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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-14
(45)【発行日】2023-11-22
(54)【発明の名称】吸収性物品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/47 20060101AFI20231115BHJP
   A61F 13/532 20060101ALI20231115BHJP
   A61F 13/533 20060101ALI20231115BHJP
【FI】
A61F13/47 300
A61F13/532 200
A61F13/533 100
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019017737
(22)【出願日】2019-02-04
(65)【公開番号】P2020124316
(43)【公開日】2020-08-20
【審査請求日】2020-11-18
【審判番号】
【審判請求日】2022-07-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003247
【氏名又は名称】弁理士法人小澤知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】黒田 賢一郎
(72)【発明者】
【氏名】丸山 貴史
(72)【発明者】
【氏名】チャテゥラパターノン カナポン
(72)【発明者】
【氏名】野田 祐樹
【合議体】
【審判長】一ノ瀬 覚
【審判官】西本 浩司
【審判官】藤井 眞吾
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0246045(US,A1)
【文献】特開2010-148708(JP,A)
【文献】特開2011-481(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/15 - 13/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに直交する前後方向及び幅方向と、
着用者の排泄口と対向する中央域と、
前記中央域よりも後側に位置する後側域と、
前記中央域よりも前側に位置する前側域と、
少なくとも前記中央域に配置される吸収コアと、
前記吸収コアよりも肌面側に位置する肌面シートと、を有する吸収性物品であって、
前記中央域には、前記吸収性物品の前記幅方向の中心を挟んで前記前後方向に延びる一対の折曲基点部が設けられており、
前記中央域における前記吸収コアの最大幅は、前記前側域における前記吸収コアの最大幅よりも長く、
前記吸収コアの外側縁は、前記折曲基点部よりも前記幅方向の外側に位置しており、
前記中央域は、前記中央域における前記前後方向の中心を含む中央中心部と、前記中央中心部よりも前記前後方向の外側に位置する中央端部と、を有し、
前記中央中心部における前記吸収コアの外側縁と前記折曲基点部の前記幅方向の距離は、前記中央中心部よりも前側に位置する前記中央端部における前記吸収コアの外側縁と前記折曲基点部の前記幅方向の距離よりも長く、前記中央中心部よりも後側に位置する前記中央端部における前記吸収コアの外側縁と前記折曲基点部の前記幅方向の距離よりも長く、
前記中央域における前記吸収コアの外側縁は、前記中央端部から前記中央中心部に向かって前記幅方向の外側に膨らんだ湾曲形状であり、
前記中央域における前記吸収コアの最大幅は、前記中央域における前記前後方向の中心を通り、かつ前記幅方向に延びる中央中心線上に位置する、吸収性物品。
【請求項2】
前記一対の折曲基点部に挟まれた領域の前記吸収コアには、前記一対の折曲基点部よりも前記幅方向の外側の領域における前記吸収コアよりも坪量が高い高坪量部が設けられている、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記吸収性物品を着用物品に接合する接合部が設けられており、
前記接合部は、前記吸収コアと重なる領域に配置された本体接合部を有し、
前記本体接合部は、前記中央中心部における前記吸収コアの外側縁と重ならない領域に配置されている、請求項1又は請求項2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
着用時に着用物品の非肌面側に折り返されるウイングを有し、
前記中央域において、前記吸収コアの外側縁は、前記ウイングよりも前記幅方向の内側に位置する、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記肌面シートは、表面シートと、前記表面シートの前記幅方向の外側部を覆う一対のサイドシートと、を有し、
前記一対のサイドシートのそれぞれは、一対の防漏壁を構成し、
前記防漏壁は、前記表面シートに対して起立可能である起立部と、前記起立部よりも前記幅方向の外側において前記起立部の起立支点となる幅支点部と、を有し、
前記防漏壁は、前記折曲基点部よりも前記幅方向の外側に位置する、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記中央中心部における前記吸収コアの外側縁は、前記幅支点部よりも前記幅方向の外側に位置する、請求項に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記吸収コアの外側縁は、前記幅方向に間隔を空けて配置され、かつ前記幅方向の内側へ延びる一対の第1括れ部を有し、
前記第1括れ部は、前記中央中心部よりも後側に配置されている、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項8】
前記第1括れ部は、前記中央域の後端縁よりも前側に位置する、請求項に記載の吸収性物品。
【請求項9】
前記吸収コアの外側縁は、前記幅方向に間隔を空けて配置され、かつ前記幅方向の内側へ延びる一対の第2括れ部を有し、
前記第2括れ部は、前記中央中心部よりも前側に配置されている、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項10】
前記折曲基点部は、前記中央端部から前記中央中心部に向かって前記幅方向の内側に膨らんだ湾曲形状である、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品の幅方向の中心を挟んで前後方向に延びる一対の折曲基点部が設けられた吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、吸収性物品の幅方向の中心を挟んで前後方向に延びる一対の折曲基点部を有する吸収性物品を開示している。折曲基点部は、着用者の排泄口と対向する中央域に配置されている。着用時に着用者の脚によって中央域が挟まれると、中央域には、幅方向の外側から幅方向の内側に向かう力がかかる。中央域は、折曲基点部を基点に変形して、折曲基点部によって挟まれた領域が着用者側に膨らむように変形する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-130365号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、折曲基点部によって挟まれた領域が着用者側に膨らむように変形すると、中央域の幅方向の長さが短くなる。よって、折曲基点部よりも幅方向に拡散した体液の横漏れが発生するおそれがあった。
