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特許7382721平板状電線の接続構造及び該接続構造を備えるワイヤハーネス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-09
(45)【発行日】2023-11-17
(54)【発明の名称】平板状電線の接続構造及び該接続構造を備えるワイヤハーネス
(51)【国際特許分類】
   H01R 4/58 20060101AFI20231110BHJP
   H01R 13/639 20060101ALI20231110BHJP
   H01B 7/00 20060101ALI20231110BHJP
   H02G 1/14 20060101ALI20231110BHJP
   H02G 15/08 20060101ALI20231110BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20231110BHJP
【FI】
H01R4/58 D
H01R13/639 Z
H01R4/58 C
H01B7/00 301
H02G1/14
H02G15/08
B60R16/02 620A
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2019021944
(22)【出願日】2019-02-08
(65)【公開番号】P2019140104
(43)【公開日】2019-08-22
【審査請求日】2021-11-22
(31)【優先権主張番号】P 2018022188
(32)【優先日】2018-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100143959
【弁理士】
【氏名又は名称】住吉 秀一
(72)【発明者】
【氏名】三浦 俊亮
(72)【発明者】
【氏名】氷見 晃浩
(72)【発明者】
【氏名】浅野 実
(72)【発明者】
【氏名】魚津 篤司
(72)【発明者】
【氏名】河内 孝文
(72)【発明者】
【氏名】榊 章宏
(72)【発明者】
【氏名】湯淺 辰哉
(72)【発明者】
【氏名】湯沢 亮文
(72)【発明者】
【氏名】中里 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 彰久
(72)【発明者】
【氏名】白鳥 友嗣
(72)【発明者】
【氏名】河角 修平
(72)【発明者】
【氏名】川村 幸大
(72)【発明者】
【氏名】平岩 徹也
(72)【発明者】
【氏名】岳田 勝則
(72)【発明者】
【氏名】杉村 竹三
(72)【発明者】
【氏名】児島 直之
【審査官】松原 陽介
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-140921(JP,A)
【文献】実開昭58-074773(JP,U)
【文献】実開昭54-007389(JP,U)
【文献】特開2011-165435(JP,A)
【文献】米国特許第04019298(US,A)
【文献】実開平03-080803(JP,U)
【文献】特開2007-321428(JP,A)
【文献】特開2003-340711(JP,A)
【文献】特開2003-317830(JP,A)
【文献】特開2001-044347(JP,A)
【文献】特開平05-242918(JP,A)
【文献】特表2003-513409(JP,A)
【文献】米国特許第04427303(US,A)
【文献】特表2014-533219(JP,A)
【文献】特開2002-264965(JP,A)
【文献】特開平11-210829(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 11/11
H01R 4/58
H01R 13/639
H01R 12/59,12/77
H01B 7/00
H02G 1/14
H02G 15/08
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1平板状導体に設けられた凸状部と、
第2平板状導体に設けられ、前記凸状部を係止する凹状部と、を備え、
前記凸状部が前記凹状部に係止されることで、前記第1平板状導体と前記第2平板状導体が電気的に接続される、平板状電線の接続構造であって、
前記第1平板状導体を絶縁被覆する第1絶縁被覆層と、
前記第2平板状導体を絶縁被覆する第2絶縁被覆層と、を更に有し、
前記凸状部は、前記第1平板状導体の端部に一体で形成され、且つ先端部側が基部側よりも広がった突起部であり、
前記凹状部は、前記第2平板状導体の端部に形成され、且つ奥側が入口側よりも広がった切欠き部であり、
前記突起部は前記第1平板状導体の端部から当該第1平板状導体の長手方向に延出、及び前記切欠き部は前記第2平板状導体の端部から当該第2平状板導体の長手方向に延在し、前記突起部は前記第1平板状導体の正面視において当該第1平板状導体の一方の主面側から他方の主面側に向かって少なくとも部分的に先細りしている先細形状を有し、前記切欠き部は前記第2平板状導体の正面視において当該第2平板状導体の一方の主面側から他方の主面側に向かって少なくとも部分的に狭幅である狭幅形状を有し、
前記第1平板状導体の前記先細形状と前記第1絶縁被覆層が、正面視において直線状に傾斜した第1傾斜面を形成し、前記第2平板状導体の前記狭幅形状と前記第2絶縁被覆層が、前記第1傾斜面と当接する、正面視において直線状に傾斜した第2傾斜面を形成する、
平板状電線の接続構造。
【請求項2】
前記凸状部及び前記凹状部は、蟻継ぎ形状を有する、請求項1に記載の平板状電線の接続構造。
【請求項3】
第1平板状導体に設けられた凸状部と、
第2平板状導体に設けられ、前記凸状部を係止する凹状部と、を備え、
前記第1平板状導体を絶縁被覆する第1絶縁被覆層と、前記第2平板状導体を絶縁被覆する第2絶縁被覆層とを更に有し、
前記凸状部が前記凹状部に係止されることで、前記第1平板状導体と前記第2平板状導体が電気的に接続される、平板状電線の接続構造であって、
前記凸状部は、前記第1平板状導体の端部に一体で形成され、且つ先端部側が基部側よりも広がった突起部であり、
前記凹状部は、前記第2平板状導体の端部に形成され、且つ奥側が入口側よりも広がった切欠き部であり、
前記突起部は前記第1平板状導体の端部から当該第1平板状導体の長手方向に延出、及び前記切欠き部は、前記第2平板状導体の端部から当該第2平状板導体の長手方向に延在し、
前記凸状部が、幅方向において、前記凹状部の幅方向内側寸法よりも大きい幅方向外側寸法を有し、
前記突起部及び前記切欠き部は、前記第1絶縁被覆層と前記第2絶縁被覆層との間に作用する前記平板状電線の幅方向の弾性力によって前記第1平板状導体と前記第2平板状導体との圧接状態が保持される、
平板状電線の接続構造。
【請求項4】
前記凸状部及び前記凹状部は、蟻継ぎ形状を有する、請求項3に記載の平板状電線の接続構造。
【請求項5】
前記凸状部と前記凹状部との係止部を覆って当該係止部に固定され、前記凸状部と前記凹状部との離間を抑制する接続補助部材を更に備える、請求項1または2に記載の平板状電線の接続構造。
【請求項6】
前記凸状部と前記凹状部との係止部を覆って当該係止部に固定され、前記凸状部と前記凹状部との離間を抑制する接続補助部材を更に備える、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の平板状電線の接続構造。
【請求項7】
前記接続補助部材は、ベース部と、前記ベース部に開閉可能に取り付けられた蓋部と、前記蓋部を前記ベース部に固定する固定部を有し、
前記ベース部に前記蓋部が固定された状態で、前記凸状部及び前記凹状部が、それぞれ前記ベース部及び前記蓋部に挟持される、請求項5に記載の平板状電線の接続構造。
【請求項8】
前記接続補助部材は、ベース部と、前記ベース部に開閉可能に取り付けられた蓋部と、前記蓋部を前記ベース部に固定する固定部を有し、
前記ベース部に前記蓋部が固定された状態で、前記凸状部及び前記凹状部が、それぞれ前記ベース部及び前記蓋部に挟持される、請求項6に記載の平板状電線の接続構造。
【請求項9】
前記ベース部に前記蓋部が固定された状態で、前記凸状部が前記第1絶縁被覆層を介して前記ベース部及び前記蓋部に挟持され、且つ前記凹状部が前記第2絶縁被覆層を介して前記ベース部及び前記蓋部に挟持される、請求項8に記載の平板状電線の接続構造。
【請求項10】
前記凸状部と前記凹状部との係止部に、導電性部材が配置されている、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の平板状電線の接続構造。
【請求項11】
前記接続補助部材は、第1平板状導体と第2平板状導体の接続部を覆う筒状部材である、請求項5または6に記載の平板状電線の接続構造。
【請求項12】
第1平板状導体に設けられた凸状部と、
第2平板状導体に設けられ、前記凸状部を係止する凹状部と、を備え、
前記凸状部が前記凹状部に係止されることで、前記第1平板状導体と前記第2平板状導体が電気的に接続されることを特徴とする、平板状電線の接続構造であって、前記凸状部は、前記第1平板状導体の端部で構成され、
前記凹状部は、前記第2平板状導体に設けられ、その内側に複数の突起が設けられた挿入口で構成され、
前記複数の突起が、前記凹状部に回動可能に取り付けられており、前記複数の突起が、前記凸状部の前記凹状部への挿入に対応して第1の方向へ回転し、前記凸状部が前記凹状部から引っ張り出されることに対応して前記第1の方向とは反対の方向である第2の方向へ回転し、
前記第1平板状導体の端部が前記第2平板状導体の前記挿入口に挿入された状態で、前記複数の突起が前記第1平板状導体の端部に噛み込むように圧接される、
平板状電線の接続構造。
【請求項13】
