(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-10
(45)【発行日】2023-11-20
(54)【発明の名称】速度分布が制御された反応器でのゼオライト合成
(51)【国際特許分類】
C01B 39/04 20060101AFI20231113BHJP
C01B 39/48 20060101ALI20231113BHJP
【FI】
C01B39/04
C01B39/48
(21)【出願番号】P 2020528217
(86)(22)【出願日】2018-11-22
(86)【国際出願番号】 EP2018082212
(87)【国際公開番号】W WO2019101854
(87)【国際公開日】2019-05-31
【審査請求日】2021-11-19
(32)【優先日】2017-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【氏名又は名称】江藤 聡明
(72)【発明者】
【氏名】リーマン,クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】パルフレスク,アンドライ-ニコラエ
(72)【発明者】
【氏名】ベーリンク,ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー,ウルリヒ
(72)【発明者】
【氏名】リュッツェル,ハンス-ユルゲン
(72)【発明者】
【氏名】クラーデ,シュテファニー
(72)【発明者】
【氏名】シャッペルト,クリストフ
【審査官】青木 千歌子
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-526429(JP,A)
【文献】国際公開第2005/063624(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 39/04
C01B 39/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
YO
2
を含む(式中、Yは、
Si又はSi及びTiである)骨格構造を有するゼオライト材料を製造するための方法であって、
(i)YO
2の供給
源、および液体溶媒系を含む混合物を製造する工程;
(ii)(i)で製造された混合物を反応混合物として反応器に供給する工程;
(iii)反応器内の反応混合物を加熱して、YO
2
を含む骨格構造を有するゼオライト材料を含有する反応した混合物を得る工程;ならびに
(iv)ゼオライト材料を含有する(iii)で得られた反応した混合物を、反応器からの流出液として回収する工程;
を含み、反応器が、同軸上に配置された内筒および外筒を含むテイラー-クエット反応器である、方法。
【請求項2】
テイラー-クエット反応器が、外筒を固定子として、回転子-固定子構成を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
(iii)において反応混合物は、反応混合物が接触している反応器の外壁に対して反応混合物の流れを作るように剪断にさらされ、
(iii)において反応混合物が剪断減粘レオロジー(擬塑性レオロジー)を示す場合、反応混合物の流れ方向の速度分布v(r)は、(I)に基づく条件を満たし:
v(r)≦((v(r
1)-v
min)・(r/r
1))+v
min (I)
(iii)において反応混合物が剪断増粘レオロジー(ダイラタントレオロジー)を示す場合、反応混合物の流れ方向の速度分布v(r)は、(II)に基づく条件を満たし:
v(r)≧((v(r
1)-v
min)・(r/r
1))+v
min (II)
式中、rは、反応器内の反応混合物の流れ方向に垂直な反応器空間の断面積上の直線の長さを定義し、前記直線は、混合物と接触している反応器の壁の内面における第1の点(ここで、前記第1の点においてr
0は0と定義され、vはその最小値(v
min=v(r
0))を示す)から、第2の点(ここで、rはr
maxと定義され、vはその最大値(v
max=v(r
max))を示す)まで延び、r
1=r
max/xであり、x=5である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
直線rが、反応混合物と接触している反応器の壁の内面に対して垂直である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
(iii)において反応混合物が剪断減粘レオロジー(擬塑性レオロジー)を示す場合、速度分布の2次導関数v’’(r)は、(III)に基づく条件を満たし:
v’’(r)≧0 (III)
(iii)において反応混合物が剪断増粘レオロジー(ダイラタントレオロジー)を示す場合、速度分布の2次導関数v’’(r)は、(IV)に基づく条件を満たす:
v’’(r)≦0 (IV)、
請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
(iii)において、反応器の体積の少なくとも一部分Pの流動様式が層流である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
(iii)において、反応混合物を含有する反応器の体積の少なくとも一部分Pのレイノルズ数(Re)が、2,500以下である、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
(iii)において、反応混合物を含有する反応器の体積の少なくとも一部分Pのテイラー数(Ta)が、(III)に基づく条件を満たし:
Ta≦(1.52・Re)+n (III)
式中、n≦102である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
混合物が100~300℃の範囲の温度まで加熱される、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
反応混合物を含有する反応器の体積が、5cm
3~1m
3の範囲である、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
(iii)において、反応混合物が自生圧力下で加熱される、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
連続モードおよび/またはバッチモードで行われる、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゼオライト材料を製造するための方法、ならびに前記方法に基づいて得られるまたは得られた触媒自体に関する。さらに、本発明は、特に触媒として、ゼオライト材料を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
単純な出発化合物からのゼオライト材料の合成には、高温および/または高圧などの特別な条件をしばしば必要とする自己組織化の複雑なプロセスが含まれ、このような反応は通常、数日から数週間の長い反応時間の後にゼオライト材料を得るために、自生圧力下で出発原料を加熱する必要がある。したがって、しばしば厳しい反応条件および長い反応時間のために、バッチ合成は、長い間ゼオライト材料を合成するための選択される方法であった。しかしながら、バッチ反応は、特に空間-時間-達成され得る収量のレベルに関して多くの制限を与える。
【0003】
したがって、改善されたバッチ反応手順ならびにゼオライト材料の合成に使用される古典的なバッチ合成手順に利点を与える代替方法を見出すための努力が注がれてきた。この点に関して調査された1つの方法は、流体試薬が連続的に槽形反応器の上部に導入され、固体反応生成物を含有する流出液が槽形反応器の底部から連続的に除去される、連続撹拌槽形反応器の使用を含む。前記方法は、不連続条件下でバッチ運転の間に反応器を空にする必要性を排除するが、結晶化に必要な反応時間は、長いままである。
【0004】
その観点から、ゼオライト材料の急速な合成を可能にする反応器形状が考案されてきた。したがって、US 2016/0115039 A1は、外側面積に対して体積の低い比率を示す管形反応器でゼオライトを連続生産するための方法に関する。同様に、Liuら Angew. Chem. Int. Ed. 2015、54、5683~5687頁は、非常に短い反応時間を使用する高シリカゼオライトSSZ-13の連続合成を開示している。他方では、Ju、 J.ら Chemical Engineering Journal 2006、116、115~121頁ならびにVandermeersch、T.ら Microporous and Mesoporous Materials 2016、226、133~139頁は、それぞれ連続フロー反応器構成においてミクロンサイズのNaAゼオライトの急速な合成を開示している。Liu、Z.ら Chemistry of Materials 2014、26、2327~2331頁は、結晶性微孔質アルミノホスフェートAlPO4-5の超高速連続フロー合成に関する。Slangenら 「Continuous Synthesis of Zeolites using a Tubular Reactor」、 12th International Zeolite Conference、 Materials Research Society 1999は、6mm外径(~3mm内径)および可変長の管形反応器におけるNaAゼオライト、NaYゼオライト、およびシリカライト-1の連続合成に関する。Bebon、C.ら Microporous and Mesoporous Materials 2002、53、13~20頁は、オートクレーブに含有されているガイドチューブを使用したゼオライトの合成方法に関し、反応混合物は、その軸に沿ってガイドチューブ内に配置されたアルキメデススクリューの助けでガイドチューブを通して運ばれる。
【0005】
高圧を必要としない反応では、ゼオライトLTAの連続合成に関連するBonaccorsi, L.ら Microporous and Mesoporous Materials 2008、112、481~493頁などのマイクロ波補助手順が調査されている。同様に、US 2001/0054549 A1は、マイクロ波を使用して無機材料を製造するための連続的な方法および装置に関する。
【0006】
連続撹拌槽および多段反応器の使用を考慮して、反応効率に関してかなりの進歩があったが、反応時間の短縮を考慮して行なわれた進歩は、実験室規模のレベルで適用された反応器形状に限定されている。さらに、反応時間の短縮に関して行なわれた努力は、特にゼオライト合成中に起こる反応混合物のレオロジーの明白な変化により、反応器の目詰まりのために、経済的に実行可能な運転時間に関して極めて制限されたままである。より詳細には、層流の管形反応器で加熱すると、合成ゲルは、通常壁近くの領域で高い剪断速度を示すが、中心に向かう熱伝達の速度が遅いため、一部壁近くの領域における合成ゲルの断熱効果のため、中心はほとんど剪断速度を示さない。結果として、合成ゲルは、壁領域から中心に向かって大きな温度勾配を示し、大きな滞留分布時間が観察される。この状況で生じる合成ゲルの厳しい不均一な処理を考慮して、満足のいく結晶化度を得るためには、非常に長い反応器を使用する必要がある。
【0007】
したがって、ゼオライト材料の連続合成に関してもたらされた進歩にもかかわらず、反応器内の合成ゲルによって経験する不十分な熱伝達およびその後の不均一な反応条件の問題を回避する方法の必要性が残っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】US 2016/0115039 A1
【文献】US 2001/0054549 A1
【非特許文献】
【0009】
【文献】Liuら Angew. Chem. Int. Ed. 2015、54、5683~5687頁