【0005】
そこで、折曲基点部によって挟まれた領域の排泄口に対するフィット性を確保しつつ、中央域の横漏れを抑制できる吸収性物品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様に係る吸収性物品は、互いに直交する前後方向及び幅方向と、着用者の排泄口と対向する中央域と、前記中央域よりも後側に位置する後側域と、前記中央域よりも前側に位置する前側域と、少なくとも前記中央域に配置される吸収コアと、前記吸収コアよりも肌面側に位置する肌面シートを有する吸収性物品であって、前記中央域には、前記吸収性物品の幅方向の中心を挟んで前記前後方向に延びる一対の折曲基点部が設けられており、前記中央域における前記吸収コアの最大幅は、前記前側域における前記吸収コアの最大幅よりも長く、前記吸収コアの外側縁は、前記折曲基点部よりも前記幅方向の外側に位置しており、前記中央域は、前記中央域における前記前後方向の中心を含む中央中心部と、前記中央中心部よりも前後方向の外側に位置する中央端部と、を有し、前記中央中心部における前記吸収コアの外側縁と前記折曲基点部の前記幅方向の距離は、前記中央端部における前記吸収コアの外側縁と前記折曲基点部の前記幅方向の距離よりも長い。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態における肌面側から見た吸収性物品の平面図である。
図2】実施形態における非肌面側から見た吸収性物品の平面図である。
図3図1のA-A線に沿った吸収性物品の断面図である。
図4図1のB部分の拡大図である。
図5】吸収コアの平面図である。
図6】着用状態の吸収性物品の斜視図である
図7】着用状態の吸収性物品の断面図である。
図8】着用状態の吸収性物品の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(1)実施形態の概要
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
一態様に係る吸収性物品は、互いに直交する前後方向及び幅方向と、着用者の排泄口と対向する中央域と、前記中央域よりも後側に位置する後側域と、前記中央域よりも前側に位置する前側域と、少なくとも前記中央域に配置される吸収コアと、前記吸収コアよりも肌面側に位置する肌面シートを有する吸収性物品であって、前記中央域には、前記吸収性物品の幅方向の中心を挟んで前記前後方向に延びる一対の折曲基点部が設けられており、前記中央域における前記吸収コアの最大幅は、前記前側域における前記吸収コアの最大幅よりも長く、前記吸収コアの外側縁は、前記折曲基点部よりも前記幅方向の外側に位置しており、前記中央域は、前記中央域における前記前後方向の中心を含む中央中心部と、前記中央中心部よりも前後方向の外側に位置する中央端部と、を有し、前記中央中心部における前記吸収コアの外側縁と前記折曲基点部の前記幅方向の距離は、前記中央端部における前記吸収コアの外側縁と前記折曲基点部の前記幅方向の距離よりも長い。
【0009】
着用時に着用者の脚によって中央域が挟まれると、中央域の折曲基点部によって挟まれた領域は、着用者側に膨らむように変形し、排泄口にフィットする。中央域は、前側域よりも着用者の脚の力を受けやすく、幅方向の長さが短くなり易い。しかし、中央域における吸収コアの最大幅が前側域における吸収コアの最大幅よりも長いため、中央域における吸収コアの幅方向の長さを確保し易く、横漏れを抑制できる。また、中央中心部は、中央端部と比較して、排泄口の近くに配置され易く、体液が導かれ易い。しかし、中央中心部における吸収コアの外側縁と折曲基点部の距離が比較的長いため、中央中心部において折曲基点部よりも幅方向の外側の領域に体液が導かれても、横漏れを抑制することができる。よって、折曲基点部によって挟まれた領域の排泄口に対するフィット性を確保しつつ、中央域の横漏れを抑制できる。
【0010】
好ましい一態様によれば、前記中央中心部における前記吸収コアの外側縁は、前記中央端部における前記吸収コアの外側縁よりも前記幅方向の外側に位置してよい。
【0011】
中央中心部は、中央域内おいて特に脚の力を受けやすく、幅方向の長さが短くなり易い。しかし、中央中心部における吸収コアの外側縁が中央端部における吸収コアの外側縁よりも幅方向の外側に位置するため、中央中心部における吸収コアの幅方向の長さを確保し易く、横漏れを抑制できる。
【0012】
好ましい一態様によれば、前記折曲基点部は、少なくとも前記吸収コアを厚さ方向に圧縮した圧搾部によって構成されてよい。
【0013】
圧搾部からなる折曲基点部は、周囲と比較して剛性差及び厚み差があり、変形の基点になりやすい。また、圧搾部からなる折曲基点部は、周囲と比較して高い密度であり、体液を引き込みやすい。よって、折曲基点部に到達した体液を前後方向に拡散しつつ、折曲基点部よりも幅方向の外側に拡散させ難くし、横漏れをより抑制できる。
【0014】
好ましい一態様によれば、前記折曲基点部よりも幅方向の外側の領域には、少なくとも前記吸収コアを厚さ方向に圧縮したサイド圧搾部が設けられており、前記サイド圧搾部の前記厚さ方向における最深部は、前記圧搾部の前記厚さ方向における最深部よりも肌面側に位置してよい。
【0015】
サイド圧搾部によって折曲基点部よりも幅方向の外側の領域の剛性を高め、脚によって挟まれた際に折曲基点部よりも幅方向の外側の領域が幅入りし過ぎることを抑制できる。よって、折曲基点部よりも幅方向の外側の領域の幅方向の長さを確保でき、横漏れを抑制できる。また、サイド圧搾部の圧縮の程度が弱いため、折曲基点部よりも幅方向の外側の領域の剛性が高くなりすぎず、折曲基点部よりも幅方向の外側の領域が脚に触れた際の違和感を抑制できる。
【0016】
好ましい一態様によれば、前記一対の折曲基点部に挟まれた領域の前記吸収コアには、前記一対の折曲基点部よりも幅方向の外側の領域における前記吸収コアよりも坪量が高い高坪量部が設けられてよい。
【0017】
高坪量部によって一対の折曲基点部の間の領域における体液の吸収容量を高め、折曲基点部よりも幅方向の外側の領域に到達する体液を低減し、横漏れをより抑制できる。また、高坪量部によって一対の折曲基点部の間の領域の厚みが厚くなり、一対の折曲基点部の間の領域の排泄口に対するフィット性を向上できる。また、高坪量部によって一対の折曲基点部の間の領域の剛性が高くなり、幅方向の内側に向かう力がかかった際の意図しないヨレや折れを抑制でき、フィット性を確保できる。