前記第1平板状導体の端部の前記複数の突起が噛み込んだ部分で、前記第1平板状導体の端部の酸化被膜が除去される、請求項12に記載の平板状電線の接続構造。
【請求項14】
前記第1平板状導体の端部の被覆がついたまま、前記第1平板状導体の端部が前記第2平板状導体の前記挿入口に挿入される、請求項12または13に記載の平板状電線の接続構造。
【請求項15】
前記第1平板状導体及び前記第2平板状導体が、車両の電源幹線を構成するか、又は車両の通信幹線を構成する、請求項1乃至14のいずれか1項に記載の平板状電線の接続構造。
【請求項16】
前記第1平板状導体及び前記第2平板状導体の一方又は双方が、金属製の扁平状ヒートパイプで構成される、請求項1乃至15のいずれか1項に記載の平板状電線の接続構造。
【請求項17】
車両の電源幹線、通信幹線及びアース幹線のうちの少なくとも1つに設けられる、請求項1乃至16のいずれか1項に記載の平板状電線の接続構造。
【請求項18】
請求項1乃至17のいずれか1項に記載の平板状電線の接続構造を少なくとも1つ備えるワイヤハーネス。
【請求項19】
第1平板状導体または第2平板状導体の少なくとも一方が曲がっている請求項18に記載のワイヤハーネス。
【請求項20】
複数の前記平板状電線の接続構造の前記凸状部及び前記凹状部の形状が、前記接続構造ごとに異なる請求項18または19に記載のワイヤハーネス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平板状電線の接続構造に関し、特に、車両などの移動体に配索される平板状電線の接続構造及び該接続構造を備えるワイヤハーネスに関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤハーネスは、車両に搭載された、発電部、電源部、電源分配ボックス、アース部、通信制御部等の各要素と、アクチュエータ、センサ、制御ECU等の各補機との間を電気的に接続することで、車両内での電源供給、アース、通信等を行っている。
近年、車両の電動化(ハイブリッド車、電気自動車等)や、多機能化・高機能化(自動運転システム、コネクテッドカー等)等に伴い、ワイヤハーネスが肥大化し、配索経路が複雑化することで、配索経路を確保することが困難になる可能性がある。
【0003】
従来、車両全体に搭載された各補機に、例えばエンジンルーム内に搭載された電源分配ボックスか又はインストルメントパネル左右に搭載された電源ボックスをワイヤハーネスを介して電気的に接続することで各補機への電源供給を行っている。このような構成及び配置の場合、車両後方に搭載された補機に接続する電源回路の長さは、車両前方に搭載された補機に接続する電源回路の長さよりも長くなり、さらにワイヤハーネスに接続された補機の数が増えることにより、ワイヤハーネスが肥大化、複雑化する原因となっている。同様に、アクチュエータ、センサ等の通信回路は、これらを制御する制御ECUにワイヤハーネスを介して電気的に接続される為、上記通信回路の増加に伴い、ワイヤハーネスが肥大化、複雑化する原因となっている。
【0004】
上記問題を解消すべく、例えば、インストルメントパネル中央や、車両後方左右等の各所に電源分配ボックスを配置し、各補機は、搭載位置に応じて、より近い電源分配ボックスから電源供給を行うことで、電源回路の短縮化を図る構成が挙げられる。同様に、通信制御部を、車両前方の左右、中央や、車両後方の左右等の各所に配置し、各補機の通信回路が、搭載位置に応じて、より近い通信制御部に接続し、各通信制御部の多重通信により、制御ECUに接続することで、通信回路の短縮化を図る構成が挙げられる。
【0005】
ここで、車両の各所に分散配置された各電源分配ボックスを、車両に配置されたバッテリー及び発電機と、電源幹線でバス接続することで、電源分配を行うものがある。同様に、車両の各所に分散配置された各通信制御部を、通信幹線でバス接続することで多重通信を行うものがある。このような技術として、配索経路の簡素化を目的とし、車両の幅方向中央付近で前後方向に延在する電源幹線と、該電源幹線から分岐して前後方向と交差する方向に延在する電源枝線と、上記電源幹線に沿って配索された通信幹線と、通信幹線から分岐して前後方向と交差する方向に延在する通信枝線を備えたワイヤハーネスが開示されている(特許文献1)。
【0006】
具体的には、上記電源幹線および通信幹線は、導体が平角形状の平型配索材であってかつ相互に積層されており、複数の電源幹線ユニットは端子台を介して接続されていること、複数の電源枝線ユニットは、端子台を介して電源幹線ユニットと接続されていること、通信幹線がツイスト電線の場合、端子台は圧接端子であったり、超音波接合による分岐がなされたりしていること、電源幹線ユニットと電源枝線ユニットは、金属接合によって接続されてもよいこと、及び、金属接合は、例えば、冷間圧接、超音波溶接、レーザ溶接による接合であること、等が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2017-185996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、電源幹線や通信幹線は、車両の前後方向及び車幅方向に配索され、その長さが例えば2m~5mに及ぶ可能性があるが、平板状電線が、金属製の平板状導体など、柔軟な物ではなく外力に対して形状変形しにくい材質や構造である場合、平板状電線の製造工程が複雑となり、また、平板状電線を車両に組付ける際の取扱いが困難である。また近年、車両の性能向上、機能増大等に伴い、ワイヤハーネスを配索する経路が複雑化する傾向にあり、上記問題が顕著となる。
【0009】
本発明の目的は、電気的な接続信頼性を維持しつつ、製造時や車両への組付け時の取扱いが容易となる平板状電線の接続構造及び該接続構造を備えるワイヤハーネスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の平板状電線の接続構造は、第1平板状導体に設けられた凸状部と、第2平板状導体に設けられ、前記凸状部を係止する凹状部と、を備え、
前記凸状部が前記凹状部に係止されることで、前記第1平板状導体と前記第2平板状導体が電気的に接続される、平板状電線の接続構造であって、前記凸状部は、前記第1平板状導体の端部に一体で形成され、且つ先端部側が基部側よりも広がった突起部であり、
前記凹状部は、前記第2平板状導体の端部に形成され、且つ奥側が入口側よりも広がった切欠き部であり、前記突起部は前記第1平板状導体の端部から当該第1平板状導体の長手方向に延出、及び/または前記切欠き部は前記第2平板状導体の端部から当該第2平状板導体の長手方向に延在し、前記突起部は前記第1平板状導体の正面視において当該第1平板状導体の一方の主面側から他方の主面側に向かって少なくとも部分的に先細りしている先細形状を有し、前記切欠き部は前記第2平板状導体の正面視において当該第2平板状導体の一方の主面側から他方の主面側に向かって少なくとも部分的に狭幅である狭幅形状を有する。
【0011】
前記凸状部及び前記凹状部は、蟻継ぎ形状を有していてもよい。
【0012】
前記平板状電線の接続構造は、前記第1平板状導体を絶縁被覆する第1絶縁被覆層と、前記第2平板状導体を絶縁被覆する第2絶縁被覆層とを更に有していてもよい。
【0013】
本発明の平板状電線の接続構造は、第1平板状導体に設けられた凸状部と、第2平板状導体に設けられ、前記凸状部を係止する凹状部と、を備え、前記第1平板状導体を絶縁被覆する第1絶縁被覆層と、前記第2平板状導体を絶縁被覆する第2絶縁被覆層とを更に有し、前記凸状部が前記凹状部に係止されることで、前記第1平板状導体と前記第2平板状導体が電気的に接続される、平板状電線の接続構造であって、前記凸状部は、前記第1平板状導体の端部に一体で形成され、且つ先端部側が基部側よりも広がった突起部であり、前記凹状部は、前記第2平板状導体の端部に形成され、且つ奥側が入口側よりも広がった切欠き部であり、前記突起部は前記第1平板状導体の端部から当該第1平板状導体の長手方向に延出、及び/または前記切欠き部は、前記第2平板状導体の端部から当該第2平状板導体の長手方向に延在し、前記突起部及び前記切欠き部は、前記第1絶縁被覆層と前記第2絶縁被覆層との間に作用する前記平板状電線の幅方向の弾性力によって前記第1平板状導体と前記第2平板状導体との圧接状態が保持される。
【0014】
前記凸状部及び前記凹状部は、蟻継ぎ形状を有していてもよい。
【0015】
前記平板状電線の接続構造は、前記凸状部と前記凹状部との係止部を覆って当該係止部に固定され、前記凸状部と前記凹状部との離間を抑制する接続補助部材を更に備えていてもよい。
【0016】
前記接続補助部材は、ベース部と、前記ベース部に開閉可能に取り付けられた蓋部と、前記蓋部を前記ベース部に固定する固定部を有し、前記ベース部に前記蓋部が固定された状態で、前記凸状部及び前記凹状部が、それぞれ前記ベース部及び前記蓋部に挟持されるのが好ましい。
【0017】
前記ベース部に前記蓋部が固定された状態で、前記凸状部が前記第1絶縁被覆層を介して前記ベース部及び前記蓋部に挟持され、且つ前記凹状部が前記第2絶縁被覆層を介して前記ベース部及び前記蓋部に挟持されるのが好ましい。
【0018】
前記凸状部と前記凹状部との係止部に、導電性部材が配置されていてもよい。
【0019】
前記接続補助部材は、第1平板状導体と第2平板状導体の接続部を覆う筒状部材でもよい。
【0020】
本発明の平板状電線の接続構造は、第1平板状導体に設けられた凸状部と、第2平板状導体に設けられ、前記凸状部を係止する凹状部と、を備え、前記凸状部が前記凹状部に係止されることで、前記第1平板状導体と前記第2平板状導体が電気的に接続されることを特徴とする、平板状電線の接続構造であって、前記凸状部は、前記第1平板状導体の端部で構成され、前記凹状部は、前記第2平板状導体に設けられ、その内側に複数の突起が設けられた挿入口で構成され、前記第1平板状導体の端部が前記第2平板状導体の前記挿入口に挿入された状態で、前記複数の突起が前記第1平板状導体の端部に噛み込むように圧接される。
