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特許7384792プラズマ加熱された窓のマルチゾーン冷却
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-13
(45)【発行日】2023-11-21
(54)【発明の名称】プラズマ加熱された窓のマルチゾーン冷却
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20231114BHJP
   H05H 1/46 20060101ALI20231114BHJP
【FI】
H01L21/302 101C
H05H1/46 L
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2020526991
(86)(22)【出願日】2018-11-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-04
(86)【国際出願番号】 US2018060240
(87)【国際公開番号】W WO2019099313
(87)【国際公開日】2019-05-23
【審査請求日】2021-11-10
(31)【優先権主張番号】15/814,139
(32)【優先日】2017-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャン・イッティング
(72)【発明者】
【氏名】マーシュ・リチャード
(72)【発明者】
【氏名】スリラマン・サラバナプリヤン
(72)【発明者】
【氏名】パターソン・アレクサンダー
【審査官】小▲高▼ 孔頌
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0103875(US,A1)
【文献】特開2017-143059(JP,A)
【文献】特開2012-211359(JP,A)
【文献】特開2003-273085(JP,A)
【文献】特開2004-360061(JP,A)
【文献】特表2015-531163(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0020837(US,A1)
【文献】米国特許第09515633(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H05H 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理システムであって、
処理チャンバであって、前記処理チャンバの上部において前記処理チャンバを覆う窓を有する、処理チャンバと、
前記窓の上方に位置付けられ、前記処理チャンバ内のプラズマ処理ガスをイオン化するための電磁エネルギーを生成する、第1のコイルと、
作動時に空気流を生成する第1、第2、および第3の空気増幅器と、
前記第1のコイルの下方、かつ前記窓の上方に位置付けられたプレナムであって、前記プレナムが側壁を有し、また前記窓の上部表面の面積と同じ面積の頂部表面を有し、前記頂部表面が、前記プレナムの前記頂部表面の中央部に位置付けられた第1の空気入口を有して、前記第1の空気増幅器から前記空気流を受け取り、前記第1の空気入口が、前記第1のコイルの下方の前記窓の中央部のホットスポットを減らすように、前記プレナムの前記側壁の間にある前記窓にわたって空気を分配するための複数の孔を含む、プレナムであって、前記プレナムは、
前記窓の縁部の1つ以上のホットスポットを減らすように、前記第2の空気増幅器から前記空気流を受け取るための、前記プレナムの前記頂部表面の縁部の第2の空気入口と、
前記窓の中間部のホットスポットを減らすように、前記第3の空気増幅器から前記空気流を受け取るための、前記頂部表面の前記中央部と前記縁部との間にある、前記プレナムの前記頂部表面の中間部の第3の空気入口と、を更に含む、プレナムと、
複数の温度センサであって、前記複数の温度センサの各々が、前記窓の対応する部分の温度を測定し、検知された温度を出力する、複数の温度センサと、
前記検知された温度に応答して前記第1、前記第2、および前記第3の空気増幅器を制御して前記空気流を生成させるコントローラと、
を備える基板処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理システムであって、前記プレナムが、前記窓の前記上部表面の全てを覆うように寸法設定されている、基板処理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の基板処理システムであって、前記プレナムが、前記窓の前記上部表面の全てを覆う複数のプレナムを備える、基板処理システム。
【請求項4】
請求項3に記載の基板処理システムであって、前記複数のプレナムが、前記窓の前記上部表面の全てを覆う、基板処理システム。
【請求項5】
請求項1に記載の基板処理システムであって、前記プレナムの前記頂部表面の縁部に、前記プレナムが追加空気入口を有し、前記第1の空気増幅器が、前記第1の空気入口と前記追加空気入口の両方に空気流を供給する、基板処理システム。
【請求項6】
請求項1に記載の基板処理システムであって、追加空気増幅器を更に備え、前記プレナムが追加空気入口を有し、前記第1の空気増幅器が前記第1の空気入口に空気流を供給し、前記追加空気増幅器が前記追加空気入口に空気流を供給する、基板処理システム。
【請求項7】
請求項1に記載の基板処理システムであって、
前記プレナムの上方に位置付けられた第2のコイルを更に備え、前記第2のコイルが電磁エネルギーを供給して、前記処理チャンバ内の前記プラズマ処理ガスをイオン化する、基板処理システム。
【請求項8】
請求項7に記載の基板処理システムであって、前記第1のコイルと前記第2のコイルとが互いに導電結合されている、基板処理システム。
【請求項9】
請求項1に記載の基板処理システムであって、前記プレナムは、前記頂部表面に第1の空気出口を有する、基板処理システム。
【請求項10】
請求項1に記載の基板処理システムであって、前記プレナムは、前記側壁のうちの1つに第1の空気出口を有する、基板処理システム。
【請求項11】
請求項1に記載の基板処理システムであって、空気源と、前記空気源に接続された第1の弁および第2の弁とを更に備え、前記第1の空気増幅器が、前記第1の弁および前記第2の弁を介して前記空気源に接続され、前記コントローラが、前記空気源を制御し、前記第1の弁および前記第2の弁が空気流を供給し、前記第1の弁が供給する空気流の流量は、前記第2の弁が供給する空気流の流量よりも少ない、基板処理システム。