【文献】Ju、 J.ら Chemical Engineering Journal 2006、116、115~121頁
【文献】Vandermeersch、T.ら Microporous and Mesoporous Materials 2016、226、133~139頁
【文献】Liu、Z.ら Chemistry of Materials 2014、26、2327~2331頁
【文献】Slangenら 「Continuous Synthesis of Zeolites using a Tubular Reactor」、 12th International Zeolite Conference、 Materials Research Society 1999
【文献】Bebon、C.ら Microporous and Mesoporous Materials 2002、53、13~20頁
【文献】Bonaccorsi, L.ら Microporous and Mesoporous Materials 2008、112、481~493頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって本発明の目的は、特に工業規模での、反応器内での合成ゲルの均一な剪断速度および温度勾配を可能にする、ゼオライト材料を製造するための改善された方法を提供することであった。したがって、驚くべきことに、反応器内で特定の速度分布の流動様式を使用することによって、反応混合物が結晶化プロセス中に剪断減粘または剪断増粘レオロジーを示すかどうかに応じて、合成ゲル内の流れの方向の温度および剪断速度勾配に関して改善された均一性を得ることが可能であることがわかった。特に、全く予想外なことに、管形反応器を通る同じ反応混合物の層流によって生成される速度分布と本質的に反対である反応器内の反応混合物の速度分布を生成することによって、特に連続合成方法において、例えば従来のゼオライト材料の合成で負う不均一な結晶化および物質移動のかなりの欠点を回避するために、反応器混合物内の結晶化速度ならびに反応器内の混合物の輸送速度に関して改善された均一性が得られることが発見された。
【課題を解決するための手段】
【0011】
したがって、本発明は、YO2を含み、任意にX2O3を含む(式中、Yは、四価元素であり、Xは、三価元素である)骨格構造を有するゼオライト材料を製造するための方法であって、
(i)YO2の供給源、任意にX2O3の供給源、および液体溶媒系を含む混合物を製造する工程;
(ii)(i)で製造された混合物を反応混合物として反応器に供給する工程;
(iii)反応器内の反応混合物を加熱して、YO2を含み、任意にX2O3を含む骨格構造を有するゼオライト材料を含有する反応した混合物を得る工程;および
(iv)ゼオライト材料を含有する(iii)で得られた反応した混合物を、反応器からの流出液として回収する工程;
を含み、
(iii)において反応混合物は、反応混合物が接触している反応器の外壁に対して反応混合物の流れを作るように剪断にさらされ、
(iii)において反応混合物が剪断減粘レオロジー(擬塑性レオロジー)を示す場合、反応混合物の流れ方向の速度分布v(r)は、(I)に基づく条件を満たし:
v(r)≦((v(r1)-vmin)・(r/r1))+vmin (I)
(iii)において反応混合物が剪断増粘レオロジー(ダイラタントレオロジー)を示す場合、反応混合物の流れ方向の速度分布v(r)は、(II)に基づく条件を満たし:
v(r)≧((v(r1)-vmin)・(r/r1))+vmin (II)
式中、rは、反応器内の反応混合物の流れ方向に垂直な反応器空間の断面積上の直線の長さを定義し、前記直線は、混合物と接触している反応器の壁の内面における第1の点(ここで、前記第1の点においてr0は0と定義され、vはその最小値(vmin=v(r0))を示す)から、第2の点(ここで、rはrmaxと定義され、vはその最大値(vmax=v(rmax))を示す)まで延び、r1=rmax/xであり、x=5、好ましくはx=4、より好ましくはx=3、より好ましくはx=2.5、より好ましくはx=2、より好ましくはx=1.8、より好ましくはx=1.6、より好ましくはx=1.5、より好ましくはx=1.4、より好ましくはx=1.3、より好ましくはx=1.2、より好ましくはx=1.1、より好ましくはx≧1であり、より好ましくはr=rmaxである、方法に関する。
【0012】
直線rは、好ましくは反応混合物と接触している反応器の壁の内面に対して垂直である。
【0013】
好ましくは、(iii)において反応混合物が剪断減粘レオロジー(擬塑性レオロジー)を示す場合、速度分布の2次導関数v’’(r)は、(III)に基づく条件を満たし:
v’’(r)≧0 (III)
(iii)において反応混合物が剪断増粘レオロジー(ダイラタントレオロジー)を示す場合、速度分布の2次導関数v’’(r)は、(IV)に基づく条件を満たす:
v’’(r)≦0 (IV)。
【0014】
反応混合物が剪断減粘レオロジー(擬塑性レオロジー)を示す場合、好ましくは反応混合物の流れ方向の速度分布v(r)は、0<r<rmaxでは(V)に基づく条件を満たし:
v(r)<((v(r1)-vmin)・(r/r1))+vmin (V)
反応混合物が剪断増粘レオロジー(ダイラタントレオロジー)を示す場合、反応混合物の流れ方向の速度分布v(r)は、0<r<rmaxでは(VI)に基づく条件を満たす:
v(r)>((v(r1)-vmin)・(r/r1))+vmin (VI)。
【0015】
好ましくは、(iii)において反応混合物が剪断減粘レオロジー(擬塑性レオロジー)を示す場合、速度分布の2次導関数v’’(r)は、0<r<rmaxでは(VII)に基づく条件を満たし:
v’’(r)>0 (VII)
(iii)において反応混合物が剪断増粘レオロジー(ダイラタントレオロジー)を示す場合、速度分布の2次導関数v’’(r)は、0<r<rmaxでは(VIII)に基づく条件を満たす:
v’’(r)<0 (VIII)。
【0016】
さらに、それに加えて、本発明は同様に、YO2を含み、任意にX2O3を含む(式中、Yは、四価元素であり、Xは、三価元素である)骨格構造を有するゼオライト材料を製造するための方法であって、
(i)YO2の供給源、任意にX2O3の供給源、および液体溶媒系を含む混合物を製造する工程;
(ii)(i)で製造された混合物を反応混合物として反応器に供給する工程;
(iii)反応器内の反応混合物を加熱して、YO2を含み、任意にX2O3を含む骨格構造を有するゼオライト材料を含有する反応した混合物を得る工程;および
(iv)ゼオライト材料を含有する(iii)で得られた反応した混合物を、反応器からの流出液として回収する工程;
を含み、反応器は、同軸上に配置された内筒および外筒を含むテイラー-クエット反応器である、方法に関する。
【0017】
(iii)において、好ましくは反応器の体積の少なくとも一部分Pの流動様式は層流であり、その部分Pは、好ましくは反応器の体積の連続した部分である。好ましくは、(iii)において、反応混合物を含有する反応器の体積の少なくとも一部分Pのレイノルズ数(Re)は、2,500以下、より好ましくは2,000以下、より好ましくは1,500以下、より好ましくは1,000以下、より好ましくは500以下、より好ましくは300以下、より好ましくは200以下、より好ましくは100以下、より好ましくは80以下、より好ましくは60以下、より好ましくは40以下、より好ましくは20以下、より好ましくは10以下、より好ましくは5以下、より好ましくは3以下、かつより好ましくは1以下である。用語レイノルズ数(Re)は、本明細書では、Re=uax・dgap/nを表し;式中、uaxは、使用される液体の軸流速度であり、nは、動粘度であり、dgapは、反応器内のギャップ幅、好ましくは反応器内の回転円筒間のギャップ幅であり;したがって軸状(axial)とは、反応器内の円筒の回転軸と一直線にそろえられたという意味であり、ここで、反応器は、好ましくはテイラー-クエット反応器である。
【0018】
好ましくは(iii)において、反応混合物を含有する反応器の体積の少なくとも一部分Pのテイラー数(Ta)、より好ましくは接線テイラー数は、(III)に基づく条件を満たし:
Ta≦(1.52・Re)+n (III)
式中、n≦102、好ましくは≦100、より好ましくは≦98、より好ましくは≦95、より好ましくは≦90、より好ましくは≦80、より好ましくは≦60、より好ましくは≦40、より好ましくは≦20、より好ましくは≦10、より好ましくは≦5、かつより好ましくは≦1である。用語テイラー数(Ta)は、本明細書では、Ta=ri・ui・dgap/nを表し、式中、nは、動粘度であり、riは、内筒の半径であり、uiは、内筒の回転速度であり、dgapは、反応器内のギャップ幅、好ましくは反応器内の回転円筒間のギャップ幅であり;ここで、反応器は、好ましくはテイラー-クエット反応器である。接線テイラー数は、本明細書では、反応器、好ましくはテイラー-クエット反応器の回転円筒壁に対する接線流に関してさらに定義されるテイラー数(Ta)を表す。
【0019】
好ましくは反応器の体積の連続した部分Pは、好ましくは反応混合物を含有する反応器の全体積の5~100%を占め、より好ましくは反応混合物を含有する反応器の全体積の10~95%、より好ましくは20~90%、より好ましくは30~85%、より好ましくは40~80%、より好ましくは50~75%、かつより好ましくは60~70%を占める。
【0020】
好ましくは、反応混合物は、剪断減粘レオロジー(擬塑性レオロジー)を示し、またはここで反応混合物は、剪断増粘剪断増粘レオロジー(ダイラタントレオロジー)を示し、ここで好ましくは反応混合物は、剪断減粘レオロジー(擬塑性レオロジー)をあらわす。
【0021】
工程(iii)に関して、混合物は、好ましくは100~300℃、より好ましくは120~280℃、より好ましくは140~260℃、より好ましくは160~250℃、より好ましくは180~240℃、より好ましくは190~230℃、およびより好ましくは200~220℃の範囲の温度まで加熱される。
【0022】
反応器に関して、反応混合物を含有する反応器の体積は、好ましくは5cm3~1m3、より好ましくは10cm3~1m3、より好ましくは20cm3~0.5m3、より好ましくは30cm3~0.1m3、より好ましくは50cm3~0.05m3、より好ましくは80cm3~0.01m3、より好ましくは100~5,000cm3、より好ましくは120~3,000cm3、より好ましくは150~1,000cm3、より好ましくは200~700cm3、より好ましくは230~500cm3、およびより好ましくは250~300cm3の範囲である。好ましくは、混合物と接触している反応器の壁の内面は、金属材料でできており、ここで、金属材料は、Ta、Cr、Fe、Ni、Cu、Al、Mo、およびその2種以上の組合せおよび/または合金からなる群から、より好ましくはTa、Cr、Fe、Ni、Mo、およびその2種以上の組合せおよび/または合金からなる群から、好ましくはCr、Fe、Ni、Mo、およびその2種以上の組合せおよび/または合金からなる群から選択される1種または複数の金属を含み、ここで、好ましくは金属材料は、ニッケル合金、ニッケル-モリブデン合金、およびより好ましくはニッケル-モリブデン-クロム合金を含む。好ましくは、混合物と接触している反応器の壁の内面は、有機ポリマー材料で覆われており、ここで、有機ポリマー材料は、より好ましくはフッ素化ポリアルキレンおよびその2種以上の混合物からなる群から、好ましくは(C2~C3)ポリアルキレンおよびその2種以上の混合物からなる群から、好ましくはフッ素化ポリエチレンおよびその2種以上の混合物からなる群から選択される1種または複数のポリマーを含み、ここで、より好ましくはポリマー材料は、ポリ(テトラフルオロエチレン)を含み、ここで、より好ましくは反応器の内壁は、ポリ(テトラフルオロエチレン)で覆われている。
