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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-08
(45)【発行日】2023-11-16
(54)【発明の名称】基板支持体のためのプロセスキット
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20231109BHJP
【FI】
H01L21/68 R
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020539696
(86)(22)【出願日】2019-01-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-06
(86)【国際出願番号】 US2019014076
(87)【国際公開番号】W WO2019143858
(87)【国際公開日】2019-07-25
【審査請求日】2022-01-14
(31)【優先権主張番号】62/619,473
(32)【優先日】2018-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/249,716
(32)【優先日】2019-01-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ムスタファ ムハンナド
(72)【発明者】
【氏名】ラシード ムハンマド エム
(72)【発明者】
【氏名】レイ ユー
(72)【発明者】
【氏名】ゲラトス アヴゲリノス ヴイ
(72)【発明者】
【氏名】バンシア ヴィカシュ
(72)【発明者】
【氏名】カルデロン ヴィクター エイチ
(72)【発明者】
【氏名】トー シー ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】リー ユン-シン
(72)【発明者】
【氏名】セン アニンディタ
【審査官】杢 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-300057(JP,A)
【文献】特開2002-246370(JP,A)
【文献】特開2017-55100(JP,A)
【文献】特開2011-108764(JP,A)
【文献】特開平9-148420(JP,A)
【文献】登録実用新案第3209624(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2015/0179412(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2007-0031660(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
石英で製作され、上面および下面を有する上部エッジリングであり、前記上面が、実質的に平面であり、前記下面が、前記上部エッジリングの半径方向最外部分を画定する第1の段差を有すると共に、前記上部エッジリングの半径方向最内部分を画定する第2の段差を有する階段状下面を含前記半径方向最外部分と前記半径方向最内部分との間に延び、前記半径方向最外部分と前記半径方向最内部分を分ける中央部分を有しており、前記上部エッジリングの内面が、前記上面から前記下面まで一定の直径で延びている、上部エッジリングと、
下部エッジリングであって、前記下部エッジリングは、前記階段状下面の前記第1の段差から半径方向に間隔を空けて配置されており、前記下部エッジリングは、前記上部エッジリングの前記階段状下面の前記第2の段差と連係するように構成されている、下部エッジリングと
を含む基板支持体のためのプロセスキット。
【請求項2】
前記下部エッジリングが、上部外周エッジに沿ってノッチを有し、前記上部エッジリングの前記階段状下面が、前記ノッチと連係するように構成される、請求項に記載のプロセスキット。
【請求項3】
前記上部エッジリングが、前記下部エッジリングの内径よりも小さい内径、および前記下部エッジリングの外径よりも大きい外径を有する、請求項に記載のプロセスキット。
【請求項4】
前記下部エッジリングが導電性である、請求項に記載のプロセスキット。
【請求項5】
前記半径方向最外部分が、前記半径方向最内部分の厚さよりも大きい厚さを有する、請求項1に記載のプロセスキット。
【請求項6】
前記上部エッジリングが、前記上面を、前記上部エッジリングの外周壁に、または前記上部エッジリングの前記下面に接続する湾曲した上部周辺エッジを含む、請求項1~のいずれか1項に記載のプロセスキット。
【請求項7】
前記上部エッジリングが、約1.5インチ~約2.0インチの幅を有する、請求項1~のいずれか1項に記載のプロセスキット。
【請求項8】
前記上部エッジリングの前記半径方向最内部分が、約13.5インチ~約14.5インチの外径を有する、請求項1~のいずれか1項に記載のプロセスキット。
