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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-14
(45)【発行日】2023-11-22
(54)【発明の名称】撮像装置、撮像方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/63 20230101AFI20231115BHJP
   H04N 23/53 20230101ALI20231115BHJP
   G03B 17/18 20210101ALI20231115BHJP
   G03B 17/20 20210101ALI20231115BHJP
   G03B 17/04 20210101ALI20231115BHJP
【FI】
H04N23/63 110
H04N23/53
G03B17/18
G03B17/20
G03B17/04
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2022503611
(86)(22)【出願日】2021-02-22
(86)【国際出願番号】 JP2021006659
(87)【国際公開番号】W WO2021172283
(87)【国際公開日】2021-09-02
【審査請求日】2022-11-04
(31)【優先権主張番号】P 2020033964
(32)【優先日】2020-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三
(74)【代理人】
【識別番号】100170069
【弁理士】
【氏名又は名称】大原 一樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128635
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100140992
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲政
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 太郎
(72)【発明者】
【氏名】河口 武弘
(72)【発明者】
【氏名】西山 幸徳
(72)【発明者】
【氏名】島田 智大
【審査官】村山 絢子
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-125802(JP,A)
【文献】特開2014-38190(JP,A)
【文献】特開2019-134334(JP,A)
【文献】特開2010-134077(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/00
H04N 23/40-23/76
H04N 23/90-23/959
G03B 17/04-17/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1表示部、及びプロセッサを備える撮像装置であって、
前記プロセッサは、
使用者が前記第1表示部の表示内容を視認可能か否かを判定する判定処理と、
前記判定処理により視認可能と判定した場合には、撮像画像及び文字の少なくとも一方を含む第1表示を表示させ、前記判定処理により視認可能と判定しなかった場合には、前記第1表示部に面表示により情報を報知する第2表示を表示させる表示制御と、
を行う撮像装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記第2表示として、色の面表示を行わせる請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記第2表示として、点滅する面表示を行わせる請求項1又は2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記第2表示は、撮像情報に関する状態を示す表示である請求項1から3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記撮像情報は、前記撮像装置の設定情報又は撮像画像の情報である請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記撮像情報は、フォーカス制御に関する情報、マイクの音量に関する情報、メモリに関する情報、撮像装置の温度に関する情報、ISO感度に関する情報、ホワイトバランスに関する情報、及び画像の白飛びに関する情報のうち少なくとも一つである請求項4又は5に記載の撮像装置。
【請求項7】
さらに第2表示部を備え、
前記プロセッサは、前記第1表示部に前記第2表示を行わせている場合に、前記第2表示部に撮像情報を表示させる請求項1から6のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記第2表示部は、前記第1表示部の表示面に対して表示角度を変更することができる表示面を有し、
前記プロセッサは、前記第1表示部に前記第2表示を表示している間に、前記第2表示部の表示面の前記表示角度が閾値を超える場合には、前記第2表示を終了させる請求項7に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記第1表示部の周辺に存在する物体の有無を検知する物体検知センサを備え、
前記プロセッサは、前記判定処理において、前記物体検知センサの検出結果に応じて判定する請求項1から8のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、前記第1表示部に前記第2表示を開始した後に、前記物体検知センサが物体を検知した場合には、前記第2表示を終了させる請求項9に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記物体検知センサは、前記第1表示部に近接する物体を検知する近接センサである請求項10に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、前記判定処理において、前記撮像装置に外部機器が接続されているか否かにより判定する請求項1から11のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記プロセッサは、
前記第2表示で表示する前記情報の選択を受け付け、
