(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】放電レーザ用導電部材
(51)【国際特許分類】
H01S 3/038 20060101AFI20231108BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20231108BHJP
H01J 63/08 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
H01S3/038 Z
G03F7/20 521
H01J63/08
G03F7/20 501
(21)【出願番号】P 2022517262
(86)(22)【出願日】2020-09-25
(86)【国際出願番号】 US2020052736
(87)【国際公開番号】W WO2021071681
(87)【国際公開日】2021-04-15
【審査請求日】2022-05-11
(32)【優先日】2019-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513192029
【氏名又は名称】サイマー リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】エッフェンベルガー ジュニア,アンドリュー ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ニーマン,ウールリッヒ
【審査官】佐藤 美紗子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/143433(WO,A1)
【文献】特表2021-510926(JP,A)
【文献】特開昭62-243379(JP,A)
【文献】特開平08-018134(JP,A)
【文献】特開2002-094151(JP,A)
【文献】特表2008-535260(JP,A)
【文献】国際公開第2016/143500(WO,A1)
【文献】米国特許第06377595(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S3/00-3/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザの放電チャンバにおける放電に関連する電流を導くための導電部材であって、
前記導電部材の一部の電流流路を前記導電部材の別の一部の電流流路に比べて増大させるように構成された少なくとも1つのチャネルを備えており、前記導電部材は、前記レーザを電圧源に接続するように及び前記電圧源と前記レーザの前記放電チャンバとの間にインターフェイスを提供するように構成されて
おり、
前記導電部材は長手方向に第1の端部を備えており、前記第1の端部は前記チャネルのうち少なくとも1つを備えている、導電部材。
【請求項2】
前記導電部材は前記チャネルを複数備える、請求項1の導電部材。
【請求項3】
前記チャネルの各々は、前記導電部材の一部に関連付けられていると共に、前記導電部材の前記関連付けられた一部の電流流路を前記導電部材の前記別の一部の前記電流流路に比べて増大させるように構成されている、請求項2の導電部材。
【請求項4】
前記導電部材は
前記放電チャンバの外装部に取り付けられるように構成されている、請求項1の導電部材。
【請求項5】
前記第1の端部は第1の丸み付き縁部を備えており、前記第1の端部は前記第1の丸み付き縁部から長手方向に内向きに延伸する前記チャネルのうち少なくとも2つを備えている、請求項4の導電部材。
【請求項6】
前記導電部材は複数の電荷蓄積デバイス及び複数の導電素子に接続するように構成されている、請求項1の導電部材。
【請求項7】
前記導電部材は前記複数の電荷蓄積デバイスの各電荷蓄積デバイスから前記複数の導電素子のそれぞれの導電素子に電流を導くように構成されている、請求項6の導電部材。
【請求項8】
レーザの放電チャンバにおける放電に関連する電流を導くための導電部材であって、
前記導電部材の一部の電流流路を前記導電部材の別の一部の電流流路に比べて増大させるように構成された少なくとも1つのチャネルを備えており、前記導電部材は、前記レーザを電圧源に接続するように及び前記電圧源と前記レーザの前記放電チャンバとの間にインターフェイスを提供するように構成されており、
前記導電部材は複数の電荷蓄積デバイス及び複数の導電素子に接続するように構成されており、
前記導電部材は前記複数の電荷蓄積デバイスの各電荷蓄積デバイスから前記複数の導電素子のそれぞれの導電素子に電流を導くように構成されており、
前記導電部材は複数の第1の接続点及び複数の第2の接続点を備えており、前記複数の第1の接続点の各第1の接続点は前記複数の電荷蓄積デバイスのうち1つの電荷蓄積デバイスに接続するように構成され、前記複数の第2の接続点の各第2の接続点は前記複数の導電素子のうち1つの導電素子に接続するように構成されている
、導電部材。
【請求項9】
各チャネルに配設された絶縁部を更に備えている、請求項2の導電部材。
【請求項10】
放電チャンバと、
前記放電チャンバにおける放電に関連する電流を導くための導電部材と、
を備えるレーザであって、前記導電部材は、
前記導電部材の一部の電流流路を前記導電部材の別の一部の電流流路に比べて増大させるように構成された少なくとも1つのチャネルを備えており、前記導電部材は、前記レーザを電圧源に接続するように及び前記電圧源と前記レーザの前記放電チャンバとの間にインターフェイスを提供するように構成されて
おり、
前記導電部材は長手方向に第1の端部を備えており、前記第1の端部は前記チャネルのうち少なくとも1つを備えている、レーザ。
【請求項11】
前記レーザは複数の電荷蓄積デバイス及び複数の導電素子を備えており、前記複数の電荷蓄積デバイス及び前記複数の導電素子は前記導電部材に接続されている、請求項10のレーザ。
【請求項12】
前記複数の導電素子は前記電流を前記放電チャンバ内に誘導するように構成されている、請求項11のレーザ。
【請求項13】
前記導電部材は前記チャネルを複数備えており、前記チャネルの各々は、前記導電部材の一部に関連付けられていると共に、前記導電部材の前記関連付けられた一部の電流流路を前記導電部材の前記別の一部の前記電流流路に比べて増大させるように構成されている、請求項10のレーザ。
【請求項14】
レーザを動作させる方法であって、前記レーザは、
レーザ放電チャンバを有するレーザと、
前記放電チャンバにおける放電に関連する電流を導くための導電部材であって、前記導電部材の一部の電流流路を前記導電部材の別の一部の電流流路に比べて増大させるように構成された少なくとも1つのチャネルを備えており、前記レーザを電圧源に接続すると共に前記電圧源と前記レーザの前記放電チャンバとの間にインターフェイスを提供する、導電部材と、を備えており、
前記導電部材は長手方向に第1の端部を備えており、前記第1の端部は前記チャネルのうち少なくとも1つを備えており、前記方法は、
前記放電に関連する電流が前記導電部材を通じて前記放電チャンバ内に流れるように、前記放電チャンバにおいて放電を生じさせるべく電圧を前記導電部材に印加することを備える、方法。
【請求項15】
前記レーザは複数の電荷蓄積デバイス及び複数の導電素子を備えており、前記複数の電荷蓄積デバイス及び前記複数の導電素子は前記導電部材に接続されている、請求項14の方法。
【請求項16】
導電部材は、前記複数の電荷蓄積デバイスの各電荷蓄積デバイスから前記複数の導電素子のそれぞれの導電素子に前記電流を導くように構成されており、前記複数の導電素子は前記電流を前記放電チャンバ内に誘導するように構成されている、請求項15の方法。
【請求項17】
前記電圧を前記導電部材に前記印加することは、前記導電部材の前記一部の前記複数の電荷蓄積デバイスのうち1つの電荷蓄積デバイスから前記複数の導電素子のうち関連する1つの導電素子への前記電流流路が、前記導電部材の前記別の一部の前記複数の電荷蓄積デバイスのうち1つの電荷蓄積デバイスから前記複数の導電素子のうち関連する1つの導電素子への前記電流流路よりも長くなるように、前記複数の電荷蓄積デバイスから前記複数の導電素子に前記導電部材を介して電流を流れさせる、請求項15の方法。
【請求項18】
前記電圧を前記導電部材に前記印加することは前記複数の導電素子から前記放電チャンバ内に電流を流れさせる、請求項17の方法。
【請求項19】
