(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-10
(45)【発行日】2023-11-20
(54)【発明の名称】ベーカリー食品用生地及びベーカリー食品
(51)【国際特許分類】
A21D 10/00 20060101AFI20231113BHJP
A21D 13/068 20170101ALI20231113BHJP
A21D 2/16 20060101ALI20231113BHJP
A21D 2/26 20060101ALI20231113BHJP
A23G 3/34 20060101ALI20231113BHJP
【FI】
A21D10/00
A21D13/068
A21D2/16
A21D2/26
A23G3/34 102
(21)【出願番号】P 2019122783
(22)【出願日】2019-07-01
【審査請求日】2022-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000227009
【氏名又は名称】日清オイリオグループ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 雄太
(72)【発明者】
【氏名】片岡 直人
【審査官】澤田 浩平
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/010103(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/010102(WO,A1)
【文献】特開2016-101157(JP,A)
【文献】特開平05-137506(JP,A)
【文献】特開2016-163566(JP,A)
【文献】国際公開第2011/084059(WO,A1)
【文献】特開2016-140311(JP,A)
【文献】国際公開第2016/114404(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A21D,A23G,A23L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末油脂組成物が
10~45質量%、蛋白質の含有量が40質量%以上の蛋白質高含有食材が20~60質量%配合されたベーカリー食品用生地であって、液状油の含有量が
5~30質量%、水分が10質量%未満、前記液状油の70質量%以上が前記粉末油脂組成物由来であるベーカリー食品用生地。
【請求項2】
前記液状油が、炭素数8~10の直鎖飽和脂肪酸を70質量%以上含有する請求項1に記載のベーカリー食品用生地。
【請求項3】
前記ベーカリー食品用生地が、焼き菓子用生地である請求項1又は請求項2に記載のベーカリー食品用生地。
【請求項4】
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のベーカリー食品用生地を焼成したベーカリー食品。
【請求項5】
前記ベーカリー食品が、焼き菓子である請求項4に記載のベーカリー食品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベーカリー食品用生地及びベーカリー食品に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
近年の健康指向の高まりを受けて、健康機能を有する食材が注目されている。食用油脂においても、健康機能を有する食用油脂が注目されている。近年、注目されている食用油脂は、オリーブ油、亜麻仁油、中鎖脂肪酸トリグリセリド等である。
【0003】
オリーブ油、亜麻仁油、中鎖脂肪酸トリグリセリド等は、そのまま摂取する他に、これらの油脂が配合された食品を食べることでも摂取することができる。これらの油脂が配合された食品のうち、手軽に食べられる食品の1つに、焼き菓子等のベーカリー食品がある。油脂が配合されたベーカリー食品としては、例えば、特許文献1~4が提案されている。
【0004】
