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特許7382339MEMSに基づくコリオリ質量流コントローラ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-08
(45)【発行日】2023-11-16
(54)【発明の名称】MEMSに基づくコリオリ質量流コントローラ
(51)【国際特許分類】
   G01F 1/84 20060101AFI20231109BHJP
【FI】
G01F1/84
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2020552898
(86)(22)【出願日】2019-03-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-12
(86)【国際出願番号】 US2019024583
(87)【国際公開番号】W WO2019191428
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2022-03-18
(31)【優先権主張番号】62/650,657
(32)【優先日】2018-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スミス・デニス
(72)【発明者】
【氏名】レイマー・ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ゴパラクリシャナン・スダカー
【審査官】岡田 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0037706(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0299204(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 1/84
B81B 3/00- 7/04
B81C 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
質量流コントローラ組立体であって、
キャビティ複数の内部通路、第1の注入口、第1の流出口、第2の注入口、および第2の流出口を画定する筐体と、
前記筐体に接続され、前記筐体の前記第2の流出口に流体で連結された注入口および前記筐体の前記第2の注入口に流体で連結された流出口を有し、前記筐体の前記第2の流出口から前記筐体の前記第2の注入口まで流体の流れを制御するように構成された弁と、
前記キャビティ内に配列された微小電気機械(MEMS)コリオリ流量センサであって、前記複数の内部通路の少なくとも1つにより前記筐体の前記第1の注入口に流体で連結された注入口を含み、前記MEMSコリオリ流量センサを通って流れる流体の質量流量および密度のうち少なくとも一方を測定するように構成されたMEMSコリオリ流量センサと
を備え、
前記MEMSコリオリ流量センサの流出口は、複数の内部通路の少なくとも1つにより前記筐体の前記第2の流出口に流体で連結され、
前記筐体の前記第2の注入口は、前記複数の内部通路の少なくとも1つにより前記筐体の前記第1の流出口に流体で連結される質量流コントローラ組立体。
【請求項2】
請求項1に記載の質量流コントローラ組立体であって、前記筐体は、
第1の筐体部分と、
前記第1の筐体部分に接続した第2の筐体部分と、
前記第2の筐体部分に接続した第3の筐体部分と
を含み、
前記キャビティは、前記第2の筐体部分と前記第3の筐体部分の間で画定される質量流コントローラ組立体。
【請求項3】
請求項2に記載の質量流コントローラ組立体であって、前記弁は、前記第3の筐体部分に接続され、前記質量流コントローラ組立体は、前記弁に近接して前記第3の筐体部分に接続されたプリント回路基板をさらに備える質量流コントローラ組立体。
【請求項4】
請求項2に記載の質量流コントローラ組立体であって、前記第1の筐体部分は、前記第1の注入口、および前記MEMSコリオリ流量センサの注入口と流体でつながっている取り外し可能なフィルタを含む質量流コントローラ組立体。
【請求項5】
請求項3に記載の質量流コントローラ組立体であって、前記第3の筐体部分により画定された第1のキャビティ内に配列された第1のコネクタプラグをさらに備える質量流コントローラ組立体。
【請求項6】
請求項5に記載の質量流コントローラ組立体であって、前記第1のコネクタプラグは、複数の導体を誘導し、前記複数の導体の第1の端部は、複数のボンドワイヤによりそれぞれ前記MEMSコリオリ流量センサに接続される質量流コントローラ組立体。
【請求項7】
請求項6に記載の質量流コントローラ組立体であって、前記第3の筐体部分の第2のキャビティ内に配列された第2のコネクタプラグをさらに備える質量流コントローラ組立体。
【請求項8】
請求項7に記載の質量流コントローラ組立体であって、前記第2のコネクタプラグは、前記複数の導体を誘導し、前記複数の導体の第2の端部は、前記プリント回路基板上にそれぞれ配列された複数のトレースに接続される質量流コントローラ組立体。
【請求項9】
請求項8に記載の質量流コントローラ組立体であって、前記複数のトレース、前記複数の導体、および前記複数のボンドワイヤにより前記MEMSコリオリ流量センサに接続されるコントローラをさらに備える質量流コントローラ組立体。
【請求項10】
請求項1に記載の質量流コントローラ組立体であって、前記流体はガスを備え、前記質量流コントローラ組立体の構成要素のガスに暴露される表面は、
非金属材料から作られる、または
非金属コーティングでコートされる
うちの一方である質量流コントローラ組立体。
【請求項11】
請求項2に記載の質量流コントローラ組立体であって、前記第1の筐体部分、前記第2の筐体部分、および前記第3の筐体部分を一緒に接続する複数の締結具をさらに備える質量流コントローラ組立体。
【請求項12】
請求項11に記載の質量流コントローラ組立体であって、
前記第1の筐体部分と前記第2の筐体部分の間に配列された第1のシールと、
前記第2の筐体部分と前記第3の筐体部分の間に配列された第2のシールと
をさらに備える質量流コントローラ組立体。
【請求項13】
請求項1に記載の質量流コントローラ組立体であって、
前記筐体の前記第1の注入口に接続された注入管と、
前記筐体の前記第1の流出口に接続された流出管と
をさらに備える質量流コントローラ組立体。
【請求項14】
請求項13に記載の質量流コントローラ組立体であって、前記注入管および前記流出管は、金属から作られ、非金属コーティングを含む質量流コントローラ組立体。
【請求項15】
請求項14に記載の質量流コントローラ組立体であって、前記非金属コーティングは、原子層堆積を使用して堆積させられる質量流コントローラ組立体。
【請求項16】
請求項1に記載の質量流コントローラ組立体であって、前記MEMSコリオリ流量センサは、半導体材料から作られた、測定中に共鳴周波数で振動させられる、内径が10μm~100μmの範囲の管を含む質量流コントローラ組立体。
【請求項17】
請求項1に記載の質量流コントローラ組立体であって、前記MEMSコリオリ流量センサは、100sccm未満の流量を測定するように構成される質量流コントローラ組立体。
【請求項18】
請求項1に記載の質量流コントローラ組立体であって、前記筐体は、ステンレス鋼、アルミニウム、ガラス、セラミック、プラスチック、および半導体の材料からなるグループから選択された材料から作られる質量流コントローラ組立体。
【請求項19】
請求項2に記載の質量流コントローラ組立体であって、前記MEMSコリオリ流量センサは、前記キャビティ内で前記第2の筐体部分に接合される質量流コントローラ組立体。
【請求項20】
請求項2に記載の質量流コントローラ組立体であって、
前記MEMSコリオリ流量センサは、ホウ素を含まないケイ素表面を含み、
前記第2の筐体部分は、ステンレス鋼から作られ、
