(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-16
(45)【発行日】2023-11-27
(54)【発明の名称】ウェーハの加工方法
(51)【国際特許分類】
B24B 7/04 20060101AFI20231117BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20231117BHJP
B23K 26/38 20140101ALI20231117BHJP
【FI】
B24B7/04 Z
H01L21/304 631
H01L21/304 622J
H01L21/304 601Z
B23K26/38 Z
(21)【出願番号】P 2019130519
(22)【出願日】2019-07-12
【審査請求日】2022-05-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】張 淑淵
(72)【発明者】
【氏名】陳 信良
【審査官】山村 和人
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-197434(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 7/04
H01L 21/304
B23K 26/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に複数のデバイスが形成され外周に面取り部を有したウェーハの加工方法であって、
ウェーハの外周縁に沿って該表面から仕上げ厚みに至る深さに切削ブレードで切削して該面取り部を除去することでウェーハの該表面側が裏面側より小径化されるトリミングステップと、
該トリミングステップを実施した後、ウェーハの該表面にウェーハと同サイズの表面保護テープを貼着する貼着ステップと、
該貼着ステップを実施した後、ウェーハの裏面を研削する研削ステップと、
該研削ステップを実施した後、ウェーハの該裏面にテープを貼着し、該表面保護テープをウェーハから除去する転写ステップと
、
該貼着ステップを実施した後、該転写ステップを実施するまでに、該表面保護テープを該トリミングステップで小径化される該表面側のウェーハ外周縁に対応するサイズに小径化する小径化ステップと、を備え
、
該小径化ステップは該研削ステップを実施した後に実施するウェーハの加工方法。
【請求項2】
該小径化ステップでは、該表面保護テープにレーザビームを照射して該表面保護テープを小径化する、請求項
1に記載のウェーハの加工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェーハの加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェーハの裏面研削後に面取りの一部が残存してナイフのように尖鋭化してしまい、欠けが生じやすくなってしまうことを防止するために、研削前に、表面側からウェーハの外縁部を除去する所謂トリミングと呼ばれる技術が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0003】
特許文献1及び特許文献2等に記載された技術では、トリミング加工された後のウェーハの表面に表面保護テープが貼着されて裏面を研削する。裏面が研削されて薄化されたウェーハは、裏面にダイシングテープが貼着されて表面保護テープが除去される転写作業が行われた後、ダイシングされて複数のデバイスチップへと分割される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第3515917号公報
【文献】特開2010-245167号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
表面保護テープの貼着時には、ウェーハより大径の表面保護テープをウェーハに貼着した後、カッターを表面保護テープに切り込ませ、ウェーハの外周縁に沿ってカッターを移動させることで表面保護テープが切断される。ウェーハの表面側の外周縁にカッターを沿わせると、デバイスが形成されているウェーハ表面側を損傷しかねないこともあり、カッターは、ウェーハの外周に沿って移動される。そのため、表面保護テープは、ウェーハの表面側の外径よりも大径に形成される。この状態で裏面が研削されると、ウェーハはトリミング後の表面側の径と同じ径に形成されるため、ウェーハ外周縁から表面保護テープがはみ出して転写時にウェーハ裏面側のダイシングテープとウェーハからはみ出した表面保護テープが貼り付いてしまうおそれがある。テープ同士が貼り付いた状態で、表面保護テープを剥離しようとすると研削で薄化されたウェーハを破損しかねない。