【請求項12】
基板処理システムであって、
処理チャンバであって、前記処理チャンバの上部において前記処理チャンバを覆う窓を有する、処理チャンバと、
前記窓の上方に位置付けられて、電磁エネルギーを生成して、前記処理チャンバ内のプラズマ処理ガスをイオン化するための複数のコイルと、
空気流を生成するための複数の空気増幅器と、
前記複数のコイルの下方、かつ前記窓の上方に位置付けられたプレナムであって、前記プレナムが側壁を有し、また前記窓の上部表面の面積と同じ面積の頂部表面を有し、前記複数のコイルの下方の、前記窓の1つ以上の領域内の1つ以上のホットスポットを減らすように、前記頂部表面が複数の空気入口を有して、前記複数の空気増幅器から前記空気流を受け取り、前記プレナムの前記側壁の間にある前記窓にわたって前記空気流を分配する、プレナムであって、前記複数の空気入口は、
前記複数の空気増幅器の第1の空気増幅器から前記空気流を受け取るように、前記プレナムの前記頂部表面の中央部に位置付けられ、前記窓の中央部のホットスポットを減らすように、複数の孔を含む第1の空気入口と、
前記窓の縁部のホットスポットを減らすように、前記複数の空気増幅器の第2の空気増幅器から前記空気流を受け取るための、前記プレナムの前記頂部表面の縁部の第2の空気入口と、
前記窓の中間部のホットスポットを減らすように、前記複数の空気増幅器の第3の空気増幅器から前記空気流を受け取るための、前記中央部と前記縁部との間にある、前記プレナムの前記頂部表面の中間部の第3の空気入口と、を含む、プレナムと、
複数の温度センサであって、前記複数の温度センサの各々が、前記窓の対応する部分の温度を測定し、検知された温度を出力する、複数の温度センサと、
前記検知された温度に応答して、前記複数の空気増幅器を制御するコントローラと、
を備える基板処理システム。
【請求項13】
請求項12に記載の基板処理システムであって、前記プレナムが、前記窓の前記上部表面の全てを覆うように寸法設定されている、基板処理システム。
【請求項14】
請求項12に記載の基板処理システムであって、前記プレナムが、前記窓の前記上部表面の全てを覆う複数のプレナムを備える、基板処理システム。
【請求項15】
請求項14に記載の基板処理システムであって、前記複数のプレナムが、前記窓の前記上部表面の全てを覆う、基板処理システム。
【請求項16】
請求項12に記載の基板処理システムであって、前記複数の空気増幅器の数が、前記複数の空気入口の数に等しい、基板処理システム。
【請求項17】
請求項12に記載の基板処理システムであって、前記複数の空気増幅器が前記複数の空気入口よりも少なく、前記複数の空気入口のうちの2つ以上が空気増幅器を共有する、基板処理システム。
【請求項18】
請求項12に記載の基板処理システムであって、前記複数のコイルが互いに導電結合されている、基板処理システム。
【請求項19】
請求項12に記載の基板処理システムであって、空気源と、前記空気源に接続された複数の弁対とを更に備え、前記複数の空気増幅器の各々が、前記複数の弁対のうちの1つを介して前記空気源に接続され、前記コントローラが、前記空気源および前記複数の弁対を制御して前記空気流を供給し、前記複数の弁対の各々の第1の弁が供給する空気流の流量は、前記複数の弁対の各々の第2の弁が供給する空気流の流量よりも少ない、基板処理システム。
【請求項20】
請求項1または請求項12に記載の基板処理システムであって、さらに、
前記第1の空気入口に接続された導管を有し、
前記導管の外周側面には、前記空気流を前記第1の空気入口に供給する出口孔を有する、基板処理システム。
【請求項21】
請求項1または請求項12に記載の基板処理システムであって、
前記複数の孔は、前記第1の空気入口の外周側面に配置されている、基板処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年11月15日に出願された米国特許出願公開第15/814,139号の優先権を主張する。上記で参照された出願の開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、基板処理システムに関し、より詳細には、基板処理システムにおけるチャンバ窓の冷却に関し、更により詳細には、基板処理システムにおけるチャンバ窓の冷却のための空気循環に関する。更により詳細には、本開示は、基板処理システムにおけるチャンバ窓を冷却するためのプレナム構造および関連する装置に関する。
【背景技術】
【0003】
本明細書で提供される背景技術の記載は、本開示の文脈を概略的に提示することを目的としている。本明細書にて名前を挙げた発明者の業績は、この「背景技術」に記載されている範囲において、ならびに、出願時点で先行技術と見なされ得ない記載の態様は、明示的にも黙示的にも本開示に対する先行技術として認められていない。
【0004】
基板処理システムを使用して、半導体ウェハなどの基板のエッチングおよび/または他の処理を実施することができる。基板は、基板処理システムの処理チャンバ内の台座上に構成され得る。例えば、プラズマエッチャーでのエッチング中に、1つ以上の前駆体を含むガス混合物が処理チャンバの中に導入され、プラズマが照射されて基板がエッチングされる。
【0005】
基板処理技術が進歩し、プロセスが10nmを下回るにつれて、高密度の基板処理チャンバに対する需要が高まっている。これまで以上に高出力のトランス結合プラズマ(TCP)が必要である。例えば、3D NANDマスクの開口などのプロセスでは、イオン角度分布が狭い高バイアス(>2500ワット)TCPが使用される。チャンバコンディショニングやフォトレジストトリミングなどの他の例では、十分に大量の高エネルギーイオン流束を基板表面に到達させ、よってプロセス時間を短縮させるために、高圧、高出力(>3000ワット)のTCPが必要になる場合がある。
【0006】
そのような高出力、高密度プロセスの結果の1つは、高エネルギーイオン流束が基板だけでなく、TCPコイルの下のセラミック/誘電体窓にも衝撃を与えることである。そのような衝撃は窓を加熱することになる。使用されるプロセスに応じて、窓の様々な部分が様々な時間に極めて大きな加熱に曝される場合がある。空気循環装置が、窓の部分を冷却するのに役立つ。しかし、使用され得るプロセスの変動により、窓のある部分は大量の熱を受ける場合があるが、空気循環装置は十分な冷却を提供しない。その結果、窓が割れて、チャンバが損傷し、修理が終わるまで高価な機器が稼働しないという大きなリスクがあり得る。
