(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-13
(45)【発行日】2023-11-21
(54)【発明の名称】イミダゾ[1,2-A]ピリミジンの位置選択的合成
(51)【国際特許分類】
C07D 487/04 20060101AFI20231114BHJP
【FI】
C07D487/04 144
C07D487/04 CSP
(21)【出願番号】P 2021566476
(86)(22)【出願日】2020-05-07
(86)【国際出願番号】 US2020031953
(87)【国際公開番号】W WO2020227576
(87)【国際公開日】2020-11-12
【審査請求日】2022-01-14
(32)【優先日】2019-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514099673
【氏名又は名称】エフ・ホフマン-ラ・ロシュ・アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】クラッグ, カイル ブラッドリー パスカル
(72)【発明者】
【氏名】ホワイト, ニコラス アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】チャン, ハイミン
(72)【発明者】
【氏名】ゴスラン, フランシス
(72)【発明者】
【氏名】ナック, ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】オシェイ, ポール ディー.
【審査官】前田 憲彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-522365(JP,A)
【文献】米国特許第03111525(US,A)
【文献】Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,2014年,24(1),P.254-257
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 487/
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(XXa)のアミノ-イミダゾ-ピリミジン化合物を合成する方法であって、
式XX-P1aの第1の化合物を式XX-P2の第2の化合物とカップリングすることを含み、
ここで、
R
1及びR
2は、それぞれ独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロアリールから選択され、任意のそのような基は、その利用可能な位置の1つ以上において、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシ、アミノアルキル、チオ、カルボキシ、シアノ、ハロ、アルキル、シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールから選択される基によって独立して置換されていてもよく、又は
R
1及びR
2は、それらが結合している窒素と一緒になって、3~12個の原子を有する環を形成し、この環は、その利用可能な位置のいずれか1つ以上において、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシ、アミノアルキル、カルボキシ、シアノ、チオ、ハロ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールから選択される基によって、場合により且つ独立して置換されており、
R
3及びR
4は、それぞれ独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、カルボキシレート、カルボシクリル、アリール、及びヘテロアリールから選択され、任意のそのような基は、その利用可能な位置の1つ以上において、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシ、アミノアルキル、チオ、シアノ、ハロ、アリール、及びヘテロアリールから選択される基によって独立して置換されていてもよく、又は、
R
3及びR
4は、それらがそれぞれ結合しているイミダゾール環の2つの炭素原子と一緒になってフェニル環を形成し、フェニル環は、その4つの利用可能な位置のいずれか1つ以上において、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシ、アミノアルキル、チオ、ニトロ、スルホニル、カルボキシ、シアノ、ハロ、アルキル、シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールから選択される基によって、場合により且つ独立して置換されており、任意のそのような基は、その利用可能な位置の1つ以上において、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシ、アミノアルキル、チオ、ニトロ、ハロアルキル、スルホニル、シアノ、ハロ、アルキル、シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールから選択される基によって、独立して置換されていてもよく;
前記カップリングは、PCl
5又はPOCl
3、塩基、及び非水性溶媒の存在下で行われる、方法。
【請求項2】
前記塩基がトリアルキルアミンである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
R
3及びR
4が、それらがそれぞれ結合しているイミダゾール環の2つの炭素原子と一緒になってフェニル環を形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
式(XX-P1a)の化合物が、
を、PCl(O)(OEt)
2、N-メチルイミダゾール、及びMeCNと反応させることを含む方法によって合成される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記PCl(O)(OEt)
2は、リン酸水素ジエチルを1,3,5-トリクロロ-1,3,5-トリアジナン-2,4,6-トリオンと反応させることによって形成される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記式XX-P2の化合物を、以下:
(E)-3-エトキシアクリル酸を、塩化オキサリル、SOCl
2から選択される塩素化剤と、クロロギ酸メチル、クロロギ酸エチル、クロロギ酸イソプロピル、及びクロロギ酸イソブチルから選択されるクロロギ酸アルキルと反応させて、(E)-3-エトキシアクリロイルクロリドを形成すること;及び
(E)-3-エトキシアクリロイルクロリドを、非プロトン性溶媒中、アミンR
1R
2NHと反応させること
で形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記塩素化剤がSOCl
2である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記非水性溶媒がMeCN、MeTHF又はそれらの混合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
式(XXb)のアミノ-イミダゾ-ピリミジン化合物を合成する方法であって、
式XX-P1bの第1の化合物を式XX-P2の第2の化合物とカップリングすることを含み、
ここで、
R
1及びR
2は、それぞれ独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、アリール又はヘテロアリールから選択され、任意のそのような基は、その利用可能な位置の1つ以上において、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシ、アミノアルキル、チオ、カルボキシ、シアノ、ハロ、アルキル、シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールから選択される基によって独立して置換されていてもよく、又は
R
1及びR
2は、それらが結合している窒素と一緒になって、3~12個の原子を有する環を形成し、この環は、その利用可能な位置のいずれか1つ以上において、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシ、アミノアルキル、カルボキシ、シアノ、チオ、ハロ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールから選択される基によって、場合により且つ独立して置換されており、
R
3及びR
4は、それぞれ独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、カルボキシレート、カルボシクリル、アリール、及びヘテロアリールから選択され、任意のそのような基は、その利用可能な位置の1つ以上において、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシ、アミノアルキル、チオ、シアノ、ハロ、アリール、及びヘテロアリールから選択される基によって独立して置換されていてもよく、又は、
R
3及びR
4は、それらがそれぞれ結合しているイミダゾール環の2つの炭素原子と一緒になってフェニル環を形成し、フェニル環は、その4つの利用可能な位置のいずれか1つ以上において、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシ、アミノアルキル、チオ、ニトロ、スルホニル、カルボキシ、シアノ、ハロ、アルキル、シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールから選択される基によって、場合により且つ独立して置換されており、任意のそのような基は、その利用可能な位置の1つ以上において、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシ、アミノアルキル、チオ、ニトロ、ハロアルキル、スルホニル、シアノ、ハロ、アルキル、シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールから選択される基によって独立して置換されていてもよく;
前記カップリングは、POCl
3、塩基、及び非水性溶媒の存在下で行われる、方法。
【請求項10】
前記塩基がトリアルキルアミンである、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張
本出願は、いずれも参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2019年5月9日に出願された米国仮特許出願第62/845,840号及び2019年11月18日に出願された米国仮特許出願第62/937,069号に対する35U.S.C.§119(e)の下での優先権の利益を主張する。
【0002】
本明細書に記載の技術は、一般に有機合成に関し、より詳細には、置換イミダゾ-ピリミジン基を含有する分子への位置選択的合成経路に関する。
【背景技術】
【0003】
イミダゾ-ピリミジン部分は、有機化学において頻繁に遭遇する縮合環複素環式官能基である。それ自体は、創薬並びに治療及び診断用途において関心のあるいわゆる「有機小分子」のコアメンバー又は骨格の一部として見出される。特に、ベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-2-アミン骨格(3-縮合環系)は、最近、アルツハイマー病などの神経病理に関連するタウタンパク質プラークに対して強い結合親和性を有するいくつかの陽電子放射断層撮影(PET)イメージング剤において有用性が見出された。(例えば、Zhang,W.;Arteaga,J.;Cashion,D.K.;Chen,G.;Gangadharmath,U.;Gomez,L.F.;Kasi,D.;Lam,C.;Liang,Q.;Liu,C.;Mocharla,V.P.;Mu,F.;Sinha,A.;Szardenings,A.K.;Wang,E.;Walsh,J.C.;Xia,C.;Yu,C.;Zhao,T.;Kolb,H.C.,「A highly selective and specific PET tracer for imaging of tau pathologies」,J.Alzheimer’s Dis.2012,31,601-612;Gobbi,L.C.;Knust,H.;Korner,M.;Honer,M.;Czech,C.;Belli,S.;Muri,D.;Edelmann,M.R.;Hartung,T.;Erbsmehl,I,;Grall-Ulsemer,S.;Koblet,A.;Rueher,M.;Steiner,S.;Ravert,H.T.;Mathews,W.B.;Holt,D.P.;Kuwabara,H.;Valentine,H.;Dannals,R.F.;Wong,D.F.;Borroni,E.,「Identification of three novel radiotracers for imaging aggregated tau in Alzheimer’s disease with positron emission tomography.」J.Med.Chem.,2017,60,7350-7370;Gao,M.;Wang,M.;Zheng,Q-.H.「Concise and high-yield synthesis of T-808 and T808P for radiosynthesis of [18F]-T808,a PET tau tracer for Alzheimer’s disease」,Bioorg.Med.Chem.Lett.,2014,24,254-257を参照。)この骨格は、治験中のタウ分解分子(例えば、Crew,A.P.;Berlin,M.;Flanagain,J.J.;Dong,H.;Ishchenko,A.,「Tau-protein targeting protacs and associated methods of use」,米国特許出願公開第20180125821号明細書、2018年5月10日を参照)及びハンチントン病などの神経変性状態に関連する他のタンパク質を同定するためのイメージング剤(例えば、Dominguez,C.;Wityak,J.;Bard,J.;Kiselyov,A.;Brown,C.J.;Prime,M.E.;Johnson,P.D.;Clark-Frew,D.;Schaertl,S.;Herrmann,F.;Grimm,S,K.;Kahmann,J.D.;Scheich,C.,「Probes for Imaging Huntington Protein」、国際公開第2016033440号、2016年3月3日を参照)にも見られる。より一般的には、ベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジンモチーフは、抗神経変性(例えば、Pavlov,P.Winblad,B.「Pyrimidobenzimidazoles for use in the treatment and prevention of neurodegenerative disorders.」国際公開第2017168137号、2017年10月5日を参照)、抗高血圧(例えば、El-Shorbagi,A.-N.A.;Husein,M.A.「An approach to hypertension crisis:Evaluation of new fused banzazoles;2-ar-ylethenyl and 2,4-bis(arylethenyl)derivatives derived from 2,4-dimethylpyrimido[1,2-a]benzimidazole.」Pharma Chemica 2015,7,319-328を参照)、抗微生物(例えば、Algul,O.;Meric,A.;Polat,S.;Yuskek,N.D.;Serin,M.S.Comparative studies on conventional and microwave-assisted synthesis of a series of 2,4-di and 2,3,4-trisubstituted benzimidazo[1,2-a] pyrimidines and their antimicrobial ac-tivities.Cent.Eur.J.Chem.2009,7,337-342を参照)及び抗ウイルスの活性(例えば、Farghaly,T.A.;Hafez,N.A.A.;Ragab,E.A.;Awad,H.M.;Abdalla,M.M.Synthesis,anti-HCV,「antioxidant,and per-oxynitrite inhibitory activity of fusedbenzosuberone derivatives.」Eur.J.Med.Chem.2010,45,492-500を参照)を示す分子に組み込まれている。
【0004】
バイオマーカー分子の臨床用途のために、18Fなどの放射性同位体が、患者への化合物の投与の直前に前駆体分子に導入される。これに対応して、標識化の準備ができている前駆体が大量に利用可能でなければならないので、前駆体の効率的な合成が特に望ましい。
【0005】
従来、ベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン誘導体は、アミノイミダゾールと、-位に脱離基を有するエノン又はエナールとの縮合を介して合成されてきた。(例えば、Bajwa,J.S.;Sykes,P.J.「Synthesis and Structure of Some Azolo [a] pyrimidines,2,6,7,8-tetrahydro-1 H-cyclopenta[e]azolo[a]pyrimidines,6,7-dihydro-5H-cyclopenta[f]-azolo[a]pyrimidines,7,8-dihydro-6H-cyclopenta[f]-s-triazolo[4,3-b]pyridazine,5,6,7,8-tetrahydro-azolo [blquinazolines,6,7,8,9-Tetra hydroazolo[a]quinazolines,and 7,8,9,10-Tetrahydro-s-triazolo[3,4-a]phthalazine.」J.Chem.Soc.Perkin Trans.1 1979,12,3085-3094;及び、Tseng,S-.S.;Epstein,J.W.;Brabander,H.J.;Francisco,G.,「A simple regioselective synthesis of pyrimido[1,2-a]benzimidazoles」,J.Heterocycl.Chem.,1987,24,837-843を参照。)このアプローチは、一般に、高い収率及び良好な異性体選択性でイミダゾピリミジン生成物を提供する。しかしながら、このアプローチの範囲は、-不飽和アルデヒド及びケトンに限定され、これは、生成物が非置換又はアルキル化イミダゾピリミジンに限定されることを意味する。したがって、アミノイミダゾールから他の官能化イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-アミンへの直接的なアクセスを提供するスキームが必要とされている。
【0006】
本明細書における背景の説明は、本技術の文脈を説明するために含まれる。これは、言及された資料のいずれかが、本明細書に添付された特許請求の範囲のいずれかの優先日に公開された、知られている、又は共通の一般知識の一部であることを認めるものと解釈されるべきではない。
【0007】
本出願の説明及び特許請求の範囲を通して、「含む(comprise)」という語及び「含む(comprising)」及び「含む(comprises)」などのその変形は、他の添加剤、成分、整数又はステップを排除することを意図しない。
【発明の概要】
【0008】
本開示は、複素環式有機分子、具体的には、イミダゾピリミジン部分を含有する複素環式有機分子の位置選択的合成に対処する。特に、本開示は、置換イミダゾピリミジンを高収率で作製することができるカップリング工程を含む。
【0009】