【0006】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、転写時のウェーハの破損を抑制することができるウェーハの加工方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明のウェーハの加工方法は、表面に複数のデバイスが形成され外周に面取り部を有したウェーハの加工方法であって、ウェーハの外周縁に沿って該表面から仕上げ厚みに至る深さに切削ブレードで切削して該面取り部を除去することでウェーハの該表面側が裏面側より小径化されるトリミングステップと、該トリミングステップを実施した後、ウェーハの該表面にウェーハと同サイズの表面保護テープを貼着する貼着ステップと、該貼着ステップを実施した後、ウェーハの裏面を研削する研削ステップと、該研削ステップを実施した後、ウェーハの該裏面にテープを貼着し、該表面保護テープをウェーハから除去する転写ステップと、該貼着ステップを実施した後、該転写ステップを実施するまでに、該表面保護テープを該トリミングステップで小径化される該表面側のウェーハ外周縁に対応するサイズに小径化する小径化ステップと、を備え、該小径化ステップは該研削ステップを実施した後に実施することを特徴とする。
【0010】
前記ウェーハの加工方法において、該表面保護テープにレーザビームを照射して該表面保護テープを小径化しても良い。
【発明の効果】
【0011】
本発明のウェーハの加工方法は、転写時のウェーハの破損を抑制することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、実施形態1に係るウェーハの加工方法の加工対象のウェーハの一例を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、実施形態1に係るウェーハの加工方法の流れを示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、
図3に示されたウェーハの加工方法のトリミングステップを一部断面で示す側面図である。
【
図5】
図5は、
図3に示されたウェーハの加工方法のトリミングステップ後のウェーハの断面図である。
【
図6】
図6は、
図3に示されたウェーハの加工方法の貼着ステップを一部断面で示す側面図である。
【
図7】
図7は、
図3に示されたウェーハの加工方法の小径化ステップを一部断面で示す側面図である。
【
図8】
図8は、
図3に示されたウェーハの加工方法の小径化ステップにおいて表面保護テープの外縁部を除去する状態を一部断面で示す側面図である。
【
図9】
図9は、
図3に示されたウェーハの加工方法の研削ステップを一部断面で示す側面図である。
【
図10】
図10は、
図3に示されたウェーハの加工方法の研削ステップ後のウェーハの断面図である。
【
図11】
図11は、
図3に示されたウェーハの加工方法の転写ステップを一部断面で示す側面図である。
【
図12】
図12は、
図3に示されたウェーハの加工方法の分割ステップを模式的に示す斜視図である。
【
図13】
図13は、実施形態2に係るウェーハの加工方法の流れを示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、
図13に示されたウェーハの加工方法の研削ステップを一部断面で示す側面図である。
【
図15】
図15は、
図13に示されたウェーハの加工方法の小径化ステップを一部断面で示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0014】
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1に係るウェーハの加工方法を図面に基づいて説明する。
図1は、実施形態1に係るウェーハの加工方法の加工対象のウェーハの一例を示す斜視図である。
図2は、
図1中のII-II線に沿う断面図である。
図3は、実施形態1に係るウェーハの加工方法の流れを示すフローチャートである。
【0015】
実施形態1に係るウェーハの加工方法は、
図1に示されたウェーハ1の加工方法である。実施形態1に係るウェーハの加工方法の加工対象のウェーハ1は、シリコン、ガリウムヒ素、SiC(炭化ケイ素)又はサファイア、などを母材とする円板状の半導体ウェーハや光デバイスウェーハ等である。ウェーハ1は、表面2に格子状に形成された複数の分割予定ライン3によって格子状に区画された領域にデバイス4が形成されている。即ち、ウェーハ1は、表面2に複数のデバイス4が形成されている。デバイス4は、例えば、IC(Integrated Circuit)又はLSI(Large Scale Integration)等の集積回路、CCD(Charge Coupled Device)、又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサである。
【0016】
また、ウェーハ1は、
図2に示すように、外周に面取り部5を有している。面取り部5は、表面2から裏面6に亘って形成され、厚み方向の中央が最も外周側に位置するように断面円弧状に形成されている。
【0017】
実施形態1に係るウェーハの加工方法は、ウェーハ1を仕上げ厚み7(