【0021】
前記第1平板状導体の端部の前記複数の突起が噛み込んだ部分で、前記第1平板状導体の端部の酸化被膜が除去されてもよい。
【0022】
前記第1平板状導体の端部の被覆がついたまま、前記第1平板状導体の端部が前記第2平板状導体の前記挿入口に挿入されてもよい。
【0023】
前記第1平板状導体及び前記第2平板状導体が、車両の電源幹線を構成するか、又は車両の通信幹線を構成するのが好ましい。
【0024】
前記第1平板状導体及び前記第2平板状導体の一方又は双方が、金属製の扁平状ヒートパイプで構成されてもよい。
【0025】
前記平板状電線の接続構造が、車両の電源幹線、通信幹線及びアース幹線のうちの少なくとも1つに設けられるのが好ましい。
【0026】
また、上記平板状電線の接続構造を少なくとも1つ備えるワイヤハーネスが提供されるのが好ましい。
【0027】
第1平板状導体または第2平板状導体の少なくとも一方が曲がっているワイヤハーネスでもよい。
【0028】
複数の前記平板状電線の接続構造の前記凸状部及び前記凹状部の形状が、前記接続構造ごとに異なるワイヤハーネスが好ましい。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、接続作業時や車両に組み付ける際の取扱いが容易であり、且つ接続信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の実施形態に係るワイヤハーネスの構成の一例を概略的に示す斜視図である。
図2図1のワイヤハーネスにおける電源幹線(図1中のX部分)の一例を示す部分拡大図であり、(a)平板状電線同士の接続構造の接続前の状態、(b)は接続後の状態を示す。
図3】(a)は、図2の接続構造の詳細構成を示す斜視図、(b)は、(a)の接続構造のうちの凸状部の平面図、(c)は底面図、(d)は正面図である。
図4】(a)は、図3(a)の接続構造のうちの凹状部の平面図、(b)は底面図、(c)は正面図である。
図5】(a)~(c)は、図3の接続構造を用いた接続方法の一例を説明する図である。
図6】(a)~(b)は、平板状電線-電源ボックスの接続構造の一例を示す斜視図である。
図7】(a)~(b)は、平板状電線-電源ボックスの接続構造の他の例を示す斜視図である。
図8】(a)~(c)は、平板状電線同士の接続構造の変形例を示す幅方向断面図である。
図9】(a)~(b)は、平板状電線同士の接続構造の他の変形例を示す平面図である。
図10】(a)~(c)は、平板状電線同士の接続構造の他の変形例を示す平面図である。
図11】(a)~(c)は、平板状電線同士の接続構造の他の変形例を示す平面図である。
図12】(a)~(b)は、図5(b)~(c)における接続補助部材の変形例を示す側面図である。
図13】(a)~(d)は、平板状電線同士の接続方法の他の例を説明する図である。
図14】(a)~(d)は、平板状電線同士の接続方法の他の例を説明する図である。
図15】(a)~(b)は、平板状電線-撚り電線の接続方法の他の例を説明する図である。
図16】平板状電線-撚り電線の接続方法の他の例を説明する斜視図であり、(a)は接続前の状態、(b)は接続後の状態を示し、(c)は、(b)の線A-Aに沿う端面図である。
図17】平板状電線-撚り電線の接続方法の他の例を説明する斜視図であり、(a)は接続前の状態、(b)は接続後の状態を示し、(c)は、(b)の線B-Bに沿う端面図である。
図18】平板状電線-撚り電線の接続方法の他の例を説明する斜視図であり、(a)は接続前の状態、(b)は接続後の状態を示す。
図19】は、平板状電線-電源ボックスの接続構造の他の例を示す斜視図であり、(a)は接続前の状態、(b)は接続後の状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0032】
図1は、本発明の実施形態に係るワイヤハーネスの構成の一例を概略的に示す斜視図であり、図2は、図1のワイヤハーネスにおける平板状電線の接続構造の一例を示す部分拡大図であり、(a)は平板状電線同士の接続前の状態、(b)は接続後の状態を示す。本実施形態では、ワイヤハーネスが設置される移動体として自動車などの車両を例に挙げて説明する。なお、図1に示すワイヤハーネスの構成及び該ワイヤハーネスの設置位置は一例を示すものであり、本発明のワイヤハーネス及びその設置位置は、図1に示すものに限られない。
【0033】
図1に示すように、ワイヤハーネス1は、例えば、車両200のインストルメントパネル201の右側に搭載された電源分配ボックス2と該インストルメントパネル201の左側に搭載された電源分配ボックス3とを接続する電源幹線10Aと、電源分配ボックス2とフロアパネル202の右側であって車両200のリア側に搭載された電源分配ボックス4とを接続する電源幹線10Bと、電源分配ボックス3とフロアパネル202の左側であって車両200のリア側に搭載された電源分配ボックス5とを接続する電源幹線10Cとを備えている。本実施形態では、車両200の右側から左側に向かって、電源分配ボックス4、電源幹線10B、電源分配ボックス2、電源幹線10A、電源分配ボックス3、電源幹線10C及び電源分配ボックス5がこの順に接続され、車両200内の電力回路を構成している。電源幹線10A~10Cは、後述する平板状電線で構成されている。なお、図1において、電源幹線に供給される電源電圧は、取扱いに過度の注意を要しないDC60V以下を想定している。具体的には、DC12V、DC24V、DC48Vなどである。
【0034】
また、ワイヤハーネス1は、例えば、上記電力回路の複数の電力分配ボックスと同様に配置された複数の通信制御部(不図示)と、上記複数の電源幹線と同様に配索された複数の通信幹線(不図示)とを備えている。上記通信回路の構成は、上記電力回路と同様であるので図示を省略する。すなわち、ワイヤハーネス1は、車両200のインストルメントパネル201の右側に搭載された第1通信制御部と該インストルメントパネル201の左側に搭載された第2通信制御部とを接続する第1通信幹線と、第1通信制御部とフロアパネル202の右側であって車両200のリア側に搭載された第3通信制御部とを接続する第2通信幹線と、第2通信制御部とフロアパネル202の左側であって車両200のリア側に搭載された第4通信制御部とを接続する第3通信幹線と、を更に備えている。このように、車両200の右側から左側に向かって、第3通信制御部、第2通信幹線、第1通信制御部、第1通信幹線、第2通信制御部、第3通信幹線及び第4通信制御部がこの順に接続され、車両200内の通信回路を構成している。第1通信幹線~第3通信幹線は、例えば、電源幹線10A~10Cと同様、平板状電線で構成されている。
【0035】
また、ワイヤハーネス1は、上記電力回路や通信回路と同様にして、上記電力回路の複数の電力分配ボックスと同様に配置された複数のアース部(不図示)と、上記複数の電源幹線と同様に配索された複数のアース幹線(不図示)とを備えていてもよい。また、複数のアース幹線が、平板状電線で構成されていてもよい。
【0036】
図2は、図1のワイヤハーネス1における電源幹線10B(図1中のX部分)の一例を示す部分拡大図であり、(a)平板状電線同士の接続構造の接続前の状態、(b)は接続後の状態を示す。
図2(a)に示すように、電源幹線10Bは、複数の平板状電線10B-1,10B-2,10B-3,10B-4,10B-5,10B-6で構成されている。電源幹線10Bは、基本的にはフロアパネル202に沿って配索されるが、車両200に搭載される各種機器、部材等を迂回する等の目的で、複数の平板状電線10B-1~10B-6のうちの必要箇所に所定の曲げ形状を有している。所定の曲げ形状は、斜め曲げ、エッジワイズ曲げ、フラットワイズ曲げ等の各種曲げ加工によって形成されている。
【0037】
例えば、ハーネス工場でワイヤハーネス1が製造された場合、電源幹線10Bを例に挙げると、複数の平板状電線10B-1~10B-6が分割された状態で、車両200の組立て工場等に出荷される。車両の組立て時には、分割された平板状電線10B-1,10B-2を車両200の所定位置に配置し、平板状電線10B-1,10B-2を接続構造Y1で接続する(図2(b))。同様にして、平板状電線10B-2,10B-3を接続構造Y2で、平板状電線10B-3,10B-4を接続構造Y3で、平板状電線10B-4,10B-5を接続構造Y4で、平板状電線10B-5,10B-6を接続構造Y5で、それぞれ連結することで、所望の形状の電源幹線10Bが形成される。この電源幹線10Bはその形状のまま配索される。
【0038】
このように、電源幹線10Bが、分割又は接続可能な複数の平板状電線10B-1~10B-6で構成されていることで、電源幹線10B全体が一体成形されている場合と比較して、製造工程では電源幹線10B全体よりも小型の複数の平板状電線10B-1~10B-6を製造すればよいため、ワイヤハーネス1の生産性が向上すると共に、出荷時などに電源幹線10Bを複数の平板状電線10B-1~10B-6として運搬すればよいので、電源幹線10B全体を運搬するよりも運搬し易くなる。また、例えば要求仕様に応じて、平板状電線ごと、或いは形状ごとに製造するなど、ワイヤハーネス1の製造方法を変更することができ、仕様に合わせて早期且つ柔軟な対応が可能となる。
【0039】
図3(a)は、図2の接続構造Y1の詳細構成を示す斜視図、図3(b)は、(a)の接続構造のうちの凸状部の平面図、図3(c)は底面図、図3(d)は正面図である。図4(a)は、図3(a)の接続構造のうちの凹状部の平面図、図4(b)は底面図、図4(c)は正面図である。接続構造Y2~Y5は、接続構造Y1と同様とすることができるので、その説明を省略する。
【0040】