前記ホウ素を含まないケイ素表面は、前記キャビティ内で前記第2の筐体部分に接合される質量流コントローラ組立体。
【請求項21】
請求項16に記載の質量流コントローラ組立体であって、前記MEMSコリオリ流量センサは、
前記管の動きに応答して信号を発生させる、前記管に近接して配列された静電容量検出回路と、
制御回路であって、
前記管の共鳴周波数で前記管を振動させるように構成されたアクチュエータ回路、および
前記静電容量検出回路から前記信号を受信するように構成された読出回路
を含む制御回路と
を含む質量流コントローラ組立体。
【請求項22】
基板処理システムであって、
処理チャンバと、
前記処理チャンバ内で基板を支持するように配列された基板支持物と、
処理ガス混合物を前記処理チャンバに配送するように構成され、請求項1に記載の質量流コントローラ組立体を備えるガス配送システムと
を備える基板処理システム。
【請求項23】
流れ制御システムであって、
並列に配列された、請求項1に記載のN個の質量流コントローラ組立体であって、Nは2以上の整数であるN個の質量流コントローラ組立体と、
前記N個の質量流コントローラ組立体の第1の注入口に接続された第1の弁と
を備え、
前記N個の質量流コントローラ組立体の流出口は、一緒に接続される流れ制御システム。
【請求項24】
請求項23に記載の流れ制御システムであって、前記N個の質量流コントローラ組立体と並列に接続されたバイパスオリフィスをさらに備える流れ制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2018年3月30日に提出された米国仮特許出願第62/650,657号明細書の利益を主張する。上記で参照した出願の開示全体は、参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
本開示は、基板処理に関し、より詳細には微小電気機械(microelectromechanical、MEMS)コリオリ流量センサを含む質量流コントローラを使用して、基板処理システム内のガスなどの流体の流れを制御することに関する。
【背景技術】
【0003】
ここで提供する背景の記述は、一般に本開示の関連を提示するためのものである。この背景技術の節で記述する範囲で、本出願で名前を挙げた発明者の著作物だけではなく、提出時点で他の点では従来技術とみなされなくてよい記述の様態も、明示的にも黙示的にも本開示に対する従来技術と認められない。
【0004】
基板処理システムは、半導体ウエハなどの基板上で膜を堆積させ、エッチングし、灰化し、洗浄し、または他の方法で扱うために使用される。扱う間に基板を処理チャンバ内に配列し、1つまたは複数のガス混合物に暴露してよい。いくつかの例では、プラズマを使用して、化学反応を起こさせてよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
質量流コントローラを使用して、基板処理チャンバに配送されるガスの計量を制御する。化学蒸着法(chemical vapor deposition、CVD)、原子層堆積(atomic layer deposition、ALD)、および/または原子層エッチング(atomic layer etching、ALE)などの処理用のより最近のレシピは、比較的低いガス流量および高速のガス交換時間を必要とする。熱または圧力に基づく質量流コントローラなどの現在の質量流コントローラをこれらの用途で使用するとき、いくつかの問題に遭遇してきた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
質量流コントローラ組立体は、キャビティ複数の内部通路、第1の注入口、第1の流出口、第2の注入口、および第2の流出口を画定する筐体を含む。弁は筐体に接続され、筐体の第2の流出口に流体で連結された注入口、および筐体の第2の注入口に流体で連結された流出口を有する。弁は、筐体の第2の流出口から筐体の第2の注入口に至る流体の流れを制御するように構成される。微小電気機械(MEMS)コリオリ流量センサは、キャビティ内に配列され、複数の内部通路の少なくとも1つにより筐体の第1の注入口に流体で連結された注入口を含み、MEMSコリオリ流量センサを通って流れる流体の質量流量および密度のうち少なくとも一方を測定するように構成される。MEMSコリオリ流量センサの流出口は、複数の内部通路の少なくとも1つにより筐体の第2の流出口に流体で連結される。筐体の第2の注入口は、複数の内部通路の少なくとも1つにより筐体の第1の流出口に流体で連結される。
【0007】
他の特徴では、筐体は、第1の筐体部分と、第1の筐体部分に接続された第2の筐体部分と、第2の筐体部分に接続された第3の筐体部分とを含む。キャビティは、第2の筐体部分と第3の筐体部分の間に画定される。
【0008】
他の特徴では、弁は第3の筐体部分に接続される。プリント回路基板は、弁に近接して第3の筐体部分に接続される。第1の筐体部分は、第1の注入口と、およびMEMSコリオリ流量センサの注入口と、流体でつながっている取り外し可能なフィルタを含む。
【0009】
他の特徴では、第1のコネクタプラグは、第3の筐体部分により画定された第1のキャビティ内に配列される。第1のコネクタプラグは、複数の導体を誘導する。複数の導体の第1の端部は、複数のボンドワイヤによりそれぞれMEMSコリオリ流量センサに接続される。第2のコネクタプラグは、第3の筐体部分の第2のキャビティ内に配列される。第2のコネクタプラグは、複数の導体を誘導する。複数の導体の第2の端部は、それぞれプリント回路基板上に配列された複数のトレースに接続される。
【0010】
他の特徴では、コントローラは、複数のトレース、複数の導体、および複数のボンドワイヤによりMEMSコリオリ流量センサに接続される。流体はガスを備える。質量流コントローラ組立体の構成要素の、ガスに暴露される表面は、非金属の材料から作られる、または非金属コーティングでコートされるうちの一方である。
【0011】
他の特徴では、複数の締結具は、第1の筐体部分、第2の筐体部分、および第3の筐体部分を一緒に接続する。第1のシールは、第1の筐体部分と第2の筐体部分の間に配列される。第2のシールは、第2の筐体部分と第3の筐体部分の間に配列される。
【0012】
他の特徴では、注入管は、筐体の第1の注入口に接続される。流出管は、筐体の第1の流出口に接続される。注入管および流出管は、金属から作られ、非金属コーティングを含む。非金属コーティングは、原子層堆積を使用して堆積させられる。
【0013】
他の特徴では、MEMSコリオリ流量センサは、半導体材料から作られた、測定中に共鳴周波数で振動させられる、内径が10μm~100μmの範囲の管を含む。MEMSコリオリ流量センサは、100sccm未満の流量を測定するように構成される。筐体は、ステンレス鋼、アルミニウム、ガラス、セラミック、プラスチック、および半導体の材料からなるグループから選択された材料から作られる。MEMSコリオリ流量センサは、キャビティ内で第2の筐体部分に接合される。
【0014】
他の特徴では、MEMSコリオリ流量センサは、ホウ素を含まないケイ素表面を含む。第2の筐体部分は、ステンレス鋼から作られる。ホウ素を含まないケイ素表面は、キャビティ内で第2の筐体部分に接合される。
【0015】
他の特徴では、MEMSコリオリ流量センサは、管の動きに応答して信号を発生させる、管に近接して配列された静電容量検出回路を含む。制御回路は、管の共鳴周波数で管を振動させるように構成されたアクチュエータ回路と、静電容量検出回路から信号を受信するように構成された読出回路とを含む。
【0016】
基板処理システムは、処理チャンバを備える。基板支持物を処理チャンバ内に配列して、基板を支持する。ガス配送システムは、処理チャンバに処理ガス混合物を配送し、質量流コントローラ組立体を含む。
【0017】
流れ制御システムは、並列に配列されたN個の質量流コントローラ組立体を含み、ここでNは2以上の整数である。第1の弁は、N個の質量流コントローラ組立体の第1の注入口に接続される。N個の質量流コントローラ組立体の流出口は、一緒に接続される。バイパスオリフィスは、N個の質量流コントローラ組立体と並列に接続される。
