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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-08
(45)【発行日】2023-11-16
(54)【発明の名称】光源及び発光モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/60 20100101AFI20231109BHJP
   H01L 33/50 20100101ALI20231109BHJP
【FI】
H01L33/60
H01L33/50
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021157879
(22)【出願日】2021-09-28
(65)【公開番号】P2023048518
(43)【公開日】2023-04-07
【審査請求日】2022-10-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】野間 紳太郎
(72)【発明者】
【氏名】岡久 強志
【審査官】高椋 健司
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-131928(JP,A)
【文献】特開2012-169189(JP,A)
【文献】特開2012-243822(JP,A)
【文献】特開2015-228389(JP,A)
【文献】特表2014-520384(JP,A)
【文献】特開2019-152851(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0343419(US,A1)
【文献】特開2018-139285(JP,A)
【文献】特開2016-219794(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110176530(CN,A)
【文献】特開2019-114710(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
B60Q 1/00- 1/56
F21K 9/00- 9/90
F21S 2/00-45/70
F21V 8/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光素子と、
前記複数の発光素子の上面を露出し、前記複数の発光素子の間及び前記複数の発光素子の全体の外周に配置され、前記複数の発光素子を一括して保持する遮光性部材と、
複数の透光性部材と、を備え、
前記複数の透光性部材は、
前記複数の発光素子上にそれぞれ配置される複数の第1透光性部材と、
前記外周に位置する前記遮光性部材上に配置される第2透光性部材と、を含み、
前記遮光性部材は、前記複数の透光性部材の上面を露出し、前記複数の透光性部材間に配置されている光源。
【請求項2】
さらに、前記複数の透光性部材の上面を被覆する光拡散層を備える請求項1に記載の光源。
【請求項3】
前記複数の第1透光性部材は平面視において全体として矩形状に配置され、
前記第2透光性部材は前記矩形の外周に沿って複数配置されている請求項1又は2に記載の光源。
【請求項4】
前記第2透光性部材は、前記遮光性部材から露出して前記光源の外側面を構成する側面を有する請求項1からのいずれか一項に記載の光源。
【請求項5】
隣接する前記第1透光性部材間の距離は、隣接する前記発光素子間の距離よりも小さい請求項1からのいずれか一項に記載の光源。
【請求項6】
前記複数の透光性部材は蛍光体を含有する請求項1からのいずれか一項に記載の光源。
【請求項7】
前記複数の発光素子は青色光を発光し、
前記複数の透光性部材は、青色光により励起され黄色光を発光する蛍光体を含む請求項1からのいずれか一項に記載の光源。
【請求項8】
前記複数の発光素子は、実装基板上に載置されており、前記遮光性部材は、前記発光素子と前記実装基板との間に配置されている請求項1からのいずれか一項に記載の光源。
【請求項9】
前記第2透光性部材は、隣接して配置される前記第1透光性部材との配列方向における幅が、隣接して配置される前記第1透光性部材の前記配列方向における幅の5%以上100%以下である請求項1からのいずれか一項に記載の光源。
【請求項10】
表面に配線層を備えた基板と、
該基板上に配置された請求項1からのいずれか一項に記載の光源と、を備える発光モジュール。
【請求項11】
前記光源上に配置されたレンズを備える請求項10に記載の発光モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光源及び発光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数の発光素子を二次元に配列した光源が、表示装置、照明装置、フラッシュ等の種々の分野で利用されている。このような光源は、複数の発光素子の任意の一部を駆動させることによって、照射領域を変化させる部分照射が可能である。例えば、特許文献1には、車両の配光可変型前照灯に使用可能な光源が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-219637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、部分照射時の発光特性に優れた光源、及び発光モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の光源は、