【0023】
工程(iii)に関して、好ましくは(iii)では反応混合物は自生圧力下で加熱され、ここで、好ましくは圧力は0.1~9MPaの範囲、より好ましくは0.5~7MPa、より好ましくは0.8~5MPa、より好ましくは1.3~3MPa、より好ましくは1.4~2MPa、より好ましくは1.5~1.7MPaの範囲である。
【0024】
反応器は、好ましくは単一の段階からなる。好ましくは、(iii)において反応混合物が反応器を通過する間に、反応混合物は何も添加および/または除去されず、ここでより好ましくは何も添加されず、ここでより好ましくは(iii)において反応混合物が反応器を通過する間に、反応混合物は何も添加されず、かつ何も除去されない。
【0025】
好ましくは、(ii)の前に、(i)で製造された混合物を、40~120℃、より好ましくは50~110℃、より好ましくは60~105℃、より好ましくは70~100℃、より好ましくは75~95℃、およびより好ましくは80~90℃の範囲の温度で熟成させる。好ましくは、(i)においてかつ(ii)の前に、(i)で製造された混合物は、40℃以上、より好ましくは35℃以上、より好ましくは30℃以上の温度まで加熱されず、ここで、より好ましくは、(i)においてかつ(ii)の前に、(i)で製造された混合物は、加熱工程にかけられない。好ましくは(ii)の前に、(i)で製造された混合物を、1~72h、より好ましくは6~62h、より好ましくは12~56h、より好ましくは24~50h、より好ましくは36~44h、およびより好ましくは38~42hの範囲の期間熟成させる。
【0026】
(i)で製造された混合物は、好ましくは(ii)において反応器に直接供給され、ここで、(ii)において反応器に供給されている間、(i)で製造された混合物は、好ましくは100~300℃、より好ましくは100~280℃、より好ましくは140~260℃、より好ましくは160~250℃、より好ましくは180~240℃、より好ましくは190~230℃、およびより好ましくは200~220℃の範囲の温度まで予熱される。
【0027】
(iv)における反応した混合物の回収について、これは好ましくは(iii)で反応器を出ていく反応混合物流出液を、1種もしくは複数の溶媒を含む液体で、および/または反応混合物流出液の膨張によって、クエンチすることを含む。好ましくは、クエンチするための液体は、極性プロトン性溶媒およびその混合物からなる群から、
より好ましくはn-ブタノール、イソプロパノール、プロパノール、エタノール、メタノール、水、およびその混合物からなる群から、
より好ましくはエタノール、メタノール、水、およびその混合物からなる群から選択される1種または複数の溶媒を含み、
ここで、より好ましくは液体は、水を含み、かつここで、より好ましくは水、好ましくは脱イオン水は液体として使用される。
【0028】
本発明において、方法は、好ましくは
(v)(iii)または(iv)で得られたゼオライト材料を単離する工程;
および/または、好ましくはおよび、
(vi)(iii)、(iv)または(v)で得られたゼオライト材料を洗浄する工程;
および/または、好ましくはおよび、
(vii)(iii)、(iv)、(v)、または(vi)で得られたゼオライト材料を乾燥する工程;
および/または、好ましくはおよび、
(viii)(iii)、(iv)、(v)、(vi)、または(vii)で得られたゼオライト材料をか焼する工程
をさらに含む。
【0029】
工程(v)が行われる場合、(v)において好ましくはゼオライト材料は、(iii)または(iv)から得られた反応した混合物から、ろ過、遠心分離および/またはデカント法を用いて、より好ましくは精密ろ過および/または限外ろ過を用いて単離され、ここで、より好ましくは膜ろ過によって精密ろ過および/または限外ろ過が達成される。(v)でゼオライト材料の単離から得られた上清は、好ましくは(i)および/または(ii)、より好ましくは(i)に再循環される。
【0030】
工程(vii)が行われる場合、(vii)において好ましくはゼオライト材料は、(iii)、(iv)、(v)、または(vi)で得られたゼオライト材料のマイクロ波放射および/またはフラッシュ乾燥を用いて乾燥される。
【0031】
工程(vii)および(viii)が行われる場合、(vii)における乾燥および(viii)におけるか焼は、好ましくは(iii)、(iv)、(v)、または(vi)で得られたゼオライト材料をか焼する1種または複数の工程によって達成される。
【0032】
工程(v)が行われる場合、(v)においてゼオライト材料の単離は、好ましくは(iii)または(iv)で得られたゼオライト材料を噴霧乾燥する工程を含み、
かつ/または
ここで、(vii)においてゼオライト材料の乾燥は、(iii)、(iv)、(v)、または(vi)で得られたゼオライト材料を噴霧乾燥する工程を含む。
【0033】
工程(vii)が行われる場合、(vii)における乾燥は、好ましくは50~220℃、より好ましくは70~180℃、より好ましくは80~150℃、より好ましくは90~130℃、より好ましくは100~125℃、およびより好ましくは110~120℃の範囲の温度で行なわれる。
【0034】
工程(viii)が行われる場合、(viii)におけるか焼は、好ましくは300~800℃、より好ましくは350~750℃、より好ましくは400~725℃、より好ましくは450~700℃、より好ましくは500~675℃、およびより好ましくは550~650℃の範囲の温度で行なわれる。
【0035】
一般に、本発明の方法によれば、種結晶は、その中に含まれる可能性がある。好ましくは、(i)で製造された混合物は、種結晶をさらに含み、ここで、(i)で製造された混合物中の種結晶の量は、好ましくは(i)で製造された混合物に含有されるYO2として計算されたYの100質量%に基づいて、0.1~20質量%、より好ましくは(i)で製造された混合物に含有されるYO2として計算されたYの100質量%に基づいて、0.3~10質量%、より好ましくは0.5~5質量%、より好ましくは1~3質量%、およびさらにより好ましくは1.5~2.5質量%の範囲である。好ましくは、種結晶は、その2種以上の混合構造を含めた、AEI、AFX、ANA、BEA、BEC、CAN、CHA、CDO、EMT、ERI、EUO、FAU、FER、GME、HEU、ITH、ITW、KFI、LEV、MEI、MEL、MFI、MOR、MTN、MWW、OFF、RRO、RTH、SAV、SFW、SZR、およびTONからなる群から、より好ましくはその2種以上の混合構造を含めた、CAN、AEI、EMT、SAV、SZR、KFI、ERI、OFF、RTH、GME、AFX、SFW、BEA、CHA、FAU、FER、HEU、LEV、MEI、MEL、MFI、MOR、およびMWWからなる群から、より好ましくはその2種以上の混合構造を含めた、AEI、AFX、BEA、CHA、ERI、FAU、FER、GME、LEV、MEL、MFI、MOR、およびMWWからなる群から、より好ましくはその2種以上の混合構造を含めた、AEI、AFX、BEA、CHA、ERI、FER、GME、MEL、MFI、MOR、およびMWWからなる群から、より好ましくはその2種以上の混合構造を含めた、AEI、BEA、CHA、ERI、MFI、およびMWWからなる群から、ならびにより好ましくはその2種以上の混合構造を含めた、AEI、BEA、CHA、MFI、およびMWWからなる群から選択される骨格構造を有する1種または複数のゼオライトを含み、ここで、より好ましくは種結晶は、CHAおよび/またはAEI骨格構造を有する1種または複数のゼオライトを含む。
【0036】
一般に、本発明の方法によれば、有機テンプレートは、その中に含まれる可能性がある。好ましくは、(i)で製造された混合物は、1種または複数の有機テンプレートをさらに含む。1種または複数の有機テンプレートは、好ましくはテトラアルキルアンモニウム化合物、1N-アルキル-3-キヌクリジノール、またはN,N,N-トリアルキル-exo-アミノノルボルナン、およびその2種以上の混合物からなる群から、
より好ましくは1-アダマンチルトリ(C1~C3)アルキル-アンモニウム化合物、N,N,N-トリ(C1~C2)アルキル-(C5~C6)シクロアルキルアンモニウム化合物、N,N,N-トリメチル-N-ベンジルアンモニウム化合物、およびその2種以上の混合物からなる群から、
より好ましくは1-アダマンチルトリ(C1~C2)アルキル-アンモニウム化合物、N,N,N-トリ(C1~C2)アルキル-シクロペンチルアンモニウム化合物、N,N,N-トリ(C1~C2)アルキル-シクロヘキシルアンモニウム化合物、およびその2種以上の混合物からなる群から、
より好ましくは1-アダマンチルトリエチル-アンモニウム化合物、1-アダマンチルジエチル-メチルアルキル-アンモニウム化合物、1-アダマンチルエチル-ジメチル-アンモニウム化合物、1-アダマンチルトリメチル-アンモニウム化合物、N,N,N-トリエチル-シクロヘキシルアンモニウム化合物、N,N-ジエチル-N-メチル-シクロヘキシルアンモニウム化合物、N,N-ジメチル-N-エチル-シクロヘキシルアンモニウム化合物、N,N,N-トリメチル-シクロヘキシルアンモニウム化合物、およびその2種以上の混合物からなる群から選択され、
ここで、より好ましくは1種または複数の有機テンプレートは、1種または複数の1-アダマンチルトリメチルアンモニウム化合物および/または1種または複数のN,N,N-トリメチル-シクロヘキシルアンモニウム化合物を含み、
ここで、より好ましくは1種または複数の有機テンプレートは、1種または複数のN,N,N-トリメチル-シクロヘキシルアンモニウム化合物を含む。好ましくは、互いに独立してテトラアルキルアンモニウム化合物は塩、より好ましくはハロゲン化物、好ましくは塩化物および/または臭化物、より好ましくは塩化物、水酸化物、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、酢酸塩、およびその2種以上の混合物からなる群から、より好ましくは塩化物、水酸化物、硫酸塩、およびその2種以上の混合物からなる群から選択される1種もしくは複数の塩であり、ここで、より好ましくは1種または複数のテトラアルキルアンモニウム化合物は、水酸化および/または塩化テトラアルキルアンモニウム、およびさらにより好ましくは水酸化テトラアルキルアンモニウムである。
【0037】
あるいは、1種または複数の有機テンプレートは、好ましくはテトラアルキルホスホニウム化合物からなる群から、より好ましくはテトラ(C1~C6)アルキルホスホニウム化合物からなる群から、より好ましくはテトラ(C1~C5)アルキルホスホニウム化合物からなる群から、より好ましくはテトラ(C1~C4)アルキルホスホニウム化合物からなる群から、より好ましくはテトラ(C2~C3)アルキルホスホニウム化合物からなる群から、より好ましくはテトラ-メチルホスホニウム化合物、エチルトリメチルホスホニウム化合物、ジエチルジメチルホスホニウム化合物、メチルトリエチルホスホニウム化合物、テトラエチルホスホニウム化合物、およびその2種以上の混合物からなる群から選択され、ここで、より好ましくは1種または複数の有機テンプレートは、テトラエチルホスホニウム化合物からなる群から選択される。
【0038】
好ましくは、(i)で製造され、(iii)で加熱された混合物は、1種または複数の有機テンプレートを含まない。
【0039】
