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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-09
(45)【発行日】2023-11-17
(54)【発明の名称】基板保持装置及び基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20231110BHJP
【FI】
H01L21/68 N
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022527277
(86)(22)【出願日】2020-05-25
(86)【国際出願番号】 JP2020020536
(87)【国際公開番号】W WO2021240598
(87)【国際公開日】2021-12-02
【審査請求日】2022-10-24
(73)【特許権者】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテク
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 良広
(72)【発明者】
【氏名】増田 俊夫
(72)【発明者】
【氏名】矢崎 秋夫
(72)【発明者】
【氏名】大坪 建士郎
(72)【発明者】
【氏名】小林 敏孝
(72)【発明者】
【氏名】富樫 盛典
【審査官】渡井 高広
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-533153(JP,A)
【文献】特開平01-143336(JP,A)
【文献】特開平02-218526(JP,A)
【文献】特開昭63-225026(JP,A)
【文献】特表2019-521393(JP,A)
【文献】特開2017-092228(JP,A)
【文献】特開2006-114640(JP,A)
【文献】特開2013-30677(JP,A)
【文献】特開2013-207128(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転ステージと、
前記回転ステージによる回転対象である基板のエッジを前記基板の面方向に支持するクランプ部と、
複数組の気体供給源及び気体排気源と、を備え、
前記回転ステージには、前記基板に向かって気体を供給する複数の気体供給口と、
前記複数の気体供給口のそれぞれの周囲を囲むように、前記複数の気体供給口ごとに設けられた1つ又は複数の気体排気口と、が設けられており、
前記複数組の気体供給源及び気体排気源は、前記複数の気体供給口のそれぞれにおける前記気体の供給圧力の値と、前記複数の気体供給口のそれぞれに対応する前記1つ又は複数の気体排気口における前記気体の排気圧力の値との比率を保ったまま、
前記複数の気体供給口のうち、前記回転ステージの中央部に位置する気体供給口に供給する前記気体の供給圧力の値が、前記回転ステージの周縁部に位置する気体供給口に供給する前記気体の供給圧力の値よりも大きくなるように、前記気体を供給し、
前記回転ステージの中央部に位置する前記1つ又は複数の気体排気口から排気する前記気体の排気圧力の値が、前記回転ステージの周縁部に位置する前記1つ又は複数の気体排気口から排気する前記気体の排気圧力の値よりも大きくなるように、前記気体を排気する基板保持装置。
【請求項2】
前記複数の気体供給口のうち第1の気体供給口の周囲に第1の気体排気口が設けられ、前記第1の気体供給口と前記第1の気体排気口との第1の距離は一定であり、
前記複数の気体供給口のうち第2の気体供給口の周囲に第2の気体排気口が設けられ、前記第2の気体供給口と前記第2の気体排気口との第2の距離は一定であり、
前記回転ステージの平面視において、前記第1の気体供給口を中心とし、前記第1の距離を半径とする円を第1の仮想円周とし、前記第2の気体供給口を中心とし、前記第2の距離を半径とする円を第2の仮想円周としたとき、
前記第1の気体供給口と前記第2の気体供給口との間には、前記第1の仮想円周の一部と前記第2の仮想円周の一部とが存在する請求項1記載の基板保持装置。
【請求項3】
前記複数の気体供給口のうち1つの気体供給口に対し1つの気体排気口が設けられ、前記1つの気体排気口は、前記1つの気体供給口の周囲を環状に囲む請求項1記載の基板保持装置。
【請求項4】
前記気体供給口の上端が、前記気体排気口の上端よりも低い位置に設けられている請求項1記載の基板保持装置。
【請求項5】
前記回転ステージの上面が、外周方向に向かって高さが高くなるように形成されている請求項1記載の基板保持装置。
【請求項6】
前記複数の気体供給口のそれぞれの周囲に前記複数の前記気体排気口が設けられている請求項1記載の基板保持装置。
【請求項7】
前記回転ステージの上面に設けられ、前記1つ又は複数の気体供給口の周囲を環状に囲む溝をさらに備え、前記1つ又は複数の気体排気口は前記溝に連通する請求項1記載の基板保持装置。
【請求項8】
記複数の気体供給口のうち、前記回転ステージの周縁部に位置する気体供給口への前記気体供給源からの前記気体の流入及び遮断を制御する切り替え機構をさらに備える請求項1記載の基板保持装置。
【請求項9】
前記クランプ部は、前記基板のエッジを前記基板の面方向に押圧する押圧部を有する請求項1記載の基板保持装置。