前記第1表示部に前記選択された情報に関する前記第2表示を行う請求項1から12のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、
前記第1表示部の表示面を2分割した各領域のそれぞれに、前記第2表示を行う請求項1から13のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項15】
第1表示部、及びプロセッサを備える撮像装置を使用して行う撮像方法であって、
前記プロセッサに行わせる、
使用者が前記第1表示部の表示内容を視認可能か否かを判定する判定処理工程と、
前記判定処理工程により視認可能と判定した場合には、撮像画像及び文字の少なくとも一方を含む第1表示を表示させ、前記判定処理工程により視認可能と判定しなかった場合には、前記第1表示部に面表示により情報を報知する第2表示を表示させる表示制御工程と、
を含む撮像方法。
【請求項16】
第1表示部、及びプロセッサを備える撮像装置に撮像方法を実行させるプログラムであって、
前記プロセッサに行わせる、
使用者が前記第1表示部の表示内容を視認可能か否かを判定する判定処理工程と、
前記判定処理工程により視認可能と判定した場合には、撮像画像及び文字の少なくとも一方を含む第1表示を表示させ、前記判定処理工程により視認可能と判定しなかった場合には、前記第1表示部に面表示により情報を報知する第2表示を表示させる表示制御工程と、
を含む撮像方法を実行させるプログラム。
【請求項17】
非一時的かつコンピュータ読取可能な記録媒体であって、請求項16に記載のプログラムが記録された記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置、撮像方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラ(撮像装置)は高品位な動画を撮像することが可能となってきた。
【0003】
特許文献1には、撮像部が設けられた本体と、本体部および可動部を有し、可動部が本体部に対して第1の方向へ稼働して使用状態に至る状態移行が可能なビューファインダと、状態移行に応じた処理を行う制御部とを備える撮像装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-227902号公報
【発明の概要】
【0005】
本開示の技術に係る一つの実施形態は、表示部の表示内容が視認可能か否かに応じて、表示部の表示形態を変更する撮像装置、撮像方法、及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の態様である撮像装置は、第1表示部、及びプロセッサを備える撮像装置であって、プロセッサは、使用者が第1表示部の表示内容を視認可能か否かを判定する判定処理と、判定処理により視認可能と判定した場合には、撮像画像及び文字の少なくとも一方を含む第1表示を表示させ、判定処理により視認可能と判定しなかった場合には、第1表示部に面表示による第2表示を表示させる表示制御と、を行う。
【0007】
好ましくは、プロセッサは、第2表示として、色の面表示を行わせる。
【0008】
好ましくは、プロセッサは、第2表示として、点滅する面表示を行わせる。
【0009】
好ましくは、第2表示は、撮像情報に関する状態を示す表示である。
【0010】
好ましくは、撮像情報は、撮像装置の設定情報または撮像画像の情報である。
【0011】
好ましくは、撮像情報は、フォーカス制御に関する情報、マイクの音量に関する情報、メモリに関する情報、撮像装置の温度に関する情報、ISO感度に関する情報、ホワイトバランスに関する情報、及び画像の白飛びに関する情報のうち少なくとも一つである。
【0012】
好ましくは、撮像装置は、さらに第2表示部を備え、プロセッサは、第1表示部に第2表示を行わせている場合に、第2表示部に撮像情報を表示させる。
【0013】
好ましくは、第2表示部は、第1表示部の表示面に対して表示角度を変更することができる表示面を有し、プロセッサは、第1表示部に第2表示を表示している間に、第2表示部の表示面の表示角度が閾値を超える場合には、第2表示を終了させる。
【0014】
好ましくは、第1表示部の周辺に存在する物体の有無を検知する物体検知センサを備え、プロセッサは、判定処理において、物体検知センサの検出結果に応じて判定する。
【0015】
好ましくは、プロセッサは、第1表示部に第2表示を開始した後に、物体検知センサが物体を検知した場合には、第2表示を終了させる。
【0016】
好ましくは、物体検知センサは、第1表示部に近接する物体を検知する近接センサである。
【0017】
好ましくは、プロセッサは、判定処理において、撮像装置に外部機器が接続されているか否かにより判定する。
【0018】
好ましくは、プロセッサは、第2表示で表示する情報の選択を受け付け、第1表示部に選択された情報に関する第2表示を行う。
【0019】
好ましくは、プロセッサは、第1表示部の表示面を2分割した各領域のそれぞれに、第2表示を行う。
【0020】
本発明の他の態様である撮像方法は、第1表示部、及びプロセッサを備える撮像装置を使用して行う撮像方法であって、プロセッサに行わせる、使用者が第1表示部の表示内容を視認可能か否かを判定する判定処理工程と、判定処理工程により視認可能と判定した場合には、撮像画像及び文字の少なくとも一方を含む第1表示を表示させ、判定処理工程により視認可能と判定しなかった場合には、第1表示部に面表示による第2表示を表示させる表示制御工程と、を含む。
【0021】
本発明の他の態様であるプログラムは、第1表示部、及びプロセッサを備える撮像装置に撮像方法を実行させるプログラムであって、プロセッサに行わせる、使用者が第1表示部の表示内容を視認可能か否かを判定する判定処理工程と、判定処理工程により視認可能と判定した場合には、撮像画像及び文字の少なくとも一方を含む第1表示を表示させ、判定処理工程により視認可能と判定しなかった場合には、第1表示部に面表示による第2表示を表示させる表示制御工程と、を含む撮像方法を実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、撮像装置の一例を示す斜視図である。
図2図2は、撮像装置の一例を示す背面図である。
図3図3は、撮像装置の内部構成の実施形態を示すブロック図である。
図4図4は、CPUで実現される主な機能構成を示すブロック図である。
図5図5は、撮像装置が三脚に固定され、リグが組まれている状態を示す図である。
図6図6は、スタビライザに取り付けられた撮像装置を示す図である。