図2に示す)まで薄化した後に、個々のデバイス4に分割する方法である。実施形態1に係るウェーハの加工方法は、
図3に示すように、トリミングステップST1と、貼着ステップST2と、小径化ステップST3と、研削ステップST4と、転写ステップST5と、分割ステップST6とを備える。
【0018】
(トリミングステップ)
図4は、
図3に示されたウェーハの加工方法のトリミングステップを一部断面で示す側面図である。
図5は、
図3に示されたウェーハの加工方法のトリミングステップ後のウェーハの断面図である。トリミングステップST1は、ウェーハ1の外周縁に沿って表面2から仕上げ厚み7に至る深さに切削装置10が切削ブレード15で切削して表面2側から面取り部5を除去することでウェーハ1の表面2側が裏面6側より小径化されるステップである。
【0019】
トリミングステップST1では、切削装置10が、チャックテーブル11の保持面12にウェーハ1の裏面6側を吸引保持する。トリミングステップST1では、切削装置10は、
図4に示すように、チャックテーブル11を鉛直方向と平行な軸心回りに回転させながら切削ユニット13のスピンドル14により回転された切削ブレード15をウェーハ1の表面2側から外周の面取り部5に仕上げ厚み7切り込ませて、表面2側から仕上げ厚み7分、面取り部5を除去する。トリミングステップST1後では、ウェーハ1の表面2側が、
図5に示すように、裏面6側より小径化される。
【0020】
なお、実施形態1において、トリミングステップST1では、ウェーハ1上に位置付けられた切削ブレード15が仕上げ厚み7に至る所定高さまで下降することでウェーハ1に切り込み、ウェーハ1をチャックテーブル11で軸心回りに回転させることで面取り部5を除去する。しかしながら、本発明において、トリミングステップST1では、仕上げ厚み7に至る所定高さに位置付けられた切削ブレード15をウェーハ1に対して水平方向に移動させてウェーハ1に切り込ませ、ウェーハ1をチャックテーブル11で軸心回りに回転させることで面取り部5を除去しても良い。ウェーハの加工方法は、
図5に示すように、ウェーハ1の全周に亘って表面2側から仕上げ厚み7分、面取り部5を除去すると貼着ステップST2に進む。
【0021】
(貼着ステップ)
図6は、
図3に示されたウェーハの加工方法の貼着ステップを一部断面で示す側面図である。貼着ステップST2は、トリミングステップST1を実施した後、ウェーハ1の表面2にウェーハ1と同サイズの表面保護テープ20を貼着するステップである。貼着ステップST2では、貼着装置30が、チャックテーブル31の保持面32にウェーハ1の裏面6側を吸引保持する。貼着ステップST2では、貼着装置30は、
図6に示すように、ウェーハ1の表面2全体に表面保護テープ20を貼着した後、ウェーハ1の中心回りに回転自在な切断ユニット33のカッター34をウェーハ1の外縁からはみ出した表面保護テープ20に切り込ませて、面取り部5に当接させる。
【0022】
貼着ステップST2では、貼着装置30は、切断ユニット33のカッター34とウェーハ1とをウェーハ1の中心を通りかつ鉛直方向と平行な軸心回りに相対的に回転させて、ウェーハ1の外縁からはみ出した表面保護テープ20を除去して、ウェーハ1の表面2にウェーハ1と同サイズの表面保護テープ20を貼着する。ウェーハの加工方法は、ウェーハ1の全周に亘って表面保護テープ20のウェーハ1の外縁からはみ出した表面保護テープ20を除去すると小径化ステップST3に進む。
【0023】
(小径化ステップ)
図7は、
図3に示されたウェーハの加工方法の小径化ステップを一部断面で示す側面図である。
図8は、
図3に示されたウェーハの加工方法の小径化ステップにおいて表面保護テープの外縁部を除去する状態を一部断面で示す側面図である。小径化ステップST3は、貼着ステップST2を実施した後、転写ステップST5を実施するまでに、表面保護テープ20をトリミングステップST1で小径化される表面2側のウェーハ1の外周縁8に対応するサイズに小径化するステップである。
【0024】
小径化ステップST3では、レーザ加工装置40が、チャックテーブル41の保持面42にウェーハ1の裏面6側を吸引保持する。小径化ステップST3では、レーザ加工装置40は、
図5に示すように、表面保護テープ20に対して吸収性を有する波長のレーザビーム43を照射するレーザビーム照射ユニット44を表面保護テープ20のウェーハ1の表面2側の外周縁8からはみ出した部分21に鉛直方向に沿って対向させた後、レーザビーム43の集光点を表面保護テープ20に設定して、
図7に示すように、チャックテーブル41を鉛直方向と平行な軸心回りに回転させながらレーザビーム照射ユニット44から表面保護テープ20にレーザビーム43を照射する。実施形態1において、小径化ステップST3では、レーザビーム43をウェーハ1の表面2側の外周縁8に沿って照射する。
【0025】