【請求項9】
基板支持体であって、
所与の直径を有する基板を支持するように構成された基板支持面を支持する基部と、
前記基板支持体の上に配設された請求項1に記載のプロセスキットとを備え
前記下部エッジリングが、前記基部の上面の上方および前記基板支持面の下方の高さに位置づけられた上面を有
前記上部エッジリングが、前記所与の直径よりも小さい内径および前記基部の外径よりも大きい外径を有する、基板支持体。
【請求項10】
前記基部の上に配設された前記基板支持体の上部部分であり、前記基板支持体の前記上部部分の上面が前記基板支持面を含む、前記基板支持体の上部部分
をさらに含む、請求項に記載の基板支持体。
【請求項11】
前記基板支持体の前記上部部分が、半径方向外側に延びる外周棚を含み、前記上部エッジリングが、前記外周棚に載るように構成された下面を有する、請求項10に記載の基板支持体。
【請求項12】
前記下部エッジリングが、上部外周エッジにノッチを有し、前記上部エッジリングが、前記上部エッジリングと前記下部エッジリングとを位置合わせするために前記ノッチと連係するように構成された輪郭形成済み下面を有する、請求項11のいずれかに記載の基板支持体。
【請求項13】
前記下部エッジリングが、アルミニウムまたはアルミニウム合金で製作される、請求項11のいずれかに記載の基板支持体。
【請求項14】
前記下部エッジリングが、湾曲したエッジを含む、請求項11のいずれかに記載の基板支持体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に、基板処理装置に関し、より詳細には、基板支持体のためのプロセスキットおよびそれを使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマリアクタなどの基板処理システムを使用して、基板上に層を堆積させるか、基板上の層をエッチングするか、または基板上に層を形成するか、あるいはそうでなければ基板の表面を処置することができる。そのような基板処理の態様を制御するのに有用な1つの技法は、基板支持体に配置された基板の真下に配設された電極にRFエネルギーを結合することなどによって、基板に隣接するプラズマを制御するために高周波(RF)エネルギーを使用することである。
【0003】
発明者らは、本明細書において、基板処理システムの改善されたRFエネルギー制御と、ウエハエッジの近傍のプラズマシースの柔軟な制御とを提供することができる基板処理システムの実施形態を提供する。
【発明の概要】
【0004】
基板を処理するための方法および装置が本明細書で提供される。いくつかの実施形態において、基板支持体のためのプロセスキットには、石英で製作され、上面および下面を有する上部エッジリングであり、上面が、実質的に平面であり、下面が、上部エッジリングの半径方向最外部分および半径方向最内部分を画定するために階段状下面を含む、上部エッジリングが含まれる。
【0005】
いくつかの実施形態では、基板支持体には、下部エッジリングであり、下部エッジリングが導電性である、下部エッジリングと、下部エッジリングと連係するように構成された輪郭形成済み下面を有する上部エッジリングであり、上部エッジリングが、さらに、下部エッジリングの内径よりも小さい内径、および下部エッジリングの外径よりも大きい外径を有し、上部エッジリングが、さらに、実質的に平面である上面を有し、上部エッジリングが石英から製造される、上部エッジリングとが含まれる。
【0006】
いくつかの実施形態では、基板支持体は、所与の直径を有する基板を支持するように構成された基板支持面を支持する基部と、基板支持体の上に配設されたプロセスキットであり、基部の上面の上方および基板支持面の下方の高さに位置づけられた上面を有する下部エッジリング、ならびに下部エッジリングの上に配設された上部エッジリングであり、上部エッジリングが、所与の直径よりも小さい内径および基部の外径よりも大きい外径を有し、上部エッジリングが、さらに、実質的に平面である上面を有する、上部エッジリングを含む、プロセスキットとを含む。
【0007】
本開示の他のおよびさらなる実施形態が、以下で説明される。
【0008】
上述で簡単に要約され、以下でさらに詳細に論じられる本開示の実施形態は、添付の図面に示された本開示の例示の実施形態を参照することによって理解することができる。しかしながら、添付図面は本開示の典型的な実施形態を示しているにすぎず、それゆえに、本開示は他の等しく有効な実施形態を認めることができるので、添付図面は範囲を限定すると見なされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示のいくつかの実施形態による、プラズマリアクタの概略図である。
図2】本開示のいくつかの実施形態による、基板支持体の概略側面図である。
図3】本開示のいくつかの実施形態による、基板支持体の部分概略側面図である。