図7図7は、撮像装置を使用して行われる撮像方法を示すフロー図である。
図8図8は、ファインダ用モニタに表示される第1表示の一例を示す図である。
図9図9は、ファインダ用モニタに表示される第2表示の一例を示す図である。
図10図10は、撮像装置を使用した撮像方法を示すフロー図である。
図11図11は、第2表示の他の例に関して説明した図である。
図12図12は、第2表示の停止を行う場合の他の例を説明する図である。
図13図13は、第2表示の停止を行う場合の他の例を説明する図である。
図14図14は、第2表示の設定画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面にしたがって本発明の一実施形態に係る撮像装置、撮像方法、及びプログラムの好ましい実施の形態について説明する。
【0024】
図1及び図2は、本発明の一実施形態である撮像装置(デジタルカメラ)10を示す斜視図及び背面図である。この撮像装置10は、レンズを通った光を撮像素子16(図3)で受け、デジタル信号に変換して静止画または動画の画像データとして記録メディアに記録する。
【0025】
図1に示すように撮像装置10は、正面に撮像レンズ12、フラッシュ1等が配設され、上面にはシャッタボタン2、電源/モードスイッチ3、モードダイヤル4等が配設され、側面には外部機器接続端子20が配設されている。また、図2に示すように、背面には、液晶(LC:Liquid Crystal)またはOLED(Organic Light Emitting Diode)で構成される背面モニタ30、ズームボタン5、十字ボタン6、MENU/OKボタン7、再生ボタン8、BACKボタン9、ファインダ(電子ビューファインダ(Electronic ViewFinder):第2表示部)11、液晶またはOLEDで構成されるファインダ用モニタ(第1表示部)13、アイセンサ17等が設けられている。
【0026】
撮像レンズ12は、例えば沈胴式のズームレンズで構成されており、カメラ一体型のなどでは電源/モードスイッチ3によってカメラの作動モードを撮像モードに設定することにより、カメラ本体から繰り出される。撮像レンズ12はズームレンズでもよいし、固定焦点(いわゆる単焦点)のレンズでもよい。フラッシュ1は、主要被写体にフラッシュ光を照射するものであるが、必ずしも必須のものではない。ここで撮像レンズ12は撮像装置10に対して交換可能であってもよいし、固定されていて(カメラ一体型)もよい。
【0027】
シャッタボタン2は、いわゆる「半押し」と「全押し」とからなる2段ストローク式のスイッチで構成され、撮像準備指示部として機能するとともに、画像または動画の記録指示部として機能する。なお、接触検知機能を備えたスイッチの場合、「半押し」をスイッチに対する操作者の指等の接触により実現し、1段ストロークのスイッチでも実施することが可能である。
【0028】
撮像装置10は、撮像モードとして静止画撮像モードが選択され、シャッタボタン2が「半押し」されると、必要または設定に応じてAF(Auto Focus)/AE(Auto Exposure)制御を行う撮像準備動作を行い、シャッタボタン2が「全押し」されると、静止画の撮像及び記録を行う。
【0029】
また、撮像装置10は、撮像モードとして動画撮像モードが選択され、シャッタボタン2が押されると、動画の録画を開始し、シャッタボタン2が再度押されると、録画を停止して待機状態になる。
【0030】
電源/モードスイッチ3は、撮像装置10の電源をON/OFFする電源スイッチとしての機能と、撮像装置10のモードを設定するモードスイッチとしての機能とを併せ持っており、「OFF位置」と「再生位置」と「撮像位置」との間をスライド自在に配設されている。撮像装置10は、電源/モードスイッチ3をスライドさせて、「再生位置」または「撮像位置」に合わせることにより、電源がONになり、「OFF位置」に合わせることにより、電源がOFFになる。そして、電源/モードスイッチ3をスライドさせて、「再生位置」に合わせることにより、「再生モード」に設定され、「撮像位置」に合わせることにより、「撮像モード」に設定される。
【0031】
モードダイヤル4は、撮像装置10の撮像モードを設定するモード切替部として機能し、このモードダイヤル4の設定位置により、撮像装置10の撮像モードが様々なモードに設定される。例えば、静止画撮像を行う「静止画撮像モード」、動画撮像を行う「動画撮像モード」等である。なお電源/モードスイッチ3とモードダイヤル4の構成はかならずしも本設定に限らず、これらのユーザーインターフェースは必要に応じて異なる構成を適宜実施可能である。
【0032】
背面モニタ30及びファインダ用モニタ13は、撮像モード時のライブビュー画像の表示、再生モード時の静止画または動画の表示、及びメニュー画面の表示等を行うことでグラフィカルユーザーインターフェースの一部として機能する。また、ファインダ用モニタ13は、後で説明を行う面表示(第2表示)を行うことができる。さらに、背面モニタ30にはタッチパネル31(図3)が一体的に設置されている。なお、タッチパネル31は背面モニタ3の内部に埋め込まれて(インセル型)いてもよいし、背面モニタ30の鑑賞側に取り付けられて(オンセル型)いてもよい。タッチパネルとしては静電容量方式、抵抗膜方式、あるいは光学方式などどのような方式のものであってよい。
【0033】
ズームボタン5は、ズームを指示するズーム指示手段として機能し、望遠側へのズームを指示するテレボタン5Tと、広角側へのズームを指示するワイドボタン5Wとからなる。撮像装置10は、撮像モード時に、このテレボタン5Tとワイドボタン5Wとが操作されることにより、撮像レンズ12の焦点距離が変化する。また、再生モード時に、このテレボタン5Tとワイドボタン5Wとが操作されることにより、再生中の画像が拡大、縮小する。なお、ここではズームボタン5は撮像装置10の背面に設けられているが、これに限らず、撮像装置10の前面に設けられていてもよいし、撮像レンズ12に設けられていてもよい。またズームボタン5は単焦点レンズの場合は必須ではない。
【0034】
十字ボタン6は、上下左右の4方向の指示を入力する操作部であり、メニュー画面から項目を選択したり、各メニューから各種設定項目の選択や移動を指示したりするボタン(カーソル移動操作手段)として機能する。例えば左/右キーは再生モード時のコマ送り(順方向/逆方向送り)ボタンとして機能する。
【0035】