【0018】
本開示の適用可能性の領域は、詳細な説明、特許請求の範囲、および図面からさらに明らかになるであろう。詳細な説明および特有の例は、例示だけを目的とすることが意図され、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【0019】
本開示は、詳細な記述および添付図面からより完全に理解されるようになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明による、微小電気機械(MEMS)に基づくコリオリ流量センサを伴う質量流コントローラ(mass flow controller、MFC)を含む基板処理システムの機能構成図である。
【0021】
図2】本開示による、MEMSコリオリ流量センサを含むMFC組立体のワイヤフレーム透視図である。
【0022】
図3】本開示による図2のMFC組立体の第1の側面図のワイヤフレーム図である。
【0023】
図4】本開示による図2の弁および制御組立体の反対側の側面図のワイヤフレーム図である。
【0024】
図5A】本開示による、第2の筐体部分にMEMSコリオリ流量センサを取り付けることを例示する側面横断面図である。
図5B】本開示による、第2の筐体部分にMEMSコリオリ流量センサを取り付けることを例示する側面横断面図である。
【0025】
図5C】本開示によるC字形シールの平面図である。
図5D】本開示によるC字形シールの側面図である。
【0026】
図6A】本開示による、第2の筐体部分にMEMSコリオリ流量センサを取り付けるための方法の例を示す流れ図である。
図6B】本開示による、第2の筐体部分にMEMSコリオリ流量センサを取り付けるための方法の例を示す流れ図である。
【0027】
図7】MEMSコリオリ流量センサ用コントローラおよびMEMSコリオリ流量センサの部分の例に関する概略の電気的機能構成図である。
【0028】
図8】より高い質量流量に適応させるために並列に接続された多重MEMSコリオリMFCの機能構成図である。
【0029】
図9】並列に接続された多重MEMSコリオリMFC、およびより高い質量流量に適応させるためのバイパス経路の機能構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図面では、類似要素および/または同一要素を識別するために参照番号を再利用することがある。
【0031】
本開示による基板処理システムおよび基板処理方法は、半導体基板用基板処理チャンバに配送される1つまたは複数のガス流の質量流量および/または密度などの流れパラメータを測定するための微小電気機械(MEMS)コリオリ流量センサを含む質量流コントローラ(MFC)に関する。上述の説明は、ガスの質量流の測定について記述しているが、本開示は、液体または液体の混合物、およびガスなどの他の流体の質量流制御に関する。さらに、本開示は、半導体処理環境での質量流制御について記述しているが、前記の開示は、任意の他の環境での質量流測定に適用される。
【0032】
本明細書で記述するいくつかの例では、MEMSコリオリ流量センサは、半導体処理および半導体材料を使用して製作される。基板処理システムでガス配送システムにより配送されるガスは、最大60psigまでの比較的高い圧力で配送されてよい。本開示によるシステムおよび方法は、MEMSコリオリ流量センサが故障した場合にMEMSコリオリ流量センサの周囲でガス封じ込めを提供する。いくつかの例では、MFC組立体の近接する筐体部分またはブロックの間に画定されるキャビティ内にMEMSコリオリ流量センサを搭載して、MEMSコリオリ流量センサが故障した場合にガスの封じ込めを提供する。
【0033】
本明細書で記述するいくつかの例では、MFC組立体の注入口からMFCの流出口に至るガス流路は、金属を含まない。いくつかの例では、ガス流路は、ステンレス鋼などの金属から作られた注入管および流出管などのいくつかの構成要素を含む。金属から作られ、ガスに暴露される、注入管、流出管、内部通路、シールなどの表面は、非金属コーティングでコートされる。いくつかの例では、MFC組立体の1つまたは複数の筐体部分またはブロックは、ガス流用の内部通路を画定する。いくつかの例では、筐体の一部分は、非金属材料でコートされた金属から作られる。あるいは、筐体の一部分は、非金属材料から作られる。MEMSコリオリ流量センサは、1つまたは複数の半導体材料から作られる。弁は、非金属材料から、または非金属コーティングでコートされた、ガスに暴露される表面を伴って金属材料から作られてよい。
【0034】
いくつかの例では、多重MEMSコリオリ流量センサを(バイパス管路ありで、またはなしで)並列に配列して、単一MEMSコリオリ流量センサを使用して他の方法で適応させてよい流量よりも高い流量に適用させる。
【0035】
いくつかの例では、MEMSコリオリ流量センサは、注入口、管、流出口、アクチュエータ回路、および検出回路を含む。コリオリ質量流センサを使用して、ステンレス鋼管を使用して高流量で質量流量および密度を測定してきたが、ステンレス鋼管は、200sccm(standard cubic centimeter)未満の流量などのより低い流量に使用することができない。本明細書で記述する、提案する用途のいくつかは、100sccm未満の流量で、いくつかの状況では30sccm未満または10sccm未満の流量でさえ、流れ制御を必要とすることがある。
【0036】
測定すべき流量が低いことに起因して、ステンレス鋼管の直径は、製造するのが困難である、または不可能である。換言すれば、所望の質量流量を測定するためには、管の内径は、典型的にはステンレス鋼管およびより高い流量のために使用されるはるかに大きな直径ではなく、典型的には数10μm(たとえば、30μmなどの100μm未満)のオーダーである。追加で、1次共鳴は、剛性を質量で割った比のルートにより決定される。ステンレス鋼、およびケイ素などの半導体材料は、同等の剛性値を有するが、ケイ素は、はるかに小さな質量を有する。したがって、ケイ素は、より高い共鳴周波数を有する。その結果、ケイ素を使用する質量流センサは、振動により引き起こされる雑音をより受けにくい。
【0037】
MEMSコリオリ流量センサの管は、半導体材料を使用して半導体処理中に製作される。たとえば、所望の形状をした管の所定のプロファイルの2分の1を第1の基板および第2の基板の外部表面の中にエッチングすることにより管を形成してよい。所定のプロファイルは、半円形の、楕円の、長方形の、「U字」形の、および/または他のプロファイルを含んでよい。所定の半分のプロファイルをエッチングした後、第1の基板および第2の基板は、向かい合った半分のプロファイルと直接接触して配列され、整列する。次いで、第1の基板および第2の基板を一緒に接合する。次いで、等角堆積処理を使用して、整列したプロファイルの内面上に薄層を堆積させて、管を生み出す。たとえば、管は、ケイ素、窒化ケイ素、二酸化ケイ素、炭化ケイ素、または他の半導体材料から作られてよい。その後、管は、第1の基板および第2の基板から取り除かれる。たとえば、第1の基板および第2の基板の材料は、材料選択制エッチング処理を使用して溶解される、または取り除かれる。
【0038】
使用中、MEMSコリオリ流量センサの注入口にガスまたは液体などの流体を入力する。流体は、注入口を通過し、管が振動したときにMEMSコリオリセンサの管の周囲を流れ、流出口から出る。測定中、コントローラは、アクチュエータを制御して、管の共鳴周波数で管を振動させて、検出回路が発生させた信号を受信し、処理し、信号に基づき流体の質量流量および密度を正確に計算する。MEMS流量センサは、センサを通って流れる流体の質量流量と密度の両方を正確に測定する。測定は、温度および圧力に依存しない。
【0039】
