使用した硬化性樹脂組成物は硬化性、耐熱性、基材密着性及び絶縁信頼性を兼備するものとすることができる。
【0024】
本発明においては、通常用いられるエポキシ樹脂を原料として使用することができるが、上述のエポキシ樹脂中の全塩素量を前記範囲に調整し、かつ、エポキシ樹脂中のα-グリコール量を前記範囲に調整することに加え、用いるエポキシ樹脂の軟化点が70℃以上のものを使用することが優れた光感度を有する(メタ)アクリレート樹脂を得られ、更に当該(メタ)アクリレート樹脂を使用した硬化性樹脂組成物は硬化性、耐熱性、基材密着性及び絶縁信頼性を兼備できることから好ましい。さらに、用いるエポキシ樹脂の軟化点が72℃以上のものを使用することがより好ましい。
【0025】
前記通常用いられるエポキシ樹脂(A1)としては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、水添ビフェノール型エポキシ樹脂、フェニレンエーテル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール-フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール-クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン-フェノール付加反応型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、キサンテン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂、トリヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂(A1)は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。また、これらの中でも、優れたアルカリ現像性及び高い光感度を有し、優れた弾性、耐熱性及び基材密着性を有する硬化物を形成可能な(メタ)アクリレート樹脂が得られることから、ノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂が好ましい。
【0026】
前記ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAP型エポキシ樹脂、ビスフェノールB型エポキシ樹脂、ビスフェノールBP型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0027】
前記水添ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールB型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールE型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールS型エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0028】
前記ビフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、4,4’-ビフェノール型エポキシ樹脂、2,2’-ビフェノール型エポキシ樹脂、テトラメチル-4,4’-ビフェノール型エポキシ樹脂、テトラメチル-2,2’-ビフェノール型エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0029】
前記水添ビフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、水添4,4’-ビフェノール型エポキシ樹脂、水添2,2’-ビフェノール型エポキシ樹脂、水添テトラメチル-4,4’-ビフェノール型エポキシ樹脂、水添テトラメチル-2,2’-ビフェノール型エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0030】
本発明において用いられるエポキシ樹脂(A1)は、フェノール樹脂を用い、該フェノール樹脂が含有するフェノール性水酸基とエピハロヒドリンとの反応によるグリシジルエーテル基を有する反応物として合成することができる。すなわち、エポキシ樹脂(A1)は、前記フェノール樹脂のフェノール性水酸基と、エピハロヒドリンとを反応させる(エポキシ化反応)ことにより、グリシジルエーテル基が導入されたエポキシ樹脂である。前記エポキシ化反応工程は40℃~150℃の温度範囲で反応させることが好ましい。また本発明において用いられるエポキシ樹脂のエポキシ当量は、当該エポキシ樹脂を原料として用いた(メタ)アクリレート樹脂を使用した硬化性樹脂組成物の基材密着性を向上させる観点から240g/当量未満が好ましく、220g/当量未満がより好ましく、218g/当量未満が特に好ましい。前記エピハロヒドリンとしては、例えば、エピクロロヒドリンやエピブロモヒドリン、β-メチルエピクロルヒドリン等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても混合して用いてもよい。なかでも工業的入手が容易なことからエピクロロヒドリンが好ましい。
【0031】
<フェノール樹脂>
本発明において用いられるエポキシ樹脂(A1)に用いられるフェノール樹脂としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール付加型樹脂、フェノールアラルキル樹脂、α-ナフトールアラルキル樹脂、β-ナフトールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂、トリメチロールメタン樹脂、テトラフェニロールエタン樹脂、ナフトールノボラック樹脂、ナフトール-フェノール共縮ノボラック樹脂、ナフトール-クレゾール共縮ノボラック樹脂、アミノトリアジン変性フェノール樹脂等が挙げられる。また、前記アミノトリアジン変性フェノール樹脂は、具体的には、メラミンやベンゾグアナミン等のアミノ基含有トリアジン化合物と、フェノール、クレゾール等のフェノール類と、ホルムアルデヒドとの共重合体が挙げられる。
【0032】
また、前記フェノール樹脂は、フェノール性水酸基含有化合物とケトン基含有化合物との反応により得られる。
【0033】
[フェノール性水酸基含有化合物]
前記フェノール樹脂は、フェノール性水酸基を有する化合物とケトン基含有化合物との反応により得られる。フェノール性水酸基を有する化合物としては、具体的には、フェノール、オルソクレゾール、メタクレゾール、パラクレゾール、2,6-ジメチルフェノール、2,5-ジメチルフェノール、2,4-ジメチルフェノール、3,5-ジメチルフェノール、4-イソプロピルフェノール、4-tert-ブチルフェノール、2-メトキシフェノール、3-メトキシフェノール、4-メトキシフェノール、2‐メトキシ-4-メチルフェノール、2-tert-ブチル-4-メトキシフェノール、2,6-ジメトキシフェノール、3,5-ジメトキシフェノール、2-エトキシフェノール、3-エトキシフェノール、4-エトキシフェノール、2-フェニルフェノール、3-フェニルフェノール、4-フェニルフェノール、4-ベンジルフェノール、1,2-ジヒドロキシベンゼン、1,3-ジヒドロキシベンゼン、1,4-ジヒドロキシベンゼン、3-メチルカテコール、4-メチルカテコール、4-アリルピロカテコール、1,2,3-トリヒドロキシベンゼン、1,2,4-トリヒドロキシベンゼン、1-ナフトール、2-ナフトール、1,3-ナフタレンジオール、1,5-ナフタレンジオール、2,6-ナフタレンジオール、2,7-ナフタレンジオール、水添ビスフェノール、水添ビフェノール、ポリフェニレンエーテル型ジオール、ポリナフチレンエーテル型ジオール等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。
【0034】
中でも、最終的に得られる(メタ)アクリレート樹脂において、硬化物における耐熱性が高く、現像性にも優れることから、フェノール性水酸基含有化合物としてフェノール、又はフェノールの芳香核上の水素原子がアルキル基やアルコキシ基、ハロゲン原子等で置換された誘導体を用いることが好ましい。
【0035】
[ケトン基含有化合物]
前記フェノール樹脂は、前述のとおり、フェノール性水酸基含有化合物とケトン基含有化合物との反応により得られる。前記フェノール性水酸基含有化合物と前記ケトン基含有化合物(例えば、R-C(=O)-R’で表される。なお、Rは炭化水素基であり、R’は炭化水素基又は水素原子である。)との反応に基づく骨格(例えば、-C(-R)(-R’)-)を導入することにより、分子間相互作用が適度に弱まることととなり、低溶融粘度でハンドリング性に優れたフェノール樹脂となり好ましい。また、得られる硬化物が、耐熱性等に優れることになり有用である。前記ケトン基含有化合物としては、芳香族ケトン、脂肪族ケトンやホルミル基含有芳香族化合物を用いることが好ましく、これらの化合物は、単独で用いてもよく、複数の化合物を併用してもよい。
【0036】
前記芳香族ケトンとしては、例えば、ベンゾフェノン、フルオレノン、インダノンなどが挙げられる。前記芳香族ケトンは、単独で用いてもよく、複数の化合物を併用してもよい。
【0037】
前記脂肪族ケトンとしては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン(2-ヘプタノン)、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソホロン、シクロヘプタノン、シクロオクタノンなどが挙げられる。中でも、前記フェノール樹脂の合成時やエポキシ樹脂の合成時おける反応性の観点や、入手容易性の観点から、アセトンやメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどが好ましい。
前記脂肪族ケトンは、単独で用いてもよく、複数の化合物を併用してもよい。
【0038】
前記ホルミル基含有化合物としては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、グリオキザール、スクシンアルデヒド、ベンズアルデヒド、4-メチルベンズアルデヒド、3、4-ジメチルベンズアルデヒド、4-ビフェニルアルデヒド、ナフチルアルデヒド、4-メトキシベンズアルデヒドが挙げられる。中でも、エポキシ樹脂合成時の反応性や、ハンドリング性の観点から、ホルムアルデヒドがより好ましい。
【0039】
ケトン基含有化合物としては、ホルミル基含有化合物を用いることが好ましく、中でも前述のとおり、ホルムアルデヒドを用いることが好ましい。なお、前記ホルムアルデヒドはホルマリンやパラホルムアルデヒドの状態で用いても良い。
【0040】
本発明に使用するフェノール樹脂は、前述のとおり、フェノール性水酸基含有化合物とケトン基含有化合物との反応により得られる。両者の反応割合は、フェノール性水酸基含有化合物1モルに対し、ケトン基含有化合物、より具体的にはホルムアルデヒドを0.5~1.0モルの範囲で用いることが好ましく、フェノール性水酸基含有化合物1モルに対し、ホルムアルデヒドを0.6~1.0モルの範囲で用いることが好ましく、フェノール性水酸基含有化合物1モルに対し、ホルムアルデヒドを0.65~0.98モルの範囲で用いることが好ましい。本発明においては、フェノール樹脂を製造する際に、ケトン基含有化合物としてホルムアルデヒドを用い、且つ、フェノール性水酸基含有化合物とホルムアルデヒドを上記割合で用いることにより、得られたフェノール樹脂を用いて製造するエポキシ樹脂を原料として用いた(メタ)アクリレート樹脂を使用した硬化性樹脂組成物の硬化性及び基材密着性を兼備させられることから好ましい。
本発明のフェノール樹脂は、得られたフェノール樹脂を用いて製造するエポキシ樹脂を原料として用いた(メタ)アクリレート樹脂を使用した硬化性樹脂組成物の硬化性に優れることからその水酸基当量が50~150g/当量の範囲であることが好ましく、水酸基当量が60~140g/当量の範囲であることが好ましく、水酸基当量が70~130g/当量の範囲であることが好ましい。また、軟化点が60~150℃の範囲であることが好ましく、65~145℃の範囲であることが好ましく、70~140℃の範囲であることが好ましい。水酸基当量及び/又は軟化点が上記範囲のフェノール樹脂を用いて製造するエポキシ樹脂を原料として用いた(メタ)アクリレート樹脂を使用した硬化性樹脂組成物の硬化性及び基材密着性を兼備させられることから好ましい。
【0041】
前記フェノール性水酸基含有化合物とケトン基含有化合物との反応は、反応性が高いことから無触媒条件下でも進行するが、適宜酸触媒を用いて行っても良い。ここで用いる酸触媒は例えば、塩酸、硫酸、リン酸、などの無機酸や、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、シュウ酸等の有機酸、三フッ化ホウ素、無水塩化アルミニウム、塩化亜鉛等のルイス酸等が挙げられる。これら酸触媒を用いる場合は、前記フェノール性水酸基含有化合物とケトン基含有化合物との合計質量に対し、10質量%以下の量で用いることが好ましい。
【0042】
また、該反応は無溶剤条件下で行うことが好ましいが、必要に応じ有機溶媒中で行っても良い。ここで用いる有機溶媒は例えば、メチルセロソルブ、イソプロピルアルコール、エチルセロソルブ、トルエン、キシレン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。これら有機溶剤を用いる場合は、反応効率が向上することから、前記フェノール性水酸基含有化合物とケトン基含有化合物との合計100質量部に対し、有機溶剤が50~200質量部の範囲となる割合で用いることが好ましい。
【0043】
前記フェノール性水酸基含有化合物とケトン基含有化合物との反応終了後は、減圧乾燥するなどして目的のフェノール樹脂を得ることが出来る。
【0044】
本発明において用いられるエポキシ樹脂(A1)は、前述のとおり、フェノール樹脂を用い、該フェノール樹脂が含有するフェノール性水酸基とエピハロヒドリンとの反応によるグリシジルエーテル基を有する反応物として合成するが、用いるエピハロヒドリンの割合は、フェノール樹脂が有するフェノール性水酸基1モルに対しエピハロヒドリンを1~10モルの範囲で用いることが好ましく、1.5~8モルの範囲で用いることが好ましく、2~6モルの範囲で用いることが好ましい。本発明においては、エポキシ樹脂(A1)を上記割合で用いることにより、得られるエポキシ樹脂を原料として用いた(メタ)アクリレート樹脂を使用した硬化性樹脂組成物の硬化性及び基材密着性を兼備させられることから好ましい。
【0045】
また、エポキシ化反応時に、有機溶剤を併用することにより、エポキシ樹脂の合成における反応速度を高めることができる。このような有機溶剤としては特に限定されないが、例えば、トルエン、キシレン、ヘプタン、ヘキサン、ミネラルスピリット等の炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン、アセトン、ジメチルホルムアミド、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジメチルアセトアミド等のケトン溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキソラン等の環状エーテル溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル溶剤;トルエン、キシレン、ソルベントナフサ等の芳香族溶剤;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族溶剤;カルビトール、セロソルブ、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール溶剤;プロピルエーテル、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール等のエーテル系溶剤;アルキレングリコールモノアルキルエーテル、ジアルキレングリコールモノアルキルエーテル、ジアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート等のグリコールエーテル溶剤;大豆油、亜麻仁油、菜種油、サフラワー油等の植物油脂;メトキシプロパノール、シクロヘキサノン、メチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。これらの有機溶剤は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0046】
また、上記有機溶剤としては、市販品を用いることもでき、当該市販品としては、例えば、ENEOS株式会社製「1号スピンドル油」、「3号ソルベント」、「4号ソルベント」、「5号ソルベント」、「6号ソルベント」、「ナフテゾールH」、「アルケン56NT」、「AFソルベント4号」、「AFソルベント5号」「AFソルベント6号」「AFソルベント7号」、三菱ケミカル株式会社製「ダイヤドール13」、「ダイヤレン168」;日産化学株式会社製「Fオキソコール」、「Fオキソコール180」;出光興産株式会社「スーパーゾルLA35」、「スーパーゾルLA38」;ExxonMobil Chemical社製「エクソールD80」、「エクソールD110」、「エクソールD120」、「エクソールD130」、「エクソールD160」、「エクソールD100K」、「エクソールD120K」、「エクソールD130K」、「エクソールD280」、「エクソールD300」、「エクソールD320」;等が挙げられる。
上記有機溶剤は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。また、本実施形態において、有機溶剤の使用量は、反応効率が良好となることから、反応原料の合計質量に対し0.1~5倍量程度の範囲で用いることが好ましい。
【0047】
また、前記有機溶剤と水とを併用してもよい。この時、混合溶剤中における水に使用比率は、混合溶剤100質量部に対して5~60質量部の範囲が好ましく、10~50質量部がより好ましい。
【0048】
なお、エポキシ化反応時に使用する塩基性触媒が水溶液である場合には、当該水溶液に含まれる水の含有量は、前記混合溶剤中の水として規定するものには含めないものとする。
【0049】
<不飽和一塩基酸(A2)>
本発明の(メタ)アクリレート樹脂の製造方法は、必須原料として不飽和一塩基酸(A2)を用いることを特徴とする。
前記不飽和一塩基酸(A2)とは、一分子中に酸基及び重合性不飽和結合を有する化合物をいう。なお、本発明において、「重合性不飽和結合」とは、ラジカル重合し得る不飽和結合を意味する。
【0050】
前記酸基としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、燐酸基等が挙げられる。
【0051】