MENU/OKボタン7は、背面モニタ30の画面上にメニューを表示させる指令を行うためのメニューボタンとしての機能と、選択内容の確定及び実行などを指令するOKボタンとしての機能とを兼備した操作ボタンである。
【0036】
再生ボタン8は、撮像記録した静止画または動画を背面モニタ30またはファインダ用モニタ13に表示させる再生モードに切り替えるためのボタンである。
【0037】
BACKボタン9は、入力操作のキャンセルや一つ前の操作状態に戻すことを指示するボタンとして機能する。
【0038】
なお、上述したボタン/スイッチ類に対して固有の部材が設けられているが、タッチパネル31を操作することでそれらボタン/スイッチ類の機能を実現することもできる。これらのユーザーインターフェースは必要に応じて異なる構成を適宜実施可能である。
【0039】
図3は撮像装置10の内部構成の実施形態を示すブロック図である。この撮像装置10は、撮像した画像をメモリカード54に記録するもので、装置全体の動作は、CPU(Central Processing Unit)(プロセッサ)40によって統括制御される。
【0040】
撮像装置10には、シャッタボタン2、電源/モードスイッチ3、モードダイヤル4、テレボタン5T、ワイドボタン5W、十字ボタン6、MENU/OKボタン7、再生ボタン8、BACKボタン9等の操作部38が設けられている。この操作部38からの信号はCPU40に入力され、CPU40は入力信号に基づいて撮像装置10の各回路を制御し、例えば、センサ駆動部32による撮像素子16の駆動制御、シャッタ駆動部33によるメカシャッタ(機械的シャッタ)15の駆動制御、絞り駆動部34による絞り14の駆動制御、及びレンズ駆動部36により撮像レンズ12の駆動制御を司る他、撮像動作制御、画像処理制御、画像データの記録/再生制御、ファインダ用モニタ13、及び背面モニタ30の表示制御などを行う。
【0041】
外部機器接続端子20には、撮像装置10に接続される外部機器が接続される。撮像装置10に接続される外部機器とは、例えば、外付けマイク、外付けモニタ、外付けバッテリなどである。また、外部機器接続端子20の具体例は、マイク端子、HDMI(登録商標)端子などである。また、外部機器接続端子20は無線により接続する端子も含む。例えば、外部機器接続端子20は、無線通信を行う無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、UWB(Ultra Wide Band)などの端子を含む。
【0042】
電源/モードスイッチ3により撮像装置10の電源がONされると、図示しない電源部から各ブロックへ給電され、撮像装置10の駆動が開始される。
【0043】
撮像レンズ12、絞り14、メカシャッタ(機械的シャッタ)15等を通過した光束は、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)型のイメージセンサである撮像素子16に結像される。なお、撮像素子16は、CMOS型に限らず、XYアドレス型、またはCCD(Charge Coupled Device)型のイメージセンサでもよい。イメージセンサはカラーイメージセンサであってもよいし、単色(例えば白黒)のイメージセンサであってもよい。
【0044】
撮像素子16は、多数の受光素子(フォトダイオード)が2次元配列されており、各フォトダイオードの受光面に結像された被写体像は、各受光素子の入射光量に応じた量の信号電荷がアンプにより電圧に変換され、撮像素子16内のA/D(Analog/Digital)変換器を介してデジタル信号に変換されて出力される。
【0045】
動画または静止画の撮像時に撮像素子16から読み出された画像信号(画像データ)は、画像入力コントローラ22を介してメモリ(SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory))48に一時的に記憶される。なおSDRAMは一例であり、ReRAM(Resistive Random Access Memory)、PCM(Phase-change memory)、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)など必要に応じて任意のメモリを選択可能である。
【0046】
CPU40は、操作部38での操作に基づいて撮像装置10の各部を統括制御するが、ライブビュー画像の撮像(表示)、及び動画の撮像(記録)中には、必要に応じて常時AF動作及びAE動作を行う。
【0047】
CPU40は、ズームボタン5からのズーム指令に応じてレンズ駆動部36を介してズームレンズを光軸方向に進退動作させ、焦点距離を変更させる。
【0048】
図4は、CPU40で実現される主な機能構成を示すブロック図である。CPU40は、判定部101及び表示制御部103を備える。
【0049】
判定部101は、撮像者(使用者)がファインダ用モニタ13での第1表示の表示内容を視認可能か否かを判定する。判定部101は、アイセンサ17が物体を検出した場合には、撮像者が第1表示の表示内容を視認可能と判定し、アイセンサ17が物体を検出しなかった場合には、撮像者が第1表示の表示内容を視認可能と判定しない。ここで第1表示とは、撮像画像及び文字の少なくとも一方を含む表示であり、所謂ファインダ用モニタ13に表示される通常の表示形態の表示である。第1表示には、例えば、ライブビューの表示、撮像条件等を設定するメニュー画面等が含まれる。第1表示は撮像者がファインダ11に接眼していることを想定した表示であり、撮像者がファインダ11に接眼していない場合には、撮像者から見える個々の表示内容が小さく、第1表示の内容の視認は困難である。
【0050】
表示制御部103は、判定部101での判定処理の結果に応じて、ファインダ用モニタ13に第1表示または第2表示を行う。具体的には、表示制御部103は、判定部101において視認可能と判定された場合にはファインダ用モニタ13に第1表示を行う。一方、表示制御部103は、判定部101において視認可能と判定しなかった場合にはファインダ用モニタ13に第2表示を行う。第2表示とは、後で説明するファインダ用モニタ13の表示画面での面表示のことである。第2表示はファインダ用モニタ13での面表示を行っているため、撮像者がファインダ11に接眼していない場合であっても第2表示の内容の視認が可能となる。
【0051】
図3に戻って、ROM47は、カメラ制御プログラム、撮像素子16の欠陥情報、画像処理等に使用する各種のパラメータやテーブルが記憶されているフラッシュメモリ(Flash Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、またはMRAM(MagnetoresistiveRandom Access Memory)等である。