【請求項10】
前記回転ステージを平面視したときの前記複数の気体供給口の配置パターンは、前記回転ステージの回転中心点を対称点とする点対称である請求項1記載の基板保持装置。
【請求項11】
請求項1記載の基板保持装置と、前記基板上の異物を測定する測定部と、を備える基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板保持装置及び基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程において、半導体ウェハ等の基板上に異物が存在すると、配線の絶縁不良や短絡等の不良の原因となる。これらの異物は、搬送装置等の可動部から発生するものや、人体から発生するもの、プロセスガスにより処理装置内で反応生成されたもの、薬品や材料に混入していたもの等、種々の状態で混入される。磁気ディスクや液晶表示素子の製造工程においても同様であり、発生した異物の基板(磁気ディスク又は液晶表示素子)への付着は不良の原因となる。
【0003】
そこで、製造工程において表面検査装置を用いて基板表面の異物を検出し、管理することにより、各製造装置の発塵状況や各工程の清浄度などを監視・制御し、製品の品質向上や歩留り向上等を図っている。異物検査の方法は、基板表面にレーザ光などの光を照射し、異物からの散乱光を検知することで、異物の大きさ、付着位置等を検査し、固有情報として取得するものである。したがって、基板表面のうねり等があると、散乱光の角度がばらつき、異物の大きさや付着位置の精度に影響が生じ、基板の異物情報の信頼性を低下させてしまう。
【0004】
基板表面のうねりの一要因である基板の保持方法としては、大別して裏面吸着式及び裏面非接触式がある。裏面吸着式は平坦なテーブルに空気吸込み口を設け、基板裏面を吸着するものであり、基板のうねりはテーブルの平坦度に依存する。一方、裏面非接触式は、基板を外部より基板の外周近傍を保持して、基板面を宙に浮かせる保持方式であり、基板のうねりを抑えて平坦度を確保するには高度な機構が必要である。
【0005】
裏面非接触式に関する技術として、特許文献1は、チャック面に複数の加圧ガス要素とそのガスを吸出す複数の真空要素を配置して、ウェハを宙に浮かせて上下方向に保持し、かつウェハエッジで水平方向に保持する回転ウェハチャック機構を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特表2017-504199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1は、ウェハ裏面のチャック面への接触を回避しつつウェハの平坦性を保つことができる構造となっている。1つの加圧ガス要素である気体供給部と複数の真空要素である気体排気部が隣接して配置されることで、加圧ガス要素からの気体は複数の真空要素に流れ、排気される形態となっている。すなわち、加圧ガス要素から供給された気体は、隣接した真空要素に排気される。ウェハチャック機構は回転駆動されるため、加圧ガス要素や真空要素も同様に回転する。このため、加圧ガス要素からの気体は回転半径位置に応じて遠心力が作用して外側に流れがちになる。ウェハ保持は気体の正圧及び負圧の平衡によりなされるものであるので、静止時と回転時では気流分布すなわち圧力分布が変化することとなる。その結果、ウェハに対する気体的な保持力分布が変動することになり、ウェハの平坦度に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0008】
そこで、本開示は、基板を高い平坦度で高精度に保持する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の基板保持装置は、回転ステージと、前記回転ステージによる回転対象である基板のエッジを前記基板の面方向に支持するクランプ部と、を備え、前記回転ステージには、前記基板に向かって気体を供給する複数の気体供給口と、前記複数の気体供給口のそれぞれの周囲を囲むように、前記複数の気体供給口ごとに設けられた1つ又は複数の気体排気口と、が設けられている。
【0010】
本開示に関連する更なる特徴は、本明細書の記述、添付図面から明らかになるものである。また、本開示の態様は、要素及び多様な要素の組み合わせ及び以降の詳細な記述と添付される特許請求の範囲の様態により達成され実現される。
本明細書の記述は典型的な例示に過ぎず、本開示の特許請求の範囲又は適用例を如何なる意味に於いても限定するものではない。
【発明の効果】
【0011】
本開示の基板保持装置によれば、基板を高い平坦度で高精度に保持することができる。上記以外の課題、構成及び効果は、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1の実施形態のウェハ処理システムを示す模式図である。
図2】第1の実施形態のウェハチャックを示す斜視図である。
図3図3(a)はエアベアリングパッドの平面図であり、図3(b)は図3(a)のC-C断面図である。
図4図4(a)はエアベアリングパッドにおける気流の様相を示す平面図であり、図4(b)は図4(a)のD-D断面図(下段)及び圧力分布を示す図(上段)である。