小径化ステップST3では、レーザ加工装置40が、レーザビーム43で表面保護テープ20をアブレーション加工して、ウェーハ1の表面2側の外周縁8に沿って表面保護テープ20を切断する。小径化ステップST3では、レーザ加工装置40が、ウェーハ1の外周縁8の全周に亘ってレーザビーム43を照射して、表面保護テープ20を外周縁8に沿って切断する。小径化ステップST3では、
図8に示すように、表面保護テープ20の外周縁8からはみ出したリング状の部分21を除去して、ウェーハ1の表面2に貼着された表面保護テープ20を小径化する。
【0026】
こうして、小径化ステップST3では、表面保護テープ20をレーザビーム43で切断してトリミングステップST1で小径化される表面2側のウェーハ1の外周縁8に対応するサイズに小径化する。なお、実施形態1では、表面保護テープ20をウェーハ1の表面2側の外周縁8と同径の円板状に形成する。ウェーハの加工方法は、表面保護テープ20のリング状の部分21を除去すると研削ステップST4に進む。
【0027】
こうして、実施形態1では、小径化ステップST3は、研削ステップST4を実施する前に実施する。また、実施形態1では、レーザ加工装置40は、レーザビーム43として、波長が10μmのCO2(二酸化炭素)レーザ又は波長が355nmのYAGレーザを照射する。なお、実施形態1では、レーザ加工装置40が小径化ステップST3を実施したが、本発明では、貼着装置30がレーザビーム照射ユニット44を備え、貼着装置30内でレーザビーム43を照射し、小径化ステップST3を実施してもよい。
【0028】
(研削ステップ)
図9は、
図3に示されたウェーハの加工方法の研削ステップを一部断面で示す側面図である。
図10は、
図3に示されたウェーハの加工方法の研削ステップ後のウェーハの断面図である。研削ステップST4は、貼着ステップST2を実施した後、ウェーハ1の裏面6を研削するである。
【0029】
研削ステップST4では、
図9に示すように、研削装置50がチャックテーブル51の保持面52に表面保護テープ20を介してウェーハ1の表面2側を吸引保持する。研削ステップST4では、研削装置50がチャックテーブル51を軸心回りに回転させつつ研削ユニット53の研削砥石54を軸心回りに回転させてウェーハ1の裏面6に接触させて、裏面6を研削する。研削ステップST4では、研削装置50が仕上げ厚み7になるまでウェーハ1を研削して薄化する。
【0030】
研削ステップST4では、ウェーハ1を仕上げ厚み7まで薄化すると、トリミングステップST1において表面2側から仕上げ厚み7分面取り部5を除去しているので、ウェーハ1は、
図10に示すように、全周に亘って面取り部5が除去される。ウェーハの加工方法は、仕上げ厚み7までウェーハ1を薄化すると転写ステップST5に進む。
【0031】
(転写ステップ)
図11は、
図3に示されたウェーハの加工方法の転写ステップを一部断面で示す側面図である。転写ステップST5は、研削ステップST4を実施した後、ウェーハ1の裏面6にテープであるダイシングテープ22を貼着し、表面保護テープ20をウェーハ1から除去するステップである。
【0032】
転写ステップST5では、マウンタ60が、ウェーハ1の表面2側を表面保護テープ20を介して保持テーブル上に保持し、ウェーハ1の外周に環状フレーム23を保持する。環状フレーム23は、内径がウェーハ1の外径よりも大径なリング状に形成されている。実施形態1において、転写ステップST5では、マウンタ60が、環状フレーム23とウェーハ1の裏面6にダイシングテープ22を重ね、裏面6に沿って移動する貼着ローラ61でダイシングテープ22をウェーハ1の裏面6及び環状フレーム23に押し付けて貼着する。実施形態1において、転写ステップST5では、マウンタ60が、ダイシングテープ22を環状フレーム23に沿って切断し、表面保護テープ20を表面2側から剥がす。ウェーハの加工方法は、ダイシングテープ22を貼着し、表面保護テープ20を剥がすと分割ステップST6に進む。
【0033】
(分割ステップ)
図12は、
図3に示されたウェーハの加工方法の分割ステップを模式的に示す斜視図である。分割ステップST6は、転写ステップST5後、ウェーハ1を個々のデバイス4に分割するステップである。
【0034】
実施形態1において、分割ステップST6では、
図12に示すように、切削装置70がチャックテーブルの保持面にダイシングテープ22を介してウェーハ1の裏面6側を吸引保持する。分割ステップST6では、切削装置70が図示しない撮像ユニットでウェーハ1の表面2を撮像して分割予定ライン3を検出し、ウェーハ1と切削ユニット73の切削ブレード75との位置合わせを行なうアライメントを遂行する。
【0035】
分割ステップST6では、切削装置70が、チャックテーブルと切削ブレード75とを分割予定ライン3に沿って相対的に移動させながらスピンドル74により軸心回りに回転された切削ブレード75をダイシングテープ22に到達するまで分割予定ライン3に切り込ませて、分割予定ライン3を切削する。ウェーハの加工方法は、ウェーハ1の全ての分割予定ライン3を切削ブレード45で切削して、ウェーハ1を個々のデバイス4に分割すると終了する。 なお、その後、デバイス4は、図示しないピックアップによりテープ201からピックアップされる。