【0007】
窓にわたってより広範囲に空気循環を容易にして、より均一な温度(または少なくともホットスポットを少なくする)を促進し、いわゆる中央部高温、中間部高温、または縁部高温につながり得るプロセス条件に対処する試みが行われてきた。しかし、これまでは、そのような試みにより、窓領域が極度の温度差の影響を受けやすくなり、窓および/またはチャンバが損傷する危険があった。
【0008】
基板処理チャンバが使用されている間、誘電体窓内のホットスポットに、より良好に対処するマルチゾーン冷却装置を提供することが望ましいであろう。
【発明の概要】
【0009】
一態様では、基板処理システムは、基板処理チャンバ内における窓の全てまたは実質的に全てに対して冷却を提供するマルチゾーン冷却装置を含む。一態様では、装置は、基板処理チャンバ内のトランス結合プラズマ用のエネルギー源の下を含む、基板処理チャンバ内の窓の全てまたは実質的に全てを覆うための1つ以上のプレナムを含む。
【0010】
一態様では、1つ以上の空気増幅器および付随する導管が1つ以上のプレナムに空気を供給して、窓に空気流を供給する。一態様では、導管は、中央部から様々な距離においてプレナム入口に接続されて、窓全体に空気を導き、したがって、チャンバ内で実施されているプロセスに応じて、中央部高温、中間部高温、および縁部高温の状態に対処する。一態様では、プレナムは、中央部高温状態に対処するために空気を窓の中央部に導くための中心空気入口を含む。
【0011】
一態様では、1つ以上のプレナムが窓の全てまたは実質的に全てを覆っているので、空気増幅器に接続された導管のいくつかを外縁に向かって移動させて、いくつかの種類のプロセス中に起こり得る、いわゆる「縁部高温」状態に対処することができる。
【0012】
一態様では、1つ以上の空気増幅器を別個に制御することができる。一態様では、別個の制御は、導管ごとに1つ以上の別個の弁からもたらされる。低流量弁と高流量弁があり得る。一態様では、別個の制御は、空気増幅器のオン/オフ制御からもたらされる。
【0013】
一態様では、プレナムの下側の構成は、単独で、またはプレナムの頂部表面にある入口の位置付けと組み合わせて、様々な流れ構成を提供する。
【0014】
本開示の適用可能な更なる領域が、「発明を実施するための形態」、「特許請求の範囲」、および図面から明らかとなるであろう。「発明を実施するための形態」および具体例は、例示のみを目的としており、開示の範囲を限定することを意図していない。また本開示は以下の形態としても適用可能である。
[形態1]
基板処理システムであって、
処理チャンバであって、前記処理チャンバの上部において前記処理チャンバを覆う窓を有する、処理チャンバと、
前記窓の上方に位置付けられ、前記処理チャンバ内のプラズマ処理ガスをイオン化するための電磁エネルギーを生成する、第1のコイルと、
作動時に空気流を生成する第1の空気増幅器と、
前記第1のコイルの下方、かつ前記窓の上方に位置付けられた少なくとも1つのプレナムであって、前記少なくとも1つのプレナムが側壁を有し、また前記窓の上部表面の面積と実質的に同じ面積の頂部表面を有し、前記第1のコイルの下方の、前記窓の領域内のホットスポットを減らすように、前記頂部表面が第1の空気入口を有して、前記空気増幅器から前記空気流を受け取り、前記少なくとも1つのプレナムの前記側壁の間にある前記窓にわたって空気を分配する、少なくとも1つのプレナムと、
複数の温度センサであって、前記複数の温度センサの各々が、前記窓の対応する部分の温度を測定し、検知された温度を出力する、複数の温度センサと、
前記検知された温度に応答して前記第1の空気増幅器を制御して前記空気流を生成させるコントローラと、
を備える基板処理システム。
[形態2]
形態1に記載の基板処理システムであって、前記少なくとも1つのプレナムが、前記窓の前記上部表面の全てを覆うように寸法設定されている、基板処理システム。
[形態3]
形態1に記載の基板処理システムであって、前記少なくとも1つのプレナムが、前記窓の前記上部表面の実質的に全てを覆う複数のプレナムを備える、基板処理システム。
[形態4]
形態3に記載の基板処理システムであって、前記複数のプレナムが、前記窓の前記上部表面の全てを覆う、基板処理システム。
[形態5]
形態1に記載の基板処理システムであって、前記第1の空気入口が、前記プレナムの前記頂部表面のほぼ中央部に位置付けられる、基板処理システム。
[形態6]
形態5に記載の基板処理システムであって、前記プレナムが、前記プレナムの前記頂部表面の縁部に第2の空気入口を有し、前記基板処理システムが第2の空気増幅器を更に備えて、前記第2の空気入口を通して空気流を供給して、前記窓の縁部における1つ以上のホットスポットを減少させる、基板処理システム。
[形態7]
形態6に記載の基板処理システムであって、前記頂部表面の中心部と前記縁部との間にある、前記プレナムの前記頂部表面の中間部に、前記プレナムが第3の空気入口を有し、前記基板処理システムが第3の空気増幅器を更に備えて、前記第3の空気入口を通して空気流を供給して、前記窓の中間部におけるホットスポットを減少させる、基板処理システム。
[形態8]
形態5に記載の基板処理システムであって、前記プレナムの前記頂部表面の縁部に、前記プレナムが追加空気入口を有し、前記第1の空気増幅器が、前記第1の空気入口と前記追加空気入口の両方に空気流を供給する、基板処理システム。
[形態9]
形態5に記載の基板処理システムであって、追加空気増幅器を更に備え、前記プレナムが追加空気入口を有し、前記第1の空気増幅器が前記第1の空気入口に空気流を供給し、前記追加空気増幅器が前記追加空気入口に空気流を供給する、基板処理システム。
[形態10]
形態1に記載の基板処理システムであって、
前記プレナムの上方に位置付けられた第2のコイルを更に備え、前記第2のコイルが電磁エネルギーを供給して、前記処理チャンバ内の前記プラズマ処理ガスをイオン化する、基板処理システム。
[形態11]
形態10に記載の基板処理システムであって、前記第1のコイルと前記第2のコイルとが互いに導電結合されている、基板処理システム。
[形態12]
形態1に記載の基板処理システムであって、前記プレナムは、前記頂部表面に第1の空気出口を有する、基板処理システム。
[形態13]
形態1に記載の基板処理システムであって、前記プレナムは、前記側壁のうちの1つに第1の空気出口を有する、基板処理システム。