図5図2のB-B断面図であり、ウェハを面内方向に保持する前におけるクランプ部の各部品の動作を示す。
図6図2のB-B断面図であり、保持爪でウェハを保持する際のクランプ部の各部品の動作を示す。
図7図2のA-A断面斜視図である。
図8】ウェハをウェハチャックに装填する動作を示すフローチャートである。
図9図8のステップS4におけるウェハチャックの状態を示す断面図である。
図10図8のステップS7におけるウェハチャックの状態を示す断面図である。
図11】変形例1に係るウェハチャックの構成を示す断面図である。
図12図12(a)は変形例2に係るエアベアリングパッドを示す平面図であり、図12(b)は図12(a)のE-E断面図である。
図13図13(a)は変形例3に係るエアベアリングパッドを示す平面図であり、図13(b)は図13(a)のF-F断面図である。
図14】第2の実施形態に係るウェハチャックの構成を示す断面図である。
図15】第3の実施形態に係るウェハチャックの構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
各実施形態において、基板保持装置により保持される基板をウェハとして説明するが、本開示の基板はウェハに限定されず、ガラス基板、液晶パネル、電子回路基板、光ディスク又は磁気ディスクなど、平板形状であれば種類は問わない。
【0014】
本開示において、ウェハ面の垂直方向を「面外方向」あるいは「垂直方向」とし、ウェハ面に沿う方向を「面内方向」あるいは「水平方向」とする。また、回転ステージと基板(ウェハ)保持機構を搭載した部材をウェハチャック(基板保持装置)とする。
【0015】
[第1の実施形態]
<ウェハ処理システムの構成例>
図1は、第1の実施形態に係るウェハ処理システム10を示す模式図である。図1に示すように、ウェハ処理システム10(基板処理装置)は、導入部11、搬送装置12、検査室13及び制御装置14を備える。
【0016】
ウェハ205は、不図示のウェハカセットに収納された状態で、導入部11に装填される。搬送装置12は、導入部11に装填されたウェハカセットからウェハ205を取り出し、1枚ずつ検査室13(例えば異物検査装置)へ搬送する。
【0017】
検査室13は、ウェハチャック200、光学測定部131、モータ132及び直動移動手段133を備える。検査室13へ搬送されたウェハ205は、ウェハチャック200の上に配置され、ウェハチャック200により高い平坦度で保持される。ウェハチャック200によるウェハ205の保持方法については後述する。光学測定部131は、ウェハチャック200の上方において位置が固定されており、ウェハ205の異物の位置及び大きさを光学的に測定する。このように、重力方向の配置は上方から光学測定部131、ウェハ205、ウェハチャック200の順である。光学測定部131による測定結果は、制御装置14に送信される。
【0018】
ウェハチャック200は、ウェハ205を回転移動させながら異物を測定可能なように、モータ132により回転支持されている。直動移動手段133は、モータ132の回転軸に対し垂直方向にモータ132を移動させる。このような構成により、制御装置14は、ウェハ205全面の異物の大きさ、位置等をマッピングし、ウェハ205の異物データとして記録することができる。測定が終了したウェハ205は、再び搬送装置12によりウェハチャック200から移送されて、導入部11のウェハカセットに戻される。これを繰り返し、カセット内の全ウェハ205に対して異物を検査する。
【0019】
制御装置14は、搬送装置12、ウェハチャック200、モータ132及び直動移動手段133の動作を制御する。制御装置14は、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットなどのコンピュータ端末により構成することができる。
【0020】
ウェハ205へ異物を付着させないように、ウェハ処理システム10は清浄度が保たれた空間に設置される。
【0021】
<ウェハチャックの構成例>
図2は、ウェハチャック200を示す斜視図であり、ウェハ205はウェハチャック200から離して透過図として図示している。図2に示すように、ウェハチャック200は、回転ステージ201、ウェハ支持部202、複数のエアベアリングパッド300、複数のクランプ部206を備える。
【0022】
回転ステージ201は、その中心を回転軸として回転するように、モータ132に接続されている。ウェハ支持部202は、回転ステージ201の上面の外周に沿って設けられた凸部であり、ウェハ205のエッジ部をウェハ205の下面から支持する。
【0023】
エアベアリングパッド300は、回転ステージ201の上面側に設けられている。エアベアリングパッド300は、それぞれ気体供給口203及び気体排気口204を有しており、気体力を用いてウェハ205の面外方向を保持する。ウェハチャック200を上方から平面視したときのエアベアリングパッド300の配置パターンは、回転ステージ201の回転中心を対称点とする点対称であってもよいし、ランダム配置であってもよい。エアベアリングパッド300の配置パターンを点対称とすることで、ウェハ205の振動の制御が容易となる。
【0024】