多くの量のオリーブ油、亜麻仁油、中鎖脂肪酸トリグリセリドを摂取したい場合は、これらの油脂をベーカリー食品に多く配合する必要がある。しかしながら、オリーブ油、亜麻仁油、中鎖脂肪酸トリグリセリドは、いずれも常温で液状の油脂(液状油)である。通常、ベーカリー食品に液状油が多量に配合されると、焼成後に生地の形状が保てないという問題があった。そのため、液状油であるオリーブ油、亜麻仁油、中鎖脂肪酸トリグリセリドは、ベーカリー食品に多くの量を配合することができなかった。
【0005】
以上のような背景から、オリーブ油、亜麻仁油、中鎖脂肪酸トリグリセリド等の液状油が多く配合されたベーカリー食品の開発が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2016-168000号公報
【文献】特開2016-168003号公報
【文献】特開2016-131559号公報
【文献】特開2016-111985号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、液状油が多く配合されているにもかかわらず、焼成耐性を有するベーカリー食品用生地を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った。その結果、ベーカリー食品用生地に、液状油を粉末油脂組成物として配合することにより、本課題が解決できることが見いだされた。これにより、本発明が完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明の第1の発明は、粉末油脂組成物が10~45質量%、蛋白質の含有量が40質量%以上の蛋白質高含有食材が20~60質量%配合されたベーカリー食品用生地であって、液状油の含有量が5~30質量%、水分が10質量%未満、前記液状油の70質量%以上が前記粉末油脂組成物由来であるベーカリー食品用生地である。
本発明の第2の発明は、前記液状油が、炭素数8~10の直鎖飽和脂肪酸を70質量%以上含有する第1の発明に記載のベーカリー食品用生地である。
本発明の第3の発明は、前記ベーカリー食品用生地が、焼き菓子用生地である第1の発明又は第2の発明に記載のベーカリー食品用生地である。
本発明の第4の発明は、第1の発明~第3の発明のいずれか1つの発明に記載のベーカリー食品用生地を焼成したベーカリー食品である。
本発明の第5の発明は、ベーカリー食品が、焼き菓子である第4の発明に記載のベーカリー食品である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、液状油が多く配合されているにもかかわらず、焼成耐性を有するベーカリー食品用生地を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施の形態のベーカリー食品用生地は、粉末油脂組成物が1~50質量%配合されたベーカリー食品用生地であって、液状油の含有量が1~35質量%、水分が10質量%未満、前記液状油の70質量%以上が前記粉末油脂組成物由来である。
【0012】
本発明でベーカリー食品用生地は、ベーカリー食品の製造に使用される原料を捏ね上げることで得られる焼成前の生地のことである。
【0013】
本発明の実施の形態のベーカリー食品用生地は、粉末油脂組成物が1~50質量%配合され、好ましくは10~45質量%配合され、より好ましくは20~35質量%配合される。ベーカリー食品用生地に、粉末油脂組成物が前記範囲で配合されると、液状油が多く配合されているにもかかわらず、焼成耐性を有するベーカリー食品用生地が得られる。なお、本発明でベーカリー食品用生地が焼成耐性を有するとは、焼成後にベーカリー食品の形状が崩れていないことである。
【0014】
本発明の実施の形態のベーカリー食品用生地の製造に使用される粉末油脂組成物は、原料油脂として液状油が好ましくは50質量%以上配合され、より好ましくは60~85質量%配合され、さらに好ましくは65~80質量%配合される。なお、本発明で液状油とは、20℃で液状の油脂のことである。
前記液状油の具体例は、例えば、大豆油、菜種油、コーン油、ひまわり油、紅花油、ごま油、綿実油、米油、オリーブ油、落花生油、亜麻仁油、中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCTともいう。)やこれらの油脂の加工油脂(エステル交換油脂、分別油、硬化油(水素添加油)等)等が挙げられる。前記液状油は、2種以上を併用することもできる。