図4】本開示のいくつかの実施形態による、基板支持体の下部エッジリングの側断面図である。
図4A図4の下部エッジリングの部分側断面図である。
図5】本開示のいくつかの実施形態による、基板支持体の上部エッジリングの側断面図である。
図5A図5の上部エッジリングの部分側断面図である。
図6】本開示のいくつかの実施形態による、下部エッジリングの側断面図である。
図6A図6の下部エッジリングの部分側断面図である。
図7】本開示のいくつかの実施形態による、上部エッジリングの側断面図である。
図7A図7の上部エッジリングの部分側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
理解しやすくするために、可能であれば、図に共通な同一の要素を示すために、同一の参照番号が使用されている。図は、縮尺通りに描かれておらず、明確にするために簡単化されていることがある。1つの実施形態の要素および特徴は、さらなる詳述なしに、他の実施形態に有利に組み込むことができる。
【0011】
基板を処理するための方法および装置が、本明細書で開示される。本発明の方法および装置は、従来のプラズマ処理装置と比較して、基板のより均一なプラズマ処理を有利に促進することができる。例えば、本開示の実施形態は、基板のエッジと基板の中心との間で比較して、エッチング均一性などの処理均一性を改善し、それにより、全体として基板処理をより均一にすることができる。
【0012】
例えば、発明者らは、中心-エッジ間の不均一なエッチング量が、半導体ウエハなどの基板への特定のエッチングプロセス中に見られることを発見した。特に、発明者らは、基板エッジがRFアンテナとして働き、それにより、プロセスチャンバ内の電界が、RFバイアスを印加するプロセス中に、基板エッジによって局在化および誘引されることを発見した。したがって、基板エッジへのプラズマ衝突が、同じく、局在化され、より強力になることになる。発明者らは、以下でより詳細に論じるように、2つのエッジリング構成要素、すなわち、上部エッジリングおよび下部エッジリングを含む独創的なエッジリング設計を発見した。上部エッジリングは石英で製造され、石英は、エッチング耐性が高く、処理の間チャンバの内部での欠陥/粒子の生成が少ない。下部エッジリングは、導電性材料または高誘電率材料、例えば、アルミニウムなどで製作することができる。導電性または高誘電率の下部エッジリングは、RF導電面を持ち上げ、基板のエッジの近くの電界を変化させる。電界のそのような変化は、有利には、プラズマ衝突を、基板のエッジから、下部エッジリングの上に配設された上部エッジリングにシフトさせる。
【0013】
図1は、本開示のいくつかの実施形態による、誘導結合プラズマリアクタ(リアクタ100)の概略側面図を示す。リアクタ100は、単独で利用することができ、またはカリフォルニア州、サンタクララのApplied Materials, Inc.から入手可能なCENTURA(登録商標)統合半導体ウエハ処理システムなどの統合半導体基板処理システムもしくはクラスタツールの処理モジュールとして利用することができる。本開示の実施形態による改変から有利に利益を得ることができる好適なプラズマリアクタの例には、Applied Materials, Inc.からやはり入手可能な半導体装置のDPS(登録商標)ラインなどの誘導結合プラズマエッチングリアクタまたはMESA(商標)などの他の誘導結合プラズマリアクタが含まれる。半導体装置の上述のリストは、単に例示であり、他のエッチングリアクタ、および非エッチング装置(CVDリアクタまたは他の半導体処理装置など)も本教示に従って適切に改変することができる。例えば、本開示に従って改変することができる好適な非限定のプラズマリアクタは、2011年4月28日にV. Todorowらに発行された「INDUCTIVELY COUPLED PLASMA APPARATUS」と題する米国特許出願公開第2011/009499号、2011年4月28日にS. Bannaらに発行された「DUAL MODE INDUCTIVELY COUPLED PLASMA REACTOR WITH ADJUSTABLE PHASE COIL ASSEMBLY」と題する米国特許出願公開第2011/0097901号、または2015年5月12日にS. Bannaらに発行された「POWER DEPOSITION CONTROL IN INDUCTIVELY COUPLED PLASMA (ICP) REACTORS」と題する米国特許出願公開第2015/0068682号に見いだすことができる。
【0014】
リアクタ100は、一般に、一緒に内部容積部を画定する導電性本体(チャンバ壁130)およびリッド120(例えば、天井)を有するプロセスチャンバ104と、内部容積部内に配設された基板支持体116(基板115を支持して示されている)と、誘導結合プラズマ装置102と、コントローラ140とを含む。チャンバ壁130は、一般に、電気接地134に結合される。リアクタ100が誘導結合プラズマリアクタとして構成される実施形態では、リッド120は、リアクタ100の内部容積部に面する誘電体材料を含むことができる。他の実施形態では、容量結合プラズマ源、遠隔プラズマ源などのような他のプラズマ源が、同様にまたは代替として、使用されてもよい。