特に、本開示は、式(XXa)及び(XXb)の置換イミダゾピリミジンを合成するための方法を含む。
その方法は、
式XX-P1a又はXX-P1bの第1のアミノ-イミダゾール化合物を式XX-P2の第2のアクリルアミド化合物とカップリングすることを含む。
【0010】
以下の構造が互いに互変異性体であることが当業者によって理解される。
【0011】
右側の構造は固体状態で見られるが、溶液中では2つの構造は互変異性平衡にあることが観察されている。本明細書の記載において、特定の互変異性体が文脈から意図されない限り、2つの互変異性体は交換可能に使用され得る。
【0012】
式XX-P2において、R1及びR2は、それぞれ独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、アリール又はヘテロアリールから選択され、任意のそのような基は、その利用可能な位置の1つ以上において、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシ、アミノアルキル、カルボキシ、シアノ、チオ、ハロ、アリール、及びヘテロアリールから選択される基によって独立して場合により置換されていてもよく、又はR1及びR2は一緒になって、3~12個の原子を有するシクロアルキル環を形成し、そのシクロアルキル環は、その利用可能な位置のいずれか1つ以上において、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシ、アミノアルキル、カルボキシ、シアノ、チオ、ハロ、アリール、及びヘテロアリールから選択される基によって、場合により且つ独立して置換されていてもよい。
【0013】
式XX-P1a及びXX-P1bにおいて、R3及びR4は、それぞれ独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロアリールから選択され、任意のそのような基は、その利用可能な位置の1つ以上において、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシ、アミノアルキル、チオ、シアノ、ハロ、アリール、及びヘテロアリールから選択される基によって独立して置換されていてもよい。
【0014】
他の実施形態では、R3及びR4は一緒になってフェニル環を形成し、フェニル環は、その4つの利用可能な位置のいずれか1つ以上において、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシ、アミノアルキル、チオ、ニトロ、スルホニル、カルボキシ、シアノ、ハロ、アリール、及びヘテロアリールから選択される基によって、場合により且つ独立して置換されており、任意のそのような基は、その利用可能な位置の1つ以上において、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシ、アミノアルキル、チオ、シアノ、ハロ、アリール又はヘテロアリールから選択される基によって独立して置換されていてもよい。
【0015】
好ましい実施形態では、XX-P1a又はXX-P1bとXX-P2との間のカップリングは、POCl3、ET3N及び非水性溶媒の存在下で行われる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本明細書中にさらに記載される方法である、ベンゾイミダゾール前駆体からのベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン骨格に対する合成アプローチを示す。
【0017】
【0018】
【
図3】ベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-2-アミンを生成するために使用されるβ-エトキシアクリルアミドの例。
【0019】
【
図4】ベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-2-アミンを与えるアミノ(ベンズ)イミダゾールの例。
【0020】
【
図5】ベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2,a]ピリミジン-4-アミンを調製するためのホスホルアミデート3との反応におけるβ-エトキシアクリルアミドの例。
【0021】
【
図6】アミノ-ベンズイミダゾールカップリングパートナーにおける窒素原子の計算された部分電荷。
【0022】
【
図7】本明細書に記載の様々な化合物のX線結晶構造。
【発明を実施するための形態】
【0023】
これより、合成方法の特定の実施形態を詳細に参照するが、それらの例は、添付の構造及び式に例示されている。本方法は、列挙される実施形態と併せて説明されるが、それらは、本発明をこれらの実施形態に限定することを意図するものではないことを理解されたい。逆に、本説明は、全ての代替形、修正形及び同等物を網羅することが意図されており、それらは、特許請求の範囲によって定義される本方法の範囲内に含まれ得る。当業者であれば、本方法の実施に使用することができる、本明細書に記載されたものと類似又は同等の多くの方法及び材料を認識するであろうので、本方法は記載された方法及び材料に限定されない。引用される文献、特許、及び同様の資料のうちの1つ以上が、本発明の説明(定義される用語、用語の用法、記載される技法等を含むがそれらに限定されない)と異なるか、又は矛盾する場合は、本説明が優先される。別段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本方法が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載するのと同様又は等価な方法及び材料を、本方法の実施又は試験に使用することができるが、適切な方法及び材料を以下に記載する。本出願で使用される命名法は、特に明記しない限り、ACSスタイルガイド及びThe Journal of Organic Chemistryリスト「Standard Abbreviations and Acronyms」(両方ともAmerican Chemical Society,Washington,D.C.によって公開されたものである)、並びにIUPAC系統命名法に基づいている。
定義
【0024】
化学元素は、Periodic Table of the Elements,CASバージョン,Handbook of Chemistry and Physics,第75版に従って同定される。
【0025】
用語「ヘテロ原子」は、炭素又は水素以外の原子、例えば、酸素、硫黄、窒素、リン又はケイ素(窒素、硫黄、リン、又はケイ素の任意の酸化形態、及び任意の窒素の四級化形態を含む)の1つ以上から独立して選択される任意の原子を意味する。
【0026】
「飽和」という用語は、非水素原子間のすべての結合が単一の共有結合である官能基を意味する。
【0027】
本明細書で使用される「不飽和」という用語は、官能基が二重結合又は三重結合によって連結された1対以上の非水素原子を有することを意味する。二重結合又は三重結合によって互いに結合された一対の非水素原子は、不飽和の単位と呼ぶことができる。単結合によって互いに分離された2つ以上の不飽和単位を含む官能基は、共役と呼ばれることが多い。
【0028】
本明細書で使用される場合、「部分不飽和」という用語は、環原子間に少なくとも1つの二重結合又は三重結合を含むが、環部分は芳香族ではない環部分を指す。
【0029】
芳香環又は環系(1対の原子をエッジとして共有する1つ以上の環を含む)は、完全に共役している環である。典型的には、芳香族環は、共役π電子の数が式4n+2(式中、nは整数である)に従ういわゆるヒュッケル則によって特徴付けられる。
【0030】
本明細書で使用される用語「アルキル」とは、一価の飽和直鎖又は分枝鎖炭化水素基を意味する。一実施態様では、アルキル基は、1~18個の炭素原子(C1-C18)である。他の実施態様では、アルキルラジカルは、C1-C16、C1-C15、C1-C13、C1-C12、C1-C10、C1-C8、C1-C6、C1-C5、C1-C4又はC1-C3である。C0アルキルは、結合を指す。アルキル基の例としては、制限されないが以下が挙げられる:メチル(Me、-CH3)、ethyl(Et、-CH2CH3)、1-プロピル(n-Pr、n-プロピル、-CH2CH2CH3)、2-プロピル(i-Pr、i-プロピル、-CH(CH3)2)、1-ブチル(n-Bu、n-ブチル、-CH2CH2CH2CH3)、2-メチル-1-プロピル(i-Bu、i-ブチル、-CH2CH(CH3)2)、2-butyl(s-Bu、s-ブチル、-CH(CH3)CH2CH3)、2-メチル-2-プロピル(t-Bu、t-ブチル、-C(CH3)3)、1-ペンチル(n-ペンチル、-CH2CH2CH2CH2CH3)、2ペンチル(-CH(CH3)CH2CH2CH3)、3-ペンチル(-CH(CH2CH3)2)、2-メチル-2-ブチル(C(CH3)2CH2CH3)、3-メチル-2-ブチル(-CH(CH3)CH(CH3)2)、3-メチル-1-ブチル(CH2CH2CH(CH3)2)、2-メチル-1-ブチル(-CH2CH(CH3)CH2CH3)、1-ヘキシル(CH2CH2CH2CH2CH2CH3)、2-ヘキシル(-CH(CH3)CH2CH2CH2CH3)、3-ヘキシル(CH(CH2CH3)(CH2CH2CH3))、2-メチル-2-ペンチル(-C(CH3)2CH2CH2CH3)、3-メチル-2-ペンチル (-CH(CH3)CH(CH3)CH2CH3)、4-メチル-2-ペンチル(CH(CH3)CH2CH(CH3)2)、3-メチル-3-ペンチル(-C(CH3)(CH2CH3)2)、2-メチル-3-ペンチル(-CH(CH2CH3)CH(CH3)2)、2,3-ジメチル-2-ブチル(-C(CH3)2CH(CH3)2)、3,3-ジメチル-2-ブチル(-CH(CH3)C(CH3)3、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル及びドデシル。
【0031】
本明細書で使用される「アルケニル」という用語は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する直鎖又は分岐鎖の一価炭化水素ラジカルを示す。アルケニルは、「シス」及び「トランス」配向、あるいは「E」及び「Z」配向を有するラジカルを含む。一例において、アルケニルラジカルは、2~18個の炭素原子を含む(C2-C18)。他の例では、C2-C12、C2-C10、C2-C8、C2-C6又はC2-C3である。例としては、エテニル又はビニル(-CH=CH2)、プロパ-1-エニル(-CH=CHCH3)、プロパ-2-エニル(-CH2CH=CH2)、2メチルプロパ-1-エニル、ブタ-1-エニル、ブタ-2-エニル、ブタ-3-エニル、ブタ-1,3-ジエニル、2メチルブタ-1,3-ジエン、ヘキサ-1-エニル、ヘキサ-2-エニル、ヘキサ-3-エニル、ヘキサ-4-エニル及びヘキサ-1,3-ジエニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0032】
本明細書で使用される用語「アルキニル」とは、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有する、直鎖又は分枝鎖の一価炭化水素ラジカルを意味する。一例では、アルキニルラジカルは、2~18個の炭素原子(C2-C18)である。他の例では、アルキニルラジカルは、C2-C12、C2-C10、C2-C8、C2-C6又はC2-C3である。さらなる例としては、エチニル(-C≡CH)、プロパ-1-イニル(-C≡CCH3)、プロパ-2-イニル(プロパルギル、-CH2C≡CH)、ブタ-1-イニル、ブタ-2-イニル及び3-イニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0033】
本明細書で使用される「ハロアルキル」という用語は、1つ以上の(例えば、1、2、3、又は4)ハロ基で置換された本明細書で定義されるアルキルを指す。単独で又はより大きな部分の一部として使用される「カルボシクリル」という用語は、3~20個の炭素原子を有する飽和、部分不飽和、又は芳香族環系を指す。一実施形態では、カルボシクリルは、3~12個の炭素原子(C3-C12)を有する環系を含む。別の実施形態では、カルボシクリルは、C3-C8、C3-C10又はC5-C10を有する環系を含む。他の実施形態では、カルボシクリルは、単環として、C3-C8、C3-C6又はC5-C6を含む。別の実施形態では、カルボシクリルは、二環式環系として、C7-C12を含む。別の実施形態において、カルボシクリルは、スピロ系として、C5-C12を含む。単環式カルボシクリルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1-シクロペンタ-1-エニル、1-シクロペンタ-2-エニル、1-シクロペンタ-3-エニル、シクロヘキシル、ペルジュウテリオシクロヘキシル、1-シクロヘキサ-1-エニル、1-シクロヘキサ-2-エニル、1-シクロヘキサ-3-エニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル、フェニル及びシクロドデシルなどのシクロアルキル環が挙げられるが、これらに限定されない。7~12個の環原子を有する二環式カルボシクリルの例としては、[4,3]、[4,4]、[4,5]、[5,5]、[5,6]又は[6,6]環系、例えばビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ビシクロ[2.2.2]オクタニル、ナフタレニル及びビシクロ[3.2.2]ノナニルが挙げられる。スピロ-カルボシクリルの例としては、スピロ[2.2]ペンタニル、スピロ[2.3]ヘキサニル、スピロ[2.4]ヘプタニル、スピロ[2.5]オクタニル及びスピロ[4.5]デカニルが挙げられる。カルボシクリルという用語は、本明細書の他の箇所で定義されるアリール(ヘテロアリールではない)環系を含む。
【0034】
脂環式環は、アリール又は芳香環ではない炭素環式環である。
【0035】
「アルコキシ」という用語は、Rがアルキルである式-ORによって表される直鎖又は分岐鎖の一価ラジカルを指す。アルコキシ基には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ及びイソプロポキシが含まれるが、これらに限定されない。
【0036】
単独で、又は「アリールアルキル」、「アリールアルコキシ」若しくは「アリールオキシアルキル」のようなより大きな部分の一部として使用される「アリール」という用語は、縮合環を含む単環式、二環式又は三環式の炭素環系を指し、系中の少なくとも1つの環は芳香族である。「アリール」という用語は、「アリール環」という用語と互換的に使用され得る。一実施形態では、アリールは、6~18個の炭素原子を有する基を含む。別の実施形態では、アリールは、6~10個の炭素原子を有する基を含む。アリール基の例としては、フェニル、ナフチル、アントラシル、ビフェニル、フェナントレニル、ナフタセニル、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレニル、1H-インデニル、2,3-ジヒドロ-1H-インデニルなどが挙げられ、これらは本明細書に記載の1つ以上の置換基で置換又は独立して置換されていてもよい。具体的なアリールはフェニルである。別の実施形態では、アリールは、インダニル、フタルイミジル、ナフチイミジル、フェナントリジニル又はテトラヒドロナフチルなどの1つ以上の炭素環に縮合したアリール環を含み、ここで、ラジカル又は結合点は芳香環上にある。
【0037】
単独で、又はより大きな部分、例えば「ヘテロアリールアルキル」若しくは「ヘテロアリールアルコキシ」の一部として使用される「ヘテロアリール」という用語は、少なくとも1つの環が芳香族であり、少なくとも1つのヘテロ原子を含む、5~14つの環原子を有する単環式、二環式又は三環式の環系を指す。一実施形態では、ヘテロアリールは、4~6員の単環式芳香族基を含み、1つ以上の環原子は、独立して場合により置換されていてもよい窒素、硫黄又は酸素である。別の実施形態では、ヘテロアリールは、5~6員の単環式芳香族基を含み、1つ以上の環原子は、独立して場合により置換されていてもよい窒素、硫黄又は酸素である。別の実施形態では、ヘテロアリールは、1つ以上の環原子(例えば、1、2、3、4、5、6、7、又は8つ)が独立して場合により置換されていてもよい窒素、硫黄又は酸素である二環式又は三環式芳香族基を含む。ヘテロアリール基の例としては、チエニル、フリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、テトラゾリル、チアトリアトリアゾリル、オキサトリアトリアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、テトラジニル、テトラゾロ[1,5-b]ピリダジニル、イミダゾール[1,2-a]ピリミジニル、プリニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾイミダゾリル、インドリル、1,3-チアゾール-2-イル、1,3,4-トリアゾール-5-イル、1,3-オキサゾール-2-イル、1,3,4-オキサジアゾール-5-イル、1,2,4-オキサジアゾール-5-イル、1,3,4-チアジアゾール-5-イル、1H-テトラゾール-5-イル、1,2,3-トリアゾール-5-イル、及びピリド-2-イルN-オキシドが挙げられる。「ヘテロアリール」という用語はまた、ヘテロアリールが1つ以上のアリール環、カルボシクリル環、又はヘテロシクリル環に縮合しており、ラジカル又は結合点がヘテロアリール環上にある基を含む。非限定的な例としては、インドリル、イソインドリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、4H-キノリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル及びピリド[2,3-b]-1,4-オキサジン-3(4H)-オニルが挙げられる。ヘテロアリール基は、単環式、二環式又は三環式であり得る。
【0038】
本明細書で使用される場合、「ヘテロシクリル」という用語は、1つ以上(例えば、1、2、3、又は4つ)の炭素原子がヘテロ原子(例えば、O、N、又はS)で置き換えられている、本明細書で定義される「カルボシクリル」を指す。いくつかの実施形態では、ヘテロシクリルは、3から12員飽和ヘテロシクリル環系などの飽和環系を指す。いくつかの実施形態では、ヘテロシクリルは、5~14員ヘテロアリール環系などのヘテロアリール環系を指す。ヘテロシクリルは、本明細書で定義されるものから独立して選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。一実施形態では、ヘテロシクリルは、1つ以上の環原子が、独立して場合により置換されていてもよい窒素、硫黄又は酸素(例えば、1、2、3又は4つ)である5~6員の単環式環式基を含む。別の実施形態では、ヘテロシクリルは、1つ以上の環原子(例えば、1、2、3、4、5、6、7、又は8つ)が独立して場合により置換されていてもよい窒素、硫黄又は酸素である二環式又は三環式基を含む。
【0039】