【0018】
好ましい一態様によれば、前記一対の折曲基点部に挟まれた領域の少なくとも一部には、少なくとも前記吸収コアを圧縮した中央圧搾部が設けられてよい。
【0019】
本態様によれば、一対の折曲基点部の間の領域における体液の引き込み性を高め、折曲基点部よりも幅方向の外側の領域に到達する体液を低減し、横漏れをより抑制できる。また、中央圧搾部によって一対の折曲基点部の間の領域の剛性が高くなり、幅方向の内側に向かう力がかかった際の意図しないヨレや折れを抑制でき、フィット性を確保できる。
【0020】
好ましい一態様によれば、前記吸収性物品を着用物品に接合する接合部が設けられており、前記接合部は、前記吸収コアと重なる領域に配置された本体接合部を有し、前記本体接合部は、前記中央中心部における前記吸収コアの外側縁と重ならない領域に配置されてよい。
【0021】
着用者の脚によって挟まれた際の力は、中央中心部に掛かり易く、特に中央中心部における吸収コアの外側縁にかかる。このとき、中央中心部における吸収コアの外側縁に本体接合部が重なっていないため、中央中心部における吸収コアの外側縁が着用物品側に引っ張られずに、着用物品に対して立ち上がりやすくなる。中央中心部における吸収コアの外側縁が立ち上がることにより、排泄口のサイドを覆う壁が形成され、横漏れを抑制できる。
【0022】
好ましい一態様によれば、着用時に着用物品の非肌面側に折り返されるウイングを有し、前記中央域において、前記吸収コアの外側縁は、前記ウイングよりも前記幅方向の内側に位置してよい。
【0023】
本態様によれば、中央域の吸収コアは、ウイングと共に非肌面側に折り返されず、着用物品に対して立ち上がりやすくなる。中央域における吸収コアの外側縁が立ち上がることにより、排泄口の側方を覆う壁が形成され、横漏れを抑制できる。
【0024】
好ましい一態様によれば、前記肌面シートは、表面シートと、前記表面シートの前記幅方向の外側部を覆う一対のサイドシートと、を有し、前記一対のサイドシートのそれぞれは、一対の防漏壁を構成し、前記防漏壁は、前記表面シートに対して起立可能である起立部と、前記起立部よりも前記幅方向の外側において前記起立部の起立支点となる幅支点部と、を有し、前記防漏壁は、前記折曲基点部よりも前記幅方向の外側に位置してよい。
【0025】
本態様によれば、排泄口の側方を覆う防漏壁が折曲基点部よりも幅方向の外側に形成され、横漏れを抑制できる。よって、折曲基点部よりも幅方向の外側に体液が拡散した場合に、折曲基点部よりも幅方向の外側の吸収コアによって体液を吸収するとともに、防漏壁によって横漏れを抑制できる。
【0026】
好ましい一態様によれば、前記中央中心部における前記吸収コアの外側縁は、前記幅支点部よりも前記幅方向の外側に位置してよい。
【0027】
本態様によれば、吸収コアによって速やかに体液が引き込まれなかった場合や吸収コアの吸収容量を超えた場合には、体液が肌面シート上に残り、幅方向の外側に伝わる。このとき、防漏壁の起立部の支点となる幅支点部に到達することがある。この体液の拡散は、体液が導かれ易い中央中心部において発生しやすい。中央中心部における吸収コアの外側縁が幅支点部よりも幅方向の外側に位置するため、幅支点部まで体液が到達しても、当該到達した体液を吸収コアによって吸収でき、横漏れを抑制できる。
【0028】
好ましい一態様によれば、前記吸収コアの外側縁は、前記幅方向に間隔を空けて配置され、かつ前記幅方向の内側へ延びる一対の第1括れ部を有し、前記第1括れ部は、前記中央中心部よりも後側に配置されてよい。
【0029】
本態様によれば、着用者が比較的に大きな動作をすると、吸収性物品のうち特に後側域に捩れさせようとする力が作用する。このとき、一対の第1括れ部によって後側域のねじれを吸収し、当該ねじれが中央中心部に伝わり難くなる。よって、中央中心部における排泄口に対するフィット性の確保と横漏れの抑制効果を両立できる。
【0030】
好ましい一態様によれば、前記第1括れ部は、前記中央域の後端縁よりも前側に位置してよい。
【0031】
本態様によれば、中央域にかかる幅方向の内側に向かう力を第1括れ部によって分断でき、後側域を臀部に沿わせるように配置できる。加えて、後側域からの力を第1括れ部によって分断でき、後側域にかかる力が中央中心部に係り難くなり、中央中心部における吸収コアの幅方向の長さを確保し、横漏れを抑制できる。
【0032】
好ましい一態様によれば、前記吸収コアの外側縁は、前記幅方向に間隔を空けて配置され、かつ前記幅方向の内側へ延びる一対の第2括れ部を有し、前記第2括れ部は、前記中央中心部よりも前側に配置されてよい。
【0033】
本態様によれば、前側域からの力を第2括れ部によって分断でき、前側域にかかる力が中央中心部に係り難くなり、中央中心部における吸収コアの幅方向の長さを確保し、横漏れを抑制できる。
【0034】
好ましい一態様によれば、前記折曲基点部は、前記中央端部から前記中央中心部に向かって前記幅方向の内側に膨らんだ湾曲形状であってよい。
【0035】
中央端部から前記中央中心部に向かって前記幅方向の内側に膨らんだ湾曲形状であるため、幅方向の内側に向かう力を中央中心部において折曲基点部間に伝えやすく、折曲基点部間の領域が身体側により膨らみやすく、排泄口に対するフィット性をより向上できる。
【0036】
(2)実施形態に係る吸収性物品
以下、図面を参照して、実施形態に係る吸収性物品ついて説明する。吸収性物品は、生理用ナプキン、パンティライナー及び、大人用失禁パッドを含む。吸収性物品は、下着等の着用物品の内側に取り付けられて使用される物品であってよい。
【0037】
なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なる場合があることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれる場合がある。
【0038】
図1は、実施形態における肌面側から見た吸収性物品の平面図である。図2は、実施形態における非肌面側から見た吸収性物品の平面図である。図3は、図1に示すA-A線に沿った断面図である。ここで、「肌面側」は、使用中に着用者の肌に面する側に相当する。「非肌面側」は、使用中に着用者の肌とは反対に向けられる側に相当する。なお、図3の断面図では、説明の便宜上、吸収性物品を構成する構成部材を厚み方向に離間させている。しかし、実際の製品では、構成部材同士は、厚み方向に接しており、また、圧搾部による凹みが形成されている。
【0039】