複数の発光素子と、
前記複数の発光素子の上面を露出し、前記複数の発光素子の間及び前記複数の発光素子の全体の外周に配置され、前記複数の発光素子を一括して保持する遮光性部材と、
複数の透光性部材とを備え、
前記複数の透光性部材は、
前記複数の発光素子上にそれぞれ配置される複数の第1透光性部材と、
前記外周に位置する前記遮光性部材上に配置される第2透光性部材とを含む。
また、本開示の発光モジュールは、
表面に配線層を備えた基板と、
該基板上に配置された上述した光源とを備える。
【発明の効果】
【0006】
本開示の実施形態によれば、部分照射時の発光特性に優れた光源及び発光モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A】本開示の一実施形態の光源を示す概略上面図である。
図1B図1AのIB-IB’線断面図である。
図2】一実施形態の光源において発光素子と、遮光性部材との位置関係を説明するための概略上面図である。
図3A】一実施形態の光源における透光性部材の変形例を示す概略上面図である。
図3B】一実施形態の光源における透光性部材の別の変形例を示す概略上面図である。
図3C】一実施形態の光源における透光性部材のさらに別の変形例を示す概略上面図である。
図3D】一実施形態の光源における透光性部材のさらに別の変形例を示す概略上面図である。
図4A】本実施形態の光源における発光形態を説明するための概略上面図である。
図4B図4AのIVB-IVB’線断面図である。
図4C図4AのIVC-IVC’線断面図である。
図4D】一実施形態の比較例の光源の発光形態を説明するための概略断面図である。
図5】一実施形態の光源の他の例を示す概略断面図である。
図6A】一実施形態の光源の製造方法を説明するための製造工程図である。
図6B】一実施形態の光源の製造方法を説明するための製造工程図である。
図6C】一実施形態の光源の製造方法を説明するための製造工程図である。
図6D】一実施形態の光源の製造方法を説明するための製造工程図である。
図6E】一実施形態の光源の製造方法を説明するための製造工程図である。
図6F】一実施形態の光源の製造方法を説明するための製造工程図である。
図6G】一実施形態の光源の製造方法を説明するための製造工程図である。
図7】本開示の一実施形態の発光モジュールを示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に図面を参照しながら、本発明を実施するための形態を説明する。ただし、以下に示す形態は、本発明の技術思想を具体化するための例示であって、本発明を以下に限定するものではない。また、各図面が示す部材の大きさ及び位置関係等は、説明を明確にするために誇張していることがある。断面図として、切断面のみを示す端面図を用いることがある。さらに、同一の名称、符号については、原則として同一又は同質の部材を示しており、重複した説明は適宜省略する。本明細書において、「被覆」「覆う」等の用語は直接接する場合に限定するものではなく、特に断らない限り、間接的に(例えば他の部材を介して)被覆する場合も含む。
【0009】
〔光源〕
一実施形態の光源10は、図1A及び1Bに示すように、複数の発光素子1と、複数の発光素子1を一括して保持する遮光性部材2と、複数の透光性部材3とを備える。ここで、遮光性部材2は、複数の発光素子1の上面を露出し、複数の発光素子1の間及び複数の発光素子の全体の外周に配置され、複数の発光素子を一括して保持する。複数の透光性部材3は、複数の発光素子1上にそれぞれ配置される複数の第1透光性部材31と、複数の発光素子の全体の外周に位置する遮光性部材2上に配置される第2透光性部材32とを含む。
このような各部材の配置によって、光源における発光むらを効果的に抑制することができる。特に、複数のうちの一部、例えば、数個又は1個の発光素子のみを点灯させた場合、点灯した発光素子の位置(例えば、複数の発光素子全体の中央又は端)にかかわらず、発光状態を均一又は略均一にすることができ、発光むらを低減することができる。
なお、複数の発光素子の全体の外周とは、図2に示すように、平面視において、行列状に配置された複数の発光素子のうち、外側に位置する発光素子1gの外側の側面1s同士を結ぶ輪郭(破線Q)を取り囲む部分を意味する。言い換えると、平面視において、複数の発光素子1の全部を取り囲む輪郭(破線Q)の外側の部分であって、後述する遮光性部材2の端部までの領域を意味する。
【0010】
(発光素子1)
複数の発光素子1は、二次元に配列されており、ランダムに配置されていてもよいが、規則的に配置されていることが好ましく、行列状に配列されていることがより好ましい。例えば、二方向に沿って二次元に規則的に配列されていることが好ましい。各方向での配列ピッチは、異なっていてもよい。例えば、中央から外周に向かって間隔が広くなるように複数の発光素子1が配列されていてもよい。なかでも、複数の発光素子1は、図1Aに示すように、互いに直交するx方向及びy方向に沿って、規則的に、等間隔で配置されていることが好ましい。図1Aでは、発光素子1は、例えば、5×6個配列されているが、7×9個等、種々の数で配列することができる。発光素子の配列ピッチは、発光素子の大きさ、第1透光性部材の大きさ等によって適宜設定することができる。例えば、発光素子の一辺又は直径等のx方向における長さが、100μm以上1000μm以下の場合、x方向におけるピッチPxは110μm以上2000μm以下が挙げられる。同様に、y方向におけるピッチPyは110μm以上2000μm以下が挙げられる。距離DxとDyとは異なっていてもよいし、同じであってもよい。