【0015】
基板支持体116は、一般に、基板115を支持するための支持面を有する上部部分を含む。いくつかの実施形態では、支持面は、誘電体材料から形成される。図1は、基板支持体116の上部部分を、例えば、静電チャック117として示している。基板支持体116は、整合ネットワーク124を通してバイアス電源122に結合されたカソード118をさらに含む。バイアス電源122は、例示的に、例えば約13.56MHzの周波数で、RFエネルギーの最大約1000W(しかし約1000Wに限定されない)の電源、例えば、特定の用途では約150Wなどの電源とすることができるが、他の周波数および電力が、所望に応じて、特定の用途のために供給されてもよい。バイアス電源122は、連続電力またはパルス電力のいずれかまたは両方の生成を可能にできる。いくつかの実施形態では、バイアス電源122は、DCまたはパルス化DC電源とすることができる。いくつかの実施形態では、バイアス電源122は、多数の周波数の供給を可能にでき、または1つまたは複数の第2のバイアス電源(図2に示されているような)が、同じ整合ネットワーク124を通してもしくは1つまたは複数の追加の整合ネットワーク(図2に示されているような)を通して基板支持体116に結合することができる。絶縁体層128がカソード118を囲む。
【0016】
プロセスキット125が、基板支持体116の上に配設され、そうでなければ露出されることになる基板支持体116の上面を保護する。プロセスキット125は、さらに、以下でより詳細に論じるように、基板処理を改善するように構成される。いくつかの実施形態では、プラズマスクリーン129を基板支持体116とチャンバ壁130との間の領域に配設して、プラズマが基板支持体116の下に移動するのを制限または防止してもよい。
【0017】
図2は、本開示のいくつかの実施形態による基板支持体116のさらなる詳細を示す。図2に示されるように、基板支持体116は、基板支持体116内に配設された電極200(例えば、カソード118)を含む。いくつかの実施形態では、電極200は、基板支持体116の支持面216の真下で中央に配設することができる。電極200は、アルミニウム(Al)、ドープされた炭化ケイ素(SiC)、またはプロセス環境に適合する他の適切な導電性材料のうちの1つまたは複数などの導電性材料から形成される。いくつかの実施形態では、電極200は、基板支持体116の誘電体支持面を支持する基部205に配設されてもよく、または基部205であってもよい。基部205は、周辺エッジ202および上面204を有することができる。いくつかの実施形態では、基部205は、基部205を通して配設された複数のチャネル207を含み、チャネル207を通して伝熱媒体を流すことができる。伝熱媒体源209は、複数のチャネル207に結合されて、伝熱媒体を複数のチャネル207に供給することができる。例えば、複数のチャネル207を通る伝熱媒体の流れを使用して、基板支持体116に配置された基板の温度を調整することができる。
【0018】
基板支持体116は、電極200の上面204の上方に配設された基板支持面216をさらに含む。例えば、基板支持面216は、静電チャック117の一部とすることができる。静電チャック117は電極200の上に配設され、基板支持面216は静電チャック117の上面である。静電チャック117は、セラミックパック220などの誘電体プレートを含むことができる。セラミックパック220は、その中に配設された1つまたは複数の電極(図示の電極222)を含み、基板115を静電チャック117にチャックするためのDCエネルギーを供給する。電極222は、一般に、DC電源226に結合される。
【0019】
プロセスキット(例えば、プロセスキット125)は、基板支持体116の上に配設されて、そうでなければ露出されることになる基板支持体116の上面を保護する。例えば、プロセスキット125は、下部エッジリング206および上部エッジリング208を含む。下部エッジリング206は、導電性材料または高誘電率プロセス適合材料、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金、例えば、Al6061などから製造される。下部エッジリング206は電極200(例えば、基部205)に電気的に結合され、その結果、電極200および下部エッジリング206は共通のRF電源(例えば、バイアス電源122)に結合され得る。いくつかの実施形態では、下部エッジリング206は、いくつかの実施形態においてAl6061である基部205と同じ導電性材料から製造される。下部エッジリング206は、一般に、アーク放電を避けるために、湾曲したエッジを含む。上部エッジリング208は、石英などの絶縁プロセス適合材料から製造される。カソード118(例えば、電極200または基部205)を囲む絶縁体層128も下部エッジリング206の外径面のまわりに配設される。上部エッジリング208が、以下でより詳細に論じるように、絶縁体層128と、下部エッジリング206と、セラミックパック220の一部との上に配設される。