[形態14]
形態1に記載の基板処理システムであって、空気源と、前記空気源に接続された第1の弁および第2の弁とを更に備え、前記第1の空気増幅器が、前記第1の弁および前記第2の弁を介して前記空気源に接続され、前記コントローラが、前記空気源を制御し、前記第1の弁および前記第2の弁が空気流を供給し、前記第1の弁が比較的少ない空気流を供給し、前記第2の弁が比較的多い空気流を供給する、基板処理システム。
[形態15]
基板処理システムであって、
処理チャンバであって、前記処理チャンバの上部において前記処理チャンバを覆う窓を有する、処理チャンバと、
前記窓の上方に位置付けられて、電磁エネルギーを生成して、前記処理チャンバ内のプラズマ処理ガスをイオン化するための複数のコイルと、
空気流を生成するための複数の空気増幅器と、
前記複数のコイルの下方、かつ前記窓の上方に位置付けられた少なくとも1つのプレナムであって、前記少なくとも1つのプレナムが側壁を有し、また前記窓の上部表面の面積と実質的に同じ面積の頂部表面を有し、前記複数のコイルの下方の、前記窓の1つ以上の領域内の1つ以上のホットスポットを減らすように、前記頂部表面が複数の空気入口を有して、前記空気流、前記複数の空気増幅器を受け取り、前記少なくとも1つのプレナムの前記側壁の間にある前記窓にわたって前記空気流を分配する、少なくとも1つのプレナムと、
複数の温度センサであって、前記複数の温度センサの各々が、前記窓の対応する部分の温度を測定し、検知された温度を出力する、複数の温度センサと、
前記検知された温度に応答して、前記複数の空気増幅器を制御するコントローラと、
を備える基板処理システム。
[形態16]
形態15に記載の基板処理システムであって、前記少なくとも1つのプレナムが、前記窓の前記上部表面の全てを覆うように寸法設定されている、基板処理システム。
[形態17]
形態15に記載の基板処理システムであって、前記少なくとも1つのプレナムが、前記窓の前記上部表面の実質的に全てを覆う複数のプレナムを備える、基板処理システム。
[形態18]
形態17に記載の基板処理システムであって、前記複数のプレナムが、前記窓の前記上部表面の全てを覆う、基板処理システム。
[形態19]
形態15に記載の基板処理システムであって、前記複数の空気増幅器の数が、前記複数の空気入口の数に等しい、基板処理システム。
[形態20]
形態15に記載の基板処理システムであって、前記複数の空気増幅器が前記複数の空気入口よりも少なく、前記複数の空気入口のうちの2つ以上が空気増幅器を共有する、基板処理システム。
[形態21]
形態15に記載の基板処理システムであって、前記複数のコイルが互いに導電結合されている、基板処理システム。
[形態22]
形態15に記載の基板処理システムであって、空気源と、前記空気源に接続された複数の弁対とを更に備え、前記複数の空気増幅器の各々が、前記複数の弁対のうちの1つを介して前記空気源に接続され、前記コントローラが、前記空気源および前記複数の弁対を制御して前記空気流を供給し、前記複数の弁対の各々の第1の弁が比較的少ない空気流を供給し、前記複数の弁対の各々の第2の弁が比較的多い空気流を供給する、基板処理システム。
【0015】
本開示は、詳細な説明および添付の図面からより完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本開示の一態様によるプレナムおよび1つ以上の空気増幅器を含む基板処理チャンバの一例の機能ブロック図である。
【0017】
図2図2は、本開示の一態様によるエネルギー源の一例の概念図である。
【0018】
図3図3は、本開示の一態様によるプレナム、および1つ以上の空気増幅器を含み、かつ中央空気入口を含む、基板処理チャンバの一例の機能ブロック図である。
【0019】
図4A図4Aは、本開示の一態様による、プレナムおよび1つ以上の空気増幅器を含む基板処理チャンバの例の3次元図である。
図4B図4Bは、本開示の一態様による、プレナムおよび1つ以上の空気増幅器を含む基板処理チャンバの例の3次元図である。
【0020】
図5A図5Aは、本開示の一態様による中心空気入口の平面図の描画である。
図5B図5Bは、本開示の一態様による中心空気入口の側面図の描画である。
図5C図5Cは、本開示の一態様による中心空気入口の上面図の描画である。
図5D図5Dは、本開示の一態様による中心空気入口の底面図の描画である。
【0021】
図6図6は、本開示の一態様によるプレナムの上面図である。
【0022】
図7図7は、本開示の一態様によるプレナムの底面図である。
【0023】
図8A図8Aは、本開示の一態様によるプレナムの底面図である。
図8B図8Bは、本開示の一態様によるプレナムの底面図である。
【0024】
図9A図9Aは、本開示の一態様によるプレナムの底面図である。
図9B図9Bは、本開示の一態様によるプレナムの底面図である。
【0025】
図10A図10Aは、本開示の一態様によるプレナムの底面図である。
図10B図10Bは、本開示の一態様によるプレナムの底面図である。
【0026】
図11図11は、本開示の一態様によるプレナム構造の高レベル図である。
【0027】
図12図12は、本開示の一態様による空気増幅器および弁を動作させるためのコントローラの高レベルブロック図である。
【0028】
図13図13は、本開示の一態様による空気増幅器および弁を動作させるための方法の一例のステップを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図面において、参照番号は、類似のおよび/または同一の要素を識別するために再利用され得る。
【0030】
図1は、本開示の一態様による基板処理システムの要素を示す。図1の基板処理システムは、台座1010、および静電チャック(ESC)1020を有するチャンバ1000を含み、静電チャック上には基板1030が示されている。チャンバ1000の内部にプラズマ処理ガスを分配するために、プラズマ導管1040がシャワーヘッド1050に通じている。
【0031】
誘電体窓1100が、チャンバ1000の上部を覆っている。誘電体窓1100は、電磁エネルギーを伝達する誘電体材料から形成される。好適な誘電材料には石英およびセラミックが含まれ、例えば、窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al23)、または同様の透過特性を有する他の任意の耐熱材料が含まれる。
【0032】