【0011】
発光素子1は、半導体発光素子であり、半導体レーザ、発光ダイオード等、公知の発光素子を利用することができる。例えば、発光素子1は発光ダイオードである。発光素子1から出射される光の波長は、任意の波長を選択することができる。例えば、青色~緑色の波長の光を発する発光素子として、ZnSe、窒化物半導体(InAlGa1-x-yN、0≦x、0≦y、x+y<1)、GaPを用いた素子を用いることができる。また、赤色の波長の光を発する発光素子として、GaAlAs、AlInGaP等の半導体を含む半導体発光素子を用いることができる。さらに、これら以外の材料から形成される半導体発光素子を発光素子1に用いることもできる。用いる半導体の組成、発光素子の発光色、大きさ及び個数等は、目的、設計仕様に応じて適宜選択することができる。複数の発光素子は、全部が同じ波長の光を発する発光素子でもよいし、一部又は全部が異なる波長の光を発する発光素子であってもよい。
【0012】
発光素子1は、例えば、透光性の支持基板と、支持基板上の半導体積層体とを有する。半導体積層体は、活性層と、活性層を挟むn型半導体層及びp型半導体層とを含む。発光素子1は、短波長の光を出射することが可能な窒化物半導体(InAlGa1-x-yN、0≦x、0≦y、x+y<1)を含むことが好ましい。半導体の材料及び/又はその混晶度によって発光波長を種々選択することができる。
発光素子1は、n型半導体層及びp型半導体層に負電極1n及び正電極1pがそれぞれ電気的に接続されている。発光素子1は、主発光面である上面1a(以下、光出射面ともいう)及び上面1aとは反対側に位置する下面1bを有する。発光素子1は、同一面側に正負の電極を有していてもよいし、異なる面に正負の電極を有していてもよい。なかでも、発光素子1は、下面1bに、正電極1p及び負電極1nを有するものが好ましい。このような電極の配置によって、発光素子を実装基板上にフリップチップ実装することができる。
発光素子は、平面形状が三角形、四角形又は六角形等の多角形であってもよいし、円形又は楕円形等であってもよいが、矩形であることが好ましい。発光素子の大きさは、所望の性能等によって適宜設定できる。例えば、上面1aの形状は100μm以上1000μm以下×100μm以上1000μm以下の矩形が挙げられ、150μm以上500μm以下×150μm以上500μm以下の矩形が好ましい。これにより、複数の発光素子を備える光源をより小型化することができる。
例えば、複数の発光素子1は、平面視においてそれぞれ矩形であり、全体として矩形状に配置されていることが好ましい。
【0013】
(遮光性部材2)
遮光性部材2は、複数の発光素子1を保護する機能を有する。また、遮光性部材2は、発光素子1の側面から発せられる光を反射させて、発光素子1の上方に導光する機能を有する。これにより、発光素子1から発せられる光の利用効率を向上させることができる。遮光性部材2は、複数の発光素子1の間及び複数の発光素子1の全体の外周に配置されている。これによって、遮光性部材2は、複数の発光素子1を一括して保持することができる。また、遮光性部材2は、複数の発光素子1の上面を露出している。言い換えると、発光素子1の光出射面を露出している。遮光性部材2は、さらに、発光素子1の正電極及び負電極から露出する下面1bを被覆していることが好ましい。これによって、発光素子から出射される光を効率的に光出射面から取り出すことができる。ただし、遮光性部材2は、電極の下面を露出する。
発光素子1が実装基板に載置されている場合、特に、フリップチップ実装されている場合には、発光素子1と実装基板との間、つまり、発光素子1の下面1bと実装基板の上面との間の隙間を埋めるように、遮光性部材2が配置されていてもよい。
遮光性部材2は、上述したように、複数の発光素子1の全体の外周において、発光素子1の側面1sからx方向又はy方向に所定の幅(図2中、Wx、Wy)で配置されていることが好ましい。ここでの所定の幅Wx、Wyは、例えば、複数の発光素子の間の距離Dx及びDy又はそれ以上とすることが好ましい。これによって、複数の発光素子全体の外側に位置する発光素子から出射される光を上方に配光することができ、光源の側面からの漏れ光を抑制することができる。幅Wx、Wyは、いずれも、例えば、同方向における発光素子の幅の5%以上200%以下の範囲とすることができる。
【0014】
遮光性部材2は、光反射性及び/又は光吸収性を有する部材である。なかでも、高い光反射性を有することが好ましい。これにより、発光素子1の側面から出射する光を反射させて上面から取り出すことができ、より光取り出し効率に優れた光源とすることができる。具体的には、遮光性部材2は、発光素子から出射される光に対して、60%以上の反射率を有することが好ましく、80%以上の反射率を有することがより好ましい。