前記液状油は、炭素数8~10の直鎖飽和脂肪酸を好ましくは70質量%以上含有し、より好ましくは80質量%以上含有し、さらに好ましくは90質量%以上含有する。
【0015】
本発明の実施の形態のベーカリー食品用生地の製造に使用される粉末油脂組成物は、原料として加工澱粉が好ましくは1~20質量%配合され、より好ましくは3~18質量%配合され、さらに好ましくは5~15質量%配合される。
【0016】
本発明の実施の形態のベーカリー食品用生地の製造に使用される粉末油脂組成物は、原料としてデキストリンが好ましくは5~30質量%配合され、より好ましくは7~25質量%配合され、さらに好ましくは10~20質量%配合される。
【0017】
前記粉末油脂組成物には、液状油、加工澱粉、デキストリン以外に、通常粉末油脂の製造に使用される原料を配合することができる。前記粉末油脂組成物に配合することのできる原料は、具体的には、糖類(例えば、乳糖、ショ糖、ブドウ糖等)、ビタミン類(例えば、ビタミンCやビタミンE等)、増粘多糖類(例えば、ゼラチン、キサンタンガム、アラビアガム、ジェランガム、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、カラギーナン、寒天、ペクチン等)、微量栄養成分(例えば、カルシウム、カリウム、マグネシウム、鉄、亜鉛等)、抗酸化剤、香料等である。
【0018】
前記粉末油脂組成物は、従来公知の製造方法で製造することができる。前記粉末油脂組成物は、例えば、原料を含む水中油型乳化液を乾燥粉末化することで製造することができる。前記水中油型乳化液は、公知のエマルジョン調製方法によって得られ、例えば、水相と、液状油を含む油相とを混合し、ホモミキサー等で撹拌後、ホモジナイザー等で均質化して得ることができる。水中油型乳化液の乾燥粉末化は、公知の噴霧乾燥法、真空凍結乾燥法、真空乾燥法等を利用することができる。
【0019】
本発明の実施の形態のベーカリー食品用生地は、液状油の含有量が1~35質量%であり、好ましくは5~30質量%であり、より好ましくは15~25質量%である。ベーカリー食品用生地に、液状油の含有量が前記範囲であると、液状油が多く配合されたベーカリー食品が得られる。なお、本発明の実施の形態のベーカリー食品用生地に含まれる液状油は、前記粉末油脂組成物に原料油脂として配合される液状油と同じである。また、本発明での液状油は、ベーカリー食品用生地に直接配合される液状油の他に、粉末油脂組成物等の加工油脂等に原料油脂として配合されている液状油も含む。
本発明の実施の形態のベーカリー食品用生地に含まれる液状油は、炭素数8~10の直鎖飽和脂肪酸を好ましくは70質量%以上含有し、より好ましくは80質量%以上含有し、さらに好ましくは90質量%以上含有する。ベーカリー食品用生地に含まれる液状油が、炭素数8~10の直鎖飽和脂肪酸を前記範囲で含有すると、中鎖脂肪酸が多く配合されたベーカリー食品が得られる。
【0020】
発明の実施の形態のベーカリー食品用生地は、液状油の70質量%以上が前記粉末油脂組成物由来であり、好ましくは液状油の80質量%以上が前記粉末油脂組成物由来であり、より好ましくは液状油の90質量%以上が前記粉末油脂組成物由来である。ベーカリー食品用生地に含まれる液状油の70質量%以上が前期粉末油脂組成物由来であると、ベーカリー食品用生地は、液状油が多く配合されているにもかかわらず、焼成耐性を有するベーカリー食品用生地となる。なお、粉末油脂組成物由来とは、粉末油脂組成物の原料油脂として配合されていることである。
【0021】
本発明の実施の形態のベーカリー食品用生地は、水分が10質量%未満であり、好ましくは7質量%未満であり、より好ましくは5質量%未満である。ベーカリー食品用生地の水分が前記範囲であると、ベーカリー食品用生地は分離し難くなる。なお、本発明で水分とは、ベーカリー食品用生地に直接添加される水分の他に、ベーカリー食品用生地に配合される原料に含まれる水分も含む。
【0022】
