(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】コンテナ用袋体及びコンテナ
(51)【国際特許分類】
B65D 90/04 20060101AFI20231108BHJP
B65D 88/22 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
B65D90/04 G
B65D88/22 A
(21)【出願番号】P 2019222145
(22)【出願日】2019-12-09
【審査請求日】2022-10-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000224101
【氏名又は名称】藤森工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100155066
【氏名又は名称】貞廣 知行
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 信吾
(72)【発明者】
【氏名】矢野 貴之
【審査官】田中 一正
(56)【参考文献】
【文献】実開平03-045896(JP,U)
【文献】特開2009-062090(JP,A)
【文献】特開2011-006149(JP,A)
【文献】特開2001-180788(JP,A)
【文献】特開2014-061937(JP,A)
【文献】特開2001-233395(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 90/04
B65D 88/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナ本体とホッパー部とを有し、前記ホッパー部は、前記コンテナ本体から下方に向かって断面積が縮小するテーパ部と、前記テーパ部の下端において、断面積が高さ方向に略一定である筒状部とを有したコンテナ用の袋体において、
前記袋体は、
内容物が収容される空間を囲む筒状の収容部と、
前記収容部の上部において、内容物が供給される筒状の第1開口部と、
前記収容部の下部において、内容物が取り出される筒状の
第2開口筒部の先端に形成される第2開口部と、
前記収容部と前記第2開口部との間において、前記収容部の下端から前記第2開口部に向かう方向で徐々に断面積が縮小する筒状の下側テーパ状筒部と、
を有し、
前記第2開口筒部の外面は、前記コンテナの筒状部の形状に適合するようになっており、かつ、前記下側テーパ状筒部の外面は、前記コンテナのテーパ部の形状に適合するようになっており、
前記第1開口部から前記収容部を経て前記第2開口部までが、一連のフィルムから構成されていることを特徴とする
、コンテナ用袋体。
【請求項2】
前記収容部と前記第1開口部との間において、前記収容部の上端から前記第1開口部に向かう方向で徐々に断面積が縮小する筒状の上側テーパ状筒部を有することを特徴とする請求項1に記載のコンテナ用袋体。
【請求項3】
前記収容部がN個の側面を有する角筒状であり、
前記収容部の上端から前記第1開口部まで、及び、前記収容部の下端から前記第2開口部までの間が、前記N個の側面を有する角筒状であり、
前記N個の側面のうち、前記第1開口部から前記収容部を経て前記第2開口部まで、上下方向に隣接した側面の間は、一連のフィルムから連続して構成され、
前記N個の側面のうち、周方向に隣接した側面の間には、異なるフィルムを接合したシール部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンテナ用袋体。
【請求項4】
前記第1開口部はコンテナの上端開口部に固定する手段を有し、又は、前記第2開口部はコンテナの下端開口部に固定する手段を有することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のコンテナ用袋体。
【請求項5】
前記収容部の外周には、コンテナの内面に係合する係合部を有することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のコンテナ用袋体。
【請求項6】
前記係合部は、コンテナ側の上下方向に延在する溝部に挿入可能な、上下方向に延在したシール部からなることを特徴とする請求項5に記載のコンテナ用袋体。
【請求項7】
前記係合部は、コンテナ側の上下方向に延在する棒状部材を挿通可能な筒状の挿通部と、前記収容部との間をシール部により区画してなることを特徴とする請求項5に記載のコンテナ用袋体。
【請求項8】
前記係合部は、コンテナ側のフックを挿入可能な、上下方向に延在したシール部に形成した貫通孔からなることを特徴とする請求項5に記載のコンテナ用袋体。
【請求項9】
前記第1開口部又は前記第2開口部に逆止弁を有することを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載のコンテナ用袋体。
【請求項10】
前記第1開口部又は前記第2開口部に、前記一連のフィルムから延出して構成された蓋片を有することを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載のコンテナ用袋体。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載のコンテナ用袋体が装着されたコンテナであって、前記コンテナ用袋体の少なくとも前記収容部を囲む