前記不飽和一塩基酸(A2)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、α-シアノ桂皮酸、β-スチリルアクリル酸、β-フルフリルアクリル酸等が挙げられる。また、前記不飽和一塩基酸のエステル化物、酸ハロゲン化物、酸無水物等も用いることができる。さらに、下記構造式(1)で表される化合物等も用いることができる。
【0052】
【化1】
[一般式(1)中、Xは、炭素数1~10のアルキレン鎖、ポリオキシアルキレン鎖、(ポリ)エステル鎖、芳香族炭化水素鎖、または(ポリ)カーボネート鎖を表し、構造中にハロゲン原子やアルコキシ基等を有していても良い。Yは、水素原子またはメチル基である。]
【0053】
前記ポリオキシアルキレン鎖としては、例えば、ポリオキシエチレン鎖、ポリオキシプロピレン鎖等が挙げられる。
【0054】
前記(ポリ)エステル鎖としては、例えば、下記構造式(X-1)で表される(ポリ)エステル鎖が挙げられる。
【0055】
【0056】
[一般式(X-1)中、R1は、炭素原子数1~10のアルキレン基であり、nは1~5の整数である。]
【0057】
前記芳香族炭化水素鎖としては、例えば、フェニレン鎖、ナフチレン鎖、ビフェニレン鎖、フェニルナフチレン鎖、ビナフチレン鎖等が挙げられる。また、部分構造として、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環等の芳香環を有する炭化水素鎖も用いることができる。
【0058】
前記(ポリ)カーボネート鎖としては、例えば、下記構造式(X-2)で表される(ポリ)カーボネート鎖が挙げられる。
【0059】
【0060】
[一般式(X-2)中、R2は、炭素原子数1~10のアルキレン基であり、nは1~5の整数である。]
【0061】
前記構造式(1)で表される化合物の分子量は、100~500の範囲が好ましく、150~400の範囲がより好ましい。
【0062】
これらの不飽和一塩基酸(A2)は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0063】
なお、本発明の(メタ)アクリレート樹脂の原料固形分100質量部中のエポキシ樹脂(A1)及び不飽和一塩基酸(A2)の合計質量は、優れたアルカリ現像性及び高い光感度を有し、優れた弾性、耐熱性及び基材密着性を有する硬化物を形成可能な(メタ)アクリレート樹脂が得られることから、50~95質量%の範囲が好ましく、60~90質量%がより好ましい。
【0064】
前記塩基性触媒としては、例えば、N-メチルモルフォリン、ピリジン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7(DBU)、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン-5(DBN)、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、トリ-n-ブチルアミンもしくはジメチルベンジルアミン、ブチルアミン、オクチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イミダゾール、1-メチルイミダゾール、2,4-ジメチルイミダゾール、1,4-ジエチルイミダゾール、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-(N-フェニル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3-(2-アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等のアミン化合物;トリオクチルメチルアンモニウムクロライド、トリオクチルメチルアンモニウムアセテート等の四級アンモニウム塩;トリメチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン等のホスフィン化合物;テトラメチルホスホニウムクロライド、テトラエチルホスホニウムクロライド、テトラプロピルホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムブロマイド、トリメチル(2-ヒドロキシルプロピル)ホスホニウムクロライド、トリフェニルホスホニウムクロライド、ベンジルホスホニウムクロライド等のホスホニウム塩;ジブチル錫ジラウレート、オクチル錫トリラウレート、オクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジネオデカノエート、ジブチル錫ジアセテート、オクチル酸錫、1,1,3,3-テトラブチル-1,3-ドデカノイルジスタノキサン等の有機錫化合物;オクチル酸亜鉛、オクチル酸ビスマス等の有機金属化合物;オクタン酸錫等の無機錫化合物;無機金属化合物などが挙げられる。これらの塩基性触媒は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。また、これらの中でも、優れたアルカリ現像性及び高い光感度を有し、優れた弾性、耐熱性及び基材密着性を有する硬化物を形成可能な(メタ)アクリレート樹脂が得られることから、ホスフィン化合物が好ましい。
【0065】
前記塩基性触媒の使用量は優れたアルカリ現像性及び高い光感度を有し、優れた弾性、耐熱性及び基材密着性を有する硬化物を形成可能な(メタ)アクリレート樹脂が得られることから、前記エポキシ樹脂(A1)、及び前記不飽和一塩基酸(A2)の合計100質量部に対して、0.01~1.0質量部の範囲が好ましく、0.05~0.8の範囲がより好ましい。
【0066】
前記気体(b1)としては、例えば、酸素ガス、空気等が挙げられる。
【0067】
前記不活性ガス(b2)としては、反応系において不活性であれば何れでもよく、例えば、窒素、二酸化炭素、一酸化炭素、ヘリウム、ネオン、アルゴン等が挙げられる。これらの不活性ガスは、単独で用いることも2種以上の混合ガスとして用いることもできる。
【0068】
また、前記気体(b1)及び前記不活性ガス(b2)は、予め混合気体として調整されたものを反応装置内に導入してもよいし、前記気体(b1)と前記不活性ガス(b2)とを別々に反応装置内に導入し、反応系内で混合してもよい。
【0069】
前記気体(b1)と前記不活性ガス(b2)とを別々に反応装置内に導入する場合は、前記気体(b1)と前記不活性ガス(b2)の導入ノズルは、別々になっていても、1つになっていても良く、前記導入ノズルが反応装置内に存在していればよいが、別々になっていることが好ましい。また、このときの前記導入ノズルの位置としては、優れたアルカリ現像性及び高い光感度を有し、優れた弾性、耐熱性及び基材密着性を有する硬化物を形成可能な(メタ)アクリレート樹脂が得られることから、前記気体(b1)を反応系の液面下部より導入し、前記不活性ガス(b2)を反応系の液面上部より導入する位置に導入ノズルがあることが好ましい。
【0070】
また、反応装置内の酸素濃度、すなわち、反応系内の酸素濃度は、優れたアルカリ現像性及び高い光感度を有し、優れた弾性、耐熱性及び基材密着性を有する硬化物を形成可能な(メタ)アクリレート樹脂が得られることから、2~12質量%の範囲であり、4~10質量%の範囲が好ましく、5~9質量%の範囲がより好ましく、6~8質量%の範囲が特に好ましい。
【0071】
前記反応系内の酸素濃度を2~12質量%とする方法としては、特に限定されないが、例えば、反応系内の液面より上部から吹き込む方法や、気体導入ノズルを液面下に設定してバブリングする方法等が挙げられる。これらの中でも、優れたアルカリ現像性及び高い光感度を有し、優れた弾性、耐熱性及び基材密着性を有する硬化物を形成可能な(メタ)アクリレート樹脂が得られることから、反応系内の液面より上部から前記気体(b1)と前記不活性ガス(b2)をそれぞれ吹き込む方法が好ましく、反応系の液面より上部から前記不活性ガス(b2)を吹き込み、前記気体(b1)を液面下に設定した気体導入ノズルよりバブリングする方法がより好ましい。
【0072】
前記気体(b1)及び前記不活性ガス(b2)の合計導入量は、優れたアルカリ現像性及び高い光感度を有し、優れた弾性、耐熱性及び基材密着性を有する硬化物を形成可能な(メタ)アクリレート樹脂が得られることから、エポキシ樹脂(A1)と不飽和一塩基酸(A2)との総量1kgあたり、1×10-12~1×10-3/minの範囲が好ましく、1×10-11~1×10-3/minがより好ましい。また、前記気体(b1)及び前記不活性ガス(b2)は、連続的に導入しても、間歇して導入してもよく、導入量の平均がこの範囲内であればよい。
【0073】
本発明の(メタ)アクリレート樹脂の製造方法としては、エポキシ樹脂(A1)と不飽和一塩基酸(A2)とを、塩基性触媒の存在下、酸素を含有する気体(b1)及び不活性ガス(b2)を含む酸素濃度が2~12質量%の範囲の混合気体(B)の雰囲気下で、単位体積当たりの撹拌動力が、0.2~8kW/m3の範囲で撹拌しながら行うものであれば、特に制限されず、どのような方法で製造してもよい。なお、本発明における「単位体積当たりの撹拌動力」とは、下記式(1)より算出した値である。
【0074】
【数1】
[式(1)中、Pvは単位体積当たりの撹拌動力(kW/m
3)、Npは撹拌動力数(-)、ρは樹脂の密度(kg/m
3)、nは撹拌翼の回転数(sec
-1)、dは撹拌翼の径(m)、Vは反応液体積(m
3)をそれぞれ示す。]
【0075】
また、前記攪拌動力としては、優れたアルカリ現像性及び高い光感度を有し、優れた耐熱性、基材密着性及び絶縁信頼性を有する硬化物を形成可能なことから、1~7kW/m3の範囲が好ましく、1~6kW/m3がより好ましく、1~5kW/m3がさらに好ましい。
【0076】
前記エポキシ樹脂(A1)と前記不飽和一塩基酸(A2)との反応における反応温度としては、例えば、80~160℃の範囲が好ましく、反応時間としては、1~20時間の範囲が好ましい。
【0077】
本発明の(メタ)アクリレート樹脂としては、優れたアルカリ現像性及び高い光感度を有し、優れた弾性、耐熱性及び基材密着性を有する硬化物を形成可能なことから、前記エポキシ樹脂(A1)と、前記不飽和一塩基酸(A2)とを反応させた後、さらに多塩基酸無水物(A3)を反応させて得られるものであることが好ましい。
【0078】
前記多塩基酸無水物(A3)としては、例えば、脂肪族多塩基酸無水物、脂環式多塩基酸無水物、芳香族多塩基酸無水物等が挙げられる。
【0079】
前記脂肪族多塩基酸無水物としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸の酸無水物等が挙げられる。また、前記脂肪族多塩基酸無水物としては、脂肪族炭化水素基は直鎖型及び分岐型のいずれでもよく、構造中に不飽和結合を有していてもよい。
【0080】
前記脂環式多塩基酸無水物としては、本発明では、酸無水物基が脂環構造に結合しているものを脂環式多塩基酸無水物とし、それ以外の構造部位における芳香環の有無は問わないものとする。前記脂環式多塩基酸無水物としては、例えば、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、シクロヘキサントリカルボン酸、シクロヘキサンテトラカルボン酸、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボン酸、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボン酸、4-(2,5-ジオキソテトラヒドロフラン-3-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1,2-ジカルボン酸の酸無水物等が挙げられる。
【0081】
前記芳香族多塩基酸無水物としては、例えば、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、ビフェニルトリカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸の酸無水物等が挙げられる。
【0082】
これらの多塩基酸無水物(A3)は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。また、これらの中でも、優れたアルカリ現像性及び高い光感度を有し、優れた耐熱性、基材密着性及び絶縁信頼性を有する硬化物を形成可能な(メタ)アクリレート樹脂が得られることから、テトラヒドロ無水フタル酸、シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸無水物、無水コハク酸が好ましい。
【0083】
前記多塩基酸無水物(A3)の使用量は、優れたアルカリ現像性及び高い光感度を有し、優れた耐熱性、基材密着性及び絶縁信頼性を有する硬化物を形成可能な(メタ)アクリレート樹脂が得られることから、前記エポキシ樹脂(A1)1モルに対して、0.25~1モルの範囲の範囲が好ましく、0.25~0.95モルの範囲がより好ましい。
【0084】
また、前記エポキシ樹脂(A1)と、前記不飽和一塩基酸(A2)とを反応させて得られてた反応物と、前記多塩基酸無水物(A3)との反応は、塩基性触媒下で70~160℃の範囲が好ましく、反応時間としては、1~20時間の範囲が好ましい。
【0085】
本発明は、(メタ)アクリレート樹脂の製造方法であり、上述のとおり特定の全塩素濃度及び特定のα-グリコール量を有するエポキシ樹脂(A1)を原料として用い、当該エポキシ樹脂(A1)と、不飽和一塩基酸(A2)とを含む原料を、塩基性触媒の存在下、酸素を含有する気体(b1)及び不活性ガス(b2)の雰囲気下で撹拌しながら、反応系内の酸素濃度を2~12質量%の範囲とし、また単位体積当たりの撹拌動力を0.2~8kW/m3の範囲として反応させる工程(工程1)と、その後に、必要に応じて、さらに多塩基酸無水物(A3)を反応する工程(工程2)を有するが、これらの工程の前に、フェノール樹脂を用い、該フェノール樹脂が含有するフェノール性水酸基と特定割合のエピハロヒドリンとの反応によるグリシジルエーテル基を有する反応物として、前述の特定の全塩素濃度及び特定のα-グリコール量、特定の特定のエポキシ当量、及び/又は特定の軟化点を有するエポキシ樹脂(A1)を合成する工程(工程1B)を経ることが好ましい。さらに、当該エポキシ樹脂(A1)を合成する工程の前に、エポキシ樹脂(A1)の原料となるフェノール性水酸基含有化合物と特定割合のホルムアルデヒド等のケトン基含有化合物との反応により得られる、特定の水酸基量及び/又は特定の軟化点を有するフェノール樹脂の合成工程(工程1A)を経ることが好ましい。これらの工程1Aや工程1Bも含めた工程にて(メタ)アクリレート樹脂を製造することにより、優れたアルカリ現像性及び高い光感度を有し、硬化物における優れた基材密着性及び絶縁信頼性を兼備する絶縁材料及びレジスト部材を得ることができる。
【0086】
本発明の(メタ)アクリレート樹脂は、分子構造中に重合性の(メタ)アクリロイル基を有することから、例えば、光重合開始剤を添加することにより硬化性樹脂組成物として利用することができる。
【0087】
前記光重合開始剤としては、例えば、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-〔4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル〕-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、チオキサントン及びチオキサントン誘導体、2,2’-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、ジフェニル(2,4,6-トリメトキシベンゾイル)ホスフィンオキシド、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-1-ブタノン等の光ラジカル重合開始剤などが挙げられる。
【0088】
前記その他の光重合開始剤の市販品としては、例えば、「Omnirad 1173」、「Omnirad 184」、「Omnirad 127」、「Omnirad 2959」、「Omnirad 369」、「Omnirad 379」、「Omnirad 907」、「Omnirad 4265」、「Omnirad 1000」、「Omnirad 651」、「Omnirad TPO」、「Omnirad 819」、「Omnirad 2022」、「Omnirad 2100」、「Omnirad 754」、「Omnirad 784」、「Omnirad 500」、「Omnirad 81」(IGM Resins社製);「KAYACURE DETX」、「KAYACURE MBP」、「KAYACURE DMBI」、「KAYACURE EPA」、「KAYACURE OA」(日本化薬株式会社製);「Vicure 10」、「Vicure 55」(Stoffa Chemical社製);「Trigonal P1」(Akzo Nobel社製)、「SANDORAY 1000」(SANDOZ社製);「DEAP」(Upjohn Chemical社製)、「Quantacure PDO」、「Quantacure ITX」、「Quantacure EPD」(Ward Blenkinsop社製);「Runtecure 1104」(Runtec社製)等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
【0089】
前記光重合開始剤の添加量は、例えば、硬化性樹脂組成物の溶剤以外の成分の合計中に0.05~15質量%の範囲であることが好ましく、0.1~10質量%の範囲であることがより好ましい。
【0090】
また、前記光重合開始剤は、必要に応じて、アミン化合物、尿素化合物、含硫黄化合物、含燐化合物、含塩素化合物、ニトリル化合物等の光増感剤を併用することもできる。
【0091】
本発明の硬化性樹脂組成物は、前述した(メタ)アクリレート樹脂以外のその他の樹脂成分を含有しても良い。前記その他の樹脂成分としては、重合性不飽和基を有する樹脂、各種の(メタ)アクリレートモノマー等が挙げられる。
【0092】
前記重合性不飽和基を有する樹脂としては、樹脂中に重合性不飽和基を有するものであれば何れでもよく、例えば、重合性不飽和基を有するエポキシ樹脂、重合性不飽和基を有するウレタン樹脂、重合性不飽和基を有するアクリル樹脂、重合性不飽和基を有するアミドイミド樹脂、重合性不飽和基を有するアクリルアミド樹脂、重合性不飽和基を有するエステル樹脂等が挙げられる。
【0093】
前記重合性不飽和基を有するエポキシ樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂と不飽和一塩基酸、及び必要に応じて多塩基酸無水物とを反応させて得られたエポキシ(メタ)アクリレート樹脂や、エポキシ樹脂、不飽和一塩基酸、ポリイソシアネート化合物、及び水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物、及び必要に応じて多塩基酸無水物とを反応させて得られたウレタン基を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂などが挙げられる。
【0094】