遮光性部材2は、母材の樹脂と、樹脂中に含まれる光反射性物質の粒子とを含む。樹脂としては、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂の1種以上を含む樹脂が挙げられる。光反射性物質としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化亜鉛等が挙げられる。光反射性物質の平均粒子径は、例えば、0.05μm以上30μm以下が挙げられる。遮光性部材2は、顔料、カーボンブラック等の光吸収材、蛍光体等をさらに含んでいてもよい。遮光性部材2においては、光反射性物質の粒子が樹脂中に分散していることが好ましい。
【0015】
(透光性部材3)
透光性部材3は、複数の発光素子1のそれぞれの上に配置される複数の第1透光性部材31と、発光素子1の全体の外周の外側に位置する遮光性部材2の上に配置される第2透光性部材32とを含む。
第1透光性部材31の大きさは、平面視において、発光素子1の発光面よりも小さくてもよいし、同じでもよいし、大きくてもよいが、発光素子の発光面と同じか、大きいことが好ましい。なかでも、図1Aに示すように、第1透光性部材31は、発光素子の発光面より大きく、平面視において、発光素子を内包するように配置されることがより好ましい。第1透光性部材31は、発光素子の発光面と同じ形状又は相似の形状であることが好ましい。図1Aに示すように、光源10が備える複数の第1透光性部材31は、それぞれ、平面形状及び大きさが同じであることが好ましい。第1透光性部材31の平面積は、例えば、発光素子の発光面の平面積の100%以上150%以下が挙げられ、100%以上130%以下が好ましい。第1透光性部材31は、複数の発光素子の上において、発光素子の配列と同様に配列されていることが好ましい。例えば、x方向に隣接する第1透光性部材31間の距離dx及びy方向に隣接する第1透光性部材31間の距離dyは、隣接する発光素子の間の距離Dx及びDyよりもそれぞれ小さいことが好ましい。これにより、隣接する発光素子間における輝度の低い領域をより小さくすることができる。例えば、発光素子の一辺の長さの5%以上50%以下が挙げられる。具体的には、距離dx及び距離dyは、それぞれ10μm以上100μm以下が挙げられる。距離dx及び距離dyは同じであってもよいし、異なっていてもよい。
光源が備える複数の第1透光性部材は、1以上において平面形状及び/又は大きさが異なっていてもよい。例えば、図3Bに示すように、第1透光性部材31Bは、中央の1つの発光素子の上に配置するものと、それに隣接する発光素子上に、つまり、中央の1つの発光素子を取り囲む発光素子上に一体的に配置するものと、さらに、それらを取り囲む発光素子上に一体的に配置するものとを有していてもよい。このように、複数の第1透光性部材は、平面形状及び/又は大きさが異なっていてもよい。
複数の第1透光性部材31は、平面視において、発光素子の配列と同様に、全体として矩形状に配置されていることが好ましい。さらに、1以上の第2透光性部材を含む複数の透光性部材3は、全体として矩形状に配置されていることが好ましい。
【0016】
第2透光性部材32は、発光素子1の全体の外周に配置する遮光性部材2の上に少なくとも1つ配置されていればよく、複数配置されていてもよい。言い換えると、第2透光性部材32は、発光素子1上には配置されていない。例えば、図1Aに示すように、第2透光性部材32は、発光素子1の全体の外周に配置する遮光性部材2上において、発光素子1上に配置する第1透光性部材31の配列と同様に、x方向及びy方向に配列していてもよい。この場合、第2透光性部材32は、第1透光性部材31と同じ形状及び大きさであってもよいし、第1透光性部材31の一部のみを含む形状及び大きさであってもよい。
第2透光性部材は、隣接して配置される第1透光性部材との配列方向における幅を異ならせた形状とすることができる。この場合、平面視において、第1透光性部材31とX方向に隣接する第2透光性部材32のX方向における一辺の長さは、隣接して配置される第1透光性部材のX方向における一辺の長さの5%以上100%以下が好ましく、25%以上75%以下がより好ましい。この際、第1透光性部材31とX方向に隣接する第2透光性部材32のY方向における一辺の長さは、隣接して配置される第1透光性部材のY方向における一辺の長さの100%以上とすることが好ましい。これにより、第2透光性部材32に隣接する第1透光性部材における、X方向への光の広がりを、第2透光性部材32に隣接しない第1透光性部材と近似させることができる。
同様の観点から、光源の発光面において、x方向及び/又はy方向に隣接する第1透光性部材31と第2透光性部材32との距離は、x方向及び/又はy方向に隣接する第1透光性部材31間の距離dx及び/又はdyと同じ距離であることが好ましい。第1透光性部材31及び第2透光性部材32の厚みは同じ厚みであることが好ましい。
図3Aに示すように、第2透光性部材32Aは、発光素子1の全体の外周に配置する遮光性部材2上において、発光素子1の全体を取り囲むように、1つのみ配置されていてもよい。この場合、第2透光性部材32Aは、第1透光性部材31と形状及び大きさが異なっている。さらに、図3Bに示すように、第2透光性部材32Bは、発光素子1の全体の外周に配置する遮光性部材2上において、発光素子1の全体を取り囲むように、1つのみ配置されていてもよい。