前記コンテナ本体
と、前記コンテナ本体の下部に、前記第2開口部が保持される前記ホッパー部とを有することを特徴とする
、コンテナ。
【請求項12】
前記コンテナの上部には、前記第1開口部が保持される上部開口部を有することを特徴とする請求項
11に記載のコンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤等の供給に使用可能なコンテナ用袋体及びコンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医薬品等の製造工程において、薬剤等の原材料、中間製品等の保管、移動、供給等の目的で、下部に取出し口が設けられたフロービン等のコンテナが用いられている。コンテナは長期間にわたって使用されるため、ステンレスなどの金属製容器が広く使用されている。コンテナの下部から内容物の全量を取り出した後で、コンテナに新しい内容物を供給する場合は、残留物による汚染を防止するため、コンテナの内部が洗浄される。
【0003】
特許文献1には、フロービン等のコンテナを洗浄する場合に、蓋等の取外し、高圧空気による乾式洗浄、洗浄水による湿式洗浄、熱風による乾燥・冷却、蓋等の取付けを順次構成する洗浄装置が記載されている。
特許文献2には、薬剤の供給に用いられるホッパーを、シリコーンゴム等のフレキシブルな弾性材料から一体に成形し、薬剤を変更する場合にはホッパーを振動させて、残留した古い薬剤を振るい落とすことが可能な薬剤供給装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平11-47710号公報
【文献】特開2012-51630号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
金属製のコンテナを洗浄する場合は、高純度の洗浄水を大量に使用する必要があり、洗浄後はコンテナ内部の乾燥にも時間がかかる。所定の洗浄工程を実施した後でコンテナを点検したときに汚染の残留が発見された場合は、改めて洗浄工程を繰り返す必要があることから、コストが高い。また、コンテナに供給される薬剤の種類によっては、薬剤との摩擦等により、コンテナ内面のコーティング剤が摩耗するおそれがある。
【0006】
特許文献2に記載のホッパーは、上下寸法が10~20cm程度と小型である。一体成形による製造方法の制約から、コンテナに適用できる程度の大型化は困難である。また、シリコーンゴムを用いる場合は材料が高価であるため、ホッパーを繰り返し使用する目的が想定される。特許文献2には、ホッパーをシングルユース(使い捨て)にする発想は見られない。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、取出し口が設けられた大型のコンテナにも適用が容易なコンテナ用袋体及びコンテナを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明は、内容物が収容される空間を囲む筒状の収容部と、前記収容部の上部において、内容物が供給される筒状の第1開口部と、前記収容部の下部において、内容物が取り出される筒状の第2開口部と、前記収容部と前記第2開口部との間において、前記収容部の下端から前記第2開口部に向かう方向で徐々に断面積が縮小する筒状の下側テーパ状筒部と、を有し、前記第1開口部から前記収容部を経て前記第2開口部までが、一連のフィルムから構成されていることを特徴とするコンテナ用袋体を提供する。
前記収容部と前記第1開口部との間において、前記収容部の上端から前記第1開口部に向かう方向で徐々に断面積が縮小する筒状の上側テーパ状筒部を有する構成でもよい。
【0009】
前記収容部がN個の側面を有する角筒状であり、前記収容部の上端から前記第1開口部まで、及び、前記収容部の下端から前記第2開口部までの間が、前記N個の側面を有する角筒状であり、前記N個の側面のうち、前記第1開口部から前記収容部を経て前記第2開口部まで、上下方向に隣接した側面の間は、一連のフィルムから連続して構成され、前記N個の側面のうち、周方向に隣接した側面の間には、異なるフィルムを接合したシール部が形成されている構成でもよい。
【0010】
前記第1開口部はコンテナの上端開口部に固定する手段を有し、又は、前記第2開口部はコンテナの下端開口部に固定する手段を有する構成でもよい。
前記収容部の外周には、コンテナの内面に係合する係合部を有する構成でもよい。
【0011】
前記係合部は、コンテナ側の上下方向に延在する溝部に挿入可能な、上下方向に延在したシール部からなる構成でもよい。
前記係合部は、コンテナ側の上下方向に延在する棒状部材を挿通可能な筒状の挿通部と、前記収容部との間をシール部により区画してなる構成でもよい。
前記係合部は、コンテナ側のフックを挿入可能な、上下方向に延在したシール部に形成した貫通孔からなる構成でもよい。
【0012】
前記第1開口部又は前記第2開口部に逆止弁を有する構成でもよい。
前記第1開口部又は前記第2開口部に、前記一連のフィルムから延出して構成された蓋片を有する構成でもよい。
【0013】
また、本発明は、前記コンテナ用袋体が装着されたコンテナであって、前記コンテナ用袋体の少なくとも前記収容部を囲むコンテナ本体を有することを特徴とするコンテナを提供する。