【0020】
発明者らは、プラズマ処理の間、基板115のエッジがRFアンテナとして働き、それにより、プロセスチャンバ内の電界が、RFバイアスを印加するプロセス中、基板エッジによって局在化および誘引されることを観察した。したがって、基板エッジへのプラズマ衝突が、同じく、局在化され、より強力になり、それにより、不均一な基板処理がもたらされる。例えば、発明者らは、エッチング量の中心-エッジ間の不均一性が、半導体ウエハなどの基板への特定のエッチングプロセス中に見られることを発見した。
【0021】
導電性または高誘電率の下部エッジリング206は、RF導電面を持ち上げ、基板115のエッジの近くの電界を変化させる。電界のそのような変化は、有利には、プラズマ衝突を、基板115のエッジから、下部エッジリング206の上に配設された上部エッジリング208にシフトさせる。上部エッジリング208は石英で製造され、石英は、有利には、エッチング耐性が高く、処理の間チャンバの内部での欠陥/粒子の生成が少ない。このように、発明者らは、本明細書で論じるように、プロセスキット125を設けると、有利には、エッチングなどのより均一な基板処理を行うことができるとともに、同時に、処理の間チャンバの内部での欠陥/粒子の生成を少なくすることができることを発見した。
【0022】
図3は、本開示のいくつかの実施形態による、図2に示した基板支持体116の部分概略側面図を示す。例えば、静電チャック117は、300mmなどの所与の直径を有する基板を支持するように構成される(150mm、200mm、450mmなどのような他のサイズおよび形状を利用することもできるが)。静電チャック117の支持面216は、基板115の外周エッジが支持面216をわずかにオーバーハングするように、所与の幅よりも小さい直径を有する。例えば、300mmウエハを処理するための構成では、支持面216は、300mmよりもわずかに小さい直径を有する。静電チャック117は壁304を含み、壁304は、支持面216から下方に垂直にまたは実質的に垂直に延び、壁304の底部から半径方向外側に延びる外周棚308の上面306で終了する。
【0023】
下部エッジリング206は、静電チャック117の外周棚308の半径方向外側に配設される。例えば、下部エッジリング206の内径は、外周棚308の内径よりも大きく、したがって、基板の所与の幅(例えば、300mm)よりも大きい。上記のように、下部エッジリング206は、電極200に導電的に結合される。図3に示されるように、下部エッジリング206は、例えば、基部205(電極200を形成する)の上に直接配設されることによって、電極200に導電的に結合される。下部エッジリング206は、基板115の外側エッジの半径方向外側に配設された領域のRF導電面を局所的に持ち上げるために、基部205の上面204の上方に(例えば、電極200の上方に)位置づけられた上面302を含む。
【0024】
発明者らは、下部エッジリング206の上面302を電極200の上面204の上方に位置づけると、有利には、上記のように、より均一な基板処理が行われることを発見した。例えば、発明者らは、下部エッジリング206の持ち上がった上面302が、基板115の直径の外側のイオンを引き寄せ、基板エッジでの処理結果の増加を防止または低減すると考えている。
【0025】
しかしながら、発明者らは、いくつかのプロセスでは、下部エッジリング206の上面302を基板115のあまりにも近くにまたはあまりにも上方に位置づけると、基板115のエッジに隣接したエッチングレートなどの処理レートが劇的に減少することをさらに発見した。そのため、いくつかの実施形態では、下部エッジリング206の上面302は、さらに、外周棚308の上面306の下方の高さに配設される。
【0026】
いくつかの実施形態では、基部205は、下部エッジリング206を受け取るように構成されたカットアウトまたはノッチ310を含む。いくつかの実施形態では、ノッチ310の半径方向内壁は、外周棚308の外壁と実質的に一直線に揃えられる。図3に示されるように、ノッチ310および下部エッジリング206は、下部エッジリング206の上面302を、基部205の上面204の上方におよび外周棚308の上面306の下方に位置づけるように大きさを合わされる。いくつかの実施形態では、下部エッジリング206は、下部エッジリングの内側側壁がノッチ310の半径方向内壁と接触しないように、ノッチ310の半径方向内壁の内径よりも大きい内径を有する。いくつかの実施形態では、下部エッジリング206は、基部205の外径以下の外径を有する。言い換えれば、下部エッジリングの周辺エッジ312は、周辺エッジ202と一直線に揃えられるかまたは周辺エッジ202の半径方向内側に配設される。