前記導電部材は前記チャネルを複数備えており、前記チャネルの各々は、前記導電部材の一部に関連付けられていると共に、前記導電部材の前記関連付けられた一部の電流流路を前記導電部材の前記別の一部の前記電流流路に比べて増大させるように構成されている、請求項15の方法。
【請求項20】
前記導電部材は更に、各チャネルに配設された絶縁部を備える、請求項19の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本願は2019年10月11日に提出され、CONDUCTIVE MEMBER FOR DISCHARGE LASERと題された米国出願第62/914,359号の優先権を主張するものであり、同出願はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0001] 本発明は、レーザの放電チャンバにおける放電に関連する電流を導くための導電部材と、関連する装置と、システムと、方法とに関する。
【背景技術】
【0003】
[0002] リソグラフィ装置は、基板に所望のパターンを適用するように構築された機械である。リソグラフィ装置は、例えば集積回路(IC)の製造において使用可能である。リソグラフィ装置は、例えばパターニングデバイス(例えばマスク)のパターン(「設計レイアウト」又は「設計」と称されることも多い)を、基板(例えばウェーハ)上に提供された放射感応性材料(レジスト)層に投影し得る。
【0004】
[0003] 半導体製造プロセスが進み続けるにつれ、回路素子の寸法は継続的に縮小されてきたが、その一方で、デバイス毎のトランジスタなどの機能素子の量は、「ムーアの法則」と通称される傾向に従って、数十年にわたり着実に増加している。ムーアの法則について行くべく、半導体産業はますます小さなフィーチャを作り出すことを可能にする技術を追求している。基板にパターンを投影するために、リソグラフィ装置は電磁放射を用い得る。この放射の波長が、基板上にパターン形成されるフィーチャの最小サイズを決定する。より低い波長は基板上でのより小さなフィーチャの作製を可能にする。現在使用されている典型的な波長は、365nm(i線)、248nm、193nm、及び13.5nmである。深紫外(DUV)放射を使用するリソグラフィ装置が193又は248nmの波長で動作し得る一方で、極端紫外線(EUV)放射を使用するリソグラフィ装置は、4nmから20nmの範囲内、例えば6.7nm又は13.5nmの波長で動作し得る。
【0005】
[0004] DUV放射を生じさせるためにはガス放電レーザが用いられ得る。そのようなレーザにおいては、カソード及びアノードが、レーザのチャンバ内に、典型的には間隔を置いて配設される。カソードとアノードとの間に放電が生じると、カソードからアノードへ電流が流れることができる。電流はカソード及び/又はアノードの浸食を引き起こし得、その浸食は均一ではないかもしれない。カソード及び/又はアノードの不均一な浸食は、カソード及び/又はアノードの、そしてひいてはレーザのチャンバの、寿命の短縮に繋がり得る。
【発明の概要】
【0006】
[0005] 本発明の一態様によれば、レーザの放電チャンバにおける放電に関連する電流を導くための導電部材が提供され、導電部材は、導電部材の一部の電流流路を導電部材の別の一部の電流流路に比べて増大させるように構成された少なくとも1つのチャネルを備えており、導電部材は、レーザを電圧源に接続するように及び電圧源とレーザの放電チャンバとの間にインターフェイスを提供するように構成されている。導電部材の一部の電流流路を導電部材の別の一部の電流流路に比べて増大させることによって、導電部材を通じて伝えられる電流密度又は電流の均一性が高められ得る。これは転じて放電チャンバにおける電流プロファイルの改善された均一性をもたらし得ることがわかっている。放電チャンバにおける電流プロファイルの改善された均一性は、カソード及びアノードのより均一な浸食を提供し、これはカソード、アノード、及び/又はレーザの放電チャンバの寿命の延長に繋がり得る。
【0007】
[0006] 導電部材はチャネルを複数備え得る。チャネルの各々は導電部材の一部と関連付けられ得る。チャネルの各々は、導電部材の関連付けられた一部の電流流路を導電部材の別の一部の電流流路に比べて増大させるように構成されていてもよい。
【0008】
[0007] 導電部材は第1の端部を備え得る。第1の端部はチャネルのうち少なくとも1つを備え得る。
【0009】
[0008] 第1の端部は第1の丸み付き縁部を備え得る。第1の端部はチャネルのうち少なくとも2つを備え得る。チャネルのうち少なくとも2つは第1の丸み付き縁部から長手方向に内向きに延伸し得る。
【0010】
[0009] 導電部材は第2の端部を備え得る。第2の端部はチャネルのうち少なくとも1つを備え得る。
【0011】
[00010] 第2の端部は第2の丸み付き縁部を備え得る。第2の端部はチャネルのうち少なくとも2つを備え得る。チャネルのうち少なくとも2つは第2の丸み付き縁部から長手方向に内向きに延伸し得る。
【0012】
[00011] 導電部材は複数の電荷蓄積デバイスに接続するように構成され得る。導電部材は複数の導電素子に接続するように構成され得る。導電部材は、複数の電荷蓄積デバイスの各電荷蓄積デバイスから複数の導電素子のそれぞれの導電素子に電流を導くように構成され得る。
【0013】
[00012] 導電部材は複数の第1の接続点を備え得る。導電部材は複数の第2の接続点を備え得る。複数の第1の接続点の各第1の接続点は、複数の電荷蓄積デバイスのうち1つの電荷蓄積デバイスに接続するように構成され得る。複数の第2の接続点の各第2の接続点は、複数の導電素子のうち1つの導電素子に接続するように構成され得る。
【0014】
[00013] 複数の第1の接続点は、導電部材に沿って長手方向に延伸する構成で配置され得る。複数の第2の接続点は、導電部材に沿って長手方向に延伸する構成で配置され得る。
【0015】
[00014] 導電部材は、チャネルの各々が1つの第1の接続点と1つの第2の接続点との間に配設されるように構成され得る。
【0016】
[00015] 導電部材は更に絶縁部を備え得る。絶縁部は各チャネルに配設され得る。
【0017】
[00016] 導電部材は導電バーであってもよく、又は導電バーを備え得る。
【0018】
[00017] 本発明の別の一態様によれば、放電チャンバと、放電チャンバにおける放電に関連する電流を導くための導電部材とを備えるレーザが提供され、導電部材は、導電部材の一部の電流流路を導電部材の別の一部の電流流路に比べて増大させるように構成された少なくとも1つのチャネルを備えており、導電部材は、レーザを電圧源に接続するように及び電圧源とレーザの放電チャンバとの間にインターフェイスを提供するように構成されている。
【0019】
[00018] レーザは複数の電荷蓄積デバイスを備え得る。レーザは複数の導電素子を備え得る。複数の電荷蓄積デバイス及び複数の導電素子は導電部材に接続され得る。
【0020】
[00019] 導電部材は、複数の電荷蓄積デバイスの各電荷蓄積デバイスから複数の導電素子のそれぞれの導電素子に電流を導くように構成され得る。
【0021】
[00020] 複数の導電素子は電流を放電チャンバ内に誘導するように構成され得る。
【0022】
[00021] 導電部材はチャネルを複数備え得る。チャネルの各々は導電部材の一部と関連付けられ得る。チャネルの各々は、導電部材の関連付けられた一部の電流流路を導電部材の別の一部の電流流路に比べて増大させるように構成されていてもよい。
【0023】
[00022] 放電チャンバは1つ以上のガスを保持するように構成され得る。1つ以上のガスは、クリプトン、アルゴン、及び/又はフッ素を備え得る。
【0024】
[00023] 上記の態様の導電部材の特徴は、本態様の導電部材にも適用され得るか又は備えられ得る。
【0025】
[00024] 本発明の別の一態様によれば、放電チャンバと放電チャンバにおける放電に関連する電流を導くための上記の態様のいずれかによる導電部材とを備えるレーザを備える放射源と、リソグラフィ装置とを備えるリソグラフィシステムが提供される。
【0026】
[00025] 本発明の別の一態様によれば、レーザを動作させる方法が提供され、レーザは、レーザ放電チャンバを有するレーザと、放電チャンバにおける放電に関連する電流を導くための導電部材であって、導電部材の一部の電流流路を導電部材の別の一部の電流流路に比べて増大させるように構成された少なくとも1つのチャネルを備えており、レーザを電圧源に接続すると共に電圧源とレーザの放電チャンバとの間にインターフェイスを提供する、導電部材と、を備えており、方法は、放電に関連する電流が導電部材を通じて放電チャンバ内に流れるように、放電チャンバにおいて放電を生じさせるべく電圧を導電部材に印加することを備える。