誘電体窓1100の上に配置されるプレナム1200は、誘電体窓1100の全てまたは実質的に全てを覆うように寸法設定されている。冷却を最も容易にするのは何であるかに応じて、プレナム1200は、誘電体窓1100と直接接触してもよく、または誘電体窓1100のわずかに上方に、例えば、約0.25mm~約2mmに位置付けられてもよい。
【0033】
一態様では、プレナム1200は、頂部表面1210と側壁1220、および頂部表面1210にある1つ以上の空気入口1230を有する。一態様によれば、1つ以上の空気出口1240が設けられる。これらの出口は、頂部表面1210のどこかに(例えば、プレナム1200の中間に、または片側の方に)、または側壁1220の1つ以上の場所に様々にあり得る。
【0034】
図2に、より具体的に示すように)一態様では1つ以上のコイル1310、1320によって構成されるエネルギー源1300がプレナム1200の上方に配置され、その結果、プレナム1200がエネルギー源1300と窓1100との間に挟まれる。エネルギー源1300は、例えば、切子面を有する同心セグメントであって、互いに対して角度のあるターンで形成された同心セグメント、ソレノイド形状の導体、トロイド形状の導体、またはそれらの組み合わせなどの、電磁エネルギーを生成するのに適した任意の形状で形成されたコイルを含み得る。
【0035】
エネルギー源1300は、例えば、いくつかの実施形態では約50W~約20kW、一実施形態では約2kW超、別の実施形態では約3kW、更に別の実施形態では約4.5kWなど、広範囲の電力にわたって電磁エネルギーを生成することができる。一態様では、内側コイル1310と外側コイル1320とは、互いに導電結合されてもよい。他の態様では、複数のコイルが、複数の無線周波数(RF)発生器によって給電され得る。エネルギー源1300はマルチコイルRF源として示されているが、エネルギー源は、電磁エネルギーを生成して誘導結合プラズマを生成することができる任意のデバイスとすることができ、例えば、無線周波数(RF)源、電子サイクロトロン共鳴(ECR)、マイクロ波ホーン、スロットアンテナ、または円筒形の窓に巻き付けられた螺旋アンテナを使用するヘリコンソースであるが、これらに限定されない。
【0036】
動作中、一態様では、エネルギー源1300は、誘電体窓1100を介してチャンバ1000の中に電磁エネルギーを伝達して、プラズマ処理ガスの少なくとも一部をプラズマに変換する。異なる態様では、プラズマ処理ガスは、インジェクタを通って来るか、または図1に示すシャワーヘッド1050などの構成を通って、もしくはプラズマ処理ガスをチャンバ1000内に適切に分配するための任意の他の適切な構成を通って来る場合がある。電磁エネルギーの一部は、誘電体窓1100によって吸収され得る熱エネルギーに変換される。具体的には、一部の電磁エネルギーが、誘電体窓1100の誘電特性に応じて、熱に変換される場合があり、電磁エネルギーの更なる部分が、プラズマ処理ガスがイオン化された後に、誘電体窓1100によって吸収される場合がある。例えば、プラズマは、誘電体窓1100を加熱し得る。それに応じて、伝達された電磁エネルギーは、誘電体窓1100の温度を上昇させ得る。一態様では、電磁エネルギーは異方性であり、それにより、誘電体窓1100の様々な部分が、様々な量の電磁エネルギーを受ける。誘電体窓1100で誘起された熱を、誘電体窓1100を通して伝達された電磁エネルギーの量と相関させることができると考えられている。例えば、一態様では、誘電体窓1100は、電磁エネルギーの約40%を超える量を熱として吸収し得る。誘電体窓1100は、少なくとも約0.4kWの、例えば、一態様では約1kWを超える、別の態様では約1.5kWの、または更に別の態様では約2.25kWなどの電磁エネルギーを熱として吸収し得る。それに応じて、高温領域またはホットスポットが、誘電体窓1100の他の部分に比べて、電磁エネルギーによって誘起される比較的多くの量の熱に曝される誘電体窓1100の部分に形成され得る。
【0037】
基板処理システムは、誘電体窓1100において様々な温度条件をもたらす複数のプロセスを実装することができる。これら温度条件のいくつかは、誘電体窓1100にわたって大きな温度の不一致を引き起こし、誘電体窓1100に亀裂が生じやすくなる可能性がある。誘電体窓1100での温度の監視を容易にするために、1つ以上の温度センサ1400を窓1100の内部に配置してもよい。図1では、4つのそのような温度センサ1400が示されている。しかし、温度センサ1400の数は重要ではない。重要なことは、ホットスポットが発生する可能性のある窓1100のゾーンの温度を測定するのに十分なセンサ1400があることである。
【0038】
一態様では、プレナム1200は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFEまたは「テフロン(登録商標)」)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEIまたは「アルテム」)、セラミック、または任意の他の電磁エネルギー透過性材料などの受動材料から形成され、また他の材料も可能である。その結果、コイル1310、1320から伝達された電磁エネルギーは、プレナム1200からの干渉なしに、かつプレナム1200に悪影響を与えることなく、誘電体窓1100に到達することができる。
【0039】
一態様では、基板処理システムは1つ以上の空気増幅器1500を含み、関連する導管1550が空気入口1230に接続されている。図1は、2つのそのような空気増幅器1500および導管1550を示す。空気入口1230および導管1550は、プレナム頂部表面1210上の様々な位置に位置付けられ、図1の左側にある導管/入口の対は、誘電体窓1100の縁部により近く、図1の右側にある導管/入口の対は、誘電体窓1100の中間部により近い。それぞれの位置付けは、図1の左側の導管/入口の対が、誘電体窓1100における縁部高温条件に、より良好に対処することができてもよく、一方、図1の右側の導管/入口の対が、誘電体窓1100における中間部高温条件に、より良好に対処することができてもよいようになっている。
【0040】
本開示の態様によれば、プレナム1200を通じて供給される空気は、冷却を提供するための媒体である。空気増幅器1500-プレナム1200構造に加えて、他の冷却機構および冷却媒体を使用してもよいことが当業者には明らかであろう。
【0041】
