(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-08
(45)【発行日】2023-11-16
(54)【発明の名称】複数の深紫外光発振器のための制御システム
(51)【国際特許分類】
G03F 7/20 20060101AFI20231109BHJP
【FI】
G03F7/20 502
G03F7/20 521
(21)【出願番号】P 2021563702
(86)(22)【出願日】2020-05-15
(86)【国際出願番号】 US2020033263
(87)【国際公開番号】W WO2020236648
(87)【国際公開日】2020-11-26
【審査請求日】2021-12-17
(32)【優先日】2019-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513192029
【氏名又は名称】サイマー リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ツァオ,インボー
(72)【発明者】
【氏名】ガレスピー,ウォルター,デール
(72)【発明者】
【氏名】ソーンズ,ジョシュア,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ダフィー,トーマス,パトリック
(72)【発明者】
【氏名】メイソン,エリック,アンダース
【審査官】今井 彰
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-307421(JP,A)
【文献】特開2005-142306(JP,A)
【文献】特表2022-533942(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109613802(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/20-7/24、9/00-9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源システムと、
前記光源システムに結合された制御システムと、を備えた深紫外(DUV)光学システムであって、
前記光源システムが、
複数の光発振器と、
ビームコンバイナと、
前記複数の光発振器と前記ビームコンバイナとの間にあるビーム制御装置とを備え、前記ビームコンバイナが、前記複数の光発振器の少なくとも1つから発せられた光を受光し、結合された露光ビームとしてスキャナ装置の方に誘導するように構成され、前記ビーム制御装置が、前記ビームコンバイナが前記複数の光発振器のうちの1つから光を受光したかどうかを判定するように構成され、
前記制御システムが、
条件が前記DUV光学システムに存在するかどうかを判定し、
前記条件が存在する旨の判定に基づいて、前記複数の光発振器のうちの少なくとも1つの光発振器のサブセットであって、前記ビームコンバイナが前記少なくとも1つの光発振器から光を受光していないと前記ビーム制御装置が判定した、サブセットにおいて較正動作を行うように構成された、深紫外(DUV)光学システム。
【請求項2】
前記較正動作が、前記複数の光発振器のうちの少なくとも1つにより生成された光の波長を目標範囲内に収めることを含む、請求項1のDUV光学システム。
【請求項3】
前記条件が、時間ベースの条件又はイベントベースの条件である、請求項1のDUV光学システム。
【請求項4】
前記条件がイベントベースの条件であり、前記制御システムが、前記光源システム及び前記スキャナ装置に結合され、前記制御システムが、前記スキャナ装置からステータス信号を受信するように構成され、前記制御システムが、前記イベントベースの条件が存在するかどうかを前記スキャナ装置からの前記ステータス信号に基づいて判定する、請求項3のDUV光学システム。
【請求項5】
前記ステータス信号が、前記スキャナ装置でこれから起きるイベントに関連する情報を含み、前記制御システムが、前記これから起きるイベントに関連する前記情報に基づいて前記較正動作を行う、請求項4のDUV光学システム。
【請求項6】
前記これから起きるイベントに関連する前記情報が、前記これから起きるイベントが発生するまでの時間及び前記これから起きるイベントを特定する表示を含み、前記制御システムが、前記これから起きるイベントが発生する前に前記較正動作を行う、請求項5のDUV光学システム。
【請求項7】
前記これから起きるイベントが、前記スキャナ装置の動作条件の変化を含み、前記動作条件の前記変化が、前記露光ビームの繰り返し率の変化、前記露光ビームのパワーの変化、又は前記スキャナ装置の動作モードの変化を含む、請求項6のDUV光学システム。
【請求項8】
前記条件が時間ベースの条件であり、前記制御システムが、前記DUV光学システムのステータスをモニタするように構成され、前記制御システムが、前記光源システムのモニタされた前記ステータスに基づいて前記DUV光学システムの前記条件を決定するように構成された、請求項3のDUV光学システム。
【請求項9】
各光発振器が利得媒体を含み、前記利得媒体がガス利得媒体を含み、前記較正動作がリフィル動作を含み、前記リフィル動作が、前記サブセットにおいて前記ガス利得媒体を交換することを含む、請求項1のDUV光学システム。
【請求項10】
前記ビーム制御装置が、前記複数の光発振器のそれぞれのためのビーム遮断デバイスを備え、前記ビーム遮断デバイスのそれぞれが前記制御システムに結合され、
前記制御システムがさらに、前記ビーム遮断デバイスを制御して、前記ビームコンバイナが前記光発振器のうちの特定の1つから光を受光したかどうかを判定するように構成された、請求項1のDUV光学システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] この出願は、2019年5月22日に出願されたCONTROL SYSTEM FOR A PLURALITY OF DEEP ULTRAVIOLET OPTICAL OSCILLATORSと題する米国出願第62/851,147号、及び2020年4月7日に出願されたCONTROL SYSTEM FOR A PLURALITY OF DEEP ULTRAVIOLET OPTICAL OSCILLATORSと題する米国出願第63/006,162号の優先権を主張し、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] この開示は、複数の深紫外(DUV)光発振器のための制御システムに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] フォトリソグラフィとは、半導体回路をシリコンウェーハなどの基板上にパターニングするプロセスである。光源が、ウェーハ上のフォトレジストを露光するために用いられる深紫外(DUV)光を生成する。DUV光は、例えば、約100ナノメートル(nm)~約400nmまでの波長を含むことがある。光源はレーザ源(例えばエキシマレーザ)であり、DUV光はパルスレーザビームであることが多い。光源からのDUV光は投影光学システムと相互作用し、投影光学システムはマスクを通してシリコンウェーハ上のフォトレジスト上にビームを投影する。このようにして、フォトレジスト上にチップ設計の層がパターニングされる。フォトレジスト及びウェーハはその後エッチングされて洗浄され、次いでフォトリソグラフィプロセスは繰り返す。
【発明の概要】
【0004】
[0004] 一態様では、深紫外(DUV)光学システムが、複数の光発振器と、ビームコンバイナと、光発振器とビームコンバイナとの間にあるビーム制御装置とを備えた光源システムを備える。ビームコンバイナは、光発振器のいずれかから発せられた光を受光し、露光ビームとしてスキャナ装置の方に誘導するように構成され、ビーム制御装置は、ビームコンバイナが光発振器のうちの特定の1つから光を受光したかどうかを判定するように構成される。DUV光リソグラフィシステムはまた、光源システムに結合された制御システムであって、条件がDUV光学システムに存在するかどうかを判定し、条件が存在する旨の判定に基づいて、光発振器のサブセットにおいて較正動作を行うように構成された制御システムを備える。
【0005】
[0005] 実施例は以下の特徴のうちの1つ以上を含むことがある。
【0006】
[0006] 較正動作は、光発振器のうちの少なくとも1つにより生成された光の波長を目標範囲内に収めることを含むことがある。
【0007】
[0007] 較正動作は、光発振器のうちの少なくとも1つにより生成された光の帯域幅を目標範囲内に収めることを含むことがある。
【0008】
[0008] 較正動作は、光発振器のうちの少なくとも1つにより生成された光のパルスエネルギーを目標範囲内に収めることを含むことがある。
【0009】
[0009] 条件は、時間ベースの条件又はイベントベースの条件である場合がある。条件はイベントベースの条件である場合があり、制御システムは、光源システム及びスキャナ装置に結合されることがあり、制御システムは、DUV光学システムからステータス信号を受信するように構成されることがあり、制御システムは、イベントベースの条件が存在するかどうかを、スキャナ装置からのステータス信号に基づいて判定することがある。ステータス信号は、スキャナ装置でこれから起きるイベントに関連する情報を含むことがあり、制御システムは、これから起きるイベントに関連する情報に基づいて較正動作を行うことがある。これから起きるイベントに関連する情報は、これから起きるイベントが発生するまでの時間及びこれから起きるイベントを特定する表示を含むことがあり、制御システムは、これから起きるイベントが発生する前に較正動作を行うことがある。これから起きるイベントは、スキャナ装置の動作条件の変化を含むことがあり、動作条件の変化は、露光ビームの繰り返し率の変化、露光ビームのパワーの変化、又はスキャナ装置の動作モードの変化を含むことがある。行われた較正動作は、複数の利用可能な較正動作のうちの1つである場合があり、行われた較正動作は、これから起きるイベントを特定する表示に基づいて複数の利用可能な較正動作から決定されることがある。
【0010】