【0014】
前記コンテナ本体の下部に、前記第2開口部が保持されるホッパー部を有する構成でもよい。
前記コンテナの上部には、前記第1開口部が保持される上部開口部を有する構成でもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明のコンテナ用袋体は、一連のフィルムから連続して構成されているので、取出し口が設けられた大型のコンテナにも適用が容易である。コンテナに直接に内容物を投入する場合に比べて、内容物の崩れや割れが防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】第1実施形態のコンテナ用袋体及びコンテナを示す分解斜視図である。
【
図2】第1実施形態のコンテナ用袋体及びコンテナを示す横断面図である。
【
図3】第2実施形態のコンテナ用袋体及びコンテナを示す分解斜視図である。
【
図4】第2実施形態のコンテナ用袋体及びコンテナを示す部分横断面図である。
【
図5】第2実施形態のコンテナ用袋体を示す縦断面図である。
【
図6】(a)~(b)に蓋片付きのコンテナ用袋体を例示する部分断面図である。
【
図7】逆止弁付きのコンテナ用袋体を例示する部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、好適な実施形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
【0018】
図1に、第1実施形態のコンテナ用袋体及びコンテナの分解斜視図を示す。コンテナ用袋体10は、内容物が収容される空間を囲む筒状の収容部11と、収容部11の上部において、内容物が供給される筒状の第1開口筒部12と、収容部11の下部において、内容物が取り出される筒状の第2開口筒部14とを有する。第1開口筒部12が収容部11から上方に突出する方向における第1開口筒部12の先端には、第1開口部12aが形成されている。第2開口筒部14が収容部11から下方に突出する方向における第2開口筒部14の先端には、第2開口部14aが形成されている。
【0019】
ここで、上部、下部、上方、下方等という場合の上下方向は、コンテナ用袋体10をコンテナ20に装着したときの上下方向を基準とする。また、コンテナ用袋体10の各部における断面積とは、上下方向に垂直な面に平行な断面積であり、例えば水平方向に沿った断面積である。上下方向は、重力に沿った鉛直方向であってもよい。重力に従った内容物の供給、取出しの方向として、上下方向が、鉛直方向から傾斜していてもよい。また、上下方向を軸とする形状の周囲における周方向を、単に周方向という場合がある。
【0020】
コンテナ用袋体10は、樹脂フィルム、樹脂層を含む積層フィルム等のフィルムから構成することができる。コンテナ用袋体10を構成するフィルムは、1の樹脂層からなる単層フィルムでもよく、2以上の複層を含む多層フィルムでもよい。単層フィルムとしては、熱可塑性樹脂等のシーラント樹脂からなるフィルムが用いられる。多層フィルムとしては、熱可塑性樹脂等をシーラント層とし、これに基材層として、シーラント層とは異なる樹脂等を積層したものが挙げられる。
【0021】
前記フィルムのシーラント層を構成する熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン(PE)や無延伸ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂、シクロオレフィンポリマー(COP)やシクロオレフィンコポリマー(COC)等の環状ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル等の変性樹脂等の1種以上が挙げられる。シーラント層は、フィルムの少なくとも片面に設けられることが好ましい。これにより、シーラント層どうしを対向させてフィルムを接合することができる。前記フィルムのシールによる接合方法は特に限定されないが、例えばヒートシール(熱シール)、超音波シール、高周波シール、インパルスシール等が挙げられる。
【0022】
前記フィルムの基材層を構成する樹脂等としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル樹脂、ナイロン(Ny)等のポリアミド樹脂、ポリプロピレン(PP)、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)等の1種以上が挙げられる。積層フィルムの各層を積層する方法としては、特に限定されないが、ドライラミネート法、押出ラミネート法、共押出法等が挙げられる。前記フィルムのシーラント層と基材層の間には、両者を接着するため、接着剤、接着性樹脂、アンカー剤等からなる接着層を設けてもよい。
【0023】
前記フィルムには、酸素や水蒸気等のガスを遮断するためのガスバリア層として、例えばアルミニウムなどの金属蒸着層、酸化ケイ素や酸化アルミニウム等の無機化合物蒸着層、EVOHや塩化ビニリデン(PVDC)等のガスバリア性樹脂層、アルミニウム箔等の金属箔、クラフト紙等の1種以上を組み合わせてもよい。樹脂層と樹脂以外の材料層を含む複合フィルムにおいて、樹脂以外の材料としては、金属、紙、不織布、ゴム等が挙げられる。紙などの繊維質材料を用いる場合は、長繊維、含浸樹脂などを用いて発塵を抑制することが好ましい。