吸収性物品は、スポーツ用の吸収性物品であってよい。スポーツ用の吸収性物品は、スポーツ時に適した吸収性物品である。ここで、スポーツ用の吸収性物品とは、以下の1から3の少なくともいずれかに当てはまる吸収性物品である。1、吸収性物品自体、吸収性物品を個別に包装する包装シート、及び吸収性物品を複数収容したパッケージのうち少なくともいずれかに、スポーツ用であること、またはスポーツを想起させる文字や絵柄を有する吸収性物品。2、吸収性物品の販促ツール(広告、販売促進物)において、スポーツ用であることを示した吸収性物品。3、普通の生活では行われないスポーツ時ならではの動作にて違和感なく使用することができる吸収性物品。例えば、脚を大きく動かす等のスポーツの動きを阻害しない柔軟性がある吸収性物品。長時間走り続ける等長時間のスポーツにおいても吸収体や吸収性物品が破損せずに使用することができる耐久性がある吸収性物品。着用者が汗をかいてもヨレやズレが発生せず装着感に違和感がない吸収性物品。本実施形態は、スポーツを想起させる機能表示図柄を有するともに、機能表示図柄を構成する圧搾部によってスポーツ時のねじれを吸収し、スポーツ時に違和感なく使用できるように構成されている。
【0040】
吸収性物品1は、前後方向Lと幅方向Wと厚み方向Tとを有する。前後方向Lは、着用者の前側(腹側)から後側(背側)に延びる方向、又は着用者の後側から前側に延びる方向である。幅方向Wは、前後方向Lと直交する方向である。厚み方向Tは、着用者の肌面側T1から非肌面側T2へ延びる方向であり、前後方向L及び幅方向Wに直交する方向である。肌面側T1は、使用時に、着用者の肌に面する側に相当する。非肌面側T2は、使用時に、肌面側T1とは反対側、すなわち着用者の肌とは反対に向けられる側に相当する。
【0041】
吸収性物品1は、中央域S3、前側域S1及び後側域S2を有する。中央域S3は、着用者の排泄口(例えば膣口)に対向する領域である。吸収性物品が下着に装着されたときに、中央域S3は、下着の股下部に位置する。つまり、中央域S3は、着用者の股下、すなわち着用者の両足の間に配置される領域である。前側域S1は、中央域S3よりも前側に位置する。前側域S1の前端縁は吸収性物品1の前端縁を規定する。後側域S2は、中央域S3よりも後側に位置する。後側域S2の後端縁は吸収性物品1の後端縁を規定する。後側域S2の前後方向Lの長さは、中央域S3の前後方向Lの長さよりも長くなってよい。
【0042】
中央域S3には、後述するウイング3が設けられてよい。ウイング3の前端縁3Fは、ウイング3の付け根によって規定されており、幅方向Wの内側に窪んだ2つの部分のうち、前側に位置する部分に相当する。ウイング3の前端縁3Fは、中央域S3と前側域S1との境界を規定してもよい。ウイング3の後端縁3Rは、ウイング3の付け根によって規定されており、幅方向Wの内側に窪んだ2つの部分のうち、後側に位置する部分に相当する。ウイング3の後端縁3Rは、中央域S3と後側域S2との間に位置してよい。ここで、前後方向Lにおけるウイング3の前端縁とウイング3の後端縁との間の領域を「ウイング域」と称する。また、ウイングの内側縁は、ウイングの付け根であり、ウイング3の前端縁3Fとウイング3の後端縁3Rを繋ぐ仮想線FL1(図1参照)となる。
【0043】
また、ウイングを有する吸収性物品では、中央域S3は、ウイング域と実質的に同じ領域となる。したがって、本明細書において、「中央域S3」との語は、「ウイング域」と読み替えることができることに留意すべきである。また、中央域S3は、ウイングを有しない吸収性物品にあっては、吸収コア30を前後方向Lに三等分した真ん中の領域であってもよいし、高坪量部33を有する吸収性物品にあっては、高坪量部33を有する領域であってもよい。
【0044】
中央域S3は、中央中心線S3CLを含む中央中心部S31と、中央中心部S31よりも前後方向Lの外側に位置する中央端部S32と、を有する。中央中心線S3CLは、中央域S3における前後方向Lの中心を通り、かつ幅方向Wに延びるラインである。中央中心部S31は、中央中心線S3CLを含み、中央中心線S3CLから前後方向に一定の範囲を有する領域である。中央端部S32は、中央域S3の前端縁から一定の範囲を有する領域と、中央域S3の後端縁から一定の範囲を有する領域と、によって構成されている。中央中心部S31は、前後方向において中央端部S32によって挟まれている。中央中心部S31は、中央域S3後方向に3等分した領域のうち、中央に位置する領域によって構成されている。または、後述するウイング接合部62が設けられた領域を中央中心部S31として、中央中心部S31の前後方向の外側の領域を、中央端部S32としてもよい。
【0045】
吸収性物品1は、肌面シート10、非肌面シート20及び吸収コア30を有する。肌面シート10は、吸収コア30よりも肌面側T1に設けられる。非肌面シート20は、吸収コア30よりも非肌面側T2に設けられる。吸収コア30は、肌面シート10と非肌面シート20との間に設けられる。
【0046】
肌面シート10は、体液等の液体を透過する液透過性のシートであり、不織布、織布、有孔プラスチックシート、メッシュシート等、液体を透過する構造を有する任意のシート状の材料から構成される。また、肌面シート10は、吸収コア30の幅方向の中央を覆う表面シート11と、表面シート11の外側部を覆い、かつ表面シート11から幅方向の外側に延びるサイドシート12によって構成されよい。表面シート11は、少なくとも吸収コア30の幅方向Wの中央を覆い、サイドシート12は、幅方向Wにおける表面シート11の外側部を覆い、表面シート11よりも幅方向Wの外側へ延びてよい。サイドシート12は、防漏性の観点から疎水性のシートを用いてもよい。肌面シートと吸収コア(又はコアラップ)との間には、セカンドシートが配置されていてもよい。
【0047】
なお、本発明における外側部とは、幅方向Wにおける外側縁を含む幅方向Wに一定の範囲を占める部分であり、外側縁とは、幅方向Wにおける外側縁である。本発明における内側部とは、幅方向Wにおける内縁を含む幅方向Wに一定の範囲を占める部分であり、内側縁とは、幅方向Wにおける内縁である。また、本発明における前端部及び後端部は、前後方向Lにおける縁を含む前後方向Lに一定の範囲を占める部分であり、前端縁及び後端縁は、前後方向Lにおける縁である。外端部は、前端部及び後端部を含んでいる。
【0048】
サイドシート12は、防漏壁65を構成してよい。防漏壁65によって横漏れを抑制できる。防漏壁65は、表面シート11に対して起立可能である起立部66と、起立部66よりも幅方向Wの外側において起立部66の起立支点となる幅支点部67と、を有してよい。起立部66は、サイドシート12の内側部において、表面シート11に対して接合されていない部分によって構成される。起立部66は、前後方向に伸縮する防漏伸縮部材を有していてもよい。幅支点部67は、起立部66の起立支点となり、表面シート11に対してサイドシート12が接合された部分によって構成される。このような構成によれば、サイドシート12が表面シート11に対して接合された幅支点部67を起点として、サイドシート12が表面シート11に対して起立可能である起立部(表面シートに対して接合されていない部分)66が立ち上がり可能となる。なお、防漏壁65は、起立部66よりも前後方向の外側において起立部66の起立支点となる前後支点部68を有してもよい。
【0049】
非肌面シート20は、液不透過性のシートである。非肌面シート20は、ポリエチレンシート、ポリプロピレン等を主体としたラミネート不織布、通気性の樹脂フィルム、スパンボンド、又はスパンレース等の不織布に通気性の樹脂フィルムが接合されたシートなどを用いることができる。