いくつかの例では、管は、近接した注入口および流出口を伴う、「D字」形状のループなどの湾曲したループを形成する。アクチュエータは、管の共鳴周波数で管を振動させる。管の中に流体を導入したとき、振動の共鳴周波数は、管および管内の流体に関連して慣性が増大するために変化する。振動の共鳴周波数の変化(ΔfB)は、流体の密度(ρ)に正比例する、すなわちΔfB∝ρである。
【0040】
流体が管の周囲を移動するとき、振動軸から離れて移動する流体は、管の注入口近くで振動軸から離れて伸長する管の第1のセクションに力を加える。流体に対して戻して加えられる力により、流体は、管の角運動量と調和する角運動量の増加を体験する。流体が、流出口の近くで振動軸に向かって戻って伸長する管の第2のセクションを通って振動軸に向かって戻って移動するとき、流体は、その角運動量が低下するようになるように第2のセクションに力を加える。
【0041】
その結果、管の第1のセクションは、管の中央部分に対して負の位相シフトを体験する(たとえば、第1のセクションは遅れる)のに対して、管の第2の部分は、管の中央部分に対して正の位相シフトを体験する(たとえば、第2のセクションは、管の中央部分の前に振動する)。第1の部分と第2の部分の間の位相差の程度は、MEMSコリオリ流量センサの管を通って流れる質量および質量流量の量に正比例する。
【0042】
MEMSコリオリ流量センサを通る流体の質量流量は、次式に示すように、管の第1の部分と第2の部分の間の位相シフトまたは時間遅れに関係がある。
【数1】
式中、Kuは管の温度依存性剛性であり、Kは形状依存性因子であり、dは管の幅であり、τは時間遅れであり、ωは振動周波数または振動数であり、Iuは管の慣性である。
【0043】
MEMSコリオリ流量センサのΔfBを調べることにより測定される管の密度測定値を使用して慣性Iuを計算してよく、その結果、MEMSコリオリ流量センサを通って移動する流体の質量流量の正確な読取値が得られる。その結果、MEMSコリオリ流量センサは、密度と質量流量の両方を正確に決定することができる。
【0044】
いくつかの例では、MEMSコリオリ流量センサは、密度に関係がある第1の信号および質量流量に関係がある第2の信号を含む、少なくとも2つの信号をコントローラに提供する。たとえば、一方の信号は、管の振動周波数測定値を含んでよく、他方の信号は、位相シフトまたは時間遅れの測定値を含んでよい。コントローラは、信号を受信し、MEMSコリオリ流量センサを通って移動する流体の密度および質量流量を計算する。コントローラは、MEMSコリオリ流量センサの流出口(または注入口)に配列された弁の開口部を調節して、流体の流れを所望の流量に調節する。ソレノイド弁、圧電弁、およびMEMS弁を含むさまざまなタイプの弁が企図される。
【0045】
さまざまなタイプのMEMSコリオリ流量センサに関係がある追加情報を、J. Haneveld、T. S. J. Lammerink、M. J. de Boer 、およびR. J. Wiegerink、「Micro-Coriolis Mass Flow Sensor with Integrated Capacitive Readout(一体化した静電容量読出を伴うマイクロコリオリ質量流センサ)」、978-1-4244-2978-3/09、I.E.E.E. Transaction of International Electronics、2009年、ならびにD. Sparks、R. Smith、S. Massoud-Ansari、およびN. Najafi、「Coriolis Mass Flow、 Density and Temperature Sensing with Single Vacuum Sealed MEMS Chip(単一真空密封MEMSチップを伴うコリオリ質量流、密度、および温度の検出)」、Solid-State Sensor 、Actuator and Microsystems Workshop、2004年で見いだすことができ、これら両方は、この文書によって全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0046】
次に図1を参照すると、例示的基板処理システム120が示されている。容量結合プラズマ(capacitively coupled plasma、CCP)を使用するエッチング、化学蒸着法、または原子層堆積(ALD)用の処理チャンバを示すが、本明細書で記述するMEMSに基づくコリオリ質量流コントローラおよび方法を使用して、任意の他のタイプの基板処理システム内の流体の質量流量および/または密度を検出することができる。たとえば、本明細書で記述するMEMSに基づくコリオリ質量流コントローラおよび方法は、遠隔プラズマまたは誘導結合プラズマ(inductively coupled plasma、ICP)を使用する基板処理システムで使用することができる。追加で、基板処理システムは、スピンチャック、エッチングシステム、堆積システムなどのような、精密な質量流制御および/または密度の測定値を必要とする任意の他の半導体設備で使用することができる。
【0047】
基板処理システム120は、基板処理システム120の他の構成要素を取り囲み、かつ(使用する場合には)RFプラズマを包含する処理チャンバ122を含む。基板処理システム120は、上部電極124および静電チャック(electrostatic chuck、ESC)126、または他の基板支持物を含む。堆積中、基板128はESC126の上に配列される。
【0048】
単なる例として、上部電極124は、処理ガスを導入して分配するシャワーヘッドなどのガス分配機器129を含んでよい。ガス分配機器129は、処理チャンバの最上部表面に接続された一方の端部を含む茎状部分を含んでよい。基底部分は、概して円筒状であり、処理チャンバの最上部表面から間隔を置いて配置された場所で、茎状部分の反対側端部から放射状に外側に伸長する。シャワーヘッドの基底部分の基板を向く表面またはフェースプレートは、前駆物質、反応物、エッチングガス、不活性ガス、キャリアガス、他の処理ガス、またはパージガスが流れる複数の孔を含む。あるいは、上部電極124は、導電性プレートを含んでよく、処理ガスは、別の手法で導入されてよい。
【0049】
ESC126は、下部電極の役割を果たすベースプレート130を含む。ベースプレート130は、セラミック製マルチゾーン加熱プレートに対応してよい加熱プレート132を支持する。加熱プレート132とベースプレート130の間に耐熱性層134を配列してよい。ベースプレート130は、ベースプレート130を通して冷却液を流すための1つまたは複数のチャネル136を含んでよい。
【0050】
プラズマを使用する場合、RF発生システム140は、RF電圧を発生させ、上部電極124および下部電極(たとえば、ESC126のベースプレート130)の一方にRF電圧を出力する。上部電極124およびベースプレート130の他方は、直流接地されてよい、交流接地されてよい、または電源に接続されていなくてよい。単なる例として、RF発生システム140は、整合および分配ネットワーク144により上部電極124またはベースプレート130に供給されるRF電力を発生させるRF電力発生器142を含んでよい。他の例では、プラズマを誘導的に、または遠隔で発生させてよい。
【0051】
ガス配送システム150は、1つまたは複数のガス供給源152-1、152-2、…、および152-N(集合的にガス供給源152)を含み、ここでNは1以上の整数である。ガス供給源152は、弁154-1、154-2、…、および154-N(集合的に弁154)ならびに質量流コントローラ156-1、156-2、…、および156-N(集合的に質量流コントローラ156)により多岐管160に接続される。単一のガス配送システム150を示すが、2つ以上のガス配送システムを使用することができる。
【0052】