【0024】
コンテナ用袋体10を構成するフィルムは、帯電防止性フィルムであることが好ましい。これにより、内容物が粉体等であるとき、または内容物の粒体等が粉体を生じるときに、粉体等が静電気によりフィルムに付着することを抑制することができる。帯電防止性フィルムは、前記フィルムの少なくとも1層に帯電防止剤を練り込む構成、前記フィルムの少なくとも1つの外表面に帯電防止剤を塗布する構成、界面活性剤と同様な官能基を有するモノマーを共重合した高分子型帯電防止剤を前記フィルムの少なくとも一部に用いる構成などが挙げられる。
【0025】
前記フィルムにおいて、帯電防止剤として用いられる界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤の少なくとも1種が挙げられる。また、界面活性剤以外の帯電防止剤としては、金属粒子、カーボン粒子、イオン性化合物等の導電材料が挙げられる。イオン性化合物は、有機カチオンと有機アニオンとの組み合わせ、有機カチオンと無機アニオンとの組み合わせ、無機カチオンと有機アニオンとの組み合わせ、無機カチオンと無機アニオンとの組み合わせのいずれでもよい。常温で固体のイオン性化合物でもよく、イオン性液体のように常温で液体のイオン性化合物でもよい。
【0026】
コンテナ用袋体10を構成するフィルムは、遮光性フィルムであってもよい。これにより、内容物に対する外部光線の影響を抑制することができる。遮光性フィルムは、前記フィルムの少なくとも1層に遮光剤を練り込む構成、前記フィルムの少なくとも1つの外表面に遮光剤を塗布する構成、金属層等からなる光線反射層を前記フィルムに積層する構成などが挙げられる。遮光剤としては、顔料、染料等の着色剤が挙げられる。内容物が紫外線又は赤外線の作用を受ける場合は、遮光剤の少なくとも一部として、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤などを用いてもよい。光線反射層としては、アルミニウム等の金属箔、金属蒸着層などの金属層が挙げられる。
【0027】
コンテナ用袋体10を構成するフィルムの厚さは、フィルムがフレキシブルで、コンテナ用袋体10の取り扱い性、耐久性を確保できれば特に限定されないが、例えば、50~1000μm程度が挙げられる。コンテナ用袋体10の容量が小さいときはフィルムの厚さをより薄くし、コンテナ用袋体10の容量が大きいときはフィルムの厚さをより厚くしてもよい。
【0028】
コンテナ用袋体10の内容物は、特に限定されないが、医薬品、食品、調味料、添加物、薬剤、工業製品などが挙げられる。内容物の状態は、粉体、粒体等の流動物が好ましい。内容物が不定形の粉体又は粒体でもよく、錠剤のように成形、造粒された粒体でもよい。コンテナ用袋体10の容量は、特に限定されないが、数L程度、数十L程度、数百L程度、あるいは数kL程度の大型容器に適用することも可能である。コンテナ用袋体10の容量の具体例としては、50L、100L、200L、500L、1000L、2000L等が挙げられる。
【0029】
コンテナ用袋体10は、収容部11と第2開口部14aとの間において、収容部11の下端11bから第2開口部14aに向かう方向で徐々に断面積が縮小する筒状の下側テーパ状筒部15を有する。第2開口筒部14の断面積は、上下方向にわたって、略一定であってもよい。第2開口筒部14が、下側テーパ状筒部15よりもテーパ比が小さいテーパを有してもよい。
【0030】
コンテナ用袋体10が装着されるコンテナ20は、コンテナ用袋体10の少なくとも収容部11を囲むコンテナ本体21を有する。コンテナ20は、コンテナ本体21の下部に、コンテナ用袋体10の第2開口部14aが保持されるホッパー部24を有する。ホッパー部24は、コンテナ本体21から下方に向かって断面積が縮小するテーパ部24bと、テーパ部24bの下端において、断面積が高さ方向に略一定である筒状部24aとを有する。
【0031】
コンテナ用袋体10の第2開口筒部14は、ホッパー部24の筒状部24aに装着可能である。また、コンテナ用袋体10の下側テーパ状筒部15は、ホッパー部24のテーパ部24bに装着可能である。コンテナ用袋体10の第2開口筒部14及び下側テーパ状筒部15の外面は、それぞれホッパー部24の筒状部24a及びテーパ部24bの形状に適合するようになっている。これにより、コンテナ用袋体10の収容部11に収容された内容物を第2開口部14aから取り出すとき、下側テーパ状筒部15及び第2開口筒部14に形状に従って、内容物を円滑に取り出すことができる。
【0032】
コンテナ用袋体10の第2開口部14aは、ホッパー部24に保持されている。例えば、第2開口部14aがホッパー部24の下方に配置されるように、コンテナ用袋体10の第2開口筒部14を垂れ下げてもよい。または、第2開口筒部14のうち第2開口部14aの近傍をホッパー部24の筒状部24a等の外側に折り返して、第2開口筒部14の外面をホッパー部24の外面に密着させてもよい。
【0033】
第2開口筒部14をホッパー部24に固定する手段としては、特に限定されないが、粘着テープ等の接着部材、磁石等の磁着部材、クリップ等の挟持部材、輪ゴム等の弾性部材などが挙げられる。コンテナ用袋体10は、第2開口筒部14をホッパー部24に固定する手段を、第2開口部14aに付属させてもよい。
【0034】