前記エポキシ樹脂としては、上述のエポキシ樹脂(A1)として例示したものと同様のものを用いることができ、前記エポキシ樹脂は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0095】
前記不飽和一塩基酸としては、上述の不飽和一塩基酸(A2)として例示したものと同様のものを用いることができ、前記不飽和一塩基酸は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0096】
前記多塩基酸無水物としては、上述の多塩基酸無水物(A3)として例示したものと同様のものを用いることができ、前記多塩基酸無水物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0097】
前記ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ブタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物;ノルボルナンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート化合物;トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、4,4’-ジイソシアナト-3,3’-ジメチルビフェニル、o-トリジンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物;下記構造式(5)で表される繰り返し構造を有するポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート;これらのイソシアヌレート変性体、ビウレット変性体、アロファネート変性体等が挙げられる。また、これらのポリイソシアネート化合物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0098】
【化4】
[式中、R
1はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1~6の炭化水素基の何れかである。R
2はそれぞれ独立に炭素原子数1~4のアルキル基、又は構造式(5)で表される構造部位と*印が付されたメチレン基を介して連結する結合点の何れかである。lは0又は1~3の整数であり、mは1~15の整数である。]
【0099】
前記水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、前記各種の水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖等の(ポリ)オキシアルキレン鎖を導入した(ポリ)オキシアルキレン変性体や、前記各種の水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入したラクトン変性体等も用いることができる。これらの水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
【0100】
前記重合性不飽和基を有するエポキシ樹脂の製造方法としては、特に限定されず、どのような方法で製造してもよい。前記重合性不飽和基を有するエポキシ樹脂の製造においては、必要に応じて有機溶剤中で行ってもよく、また、必要に応じて塩基性触媒を用いてもよい。
【0101】
前記有機溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、ジメチルホルムアミド、メチルイソブチルケトン等のケトン溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキソラン等の環状エーテル溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル溶剤;トルエン、キシレン、ソルベントナフサ等の芳香族溶剤;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族溶剤;カルビトール、セロソルブ、メタノール、イソプロパノール、ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール溶剤;アルキレングリコールモノアルキルエーテル、ジアルキレングリコールモノアルキルエーテル、ジアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート等のグリコールエーテル溶剤;メトキシプロパノール、シクロヘキサノン、メチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。これらの有機溶剤は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。また、前記有機溶剤の使用量は、反応効率が良好となることから、反応原料の合計質量に対し0.1~5倍量程度の範囲で用いることが好ましい。
【0102】
前記塩基性触媒としては、上述の塩基性触媒として例示したものと同様のものを用いることができ、前記塩基性触媒は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0103】
前記重合性不飽和基を有するウレタン樹脂としては、例えば、ポリイソシアネート化合物、水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物、及び必要に応じてポリオール化合物、多塩基酸無水物とを反応させて得られたもの等が挙げられる。
【0104】
前記ポリイソシアネート化合物としては、上述のポリイソシアネート化合物として例示したものと同様のものを用いることができ、前記ポリイソシアネート化合物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0105】
前記水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物としては、上述の水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物として例示したものと同様のものを用いることができ、前記水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0106】
前記ポリオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の脂肪族ポリオール化合物;ビフェノール、ビスフェノール等の芳香族ポリオール化合物;前記各種のポリオール化合物の分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖等の(ポリ)オキシアルキレン鎖を導入した(ポリ)オキシアルキレン変性体;前記各種のポリオール化合物の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入したラクトン変性体、2,2-ジメチロールプロピオン酸、2,2-ジメチロールブタン酸、2,2-ジメチロール吉草酸等が挙げられる。前記ポリオール化合物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0107】
前記多塩基酸無水物としては、上述の多塩基酸無水物(A3)として例示したものと同様のものを用いることができ、前記多塩基酸無水物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0108】
前記重合性不飽和基を有するウレタン樹脂の製造方法としては、特に限定されず、どのような方法で製造してもよい。前記重合性不飽和基を有するウレタン樹脂の製造においては、必要に応じて有機溶剤中で行ってもよく、また、必要に応じて塩基性触媒を用いてもよい。
【0109】
前記有機溶剤としては、上述の有機溶剤として例示したものと同様のものを用いることができ、前記有機溶剤は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0110】
前記塩基性触媒としては、上述の塩基性触媒として例示したものと同様のものを用いることができ、前記塩基性触媒は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0111】
前記重合性不飽和基を有するアクリル樹脂としては、例えば、水酸基やカルボキシル基、イソシアネート基、グリシジル基等の反応性官能基を有する(メタ)アクリレート化合物(α)を必須の成分として重合させて得られるアクリル樹脂中間体に、これらの官能基と反応し得る反応性官能基を有する(メタ)アクリレート化合物(β)をさらに反応させることにより(メタ)アクリロイル基を導入して得られる反応生成物や、必要に応じて前記反応生成物中の水酸基に多塩基酸無水物を反応させて得られるもの等が挙げられる。
【0112】
前記アクリル樹脂中間体は、前記(メタ)アクリレート化合物(α)の他、必要に応じてその他の重合性不飽和基を有する化合物を共重合させたものであってもよい。前記その他の重合性不飽和基を有する化合物は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等の脂環式構造含有(メタ)アクリレート;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチルアクリレート等の芳香環含有(メタ)アクリレート;3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のシリル基を有する(メタ)アクリレート;スチレン、α-メチルスチレン、クロロスチレン等のスチレン誘導体等が挙げられる。これらは単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0113】
前記(メタ)アクリレート化合物(β)は、前記(メタ)アクリレート化合物(α)が有する反応性官能基と反応し得るものであれば特に限定されないが、反応性の観点から以下の組み合わせであることが好ましい。即ち、前記(メタ)アクリレート化合物(α)として水(メタ)アクリレートを用いた場合には、(メタ)アクリレート化合物(β)としてイソシアネート基を有する(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。前記(メタ)アクリレート化合物(α)としてカルボキシル基を有する(メタ)アクリレートを用いた場合には、(メタ)アクリレート化合物(β)としてグリシジル基を有する(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。前記(メタ)アクリレート化合物(α)としてイソシアネート基を有する(メタ)アクリレートを用いた場合には、(メタ)アクリレート化合物(β)として水(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。前記(メタ)アクリレート化合物(α)としてグリシジル基を有する(メタ)アクリレートを用いた場合には、(メタ)アクリレート化合物(β)としてカルボキシル基を有する(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。前記(メタ)アクリレート化合物(β)は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0114】
前記多塩基酸無水物は、上述の多塩基酸無水物(A3)として例示したものと同様のものを用いることができ、前記多塩基酸無水物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0115】
前記重合性不飽和基を有するアクリル樹脂の製造方法としては、特に限定されず、どのような方法で製造してもよい。前記重合性不飽和基を有するアクリル樹脂の製造においては、必要に応じて有機溶剤中で行ってもよく、また、必要に応じて塩基性触媒を用いてもよい。
【0116】
前記有機溶剤としては、上述の有機溶剤として例示したものと同様のものを用いることができ、前記有機溶剤は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0117】
前記塩基性触媒としては、上述の塩基性触媒として例示したものと同様のものを用いることができ、前記塩基性触媒は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0118】
前記重合性不飽和基を有するアミドイミド樹脂としては、例えば、酸基及び/又は酸無水物基を有するアミドイミド樹脂と、水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物及び/又はエポキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物と、必要に応じて、水酸基、カルボキシル基、イソシアネート基、グリシジル基、及び酸無水物基からなる群より選ばれる1種以上の反応性官能基を有する化合物を反応させて得られるものが挙げられる。なお、前記反応性官能基を有する化合物は、(メタ)アクリロイル基を有していてもよいし、有していなくてもよい。
【0119】
前記アミドイミド樹脂としては、酸基又は酸無水物基のどちらか一方のみを有するものであってもよいし、両方を有するものであってもよい。水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物や(メタ)アクリロイル基を有するエポキシ化合物との反応性や反応制御の観点から、酸無水物基を有するものであることが好ましく、酸基と酸無水物基との両方を有するものであることがより好ましい。前記アミドイミド樹脂の固形分酸価は、中性条件下、即ち、酸無水物基を開環させない条件での測定値が60~350mgKOH/gの範囲であることが好ましい。他方、水の存在下等、酸無水物基を開環させた条件での測定値が61~360mgKOH/gの範囲であることが好ましい。
【0120】
前記アミドイミド樹脂としては、例えば、ポリイソシアネート化合物と、多塩基酸無水物とを反応原料として得られるものが挙げられる。
【0121】
前記ポリイソシアネート化合物としては、上述のポリイソシアネート化合物として例示したものと同様のものを用いることができ、前記ポリイソシアネート化合物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0122】
前記多塩基酸無水物としては、上述の多塩基酸無水物(A3)として例示したものと同様のものを用いることができ、前記多塩基酸無水物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0123】
また、前記アミドイミド樹脂は、必要に応じて、前記ポリイソシアネート化合物及び多塩基酸無水物以外に、多塩基酸を反応原料として併用することもできる。
【0124】
前記多塩基酸としては、一分子中にカルボキシル基を2つ以上有する化合物であれば何れのものも用いることができる。例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸、シクロヘキサントリカルボン酸、シクロヘキサンテトラカルボン酸、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボン酸、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボン酸、4-(2,5-ジオキソテトラヒドロフラン-3-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1,2-ジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、ビフェニルトリカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸等が挙げられる。また、前記多塩基酸としては、例えば、共役ジエン系ビニルモノマーとアクリロニトリルとの共重合体であって、その分子中にカルボキシル基を有する重合体も用いることができる。これらの多塩基酸は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0125】
前記水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物としては、上述の水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物として例示したものと同様のものを用いることができ、前記水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0126】
前記エポキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、エポキシシクロへキシルメチル(メタ)アクリレート等のグリシジル基を有する(メタ)アクリレートモノマー;ジヒドロキシベンゼンジグリシジルエーテル、ジヒドロキシナフタレンジグリシジルエーテル、ビフェノールジグリシジルエーテル、ビスフェノールジグリシジルエーテル等のジグリシジルエーテル化合物のモノ(メタ)アクリレート化物等が挙げられる。これらのエポキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
【0127】
前記重合性不飽和基を有するアミドイミド樹脂の製造方法としては、特に限定されず、どのような方法で製造してもよい。前記重合性不飽和基を有するアミドイミド樹脂の製造においては、必要に応じて有機溶剤中で行ってもよく、また、必要に応じて塩基性触媒を用いてもよい。
【0128】
前記有機溶剤としては、上述の有機溶剤として例示したものと同様のものを用いることができ、前記有機溶剤は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0129】
前記塩基性触媒としては、上述の塩基性触媒として例示したものと同様のものを用いることができ、前記塩基性触媒は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0130】
前記重合性不飽和基を有するアクリルアミド樹脂としては、例えば、フェノール性水酸基を有する化合物と、アルキレンオキサイド又はアルキレンカーボネートと、N-アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド化合物と、必要に応じて多塩基酸無水物、不飽和一塩基酸とを反応させて得られたものが挙げられる。
【0131】
前記フェノール性水酸基を有する化合物としては、分子内にフェノール性水酸基を少なくとも1つ有する化合物をいう。前記分子内にフェノール性水酸基を少なくとも1つ有する化合物としては、例えば、下記構造式(4-1)~(4-5)で表される化合物が挙げられる。
【0132】
【0133】