【0027】
[00026] レーザは複数の電荷蓄積デバイスを備え得る。レーザは複数の導電素子を備え得る。複数の電荷蓄積デバイス及び複数の導電素子は導電部材に接続され得る。
【0028】
[00027] 導電部材は、複数の電荷蓄積デバイスの各電荷蓄積デバイスから複数の導電素子のそれぞれの導電素子に電流を導くように構成され得る。複数の導電素子は電流を放電チャンバ内に誘導するように構成され得る。
【0029】
[00028] 電圧を導電部材に印加することは、導電部材の一部の複数の電荷蓄積デバイスのうち1つの電荷蓄積デバイスから複数の導電素子のうち関連する1つの導電素子への電流流路が、導電部材の別の一部の複数の電荷蓄積デバイスのうち1つの電荷蓄積デバイスから複数の導電素子のうち関連する1つの導電素子への電流流路よりも長くなるように、複数の電荷蓄積デバイスから複数の導電素子に導電部材を介して電流を流れさせ得る。
【0030】
[00029] 電圧を導電部材に印加することは、複数の導電素子から放電チャンバ内へ電流を流れさせ得る。
【0031】
[00030] 電圧を導電部材に印加するステップは、負電位を導電部材に印加することを備え得る。
【0032】
[00031] 導電部材はチャネルを複数備え得る。チャネルの各々は導電部材の一部と関連付けられ得る。チャネルの各々は、導電部材の関連付けられた一部の電流流路を導電部材の別の一部の電流流路に比べて増大させるように構成されていてもよい。
【0033】
[00032] 導電部材は更に、各チャネルに配設された絶縁部を備え得る。
【0034】
[00033] 上記の態様の導電部材の特徴は、本態様の導電部材にも適用され得るか又は備えられ得る。
【0035】
[00034] 上記又は下記で述べる本発明の種々の態様及び特徴は、当業者には容易に明らかになるように、本発明の種々の他の態様及び特徴と組み合わせられ得る。
【図面の簡単な説明】
【0036】
[00035] 次に本発明の実施形態を、単なる例として、添付の概略図を参照して説明する。
【0037】
【
図1】[00036] 放射源とリソグラフィ装置とを備えるリソグラフィシステムの図式的概観を図示する。
【
図2】[00037]
図1のリソグラフィシステムにおいて用いられ得るレーザの一部の断面図を図示する。
【
図3A】[00038]
図2のレーザと共に用いられる導電部材の例示的な実施形態を図示する。
【
図3B】[00038]
図2のレーザと共に用いられる導電部材の例示的な実施形態を図示する。
【
図4A】[00039]
図3Aの導電部材の平面図を図示する。
【
図4B】[00040]
図4Aの導電部材の一実施形態の第1の端部を図示する。
【
図4C】[00041]
図2のレーザと共に用いられる別の例示的な導電部材の第1の端部を図示する。
【
図5】[00042]
図2のレーザの一部を含むレーザチャンバの部分分解図を図示する。
【
図6】[00043]
図5のレーザの一部の断面図を図示する。
【
図7】[00044]
図5のレーザの一部を図示する。
【
図8】[00045] レーザを動作させる方法のステップを概説するフローチャートを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0038】
[00046]
図1は、放射源SO及びリソグラフィ装置LAを備えるリソグラフィシステムを概略的に示している。リソグラフィ装置LAは、放射ビームB(例えばUV放射、DUV放射又はEUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータとも称される)ILと、パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するように構築され、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスMAを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続されたマスクサポート(例えばマスクテーブル)MTと、基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構築され、特定のパラメータに従って基板サポートを正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続された、基板サポート(例えばウェーハテーブル)WTと、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付与されたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ以上のダイを含む)に投影するように構成された投影システム(例えば屈折投影レンズシステム)PSとを備える。
【0039】
[00047] 動作時には、照明システムILは、放射源SOから、例えばビームデリバリシステムBDを介して、放射ビームを受ける。照明システムILは、放射を誘導し、整形し、及び/又は制御するための、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、及び/又は他のタイプの光学コンポーネント、あるいはそれらの任意の組み合わせなどの様々なタイプの光学コンポーネントを含むことができる。イルミネータILは、放射ビームBを、パターニングデバイスMAの平面において、その断面が所望の空間強度分布と角度強度分布とを有するように調節するために用いられ得る。
【0040】
[00048] 本明細書において使用する「投影システム」PSという用語は、例えば使用する露光放射、及び/又は液浸液の使用や真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、アナモルフィック光学システム、磁気光学システム、電磁気光学システム及び/又は静電光学システム、又はその任意の組み合わせを含む様々なタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用する場合、より一般的な用語である「投影システム」PSと同義と見なすことができる。
【0041】
[00049] リソグラフィ装置LAは、投影システムPSと基板Wとの間の空間を充填するように、基板の少なくとも一部を水などの比較的高い屈折率を有する液体で覆えるタイプでもよい。これは液浸リソグラフィとも称される。液浸技術についての更なる情報は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6952253号明細書に記載されている。
【0042】
[00050] リソグラフィ装置LAは、2つ以上の基板サポートWTを有するタイプのもの(「デュアルステージ」とも呼ばれる)であってもよい。そのような「マルチステージ」機械においては、基板サポートWTが並列に使用されてもよいし、及び/又は、他の基板サポートWT上の他の基板Wが他の基板W上のパターンを露光するために使用中である間に、基板サポートWTの1つに位置する基板Wについて基板Wの後続の露光の準備のステップが実行されてもよい。
【0043】
[00051] 基板サポートWTに加え、リソグラフィ装置LAは、測定ステージを備えていてもよい。測定ステージは、センサ及び/又は洗浄デバイスを保持するように配置される。センサは投影システムPSのプロパティ又は放射ビームBのプロパティを測定するように配置されてもよい。測定ステージは複数のセンサを保持していてもよい。洗浄デバイスは、リソグラフィ装置の一部、例えば投影システムPSの一部又は液浸液を提供するシステムの一部を洗浄するように配置されてもよい。測定ステージは、基板サポートWTが投影システムPSから離れているときに、投影システムPSの下で移動し得る。
【0044】
[00052] 動作時には、放射ビームBは、マスクサポートMTによって保持されたパターニングデバイス、例えばマスクMAに入射し、パターニングデバイスMA上に存在するパターン(設計レイアウト)によってパターン形成される。マスクMAを通過した放射ビームBは投影システムPSを通り抜け、投影システムはビームを基板Wのターゲット部分C上に合焦させる。第2のポジショナPW及び位置測定システムIFの助けを借りて、基板サポートWTは、例えば、様々なターゲット部分Cを放射ビームBの経路中の合焦され且つアライメントされた位置に位置決めするように、正確に移動することができる。同様に、第1のポジショナPMと恐らくは別の位置センサ(