コンテナ20は、コンテナ本体21の上部に上面板22を有する。上面板22は、コンテナ本体21の上部に装着される本体部22aと、本体部22aの中央部に上部開口部23を開口したリング部22bとを有する。上面板22の本体部22aは、コンテナ本体21の上部に開口した上部開口部21aに装着される。上面板22は、コンテナ本体21の上部に対して着脱可能でもよく、溶接、ネジ止め等でコンテナ本体21に固定されてもよい。
【0035】
コンテナ用袋体10の第1開口部12aは、上面板22の上部開口部23に保持されている。例えば、第1開口筒部12のうち第1開口部12aの近傍を上面板22のリング部22b等の外側に折り返して、第1開口筒部12の外面を上面板22の外面に密着させてもよい。第1開口筒部12を上面板22に固定する手段としては、特に限定されないが、上述した、第2開口筒部14をホッパー部24に固定する手段と同様な構成の中から選択してもよい。コンテナ用袋体10は、第1開口筒部12を上面板22に固定する手段を、第1開口部12aに付属させてもよい。
【0036】
上面板22のリング部22bには、上部開口部23を閉鎖する蓋部材25を装着してもよい。コンテナ用袋体10の第1開口筒部12を上面板22のリング部22bに装着する場合は、上面板22と蓋部材25との間に、第1開口筒部12を挟み込んでもよい。蓋部材25は、コンテナ20に固定されることが好ましい。
【0037】
コンテナ用袋体10は、収容部11と第1開口部12aとの間において、収容部11の上端11aから第1開口部12aに向かう方向で徐々に断面積が縮小する筒状の上側テーパ状筒部13を有する。第1開口筒部12の断面積は、上下方向にわたって、略一定であってもよい。第1開口筒部12が、上側テーパ状筒部13よりもテーパ比が小さいテーパを有してもよい。
【0038】
コンテナ用袋体10が上側テーパ状筒部13を有することにより、第1開口筒部12の断面積が収容部11の断面積より小さくても、第1開口部12aを適切な高さに固定して、第1開口筒部12と収容部11との間を連結する部分となる上側テーパ状筒部13に引張り張力を付与することができる。これにより、上側テーパ状筒部13の弛みを低減して、第1開口筒部12を通して投入された内容物が、上側テーパ状筒部13の内面に付着することを抑制することができる。なお、コンテナ用袋体10において、第1開口筒部12と収容部11との間を連結する部分を略水平面にすることも可能である。この場合は、この略水平の連結部分が内容物に接触しにくいよう、収容部11に収容される内容物上のヘッドスペースを広く確保することが好ましい。
【0039】
また、上側テーパ状筒部13を省略して、第1開口部12aの断面積が収容部11の断面積と略同一であるコンテナ用袋体10を構成することも可能である。この場合は、第1開口部12aを、コンテナ本体21の上部開口部21aに保持してもよい。例えば、第1開口筒部12のうち第1開口部12aの近傍をコンテナ本体21の外側に折り返して、第1開口筒部12の外面をコンテナ本体21の外面に密着させてもよい。第1開口筒部12をコンテナ本体21に固定する手段としては、特に限定されないが、上述した、第2開口筒部14をホッパー部24に固定する手段と同様な構成の中から選択してもよい。コンテナ用袋体10は、第1開口筒部12をコンテナ本体21に固定する手段を、第1開口部12aに付属させてもよい。
【0040】
収容部11の断面積は、上下方向にわたって、略一定であってもよい。収容部11が、下側テーパ状筒部15よりもテーパ比が小さい、下向きに断面積が縮小するテーパを有してもよい。収容部11が、上側テーパ状筒部13よりもテーパ比が小さい、上向きに断面積が縮小するテーパを有してもよい。収容部11が、上下方向における中央部付近に最大の断面積を有し、上下方向のそれぞれに断面積が縮小するテーパを有してもよい。
【0041】
コンテナ用袋体10は、第1開口部12aから収容部11を経て第2開口部14aまでが、一連のフィルムから構成されていることが好ましい。例えば、周方向に継ぎ目のないチューブのようにコンテナ用袋体10を成形する際に、収容部11、第1開口筒部12、上側テーパ状筒部13、第2開口筒部14、下側テーパ状筒部15を構成するそれぞれの筒状の部分の周の長さに応じて成形材料の供給量を調整することも可能である。それぞれの筒状の部分の断面形状は、円形、楕円形、多角形等から選択してもよい。
【0042】
収容部11がN個の側面11cを有する角筒状である場合、収容部11の上端11aから第1開口部12aまでの間を、収容部11と同数であるN個の側面12c,13cを有する角筒状に構成し、また、収容部11の下端11bから第2開口部14aまでの間を、収容部11と同数であるN個の側面14c,15cを有する角筒状に構成することが好ましい。この場合、コンテナ用袋体10を構成するフィルムの枚数をNとし、N個の側面11c,12c,13c,14c,15cをそれぞれ異なるフィルムから構成してもよい。
【0043】
これらN個の側面11c,12c,13c,14c,15cのうち、第1開口部12aから収容部11を経て第2開口部14aまで、上下方向に隣接した側面11c,12c,13c,14c,15cの間は、一連のフィルムから連続して構成することができる。具体的には、収容部11の側面11cと上側テーパ状筒部13の側面13cとの境界部、上側テーパ状筒部13の側面13cと第1開口筒部12の側面12cとの境界部、収容部11の側面11cと下側テーパ状筒部15の側面15cとの境界部、下側テーパ状筒部15の側面15cと第2開口筒部14の側面14cとの境界部には、それぞれシール部等の継ぎ目がなく、滑らかなフィルム面を連続させることができる。