上記構造式(4-1)~(4-5)において、R1は、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数1~20のアルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子の何れかであり、R2は、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基である。また、pは、0または1以上の整数であり、好ましくは0または1~3の整数であり、より好ましくは0または1であり、さらに好ましくは0である。qは、1以上の整数であり、好ましくは、2または3である。なお、上記構造式における芳香環上の置換基の位置については、任意であり、例えば、構造式(4-2)のナフタレン環においてはいずれの環上に置換していてもよく、構造式(4-3)では、1分子中に存在するベンゼン環のいずれの環上に置換していてもよく、構造式(4-4)では、1分子中に存在するベンゼン環のいずれかの環上に置換していてもよく、構造式(4-5)では、1分子中に存在するベンゼン環のいずれの環上に置換していてもよく、1分子中における置換基の個数がp及びqであることを示している。
【0134】
また、前記フェノール性水酸基を有する化合物としては、例えば、分子内にフェノール性水酸基を少なくとも1つ有する化合物と下記構造式(5-1)~(5-5)の何れかで表される化合物とを必須の反応原料とする反応生成物なども用いることができる。また、分子内にフェノール性水酸基を少なくとも1つ有する化合物の1種又は2種以上を反応原料とするノボラック型フェノール樹脂なども用いることができる。
【0135】
【0136】
[構造式(5-1)中、hは0又は1である。構造式(5-2)~(5-5)中、R1は、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数1~20のアルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子の何れかであり、iは、0又は1~4の整数である。構造式(5-2)、(5-3)及び(5-5)中、Wは、それぞれ独立してビニル基、ハロメチル基、ヒドロキシメチル基、アルキルオキシメチル基の何れかである。式(5-5)中、Vは、炭素原子数1~4のアルキレン基、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基の何れかであり、jは1~4の整数である。]
【0137】
上記一般式(5-1)~(5-5)で表される化合物、及び前記反応生成物の具体例としては、フェノール、クレゾール、キシレノール;ジメチルフェノール、ジエチルフェノール等のジアルキルフェノール;トリメチルフェノール、トリエチルフェノール等のトリアルキルフェノール;ジフェニルフェノール、トリフェニルフェノール、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、3-メチルカテコール、4-メチルカテコール、4-アリルピロカテコール、テトラメチルビスフェノールA、1,2,3-トリヒドロキシベンゼン、1,2,4-トリヒドロキシベンゼン、1-ナフトール、2-ナフトール、1,3-ナフタレンジオール、1,5-ナフタレンジオール、2,6-ナフタレンジオール、2,7-ナフタレンジオール、ポリフェニレンエーテル型ジオール、ポリナフチレンエーテル型ジオール、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールノボラック型樹脂、ナフトールノボラック型樹脂、フェノールアラルキル型樹脂、ナフトールアラルキル型樹脂、シクロ環構造を有するフェノール樹脂などが挙げられる。
【0138】
これらのフェノール性水酸基を有する化合物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0139】
前記アルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、ペンチレンオキサイド等が挙げられる。これらの中でも、優れたアルカリ現像性及び高い光感度を有し、優れた耐熱性及び基材密着性及び絶縁信頼性を有する硬化樹脂組成物が得られることから、エチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドが好ましい。前記アルキレンオキサイドは、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0140】
前記アルキレンカーボネートとしては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ペンチレンカーボネート等が挙げられる。これらの中でも、優れたアルカリ現像性及び高い光感度を有し、優れた耐熱性基材密着性及び絶縁信頼性を有する硬化樹脂組成物が得られることから、エチレンカーボネート又はプロピレンカーボネートが好ましい。前記アルキレンカーボネートは、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0141】
前記N-アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド化合物としては、例えば、N-メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N-エトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシエチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。前記N-アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド化合物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0142】
前記多塩基酸無水物としては、上述の多塩基酸無水物(A3)として例示したものと同様のものを用いることができ、前記多塩基酸無水物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0143】
前記不飽和一塩基酸としては、上述の不飽和一塩基酸(A2)として例示したものと同様を用いることができ、前記不飽和一塩基酸は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0144】
前記重合性不飽和基を有するアクリルアミド樹脂の製造方法としては、特に限定されず、どのような方法で製造してもよい。前記重合性不飽和基を有するアクリルアミド樹脂の製造においては、必要に応じて有機溶剤中で行ってもよく、また、必要に応じて塩基性触媒及び酸性触媒を用いてもよい。
【0145】
前記有機溶剤としては、上述の有機溶剤として例示したものと同様のものを用いることができ、前記有機溶剤は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0146】
前記塩基性触媒としては、上述の塩基性触媒として例示したものと同様のものを用いることができ、前記塩基性触媒は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0147】
前記酸性触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、シュウ酸等の有機酸、三フッ化ホウ素、無水塩化アルミニウム、塩化亜鉛等のルイス酸などが挙げられる。また、スルホニル基等の強酸を有する固体酸触媒等も用いることができる。これらの酸性触媒は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0148】
前記重合性不飽和基を有するエステル樹脂としては、例えば、フェノール性水酸基を有する化合物と、アルキレンオキサイド又はアルキレンカーボネートと、不飽和一塩基酸と、必要に応じて多塩基酸無水物を反応させて得られたものが挙げられる。
【0149】
前記フェノール性水酸基を有する化合物としては、上述のフェノール性水酸基を有する化合物として例示したものと同様のものを用いることができ、前記フェノール性水酸基を有する化合物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0150】
前記アルキレンオキサイドとしては、上述のアルキレンオキサイドとして例示したものと同様のものを用いることができる。これらの中でも、優れたアルカリ現像性及び高い光感度を有し、優れた弾性、耐熱性及び基材密着性を有する硬化樹脂組成物が得られることから、エチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドが好ましい。前記アルキレンオキサイドは、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0151】
前記アルキレンカーボネートとしては、上述のアルキレンカーボネートとして例示したものと同様のものを用いることができる。これらの中でも、優れたアルカリ現像性及び高い光感度を有し、優れた弾性、耐熱性及び基材密着性を有する硬化樹脂組成物が得られることから、エチレンカーボネート又はプロピレンカーボネートが好ましい。前記アルキレンカーボネートは、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0152】
前記不飽和一塩基酸としては、上述の不飽和一塩基酸(A2)として例示したものと同様を用いることができ、前記不飽和一塩基酸は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0153】
前記多塩基酸無水物としては、上述の多塩基酸無水物(A3)として例示したものと同様のものを用いることができ、前記多塩基酸無水物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0154】
前記重合性不飽和基を有するエステル樹脂の製造方法としては、特に限定されず、どのような方法で製造してもよい。前記重合性不飽和基を有するエステル樹脂の製造においては、必要に応じて有機溶剤中で行ってもよく、また、必要に応じて塩基性触媒及び酸性触媒を用いてもよい。
【0155】
前記有機溶剤としては、上述の有機溶剤として例示したものと同様のものを用いることができ、前記有機溶剤は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0156】
前記塩基性触媒としては、上述の塩基性触媒として例示したものと同様のものを用いることができ、前記塩基性触媒は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0157】
前記酸性触媒としては、上述の酸性触媒として例示したものと同様のものを用いることができ、前記酸性触媒は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0158】
前記重合性不飽和基を有する樹脂の使用量は、本発明の(メタ)アクリレート樹脂100質量部に対して、10~900質量部の範囲が好ましい。
【0159】
前記各種の(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート等の脂肪族モノ(メタ)アクリレート化合物;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチルモノ(メタ)アクリレート等の脂環型モノ(メタ)アクリレート化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等の複素環型モノ(メタ)アクリレート化合物;ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェニルベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート等の芳香族モノ(メタ)アクリレート化合物等のモノ(メタ)アクリレート化合物:前記各種のモノ(メタ)アクリレートモノマーの分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖等のポリオキシアルキレン鎖を導入した(ポリ)オキシアルキレン変性モノ(メタ)アクリレート化合物;前記各種のモノ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入したラクトン変性モノ(メタ)アクリレート化合物;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等の脂肪族ジ(メタ)アクリレート化合物;1,4-シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ノルボルナンジ(メタ)アクリレート、ノルボルナンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート等の脂環型ジ(メタ)アクリレート化合物;ビフェノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールジ(メタ)アクリレート等の芳香族ジ(メタ)アクリレート化合物;前記各種のジ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖等の(ポリ)オキシアルキレン鎖を導入したポリオキシアルキレン変性ジ(メタ)アクリレート化合物;前記各種のジ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入したラクトン変性ジ(メタ)アクリレート化合物;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート等の脂肪族トリ(メタ)アクリレート化合物;前記脂肪族トリ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖等の(ポリ)オキシアルキレン鎖を導入した(ポリ)オキシアルキレン変性トリ(メタ)アクリレート化合物;前記脂肪族トリ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入したラクトン変性トリ(メタ)アクリレート化合物;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の4官能以上の脂肪族ポリ(メタ)アクリレート化合物;前記脂肪族ポリ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖等の(ポリ)オキシアルキレン鎖を導入した4官能以上の(ポリ)オキシアルキレン変性ポリ(メタ)アクリレート化合物;前記脂肪族ポリ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入した4官能以上のラクトン変性ポリ(メタ)アクリレート化合物などが挙げられる。
【0160】
また、前記その他の(メタ)アクリレートモノマーとしては、上述したものの他に、フェノール化合物と、環状カーボネート化合物又は環状エーテル化合物と、不飽和モノカルボン酸とを必須の反応原料とする(メタ)アクリレートモノマーを用いることができる。
【0161】
前記フェノール化合物としては、例えば、クレゾール、キシレノール、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、3-メチルカテコール、4-メチルカテコール、4-アリルピロカテコール、1,2,3-トリヒドロキシベンゼン、1,2,4-トリヒドロキシベンゼン、1-ナフトール、2-ナフトール、1,3-ナフタレンジオール、1,5-ナフタレンジオール、2,6-ナフタレンジオール、2,7-ナフタレンジオール、水添ビスフェノール、水添ビフェノール、ポリフェニレンエーテル型ジオール、ポリナフチレンエーテル型ジオール、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールノボラック型樹脂、ナフトールノボラック型樹脂、フェノールアラルキル型樹脂、ナフトールアラルキル型樹脂、シクロ環構造を有するフェノール樹脂等が挙げられる。
【0162】
前記環状カーボネート化合物としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ペンチレンカーボネート等が挙げられる。これらの環状カーボネート化合物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0163】
前記環状エーテル化合物としては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン等が挙げられる。これらの環状エーテル化合物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0164】
前記不飽和モノカルボン酸としては、上述の不飽和一塩基酸(A2)として例示したものと同様のものを用いることができる。
【0165】
前記その他の(メタ)アクリレートモノマーの含有量は、本発明の硬化性樹脂組成物中に90質量%以下が好ましい。
【0166】
また、本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、酸化防止剤、有機溶剤、無機質充填材やポリマー微粒子、顔料、消泡剤、粘度調整剤、レベリング剤、難燃剤、保存安定化剤等の各種添加剤を含有することもできる。
【0167】
前記硬化剤としては、例えば、エポキシ樹脂、多塩基酸、不飽和一塩基酸、アミン化合物、アミド化合物、アゾ化合物、有機過酸化物、ポリオール化合物、エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0168】
前記エポキシ樹脂としては、上述のエポキシ樹脂(A1)として例示したものと同様のものを用いることができ、前記エポキシ樹脂は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0169】
前記多塩基酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸、シクロヘキサントリカルボン酸、シクロヘキサンテトラカルボン酸、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボン酸、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボン酸、4-(2,5-ジオキソテトラヒドロフラン-3-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1,2-ジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、ビフェニルトリカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸等が挙げられる。また、前記多塩基酸としては、例えば、共役ジエン系ビニルモノマーとアクリロニトリルとの共重合体であって、その分子中にカルボキシル基を有する重合体も用いることができる。これらの多塩基酸は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0170】