図3(a)に示すように、平板状電線の接続構造Y1は、平板状電線10B-1の第1平板状導体11に設けられた凸状部12と、平板状電線10B-2の第2平板状導体21に設けられ、凸状部12を係止する凹状部22とを備え、凸状部12が凹状部22に係止されることで第1平板状導体11と第2平板状導体21が電気的に接続される。
【0041】
第1平板状導体11は2つの凸状部12を有し、第2平板状導体21は2つの凹状部22を有している。第1平板状導体11が1つの凸状部12を有し、第2平板状導体21が1つの凹状部22を有していてもよい。また、第1平板状導体11が複数の凸状部12を有し、第2平板状導体21が複数の凹状部22を有していてもよい。
【0042】
第1平板状導体11及び第2平板状導体21は、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、銅又は銅合金で構成されている。第1平板状導体11及び第2平板状導体21は、例えば、平板で構成されており、電源幹線またはアース幹線に用いられる場合は、導体断面積が5mm以上200mm以下、導体の幅方向と厚さ方向の比が2以上50以下であることが好ましい。それ以外の回路に用いられる場合は、その目的に応じて、適宜導体寸法が決定される。
【0043】
凸状部12は、例えば、図3(b)~図3(c)に示すように、第1平板状導体11の端部11aに一体で形成され、且つ先端部側が基部側よりも広がった突起部である。凹状部22は、例えば、図4(a)及び図4(b)に示すように、第2平板状導体21の端部21aに形成され、且つ奥側が入口側よりも広がった切欠き部である。そして、上記突起部が上記切欠き部に嵌合する(図5(b)参照)。凸状部12及び凹状部22の上記形状により、第1平板状導体11(或いは第2平板状導体21)の長手方向に沿って引っ張り応力が生じた際に、第1平板状導体11と第2平板状導体21の離間を防止することができる。
【0044】
凸状部12及び凹状部22は、例えば、図3及び図4に示すようにいわゆる蟻継ぎ形状を有するが、これに限られない。第1平板状導体11(或いは第2平板状導体21)の長手方向に沿って引っ張り応力が生じた際に、第1平板状導体11と第2平板状導体21の離間を防止し得る形状であれば他の形状を有していてもよく、例えば鎌継ぎ形状を有していてもよい。
【0045】
上記突起部は、例えば、図3(b)~図3(c)に示すように、第1平板状導体11の端部11aから当該第1平板状導体11の長手方向に延出し、且つ第1平板状導体11の正面視において当該第1平板状導体11の一方の主面11b側から他方の主面11c側に向かって先細りしている先細形状を有する。また、本実施形態では、上記突起部は、第1平板状導体11の厚み方向に対して傾斜した一対の第1傾斜面12a,12aを有している(図3(d))。一対の第1傾斜面12a,12aは、第1平板状導体11の正面視において線対称となるように形成されている。なお、上記した先細形状は、第1平板状導体11の一方の主面11b側から他方の主面11c側に向かって、どの部分に形成されていてもよい。
【0046】
また、上記切欠き部は、例えば、図4(b)に示すように、第2平板状導体21の端部21aから当該第2平状板導体21の長手方向に延在し、且つ第2平板状導体21の正面視において当該第2平板状導体21の一方の主面21b側から他方の主面21c側に向かって狭幅である狭幅形状を有する。本実施形態では、上記切欠き部は、第2平板状導体21の厚み方向に対して傾斜し、且つ一対の第1傾斜面12a,12aと当接する一対の第2傾斜面22a,22aを有している(図4(c))。一対の第2傾斜面22a,22aは、第2平板状導体21の正面視において線対称となるように形成されている。このように一対の第1傾斜面12a,12a及び一対の第2傾斜面22a,22aを設けることで、第1平板状導体11と第2平板状導体21との接触面積を増大させることができる。なお、上記した狭幅形状は、第2平板状導体21の一方の主面21b側から他方の主面21c側に向かって、どの部分に形成されていてもよい。
【0047】
上記突起部及び切欠き部の形状により、第1平板状導体11と第2平板状導体21が接続された状態において、第1平板状導体11の一方の主面11b側から他方の主面11c側、或いは第2平板状導体21の一方の主面21b側から他方の主面21c側に向かって外力が加えられた場合であっても、第1平板状導体11と第2平板状導体21の離間を防止することができる。
【0048】
また、図3及び図4に示すように、平板状電線10B-1,10B-2の接続構造Y1は、第1平板状導体11を絶縁被覆する第1絶縁被覆層13と、第2平板状導体21を絶縁被覆する第2絶縁被覆層23とを更に有していてもよい。これにより、第1平板状導体11及び第2平板状導体21の十分な絶縁が確保される。
【0049】
第1絶縁被覆層13及び第2絶縁被覆層23は、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)等の樹脂(ここでは軟質ポリ塩化ビニル樹脂)で構成されており、電源幹線またはアース幹線に用いられる場合は、被覆の厚さが0.1mm以上3mm以下であることが好ましい。それ以外の回路に用いられる場合は、その目的に応じて、適宜導体寸法が決定される。
【0050】
図5(a)~図5(c)は、図3の接続構造Y1を用いた接続方法の一例を説明する図である。図5(a)に示すように、例えば、第1絶縁被覆層13で絶縁被覆された第1平板状導体11にトリミングを施すことで被覆ごと加工し、平板状電線10B-1の第1平板状導体11の端部11aに2つの凸状部12,12を形成する。同様に、第2絶縁被覆層23で絶縁被覆された第2平板状導体21にトリミングを施して被覆ごと加工し、平板状電線10B-2の第2平板状導体21の端部21aに2つの凹状部22,22を形成する。
【0051】
そして、図5(b)に示すように、凸状部12を凹状部22に挿入し、凸状部12を凹状部22に係止させて、第1平板状導体11と第2平板状導体12を互いに半嵌合させる。
【0052】
このとき、第1平板状導体11と第2平板状導体12の接続部に接続補助部材を設けることができる。例えば、同図に示すように、平板状電線10B-1,10B-2の接続構造が、凸状部12と凹状部22との係止部を覆って当該係止部に固定され、凸状部12と凹状部22との離間を抑制する接続補助部材30を更に備えてもよい。
【0053】
この接続補助部材30は、例えば、ベース部31と、ベース部31に開閉可能に取り付けられた蓋部32と、蓋部32をベース部31に固定する固定部33とを有する。ベース部31は、例えば、凸状部12と凹状部22との係止部を収容可能な断面略コの字型の筐体である。蓋部32は、例えば該筐体にヒンジなどを介して回動可能に取り付けられた板状体である。固定部33は、例えば、蓋部32に取り付けられ、上記筐体にネジ止め固定されるネジである。蓋部32が固定部33を介してベース部31に固定されることで、凸状部12及び凹状部22がそれぞれベース部31及び蓋部32に挟持される。
【0054】
この接続補助部材30を用いる場合、蓋部32を開けた状態で、凸状部12と凹状部22との係止部をベース部31にセットする。このとき、凸状部12及び凹状部22との係止部の全体をベース部31に収容するのが好ましい。その後、蓋部32を閉じて、固定部33の締め付けトルクにより、蓋部32をベース部31に固定する(図5(c))。本実施形態では、ベース部31に蓋部32が固定された状態で、凸状部12が第1絶縁被覆層13を介してベース部31及び蓋部32に挟持され、且つ凹状部22が第2絶縁被覆層23を介してベース部31及び蓋部32に挟持される。これにより、平板状電線10B-1,10B-2が振動を受けた場合であっても、凸状部12と凹状部22との離間が防止される。
【0055】
凸状部12と凹状部22との係止部において、第1絶縁被覆層13及び第2絶縁被覆層23の双方が設けられていない場合には(図3図4参照)、ベース部31に蓋部32が固定された状態で、凸状部12及び凹状部22がそれぞれベース部31及び蓋部32に直接挟持されてもよい。この場合、車体に対する接続補助部材30の十分な絶縁を確保する観点から、接続補助部材30は絶縁材料で構成されるのが好ましい。
【0056】
上述したように、本実施形態によれば、平板状電線の接続構造Y1が、平板状電線10B-1の第1平板状導体11に設けられた凸状部12と、平板状電線10B-2の第2平板状導体21に設けられ、凸状部12を係止する凹状部22と備え、凸状部12が凹状部22に係止されることで第1平板状導体11と第2平板状導体21が電気的に接続されるので、電源幹線10Bにおける電気的接続を容易に且つ確実に行うことができる。また、電源幹線10Bが複数の平板状導体に分割可能に構成されているので、平板状電線の製造時あるいは運搬時に、複数の平板状導体に分割して製造、運搬することができる。また、車両200への組付け時に、分割された各平板状導体を車両200の所定位置に配置した後、複数の平板状導体を互いに接続することができ、取扱性が格段に向上する。したがって、電気的な接続信頼性を維持しつつ、平板状電線の製造時や車両200への組付け時の取扱いが容易となる。
【0057】
また、平板状電線の接続構造Y1が、車両200の電源幹線、通信幹線及びアース幹線のうちの少なくとも1つに設けられることで、車両200に配索された電源幹線を構成する平板状導体同士の電気的接続、通信幹線を構成する平板状導体同士の電気的接続、及び/又はアース幹線を構成する平板状導体同士の電気的接続を容易且つ確実に行うことができる。特に、ワイヤハーネス1が平板状電線の上記接続構造を備えることで、車両200に配索された上記電源幹線、通信幹線及びアース幹線の全ての配索作業を容易にすることができる。
【0058】
図6(a)~図6(b)は、平板状電線-電源ボックスの接続構造の一例を示す斜視図である。図6(a)に示すように、平板状電線の接続構造は、例えば、電源幹線を構成する第1平板状導体81と、電源分配ボックス2内のバスバー(不図示)と接続された第2平板状導体91と、第1平板状導体81に設けられた凸状部82と、第2平板状導体91に設けられ、凸状部82を係止する凹状部92とを備えている。