【0027】
いくつかの実施形態では、下部エッジリング206または基部205のいずれかまたは両方は、下部エッジリング206の基部205への半径方向位置合わせを容易にするために1つまたは複数の位置合わせ特徴部を含むことができる。例えば、図3に示されるように、孔314を基部205のノッチ310に配設して、下部エッジリング206の対応する突起またはピン(図示せず)を受け取り、それによって、下部エッジリング206の基部205への半径方向位置合わせを容易にすることができる。他の位置合わせ構成も考えられる。
【0028】
上部エッジリング208は、絶縁体層128、下部エッジリング206、およびセラミックパック220の外周棚308の一部の上に配設される。具体的には、上部エッジリング208は、少なくとも外周棚308に載るように構成された下面を有する。上部エッジリング208の下面は、下部エッジリング206の上面302からわずかに離間される。上部エッジリング208の下面は、さらに、絶縁体層128の上面に載っていてもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、下部エッジリング206は、上部エッジリング208の対応部分と連係するように構成された上部外周ノッチ316を含むことができる。ノッチ316は、下部エッジリング206と上部エッジリング208との位置合わせを容易にする。いくつかの実施形態では、下部エッジリングは、例えば図6図6Aに関して以下で説明するように上部外周ノッチを含まない。
【0030】
いくつかの実施形態では、絶縁体層128は、上部エッジリング208の対応部分と連係するように構成された上部外周ノッチ318を含むことができる。上部エッジリング208は、階段状下面などの輪郭形成済み下面を含むことができる。いくつかの実施形態では、上部エッジリング208は、上部エッジリング208の厚さを最も厚い半径方向最外部分(丸いエッジを除く)から最も薄い半径方向最内部分まで次第に減少させる1つまたは複数の段差を有する階段状下面を含む。
【0031】
例えば、いくつかの実施形態では、図1ならびに図7および図7Aに示されるように、1つの段差が設けられ、異なる厚さを有する2つの部分、すなわち、半径方向最外部分(例えば、図7Aの720)および半径方向最内部分(例えば、図7Aの710)が画定される。いくつかの実施形態では、図2図3および図5図5Aに示されるように、2つの段差(第1の段差303及び第2の段差305)が設けられ、異なる厚さを有する3つの部分、すなわち、半径方向最外部分320、中央部分322、および半径方向最内部分324が画定される。1つまたは複数の段差は、外周棚308、ノッチ316、およびノッチ318の下方に配設された構成要素に上部エッジリング208を連係させるように位置づけることができる。
【0032】
上部エッジリング208は、上面326と、曲線の性質に応じて、上面326を上部エッジリング208の外周壁に接続するか、または上部エッジリング208の下面に直接接続する丸みをつけたまたは湾曲した上部周辺エッジとを含む。いくつかの実施形態では、上面326は、上部エッジリング208の内径から上部エッジリング208の外径に隣接するまで平面または実質的に平面である(例えば、上部エッジリングの湾曲した上部周辺エッジを除いて)。
【0033】
上部エッジリング208は、支持面216の内径よりも大きくそして基板115の所与の直径よりも小さい(例えば、300mmウエハを処理するように設計された構成では300mmよりも小さい)内径を有する。ギャップが、上部エッジリング208と壁304との間に画定されてもよい。上部エッジリング208は、さらに、壁304の高さよりも小さい半径方向最内部分324の厚さを有し、その結果、上部エッジリング208が外周棚308に載っているとき、上部エッジリング208の上面326は、静電チャック117の支持面216よりも低い。発明者らは、基板115のレベル以上に上面326を位置づけると、エッチングなどの特定のプロセス中に粒子欠陥が増加することを発見した。したがって、基板115が基板支持体116に配置されると、上部エッジリング208の半径方向最内部分324は、基板115の外周エッジの真下で延び、ギャップが、上部エッジリング208と基板115の裏面との間に画定される。
【0034】
上部エッジリング208は、基板支持体116の外径よりも大きい外径を有し、その結果、上部エッジリングの外周エッジは、基板支持体116(絶縁体層128を含む)を越えてオーバーハングするかまたは延びる。
【0035】
図4は、本開示のいくつかの実施形態による、下部エッジリング206の側断面図を示す。図4Aは、下部エッジリング206の部分側断面図を示す。
【0036】