[0010] 条件は時間ベースの条件である場合があり、制御システムは、DUV光学システムのステータスをモニタするように構成されることがあり、制御システムは、光源システムのモニタされたステータスに基づいてDUV光学システムの条件を決定するように構成されることがある。DUV光学システムのステータスをモニタするように構成された制御システムは、開始時間から経過した時間をモニタするように構成された制御システムを含むことがあり、制御システムは、開始時間から経過した時間に基づいてDUV光学システムの条件を決定することがある。開始時間は、直前の較正イベントが発生した時間を含むことがある。一部の実施例では、DUV光学システムの条件を決定するために、制御システムはさらに、経過した時間を仕様と比較するように構成され、制御システムは、経過した時間が仕様を満たす場合に較正動作を行うように構成される。
【0011】
[0011] 各光発振器は利得媒体を含むことがあり、利得媒体はガス利得媒体を含むことがあり、較正動作はリフィル動作を含むことがある。これらの実施例では、リフィル動作は、光発振器のサブセットにおいてガス利得媒体を交換することを含む。
【0012】
[0012] ビーム制御装置は、複数の光発振器のそれぞれのためのビーム遮断デバイスを備えることがあり、ビーム遮断デバイスのそれぞれは制御システムに結合されることがあり、制御システムはさらに、ビーム遮断デバイスを制御して、ビームコンバイナが光発振器のうちの特定の1つから光を受光したかどうかを判定するように構成されることがある。各ビーム遮断デバイスは、DUV光を透過させる第1の状態及びDUV光を遮断する第2の状態を有するシャッタを含むことがあり、各シャッタが光発振器のうちの対応する1つが、第2の状態にあるときにビームコンバイナに向けて光を発することを防ぎ、光発振器のうちの対応する1つが、第1の状態にあるときにビームコンバイナに向けて光を発することができるように、各シャッタは光発振器のうちの1つの出力に配置されるように構成されることがある。
【0013】
[0013] 一部の実施例では、光発振器のサブセットは、露光ビームの一部である光ビームを生成している複数の光発振器のいずれも含まない。
【0014】
[0014] 一部の実施例では、較正動作は、ビームコンバイナが光発振器のサブセットから光を受光しない場合にのみ行われる。
【0015】
[0015] 一部の実施例では、DUV光学システムは、DUV光リソグラフィシステムで使用されるように構成される。さらに、DUV光学システムは、ビームコンバイナから露光ビームを受光するように構成されたスキャナ装置を備えることがある。
【0016】
[0016] 別の態様では、深紫外(DUV)光学システムにおける複数の光発振器を制御する方法が、条件が存在するかどうかを判定するためにDUV光学システムをモニタすること、条件が存在する場合に、複数の光発振器のうちのいずれかが待ち状態にあるかどうかを判定すること、待ち状態にある複数の光発振器のサブセットにおいて較正動作を行うことを含む。待ち状態にない光発振器のうちの1つ以上が、較正動作が行われる間に露光ビームを生成し続ける。
【0017】
[0017] 実施例は以下の特徴のうちの1つ以上を含むことがある。方法はまた、較正動作が成功したかどうかを判定することを含むことがある。
【0018】
[0018] DUV光学システムは、DUV光リソグラフィシステムとともに使用されるように構成されることがあり、DUV光学システムをモニタすることは、スキャナ装置からコマンド信号を受信すること、及びコマンド信号に基づいて条件が存在するかどうかを判定することを含むことがある。
【0019】
[0019] 一部の実施例では、条件が存在し、複数の光発振器がいずれも待ち状態にない場合に、少なくとも1つの光発振器が待ち状態に置かれる。
【0020】
[0020] 別の態様では、光リソグラフィシステムが、それぞれが利得媒体を含む複数の光発振器と、ビームコンバイナと、利得媒体とビームコンバイナとの間にあるビーム制御装置とを備えた光源システムを備えた深紫外(DUV)光リソグラフィシステムを備える。ビームコンバイナは、光発振器のいずれかから発せられた光を受光し、露光ビームとしてスキャナ装置の方に誘導するように構成され、ビーム制御装置は、ビームコンバイナが光発振器のうちの特定の1つから光を受光したかどうかを判定するように構成される。DUV光リソグラフィシステムはまた、スキャナ装置と、光源システム及びスキャナ装置に結合された制御システムとを備え、制御システムは、条件が光リソグラフィシステムに存在するかどうかを判定し、条件が存在すると判定された場合に、光発振器のサブセットにおいて較正動作を行うように構成される。
【0021】
[0021] 実施例は以下の特徴のうちの1つ以上を含むことがある。光リソグラフィシステムはまた、複数の光発振器に流体結合されたガス供給システムを備えることがある。
【0022】
[0022] 別の態様では、深紫外(DUV)光リソグラフィシステムにおける複数の光発振器を制御する方法が、DUV光の要求された線量をウェーハに提供するように構成された露光ビームの要求を受けること、コールドスタート条件が存在するかどうかを判定すること、コールドスタート条件が存在する場合に、要求された線量を定常状態条件下で提供できる光発振器の数である光発振器の公称数より多くの光発振器を作動させること、及び露光ビームをコールドスタート期間に提供するために、作動させた光発振器のそれぞれからの光ビームをスキャナ装置の方に誘導することを含む。
【0023】
[0023] 一部の実施例では、コールドスタート条件が存在する場合に、方法はまた、
[0024] コールドスタート期間が終了したかどうかを判定すること、及びコールドスタート期間が終了した場合に、作動させた光発振器のうちの少なくとも1つの動作を停止することを含む。
【0024】
[0025] 別の態様では、制御システムが、DUV光学システムと通信するように構成されたインターフェイスを備える。制御システムは、
[0026] 条件がDUV光学システムに存在するかどうかを判定すること、及び、条件が存在する旨の判定に基づいて、DUV光学システムの光発振器のサブセットにおいて、光発振器のサブセットにない少なくとも1つの光発振器が露光ビームを生成する間に較正動作を行うこと、によってDUV光学システムを制御するように構成される。
【0025】
[0027] 一部の実施例では、制御システムはまた、1つ以上の電子プロセッサと、実行されたときに、制御システムにインターフェイスを介してDUV光学システムと通信させる実行可能命令を含み、1つ以上の電子プロセッサに結合されたコンピュータ可読電子ストレージとを備える。
【0026】
[0028] 上述の及び本明細書に記載された技術のうちのいずれかの実施例は、プロセス、装置、制御システム、非一時的機械可読コンピュータ媒体に記憶された命令、及び/又は方法を含むことがある。1つ以上の実施例の詳細を、添付の図面及び以下の説明に記載する。他の特徴は、説明及び図面から、並びに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】[0029] 光リソグラフィシステムの一例のブロック図である。
【
図2A】[0030] 光リソグラフィシステムの別の例のブロック図である。
【
図2B】[0031]
図2Aの光リソグラフィシステムで使用される投影光学システムの一例のブロック図である。
【
図3】[0032] 光源システムの一例のブロック図である。
【
図4】[0033] 光リソグラフィシステムにおいて製造中の較正動作を行うためのプロセスの一例のフローチャートである。
【
図5】[0034] 光リソグラフィシステムにおいてコールドスタート期間に露光ビームを生成するためのプロセスの一例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
[0035]
図1を参照すると、光リソグラフィシステム100のブロック図が示されている。光リソグラフィシステム100は光源システム110を含み、光源システム110はスキャナ装置180に提供される露光ビーム111を生成する。スキャナ装置180は、ウェーハ182を露光ビーム111で露光する。
【0029】
[0036] 光源システム110は、N個の光発振器112-1~112-Nを含み、Nは1よりも大きい整数である。各光発振器112-1~112-Nは、各光ビーム116-1~116-Nを生成する対応するガス利得媒体114-1~114-Nを含む。光源システム110はまた、入射光をビームパス179上へ誘導して露光ビーム111を形成するビームコンバイナ118を含む。ビームパス179はビームコンバイナ118とスキャナ装置180の間にある。ビームコンバイナ118は、光ビーム116-1~116-Nをビームパス179上へ誘導できる任意の光学素子である。例えば、ビームコンバイナ118は、屈折光学素子及び/又は反射光学素子の集まりである場合がある。
【0030】
[0037] ビームコンバイナ118は、光ビーム116-1~116-Nの全てを受光するように位置付けられる。しかしながら、ビームコンバイナ118に入射する(そして露光ビーム111に含まれる)光は、光ビーム116-1~116-Nのうちの1つ、光ビーム116-1~116-Nの全て、又は様々な光ビーム116-1~116-Nの任意の組み合わせを含むことがある。さらに、ビームコンバイナ118に入射する(そして露光ビーム111に含まれる)光ビーム116-1~116-Nのうちの特定の1つ以上は、光リソグラフィシステム100の動作中に変化することがある。例えば、一部の応用例では、光ビーム116-1~116-Nのうちの1つにより供給される線量はウェーハ182を露光するのに十分である。線量は、あるエリアに供給された光エネルギーの量である。これらの応用例では、光源システム110は、光ビーム116-1~116-Nのうちの1つのみがビームコンバイナ118に到達できるように構成される。他の応用例では、光ビーム116-1~116-Nのうちの1つにより供給される線量はウェーハ182を露光するのに十分でない。これらの応用例では、光ビーム116-1~116-Nの2つ以上がビームコンバイナ118に到達し、露光ビーム111に寄与する。
【0031】
[0038] 光発振器112-1~112-Nは互いに独立し、制御システム150は、光ビーム116-1~116-Nのうちのどれがビームコンバイナ118に入射するかを決定する。ビームコンバイナ118に入射する光ビーム116-1~116-Nのうちの特定の1つ又はいくつかは、例えば、光源システム110、光発振器112-1~112-N、及び/又は光源システム110のコンポーネントを制御することによって決定される。例えば、(利得媒体114-1~114-Nとビームコンバイナ118との間にある)ビーム制御装置117の構成は、光ビーム116-1~116-Nのうちのどれがビームコンバイナ118に到達するかを決定するために制御されることがある。一部の実施例では、ビーム制御装置117は、各光発振器112-1~112-N用のシャッタを含む。各シャッタは、制御システム150によって制御されて、対応する光ビーム116-1~116-Nが遮断されるか、ビームコンバイナ118に入射するかが決定される。