本発明において、Yは、任意の四価元素であってよい。好ましくは、Yは、Si、Sn、Ti、Zr、Ge、およびその2種以上の組合せからなる群から選択され、Yは、より好ましくはSiである。一般に、(i)に基づいて、YO2の任意の適当な供給源を使用することができる。好ましくは、YO2の供給源は、ヒュームドシリカ、シリカヒドロゾル、反応性非晶質固体シリカ、シリカゲル、ケイ酸、水ガラス、メタケイ酸ナトリウム水和物、セスキケイ酸塩、二ケイ酸塩、コロイドシリカ、ケイ酸エステル、およびその2種以上の混合物からなる群から、より好ましくはヒュームドシリカ、シリカヒドロゾル、反応性非晶質固体シリカ、シリカゲル、ケイ酸、コロイドシリカ、ケイ酸エステル、およびその2種以上の混合物からなる群から、より好ましくはヒュームドシリカ、シリカヒドロゾル、反応性非晶質固体シリカ、シリカゲル、コロイドシリカ、およびその2種以上の混合物からなる群から選択される1種または複数の化合物を含み、ここで、さらにより好ましくはYO2の供給源は、ヒュームドシリカおよび/またはコロイドシリカ、好ましくはコロイドシリカを含む。
【0040】
本発明において、Xは、任意の三価元素であってよい。好ましくは、Xは、Al、B、In、Ga、およびその2種以上の組合せからなる群から選択され、Xは、より好ましくはAlである。一般に、(i)に基づいて、X2O3の任意の適当な供給源を使用することができる。好ましくは、X2O3の供給源は、アルミナ、アルミン酸塩、アルミニウム塩、およびその2種以上の混合物からなる群から、より好ましくはアルミナ、アルミニウム塩、およびその2種以上の混合物からなる群から、より好ましくはアルミナ、アルミニウムトリ(C1~C5)アルコキシド、AlO(OH)、Al(OH)3、ハロゲン化アルミニウム、好ましくはフッ化および/または塩化および/または臭化アルミニウム、およびより好ましくはフッ化および/または塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、フルオロケイ酸アルミニウム、[Al13O4(OH)24(H2O)12]7+含有塩、アルカリ金属アルミン酸塩、およびその2種以上の混合物からなる群から、より好ましくはアルミニウムトリ(C2~C4)アルコキシド、AlO(OH)、Al(OH)3、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、[Al13O4(OH)24(H2O)12]7+含有塩、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、およびその2種以上の混合物からなる群から、より好ましくはアルミニウムトリ(C2~C3)アルコキシド、AlO(OH)、Al(OH)3、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、[Al13O4(OH)24(H2O)12]7+含有塩、アルミン酸ナトリウム、およびその2種以上の混合物からなる群から、より好ましくはアルミニウムトリプロポキシド、AlO(OH)、硫酸アルミニウム、[Al13O4(OH)24(H2O)12]7+含有塩、アルミン酸ナトリウム、およびその2種以上の混合物からなる群から、ならびにより好ましくはアルミニウムトリプロポキシド、AlO(OH)、Al(OH)3、硫酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、およびその2種以上の混合物からなる群から選択される1種または複数の化合物を含む。
【0041】
好ましくは、(i)で製造された混合物は、OH-のための少なくとも1つの供給源をさらに含み、ここで、前記OH-のための少なくとも1つの供給源は、好ましくは金属水酸化物、より好ましくはアルカリ金属Mの水酸化物、より好ましくは水酸化ナトリウムおよび/またはカリウム、ならびにより好ましくは水酸化ナトリウムを含む。
【0042】
YO2の供給源、任意にX2O3の供給源、および液体溶媒系を含む、(i)で製造された混合物では、(i)で製造された混合物のYO2:X2O3モル比は、特定の制限を受けない。好ましくは、(i)で製造された混合物のYO2:X2O3モル比は、1~1,000、より好ましくは2~500、より好ましくは4~200、より好ましくは5~150、より好ましくは20~100、より好ましくは30~80、より好ましくは40~60、およびさらにより好ましくは45~55の範囲である。
【0043】
好ましくは、(i)で製造された混合物の液体溶媒系は、1種または複数の溶媒を含み、ここで、液体溶媒系は、好ましくは極性プロトン性溶媒およびその混合物からなる群から、
より好ましくはn-ブタノール、イソプロパノール、プロパノール、エタノール、メタノール、水、およびその混合物からなる群から、
より好ましくはエタノール、メタノール、水、およびその混合物からなる群から選択される1種または複数の溶媒を含み、
ここで、より好ましくは液体溶媒系は水を含み、ここで、より好ましくは水、好ましくは脱イオン水は、液体溶媒系として使用されている。好ましくは、(i)において、液体溶媒系は水を含み、ここで、(i)で製造された混合物のH2O:YO2モル比は、好ましくは1~400、より好ましくは1~300、より好ましくは2~200、より好ましくは2~150、より好ましくは2~100、より好ましくは3~50、より好ましくは4~30、より好ましくは4.5~20、より好ましくは5~15、より好ましくは5.5~12、およびさらにより好ましくは6~10の範囲である。
【0044】
工程(iii)に関して、(iii)で得られたゼオライト材料は、その2種以上の混合構造を含めた、AEI、AFX、ANA、BEA、BEC、CAN、CHA、CDO、EMT、ERI、EUO、FAU、FER、GME、HEU、ITH、ITW、KFI、LEV、MEI、MEL、MFI、MOR、MTN、MWW、OFF、RRO、RTH、SAV、SFW、SZR、およびTONからなる群から、より好ましくはその2種以上の混合構造を含めた、CAN、AEI、EMT、SAV、SZR、KFI、ERI、OFF、RTH、GME、AFX、SFW、BEA、CHA、FAU、FER、HEU、LEV、MEI、MEL、MFI、MOR、およびMWWからなる群から、より好ましくはその2種以上の混合構造を含めた、BEA、CHA、FAU、FER、GME、LEV、MFI、MOR、およびMWWからなる群から、より好ましくはその2種以上の混合構造を含めた、BEA、CHA、GME、MFI、MOR、およびMWWからなる群から、ならびにより好ましくはその2種以上の混合構造を含めた、BEA、CHA、MFI、およびMWWからなる群から選択される骨格構造を有することが好ましく、ここで、より好ましくは(iii)で得られたゼオライト材料は、CHAおよび/またはBEA骨格構造、好ましくはCHA骨格構造を有する。
【0045】
好ましくは、(i)で製造され、(iii)で加熱された混合物は、任意に固相を含有する単一の液相からなる。好ましくは、(iii)において反応器内で加熱された混合物は、機械的に撹拌され、ここで、より好ましくは機械撹拌は、反応器に含有されている可動部分によって達成される。
【0046】
一般に、本発明の方法によれば、任意の反応器を使用することが可能である。用語「反応器」は、本明細書では、反応混合物を反応させ、それによって反応した混合物を得ると同時に、反応混合物が本発明に基づく速度分布で流れることを可能にする任意の反応器を表す。好ましくは、反応器は、管形反応器であり、より好ましくは反応器は、同軸上に配置された内筒および外筒を含む、テイラー-クエット反応器であり、ここで、テイラー-クエット反応器は、好ましくは外筒を固定子として、回転子-固定子構成を有する。好ましくは、2つの同軸円筒は、互いに対して5~5,000rpm、より好ましくは10~3,000rpm、より好ましくは30~2,500rpm、より好ましくは50~2,000rpm、より好ましくは100~1,500rpm、より好ましくは150~1,200rpm、より好ましくは200~1,000rpm、より好ましくは250~800rpm、より好ましくは300~700rpm、より好ましくは350~650rpm、より好ましくは400~600rpm、およびより好ましくは450~550rpmの範囲の速度で回転する。好ましくは、2つの同軸円筒間のギャップは、0.3~50cm、より好ましくは0.4~30cm、より好ましくは0.5~25cm、より好ましくは0.6~20cm、より好ましくは0.6~15cm、より好ましくは0.7~10cm、より好ましくは0.7~5cm、より好ましくは0.8~3cm、より好ましくは0.8~2cm、より好ましくは0.9~1.5cm、より好ましくは0.9~1.2cm、およびより好ましくは1.0~1.1cmの範囲である。好ましくは、内筒の直径は、0.5~100cm、より好ましくは1~50cm、より好ましくは1.5~30cm、より好ましくは2~20cm、より好ましくは2.5~15cm、より好ましくは3~10cm、より好ましくは3.5~8cm、より好ましくは4~7cm、より好ましくは4.5~6cm、およびより好ましくは5~5.5cmの範囲である。2つの同軸円筒の長さは、好ましくは5~500cm、より好ましくは8~300cm、より好ましくは10~200cm、より好ましくは12~150cm、より好ましくは15~100cm、より好ましくは18~80cm、より好ましくは20~50cm、より好ましくは23~35cm、およびより好ましくは25~30cmの範囲である。好ましくは、内筒および/または外筒、より好ましくは外筒は、120~310℃、好ましくは140~290℃、より好ましくは160~270℃、より好ましくは180~260℃、より好ましくは200~250℃、より好ましくは210~240℃、およびより好ましくは220~230℃の範囲の温度まで加熱される。
【0047】
一般に、本発明の方法は、連続モードまたはバッチモードで実施することが可能である。好ましくは、(ii)における混合物の供給および(iv)における反応した混合物の回収は、連続モードおよび/またはバッチモード、より好ましくは連続モードで行われる。好ましくは、方法は、連続モードおよび/またはバッチモード、より好ましくは連続モードで行われる。(ii)における混合物の供給および(iv)における反応した混合物の回収は、好ましくは連続モードで行われ、また液空間速度は、0.3~250h-1、より好ましくは0.5~150h-1、より好ましくは1~100h-1、より好ましくは2~70h-1、より好ましくは5~50h-1、より好ましくは8~30h-1、より好ましくは10~20h-1、およびより好ましくは12~14h-1の範囲である。好ましくは、(ii)において混合物は、少なくとも1h~10年の期間、およびより好ましくは6h~8年、より好ましくは12h~7年、より好ましくは1日~6年、より好ましくは7日~5年、より好ましくは15日~4年、より好ましくは1カ月~3.5年、より好ましくは2カ月~3年、より好ましくは4カ月~2.5年、より好ましくは6カ月~2年、より好ましくは8カ月~18カ月、およびより好ましくは10~14カ月の範囲の期間、反応器に連続的に供給される。
【0048】
本発明はさらに、本明細書で上述した方法に基づいて得られるおよび/または得られた、YO2を含み、任意にX2O3を含む(式中、Yは、四価元素であり、Xは、三価元素である)骨格構造を有するゼオライト材料に関する。
【0049】
ゼオライト材料の使用目的に応じて、好ましくは(iv)から得られる材料をそのまま使用することができる。さらに、このゼオライト材料は、1つまたは複数のさらなる後処理工程にかけられることが考えられる。例えば、より好ましくは粉末として得られるゼオライト材料は、押出し、製錠、噴霧などを含むがそれらに限定されない、任意の適切な方法によって、成形品または成形体に適切に加工することができる。好ましくは、成形体は、長方形、三角形、六角形、正方形、楕円形もしくは円形の断面を有していてよく、かつ/または好ましくは星、タブレット、球体、円筒、ひも、または中空筒の形態である。成形体を製造する場合、成形体の使用目的に応じて選択され得る1種または複数の結合剤を使用することができる。可能な結合剤材料には、グラファイト、シリカ、チタニア、ジルコニア、アルミナ、ならびにケイ素、チタンおよびジルコニウムの2種以上の混合酸化物が含まれるが、それだけには限定されない。ゼオライト材料の結合剤に対する質量比は、一般に特定の制限を受けず、例えば、10:1~1:10の範囲となり得る。ゼオライト材料が、例えば、触媒として、または排気ガス流、例えばエンジンの排気ガス流を処理するための触媒成分として、使用されるさらなる例によれば、ゼオライト材料を、ウォールフローフィルターなどの適切な基材上に適用されるウォッシュコートの成分として使用することが可能である。