図2は、一実施形態によるエネルギー源1300の一例の代表図である。図2では、エネルギー源1300は、コイル1310、1320を含むものとして示されている。前述のように、本開示の態様によれば、他のタイプのエネルギー源が適切な場合がある。
【0042】
図3は、図1に示すものと類似の基板処理システムの要素を示す。プレナム1200の中間にある空気出口1240の代わりに、更なる空気入口1230、および導管1850を介して空気入口1230’に接続された更なる空気増幅器1800がある。
【0043】
以下の図4にも示す中心空気入口1230は、関連する導管および空気増幅器構造と共に、特定のプロセス中に温度センサ1400が検出する重要な中央部高温状態に対処することを可能にする。一態様では、窓1100の周りの複数の領域に温度センサ1400を設けることにより、複数の領域においてホットスポットを検出するのに役立ち得る。より新しいプロセスでは様々な場所で、より強いホットスポットが生成され得るので、窓1100の表面全体にわたって冷却機能を提供することが重要である。窓1100の表面全体の実質的に全てにわたって延びるプレナム1200の提供によって容易になるように、空気入口および関連する導管を窓1100の表面にわたって、より広範囲に広げることが冷却の改善をもたらす。
【0044】
図4Aは、本開示の一態様による基板処理システムの3次元図を示す。図4Aでは、プレナム1200に対するコイル1310、1320の位置付け、具体的には、コイル1310、1320と誘電体窓1100との間へのプレナム1200の介在がより明らかである。2つの導管1550、1550および導管1850が、誘電体窓1100の中間部高温状態および中央部高温状態に対処する。
【0045】
図4Bは、本開示の一態様による基板処理の3次元図を示す。図4Bでは、4つの導管1550が、プレナム1200を介して窓1100の異なるゾーンに空気を供給する。図4Bの最も左側と最も右側の導管1550は、窓1100における縁部高温状態に対処するための位置付けを示す。図4Bの中間側にある導管1550は、誘電体窓1100の中間高温状態に対処するための位置付けを示す。導管1850は、誘電体窓1100の中央部高温状態に対処する。
【0046】
これらの様々な導管に対する空気増幅器は、導管を置くにはどこが意味があるかに応じて、基板処理システムの様々な側に置かれてもよい。加えて、示された導管の数は限定を構成しない。プレナム1200は、その下側がセクションに分割されて、窓1100の特定の領域への空気流を容易にしてもよい。その場合、個々のセクション内の空気流を処理するために、追加の空気入口と導管を設けてもよい。プレナム1200の下面がセクションに分割されておらず、単に側壁を有するのみであり、他の突出部や延長部がない場合であっても(例えば、場合により構造的安定性のため以外に)、追加の空気出口、および関連する導管ならびに空気増幅器を設けて、窓1100の表面を横切る空気流の更なる改善をもたらしてもよい。
【0047】
また図4には中心空気入口1850があり、これが、窓1100の中心部への空気の流れを可能にし、それにより特定のプロセス中の中央部高温状態に対処する。RFコイルの下ではなくRFコイルの周囲へのプレナムの構成と配置、および窓にわたって様々な数と様々な直径でのRFコイルの配置では、中心空気出口の配置を介した中央部の冷却を実現すること不可能であった。本開示の態様によるプレナムにより、中心空気入口のそのような配置が可能であり、それにより、特定のプロセスから生じる中央部高温状態の取り扱いが容易になる。
【0048】
図5A図5Dは、本開示の態様による中心空気入口1850の様々な図を示す。中心空気入口1850の外周は円形であるが、これは、中心空気入口1850をプレナム1200上に置く能力にとって重要ではない。加えて、図5A図5Dの中心空気入口1850の内周の輪郭は正方形であるが、これも重要ではない。様々な冷却の必要性に対処するために、中心空気入口1850は、様々な場所に様々な形状の出口孔を含み得る。
【0049】
図6および図7は、それぞれ、本開示の一態様による、プレナム1200の上面図および底面図を示す。図5では、プレナム1200の頂部表面1210は、空気入口1230および空気出口1240を有する。図6では、プレナム1200の底部表面1250は、空気入口1230および空気出口1240を有するが、空気出口1260も有し、プレナム1200の内部に、および誘電体窓1100にわたって空気流を供給する。
【0050】
図6および図7では、2つの空気入口があり、これらは対応する導管に、そしてそこから対応する空気増幅器に接続され得る。追加の導管および対応する空気増幅器に接続された追加の空気入口があり得る。
【0051】
図8Aおよび図8Bは、図6および図7と同様に、本開示の態様による1つのプレナムの底面図を示す。図8Bは、空気出口の位置付けを考慮した空気流を示す流れ矢印を示す。
【0052】
図9Aおよび図9Bは、本開示の態様による別のプレナムの底面図を示し、空気出口が、図8Aおよび図8Bにおける位置付けとは異なる位置に位置付けられている。図9Bは、空気出口の位置付けを考慮した空気流を示す流れ矢印を示す。
【0053】
図10Aおよび図10Bは、本開示の態様による更なる別のプレナムの底面図を示し、空気出口が、図7ならびに図8B、および図9Aならびに図9Bにおける位置付けとは異なる位置に位置付けられている。これらの図とは異なり、図10Aおよび図10Bの側壁1220に2つの空気出口1222、1224がある。図10Bは、空気出口の位置付けを考慮した空気流を示す流れ矢印1226、1228を示す。
【0054】
プレナム1200の様々な構成が示され、説明されてきた。組み立てに関しては、プレナム1200自体を、単一の部品として、または一緒に組み立てることができる複数のセグメントとして形成することができる。円形プレナムの場合、セグメントは、くさび形、または円弧形、または円周形であり得る。
【0055】
図1および図3は、誘電体窓1100の上部表面の実質的に全てを覆う単一プレナム1200の構造を示す。図6図7図8A図8B図9A図9B図10A、および図10Bもまた、単一プレナム構造を示す。本開示の態様によれば、その上部表面の実質的に全てを複数のプレナムが覆うことができる。図11は、前述の図のプレナム1200が覆う表面と本質的に同じ表面を覆うプレナム1200A、1200B、1200C、および1200Dを示す。図示の簡略化のために、図13では様々な空気増幅器およびコイル構造を省略している。
【0056】