図3は、N個のシャッタとして実装されたビーム制御装置117の一例を示す。
【0032】
[0039] 制御システム150は、露光ビーム111に寄与していない1つ以上の光発振器112-1~112-Nにおいて較正動作が行われるようにする。このようにして、制御システム150は、光発振器112-1~112-Nの独立性を利用して、露光ビーム111が生成されている間に較正動作を行う。制御システム150は、光リソグラフィシステム100をモニタして、条件が光リソグラフィシステム100に存在するかどうかを判定する。条件が存在する場合、制御システム150は較正動作を行う。制御システム150は、ビームコンバイナ118に入射しない光ビーム116-1~116-Nと関連付けられた光発振器112-1~112-Nのサブセットでのみ較正動作を行わせる。例えば、光ビーム116-1がビームコンバイナ118に入射せず、他の(N-1)個の光ビームの全てがビームコンバイナ118に入射する場合に、制御システム150は、他の(N-1)個の光発振器ではなく、光発振器112-1で較正動作を開始することがある。
【0033】
[0040] したがって、較正動作が光発振器112-1で行われる間、露光ビーム111は生成され続け、ウェーハ182は露光され続ける。これによって、従来は光リソグラフィシステム100全体がオフラインにされることを必要としていた較正動作が、露光ビーム111が生成される間に行われることが可能になる。制御システム150は、ダウンタイムの長さを短縮することによって光リソグラフィシステム100の性能を向上させ、露光ビーム111がより一貫して、より長い期間にわたって生成されることを可能にする。さらに、光リソグラフィシステム100が較正動作を行うのにオフラインにされる必要がないため、較正動作はより頻繁かつより容易に行われることがある。較正動作をより頻繁に行うことによって、光発振器112-1~112-Nの寿命は伸びることがある。
【0034】
[0041] 制御システム150は、様々な条件のうちの1つ以上をモニタすることがある。光リソグラフィシステム100は、必ずしもスキャナ装置180を含むわけではない。したがって、光リソグラフィシステム100における条件は、光発振器112-1~112-Nのうちの1つ以上における条件及び/又はスキャナ装置180における条件である場合がある。条件は、時間ベースの条件又はイベントベースの条件である場合がある。時間ベースの条件とは、所定の時間が経過したときに存在する条件である。例えば、制御システム150は、その光発振器において直近の較正動作が行われてから所定の時間が経過したときに、時間ベースの条件が光発振器112-1~112-Nのうちの1つに存在すると判定することがある。別の例では、時間ベースの条件が、所定のスケジュールに基づいて発生する条件である場合がある。例えば、一定の時間が経過するたびに較正動作が行われるようにスケジュールされることがある。イベントベースの条件とは、イベントが発生するときに存在する条件である。イベントベースの条件の例には、スキャナ装置180からのコマンドの受信及び/又は光発振器112-1~112-Nのうちの1つ以上からのコマンドの受信が含まれる。イベントベースの条件は時間の局面を有することがある。例えば、一定数のパルスが光発振器112-1~112-Nのいずれかによって特定の繰り返し率で生成された後にイベントベースの条件が存在することがある。
【0035】
[0042] 較正動作は、光発振器112-1~112-Nの性能を較正する、或いは整える若しくは高める任意のタイプの手順である。較正動作は、例えば、1つ以上のパラメータ(エネルギー、帯域幅、及び/又は中心波長など)を指定範囲又は目標範囲とするための手順である場合がある。別の例では、較正動作は、ガス利得媒体114-1~114-Nのうちの1つ以上を除去して交換することを含むリフィル手順である。さらに別の例では、較正動作は、光発振器112-1~112-Nのうちの1つ以上に定常状態動作の準備をさせるウォームアップ手順である。1つ以上の較正動作を行うことを含む製造中較正技術が、
図4に関して考察される。
【0036】
[0043] 一部の実施例では、制御システム150は、光発振器112-1~112-Nの公称数より多くの光発振器を作動させることによって、コールドスタート期間に露光ビーム111を生成するように構成される。光発振器の公称数は、通常の定常状態条件下で露光ビーム111を生成するために作動される光発振器112-1~112-Nの数である。光発振器112-1~112-Nの公称数より多くの光発振器を作動させることによって、制御システム150は、コールドスタート期間に存在し得るエネルギー非効率性を補償する。コールドスタート期間の露光ビームの生成については、
図5に関してより詳細に考察される。
【0037】
[0044] 制御システム150は、電子処理モジュール151と、電子ストレージ152と、I/Oインターフェイス153とを含む。電子処理モジュール151は、汎用又は専用マイクロプロセッサなどの、コンピュータプログラムの実行に適した1つ以上のプロセッサ、及び何れかの種類のデジタルコンピュータの何れか1つ以上のプロセッサを含む。一般に、電子プロセッサが、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、又はその両方から命令及びデータを受け取る。電子処理モジュール151は、どんなタイプの電子プロセッサも含むことがある。電子処理モジュール151の1つ以上の電子プロセッサは、命令を実行し、電子ストレージ152に記憶されているデータにアクセスする。1つ以上の電子プロセッサは、電子ストレージ152にデータを書き込むこともできる。
【0038】
[0045] 電子ストレージ152は、RAMなどの揮発性メモリ、又は不揮発性メモリである場合がある。一部の実施例では、電子ストレージ152は、不揮発性及び揮発性の部分又はコンポーネントを含む。電子ストレージ152は、制御システム150の動作で使用されるデータ及び情報を記憶することがある。例えば、電子ストレージ152は、光発振器112-1~112-Nの仕様情報を記憶することがある。仕様情報は、例えば、光リソグラフィシステム100及びスキャナ装置180の様々な動作モードについての目標エネルギー、波長、帯域幅、及び/又はビーム品質の範囲を含むことがある。電子ストレージ152はまた、特定の較正動作に関連付けられる(例えば、コンピュータプログラムの形式の)命令を記憶することがある。
【0039】
[0046] 電子ストレージ152はまた、制御システム150が光リソグラフィシステム100内の他のコンポーネント及びサブシステムと相互作用して較正動作を行うようにする(例えば、コンピュータプログラムの形式の)命令を記憶することがある。例えば、命令は、較正動作が光発振器112-1~112-Nのうちの1つ以上において行われるように、電子処理モジュール151が光源システム110にコマンド信号を提供するようにする命令である場合がある。電子ストレージ152はまた、光リソグラフィシステム100、スキャナ装置180、及び/又は光源システム110から受け取った情報を記憶することがある。
【0040】
[0047] I/Oインターフェイス153は、制御システム150が、オペレータ、光源システム110、スキャナ装置180、及び/又は別の電子デバイスで実行されている自動化プロセスとデータ及び信号を交換できるようにするいずれかの種類のインターフェイスである。例えば、電子ストレージ152に記憶されているルール又は命令が編集され得る実施例では、編集はI/Oインターフェイス153を介して行われることがある。I/Oインターフェイス153は、表示装置、キーボード、及び、パラレルポート、ユニバーサルシリアルバス(USB)接続、及び/又は、例えばイーサネットなどの任意のタイプのネットワークインターフェイスなどの通信インターフェイスのうちの1つ以上を含むことがある。I/Oインターフェイス153はまた、例えば、IEEE802.11、Bluetooth、又は近距離無線通信(NFC)接続を介した物理的接触のない通信を可能にすることがある。
【0041】
[0048] 制御システム150は、光源システム110及び/又はスキャナ装置180にデータ接続154を介して結合される。データ接続154は、物理ケーブル若しくは他の物理データコンジット(IEEE802.3ベースのデータの伝送をサポートするケーブルなど)、無線データ接続(IEEE802.11又はBluetoothを介してデータを提供するデータ接続など)、又は有線及び無線データ接続の組み合わせである場合がある。データ接続を経由して提供されるデータは、任意のタイプのプロトコル又はフォーマットを介してセットされることがある。データ接続154は、対応する通信インターフェイス(図示せず)において光源システム110及び/又はスキャナ装置180に接続される。通信インターフェイスは、データを送受信可能ないずれかの種類のインターフェイスである場合がある。例えば、データインターフェイスは、イーサネットインターフェイス、シリアルポート、パラレルポート、又はUSB接続である場合がある。一部の実施例では、データインターフェイスは無線データ接続を介したデータ通信を可能にする。例えば、データインターフェイスは、IEEE811.11トランシーバ、Bluetooth、又はNFC接続である場合がある。制御システム150は、光源システム110及び/又はスキャナ装置180内のシステム及び/又はコンポーネントに接続されることがある。例えば、制御システム150は、光発振器112-1~112-Nのそれぞれに直接接続されることがある。
【0042】
[0049]
図2A及び2Bを参照すると、光リソグラフィシステム200が、露光ビーム211をスキャナ装置280に提供する光源システム210を含んでいる。光源システム210は、光源システム110(
図1)の実装例である。スキャナ装置280は、スキャナ装置180(
図1)の実装例である。スキャナ装置280は、成形された露光ビーム211’でウェーハ282を露光する。成形された露光ビーム211’は、露光ビーム211を投影光学システム281に通過させることによって形成される。