本発明の実施の形態のベーカリー食品用生地は、好ましくは下記油脂Aが配合される。前記油脂Aは、好ましくは固体脂含量(以下、SFCとする。)が5℃で75%以上、10℃で70%以上、20℃で60%以上、30℃で25~60%、35℃で15%以下であり、より好ましくはSFCが5℃で78%以上、10℃で75%以上、20℃で65%以上、30℃で30~60%、35℃で10%以下であり、さらに好ましくはSFCが5℃で90%以上、10℃で90%以上、20℃で85%以上、30℃で40~55%、35℃で8%以下である。前記油脂Aは、好ましくはSFCが前記範囲を満たすラウリン系油脂であり、より好ましくはパーム核ステアリンの極度硬化油である。なお、本発明でラウリン系油脂とは、構成脂肪酸としてラウリン酸を40質量%以上含有する油脂のことである。
本発明の実施の形態のベーカリー食品用生地は、前記油脂Aが好ましくは20~55質量%配合され、より好ましくは25~50質量%配合され、さらに好ましくは30~45質量%配合される。ベーカリー食品用生地に、前記油脂Aが前記範囲で配合されると、生地が成形しやすくなる。
なお、油脂のSFCは社団法人 日本油化学会編、「基準油脂分析試験法」の2.2.9-2003 固体脂含量(NMR法)に準じて測定することができる。また、油脂の構成脂肪酸の分析は、ガスクロマトグラフ法(AOCS Ce1f-96準拠)を用いて行うことができる。
【0023】
本発明の実施の形態のベーカリー食品用生地は、好ましくは蛋白質高含有食材が配合される。本発明の実施の形態のベーカリー食品用生地は、蛋白質高含有食材が好ましくは20~60質量%配合され、より好ましくは25~55質量%配合され、さらに好ましくは30~50質量%配合される。なお、本発明で蛋白質高含有食材とは、蛋白質の含有量が40質量%以上である食材のことである。前記蛋白質高含有食材の具体例は、チーズ粉末、ホエイタンパク、大豆タンパク等である。
【0024】
本発明の実施の形態のベーカリー食品用生地には、その他に、通常、ベーカリー食品用生地に配合される原料(小麦粉(強力粉、中力粉、薄力粉等)、大麦粉、米粉、とうもろこし粉、ライ麦粉、そば粉、大豆粉等の穀粉、活性グルテン、でんぷん、セルロース粉末等の粉類、イースト、イーストフード、酵素、食塩、砂糖(グラニュー糖、上白糖)等の糖類・糖アルコール類、脱脂粉乳、全脂粉乳等の乳製品、乾燥卵白、乾燥卵黄等の卵類、調味料、香料等)を、通常量配合することができる。
【0025】
本発明の実施の形態のベーカリー食品用生地の製造方法は、特に制限されるものではなく、公知のベーカリー食品用生地の製造条件及び製造方法を適用できる。本発明の実施の形態のベーカリー食品用生地は、例えば、原料を混合した後、得られた生地を、モールド等を使用して成形することで製造することができる。
【0026】
本発明の実施の形態のベーカリー食品用生地は、好ましくは成形されたベーカリー食品用生地である。ベーカリー食品用生地の成形方法は、特に制限されるものではないが、具体的には、モールド成形、絞り成形等である。なお、本発明での成形されたベーカリー食品用生地は、型に充填された状態のベーカリー食品用生地を含まない。
【0027】
本発明の実施の形態のベーカリー食品は、本発明の実施の形態のベーカリー食品用生地を焼成することで得られる。
本発明の実施の形態のベーカリー食品は、本発明の実施の形態のベーカリー食品用生地に、他の食材を組み合わせたものを焼成することで得ることもできる。
本発明の実施の形態のベーカリー食品は、好ましくは本発明の実施の形態のベーカリー食品用生地を含めた食材のみを焼成することで得られる。本発明の実施の形態のベーカリー食品用生地は、ベーカリー食品用生地を含めた食材のみを焼成した場合でも焼成耐性を有する。そのため、本発明の実施の形態のベーカリー食品は、型に充填された状態のベーカリー食品用生地を使用せずに得ることができる。
【0028】
本発明の実施の形態のベーカリー食品は、ビスケット、クッキー、クラッカー、乾パン、プレッツェル、カットパン、ウェハース、サブレ、ラングドシャ、マカロン等の焼き菓子、パウンドケーキ、フルーツケーキ、マドレーヌ、バウムクーヘン、カステラ等のバターケーキ、ショートケーキ、ロールケーキ、トルテ、デコレーションケーキ、シフォンケーキ等のスポンジケーキ、チーズケーキ、ガトーショコラ、蒸しケーキ、シュー菓子、発酵菓子、パイ、ワッフル等の洋生菓子、タルト、菓子パン、フランスパン、シュトーレン、パネトーネ、ブリオッシュ、ドーナツ、デニッシュ、クロワッサン等のパンである。本発明の実施の形態のベーカリー食品は、好ましくは焼き菓子であり、より好ましくはビスケット、クッキーである。