【0059】
凸状部82は、例えば、第1平板状導体81の端部81aで構成されている。凹状部92は、例えば、第2平板状導体91に設けられ、その内側に複数の突起93が設けられた挿入口で構成されている(図6(a))。この凹状部92は、例えば、第2平板状導体91の一方の主面91aに、第2平板状導体91の幅方向に沿って取り付けられた略コの字型の枠体によって形成されている。複数の突起93は、例えば、上記枠体に取り付けられ、第2平板状導体91の一方の主面91aに向かって突出するように配置された櫛歯型部材によって形成されている。櫛歯型部材は、例えば、上記枠体に回動可能に取り付けられており、第1平板状部材の凸状部82が凹状部92に挿入されると、その挿入に対応して図面の左方向へ回転し、その後第1平板状部材の凸状部82が引っ張り出される動きに対応して図面の右方向へ回転し、図6(b)に示される状態となる。
【0060】
本構成では、図6(b)に示すように、第1平板状導体81の端部81aが第2平板状導体91の上記挿入口に挿入された状態で、複数の突起93が第1平板状導体81の端部81aに噛み込むことで圧接される。また、第1平板状導体81と複数の突起93との圧接により、第1平板状導体81を第2平板状導体91に押圧することができ、第1平板状導体81と第2平板状導体との接触面積を増大させることができる。また、複数の突起93が第1平板状導体81の端部81aに噛み込むことで、第1平板状導体81の表面に形成された金属酸化皮膜を突き破って導体の金属同士を接合することができる。このように、凸状部82が凹状部92に係止されることで、第1平板状導体81と第2平板状導体91が電気的に接続される。したがって、車両200において平板状電線と電源分配ボックスなどの電源ボックスとを接続する際に、電気的な接続信頼性を維持しつつ、平板状電線と電源ボックスとの容易な電気的接続を実現することができる。なお、第1平板状導体81、第2平板状導体91、複数の突起93を有する櫛歯型部材の材質が異なる場合(例えば第1平板状導体81がアルミニウム系、他が銅系の場合)は、接続部およびその周辺を、樹脂等で包囲して防食することが好ましい。また、本実施形態に関して、図6(a)~図6(b)では、第1平板状導体81の端部81aの被覆が除去された状態が示されているが、複数の突起93の形状や材質により、第1平板状導体81の端部81aに被覆がついたまま櫛歯型部材を接続してもよい。
【0061】
図7(a)~図7(b)は、平板状電線-電源ボックスの接続構造の他の例を示す斜視図である。図7(a)及び図7(b)に示すように、平板状電線の接続構造は、例えば、電源幹線を構成する第1平板状導体101と、電源分配ボックス2内のバスバー(不図示)と接続された第2平板状導体111と、第1平板状導体101に設けられた凸状部102と、第2平板状導体111に設けられ、凸状部102を係止する凹状部112とを備えている。
【0062】
凸状部102は、例えば第1平板状導体101に取り付けられた雄ネジ部で構成されている。凹状部112は、例えば第2平板状導体111に設けられた貫通孔と、該貫通孔と略同心で配置される雌ネジ部とで構成されている。雄ネジ部は、例えば第1平板状導体101に貫通状態で固定されたボルトである。雌ネジ部は、例えば上記ボルトと螺合するナットである。
【0063】
本構成では、図7(b)に示すように、第1平板状導体101の雄ネジ部が第2平板状導体111の上記貫通孔に挿入された状態で、上記雄ネジ部が上記雌ネジ部と螺合して締め付け固定される。また、上記雄ねじ部と上記雌ネジ部との締め付け固定により、第1平板状導体81を第2平板状導体91に押圧することができる。このように、凸状部102が凹状部112に係止されることで、第1平板状導体101と第2平板状導体111が接続される。よって、図6の場合と同様、車両200において平板状電線と電源分配ボックスなどの電源ボックスとを接続する際に、電気的な接続信頼性を維持しつつ、平板状電線と電源ボックスとの容易な電気的接続を実現することができる。なお、第1平板状導体101、凸状部102、第2平板状導体111、凹状部112の材質が異なる場合(例えば第1平板状導体101がアルミニウム系、他が銅系の場合)は、接続部およびその周辺を、樹脂等で包囲して防食することが好ましい。
【0064】
図8(a)~図8(c)は、平板状電線同士の接続構造の変形例を示す幅方向端面図である。
図8(a)~図8(c)に示すように、平板状電線の接続構造Y1は、平板状電線10B-1の第1平板状導体11Aに設けられた凸状部12Aと、平板状電線10B-2の第2平板状導体21Aに設けられ、凸状部12Aを係止する凹状部22Aとを備えてもよい。このとき、凸状部12Aは、幅方向断面において、凹状部22Aの幅方向内側寸法よりも大きい幅方向外側寸法を有している。凸状部12Aの形状は、例えば、幅方向断面において、台形形状(図8(a))、両側部の厚み方向中央部が窪んだ形状(図8(b))、矩形形状(図8(c))などである。
【0065】
図8(a)の構成において、平板状電線10B-1,10B-2を接続する際には、例えば凸状部12Aを凹状部22Aに半嵌合させて位置決めし、その後圧入具を用いて凸状部12Aと凹状部22Aを完全嵌合させる。この圧入により、第1平板状導体11Aの表面或いは第2平板状導体21Aの表面に形成された金属酸化皮膜が削り取られ、また、第1絶縁被覆層13Aと第2絶縁被覆層23Aとの間に作用する平板状電線10B-1,10B-2の幅方向の弾性力によって第1平板状導体11Aと第2平板状導体21Aとの圧接状態が保持され、接続信頼性を向上することができる。
【0066】
図8(b)の構成についても同様に、半嵌合及び完全嵌合の工程を経ることで、第1平板状導体11Bの表面或いは第2平板状導体21Bの表面に形成された金属酸化皮膜が削り取られ、また、第1絶縁被覆層13Bと第2絶縁被覆層23Bとの間に作用する平板状電線10B-1,10B-2の幅方向の弾性力によって第1平板状導体11Bと第2平板状導体21Bとの圧接状態が保持され、接続信頼性を向上することができる。また、図8(c)の構成についても同様に、半嵌合及び完全嵌合の工程を経ることで、第1平板状導体11Cの表面或いは第2平板状導体21Cの表面に形成された金属酸化皮膜が削り取られ、また、第1絶縁被覆層13Cと第2絶縁被覆層23Cとの間に作用する平板状電線10B-1,10B-2の幅方向の弾性力によって第1平板状導体11Cと第2平板状導体21Cとの圧接状態が保持され、接続信頼性を向上することができる。図8(a)~図8(c)の構成において、第1平板状導体の表面および第2平板状導体の表面に形成された金属酸化皮膜が削り取られるようにした場合は、アルミニウム系材料のような表面に酸化膜が形成されやすい導体であっても、確実に電気的接続を行うことができ、接続信頼性を向上することができる。
【0067】
図8(a)~図8(c)の構成において、接続信頼性の更なる向上の観点から、第1絶縁被覆層及び第2絶縁被覆層の少なくとも一方が、軟質ポリ塩化ビニル(PVC)などの一般的な樹脂よりも高剛性を有する樹脂、例えば硬質ポリ塩化ビニル(PVC)やポリプロピレン(PP)で構成されてもよい。また、第1絶縁被覆層を第2絶縁被覆層に圧入した後、第1絶縁被覆層と第2絶縁被覆層とを熱溶着させてもよい。
【0068】
図9(a)~図9(b)は、平板状電線10B-1,10B-2同士の接続構造の他の変形例を示す平面図である。平板状電線同士の接続構造は、絶縁性及び接続信頼性の向上の観点から、他の接続補助部材として、 少なくとも第1平板状導体11と第2平板状導体12の接続部を覆う筒状部材121であってもよいし(図9(a))、少なくとも第1平板状導体11と第2平板状導体12の接続部を覆う筒状部材121を更に有していてもよく、また、 少なくとも当該接続部を覆う硬質の樹脂部材122であってもよいし(図9(b))、少なくとも当該接続部を覆う硬質の樹脂部材122を更に有していてもよい。筒状部材121は、例えば熱収縮チューブである。樹脂部材122は、例えば、ベース部、蓋部及び固定部が樹脂で一体成形された部材である。このとき、固定部は、例えばスナップ構造(不図示)で構成されてもよく、当該スナップ構造の嵌合にて、樹脂部材122が第1平板状導体11と第2平板状導体12の接続部に固定される。
【0069】
また、他の接続補助部材として、少なくとも第1平板状導体11と第2平板状導体12の接続部を覆うテープ材(不図示)が設けられてもよいし、軟質の樹脂材料を塗布して構成される樹脂部(不図示)が設けられてもよい。また、図5に示された接続補助部材30と同様の接続補助部材を用いてもよい。なお、第1平板状導体11と第2平板状導体12が異なる材質の場合(例えば第1平板状導体11がアルミニウム系材料、第2平板状導体12が銅系材料の場合)は、接続部における防食効果を発揮するように上記接続補助部材が配置される。
【0070】
図10(a)~図10(c)は、平板状電線同士の接続構造の他の変形例を示す平面図である。図10(a)に示すように、嵌合容易性の観点から、第1平板状導体11Dの凸状部12D及び第2平板状導体21Dの凹状部22Dが、これらの間に間隙部123が設けられるように構成されてもよい。このとき、例えば、凸状部12Aを凹状部22Aに係合させた後、凸状部12Dと凹状部22Dの間隙部123に不定形の導電性部材124’を埋め込み(図10(b))、その後、余分な導電性部材124’を取り除いて硬化させることで間隙部123に導電部124を形成する(図10(c))。不定形の導電性部材124’は、例えば、金属ナノペーストなどの導電性材料含有樹脂であり、焼結等の加熱によって導電部124を形成することができる。また、絶縁性及び接続信頼性の更なる向上の観点から、導電部124を形成した後、少なくとも第1平板状導体11と第2平板状導体12の接続部に、上述した接続補助部材が取り付けられてもよい。