気体供給口203は、エアベアリングパッド300の中央に設けられている。気体排気口204は、平面視において気体供給口203を中心とする円環状であり、気体供給口203の周りを取り囲むように配置されている。したがって、気体供給口203と気体排気口204との距離は一定である。このように、気体供給口203は、1つの気体供給口203に対し1つの気体排気口204を有する1対の供給排気口をなしている。
【0025】
ここで、ある1つの(第1の)エアベアリングパッド300の気体供給口203を第1の気体供給口とし、その周囲に配置された気体排気口204を第1の気体排気口とする。同様に、他の(第2の)エアベアリングパッド300の気体供給口203を第2の気体供給口とし、その周囲に配置された気体排気口204を第2の気体排気口とする。また、第1の気体供給口を中心とし、第1の気体供給口と第1の気体排気口との距離を半径とする円を第1の仮想円周とする。同様に、第2の気体供給口を中心とし、第2の気体供給口と第2の気体排気口との距離を半径とする円を第2の仮想円周とする。このとき、第1の気体供給口と第2の気体供給口との間に、第1の仮想円周の一部と第2の仮想円周の一部とが存在する。換言すれば、本実施形態においては、任意の2つのエアベアリングパッド300において、それぞれの気体供給口203の間に、気体排気口204が位置する。
【0026】
1つのエアベアリングパッド300において、気体供給口203に供給される気体の量と気体排気口204から排気される気体の量が均等となるような構造及び圧力の条件が与えられる。これにより、エアベアリングパッド300ごとに流路が完結し、他のエアベアリングパッド300とは気流干渉しない。
【0027】
回転ステージ201の材質とエアベアリングパッド300の材質とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0028】
クランプ部206は、ウェハ205のエッジを面内方向に押圧することによりウェハ205を保持する。図2に示す例において、クランプ部206は等間隔で6つ設けられているが、その数は6つに限定されない。
【0029】
<面外方向の保持構造>
ウェハ205の面外方向の保持構造について説明する。
【0030】
図3(a)は、エアベアリングパッド300の平面図である。図3(b)は、図3(a)のC-C断面図である。
【0031】
図3(a)及び(b)に示すように、気体供給口203を上流とし、気体排気口204を下流とした流路において、上流となる気体供給口203には、気体排気口204の半径より大きい半径を有する空間203aが設けられている。すなわち、気体排気口204の上端より低い位置に気体供給口203の上端が設けられている。空間203aより下流では、ウェハ205に最接近するクリアランスとする。最下流では気体排気口204によって排気される。
【0032】
上述のように、エアベアリングパッド300ごとに、気体供給口203を中心とし、気体供給口203と気体排気口204との距離を半径とする仮想円周Cを定義することができる。気体供給口203と気体排気口204との距離は、気体供給口203の中心と、気体排気口204が構成する円環の幅方向の中心との距離である。
【0033】
図3(b)に示すように、気体供給口203へは正圧の印加により気体が供給され、気体排気口204には負圧が印加される。気体供給口203の下端には、正圧を印加して気体を供給する気体供給源(不図示)が接続され、気体排気口204の下端には、負圧を印加して気体を排気する気体排気源(不図示)が接続される。
【0034】
図4(a)は、エアベアリングパッド300における気流の様相を示す平面図である。図4(b)は、図4(a)のD-D断面図(下段)及びエアベアリングパッド300における圧力分布を示す図(上段)である。図4(a)及び(b)において、気体の流線350が点線で示されている。
【0035】
図4(a)及び(b)に示すように、気体供給口203から大気圧以上の圧力でウェハ205との空間203aに気体を供給することで、ウェハ205を押し上げる力を作用させることができる。空間203aは、ウェハ205との対向面積や空間体積を確保できるためバッファ空間として作用するので、ウェハ205に面した領域は均等な圧力分布となる。したがって、ウェハ205と気体供給口203のクリアランスが変動しても、圧力の変動を極力少なくできる。
【0036】
空間203aをあふれた気体は360°方向に流れる。空間203aから流れ出る気体は、ウェハ205と空間203aとのギャップより狭い領域を通ることになるため、通過速度が増速される。これによって、空間203aと気体排気口204との間の領域においては大気圧より低い負圧領域となり、ウェハ205をウェハチャック200側に引っ張る力が生成される。
【0037】
気体排気口204に流れてきた気体は、ここで排気されるためウェハ205に作用する圧力の領域は気体排気口204で完結する。
【0038】