一例では、ヘテロシクリルは、3~12個の環原子を含み、単環系、二環系、三環系及びスピロ環系を含み、環原子は炭素であり、1~5つの環原子は、独立して1つ以上の基で場合により置換されていてもよい窒素、硫黄又は酸素から選択されるヘテロ原子である。一例において、ヘテロシクリルは1~4つのヘテロ原子を含む。別の例において、ヘテロシクリルは、窒素、硫黄、又は酸素から選択される1つ以上のヘテロ原子を有する3~7員の単環を含む。別の例において、ヘテロシクリルは、窒素、硫黄、又は酸素から選択される1つ以上のヘテロ原子を有する4~6員の単環を含む。別の例において、ヘテロシクリルは3員の単環を含む。別の例において、ヘテロシクリルは4員の単環を含む。別の例において、ヘテロシクリルは5~6員の単環を含む。一例において、ヘテロシクリル基は0~3つの二重結合を含む。任意の窒素又は硫黄へテロ原子は任意に酸化されていてもよく(例えばNO、SO、SO2)、任意の窒素へテロ原子は任意に四級化されていてもよい(例えば[NR4]+Cl-、[NR4]+OH-)。例示的なヘテロシクリルの例としては、オキシラニル、アジリジニル、チイラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、1,2-ジチエタニル、1,3-ジチエタニル、ピロリジニル、ジヒドロ-1H-ピロリル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロチエニル、テトラヒドロチエニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルフォリニル、1,1-ジオキソ-チオモルフォリニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、ヘキサヒドロチオピラニル、ヘキサヒドロピリミジニル、オキサジナニル、チアジナニル、チオキサニル、ホモピペラジニル、ホモピペリジニル、アゼパニル、オキセパニル、チエパニル、オキサゼピニル、オキサゼパニル、ジアゼパニル、1,4-ジアゼパニル、ジアゼピニル、チアゼピニル、チアゼパニル、テトラヒドロチオピラニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、1,1-ジオキソイソチアゾリジノニル、オキサゾリジノニル、イミダゾリジノニル、4,5,6,7-テトラヒドロ[2H]インダゾリル、テトラヒドロベンゾイミダゾリル、4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[d]イミダゾリル、1,6-ジヒドロイミダゾール[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジニル、チアジニル、オキサジニル、チアジアジニル、オキサジアジニル、ジチアジニル、ジオキサジニル、オキサチアジニル、チアトリアジニル、オキサトリアジニル、ジチアジアジニル、イミダゾリニル、ジヒドロピリミジル、テトラヒドロピリミジル、1-ピロリニル、2-ピロリニル、3-ピロリニル、インドリニル、チアピラニル、2H-ピラニル、4H-ピラニル、ジオキサニル、1,3-ジオキソラニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ジチアニル、ジチオラニル、ピリミジノニル、ピリミジンジオニル、ピリミジン-2,4-ジオニル、ピペラジノニル、ピペラジンジオニル、ピラゾリジニルイミダゾリニル、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3,6-ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、6-アザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、3-アザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニル、アザビシクロ[2.2.2]ヘキサニル、2-アザビシクロ[3.2.1]オクタニル、8-アザビシクロ[3.2.1]オクタニル、2-アザビシクロ[2.2.2]オクタニル、8-アザビシクロ[2.2.2]オクタニル、7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン、アザスピロ[3.5]ノナニル、アザスピロ[2.5]オクタニル、アザスピロ[4.5]デカニル、1-アザスピロ[4.5]デカン-2-ニル、アザスピロ[5.5]ウンデカニル、テトラヒドロインドリル、オクタヒドロインドリル、テトラヒドロイソインドリル、テトラヒドロインダゾリル、及び、1,1-ジオキソヘキサヒドロチオピラニルが挙げられる。硫黄原子又は酸素原子及び1~3つの窒素原子を含む5員ヘテロシクリルの例は、チアゾール-2-イル及びチアゾール-2-イルN-オキシドを含むチアゾリル、1,3,4-チアジアゾール-5-イル及び1,2,4-チアジアゾール-5-イルを含むチアジアゾリル、オキサゾール-2-イルなどのオキサゾリル、並びに1,3,4-オキサジアゾール-5-イル及び1,2,4-オキサジアゾール-5-イルなどのオキサジアゾリルである。2~4つの窒素原子を含む5員環ヘテロシクリルの例としては、イミダゾール-2-イルなどのイミダゾリル;1,3,4トリアゾール-5-イル、1,2,3-トリアゾール-5-イル、1,2,4-トリアゾール-5-イルなどのトリアゾリル;並びに、1H-テトラゾール-5-イルなどのテトラゾリルが挙げられる。ベンゾ縮合5員ヘテロシクリルの例は、ベンゾオキサゾール-2-イル、ベンズチアゾール-2-イル及びベンズイミダゾール-2-イルである。6員ヘテロシクリルの例としては、1~3つの窒素原子及び場合により硫黄又は酸素原子が挙げられ、例えば、ピリド-2-イル、ピリド-3-イル及びピリド-4-イルなどのピリジル;ピリミド-2-イル及びピリミド-4-イルなどのピリミジル;1,3,4トリアジン-2-イル及び1,3,5トリアジン-4-イルなどのトリアジニル;ピリダジニル、特にピリダジン-3-イル及びピラジニルが挙げられる。ピリジンN-オキシド及びピリダジンN-オキシド並びにピリジル、ピリミド-2-イル、ピリミド-4-イル、ピリダジニル及び1,3,4-トリアジン-2-イル基は、他の例示的なヘテロシクリル基である。
【0040】
用語「互変異性体」又は「互変異性形態」とは、低エネルギーバリアにより相互転換可能な、異なるエネルギーを持つ構造異性体を意味する。例えば、プロトン互変異性体(プロトトロピー互変異性体としても知られる)は、ケト-エノール及びイミン-エナミン異性化など、プロトンの転位による相互変換を含む。原子価互変異性体は、いくつかの結合電子の再編成による相互変換を含む。
【0041】
特に明記しない限り、本明細書に示される構造は、明示的に同定された任意の同位体濃縮原子に加えて、1つ以上の同位体濃縮原子の存在においてのみ異なる化合物を含むことも意味する。例えば、重水素若しくはトリチウムによる1つ以上の水素、13C若しくは14C炭素による炭素、15N窒素による窒素、33S、34S若しくは36S硫黄による硫黄、又は17O若しくは18O酸素による酸素の独立した置換又は富化が含まれる化合物が含まれる。そのような化合物は、例えば、分析ツールとして、生物学的アッセイにおけるプローブとして、又は治療薬として有用である。
【0042】
「重水素化」という用語は、水素原子が分子の1つ以上の位置でその天然存在量を超えるレベルで重水素原子によって置き換えられていることを意味する。特定の位置が重水素化されている場合、その位置における重水素の存在量は、0.015%である重水素の自然存在量よりも実質的に大きいことが理解される。重水素化位置は、典型的には、少なくとも3,000(45%重水素取り込み)の最小同位体富化係数を有する。本明細書で使用される「同位体富化係数」という用語は、特定の同位体の同位体存在量と天然存在量との間の比を意味する。
【0043】
示されている化学名と構造との間に矛盾がある場合、構造が優先される。
【0044】
本明細書で使用する場合、別様において明確に示されないかぎり、「a」又は「an」は、1つ以上を意味する。
合成方法の概要
【0045】
一般に、開示される方法は、Xが-OR
1、-SR
1、又は-NR
1R
2であり、R
1及びR
2が本明細書の他の箇所で定義される、式Xa及びXbの化合物への効率的な合成経路を提供する。
【0046】
以下の実施例における特定の合成スキームによって記載されるように、本発明は、式(XXa)及び(XXb)の化合物を合成する方法をさらに含む:
【0047】
好ましい実施形態では、アミノ-イミダゾールの選択的N-リン酸化は、β-エトキシアクリルアミド及びアミノイミダゾールの縮合における異性体選択性を制御してイミダゾ[1,2-a]ピリミジンを得る重要な操作要素をもたらし、好ましい実施形態では、ベンゾ-アミノイミダゾールからベンゾ-イミダゾ[1,2-a]ピリミジンをもたらす。イミダゾール誘導体の環内窒素又は環外窒素において高度に選択的な(例えば、99:1)リン酸化を提供する条件も記載される。
【0048】
例えば、差次的にN-リン酸化されたカップリングパートナー2a及び2bは、それぞれベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-2-アミン(3a)又はベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-4-アミン(3b)異性体のいずれかへのアクセスを高度の選択性で提供する(
図1)。イミダゾ[1,2-a]ピリミジン生成物の2-アミノ又は4-アミノ異性体は、64から95%の範囲の収率で単離することができる。質量分析及び計算分析は、この選択的変換のメカニズムに洞察を与えることができる。
アミノ-イミダゾピリミジンの合成
【0049】
式(XXa)及び(XXb)のアミノ-イミダゾピリミジンを合成する方法が提供されることが、本明細書中に記載される方法の一態様である。
【0050】
式(XXa)又は(XXb)のイミダゾピリミジン化合物を合成する方法は、式XX-P1a又はXX-P1bの第1の化合物を式XX-P2の第2の化合物とカップリングさせることを含む。
ここで、
【0051】
式XX-P2(並びに本明細書のXXa、XXb、Xa及びXb)において、R1及びR2は、それぞれ独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、アリール、又はヘテロアリールから選択され、任意のそのような基は、場合により、その利用可能な位置の1つ以上において、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシ、アミノアルキル、チオ、カルボキシ、シアノ、ハロ、アルキル、シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールから選択される基によって独立して置換されていてもよい。別の実施形態では、R1及びR2は、それらが結合している窒素と一緒になって、3~12個の原子を有する環を形成し、この環は、その利用可能な位置のいずれか1つ以上において、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシ、アミノアルキル、カルボキシ、シアノ、チオ、ハロ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールから選択される基によって、場合により且つ独立して置換されていてもよい。R1及びR2を含む環がアルキル、シクロアルキル、アリール又はヘテロアリールなどのさらなる置換を許容する基で置換されている場合、その基は、以下から選択されるさらなる基(単数又は複数)によって置換することもできる:アミノ、アルコキシ、アミノアルキル、カルボキシ、シアノ、チオ、ハロ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ニトロ又はスルホニル。
【0052】
式XX-P1a及びXX-P1bにおいて、R3及びR4は、それぞれ独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、カルボキシレート、カルボシクリル、アリール、又はヘテロアリールから選択され、任意のそのような基は、その利用可能な位置の1つ以上において、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシ、アミノアルキル、チオ、シアノ、ハロ、アリール、及びヘテロアリールから選択される基によって独立して置換されていてもよい。他の実施形態では、R3及びR4は、それらがそれぞれ結合しているイミダゾール環の2つの炭素原子と一緒になってフェニル環を形成し、フェニル環は、その4つの利用可能な位置のいずれか1つ以上において、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシ、アミノアルキル、チオ、ニトロ、スルホニル、カルボキシ、シアノ、ハロ、アルキル、シクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールから選択される基によって、場合により且つ独立して置換されており、任意のそのような基は、その利用可能な位置の1つ以上において、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシ、アミノアルキル、チオ、ニトロ、ハロアルキル、スルホニル、シアノ、ハロ、アルキル、シクロアルキル、アリール又はヘテロアリールから選択される基によって、独立してさらに置換されていてもよい。
【0053】
一実施形態では、式XX-P1aの化合物は、2-アミノ-イミダゾールを(EtO)2P(=O)Clなどのリン酸化剤と反応させることによって形成することができる。一般に、適切なリン酸化剤は、(RO)2P(=O)Clであり、式中、Rは、そのアルキル、シクロアルキル、アリール又はハロゲン化変異体である。例えば、Rは、メチル、トリフルオロメチル、フェニル、プロピル又はブチルであり得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、リン酸水素ジエチルなどのリン酸水素アルキルを、1,3,5-トリクロロ-1,3,5-トリアジナン-2,4,6-トリオンなどの塩素化剤と反応させることによって、PCl(O)(OEt)2などのリン酸化剤をその場で形成する。
【0055】
1つの実施形態において、式XX-P2の化合物は、2つの工程で形成され得る。まず、(E)-3-エトキシアクリル酸を塩化スルホニル(SOCl2)などの塩素化剤と反応させることによって、次に、(E)-3-エトキシアクリロイルクロリドを、非プロトン性溶媒中、アミン、R1R2NH(本明細書の他の箇所で定義されるR1及びR2を有する)と反応させる工程。このような実施形態では、他の適切な塩素化剤としては、塩化オキサリル(COCl)2及びクロロギ酸アルキル、例えば、クロロギ酸メチル、クロロギ酸エチル、クロロギ酸イソプロピル、クロロギ酸イソブチルが挙げられる。他の実施形態では、XX-P2においてアミド結合を形成する方法は、アミドカップリング試薬、例えばCDI(カルボニルジイミダゾール)、EDC(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド)及びHATU(ヘキサフルオロホスフェートアザベンゾトリアゾールテトラメチルウロニウム)を使用することによるものである。
【0056】
好ましい実施形態では、XX-P1a又はXX-P1bとXX-P2との間のカップリングは、POCl3又はPCl5、Et3N、及びMeTHF、MeCN又はそれらの混合物などの非水性溶媒の存在下で行われる。POCl3(又はPCl5)は、(C(=O)NをC(Cl)=N+に変換することによって)アクリルアミド化合物の活性化を達成する。SOCl2などの他の薬剤もこれを達成し得る。反応混合物を、例えば60~100℃、例えば80℃に加熱することが必要な場合がある。Et3Nは、反応中に副生成物として生成される酸をモップアップする塩基として作用する。その役割は、nBu3N、iPr2NEt及びN-メチルモルホリンなどの他の塩基によって果たされ得る。
【実施例】
【0057】
一般的な情報
全ての新規化合物を、1H NMR、13C NMR、IR、融点及びHRMSによって特徴付けた。
【0058】
1H、13C、19F、及び31P核磁気共鳴スペクトルを室温でBruker 400MHz装置で記録した。
【0059】
全ての1H NMRスペクトルは、特に明記しない限り、重水素化溶媒中の残留クロロホルムシグナル(δ7.26)、メタノール(δ3.31)、DMSO(δ2.50)又は酢酸(δ2.04)に対して百万分率(ppm)で測定した。1H NMRのデータを以下のように報告する:化学シフト、多重度(br=広域シグナル、s=一重項、d=二重項、t=三重項、q=四重項、p=五重項、m=多重項)、カップリング定数(ヘルツ)及び積分。
【0060】
すべての13C NMRスペクトルは、重水素クロロホルム(δ77.06)メタノール-d4(δ49.00)、DMSO-d6(δ39.53)又は酢酸-d4(δ20.0)に対してppmで報告され、特に明記しない限り、完全な1Hデカップリングで得られた。
【0061】
すべての19F NMRスペクトルは、完全な1Hデカップリングで得られた。
【0062】
すべての31P NMRスペクトルは、完全な1Hデカップリングで得られた。
【0063】
HPLC分析は、Ace Super C18カラムを使用して254nmのUV検出器を備えたAgilent 1260 Infinity HPLCシステムで行った。
【0064】
融点は、Buchi B-540融点装置を使用して得られ、補正されていない。
【0065】
IRスペクトルは、Bruker Alpha白金-ニート分光計で記録し、吸収の周波数(cm-1)で報告する。
【0066】
高分解能質量分析(HRMS)データを、Thermo Scientific Orbitrap Fusion質量分析計で取得した。
【0067】
すべての試薬と溶媒は、商業的供給業者から購入し、追加の精製なしで使用した。無水溶媒(アセトニトリル及び2-メチルテトラヒドロフラン)を利用したが、他の市販の溶媒の純度をさらに高める努力は行われなかった。すべての反応は、窒素雰囲気下でテフロン隔壁を備えたスクリューキャップバイアル内で行った。報告された収率は、単離された材料のものである。
【0068】
フラッシュカラムクロマトグラフィは、予め充填されたRediSepRf Goldシリカカートリッジを備えたTeledyne Isco CombiFlash(登録商標)Rf装置を使用して行った。
実施例1:2-(1-(ベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)ピペリジン-4-イル)エチル-1,1,2,2-d4 4-メチルベンゼンスルホネートの合成
【0069】
実施例1は、アクリルアミドをリン酸化イミダゾールとコンジュゲート化する工程を使用する分子の代表的な合成を記載する。
工程1-ジエチル(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)ホスホルアミダートの形成
【0070】
窒素下の反応器に、1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-アミン(0.7882kg、6.002mol、1.00当量)、続いてMeCN(5.333L)を投入した。次いで、この混合物にN-メチルイミダゾール(0.6693kg、8.103mol、1.35当量)を添加し、続いてMeCN(0.460L)を添加して反応容器をすすぎ洗浄した。次いで、このスラリーを20℃で最低15分間撹拌した。次に、内部温度を30℃未満に保ちながら、PCl(O)(OEt)2(1.4070kg、8.154mol、1.35当量)を1時間にわたって滴加した。PCl(O)(OEt)2の添加が完了したら、MeCN(0.455L)を添加して反応容器をすすいだ。次いで、このスラリーを20℃で最低12時間撹拌した。反応が完了したら、容器を最低30分間にわたって0℃に冷却し、次いで、この温度で最低2時間撹拌した。次いで、この混合物をフィルタにかけ、ウェットケーキを二回のMeCN(3.2L)で洗浄した。固体を真空下40℃で最低12時間乾燥させて、ジエチル(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)ホスホルアミダートをオフホワイトの固体として得た(1.2144kg、補正収率:73%、99.5%HPLC純度):mp229℃。
【0071】
1H NMR(400MHz,メタノール-d
4)δ 7.20(dt,J=7.6,3.8Hz,2H),7.11(dd,J=5.9,3.2Hz,2H),4.07(p,J=7.2Hz,4H),1.32(t,J=7.1Hz,6H);
13C NMR(101MHz,メタノール-d
4)δ 123.4,111.2,63.4,63.4,16.6,16.6;
31P NMR(162MHz,メタノール-d4)δ 7.31。
ステップ2-2-(1-(ベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-2-イル)ピペリジン-4-イル)エチル-1,1-d
2ベンゾエート
【0072】
窒素下の反応器に、MeCN(5.00L)を投入し、続いて(E)-2-(1-(3-エトキシアクリロイル)ピペリジン-4-イル)エチル-1,1-d