【0029】
本発明の実施の形態のベーカリー食品の焼成方法(製造方法)は、特に制限されるものではなく、従来公知のベーカリー食品と同様の焼成方法(製造方法)により焼成することができる。焼成方法の具体例は、オーブン加熱、直焼き、高周波加熱(電子レンジ加熱)等である。
本発明の実施の形態のベーカリー食品の焼成方法は、好ましくはオーブン加熱である。オーブン加熱は、加熱温度が好ましくは160~200℃であり、加熱時間が好ましくは3~10分間である。
【0030】
本発明によると、液状油が多く配合されているにもかかわらず、焼成耐性を有するベーカリー食品用生地が得られる。また、本発明によると、液状油が多く配合されたベーカリー食品が得られる。
【実施例】
【0031】
次に実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
油脂のSFCは社団法人 日本油化学会編、「基準油脂分析試験法」の2.2.9-2003 固体脂含量(NMR法)に準じて測定した。
油脂の構成脂肪酸の分析は、ガスクロマトグラフ法(AOCS Ce1f-96準拠)を用いて行った。
【0032】
〔MCT1〕
中鎖脂肪酸トリグリセリドをMCT1(20℃の性状:液状、炭素数8~10の直鎖飽和脂肪酸含有量:100質量%)とした。
【0033】
〔油脂A1〕
パーム核ステアリンの極度硬化油を油脂A1(20℃の性状:固形状、ラウリン酸含有量:54.7質量%、5℃のSFC:96.6%、10℃のSFC:96.3%、20℃のSFC:93.9%、30℃のSFC:50.4%、35℃のSFC:5.9%)とした。
【0034】
〔粉末油脂組成物の製造〕
100質量部の水に、10質量部の加工澱粉、15質量部のデキストリンを溶解させ水相を調製した。次いで、125質量部の水相と75質量部のMCT1とを混合した後、圧力式ホモジナイザーを用いて水相と油相とを均質化し、水中油型乳化液を得た。得られた水中油型乳化液を、ノズル式スプレードライヤーを用いて噴霧乾燥し、粉末油脂組成物(液状油の含有量:75質量%、液状油の炭素数8~10の直鎖飽和脂肪酸含有量:100質量%、加工澱粉の含有量:10質量%、デキストリンの含有量:15質量%)を得た。
【0035】
その他の原料は以下のものを使用した。
チーズ粉末(タンパク質含有量:45質量%)
ホエイタンパク(タンパク質含有量:93.5質量%)
【0036】
〔焼き菓子用生地の製造及び評価〕
以下の表1~3の配合で原料をオールインミックス法により混合することで、焼き菓子用生地を得た。得られた焼き菓子用生地を、1.5cm×3cmのモールドで成形した後、モールドから外すことで、成形された焼き菓子用生地を得た。
混合後の焼き菓子用生地を観察し、以下の評価基準で焼き菓子用生地の状態を評価した。評価結果が◎又は○である場合、焼き菓子用生地の状態は良好であると判断した。結果を表1~3に示した。
【0037】
<焼き菓子用生地の評価基準>
◎:生地が全く分離していない。
○:生地がやや分離している。
×:生地が分離している。
【0038】
〔焼き菓子の製造及び評価〕
成形された焼き菓子用生地を、天板に並べて、オーブンで焼成(上火温度:180℃、下火温度:160℃、時間:4分間)することで焼き菓子を製造した。
焼き菓子を観察し、以下の評価基準で焼き菓子用生地の焼成耐性を評価した。評価結果が◎又は○である場合、焼き菓子用生地が焼成耐性を有すると判断した。結果を表1~3に示した。
【0039】
<焼き菓子の評価基準>
◎:焼成前後で形状がほとんど変わらない。
○:焼成前後で形状が少し変わっている。
×:焼成前後で形状が完全に変わって崩れている。
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
実施例の焼き菓子用生地は、生地の状態が良好だった。また、実施例の焼き菓子用生地は、焼成耐性を有していた。
一方、比較例1~3の焼き菓子用生地は、焼成耐性を有していなかった。また、比較例4の焼き菓子用生地は、生地が分離して、成形することができなかった。