【0044】
上下方向に隣接した側面11c,12c,13c,14c,15cの間には、シール部がないため、シール部による凹凸がコンテナ用袋体10の内部に生じにくい。このため、コンテナ用袋体10の内面が滑らかに連続し、上方の第1開口部12aから下方の第2開口部14aに向かう内容物の流れを円滑にすることができる。内容物の流れの停滞、フィルムに対する内容物の付着などを抑制することができるので、内容物をホッパー部24から供給する際の効率を向上し、コンテナ用袋体10の内部における内容物の破損、変質等を抑制することができる。
【0045】
収容部11の側面11cと下側テーパ状筒部15の側面15cとの境界部、及び下側テーパ状筒部15の側面15cと第2開口筒部14の側面14cとの境界部では、上下方向に沿った断面の角を緩和して、丸みを帯びていることが好ましい。フィルムの丸みを固定するため、フィルムの熱処理、コーティング等を施してもよい。丸みの大きさは特に限定されないが、例えば曲率半径として1mm~100mm程度が挙げられる。収容部11の側面11cと上側テーパ状筒部13の側面13cとの境界部、上側テーパ状筒部13の側面13cと第1開口筒部12の側面12cとの境界部にも丸みを施してもよい。
【0046】
N個の側面11c,12c,13c,14c,15cのうち、周方向に隣接した側面11c,12c,13c,14c,15cの間には、異なるフィルムを接合したシール部を形成することができる。シール部は、コンテナ用袋体10の内部に突出が少ない構造が好ましい。例えば、それぞれのフィルムの内面どうしを対向させて、シール部をコンテナ用袋体10の外方に突出させることが好ましい。また、一方のフィルムの内面と他方のフィルムの外面とを重ね合わせて、シール部をコンテナ用袋体10の周方向に沿って形成してもよい。
【0047】
収容部11を角筒状に構成する場合の側面11cの個数Nとしては、特に限定されないが、3~12程度が好ましい。側面11cを構成するフィルムの幅は、互いに略同等でもよく、2種以上の異なる幅を組み合わせてもよい。角筒状の収容部11における断面形状は、特に限定されないが、三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、八角形等が挙げられ、そのうち四角形としては、正方形、長方形、菱形などが挙げられる。
【0048】
コンテナ用袋体10をコンテナ20に装着する方法は、例えば、コンテナ20に空のコンテナ用袋体10を挿入し、第1開口部12a及び第2開口部14aをコンテナ20に固定又は仮止めした後、第1開口部12a又は第2開口部14aの少なくとも一方から空気などの清浄なガスを吹き込んで、コンテナ20内でコンテナ用袋体10を膨らませる方法が挙げられる。ガスの吹き込みを片方の開口部から行う場合は、他の開口部を閉鎖してもよい。コンテナ用袋体10をコンテナ20に装着したとき、又はコンテナ20内のコンテナ用袋体10に内容物を供給したとき、ガスの圧力又は内容物の重量に従って、収容部11の外面がコンテナ本体21の内面に対して、広範囲に又は全面的に密着してもよい。
【0049】
図2に、コンテナ用袋体10の収容部11をコンテナ本体21に収容した状態を例示する横断面図を示す。上述したように、収容部11の各側面11cは、それぞれ異なるフィルムFから構成され、隣接する側面11cの間は、フィルムFのシール部16により接合されている。シール部16は、コンテナ用袋体10の上下方向に延在している。コンテナ本体21は、収容部11の側面11cに対応した側面21cを有してもよい。
【0050】
コンテナ本体21の周方向に隣接する側面21cの間には、上下方向に延在する溝部26を設けてもよい。この場合、コンテナ20側の溝部26にコンテナ用袋体10のシール部16を挿入することにより、コンテナ用袋体10をコンテナ20側に係合することができる。つまり、シール部16を、コンテナ20の内面に係合する係合部として用いることができる。
【0051】
収容部11の外周を、コンテナ20の内面に係合する係合部の構成は、コンテナ20側の溝部26に挿入されるシール部16に限られない。コンテナ本体21にフック、ピン、リベット、ナット等の支持具を設け、上下方向に延在したシール部16に形成した貫通孔に、コンテナ側の支持具を挿入して固定する構成でもよい。シール部16を厚さ方向に挟み込んで固定するクリップ等を用いてもよい。
【0052】
シール部16におけるコンテナ20との係合構造を補強するため、シール部16に樹脂、金属等からなる補強板を接合してもよい。補強板は、シール部16を厚さ方向の両面から挟み込むように、2つ折りの構造としてもよい。シール部16に貫通孔を形成する場合は、貫通孔に鳩目等の補強リングを設けてもよい。
【0053】
収容部11の外周を、コンテナ20の内面に係合する場合は、コンテナ本体21に対する収容部11の装着が安定するので、好ましい。この場合は、コンテナ20内でコンテナ用袋体10を膨らませる工程を行うことなく、コンテナ20に装着したコンテナ用袋体10内に、内容物を供給してもよい。また、内容物の供給と同時にガスを供給して、コンテナ20内でコンテナ用袋体10を膨らませてもよい。