2ベンゾアート(1.00kg、3.00mol、1.0当量)及びジエチル(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)ホスホルアミダート(888.5g、3.30mol、1.1当量)を投入した。(安息香酸化合物は、当技術分野で公知の方法によって、又は実施例2において若しくは本出願が優先権の利益を主張する出願において記載されるように、合成することができる。)MeTHF(5.00L)を投入し、続いてEt
3N(152.0g、1.50mol、0.5当量)を投入した。次に、反応器を-10~10℃に冷却し、内部温度を-10~10℃に維持しながらPOCl
3(1.01kg、6.60mol、2.2当量)を最低30分間にわたって添加した。添加が完了したら、次いで、内容物を最低2時間にわたって65~95℃に加熱し、反応物を最低1.5時間にわたって80℃の内部温度で保持した。反応の完了を確認した後、反応器を15~25℃に冷却し、次いで、内部温度を30℃未満に保ちながら、K
2CO
3(水(5.0L)をK
2CO
3(1.67kg)と混合し、20℃で最低15分間撹拌することによって予め作製した)の25w/w%溶液に最低15分間にわたって添加した。次いで、これを最低15分間撹拌した後、層を分離し、水を捨てて廃棄した。
実施例2:2-(1-(ベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル)ピペリジン-4-イル)エチル-1,1,2,2-d4 4-メチルベンゼンスルホネートの合成
工程1-ジエチル(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)ホスホルアミダートの調製
【0073】
窒素下、15~25℃のフラスコに、1,3,5-トリクロロ-1,3,5-トリアジナン-2,4,6-トリオン(5.55g、23.8mmol、0.31当量)及びMeCN(35.0mL)を投入した。混合物を均質になるまで撹拌した。次いで、リン酸水素ジエチル(10.3g、75.1mmol、9.69mL、1.00当量)及びEt3N(15.2g、150.2mmol、20.9mL、2.00当量)を添加し、フラスコを85℃に加熱し、30分間撹拌し、その時点で沈殿が生じた。次いで、ジャケットを0℃に冷却し、THF(35.0mL)に溶解した1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-アミン(10.0g、75.1mmol、1.00当量)をフラスコに投入した。次いで、反応混合物を15~25℃に加温し、1時間撹拌した。反応の完了を確認したら、反応物を水(100.0mL)でクエンチし、次いで、酢酸エチル(200.0mL)で2回抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、フィルタにかけ、次いで、減圧下で濃縮して、化合物ジエチル(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)ホスホルアミダートを褐色固体として得た(13.0g、48.2mmol、収率64%)。
【0074】
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ ppm 7.34(dd,J=18.03,7.89Hz,2H),7.19(td,J=7.67,1.04Hz,1H),7.05(td,J=7.70,0.98Hz,1H),6.13-6.74(m,2H),4.20-4.34(m,2H),4.00-4.19(m,3H),1.33(td,J=7.09,0.86Hz,6H)。
工程2-(E)-3-エトキシアクリロイルクロリドの調製
【0075】
(E)-3-エトキシアクリル酸(4.40g、37.8mmol、1.00当量)を含むDCM(20.0mL)の溶液に、SOCl
2(4.51g、37.8mmol、2.75mL、1.00当量)を25℃で添加した。混合物を40℃で1時間撹拌した。反応の完了を確認した後、混合物を蒸発乾固させ、(E)-3-エトキシアクリロイルクロリドを黄色の油状物として得た(5.10g、37.9mmol、収率100%)。これを、精製することなく次のステップで使用した。
工程3-(E)-2-(1-(3-エトキシアクリロイル)ピペリジン-4-イル)エチル-1,1,2,2-d
4ベンゾエート
【0076】
2-(ピペリジン-4-イル)エチル-1,1,2,2-d4ベンゾエート塩酸塩(8.52g、31.1mmol、1.00当量)及びEt3N(3.15g、31.1mmol、4.33mL、1.00当量)を含むTHF(15.0mL)溶液に、0~10℃で粗(E)-3-エトキシアクリロイルクロリド(5.02g、37.3mmol、1.2当量)を添加した。反応物を0~10℃で1時間攪拌した。反応の完了を確認した後、H2O(50.0mL)を添加し、得られた水相をEtOAc(50.0mL)で3回抽出した。次いで、有機相を合わせ、Na2SO4で乾燥させ、蒸発乾固した。次いで、残渣をMTBE(10.0mL)中でスラリー化し、次いで、フィルタにかけ、(E)-2-(1-(3-エトキシアクリロイル)ピペリジン-4-イル)エチル-1,1,2,2-d4ベンゾエート(3.20g、9.54mmol、収率31%)を黄色固体として得た。
【0077】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm 8.03(br d,J=7.34Hz,2H),7.67-7.78(m,1H),7.51-7.65(m,2H),7.44(d,J=11.86Hz,1H),5.91(d,J=11.86Hz,1H),4.09-4.60(m,2H),3.93-4.03(m,2H),2.66-3.12(m,2H),1.61-1.89(m,3H),1.29(t,J=7.03Hz,3H),1.00-1.18(m,2H)。
工程4-2-(1-(ベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-2-イル)ピペリジン-4-イル)エチル-1,1,2,2-d
4ベンゾエート
【0078】
ジエチル(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)ホスホルアミデート(2.30g、8.53mmol、1.10当量)及び(E)-2-(1-(3-エトキシアクリロイル)ピペリジン-4-イル)エチル-1,1,2,2-d4ベンゾエート(2.60g、7.75mmol、1.00当量)を含む2-MeTHF(13.0mL)及びMeCN(13.0mL)溶液に、25℃でEt3N(392mg、3.88mmol、539μL、0.50当量)を添加し、引き続いてPOCl3(2.61g、17.0mmol、1.58mL、2.20当量)を添加した。次いで、反応物を80℃に加熱し、4時間攪拌した。反応の完了を確認した後、飽和NaHCO3水溶液(100.0mL)を投入し、得られた水層をDCM(100.0mL)で3回抽出した。次いで、有機相を合わせ、Na2SO4で乾燥させ、蒸発乾固した。次いで、粗生成物をEtOAc(30.0mL)中でスラリー化し、次いで、フィルタにかけた。このスラリー法をさらに2回繰り返した。次いで、得られた固体を分取HPLCによって精製し、2-(1-(ベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-2-イル)ピペリジン-4-イル)エチル-1,1,2,2-d4ベンゾエート(0.900g、2.22mmol、収率29%)を黄色固体として得た。
【0079】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ ppm 8.94(d,J=7.82Hz,1H),7.89-8.03(m,3H),7.61-7.72(m,1H),7.45-7.58(m,3H),7.24-7.34(m,1H),7.07-7.19(m,1H),6.89(d,J=7.82Hz,1H),4.39-4.82(m,2H),3.03(br t,J=11.55Hz,2H),1.74-1.96(m,3H),1.05-1.34(m,2H)。
【0080】
13C NMR(400MHz,DMSO-d6):δ ppm 166.2,158.3,152.5,144.6,134.8,133.7,130.3,129.5,129.2,128.2,124.5,119.4,117.5,110.6,96.3,44.9,32.9,32.0。
【0081】
実施例3.0~3.5は、アクリルアミドをリン酸化イミダゾールとコンジュゲート化する基礎となる工程を使用した分子の代表的な合成を例示する。
実施例3.0:2-アミノ-イミダゾ[1,2-a]ピリミジン(R
1=R
2=R
3=R
4=H)の合成
【0082】
バイアルに、アクリルアミド(0.500mmol、1.0当量)、リン酸化イミダゾール(0.550mmol、1.1当量)、2-MeTHF(0.5mL)及びMeCN(0.5mL)を合わせた。次いで、POCl
3(1.1mmol、2.2当量)を得られた混合物に添加し、反応物を80℃に加熱し、一晩撹拌した。次いで、粗反応混合物を23℃に冷却し、1mLのEt
3Nでクエンチし、シリカゲルに乾式装填し、0~10%DCM:MeOH勾配移動相でフラッシュした。
実施例3.1:2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)ベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジンの合成
【0083】
2-MeTHF(1.0mL)及びMeCN(1.0mL)中、ジエチル(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)ホスホルアミダート(0.296g、1.10mmol、1.1当量)、(E)-3-エトキシ-1-(4-フェニルピペリジン-1-イル)プロパ-2-エン-1-オン(0.259g、1.00mmol、1.0当量)及びPOCl3(0.204mL、2.20mmol、2.2当量)を用いて一般手順に従った。2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)ベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジンを、フラッシュクロマトグラフィによる精製後にオフホワイトの固体として単離した(0.312mg、収率95%、位置異性体比98:2)。
【0084】
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d):δ 8.23(d,J=7.7Hz,1H),7.73(d,J=8.1Hz,1H),7.55(d,J=8.0Hz,1H),7.37(t,J=7.7Hz,1H),7.31(t,J=7.5Hz,2H),7.26-7.14(m,4H),6.44(d,J=7.8Hz,1H),4.77(s,2H),3.09(t,J=13.0Hz,2H),2.85(tt,J=12.2,3.8Hz,1H),2.00(q,J=12.3Hz,2H),1.75(qd,J=12.8,4.2Hz,2H)。
【0085】
13C NMR(101MHz,クロロホルム-d):δ 157.9,152.9,145.2,144.9,132.7,128.7,127.9,126.9,126.6,124.8,119.8,118.7,108.8,95.5,45.8,43.0,33.3。
実施例3.2:7-(4-フェニルピペリジン-1-イル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジンの合成
【0086】
2-MeTHF(1.0mL)及びMeCN(1.0mL)中、ジエチル(1H-イミダゾール-2-イル)ホスホルアミデート(0.241g、1.10mmol、1.1当量)、(E)-3-エトキシ-1-(4-フェニルピペリジン-1-イル)プロパ-2-エン-1-オン0.259g、1.00mmol、1.0当量)及びPOCl3(0.186mL、2.00mmol、2.0当量)を用いて一般手順に従った。7-(4-フェニルピペリジン-1-イル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジンを、フラッシュクロマトグラフィによる精製後にオフホワイトの固体として単離した(0.215g、収率77%、位置異性体比15:1)。
【0087】
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d):δ 8.02(d,J=7.7Hz,1H),7.37(d,J=1.6Hz,1H),7.34-7.24(m,2H),7.20(ddd,J=7.8,5.9,1.7Hz,3H),7.13(d,J=1.6Hz,1H),4.64(d,J=13.4Hz,1H),3.03(td,J=13.3,2.6Hz,2H),2.80(tt,J=12.2,3.7Hz,1H),1.95(d,J=12.8Hz,2H),1.72(qd,J=12.7,4.1Hz,2H)。
【0088】
13C NMR(101MHz,クロロホルム-d):δ 156.2,149.9,145.5,133.7,132.5,128.6,126.8,126.5,108.8,97.5,45.8,43.0,33.1。
実施例3.3:エチル2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)ベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-8-カルボキシレートの合成
【0089】
2-MeTHF(0.5mL)及びMeCN(0.5mL)中、エチル2-((ジエトキシホスホリル)アミノ)-1H-イミダゾール-4-カルボキシレート(0.160g、0.550mmol、1.1当量)、(E)-3-エトキシ-1-(4-フェニルピペリジン-1-イル)プロパ-2-エン-1-オン0.130g、0.500mmol、1.0当量)及びPOCl3(0.102mL、1.10mmol、2.2当量)を用いて一般的手順に従った。7-(4-フェニルピペリジン-1-イル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジンを、フラッシュクロマトグラフィによる精製後にオフホワイトの固体として単離した(0.152g、収率87%、位置異性体比19:1)。
【0090】
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d):δ 8.02(d,J=7.8Hz,1H),7.77(s,1H),7.35-7.25(m,3H),7.25-7.15(m,3H),6.55(d,J=7.8Hz,1H),4.66(d,J=13.1Hz,2H),4.39(q,J=7.1Hz,2H),3.07(td,J=13.2,2.5Hz,2H),2.83(tt,J=12.2,3.7Hz,1H),2.02-1.90(m,2H),1.73(dtd,J=13.4,12.4,4.2Hz,3H),1.40(t,J=7.1Hz,3H)。
【0091】
13C NMR(101MHz,クロロホルム-d):δ 163.8,156.6,149.5,145.3,135.9,133.8,128.7,126.9,126.7,114.0,99.4,60.9,45.9,43.0,33.1,14.5。
実施例3.4:N-ベンジルベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-2-アミンの合成
【0092】
2-MeTHF(0.5mL)及びMeCN(0.5mL)中、ジエチル(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)ホスホルアミダート(0.296g、1.10mmol、1.1当量)、(E)-N-ベンジル-3-エトキシアクリルアミド(0.205g、1.00mmol、1.0当量)、POCl3(0.204mL、1.10mmol、2.1当量)を用いて一般手順に従った。N-ベンジルベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-2-アミンを、フラッシュクロマトグラフィによる精製後にオフホワイトの固体(0.175g、収率64%、位置異性体比98:2)として単離した。
【0093】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ 8.82(d,J=7.4Hz,1H),8.39(t,J=5.8Hz,1H),7.88(d,J=7.9Hz,1H),7.50(d,J=8.0Hz,1H),7.44-7.31(m,4H),7.31-7.23(m,2H),7.15(t,J=7.6Hz,1H),6.43(d,J=7.3Hz,1H),4.65(d,J=5.6Hz,2H)。
【0094】
13C NMR(101MHz,DMSO-d6):δ 158.8,152.4,143.8,138.9,133.3,128.4,128.0,127.57,127.0,123.9,119.2,117.2,109.9,99.2,43.6。
実施例3.5:N,N-ジベンジルベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-2-アミンの合成
【0095】
2-MeTHF(0.5mL)及びMeCN(0.5mL)中、ジエチル(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)ホスホルアミデート(0.148g、0.550mmol、1.1当量)、(E)-N,N-ジベンジル-3-エトキシアクリルアミド(0.148g、0.500mmol、1.0当量)、POCl3(0.102mL、1.10mmol、2.1当量)を用いて一般手順に従った。フラッシュクロマトグラフィによる精製後、N,N-ジベンジルベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-2-アミンをオフホワイト色の固体(163mg、収率89%、位置異性体比96:4)として単離した。
【0096】
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d):δ 8.21(d,J=7.6Hz,1H),7.76(d,J=8.1Hz,1H),7.54(d,J=8.0Hz,1H),7.42-7.23(m,11H),7.19(t,J=7.6Hz,1H),6.29(d,J=7.7Hz,1H),5.09-4.69(bs,4H)。
【0097】
13C NMR(101MHz,クロロホルム-d):δ 159.1,144.9,133.0,129.0,127.8,127.8,125.0,120.0,118.9,110.1,108.9,96.0,51.1。
実施例4:環化反応の最適化
【0098】
本発明者らは、熱条件下(70℃)で2-アミノベンズイミダゾールとアクリルアミド(5)の環化を調べることから始めて、低い転化率が観察され、所望の生成物は観察されなかった(表1、エントリ1)。アミドを対応するイミドイルクロリドに活性化することで、必要な反応性を高めることができた。PCl5(表1、エントリ2)及びPOCl3(表1、エントリ3)の両方が有効な活性化試薬であることが判明し、POCl3は71%の収率で生成物を提供するが、異性体6a:6bの比は75:25と優れていた。次いで、本発明者らは、両方の反応パートナーを独立してPOCl3による活性化に供し、次いで反応流を合わせると、異性体選択性が90:10に有意に増加することを見出した(表1、エントリ4)。しかしながら、このプロトコルは再現が困難であることが判明し、操作が煩雑であった。2-アミノベンズイミダゾールとPOCl3の反応混合物のLCMSによる分析は、複数のN-リン酸化生成物の形成を示唆した。
【0099】
本発明者らは、ホスホルアミデートが、一過性に生成されたN-リン酸化種に対する単離可能な類似体として作用し得ると仮定し、この目的のために基質2a及び2b(
図1)を合成した(例えば、P.;Sathe,M.;Tikar,S.N.;Yadav,R.;Sharma,P.;Kumar,A.;Kaushik,M.P.「Synthesis of some novel phosphorylated and thiophosphorylatedbenzimidazoles and benzothiazoles and their evaluation for larvicidal potential to Aedes albopictus and Culex quinquefasciatus」,Bioorg.Med.Chem.Lett.,2014,24,2934-2939を参照)。特に、ジエチルホスホルアミデート2 aは、きれいな反応プロフィール及び異性体6aに関して98:2の選択性を提供した(表1、エントリ5)。異性体ホスホルアミデート2bは、わずかに減少した収率及び選択性(表1、エントリ7)ではあるが、6bを優先するように生成物選択性を反転させ、さらなる最適化により両方が改善された(表1、エントリ8;実施例7も参照)。