【0071】
図11(a)~図11(c)は、平板状電線同士の接続構造の他の変形例を示す平面図である。
上記実施形態では、凸状部12及び凹状部22が平面視で略台形であるが(図3及び図4)、他の形状を有していてもよい。例えば、第1平板状導体11Eが2つの凸状部12Eを有し、凸状部12Eが、首部125と、頭部126とを有していてもよい。また、第2平板状導体21Eが2つの凹状部22Eを有し、凹状部22Eが幅狭部127と幅広部128とを有していてもよい。本実施形態では、首部125及び頭部126が曲面で滑らかに繋がって構成されている。幅狭部127及び幅広部128も、首部125及び頭部126に対応して、曲面で滑らかに繋がって構成されている。このように凸状部12E或いは凹状部22Eに角部を設けないことで、凸状部12Eと凹状部22Eの間の接続界面での隙間の発生を抑制し、接続信頼性を向上することができる。
【0072】
図12(a)~図12(b)は、図5(b)~(c)における接続補助部材の変形例を示す側面図である。
図12(a)に示すように、接続補助部材130は、例えば、ベース部131と、ベース部131に開閉可能に取り付けられた蓋部132と、蓋部32をベース部131に固定する固定部133とを有していてもよい。
【0073】
ベース部131は、例えば、第1平板状導線10B-1の凸状部と第2平板状導線10B-2の凹状部との係止部を収容可能な断面略コの字型の筐体である。説明の便宜上、図12(a)では、第1平板状導線10B-1のみがベース部131に収容されている状態を示している。蓋部132は、例えば該筐体にヒンジなどを介して回動可能に取り付けられ、ベース部131側に膨らむように湾曲した可撓性の板状体である。固定部133は、例えば、ベース部131に取り付けられ、蓋部132の自由端側の外縁部が挿入可能に設けられた溝部である。蓋部132が固定部133に挿入されてベース部131に固定されることで、第1平板状導線10B-1の凸状部及び第2平板状導線10B-2の凹状部がそれぞれベース部131及び蓋部132に挟持される。本構成により、簡単な構成且つ簡便な作業で挟持力を高めることができ、凸状部12と凹状部22との離間をより一層防止することができる。
【0074】
また、図12(b)に示すように、接続補助部材140は、例えば、ベース部141と、ベース部141に開閉可能に取り付けられた蓋部142と、蓋部142をベース部141に固定する固定部143とを有していてもよい。
ベース部141は、上記のベース部131と同様、例えば、第1平板状導線10B-1の凸状部と第2平板状導線10B-2の凹状部との係止部を収容可能な断面略コの字型の筐体である。蓋部142は、例えば該筐体にヒンジなどを介して回動可能に取り付けられた板状体であり、そのベース部141側の主面142aに複数の突起142bを有している。固定部143は、上記の固定部133と同様、例えば、蓋部142に取り付けられ、蓋部142の自由端側の外縁部が挿入可能に設けられた溝部である。蓋部142が固定部143に挿入されてベース部141に固定されることで、第1平板状導線10B-1の凸状部及び第2平板状導線10B-2の凹状部がそれぞれベース部141及び蓋部142に挟持される。またこのとき、複数の突起の介在によって挟持力を更に高めることができる。本構成により、簡単な構成且つ簡便な作業で挟持力を更に高めることができ、凸状部12と凹状部22との離間をより一層抑制することができる。
【0075】
図13(a)~図13(d)は、平板状電線同士の接続方法の例を説明する図である。平板状電線同士、例えば第1平板状導体と第2平板状導体とを接続する他の方法として、抵抗スポット溶接(図13(a))、超音波はんだ接合(図13(b))、摩擦撹拌接合(図13(c))、電磁シーム圧接(図13(d))などを用いることができる。これらの接続方法で接続された接続構造は、上述の各実施形態の接続構造を含むワイヤハーネスの接続構造として併用されうる。
【0076】
上記抵抗スポット溶接では(図13(a))、第1平板状導体11F及び第2平板状導体21Fの積層部151の両側に電極152,153を配置し、これら電極152,153間に電圧を印加することで大電流を流し、電流によって発生した熱で第1平板状導体11Fと第2平板状導体21Fを溶着する。
【0077】
上記超音波はんだ接合では(図13(b))、第1平板状導体11Gと第2平板状導体21Gの間にはんだ材154を配置し、第1平板状導体11G、はんだ材154及び第2平板状導体21Gの積層部155を両側から押圧部156,157で押圧した状態で、押圧部156を介して積層部155に超音波を付与することで、超音波によって発生した熱ではんだ材154を溶かして第1平板状導体11Gと第2平板状導体21Gを融着する。
【0078】
上記摩擦撹拌接合では(図13(c))、第1平板状導体11Hと第2平板状導体21Hとの突き合わせ面158に沿って、下端部159aにピン159bを有するツール159を突き合わせ面158に当接させ且つ回転させながら移動することで、第1平板状導体11Fと第2平板状導体21Fを溶着する。これにより、突き合わせ面158に対応する位置に帯状の接合部160が形成される。
【0079】
上記電磁シーム圧接では(図13(d))、第1平板状導体11Jを固定すると共に第2平板状導体21Jを可動とし、第1平板状導体11Jと第2平板状導体21Jとの積層部161の第1平板状導体11J側に固定具162’を、第2平板状導体21J側にコイル163’をそれぞれ配置し、固定具162’を第1平板状導体11Jに当接させた状態で上記積層部161に磁束を発生させることで、第1平板状導体11Jと第2平板状導体21Jを溶着する。
【0080】
図14(a)~(d)は、平板状電線同士の接続方法の他の例を説明する図である。平板状電線同士、例えば第1平板状導体と第2平板状導体とを接続する他の方法として、メカニカルクリンチ接続(図14(a))、フラッシュバット溶接(図14(b))、ボルト接合(図14(c))、セルフピアッシングリベット接合(図14(d))などを用いることができる。これらの接続方法で接続された接続構造は、上述の各実施形態の接続構造を含むワイヤハーネスの接続構造として併用されうる。
【0081】
上記メカニカルクリンチ接続では(図14(a))、下端部162aに凸部162bを有する治具162と、上端部163aに凹部状の型部163bを有する治具163とを、第1平板状導体11K及び第2平板状導体21Kの積層部164の両側に対向配置し、凸部162bで積層部164を型部163bに押圧することで、型部163bに対応する形状を有する接合部165を形成し、第1平板状導体11Kと第2平板状導体21Kを機械的に接合する。
【0082】
上記フラッシュバット溶接では(図14(b))、第1平板状導体11Lに固定電極166を、第2平板状導体21Lに可動電極167をそれぞれ接続し、第1平板状導体11Lと第2平板状導体21Lを当接させた状態で、電源168から変圧部を介して固定電極166と可動電極167の間に大電流を流すことで、第1平板状導体11Lと第2平板状導体21Lとの当接部169を加熱し、更に第2平板状導体21Lで当接部169を加圧して、第1平板状導体11Lと第2平板状導体21Lを圧接する。
【0083】
上記ボルト接合では(図14(c))、第1平板状導体11M及び第2平板状導体21Mの双方に1又は複数の貫通孔(不図示)を設け、当該貫通孔にボルト170を挿通してナット171で締め付けることで、第1平板状導体11Mと第2平板状導体21Mを機械的に接合する。このとき、第1平板状導体11M及び第2平板状導体21Mの一方にボルトを固着すると共に、他方に貫通孔を設け、ナットで締め付けることで接合してもよい。また、第1平板状導体11Mの貫通孔及び第2平板状導体21Mの貫通孔の一方又双方に雌ネジ部を設け、該雌ネジ部にボルトの雄ねじ部を螺合させることで接合してもよい。
【0084】
上記セルフピアッシングリベット接合では(図14(d))、ガイド部172にガイドされて上下方向に可動なパンチ部173と、上端部174aに一対の凹部174b,174bを有する型部174とを、第1平板状導体11N及び第2平板状導体21Nの積層部175の両側に対向配置し、断面略コの字型のリベット176をパンチ部173で積層部175に押圧する。これにより、リベット176の一対の脚部は、積層部175を貫通すると共に、型部174の2つの凹部174b,174bの形状に沿って互いに離れる方向に広がり、第2平板状導体21Nの下面に当接した状態で、第1平板状導体11Nと第2平板状導体21Nを機械的に接合する。
【0085】
このように、図13図14のような平板状電線同士の接合方法を用いることで、車両200内に配索される各種回路の電線同士を網羅的に接続することができ、また、振動等の影響に因る断線を防止して優れた接続信頼性を実現することができる。更に、絶縁性及び接続信頼性の更なる向上の観点から、少なくとも上記第1平板状導体と上記第2平板状導体の接続部に、上述した接続補助部材が取り付けられてもよい。
【0086】
図15(a)~図15(b)は、平板状電線-撚り電線の接続方法の他の例を説明する図である。平板状電線と撚り電線を接続する他の方法として、例えば超音波溶接(図15(a))、超音波はんだ接合(図15(b))などを用いることができる。これらの接続方法で接続された接続構造は、上述の各実施形態の接続構造を含むワイヤハーネスの端部の接続構造として併用されうる。
【0087】
上記超音波溶接では(図15(a))、第1平板状導体11Pと撚り電線21Pの断面略丸型の撚り線材22Pとの当接部177に振動子178を介して超音波振動を付与し、当接部177を押圧しながら、第1平板状導体11Pと撚り線材22Pを溶着する。
【0088】