【0054】
コンテナ用袋体10の内部に内容物又はガス等を供給するときには、ホッパー部24の取出し経路を閉鎖するため、弁等の開閉手段や蓋等の閉鎖手段(図示せず)を取り付けてもよい。ホッパー部24に開閉手段又は閉鎖手段を設けることにより、コンテナ20内に内容物を継続して保管することができる。
【0055】
内容物の滞留を抑制し、取出しを円滑にするため、ホッパー部24が平滑な内面を有することが好ましい。これにより、コンテナ用袋体10をコンテナ20に装着した状態において、下側テーパ状筒部15が平滑な面を維持することが容易になる。コンテナ用袋体10を構成するフィルムが厚い場合は、フィルムの内面の平滑性を維持できる範囲内で、ホッパー部24の内面を粗面化してもよい。これにより、ホッパー部24に対する下側テーパ状筒部15の滑りを抑制することができる。
【0056】
次に、
図3から
図5を参照して、第2実施形態のコンテナ用袋体10A及びコンテナ20Aについて説明する。
図3は、コンテナ用袋体10A及びコンテナ20Aの分解斜視図である。
図4は、コンテナ用袋体10Aの収容部11をコンテナ20Aのコンテナ本体21に係合する構造を例示する部分横断面図である。
図5は、コンテナ用袋体10Aの縦断面図である。
【0057】
第2実施形態のコンテナ用袋体10Aは、コンテナ20Aの内面に係合する係合部として、収容部11の外周に、筒状の挿通部17を有する。コンテナ20Aは、上下方向に延在する棒状部材27を有する。その他は、第1実施形態のコンテナ用袋体10及びコンテナ20と同様にして、第2実施形態のコンテナ用袋体10A及びコンテナ20Aを構成することができるので、重複する説明を省略する。
【0058】
挿通部17と収容部11との間では、収容部11の各側面11cを構成する、互いに異なるフィルムFがシール部16により接合されている。これにより、挿通部17の未シール部17aは、収容部11の内部空間と干渉することなく、シール部16により内容物を密閉するように区画される。挿通部17と収容部11との間のシール部16は、上下方向に連続していることが好ましい。
【0059】
また、挿通部17における収容部11とは反対側である、挿通部17の外側においても、フィルムFがシール部16により接合されている。挿通部17と収容部11との間のシール部16と、挿通部17の外側のシール部16との間は、棒状部材27を上下の少なくともいずれかの方向から挿通できる空間が、未シール部17aにより確保されている。挿通部17の外側のシール部16は、上下方向に連続していてもよいし、間欠的に未シール部が介在した不連続のシール部16であってもよい。
【0060】
挿通部17の未シール部17aは、挿通部17の上下両端に達して、上下方向に開口していてもよい。棒状部材27を上方向又は下方向のうちいずれかから挿通する場合は、挿通される棒状部材27が到達しない箇所において、未シール部17aがシール部16等により閉鎖されていてもよい。棒状部材27を下方向から挿通する場合において、未シール部17aの上端が閉鎖されていて、棒状部材27の上端部に収容部11の荷重の少なくとも一部を作用させてもよい。未シール部17aの上端部に、樹脂等の成形品により、棒状部材27の上端部に適合する封止部材(図示せず)を設けてもよい。
【0061】
第1実施形態及び第2実施形態におけるコンテナ20,20Aは、コンテナ用袋体10,10Aを装着しなくても、内容物を収容するコンテナとして機能する装置である。この場合、コンテナ本体21及びホッパー部24は、周方向に連続した壁面を有する筒体から構成されている。コンテナ本体21及びホッパー部24を構成する筒体としては、例えば円筒体、角筒体等が挙げられるが、断面形状は円形、多角形に限定されず、各種の形状であってもよい。また、コンテナ本体21の形状が、上下方向のいずれかにテーパを有してもよい。
【0062】
特に図示しないが、コンテナ20,20Aには、コンテナ本体21やホッパー部24を支持させるため、脚や支柱等の支持手段を設けてもよい。支持手段は、コンテナ20,20Aに一体化されてもよく、コンテナ20,20Aに対して着脱可能であってもよい。支持手段がコンテナ20,20Aの設置面上に設置される場合は、支持手段がホッパー部24の周囲を囲む範囲の下方まで延在すると、設置面とホッパー部24との間に空間を確保することができる。この空間は、ホッパー部24から内容物を取り出すため、あるいは、コンテナ用袋体10,10Aの第2開口筒部14をホッパー部24に固定する作業などに利用することができる。
【0063】
ホッパー部24の下方には、ホッパー部24から取り出される内容物を受容する容器、コンベア、台車等を配置してもよい。また、前記設置面の下方に穴等を設けて、穴等より下側で内容物を受容することもできる。コンテナ20,20Aは、例えば支持手段などにおいて、キャスター、車輪、スライダー等の移動手段を備えてもよい。コンテナ20,20Aは、床面などの上で自由に移動可能であってもよく、レール等の軌道上で所定の方向や経路に案内されてもよい。
【0064】