【0043】
[0050] 光源システム210は、光発振器212-1~212-Nを含み、Nは1よりも大きい整数である。各光発振器210-1~210-Nは、対応する光ビーム216-1~216-Nを生成する。光発振器212-1の詳細は以下で考察される。光源システム210内の他の(N-1)個の光発振器は同じ又は類似の特徴を含む。
【0044】
[0051] 光発振器212-1は放電チャンバ215-1を含み、放電チャンバ215-1はカソード213-1a及びアノード213-1bを取り囲む。放電チャンバ215-1はガス利得媒体214-1も含む。カソード213-1aとアノード213-1bの間の電位差が、ガス利得媒体214-1に電場を形成する。電位差は、制御システム150に結合された電圧源297を制御してカソード213-1a及び/又はアノード213-1bに電圧を印加することによって生成されることがある。電場は、反転分布を生じさせるとともに、誘導放出を介した光パルスの生成を可能にするのに十分なエネルギーを利得媒体214-1に提供する。このような電位差を繰り返し生み出すことによって、光パルス列が形成されて光ビーム216-1が作成される。パルス光ビーム216-1の繰り返し率は、電極213-1a、213-1bに電圧が印加される割合によって決定される。パルス光ビーム216-1のパルスの持続時間は、電極213-1a及び213-1bに電圧が印加される時間によって決定される。パルスの繰り返し率は、例えば約500~6,000Hzの範囲である場合がある。一部の実施例では、繰り返し率は6,000Hzよりも大きい場合があり、例えば、12,000Hz以上である場合がある。光発振器212-1から放出された各パルスは、例えば、およそ1ミリジュール(mJ)のパルスエネルギーを有することがある。
【0045】
[0052] ガス利得媒体214-1は、印加に必要な波長、エネルギー、及び帯域幅の光ビームを生成するのに適したいずれかの気体である場合がある。エキシマ源の場合、ガス利得媒体214-1は、ヘリウムなどの緩衝ガス以外の、例えばアルゴンやクリプトンなどの貴ガス(希ガス)、例えばフッ素又は塩素及び微量のキセノンなどのハロゲンを含むことがある。ガス利得媒体214-1の具体的な例には、約193nmの波長の光を発するフッ化アルゴン(ArF)、約248nmの波長の光を発するフッ化クリプトン(KrF)、又は約351nmの波長の光を発する塩化キセノン(XeCl)が含まれる。ガス利得媒体214-1は、電極213-1a、213-1bへの電圧の印加によって、高圧放電において短い(例えばナノ秒)電流パルスで励起される。
【0046】
[0053] 放電チャンバ215-1の一方の側のライン狭隘化モジュール295-1と、放電チャンバ215-1の第2の側の出力カプラ296-1との間に共振器が形成される。ライン狭隘化モジュール295-1は、例えば、放電チャンバ215-1のスペクトル出力を細かく調整する格子及び/又はプリズムなどの回折光学部品を含むことがある。一部の実施例では、ライン狭隘化モジュール295-1は複数の回折光学素子を含む。例えば、ライン狭隘化モジュール295-1は4つのプリズムを含むことがあり、光ビーム216-1の中心波長を制御するように構成されるものもあれば、光ビーム216-1のスペクトル帯域幅を制御するように構成されるものもある。
【0047】
[0054] 光発振器212-1はまた、出力カプラ296-1から出力光ビームを受光するライン中心解析モジュール298-1を含む。ライン中心解析モジュール298-1は、光ビーム216-1の波長を測定又はモニタするのに使用され得る測定システムである。ライン中心解析モジュール298-1は、制御システム150にデータを提供することがあり、制御システム150は、ライン中心解析モジュール298-1からのデータに基づいて光ビーム216-1に関連するメトリクスを決定することがある。例えば、制御システム150は、ライン中心解析モジュール298-1により測定されたデータに基づいて、ビーム品質メトリック又はスペクトル帯域幅を決定することがある。
【0048】
[0055] 光源システム210はまた、放電チャンバ215-1の内部に流体管289を介して流体結合されるガス供給システム290を含む。流体管289は、気体又は他の流体を、損失を生じさせることなく又は最小限に抑えて輸送することができるいずれかの導管である。例えば、流体管289は、流体管289で輸送された1つ以上の流体と反応しない材料で作られる又はコーティングされるパイプである場合がある。ガス供給システム290は、利得媒体214-1で使用される1つ以上の気体を含む及び/又はこの気体の供給を受けるように構成されるチャンバ291を含む。ガス供給システム290はまた、ガス供給システム290が、放電チャンバ215-1からガスを取り除くことができる又は放電チャンバ215-1にガスを注入できるようにするデバイス(ポンプ、バルブ、及び/又は流体スイッチなど)を含む。ガス供給システム290は制御システム150に結合される。ガス供給システム290は、制御システム150によって制御されて、例えばリフィル手順を行うことがある。
【0049】
[0056] 他の(N-1)個の光発振器は、光発振器212-1と同様であり、同様の又は同じコンポーネント及びサブシステムを有する。例えば、光発振器212-1~212-Nのそれぞれは、電極213-1a、213-1bと同様の電極、ライン狭隘化モジュール295-1と同様のライン狭隘化モジュール、及び出力カプラ296-1と同様の出力カプラを含む。光発振器212-1~212-Nは、光ビーム216-1~216-Nの全てが同じ特性を有するように調整又は構成されることがあるか、又は光発振器212-1~212-Nは、少なくともいくつかの光発振器が、他の光発振器と異なる少なくともいくつかの特性を有するように調整又は構成されることがある。例えば、光ビーム216-1~216-Nの全てが同じ中心波長を有することがあるか、又は各光ビーム216-1~216-Nの中心波長が異なることがある。光発振器212-1~212-Nのうちの特定の1つにより生成された中心波長は、対応するライン狭隘化モジュールを使用して設定されることがある。
【0050】
[0057] さらに、電圧源297は、各光発振器212-1~212-Nの電極に電気的に接続されることがあるか、又は電圧源297は、それぞれが光発振器212-1~212-Nのうちの1つの電極に電気的に接続されるN個の個別の電圧源を含む電圧システムとして実装されることがある。
【0051】
[0058] 光源システム210はまた、ビーム制御装置217及びビームコンバイナ218を含む。ビーム制御装置217は、光発振器212-1~212-Nのガス利得媒体とビームコンバイナ218との間にある。ビーム制御装置217は、光ビーム216-1~216-Nのうちのどれがビームコンバイナ218に入射するかを決定する。ビームコンバイナ218は、ビームコンバイナ218に入射する1つ以上の光ビームから露光ビーム211を形成する。示された例では、ビーム制御装置217は単一要素として表されている。ただし、ビーム制御装置217は、個別のビーム制御装置の集まりとして実装されることがある。例えば、ビーム制御装置217は、1つのシャッタが各光発振器212-1~212-Nに関連付けられたシャッタの集まりを含むことがある。
【0052】
[0059] 光源システム210は他のコンポーネント及びシステムを含むことがある。例えば、光源システム210は、光ビームの様々な特性(帯域幅や波長など)を測定する帯域幅解析モジュールを含むビーム作製システム299を含むことがある。ビーム作製システムはまた、各パルスを伸長させるパルス伸長器(図示せず)を含むことがあり、各パルスはパルス伸長器と時間的に相互作用する。ビーム作製システムはまた、例えば反射性及び/又は屈折性光学要素(例えばレンズやミラーなど)、及び/又はフィルタのような、光に作用することができる他のコンポーネントを含むことがある。示された例では、ビーム作製システム299は露光ビーム211のパスに位置付けられている。ただし、ビーム作製システム299は、光リソグラフィシステム200内の他の場所に配置されることもある。さらに、他の実施例も可能である。例えば、光源システム210は、それぞれが光ビーム216-1~216-Nのうちの1つと相互作用するために配置される、ビーム作製システム299のN個の例を含むことがある。別の例では、光源システム210は、光ビーム216-1~216-Nをビームコンバイナ218の方へ誘導する光学素子(ミラーなど)を含むことがある。
【0053】
[0060] スキャナ装置280は、液浸システム又はドライシステムである場合がある。スキャナ装置280は、露光ビーム211がウェーハ282に到達する前に通過する投影光学システム281、及びセンサシステム又はメトロロジシステム270を含む。ウェーハ282は、ウェーハホルダ283に保持又は受容される。また、
図2Bを参照すると、投影光学システム281は、スリット284と、マスク285と、レンズシステム286を含む投影対物系とを含む。レンズシステム286は1つ以上の光学素子を含む。露光ビーム211は、スキャナ装置280に入り、スリット284に衝突する。そして、ビーム211の少なくとも一部はスリット284を通過して、成形された露光ビーム211’を形成する。
図2A及び2Bの例では、スリット284は矩形であり、露光ビーム211を、成形された露光ビーム211’である細長い矩形状の光ビームに成形する。マスク285は、成形された光ビームのどの部分がマスク285によって透過され、どの部分がマスク285によって遮断されるかを決定するパターンを含む。ウェーハ282上の放射感応性フォトレジスト材料層を露光ビーム211’で露光することによって、マイクロ電子フィーチャをウェーハ282上に形成する。マスク上のパターンの設計は、望まれる具体的なマイクロ電子回路フィーチャによって決定される。
【0054】
[0061] メトロロジシステム270はセンサ271を含む。センサ271は、例えば、帯域幅、エネルギー、パルス持続時間、及び/又は波長などの、成形された露光ビーム211’の特性を測定するように構成されることがある。センサ271は、例えば、カメラ若しくはウェーハ282における成形された露光ビーム211’の像を捕捉できる他のデバイス、又はx-y平面内のウェーハ282における光エネルギーの量を記述するデータを収集できるエネルギー検出器である場合がある。
【0055】