図1には明示されていない)とを用いて、パターニングデバイスMAを放射ビームBの経路に対して正確に位置決めしてもよい。パターニングデバイスMA及び基板Wは、マスクアライメントマークM1,M2及び基板アライメントマークP1,P2を使用してアライメントされてもよい。基板アライメントマークP1,P2は、図示では専用のターゲット部分を占めているが、ターゲット部分の間の空間に配置されてもよい。基板アライメントマークP1,P2は、ターゲット部分Cの間に配置されるとき、スクライブラインアライメントマークという。
【0045】
[00053]
図2は、例えば
図1に示されるリソグラフィシステムのようなリソグラフィシステムにおいて用いられるレーザ10の一部を示す。レーザ10は放射源SOの一部であってもよく、又は放射源SOに備えられていてもよい。レーザ10は、例えばエキシマレーザのような、ガス放電レーザの形で提供され得る。レーザ10は放電チャンバ12を含む。レーザ10は第1の電極14を備えており、これはカソードであり得る。レーザ10は第2の電極16を備えており、これはアノードであり得る。カソード14及びアノード16は放電チャンバ12内に配置される。カソード14及びアノード16は、間隔を置いて互いに対向して配置される。アノード16はカソード14に対向して支持部材16b上に配置され得る。支持部材16bはアノード支持バーの形で提供されてもよい。他の実施形態においては第1及び第2の電極を位置決めするための他の構成が用いられ得る。
【0046】
[00054] 放電チャンバ12は、例えばガス混合物など、1つ以上のガス18を保持するように構成され得る。ガス18は、例えばアルゴン、クリプトン、又はキセノンなどの貴ガスと、例えばフッ素又は塩素などの反応ガスとを備え得る。
【0047】
[00055] カソード14とアノード16との間に電圧が印加されると、カソード14とアノード16との間の放電領域20において放電が生じ得る。放電はチャンバ12内のガス18をイオン化し得、これはガス間に化学反応を生じさせ得る。例えば、アルゴンとフッ化物のガス混合物は、励起状態でのみ存在し急速に崩壊する可能性のある励起分子フッ化アルゴン(excited molecule argon fluoride)を化学的に生じ得る。励起分子は光子を放出することによって余剰エネルギーを放出することができ、それによって基底状態に戻り、解離して元の遊離原子になる。放電の際に作り出された光子はその後、チャンバ内で1つ以上の光学コンポーネント(図示しない)によって反射され得、次いでレーザ10からレーザパルスとして誘導され得る。他の実施形態においては、例えばクリプトンとフッ化物のガス混合物など、別のガス混合物が用いられ得ることは理解されるであろう。
【0048】
[00056] いくつかの実施形態においては、ガス混合物18は、放電に先立って、必要な電子密度を作り出すために予備イオン化され得る。レーザは予備イオン化デバイス21を備えていてもよく、これは、放電に先立ってガス混合物18をイオン化するための紫外線を生じるように構成され得る。
【0049】
[00057] レーザ10は複数の絶縁部品又はコンポーネント19を備え得る。絶縁部品又はコンポーネント19は、例えば酸化アルミニウム(Al2O3又はAlO2)などのセラミック材料を備え得る。代替的には、絶縁部品又はコンポーネント19は、例えばテフロン等のポリマ又はポリマ化合物を備え得るプラスチック材料を備え得る。絶縁部品又はコンポーネント19は、例えばカソード14及びアノード16を放電チャンバ12の他の部分から電気的に絶縁するように、放電チャンバ内に様々に配置され得る。
【0050】
[00058] レーザ10は、ガスのうち1つ以上を供給するため、放電チャンバ内でガスを循環させるため、放電チャンバ内の温度を調整するため、及び/又は同様のことのための他のコンポーネントを備え得ることは理解されるであろう。これらは明瞭にする目的で
図2には図示されていない。
【0051】
[00059] レーザ10は、放電チャンバ12における放電に関連する電流を導くための導電部材22を備える。別の表現をすれば、放電チャンバにおいて放電があるとき、電流は導電部材22を通って流れることができる。電流は導電部材22を通って放電チャンバ12内へ流れ得る。例えば、電流は、後述するように、導電部材22を通ってカソード14へ及びカソード14からアノード16へ流れ得る。導電部材22は、レーザ10を電圧源24に接続するように、及び電圧源24とレーザ10の放電チャンバ12との間にインターフェイスを提供するように構成されている。換言すれば、カソード14及び/又はアノード16には導電部材22を通じて電圧が印加され得る。導電部材22は導電バーの形で提供され得る。導電部材22は、例えばアルミニウムなどの金属を備え得る。導電部材22は被覆を含み得る。被覆は耐フッ素性材料を備え得る。一例として、被覆は、例えばニッケルなどの遷移金属を備え得る。
【0052】
[00060]
図3A及び
図3Bは、例えば
図2に示されるレーザ10のようなレーザと共に用いられる導電部材22の例示的な実施形態を示す。導電部材22は、導電部材22の第1の部分28の電流流路を導電部材22の第2の部分30の電流流路に比べて増大させるように構成された少なくとも1つのチャネル26を備える。チャネル26は、代替的又は追加的には、導電部材22の第3の部分32の電流流路を導電部材22の第2の部分30の電流流路に比べて増大させるように構成され得る。別の表現をすれば、チャネル26aは、電流に、導電部材22の第1の部分28において、導電部材22の第2の部分30の電流の流路に比べてより長い流路をとらせるように構成され得る。これは、導電部材22における電流密度又は電流の均一性の向上をもたらし得る。これは転じて放電チャンバ12における電流プロファイルの均一性の改善をもたらし得ることがわかっている。「電流プロファイル」という用語は、カソード14及び/又はアノード16に沿った、例えばカソード14及び/又はアノード16の長さに沿った、電流及び/又は電流密度を包含するものと考えられ得る。放電チャンバにおける電流プロファイルの改善された均一性はカソード及びアノードのより均一な浸食を提供し得、これはカソード、アノード、及び/又はレーザの放電チャンバの寿命の延長に繋がり得る。
【0053】
[00061] 導電部材22は複数のチャネル26aから26dを備えており、その4つが
図3A及び
図3Bに示されている。もっとも、チャネルの数は、放電チャンバ12において所望されもしくは必要とされ得る電流プロファイル及び/又は導電部材22において所望されもしくは必要とされる電流密度に基づいて選択され得ることは理解されるであろう。また、他の実施形態においては、導電部材は4つよりも多い又は少ないチャネルを備え得ることも理解されるであろう。
【0054】
[00062] チャネル26aから26dの各々は導電部材22の第1の部分28又は第3の部分32と関連付けられ得る。チャネル26aから26dの各チャネルは、導電部材22の関連付けられた部分の電流流路を導電部材の他の部分、すなわち第2の部分30の電流流路に比べて増大させるように構成されている。
図3A及び
図3Bに示される実施形態においては、2つのチャネル26a,26bが導電部材22の第1の部分28と関連付けられている。2つのチャネル26a,26bの各々は、導電部材22の第1の部分28の電流流路を導電部材22の第2の部分30の電流流路に比べて増大させるように構成され得る。更なる2つのチャネル26c,26dは導電部材22の第3の部分32と関連付けられ得る。やはり、2つの更なるチャネル26c,26dの各々は、導電部材22の第3の部分32の電流流路を導電部材22の第2の部分30の電流流路に比べて増大させるように構成され得る。第1、第2、及び第3の部分28,30,32は、
図3A及び
図3Bにおいては破線によって表示されている。
【0055】
[00063] 導電部材22は、
図3A及び
図3Bに示されるように、2つのチャネル26a,26bが互いに平行に延伸するように及び/又は2つの更なるチャネル26c,26dが互いに平行に延伸するように構成され得る。2つのチャネル26a,26bの各々及び/又は更なる2つのチャネル26c,26dの各々は、導電部材22の軸又は長手方向Aに沿って延伸するように配置され得る。