上述の各実施形態のコンテナ用袋体10,10Aによれば、ホッパー部24等の取出し口が設けられた大型のコンテナ20,20Aにも装着が容易である。また、従来のコンテナであれば、内容物の交換、変更、補給に際して、コンテナの内部を洗浄するため、多大なコストを要していたのに対し、コンテナ20,20Aから使用済みのコンテナ用袋体10,10Aを取り外して、新しいコンテナ用袋体10,10Aを容易に装着することができる。コンテナ用袋体10,10Aをシングルユース(使い捨て)にすることで、洗浄工程を省略又は簡易にして、コストを削減することができる。
【0065】
また、コンテナ用袋体10,10Aによりコンテナ20,20Aの内面が保護されるので、コンテナ20,20Aの損傷、劣化を抑制することができる。例えばコンテナ本体21やホッパー部24などの内面にコーティング剤が形成されている場合は、コーティング剤の摩耗を抑制することが期待できる。さらには、コンテナに直接に内容物を投入する場合に比べて、コンテナ20,20Aに供給される内容物がフィルムFに接することにより、内容物の崩れや割れが防止できる。
【0066】
クリーン環境に配置されたコンテナ20,20Aに向けて、新しいコンテナ用袋体10,10Aを提供する場合には、コンテナ用袋体10,10Aを小さく折り畳んだ状態にして、外袋などに包装した状態でクリーン環境に導入することが好ましい。これにより、外袋の外面などを洗浄するだけで、コンテナ用袋体10,10Aを迅速にクリーン環境内へ導入することができる。
【0067】
外袋などの包装にコンテナ用袋体10,10Aを収容する際には、エチレンオキサイド等を用いたガス殺菌、加熱殺菌、放射線殺菌等を用いて、コンテナ用袋体10,10Aを含めた包装の内部を無菌化することができる。包装の内部は、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスを充填してもよい。包装にコンテナ用袋体10,10Aを収容する工程は、コンテナ20,20Aが配置されるのと同等以上のクリーン環境であることが好ましい。クリーン環境の清浄度は、例えば浮遊粒子数濃度によってクラス分類することができる。
【0068】
コンテナ20,20Aを構成する材料は、特に限定されないが、ステンレス、アルミニウム等の金属、耐熱性樹脂、硬質樹脂等の合成樹脂、炭素繊維強化プラスチック、ガラス繊維強化プラスチック等の繊維強化プラスチックが挙げられる。コンテナ用袋体10,10Aをシングルユース(使い捨て)にすることで、コンテナ20,20Aの洗浄に要する頻度、程度等は低減できるが、コンテナ20,20Aが水洗、乾燥等に耐え得る耐久性を有することが好ましい。
【0069】
以上、本発明を好適な実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。改変としては、各実施形態における構成要素の追加、置換、省略、その他の変更が挙げられる。また、2以上の実施形態に用いられた構成要素を適宜組み合わせることも可能である。
【0070】
図6に示すように、第1開口筒部12の側面12cを構成するフィルムのうち、少なくとも1つのフィルムから延出して蓋片18を構成してもよい。
図6(a)では、1つの側面12cから延出したフィルムを蓋片18とした例を示す。
図6(b)では、2つの側面12cから延出したフィルムを蓋片18とした例を示す。蓋片18を用いて第1開口部12aを覆うことにより、第1開口部12aを蓋部材25等で閉鎖するまでの間に、作業者の手や工具等を誤って第1開口部12aの内側に差し込むことを抑制し、作業性を向上することができる。
【0071】
第1開口部12aの周囲に2つ以上の蓋片18を形成した場合には、蓋片18に切込み、切欠き、舌片等を設けて、2つ以上の蓋片18を容易に組み合わせることができるようにしてもよい。また、特に図示しないが、第2開口筒部14の側面14cを構成するフィルムのうち、少なくとも1つのフィルムから延出した蓋片18により、第2開口部14aを覆うことも可能である。
【0072】
図7に示すように、第2開口筒部14には、第2開口部14aを通じた内容物の取出し経路を開閉する弁体19を設けてもよい。弁体19は、コック等のように、操作により開閉する弁でもよく、逆止弁のように、意図しない方向の移動を自動的に阻止する弁でもよい。弁体19は、第2開口筒部14を構成するフィルムのうち、少なくとも1つのフィルムを延出して構成してもよい。樹脂や金属等から別体で形成した弁体19を、第2開口筒部14に固定してもよい。また、特に図示しないが、第1開口筒部12において、第1開口部12aを通じた内容物の供給経路を開閉する弁体19を設けてもよい。
【符号の説明】
【0073】
F…フィルム、10,10A…コンテナ用袋体、11…収容部、11a…収容部の上端、11b…収容部の下端、11c…収容部の側面、12…第1開口筒部、12a…第1開口部、12c…第1開口筒部の側面、13…上側テーパ状筒部、13c…上側テーパ状筒部の側面、14…第2開口筒部、14a…第2開口部、14c…第2開口筒部の側面、15…下側テーパ状筒部、15c…下側テーパ状筒部の側面、16…シール部、17…挿通部、17a…未シール部、18…蓋片、19…弁体、20,20A…コンテナ、21…コンテナ本体、21a…コンテナ本体の上部開口部、21c…コンテナ本体の側面、22…上面板、22a…上面板の本体部、22b…上面板のリング部、23…上面板の上部開口部、24…ホッパー部、24a…ホッパー部の筒状部、24b…ホッパー部のテーパ部、25…蓋部材、26…溝部、27…棒状部材。