【0052】
画像処理部24は、動画または静止画の撮像時に画像入力コントローラ22を介して取得され、メモリ48に一時的に記憶された未処理の画像データ(RAWデータ)を読み出す。画像処理部24は、読み出したRAWデータに対してオフセット処理、画素補間処理(位相差検出用画素、傷画素等の補間処理)、ホワイトバランス補正、感度補正を含むゲインコントロール処理、ガンマ補正処理、デモザイク処理、輝度及び色差信号生成処理、輪郭強調処理、及び色補正処理等を行う。
【0053】
画像処理部24により処理された画像データであって、ライブビュー画像として処理された画像データは、VRAM(Video Random Access Memory)50に入力される。
【0054】
VRAM50には、それぞれが1コマ分の画像を表す画像データを記録するA領域とB領域とが含まれている。VRAM50において1コマ分の画像を表す画像データがA領域とB領域とで交互に書き換えられる。VRAM50のA領域及びB領域のうち、画像データが書き換えられている方の領域以外の領域から、書き込まれている画像データが読み出される。
【0055】
アイセンサ17は、撮像者がファインダ用モニタ13を覗いているか否かを検出するセンサである。アイセンサ17は、ファインダ用モニタ13の周辺に存在する物体の有無を検知する物体検知センサで構成されており、近接する物体を検知する近接センサである。
【0056】
VRAM50から読み出された画像データは、ビデオエンコーダ28においてエンコーディングされ、カメラ背面に設けられているファインダ用モニタ13及び背面モニタ30に出力される。これにより、被写体像を示すライブビュー画像がファインダ用モニタ13及び背面モニタ30に表示される。なおライブビュー画像のファインダ用モニタ13または背面モニタ30への表示は、アイセンサ17の検出により制御される。アイセンサ17によりファインダ用モニタ13に近接する物体が検出された場合には、ファインダ用モニタ13にライブビュー画像を表示し、アイセンサ17によりファインダ用モニタ13に近接する物体がないと検出された場合には、背面モニタ30にライブビュー画像を表示する。
【0057】
タッチパネル31は、背面モニタ30と一体的に設けられている。タッチパネル31は、撮像者の指の接触を撮像者からの操作として検出する。
【0058】
タッチセンサ入力部49は、タッチパネル31からの信号から、タッチパネル31上における撮像者の指のタッチ位置や指の動きを解析し、解析した結果を出力する。
【0059】
画像処理部24により処理された画像データであって、記録用の静止画または動画として処理された画像データ(輝度データ(Y)及び色差データ(Cb),(Cr))は、再びメモリ48に記憶される。
【0060】
圧縮伸張処理部26は、静止画または動画の記録時に、画像処理部24により処理され、メモリ48に格納された輝度データ(Y)及び色差データ(Cb),(Cr)に対して圧縮処理を施す。静止画の場合には、例えばJPEG(Joint Photographic coding Experts Group)形式で圧縮し、動画の場合には、例えばH.264形式で圧縮する。圧縮伸張処理部26により圧縮された圧縮画像データは、メディアコントローラ52を介してメモリカード54に記録される。
【0061】
また、圧縮伸張処理部26は、再生モード時にメディアコントローラ52を介してメモリカード54から得た圧縮画像データに対して伸張処理を施す。メディアコントローラ52は、メモリカード54に対する圧縮画像データの記録及び読み出しなどを行う。なお、ここまで説明した画像入力コントローラ22、画像処理部24、圧縮伸長処理部26、ビデオエンコーダ28、メディアコントローラ52などは独立した処理部(回路)として説明してきたが、CPU40がメモリ(48またはROM47)に内蔵されたプログラムによってソフトウェア処理によって実行することも可能である。
【0062】
姿勢動きセンサ51は、撮像装置10の姿勢及び動きを検出センサである。姿勢動きセンサ51は、例えばジャイロセンサで構成される。
【0063】
次に、撮像装置10が使用される例について説明する。
【0064】
撮像装置10は、ファインダ11を搭載しており、撮像者はファインダ11に接眼することによりファインダ用モニタ13に表示された露出や撮像設定などを確認することができる。しかし、撮像装置10が動画撮像に使用される場合には、撮像装置10は、外部モニタ、外部マイク、及び外部バッテリを固定するためにリグと呼ばれる装置に固定したり、手振れを抑制するためのスタビライザに固定したりして使用される。以下に撮像装置10がリグに固定される場合及びスタビライザに固定される場合について説明する。
【0065】
図5は、撮像装置10が三脚201に固定され、リグ204が組まれている状態を示す図である。図5に示すように、撮像装置10は、三脚201に固定され、組まれたリグ204に固定されている。撮像装置10にはケージ213が取り付けられ、ケージ213には外部機器が取り付けられる。具体的には、ケージ213には、外部マイクとしてのガンマイク207と外部モニタ209が取り付けられている。なお、ガンマイク207と外部モニタ209とは外部機器接続端子20に接続されている。ケージ213には、ロット203が取り付けられており、ロット203にはハンドル205が取り付けられている。撮像装置10の後方のロット203には、外部バッテリ211が取り付けられている。ここで、ケージ213、ロット203、及びハンドル205によりリグ204が構成され、リグ204を組むことにより手振れ等が抑制された撮像を行うことができる。
【0066】
図6は、スタビライザ250に取り付けられた撮像装置10を示す図である。スタビライザ250は、グリップ221、第1支持部材223、第2支持部材225によって構成されている。撮像装置10は第2支持部材225によって取り付けられる。取り付けられた撮像装置10は、第1支持部材223及び第2支持部材225で構成される機構によりロール方向、チルト方向、パン方向に可動可能となる。撮像者は、グリップ221を手で保持して撮像装置10により動画を撮像することにより、第1支持部材223及び第2支持部材225で構成される機構により手振れが抑制して、動画を撮像することができる。
【0067】