【0056】
[00064] チャネル26a,26b及び更なる2つのチャネル26c,26dの寸法及び構成などのパラメータは、放電チャンバ12において必要とされる電流プロファイル又は導電部材22において必要とされる電流密度に基づいて選択され得る。パラメータは、
図3Aに表示されているように、各チャネル26a,26b及び各更なるチャネル26c,26dの長さL及び幅Wを含み得る。各チャネル26a,26b及び/又は各更なるチャネル26c,26dの長さは、いくつかの実施形態においては約3から20cmの範囲内であり得るが、他の実施形態においては他の寸法が用いられ得る。各チャネル26a,26b及び/又は各更なるチャネル26c,26dの幅は、いくつかの実施形態においては約0.5から1.3cmの範囲内であり得るが、他の実施形態においては他の寸法が用いられ得る。各チャネル26aから26dのそれぞれは、全て同じ寸法パラメータを有していてもよいし、又は異なっていてもよい。
【0057】
[00065] 導電部材22は第1の端部34を備え得る。導電部材22の第1の部分28は、導電部材22の第1の端部34を定義し得るか又はその一部であり得る。本実施形態においては、第1の端部34は2つのチャネル26a,26bを備えている。他の実施形態においては第1の端部は2つよりも少ない又は多いチャネルを備え得ることは理解されるであろう。第1の端部34は第1の丸み付き縁部34aを備え得る。導電部材22は、2つのチャネル26a,26bが第1の丸み付き縁部34aから長手方向に内向きに延伸するように構成され得る。
【0058】
[00066] 導電部材22は第2の端部36を備え得る。導電部材22の第3の部分32は、導電部材22の第2の端部36を定義し得るか又はその一部であり得る。本実施形態においては、第2の端部36は2つの更なるチャネル26c,26dを備えている。他の実施形態においては第2の端部は2つよりも多い又は少ない更なるチャネルを備え得ることは理解されるであろう。第2の端部36は第2の第1の丸み付き縁部36aを備え得る。導電部材22は、更なる2つのチャネル26c,26dが第2の丸み付き縁部36aから長手方向に内向きに延伸するように構成され得る。チャネル26aから26dのうち1つ又は全てが第1及び第2の丸み付き縁部34a,36aから長手方向に内向きに延伸していてもよい。導電部材22は、第1及び第2の丸み付き縁部34a,36aが互いに対向して配置されるように構成される。
【0059】
[00067] チャネル26a~26dが無ければ、例えば使用時に、第1及び/又は第2の端部34,36において、導電部材22の残りの部分において流れる電流に比べて増大された電流が流れ得ることを、実験が示している。別の表現をすれば、使用時、第1及び/又は第2の端部34,36における電流密度は、導電部材22の残りの部分における電流密度に比べて高いであろう。導電部材22の第1の端部34の一部としてチャネル26a,26bを及び/又は第2の端部36の一部として更なるチャネル26c,26dを提供することによって、第1及び/又は第2の端部34,36を流れる電流密度又は電流は低減され得る。これは、導電部材22を通って流れる電流密度又は電流の均一性の向上をもたらし得る。このことは転じてカソード及び/又はアノードのより均一な浸食をもたらすことができ、これはカソード、アノード、及び/又は放電チャンバの寿命の延長に繋がり得る。
【0060】
[00068]
図3Aは、フッ化アルゴンガス混合物を保持する放電チャンバ12と共に用いられ得るが他のガス混合物との関連でも用いられ得る、例示的な導電部材22を示す。導電部材22は、上述したように、放電チャンバ12における放電に関連する電流を導くように構成され得る。導電部材22の1つ以上の寸法は、放電チャンバ12において必要とされ又は所望され得る電流プロファイルに基づいて選択され得る。追加的又は代替的には、導電部材22の寸法は、例えば、使用時に電流が導電部材22を通って流れるときに、導電部材22のインダクタンスを最小化する又は低減させるように選択され得る。寸法は、代替的又は追加的には、放電チャンバ12及び/又はレーザ10の他の部分の1つ以上の寸法に基づいて選択され得ることは理解されるであろう。本実施形態においては、導電部材22は、例えば約30mmなど、20から50mmの範囲内の厚さTを有し得るが、他の実施形態においては他の厚さが用いられ得る。導電部材22は、厚さTよりも小さい厚さを有する2つの凹部35aも含む。導電部材22は放電レーザの寸法との関連で選択された長さL1及び幅W1を有し得ると共に、これらは種々の実施形態において変化し得る。
【0061】
[00069]
図3Bは、フッ化クリプトンガス混合物などのガス混合物を含有する放電チャンバ12と共に用いられ得るような例示的な導電部材22を示すが、
図3Bの例示的な導電部材22は他のガス混合物との関連でも用いられ得る。
図3Bに示される導電部材22は、
図3Aに示されるものと類似している。しかしながら、
図3Bに示される導電部材22は、
図3Aに示される導電部材22に比べて薄いことがわかる。本実施形態においては、導電部材22は、例えば約3mmなど、2から5mmの範囲内の厚さを有し得るが、他の実施形態においては他の厚さが用いられ得る。
図3Bに示される導電部材22の長さL1及び幅W1は放電レーザの寸法との関連で選択され、これは種々の実施形態において変化し得る。
【0062】
[00070]
図4Aは、
図3Aに示される例示的な導電部材22の平面図を示す。もっとも、後述する特徴は
図3Bに示される導電部材22にも当てはまり得ることは理解されるであろう。導電部材22は電圧源24に接続するように構成されている。導電部材22は、電圧源をレーザに接続するための接続構成の一部を収容するように構成され得る(
図4Aには図示しない)。導電部材22は2つの凹部35aを備え得る。2つの凹部35aは、
図4Aの平面内に下向きに凹入しているものと考えられ得る。2つの凹部35aは、
図3Aにおいて、より明確に見える。いくつかの実施形態においては、凹部35aは、接続構成の少なくとも一部を収容するように構成され得る。2つの凹部35aは、導電部材22の中心又は中央部37に配置されている。導電部材22の中央部37は、導電部材22の第2の部分30の一部であり得るか又は第2の部分30に備えられ得る。凹部35aの各々は、軸又は長手方向Aに沿って延伸するように配置され得る。中心又は中央部37の幅W2は、導電部材22の残りの部分の幅W1(
図3Aに表示されている)よりも大きくてもよい。中心又は中央部37は、導電部材22とレーザ10の別の部分との間に封止が形成されることを可能にするように構成され得る。
【0063】
[00071] 導電部材22は複数の電荷蓄積デバイス及び複数の導電素子に接続するように構成され得る。例えば、各電荷蓄積デバイスは、
図5に示されるようにキャパシタの形で提供され得る。もっとも、電荷を蓄積するための他のデバイスが用いられ得ることは理解されるであろう。各導電素子はフィードスルー素子の価値で提供され得るが、他の実施形態においては他の導電素子が用いられ得る。導電部材22は、電流を各キャパシタからそれぞれのフィードスルーへ導くように構成され得る。
【0064】
[00072]
図4Aを参照すると、導電部材22は複数の第1の接続点38を備え得る。各第1の接続点38は、キャパシタのような電荷蓄積デバイスに接続するように構成され得る。各第1の接続点38は孔の形で提供されてもよい。第1の接続点38は導電部材22の軸又は長手方向Aに沿って配置される。第1の接続点38は導電部材22の外縁又は周囲に近接して配置され得る。第1の接続点38は導電部材22の両側に2列38a,38bで配置され得る。第1の接続点38のうちいくつかは、
図4Aに表示されているように、凹部35aに配置されてもよい。
【0065】
[00073] 導電部材22は複数の第2の接続点40を備え得る。各第2の接続点40は、フィードスルー素子に接続するように構成され得る。各第1の接続点38は更なる孔の形で提供される。第2の接続点40は、導電部材22の軸又は長手方向Aに沿って線状に配置され得るが、他の実施形態においては他の配置が用いられ得る。第2の接続点40は第1の接続点38の2つの列38a,38bの間に配置され得る。各第2の接続点40は、1対の第1の接続点38と関連付けられ得る。各第2の接続点40は、関連付けられた対の第1の接続点38の間に配置され得る。
【0066】
[00074]