超音波はんだ接合では(図15(b))、第1平板状導体11Qと撚り電線21Qの断面略丸型の撚り線材22Qの間にはんだ材179を配置し、第1平板状導体11Q、はんだ材179及び撚り線材22Qの積層部180を両側から押圧部181,182で押圧した状態で、押圧部181を介して積層部180に超音波を付与することで、超音波によって発生した熱ではんだ材179を溶かして第1平板状導体11Qと撚り線材22Qを融着する。
【0089】
このように、図15のような平板状電線-撚り電線の接合方法を用いることで、車両200内に配索される各種回路の電線同士を網羅的に接続することができ、また、振動等の影響に因る電気的不良を防止して優れた接続信頼性を実現することができる。更に、絶縁性及び接続信頼性の更なる向上の観点から、少なくとも上記第1平板状導体と上記撚り電線の接続部に、上述した接続補助部材が取り付けられてもよい。ここで、第1平板状導体11Qと撚り電線21Qが異なる材質の場合(例えば第1平板状導体11が銅系材料、撚り電線21Qがアルミニウム系材料の場合)は、接続部における防食効果を発揮するように上記接続補助部材が配置される。
【0090】
図16は、平板状電線-撚り電線の接続方法の他の例を説明する斜視図であり、(a)は接続前の状態、(b)は接続後の状態を示し、(c)は、(b)の線A-Aに沿う端面図である。平板状電線と撚り電線を接続する他の方法として、図16に示す端子を介した接続を用いることができる。これらの接続方法で接続された接続構造は、上述の各実施形態の接続構造を含むワイヤハーネスの端部の接続構造として併用されうる。
【0091】
例えば、図16(a)に示すように、端子183は、幅方向断面略扁平矩形の筒状圧着部184と、幅方向断面略丸型の筒状圧着部185と、筒状圧着部184と筒状圧着部185とを連結する連結部186とを有している。端子183は、例えば銅又は銅合金で構成されており、平板状導体11R及び撚り線材22Rは、例えばアルミニウム又はアルミニウム合金で構成されている。
【0092】
筒状圧着部184は、段差形状を有しており、連結部186側が閉塞された形状(片端閉塞形状)を有する筒部材であって、平板状電線10B-1の絶縁被覆層13Rと圧着される被覆圧着部184aと、平板状導体11Rが圧着される導体圧着部184bとを有している。
【0093】
筒状圧着部185は、段差形状を有しており、連結部186側が閉塞された形状(片端閉塞形状)を有する筒部材であって、撚り電線21Rの絶縁被覆層23Rと圧着される被覆圧着部185aと、電線挿入口185b側から連結部186側に向かって縮径する縮径部185cと、撚り線材22Rと圧着される線材圧着部185dと、電線挿入口185b側から連結部186側に向かって傾斜し、その端部が溶接により閉塞される傾斜部185eとを有している。
【0094】
筒状圧着部185は、例えば、平面展開した金属基体を立体的にプレス加工すると共に、断面が略C字型となる筒状体を形成し、この筒状体の開放部分(突き合わせ部)をレーザ溶接することにより形成される。筒状体のレーザ溶接は、該筒状体の長手方向(X方向)に沿って行われるため、その長手方向と略同一の方向に帯状溶接部(溶接ビード)が形成され、これにより筒状圧着部185が形成される。また、筒状圧着部185を形成した後、傾斜部185eの連結部186側の端部がレーザ溶接によって封止されるのが好ましい。この封止溶接は、圧着端子の長手方向に対して垂直な方向(Y方向)に沿って行われる。この封止溶接により、連結部186側からの水分等の浸入が防止される。筒状圧着部184も、筒状圧着部185の上記製法と同様の製法にて作製することができる。
【0095】
端子183を用いて接続を行う場合、撚り電線21Rの端部を筒状圧着部185に挿入し、線材圧着部185bを加締めて当該線材圧着部185bを撚り線材22Rと圧着し、更に、被覆圧着部185aを加締めて当該被覆圧着部185aを絶縁被覆層23Rと圧着する(図16(b))。また、平板状電線10B-1の端部を筒状圧着部184に挿入し、導体圧着部184bと平板状導体11Rを、例えば上述のメカニカルクリンチ接続にて接合し(図16(c))、更に、被覆圧着部184aを加締めて当該被覆圧着部184aを絶縁被覆層13Rと圧着する。これにより、平板状電線10B-1と撚り電線21Rが端子183を介して電気的に接続される。また、絶縁被覆層13Rと被覆圧着部184aが密着するので止水性が発揮され、筒状圧着部184内での電気的不良を防止することができる。同様に、絶縁被覆層23Rと被覆圧着部185aが密着しているので止水性が発揮され、筒状圧着部185内での電気的不良を防止することができる。
【0096】
このとき、止水性或いは気密性を向上する観点から、被覆圧着部184aと絶縁被覆層13Rの間に、樹脂等を主成分とする充填材を充填してもよく、また、被覆圧着部185aと絶縁被覆層23Rの間に充填材を充填してもよい。
【0097】
また、平板状電線と撚り電線を接続する他の方法として、図17に示す端子を介した接続方法を用いることもできる。図17(a)に示すように、端子187は、ファストン部188(「FASTON」は登録商標)と、幅方向断面略丸型の筒状圧着部185と、ファストン部188と筒状圧着部185とを連結する連結部189とを有している。ファストン部188は、内側に巻き込むように形成された一対の爪部188a,188aを有する平型端子部である。これらの接続方法で接続された接続構造は、上述の各実施形態の接続構造を含むワイヤハーネスの端部の接続構造として併用されうる。
【0098】
端子187を用いて接続を行う場合、撚り電線21Rの端部を筒状圧着部185に挿入し、線材圧着部185bを加締めて当該線材圧着部185bを撚り線材22Rと圧着し、更に、被覆圧着部185aを加締めて当該被覆圧着部185aを絶縁被覆層23Rと圧着する(図17(b))。また、平板状電線10B-1の端部をファストン部188に挿入することで、一対の爪部188a,188aが平板状導体11Rに食い込み、一対の爪部188a,188aと平板状導体11Rが接続される。これにより、平板状電線10B-1と撚り電線21Rが端子187を介して電気的に接続される。また、ファストン部188の一対の爪部188a,188aを押圧することで、一対の爪部188a,188aを平板状導体11Rと圧着するようにしてもよい。なお、平板状導体11Rと端子187が異なる材質の場合(例えば第1平板状導体11がアルミニウム系材料、端子187が銅系材料の場合)は、接続部およびその周辺を、樹脂等で包囲して防食することが好ましい。
【0099】
また、平板状電線と撚り電線を接続する他の方法として、図18に示す端子を介した接続方法を用いることもできる。図18(a)に示すように、端子190は、長手方向の端部191aに凹状部191bを有する端子部191と、幅方向断面略丸型の筒状圧着部185と、端子部191と筒状圧着部185とを連結する連結部192とを有している。平板状電線10B-1は、平板状導体11Sと絶縁被覆層13Sとを有しており、平板状導体11Sは、端部に凸状部12Sを有している。図18では、端子部191の凹状部191b及び平板状導体11Sの凸状部12Sはいわゆる胴付き形状を有しているが、例えば上述の蟻継ぎ形状を有することができる。これらの接続方法で接続された接続構造は、上述の各実施形態の接続構造を含むほか、上述の各実施形態の接続構造を含むワイヤハーネスの端部の接続構造として併用されうる。
【0100】
端子190を用いて接続を行う場合、撚り電線21Rの端部を筒状圧着部185に挿入し、線材圧着部185bを加締めて当該線材圧着部185bを撚り線材22Rと圧着し、更に、被覆圧着部185aを加締めて当該被覆圧着部185aを絶縁被覆層23Rと圧着する(図18(b))。また、平板状導体11Sの凸状部12Sを端子部191の凹状部191bに挿入し、凸状部12Sを凹状部191bと嵌合させる(図18(c))。これにより、平板状電線10B-1と撚り電線21Rが端子190を介して電気的に接続される。なお、平板状導体11S、端子190の材質が異なる場合(例えば平板状導体11Sがアルミニウム系、端子190が銅系の場合)は、接続部およびその周辺を、樹脂等で包囲して防食することが好ましい。
【0101】
このように、図16図18のような平板状電線-撚り電線の接合方法を用いることで、車両200内に配索される各種回路の電線同士を網羅的に接続することができ、また、振動等の影響に因る電気的不良を防止して、より優れた接続信頼性を実現することができる。
【0102】
図19は、平板状電線-電源ボックスの接続構造の他の例を示す斜視図であり、(a)は接続前の状態、(b)は接続後の状態を示す。図19(a)に示すように、平板状電線の接続構造は、平板状電線10B-2の第1平板状導体193と、電源分配ボックス2内のバスバー(不図示)と接続された一対の第2平板状導体194,194と、第2平板状導体111に設けられ、第1平板状導体193を係止する凹状部195とを備えている。第2平板状導体194は、例えば音叉形状を有しており、一対の延出部196,196の間に凹状部195が設けられている。
【0103】
この接続構造では、平板状電線10B-2の第1平板状導体81の端部が凸状部を構成している。上記凸状部である第1平板状導体193を凹状部195に嵌め込んだ状態で、一対の延出部196,196で挟み込んで係止することで(図19(b))、第1平板状導体193と一対の第2平板状導体194,194が電気的に接続される。
【0104】
図19のような平板状電線-電源ボックスの接合方法を用いることで、車両200内に配索される各種回路の電線と各種ボックスとを接続する際に、振動等の影響に因る電気的不良を防止して、優れた接続信頼性を実現することができる。
【0105】
以上、本実施形態に係る平板状電線の接続構造について述べたが、本発明は記述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想に基づいて各種の変形および変更が可能である。
【0106】