【0050】
YO2を含み、任意にX2O3を含む(式中、Yは、四価元素であり、Xは、三価元素である)骨格構造を有する本発明のゼオライト材料は、それだけには限らないが、モレキュラーシーブ、吸着剤として、イオン交換用に、触媒として、および/または触媒担体として、好ましくは触媒として、および/または触媒担体として、あるいは1種または複数のそれらを製造するための中間体を含む、考えられるどんな目的にも使用することができる。
【0051】
本発明は、以下の一連の実施形態ならびに示されている付属物および後方参照から生じる実施形態の組合せによってさらに例示される。特に、実施形態の範囲が言及されている各例において、例えば「実施形態1から4のいずれか一項に記載の方法」のような用語において、この範囲の全ての実施形態は、当業者にとって明示的に開示されることを意味し、すなわち、この用語の表現は、「実施形態1、2、3、および4のいずれか一項に記載の方法」と同義であると当業者によって理解されるべきであることに留意されたい。
【0052】
1.YO2を含み、任意にX2O3を含む(式中、Yは、四価元素であり、Xは、三価元素である)骨格構造を有するゼオライト材料を製造するための方法であって、
(i)YO2の供給源、任意にX2O3の供給源、および液体溶媒系を含む混合物を製造する工程;
(ii)(i)で製造された混合物を反応混合物として反応器に供給する工程;
(iii)反応器内の反応混合物を加熱して、YO2を含み、任意にX2O3を含む骨格構造を有するゼオライト材料を含有する反応した混合物を得る工程;および
(iv)ゼオライト材料を含有する(iii)で得られた反応した混合物を、反応器からの流出液として回収する工程;
を含み、
(iii)において反応混合物が、反応混合物が接触している反応器の外壁に対して反応混合物の流れを作るように剪断にさらされ、
(iii)において反応混合物が剪断減粘レオロジー(擬塑性レオロジー)を示す場合、反応混合物の流れ方向の速度分布v(r)は、(I)に基づく条件を満たし:
v(r)≦((v(r1)-vmin)・(r/r1))+vmin (I)
(iii)において反応混合物が剪断増粘レオロジー(ダイラタントレオロジー)を示す場合、反応混合物の流れ方向の速度分布v(r)は、(II)に基づく条件を満たし:
v(r)≧((v(r1)-vmin)・(r/r1))+vmin (II)
式中、rは、反応器内の反応混合物の流れ方向に垂直な反応器空間の断面積上の直線の長さを定義し、前記直線は、混合物と接触している反応器の壁の内面における第1の点(ここで、前記第1の点においてr0は0と定義され、vはその最小値(vmin=v(r0))を示す)から、第2の点(ここで、rはrmaxと定義され、vはその最大値(vmax=v(rmax))を示す)まで延び、r1=rmax/xであり、x=5、好ましくはx=4、より好ましくはx=3、より好ましくはx=2.5、より好ましくはx=2、より好ましくはx=1.8、より好ましくはx=1.6、より好ましくはx=1.5、より好ましくはx=1.4、より好ましくはx=1.3、より好ましくはx=1.2、より好ましくはx=1.1、より好ましくはx≧1であり、より好ましくはr=rmaxである、方法。
【0053】
2.直線rが、反応混合物と接触している反応器の壁の内面に対して垂直である、実施形態1の方法。
【0054】
3.(iii)において反応混合物が剪断減粘レオロジー(擬塑性レオロジー)を示す場合、速度分布の2次導関数v’’(r)が、(III)に基づく条件を満たし:
v’’(r)≧0 (III)
(iii)において反応混合物が剪断増粘レオロジー(ダイラタントレオロジー)を示す場合、速度分布の2次導関数v’’(r)が、(IV)に基づく条件を満たす:
v’’(r)≦0 (IV)、
実施形態1または2の方法。
【0055】
4.反応混合物が剪断減粘レオロジー(擬塑性レオロジー)を示す場合、反応混合物の流れ方向の速度分布v(r)が、0<r<rmaxでは(V)に基づく条件を満たし:
v(r)<((v(r1)-vmin)・(r/r1))+vmin (V)
反応混合物が剪断増粘レオロジー(ダイラタントレオロジー)を示す場合、反応混合物の流れ方向の速度分布v(r)が、0<r<rmaxでは(VI)に基づく条件を満たす:
v(r)>((v(r1)-vmin)・(r/r1))+vmin (VI)、
実施形態1~3のいずれかの方法。
【0056】
5.(iii)において反応混合物が剪断減粘レオロジー(擬塑性レオロジー)を示す場合、速度分布の2次導関数v’’(r)が、0<r<rmaxでは(VII)に基づく条件を満たし:
v’’(r)>0 (VII)
(iii)において反応混合物が剪断増粘レオロジー(ダイラタントレオロジー)を示す場合、速度分布の2次導関数v’’(r)が、0<r<rmaxでは(VIII)に基づく条件を満たす:
v’’(r)<0 (VIII)、
実施形態4の方法。
【0057】
6.(iii)において反応器内で加熱された混合物が、機械的に撹拌され、ここで、より好ましくは機械撹拌が、反応器に含有されている可動部分によって達成される、実施形態1~5のいずれかの方法。
【0058】
7.反応器が、同軸上に配置された内筒および外筒を含む、テイラー-クエット反応器であり、ここで、テイラー-クエット反応器が、好ましくは外筒を固定子として、回転子-固定子構成を有する、実施形態1~6のいずれかの方法。
【0059】
8.2つの同軸円筒が、互いに対して5~5,000rpm、好ましくは10~3,000rpm、より好ましくは30~2,500rpm、より好ましくは50~2,000rpm、より好ましくは100~1,500rpm、より好ましくは150~1,200rpm、より好ましくは200~1,000rpm、より好ましくは250~800rpm、より好ましくは300~700rpm、より好ましくは350~650rpm、より好ましくは400~600rpm、およびより好ましくは450~550rpmの範囲の速度で回転する、実施形態7の方法。
【0060】
9.2つの同軸円筒間のギャップが、0.3~50cm、好ましくは0.4~30cm、より好ましくは0.5~25cm、より好ましくは0.6~20cm、より好ましくは0.6~15cm、より好ましくは0.7~10cm、より好ましくは0.7~5cm、より好ましくは0.8~3cm、より好ましくは0.8~2cm、より好ましくは0.9~1.5cm、より好ましくは0.9~1.2cm、およびより好ましくは1.0~1.1cmの範囲である、実施形態7または8の方法。
【0061】
10.内筒の直径が、0.5~100cm、好ましくは1~50cm、より好ましくは1.5~30cm、より好ましくは2~20cm、より好ましくは2.5~15cm、より好ましくは3~10cm、より好ましくは3.5~8cm、より好ましくは4~7cm、より好ましくは4.5~6cm、およびより好ましくは5~5.5cmの範囲である、実施形態7~9のいずれかの方法。
【0062】
11.2つの同軸円筒の長さが、5~500cm、好ましくは8~300cm、より好ましくは10~200cm、より好ましくは12~150cm、より好ましくは15~100cm、より好ましくは18~80cm、より好ましくは20~50cm、より好ましくは23~35cm、およびより好ましくは25~30cmの範囲である、実施形態7~10のいずれかの方法。
【0063】
12.内筒および/または外筒、好ましくは外筒が、120~310℃、好ましくは140~290℃、より好ましくは160~270℃、より好ましくは180~260℃、より好ましくは200~250℃、より好ましくは210~240℃、およびより好ましくは220~230℃の範囲の温度まで加熱される、実施形態7~11のいずれかの方法。
【0064】
13.YO2を含み、任意にX2O3を含む(式中、Yは、四価元素であり、Xは、三価元素である)骨格構造を有するゼオライト材料を製造するための方法であって、
(i)YO2の供給源、任意にX2O3の供給源、および液体溶媒系を含む混合物を製造する工程;
(ii)(i)で製造された混合物を反応混合物として反応器に供給する工程;
(iii)反応器内の反応混合物を加熱して、YO2を含み、任意にX2O3を含む骨格構造を有するゼオライト材料を含有する反応した混合物を得る工程;および
(iv)ゼオライト材料を含有する(iii)で得られた反応した混合物を、反応器からの流出液として回収する工程;
を含み、反応器が、同軸上に配置された内筒および外筒を含むテイラー-クエット反応器である、方法。
【0065】
14.テイラー-クエット反応器が、外筒を固定子として、回転子-固定子構成を有する、実施形態13の方法。
【0066】
15.2つの同軸円筒が、互いに対して5~5,000rpm、好ましくは10~3,000rpm、より好ましくは30~2,500rpm、より好ましくは50~2,000rpm、より好ましくは100~1,500rpm、より好ましくは150~1,200rpm、より好ましくは200~1,000rpm、より好ましくは250~800rpm、より好ましくは300~700rpm、より好ましくは350~650rpm、より好ましくは400~600rpm、およびより好ましくは450~550rpmの範囲の速度で回転する、実施形態13または14の方法。
【0067】
16.2つの同軸円筒間のギャップが、0.3~50cm、好ましくは0.4~30cm、より好ましくは0.5~25cm、より好ましくは0.6~20cm、より好ましくは0.6~15cm、より好ましくは0.7~10cm、より好ましくは0.7~5cm、より好ましくは0.8~3cm、より好ましくは0.8~2cm、より好ましくは0.9~1.5cm、より好ましくは0.9~1.2cm、およびより好ましくは1.0~1.1cmの範囲である、実施形態13~15のいずれかの方法。
【0068】
17.内筒の直径が、0.5~100cm、好ましくは、1~50cm、より好ましくは1.5~30cm、より好ましくは2~20cm、より好ましくは2.5~15cm、より好ましくは3~10cm、より好ましくは3.5~8cm、より好ましくは4~7cm、より好ましくは4.5~6cm、およびより好ましくは5~5.5cmの範囲である、実施形態13~16のいずれかの方法。
【0069】
18.2つの同軸円筒の長さが、5~500cm、好ましくは8~300cm、より好ましくは10~200cm、より好ましくは12~150cm、より好ましくは15~100cm、より好ましくは18~80cm、より好ましくは20~50cm、より好ましくは23~35cm、およびより好ましくは25~30cmの範囲である、実施形態13~17のいずれかの方法。
【0070】
19.内筒および/または外筒、好ましくは外筒が、120~310℃、好ましくは140~290℃、より好ましくは160~270℃、より好ましくは180~260℃、より好ましくは200~250℃、より好ましくは210~240℃、およびより好ましくは220~230℃の範囲の温度まで加熱される、実施形態13~18のいずれかの方法。
【0071】
20.(iii)において、反応器の体積の少なくとも一部分Pの流動様式が層流であり、その部分Pが、好ましくは反応器の体積の連続した部分である、実施形態1~19のいずれかの方法。
【0072】