第2透光性部材32は、複数の第1透光性部材31が平面視において全体として矩形状に配置されている場合、その矩形の外周に沿って1つ又は複数配置されていることが好ましい。
【0017】
複数の第1透光性部材31及び第2透光性部材32は、いずれも、その上面が遮光性部材2から露出している。隣接する第1透光性部材31及び第2透光性部材32の間には、遮光性部材2が配置されていることが好ましい。この場合、隣接する第1透光性部材31及び第2透光性部材32の対向する側面は、厚み方向の一部のみが遮光性部材2に被覆されていてもよいが、厚み方向の全てが遮光性部材2に被覆されていることが好ましい。言い換えると、遮光性部材2の上面と、複数の第1透光性部材31及び第2透光性部材32の上面が面一であることが好ましい。第2透光性部材32は、第1透光性部材31又は第2透光性部材32と対向していない側面、つまり光源の外側に面する側面は、遮光性部材2に被覆されていなくてもよい。言い換えると、第2透光性部材32は、光源の外側面を構成する、遮光性部材2から露出した側面を有することが好ましい。
【0018】
透光性部材3は、発光素子1から出射した光の少なくとも一部を透過する部材であり、発光素子からの出射した光の60%以上を透過させるものが挙げられ、70%以上、75%以上又は80%以上の光を透過させるものが好ましい。また形状は板状が好ましい。
具体的には、透光性部材3は、光源の発光面となる上面と、上面と反対側の下面と、上面と下面との間の側面とを有する。第1透光性部材31の下面は発光素子1の上面と対向して配置され、第2透光性部材32の下面は、発光素子1全体の外周に位置する遮光性部材2の上面と対向して配置される。透光性部材3の上面及び下面は互いに平行な平坦面であることが好ましく、側面は上面及び/又は下面に垂直な面であってもよく、上面及び/又は下面に対して傾斜する傾斜面を有していてもよい。
透光性部材3は、透光性樹脂、ガラス、セラミックス等によって形成することができる。透光性樹脂としては、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂の1種以上を含む樹脂を用いることができる。
また、透光性部材3は、入射された光の少なくとも一部を波長変換可能な蛍光体を含むことができる。蛍光体を含有する透光性部材3としては、例えば、蛍光体の焼結体や、透光性樹脂、ガラス、セラミックス等に蛍光体粉末を含有させたものが挙げられる。また、透光性樹脂、ガラス、セラミックス等の成形体である透光板の表面に蛍光体を含有する樹脂層等の透光層を形成したものでもよい。
蛍光体としては、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Y(Al,Ga)12:Ce)、ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Lu(Al,Ga)12:Ce)、テルビウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Tb(Al,Ga)12:Ce)、CCA系蛍光体(例えば、Ca10(POCl:Eu)、SAE系蛍光体(例えば、SrAl1425:Eu)、クロロシリケート系蛍光体(例えば、CaMgSi16Cl:Eu)、βサイアロン系蛍光体(例えば、(Si,Al)(O,N):Eu)、αサイアロン系蛍光体(例えば、Ca(Si,Al)12(O,N)16:Eu)、SLA系蛍光体(例えば、SrLiAl:Eu)、CASN系蛍光体(例えば、CaAlSiN:Eu)若しくはSCASN系蛍光体(例えば、(Sr,Ca)AlSiN:Eu)等の窒化物系蛍光体、KSF系蛍光体(例えば、KSiF:Mn)、KSAF系蛍光体(例えば、KSi0.99Al0.015.99:Mn)若しくはMGF系蛍光体(例えば、3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn)等のフッ化物系蛍光体、ペロブスカイト構造を有する蛍光体(例えば、CsPb(F,Cl,Br,I))、又は、量子ドット蛍光体(例えば、CdSe、InP、AgInS又はAgInSe)等を用いることができる。
KSAF系蛍光体としては、下記式(I)で表される組成を有していてよい。
[SiAlMn] (I)
式(I)中、Mはアルカリ金属を示し、少なくともKを含んでよい。Mnは4価のMnイオンであってよい。p、q、r及びsは、0.9≦p+q+r≦1.1、0<q≦0.1、0<r≦0.2、5.9≦s≦6.1を満たしていてよい。好ましくは、0.95≦p+q+r≦1.05又は0.97≦p+q+r≦1.03、0<q≦0.03、0.002≦q≦0.02又は0.003≦q≦0.015、0.005≦r≦0.15、0.01≦r≦0.12又は0.015≦r≦0.1、5.92≦s≦6.05又は5.95≦s≦6.025であってよい。例えば、K[Si0.946Al0.005Mn0.0495.995]、K[Si0.942Al0.008Mn0.0505.992]、K[Si0.939Al0.014Mn0.0475.986]で表される組成が挙げられる。このようなKSAF系蛍光体によれば、輝度が高く、発光ピーク波長の半値幅の狭い赤色発光を得ることができる。
【0019】