a 反応は、0.25mmol規模、アクリルアミド(1.0当量)、アミノベンズイミダゾール(1.1当量)、活性化剤(2.2当量)、0.5Mで行った。
b A%=254nmでのHPLC面積パーセント。
c 254nmでの粗反応混合物のHPLC分析によって決定された6a:6bの比。
d 1と2bの両方を0℃で30分間POCl
3と反応させた後に合わせて、次いで70℃に加熱した。
e 5をPOCl
3で前処理し、20分間70℃に加熱し、次いで室温に冷却した後、3.0当量に添加した。2b.次いで、反応混合物を50℃に加熱した。
【0100】
本発明者らは、両方の異性体のホスホルアミデートが2-アミノベンズイミダゾール(1)から高い選択性でアクセスされ得ること、及びリン酸化反応における塩基の選択が生成物選択性を決定することに留意する。本発明者らは、N-メチルイミダゾール(NMI)の使用が、2bに対して>99:1の比で環外リン酸化生成物2aを提供することを見出した。逆に、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)を塩基として使用すると、相補的な環内リン酸化生成物2bが99:1の異性体選択性で得られた。この多様なリン酸化は、2-及び4-アミノベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジンの両方にアクセスするための基礎を提供する。ホスホラミデート2a及び2bの構造は、X線結晶解析により確認した(
図2)。
実施例5:β-エトキシアクリルアミドのバリエーション
【0101】
2-又は4-アミノベンズイミダゾ[1,2-a]ピリミジンを選択的に調製するための好適な条件が発見されたとき、本発明者らは反応の範囲を調査した。様々なβ-エトキシアクリルアミドを、標準反応条件下でホスホルアミデート2aとの縮合において評価した(
図3に示す)。6aのX線結晶学的分析によって確認されるように、これらの対形成は実際に、ベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-2-アミンを主な生成物として生成した(実施例46参照)。
【0102】
本発明者らは、様々な二次アクリルアミドが円滑に反応して、良好な収率及び優れた選択性で環化生成物を与えることに注目した。アリール及び脂肪族N置換アクリルアミドの両方が良好に忍容され、転帰に対する識別可能な電子的効果はなかった。一次アクリルアミドを反応に使用した場合(
図3の化合物13a)、反応はいくつかの望ましくない副生成物を生成し、その結果、単離収率が低下した。
【0103】
図3において、反応は、0.5又は1.0mmol規模、アクリルアミド(1.0当量)、2(1.1当量。)、POCl
3(2.2当量)、0.5Mのいずれかで行った。引用された収率は、シリカゲルクロマトグラフィ後の単離収率である。報告されたa:b異性体の比は、254nmでの粗反応混合物の補正されていないA%によってHPLC分析によって決定した。
実施例6:アミノ(ベンツ)イミダゾールのバリエーション
【0104】
種々の他のN2-リン酸化アミノイミダゾールを環化反応に利用した(
図4)。同様の反応条件下で、電子が豊富なアミノ-ベンズイミダゾール誘導体と電子が不足しているアミノ-ベンズイミダゾール誘導体の両方が77-95%の収率で反応し、2-アミノ-イミダゾ[1,2-a]ピリミジン異性体生成物に対する選択性は94:6以上であった。
【0105】
図4では、0.5mmol規模、アクリルアミド(1.0当量)、2a(1.1当量)、POCl
3(2.2当量)、0.5Mで反応を行った。引用された収率は、シリカゲルクロマトグラフィ後の単離収率である。a:a’:b:b’の比は、254nmでの粗反応混合物の補正されていないA%によってHPLC分析によって決定した。Et
3N(1.5当量)を、16a(及びその異性体)を形成した反応物に添加した。
【0106】
図4においてa対a’及びb対b’で示されるように、反応における非対称に置換されたアミノ-イミダゾールの使用は、別の一組の構成異性体を生じさせることができ、それに基づいて、イミダゾール環の窒素がC-N結合形成に関与することがわかる。立体的に要求の厳しい置換基がホスホルアミデートの4位に位置する場合(
図4、16a:16a’)、90:10の比の異性体生成物が得られた。2-アミノ-6-メトキシベンズイミダゾールから生じる基質は、これらの条件下では低い選択性を提供する(
図4、14a:14a’=55:45)。
【0107】
1.5当量のEt3Nを使用して反応条件を緩衝して、酸感受性官能基を有する基質(生成物16aなど)のカップリングを可能にすることができる。
実施例7:4-アミノイミダゾ[1,2-a]ピリミジンの形成
【0108】
この実施例は、アクリルアミドとN1ホスホルアミデート2bとの縮合による4-アミノイミダゾ[1,2-a]ピリミジン生成物の形成に対処する。
【0109】
すべての試薬を合わせ、最後にPOCl3を添加した最初の実験では、80:20の比の6b:6a(表1、エントリ7)が得られた。粗反応混合物のLCMSは、有意な量の2-アミノベンズイミダゾール1を示し、反応条件下での2bの分解を示した。
【0110】
5をPOCl
3で前処理し、引き続いて3を添加することによる可能なイミドイルクロリド中間体Aの予備形成は、分解経路を打ち負かすことができる可能性がある(
図5)。このようなプロトコルは有益であることが証明され、生成物を89%の収率及び96:4の比の6b:6a(表1、エントリ8)で単離した。
【0111】
次いで、本発明者らは、表1、エントリ8のプロトコルを使用して、様々な4-アミノ異性体(
図5)にアクセスするために、ホスホルアミデート3による様々なアクリルアミドの環化を調査した。
図5では、0.5mmol規模、アクリルアミド(1.0当量)、3(3.0当量)、POCl
3(1.2当量)、0.5Mで反応を行った。単離した収率は、シリカゲルクロマトグラフィ後に報告した。報告されたa:b異性体の比は、254nmの粗反応混合物の補正されていないA%によってHPLC分析によって決定した。
【0112】
脂肪族第二級β-エトキシアクリルアミド及び電子豊富なアリールアクリルアミドで良好な収率が観察された。しかしながら、電子不足アクリルアミドの使用は、他の出発物質よりも著しく低い生成物10bの収率をもたらした。異性体選択性は、すべての基質にわたってb:aの≧90:10であった。
【0113】
実施例8~13は、様々なホスホラミデートの合成手順を例示する。図示された構造のすべてが実際のX線構造に対応するわけではなく、実施例44に示すように、2aのX線確認構造に基づいていた。
実施例8:ジエチル(2-アミノ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ホスホネート(2b)
【0114】
撹拌棒を含有する40mLシンチレーションバイアルに、1H-ベンズイミダゾール-2-アミン(2.00g、15.0mmol、1.00当量)を添加し、反応物をセプタムキャップで蓋をした。アセトニトリル(16mL)を添加した後、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(3.40mL、22.5mmol、1.50当量)を添加した。クロロリン酸ジエチル(2.70mL、18.8mmol、1.25当量)を室温で一度に添加した。次いで、反応物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を回転蒸発によってシリカゲル(10.0g)上に濃縮し、次いで、溶離液としてジクロロメタン(100mL)を使用してシリカゲル(20.0g)でフィルタにかけた。得られた無色溶液を真空下で濃縮乾固した。ジエチル(2-アミノ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-イル)ホスホネート(3)を白色固体として収率96%で単離した(3.90g、14.3mmol):融点74-79 ℃;FTIR(neat cm
-1)1680,1477,1192,1027,931,789,738;
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ 7.32(dd,J=13.3,7.9Hz,2H),7.16(t,J=7.7Hz,1H),7.02(t,J=7.7Hz,1H),6.61(s,2H),4.33-4.17(m,2H),4.17-3.96(m,2H),1.31(t,J=7.1Hz,6H)。
13C NMR(101MHz,クロロホルム-d)δ 155.7(d,J=5.8Hz),143.9(d,J=13.1Hz),132.3(d,J=5.0Hz),123.9,120.5,116.2,111.5,64.6(d,J=4.6Hz),16.0(d,J=7.2Hz)。
31P NMR(162MHz,クロロホルム-d)δ-4.72。HRMS:C
11H
17N
3O
3P [M+H]
+に関する計算値=270.1002、実測値=270.0998。
実施例9:ジエチル(Z)-(5-メトキシ-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イリデン)ホスホルアミダート(19):
【0115】
撹拌棒を備えた20mLシンチレーションバイアルに、5-メトキシ-1H-ベンズイミダゾール-2-イルアミン(1.00g、5.80mmol、1.00当量)及びアセトニトリル(1.0M、5.8mL)を添加し、引き続いてN-メチルイミダゾール(0.693mL、8.70mmol、1.50当量)を添加した。バイアルにセプタムキャップを被せ、クロロリン酸ジエチル(1.25mL、8.70mmol、1.50当量)を室温で30分間にわたってゆっくり(シリンジポンプを介して)添加した。反応物を室温で18時間撹拌した。室温で一晩撹拌した後、MTBE(3.0mL)を添加し、反応混合物をフィルタにかけた。次いで、フィルタ・ケークを室温で窒素気流を用いて真空下で4時間乾燥させ、続いて真空オーブン内で40℃で24時間乾燥させた。所望の生成物、ジエチル(Z)-(5-メトキシ-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イリデン)ホスホルアミデート(19)を黄色固体として単離した(0.75g、43%):融点205~208 ℃;FTIR(neat cm
-1)1664,1611,1206,1056,952,801,700;
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ 11.09(bs,2H),7.06(d,J=8.6Hz,1H),6.78(d,J=2.4Hz,1H),6.62(dd,J=8.6,2.4Hz,1H),3.98-3.84(m,4H),3.71(s,3H),1.21(td,J=7.1,0.7Hz,6H)。
13C NMR(101MHz,DMSO-d
6)δ 155.0,152.3(d,J=7.1Hz),130.8,124.0,110.3,107.9,96.0,60.9(d,J=5.9Hz),55.5,16.2(d,J=6.6Hz)。
31P NMR(162MHz,DMSO-d
6)δ 7.35。HRMS:C
12H
19N
3O
4P [M+H]
+に関する計算値:300.1108、実測値:300.1105。
実施例10:ジエチル(Z)-(4-ブロモ-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イリデン)ホスホルアミダート(20):
【0116】
撹拌棒を備えた20mLシンチレーションバイアルに、4-ブロモ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-アミン(1.97g、9.40mmol、1.00当量)及びアセトニトリル(1.0M、9.4mL)を添加し、引き続いてN-メチルイミダゾール(1.00mL、12.7mmol、1.35当量)を添加した。バイアルにセプタキャップをかぶせ、クロロリン酸ジエチル(1.83mL、12.7mmol、1.35当量)をシリンジポンプを介して室温で30分間にわたって加えた。反応物を室温で18時間撹拌した。室温で一晩撹拌した後、混合物をシリカゲルに乾式装填し、溶離液としてCH
2Cl
2中0~10%CH
3OHを使用する自動シリカゲルクロマトグラフィによって精製した。所望の生成物、ジエチル(Z)-(4-ブロモ-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イリデン)ホスホルアミデート(20)を白色固体として単離した(1.50g、46%):融点154~156℃;FTIR(neat cm
-1)1648,1535,1431,1253,1009,741,665,571,526;
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ 7.30(dd,J=8.0,0.9Hz,1H),7.27-7.18(m,3H),6.91(t,J=8.0Hz,1H),4.21(ddq,J=10.3,9.2,7.1Hz,2H),4.09(ddq,J=10.3,8.9,7.0Hz,2H),1.22(td,J=7.1,0.8Hz,6H)。
13C NMR(101MHz,DMSO-d
6)δ 155.7(d,J=5.1Hz),142.8(d,J=13.1Hz),132.6(d,J=5.1Hz),126.0,120.9,110.6,107.8,64.7(d,J=5.0Hz),15.7(d,J=6.5Hz)。
31P NMR(162MHz,DMSO-d
6)δ-5.22。HRMS:C
11H
16BrN
3O
3P [M+H]
+に関する計算値:348.0107、実測値:348.0089.
実施例11:tert-ブチル(Z)-2-((ジエトキシホスホリル)イミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-カルボキシレート(21)
【0117】
撹拌棒を備えた20mLシンチレーションバイアルに、tert-ブチル2-アミノ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-カルボキシレート(0.700g、5.15mmol、1.00当量)及びアセトニトリル(1.0M、5.2mL)、引き続いてN-メチルイミダゾール(0.550mL、7.00mmol、1.35当量)を添加した。バイアルにセプタムキャップをかぶせ、クロロリン酸ジエチル(1.00mL、5.15mmol、1.35当量)をシリンジポンプを介して室温で30分間にわたって加えた。反応物を室温で18時間撹拌した。室温で一晩撹拌した後、混合物をシリカゲルに乾式装填し、溶離液としてCH
2Cl
2中0~10%CH
3OHを使用する自動シリカゲルクロマトグラフィによって精製した。所望の生成物、ジエチル(Z)-(5-メトキシ-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イリデン)ホスホルアミデート(21)を白色固体として単離した(0.70g、37%):融点192~199℃;FTIR(neat cm
-1)1690,1644,1458,1366,1289,1145,1049,923,747;
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ 11.16(s,1H),10.83(s,1H),7.53(dd,J=8.0,1.1Hz,1H),7.35(dd,J=7.8,1.1Hz,1H),7.15(t,J=7.9Hz,1H),4.07-3.83(m,4H),1.60(s,9H),1.22(td,J=7.0,0.7Hz,6H)。
13C NMR(101MHz,DMSO-d
6)δ 164.2,150.0,129.9,122.2,121.5,82.0,61.3(d,J=5.6Hz),27.9,16.1(d,J=6.7Hz)。
31P NMR(162MHz,DMSO-d
6)δ 9.20。HRMS:C
16H
25N
3O
5P [M+H]
+に関する計算値:370.1526、実測値:370.1513.
実施例12:ジエチル(1,3-ジヒドロ-2H-イミダゾール-2-イリデン)ホスホルアミダート(22)
【0118】
撹拌棒を備えた20mLシンチレーションバイアルに、1H-イミダゾール-2-アミン(0.662g、8.00mmol、1.00当量)及びアセトニトリル(8mL、1.0M)を添加し、引き続いてN-メチルイミダゾール(0.860mL、10.8mmol、1.35当量)を添加した。バイアルにセプタムキャップを被せ、クロロリン酸ジエチル(1.56mL、10.8mmol、1.35当量)を室温で30分間にわたってゆっくり(シリンジポンプを介して)添加した。反応物を室温で18時間撹拌した。室温で18時間撹拌した後、反応物をシリカゲルに乾式装填し、CH
2Cl
2中0~10%CH
3OHの勾配を用いた自動シリカゲルクロマトグラフィによって精製した。ジエチル(1,3-ジヒドロ-2H-イミダゾール-2-イリデン)ホスホルアミダート(22)を白色固体として単離した(0.41g、24%):融点155~166 ℃;FTIR(neat cm
-1)1638,1572,1182,1023,906,960;
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ 11.10(bs,2H),6.44(s,2H),4.03(pd,J=7.1,1.6Hz,4H),1.29(t,J=7.1Hz,6H)。
13C NMR(101MHz,クロロホルム-d)δ 150.7(d,J=6.7Hz),111.5,61.9(d,J=5.6Hz),16.5(d,J=7.7Hz)。
31P NMR(162MHz,クロロホルム-d)δ 10.06。HRMS:C
7H
15N
3O
3P [M+H]
+:に関する計算値220.0846、実測値:220.0844.
実施例13:エチル(Z)-2-((ジエトキシホスホリル)イミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾール-4-カルボキシレート(23)
【0119】
撹拌棒を備えた20mLシンチレーションバイアルに、エチル2-アミノ-1H-イミダゾール-4-カルボキシレート(0.759g、4.90mmol、1.00当量)及びアセトニトリル(4.9mL、1.0M)を添加し、引き続いてN-メチルイミダゾール(0.600mL、7.30mmol、1.35当量)を添加した。バイアルにセプタムキャップを被せ、クロロリン酸ジエチル(1.10mL、7.30mmol、1.35当量)を室温で30分間にわたってゆっくり(シリンジポンプを介して)添加した。反応物を室温で18時間撹拌した。室温で18時間撹拌した後、反応物をシリカゲルに乾式装填し、CH2Cl2中0~10%CH3OHの勾配を用いた自動シリカゲルクロマトグラフィによって精製した。エチル(Z)-2-((ジエトキシホスホリル)イミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾール-4-カルボキシレート(S5)を白色固体として単離した(0.44g、31%):融点114~118℃;FTIR(neat cm-1)1701,1642,1591,1441,1326,1179,1154,1028,955;1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ 10.72(bs,2H),7.33(s,1H),4.31(q,J=7.1Hz,2H),4.13(pd,J=7.3,5.0Hz,4H),1.33(m,9H)。13C NMR(101MHz,クロロホルム-d)δ 160.6,147.8,124.5,121.3,63.3(d,J=5.3Hz),60.8,16.3(d,J=6.9Hz),14.5.31P NMR(162MHz,クロロホルム-d)δ 4.43.HRMS:C10H19N3O5P [M+H]+に関する計算値:292.1057、実測値:292.1046.