この圧力作用を気体供給口203から気体排気口204に至る圧力分布として描くと図4(b)の上段のようになる。エアベアリングパッド300のウェハ205の対向面は正圧領域と負圧領域が存在する圧力分布であるので、ウェハ205に対しては押圧力と引張り力が発生する。これによって、ウェハ205とエアベアリングパッド300との間にウェハ重量と平衡する空隙Gが発生する。この空隙Gは、図4(b)上段のグラフにおいて、圧力曲線をエアベアリングパッド300の面内積分したとき、すなわちウェハ205に作用する力を示すが、平衡圧力点を境に正圧側の値(ウェハ205に対する斥力)と負圧側の値(ウェハ205に対する引力)が等しくなる距離になる。ウェハ205とエアベアリングパッド300との距離がこの平衡した空隙Gからずれた場合、すなわち、例えばウェハ205がエアベアリングパッド300側に近づいた場合はウェハ205に対する正圧が勝るため斥力が働く。また、逆に遠ざかると引張り力が勝るため引力が働く。この作用によりウェハ205の保持剛性が発生する。これより、気体供給口203の供給圧力と気体排気口204の排気圧力の比率はそのままに、両者の値を大きくすれば、ウェハ205の保持剛性を大きくすることが可能である。
【0039】
ウェハチャック200のウェハ保持剛性はウェハ205の1枚分の重量を保持できる剛性であればよい。エアベアリングパッド300をウェハチャック200に複数個配置することにより、エアベアリングパッド300の保持剛性はウェハチャック200上に配置した個数で分担できるため、マージンを持った設計が可能である。以上の作用によってウェハ205とウェハチャック200の隙間が制御され、ウェハ205を面外方向に高平坦度で保持できる。
【0040】
<面内方向の保持構造>
図5は、図2のB-B断面図であり、ウェハ205を面内方向に保持する前におけるクランプ部206の各部品の動作を示す。図5に示すように、クランプ部206は、ウェハチャック200に内蔵されており、カム211、エアシリンダ212、ベアリング213、ベアリング保持部214、圧縮ばね215及びロッド216を備える。図7を用いて後述するように、ロッド216には、周方向への変位を許容するリンクが接続され、リンクにはウェハ205と接触する保持爪(押圧部)が搭載される。
【0041】
エアシリンダ212は、ウェハチャック200のベースである回転ステージ201の下方において中心軸上に配置され、エアシリンダ212にはカム211が上下移動可能に装着されている。エアシリンダ212には、図示しないポンプ等によりエアが供給される。エアシリンダ212へのエアの供給は、上述の制御装置14により制御される。ベアリング213はベアリング保持部214に保持されてカム211と接触し、カム211の上下方向の動きを回転ステージ201の半径方向に変換する。ロッド216は、ベアリング保持部214に対して径方向に相対移動可能である。圧縮ばね215は、ベアリング保持部214とロッド216とを径方向に支持する。
【0042】
図5に白矢印で示すように、エアシリンダ212が動作し、カム211が上方に移動したときにロッド216が径方向内側に移動する。
【0043】
図6は、図2のB-B断面図であり、ウェハ205を回転ステージ201に搭載後、保持爪218でウェハ205を保持する際のクランプ部206の各部品の動作を示す。図6に黒矢印で示すように、エアシリンダ212の動作が停止し、カム211が下方に移動したときにロッド216が径方向外側に移動する。
【0044】
図7は、図2のA-A断面斜視図であり、保持爪218の周囲を示している。図7に示すように、ロッド216は、回転ステージ201の外周端部(径方向端部)まで延設され、ロッド216の端部にはリンク217が接続されている。リンク217は、垂直方向(ウェハ205の面外方向)を回転軸方向として回転可能である。リンク217には、垂直方向を回転軸方向としてウェハ205の面内方向に回転可能に支持された保持爪218が設けられている。
【0045】
保持爪218のウェハ205と接する面はウェハ205の面に対して垂直な面であり、本実施形態では直立した円筒面としている。もちろん、保持爪218のウェハ205と接する面が平面であっても、ウェハ205を水平方向に保持することができる。
【0046】
クランプ部206のエアシリンダ212とカム211を除く機構が、ウェハチャック200の中心軸対称に配置される。保持爪218等の機構の個数は、各機構の発生保持力とウェハ205の必要保持力を考慮して決定することができる。
【0047】
クランプ部206の動作を説明する。制御装置14(図1)は、搬送装置12によってウェハ205を検査室13内に持ち込んだ後、エアシリンダ212にエアを供給する。これにより、図5に白矢印で示すように、カム211が上方に移動してロッド216が径方向内側に移動する。保持爪218はリンク217とは回転軸に対して対称な位置に取り付けられているので、ロッド216の動きに従動してリンク217が径方向内側に変位し、図7中に白矢印で示したように、保持爪218は径方向外側に変位する。これによって、保持爪218の位置はウェハ205の外周端部よりも外側に移動するので、ウェハチャック200はウェハ205を迎え入れる準備が完了する。
【0048】
その後、搬送装置12は、回転ステージ201に配置され、ウェハ205下面の外周部を垂直方向に保持する円環状のウェハ支持部202にウェハ205を載置する。
【0049】
制御装置14(図1)は、搬送装置12を退出させた後、エアシリンダ212へのエア供給を停止する。これにより、図6に黒矢印で示すように、カム211が下方に移動してロッド216が径方向外側に移動し、図7中に黒矢印で示すように、保持爪218が水平回転して、ウェハ205外周端部に当接し保持力を発生する。この間、図6及び7中の黒矢印の方向に、ベアリング保持部214、ロッド216及びこれらを接続する圧縮ばね215は、保持爪218がウェハ205外周端部に当接するまで一体で外周側に移動する。