複数の第1透光性部材31は、一部又は全部が透光性の材料のみから形成されていてもよいし、一部又は全部が、蛍光体を含有していてもよい。この場合、複数の第1透光性部材31の一部又は全部が同じ蛍光体を含有していてもよく、一部又は全部が異なる蛍光体を含有していてもよい。複数の第1透光性部材31の全部が、青色光により励起され黄色光を発光する蛍光体を含有していてもよい。また、複数の第1透光性部材31の一部が、青色光により励起され黄色光を発光する蛍光体を含有し、他の一部が青色光により励起され橙色光を発光する蛍光体を含有していてもよい。第1透光性部材31に含有させる蛍光体の種類又は含有量を調整することにより、第1透光性部材31の上面から所望の色の光を出射させることができる。
青色光を出射する複数の発光素子1を備える光源において、図3Cに示すように、x方向及びy方向において、上面から出射される発光色の異なる第1透光性部材31C及び第1透光性部材31Dを交互に配列させることができる。第1透光性部材31Cは青色光により励起され黄色発光する蛍光体を含有し、第1透光性部材31Cの上面からは白色光が出射される。第1透光性部材31Dは青色光に励起され赤色発光する蛍光体と黄色発光する蛍光体とを含有し、上面からは橙色光が出射される。これにより、発光色を白色光~橙色光の範囲で調光することが可能な光源を得ることができる。この場合、第1透光性部材31C、31Dに対応して、第2透光性部材32C、32Dも同様にx方向及びy方向において交互に配列させることが好ましい。この際、第2透光性部材32Cは第1透光性部材31Cと同様に黄色発光する蛍光体を含有し、第2透光性部材32Dは第1透光性部材31Dと同様に赤色発光する蛍光体と黄色発光する蛍光体とを含む。
【0020】
また、青色光を出射する複数の発光素子1を備える光源において、図3Dに示すように、x方向及びy方向において、上面から出射される発光色がそれぞれ異なる第1透光性部材31E、第1透光性部材31F、第1透光性部材31Gを交互に配列させることができる。第1透光性部材31Eは蛍光体を含有しておらず、第1透光性部材31Eの上面からは青色光が出射される。第1透光性部材31Fは青色光に励起され赤色発光する蛍光体を含有し、上面からは赤色光が出射される。第1透光性部材31Gは青色光に励起され緑色発光する蛍光体を含有し、上面からは緑色光が出射される。これにより、青、緑、赤の光が出射されるため、マルチカラー表示が可能な光源を得ることができる。この場合、第1透光性部材31C、31E、31Fに対応して、第2透光性部材32E、32F、32Gも同様にx方向及びy方向において順に配列させることが好ましい。この際、第2透光性部材32Eは第1透光性部材31Eと同様に蛍光体を含有せず、第2透光性部材32Fは第1透光性部材31Fと同様に赤色発光する蛍光体を含み、第2透光性部材32Gは第1透光性部材31Gと同様に緑色発光する蛍光体を含む。
【0021】
透光性部材3は、光拡散性物質を含有してもよい。光拡散性物質としては、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化亜鉛等の粒子が挙げられる。このような光拡散性物質を透光性部材中に分散させるか、このような粒子を含む層を透光性部材が備えることにより、発光素子1から発せられる光を拡散させて外部へと放出させることができる。これにより、透光性部材3の上面における発光ムラを抑制することができる。
隣接する透光性部材3間の距離は、隣接する第1透光性部材の間、隣接する第1透光性部材と第2透光性部材との間、隣接する第2透光性部材の間において、異なっていてもよいし、同じでもよい。例えば、10μm以上200μm以下の範囲が挙げられ、30μm以上100μm以下の範囲が好ましく、40μm以上80μm以下の範囲がより好ましい。
【0022】
このような複数の透光性部材3が、第1透光性部材31として複数の発光素子1上に、第2透光性部材32として複数の発光素子1の全体の外周に位置する遮光性部材上に、それぞれ配置される。これにより、光源の発光面側(つまり発光素子の光出射面側)から、光源を視認した場合に、光源の外周に位置する遮光性部材2の面積を小さくすることができる。これにより、例えば、外部から光源が視認される際に、外周の遮光性部材2が目立たなくなり、光源のデザイン性を向上させることが可能となる。特に、発光素子の非点灯時における透光性部材3と遮光性部材2との色の違いが外部から視認されることを低減させることができる。
また、光源1が第2透光性部材32を備えることにより、図4B及び図4Cに示すように、内側に位置する発光素子1を点灯させた場合の透光性部材31Xを通過する光mと、外側に位置する発光素子1を点灯させた場合の透光性部材31Yを通過する光nと、発光面側におけるそれぞれの光の広がりを近似させることができる。これに対して、外周に第2透光性部材が配置されない場合、図4Dに示すように、発光素子の全体の外周に位置する遮光性部材22により、外側に位置する発光素子1から出射される光tの進行が阻害され、発光面側における光の広がりに偏りが生じる虞がある。このように、本実施形態によれば、複数の発光素子のうちの特定の発光素子を点灯させた場合、外側に位置する発光素子と内側に位置する発光素子とそれぞれにおける光の広がりが同等な光源を得ることができる。