21.(iii)において、反応混合物を含有する反応器の体積の少なくとも一部分Pのレイノルズ数(Re)が、2,500以下、好ましくは2,000以下、より好ましくは1,500以下、より好ましくは1,000以下、より好ましくは500以下、より好ましくは300以下、より好ましくは200以下、より好ましくは100以下、より好ましくは80以下、より好ましくは60以下、より好ましくは40以下、より好ましくは20以下、より好ましくは10以下、より好ましくは5以下、より好ましくは3以下、かつより好ましくは1以下である、実施形態1~20のいずれかの方法。
【0073】
22.(iii)において、反応混合物を含有する反応器の体積の少なくとも一部分Pのテイラー数(Ta)、好ましくは接線テイラー数が、(III)に基づく条件を満たし:
Ta≦(1.52・Re)+n (III)
式中、n≦102、好ましくは≦100、より好ましくは≦98、より好ましくは≦95、より好ましくは≦90、より好ましくは≦80、より好ましくは≦60、より好ましくは≦40、より好ましくは≦20、より好ましくは≦10、より好ましくは≦5、かつより好ましくは≦1である、実施形態21の方法。
【0074】
23.好ましくは反応器の体積の連続した部分Pが、反応混合物を含有する反応器の全体積の5~100%を占め、好ましくは反応混合物を含有する反応器の全体積の10~95%、より好ましくは20~90%、より好ましくは30~85%、より好ましくは40~80%、より好ましくは50~75%、かつより好ましくは60~70%を占める、実施形態20~22のいずれかの方法。
【0075】
24.反応混合物が、剪断減粘レオロジー(擬塑性レオロジー)を示し、またはここで反応混合物が、剪断増粘レオロジー(ダイラタントレオロジー)を示し、ここで好ましくは反応混合物が、剪断減粘レオロジー(擬塑性レオロジー)を示す、実施形態1~23のいずれかの方法。
【0076】
25.反応混合物が、100~300℃、好ましくは120~280℃、より好ましくは140~260℃、より好ましくは160~250℃、より好ましくは180~240℃、より好ましくは190~230℃、およびより好ましくは200~220℃の範囲の温度まで加熱される、実施形態1~24のいずれかの方法。
【0077】
26.反応混合物を含有する反応器の体積が、5cm3~1m3、より好ましくは10cm3~1m3、より好ましくは20cm3~0.5m3、より好ましくは30cm3~0.1m3、より好ましくは50cm3~0.05m3、より好ましくは80cm3~0.01m3、より好ましくは100~5,000cm3、より好ましくは120~3,000cm3、より好ましくは150~1,000cm3、より好ましくは200~700cm3、より好ましくは230~500cm3、およびより好ましくは250~300cm3の範囲である、実施形態1~25のいずれかの方法。
【0078】
27.混合物と接触している反応器の壁の内面が、金属材料でできており、ここで、金属材料が、Ta、Cr、Fe、Ni、Cu、Al、Mo、およびその2種以上の組合せおよび/または合金からなる群から、好ましくはTa、Cr、Fe、Ni、Mo、およびその2種以上の組合せおよび/または合金からなる群から、好ましくはCr、Fe、Ni、Mo、およびその2種以上の組合せおよび/または合金からなる群から選択される1種または複数の金属を含み、ここで、好ましくは金属材料が、ニッケル合金、ニッケル-モリブデン合金、およびより好ましくはニッケル-モリブデン-クロム合金を含む、実施形態1~26のいずれかの方法。
【0079】
28.混合物と接触している反応器の壁の内面が、有機ポリマー材料で覆われており、ここで、有機ポリマー材料が、好ましくはフッ素化ポリアルキレンおよびその2種以上の混合物からなる群から、好ましくは(C2~C3)ポリアルキレンおよびその2種以上の混合物からなる群から、好ましくはフッ素化ポリエチレンおよびその2種以上の混合物からなる群から選択される1種または複数のポリマーを含み、ここで、より好ましくはポリマー材料が、ポリ(テトラフルオロエチレン)を含み、ここで、より好ましくは反応器の内壁が、ポリ(テトラフルオロエチレン)で覆われている、実施形態1~27のいずれかの方法。
【0080】
29.(iii)では反応混合物が自生圧力下で加熱され、ここで、好ましくは圧力が0.1~9MPaの範囲、より好ましくは0.5~7MPa、より好ましくは0.8~5MPa、より好ましくは1.3~3MPa、より好ましくは1.4~2MPa、より好ましくは1.5~1.7MPaの範囲である、実施形態1~28のいずれかの方法。
【0081】
30.反応器が、単一の段階からなる、実施形態1~29のいずれかの方法。
【0082】
31.(iii)において反応混合物が反応器を通過する間に、反応混合物が何も添加および/または除去されず、ここで好ましくは何も添加されず、ここでより好ましくは(iii)において反応混合物が反応器を通過する間に、反応混合物が何も添加されず、かつ何も除去されない、実施形態1~30のいずれかの方法。
【0083】
32.(ii)の前に、(i)で製造された混合物を、40~120℃、好ましくは50~110℃、より好ましくは60~105℃、より好ましくは70~100℃、より好ましくは75~95℃、およびより好ましくは80~90℃の範囲の温度で熟成させる、実施形態1~31のいずれかの方法。
【0084】
33.(i)においてかつ(ii)の前に、(i)で製造された混合物が、40℃以上、好ましくは35℃以上、より好ましくは30℃以上の温度まで加熱されず、ここで、より好ましくは、(i)においてかつ(ii)の前に、(i)で製造された混合物が、加熱工程にかけられない、実施形態1~32のいずれかの方法。
【0085】
34.(ii)の前に、(i)で製造された混合物を、1~72h、好ましくは6~62h、より好ましくは12~56h、より好ましくは24~50h、より好ましくは36~44h、およびより好ましくは38~42hの範囲の期間熟成させる、実施形態1~33のいずれかの方法。
【0086】
35.(i)で製造された混合物は、(ii)において反応器に直接供給され、ここで、(ii)において反応器に供給されている間、(i)で製造された混合物は、好ましくは100~300℃、より好ましくは100~280℃、より好ましくは140~260℃、より好ましくは160~250℃、より好ましくは180~240℃、より好ましくは190~230℃、およびより好ましくは200~220℃の範囲の温度まで予熱される、実施形態1~34のいずれかの方法。
【0087】
36.(iv)における反応した混合物の回収が、(iii)で反応器を出ていく反応混合物流出液を、1種もしくは複数の溶媒を含む液体で、および/または反応混合物流出液の膨張によって、クエンチすることを含む、実施形態1~35のいずれかの方法。
【0088】
37.クエンチするための液体が、極性プロトン性溶媒およびその混合物からなる群から、
好ましくはn-ブタノール、イソプロパノール、プロパノール、エタノール、メタノール、水、およびその混合物からなる群から、
より好ましくはエタノール、メタノール、水、およびその混合物からなる群から選択される1種または複数の溶媒を含み、
ここで、より好ましくは液体が、水を含み、かつここで、より好ましくは水、好ましくは脱イオン水が液体として使用される、実施形態36の方法。
【0089】
38.方法が、
(v)(iii)または(iv)で得られたゼオライト材料を単離する工程;
および/または、
(vi)好ましくは(iii)、(iv)または(v)で得られたゼオライト材料を洗浄する工程;
および/または、
(vii)好ましくは(iii)、(iv)、(v)、または(vi)で得られたゼオライト材料を乾燥する工程;
および/または、
(viii)好ましくは(iii)、(iv)、(v)、(vi)、または(vii)で得られたゼオライト材料をか焼する工程
をさらに含む、実施形態1~37のいずれかの方法。
【0090】
39.(v)においてゼオライト材料が、(iii)または(iv)から得られた反応した混合物から、ろ過、遠心分離および/またはデカント法を用いて、より好ましくは精密ろ過および/または限外ろ過を用いて単離され、ここで、より好ましくは膜ろ過によって精密ろ過および/または限外ろ過が達成される、実施形態38の方法。
【0091】
40.(v)でゼオライト材料の単離から得られた上清が、(i)および/または(ii)、好ましくは(i)に再循環される、実施形態39の方法。
【0092】
41.(vii)においてゼオライト材料が、(iii)、(iv)、(v)、または(vi)で得られたゼオライト材料のマイクロ波放射および/またはフラッシュ乾燥を用いて乾燥される、実施形態38~40のいずれかの方法。
【0093】
42.(vii)における乾燥および(viii)におけるか焼が、(iii)、(iv)、(v)、または(vi)で得られたゼオライト材料をか焼する1種または複数の工程によって達成される、実施形態38~41のいずれかの方法。
【0094】
43.(v)においてゼオライト材料の単離が、(iii)または(iv)で得られたゼオライト材料を噴霧乾燥する工程を含み、
かつ/または
ここで、(vii)においてゼオライト材料の乾燥が、(iii)、(iv)、(v)、または(vi)で得られたゼオライト材料を噴霧乾燥する工程を含む、
実施形態38の方法。
【0095】
44.(vii)における乾燥が、50~220℃、好ましくは70~180℃、より好ましくは80~150℃、より好ましくは90~130℃、より好ましくは100~125℃、およびより好ましくは110~120℃の範囲の温度で行なわれる、実施形態38~43のいずれかの方法。
【0096】
45.(viii)におけるか焼が、300~800℃、好ましくは350~750℃、より好ましくは400~725℃、より好ましくは450~700℃、より好ましくは500~675℃、およびより好ましくは550~650℃の範囲の温度で行なわれる、実施形態38~44のいずれかの方法。
【0097】
46.(i)で製造された混合物が、種結晶をさらに含み、ここで、(i)で製造された混合物中の種結晶の量が、(i)で製造された混合物に含有されるYO2として計算されたYの100質量%に基づいて、好ましくは0.1~20質量%、(i)で製造された混合物に含有されるYO2として計算されたYの100質量%に基づいて、好ましくは0.3~10質量%、より好ましくは0.5~5質量%、より好ましくは1~3質量%、およびさらにより好ましくは1.5~2.5質量%の範囲である、実施形態1~45のいずれかの方法。
【0098】
47.種結晶が、その2種以上の混合構造を含めた、AEI、AFX、ANA、BEA、BEC、CAN、CHA、CDO、EMT、ERI、EUO、FAU、FER、GME、HEU、ITH、ITW、KFI、LEV、MEI、MEL、MFI、MOR、MTN、MWW、OFF、RRO、RTH、SAV、SFW、SZR、およびTONからなる群から、好ましくはその2種以上の混合構造を含めた、CAN、AEI、EMT、SAV、SZR、KFI、ERI、OFF、RTH、GME、AFX、SFW、BEA、CHA、FAU、FER、HEU、LEV、MEI、MEL、MFI、MOR、およびMWWからなる群から、より好ましくはその2種以上の混合構造を含めた、AEI、AFX、BEA、CHA、ERI、FAU、FER、GME、LEV、MEL、MFI、MOR、およびMWWからなる群から、より好ましくはその2種以上の混合構造を含めた、AEI、AFX、BEA、CHA、ERI、FER、GME、MEL、MFI、MOR、およびMWWからなる群から、より好ましくはその2種以上の混合構造を含めた、AEI、BEA、CHA、ERI、MFI、およびMWWからなる群から、ならびにより好ましくはその2種以上の混合構造を含めた、AEI、BEA、CHA、MFI、およびMWWからなる群から選択される骨格構造を有する1種または複数のゼオライトを含み、ここで、より好ましくは種結晶が、CHAおよび/またはAEI骨格構造を有する1種または複数のゼオライトを含む、実施形態46の方法。