前記不飽和一塩基酸としては、上述の不飽和一塩基酸(A2)として例示したものと同様のものを用いることができ、前記不飽和一塩基酸は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0171】
前記アミン化合物としては、例えば、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、イミダゾ-ル、BF3-アミン錯体、グアニジン誘導体等が挙げられる。これらのアミン化合物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0172】
前記アミド系化合物としては、例えば、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンとより合成されるポリアミド樹脂等が挙げられる。これらのアミド化合物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0173】
前記アゾ化合物としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。
【0174】
前記有機過酸化物としては、例えば、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート、アルキルパーオキシカーボネート等が挙げられる。これらの有機過酸化物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0175】
前記ポリオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、グリセリン、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタン、トリメチロールメタンモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート等のポリオールモノマー;前記ポリオールモノマーと、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸等のジカルボン酸との共縮合によって得られるポリエステルポリオール;前記ポリオールモノマーと、ε-カプロラクトン、δ-バレロラクトン、3-メチル-δ-バレロラクトン等の種々のラクトンとの重縮合反応によって得られるラクトン型ポリエステルポリオール;前記ポリオールモノマーと、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル等の環状エーテル化合物との開環重合によって得られるポリエーテルポリオールなどが挙げられる。これらのポリオール化合物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0176】
前記エポキシ樹脂としては、上述のエポキシ樹脂(A1)として例示したものと同様のものを用いることができ、前記エポキシ樹脂は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0177】
前記硬化促進剤としては、硬化反応を促進するものであり、例えば、リン系化合物、アミン系化合物、イミダゾール、有機酸金属塩、ルイス酸、アミン錯塩等が挙げられる。これらの硬化促進剤は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。また、前記硬化促進剤の添加量は、例えば、前記硬化性樹脂組成物の固形分中に0.01~10質量%の範囲で用いることが好ましい。
【0178】
前記紫外線吸収剤としては、例えば、2-[4-{(2-ヒドロキシ-3-ドデシルオキシプロピル)オキシ}-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[4-{(2-ヒドロキシ-3-トリデシルオキシプロピル)オキシ}-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン等のトリアジン誘導体、2-(2’-キサンテンカルボキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-o-ニトロベンジロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-キサンテンカルボキシ-4-ドデシロキシベンゾフェノン、2-o-ニトロベンジロキシ-4-ドデシロキシベンゾフェノン等が挙げられる。これらの紫外線吸収剤は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0179】
前記重合禁止剤としては、例えば、p-メトキシフェノール、p-メトキシクレゾール、4-メトキシ-1-ナフトール、4,4’-ジアルコキシ-2,2’-ビ-1-ナフトール、3-(N-サリチロイル)アミノ-1,2,4-トリアゾール、N’1,N’12-ビス(2-ヒドロキシベンゾイル)ドデカンジヒドラジド、スチレン化フェノール、N-イソプロピル-N’-フェニルベンゼン-1,4-ジアミン、6-エトキシ-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン等のフェノール化合物、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、p-ベンゾキノン、メチル-p-ベンゾキノン、2,5-ジフェニルベンゾキノン、2-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノン、アントラキノン、ジフェノキノン等のキノン化合物、メラミン、p-フェニレンジアミン、4-アミノジフェニルアミン、N.N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、N-i-プロピル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1.3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、4,4’-ジクミル-ジフェニルアミン、4,4’-ジオクチル-ジフェニルアミン、ポリ(2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン)、スチレン化ジフェニルアミン、スチレン化ジフェニルアミンと2,4,4-トリメチルペンテンの反応生成物、ジフェニルアミンと2,4,4-トリメチルペンテンの反応生成物等のアミン化合物、フェノチアジン、ジステアリルチオジプロピオネート、2,2-ビス({[3-(ドデシルチオ)プロピオニル]オキシ}メチル)-1,3-プロパンジイル=ビス[3-(ドデシルチオ)プロピオナート]、ジトリデカン-1-イル=3,3’-スルファンジイルジプロパノアート等のチオエーテル化合物、N-ニトロソジフェニルアミン、N-ニトロソフェニルナフチルアミン、p-ニトロソフェノール、ニトロソベンゼン、p-ニトロソジフェニルアミン、α-ニトロソ-β-ナフトール等、N、N-ジメチルp-ニトロソアニリン、p-ニトロソジフェニルアミン、p-ニトロンジメチルアミン、p-ニトロン-N、N-ジエチルアミン、N-ニトロソエタノールアミン、N-ニトロソジ-n-ブチルアミン、N-ニトロソ-N-n-ブチル-4-ブタノールアミン、N-ニトロソ-ジイソプロパノールアミン、N-ニトロソ-N-エチル-4-ブタノールアミン、5-ニトロソ-8-ヒドロキシキノリン、N-ニトロソモルホリン、N-二トロソーN-フェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩、二トロソベンゼン、N-ニトロソ-N-メチル-p-トルエンスルホンアミド、N-ニトロソ-N-エチルウレタン、N-ニトロソ-N-n-プロピルウレタン、1-ニトロソ-2-ナフトール、2-ニトロソ-1-ナフトール、1-ニトロソ-2-ナフトール-3,6-スルホン酸ナトリウム、2-ニトロソ-1-ナフトール-4-スルホン酸ナトリウム、2-ニトロソ-5-メチルアミノフェノール塩酸塩、2-ニトロソ-5-メチルアミノフェノール塩酸塩等のニトロソ化合物、リン酸とオクタデカン-1-オールのエステル、トリフェニルホスファイト、3,9-ジオクタデカン-1-イル-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、トリスノニルフェニルホスフィト、亜リン酸-(1-メチルエチリデン)-ジ-4,1-フェニレンテトラ-C12-15-アルキルエステル、2-エチルヘキシル=ジフェニル=ホスフィット、ジフェニルイソデシルフォスファイト、トリイソデシル=ホスフィット、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト等のホスファイト化合物、ビス(ジメチルジチオカルバマト-κ(2)S,S’)亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチル・ジチオカルバミン酸亜鉛等の亜鉛化合物、ビス(N,N-ジブチルカルバモジチオアト-S,S’)ニッケル等のニッケル化合物、1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾイミダゾール-2-チオン、4,6-ビス(オクチルチオメチル)-o-クレゾール、2-メチル-4,6-ビス[(オクタン-1-イルスルファニル)メチル]フェノール、ジラウリルチオジプロピオン酸エステル、3,3’-チオジプロピオン酸ジステアリル等の硫黄化合物などが挙げられる。これらの重合禁止剤は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0180】
前記酸化防止剤としては、前記重合禁止剤で例示した化合物と同様のものを用いることができ、前記酸化防止剤は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0181】
また、前記重合禁止剤、及び前記酸化防止剤の市販品としては、例えば、和光純薬工業株式会社製「Q-1300」、「Q-1301」、住友化学株式会社製「スミライザーBBM-S」、「スミライザーGA-80が」等が挙げられる。
【0182】
前記有機溶剤としては、上述の有機溶剤として例示したものと同様のものを用いることができ、前記有機溶剤は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0183】
前記無機質充填材としては、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪素、水酸化アルミ等が挙げられる。
【0184】
前記顔料としては、公知慣用の無機顔料や有機顔料を使用することができる。
【0185】
前記無機顔料としては、例えば、白色顔料、アンチモンレッド、ベンガラ、カドミウムレッド、カドミウムイエロー、コバルトブルー、紺青、群青、カーボンブラック、黒鉛等が挙げられる。これらの無機顔料は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0186】
前記白色顔料としては、例えば、酸化チタン,酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、シリカ、タルク、マイカ、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、中空樹脂粒子、硫化亜鉛等が挙げられる。
【0187】
前記有機顔料としては、例えば、キナクリドン顔料、キナクリドンキノン顔料、ジオキサジン顔料、フタロシアニン顔料、アントラピリミジン顔料、アンサンスロン顔料、インダンスロン顔料、フラバンスロン顔料、ペリレン顔料、ジケトピロロピロール顔料、ペリノン顔料、キノフタロン顔料、アントラキノン顔料、チオインジゴ顔料、ベンツイミダゾロン顔料、アゾ顔料等が挙げられる。これらの有機顔料は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0188】
前記難燃剤としては、例えば、赤リン、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム等のリン酸アンモニウム、リン酸アミド等の無機リン化合物;リン酸エステル化合物、ホスホン酸化合物、ホスフィン酸化合物、ホスフィンオキシド化合物、ホスホラン化合物、有機系含窒素リン化合物、9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド、10-(2,5―ジヒドロオキシフェニル)-10H-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド、10-(2,7-ジヒドロオキシナフチル)-10H-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド等の環状有機リン化合物、及びそれをエポキシ樹脂やフェノール樹脂等の化合物と反応させた誘導体等の有機リン化合物;トリアジン化合物、シアヌル酸化合物、イソシアヌル酸化合物、フェノチアジン等の窒素系難燃剤;シリコーンオイル、シリコーンゴム、シリコーン樹脂等のシリコーン系難燃剤;金属水酸化物、金属酸化物、金属炭酸塩化合物、金属粉、ホウ素化合物、低融点ガラス等の無機難燃剤などが挙げられる。これらの難燃剤は、単独でも用いることも2種以上を併用することもできる。また、これら難燃剤を用いる場合は、全樹脂組成物中0.1~20質量%の範囲であることが好ましい。
【0189】
本発明の硬化物は、前記硬化性樹脂組成物に、活性エネルギー線を照射することで得ることができる。前記活性エネルギー線としては、例えば、紫外線、電子線、α線、β線、γ線等の電離放射線が挙げられる。また、前記活性エネルギー線として、紫外線を用いる場合、紫外線による硬化反応を効率よく行う上で、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で照射してもよく、空気雰囲気下で照射してもよい。
【0190】
紫外線発生源としては、実用性、経済性の面から紫外線ランプが一般的に用いられている。具体的には、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、ガリウムランプ、メタルハライドランプ、太陽光、LED等が挙げられる。
【0191】
前記活性エネルギー線の積算光量は、特に制限されないが、0.1~50kJ/m2であることが好ましく、0.5~10kJ/m2であることがより好ましい。積算光量が上記範囲であると、未硬化部分の発生の防止又は抑制ができることから好ましい。
【0192】
なお、前記活性エネルギー線の照射は、一段階で行ってもよいし、二段階以上に分けて行ってもよい。
【0193】
また、本発明の硬化物は、優れたアルカリ現像性及び高い光感度を有し、優れた弾性、耐熱性及び基材密着性を有することから、例えば、半導体デバイス用途における、ソルダーレジスト、層間絶縁材料、パッケージ材、アンダーフィル材、回路素子等のパッケージ接着層や、集積回路素子と回路基板の接着層として好適に用いることができる。また、LCD、OELDに代表される薄型ディスプレイ用途における、薄膜トランジスタ保護膜、液晶カラーフィルタ保護膜、カラーフィルタ用顔料レジスト、ブラックマトリックス用レジスト、スペーサー等に好適に用いることができる。これらの中でも、特にソルダーレジスト用途に好適に用いることができる。
【0194】
本発明のソルダーレジスト用樹脂材料は、前記硬化性樹脂組成物からなるものである。
【0195】
本発明のレジスト部材は、例えば、前記ソルダーレジスト用樹脂材料を基材上に塗布し、60~100℃程度の温度範囲で有機溶媒を揮発乾燥させた後、所望のパターンが形成されたフォトマスクを通して活性エネルギー線にて露光させ、アルカリ水溶液にて未露光部を現像し、更に140~200℃程度の温度範囲で加熱硬化させて得ることができる。
【0196】
前記基材としては、例えば、銅、アルミニウム等の金属張積層板などが挙げられる。
【実施例】
【0197】
以下、実施例と比較例とにより、本発明を具体的に説明する。なお、本発明は、以下に挙げた実施例に限定されるものではない。
【0198】
(合成例1:フェノール樹脂(1)の調製)
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコに、オルソクレゾール1081質量部(10モル)、蓚酸22質量部を仕込み、室温から100℃まで45分で昇温しながら撹拌した。続いて、42質量%ホルマリン水溶液543質量部(7.6モル)を3時間要して滴下した。滴下終了後、さらに100℃で1時間攪拌し、その後180℃まで3時間で昇温した。反応終了後、反応系内に残った水分を加熱減圧下に除去し、フェノール樹脂(1)943質量部を得た。得られたフェノール樹脂(1)の水酸基当量は117g/当量、軟化点は81℃であった。
【0199】
(合成例2:フェノール樹脂(2)の調製)
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコに、オルソクレゾール1081質量部(10モル)、蓚酸22質量部を仕込み、室温から100℃まで45分で昇温しながら撹拌した。続いて、42質量%ホルマリン水溶液644質量部(9.0モル)を3時間要して滴下した。滴下終了後、さらに100℃で1時間攪拌し、その後180℃まで3時間で昇温した。反応終了後、反応系内に残った水分を加熱減圧下に除去し、フェノール樹脂(2)950質量部を得た。得られたフェノール樹脂(2)の水酸基当量は117g/当量、軟化点は109℃であった。
【0200】
(合成例3:フェノール樹脂(3)の調製)
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコに、オルソクレゾール1081質量部(10モル)、蓚酸22質量部を仕込み、室温から100℃まで45分で昇温しながら撹拌した。続いて、42質量%ホルマリン水溶液679質量部(9.5モル)を3時間要して滴下した。滴下終了後、さらに100℃で1時間攪拌し、その後180℃まで3時間で昇温した。反応終了後、反応系内に残った水分を加熱減圧下に除去し、フェノール樹脂(3)953質量部を得た。得られたフェノール樹脂(3)の水酸基当量は118g/当量、軟化点は131℃であった。
【0201】
(合成例4:フェノール樹脂(4)の調製)
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコに、フェノール941質量部(10モル)、蓚酸4.7質量部を仕込み、室温から100℃まで45分で昇温しながら撹拌した。続いて、42質量%ホルマリン水溶液543質量部(7.6モル)を3時間要して滴下した。滴下終了後、さらに100℃で1時間攪拌し、その後180℃まで3時間で昇温した。反応終了後、反応系内に残った水分を加熱減圧下に除去し、フェノール樹脂(4)953質量部を得た。得られたフェノール樹脂(4)の水酸基当量は108g/当量、軟化点は105℃であった。