【0036】
以上説明した実施形態1に係るウェーハの加工方法は、小径化ステップST3において、トリミングステップST1で小径化されるウェーハ1の表面2側の外周縁8に沿って表面保護テープ20を切断するため、研削ステップST4後に表面保護テープ20がウェーハ1の外縁からはみ出すことを抑制できる。その結果、ウェーハの加工方法は、転写ステップST5において、表面保護テープ20がダイシングテープ22に貼着することを抑制できるので、転写ステップST5時のウェーハ1の破損を抑制することができるという効果を奏する。
【0037】
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2に係るウェーハの加工方法を図面に基づいて説明する。
図13は、実施形態2に係るウェーハの加工方法の流れを示すフローチャートである。
図14は、
図13に示されたウェーハの加工方法の研削ステップを一部断面で示す側面図である。
図15は、
図13に示されたウェーハの加工方法の小径化ステップを一部断面で示す側面図である。なお、
図13、
図14及び
図15は、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0038】
実施形態2に係るウェーハの加工方法では、小径化ステップST3は、
図13に示すように、研削ステップST4を実施した後に実施する。実施形態2に係るウェーハの加工方法の研削ステップST4では、
図14に示すように、研削装置50がチャックテーブル51の保持面52に表面保護テープ20を介してウェーハ1の表面2側を吸引保持し、実施形態1と同様に、仕上げ厚み7になるまでウェーハ1を研削して薄化する。ウェーハの加工方法は、仕上げ厚み7までウェーハ1を薄化すると小径化ステップST3に進む。
【0039】
実施形態2に係るウェーハの加工方法の小径化ステップST3では、
図15に示すように、レーザ加工装置40が、チャックテーブル41の保持面42にウェーハ1の裏面6側を吸引保持し、レーザビーム照射ユニット44を表面保護テープ20のウェーハ1の外周縁8からはみ出した部分21に鉛直方向に沿って対向させた後、実施形態1と同様に、チャックテーブル41を鉛直方向と平行な軸心回りに回転させながらレーザビーム照射ユニット44から表面保護テープ20にレーザビーム43を照射する。
【0040】
小径化ステップST3では、レーザ加工装置40が、実施形態1と同様に、レーザビーム43で表面保護テープ20をアブレーション加工して、ウェーハ1の表面2側の外周縁8に沿って表面保護テープ20を切断して、ウェーハ1の表面2に貼着された表面保護テープ20を小径化する。ウェーハの加工方法は、表面保護テープ20を小径化すると転写ステップST5に進む。
【0041】
以上説明した実施形態2に係るウェーハの加工方法は、小径化ステップST3において、ウェーハ1の外周縁8に対応して表面保護テープ20を切断するため、転写ステップST5前に表面保護テープ20がウェーハ1の外縁からはみ出すことを抑制できる。その結果、ウェーハの加工方法は、転写ステップST5において、表面保護テープ20がダイシングテープ22に貼着することを抑制できるので、転写ステップST5時のウェーハ1の破損を抑制することができるという効果を奏する。
【0042】
また、実施形態2に係るウェーハの加工方法は、小径化ステップST3を研削ステップST4を実施した後に実施するので、研削ステップST4では、表面保護テープ20の部分21がウェーハ1の表面2側の外周縁8からはみ出している。その結果、実施形態2に係るウェーハの加工方法は、チャックテーブル51の保持面52にウェーハ1を吸引保持する際に、表面保護テープ20の部分21により吸引保持するための負圧がリークすることを抑制することができる。
【0043】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。なお、実施形態1及び実施形態2では、小径化ステップST3では、レーザビーム43を照射してアブレーション加工を行って、表面保護テープ20をリング状に切断し、外周側を除去したが、本発明では、レーザビーム43を利用する他、切削ブレードで表面保護テープ20を切削して、小径化しても良い。また、本発明では、分割ステップST6では、ウェーハ1に対して吸収性を有する波長のレーザビームを照射するアブレーション加工を行ってウェーハ1を個々のデバイス4に分割しても良く、ウェーハ1に対して透過性を有する波長のレーザビームを照射して改質層を形成し、改質層を起点にウェーハ1を個々のデバイス4に分割しても良い。
【符号の説明】
【0044】
1 ウェーハ
2 表面
4 デバイス
5 面取り部
6 裏面
7 仕上げ厚み
20 表面保護テープ
22 ダイシングテープ(テープ)
43 レーザビーム
ST1 トリミングステップ
ST2 貼着ステップ
ST3 小径化ステップ
ST4 研削ステップ
ST5 転写ステップ