【0050】
その後、ロッド216の停止に伴って、ベアリング保持部214はカム211の移動が終了するまで径方向外側に移動し続ける。このとき、ベアリング保持部214とロッド216の相対距離が縮むことよって、圧縮ばね215が縮む。これにより、圧縮ばね215は反力による軸力を発生し、この力が保持爪218に伝播する。これにより、圧縮ばね215のばね力は保持爪218のウェハ205の面内方向の保持力となる。なお、圧縮ばね215のばね力は、保持爪218の回転中心(支点)からのリンク217の接合軸(力点)との距離と、同回転中心からの保持爪218(作用点)の距離との比になる。
【0051】
次に、クランプ部206の保持力について説明する。クランプ部206によるウェハ205の保持に求められる機能は、主にウェハ205搭載時の調芯機能、回転立ち上げ時のスリップ防止機能、及び定常回転時のウェハ205の偏芯起因の遠心力に抗する機能である。ウェハ205搭載時の調芯機能は、静的な保持力によって賄う。これはクランプ部206の圧縮ばね215が発生する保持力である。スリップの防止及びウェハ205の遠心力に関しては、クランプ部206の各部品が発生する遠心力が保持力に加算されるため、これを考慮する。回転立ち上げ時には、ウェハ205の静止しようとする慣性力以上の保持力が要求される。定常回転時にはウェハ205の偏心量、質量及び回転数を積算した遠心力以上の保持力が要求される。これらに抗する保持力は、ベアリング213、ベアリング保持部214、ロッド216、リンク217等の部品の形状や質量で調整することができる。
【0052】
<ウェハ装填動作>
図8は、ウェハ205をウェハチャック200に装填する動作を示すフローチャートである。図8の各動作は、図1に示したウェハ処理システム10の制御装置14が各装置を駆動することにより実行されるが、以下においてはウェハ処理システム10の各装置を動作の主体として説明する。
【0053】
ステップS1において、ウェハチャック200は、下降して退避する。
【0054】
ステップS2において、搬送装置12は、検査室13内のウェハチャック200の回転ステージ201の中心とウェハ205の中心とが一致するまでウェハ205を搬送する。
【0055】
ステップS3において、ウェハチャック200は、ウェハ205を装填できる高さまで上昇する。
【0056】
図9は、ステップS4におけるウェハチャック200の状態を示す断面図である。図9に示すように、回転ステージ201には、すべてのエアベアリングパッド300の気体供給口203のそれぞれに配管403により接続される気体供給源401と、気体排気口204のそれぞれに配管404により接続される気体排気源402とが設けられている。気体供給源401及び気体排気源402は、例えばポンプにより構成することができる。気体供給源401及び気体排気源402の駆動は上述の制御装置14(図1)により制御される。
【0057】
ステップS4において、制御装置14は、気体供給源401を駆動して、すべてのエアベアリングパッド300の気体供給口203に正圧の気体を供給する。
【0058】
ウェハ205は、搬送装置12により外周部を支持されているため、搬送中やウェハチャック200上に移動したとき、中央部が重力方向に撓む自重沈下による変形を有する(ウェハ205b)。ウェハチャック200上の複数のエアベアリングパッド300が同一平面上に形成されている場合、ウェハ205の自重沈下によって、ウェハ205の中央部がウェハチャック200と接触する可能性がある。これを避けるために、気体供給源401より気体を供給し、エアベアリングパッド300から正圧の気体を吐出させる。これによって、ウェハ205の自重沈下による変形が補正されるので、ウェハチャック200へのウェハ205の接触を避けることが可能となる。
【0059】
図8に戻り、ステップS5において、ウェハチャック200は、ウェハ205がウェハ支持部202上に載置されるまで上昇する。
【0060】
ステップS6において、制御装置14は、気体供給源401及び気体排気源402を駆動して、ウェハ205の下面を面外方向に保持する。
【0061】
ステップS7において、制御装置14は、クランプ部206を駆動して、保持爪218によってウェハ205のセンタリングを行いつつ面内方向に保持し、ウェハチャック200へのウェハ205の装填が完了する。
【0062】
図10は、ステップS7におけるウェハチャック200の状態を示す断面図である。図10に示すように、ウェハ205は、エアベアリングパッド300によって面外方向に保持され、保持爪218によって面内方向に保持されることにより、高い平坦度でウェハチャック200に保持される。
【0063】
以上のようにして保持されたウェハ205は、光学測定部131(図1)により、表面塵埃の量や座標を検査される。
【0064】
<変形例1>
図11は、変形例1に係るウェハチャック200の構成を示す断面図である。図11に示すように、配管403は、回転ステージ201の中央部に位置するエアベアリングパッド300のみに気体を供給可能なように分岐しており、周縁部に位置するエアベアリングパッド300への気体の供給及び遮断を制御するバルブ450(切り替え機構)が設けられている。バルブ450の開閉は、制御装置14により制御することができる。