温度コントローラ163は、加熱プレート132内に配列された複数の熱制御要素(thermal control element、TCE)164に接続されてよい。温度コントローラ163を使用して、複数のTCE164を制御して、ESC126および基板128の温度を制御してよい。温度コントローラ163は、チャネル136を通る冷却液の流れを制御するために、冷却液組立体166に通じていてよい。たとえば、冷却液組立体166は、冷却液ポンプ、貯蔵器、および/または1つもしくは複数の温度センサを含んでよい。温度コントローラ163は、冷却液組立体166を動作させて、チャネル136を通して冷却液を選択的に流して、ESC126を冷却する。
【0053】
弁170およびポンプ172を使用して、処理チャンバ122から反応物を排出してよい。システムコントローラ180を使用して、基板処理システム120の構成要素を制御してよい。
【0054】
次に図2図4を参照すると、MFC組立体200は、MEMSコリオリ流量センサを取り囲む筐体201を含む。いくつかの例では、筐体201は、一緒に取り付けられた第1の筐体部分204、第2の筐体部分208、および第3の筐体部分210を含む。以下でさらに示し、記述するように、1つまたは複数のシールまたは密封リングを使用して、第1の筐体部分204、第2の筐体部分208、および/または第3の筐体部分210の間にシールを提供して、1次流体密封または2次流体密封を提供する。いくつかの例では、第1の筐体部分204、第2の筐体部分208、および/または第3の筐体部分210は、ステンレス鋼もしくはアルミニウムなどの金属から、またはガラス、セラミック、プラスチック(限定するわけではないがポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)など)などの非金属材料から、または半導体材料から作られる。
【0055】
図2および図3では、弁および制御部分212は、第3の筐体部分210に近接して配列される。第1の筐体部分204は、注入管213に接続される。いくつかの例では、注入管213は、ステンレス鋼などの金属材料から作られる。いくつかの例では、注入管213は、注入管213の内面上に形成された非金属コーティング214を含む。いくつかの例では、非金属コーティング214は、その上にALDなどの処理を使用して堆積された半導体材料を含む。いくつかの例では、非金属コーティングは、ケイ素(Si)、窒化ケイ素(Sixy)(ここでxおよびyは整数である)、炭化ケイ素(SiC)、二酸化ケイ素(SiO2)、または他の材料などの材料を含む。いくつかの例では、非金属コーティングは、5nm以下の厚さを有するが、より厚い、またはより薄いコーティングを使用することができる。
【0056】
第1の筐体部分204は、ガスまたは液体などの流体を受け入れるための注入管213に流体で接続された注入口216を含む。流出管217は、流れ測定および流れ制御の後に弁を使用して出力するための流出口218に接続される。いくつかの例では、流出管217はまた、その内面上に非金属コーティング214を含んでよい。いくつかの例では、第1の筐体部分204は、第1の筐体部分204内に画定されたキャビティ220(図3)内に取り外し可能に受け入れられるフィルタ要素219をさらに含む。フィルタ要素219は、MFC組立体200に入る流体をフィルタ処理する。他の例では、第1の筐体部分204は省略され、流体は、フィルタ処理なしで第2の筐体部分208に入力される。
【0057】
第2の筐体部分208は、第1の筐体部分204に近接して配列され、密封されて第1の筐体部分204と接触する。第2の筐体部分208は、MEMSコリオリ流量センサ222を受け入れるためのキャビティ221(図3)を画定する。第2の筐体部分208はまた、以下でさらに記述するように、流体を経路設定するための1つまたは複数の内部通路を画定する。
【0058】
第3の筐体部分210は、第2の筐体部分208に近接して配列され、密封されて第2の筐体部分208と接触する。第3の筐体部分210は、以下でさらに記述するように、コネクタプラグ224、226を受け入れるためのキャビティ、および流体を経路設定するための1つまたは複数の内部通路を画定する。弁および制御部分212は、締結具231により第3の筐体部分210に接続された弁230を含む。筐体(図示せず)は、使用中に弁および制御部分212の周囲に配列されてよい。スペーサ233を使用して、PCB228と筐体の間に所定の隙間を維持してよい。
【0059】
導体227は、コネクタプラグ224、226によりキャビティ221からコネクタプラグ226の対向する表面まで誘導される。導体227の端部229をプリント回路基板(printed circuit board、PCB)228のトレース234に付着させて、PCB228に付着した1つもしくは複数の回路(図4では420で示す)への接続、および/または1つもしくは複数の外部コネクタ(たとえば、プラグコネクタ238)との接続を提供する。
【0060】
図3では、流体は、注入口216の中に入り、第1の筐体部分204内の内部通路240を通り、フィルタ媒体242を通って流れる。フィルタ媒体242によりフィルタ処理された後、流体は通路244、246を通って、MEMSコリオリ流量センサ222の注入口まで流れる。MEMSコリオリ流量センサ222は、第2の筐体部分208により画定されるキャビティ221内に配列されるが、他の場所を使用することができる。流体は、MEMSコリオリ流量センサ222の管を通過する。MEMSコリオリ流量センサ222の流体流出口は、内部通路252および254により弁230の注入口256に接続される。弁230の流出口258は、内部通路262、264、および266により流出口218に接続される。
【0061】
いくつかの例では、第1の筐体部分204は、第1の筐体部分204および第2の筐体部分208内の内腔272内に位置する1つまたは複数の締結具270により第2の筐体部分208に接続される。同様に、第2の筐体部分208は、第2の筐体部分208および第3の筐体部分210内の内腔276内に配列された1つまたは複数の締結具274により第3の筐体部分に接続される。
【0062】
いくつかの例では、「C字形」シール(図5Cおよび図5Dに示す例)などのシールリングを使用して、注入管213および第1の筐体部分204の間にシールを提供する。「C字形」シールはまた、一方の筐体部分から、図2の280、282、および284で識別される場所などの別の筐体部分まで内部管路が通過する場所で使用されてよい。C字形シールは、対応する内部通路を取り巻く溝286内に位置する。溝286は、筐体部分の一方または両方の中に形成されてよく、圧縮されていない状態でC字形シールの高さ未満の高さを有してよい。C字形シールは、圧縮され、溝286の放射状に外側の部分に対して放射状に外側に移動して、近接する筐体部分が締結具により一緒に付着したときにシールを形成する。
【0063】
図4では、ボンドワイヤまたは他のコネクタ(一般に410で識別される)を使用して、MEMSコリオリ流量センサ222の端子を導体227に接続してよい。回路420(1つまたは複数の集積回路など)は、PCB228に接続される。締結具430を使用して、キャビティ220内にフィルタ要素219を取り外し可能に付着させてよい。
【0064】
キャビティ221内で第2の筐体部分208にMEMSコリオリ流量センサ222を付着させる方法はさまざまある。例は、圧縮可能なエラストマーシール、または「C字形」形状のシールもしくはC字形シールなどの機械的シールの使用を含む。構成要素を一緒に保持する機械的締結具によりシールに対する圧力を維持することができる。他の例では、以下でさらに記述するように、MEMSコリオリ流量センサ222と第2の筐体部分208の間に接合材料を適用し、圧力を加え、材料を溶融させる。他の例では、以下でさらに記述するように、赤外線(IR)加熱を使用して、MEMSコリオリ流量センサ222の材料に第2の筐体部分208の材料を溶融させることができる。さらに他の例では、ろう付けを使用して、キャビティ221内で第2の筐体部分208にMEMSコリオリ流量センサ222を付着させることができる。ろう付けは、フィルタ金属を溶融させて、フィルタ金属が、連結される構成要素よりも低い溶融点を有する継ぎ目の中にフィルタ金属を流すことにより、構成要素を一緒に連結することを伴う。