【0099】
48.(i)で製造された混合物が、1種または複数の有機テンプレートをさらに含む、実施形態1~47のいずれかの方法。
【0100】
49.1種または複数の有機テンプレートが、テトラアルキルアンモニウム化合物、1N-アルキル-3-キヌクリジノール、またはN,N,N-トリアルキル-exo-アミノノルボルナン、およびその2種以上の混合物からなる群から、
好ましくは1-アダマンチルトリ(C1~C3)アルキル-アンモニウム化合物、N,N,N-トリ(C1~C2)アルキル-(C5~C6)シクロアルキルアンモニウム化合物、N,N,N-トリメチル-N-ベンジルアンモニウム化合物、およびその2種以上の混合物からなる群から、
より好ましくは1-アダマンチルトリ(C1~C2)アルキル-アンモニウム化合物、N,N,N-トリ(C1~C2)アルキル-シクロペンチルアンモニウム化合物、N,N,N-トリ(C1~C2)アルキル-シクロヘキシルアンモニウム化合物、およびその2種以上の混合物からなる群から、
より好ましくは1-アダマンチルトリエチル-アンモニウム化合物、1-アダマンチルジエチル-メチルアルキル-アンモニウム化合物、1-アダマンチルエチル-ジメチル-アンモニウム化合物、1-アダマンチルトリメチル-アンモニウム化合物、N,N,N-トリエチル-シクロヘキシルアンモニウム化合物、N,N-ジエチル-N-メチル-シクロヘキシルアンモニウム化合物、N,N-ジメチル-N-エチル-シクロヘキシルアンモニウム化合物、N,N,N-トリメチル-シクロヘキシルアンモニウム化合物、およびその2種以上の混合物からなる群から選択され、
ここで、より好ましくは1種または複数の有機テンプレートが、1種または複数の1-アダマンチルトリメチル-アンモニウム化合物および/または1種または複数のN,N,N-トリメチル-シクロヘキシルアンモニウム化合物を含み、
ここで、より好ましくは1種または複数の有機テンプレートが、1種または複数のN,N,N-トリメチル-シクロヘキシルアンモニウム化合物を含む、実施形態48の方法。
【0101】
50.1種または複数の有機テンプレートが、テトラアルキルホスホニウム化合物からなる群から、より好ましくはテトラ(C1~C6)アルキルホスホニウム化合物からなる群から、より好ましくはテトラ(C1~C5)アルキルホスホニウム化合物からなる群から、より好ましくはテトラ(C1~C4)アルキルホスホニウム化合物からなる群から、より好ましくはテトラ(C2~C3)アルキルホスホニウム化合物からなる群から、より好ましくはテトラメチルホスホニウム化合物、エチルトリメチルホスホニウム化合物、ジエチルジメチルホスホニウム化合物、メチルトリエチルホスホニウム化合物、テトラエチルホスホニウム化合物、およびその2種以上の混合物からなる群から選択され、ここで、より好ましくは1種または複数の有機テンプレートが、テトラエチルホスホニウム化合物からなる群から選択される、実施形態48の方法。
【0102】
51.1種または複数の有機テンプレートが独立に、塩、好ましくはハロゲン化物、好ましくは塩化物および/または臭化物、より好ましくは塩化物、水酸化物、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、酢酸塩、およびその2種以上の混合物からなる群から、より好ましくは塩化物、水酸化物、硫酸塩、およびその2種以上の混合物からなる群から選択される1種もしくは複数の塩であり、ここで、より好ましくは1種もしくは複数のテトラアルキルアンモニウム化合物が、水酸化および/または塩化テトラアルキルアンモニウム、およびさらにより好ましくは水酸化テトラアルキルアンモニウムである、実施形態49または50の方法。
【0103】
52.(i)で製造され、(iii)で加熱された混合物が、1種または複数の有機テンプレートを含まない、実施形態1~47のいずれかの方法。
【0104】
53.Yが、Si、Sn、Ti、Zr、Ge、およびその2種以上の組合せからなる群から選択され、Yが、好ましくはSiである、実施形態1~52のいずれかの方法。
【0105】
54.YO2の供給源が、ヒュームドシリカ、シリカヒドロゾル、反応性非晶質固体シリカ、シリカゲル、ケイ酸、水ガラス、メタケイ酸ナトリウム水和物、セスキケイ酸塩、二ケイ酸塩、コロイドシリカ、ケイ酸エステル、およびその2種以上の混合物からなる群から、好ましくはヒュームドシリカ、シリカヒドロゾル、反応性非晶質固体シリカ、シリカゲル、ケイ酸、コロイドシリカ、ケイ酸エステル、およびその2種以上の混合物からなる群から、より好ましくはヒュームドシリカ、シリカヒドロゾル、反応性非晶質固体シリカ、シリカゲル、コロイドシリカ、およびその2種以上の混合物からなる群から選択される1種または複数の化合物を含み、ここで、さらにより好ましくはYO2の供給源が、ヒュームドシリカおよび/またはコロイドシリカ、好ましくはコロイドシリカを含む、実施形態1~53のいずれかの方法。
【0106】
55.Xが、Al、B、In、Ga、およびその2種以上の組合せからなる群から選択され、Xが好ましくはAlである、実施形態1~54のいずれかの方法。
【0107】
56.X2O3の供給源が、アルミナ、アルミン酸塩、アルミニウム塩、およびその2種以上の混合物からなる群から、好ましくはアルミナ、アルミニウム塩、およびその2種以上の混合物からなる群から、より好ましくはアルミナ、アルミニウムトリ(C1~C5)アルコキシド、AlO(OH)、Al(OH)3、ハロゲン化アルミニウム、好ましくはフッ化および/または塩化および/または臭化アルミニウム、およびより好ましくはフッ化および/または塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、フルオロケイ酸アルミニウム、[Al13O4(OH)24(H2O)12]7+含有塩、アルカリ金属アルミン酸塩、およびその2種以上の混合物からなる群から、より好ましくはアルミニウムトリ(C2~C4)アルコキシド、AlO(OH)、Al(OH)3、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、[Al13O4(OH)24(H2O)12]7+含有塩、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、およびその2種以上の混合物からなる群から、より好ましくはアルミニウムトリ(C2~C3)アルコキシド、AlO(OH)、Al(OH)3、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、[Al13O4(OH)24(H2O)12]7+含有塩、アルミン酸ナトリウム、およびその2種以上の混合物からなる群から、より好ましくはアルミニウムトリプロポキシド、AlO(OH)、硫酸アルミニウム、[Al13O4(OH)24(H2O)12]7+含有塩、アルミン酸ナトリウム、およびその2種以上の混合物からなる群から、ならびにより好ましくはアルミニウムトリプロポキシド、AlO(OH)、Al(OH)3、硫酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、およびその2種以上の混合物からなる群から選択される1種または複数の化合物を含む、実施形態1~55のいずれかの方法。
【0108】
57.(i)で製造された混合物が、OH-のための少なくとも1つの供給源をさらに含み、ここで、前記OH-のための少なくとも1つの供給源は、好ましくは金属水酸化物、より好ましくはアルカリ金属Mの水酸化物、より好ましくは水酸化ナトリウムおよび/または水酸化カリウム、ならびにより好ましくは水酸化ナトリウムを含む、実施形態1~56のいずれかの方法。
【0109】
58.(i)で製造された混合物のYO2:X2O3モル比が、1~1,000、好ましくは2~500、より好ましくは4~200、より好ましくは5~150、より好ましくは20~100、より好ましくは30~80、より好ましくは40~60、およびさらにより好ましくは45~55の範囲である、実施形態1~57のいずれかの方法。
【0110】
59.(i)で製造された混合物の液体溶媒系が、1種または複数の溶媒を含み、ここで、液体溶媒系が、好ましくは極性プロトン性溶媒およびその混合物からなる群から、
好ましくはn-ブタノール、イソプロパノール、プロパノール、エタノール、メタノール、水、およびその混合物からなる群から、
より好ましくはエタノール、メタノール、水、およびその混合物からなる群から選択される1種または複数の溶媒を含み、
ここで、より好ましくは液体溶媒系が水を含み、ここで、より好ましくは水、好ましくは脱イオン水が液体溶媒系として使用される、実施形態1~58のいずれかの方法。
【0111】
60.(i)において、液体溶媒系が水を含み、ここで、(i)で製造された混合物のH2O:YO2モル比が、好ましくは1~400、より好ましくは1~300、より好ましくは2~200、より好ましくは2~150、より好ましくは2~100、より好ましくは3~50、より好ましくは4~30、より好ましくは4.5~20、より好ましくは5~15、より好ましくは5.5~12、およびさらにより好ましくは6~10の範囲である、実施形態1~59のいずれかの方法。
【0112】
61.(iii)で得られたゼオライト材料が、その2種以上の混合構造を含めた、AEI、AFX、ANA、BEA、BEC、CAN、CHA、CDO、EMT、ERI、EUO、FAU、FER、GME、HEU、ITH、ITW、KFI、LEV、MEI、MEL、MFI、MOR、MTN、MWW、OFF、RRO、RTH、SAV、SFW、SZR、およびTONからなる群から、好ましくはその2種以上の混合構造を含めた、CAN、AEI、EMT、SAV、SZR、KFI、ERI、OFF、RTH、GME、AFX、SFW、BEA、CHA、FAU、FER、HEU、LEV、MEI、MEL、MFI、MOR、およびMWWからなる群から、より好ましくはその2種以上の混合構造を含めた、BEA、CHA、FAU、FER、GME、LEV、MFI、MOR、およびMWWからなる群から、より好ましくはその2種以上の混合構造を含めた、BEA、CHA、GME、MFI、MOR、およびMWWからなる群から、ならびにより好ましくはその2種以上の混合構造を含めた、BEA、CHA、MFI、およびMWWからなる群から選択される骨格構造を有しており、ここで、より好ましくは(iii)で得られたゼオライト材料が、CHAおよび/またはBEA骨格構造、好ましくはCHA骨格構造を有する、実施形態1~60のいずれかの方法。
【0113】
62.(i)で製造され、(iii)で加熱された混合物が、任意に固相を含有する単一の液相からなる、実施形態1~61のいずれかの方法。
【0114】
63.(ii)における混合物の供給および(iv)における反応した混合物の回収が、連続モードおよび/またはバッチモード、好ましくは連続モードで行われる、実施形態1~62のいずれかの方法。
【0115】
64.方法が、連続モードおよび/またはバッチモード、好ましくは連続モードで行われる、実施形態1~63のいずれかの方法。
【0116】
65.(ii)における混合物の供給および(iv)における反応した混合物の回収が、連続モードで行われ、また液空間速度が、0.3~250h-1、好ましくは0.5~150h-1、より好ましくは1~100h-1、より好ましくは2~70h-1、より好ましくは5~50h-1、より好ましくは8~30h-1、より好ましくは10~20h-1、およびより好ましくは12~14h-1の範囲である、実施形態1~64のいずれかの方法。
【0117】
66.(ii)において混合物が、少なくとも1h~10年の期間、および好ましくは6h~8年、より好ましくは12h~7年、より好ましくは1日~6年、より好ましくは7日~5年、より好ましくは15日~4年、より好ましくは1カ月~3.5年、より好ましくは2カ月~3年、より好ましくは4カ月~2.5年、より好ましくは6カ月~2年、より好ましくは8カ月~18カ月、およびより好ましくは10~14カ月の範囲の期間、反応器に連続的に供給される、実施形態63~65のいずれかの方法。