例えば、図2における接続構造Y2~Y5は、接続構造Y1と同様であるが、これに限らず、接続構造Y1と異なる構成であってもよい。すなわち、一の幹線に複数の接続構造が設けられる場合、各接続構造が、車両200内における当該接続構造の配置位置に応じて、上述のいずれかの形態にて構成されてもよい。また、平板状電線の接続構造の凸状部及び凹状部の形状が、接続構造Y1~Y5ごとに異なる構成でもよい。例えば、図2に示す接続構造Y1~Y5ごとに、図3図5に示す接続構造、図8に示す接続構造、図11に示す接続構造、上記各接続構造と類似した形状の凸状部及び凹状部を有する接続構造等、凸状部及び凹状部の形状が異なる構成としてもよい。凸状部及び凹状部の形状が接続構造Y1~Y5ごとに異なる構成とすることで、複数の平板状電線10B-1,10B-2,10B-3,10B-4,10B-5,10B-6の接続関係の誤りを確実に防止でき、結果、電源幹線10Bが正確に配索される。また、接続構造Y1~Y5のうち少なくとも1つが上述の各実施形態の接続構造である限り、他の接続構造は例えば図13図14に示される接続構造などであってもよい。
【0107】
また、平板状電線の接続構造が、第1平板状導体の長手方向端部から離間した位置に設けられた第1孔部と、第2平板状導体の長手方向端部から離間した位置に設けられた第2孔部とを備え、上記第1平板状導体の長手方向端部を上記第2孔部に挿通すると共に上記第2平板状導体の長手方向端部を上記第1孔部に挿通することで、上記第1平板状導体と上記第2平板状導体が電気的に接続されてもよい。このとき、上記第1平板状導体と上記第2平板状導体との接触面積を増大させる観点から、第1平板状導体の長手方向端部と上記第1孔部との間に第1段差部を設け、また、第2平板状導体の長手方向端部と上記第2孔部との間に第2段差部を設けてもよい。
【0108】
また、平板状電線同士を接続する他の方法として、コネクタを介した接続を用いてもよい。コネクタは、例えば、筐体と、該筐体に設けられ、第1平板状導体が挿入される第1挿入部と、上記筐体に設けられ、第2平板状導体が挿入される第2挿入部と、上記筐体内に配置され、上記第1挿入部に挿入された上記第1平板状導体と上記第2挿入部に挿入された上記第2平板状導体とを電気的に接続する端子部とを備えていてもよい。上記端子部は、例えば、リセプタクル形状、音叉形状、カードエッジ形状等の各種形状を有していてもよい。
【0109】
また、平板状電線同士を接続する他の方法として、第1平板状導体と第2平板状導体とをステープルなどの金属片によって接合してもよい。このとき、上記第1平板状導体を第1絶縁被覆層で被覆した第1平板状電線と、上記第2平板状導体を第2絶縁被覆層で被覆した第2平板状電線とを、上記第1,第2絶縁被覆層の上から上記金属片によって接合してもよい。また、上記金属片は、上記第1平板状導体及び上記第2平板状導体の少なくとも一方を貫通して固定されており、これらの双方を貫通して固定されるのが好ましい。また、絶縁性及び接続信頼性の更なる向上の観点から、少なくとも上記第1平板状導体と上記第2平板状導体の接続部に、上述した接続補助部材が取り付けられてもよい。接続部において異種金属接合箇所がある場合は、接続部における防食効果を発揮するように上記接続補助部材が配置される。
【0110】
平板状電線同士を接続する他の方法として、第1平板状導体と第2平板状導体とを接続する接続部材が、いわゆるバックル型部材によって形成されていてもよい(図6の変形例)。この場合、バックル型部材は、例えば、枠体と、枠体に回動可能に取り付けられ、複数の突起を有する回動部とを有している。本構成では、当該回動部が上記第2平板状導体の主面に対して立接した状態では、上記回動部の複数の突起が第2平板状導体の長手方向に延在するように設けられている。そして、上記第2平板状導体の上記枠体と上記回動部との間の挿入口に上記第1平板状導体の端部を挿入した状態で、上記回動部を上記第2平板状導体の主面に対して倒すことにより、上記複数の突起が上記第2平板状導体の厚み方向に延在し、上記第1平板状導体の端部に噛み込んで圧接される。また、上記バックル型部材は、図6に示される第1平板状導体81及び第2平板状導体91のそれぞれに対応する2つの回動部を有していてもよい。
【0111】
また、平板状電線と電源ボックスを接続する他の方法として、第1平板状導体と電源ボックスとの間に他の導体が配置されてもよい(図7の変形例)。他の導体は、例えば金属製の板状体であり、上記他の導体と上記第1平板状導体がボルト接続され、また、上記他の導体と上記電源ボックスのバスバーとがボルト接続される。また、上記電源ボックスに上記第1平板状導体と上記第2平板状導体の双方が接続される場合には、上記第1平板状導体と上記平板状導体の双方が上記他の導体を介して上記電源ボックスのバスバーに接続されてもよい。このとき、上記第1平板状導体と上記他の導体、上記第2平板状導体と上記他の導体、及び上記バスバーと上記他の導体がボルト接続される。また、絶縁性及び接続信頼性の更なる向上の観点から、少なくとも上記第1平板状導体と上記第2平板状導体の接続部に、上述した接続補助部材が取り付けられてもよい。更に、上記ボルト接続において上記第1平板状導体或いは上記第2平板状導体に設けられる貫通孔は、取り付け容易性の観点から、長手方向に沿って設けられた1又は複数の長孔であるのが好ましい。
【0112】
また、上記突起部が第1平板状導体の端部から当該第1平板状導体の長手方向に延出しているか、または上記切欠き部が第2平板状導体の端部から当該第2平状板導体の長手方向に延在していてもよい。
【符号の説明】
【0113】
1 平板状電線の接続構造
2 電源分配ボックス
3 電源分配ボックス
4 電源分配ボックス
5 電源分配ボックス
10A 電源幹線
10B 電源幹線
10B-1 平板状電線
10B-2 平板状電線
10B-3 平板状電線
10B-4 平板状電線
10B-5 平板状電線
10B-6 平板状電線
10C 電源幹線
11 平板状導体
11A 平板状導体
11B 平板状導体
11C 平板状導体
11D 平板状導体
11E 平板状導体
11F 平板状導体
11G 平板状導体
11H 平板状導体
11J 平板状導体
11K 平板状導体
11L 平板状導体
11M 平板状導体
11N 平板状導体
11P 平板状導体
11Q 平板状導体
11R 平板状導体
11S 平板状導体
11a 端部
11b 一方の主面
11c 他方の主面
12 凸状部
12a 傾斜面
12A 凸状部
12D 凸状部
12E 凸状部
12S 凸状部
13 絶縁被覆層
13A 絶縁被覆層
13B 絶縁被覆層
13C 絶縁被覆層
13R 絶縁被覆層
13S 絶縁被覆層
21 平状板導体
21 平板状導体
21A 平板状導体
21B 平板状導体
21C 平板状導体
21D 平板状導体
21E 平板状導体
21F 平板状導体
21G 平板状導体
21H 平板状導体
21J 平板状導体
21K 平板状導体
21L 平板状導体
21M 平板状導体
21N 平板状導体
21P 撚り電線
21Q 撚り電線
21R 撚り電線
21a 端部
21b 一方の主面
21c 他方の主面
22 凹状部
22a 傾斜面
22A 凹状部
22D 凹状部
22E 凹状部
22P 撚り線材
22Q 撚り線材
22R 撚り線材
23 絶縁被覆層
23A 絶縁被覆層
23B 絶縁被覆層
23C 絶縁被覆層
30 接続補助部材
31 ベース部
32 蓋部
33 固定部
40-1 平板状導体
40-2 平板状導体
40B 平板状導体
41 凸状部
42 凹状部
50 トランジション部
60 撚り電線
61 絶縁被覆層
62 撚り線材
70 電線圧着部
71 圧着される被覆圧着部
72 電線挿入口
73 縮径部
74 線材圧着部
75 縮径部
81 平板状導体
81a 端部
82 凸状部
91 平板状導体
91a 一方の主面
92 凹状部
93 複数の突起
101 平板状導体
102 凸状部
111 平板状導体
112 凹状部
121 筒状部材
122 樹脂部材
123 間隙部
124 導電部
124’導電性部材
125 首部
126 頭部
126 及び頭部
127 幅狭部
128 幅広部
130 接続補助部材
131 ベース部
133 固定部
140 接続補助部材
141 ベース部
142 蓋部
143 固定部
142a 主面
142b 突起
143 固定部
151 積層部
152 電極
153 電極
154 はんだ材
155 積層部
156 押圧部
157 押圧部
158 突き合わせ面
159 ツール
159a 下端部
159b ピン
160 接合部
161 積層部
162’ 固定具
162 治具
162a 下端部
162b 凸部
163’ コイル
163 治具
163a 上端部
163b 型部
164 積層部
165 接合部
166 固定電極
167 可動電極
168 電源
169 当接部
170 ボルト
171 ナット
172 ガイド部
173 パンチ部
174 型部
174a 上端部
174b 凹部
175 積層部
176 リベット
177 当接部
178 振動子
179 はんだ材
180 積層部
181 押圧部
182 押圧部
183 端子
184 筒状圧着部
184a 被覆圧着部
184b 導体圧着部
185 筒状圧着部
185a 被覆圧着部
185b 電線挿入口
185c 縮径部
185d 線材圧着部
185e 傾斜部
186 連結部
187 端子
188 ファストン部
188a 爪部
189 連結部
190 端子
191 端子部
191a 端部
191a 凹状部
192 連結部
193 平板状導体
194 平板状導体
195 凹状部
196 延出部
200 車両
201 インストルメントパネル
202 フロアパネル
Y1 接続構造
Y2 接続構造
Y3 接続構造
Y4 接続構造
Y5 接続構造
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19