[0062] メトロロジシステム270はまた、電子処理モジュール272及び電子ストレージ273を含む。電子処理モジュール272は電子処理モジュール151と同様であり、電子ストレージ273は電子ストレージ152(
図1)と同様である。電子ストレージ273は、例えば、電子処理モジュール272に、制御システム150にデータ接続254を介して提供されるコマンド信号又はトリガ信号を生成させる情報を記憶することがある。トリガ信号は、
図4に関して考察されるように、制御システム150に光発振器212-1~212-Nのうちの1つ以上において較正動作を開始させる。メトロロジシステム270により生成されたコマンド信号は、例えば、時間ベースのルール及び/又はイベントの発生に基づくことがある。例えば、メトロロジシステム270は、コマンド信号を生成し、これを周期的に又は一定の時間が経過するたびに制御システム150に提供することがある。コマンド信号はイベントに基づいて生成されることがある。例えば、コマンド信号は、センサ271からのデータに基づいて決定された線量が、この応用例の仕様の範囲外にある場合に生成されることがある。この例では、コマンド信号は、光ビーム216-1~216-Nのうちの1つ以上のパルスエネルギーを補正する較正動作を制御システム150に行わせる情報を含む。
【0056】
[0063] スキャナ装置280は、例えば、温度制御デバイス(空調デバイス及び/又は加熱デバイスなど)、及び/又は様々な電気コンポーネントのための電源を含むことがある。
【0057】
[0064]
図3を参照すると、光源システム310が示されている。光源システム310は、光源システム110の実施例の別の例である。光源システム310は、光発振器312-1~312-Nを含み、Nは1よりも大きい整数である。各光発振器312-1~312-Nは、放電チャンバ315-1~315-Nを含み、各光ビーム316-1~316-Nを生成する。
【0058】
[0065] 光源システム310は、光発振器312-1~312-Nとビームコンバイナ318の間にビーム制御装置317を含む。ビーム制御装置317はN個のシャッタ319-1~319-Nを含む。
図3の例では、各シャッタ319-1~319-Nは、対応する放電チャンバ315-1~315-N内にある。ただし、他の実施例では、各シャッタ319-1~319-Nは、対応する放電チャンバ315-1~315-Nの外部にある。
【0059】
[0066] 各シャッタ319-1~319-Nは、シャッタ319-1~319-Nが対応する光ビーム316-1~316-Nを透過させる第1の状態と、シャッタ319-1~319-Nが対応する光ビーム316-1~316-Nを遮断する第2の状態とを含む、少なくとも2つの安定状態を有する。各シャッタ319-1~319-Nは制御システム150に結合される。ビーム制御装置317及び/又はシャッタ319-1~319-Nは、制御システム150に情報を送信することがあり、また、制御システム150から情報を受信することがある。例えば、ビーム制御装置317は、シャッタの状態に関する情報を制御システム150に送信することがあり、シャッタ319-1~319-Nは、制御システム150からのコマンド信号の受信に応答して状態を変化させることがある。
【0060】
[0067] ビーム制御装置317は機械装置又は電気光学装置である場合がある。ビーム制御装置317が機械装置である実施例では、各シャッタ319-1~319-Nは、対応する光発振器312-1~312-Nにより生成された光の波長を通さない材料で作られる。機械シャッタは、対応する光ビーム316-1~316-Nのパスに出入りするように構成される。機械シャッタ319-1~319-Nが対応する光ビーム316-1~316-Nのパス内にあるとき、その光は遮断される。機械シャッタ319-1~319-Nが対応する光ビーム316-1~316-Nのパス内にないとき、その光は遮断されず、ビームコンバイナ318に入射する。ビーム制御装置317はまた、機械シャッタ319-1~319-Nを動作させるための様々な関連コンポーネントを含む。例えば、ビーム制御装置317は、制御システム150に結合され、制御システム150からのコマンドに基づいて機械シャッタ319-1~319-Nを移動させるように構成される機械的アクチュエータを含むことがある。
【0061】
[0068] ビーム制御装置317が光学装置である実施例では、各シャッタ319-1~319-Nは、例えば、閾電圧よりも大きい電圧が印加されるときにのみ対応する光ビーム316-1~316-Nが放電チャンバ315-1~315-Nを出ることができるようにするポッケルスセルである場合がある。これらの実施例では、ビーム制御装置317はまた、シャッタ319-1~319-Nを動作させるための様々な関連コンポーネントを含む。例えば、ビーム制御装置317は、制御システム150に結合され、光シャッタ319-1~319-Nの状態を変化させるように構成される1つ以上の電圧源及び関連電子回路を含むことがある。
【0062】
[0069] さらに、一部の実施例では、各シャッタ319-1~319-Nは、光センサを含む又は光センサである場合がある。これらの実施例では、各シャッタ319-1~319-Nは、対応する光発振器312-1~312-Nを伝搬する光を感知することができる。これらの実施例では、シャッタ319-1~319-Nは、感知した光に関する情報(例えば、エネルギー及び/又はパワーの測定値を表すデータ)を制御システム350に提供する。
【0063】
[0070]
図4はプロセス400のフローチャートである。プロセス400は、光リソグラフィシステムにおいて製造中較正動作を行うための例示的なプロセスである。製造中較正とは、光リソグラフィシステムがウェーハを露光する間に行われる較正動作である。プロセス400は、制御システム150によって実行されることがある。例えば、プロセス400は、電子ストレージ152に記憶され、電子処理モジュール151の1つ以上の電子プロセッサにより実行される命令の集まり(例えば、コンピュータプログラムやコンピュータソフトウェア)として実装されることがある。プロセス400は、
図2の光リソグラフィシステム200及び
図3の光源システム310に関連して考察される。ただし、プロセス400は、他の光リソグラフィシステムで実行されることもある。
【0064】
[0071] 光リソグラフィシステム200は、条件の発生又は有無についてモニタされる(410)。条件は時間ベースの条件である場合がある。例えば、較正動作のスケジュールが、電子ストレージ152のルックアップテーブル又はデータベースに記憶されることがある。ルックアップテーブル又はデータベースは、1つ以上の較正動作と関連付けて期間を記憶する。例えば、ルックアップテーブル又はデータベースは、各利得媒体214-1~214-Nが少なくとも月に1回交換されなければならないことを示すリフィル動作のスケジュールを記憶することがある。この例では、制御システム150は、光発振器212-1~212-Nごとに直近のリフィル動作から経過した時間をモニタし、光発振器212-1~212-Nのうちの特定の1つに条件が存在することを、その光発振器の直近のリフィル動作からの経過時間がスケジュールにより定められた時間に等しい場合に宣言する。
【0065】
[0072] 別の例では、制御システム150は、イベントの発生についてモニタすることによって光リソグラフィシステム200をモニタする。イベントのある例は、スキャナ装置280のメトロロジシステム270からのコマンド信号の受信である。コマンド信号は、スキャナ装置280においてイベントが発生したこと、又はまもなく発生することを示す。例えば、コマンド信号は、スキャナ装置280が、より多くの光エネルギー又はより大きい線量を必要とする動作モードや、成形された露光ビーム211’が異なる波長の光ビームを含む多焦点イメージング(MFI)動作モードなどの異なる動作モードにまもなく切り替わることを示すことがある。他の例では、コマンド信号は、スキャナ装置280が露光ビーム211の異なる繰り返し率を必要とする適用にまもなく切り替わることを示す。メトロロジシステム270からのコマンド信号がまだ発生していないイベントに関連する場合、コマンド信号は、イベントが発生するまでの時間の表示を含む。
【0066】
[0073] 制御システム150は、1つ以上の条件が存在するかどうかを判定する(420)。イベントベースの条件が存在していること(例えば、スキャナ装置280のメトロロジシステム270からのコマンド信号の受信)又は時間ベースの条件が存在していること(例えば、所定の時間が経過したことを確認することによって)に基づいて、条件が存在することが判定される。条件が存在する場合、制御システム150は、光発振器212-1~212-Nのいずれかが待ち状態にあるかどうかを判定する(430)。光発振器は、その光発振器により生成された光ビームが露光ビーム211にあまり寄与していないときに待ち状態にある。例えば、光発振器は、その光発振器により生成された光ビームがビームコンバイナ218に入射しないときに待ち状態にある。光発振器は、例えば、ビーム制御装置217がその光発振器により生成された光ビームがビームコンバイナに到達するのを妨げるときに待ち状態にある。例えば、
図3も参照すると、光発振器312-1は、シャッタ319-1が第2の状態にあるときに待ち状態にある。一方、光発振器312-1は、シャッタ319-1が第1の状態にあるときにレディ状態にあり、光発振器312-1はビームコンバイナ318に光ビーム316-1を提供する。別の例では、光発振器は、光発振器がオフラインである又は光ビームを全く生成していないときに待ち状態にある。さらに別の例では、光発振器は、光発振器からの微量又は非常に少量の光がビームコンバイナ218に到達するときに待ち状態にある。例えば、微量又は非常に少量の光は、光発振器が通常提供する光の量の1%未満又は0.1%未満である場合があり、微量又は非常に少量の光は、ウェーハ282に提供された線量にあまり寄与しない。
【0067】
[0074] 制御システム150は、光発振器212-1~212-Nのうちの特定の1つが待ち状態にあるか否かを、ビーム制御装置217の状態又は構成を決定することによって判定することがある。例えば、制御システム150は、光発振器212-1~212-Nのそれぞれと関連付けられたシャッタの状態を決定することがある。