【0050】
吸収コア30は、少なくとも中央域S3及び後側域S2に配置される。また、吸収コア30は、前側域S1にも配置されてよい。吸収コア30は、液体を吸収する吸収材料が積層されており、コアラップ(図示せず)によって覆われてよい。吸収コア30を構成する吸収材料は、例えば、親水性繊維、パルプ及び高吸水性高分子(SAP)から形成できる。
【0051】
吸収コア30は、熱可塑性樹脂繊維を含んでいてよい。コアラップは、例えば不織布やティッシュから構成することができる。コアラップは、吸収コア30よりも肌面側T1と吸収コア30よりも非肌面側T2にそれぞれ配置されてよい。変形例として、吸収コア30は、コアラップを有していなくてもよい。この場合、吸収コア30は、肌面シート10と非肌面シート20とによって覆われていればよい。吸収コア30については、後述にて詳細に説明する。
【0052】
前述したように、吸収性物品1は、ウイング3を有する。ウイング3は、中央域S3における吸収コア30の外側縁よりも幅方向Wの外側に延出している。ウイング3は、肌面シート10と非肌面シート20との積層によって構成されてよい。ウイング3は、非肌面シート20側に折り返し可能に構成されている。ウイング3は、使用時に着用物品としての下着のクロッチ部の非肌面側に折り返される。
【0053】
変形例において、吸収性物品は、ヒップフラップを有してよい。ヒップフラップは、ウイング3と同様に、中央域S3における吸収コア30の外側縁よりも幅方向Wの外側に延出し、肌面シート10と非肌面シート20との積層によって構成されてよい。ヒップフラップは、ウイング3よりも後側に位置し、後側域S2に設けられてよい。ヒップフラップは、使用時に折り返されず、下着と着用者の臀部との間に配置される。ヒップフラップには、吸収材料が設けられてなくてもよいし、吸収材料が設けられてもよい。
【0054】
図2に示すように、吸収性物品1は、吸収性物品1を下着等の着用物品に接合するための粘着剤が設けられた接合部を有する。接合部は、吸収コア30と重なる領域に配置された本体接合部61と、ウイング3に配置されたウイング接合部62と、を有してよい。本体接合部61は、前後方向Lに延び、かつ幅方向Wに間隔を空けて配置されている。本体接合部61は、吸収性物品の幅方向Wの中心である物品幅中心線1WCに配置されてなく、物品幅中心線1WCの幅方向Wの両側にそれぞれ複数列ずつ配置されている。ここで、物品幅中心線1WCは、吸収性物品の幅方向Wの中心を通り、かつ前後方向Lに延びるラインである。具体的には、本体接合部61は、物品幅中心線1WCの幅方向Wの両側にそれぞれ8列ずつ配置されている。最も幅方向Wの外側の列に位置する本体接合部61の前後方向の長さは、他の本体接合部61の前後方向の長さよりも長くてよい。これらの接合部は、非肌面シート20の非肌面側に設けられている。接合部は、使用前の状態において、被覆シートによって覆われてもよい。被覆シートは、使用前に接合部の粘着剤の劣化を防止し、吸収性物品の使用時に着用者によって取り外される。
【0055】
吸収性物品1の少なくとも中央域S3には、吸収性物品の幅方向Wの中心を挟んで前後方向に延びる一対の折曲基点部71が設けられている。折曲基点部71は、中央域S3のみに設けられていてもよいし、前側域S1に跨がっていてもよいし、後側域S2に跨がっていてもよい。折曲基点部71は、少なくとも中央中心線S3CLを跨がっていればよく、中央域S3の前後方向の全域でなく前後方向の一部の領域に設けられていてもよい。本実施の形態の折曲基点部71の前端縁71Fは、中央域S3の前端縁よりも後側に位置し、折曲基点部71の後端縁71Rは、中央域S3の後端縁よりも前側に位置してよい。
【0056】
折曲基点部71は、物品幅中心線1WCに対して幅方向Wに離間しており、物品幅中心線1WCを挟んで一対で配置されている。折曲基点部71は、前後方向Lに延びている。なお、折曲基点部71は、少なくとも前後方向に延びていればよく、前後方向Lに対して平行であってもよいし、前後方向Lに対して傾斜していてもよい。折曲基点部71は、平面視にて幅方向Wの内側に膨らむ湾曲形状であってもよいし、幅方向Wの外側に向かって膨らむ湾曲形状であってもよい。折曲基点部71は、複数の点状部分の集合体によって構成されていてもよいし、線状であってもよい。
【0057】
折曲基点部71は、吸収性物品の変形基点として機能する。折曲基点部71は、剛性差、厚み差、吸収コアの坪量の差等によって変形の基点となるものであればよく、具体的には、少なくとも吸収コアを厚さ方向に圧縮した圧縮部、吸収コアの坪量が周囲よりも低い低坪量部、吸収コアの坪量が周囲よりも高い高坪量部、及び吸収コアの厚みが周囲よりも薄い低厚み部、吸収コアの厚みが周囲よりも厚い高厚み部の少なくともいずれか、又はこれらの組み合わせによって構成できる。
【0058】
図4は、図1のB部分の拡大図である。本実施の形態の折曲基点部71は、圧搾部80として折曲圧搾部81によって構成されている。折曲圧搾部81は、吸収コア30と肌面シートとしての表面シート11が厚さ方向に圧縮されている。折曲圧搾部81は、低圧搾部81Lと、低圧搾部81Lよりも圧縮の程度が強い高圧搾部81Hと、の集合体によって構成されてよい。低圧搾部81Lの深さは、高圧搾部81Hの深さよりも浅い。すなわち、低圧搾部81Lの圧縮の程度は、高圧搾部81Hの圧縮の程度よりも弱い。
【0059】
折曲基点部71は、吸収コア30に重なっていてよい。吸収コアの変形基点として機能することが好ましい。吸収コア30の外側縁30Eは、折曲基点部71よりも幅方向Wの外側に位置しており、吸収コア30の外側縁30Eと折曲基点部71は、幅方向Wに離間している。そのため、吸収コアは、折曲基点部71よりも幅方向Wの外側の領域と、折曲基点部71同士によって挟まれた領域と、にそれぞれ配置されている。
【0060】
圧搾部80は、折曲基点部71を構成する折曲圧搾部の他に、前圧搾部82と、後圧搾部83と、サイド圧搾部85と、中央圧搾部86と、を有してよい。前圧搾部82、後圧搾部83、サイド圧搾部85、及び中央圧搾部86は、少なくとも吸収コアが厚さ方向に圧縮されており、肌面シートと吸収コアが厚さ方向に圧縮されていてもよい。
【0061】
図1に示すように、前圧搾部82は、折曲基点部71よりも前側に位置し、前側域S1と中央域S3に跨がって配置されてよい。後圧搾部83は、折曲基点部71よりも後側に位置し、後側域S2と中央域S3に跨がって配置されてよい。前圧搾部82及び後圧搾部83のそれぞれは、第1ライン及び第1ラインと交差部において交差する第2ラインを有するX字状であって、交差部から四方に延出する延出部を有してよい。
【0062】