図4Bは、
図4Aに示される導電部材の第1の端部34を示す。導電部材22は各チャネル26a,26bが第1の接続点38と第2の接続点40との間に延伸するように構成され得、第2の接続点40には関連付けられた第1の接続点38から電流が流れ得る。
図4Aに示される例示的な実施形態においては、各チャネル26a,26bは概ね2つの第1の接続点38と2つの第2の接続点40との間に延伸している。使用時に導電部材22がキャパシタ及びフィードスルー素子に接続されると、導電部材22は、1つ又は1対のキャパシタから関連するフィードスルー素子へ電流を導き得る。導電部材の第1及び第2の部分28,30の電流流路は、
図4Bに矢印によって表示されている。
図4Bに示されるように、導電部材22の第1の部分28の電流の流路は第2の部分30の電流の流路よりも長い。別の表現をすれば、チャネル26a,26bは、電流に、導電部材22の第1の部分28において、導電部材22の第2の部分30の電流の流路に比べてより長い流路をとらせるように構成され得る。これは、導電部材22を通って流れる電流又は導電部材22における電流密度の均一性の向上に繋がり得る。これは転じてカソード14及び/又はアノード14に沿ったより均一な電流又は電流密度をもたらすことができ、それによってカソード及びアノードのより均一な浸食がもたらされ得る。これはカソード、アノード、及び/又は放電チャンバの寿命の延長に繋がり得る。
【0067】
[00075]
図4Cは、導電部材22の別の例示的な一実施形態の第1の端部34を示す。
図4Cに示される導電部材は上述した導電部材22と類似している。本実施形態においては、導電部材22は絶縁部42を備える。絶縁部42の少なくとも一部は2つのチャネル26a,26bの各々に配置され得る。絶縁部42は、電流が各チャネル26a,26bにわたって又は2つのチャネル26a,26bの間で流れることを防止するように構成され得る。絶縁部42は、各チャネル26a,26bのパラメータ及び/又は2つのチャネル26a,26b間の距離Dに基づいて構成され得る。本実施形態においては、絶縁部42はU字形状を備える。他の実施形態においては、例えば各チャネルのパラメータ及び/又は2つのチャネル間の距離に応じて、絶縁部が異なる形状を有し得ることは理解されるであろう。他の実施形態においては、絶縁部は、単片を形成するように結合されていない2つの別個のプロング42aを含んでいてもよい。絶縁部42は、2つのプロング42a及び/又は2つのプロング42aを接続する部分42bを備え得る。各プロング42aの長さL3及び/又は幅W3は、各チャネル26a,26bの長さL及び/又は幅Wに基づいて選択され得る。別の表現をすれば、各プロング42aの長さL3及び/又は幅W3は、各チャネル26a,26bの長さL及び/又は幅Wに概ね対応するように選択され得る。絶縁部42は、例えばプロング42aの各々が2つのチャネル26a,26bの各々に配置されるように導電部材22に配置され得る。絶縁部42の各プロング42aが2つのチャネル26a,26bの各々に配置されると、部分42bが第1の丸み付き縁部34aの一部34bを覆い得る。第1の丸み付き縁部34aの一部34bは2つのチャネル26a,26bの間に延伸し得る。
【0068】
[00076] 絶縁部は絶縁材料で形成され得る。例えば、絶縁材料はプラスチック材料を備え得る。プラスチック材料は、例えばテフロン等のポリマ又はポリマ化合物を備え得る。代替的には、絶縁材料は、例えば酸化アルミニウム(Al2O3又はAlO2)などのセラミック材料を備え得る。絶縁部42は、各チャネル26a,26b及び/又は2つのチャネル26a,26b間における電気アーク又はアーク放電の形成を防止するために、上述したように各チャネル26a,26bに配置され得る。導電部材22が更なる絶縁部を備え得ることは理解されるであろう。更なる絶縁部は絶縁部42の特徴のいずれかを備え得る。更なる絶縁部は各更なるチャネル26c,26dに配置され得る。導電部材22は、チャネル26aから26dのうち1つ以上に配設された絶縁部を含み得る。チャネル26aから26dのうち1つ又は全部がそこに配設された絶縁部を含んでいてもよい。
【0069】
[00077]
図5は、レーザ10の例示的な一実施形態を示す切り取り図である。レーザ10は、
図2に示されるレーザの一部を備える。よって、
図2に関して上述した特徴は
図5に示されるレーザ10にも当てはまり得る。
【0070】
[00078]
図5は、
図2に示されている放電チャンバ12の外装部12aを示す。放電チャンバ12の外装部12aは、放電チャンバ12の外部の窪みの形で提供され得る。上述したように、レーザ10は導電部材22を備える。導電部材22は放電チャンバの外装部12aに取り付けられるように構成されている。
図5に示される導電部材22は、
図4A及び4Bに示される導電部材22と同一である。よって、
図4A及び
図4Bに関して上述した特徴は
図5に示される導電部材22にも当てはまり得る。
【0071】
[00079] レーザ10は複数の電荷蓄積デバイス44を備えており、これらは複数のキャパシタの形で提供される。各キャパシタ44は200から800pFの範囲の容量を有し得るが、他の実施形態においては他の容量が用いられ得る。キャパシタ44の配置は、導電部材22の第1の接続点38の配置に対応し得る。換言すれば、キャパシタ44は、レーザ10の軸又は長手方向Bに沿って配置され得る。キャパシタ44は放電チャンバ12の外装部12aの両側に2列44a,44bで配置され得る。キャパシタ44は、例えばねじ、ピン、ボルト、又は同様のものなど、複数の導電性の締結具46aを用いて導電部材22に接続され得る。
図5にはその1つが示されている。各締結具46aはキャパシタを導電部材22に接続するように第1の接続点に挿入され得る。
【0072】
[00080] レーザ10は複数の導電素子48を備えており、これらは複数のフィードスルー素子の形で提供される。フィードスルー素子48の配置は、導電部材22の第2の接続点40の配置に対応し得る。換言すれば、フィードスルー素子48は、
図5に示されるようにレーザ10の軸又は長手方向Bに沿って線状に配置され得る。他の実施形態においては他の配置が用いられ得る。フィードスルー素子48はキャパシタ44の2つの列44a,44bの間に配置され得る。フィードスルー素子48は、例えばねじ、ピン、ボルト、又は同様のものなど、複数の更なる導電性の締結具46bを用いて導電部材22に接続され得る。
図5にはその1つが示されている。各更なる締結具46bはフィードスルー素子48を導電部材22に接続するように第2の接続点に挿入され得るが、他の締結手段が用いられてもよい。
【0073】
[00081] いくつかの実施形態においては、レーザ10は任意選択的な接続部材45を備え得る。接続部材45は接続プレート又はインターコネクトプレートの形で提供され得る。接続プレート45は可撓性であるように構成され得る。例えば、接続プレート45は1mm未満の厚さを有し得るが、他の実施形態においては他の厚さが用いられる。接続プレート45は導電材料を備え得る。導電材料は、例えば銅もしくは真鍮等の金属又は金属合金を備え得る。接続プレート45は、導電部材22とキャパシタ44及びフィードスルー素子48との間に配置され得る。接続プレート45は、チャネルを含む導電部材22と同一又は類似の形状及び構成を有し得る。
図5においては、導電部材22の2つのチャネルに対応する2つのチャネル45a及び45bが視認できる。接続プレート45のチャネルの数は導電部材22のチャネルの数に対応し得ることは理解されるであろう。接続プレート45は、導電部材22とキャパシタ44及びフィードスルー素子48との間の接触を保証するために配置され得る。接続プレート45は、例えば、キャパシタ44及びフィードスルー素子48が接続プレート45を通じて導電部材22に接続されることを可能にするために、複数の更に別の孔45aを備えていてもよい。
【0074】
[00082] レーザ10は、電圧源(