【0202】
(合成例5:エポキシ樹脂(1)の調製)
温度計、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施しながら上記反応で得られたフェノール樹脂(1)117質量部(水酸基1.0当量)、エピクロルヒドリン278質量部(3.0モル)、n-ブタノール53質量部を仕込み攪拌しながら溶解させた。50℃に昇温した後に、20%水酸化ナトリウム水溶液220質量部(1.10モル)を3時間要して添加し、その後更に50℃で1時間反応させた。反応終了後、攪拌を停止し、下層に溜まった水層を除去し、攪拌を再開し150℃減圧下で未反応エピクロルヒドリンを留去した。それで得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン300質量部とn-ブタノール50質量部とを加え溶解した。更にこの溶液に10質量%水酸化ナトリウム水溶液15質量部を添加して80℃で2時間反応させた後に洗浄液のpHが中性となるまで水100質量部で水洗を3回繰り返した。次いで共沸によって系内を脱水し、精密濾過を経た後に、溶媒を減圧下で留去して目的のエポキシ樹脂(1)170質量部を得た。エポキシ樹脂(1)のエポキシ当量は206g/当量、軟化点は65℃であった。
【0203】
(合成例6:エポキシ樹脂(2)の調製)
温度計、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施しながら上記反応で得られたフェノール樹脂(2)117質量部(水酸基1.0当量)、エピクロルヒドリン278質量部(3.0モル)、n-ブタノール53質量部を仕込み攪拌しながら溶解させた。50℃に昇温した後に、20%水酸化ナトリウム水溶液220質量部(1.10モル)を3時間要して添加し、その後更に50℃で1時間反応させた。反応終了後、攪拌を停止し、下層に溜まった水層を除去し、攪拌を再開し150℃減圧下で未反応エピクロルヒドリンを留去した。それで得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン300質量部とn-ブタノール50質量部とを加え溶解した。更にこの溶液に10質量%水酸化ナトリウム水溶液15質量部を添加して80℃で2時間反応させた後に洗浄液のpHが中性となるまで水100質量部で水洗を3回繰り返した。次いで共沸によって系内を脱水し、精密濾過を経た後に、溶媒を減圧下で留去して目的のエポキシ樹脂(2)169質量部を得た。エポキシ樹脂(2)のエポキシ当量は211g/当量、軟化点は87℃であった。
【0204】
(合成例7:エポキシ樹脂(3)の調製)
温度計、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施しながら上記反応で得られたフェノール樹脂(3)118質量部(水酸基1.0当量)、エピクロルヒドリン278質量部(3.0モル)、n-ブタノール53質量部を仕込み攪拌しながら溶解させた。50℃に昇温した後に、20%水酸化ナトリウム水溶液220質量部(1.10モル)を3時間要して添加し、その後更に50℃で1時間反応させた。反応終了後、攪拌を停止し、下層に溜まった水層を除去し、攪拌を再開し150℃減圧下で未反応エピクロルヒドリンを留去した。それで得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン300質量部とn-ブタノール50質量部とを加え溶解した。更にこの溶液に10質量%水酸化ナトリウム水溶液15質量部を添加して80℃で2時間反応させた後に洗浄液のpHが中性となるまで水100質量部で水洗を3回繰り返した。次いで共沸によって系内を脱水し、精密濾過を経た後に、溶媒を減圧下で留去して目的のエポキシ樹脂(3)167質量部を得た。エポキシ樹脂(3)のエポキシ当量は215g/当量、軟化点は96℃であった。
【0205】
(合成例8:エポキシ樹脂(4)の調製)
温度計、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施しながら上記反応で得られたフェノール樹脂(4)108質量部(水酸基1.0当量)、エピクロルヒドリン278質量部(3.0モル)、n-ブタノール53質量部を仕込み攪拌しながら溶解させた。50℃に昇温した後に、20%水酸化ナトリウム水溶液220質量部(1.10モル)を3時間要して添加し、その後更に50℃で1時間反応させた。反応終了後、攪拌を停止し、下層に溜まった水層を除去し、攪拌を再開し150℃減圧下で未反応エピクロルヒドリンを留去した。それで得られた粗エポキシ樹脂にトルエン300質量部とn-ブタノール50質量部とを加え溶解した。更にこの溶液に10質量%水酸化ナトリウム水溶液15質量部を添加して80℃で2時間反応させた後に洗浄液のpHが中性となるまで水100質量部で水洗を3回繰り返した。次いで共沸によって系内を脱水し、精密濾過を経た後に、溶媒を減圧下で留去して目的のエポキシ樹脂(4)160質量部を得た。エポキシ樹脂(4)のエポキシ当量は190g/当量、軟化点は75℃であった。
【0206】
(合成例9:エポキシ樹脂(5)の調製)
次いで、温度計、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施しながら上記反応で得られたフェノール樹脂(2)117質量部(水酸基1.0当量)、エピクロルヒドリン213質量部(2.3モル)、n-ブタノール41質量部を仕込み攪拌しながら溶解させた。50℃に昇温した後に、20%水酸化ナトリウム水溶液220質量部(1.10モル)を3時間要して添加し、その後更に50℃で1時間反応させた。反応終了後、攪拌を停止し、下層に溜まった水層を除去し、攪拌を再開し150℃減圧下で未反応エピクロルヒドリンを留去した。それで得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン300質量部とn-ブタノール50質量部とを加え溶解した。更にこの溶液に10質量%水酸化ナトリウム水溶液15質量部を添加して80℃で2時間反応させた後に洗浄液のpHが中性となるまで水100質量部で水洗を3回繰り返した。次いで共沸によって系内を脱水し、精密濾過を経た後に、溶媒を減圧下で留去して目的のエポキシ樹脂(5)169質量部を得た。エポキシ樹脂(5)のエポキシ当量は220g/当量、軟化点は91℃であった。
【0207】
(合成例10:エポキシ樹脂(6)の調製)
温度計、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施しながら上記反応で得られたフェノール樹脂(2)117質量部(水酸基1.0当量)、エピクロルヒドリン370質量部(4.0モル)、n-ブタノール71質量部を仕込み攪拌しながら溶解させた。50℃に昇温した後に、20%水酸化ナトリウム水溶液220質量部(1.10モル)を3時間要して添加し、その後更に50℃で1時間反応させた。反応終了後、攪拌を停止し、下層に溜まった水層を除去し、攪拌を再開し150℃減圧下で未反応エピクロルヒドリンを留去した。それで得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン300質量部とn-ブタノール50質量部とを加え溶解した。更にこの溶液に10質量%水酸化ナトリウム水溶液15質量部を添加して80℃で2時間反応させた後に洗浄液のpHが中性となるまで水100質量部で水洗を3回繰り返した。次いで共沸によって系内を脱水し、精密濾過を経た後に、溶媒を減圧下で留去して目的のエポキシ樹脂(6)169質量部を得た。エポキシ樹脂(6)のエポキシ当量は206g/当量、軟化点は82℃であった。
【0208】
(合成例11:エポキシ樹脂(7)の調製)
温度計、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施しながら上記反応で得られたフェノール樹脂(2)117質量部(水酸基1.0当量)、エピクロルヒドリン278質量部(3.0モル)、n-ブタノール53質量部を仕込み攪拌しながら溶解させた。50℃に昇温した後に、20%水酸化ナトリウム水溶液220質量部(1.10モル)を3時間要して添加し、その後更に50℃で1時間反応させた。反応終了後、攪拌を停止し、下層に溜まった水層を除去し、攪拌を再開し150℃減圧下で未反応エピクロルヒドリンを留去した。それで得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン300質量部とn-ブタノール50質量部とを加え溶解したのち、水100質量部で水洗を3回繰り返した。次いで共沸によって系内を脱水し、精密濾過を経た後に、溶媒を減圧下で留去して目的のエポキシ樹脂(7)169質量部を得た。エポキシ樹脂(7)のエポキシ当量は213g/当量、軟化点は86℃であった。
【0209】
(合成例12:エポキシ樹脂(8)の調製)
温度計、冷却管及びディーンスタークトラップ装置、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施しながら上記反応で得られたフェノール樹脂(2)117質量部(水酸基1.0当量)、エピクロルヒドリン278質量部(3.0モル)、PEG#400(日油株式会社製)28質量部を仕込み攪拌しながら溶解させた。55℃に昇温したのち、内圧を13,000Paに保持しながら、48重量%水酸化カリウム水溶液117質量部を5時間かけて滴下して、次いで同条件下で0.5時間撹拌を続けた。その後、その減圧条件を維持しながら150℃まで加熱して、150℃で133Paまで真空度を上げて、エピクロルヒドリンを留去させた。次いで、得られた粗樹脂にメチルイソブチルケトン264重量部を加えて、90重量部の水を用いて5回水洗して、系内からポリエチレングリコールと塩を除去した。n-ブタノール50重量部と10%水酸化ナトリウム水溶液12重量部を加えて、80℃で2時間撹拌して分液した。次いで共沸によって系内を脱水し、精密濾過を経た後に、溶媒を減圧下で留去して目的のエポキシ樹脂(8)165質量部を得た。エポキシ樹脂(8)のエポキシ当量は198g/当量、軟化点は86℃であった。
【0210】
(合成例13:エポキシ樹脂(9)の調製)
温度計、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施しながら、エピクロルヒドリン278質量部(3.0モル)、3%水酸化ナトリウム水溶液83gを仕込み、90℃で4時間撹拌した。水層を分離除去したのち、上記反応で得られたフェノール樹脂(2)117質量部(水酸基1.0当量)、n-ブタノール53質量部を仕込み攪拌しながら溶解させた。50℃に昇温した後に、20%水酸化ナトリウム水溶液220質量部(1.10モル)を3時間要して添加し、その後更に50℃で1時間反応させた。反応終了後、攪拌を停止し、下層に溜まった水層を除去し、攪拌を再開し150℃減圧下で未反応エピクロルヒドリンを留去した。それで得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン300質量部とn-ブタノール50質量部とを加え溶解した。更にこの溶液に10質量%水酸化ナトリウム水溶液15質量部を添加して80℃で2時間反応させた後に洗浄液のpHが中性となるまで水100質量部で水洗を3回繰り返した。次いで共沸によって系内を脱水し、精密濾過を経た後に、溶媒を減圧下で留去して目的のエポキシ樹脂(9)169質量部を得た。エポキシ樹脂(9)のエポキシ当量は220g/当量、軟化点は87℃であった。
【0211】
合成例5~合成例13で得られたエポキシ樹脂(1)~エポキシ樹脂(9)のそれぞれの全塩素量及びα-グリコール量を以下の表1に示す。
【0212】
(全塩素量)
JIS K7246に従って算出した。具体的には、エポキシ樹脂をジエチレングリコールモノブチルエーテルに溶解し、1規定の水酸化カリウム-プロピレングリコール溶液を加え、20分間煮沸した後に、硝酸銀で電位差滴定を行った。
【0213】
(α-グリコール量)
JIS K7146に従って算出した。具体的には、エポキシ樹脂中のα-グリコールが過ヨウ素酸と定量的に反応、開裂しカルボニル化合物に酸化されることを利用し、余剰の過ヨウ素酸にヨウ化カリウムを加え発生したヨウ素をチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定することで算出した。
【0214】
【0215】
(実施例1:アクリレート樹脂(1)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート69.5質量部を入れ、エポキシ樹脂(1)206質量部を溶解し、ジブチルヒドロキシトルエン0.8質量部、メトキノン0.1質量部加えた後、アクリル酸72質量部、トリフェニルホスフィン1.4質量部を添加し、空気を内径0.5mmのステンレス管を用いて0.27l/min液面下より吹込みかつ、不活性ガスを液面上から0.54l/min吹き込み、酸素濃度7質量%とし、単位体積当たりの撹拌動力3kW/m3で撹拌しながら、120℃で12時間エステル化反応を行なった。次いで、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート120.3質量部、テトラヒドロ無水フタル酸74.5質量部を加え110℃で2.5時間反応させてアクリレート樹脂(1)を得た。このアクリレート樹脂(1)の不揮発分は、65質量%、固形分酸価は、80mgKOH/gであった。なお、前記酸価は、JIS K 0070(1992)の中和滴定法にて測定した値であった(以下、同様。)。
【0216】
(実施例2:アクリレート樹脂(2)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート70.8質量部を入れ、エポキシ樹脂(2)211質量部を溶解し、ジブチルヒドロキシトルエン0.8質量部、メトキノン0.1質量部加えた後、アクリル酸72質量部、トリフェニルホスフィン1.4質量部を添加し、空気を内径0.5mmのステンレス管を用いて0.27l/min液面下より吹込みかつ、不活性ガスを液面上から0.54l/min吹き込み、酸素濃度7質量%とし、単位体積当たりの撹拌動力3kW/m3で撹拌しながら、120℃で12時間エステル化反応を行なった。次いで、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート122.6質量部、テトラヒドロ無水フタル酸76質量部を加え110℃で2.5時間反応させてアクリレート樹脂(2)を得た。このアクリレート樹脂(2)の不揮発分は、65質量%、固形分酸価は、81mgKOH/gであった。
【0217】
(実施例3:アクリレート樹脂(3)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート71.8質量部を入れ、エポキシ樹脂(3)215質量部を溶解し、ジブチルヒドロキシトルエン0.9質量部、メトキノン0.1質量部加えた後、アクリル酸72質量部、トリフェニルホスフィン1.4質量部を添加し、空気を内径0.5mmのステンレス管を用いて0.27l/min液面下より吹込みかつ、不活性ガスを液面上から0.54l/min吹き込み、酸素濃度7質量%とし、単位体積当たりの撹拌動力3kW/m3で撹拌しながら、120℃で12時間エステル化反応を行なった。次いで、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート124.5質量部、テトラヒドロ無水フタル酸77.5質量部を加え110℃で2.5時間反応させてアクリレート樹脂(3)を得た。このアクリレート樹脂(3)の不揮発分は、65質量%、固形分酸価は、82mgKOH/gであった。
【0218】
(実施例4:アクリレート樹脂(4)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート65.5質量部を入れ、エポキシ樹脂(4)190質量部を溶解し、ジブチルヒドロキシトルエン0.8質量部、メトキノン0.1質量部加えた後、アクリル酸72質量部、トリフェニルホスフィン1.3質量部を添加し、空気を内径0.5mmのステンレス管を用いて0.27l/min液面下より吹込みかつ、不活性ガスを液面上から0.54l/min吹き込み、酸素濃度7質量%とし、単位体積当たりの撹拌動力3kW/m3で撹拌しながら、120℃で13時間エステル化反応を行なった。次いで、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート113.2質量部、テトラヒドロ無水フタル酸69.9質量部を加え110℃で2.5時間反応させてアクリレート樹脂(4)を得た。このアクリレート樹脂(4)の不揮発分は、65質量%、固形分酸価は、80mgKOH/gであった。
【0219】
(実施例5:アクリレート樹脂(5)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート73質量部を入れ、エポキシ樹脂(5)220質量部を溶解し、ジブチルヒドロキシトルエン0.9質量部、メトキノン0.1質量部加えた後、アクリル酸72質量部、トリフェニルホスフィン1.5質量部を添加し、空気を内径0.5mmのステンレス管を用いて0.27l/min液面下より吹込みかつ、不活性ガスを液面上から0.54l/min吹き込み、酸素濃度7質量%とし、単位体積当たりの撹拌動力3kW/m3で撹拌しながら、120℃で11時間エステル化反応を行なった。次いで、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート126質量部、テトラヒドロ無水フタル酸77.5質量部を加え110℃で2.5時間反応させてアクリレート樹脂(5)を得た。このアクリレート樹脂(5)の不揮発分は、65質量%、固形分酸価は、80mgKOH/gであった。
【0220】
(実施例6:アクリレート樹脂(6)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート69.5質量部を入れ、エポキシ樹脂(6)206質量部を溶解し、ジブチルヒドロキシトルエン0.8質量部、メトキノン0.1質量部加えた後、アクリル酸72質量部、トリフェニルホスフィン1.4質量部を添加し、空気を内径0.5mmのステンレス管を用いて0.27l/min液面下より吹込みかつ、不活性ガスを液面上から0.54l/min吹き込み、酸素濃度7質量%とし、単位体積当たりの撹拌動力3kW/m3で撹拌しながら、120℃で11時間エステル化反応を行なった。次いで、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート120.3質量部、テトラヒドロ無水フタル酸74.5質量部を加え110℃で2.5時間反応させてアクリレート樹脂(6)を得た。このアクリレート樹脂(6)の不揮発分は、65質量%、固形分酸価は、81mgKOH/gであった。
【0221】