図4の例では、光発振器212-1~212-Nがいずれも待ち状態にない場合、プロセス400は(410)に戻って、光リソグラフィシステム200をモニタし続ける。他の実施例も可能である。例えば、プロセス400は、光発振器212-1~212-Nがいずれも待ち状態にない場合に終了することがある。一部の実施例では、光発振器212-1~212-Nがいずれも待ち状態にない場合、制御システム150は、ビーム制御装置217の構成を制御することによって、光発振器212-1~212-Nのうちの少なくとも1つを待ち状態に置く。
【0068】
[0075] 光発振器212-1~212-Nのサブセットが待ち状態にあり、1つ以上の条件が存在する場合、制御システム150は、1つ以上の較正動作が光発振器のサブセットで行われるようにする(440)。サブセットは、光発振器212-1~212-Nのうちの(N-1)個以下を含み、サブセットは、待ち状態にある光発振器のみを含む。サブセットは、例えば1つの光発振器を含むことがある。サブセットが(N-1)個以下の光発振器を含むため、露光ビーム211はスキャナ装置280に提供され続ける。したがって、較正動作は製造中較正である。
【0069】
[0076] 較正動作は、光発振器のサブセットの性能を較正する或いは高める任意のタイプの動作である。例えば、スキャナ装置180が数分でMFIモードに切り替わることを示すコマンド信号を制御システム150が受信したことに起因する条件が存在する場合、制御システム150は、サブセット内のある光発振器のための1つ以上のビームパラメータを設定することを含む較正動作を行う。ビームパラメータは、例えば、ビーム品質、エネルギー、帯域幅、及び/又は中心波長を含むことがある。
【0070】
[0077] より具体的な例を提供すると、光発振器212-1はサブセットの一部であり、待ち状態にある。制御システム150は、光発振器212-1に(まだ待ち状態にある間に)パルス形成を開始するよう命令し、制御システム150は、光発振器212-1からデータを受信し、このデータに基づいて光ビーム216-1の特性を決定する。データは、例えばライン中心解析モジュール298-1から受信されることがある。制御システム150は、MFIモードへの切り替え前かつコマンド信号により定められた期間に光ビーム216-1の特性をモニタし続ける。
【0071】
[0078] さらに、サブセット内の個別の光発振器で異なる較正動作が行われることがある。例えば、光発振器210-1及び210-2(図示されていないが、光源システム210のN個の光発振器のうちの1つ)はサブセットに含まれることがある。制御システム350は、光発振器210-1により生成された光ビーム216-1の波長が目標波長帯域内に収まるようにする較正動作を生じさせることがある。同時に又はほぼ同時に、制御システム350は、光発振器210-2により生成された光ビーム216-2(図示せず)のパルスエネルギーが目標エネルギーバンド内に収まるようにする較正動作を生じさせることがある。
【0072】
[0079] 別の例では、スキャナ装置280が2~3分で高線量適用に切り替わることを示すコマンド信号をメトロロジシステム270から受信したことに起因する条件が存在する。オフモード又は待機モードにあるいずれかの光発振器212-1~212-Nが作動され、ウォームアップ手順などの較正動作が、作動された発振器により生成された光ビームの特性が仕様範囲内に収まるように行われる。1つ以上の追加の発振器を作動させることによって、制御システム150は、より多くのエネルギー、したがって、より高い線量がウェーハ282に供給されるようにする。ウォームアップ手順を実行することで、新たに作動させた光発振器が、露光ビーム211に寄与する前に仕様範囲内で機能することが保証される。
【0073】
[0080] 長い非活動期間の後に光発振器が作動されるとき、光発振器は、再び作動されたときに(例えば、電圧が印加されなかった長い期間の後に電極に電圧が印加されたときに)、異常に低いエネルギー効率を有する可能性がある。したがって、新たに作動させた光発振器により生成された最初の光パルスは、例えば、通常の大きさを上回る電圧が電極に印加されても、通常量未満のエネルギーを有することがある。これらの低エネルギーパルスは、自動制御アルゴリズム及び/又は露光ビーム211に悪影響を及ぼすことがある。光発振器が待ち状態にある間にウォームアップ手順を実行することによって、制御システム150は、新たに作動させたレーザから放出された光ビームが、放出された光ビームが仕様範囲内に収まるまで露光ビーム211に寄与しないことを保証する。したがって、ウォームアップ手順は、スキャナ装置280の性能を向上させる。
【0074】
[0081] 一部の実施例では、電子ストレージ152は、複数の可能なイベントベースの条件についての命令を、このイベントベースの条件が存在するときに行われる1つ以上の較正動作と関連付けて記憶する。各較正動作は、電子処理モジュール151により行われるときに、光源システム110及び/又はスキャナ装置280のコンポーネントに特定の動作を行わせる命令の集まり(例えば、コンピュータプログラムやコンピュータソフトウェア)である。例えば、命令は、電子処理モジュール151に、ライン狭隘化モジュール295-1~295-Nのうちの1つ以上、ガス供給システム290、及び/又は光発振器210-1~210-Nのうちの1つ以上のためのコマンドを生成させることがある。
【0075】
[0082] 別の例では、条件は、一定の経過時間に起因して存在する時間ベースの条件である。例えば、制御システム150は、光発振器212-1のスケジュールされたリフィルが、直近のリフィル手順から閾値時間が経過したことにより期限が来ることを確認することがある。この例では、制御システム150は、電極213-1a及び213-1bが通電されないオフ状態に入るコマンド信号を光発振器212-1に発する。制御システム150はまた、光発振器212-1にガス利得媒体214-1を放出するよう命令する。利得媒体214-1が放電チャンバ215-1から放出された或いは除去された後、制御システム150は、ガス供給システム290に放電チャンバ215-1をチャンバ291からの気体で満たすよう命令する。リフィル手順が行われる間、他の(N-1)個の光発振器は、ビームコンバイナ218に入射する光ビームを生成し続ける。このようにして、放電チャンバ215-1内の利得媒体214-1は、露光ビーム211が生成され続ける間、除去及び交換される。
【0076】
[0083] 較正動作の成否が評価される(450)。例えば、較正動作が成功した場合、較正動作が行われた光発振器により生成された光ビームの特性は、スキャナ装置280の動作モードの仕様の範囲内にある。したがって、一部の実施例では、光ビームの測定された特性が仕様と比較されて、較正動作が成功したかどうかが判定される。光ビームの特性は、ライン中心解析モジュール298-1により得られた測定結果から決定されることがある。別の例では、較正動作はウォームアップ手順である。これらの実施例では、制御システム150は、光発振器が待ち状態にある間、又はウォームアップ手順が成功したかどうかを判定するためにウォームアップ手順が終了した後に、電極に印加された電圧の大きさ及び/又は生成された光ビームのエネルギーをモニタする。
【0077】
[0084] 一部の実施例では、較正動作が成功した場合に、プロセス400は(410)に戻り、光リソグラフィシステム200のモニタリングが続く。一部の実施例では、較正動作が成功しなかった場合に、プロセス400は(440)に戻り、較正動作が再び行われる。例えば、スキャナ装置280がMFIモードに遷移し、較正動作が光発振器210-1で行われる例では、光ビーム216-1の特性(ビーム品質、波長、及び/又はパルスエネルギーなど)がコマンド信号に定められた期間前に仕様の範囲内にない場合に、制御システム150は、スキャナ装置280のメトロロジシステム270に、MFIモードへの遷移を遅らせて光ビーム216-1の特性が仕様を満たすことにより多くの時間を割り当てるためのコマンド信号を送信する。放電チャンバ215-1のリフィル動作の例では、リフィルが無事に完了しなかった場合に、制御システム150は、スキャナ装置280が光ビーム216-1を必要とするモードに入らないようにするコマンド信号をスキャナ装置280のメトロロジシステムに送信することがある。
【0078】
[0085] 一部の実施例では、プロセス400は、較正動作が失敗しても終了する又は(410)に戻る。例えば、機器故障や回復不能エラーが較正動作を失敗させ、制御システム150は、較正動作が行われた光発振器をオフ状態に置き、較正動作が行われた光発振器が利用できないことをスキャナ装置280に知らせる。
【0079】
[0086] 較正動作が行われる光発振器は、較正動作が失敗しても許容可能な光ビームを生成することがある。一部の実施例では、較正動作が開始されるときに制御システム150のクロック又はタイマーが起動され、較正動作は、較正動作の1つ以上の成功の基準が所定の期間内に達成されない場合に終了する。例えば、これらの実施例では、電子ストレージ152は、期間を少なくともいくつかの較正動作と関連させて記憶する。各期間は、1つ以上の成功の基準が満たされない場合に、較正動作が終了する前に行われる所定の期間である。1つ以上の成功の基準が満たされることなく較正動作が終了しても、露光ビーム211の使用が容認可能である場合がある。例えば、較正動作は、露光ビーム211の使用が容認可能であることが必要とされない、露光ビーム211の重要でない特性に関連することがある。
【0080】
[0087]
図5は、プロセス500のフローチャートである。プロセス500は、光リソグラフィシステムにおいてコールドスタート期間に露光ビームを生成するための例示的なプロセスである。プロセス500は、制御システム150によって実行されることがある。例えば、プロセス500は、電子ストレージ152に記憶され、電子処理モジュール151の1つ以上の電子プロセッサにより実行される命令の集まり(例えば、コンピュータプログラムやコンピュータソフトウェア)として実装されることがある。プロセス500は、
図2の光リソグラフィシステム200及び
図3の光源システム310に関連して考察される。ただし、プロセス500は、他の光リソグラフィシステムで実行されることもある。
【0081】