以上で説明したように、撮像装置10がリグ204に取り付けられた場合には例えば外部バッテリ211が障害となり、撮像者はファインダ11に接眼することができないことが考えられる。また、撮像装置10がスタビライザ250に取り付けられたりした場合には、例えばスタビライザ250の支持部材が障害となり、撮像者はファインダ11に接眼することができないことが考えられる。通常では、ファインダ11に撮像者が接眼していない場合には、アイセンサ17が近接する物体を検出しないため、ファインダ用モニタ13の表示(第1表示)は停止され消灯される。
【0068】
本発明の実施形態では、このように撮像装置10のファインダ11に撮像者が接眼できない場合であっても、ファインダ11のファインダ用モニタ13を有効に利用して、撮像者に情報を伝達する手法を提案する。
【0069】
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態に関して説明する。
【0070】
図7は、本実施形態における撮像装置10を使用して行われる撮像方法を示すフロー図である。
【0071】
先ず、判定部101により判定処理工程が行われる(ステップS10)。判定部101は、撮像者がファインダ用モニタ13に表示される第1表示の表示内容が視認可能か否かを判定する。具体的には判定部101は、アイセンサ17が物体を検知した場合には撮像者がファインダ11に接眼しているとして、撮像者はファインダ11に表示されている第1表示の表示内容を視認可能と判定する。一方で、判定部101は、アイセンサ17が物体を検知しない場合には、撮像者はファインダ11に表示されている第1表示の表示内容を視認可能と判定しない(視認不可能と判定する)。
【0072】
次に、表示制御部103により表示制御工程が行われる(ステップS11及びS12)。表示制御部103は、判定部101が視認可能と判定した場合には、第1表示をファインダ用モニタ13に行う(ステップS11)。一方、表示制御部103は、判定部101が視認可能と判定しなかった場合には、第2表示をファインダ用モニタ13に行う(ステップS12)。以下に、第1表示及び第2表示に関して具体例を説明する。
【0073】
図8は、ファインダ用モニタ13に表示される第1表示の一例を示す図である。
【0074】
図8に示す場合では、ファインダ用モニタ13にメニュー表示を行った場合である。撮像者がファインダ11に接眼していない場合には、撮像者はファインダ用モニタ13に表示されたメニュー表示の文字情報は小さいために読み取ることができない。なお、図8に示す場合では、メニュー表示の例について示したが、他の第1表示においても同様、撮像者はファインダ11に接眼していない場合には、視認することが困難である。例えば、ファインダ用モニタ13に、ライブビュー画像を表示した場合であっても、撮像者は、ファインダ11に接眼していない場合には、表示されたライブビュー画像は小さいため視認することが困難である。一方で、第2表示はファインダ用モニタ13の面表示であるので、撮像者はファインダ11に接眼していない場合でも、視認可能な表示である。
【0075】
図9は、ファインダ用モニタ13に表示される第2表示の一例を示す図である。図9に示す場合では、ファインダ用モニタ13に面表示を行っている。すなわち、図9に示す場合では、ファインダ用モニタ13の一面を緑色で表示し面表示を行っている。また、図9に示す場合では、背面モニタ30にファインダ用モニタ13の第2表示で報知される情報の内容が文字情報で報知されている。具体的には、第2表示でフォーカス制御に関する情報が報知されるので「フォーカス」という文字を背面モニタ30に表示している。
【0076】
例えば、第2表示によりフォーカスに関する情報を報知する場合には、フォーカスエリアのフォーカスがあっている時は緑色の面表示、フォーカスエリアのフォーカスが外れたら赤色の面表示を行うことで、フォーカスエリアのフォーカス合焦に関する情報を報知することができる。なお、上述の例では、フォーカスエリアの合焦に関する情報について、緑色の面表示と赤色の面表示により報知を行うことを説明したが、報知を行う情報はこれに限定されるものではない。ファインダ用モニタ13の異なる2色の面表示により、撮像情報に関する状態を示す情報を報知することができ、撮像情報は、撮像装置10の設定情報または撮像画像の情報である。例えば、ファインダ用モニタ13の表示により、動画記録の停止中及び記録中との情報、HDMI端子(外部機器接続端子20)が接続及び断線の情報、静止画撮像時のフラッシュを発光するか否かの情報、補助ライトの点灯及び消灯の情報、及びリモート接続の接続及び断線の情報をファインダ用モニタ13の面表示、及び面表示の色を変えるにより報知することができる。また、第2表示は、ファインダ用モニタ13の全面に面表示を行うことに限らない。例えば第2表示は、ファインダ用モニタ13の中央に位置し、ファインダ用モニタ13の全面積の80%の面積に相当する矩形領域に第2表示を表示することも含む。
【0077】
以上で説明したように、本実施形態においては、判定部101により撮像者がファインダ用モニタ13に表示された第1表示が視認可能と判定しなかった場合には、ファインダ用モニタ13には、撮像者が視認可能な第2表示により情報の報知が行われる。これにより、撮像者がファインダ用モニタ13に表示される第1表示(撮像画像または文字)の内容を視認できない場合であっても、効率的にファインダ用モニタ13を利用して撮像者に情報を報知することができる。
【0078】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態に関して説明する。
【0079】
図10は、本実施形態における撮像装置10を使用した撮像方法を示すフロー図である。
【0080】
先ず、判定部101により判定処理が行われる(ステップS20)。判定部101は、アイセンサ17で物体を検知した場合には、撮像者が第1表示の表示内容を視認可能と判定し、アイセンサ17で物体を検知しなかった場合には、撮像者が第1表示の表示内容を視認可能と判定しない。
【0081】
次に、表示制御部103により表示制御工程が行われる(ステップS21及びS22)。表示制御部103は、判定部101が視認可能と判定した場合には、第1表示をファインダ用モニタ13に行う(ステップS21)。一方、表示制御部103は、判定部101が視認可能と判定しなかった場合には、第2表示をファインダ用モニタ13に行う(ステップS22)。
【0082】