【0065】
次に図5A図5Dを参照すると、MEMSコリオリ流量センサ222の最下部表面508がキャビティ221内で第2の筐体部分208の上部表面510に付着して示されている。図5Aでは、第2の筐体部分208内に形成された内部通路246は、MEMSコリオリ流量センサ222の注入口512に流体を配送する。いくつかの例では、MEMSコリオリ流量センサ222の最下部表面508は、接合材料を使用してキャビティ221内で第2の筐体部分の上部表面510に接合される。いくつかの例では、接合材料は、ケイ素(Si)、二酸化ケイ素(SiO2)、窒化ケイ素(SiN)、ホウケイ酸ガラス、ガラスフリット、石英、および/または金属を含む。
【0066】
図5Bの他の例では、キャビティ221内で第2の筐体部分208の上部表面510にMEMSコリオリ流量センサ222の最下部表面508を接合する代わりに、またはそれに加えて、シール522を使用してよい。シール522は、MEMSコリオリ流量センサ222と第2の筐体部分208の一方または両方により画定される溝523内に位置する。溝523は、圧縮を引き起こすために第2の筐体部分208にMEMSコリオリ流量センサ222を接続したとき、圧縮されていないシール522よりも低い高さを有する。図5Cおよび図5Dにシール522のある例を示す。これらの例では、シール522は、(図示するように)放射状に内側を向く、または放射状に外側を向く(図示せず)「C字形」形状の横断面を有する「C字形」シールを含む。
【0067】
次に図6Aを参照すると、キャビティ221内で第2の筐体部分の上部表面510にMEMSコリオリ流量センサ222の最下部表面508を付着させるための方法600が示されている。610で、内部通路246の周囲の領域内で第2の筐体部分に接合材料を適用する。612で、任意選択でさらにまた、注入口および流出口の周囲でMEMSコリオリ流量センサ222の基板に接合材料を適用する。いくつかの例では、印刷または堆積を使用して接合材料を適用する。
【0068】
614で、第2の筐体部分208の内部通路246は、MEMSコリオリ流量センサ222の基板の注入口512(および流出口)と接触して配列され、整列する。618で、圧力を加えて、構成要素を一緒に保持する。620で、熱を加える。フラッシュランプ、レーザ、赤外線ヒータ、誘導ヒータ、マイクロ波ヒータ、および/または他のタイプのヒータを使用して加熱を遂行することができる。いくつかの例では、加熱は、所定の期間に250℃~400℃の範囲の温度まで加熱することを含む。
【0069】
次に図6Bを参照すると、キャビティ221内で第2の筐体部分の上部表面510にMEMSコリオリ流量センサ222の最下部表面508を付着させるための別の方法628が示されている。630で、第2の筐体部分208の内部通路246は、MEMSコリオリ流量センサ222の基板の注入口512(および流出口)と接触して配列され、整列する。634で、圧力を加える。636で、赤外線加熱を使用して、ステンレス鋼、および/またはMEMSコリオリ流量センサ222の基板の材料を溶融して、キャビティ22内で第2の筐体部分の上部表面510にMEMSコリオリ流量センサ222の最下部表面508を接合する。いくつかの例では、赤外線ヒータの波長は、3μm~6μmまたは4μm~5μmの範囲である。
【0070】
次に図7を参照すると、MEMSコリオリ流量センサ222が、より詳細に示されている。MEMSコリオリ流量センサ222は、内部通路712により、半導体材料から作られた管714に接続された注入口710を含む。管714の流出口は、内部通路718によりMEMSコリオリ流量センサ222の流出口720に接続される。MEMSコリオリ流量センサ222は、MEMS制御回路750に接続された複数の外部パッドまたは接点730をさらに含む。MEMS制御回路750は、アクチュエータ回路752および読出回路754を含む。アクチュエータ回路752は、出力信号を発生させて、管714の共鳴周波数で管714を振動させる。たとえば、アクチュエータ回路752は、管714を振動させる静電力を生み出す。読出回路754を静電容量検出回路700に接続して、管714のねじれ、管714の共鳴周波数の変化、および/または位相シフトもしくは時間遅れを検出する。
【0071】
次に図8を参照すると、MEMSコリオリ流量センサの流量範囲は、所与の処理でガスの所望の流量範囲よりも少ない最大流量に制限されてよい。並列に接続されたMEMSコリオリ流量センサ222-1、222-2、…、および222-P(ここでPは2以上の整数である)からなるアレイ800を使用して、ガスの流量範囲を増大させることができる。
【0072】
弁822の注入口は、1つまたは複数のガス供給源からガスまたはガス混合物を受け取る。弁822の流出口は、MEMSコリオリ流量センサ222-1、222-2、…、および222-Pの注入口に接続される。MEMSコリオリ流量センサ222-1、222-2、…、および222-Pの流出口は、対応する弁824-1、824-2、…、および824-Pに接続される。弁824-1、824-2、…、および824-Pの流出口は、処理チャンバ、多岐管、シャワーヘッド、または他の場所に配送するための共通ノード830に接続される。いくつかの例では、MEMSコリオリ流量センサ222-1、222-2、…、および222-Pは、同じ流量範囲を有する。他の例では、MEMSコリオリ流量センサ222-1、222-2、…、および222-Pは、異なる流量範囲を有する。
【0073】
コントローラ850は、MEMSコリオリ流量センサ222-1、22-2、…、および222-P、ならびに弁824-1、824-2、…、および824-Pと通信する。使用中、コントローラ850は、MEMSコリオリ流量センサ221-1、222-2、…、および222-Pから得られるフィードバックに基づき弁822、ならびに弁824-1、824-2、…、および824-Pを制御して、所望の流量を提供する。
【0074】
次に図9を参照すると、MEMSコリオリ流量センサの流量範囲は、所与の処理でガスの所望の流量範囲よりも少ない最大流量に制限されてよい。並列に接続されたMEMSコリオリ流量センサ222-1、222-2、…、および222-P(ここでPは2以上の整数である)ならびにオリフィス926からなるアレイ900を使用して、流量範囲を増大させることができる。
【0075】
遮断弁922の注入口は、1つまたは複数のガス供給源からガスまたはガス混合物を受け取る。弁922の流出口は、MEMSコリオリ流量センサ222-1、222-2、…、および222-Pの注入口、ならびにオリフィス926に接続される。ガスの一部は、オリフィス926を通って流れ、ガスの残りの部分は、MEMSコリオリ流量センサ222-1、222-2、…、および222-Pを通って流れる。
【0076】
MEMSコリオリ流量センサ222-1、222-2、…、および222-Pの流出口は、対応する弁924-1、924-2、…、および924-Pに接続される。弁924-1、924-2、…、および924-Pの流出口、ならびにオリフィス926は、配送用共通ノード930に接続される。いくつかの例では、MEMSコリオリ流量センサ222-1、222-2、…、および222-Pは、同じ流量範囲を有する。他の例では、MEMSコリオリ流量センサ222-1、222-2、…、および222-Pは、異なる流量範囲を有する。
【0077】
コントローラ850は、MEMSコリオリ流量センサ222-1、222-2、…、および222-P、ならびに弁824-1、824-2、…、および824-Pと通信する。使用中、コントローラ850は、MEMSコリオリ流量センサ221-1、222-2、…、および222-Pから得られるフィードバックに基づき弁822、ならびに弁824-1、824-2、…、および824-Pを制御して、所望の流量を提供する。
【0078】