(実施例7:アクリレート樹脂(7)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート67.5質量部を入れ、エポキシ樹脂(8)198質量部を溶解し、ジブチルヒドロキシトルエン0.8質量部、メトキノン0.1質量部加えた後、アクリル酸72質量部、トリフェニルホスフィン1.4質量部を添加し、空気を内径0.5mmのステンレス管を用いて0.27l/min液面下より吹込みかつ、不活性ガスを液面上から0.54l/min吹き込み、酸素濃度7質量%とし、単位体積当たりの撹拌動力3kW/m3で撹拌しながら、120℃で13時間エステル化反応を行なった。次いで、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート117.2質量部、テトラヒドロ無水フタル酸73量部を加え110℃で2.5時間反応させてアクリレート樹脂(7)を得た。このアクリレート樹脂(7)の不揮発分は、65質量%、固形分酸価は、82mgKOH/gであった。
【0222】
(実施例8:アクリレート樹脂(8)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート71.8質量部を入れ、エポキシ樹脂(3)215質量部を溶解し、ジブチルヒドロキシトルエン0.9質量部、メトキノン0.1質量部加えた後、アクリル酸72質量部、トリフェニルホスフィン1.4質量部を添加し、空気を0.27l/min、不活性ガスを0.54l/min液面上から吹き込み、酸素濃度7質量%とし、単位体積当たりの撹拌動力3kW/m3で撹拌しながら、120℃で12時間エステル化反応を行なった。次いで、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート124.5質量部、テトラヒドロ無水フタル酸77.5質量部を加え110℃で2.5時間反応させてアクリレート樹脂(8)を得た。このアクリレート樹脂(8)の不揮発分は、65質量%、固形分酸価は、81mgKOH/gであった。
【0223】
(実施例9:アクリレート樹脂(9)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート71.8質量部を入れ、エポキシ樹脂(3)215質量部を溶解し、ジブチルヒドロキシトルエン0.9質量部、メトキノン0.1質量部加えた後、アクリル酸72質量部、トリフェニルホスフィン1.4質量部を添加し、空気を内径0.5mmのステンレス管を用いて0.27l/min液面下より吹込みかつ、不活性ガスを液面上から0.54l/min吹き込み、酸素濃度7質量%とし、単位体積当たりの撹拌動力0.2kW/m3で撹拌しながら、120℃で12時間エステル化反応を行なった。次いで、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート124.5質量部、テトラヒドロ無水フタル酸77.5質量部を加え110℃で2.5時間反応させてアクリレート樹脂(9)を得た。このアクリレート樹脂(9)の不揮発分は、65質量%、固形分酸価は、81mgKOH/gであった。
【0224】
(実施例10:アクリレート樹脂(10)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート71.8質量部を入れ、エポキシ樹脂(3)215質量部を溶解し、ジブチルヒドロキシトルエン0.9質量部、メトキノン0.1質量部加えた後、アクリル酸72質量部、トリフェニルホスフィン1.4質量部を添加し、空気を内径0.5mmのステンレス管を用いて0.27l/min液面下より吹込みかつ、窒素を液面上から0.54l/min吹き込み、酸素濃度7質量%とし、単位体積当たりの撹拌動力8kW/m3で撹拌しながら、120℃で12時間エステル化反応を行なった。次いで、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート124.5質量部、テトラヒドロ無水フタル酸77.5質量部を加え110℃で2.5時間反応させてアクリレート樹脂(10)を得た。このアクリレート樹脂(10)の不揮発分は、65質量%、固形分酸価は、78mgKOH/gであった。
【0225】
(実施例11:アクリレート樹脂(11)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート71.8質量部を入れ、エポキシ樹脂(3)215質量部を溶解し、ジブチルヒドロキシトルエン0.9質量部、メトキノン0.1質量部加えた後、アクリル酸72質量部、トリフェニルホスフィン1.4質量部を添加し、空気を内径0.5mmのステンレス管を用いて0.27l/min液面下より吹込みかつ、不活性ガスを液面上から0.54l/min吹き込み、酸素濃度7質量%とし、単位体積当たりの撹拌動力0.5kW/m3で撹拌しながら、120℃で12時間エステル化反応を行なった。次いで、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート124.5質量部、テトラヒドロ無水フタル酸77.5質量部を加え110℃で2.5時間反応させてアクリレート樹脂(11)を得た。このアクリレート樹脂(11)の不揮発分は、65質量%、固形分酸価は、80mgKOH/gであった。
【0226】
(実施例12:アクリレート樹脂(12)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート71.8質量部を入れ、エポキシ樹脂(3)215質量部を溶解し、ジブチルヒドロキシトルエン0.9質量部、メトキノン0.1質量部加えた後、アクリル酸72質量部、トリフェニルホスフィン1.4質量部を添加し、空気を内径0.5mmのステンレス管を用いて0.27l/min液面下より吹込みかつ、不活性ガスを液面上から0.54l/min吹き込み、酸素濃度7質量%とし、単位体積当たりの撹拌動力5kW/m3で撹拌しながら、120℃で12時間エステル化反応を行なった。次いで、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート124.5質量部、テトラヒドロ無水フタル酸77.5質量部を加え110℃で2.5時間反応させてアクリレート樹脂(12)を得た。このアクリレート樹脂(12)の不揮発分は、65質量%、固形分酸価は、79mgKOH/gであった。
【0227】
(実施例13:アクリレート樹脂(13)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート71.8質量部を入れ、エポキシ樹脂(3)215質量部を溶解し、ジブチルヒドロキシトルエン0.9質量部、メトキノン0.1質量部加えた後、アクリル酸72質量部、トリフェニルホスフィン1.4質量部を添加し、空気を内径0.5mmのステンレス管を用いて0.09l/min液面下より吹込みかつ、不活性ガスを液面上から0.72l/min吹き込み、酸素濃度2.3質量%とし、単位体積当たりの撹拌動力3kW/m3で撹拌しながら、120℃で12時間エステル化反応を行なった。次いで、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート124.5質量部、テトラヒドロ無水フタル酸77.5質量部を加え110℃で2.5時間反応させてアクリレート樹脂(13)を得た。このアクリレート樹脂(13)の不揮発分は、65質量%、固形分酸価は、80mgKOH/gであった。
【0228】
(実施例14:アクリレート樹脂(14)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート71.8質量部を入れ、エポキシ樹脂(3)215質量部を溶解し、ジブチルヒドロキシトルエン0.9質量部、メトキノン0.1質量部加えた後、アクリル酸72質量部、トリフェニルホスフィン1.4質量部を添加し、空気を内径0.5mmのステンレス管を用いて0.19l/min液面下より吹込みかつ、不活性ガスを液面上から0.62l/min吹き込み、酸素濃度4.9質量%とし、単位体積当たりの撹拌動力3kW/m3で撹拌しながら、120℃で12時間エステル化反応を行なった。次いで、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート124.5質量部、テトラヒドロ無水フタル酸77.5質量部を加え110℃で2.5時間反応させてアクリレート樹脂(14)を得た。このアクリレート樹脂(14)の不揮発分は、65質量%、固形分酸価は、81mgKOH/gであった。
【0229】
(実施例15:アクリレート樹脂(15)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート71.8質量部を入れ、エポキシ樹脂(3)215質量部を溶解し、ジブチルヒドロキシトルエン0.9質量部、メトキノン0.1質量部加えた後、アクリル酸72質量部、トリフェニルホスフィン1.4質量部を添加し、空気を内径0.5mmのステンレス管を用いて0.39l/min液面下より吹込みかつ、不活性ガスを液面上から0.42l/min吹き込み、酸素濃度10.1質量%とし、単位体積当たりの撹拌動力3kW/m3で撹拌しながら、120℃で12時間エステル化反応を行なった。次いで、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート124.5質量部、テトラヒドロ無水フタル酸77.5質量部を加え110℃で2.5時間反応させてアクリレート樹脂(15)を得た。このアクリレート樹脂(15)の不揮発分は、65質量%、固形分酸価は、80mgKOH/gであった。
【0230】
(実施例16:アクリレート樹脂(16)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート71.8質量部を入れ、エポキシ樹脂(3)215質量部を溶解し、ジブチルヒドロキシトルエン0.9質量部、メトキノン0.1質量部加えた後、アクリル酸72質量部、トリフェニルホスフィン1.4質量部を添加し、空気を内径0.5mmのステンレス管を用いて0.45l/min液面下より吹込みかつ、不活性ガスを液面上から0.36l/min吹き込み、酸素濃度11.7質量%とし、単位体積当たりの撹拌動力3kW/m3で撹拌しながら、120℃で12時間エステル化反応を行なった。次いで、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート124.5質量部、テトラヒドロ無水フタル酸77.5質量部を加え110℃で2.5時間反応させてアクリレート樹脂(16)を得た。このアクリレート樹脂(16)の不揮発分は、65質量%、固形分酸価は、81mgKOH/gであった。
【0231】
(実施例17:アクリレート樹脂(17)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート71.8質量部を入れ、エポキシ樹脂(3)215質量部を溶解し、ジブチルヒドロキシトルエン0.9質量部、メトキノン0.1質量部加えた後、アクリル酸72質量部、トリフェニルホスフィン1.4質量部を添加し、空気を内径0.5mmのステンレス管を用いて0.27l/min液面下より吹込みかつ、窒素を液面上から0.54l/min吹き込み、酸素濃度7質量%とし、単位体積当たりの撹拌動力3kW/m3で撹拌しながら、120℃で12時間エステル化反応を行なった。次いで、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート124.5質量部、テトラヒドロ無水フタル酸77.5質量部を加え110℃で2.5時間反応させてアクリレート樹脂(17)を得た。このアクリレート樹脂(17)の不揮発分は、65質量%、固形分酸価は、81mgKOH/gであった。
【0232】
(実施例18:アクリレート樹脂(18)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート71.8質量部を入れ、エポキシ樹脂(3)215質量部を溶解し、ジブチルヒドロキシトルエン0.9質量部、メトキノン0.1質量部加えた後、アクリル酸72質量部、トリフェニルホスフィン1.4質量部を添加し、空気を内径0.5mmのステンレス管を用いて0.27l/min液面下より吹込みかつ、不活性ガスを液面上から0.54l/min吹き込み、酸素濃度7質量%とし、単位体積当たりの撹拌動力3kW/m3で撹拌しながら、120℃で12時間エステル化反応を行なった。次いで、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート125.1質量部、シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸無水物78.5質量部を加え110℃で2.5時間反応させてアクリレート樹脂(18)を得た。このアクリレート樹脂(18)の不揮発分は、65質量%、固形分酸価は、80mgKOH/gであった。
【0233】
(実施例19:アクリレート樹脂(19)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート71.8質量部を入れ、エポキシ樹脂(3)215質量部を溶解し、ジブチルヒドロキシトルエン0.9質量部、メトキノン0.1質量部加えた後、アクリル酸72質量部、トリフェニルホスフィン1.4質量部を添加し、空気を内径0.5mmのステンレス管を用いて0.27l/min液面下より吹込みかつ、不活性ガスを液面上から0.54l/min吹き込み、酸素濃度7質量%とし、単位体積当たりの撹拌動力3kW/m3で撹拌しながら、120℃で12時間エステル化反応を行なった。次いで、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート101.6質量部、無水コハク酸35質量部を加え110℃で2.5時間反応させてアクリレート樹脂(19)を得た。このアクリレート樹脂(19)の不揮発分は、65質量%、固形分酸価は、63mgKOH/gであった。
【0234】
(実施例20:アクリレート樹脂(20)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート71.8質量部を入れ、エポキシ樹脂(3)215質量部を溶解し、ジブチルヒドロキシトルエン0.9質量部、メトキノン0.1質量部加えた後、アクリル酸72質量部、テトラフェニルホスホニウムブロマイド1.4質量部を添加し、空気を内径0.5mmのステンレス管を用いて0.27l/min液面下より吹込みかつ、不活性ガスを液面上から0.54l/min吹き込み、酸素濃度7質量%とし、単位体積当たりの撹拌動力3kW/m3で撹拌しながら、120℃で12時間エステル化反応を行なった。次いで、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート124.5質量部、テトラヒドロ無水フタル酸77.5質量部を加え110℃で2.5時間反応させてアクリレート樹脂(20)を得た。このアクリレート樹脂(20)の不揮発分は、65質量%、固形分酸価は、80mgKOH/gであった。
【0235】
(実施例21:アクリレート樹脂(21)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート71.8質量部を入れ、エポキシ樹脂(3)215質量部を溶解し、ジブチルヒドロキシトルエン0.9質量部、メトキノン0.1質量部加えた後、アクリル酸72質量部、トリエチルアミン1.4質量部を添加し、空気を内径0.5mmのステンレス管を用いて0.27l/min液面下より吹込みかつ、不活性ガスを液面上から0.54l/min吹き込み、酸素濃度7質量%とし、単位体積当たりの撹拌動力3kW/m3で撹拌しながら、120℃で12時間エステル化反応を行なった。次いで、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート124.5質量部、テトラヒドロ無水フタル酸77.5質量部を加え110℃で2.5時間反応させてアクリレート樹脂(21)を得た。このアクリレート樹脂(21)の不揮発分は、65質量%、固形分酸価は、82mgKOH/gであった。
【0236】
(実施例22:アクリレート樹脂(22)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート71.8質量部を入れ、エポキシ樹脂(3)215質量部を溶解し、ジブチルヒドロキシトルエン0.9質量部、メトキノン0.1質量部加えた後、アクリル酸72質量部、トリフェニルホスフィン1.4質量部を添加し、空気を内径0.5mmのステンレス管を用いて0.27l/min液面下より吹込みかつ、不活性ガスを液面上から0.54l/min吹き込み、酸素濃度7質量%とし、単位体積当たりの撹拌動力3kW/m3で撹拌しながら、120℃で12時間エステル化反応を行なった。次いで、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート214.1質量部、テトラヒドロ無水フタル酸136.8質量部を加え110℃で2.5時間反応させた。次いで、グリシジルメタクリレート42.6質量部を加え、110℃で4時間反応させてアクリレート樹脂(22)を得た。このアクリレート樹脂(22)の不揮発分は、62質量%、固形分酸価は、80mgKOH/gであった。
【0237】
(実施例23:アクリレート樹脂(23)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート71.2質量部を入れ、エポキシ樹脂(3)215質量部を溶解し、ジブチルヒドロキシトルエン0.9質量部、メトキノン0.1質量部加えた後、アクリル酸69.8質量部、トリフェニルホスフィン1.4質量部を添加し、空気を内径0.5mmのステンレス管を用いて0.27l/min液面下より吹込みかつ、不活性ガスを液面上から0.54l/min吹き込み、酸素濃度7質量%とし、単位体積当たりの撹拌動力3kW/m3で撹拌しながら、120℃で9時間エステル化反応を行なった。次いで、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート124.7質量部、テトラヒドロ無水フタル酸79質量部を加え110℃で2.5時間反応させてアクリレート樹脂(23)を得た。このアクリレート樹脂(23)の不揮発分は、65質量%、固形分酸価は、79mgKOH/gであった。
【0238】
(実施例24:アクリレート樹脂(24)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート72.3質量部を入れ、エポキシ樹脂(3)215質量部を溶解し、ジブチルヒドロキシトルエン0.9質量部、メトキノン0.1質量部加えた後、アクリル酸74.2質量部、トリフェニルホスフィン1.4質量部を添加し、空気を内径0.5mmのステンレス管を用いて0.27l/min液面下より吹込みかつ、不活性ガスを液面上から0.54l/min吹き込み、酸素濃度7質量%とし、単位体積当たりの撹拌動力3kW/m3で撹拌しながら、120℃で10時間エステル化反応を行なった。次いで、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート124.3質量部、テトラヒドロ無水フタル酸76質量部を加え110℃で2.5時間反応させてアクリレート樹脂(24)を得た。このアクリレート樹脂(24)の不揮発分は、65質量%、固形分酸価は、81mgKOH/gであった。