第2表示がファインダ用モニタ13に表示されると、判定部101は、撮像者が第2表示を視認可能か否かを判定する(ステップS23)。例えば、判定部101は、一旦第2表示を開始した後にアイセンサ17が物体を検知した場合には、撮像者が第2表示を視認可能でないと判定する。これは、アイセンサ17が物体を検知した場合には、撮像装置10の背面に物体が存在し、撮像者は、ファインダ11を視認することができない場合が想定されるからである。そして、判定部101が撮像者が第2表示を視認可能と判定しなかった場合には、表示制御部103は、第2表示の表示を停止する(ステップS25)。一方、判定部101は、第2表示をファインダ用モニタ13に行った後に、アイセンサ17が物体を検知しなかった場合には、ファインダ用モニタ13への第2表示を継続する(ステップS24)。
【0083】
以上で説明したように、本実施形態では、ファインダ用モニタ13に第2表示が行われた後に、判定部101により、撮像者が第2表示を視認可能か否かの判定が行われ、視認可能と判定されなかった場合には、第2表示の表示を停止する。これにより、撮像装置10は効率的な第2表示を行うことができ、撮像装置10の電池の消耗を抑制することができる。また、ファインダ用モニタ13がOLEDで構成されている場合には、ファインダ用モニタ13の劣化を抑制することができる。
【0084】
上記実施形態において、各種の処理を実行する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造は、次に示すような各種のプロセッサ(processor)である。各種のプロセッサには、ソフトウェア(プログラム)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路などが含まれる。
【0085】
1つの処理部は、これら各種のプロセッサのうちの1つで構成されていてもよいし、同種または異種の2つ以上のプロセッサ(例えば、複数のFPGA、あるいはCPUとFPGAの組み合わせ)で構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアントやサーバなどのコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組合せで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)などに代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサを1つ以上用いて構成される。
【0086】
さらに、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)である。
【0087】
上述の各構成及び機能は、任意のハードウェア、ソフトウェア、或いは両者の組み合わせによって適宜実現可能である。例えば、上述の処理ステップ(処理手順)をコンピュータに実行させるプログラム、そのようなプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体(非一時的記録媒体)、或いはそのようなプログラムをインストール可能なコンピュータに対しても本発明を適用することが可能である。
【0088】
<第2表示の他の例>
次に、第2表示の他の例に関して説明する。上述した例では、異なる2色の面表示により、情報を撮像者に報知する例を説明した。しかし、本発明の第2表示はこれに限定されない。以下に、第2表示の他の例を説明する。
【0089】
(第2表示の他の例1)
第2表示の他の例1では、表示制御部103は、3色以上の色の面表示を、ファインダ用モニタ13に行うことによって、撮像者に情報を報知する。
【0090】
例えば、第2表示によりフォーカスエリアのフォーカス位置の違いを異なる3色の面表示によって表示する。例えば、フォーカス位置が被写体に合焦する位置より手前にずれている状態を青色、フォーカスの位置が被写体に合焦する位置にある状態を緑色、フォーカスの位置が被写体に合焦する位置より奥にずれている状態を赤色の面表示によって表示する。また、撮像装置10に接続されたマイクの音量に応じて、面表示の色を変化させてもよい。例えば、音量が小の場合には緑色、音量が中の場合には黄色、音量が大の場合には赤色の面表示を行う。また、記録メディアの残量に基づいて面表示の色を変化させてもよい。例えば、記録メディアの残量が100%である場合には緑色の面表示を行い、記録メディアの残量が0%の場合には赤色の面表示を行い、その中間の残量では面表示の色を徐々に変化させてもよい。また、カメラの温度に基づいて、面表示の色を変化させてもよい。例えば、カメラの温度が高温である場合には赤色の面表示を行い、カメラの温度が低温である場合には青の面表示を行うように、面表示の色を徐々に変化させてもよい。また、カメラのISO感度設定に基づいて、面表示の色を変化させてもよい。例えば、ISO感度が低い場合には青色の面表示を行い、ISO感度が高い場合には赤色の面表示を行い、その中間の感度では面表示の色を徐々に変化させてもよい。また、カメラのホワイトバランス(WB)の色温度設定に基づいて、面表示の色を徐々に変化させてもよい。例えば、低色温度では赤色の面表示を行い、高色温度では青色の面表示を行い、その中間の色温度では面表示の色を徐々に変化させてもよい。また、撮像画像における白飛びの面積の広さに応じて面表示の色を変化させてもよい。例えば、白飛びの面積が小さい場合には青の面表示を行い、白飛びの面積が広い場合には赤色の面表示を行うように面表示の色を徐々に変化させてもよい。
【0091】
このように、3色以上の色によって面表示を行うことにより、強度や位置の情報をより正確に報知することができる。
【0092】
(面表示の他の例2)
第2表示の他の例2では、報知する情報の強度を面表示の点滅または面表示の明るさによって表す。
【0093】
例えば、1つの情報表示の低レベルを緑色の面表示、中レベルを黄色の面表示、高レベルを赤色の面表示で表示した場合には、中レベルの範囲において値が低い場合には、黄色の面表示を点灯させ、中レベルの範囲において値が高くなるにつれて、点滅を早くし且つ点滅の間隔を短くする。そして、高レベルになると赤色の面表示に変わり、高レベルの範囲における値に応じて黄色の表示と同様に常時点灯、点滅と面表示が行われる。このような形態で、情報を報知することにより、各レベルにおけるより詳細な位置を報知することができる。例えば、本例によればマイクレベルにおける適正、過小、及び過大のどの領域に位置しているかを精度よく報知することができる。マイクレベルでは音量に多少差があっても、適正レベル内に収まっていれば、音を正しく記録できる。一方、過大であれば音割れが発生したり、過小であればノイズに音声が埋もれて聞き取りづらくなったりする。したがって、本例のように各レベルにおけるどの領域に位置しているかを報知することにより、適切に集音を行うことができる。