前記の記述は事実上、単に例示的であり、本開示、本開示の適用分野、または用途を限定することを意図するものでは決してない。本開示の広範な教示をさまざまな形態で実装することができる。したがって、本開示は特定の例を含むが、図面、明細書、および以下の特許請求の範囲を研究すると他の修正が明らかになるので、本開示の真の範囲を特定の例に限定すべきではない。本開示の原理を変えることなく方法の中の1つまたは複数のステップを異なる順序で(または同時に)実行してよいことを理解されたい。さらに、実施形態の各々についてある種の特徴を有するとして上記で記述しているが、本開示の任意の実施形態に関して記述するそれらの特徴の任意の1つまたは複数は、その組合せについて明示的に記述していない場合でさえ、その他の実施形態のいずれかの特徴の中に実装することができる、および/またはその他の実施形態のいずれかの特徴と組み合わせることができる。換言すれば、記述する実施形態は、相互に排他的ではなく、1つまたは複数の実施形態と別の1つの実施形態との置換は、相変わらず本開示の範囲に入る。
【0079】
要素間の(たとえば、モジュール、回路素子、半導体層などの間の)空間的関係および機能的関係について、「接続される」、「係合する」、「連結される」、「近接する」、「の隣に」、「の最上部に」、「上に」、「下に」、および「配置された」を含むさまざまな用語を使用して記述されている。「直接」として明示的に記述しない限り、上記の開示で第1の要素と第2の要素の間の関係について記述するとき、その関係は、第1の要素と第2の要素の間に他の介在する要素がまったく存在しない直接的関係である可能性があるが、さらにまた第1の要素と第2の要素の間に1つまたは複数の介在する要素が(空間的または機能的に)存在する間接的関係である可能性がある。本明細書で使用するとき、A、B、およびCのうち少なくとも1つという語句は、非排他的論理ORを使用する論理(AまたはBまたはC)を意味すると解釈されるべきであり、「Aの少なくとも1つ、Bの少なくとも1つ、およびCの少なくとも1つ」を意味すると解釈されるべきではない。
【0080】
いくつかの実装形態では、コントローラは、上述の例の一部であってよいシステムの一部である。そのようなシステムは、1つもしくは複数の処理ツール、1つもしくは複数のチャンバ、処理するための1つもしくは複数のプラットフォーム、および/または特有の処理構成要素(ウエハペダル、ガス流システムなど)を含む半導体処理設備を備えることができる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは半導体基板を処理する前、処理する間、および処理後に自身の動作を制御するための電子機器と一体化されてよい。電子機器は、1つまたは複数のシステムのさまざまな構成要素または下位区分を制御してよい「コントローラ」と呼ばれることがある。処理要件および/またはシステムのタイプに応じてコントローラをプログラムして、処理ガスの配送、温度設定(たとえば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、出力設定、無線周波数(radio frequency、RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体配送設定、位置および動作の設定、ツールおよび他の移送ツールの中へ、およびそれらから外へのウエハ移送、ならびに/または特有のシステムに接続された、もしくはそれとインタフェースをとるロードロックを含む、本明細書で開示する処理のいずれも制御してよい。
【0081】
大まかに言って、コントローラは、さまざまな集積回路、論理回路、メモリ、および/または命令を受け取り、命令を発行し、動作を制御し、クリーニング動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなどを行うソフトウェアを有する電子回路として規定されてよい。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェアの形をとるチップ、デジタル・シグナル・プロセッサ(digital signal processor、DSP)、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)として規定されるチップ、および/またはプログラム命令(たとえば、ソフトウェア)を実行する1つもしくは複数のマイクロプロセッサもしくはマイクロコントローラを含んでよい。プログラム命令は、半導体ウエハ上での、もしくは半導体ウエハのための、またはシステムに対する特定の処理を行うための動作パラメータを規定するさまざまな個々の設定(またはプログラムファイル)の形でコントローラに伝達される命令であってよい。動作パラメータは、いくつかの実施形態では、1つもしくは複数の層、材料、金属、酸化物、シリコン、酸化ケイ素、表面、回路、および/またはウエハのダイを製作する間、1つまたは複数の処理ステップを達成するために処理技術者により規定されるレシピの一部であってよい。
【0082】
コントローラは、いくつかの実装形態では、システムと一体化された、システムに連結された、システムに他の方法でネットワーク化された、またはそれらを組み合わせたコンピュータの一部であってよい、またはそのコンピュータに結合されてよい。たとえば、コントローラは、「クラウド」の中にあってよい、または半導体工場のホストコンピュータシステムのすべて、もしくは一部であってよく、これにより、ウエハ処理の遠隔アクセスを可能にすることができる。コンピュータは、製作動作の現在の進展を監視し、過去の製作動作の履歴を調べ、複数の製作動作から傾向または性能指標を調べるためにシステムへの遠隔アクセスを可能にして、現在の処理のパラメータを変更して、現在の処理に続く処理ステップを設定してよい、または新しい処理を開始してよい。いくつかの例では、遠隔コンピュータ(たとえば、サーバ)は、ローカルネットワークまたはインターネットを含んでよいネットワークを介してシステムに処理レシピを提供することができる。遠隔コンピュータは、パラメータおよび/または設定の入力またはプログラミングを可能にするユーザインタフェースを含んでよく、パラメータおよび/または設定は、次いで遠隔コンピュータからシステムに伝達される。いくつかの例では、コントローラは、1つまたは複数の動作の間に遂行すべき処理ステップごとにパラメータを指定する、データの形をとる命令を受け取る。パラメータは、遂行すべき処理のタイプ、およびコントローラがインタフェースをとる、または制御するように構成されたツールのタイプに特有であってよいことを理解されたい。したがって、上記で記述したように、コントローラは、本明細書で記述する処理および制御などの共通の目的に向かって作動する、一緒にネットワーク化された1つまたは複数の別個のコントローラを備えることによるなど、分散させられてよい。そのような目的のための分散コントローラのある例は、処理チャンバ上の処理を制御するために組み合わせる、(プラットフォームレベルで、または遠隔コンピュータの一部としてなど)遠隔に位置する1つまたは複数の集積回路と通信状態にある、チャンバ上の1つまたは複数の集積回路である。
【0083】
限定することなく、例示のシステムは、プラズマ・エッチング・チャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピン・リンス・チャンバまたはモジュール、金属メッキチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、ベベル縁部エッチングチャンバまたはモジュール、物理蒸着法(physical vapor deposition、PVD)チャンバまたはモジュール、化学蒸着(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、トラックチャンバまたはモジュール、ならびに半導体ウエハの製作および/または製造に関連づけられてよい、またはそれで使用されてよい、任意の他の半導体処理システムを含んでよい。