【0065】
上述のステップS4において、バルブ450を閉じて回転ステージ201の中央部に位置するエアベアリングパッド300のみに正圧気体を供給することによって、ウェハ205の自重沈下をより効率的に補正とすることができる。ステップS6では、バルブ450は開放される。図11では、バルブ450はウェハチャック200に内蔵された形態となっているが、ウェハチャック200の外部に設置しても、もちろん効果は同様である。
【0066】
<変形例2>
図12(a)は、変形例2に係るエアベアリングパッド301を示す平面図である。図12(b)は、図12(a)のE-E断面図である。
【0067】
図12(a)及び(b)に示すように、エアベアリングパッド301の上面には、気体供給口203の周囲を取り囲むように円環状の溝204aが設けられ、溝204aに連通する複数の気体排気口204bが設けられている。気体排気口204の数は、エアベアリングパッド301の配置パターンに応じて変更することができる。図12(a)に示す例においては、気体排気口204bは、90°ごとに4つ設けられている。エアベアリングパッド301を平面視したときの気体供給口203の中心と各気体排気口204bの中心との距離は同じである。
【0068】
このような構造によって、溝204a内が負圧領域となり、気体供給口203から供給された気体すべてを、溝204aに形成された気体排気口204bから排気することが可能である。このように、エアベアリングパッド301ごとに流路が完結し、他のエアベアリングパッド301とは気流干渉しない。
【0069】
溝204aの深さに限定はないが、例えば、空間203aの深さと同等であってもよいし、空間203aより深くてもよい。溝204aの深さを空間203aの深さ以上とすることによって、より効率的に気体を排気することができる。
【0070】
本変形例2においても、第1の実施形態と同様に、ある1つの(第1の)エアベアリングパッド301の気体供給口203を第1の気体供給口とし、その周囲に配置された気体排気口204bを第1の気体排気口とする。同様に、他の(第2の)エアベアリングパッド301の気体供給口203を第2の気体供給口とし、その周囲に配置された気体排気口204bを第2の気体排気口とする。また、第1の気体供給口を中心とし、第1の気体供給口と第1の気体排気口との距離を半径とする円を第1の仮想円周とする。同様に、第2の気体供給口を中心とし、第2の気体供給口と第2の気体排気口との距離を半径とする円を第2の仮想円周とする。このとき、第1の気体供給口と第2の気体供給口との間に、第1の仮想円周の一部と第2の仮想円周の一部とが存在する。
【0071】
<変形例3>
図13(a)は、変形例3に係るエアベアリングパッド302を示す平面図である。図13(b)は、図13(a)のF-F断面図である。
【0072】
図13(a)及び(b)に示すように、エアベアリングパッド302は、上述の溝204aを有しておらず、気体供給口203の周囲を取り囲むように複数の気体排気口204cが設けられている。図13(a)に示す例においては、気体排気口204cは、仮想円周C上に、45°ごとに8つ設けられている。
【0073】
このような構造によっても、気体供給口203から供給された気体を逃すことなくすべて気体排気口204cで収集し、排気することができる。このように、エアベアリングパッド302ごとに流路が完結し、他のエアベアリングパッド302とは気流干渉しない。
【0074】
<技術的効果>
以上のように、第1の実施形態のウェハチャック200は、回転ステージ201に複数の気体供給口203が設けられ、複数の気体供給口203のそれぞれの周囲を取り囲むように、1つ又は複数の気体排気口204が設けられている。これにより、気体の流路が局所的に形成されるので、遠心力が作用してもウェハ205の面外方向における保持圧力の分布の変動を最小限とすることができる。結果として、ウェハ205の平坦度を高精度に保つことができる。
【0075】
ウェハ205の機械的拘束については、クランプ部206の保持爪218を用いた面内方向の押圧のみであり、ウェハ205の変形を発生させる要因が排除されているので、高平坦度を達成することが可能である。
【0076】
このように、ウェハチャック200はウェハ205を高平坦度で保持できるので、異物検査装置に搭載した場合は、異物検出を高精度で実施することができる。
【0077】
[第2の実施形態]
上述の第1の実施形態においては、すべてのエアベアリングパッド300に対し1つの気体供給源及び気体排気源が設けられている例を説明したが、気体供給源及び気体排気源の数は複数であってもよい。そこで、第2の実施形態においては、複数の気体供給源及び複数の気体排気源を設けた例を提案する。
【0078】
図14は、第2の実施形態に係るウェハチャック200の構成を示す断面図である。図14に示すように、回転ステージ201の中央部に位置するエアベアリングパッド300には、第1の気体供給源405と第1の気体排気源406が接続されており、回転ステージ201の周縁部に位置するエアベアリングパッド300には、第2の気体供給源407と第2の気体排気源408が接続されている。