【0239】
(実施例25:アクリレート樹脂(25)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート69.5質量部を入れ、エポキシ樹脂(6)206質量部を溶解し、ジブチルヒドロキシトルエン0.8質量部、メトキノン0.1質量部加えた後、アクリル酸72質量部、トリフェニルホスフィン1.4質量部を添加し、空気を内径0.5mmのステンレス管を用いて0.27l/min液面下より吹込みかつ、不活性ガスを液面上から0.54l/min吹き込み、酸素濃度7質量%とし、単位体積当たりの撹拌動力3kW/m3で撹拌しながら、120℃で11時間エステル化反応を行なった。次いで、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート110.5質量部、テトラヒドロ無水フタル酸56.2質量部を加え110℃で2.5時間反応させてアクリレート樹脂(25)を得た。このアクリレート樹脂(25)の不揮発分は、65質量%、固形分酸価は、64mgKOH/gであった。
【0240】
(実施例26:アクリレート樹脂(26)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート71.8質量部を入れ、エポキシ樹脂(3)215質量部を溶解し、ジブチルヒドロキシトルエン0.9質量部、メトキノン0.1質量部加えた後、アクリル酸72質量部、トリフェニルホスフィン1.4質量部を添加し、空気を内径0.5mmのステンレス管を用いて0.27l/min液面下より吹込みかつ、不活性ガスを液面上から0.54l/min吹き込み、酸素濃度7質量%とし、単位体積当たりの撹拌動力3kW/m3で撹拌しながら、120℃で12時間エステル化反応を行なった。次いで、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート188質量部、テトラヒドロ無水フタル酸136.8質量部を加え110℃で2.5時間反応させてアクリレート樹脂(26)を得た。このアクリレート樹脂(26)の不揮発分は、62質量%、固形分酸価は、122mgKOH/gであった。
【0241】
(実施例27:メタクリレート樹脂(1)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート75.3質量部を入れ、エポキシ樹脂(3)215質量部を溶解し、ジブチルヒドロキシトルエン0.9質量部、メトキノン0.2質量部加えた後、メタクリル酸86質量部、トリフェニルホスフィン1.5質量部を添加し、空気を内径0.5mmのステンレス管を用いて0.27l/min液面下より吹込みかつ、不活性ガスを液面上から0.54l/min吹き込み、酸素濃度7質量%とし、単位体積当たりの撹拌動力3kW/m3で撹拌しながら、120℃で16時間エステル化反応を行なった。次いで、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート130.2質量部、テトラヒドロ無水フタル酸80.6質量部を加え110℃で2.5時間反応させてメタクリレート樹脂(1)を得た。このメタクリレート樹脂(1)の不揮発分は、65質量%、固形分酸価は、80mgKOH/gであった。
【0242】
(比較例1:アクリレート樹脂(C1)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート71.3質量部を入れ、エポキシ樹脂(7)213質量部を溶解し、ジブチルヒドロキシトルエン0.9質量部、メトキノン0.1質量部加えた後、アクリル酸72質量部、トリフェニルホスフィン1.4質量部を添加し、空気を内径0.5mmのステンレス管を用いて0.27l/min液面下より吹込みかつ、不活性ガスを液面上から0.54l/min吹き込み、酸素濃度7質量%とし、単位体積当たりの撹拌動力3kW/m3で撹拌しながら、120℃で12時間エステル化反応を行なった。次いで、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート123.1質量部、テトラヒドロ無水フタル酸76質量部を加え110℃で2.5時間反応させてアクリレート樹脂(C1)を得た。このアクリレート樹脂(C1)の不揮発分は、65質量%、固形分酸価は、80mgKOH/gであった。
【0243】
(比較例2:アクリレート樹脂(C2)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート73質量部を入れ、エポキシ樹脂(9)220質量部を溶解し、ジブチルヒドロキシトルエン0.9質量部、メトキノン0.1質量部加えた後、アクリル酸72質量部、トリフェニルホスフィン1.4質量部を添加し、空気を内径0.5mmのステンレス管を用いて0.27l/min液面下より吹込みかつ、不活性ガスを液面上から0.54l/min吹き込み、酸素濃度7質量%とし、単位体積当たりの撹拌動力3kW/m3で撹拌しながら、120℃で13時間エステル化反応を行なった。次いで、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート126質量部、テトラヒドロ無水フタル酸77.5質量部を加え110℃で2.5時間反応させてアクリレート樹脂(C2)を得た。このアクリレート樹脂(C2)の不揮発分は、65質量%、固形分酸価は、81mgKOH/gであった。
【0244】
(比較例3:アクリレート樹脂(C3)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート71.8質量部を入れ、エポキシ樹脂(3)215質量部を溶解し、ジブチルヒドロキシトルエン0.9質量部、メトキノン0.1質量部加えた後、アクリル酸72質量部、トリフェニルホスフィン1.4質量部を添加し、空気を内径0.5mmのステンレス管を用いて0.07l/min液面下より吹込みかつ、不活性ガスを液面上から0.74l/min吹き込み、酸素濃度7質量%とし、単位体積当たりの撹拌動力3kW/m3で撹拌しながら、120℃で12時間エステル化反応を行なった。次いで、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート124.5質量部、テトラヒドロ無水フタル酸77.5質量部を加え110℃で反応させたところ、途中でゲル化する結果であった。
【0245】
(比較例4:アクリレート樹脂(C4)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート71.8質量部を入れ、エポキシ樹脂(3)215質量部を溶解し、ジブチルヒドロキシトルエン0.9質量部、メトキノン0.1質量部加えた後、アクリル酸72質量部、トリフェニルホスフィン1.4質量部を添加し、空気を内径0.5mmのステンレス管を用いて0.27l/min液面下より吹込みかつ、不活性ガスを液面上から0.54l/min吹き込み、酸素濃度7質量%とし、単位体積当たりの撹拌動力0.15kW/m3で撹拌しながら、120℃で12時間エステル化反応を行なった。次いで、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート124.5質量部、テトラヒドロ無水フタル酸77.5質量部を加え110℃で反応させたところ、途中でゲル化する結果であった。
【0246】
(比較例5:アクリレート樹脂(C5)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート71.3質量部を入れ、エポキシ樹脂(7)213質量部を溶解し、ジブチルヒドロキシトルエン0.9質量部、メトキノン0.1質量部加えた後、アクリル酸72質量部、トリフェニルホスフィン1.4質量部を添加し、空気を内径0.5mmのステンレス管を用いて0.27l/min液面下より吹込みかつ、不活性ガスを液面上から0.54l/min吹き込み、酸素濃度7質量%とし、単位体積当たりの撹拌動力8.2kW/m3で撹拌しながら、120℃で12時間エステル化反応を行なった。次いで、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート123.1質量部、テトラヒドロ無水フタル酸76質量部を加え110℃で2.5時間反応させてアクリレート樹脂(C5)を得た。このアクリレート樹脂(C5)の不揮発分は、65質量%、固形分酸価は、77mgKOH/gであった。
【0247】
(実施例28:硬化性樹脂組成物(1)の調製)
実施例1で得たアクリレート樹脂(1)と、硬化剤としてオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製「EPICLON N-680」)と、有機溶剤としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレートと、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートと、光重合開始剤(IGM社製「Omnirad 907」)と、2-エチル-4-メチルイミダゾールと、フタロシアニングリーンとを表2に示す質量部で配合し、ロールミルにより混錬して硬化性樹脂組成物(1)を得た。
【0248】
(実施例29~54:硬化性樹脂組成物(2)~(27)の調製)
表2~表4に示す組成及び配合で実施例28と同様の方法にて、硬化性樹脂組成物(2)~(27)を得た。
【0249】
(比較例6~8:硬化性樹脂組成物(R1)~(R3)の調製)
表4に示す組成及び配合で実施例28と同様の方法にて、硬化性樹脂組成物(R1)~(R3)を得た。
【0250】
上記の実施例及び比較例で得られた硬化性樹脂組成物(1)~(27)、及び(R1)~(R3)を用いて、下記の評価を行った。
【0251】
[光感度の評価方法]
各実施例及び比較例で得られた硬化性樹脂組成物を、アプリケーターを用いてガラス基材上に膜厚50μmとなるように塗布した後、80℃でそれぞれ30分間乾燥させた。次いで、コダック社製のステップタブレットNo.2を介し、メタルハライドランプを用いて10kJ/m2の紫外線を照射した。これを1質量%の炭酸ナトリウム水溶液で180秒現像し、残存した段数に従い評価した。なお、残存段数が多いほど光感度が高い。
【0252】
[アルカリ現像性の評価方法]
各実施例及び比較例で得られた硬化性樹脂組成物を、アプリケーターを用いてガラス基材上に膜厚50μmとなるように塗布した後、80℃でそれぞれ40分間、50分間、60分間、70分間、80分間乾燥させ、乾燥時間が異なるサンプルを作成した。これらを1%炭酸ナトリウム水溶液で30℃180秒間現像し、基板上に残渣が残らなかったサンプルの80℃での乾燥時間を乾燥管理幅として評価した。なお、乾燥管理幅が長いほどアルカリ現像性が優れていることを示す。
【0253】
上記の実施例及び比較例で得られた硬化性樹脂組成物(1)~(27)、及び(R1)~(R3)の組成及び評価結果を表2~表4に示す。
【0254】
【0255】
【0256】
【0257】
(実施例55:硬化性樹脂組成物(28)の調製)
実施例1で得たアクリレート樹脂(1)と、硬化剤としてオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製「EPICLON N-680」)、光重合開始剤として2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン(IGM Resins社製「Omnirad 907」)、有機溶剤としてジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートを表5に示す質量部で配合して、硬化性樹脂組成物(28)を得た。
【0258】
(実施例56~81:硬化性樹脂組成物(28)~(54)の調製)
表5~表7に示す組成及び配合で実施例55と同様の方法にて、硬化性樹脂組成物(28)~(54)を得た。
【0259】
(比較例9~11:硬化性樹脂組成物(R4)~(R6)の調製)
表7に示す組成及び配合で実施例55と同様の方法にて、硬化性樹脂組成物(R4)~(R6)を得た。
【0260】
上記の実施例及び比較例で得られた硬化性樹脂組成物(28)~(54)及び(R4)~(R6)を用いて、下記の評価を行った。
【0261】
[弾性率の測定方法]
弾性率の測定は、引張試験に基づいて行った。
<試験片1の作製>
銅箔(古河産業株式会社製、電解銅箔「F2-WS」18μm)上に実施例及び比較例で得られた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を50μmのアプリケーターで塗布し、メタルハライドランプを用いて10kJ/m2の紫外線を照射した後、160℃で1時間加熱した。銅箔から硬化物を剥離し、試験片1(硬化物)を得た。
【0262】
<引張試験>
前記試験片1を10mm×80mmの大きさに切り出し、株式会社島津製作所製精密万能試験機オートグラフ「AG-IS」を用いて、下記の測定条件で試験片1の引張試験を行った。試験片が破断するまでの弾性率(MPa)を測定した。
【0263】
測定条件:温度23℃、湿度50%、標線間距離20mm、支点間距離20mm、引張速度10mm/分
【0264】
[耐熱性の評価方法]
各実施例及び比較例で得られた硬化性樹脂組成物を、アプリケーターを用いてガラス基材上に膜厚50μmとなるように塗布し、80℃で30分乾燥させた。次いで、メタルハライドランプを用いて1000mJ/cm2の紫外線を照射した後、160℃で1時間加熱して、硬化塗膜を得た。次いで、前記硬化塗膜をガラス基材から剥離し、硬化物を得た。前記硬化物から6mm×35mmの試験片を切り出し、粘弾性測定装置(DMA:レオメトリック社製固体粘弾性測定装置「RSAII」、引張り法:周波数1Hz、昇温速度3℃/分)を用いて、弾性率変化が最大となる温度をガラス転移温度として評価した。なお、ガラス転移温度が高いほど耐熱性に優れていることを示す。
【0265】
[基材密着性の評価方法]
基材密着性の評価は、ピール強度の測定により行った。
<試験片2の作製>
銅箔(古河産業株式会社製、電解銅箔「F2-WS」18μm)上に実施例及び比較例で得られた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を50μmのアプリケーターで塗布し、メタルハライドランプを用いて10kJ/m2の紫外線を照射した後、160℃で1時間加熱し、試験片2を得た。
【0266】
<ピール強度の測定方法>
前記試験片2を幅1cm、長さ12cmの大きさに切り出し、剥離試験機(株式会社A&D製「A&Dテンシロン」、剥離速度50mm/分)を用いて90°ピール強度を測定した。
【0267】
[絶縁信頼性の評価方法]
各実施例及び比較例で得られた硬化性樹脂組成物を、クシ型電極基板(ラインアンドスペースは100μm/100μm)上に以下の条件にて、硬化物を作製した。硬化性樹脂組成物を塗布し、80℃で30分乾燥させた。メタルハライドランプを用いて10kJ/m2の紫外線を照射し、160℃で1時間後硬化し、硬化膜を作製した。前記硬化膜を温度120℃、湿度85%に設定した恒温恒湿槽器内に入れ、DC100Vのバイアス電圧を印加し、100時間後のマイグレーションの有無を目視にて下記の評価基準で評価した。
【0268】
○:全く変化なし。
△:わずかな変化が観察される
×:マイグレーションが発生する。
【0269】
実施例55~81で作製した硬化性樹脂組成物(28)~(54)、及び比較例9~11で作製した硬化性樹脂組成物(R4)~(R6)の組成及び評価結果を表5~表7に示す。
【0270】
【0271】
【0272】
【0273】
なお、表2~7におけるアクリレート樹脂、及びメタクリレート樹脂の質量部の記載は、固形分値である。
【0274】
表2~7中の「硬化剤」は、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製「EPICLON N-680」)を示す。
【0275】
表2~7中の「有機溶剤」は、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートを示す。
【0276】
表2~7中の「光重合開始剤」は、IGM Resins社製「Omnirad-907」を示す。
【0277】
表2~表4に示した実施例28~54は、本発明の(メタ)アクリレート樹脂の製造方法で製造した(メタ)アクリレート樹脂を用いた硬化性樹脂組成物の例である。これらの硬化性樹脂組成物は、高い光感度及び優れたアルカリ現像性を有することが確認できた。
【0278】
また、表5~表7に示した実施例55~81は、本発明の(メタ)アクリレート樹脂の製造方法で製造した(メタ)アクリレート樹脂を用いた硬化性樹脂組成物の例である。これらの硬化性樹脂組成物の硬化物は、優れた耐熱性、基材密着性及び絶縁信頼性を有することが確認できた。
【0279】
一方、比較例6は、本発明の範囲外の全塩素量を有するエポキシ樹脂を原料として用いたアクリレート樹脂を用いた硬化性樹脂組成物の例であるが、これらの硬化性樹脂組成物は、光感度に劣ることが確認できた。また、このアクリレート樹脂を用いた硬化性樹脂組成物の硬化物(比較例9)は、基材密着性及び絶縁信頼性において不十分であることが確認できた。
【0280】
比較例7は、本発明の範囲外のα-グリコール量を有するエポキシ樹脂を原料として用いたアクリレート樹脂を用いた硬化性樹脂組成物の例であるが、これらの硬化性樹脂組成物は、光感度に劣ることが確認できた。また、このアクリレート樹脂を用いた硬化性樹脂組成物の硬化物(比較例10)は、基材密着性において不十分であることが確認できた。
【0281】
比較例8は、単位体積当たりの撹拌動力が本発明で規定する撹拌動力の範囲外(8.2kW/m3)としたアクリレート樹脂を用いた硬化性樹脂組成物の例であるが、アクリレート樹脂を用いた硬化性樹脂組成物の例であるが、これらの硬化性樹脂組成物は、光感度及びアルカリ現像性が著しく不十分であることが確認できた。
【0282】
比較例4は、単位体積当たりの撹拌動力が本発明で規定する撹拌動力の範囲外(8.5kW/m3)としたアクリレート樹脂の例であるが、ゲル化により製造不可であることが確認できた。
【要約】
本発明は、優れたアルカリ現像性及び高い光感度を有し、硬化物における優れた耐熱性、基材密着性及び絶縁信頼性を兼備する(メタ)アクリレート樹脂の製造方法、これを含有する硬化性樹脂組成物の製造方法、前記硬化性樹脂組成物からなる硬化物の製造方法、絶縁材料及びレジスト部材の製造方法を提供することである。特定の物性値を有するエポキシ樹脂を原料として用い、当該エポキシ樹脂と、不飽和一塩基酸とを含む原料を、塩基性触媒の存在下、特定の気体の雰囲気下、反応系内の酸素濃度が特定の範囲となるよう、また、単位体積当たりの撹拌動力が特定の範囲となるように撹拌しながら反応させる(メタ)アクリレート樹脂の製造方法によって得られた(メタ)アクリレート樹脂は、優れたアルカリ現像性及び高い光感度を有し、硬化物における優れた基材密着性及び絶縁信頼性を兼備することから、絶縁材料及びレジスト部材に好適に用いることができる。