【0120】
実施例14~21は、様々なアクリルアミドの合成手順を示す。
実施例14:(E)-3-エトキシ-1-(4-フェニルピペリジン-1-イル)プロパ-2-エン-1-オン(24)
【0121】
室温で活性窒素ライン下でオーバーヘッド撹拌を装備した400mL反応器に、(E)-3-エトキシプロパ-2-エン酸(9.42g、80.6mmol、1.30当量)、4-フェニルピペリジン(10.0g、62.0mmol、1.00当量)、2-PrOH(50mL、5.0mL/g)、Et3N(34.6mL、248mmol、4.00当量)、次いで酢酸エチル(44.6mL、74.4mmol、1.2当量)中50重量%のT3P(登録商標)をこの順序で合わせた(注意:発熱温度上昇)。反応物を40℃に1時間加熱し、次いで、蒸留水(150mL、15.0mL/g)でクエンチした。層を分離し、水層をDCM(100mL、10mL/g)で2回抽出し、次いで、有機層を合わせた。次いで、合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フィルタにかけ、次いで、減圧下で濃縮した。粗残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィによって精製し、25~50%のIPAc:ヘプタン勾配移動相で溶出し、次いで、濃縮すると、生成物が淡黄色油(84%)として得られ、高真空下で濃縮すると、白色固体が形成された:
【0122】
融点112~114℃。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ 7.43(d,J=11.9Hz,1H),7.33-7.25(m,2H),7.25-7.14(m,3H),5.90(d,J=11.9Hz,1H),3.94(q,J=7.0Hz,2H),2.75(tt,J=12.1,3.6Hz,1H),1.83-1.73(m,3H),1.47(dd,J=12.7,4.0Hz,2H),1.24(t,J=7.0Hz,3H)。
13C NMR(101MHz,DMSO-d
6)δ 164.9,160.6,145.7,128.7,126.7,126.1,95.9,66.7,42.0,33.2,14.5.LRMS:C
16H
22NO
2 [M+H]
+に関する計算値:260.2、実測値:260.2.
実施例15:(E)-3-エトキシ-N-メチル-N-フェニルアクリルアミド(25)
【0123】
1-メチルピペラジン(2.81g、28.0mmol.1.00当量)(THF(30mL、10.0mL/g)中)に、室温で、(E)-3-エトキシプロパ-2-エン酸(2.92g、25.1mmol、0.90当量)、Et
3N(11.7mL、84.1mmol、3.00当量)、及び酢酸エチル(27.0g、42.4mmol、1.50当量)中50w%のT3P(登録商標)をこの順序で添加した。室温で22時間後、H
2O(300mL、100.0mL/g)及び酢酸エチル(300mL、100.0V)を混合物に添加した。有機層を分離し、次いで濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィによって精製し、石油エーテル/EtOAcの混合物(3/1)で溶出して、生成物を淡黄色オイルとして得た(3.85g、67%):
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ 7.44(d,J=12.0Hz,1H),7.31(t,J=7.4Hz,2H),7.23(t,J=7.8Hz,1H),7.10(d,J=7.6Hz,2H),5.06(d,J=12.0Hz,1H),3.66(q,J=7.1Hz,2H),3.23(s,3H),1.15(t,J=7.1Hz,3H)。
13C NMR(100MHz,クロロホルム-d):167.1,160.4,144.0,129.4,127.4,127.2,97.5,67.1,36.9,14.5.HRMS C
12H
16O
2N [M+H]
+に関する計算値:206.1181、実測値:206.1181.
実施例16:(E)-3-エトキシ-N-(4-メトキシフェニル)-N-メチルアクリルアミド(26)
【0124】
4-メトキシ-N-メチル-アニリン(4.50g、32.8mmol、1.00当量)を含むTHF(45mL、10.0mL/g)の溶液に、室温で、E)-3-エトキシプロパ-2-エン酸(4.20g、36.1mmol、1.10当量)、Et
3N(13.7mL、98.4mmol、3.0当量)、及び50%のT3P(登録商標)を含む酢酸エチル(31.3g、49.2mmol、1.50当量)をこの順序で添加した。室温で2時間後、飽和Na
2CO
3水溶液(400mL88.9mL/g)及び酢酸エチル(400mL、88.9mL/g)を混合物に添加した。有機層を分離し、次いで濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィによって精製し、石油エーテル/EtOAcの混合物(3/1)で溶出して、生成物を淡黄色オイルとして得た(3.10g、40%):
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ 7.42(d,J=12.0Hz,1H),7.12-6.97(m,2H),6.93-6.76(m,2H),5.04(br d,J=12.2Hz,1H),3.74(s,3H),3.71-3.61(m,2H),3.19(s,3H),1.24-1.07(m,3H)。
13C NMR(100MHz,クロロホルム-d)167.4,160.3,158.6,136.9,128.6,114.6,97.5,67.1,55.5,37.2,14.6。HRMS C
13H
18O
3N [M+H]
+に関する計算値:236.1287、実測値:236.1288.
実施例17:(E)-3-エトキシ-N-メチル-N-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)アクリルアミド(27)
【0125】
室温でDCM(35mL、15.2mL/g)中の(E)-3-エトキシプロパ-2-エン酸(2.33g、20.1mmol、1.00当量)の溶液に、DMF(1.50mL、19.5mmol、1.00当量)を加えた。次いで、塩化オキサリル(2.57mL、29.9mmol、1.50当量)を0.5時間にわたって滴加した。得られた溶液を室温で3時間熟成させ、次いで、減圧下で濃縮乾固した。次いで、粗残渣を乾燥DCM(21mL、9.0mL/g)に溶解した。次いで、この粗溶液を室温でN-メチル-4-(トリフルオロメチル)アニリン(3.5g、20.0mmol、1.0当量)、Et
3N(7.0mL、50.3mmol、2.5当量)及びDCM(21mL、9.0mL/g)の溶液に滴下した。室温で2時間後、H
2O(200mL、87.0mL/g)及びDCM(200mL、87.0mL/g)を混合物に添加した。有機層を分離し、次いで濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィによって精製し、石油エーテル/EtOAcの混合物(6/1)で溶出し、次いで、分取TLCによってさらに精製して、生成物を淡黄色オイルとして得た(1.50g、27%):
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=7.58(d,J=8.3Hz,2H),7.48(d,J=12.0Hz,1H),7.25(d,J=8.3Hz,2H),5.06(d,J=12.0Hz,1H),3.72(q,J=7.1Hz,2H),3.26(s,3H),1.18(t,J=7.1Hz,3H)。
13C NMR(100MHz,クロロホルム-d)161.4,147.3,147.3,129.3,129.0,126.6(q,J=3.9Hz),127.6,122.5,97.2,67.5,53.4,36.9,14.6。HRMS C
13H
15O
2NF
3[M+H]
+に関する計算値:274.1055、実測値:274.1055.
実施例18:(E)-N-(4-クロロフェニル)-3-エトキシ-N-メチルアクリルアミド(28)
【0126】
4-クロロ-N-メチル-アニリン(4.50g、31.8mmol、1.00当量)を含むTHF(45mL、10.0mL/g)の溶液に、室温で、3-エトキシプロパ-2-エン酸(3.69g、31.8mmol、1.00当量)、Et
3N(9.65g、95.4mmol、3.00当量)、及び50w%のT3P(登録商標)を含む酢酸エチル(30.43g、47.8mmol、1.50当量)をこの順序で添加した。反応物を15~25℃で18時間攪拌した。混合物を酢酸エチル(450mL、10.0mL/g)で希釈し、次いで、飽和Na
2CO
3(450mL、10.0mL/g)で洗浄した。有機層を濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィによって精製し、PE/EAの混合物(5/1)で溶出して、生成物を淡黄色オイルとして得た(2.64g、34.7%):
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ 7.45(d,J=12.0Hz,1H),7.33-7.24(m,2H),7.10-7.01(m,2H),5.04(d,J=12.0Hz,1H),3.69(q,J=7.1Hz,2H),3.28-3.16(m,3H),1.17(t,J=7.0Hz,3H)。
13C NMR(100MHz,クロロホルム-d):161.2,142.9,133.3,129.9,129.0,97.4,67.6,37.3,14.8。HRMS C
12H
15ClNO
2 [M+H]
+に関する計算値:240.0791、実測値:240.0794。
実施例19:(E)-3-エトキシ-N-メチル-N-(o-トリル)アクリルアミド(29)
【0127】
室温でDCM(50mL、10.4mL/g)中の3-エトキシプロパ-2-エン酸(4.79g、41.2mmol、1.00当量)及びDMF(3.02g、41.3mmol、1.00当量)の混合物に、塩化オキサリル(7.86g、61.9mmol、1.50当量)を0.5時間にわたって添加した。混合物を15~25℃で3時間熟成した。混合物を濃縮乾固し、DCM(30mL、6.3mL/g)に溶解し、次いで、N,メチル-o-トルイジン(5.00g、41.3mmol、1.0当量)、Et
3N(10.44g、103.2mmol、2.5当量)及びDCM(30mL、6.3mL/g)の溶液に滴下した。反応物を15~25℃で1時間撹拌した。反応物をH
2O(50mL、10.4mL/g)でクエンチし、DCM(50mL、10.4mL/g)で3回抽出し、H
2O(100mL、20.8mL/g)で3回洗浄し、次いで最後にブライン(100mL、10.4mL/g)で洗浄した。有機層を濃縮した。残渣をシリカゲル上フラッシュクロマトグラフィによって精製し、次いで、石油エーテル/EtOAc(6/1)の混合物で溶出して、生成物を淡黄色オイルとして得た(5.79g、64%):
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ 7.45(d,J=12.0Hz,1H),7.23-7.11(m,3H),7.08-7.00(m,1H),4.87(d,J=12.2Hz,1H),3.65(q,J=7.1Hz,2H),3.14(s,3H),2.13(s,3H),1.14(t,J=7.1Hz,3H)。
13C NMR(100MHz,クロロホルム-d):167.3,160.7,142.5,136.0,131.3,128.4,128.2,127.3,97.0,67.3,35.7,17.5,14.6。HRMS C
13H
18O
2N [M+H]
+に関する計算値:220.1338、実測値:220.1337。
実施例20:(E)-N,N-ジベンジル-3-エトキシアクリルアミド(30)
【0128】
N-ベンジル-1-フェニル-メタンアミン(4.99g、25.3mmol、1.00当量)を含むDMF(50mL、10.0mL/g)の溶液に、室温で(E)-3-エトキシプロパ-2-エン酸(3.24g、27.9mmol、1.10当量)、Et
3N(3.9mL、28.0mmol、1.10当量)、及びTBTU(9.0g、27.9mmol、1.10当量)をこの順序で添加した。室温で2時間後、H
2O(400mL、80.0mL/g)及びMTBE(400mL、80.0mL/g)を混合物に添加した。次いで、有機層を分離し、濃縮した。残渣をシリカゲル上フラッシュクロマトグラフィによって精製し、次いで、DCMで溶出して、生成物を淡黄色オイルとして得た(1.58g、21%):
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ 7.65(d,J=11.7Hz,1H),7.36-6.98(m,10H),5.59(d,J=11.7Hz,1H),4.73-4.27(m,4H),3.82(q,J=7.1Hz,2H),1.23(t,J=7.0Hz,3H)。
13C NMR(100MHz,クロロホルム-d):167.8,162.1,128.5,128.3,128.2,127.9,127.1,126.9,126.2,119.6,95.4,67.2,49.7,48.1,14.3。HRMS C
19H
22O
2N [M+H]
+に関する計算値:296.1651、実測値:296.1652。
実施例21:(E)-N-ベンジル-3-エトキシアクリルアミド(31)
【0129】
オーバーヘッド撹拌を装備した400mL反応器に、活性窒素ライン下で室温で、(E)-3-エトキシプロパ-2-エン酸(3.48g、30.0mmol、1.30当量)、ベンジルアミン(2.47g、23.0mmol、1.00当量)、2-PrOH(12.5mL、5.0mL/g)、Et3N(13.0mL、93.0mmol、4.00当量)、次いで酢酸エチル(17.0mL、28.0mmol、1.20当量)中50w%のT3P(登録商標)をこの順序で合わせた(注意:発熱温度上昇)。反応物を40℃に1時間加熱し、次いで、蒸留水(37.5mL、15.0mL/g)でクエンチした。層を分離し、水層をDCM(25.0mL、10mL/g)で2回抽出し、次いで、有機層を合わせた。次いで、合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フィルタにかけ、次いで、減圧下で濃縮した。粗残渣をシリカゲル上フラッシュクロマトグラフィによって精製し、25~50%のIPAc:ヘプタン勾配移動相で溶出し、次いで、濃縮すると、生成物が白色固体(61%)として得られた:融点67~68℃。FTIR(neat cm-1)3284,2984,1655,1599,1584,1204,1185,849,811,602,521。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.12(t,J=6.0Hz,1H),7.37(d,J=12.4Hz,1H),7.34-7.28(m,2H),7.27-7.22(m,3H),5.40(d,J=12.4Hz,1H),4.31(d,J=6.0Hz,2H),3.87(q,J=7.0Hz,2H),1.24(t,J=7.0Hz,3H)。13C NMR(101MHz,DMSO-d6)δ 165.8,158.1,139.8,128.2,127.3,126.7,99.4,66.1,41.9,14.5。LRMS:C12H16NO2 [M+H]+に関する計算値:206.1、実測値:206.1。
【0130】
実施例22~36は、種々のベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-2-アミンの合成手順を例示する。
実施例22:ベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-2-アミンの合成のための一般的手順
【0131】
撹拌棒を含有するドラムバイアルに、アクリルアミド(1.00mmol、1.00当量)、N-ジエトキシホスホリル-1H-ベンズイミダゾール-2-アミン(0.296g、1.10mmol、1.10当量)、続いて2-メチルテトラヒドロフラン(1.0mL、1.0mL/mmol)及びアセトニトリル(1.0mL、1.0mL/mmol)を添加した。次いで、反応物を0℃に冷却し、塩化ホスホリル(0.204mL、2.20mmol、2.2当量)を一度に添加し、次いで、反応物を70℃加熱ブロックに入れた。反応物をこの温度で3時間撹拌した。70℃で3時間後、反応物を室温に冷却し、Et
3N(1.0mL)でクエンチした。次いで、混合物をシリカゲルに乾式装填し、自動シリカゲルカラムクロマトグラフィによって精製した。
実施例23:2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)ベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン(6a)
【0132】
ベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-2-アミンの一般的な合成手順を、(E)-3-エトキシ-1-(4-フェニルピペリジン-1-イル)プロパ-2-エン-1-オン(0.259g、1.00mmol、1.00当量)及びN-ジエトキシホスホリル-1H-ベンズイミダゾール-2-アミン(0.296g、1.10mmol、1.10当量)を用いて行い、化合物6a(0.312g、95%)を白色固体として得た。溶離剤勾配:CH
2Cl
2中、0~10%CH
3OH。融点241~243 ℃;FTIR(neat cm
-1)1646,1606,1473,1449,1195,738,662;
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ 8.23(d,J=7.7Hz,1H),7.73(d,J=8.1Hz,1H),7.55(d,J=8.0Hz,1H),7.37(t,J=7.7Hz,1H),7.31(t,J=7.5Hz,2H),7.26-7.14(m,4H),6.44(d,J=7.8Hz,1H),4.77(s,2H),3.09(t,J=13.0Hz,2H),2.85(tt,J=12.2,3.8Hz,1H),2.00(q,J=12.3Hz,2H),1.75(qd,J=12.8,4.2Hz,2H)。
13C NMR(101MHz,クロロホルム-d)δ 157.9,152.9,145.2,144.9,132.7,128.7,127.9,126.9,126.9,124.8,119.8,118.7,108.8,95.5,45.8,43.0,33.3。HRMS:C
21H
21N
4 [M+H]
+に関する計算値:329.1761、実測値:329.1759.