図4Bから図4Dにおいては、説明を簡単にするために、光源内部における各部材間の光の屈折は考慮せずに図示している。
【0023】
(光拡散層4)
図5に示すように、一実施形態の光源10Aは、透光性部材3の上面を被覆する光拡散層4をさらに備えていてもよい。光拡散層4は、透光性部材3の一部のみを被覆していてもよいが、第1透光性部材31及び第2透光性部材32の全部を一体的に被覆することが好ましい。この際、光拡散層4は、透光性部材3間の遮光性部材2上も含め光源10Aの上面を一括して被覆することが好ましい。これにより、隣接する発光素子1を点灯させる際に、隣接する発光領域間の非発光領域が、輝度の低い領域として外部から視認されることを抑制することができる。
光拡散層4は、発光素子1から出射される光を拡散及び導光する機能を有する。光拡散層4は、単層であってもよいし、複数の層を含む積層構造を有していてもよい。光拡散層4は、例えば、30%~99%の全光線透過率(Tr)及び10%~90%の拡散率(D)を有する。光拡散層4の厚さは、10μm以上200μm以下が挙げられる。
光拡散層4は、遮光性部材2及び透光性部材3の上面に接していてもよいし、遮光性部材2及び透光性部材3の上面から間隔をあけて配置されていてもよい。なかでも、光拡散層4の下面は、遮光性部材2及び透光性部材3の上面に直接接していることが好ましい。これによって、発光素子1からの光を光拡散層4に効率的に導入することができ、光の取り出し効率を向上させることができる。また、光拡散層4は、遮光性部材2及びは透光性部材3の上面との間に、透光層5として、透光性の層又は接着材層等を介して接していてもよい。
【0024】
光拡散層4は、透光性樹脂と透光性樹脂に含まれる光拡散性物質とを含む。透光性樹脂及び光拡散性物質としては、透光性部材3に用いられる透光性樹脂及び光拡散性物質と同様の材料を用いることができる。さらに、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂等、可視光に対して吸収の少ない樹脂によって形成してもよい。光拡散層4の表面は、平坦であってもよいし、微細な凹凸等を有していてもよい。
【0025】
(実装基板50)
図5に示すように、一実施形態の光源10Aは、複数の発光素子1が実装基板50上に載置されていてもよい。
実装基板50は、少なくともその上面に発光素子1と接続される配線51と、配線51を支持する基体52を有するものが挙げられる。実装基板50は、ロール・ツー・ロール方式で製造可能なフレキシブルプリント基板(FPC)であってもよいし、湾曲可能な程度に薄型の基板であってもよいし、リジッド基板であってもよい。
基体52としては、例えば、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、ムライト等のセラミックス;PA(ポリアミド)、PPA(ポリフタルアミド)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)及び液晶ポリマー等の熱可塑性樹脂;エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性エポキシ樹脂、ウレタン樹脂及びフェノール樹脂等の樹脂を用いることができる。なかでも放熱性に優れるセラミックスを用いることが好ましい。
配線51は、基体52の上面のみならず、下面に配置されていてもよい。上面及び下面の配線51は、側面に配置される配線を介して接続されてもよいし、ビア等の内層配線を介して接続されていてもよい。また、配線51は、部分的に厚み等が異なっていてもよい。配線は、電解めっき、無電解めっき、スパッタリング、蒸着等により形成することができる。配線51としては、鉄、銅、ニッケル、アルミニウム、金、プラチナ、チタン、タングステン、パラジウム等の金属又はこれらを含む合金が挙げられる。
【0026】
〔光源10の製造方法〕
上述した光源10は、透光性シート3aを準備し、透光性シート3aに複数の発光素子1を配置し、ダイシングを行い、ダイシング領域及び発光素子1間に遮光性部材2を配置することにより製造することができる。
また、遮光性部材2から露出する発光素子1の正電極1p及び負電極1nとそれぞれ接続される導電膜8を形成してもよい。このような導電膜8を形成することにより、遮光性部材2から露出する発光素子1の正電極1p及び負電極1nの表面積を実質的に増大させることが可能となり、基板等への接続性を確保することができる。
【0027】
(透光性シート3aの準備)
まずは、ダイシングにより複数の透光性部材3に個片化することができる透光性シート3aを準備する。透光性シート3aは、透光性シート3aに光拡散層4が積層された積層シート6であってもよい。なかでも、図6Aに示すように、透光性シート3aは、透光性シート3aに透光層5、光拡散層4が順に積層された積層シート6として準備されることが好ましい。透光性シート3a、透光層5、光拡散層4は、それぞれ、シート状の部材であってもよい。この場合、各層は、直接又は接着材層等を介して一体的に積層される。また、支持体上に、透光性シート3aの材料、透光層5の材料、光拡散層4の材料をこの順又は逆の順に塗布等により積層した積層シート6を形成してもよい。各層の厚みは、それぞれ、上述した特性を発揮し得るように適宜設定することができる。ここで、透光層5としては、発光素子1から出射した光の少なくとも一部を透過し得る層であればよく、例えば、発光素子からの出射した光の60%以上を透過させるものが挙げられ、70%以上、75%以上又は80%以上を透過させるものが好ましい。透光層5は、透光性部材を構成する透光性樹脂等によって形成することができる。透光層の厚みは、20μm以上400μm以下が挙げられる。このような透光層5は、発光素子から出射された光を横方向に伝搬することができるため、発光部間の輝度ムラの軽減に寄与し得る。