図5は、本開示のいくつかの実施形態による、上部エッジリング208の側断面図を示す。図5Aは、上部エッジリング208の部分側断面図を示す。
【0037】
図6は、本開示のいくつかの実施形態による、下部エッジリング606の側断面図を示す。図6Aは、下部エッジリング606の部分側断面図を示す。下部エッジリング606は、上述と同様の下部エッジリングとして使用することができる。下部エッジリング606は、上面602および周辺側壁612を有する。いくつかの実施形態では、下部エッジリング606は、約13.2インチ~約13.8インチの外径を有する。いくつかの実施形態では、下部エッジリング606は、約12.0インチ~約12.5インチの内径を有する。いくつかの実施形態では、下部エッジリング606は、一般に、湾曲したエッジを含む。
【0038】
図7は、本開示のいくつかの実施形態による、上部エッジリング708の側断面図を示す。図7Aは、上部エッジリング708の部分側断面図を示す。上部エッジリング708は、上述と同様の上部エッジリングとして使用することができる。上部エッジリング708は、上面726と、曲線の性質に応じて、上面726を上部エッジリング708の外周壁704に接続するか、または上部エッジリング708の下面702に直接接続する丸みをつけたまたは湾曲した上部周辺エッジとを含む。いくつかの実施形態では、上面726は、上部エッジリング708の内径から上部エッジリング708の外径に隣接するまで平面または実質的に平面である(例えば、上部エッジリングの湾曲した上部周辺エッジを除いて)。
【0039】
上部エッジリング708は、支持面216の内径よりも大きくそして基板115の所与の直径よりも小さい内径を有する。いくつかの実施形態では、上部エッジリング708の内径は、約11.5インチ~約12.0インチである。いくつかの実施形態では、上部エッジリング708の外径は、約14.9インチ~約15.4インチである。いくつかの実施形態では、上部エッジリング708は、上部エッジリング708の内径と上部エッジリング708の外径との間の距離によって定義される幅が約1.5インチ~約2.0インチである。
【0040】
上部エッジリング708は、階段状下面などの輪郭形成済み下面702を含む。図7に示されるように、上部エッジリング708は、上部エッジリング708の厚さを、厚い半径方向最外部分(丸いエッジを除く)から薄い半径方向最内部分まで減少させた階段状下面を含む。図7図7Aの実施形態では、1つの段差が設けられており、異なる厚さを有する2つの部分、すなわち、半径方向最外部分720および半径方向最内部分710が画定されている。いくつかの実施形態では、半径方向最内部分710は、約13.5インチ~約14.5インチの外径を有する。段差は、上部エッジリング708を外周棚308および下部エッジリング206または下部エッジリング606に連係させるように位置づけることができる。
【0041】
図1に戻ると、いくつかの実施形態では、リッド120は、実質的に平坦にすることができる。プロセスチャンバ104の他の改変は、例えば、ドーム形状リッドまたは他の形状などの他のタイプのリッドを有することができる。誘導結合プラズマ装置102は、一般に、リッド120の上に配設され、RF電力をプロセスチャンバ104に誘導的に結合するように構成される。誘導結合プラズマ装置102は、リッド120の上に配設された第1のコイル110および第2のコイル112を含む。各コイルの相対位置、直径の比、および/または各コイルの巻数を、各々、所望に応じて調節して、各コイルのインダクタンスの制御を介して、例えば、形成されるプラズマのプロファイルまたは密度を制御することができる。第1のコイル110および第2のコイル112の各々は、RF給電構造106を介して整合ネットワーク114を通してRF電源108に結合される。RF電源108は、例示として、50kHz~13.56MHzの範囲の調整可能な周波数で約4000W(しかし約4000Wに限定されない)までの生成を可能にできるが、他の周波数および電力が、所望に応じて、特定の用途のために供給されてもよい。
【0042】
いくつかの実施形態では、分割キャパシタなどの電力分割器105をRF給電構造106とRF電源108との間に設けて、それぞれの第1および第2のコイルに供給されるRF電力の相対量を制御することができる。例えば、図1に示されるように、電力分割器105は、各コイルに供給されるRF電力の量を制御する(それにより、第1および第2のコイルに対応するゾーンのプラズマ特性の制御を容易にする)ためにRF給電構造106をRF電源108に結合しているラインに配設することができる。いくつかの実施形態では、電力分割器105は、整合ネットワーク114に組み込まれてもよい。いくつかの実施形態では、電力分割器105の後、RF電流は、RF給電構造106に流れ、次いで、第1および第2のコイル110、112に流れる。代替として、分割されたRF電流は、それぞれの第1および第2のRFコイルの各々に直接供給されてもよい。