実施例24:N-メチル-N-フェニルベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-2-アミン(7a)
【0133】
ベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-2-アミンの一般的な合成手順を、(E)-3-エトキシ-N-メチル-N-フェニルアクリルアミド(0.103g、0.500mmol、1.00当量)及びN-ジエトキシホスホリル-1H-ベンズイミダゾール-2-アミン(0.148g、0.550mmol、1.10当量)を用いて行い、化合物7a(0.137g、87%)を白色固体として得た。溶離剤勾配:CH
2Cl
2中、0~10% CH
3OH。融点270~271 ℃;FTIR(neat cm
-1)1640,1588,1504,1449,1366,1247,1366,1247,1222,1121,762,702;
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ 8.08(d,J=7.6Hz,1H),7.76(d,J=8.1Hz,1H),7.54(d,J=8.0Hz,1H),7.49(t,J=7.6Hz,2H),7.38(t,J=7.5Hz,2H),7.29(d,J=7.5Hz,2H),7.19(t,J=7.6Hz,1H),3.63(s,3H)。
13C NMR(101MHz,クロロホルム-d)δ 158.8,144.8,144.5,131.7,130.3,127.9,127.8,127.3,124.9,120.1,119.0,108.9,97.9,39.1。HRMS:C
17H
15N
4 [M+H]
+に関する計算値:275.1291、実測値:275.1292。
実施例25:N-(4-メトキシフェニル)-N-メチルベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-2-アミン(8a)
【0134】
ベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-2-アミンの一般的な合成手順を、(E)-3-エトキシ-N-(4-メトキシフェニル)-N-メチルアクリルアミド(0.118g、0.500mmol、1.00当量)及びN-ジエトキシホスホリル-1H-ベンズイミダゾール-2-アミン(0.148g、0.550mmol、1.10当量)を用いて実施して、化合物8a(0.152g、92%)を白色固体として得た。溶離剤勾配:CH
2Cl
2中、0~10% CH
3OH。融点287-289℃;FTIR(neat cm
-1)1644,1609,1507,1438,1369,1264,1023,789,736;
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ 8.05(d,J=6.4Hz,1H),7.75(d,J=8.1Hz,2H),7.53(d,J=8.0Hz,2H),7.37(s,1H),7.19(dt,J=8.7,1.7Hz,5H),6.99(d,J=7.3Hz,3H),6.03(dd,J=7.7,1.3Hz,2H),3.86(s,3H),3.58(s,3H)。
13C NMR(101MHz,クロロホルム-d)δ 159.2,159.0,152.8,144.8,137.2,131.6,128.6,127.9,124.8,120.0,118.9,115.5,108.8,97.8,55.7,39.2。HRMS:C
18H
17N
4O [M+H]
+に関する計算値:305.1397、実測値:305.1398.
実施例26:N-メチル-N-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-2-アミン(9a)
【0135】
ベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-2-アミンの一般的な合成手順を、(E)-3-エトキシ-N-メチル-N-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)アクリルアミド(0.137g、0.500mmol、1.00当量)及びN-ジエトキシホスホリル-1H-ベンズイミダゾール-2-アミン(0.148g、0.550mmol、1.10当量)を用いて実施して、化合物9a(0.142g、83%)を白色固体として得た。溶離剤勾配:CH
2Cl
2中、0~10% CH
3OH。融点271-273 ℃;FTIR(neat cm
-1)1654,1608,1458,1319,1122,1103,1059,765,737;
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ 8.17(d,J=7.7Hz,1H),7.77(dd,J=14.6,8.1Hz,3H),7.59(d,J=8.1Hz,1H),7.42(dd,J=17.4,8.3Hz,3H),7.32-7.18(m,1H),6.16(d,J=7.6Hz,1H),3.66(s,3H)。
13C NMR(101MHz,クロロホルム-d)δ 158.2,144.6,132.1,127.7,127.3,127.3,127.2,125.0,120.3,119.1,109.0,97.5,38.9。
19F NMR(376MHz,クロロホルム-d)δ-62.50。HRMS:C
18H
14F
3N
4 [M+H]
+に関する計算値:343.1165、実測値:343.1166.
実施例27:N-(4-クロロフェニル)-N-メチルベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-2-アミン(10a)
【0136】
ベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-2-アミンの一般的な合成手順を、(E)-N-(4-クロロフェニル)-3-エトキシ-N-メチルアクリルアミド(0.120g、0.500mmol、1.00当量)及びN-ジエトキシホスホリル-1H-ベンズイミダゾール-2-アミン(0.148g、0.550mmol、1.10当量)を用いて実施して、化合物10a(0.139g、90%)を白色固体として得た。溶離剤勾配:CH
2Cl
2中、0~10% CH
3OH。融点248~250 ℃;FTIR(neat cm
-1)1640,1450,1361,810,762,733,554,430;
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ 8.12(d,J=7.6Hz,1H),7.77(d,J=8.1Hz,1H),7.56(d,J=8.0Hz,1H),7.46(d,J=8.3Hz,2H),7.40(t,J=7.7Hz,1H),7.34-7.17(m,2H),6.08(d,J=7.6Hz,1H),3.61(s,1H)。
13C NMR(101MHz,クロロホルム-d)δ 158.6,144.8,143.1,133.4,132.0,130.5,128.7,127.9,125.0,120.3,119.1,109.0,97.6,39.1。HRMS:C
17H
14ClN
4 [M+H]
+に関する計算値:309.0902、実測値:309.0905。
実施例28:N-メチル-N-(o-トリル)ベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-2-アミン(11a)
【0137】
ベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-2-アミンの一般的な合成手順を、(E)-3-エトキシ-N-メチル-N-(o-トリル)アクリルアミド(0.110g、0.500mmol、1.00当量)及びN-ジエトキシホスホリル-1H-ベンズイミダゾール-2-アミン(0.148g、0.550mmol、1.10当量)を用いて実施して、化合物11a(0.112g、78%)を白色固体として得た。溶離剤勾配:CH
2Cl
2中、0~10% CH
3OH。融点218~220 ℃;FTIR(neat cm
-1)1640,1449,1367,1250,1110,776,707;
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ 8.06(d,J=7.6Hz,1H),7.75(d,J=8.1Hz,1H),7.53(d,J=8.0Hz,1H),7.41-7.27(m,4H),7.24-7.14(m,2H),5.77(d,J=7.6Hz,1H),3.55(s,3H),2.19(s,3H)。
13C NMR(101MHz,クロロホルム-d)δ 158.8,144.8,142.7,136.4,132.0,131.9,128.7,128.5,128.1,127.9,124.8,120.0,118.9,108.8,97.3,37.8,17.6。HRMS:C
18H
17N
4 [M+H]
+に関する計算値:289.1448、実測値:289.1443。
実施例29:N,N-ジベンジルベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-2-アミン(12a)
【0138】
ベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-2-アミンの一般的な合成手順を、(E)-N,N-ジベンジル-3-エトキシアクリルアミド(0.148g、0.500mmol、1.00当量)及びN-ジエトキシホスホリル-1H-ベンズイミダゾール-2-アミン(0.148g、0.550mmol、1.10当量)を用いて実施して、化合物12a(0.163g、89%)を白色固体として得た。溶離剤勾配:CH
2Cl
2中、0~10% CH
3OH。融点189-191 ℃;FTIR(neat cm
-1)1640,1583,1478,1443,1218,927,734,720,691;
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ 8.21(d,J=7.6Hz,1H),7.76(d,J=8.1Hz,1H),7.54(d,J=8.0Hz,1H),7.42-7.23(m,11H),7.19(t,J=7.6Hz,1H),6.29(d,J=7.7Hz,1H),5.09-4.69(bs,4H)。
13C NMR(101MHz,クロロホルム-d)δ 159.1,144.9,133.0,129.0,127.8,127.8,125.0,120.0,118.9,110.1,108.9,96.0,51.1。HRMS:C
24H
21N
4 [M+H]
+に関する計算値:365.1761、実測値:365.1766.
実施例30:N-ベンジルベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-2-アミン(13a)
【0139】
ベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-2-アミンの一般的な合成手順を、(E)-N-ベンジル-3-エトキシアクリルアミド(0.205g、1.00mmol、1.00当量)及びN-ジエトキシホスホリル-1H-ベンズイミダゾール-2-アミン(0.296g、1.10mmol、1.10当量)を用いて実施して、化合物13a(0.175g、64%)を白色固体として得た。溶離剤勾配:CH
2Cl
2中、0~10% CH
3OH。融点270-272 ℃;FTIR(neat cm
-1)1644,1585,1493,1444,1340,1320,1039,794,729;
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ 8.82(d,J=7.4Hz,1H),8.39(t,J=5.8Hz,1H),7.88(d,J=7.9Hz,1H),7.50(d,J=8.0Hz,1H),7.44-7.31(m,4H),7.31-7.23(m,2H),7.15(t,J=7.6Hz,1H),6.43(d,J=7.3Hz,1H),4.65(d,J=5.6Hz,2H)。
13C NMR(101MHz,DMSO-d
6)δ 158.8,152.4,143.8,139.0,133.3,128.4,128.0,127.6,127.0,123.9,119.2,117.2,109.9,99.2,43.6。HRMS:C
17H
15N
4 [M+H]
+に関する計算値:275.1291、実測値:275.1277.
実施例31:8-メトキシ-2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)ベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン(14a)
【0140】
ベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-2-アミンの一般的な合成手順を、(E)-3-エトキシ-1-(4-フェニルピペリジン-1-イル)プロパ-2-エン-1-オン(0.259g、1.00mmol、1.00当量)及びジエチル(Z)-(5-メトキシ-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イリデン)ホスホルアミデート(0.329g、1.10mmol、1.1当量)を用いて行い、14aと14a’との混合物を黄色固体として得た(0.342g、95%、55:4514a:14a’)。溶離剤勾配:CH
2Cl
2中、0~10%CH
3OH。次いで、この異性体の混合物をSFC精製(セルロース3カラム、溶離液:25%MeOH-定組成)に供して、14aの分析的に純粋な試料を得た。融点248~250 ℃;FTIR(neat,cm
-1)1666,1503,1477,1281,1210,1172,775,753,699;
1H NMR(400MHz,酢酸-d
4)δ 8.79(d,J=7.6Hz,1H),7.84(d,J=8.9Hz,1H),7.36-7.15(m,6H),7.12(d,J=7.7Hz,1H),7.00(dd,J=9.0,2.3Hz,1H),5.22(d,J=13.1Hz,1H),4.66-4.28(m,1H),3.88(s,3H),3.46(t,J=13.2Hz,1H),3.15(t,J=12.8Hz,1H),2.99(tt,J=12.1,3.6Hz,1H),2.08(q,J=11.6,10.2Hz,2H),1.93-1.65(m,2H)。
13C NMR(101MHz,酢酸-d
4)δ 160.6,159.7,148.6,145.8,135.6,132.3,129.6,127.6,127.5,120.4,113.4,112.8,100.7,97.8,56.5,48.2,46.1,43.0,34.2,33.6。HRMS:C
22H
23N
4O
+[M+H]
+に関する計算値:359.1866;実測値:359.1867。
実施例32:7-メトキシ-2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)ベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン(14a’)
【0141】
ベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-2-アミンの一般的な合成手順を、(E)-3-エトキシ-1-(4-フェニルピペリジン-1-イル)プロパ-2-エン-1-オン(0.259g、1.00mmol、1.00当量)及びジエチル(Z)-(5-メトキシ-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イリデン)ホスホルアミデート(0.329g、1.10mmol、1.10当量)を用いて行い、14aと14a’との混合物を黄色固体として得た(0.342g、95%、55:4514a:14a’)。溶離剤勾配:CH
2Cl
2中、0~10%CH
3OH。次いで、この異性体の混合物をSFC精製(セルロース3カラム、溶離液:25%MeOH-定組成)に供して、14a’の分析的に純粋な試料を得た。融点202-205 ℃;FTIR(neat,cm
-1)1638,1477,1443,1281,1210,1172,775,753,699;
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ 8.92(d,J=7.8Hz,1H),7.65(d,J=2.5Hz,1H),7.42(d,J=8.7Hz,1H),7.36-7.12(m,5H),6.98-6.64(m,2H),4.72(s,2H),3.82(s,3H),3.08(t,J=12.7Hz,2H),2.89(tt,J=12.2,3.6Hz,1H),2.03-1.80(m,2H),1.63(qd,J=12.6,4.0Hz,2H)。
13C NMR(101MHz,DMSO-d
6)δ 157.4,153.7,151.5,145.6,138.2,134.1,128.4,128.0,126.7,126.2,117.7,112.9,109.5,95.8,94.9,55.7,44.9,41.9,32.8。HRMS:C
22H
23N
4O
+[M+H]
+に関する計算値:359.1866、実測値:359.1867.
実施例33:9-ブロモ-2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)ベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン(15a)
【0142】
ベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-2-アミンの一般的な合成手順を、(E)-3-エトキシ-1-(4-フェニルピペリジン-1-イル)プロパ-2-エン-1-オン(0.259g、1.00mmol、1.00当量)及びジエチル(Z)-(4-ブロモ-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イリデン)ホスホルアミデート(0.383g、1.10mmol、1.10当量)を用いて行い、化合物15a(0.407g、77%)を黄色固体として得た。溶離剤勾配:CH
2Cl
2中、0~10% CH
3OH。融点196-198℃;FTIR(neat cm
-1)1638,1476,1423,1221,765,735,684;
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ 8.16(d,J=7.7Hz,1H),7.52(d,J=7.8Hz,1H),7.43(d,J=7.9Hz,1H),7.34-7.25(m,2H),7.24-7.15(m,3H),7.00(t,J=7.9Hz,1H),6.44(d,J=7.8Hz,1H),4.74(s,2H),3.18-2.96(m,2H),2.84(tt,J=12.1,3.7Hz,1H),2.04-1.92(m,2H),1.72(qd,J=12.7,4.2Hz,2H)。
13C NMR(101MHz,クロロホルム-d)δ 157.9,152.8,145.0,143.4,132.8,128.7,128.1,127.6,126.8,126.6,120.4,111.6,108.0,96.2,45.8,42.8,33.2。HRMS:C
21H
20BrN
4 [M+H]
+に関する計算値:407.0866、実測値:407.0845.
実施例34:tert-ブチル2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)ベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-9-カルボキシレート(16a)
【0143】
ベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-2-アミンの一般的な合成手順を、(E)-3-エトキシ-1-(4-フェニルピペリジン-1-イル)プロパ-2-エン-1-オン(0.065g、0.250mmol、1.00当量)及びtert-ブチル(Z)-2-((ジエトキシホスホリル)イミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-カルボキシレート(0.102g、0.275mmol、1.10当量)を用いて行い、化合物16a(0.089g、83%)を白色固体として得た。溶離剤勾配:CH
2Cl
2中、0~10% CH
3OH。融点197~199 ℃;FTIR(neat cm
-1)1683,1633,1459,1222,1132,1006,702;
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ 8.37(d,J=7.7Hz,1H),7.95(dd,J=7.8,1.1Hz,1H),7.73(dd,J=7.9,1.1Hz,1H),7.31(ddt,J=7.2,6.5,0.9Hz,2H),7.25-7.14(m,4H),6.52(d,J=7.8Hz,1H),4.78(s,2H),3.10(t,J=13.3Hz,2H),2.85(tt,J=12.2,3.7Hz,1H),2.08-1.93(m,2H),1.81-1.71(m,2H),1.67(s,9H)。
13C NMR(101MHz,クロロホルム-d)δ 165.0,158.2,153.8,145.1,144.1,132.9,129.1,128.7,127.1,126.9,126.7,121.4,118.7,112.5,96.3,80.9,42.9,33.3,28.5。HRMS:C
26H
29N
4O
2 [M+H]
+に関する計算値:429.2285、実測値:429.2286。
実施例35:7-(4-フェニルピペリジン-1-イル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン(17a)
【0144】
ベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-2-アミンの一般的な合成手順を、(E)-3-エトキシ-1-(4-フェニルピペリジン-1-イル)プロパ-2-エン-1-オン(0.259g、1.00mmol、1.00当量)及びジエチル(1,3-ジヒドロ-2H-イミダゾール-2-イリデン)ホスホルアミデート(0.241g、1.10mmol、1.10当量)を用いて行い、化合物17a(0.215g、77%)をオフホワイトの固体として得た。溶離剤勾配:CH
2Cl
2中、0~10% CH
3OH。融点190-193 ℃;FTIR(neat cm
-1)1643,1542,1515,1477,1219,1008;
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ 8.02(d,J=7.7Hz,1H),7.37(d,J=1.6Hz,1H),7.34-7.24(m,2H),7.20(ddd,J=7.8,5.9,1.7Hz,3H),7.13(d,J=1.6Hz,1H),4.64(d,J=13.4Hz,1H),3.03(td,J=13.3,2.6Hz,2H),2.80(tt,J=12.2,3.7Hz,1H),1.95(d,J=12.8Hz,2H),1.72(qd,J=12.7,4.1Hz,2H)。
13C NMR(101MHz,クロロホルム-d)δ 156.2,149.9,145.4,133.7,132.5,128.6,126.8,126.5,108.8,97.5,45.8,43.0,33.1。HRMS:C
17H
19N
4 [M+H]
+に関する計算値:279.1604、実測値:279.1599.