図12では、コントローラ1600が、本開示の態様によるプレナム1200を通る空気流に関連して前述した空気増幅器1550’、1550’’’’、1550’’’、および1550’’’’の動作を制御する。一態様では、空気増幅器は、グループとして、または別々に、オンおよびオフにすることができる。一態様によれば、空気増幅器が、その動作モードを可能にするように構成されたモータを有する場合は、空気増幅器は、その動作(例えば、低、中、高)が変調されてもよい。
【0057】
図12はまた、本開示の一態様による、対応する空気増幅器1550’、1550’’、1550’’’、および1550’’’’に関連付けられた低流量弁1570’、1570’’、1570’’’、および1570’’’’を示す。いくつかの種類の空気増幅器では、特定のプロセスから生じた局所的なホットスポットゆえに特定の領域で選択的に、またはより一般的にのいずれかで、少量の空気流が必要な場合は、その関連する空気増幅器と空気源との間に位置付けられた低流量弁のうちの1つ以上が、関連する空気増幅器に、したがってプレナム1200における対応する空気入口に入る空気の量を制御してもよい。
【0058】
図12はまた、本開示の一態様による、やはり対応する空気増幅器1550’、1550’’、1550’’’、および1550’’’’に関連付けられた高流量弁1580’、1580’’、1580’’’、および1580’’’’を示す。特定のプロセスから生じた局所的なホットスポットゆえに特定の領域で選択的に、またはより一般的にのいずれかで、少量の空気流が必要な場合は、その関連する空気増幅器と空気源との間に位置付けられた高流量弁のうちの1つ以上が、関連する空気増幅器に、したがってプレナム1200における対応する空気入口に入る空気の量を制御してもよい。
【0059】
低流量弁と高流量弁を使用することにより、温度センサ1400の出力で示されるような、認識された必要に応じて、プレナム1200の中に様々な量の空気をポンプで送り込むことができる。
【0060】
一態様では、コントローラ1600はまた、空気増幅器に空気を供給する空気源1650の動作を制御する。一態様では、コントローラ1600は、空気流の動作制御専用である必要はなく、代わりに、基板処理チャンバの動作の他の態様を制御してもよい。
【0061】
空気増幅器が供給し得る空気流は、単独で、または低流量弁および/または高流量弁と組み合わされて、必要な空気流に依存して変化する場合があり、それにより、実行されているプロセスまたはプロセスの組み合わせに依存する場合がある。一態様では、各空気増幅器は、加圧空気が供給された場合、約20psig~約100psig、例えば、一態様では約25psig~約80psig、別の態様では約30psig、または別の態様では約50psigなどの圧力を有する、適切な空気流を供給することができる。空気増幅器は、少なくとも約20cfm、例えば、一態様では約20cfm~約3,000cfm、別の態様では約25cfm~約900cfm、なお別の態様では約30cfm~約230cfm、または更なる態様では約125cfm~約230cfmなどの速度で、適切な量の冷却空気70を供給することができる。
【0062】
図13は、本開示の態様による、基板処理システム内の空気流の動作制御を示すフローチャートである。制御は1700において開始する。1710において、温度センサ1400が、窓1100の様々なゾーンの温度を検知する。前述のように、異なる温度センサが、窓の異なるゾーンに関する温度情報を提供してもよい。一態様では、コントローラ1600が、中央部領域、中間部領域、および縁部領域に関する温度情報を受信して、予想される中央部高温、中間部高温、および縁部高温の状況を確認する。
【0063】
1720において、全ての温度がその目標値にある場合、監視は単純に続行される。温度のいずれかが目標値を上回っている場合、1730において、コントローラ1600は、プレナム1200に空気流を供給するように動作する。やはり前述のように、コントローラ1600は、空気増幅器のうちの1つ以上の動作を変調すること、または空気増幅器に空気を入れる1つ以上の低流量弁または高流量弁を制御することのいずれかによって、この動作を実行し、それによりプレナムへの空気流をもたらす。
【0064】
1740において、温度センサ1400はコントローラ1600に温度情報を提供し、コントローラは次いで1750において、いずれかのターゲットゾーンの温度のいずれかが、例えば1℃を超えて、ターゲットを超えているかどうかを確認する。そうでない場合は、温度は引き続き監視される。一態様では、コントローラ1600は、以前に起動された空気増幅器のうちの1つ以上を制限または遮断するように動作してもよい。測定された温度のいずれかが依然として高すぎる場合、1760において、コントローラ1600は、空気増幅器の間で流量を調整するように動作する。
【0065】
本開示に関して、空気増幅器の数が空気入口の数と等しいという特別な必要条件はない。一態様では、実行されるプロセスに応じて、複数の空気入口が同じ空気増幅器を共有することができる。同様に、空気入口の数が空気出口の数と等しいという特別な必要条件はない。本明細書で開示されるプレナムにより可能になるような、RFコイルの下部の領域を含む窓1100表面上の任意の場所のホットスポットに対処するのに十分な空気流を生成できる空気増幅器、空気入口、および空気出口の数の任意の組み合わせが、中でも、これらの領域に直接空気流を供給するプレナムの能力ゆえに許容される。
【0066】
前述の説明は本質的に単なる例示に過ぎず、本開示、その適用または使用を限定することは決して意図されていない。本開示の広範な教示は、様々な形で実現することができる。したがって、本開示は特定の例を含むが、図面、明細書、および以下の特許請求の範囲を検討すると、他の修正形態が明らかになるであろうから、本開示の真の範囲はそのように限定されるべきではない。本明細書で使用する場合、A、B、およびCのうちの少なくとも1つ、という語句は、非排他的論理和ORを使用した論理(A OR B OR C)を意味すると解釈されるべきであり、「Aのうちの少なくとも1つ、Bのうちの少なくとも1つ、およびCのうちの少なくとも1つ」を意味すると解釈されるべきではない。方法内の1つ以上のステップが、本開示の原理を変更することなく、異なる順序で(または同時に)実行されてもよいと理解すべきである。
【0067】