サイド圧搾部85は、平面視にて曲線状であり、間隔を空けて複数設けられている。サイド圧搾部85は、幅方向Wの内側に膨らむ凸形状と、幅方向Wの外側に膨らむ凸形状と、が前後方向に連続したライン状であってよい。サイド圧搾部85は、主に、折曲基点部71よりも幅方向Wの外側と、前圧搾部82よりも前側と、後圧搾部83よりも後側と、に設けられてよい。サイド圧搾部85は、折曲基点部71、前圧搾部82及び後圧搾部83のそれぞれに重なる領域にも設けられてよい。サイド圧搾部85は、折曲基点部71よりも幅方向Wの内側に延出していてもよいし、前圧搾部82よりも後側に延出していてもよいし、後圧搾部83よりも前側に延出していてもよい。
【0063】
中央圧搾部86は、一対の折曲基点部71に挟まれた領域に設けられている。中央圧搾部86は、点状であって、前後方向及び幅方向Wに間隔を空けて複数配置されている。中央圧搾部86は、高坪量部33が配置された領域に設けられてよい。中央圧搾部86の深さは、少なくともサイド圧搾部85よりも深くてよい。すなわち、中央圧搾部86の底面は、サイド圧搾部85の底面よりも非肌面側T2に位置してよい。当該構成によれば、中央域S3が膣口にフィットした際に、中央圧搾部86によって経血等の体液を吸収コア30側に引き込み易くなる。
【0064】
(3)吸収コアの詳細構成
次に、図5を参照し、吸収コア30の構成についてより具体的に説明する。図5は、吸収コア30の平面図である。吸収コア30の幅方向Wの長さは、前後方向において変化している。中央域S3における吸収コア30の最大幅WMS3は、前側域S1における吸収コア30の最大幅WMS1よりも長い。着用時に着用者の脚によって吸収性物品1が挟まれると、前側域S1及び中央域S3には、幅方向Wの外側から幅方向Wの内側に向かう力がかかる。このとき、中央域S3は、前側域S1よりも着用者の脚の力を受けやすく、幅方向Wの長さが短くなり易い。しかし、中央域S3における吸収コア30の最大幅WMS3が前側域S1における吸収コア30の最大幅WMS1よりも長いため、中央域S3における吸収コア30の幅方向Wの長さを確保し易く、横漏れを抑制できる。
【0065】
なお、中央域S3における吸収コア30の最大幅WMS3は、後側域の吸収コアの最大幅WMS2と同じであってもよいし、後側域S2の吸収コアの最大幅よりも短くてもよい。後側域S2の吸収コアは、臀部を覆うように配置されており、比較的広く設けられてよい。また、後側域S2の吸収コアは、着用時に着用者の脚によって挟まれる力が掛かりにくく、前側域及び中央域のように、着用者の脚によって挟まれる力による変形が生じ難いためである。
【0066】
また、中央域S3における吸収コア30の外側縁30Eは、幅方向Wの外側に膨らむ凸形状であってよく、中央中心部S31における吸収コア30の外側縁30Eは、中央端部S32における吸収コア30の外側縁30Eよりも幅方向Wの外側に位置してよい。なお、中央中心部S31の少なくとも一部において、吸収コア30の外側縁30Eが、中央端部S32の吸収コア30の外側縁30Eよりも幅方向Wの外側に位置していればよい。中央域S3における吸収コア30の最大幅WMS3は、中央中心線S3CL上に位置してよい。中央中心部S31は、中央域S3内においても最も幅方向Wの内側に向かう力がかかり易い。中央中心部S31における吸収コア30の幅方向Wの長さを確保することにより、横漏れをより抑制できる。
【0067】
図1に示すように、吸収コアの外側縁30Eと折曲基点部71の幅方向Wの距離は、前後方向において変化してよい。中央中心部S31における吸収コア30の外側縁30Eと折曲基点部71の幅方向Wの距離G11は、中央端部S32における吸収コアの外側縁30Eと折曲基点部71の幅方向の距離G12,G13よりも長い。距離G11は、中央中心部S31における吸収コア30の外側縁30Eと折曲基点部71の外側縁との距離である。G12は、中央中心部S31よりも前側に位置する中央端部S32における吸収コアの外側縁30Eと折曲基点部71の外側縁との距離である。G13は、中央中心部S31よりも後側に位置する中央端部S32における吸収コアの外側縁30Eと折曲基点部71の外側縁との距離である。G11は、中央中心部S31内で変化していてもよく、G12及びG13は、中央端部S32内で変化していてもよい。G11、G12、及びG13が変化する形態にあっては、G11の最大値がG12の最大値よりも長く、G11の最大値がG13の最大値よりも長ければよい。また、G12とG13は、異なっていてもよい。
【0068】
吸収コア30の外側縁30Eと折曲基点部71の幅方向Wの距離は、中央中心線S3CLに向かって長くなっていてよい。本実施の形態では、吸収コア30の外側縁30Eが中央端部S32から中央中心部S31に向かって幅方向Wの外側に膨らんだ湾曲形状であり、折曲基点部71が中央端部S32から中央中心部S31に向かって幅方向Wの内側に膨らんだ湾曲形状である。これらの構成によって、G11>G12及びG11>G13を実現している。
【0069】
G11>G12及びG11>G13を実現する他の構成としては、吸収コア30の外側縁30Eが中央端部S32から中央中心部S31に向かって幅方向Wの外側に膨らんだ湾曲形状であり、折曲基点部71が前後方向に対して平行である構成、吸収コア30の外側縁30E及び折曲基点部71が共に中央端部S32から中央中心部S31に向かって幅方向Wの外側に膨らんだ湾曲形状であって、その膨らむ程度が折曲基点部71の方がなだらかである構成を例示できる。
【0070】
さらに、中央中心部S31における吸収コア30の幅方向Wの長さをより確保するために、中央域S3における吸収コア30の最大幅WMS3は、前後方向Lに延びる一定範囲に亘って設けられてよい。幅方向Wの内側に向かう力がかかった際に、幅入りがより抑制され易くなり、横漏れを抑制できる。本実施の形態の中央中心部S31における吸収コア30の外側縁は、中央中心線S3CLから前後方向Lに沿って平行に延びている。
【0071】
図5に示すように、吸収コア30の外側縁30Eには、幅方向Wの内側に括れる括れ部90が設けられている。括れ部は、中央中心部S31よりも後側に配置された第1括れ部91と、中央中心部S31よりも前側に配置された第2括れ部92と、を有する。第1括れ部91及び第2括れ部92は、物品幅中心線1WCを挟み、かつ幅方向Wに間隔を空けて一対で配置されている。括れ部90は、吸収コア30の一部を切欠した部分または吸収コア30の他の部分に比して肉薄の肉薄部分によって構成される。図示例では、吸収コア30の一部を切欠した部分によって構成されている。なお、括れ部の形状は、必要に応じて、適宜変更することができる。
【0072】
第1括れ部91は、吸収コア30の外側縁30Eから幅方向Wの内側に向かって延びている。第1括れ部は、幅方向の内側縁に位置する内端(先端)91Aと、内端91Aから後側に延びる第1後側縁91C、内端91Aから前側に延びる第1前側縁91Bと、第1後側縁91Cと吸収コアの外側縁30Eとの交点である後外端91Eと、第1前側縁91Bと吸収コアの外側縁30Eとの交点である前外端91Dと、有する。内端(先端)91Aは、第1括れ部91の前後方向の中心よりも前側に偏倚している。第1前側縁91Bの前後方向の長さは、第1後側縁91Cの前後方向の長さよりも短い。第1括れ部91の前後方向Lの長さは、幅方向Wの内側に向かって短くなっている。