[0088] 光発振器212-1~212-Nのいずれかが、長く連続した時間の間作動されなかった場合、又は一度も作動されたことがない場合、その光発振器はコールドスタート状態にあると見なされる。光発振器212-1~212-Nは、発振器212-1~212-Nのそれぞれにある対応する利得媒体を励起する電圧を電極に印加することによって作動される。コールドスタート状態にある光発振器が作動されるとき、光発振器は、コールドスタート期間に異常に低いエネルギー効率を有する。エネルギー効率が低いため、対応する光ビーム216-1~216-Nの期待される特性を生み出すのに、より大きいエネルギー(又は電圧)が必要になる。結果として、コールドスタート期間に、光ビーム216-1~216-Nは、期待されるよりも低いパルスエネルギーを有することがある、及び/又はパルスエネルギーの異常な時間的変化などの過渡効果を示すことがある。これらの効果は一般に一時的であり、光発振器212-1~212-Nが定常状態動作に達するときに消失する。アイドル時間後の初期作動と定常状態動作との間の時間はコールドスタート期間である。コールドスタート期間の持続時間は、光発振器212-1~212-Nに関連する1つ以上の条件に依存する。1つ以上の条件は、例えば、発振器212-1~212-Nがアイドル状態であった時間及び/又は光発振器212-1~212-Nの使用年数を含む。プロセス500は、許容可能な露光ビーム211がコールドスタート期間に生成されることを可能にする。
【0082】
[0089] 光源システム210は、露光ビーム211の要求を受ける(510)。要求は、例えば、スキャナ装置280のメトロロジシステム270からのコマンド信号である場合がある。別の例では、要求は、I/Oインターフェイス273で受けたオペレータ入力に基づいて生成されたコマンド信号である場合がある。露光ビーム211の要求は、要求された線量の表示を含む。光源システム210により提供される線量は、N個の光発振器212-1~212-Nのうちの何個が露光ビーム211に寄与しているかに部分的に依存する。
【0083】
[0090] コールドスタート条件が存在するか否かが判定される(520)。定常状態及び通常条件下で動作している(すなわち、コールドスタート状態にない)光発振器の数(m)が、要求された線量を生成するのに必要な光発振器の公称数(M)より少ない場合(mはMより小さい整数であり、MはNより小さい整数である)に、光源システム210にコールドスタート条件が存在する。M個の光発振器は、特定の線量を有する露光ビームを生成するために通常の定常状態条件下で作動される光発振器の公称数である。ルックアップテーブル又はデータベースが、複数の可能性がある線量のそれぞれと関連付けられた光発振器の公称数(M)を記憶することがある。
【0084】
[0091] N個の光発振器212-1~212-Nの全てが長い期間、非アクティブ状態であった場合、光源システム210にコールドスタート条件が存在する。さらに、N個の光発振器212-1~212-Nが、コールドスタート状態にないM個の光発振器212-1~212-Nのグループを含まない場合に、光源システム210にコールドスタート条件が存在する。つまり、mがMより小さい(コールドスタート状態にない光発振器の数が、要求された線量を生成するのに必要な光発振器の公称数よりも少ない)場合に、光源システム210にコールドスタート条件が存在する。
【0085】
[0092] コールドスタート条件が光源システム210に存在するか否かは、mがMより小さいかどうかを評価することによって判定されることがある。光発振器212-1~212-Nのうちのどれ(もしあれば)がコールドスタート状態にあるかを決定するために、制御システム150は、電圧源297が様々な光発振器212-1~212-Nの電極に電圧信号を印加しているか否かを判定することがある。電圧源297が電圧信号を光発振器212-1~212-Nのうちの特定の1つの光発振器の電極に印加していない場合、電圧源297が電圧信号を電極に印加してからの時間は、その光発振器がどれくらいアイドル状態であったかを決定するために測定される。直近の作動から経過した時間はアイドル時間と呼ばれる。アイドル時間は、電子ストレージ152に記憶されているコールドスタート閾値と比較される。コールドスタート閾値はチャンバの使用年数及び/又はチャンバのタイプによって異なることがある。コールドスタート閾値は、様々なコールドスタート閾値時間を様々な条件と関連付けるルックアップテーブル又はデータベースに記憶されることがある。アイドル時間の長さがコールドスタート閾値を上回る場合は、その光発振器にコールドスタート条件が存在する。光発振器212-1~212-Nのそれぞれは、その光発振器にコールドスタート条件が存在するかどうかを判定するために評価されることがある。
【0086】
[0093] 一部の実施例では、リソグラフィシステム200のオペレータは、コールドスタート条件の表示をI/Oインターフェイス153に入力し、この表示に基づいて光発振器210-1~210-Nのうちの1つ以上にコールドスタート条件が存在することが決定される。
【0087】
[0094] プロセス500の例では、通常の定常状態動作条件下で、要求された線量は、光ビーム216-1~216-NのうちのM個(MはNより小さい整数である)を組み合わせることによって達成される。換言すれば、要求された線量は、通常の定常状態動作条件下でN個全ての光ビーム216-1~216-Nよりも少なくて済む。光源システム210にコールドスタート条件が存在しない場合に、光発振器212-1~212-NのうちのM個が作動される(540)。
【0088】
[0095] しかしながら、コールドスタート条件が存在する(mがMより小さい)場合、制御システム150は、コールドスタート条件を有する光発振器212-1~212-NのうちのP個を作動させる(530)。P、M、N、及びmの間の関係は、方程式1によって提供される。
M-m<P≦N-m 方程式(1)
コールドスタート条件を有するP個の光発振器を使用して、コールドスタート期間に露光ビーム211の全部又は一部を提供するさらなる詳細を示すために2つの例が考察される。
【0089】
[0096] 第1の例では、Nは10であり、光源システム210は光発振器210-1~210-10を含み、mは3であり、これはN個の光発振器210-1~210-10のうちの3個がコールドスタート状態になく、N個の光発振器210-1~210-10のうちの7個がコールドスタート状態にあることを意味し、要求された線量は公称数(M)5と関連付けられ、これは名目上、要求された線量が10個の光発振器210-1~210-10のうちの5個からの光ビームを必要とすることを意味する。したがって、この例では、光源システム210は、コールドスタート状態にない光発振器がM=5個より少ない。利用可能な光発振器の数(m)は光発振器の公称数(M)と比較される。m=3がM=5より小さいため、光源システム210においてコールドスタート条件が宣言される。この例では、露光ビーム211の線量を要求された線量に導くために、2個の追加の定常状態光発振器と同等の光出力が必要とされる。定常状態光出力の不足は、M-mによって決定される。この例では、M-mは2であり、したがって、2個の定常状態光発振器と同等の出力はコールドスタート条件を補償することになる。
【0090】
[0097] 制御システム150は、コールドスタート状態にあるP個の発振器を作動させる。P個の発振器はコールドスタート状態にあるため、これらもコールドスタート期間により低い効率を有する。したがって、制御システム150により選ばれた値Pは、単に(M-m)に等しいだけではなく、(M-m)より大きい場合がある。値Pは、コールドスタート状態によりもたらされる非効率さに依存する。例えば、光発振器212-1~212-Nの効率は、コールドスタート期間に50%低下することが知られている。効率がコールドスタート期間に50%低下し、2個の光発振器の光出力と同等のものが提供される必要があるこの例では、Pは4であり、これは利用可能な光発振器(m)と光発振器の公称数(M)との差の2倍である。この例ではPは、コールドスタート期間に効率が50%低下することが知られているため、2*(M-m)である。他の例でも、コールドスタート期間に多かれ少なかれ効率が低下することがある。いずれにせよ、(コールドスタート状態にないm個の光発振器に加えて)コールドスタート期間にコールドスタート状態にあるP個の光発振器を作動させることによって、制御システム150は、露光ビーム211が要求された線量をコールドスタート期間に提供することを確実にする。
【0091】
[0098] 別の例では、Nは2であり、光源システム210は光発振器212-1及び212-2を含む。この例では、光発振器212-1及び212-2の両方がコールドスタート状態にある。したがって、この例ではmは0である。要求された線量は、光発振器210-1又は210-2のうちの1つが通常の定常状態動作状態の間に提供することができる線量である。したがって、Mはこの例では1である。Mはmよりも大きいため、光源システム210にコールドスタート条件が存在する。コールドスタート状態の一時的効果を補償するために、制御システム150は、電圧源297に光発振器210-1及び212-2の電極に電圧パルス列を印加するよう命令し、ビーム制御装置217は、結果として生じる光ビーム216-1及び216-2の両方がビームコンバイナ218に到達し、露光ビーム211に寄与するように設定される。換言すれば、制御システム150は、コールドスタート期間に光ビーム216-1及び216-2の両方を使用することによってコールドスタート状態の過渡効果を補償する。この例では、スキャナ装置280のメトロロジシステム270からのコマンド信号は、制御システム150をトリガして、光発振器212-1及び212-2の両方にコールドスタート期間に光ビームを生成させる。
【0092】
[0099] コールドスタート期間が終了したか否かが判定される(550)。コールドスタート期間は、P個の作動された光発振器のそれぞれにより生成された光ビームの特性が定常状態仕様の範囲内になった後、及び/又は電圧源297により印加された電圧の大きさが定常状態仕様の範囲内にあるときに終了したと判定されることがある。定常状態仕様は電子ストレージ152に記憶されることがある。一部の実施例では、コールドスタート期間はあらかじめ定められ、電子ストレージ152に記憶される。これらの実施例では、コールドスタート期間は、所定の時間を越える時間が経過したときに終了したと判定される。コールドスタート期間が終了しなかった場合、制御システム150は、(m+P)個の光発振器を作動させ続ける(530)。
【0093】