【0043】
プロセスチャンバ104の内部の加熱を容易にするために、ヒータ要素121がリッド120の上に配設されてもよい。ヒータ要素121は、リッド120と第1および第2のコイル110、112との間に配設することができる。いくつかの実施形態では、ヒータ要素121は、抵抗ヒータ要素を含むことができ、ヒータ要素121の温度を摂氏約50度~約100度の間になるように制御するために十分なエネルギーを供給するように構成されたAC電源などの電源123に結合することができる。いくつかの実施形態では、ヒータ要素121はオープンブレークヒータとすることができる。いくつかの実施形態では、ヒータ要素121は、環状要素などのノーブレークヒータを含み、それにより、プロセスチャンバ104内の均一なプラズマ形成を容易にすることができる。
【0044】
動作中、基板115(半導体ウエハまたはプラズマ処理に適する他の基板など)は、基板支持体116に置くことができ、プロセスガスは、ガスパネル138から、リッド120および/またはチャンバ壁130を通して配設された1つまたは複数の入口ポート126を通して供給されて、プロセスチャンバ104内でガス状混合物150を形成することができる。例えば、プロセスガスを導入する前に、チャンバ内の表面の温度は、摂氏約100度~200度の間または摂氏約150度の温度の内部容積部対向表面を有するように、例えば、上述で論じたようなヒータ121で制御することができる。ガス状混合物150は、RF電源108から第1のコイル110および第2のコイル112に電力を印加することによってプロセスチャンバ104内で点火されてプラズマ155にされ得る。いくつかの実施形態では、バイアス電源122からの電力が、さらに、基板支持体116に供給されてもよい。プロセスチャンバ104の内部内の圧力は、スロットルバルブ127および真空ポンプ136を使用して制御することができる。いくつかの実施形態では、プロセスチャンバ104内の圧力は、ゲートバルブ、バタフライバルブ、振り子バルブなどを使用して制御することができる。チャンバ壁130の温度は、チャンバ壁130を通る液体含有導管(図示せず)を使用して制御することができる。本装置が特に有用であることが見いだされている1つの非限定の特定の用途は、シリコン基板またはウエハなどの基板から酸化ケイ素などの酸化物をエッチングすることなどの前洗浄用途である。
【0045】
コントローラ140は、中央処理装置(CPU)144と、メモリ142と、CPU144のためのサポート回路146とを含み、本明細書で論じたものなどのリアクタ100の構成要素、それゆえ、プラズマを形成する方法の制御を容易にする。コントローラ140は、様々なチャンバおよびサブプロセッサを制御するために工業環境で使用することができる任意の形態の汎用コンピュータプロセッサとすることができる。CPU144のメモリまたはコンピュータ可読媒体142は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、フロッピーディスク、ハードディスク、または任意の他の形態のローカルもしくはリモートのデジタルストレージなどの容易に入手可能なメモリのうちの1つまたは複数とすることができる。サポート回路146は、従来の方法でプロセッサをサポートするためにCPU144に結合される。これらの回路には、キャッシュ、電源、クロック回路、入力/出力回路、およびサブシステムなどが含まれる。メモリ142は、本明細書に記載した方法でリアクタ100の動作を制御するために実行または呼び出され得るソフトウェア(ソースまたはオブジェクトコード)を格納する。ソフトウェアルーチンはまた、CPU144によって制御されるハードウェアから遠隔に配置されている第2のCPU(図示せず)によって格納および/または実行されてもよい。
【0046】
前述は、本開示の実施形態を対象にしているが、その基本的な範囲から逸脱することなく、本開示の他のさらなる実施形態が考案され得る。例えば、電極200に印加されるRFバイアスの異なるRF周波数において、および/または異なる電力レベルにおいて、プロセスキット125の様々な寸法を制御して、下部エッジリング206(または606)の上面302(または602)を位置決めすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、下部エッジリング206(または606)の上面302(または602)は、支持面216により近くにまたは支持面216からより遠くに位置決めされてもよい。いくつかの実施形態では、下部エッジリング206(または606)の内径および/または外径を選択または制御して、上面302(または602)の幅を制御し、および/または下部エッジリング206(または606)の上面302(または602)の半径方向位置を制御することができる。
図1
図2
図3
図4
図4A
図5
図5A
図6
図6A
図7
図7A