【0073】
第2括れ部92は、吸収コア30の外側縁30Eから幅方向Wの内側に向かって延びている。第2括れ部92は、幅方向の内側縁に位置する内端(先端)92Aと、内端92Aから後側に延びる第2後側縁92Cと、内端92Aから前側に延びる第2前側縁92Bと、第2後側縁92Cと吸収コアの外側縁30Eとの交点である後外端92Eと、第2前側縁92Bと吸収コアの外側縁30Eとの交点である前外端92Dと、有する。内端(先端)92Aは、第2括れ部92の前後方向の中心よりも後側に偏倚している。第2前側縁92Bの前後方向の長さは、第2後側縁92Cの前後方向の長さよりも長い。第2括れ部92の前後方向の長さは、幅方向Wの内側に向かって短くなっている。
【0074】
吸収コア30の坪量は、一定であってもよいし、部分的に異なっていていてもよい。吸収コア30は、周囲の吸収コア30よりも坪量が高い高坪量部33が設けられていてよい。本実施の形態の高坪量部33は、折曲基点部71よりも幅方向Wの外側の領域よりも吸収コアの坪量がT高い領域である。高坪量部33は、一対の折曲基点部71によって挟まれた領域のうち少なくとも一部に設けられてよい。
【0075】
(4)着用時の変形態様
次いで、図6から図8に基づいて着用時の変形態様について説明する。図6は、吸収性物品が着用物品としての下着Sに装着された状態を模式的に示す斜視図である。図7及び図8は、図3に示す断面を基準とした着用状態を示している。図7は、幅方向Wの内側に向かう力を受けていない状態であり、図8は、幅方向Wの内側に向かう力を受けた状態である。本実施の形態の吸収性物品は、排泄口に対するフィット性を確保しつつ、中央域S3の横漏れを抑制できるように構成されている。
【0076】
着用時に着用者の脚によって中央域S3が挟まれると、中央域S3には、幅方向Wの外側から幅方向Wの内側に向かう力がかかる。このとき、吸収性物品は、折曲基点部71を基点に変形する。そして、中央域S3の折曲基点部71によって挟まれた領域は、着用者側に膨らむように変形し、排泄口にフィットする。
【0077】
中央域S3は、前側域よりも着用者の脚の力を受けやすく、幅方向Wの長さが短くなり易い。しかし、中央域S3における吸収コアの最大幅WMS3が前側域S1における吸収コアの最大幅WMS1よりも長いため、中央域S3における吸収コアの幅方向Wの長さを確保し易く、横漏れを抑制できる。
【0078】
また、中央域S3内おいても特に中央中心部S31は、最も着用者の脚の力を受けやすく、幅方向Wの長さが短くなり易い。また、中央中心部S31は、中央端部S32と比較して、排泄口の近くに配置され易く、体液が導かれ易い。しかし、中央中心部S31における吸収コア30の外側縁30Eと折曲基点部71の距離が比較的長いため、中央中心部S31において折曲基点部71よりも幅方向Wの外側の領域に体液が導かれても、折曲基点部71よりも幅方向Wの外側に位置する吸収コアで体液を吸収し、横漏れを抑制することができる。一方、中央端部S32は、中央中心部S31よりも、排泄口と離れて配置され易く、体液が導かれにくい。よって、中央端部S32における吸収コア30の外側縁30Eと折曲基点部71の距離が比較的短くても、体液の横漏れを抑制することができる。よって、折曲基点部71によって挟まれた領域の排泄口に対するフィット性を確保しつつ、中央域S3の横漏れを抑制できる。
【0079】
中央中心部S31における吸収コア30の外側縁30Eは、中央端部S32における吸収コア30の外側縁30Eよりも幅方向Wの外側に位置してよい。中央域S3内おいても特に中央中心部S31は、最も着用者の脚の力を受けやすく、幅方向Wの長さが短くなり易い。しかし、中央中心部S31における吸収コア30の外側縁30Eが中央端部S32における吸収コア30の外側縁30Eよりも幅方向Wの外側に位置し、中央中心部S31における吸収コアの幅方向Wの長さを確保し易く、横漏れを抑制できる。
【0080】
折曲基点部71は、中央端部S32から中央中心部S31に向かって幅方向Wの内側に膨らんだ湾曲形状であってよい。中央端部S32から中央中心部S31に向かって幅方向Wの内側に膨らんだ湾曲形状であるため、幅方向Wの内側に向かう力を中央中心部S31において折曲基点部71間に伝えやすく、折曲基点部71間の領域が身体側により膨らみやすく、排泄口に対するフィット性をより向上できる。
【0081】
折曲基点部71は、折曲圧搾部81によって構成されてよい。折曲圧搾部81は、周囲と比較して剛性差及び厚み差があり、変形基点となりやすい。また、折曲圧搾部81は、周囲と比較して高い密度であり、体液を引き込みやすい。よって、折曲基点部71に到達した体液を前後方向Lに拡散しつつ、折曲基点部71よりも幅方向Wの外側に拡散させ難くし、横漏れをより抑制できる。
【0082】
図6に示すように、サイド圧搾部85の厚さ方向における最深部DM85は、折曲圧搾部81の厚さ方向における最深部DM81よりも肌面側T1に位置してよい。すなわち、サイド圧搾部85の圧縮の程度は、折曲圧搾部81の圧縮の程度よりも弱くてよい。当該構成によれば、サイド圧搾部85によって折曲基点部71よりも幅方向Wの外側の領域の剛性を高め、脚によって挟まれた際に折曲基点部71よりも幅方向Wの外側の領域が幅入りし過ぎることを抑制できる。よって、折曲基点部71よりも幅方向Wの外側の領域の幅方向Wの長さを確保でき、横漏れを抑制できる。また、折曲基点部71よりも幅方向Wの外側の領域は、サイド圧搾部85の圧縮の程度が弱いため、剛性が高くなりすぎず、脚に触れた際の違和感を抑制できる。
【0083】
なお、折曲圧搾部81が高圧搾部81Hと低圧搾部81Lを有する形態にあっては、サイド圧搾部85の最深部DM85が、高圧搾部81Hの最深部よりも肌面側T1に位置していればよく、サイド圧搾部85の最深部DM85が低圧搾部81Lの最深部よりも非肌面側又は厚み方向において同じ深さであってもよい。
【0084】
一対の折曲基点部71に挟まれた領域には、高坪量部33が設けられてよい。高坪量部33によって一対の折曲基点部71の間の領域における体液の吸収容量を高め、折曲基点部71よりも幅方向Wの外側の領域に到達する体液を低減し、横漏れをより抑制できる。また、高坪量部33によって一対の折曲基点部71の間の領域の厚みが厚くなり、一対の折曲基点部71の間の領域の排泄口に対するフィット性を向上できる。また、高坪量部33によって一対の折曲基点部71の間の領域の剛性が高くなり、幅方向Wの内側に向かう力がかかった際の意図しないヨレや折れを抑制でき、フィット性を確保できる。
【0085】
一対の折曲基点部71に挟まれた領域には、中央圧搾部86が設けられてよい。当該構成によれば、一対の折曲基点部71の間の領域における体液の引き込み性を高め、折曲基点部71よりも幅方向Wの外側の領域に到達する体液を低減し、横漏れをより抑制できる。また、中央圧搾部86によって一対の折曲基点部71の間の領域の剛性が高くなり、幅方向Wの内側に向かう力がかかった際の意図しないヨレや折れを抑制でき、フィット性を確保できる。