図5には図示しない)をレーザ10、例えば導電部材22に接続するための接続構成47を備え得る。接続構成47は少なくとも2つの接続要素47aを備える。各接続要素47は、例えば金属などの導電材料を備え得る。各接続要素47aは導電部材22のそれぞれの凹部35aに配置され得る。接続要素47aは、例えばねじ、ピン、ボルト、又は同様のものなど、別の複数の締結具47bによって導電部材22に固定され得る。接続構成47は少なくとも2つの更なる接続要素47cを備え得る。2つの更なる接続要素47cは、各々が、ばね又はコイルばね又は同様のものなど、弾性及び/又は可撓性要素の形で提供され得る。各更なる接続要素47cは各接続要素47aの窪み47dに配置され得る。接続要素47a及び更なる接続要素47cは導電材料を備え得る。導電材料は、例えばスズ、真鍮、銅、もしくは同様のものなどの金属又は金属合金を備え得る。接続構成47は、例えば2つのガスケットなど、少なくとも2つの封止要素47eを備え得る。各封止要素47eは、接続要素47a及び/又は更なる接続要素47cを包囲するように配置され得る。別の表現をすれば、各封止要素47eは、導電部材22と接続要素47a及び/又は更なる接続要素47cとの間に配置され得る。接続構成47は電圧源と導電部材22との接触を保証するために提供され得る。他の実施形態においては電圧源を導電部材に繋ぐための種々の他の手段のいずれかが用いられ得ることは理解されるであろう。
【0075】
[00083]
図6は、
図5の線Bの一部に沿ったレーザ10の一部の断面図を示す。レーザ10のカソード14及びアノード16は、レーザ10の軸又は長手方向に沿って延伸するように構成され得る。アノード16は、ねじ、ピン、ボルト、又は同様のものの形で提供され得る複数の締結要素16cによって支持部材16bに取り付けられる。
図6には3つが示されているフィードスルー素子48は、電流を放電チャンバ12内に誘導するように構成され得る。例えば、フィードスルー素子48はレーザ10のカソード14に接続され得る。各フィードスルー素子48は、放電チャンバ12の外装部12aから放電チャンバ12内に延伸するように配置され得る。これは、後述するように、導電部材22及びフィードスルー素子48を通じてカソード14に電圧が印加されることを可能にし得る。フィードスルー素子48の各々は、例えば放電チャンバ12の内部からのガス18の漏出を防止するために、放電チャンバ12の少なくとも一部を封止するように構成され得る。各フィードスルー素子48は耐フッ素性材料を備え得る。耐フッ素性材料は例えば真鍮等の金属合金を備え得る。
【0076】
[00084]
図7は、
図5に示されるレーザ10の一部を示す。上述したように、カソード14とアノード16との間に放電があると、レーザ10の1つ以上の部分を通じて電流が流れ得る。電流の流路は
図7に矢印によって表示されている。
【0077】
[00085] 上述したように、電圧源24は導電部材22に接続され得る。使用時には、放電に関連する電流が導電部材22を通じて放電チャンバ12内に流れるように、放電チャンバにおいて放電を生じさせるべく、電圧が導電部材22に印加され得る。導電部材22に印加される電圧は500から1500Vの範囲内であり得る。
【0078】
[00086] 導電部材22はキャパシタ44及びフィードスルー素子48に接続され得る。導電部材22に電圧が印加されると、各キャパシタ44が充電され得る。各キャパシタ44の充電は、カソード14とアノード16との間に増大された電圧をもたらし得る。この電圧はフィードスルー素子48を介してカソード14に印加され得る。例えば、負電位が導電部材22に印加されてもよく、その結果、フィードスルー素子48及びカソード14は負に帯電する。導電部材22に印加される負電位は、各キャパシタ44の少なくとも一部も負に帯電させ得る。これは転じて、カソード14と接地されたアノード16との間に電界を作り出し得る。他の実施形態においては正電位がアノードに印加され得ることは理解されるであろう。電界はカソードa14とアノード16との間のガス混合物18をイオン化し得る。ガス混合物18が十分にイオン化されると、ガス絶縁破壊が発生し得ると共に放電チャンバ12の放電領域20において放電が生じ得る。これはキャパシタ44の各々にわたる電圧VCPの降下及びカソード14とアノード16との間での電圧低下をもたらし得る。キャパシタ44からフィードスルー素子48へ、導電部材22を介して電流が流れ得る。電流は、フィードスルー素子48から放電チャンバ12内へ、例えばカソード14へ及び放電領域20を横切ってアノード16へ流れ得る。上述したように、少なくとも1つのチャネルを備えるように導電部材22を構成することによって、導電部材22における電流密度又は電流の均一性が向上し得る。これは転じて、カソード14及び/又はアノード16に沿った、例えばカソード14及び/又はアノード16の長さに沿った、電流又は電流密度の均一性の向上をもたらし得る。この電流又は電流密度の均一性の向上はカソード及びアノードのより均一な浸食をもたらし得、これはカソード、アノード、及び/又はレーザの放電チャンバの寿命の延長に繋がり得る。電流は、例えば電流還流素子54を用いて、アノード16から遠ざかるように接地(図示しない)に流れ得る。電流還流素子54はアノード16を接地するように構成され得る。
【0079】
[00087]
図8は、上述したレーザ10のようなレーザを動作させる方法のステップを概説するフローチャートである。ステップ105において、方法は、上述した導電部材22を有する放電レーザと、電圧源とを提供するステップを備える。
【0080】
[00088] ステップ110において、方法は、電圧源を用いて導電部材に電圧を印加することを備える。電圧は、上述したようにレーザを動作させてレーザビームを作り出すべく、レーザの放電チャンバ内に放電を引き起こすために印加される。
【0081】
[00089] ステップ115において、導電部材に印加された電圧は、レーザの電荷蓄積デバイス、例えばキャパシタ44から、レーザの導電素子、例えばフィードスルー素子48に、導電部材を介して電流を流れさせる。
【0082】
[00090] ステップ120において、導電部材に印加された電圧は、フィードスルー素子48から放電チャンバ内に電流を流れさせる。例えば、電流は、導電素子からレーザの第1の電極、例えばカソード14に流れ得る。電流は、レーザ第1の電極からレーザの第2の電極、例えばアノード16に、例えば放電領域20を横切って流れ得る。
【0083】
[00091] 電圧を印加するステップは、電荷蓄積デバイス、例えばキャパシタ44、及び/又は導電素子を充電することを備え得る。例えば、上述したように、負電位が導電部材に印加され得る。その結果、導電部材と、導電素子と、各電荷蓄積デバイスの少なくとも一部とが負に帯電され得る。これは転じてレーザの第1の電極、例えばカソードが負に帯電されることをもたらし得る。
【0084】
[00092] 方法は、例えば放電に先立って、レーザの放電チャンバ内のガス混合物を予備イオン化するステップを備え得る。
【0085】
[00093] 例えば
図7に関連して上述した特徴は方法に適用され得るか又は方法の一部であり得ることは理解されるであろう。
【0086】
[00094] 上述のように導電部材にチャネルを形成することによって、カソード及び/又はアノードの不均一な浸食は低減又は防止され得る。導電部材は放電チャンバに外装部で接続され得るので、導電部材を放電チャンバの外装部から取り外すとき及び/又は導電部材を放電チャンバの外装部に(再)装着するとき、フッ素への曝露は無いであろう。また、上述したように、チャネルの形成は、導電部材の1つ以上の構造的又は熱的特性に対して全く影響を有さないか又は影響が低減されるであろう。
【0087】
[00095] 「チャネル」という用語は、細長の窪み又は細長の中空の空間又は部分を包含するものと考えられ得る。
【0088】
[00096] 「電流流路」及び「電流の流路」という用語は互換的に用いられ得ることは理解されるであろう。
【0089】
[00097] 複数の特徴の参照は、例えば「少なくとも1つ」及び/又は「各」など、それらの特徴の単数形の参照と互換的に用いられ得ることは理解されるであろう。例えば「少なくとも1つ」又は「各」のような特徴の単数形が互換的に用いられ得る。
【0090】
[00098] 本文献では、「放射」及び「ビーム」という用語は、紫外線(例えば、波長が365nm、248nm、193nm、157nm又は126nmの波長)及びEUV(極端紫外線放射、例えば、約5~100nmの範囲の波長を有する)を含む、すべてのタイプの電磁放射を包含するために使用される。
【0091】
[00099] 「レチクル」、「マスク」、又は「パターニングデバイス」という用語は、本文で用いる場合、基板のターゲット部分に生成されるパターンに対応して、入来する放射ビームにパターン付き断面を与えるため使用できる汎用パターニングデバイスを指すものとして広義に解釈され得る。また、この文脈において「ライトバルブ」という用語も使用できる。古典的なマスク(透過型又は反射型マスク、バイナリマスク、位相シフトマスク、ハイブリッドマスク等)以外に、他のそのようなパターニングデバイスの例は、プログラマブルミラーアレイ及びプログラマブルLCDアレイを含む。