【0094】
(面表示の他の例3)
第2表示の他の例3では、ファインダ用モニタ13を2分割して面表示が行われる。
【0095】
図11は、第2表示の他の例3に関して説明した図である。図11に示すように、ファインダ用モニタ13を第1表示領域121と第2表示領域123とに縦に2分割している。第1表示領域121と第2表示領域123とには、それぞれ異なる色の面表示が行われる。例えば、第1表示領域121にマイク音量に関する情報を報知する面表示を、第2表示領域123にフォーカスに関する情報を報知する面表示を行う。そして、背面モニタ30に2分割されたファインダ用モニタ13の第2表示で報知される情報の内容が文字情報で報知されている。具体的には、ファインダ用モニタ13での第1表示領域121と第2表示領域123との位置関係に合わせて、背面モニタ30に「マイク音量」及び「フォーカス」の文字が背面モニタ30に表示される。これにより、2種類の情報を撮像に報知することができ、また撮像者は第1表示領域121と第2表示領域123とで行われる第2表示で報知される情報について文字情報で確認することができる。なお、図11に示した例では、ファインダ用モニタ13を縦に2分割した場合について説明を行っているが、ファインダ用モニタ13を横に2分割した場合にも同様の効果を得ることができる。
【0096】
<第2表示の停止の他の例>
上述した第2実施形態においては、第2表示を行った後に、アイセンサ17により物体を検知した場合には、第2表示を停止する例について説明を行った(ステップS23及びステップS25)。しかし、本発明の実施形態において、判定部101により、撮像者は第2表示を視認可能と判定しない例は他にもある。例えば、背面モニタ30の表示面がファインダ用モニタ13と異なる方向を向いている場合には、撮像者は背面モニタ30の表示面が向いている方向に位置し、ファインダ用モニタ13を正面から観察できる位置に居ないと推定できる。このような場合には、判定部101は、撮像者が第2表示を視認可能とは判定しない。
【0097】
図12及び図13は、第2表示の停止を行う場合の他の例を説明する図である。図12ではバリアングルタイプの背面モニタ30がファインダ用モニタ13と同じ方向を向いている場合を示す図である。ファインダ用モニタ13は視野角が狭いので、撮像者は正面からファインダ用モニタ13を見ていないと第2表示を視認することができない。したがって、背面モニタ30がファインダ用モニタ13と同じ方向を向いている場合には、判定部101は、撮像者は第2表示を視認可能であると判定する。
【0098】
一方で、図13に示すように、バリアングルタイプの背面モニタ30がファインダ用モニタ13と同じ方向を向いていない場合には、判定部101は、撮像者は第2表示を視認可能であるとは判定しない。そして、表示制御部103は、判定部101の結果に基づいて第2表示を停止する。例えば、撮像装置10は、背面モニタ30の表示面の表示角度検出センサ127を備え、表示角度検出センサ127の検出結果が閾値を超える場合には、第2表示を終了させる。表示角度検出センサ127としては、摺動抵抗型のロータリポジションセンサや磁気抵抗素子型の回転角度検出センサを用いることができる。
【0099】
以上で説明したように、本例では撮像者が正面に位置してファインダ用モニタ13を見る位置にいない場合には、ファインダ用モニタ13への第2表示を停止する。これにより撮像装置10の電池の消耗を抑制することができ、またファインダ用モニタ13がOLEDで構成されている場合にはOLEDの劣化の抑制を行うことができる。
【0100】
<メニュー画面による設定>
次に、第2表示の設定に関して説明する。
【0101】
上述で説明したように、第2表示では、様々な情報を撮像者に伝達することができる。そして、第2表示でどのような情報を伝達するか、及び第2表示を行うことを撮像者はメニュー画面で設定することができる。
【0102】
図14は、第2表示の設定画面を示す図である。背面モニタ30またはファインダ用モニタ13に、CPU40の制御により図14に示すようなメニュー画面が表示される。
【0103】
撮像者は、表示されたメニュー画面131において、「EVF非接眼情報表示設定」を選択し、その選択をCPU40は受け付ける。メニュー画面131はその後、EVF非接眼情報表示設定画面133に遷移し、第2表示で報知を行う情報に関して撮像者の選択をCPU40が受け付ける。図14に示した場合では、フォーカスに関する情報、及びマイクレベルに関する情報をタッチパネル31にタッチすることにより選択し、第2表示によりこれらの情報が報知される。これにより、第2表示により撮像者の所望の情報を報知することができる。
【0104】
<その他の例>
上述した説明では、第1表示部がファインダ用モニタ13である場合について説明をしたが、本発明の第1表示部はこれに限定されない。例えば、メインモニタ(背面モニタ30)以外のモニタ(天面モニタ、サブモニタ)や外付けファインダモニタ等に本発明を適用することができる。
【0105】
以上で本発明の例に関して説明してきたが、本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0106】
1 :フラッシュ
2 :シャッタボタン
3 :モードスイッチ
4 :モードダイヤル
5 :ズームボタン
5T :テレボタン
5W :ワイドボタン
6 :十字ボタン
7 :MENU/OKボタン
8 :再生ボタン
9 :BACKボタン
10 :撮像装置
11 :ファインダ
12 :撮像レンズ
13 :ファインダ用モニタ
14 :絞り
16 :撮像素子
17 :アイセンサ
20 :外部機器接続端子
22 :画像入力コントローラ
24 :画像処理部
26 :圧縮伸張処理部
28 :ビデオエンコーダ
30 :背面モニタ
31 :タッチパネル
32 :センサ駆動部
33 :シャッタ駆動部
34 :絞り駆動部
36 :レンズ駆動部
38 :操作部
40 :CPU
47 :ROM
48 :メモリ
49 :タッチセンサ入力部
51 :姿勢動きセンサ
52 :メディアコントローラ
54 :メモリカード
101 :判定部
103 :表示制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14