【0086】
本体接合部61は、中央中心部S31における吸収コア30の外側縁30Eと重ならない領域に配置されてよい。本体接合部61は、中央中心部S31における吸収コア30の外側縁30Eよりも幅方向Wの内側に配置されてよい。着用者の脚によって挟まれた際の力は、中央中心部S31に掛かり易く、特に中央中心部S31における吸収コア30の外側縁30Eにかかる。このとき、中央中心部S31における吸収コア30の外側縁30Eに本体接合部61が重なっていないため、中央中心部S31における吸収コア30の外側縁30Eが着用物品側に引っ張られずに、着用物品に対して立ち上がりやすくなる。中央中心部S31における吸収コア30の外側縁30Eが立ち上がることにより、排泄口のサイドを覆う壁が形成され、横漏れを抑制できる。
【0087】
中央域S3において、吸収コア30の外側縁30Eは、ウイング3よりも幅方向Wの内側に位置してよい。すなわち、吸収コアの外側縁30Eは、ウイングの内側縁(仮想線FL1)と離間し、ウイングの内側縁よりも幅方向Wの内側に位置する。当該構成によれば、中央域S3の吸収コア30は、ウイング3と共に非肌面側に折り返されず、着用物品に対して立ち上がりやすくなる。中央域S3における吸収コア30の外側縁30Eが立ち上がることにより、排泄口の側方を覆う壁が形成され、横漏れを抑制できる。
【0088】
防漏壁65は、折曲基点部71よりも幅方向Wの外側に位置してよい。すなわち、防漏壁65の内側縁を構成する起立部の内側縁は、折曲基点部71よりも幅方向Wの外側に位置してよい。なお、防漏伸縮部材を有する形態にあっては、防漏伸縮部材の皺が形成されなくなるまで吸収性物品を伸長させた状態で、防漏壁が折曲基点部71よりも幅方向Wの外側に位置していればよい。当該構成によれば、排泄口の側方を覆う防漏壁が折曲基点部71よりも幅方向Wの外側に形成され、横漏れを抑制できる。よって、折曲基点部71よりも幅方向Wの外側に体液が拡散した場合に、折曲基点部71よりも幅方向Wの外側の吸収コアによって体液を吸収するとともに、防漏壁によって横漏れを抑制できる。
【0089】
中央中心部S31における吸収コア30の外側縁30Eは、幅支点部67よりも幅方向Wの外側に位置してよい。吸収コア30によって速やかに体液が引き込まれなかった場合や吸収コア30の吸収容量を超えた場合には、体液が肌面シート10上に残り、幅方向Wの外側に伝わる。このとき、防漏壁の起立部の支点となる幅支点部67に到達することがある。この体液の拡散は、体液が導かれ易い中央中心部S31において発生しやすい。中央中心部S31における吸収コア30の外側縁30Eが幅支点部67よりも幅方向Wの外側に位置するため、幅支点部67まで体液が到達しても、当該到達した体液を吸収コア30によって吸収でき、横漏れを抑制できる。なお、吸収コア30の外側縁30Eは、中央中心部S31の少なくとも一部において幅支点部67よりも幅方向Wの外側に位置していればよいが、より好適には、中央中心部S31の前後方向の全域において幅支点部67よりも幅方向Wの外側に位置してよい。
【0090】
第1括れ部91は、中央中心部S31よりも後側に配置されてよい。スポーツ時等において着用者が比較的に大きな動作をすると、吸収性物品のうち特に後側域S2に捩れさせようとする力が作用する。このとき、一対の第1括れ部91によって後側域S2のねじれを吸収し、当該ねじれが中央中心部S31に伝わり難くなる。よって、中央中心部S31における排泄口に対するフィット性の確保と横漏れの抑制効果を両立できる。
【0091】
また、中央中心部S31よりも後側に後圧搾部83が設けられていてよい。後圧搾部83は、平面視にてX字状である。当該X字状の基点によって変形できねじれを吸収したり、延出部に沿って力を四方に逃がしたりできる。後圧搾部83によっても後側域S2のねじれを吸収し、当該ねじれが中央中心部S31に伝わり難くなる。よって、中央中心部S31における排泄口に対するフィット性の確保と横漏れの抑制効果を両立できる。
【0092】
第1括れ部91は、中央域S3の後端縁よりも前側に位置してよい。中央域S3にかかる幅方向Wの内側に向かう力を第1括れ部91によって分断でき、後側域S2を臀部に沿わせるように配置できる。加えて、後側域S2からの力を第1括れ部91によって分断でき、後側域S2にかかる力が中央中心部S31に係り難くなり、中央中心部S31における吸収コア30の幅方向Wの長さを確保し、横漏れを抑制できる。
【0093】
第2括れ部92は、中央中心部S31よりも前側に配置されてよい。中央中心部S31よりも前側に第2括れ部92が設けられているため、中央中心部S31よりも前側に吸収コア30の変形基点が形成される。一般的に、身体の前後方向Lに沿った断面において、排泄口よりも前側は、後側よりも急な傾斜の曲線状であり、吸収コア30が身体に沿い難い。しかし、第2括れ部92によって排泄口よりも前側に吸収コア30が変形する基点が形成され、排泄口よりも前側の領域が身体に沿い易くなる。排泄口よりも前側の領域において体液の吸収性が高くなり、結果として排泄口よりも幅方向Wの外側に拡散する体液が少なくなり、横漏れを低減できる。また、前側域S1からの力を第2括れ部92によって分断でき、前側域S1にかかる力が中央中心部S31に係り難くなり、中央中心部S31における吸収コア30の幅方向Wの長さを確保し、横漏れを抑制できる。
【0094】
また、中央中心部S31よりも前側に前圧搾部82が設けられていてよい。前圧搾部82は、平面視にてX字状である。当該X字状の基点によって変形できねじれを吸収したり、延出部に沿って力を四方に逃がしたりできる。前圧搾部82によっても前側域S1のねじれを吸収し、当該ねじれが中央中心部S31に伝わり難くなる。よって、中央中心部S31における排泄口に対するフィット性の確保と横漏れの抑制効果を両立できる。
【0095】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0096】
折曲基点部によって挟まれた領域の排泄口に対するフィット性を確保しつつ、中央域の横漏れを抑制できる吸収性物品を提供することができる。
【符号の説明】
【0097】
1 :吸収性物品
3 :ウイング
10 :肌面シート
11 :表面シート
12 :サイドシート
20 :非肌面シート
30 :吸収コア
30E :外側縁
33 :高坪量部
61 :本体接合部
65 :防漏壁
66 :起立部
67 :幅支点部
71 :折曲基点部
80 :圧搾部
81 :折曲圧搾部
81H :高圧搾部
81L :低圧搾部
82 :前圧搾部
83 :後圧搾部
85 :サイド圧搾部
86 :中央圧搾部
91 :第1括れ部
92 :第2括れ部
DM81 :折曲圧搾部の最深部
DM85 :サイド圧搾部の最深部
S1 :前側域
S2 :後側域
S3 :中央域
S31 :中央中心部
S32 :中央端部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8