【0084】
上記で指摘したように、ツールにより遂行すべき1つまたは複数の処理ステップに応じて、コントローラは、他のツール回路もしくはモジュール、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインタフェース、近接するツール、隣接するツール、工場全体に位置するツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または半導体製造工場内のツールの場所および/またはロードポートとの間でウエハの容器を運ぶ材料搬送で使用するツールのうち1つまたは複数と通信してよい。また本開示は以下の形態として実現できる。
[形態1]
質量流コントローラ組立体であって、
キャビティ、複数の内部通路、第1の注入口、第1の流出口、第2の注入口、および第2の流出口を画定する筐体と、
前記筐体に接続され、前記筐体の前記第2の流出口に流体で連結された注入口および前記筐体の前記第2の注入口に流体で連結された流出口を有し、前記筐体の前記第2の流出口から前記筐体の前記第2の注入口まで流体の流れを制御するように構成された弁と、
前記キャビティ内に配列された微小電気機械(MEMS)コリオリ流量センサであって、前記複数の内部通路の少なくとも1つにより前記筐体の前記第1の注入口に流体で連結された注入口を含み、前記MEMSコリオリ流量センサを通って流れる流体の質量流量および密度のうち少なくとも一方を測定するように構成されたMEMSコリオリ流量センサと
を備え、
前記MEMSコリオリ流量センサの流出口は、複数の内部通路の少なくとも1つにより前記筐体の前記第2の流出口に流体で連結され、
前記筐体の前記第2の注入口は、前記複数の内部通路の少なくとも1つにより前記筐体の前記第1の流出口に流体で連結される質量流コントローラ組立体。
[形態2]
形態1に記載の質量流コントローラ組立体であって、前記筐体は、
第1の筐体部分と、
前記第1の筐体部分に接続した第2の筐体部分と、
前記第2の筐体部分に接続した第3の筐体部分と
を含み、
前記キャビティは、前記第2の筐体部分と前記第3の筐体部分の間で画定される質量流コントローラ組立体。
[形態3]
形態2に記載の質量流コントローラ組立体であって、前記弁は、前記第3の筐体部分に接続され、前記質量流コントローラ組立体は、前記弁に近接して前記第3の筐体部分に接続されたプリント回路基板をさらに備える質量流コントローラ組立体。
[形態4]
形態2に記載の質量流コントローラ組立体であって、前記第1の筐体部分は、前記第1の注入口、および前記MEMSコリオリ流量センサの注入口と流体でつながっている取り外し可能なフィルタを含む質量流コントローラ組立体。
[形態5]
形態3に記載の質量流コントローラ組立体であって、前記第3の筐体部分により画定された第1のキャビティ内に配列された第1のコネクタプラグをさらに備える質量流コントローラ組立体。
[形態6]
形態5に記載の質量流コントローラ組立体であって、前記第1のコネクタプラグは、複数の導体を誘導し、前記複数の導体の第1の端部は、複数のボンドワイヤによりそれぞれ前記MEMSコリオリ流量センサに接続される質量流コントローラ組立体。
[形態7]
形態6に記載の質量流コントローラ組立体であって、前記第3の筐体部分の第2のキャビティ内に配列された第2のコネクタプラグをさらに備える質量流コントローラ組立体。
[形態8]
形態7に記載の質量流コントローラ組立体であって、前記第2のコネクタプラグは、前記複数の導体を誘導し、前記複数の導体の第2の端部は、前記プリント回路基板上にそれぞれ配列された複数のトレースに接続される質量流コントローラ組立体。
[形態9]
形態8に記載の質量流コントローラ組立体であって、前記複数のトレース、前記複数の導体、および前記複数のボンドワイヤにより前記MEMSコリオリ流量センサに接続されるコントローラをさらに備える質量流コントローラ組立体。
[形態10]
形態1に記載の質量流コントローラ組立体であって、前記流体はガスを備え、前記質量流コントローラ組立体の構成要素のガスに暴露される表面は、
非金属材料から作られる、または
非金属コーティングでコートされる
うちの一方である質量流コントローラ組立体。
[形態11]
形態2に記載の質量流コントローラ組立体であって、前記第1の筐体部分、前記第2の筐体部分、および前記第3の筐体部分を一緒に接続する複数の締結具をさらに備える質量流コントローラ組立体。
[形態12]
形態11に記載の質量流コントローラ組立体であって、
前記第1の筐体部分と前記第2の筐体部分の間に配列された第1のシールと、
前記第2の筐体部分と前記第3の筐体部分の間に配列された第2のシールと
をさらに備える質量流コントローラ組立体。
[形態13]
形態1に記載の質量流コントローラ組立体であって、
前記筐体の前記第1の注入口に接続された注入管と、
前記筐体の前記第1の流出口に接続された流出管と
をさらに備える質量流コントローラ組立体。
[形態14]
形態13に記載の質量流コントローラ組立体であって、前記注入管および前記流出管は、金属から作られ、非金属コーティングを含む質量流コントローラ組立体。
[形態15]
形態14に記載の質量流コントローラ組立体であって、前記非金属コーティングは、原子層堆積を使用して堆積させられる質量流コントローラ組立体。
[形態16]
形態1に記載の質量流コントローラ組立体であって、前記MEMSコリオリ流量センサは、半導体材料から作られた、測定中に共鳴周波数で振動させられる、内径が10μm~100μmの範囲の管を含む質量流コントローラ組立体。
[形態17]
形態1に記載の質量流コントローラ組立体であって、前記MEMSコリオリ流量センサは、100sccm未満の流量を測定するように構成される質量流コントローラ組立体。
[形態18]
形態1に記載の質量流コントローラ組立体であって、前記筐体は、ステンレス鋼、アルミニウム、ガラス、セラミック、プラスチック、および半導体の材料からなるグループから選択された材料から作られる質量流コントローラ組立体。
[形態19]
形態2に記載の質量流コントローラ組立体であって、前記MEMSコリオリ流量センサは、前記キャビティ内で前記第2の筐体部分に接合される質量流コントローラ組立体。
[形態20]
形態2に記載の質量流コントローラ組立体であって、
前記MEMSコリオリ流量センサは、ホウ素を含まないケイ素表面を含み、
前記第2の筐体部分は、ステンレス鋼から作られ、
前記ホウ素を含まないケイ素表面は、前記キャビティ内で前記第2の筐体部分に接合される質量流コントローラ組立体。
[形態21]
形態16に記載の質量流コントローラ組立体であって、前記MEMSコリオリ流量センサは、
前記管の動きに応答して信号を発生させる、前記管に近接して配列された静電容量検出回路と、
制御回路であって、
前記管の共鳴周波数で前記管を振動させるように構成されたアクチュエータ回路、および
前記静電容量検出回路から前記信号を受信するように構成された読出回路
を含む制御回路と
を含む質量流コントローラ組立体。
[形態22]
基板処理システムであって、
処理チャンバと、
前記処理チャンバ内で基板を支持するように配列された基板支持物と、
処理ガス混合物を前記処理チャンバに配送するように構成され、形態1に記載の質量流コントローラ組立体を備えるガス配送システムと
を備える基板処理システム。
[形態23]
流れ制御システムであって、
並列に配列された、形態1に記載のN個の質量流コントローラ組立体であって、Nは2以上の整数であるN個の質量流コントローラ組立体と、
前記N個の質量流コントローラ組立体の第1の注入口に接続された第1の弁と
を備え、
前記N個の質量流コントローラ組立体の流出口は、一緒に接続される流れ制御システム。
[形態24]
形態23に記載の流れ制御システムであって、前記N個の質量流コントローラ組立体と並列に接続されたバイパスオリフィスをさらに備える流れ制御システム。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図7
図8
図9