「実質的に」および「約」という用語は、本明細書では、任意の定量的な比較、値、測定、または他の表現に起因し得る固有の不確実性の程度を表すために利用され得る。これらの用語はまた、本明細書では、問題の主題の基本的な機能に変化をもたらすことなく、述べられた基準から量的表現が変化してもよい程度を表すために利用される。
【0068】
いくつかの実現形態では、コントローラは、上記の例の一部であり得るシステムの一部である。このようなシステムは、処理ツール、チャンバ、処理用プラットフォーム、および/または特定の処理構成要素(ウェハ台座、ガスフローシステムなど)を含む、半導体処理装置を備えることができる。これらシステムは、半導体ウェハまたは基板の処理前、処理中、および処理後の作業を制御するための電子機器に組み込まれてもよい。電子機器は「コントローラ」と呼ばれてよく、システムの様々な構成要素または副部品を制御してよい。コントローラは、処理要件および/またはシステムの種類に応じて、処理ガスの供給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、無線周波数(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体供給設定、位置および作業設定、特定のシステムと接続しているかまたはインタフェースしているツールおよび他の搬送ツールならびに/またはロードロックに対するウェハの搬出入、を含む、本明細書に開示されるプロセスのいずれをも制御するようにプログラムされてよい。
【0069】
大まかに言って、コントローラは、様々な集積回路、ロジック、メモリ、および/またはソフトウェアを有し、命令を受信し、命令を発行し、作業を制御し、クリーニング作業を有効にし、エンドポイント測定を有効にするような電子機器として定義されてよい。集積回路は、プログラム命令を格納するファームウェアの形態のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されたチップ、および/または1つ以上のマイクロプロセッサ、またはプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行するマイクロコントローラ、を含んでもよい。プログラム命令は、様々な個別設定(またはプログラムファイル)の形態でコントローラに伝達される命令であって、特定のプロセスを半導体ウェハ上でもしくは半導体ウェハ用に、またはシステムに対して実行するための作業パラメータを定義してよい。いくつかの態様では、作業パラメータは、1つ以上の層、材料、金属、酸化物、ケイ素、二酸化ケイ素、表面、回路、および/またはウェハダイの作製時に、1つ以上の処理ステップを実現するために、プロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってよい。
【0070】
いくつかの実現形態では、コントローラは、システムに組み込まれた、システムに結合された、もしくはシステムにネットワーク接続された、またはこれらの組み合わせであるコンピュータの一部であるか、またはそのコンピュータに結合されていてよい。例えば、コントローラは「クラウド」内にあるか、またはファブホストコンピュータシステムの全てもしくは一部であってもよく、それによりウェハ処理のリモートアクセスが可能になる得る。コンピュータは、システムへのリモートアクセスを可能にして、製造作業の現在の進行状況を監視し、過去の製造作業の履歴を調査し、複数の製造作業から傾向または性能の指標を調査して、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に続く処理ステップを設定するか、または新しいプロセスを開始し得る。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ローカルネットワークまたはインターネットを含み得るネットワークを経由して、プロセスレシピをシステムに提供できる。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定の入力もしくはプログラミングを可能にするユーザインタフェースを含んでもよく、パラメータおよび/または設定は次に、リモートコンピュータからシステムに通信される。いくつかの例では、コントローラは、1つ以上の作業中に実行される各処理ステップのためのパラメータを指定するデータ形式の命令を受信する。パラメータは、実行されるプロセスの種類、およびコントローラがインタフェースするか、または制御するように構成されているツールの種類に固有のものであってよいことを理解されたい。したがって、上述のように、コントローラは、例えば、互いにネットワーク化され、本明細書に記載のプロセスや制御などの共通の目的を目指している1つ以上の個別のコントローラを備えることによって、分散されてよい。そのような目的のための分散コントローラの例は、遠隔に置かれた(例えば、プラットフォームレベルで、またはリモートコンピュータの一部として)1つ以上の集積回路と通信状態にあるチャンバ上の1つ以上の集積回路であってよく、これらが組み合わされてチャンバでのプロセスを制御する。
【0071】
限定するわけではないが、例示的なシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属めっきチャンバまたはモジュール、クリーンチャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理気相成長(PVD)チャンバまたはモジュール、化学気相成長(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、トラックチャンバまたはモジュール、および半導体ウェハの作製および/または製造に関連するかもしくは使用されてよい任意の他の半導体処理システム、を含んでよい。
【0072】
上記のとおり、ツールによって実行されるプロセスステップに応じて、コントローラは、他のツール回路またはモジュール、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインタフェース、隣接するツール、近接するツール、工場全体に置かれたツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または半導体製造工場内のツール場所および/またはロードポートとの間でウェハ容器を搬出入する材料搬送に使用されるツール、のうちの1つ以上と通信し得る。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12
図13