【0118】
67.実施形態1~66のいずれかの方法に基づいて得られるおよび/または得られたゼオライト材料。
【0119】
68.モレキュラーシーブとして、吸着剤として、イオン交換用に、触媒として、および/または触媒担体として、好ましくは触媒として、および/または触媒担体として、実施形態67に基づくゼオライト材料を使用する方法。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【
図1】テイラー-クエット反応器の一般的な構成を示し、反応混合物の入り口が反応器の右上部分に描写されており、出口が反応器の左下部分に描写されている、図である。図中、矢印は、中空管として描写されている反応器の内部回転子と、回転子と固定子の間の反応器の体積を表示するための透明なシェルとして描写されている外部マントル(固定子)の間のギャップにおける反応混合物の流れの増分方向を示している。図の下部にあるスケールは、シミュレーションに使用される反応器の寸法をメートルで表示する。
【
図2】実験セクションでシミュレーションに使用した反応混合物のレオロジーを示し、Pa・sにおける粘度が横軸に沿ってプロットされ、s
-1における剪断速度が縦軸に沿ってプロットされている図である。図中、剪断速度に依存する粘度挙動の関数が示されている。
【
図3】実施例1のシミュレーションためのテイラー-クエット反応器内の反応混合物の速度等高線を示し、図のスケールは、速度をm・s
-1で示し、0~0.6177m・s
-1の範囲である、図である。図の下部にあるスケールは、シミュレーションに使用される反応器の寸法をメートルで表示する。
【
図4】実施例1のシミュレーションのためのテイラー-クエット反応器内の反応混合物の温度等高線を示し、図のスケールは、ケルビン度(K)における温度を示し、300~500Kの範囲である、図である。図の下部にあるスケールは、シミュレーションに使用される反応器の寸法をメートルで表示する。
【
図5】実施例2のシミュレーションためのテイラー-クエット反応器内の反応混合物の速度等高線を示し、図のスケールは、速度をm・s
-1で示し、0~0.7616m・s
-1の範囲である、図である。図の下部にあるスケールは、シミュレーションに使用される反応器の寸法をメートルで表示する。
【
図6】実施例2のシミュレーションのためのテイラー-クエット反応器内の反応混合物の温度等高線を示し、図のスケールは、ケルビン度(K)における温度を示し、300~500Kの範囲である、図である。図の下部にあるスケールは、シミュレーションに使用される反応器の寸法をメートルで表示する。
【
図7】実施例3のシミュレーションためのテイラー-クエット反応器内の反応混合物の速度等高線を示し、図のスケールは、速度をm・s
-1で示し、0.82965m・s
-1の範囲である、図である。図の下部にあるスケールは、シミュレーションに使用される反応器の寸法をメートルで表示する。
【
図8】実施例3のシミュレーションのためのテイラー-クエット反応器内の反応混合物の温度等高線を示し、図のスケールは、ケルビン度(K)における温度を示し、300~500Kの範囲である、図である。図の下部にあるスケールは、シミュレーションに使用される反応器の寸法をメートルで表示する。
【
図9】参考例1で得られた異なる剪断速度の粘度測定の結果を示す図である。図中、温度測定点は「黒四角」、粘度測定点は「黒丸」で表示され、℃単位での温度値は右横軸に沿ってプロットされ、Pa・s単位での粘度値は、左横軸に沿ってプロットされている。分単位での粘度測定の期間は、縦軸に沿ってプロットされている。凡例では、剪断速度250、500、および750s
-1の場合の異なる粘度測定点が示されており、剪断速度250s
-1の場合の測定は、119分後に中断され、剪断速度750s
-1の場合の測定は、142分後に中断された。図中の点線は、加熱前の測定開始時の反応混合物の粘度レベルを示す。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0121】
実験セクション
本明細書で説明する実験は、シミュレーションプログラムAnsys(登録商標)Fluent(登録商標)v17.0.0を用いて行われた。シミュレーションは、
図1に示すように、内部回転子と外部固定子を備えたテイラー-クエット反応器構成に基づいており、反応混合物は、反応器の一端(
図1の反応器の右上)で導入され、反応器体積内の回転子の周りに同心状に流れ、反応器出口(
図1の反応器の左下)にらせん状に落ちた。シミュレーションに使用したパラメーターは、以下のとおりである:
円筒形状:
長さ=25cm
D
内=5cm
D
外=6cm
体積=0.00027m
3、面積=0.09m
2
標的反応時間:
Tau=5分(300s)
供給=0.6g/s(36ml/分)
温度:
壁 500K(227℃)
供給 300K(27℃)
圧力降下:1550Pa
材料特性(非ニュートン挙動):
緊硬度指数 1.1
ベキ法則指数(Power-Law Index) 0.252
【0122】
シミュレーションで使用した反応混合物の粘度特徴を
図2に示す。
【0123】
[実施例1]
実施例1:低いテイラー数でのシミュレーション
シミュレーションは、上記の反応構成で行われ、テイラー-クエット反応器の剪断速度は、反応混合物のレイノルズ数(Re)がRe=2.3であり、反応混合物のテイラー数(Ta)がTa=1であるように設定された。シミュレーションに基づいて得られた速度等高線は、
図3に示され、温度等高線は
図4に示されている。したがって、
図3に示したシミュレーションの結果からわかるように、選択された条件下で、反応混合物は、反応器体積の全長に沿って実質的に均一な速度分布を示し、約0・6m・s
-1の値であり、実質的に反応器の全長に沿った反応混合物の層流様式を示す。
図4に示した温度等高線からわかるように、反応混合物は、約350Kの温度値を示す上部入口領域から約460Kの値を示す下部出口領域まで、温度が徐々に上昇することを示す。
【0124】
[実施例2]
実施例2:高いテイラー数でのシミュレーション
さらなるシミュレーションが上記の反応構成で行われ、テイラー-クエット反応器の剪断速度は、反応混合物のレイノルズ数(Re)がRe=2.6であり、反応混合物のテイラー数(Ta)がTa=111であるように設定された。シミュレーションに基づいて得られた速度等高線は、
図5に示され、温度等高線は
図6に示されている。したがって、
図5に示したシミュレーションの結果からわかるように、選択された条件下で、反応混合物は、反応器体積の長さに沿って不規則な速度分布を示し、速度は、0.4m・s
-1の値と約0.7m・s
-1の値の間で規則正しく振動する。実施例1で得られた結果とは対照的に、前記速度等高線は、反応器の全長に沿った反応混合物の乱流様式が実質的にではないにしても少なくとも断続的であることを示す。さらに、
図6に示した温度等高線からわかるように、実施例1で得られた結果とは対照的に、これらのシミュレーション条件下では、温度勾配が実質的に得られない可能性があり、温度は、反応器体積の全長に沿って約500Kである。
【0125】
[実施例3]
実施例3:水溶液からゲルへの反応混合物の変化のシミュレーション
追加のシミュレーションを実施し、反応混合物のレオロジーは、前駆体化合物を含有する水溶液またはスラリーからのゼオライト材料の結晶化の過程で通常生じる、水溶液のレオロジーからゲルのレオロジーへの遷移をシミュレートするために変化する。特に、入口端から反応器体積の最初の3分の1までは水溶液に典型的なレオロジーを示し、反応器の出口までの反応器体積の最後の3分の2ではゲルに典型的なレオロジーを示すように、レオロジーをシミュレートした。このために、反応器体積の最初の3分の1では、反応混合物の加熱は適用されず、出口までの最後の3分の2だけに加熱が適用された。さらに、反応混合物の供給および回転速度は、60ml/分まで増大させた。
【0126】
したがって、
図7に示したシミュレーションの結果からわかるように、選択された条件下で、反応混合物は、反応器体積の最初の3分の1に沿って不規則な速度分布を示し、速度は、約0.2m・s
-1の値と約0.8m・s
-1の値の間で規則正しく振動し、したがって乱流様式が実質的ではないにしても少なくとも断続的であることを示す。しかしながら前記速度等高線は、約0.45m・s
-1の値で一定となるために減少し、次いで出口までの反応器体積残りの長さ全体にわたって観察され、反応器体積の部分内の層流様式を再度示す。さらに、
図8に示した温度等高線からわかるように、反応器長さの最初の3分の1は加熱されず、したがって300Kの温度を示し、それは反応混合物が反応器に入る前の温度である。反応混合物が加熱されている反応器長さの最後の3分の2では、2番目の3分の1は、約480Kの値まで徐々に増大することを示し、次いで前記温度は、反応器長さの最後の3分の1から出口まで維持される。したがって、反応器体積の最後の3分の2の反応混合物は、実施例1で得られた結果に似た速度および温度等高線を示す。
【0127】
[参考例1]
参考例1:斜方沸石を生成するための反応混合物で行なわれる粘度測定
N,N,N-トリメチルシクロヘキシルアンモニウムヒドロキシドを使用して斜方沸石を合成するための反応混合物を、WO 2013/182974 A1に記載されているように製造した。前記反応混合物の粘度特徴は、次いで、反応条件下で測定し、その場合混合物を内筒形状の加圧セル(DG35、12/PR)を使用した回転粘度計(Anton Paar、Physica MCR301)に入れた。反応混合物の試料を測定セルに入れた後、それを窒素ガスで8バールの圧力まで加圧した。次に粘度を測定し、試料を室温から毎分2℃の反応速度で170℃まで加熱し、その温度を一定に保持した。3つの試料は、それぞれの剪断速度、250s
-1、500s
-1、および750s
-1で測定され、剪断速度250s
-1の測定は119分後に中断され、剪断速度750s
-1の測定は142分後に中断され、また剪断速度500s
-1は300分後に中断された。測定の結果は、
図9に示されている。したがって、結果からわかるように、粘度は、最初の加熱段階で徐々に低減し、最高温度に達すると、かなり急激に増大し、次に結晶化反応の最後まで横ばいになり、そこでさらにかなりの粘度の増大が観察される。
【0128】
したがって、反応混合物の結晶化の粘度測定は、実施例3でシミュレートしたゼオライト材料の製造中の反応混合物のレオロジーの発展を裏付ける。
【0129】
引用された先行技術文献:
- US 2016/0115039 A1
- Liuら Angew. Chem. Int. Ed. 2015、54、5683~5687頁
- Ju、 J.ら Chemical Engineering Journal 2006、116、115~121頁
- Vandermeersch、T.ら Microporous and Mesoporous Materials 2016、226、133~139頁
- Liu、Z.ら Chemistry of Materials 2014、26、2327~2331頁
- Slangenら 「Continuous Synthesis of Zeolites using a Tubular Reactor」、 12th International Zeolite Conference、 Materials Research Society 1999
- Bonaccorsi, L.ら Microporous and Mesoporous Materials 2008、112、481~493頁
- US 2001/0054549 A1