実施例36:エチル7-(4-フェニルピペリジン-1-イル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-2-カルボキシレート(18a)
【0145】
ベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-2-アミンの一般的な合成手順を、(E)-3-エトキシ-1-(4-フェニルピペリジン-1-イル)プロパ-2-エン-1-オン(0.130g、0.500mmol、1.00当量)及びエチル(Z)-2-((ジエトキシホスホリル)イミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾール-4-カルボキシレート(0.160g、0.550mmol、1.10当量)を用いて行い、化合物18a(0.152g、87%)を白色固体として得た。溶離剤勾配:CH2Cl2中、0~10% CH3OH。融点205-207℃;FTIR(neat cm-1)1715,1650,1519,1492,1208,1183,1120,752;1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ 8.02(d,J=7.8Hz,1H),7.77(s,1H),7.35-7.25(m,3H),7.25-7.15(m,3H),6.55(d,J=7.8Hz,1H),4.66(d,J=13.1Hz,2H),4.39(q,J=7.1Hz,2H),3.07(td,J=13.2,2.5Hz,2H),2.83(tt,J=12.2,3.7Hz,1H),2.02-1.90(m,2H),1.73(dtd,J=13.4,12.4,4.2Hz,3H),1.40(t,J=7.1Hz,3H)。13C NMR(101MHz,クロロホルム-d)δ 163.8,156.6,149.5,145.3,135.9,133.8,128.7,126.9,126.7,114.0,99.4,60.9,45.9,43.0,33.1,14.5.HRMS:C20H23N4O2 [M+H]+に関する計算値:351.1816、実測値:351.1815.
【0146】
実施例37~42は、種々のベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-4-アミンの合成手順を例示している。
実施例37:ベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-4-アミンの合成のための一般的手順
【0147】
撹拌棒を含有するドラムバイアルに、アクリルアミド(0.50mmol、1.0当量)、続いて2-メチルテトラヒドロフラン(1.0mL、1.0mL/mmol)及びアセトニトリル(1.0mL、1.0mL/mmol)を添加した。次いで、反応物を0℃に冷却し、塩化ホスホリル(56μL、0.60mmol、1.2当量)を一度に添加した。次いで、反応混合物を15分間80℃に加熱し、次いで室温に冷却した。この時点で、ドラムバイアルからキャップを取り外し、1-ジエトキシホスホリルベンズイミダゾール-2-アミン(0.404g、1.5mmol、3.0当量)を反応混合物に添加した。キャップを交換し、次いで、反応物を50℃の加熱ブロックに入れ、3時間反応させた。3時間後、反応混合物を室温に冷却し、次いで、Et
3N(1.0mL)でクエンチした。次いで、混合物をシリカゲルに乾式装填し、自動シリカゲルカラムクロマトグラフィによって精製した。
実施例38:4-(4-フェニルピペリジン-1-イル)ベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン(6b)
【0148】
ベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-4-アミンの一般的な合成手順を、(E)-3-エトキシ-1-(4-フェニルピペリジン-1-イル)プロパ-2-エン-1-オン(0.130g、0.500mmol、1.00当量)を用いて行い、化合物6b(0.146g、89%)を淡黄色固体として得た。溶離剤勾配:CH
2Cl
2中、0~10% CH
3OH。融点203-204℃;FTIR(neat cm
-1)1584,1505,1429,1177,761,740,703;
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ 8.64(d,J=4.8Hz,1H),8.16(d,J=8.3Hz,1H),8.00(d,J=8.2Hz,1H),7.56(t,J=7.7Hz,1H),7.45-7.24(m,6H),6.42(d,J=4.8Hz,1H),3.76(d,J=11.8Hz,2H),2.88(dtd,J=28.1,11.0,10.6,5.0Hz,3H),2.18(td,J=10.3,9.5,3.6Hz,4H)。
13C NMR(101MHz,クロロホルム-d)δ 157.3,155.9,144.7,144.6,128.9,127.1,127.0,126.8,126.0,121.2,120.1,115.2,110.1,95.0,50.9,42.0,32.6。HRMS:C
21H
21N
4 [M+H]
+に関する計算値:329.1761、実測値:329.1762.
実施例39:N-メチル-N-フェニルベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-4-アミン(7b)
【0149】
ベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-4-アミンの一般的な合成手順を、(E)-3-エトキシ-N-メチル-N-フェニルアクリルアミド(0.103g、0.500mmol、1.00当量)を用いて行い、化合物7b(0.122g、89%)を黄色固体として得た。溶離剤勾配:CH
2Cl
2中、0~10% CH
3OH。融点165~175 ℃;FTIR(neat cm
-1)1589,1470,1443,1368,755,723,690;
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ 8.70(d,J=4.7Hz,1H),7.96(d,J=8.7Hz,1H),7.69(d,J=8.5Hz,1H),7.47(t,J=7.7Hz,1H),7.28(t,J=7.3Hz,2H),7.16(t,J=7.8Hz,1H),7.06(t,J=7.4Hz,1H),6.92(d,J=8.9Hz,2H),6.60(dd,J=4.7,1.1Hz,1H),3.50(s,3H)。
13C NMR(101MHz,クロロホルム-d)δ 155.7,153.3,145.3,144.6,129.9,127.3,126.4,126.2,123.8,121.5,119.9,118.7,115.7,100.7,40.0。HRMS:C
17H
15N
4 [M+H]
+に関する計算値:275.1291、実測値:275.1288.
実施例40:N-(4-メトキシフェニル)-N-メチルベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-4-アミン(8b)
【0150】
ベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-4-アミンの一般的な合成手順を、(E)-3-エトキシ-N-(4-メトキシフェニル)-N-メチルアクリルアミド(0.118g、0.500mmol、1.00当量)を用いて行い、化合物8b(0.128g、84%)を黄緑色固体として得た。溶離剤勾配:CH
2Cl
2中、0~10% CH
3OH。融点176~177℃;FTIR(neat cm
-1)1593,1494,1445,1371,1238,1030,827,726,533;
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ 8.65(d,J=4.9Hz,1H),7.94(d,J=8.2Hz,1H),7.74(d,J=8.4Hz,1H),7.51-7.42(m,1H),7.20-7.11(m,1H),6.90(d,J=8.7Hz,1H),6.81(d,J=8.9Hz,2H),6.50(d,J=4.8Hz,1H),3.74(s,2H),3.47(s,2H)。
13C NMR(101MHz,クロロホルム-d)δ 156.7,155.5,154.0,153.2,144.6,138.7,126.5,126.0,121.5,121.2,119.8,115.9,115.2,99.3,55.6,40.9。HRMS:C
18H
17N
4O [M+H]
+に関する計算値:305.1397、実測値:305.1395。
実施例41:N-(4-クロロフェニル)-N-メチルベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-4-アミン(10b)
【0151】
ベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-4-アミンの一般的な合成手順を、(E)-N-(4-クロロフェニル)-3-エトキシ-N-メチルアクリルアミド(0.120g、0.500mmol、1.00当量)を用いて行い、化合物10b(0.101g、65%)を黄緑色固体として得た。溶離剤勾配:CH
2Cl
2中、0~10% CH
3OH。融点199~202℃;FTIR(neat cm
-1)1594,1487,1444,1372,1117,813,738;
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ 8.70(d,J=4.7Hz,1H),7.97(d,J=8.3Hz,1H),7.67(d,J=8.4Hz,1H),7.50(t,J=7.7Hz,1H),7.27-7.15(m,3H),6.84(d,J=8.6Hz,2H),6.60(d,J=4.6Hz,1H),3.48(s,3H)。
13C NMR(101MHz,クロロホルム-d)δ 155.7,152.9,152.8,144.7,144.0,129.9,129.0,126.3,126.2,121.8,120.2,119.6,115.5,101.0,39.9。HRMS:C
17H
14ClN
4 [M+H]
+に関する計算値:309.0902、実測値:309.0888。
実施例42:N,N-ジベンジルベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-4-アミン(12b)
【0152】
ベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-4-アミンの一般的な合成手順を、(E)-N,N-ジベンジル-3-エトキシアクリルアミド(0.148g、0.500mmol、1.00当量)を用いて行い、化合物12b(0.146g、80%)を黄色固体として得た。溶離剤勾配:CH2Cl2中、0~10% CH3OH。融点240-244 ℃;FTIR(neat cm-1)1645,1610,1477,1192,1023,947,749;1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ 8.54(d,J=4.8Hz,1H),8.25(d,J=8.3Hz,1H),8.06(d,J=8.2Hz,1H),7.61(t,J=7.7Hz,1H),7.45(t,J=7.8Hz,1H),7.40-7.30(m,6H),7.09(dd,J=6.5,2.8Hz,4H),6.11(d,J=4.8Hz,1H),4.45(s,2H),4.31(s,2H)。13C NMR(101MHz,クロロホルム-d)δ 155.2,154.5,153.5,144.9,134.5,129.2,128.9,128.5,127.2,126.2,121.6,120.3,115.6,98.8,53.9。HRMS:C24H21N4 [M+H]+に関する計算値:365.1761、実測値:365.1761.
実施例43:計算
【0153】
全ての計算は、ガウス09(改訂E.01;ガウシアン社(コネチカット州ウォリングフォード)から入手可能)を使用して行った。この例で使用される用語は、Gaussian09と共に配布される文書及びユーザマニュアルを参照することによってさらに理解することができる。
【0154】
ホスホロアミデート2a及び2b並びに2-アミノベンズイミダゾール1中の窒素原子の電荷密度の密度汎関数理論(DFT)計算分析(理論値レベル:M062X/Def2TZVP,SMD(アセトニトリル))は、関連する窒素原子にわたって同様の電荷密度及び電荷の大きさを示し(
図6)、これは、本明細書に記載の反応における選択性が電子因子によってのみ支配されるわけではないことを示唆している。これは、反応が1,4付加機構を介して進行することを示唆しており、これは、2aと19との間の初期C-N結合形成事象中に立体的にあまり輻輳していない遷移状態を可能にするからである。
【0155】
最低エネルギー構造を確実に同定するために、立体配座異性体及び互変異性体を徹底的に研究した。すべての幾何学的最適化は、B3LYP機能及びGrimme分散補正D3BJを6-311G(d、p)で用いて行った。同じレベルの理論で周波数計算を行い、298Kでの熱補正を得た。すべての最小値は、0個の負の周波数を有することによって確認された。単一点エネルギー計算を、Def2-TZVPを用いて理論のM062Xレベルで行った。潜在溶媒和を、SMD=アセトニトリルを使用して適用した。部分電荷は、キーワードpop=nboを使用して計算した。すべての最終ギブス自由エネルギーは、1atmの標準状態に対応する。
【0156】
図6では、1、2a、2bの最低エネルギー構造のみを示している。これらは、それらの互変異性体と比較してエネルギーが実質的に低く(>2.0kcal/mol)、ほぼ同一の部分電荷を有すると計算された。
【0157】
実施例44~47は、本明細書の他の箇所に記載されている様々な分子の結晶学データを提供する。
実施例44:2aのX線分析
【0158】
X線品質の結晶はそのまま使用した。得られた結晶パラメータを表2に示す。0.260x0.190x0.120mmのサイズの無色のブロックを、パラトン油を用いてCryoloop上に取り付けた。データを、ファイ及びオメガ走査を使用して、90(2)Kで窒素ガス流内にて収集した。結晶から検出器までの距離は、40mmであり、曝露時間は、0.5°の走査幅を使用してフレームあたり0.05秒間であった。データ収集は、67.000°(θ)まで100.0%完了であった。-12<=h<=12、-17<=k<=17、-11<=l<=11の指数を網羅する、合計28327の反射を収集した。2654の反射は、0.0402のR
intを有して、対称性に独立であることが見出された。指数付け及び単位セル微細化は、原始的な単斜晶格子を示した。空間群は、P21/c(No.14)であることが分かった。CrysAlisPro 1.171.40.14eを使用してデータを統合及びスケーリングした。反復法(SHELXT-2014)による解は、完全な重原子フェージングモデルを生成した。全ての非水素原子を、完全行列最小二乗法によって異方的に微細化した(SHELXL-2018)。全ての水素原子を、ライディングモデルを使用して定置した。それらの位置を、SHELXL-2018にて適切なHFIXコマンドを使用して、それらの親原子に対して拘束した。
実施例45:2bのX線分析
【0159】
X線品質の結晶はそのまま使用した。得られた結晶パラメータを表3に示す。0.120x0.100x0.060mmのサイズの無色のプリズムを、パラトン油を用いてCryoloop上に取り付けた。データを、ファイ及びオメガ走査を使用して、90(2)Kで窒素ガス流内にて収集した。結晶から検出器までの距離は、40mmであり、曝露時間は、0.5°の走査幅を使用してフレームあたり0.05秒間であった。データ収集は、67.000°(θ)まで100.0%完了であった。-11<=h<=11、-13<=k<=12、-16<=l<=15の指数を網羅する、合計26838の反射を収集した。2482の反射は、0.0309のR
intを有して、対称性に独立であることが見出された。指数付け及び単位セル微細化は、原始的な単斜晶格子を示した。空間群はP21/n(第14号)であることが分かった。CrysAlisPro 1.171.40.42aを使用してデータを統合及びスケーリングした。反復法(SHELXT-2014)による解は、完全な重原子フェージングモデルを生成した。全ての非水素原子を、完全行列最小二乗法によって異方的に微細化した(SHELXL-2018)。全ての水素原子を、ライディングモデルを使用して定置した。それらの位置を、SHELXL-2018にて適切なHFIXコマンドを使用して、それらの親原子に対して拘束した。
実施例46:6aのX線分析
【0160】
X線品質の結晶はそのまま使用した。得られた結晶パラメータを表4に示す。0.060x0.040x0.020mmのサイズの無色のブレードを、パラトン油を用いてCryoloop上に取り付けた。データを、ファイ及びオメガ走査を使用して、90(2)Kで窒素ガス流内にて収集した。結晶から検出器までの距離は、40mmであり、曝露時間は、0.5°の走査幅を使用してフレームあたり0.05秒間であった。データ収集は、67.000°(θ)まで100.0%完了であった。-7<=h<=7、-9<=k<=9、-20<=l<=20の指数を網羅する、合計3584の反射を収集した。3584の反射は、0.0398のR
intを有して、対称性に独立であることが見出された。指数付け及び単位セル微細化は、単純三斜格子を示した。空間群はP-1(No.2)であることが分かった。CrysAlisPro1.171.40.57aを使用してデータを統合及びスケーリングした。反復法(SHELXT-2014)による解は、完全な重原子フェージングモデルを生成した。全ての非水素原子を、完全行列最小二乗法によって異方的に微細化した(SHELXL-2018)。全ての水素原子を、ライディングモデルを使用して定置した。それらの位置を、SHELXL-2018にて適切なHFIXコマンドを使用して、それらの親原子に対して拘束した。
実施例47:6bのX線分析
【0161】
X線品質の結晶はそのまま使用した。得られた結晶パラメータを表5に示す。0.120x0.100x0.100mmのサイズの黄色のプリズムを、パラトン油を用いてCryoloop上に取り付けた。データを、ファイ及びオメガ走査を使用して、90(2)Kで窒素ガス流内にて収集した。結晶から検出器までの距離は、40mmであり、曝露時間は、0.5°の走査幅を使用してフレームあたり0.05秒間であった。データ収集は、67.000°(θ)まで100.0%完了であった。-9<=h<=9、-12<=k<=12、-14<=l<=14の指数を網羅する、合計17501の反射を収集した。3203の反射は、0.0239のR
intを有して、対称性に独立であることが見出された。指数付け及び単位セル微細化は、単純三斜格子を示した。空間群はP-1(No.2)であることが分かった。CrysAlisPro1.171.40.57aを使用してデータを統合及びスケーリングした。反復法(SHELXT-2014)による解は、完全な重原子フェージングモデルを生成した。全ての非水素原子を、完全行列最小二乗法によって異方的に微細化した(SHELXL-2018)。全ての水素原子を、ライディングモデルを使用して定置した。それらの位置を、SHELXL-2018にて適切なHFIXコマンドを使用して、それらの親原子に対して拘束した。
【0162】
本明細書で引用されているすべての参照文献は、その全体が参照により援用される。
【0163】
前述の説明は、本技術の様々な態様を例示することを意図している。本明細書に提示される例は、添付の特許請求の範囲を限定するものではない。本発明は完全に説明されたが、添付の特許請求の範囲の主旨又は範囲から逸脱することなく、多くの変更及び修正を行うことができることが当業者には明らかであろう。