【0079】
第1の気体供給源405と第2の気体供給源407とでは、それぞれ異なる圧力(供給圧力)の気体を供給可能である。第1の気体排気源406と第2の気体排気源408とでは、それぞれ異なる圧力(排気圧力)で気体を排気可能である。第1の気体供給源405の供給圧力及び第1の気体排気源406の排気圧力の比率と、第2の気体供給源407の供給圧力及び第2の気体排気源408の排気圧力の比率とを一定にすることにより、エアベアリングパッド300とウェハ205との間隙Gを一定にすることができる。例えば、供給圧力及び排気圧力の比を保ったまま、第1の気体供給源405及び第1の気体排気源406の圧力(供給圧力及び排気圧力の値)を第2の気体供給源407及び第2の気体排気源408の圧力(供給圧力及び排気圧力の値)よりも高くすることにより、ウェハ205の高い平坦度での保持力を外乱に強くすることができる。
【0080】
図14に示す例においては、中央部に位置するエアベアリングパッド300と、その周縁部に位置するエアベアリングパッド300とで気体の供給及び排気の圧力を異ならせることができるが、第1の気体供給源405及び第1の気体排気源406の接続先、第2の気体供給源407及び第2の気体排気源408の接続先は任意に変更可能である。
【0081】
また、1つのエアベアリングパッド300に対し、複数の気体供給源及び複数の気体排気源を接続することもできる。
【0082】
<技術的効果>
以上のように、第2の実施形態においては、それぞれ独立して制御される2組の(複数組の)気体供給源及び気体排気源が設けられている。これにより、エアベアリングパッド300の配置に応じて、効率よく気体の供給圧力及び排気圧力を制御することができる。
【0083】
[第3の実施形態]
上述の第1及び第2の実施形態においては、回転ステージ201の上面が平坦である例を説明したが、ウェハの自重沈下による変形形状に応じて、中央部ほど低く径方向外側に向かって高くなる形状であってもよい。
【0084】
図15は、第3の実施形態に係るウェハチャック200の構造を示す断面図である。図15に示すように、回転ステージ201の上面が、ウェハ205が自重沈下により変形した場合の形状(ウェハ205b)に沿って、中央部ほど低くなる段差構造に形成されている。図15に示す例において、段差は3段であるが、2段以上であればよい。また、回転ステージ201の形状は、段差構造ではなく連続的に高さが変化する構造であってもよい。
【0085】
本実施形態の回転ステージ201に、第2の実施形態のように複数組の気体供給源及び気体排気源を接続して、供給圧力及び排気圧力の比を保ったまま、中央部のエアベアリングパッド300に供給する気体の供給圧力の値を、周縁部のエアベアリングパッド300に供給する気体の供給圧力の値よりも大きくし、中央部のエアベアリングパッド300から排気する気体の排気圧力の値を、周縁部のエアベアリングパッド300から排気する気体の排気圧力の値よりも大きくすることもできる。
【0086】
<技術的効果>
以上のように、第3の実施形態においては、回転ステージ201が中央部ほど低く径方向外側に向かって高くなる形状を有する。これにより、上述のステップS3~S4においてウェハチャック200を上昇させてウェハ205と回転ステージ201とを近づける際に、気体供給源401から気体を供給することなく、ウェハ205と回転ステージ201との接触を回避することができる。したがって、ウェハチャック200にウェハ205を装填動作に必要なエネルギーを削減することができる。
【0087】
[変形例]
本開示は、上述した実施形態に限定されるものでなく、様々な変形例を含んでいる。例えば、上述した実施形態は、本開示を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備える必要はない。また、ある実施形態の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることもできる。また、各実施形態の構成の一部について、他の実施形態の構成の一部を追加、削除又は置換することもできる。
【0088】
変形例の一例として、例えば、ウェハの平坦度を高度に確保するため、エアベアリングパッドは回転ステージに搭載される半径などの位置に応じて、所望される構造や性能を自在に選択することができる。
【符号の説明】
【0089】
10:ウェハ処理システム
11:導入部
12:搬送装置
13:検査室
14:制御装置
131:光学測定部
132:モータ
133:直動移動手段
200:ウェハチャック
201:回転ステージ
202:ウェハ支持部
203:気体供給口
203a:空間
204:気体排気口
204a:溝
205:ウェハ
206:クランプ部
211:カム
212:エアシリンダ
213:ベアリング
214:ベアリング保持部
215:圧縮ばね
216:ロッド
217:リンク
218:保持爪
300~302:エアベアリングパッド
350:気体の流線
401:気体供給源
402:気体排気源
403:配管
404:配管
405:第1の気体供給源
406:第1の気体排気源
407:第2の気体供給源
408:第2の気体排気源
450:バルブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15