【0092】
[000100] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。考えられる他の用途は、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイダンス及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。
【0093】
[000101] 本明細書ではリソグラフィ装置に関連して本発明の実施形態について具体的な言及がなされているが、本発明の実施形態は他の装置又はシステムに使用することもできる。本発明の実施形態は、マスク検査装置、メトロロジ装置、又はウェーハ(あるいはその他の基板)もしくはマスク(あるいはその他のパターニングデバイス)などのオブジェクトを測定又は処理する任意の装置の一部を形成してよい。これらの装置は一般にリソグラフィツールと呼ばれることがある。このようなリソグラフィツールは、真空条件又は周囲(非真空)条件を使用することができる。
【0094】
[000102] 以上では光学リソグラフィと関連して本発明の実施形態の使用に特に言及しているが、本発明は、例えばインプリントリソグラフィなど、その他の適用例において使用されてもよく、文脈が許す限り、光学リソグラフィに限定されないことが理解されるであろう。
【0095】
[000103] 本発明の他の態様は、以下の番号を付した条項に記載する。
1.レーザの放電チャンバにおける放電に関連する電流を導くための導電部材であって、
導電部材の一部の電流流路を導電部材の別の一部の電流流路に比べて増大させるように構成された少なくとも1つのチャネルを備えており、導電部材は、レーザを電圧源に接続するように及び電圧源とレーザの放電チャンバとの間にインターフェイスを提供するように構成されている、導電部材。
2.導電部材はチャネルを複数備える、条項1の導電部材。
3.チャネルの各々は、導電部材の一部に関連付けられていると共に、導電部材の関連付けられた一部の電流流路を導電部材の別の一部の電流流路に比べて増大させるように構成されている、条項2の導電部材。
4.導電部材は第1の端部を備えており、第1の端部はチャネルのうち少なくとも1つを備えている、条項1から3のいずれかの導電部材。
5.第1の端部は第1の丸み付き縁部を備えており、第1の端部は第1の丸み付き縁部から長手方向に内向きに延伸するチャネルのうち少なくとも2つを備えている、条項4の導電部材。
6.導電部材は第2の端部を備えており、第2の端部はチャネルのうち少なくとも1つを備えている、条項4又は5のいずれかの導電部材。
7.第2の端部は第2の丸み付き縁部を備えており、第2の端部は第2の丸み付き縁部から長手方向に内向きに延伸するチャネルのうち少なくとも2つを備えている、条項6の導電部材。
8.導電部材は複数の電荷蓄積デバイス及び複数の導電素子に接続するように構成されている、条項1から7のいずれかの導電部材。
9.導電部材は複数の電荷蓄積デバイスの各電荷蓄積デバイスから複数の導電素子のそれぞれの導電素子に電流を導くように構成されている、条項8の導電部材。
10.導電部材は複数の第1の接続点及び複数の第2の接続点を備えており、複数の第1の接続点の各第1の接続点は複数の電荷蓄積デバイスのうち1つの電荷蓄積デバイスに接続するように構成され、複数の第2の接続点の各第2の接続点は複数の導電素子のうち1つの導電素子に接続するように構成されている、条項8又は9の導電部材。
11.複数の第1の接続点及び/又は複数の第2の接続点は、各々が導電部材に沿って長手方向に延伸する構成で配置されている、条項10の導電部材。
12.導電部材は、チャネルの各々が1つの第1の接続点と1つの第2の接続点との間に配設されるように構成されている、条項10又は11の導電部材。
13.各チャネルに配設された絶縁部を更に備えている、条項1から12のいずれかの導電部材。
14.導電部材は導電バーを備える、条項1から13のいずれかの導電部材。
15.放電チャンバと、
放電チャンバにおける放電に関連する電流を導くための導電部材と、
を備えるレーザであって、導電部材は、
導電部材の一部の電流流路を導電部材の別の一部の電流流路に比べて増大させるように構成された少なくとも1つのチャネルを備えており、導電部材は、レーザを電圧源に接続するように及び電圧源とレーザの放電チャンバとの間にインターフェイスを提供するように構成されている、レーザ。
16.レーザは複数の電荷蓄積デバイス及び複数の導電素子を備えており、複数の電荷蓄積デバイス及び複数の導電素子は導電部材に接続されている、条項15のレーザ。
17.導電部材は、複数の電荷蓄積デバイスの各電荷蓄積デバイスから複数の導電素子のそれぞれの導電素子に電流を導くように構成されている、条項16のレーザ。
18.複数の導電素子は電流を放電チャンバ内に誘導するように構成されている、条項16又は17のレーザ。
19.導電部材はチャネルを複数備えており、チャネルの各々は、導電部材の一部に関連付けられていると共に、導電部材の関連付けられた一部の電流流路を導電部材の別の一部の電流流路に比べて増大させるように構成されている、条項15から18のいずれか一項のレーザ。
20.放電チャンバは1つ以上のガスを保持するように構成されており、1つ以上のガスはクリプトン、アルゴン、及び/又はフッ素を備える、条項15から19のいずれか一項のレーザ。
21.レーザを備える放射源であって、レーザは、
放電チャンバと、
条項1から14のいずれか一項に記載の、放電チャンバにおける放電に関連する電流を導くための導電部材と、
を備えている、放射源と、
リソグラフィ装置と、
を備える、リソグラフィシステム。
22.レーザを動作させる方法であって、レーザは、
レーザ放電チャンバを有するレーザと、
放電チャンバにおける放電に関連する電流を導くための導電部材であって、導電部材の一部の電流流路を導電部材の別の一部の電流流路に比べて増大させるように構成された少なくとも1つのチャネルを備えており、レーザを電圧源に接続すると共に電圧源とレーザの放電チャンバとの間にインターフェイスを提供する、導電部材と、を備えており、方法は、
放電に関連する電流が導電部材を通じて放電チャンバ内に流れるように、放電チャンバにおいて放電を生じさせるべく電圧を導電部材に印加することを備える、方法。
23.レーザは複数の電荷蓄積デバイス及び複数の導電素子を備えており、複数の電荷蓄積デバイス及び複数の導電素子は導電部材に接続されている、条項22の方法。
24.導電部材は、複数の電荷蓄積デバイスの各電荷蓄積デバイスから複数の導電素子のそれぞれの導電素子に電流を導くように構成されており、複数の導電素子は電流を放電チャンバ内に誘導するように構成されている、条項23の方法。
25.電圧を導電部材に印加することは、導電部材の一部の複数の電荷蓄積デバイスのうち1つの電荷蓄積デバイスから複数の導電素子のうち関連する1つの導電素子への電流流路が、導電部材の別の一部の複数の電荷蓄積デバイスのうち1つの電荷蓄積デバイスから複数の導電素子のうち関連する1つの導電素子への電流流路よりも長くなるように、複数の電荷蓄積デバイスから複数の導電素子に導電部材を介して電流を流れさせる、条項23又は24の方法。
26.電圧を導電部材に印加することは複数の導電素子から放電チャンバ内に電流を流れさせる、条項25の方法。
27.電圧を導電部材に印加するステップは、負電位を導電部材に印加することを備える、条項23から26のいずれか一項の方法。
28.導電部材はチャネルを複数備えており、チャネルの各々は、導電部材の一部に関連付けられていると共に、導電部材の関連付けられた一部の電流流路を導電部材の別の一部の電流流路に比べて増大させるように構成されている、条項22から27のいずれか一項の方法。
29.導電部材は更に、各チャネルに配設された絶縁部を備える、条項22から29のいずれか一項の方法。
【0096】
[000104] 以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることは理解されよう。上記の説明は例示的であり、限定的ではない。それ故、下記に示す特許請求の範囲から逸脱することなく、記載されたような本発明を変更できることが当業者には明白である。