【0028】
(発光素子1の配置)
次いで、図6Bに示すように、積層シート6における透光性シート3aに、複数の発光素子1を配列する。この場合、発光素子1の光出射面側を透光性シート3a上に配置する。発光素子1の光出射面と透光性シート3aとは、直接接するように固定してもよいし、透光性の接着材等を用いて固定してもよい。
【0029】
(ダイシング)
続いて、図6Cに示すように、積層シート6上に配列した複数の発光素子1間で、少なくとも透光性シート3aの厚み方向の全部を切断するように、ブレード7を利用して、ダイシングを行う。この際、積層シート6として、透光性シート3aに透光層5と光拡散層4とを積層した積層シートを準備した場合には、透光性シート3aの厚み方向の全部、透光層5の厚み方向の全部又は一部をダイシングし、光拡散層4は、ダイシングしないことが好ましい。つまり、積層シート6においては、透光性シート3aの厚み方向の全部を切断するが、光拡散層4のダイシングを回避するために、透光性シート3aと光拡散層4との間に緩衝層として透光層5を配置させることが好ましい。この場合、透光層5の厚み方向の一部がダイシングにより切断される。
透光性シート3aのダイシングは、発光素子間の全てにおいて行うとともに、外側に配置される発光素子1gの外側の側面1s側においても行う。この場合、ダイシングは、発光素子間に行うダイシングと、x方向及びy方向において同じピッチで行うことが好ましい。なお、平面視において、発光素子1gの、さらにその外側における、積層シート6を個片化するダイシングの位置は、任意に設定することができる。
【0030】
(遮光性部材2の形成)
図6Dに示すように、遮光性部材2を構成する材料を、積層シート6上において、複数の発光素子1を一体的に被覆するように配置する。遮光性部材2を構成する材料は、複数の発光素子1の全部を埋設するように被覆してもよいし、図6Eに示すように、発光素子1の電極を露出するように被覆してもよい。また、複数の発光素子1の全部、つまり、電極を含む全てを埋設するように被覆した後、発光素子1の電極を露出するように、遮光性部材2を構成する材料の一部を除去してもよい。このような除去は、エッチング又は研削等、当該分野で公知の方法によって行うことができる。これによって、光源を形成することができる。
【0031】
(導電膜8の形成)
図6Fに示すように、遮光性部材2及び遮光性部材2から露出する電極上に導電膜8aを形成する。導電膜8aは、導電性を有する材料であればよく、銅、アルミニウム、金、銀、プラチナ、チタン、タングステン、パラジウム、鉄、ニッケル等の金属又はこれらの金属を含む合金等によって形成することができる。その後、例えばエッチング、レーザアブレーション等によって遮光性部材2を覆う導電膜8aの一部を除去することによって、一部が電極を覆い、他の一部が遮光性部材2を覆う導電膜8を形成することができる。導電膜の厚みは、得ようとする性能、用いる材料等によって、適宜設定することができる。例えば、導電膜の除去をレーザアブレーションにより行う場合、導電膜の厚みは1μm以下であることが好ましく、125オングストローム以上1000オングストローム以下がより好ましい。
【0032】
〔発光モジュール〕
一実施形態の発光モジュール20は、図7に示すように、基板21と、基板21上に配置された光源10と備える。基板21は、表面に配線層を備え、配線層が、例えば、発光素子をセグメント単位でマトリクス駆動することができるように形成されていてもよいし、ローカルディミング動作を行うことができるように形成されていてもよい。
発光モジュール20は、光源10上に配置されたレンズ11を備えていてもよい。ここでのレンズ11は、凸レンズ、凹レンズ、フレネルレンズ等、各種機能を発揮するレンズを用いることができる。また、レンズ11を支持するために、筐体12を有していてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本開示の光源及び発光モジュールは、カメラのフラッシュ光源、車両のヘッドライト、液晶ディスプレイのバックライト、各種照明器具等に利用できる。
【符号の説明】
【0034】
1 発光素子
1a 上面
1b 下面
1g 外側に配置する発光素子
1n 負電極
1p 正電極
1s 側面
2、22 遮光性部材
3、31X、31Y 透光性部材
31、31B、31C、31D、31E、31F、31G 第1透光性部材
32、32A、32B、32C、32D、32E、32F、32G 第2透光性部材
3a 透光性シート
4 光拡散層
5 透光層
6 積層シート
7 ブレード
8 導電膜
10、10A 光源
11 レンズ
12 筐体
20 発光モジュール
21 基板
50 実装基板
51 配線
52 基体
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図7