[0100] コールドスタート期間が終了した後に、プロセス500は(540)に戻り、通常の定常状態条件下で露光ビーム211を生成し続ける。P個の光発振器のうちのいくつかはもはや必要とされないため、動作が停止されることがあり、その結果、露光ビーム211はM個の光発振器から生成される。
【0094】
[0101] 本発明の他の態様を以下の番号付けされた条項に記載する。
1.光源システムと、
光源システムに結合された制御システムと、を備えた深紫外(DUV)光学システムであって、
光源システムが、
複数の光発振器と、
ビームコンバイナと、
光発振器とビームコンバイナとの間にあるビーム制御装置とを備え、ビームコンバイナが、光発振器のいずれかから発せられた光を受光し、露光ビームとしてスキャナ装置の方に誘導するように構成され、ビーム制御装置が、ビームコンバイナが複数の光発振器のうちの特定の1つから光を受光したかどうかを判定するように構成され、
制御システムが、
条件がDUV光学システムに存在するかどうかを判定し、
条件が存在する旨の判定に基づいて、光発振器のサブセットにおいて較正動作を行うように構成された、深紫外(DUV)光学システム。
2.較正動作が、光発振器のうちの少なくとも1つにより生成された光の波長を目標範囲内に収めることを含む、条項1のDUV光学システム。
3.較正動作が、光発振器のうちの少なくとも1つにより生成された光の帯域幅を目標範囲内に収めることを含む、条項1のDUV光学システム。
4.較正動作が、光発振器のうちの少なくとも1つにより生成された光のパルスエネルギーを目標範囲内に収めることを含む、条項1のDUV光学システム。
5.条件が、時間ベースの条件又はイベントベースの条件である、条項1のDUV光学システム。
6.条件がイベントベースの条件であり、制御システムが、光源システム及びスキャナ装置に結合され、制御システムが、DUV光学システムからステータス信号を受信するように構成され、制御システムが、イベントベースの条件が存在するかどうかをスキャナ装置からのステータス信号に基づいて判定する、条項5のDUV光学システム。
7.ステータス信号が、スキャナ装置でこれから起きるイベントに関連する情報を含み、制御システムが、これから起きるイベントに関連する情報に基づいて較正動作を行う、条項6のDUV光学システム。
8.これから起きるイベントに関連する情報が、これから起きるイベントが発生するまでの時間及びこれから起きるイベントを特定する表示を含み、制御システムが、これから起きるイベントが発生する前に較正動作を行う、条項7のDUV光学システム。
9.これから起きるイベントが、スキャナ装置の動作条件の変化を含み、動作条件の変化が、露光ビームの繰り返し率の変化、露光ビームのパワーの変化、又はスキャナ装置の動作モードの変化を含む、条項8のDUV光学システム。
10.行われた較正動作が、複数の利用可能な較正動作のうちの1つであり、行われた較正動作が、これから起きるイベントを特定する表示に基づいて複数の利用可能な較正動作から決定された、条項8のDUV光学システム。
11.条件が時間ベースの条件であり、制御システムが、DUV光学システムのステータスをモニタするように構成され、制御システムが、光源システムのモニタされたステータスに基づいてDUV光学システムの条件を決定するように構成された、条項5のDUV光学システム。
12.DUV光学システムのステータスをモニタするように構成された制御システムが、開始時間から経過した時間をモニタするように構成された制御システムを含み、制御システムが、開始時間から経過した時間に基づいてDUV光学システムの条件を決定する、条項11のDUV光学システム。
13.開始時間が、直前の較正イベントが発生した時間を含む、条項12のDUV光学システム。
14.DUV光学システムの条件を決定するために、制御システムがさらに、経過した時間を仕様と比較するように構成され、制御システムが、経過した時間が仕様を満たす場合に較正動作を行うように構成された、条項13のDUV光学システム。
15.各光発振器が利得媒体を含み、利得媒体がガス利得媒体を含み、較正動作がリフィル動作を含み、リフィル動作が、光発振器のサブセットにおいてガス利得媒体を交換することを含む、条項1のDUV光学システム。
16.ビーム制御装置が、複数の光発振器のそれぞれのためのビーム遮断デバイスを備え、ビーム遮断デバイスのそれぞれが制御システムに結合され、
制御システムがさらに、ビーム遮断デバイスを制御して、ビームコンバイナが光発振器のうちの特定の1つから光を受光したかどうかを判定するように構成された、条項1のDUV光学システム。
17.各ビーム遮断デバイスが、DUV光を透過させる第1の状態及びDUV光を遮断する第2の状態を含むシャッタであり、各シャッタが光発振器のうちの対応する1つが、第2の状態にあるときにビームコンバイナに向けて光を発することを防ぎ、光発振器のうちの対応する1つが、第1の状態にあるときにビームコンバイナに向けて光を発することができるように、各シャッタが光発振器のうちの1つの出力に配置されるように構成された、条項16のDUV光学システム。
18.光発振器のサブセットが、露光ビームの一部である光ビームを生成している複数の光発振器のいずれも含まない、条項1のDUV光学システム。
19.較正動作が、ビームコンバイナが光発振器のサブセットから光を受光しない場合にのみ行われる、条項1のDUV光学システム。
20.DUV光学システムがDUV光リソグラフィシステムで使用されるように構成された、条項1のDUV光学システム。
21.ビームコンバイナから露光ビームを受光するように構成されたスキャナ装置をさらに備えた、条項20のDUV光学システム。
22.深紫外(DUV)光学システムにおける複数の光発振器を制御する方法であって、
条件が存在するかどうかを判定するためにDUV光学システムをモニタすること、
条件が存在する場合に、複数の光発振器のうちのいずれかが待ち状態にあるかどうかを判定すること、及び
待ち状態にある複数の光発振器のサブセットにおいて較正動作を行うことを含み、待ち状態にない光発振器のうちの1つ以上が、較正動作が行われる間に露光ビームを生成し続ける、方法。
23.較正動作が成功したかどうかを判定することをさらに含む、条項22の方法。
24.DUV光学システムが、DUV光リソグラフィシステムとともに使用されるように構成され、DUV光学システムをモニタすることが、スキャナ装置からコマンド信号を受信すること、及びコマンド信号に基づいて条件が存在するかどうかを判定することを含む、条項22の方法。
25.条件が存在し、複数の光発振器がいずれも待ち状態にない場合に、少なくとも1つの光発振器が待ち状態に置かれる、条項22の方法。
26.光源システムを備えた深紫外(DUV)光リソグラフィシステムと、
スキャナ装置と、
光源システム及びスキャナ装置に結合された制御システムと、を備えた光リソグラフィシステムであって、
光源システムが、
それぞれが利得媒体を含む複数の光発振器と、
ビームコンバイナと、
利得媒体とビームコンバイナとの間にあるビーム制御装置とを備え、ビームコンバイナが、光発振器のいずれかから発せられた光を受光し、露光ビームとしてスキャナ装置の方に誘導するように構成され、ビーム制御装置が、ビームコンバイナが光発振器のうちの特定の1つから光を受光したかどうかを判定するように構成され、
制御システムが、
条件が光リソグラフィシステムに存在するかどうかを判定し、
条件が存在すると判定された場合に、光発振器のサブセットにおいて較正動作を行うように構成された、光リソグラフィシステム。
27.複数の光発振器に流体結合されたガス供給システムをさらに備えた、条項26の光リソグラフィシステム。
28.深紫外(DUV)光リソグラフィシステムにおける複数の光発振器を制御する方法であって、
DUV光の要求された線量をウェーハに提供するように構成された露光ビームの要求を受けること、
コールドスタート条件が存在するかどうかを判定すること、及び
コールドスタート条件が存在する場合に、
要求された線量を定常状態条件下で提供できる光発振器の数である光発振器の公称数より多くの光発振器を作動させること、及び
露光ビームをコールドスタート期間に提供するために、作動させた光発振器のそれぞれからの光ビームをスキャナ装置の方に誘導すること、を含む方法。
29.コールドスタート条件が存在する場合に、
コールドスタート期間が終了したかどうかを判定すること、及び
コールドスタート期間が終了した場合に、作動させた光発振器のうちの少なくとも1つの動作を停止すること、をさらに含む条項28の方法。
30.DUV光学システムと通信するように構成されたインターフェイスを備えた制御システムであって、制御システムが、
条件がDUV光学システムに存在するかどうかを判定すること、及び
条件が存在する旨の判定に基づいて、DUV光学システムの光発振器のサブセットにおいて、光発振器のサブセットにない少なくとも1つの光発振器が露光ビームを生成する間に較正動作を行うことによって、
DUV光学システムを制御するように構成された、制御システム。
31.1つ以上の電子プロセッサと、
実行されたときに、制御システムにインターフェイスを介してDUV光学システムと通信させる実行可能命令を含み、1つ以上の電子プロセッサに結合されたコンピュータ可読電子ストレージと、をさらに備えた条項30の制御システム。
32.N個の光発振器(Nが2以上の整数である)と、
N個の光発振器のうちの1つ以上から受光した1つ以上の光ビームから露光ビームを生成するように構成されたビームコンバイナと、
複数の光発振器のうちのどのM個(Mは1以上N以下の整数である)が露光ビームのための光を生成するかを決定するために、複数の光発振器を制御するように構成された制御システムと、を備えた光源システム。
33.制御システムがさらに、
条件が光源システムに存在するかどうかを判定し、かつ条件が存在する場合に、複数の光発振器のうちの1つ以上において較正動作を行うように構成され、
較正動作が、複数の光発振器のうちの1つにより発せられた光ビームの特性を調整し、特性が、中心波長、エネルギー、又はスペクトル帯域幅を含む、条項32の光源システム。
34.較正動作が、条件が存在する光発振器のうちの1つ以上が光を生成していないときにのみ行われる、条項33の光源システム。
35.複数の光発振器のそれぞれがエキシマレーザを含む、条項34の光源システム。
36.ビームコンバイナが、複数の光発振器と、半導体ウェーハを露光するように構成されたスキャナとの間にある、条項32の光源システム。
37.光発振器が、異なる中心波長を有する光ビームを生成する、条項32の光源システム。
【0095】
[0102] 他の実施例も請求項の範囲内にある。