IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 新日本無線株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-成膜方法および成膜装置 図1
  • 特許-成膜方法および成膜装置 図2
  • 特許-成膜方法および成膜装置 図3
  • 特許-成膜方法および成膜装置 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-16
(45)【発行日】2023-11-27
(54)【発明の名称】成膜方法および成膜装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/316 20060101AFI20231117BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20231117BHJP
   C23C 16/52 20060101ALI20231117BHJP
   C23C 16/40 20060101ALI20231117BHJP
   C23C 16/42 20060101ALI20231117BHJP
【FI】
H01L21/316 X
H01L21/31 B
C23C16/52
C23C16/40
C23C16/42
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019210514
(22)【出願日】2019-11-21
(65)【公開番号】P2021082760
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-09-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000191238
【氏名又は名称】日清紡マイクロデバイス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100177493
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 修
(72)【発明者】
【氏名】松本 正俊
【審査官】小▲高▼ 孔頌
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-154025(JP,A)
【文献】特開平11-150183(JP,A)
【文献】特開平05-013406(JP,A)
【文献】特開2006-190741(JP,A)
【文献】特開2007-242982(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/316
H01L 21/31
C23C 16/52
C23C 16/40
C23C 16/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板を載置した成膜装置の処理室内に反応ガスを導入して、該反応ガスから生成される膜を前記半導体基板表面に堆積させる成膜方法において、
前記処理室内に第1の半導体基板を載置し、該第1の半導体基板の表面に、減圧下でリンを含む酸化膜を成膜する第1の工程と、
前記第1の半導体基板を前記処理室から取り出す第2の工程と、
前記処理室内に第2の半導体基板を載置し、該第2の半導体基板の表面に、減圧下でリンを含む酸化膜を成膜する第3の工程と、を含み、
前記第1の工程から前記第3の工程までの経過時間が、予め設定した時間を超えるとき、前記処理室に前記第2の半導体基板を載置せずに、減圧下でリンを含む酸化膜を成膜する追加工程を行い、該追加工程を行った後、前記予め設定した時間に達しない経過時間で、前記第3の工程を行い、
前記第1の工程から前記第3の工程までの経過時間が、前記予め設定した時間に達していないとき、前記追加工程を行うことなく前記第3の工程を行うことを特徴とする成膜方法。
【請求項2】
請求項1記載の成膜方法において、
前記第2の工程後前記第3の工程まで、前記処理室を大気圧に維持することを特徴とする成膜方法。
【請求項3】
請求項1または2いずれか記載の成膜方法において、前記第1の工程と前記第3の工程との間に前記処理室内で発生するパーティクルの数が許容範囲内となるように、前記時間を設定することを特徴とする成膜方法。
【請求項4】
半導体基板を処理室に載置し、該処理室内に反応ガスを導入して、該反応ガスから生成される膜を前記半導体基板表面に堆積させる成膜装置において、
減圧下でリンを含む酸化膜を形成する成膜手段と、
該酸化膜の成膜工程を終了したときから経過時間を計測する計測手段とを備え
前記成膜手段による1回目の成膜工程終了から前記成膜手段による2回目の成膜工程までの前記計測手段により計測される前記経過時間が、予め設定した時間を超えるとき、前記成膜手段により前記処理室に半導体基板を載置せずに、減圧下でリンを含む酸化膜を形成する追加成膜工程が行われ、その後前記追加成膜工程終了から前記予め設定した時間に達しない前記経過時間で前記2回目の成膜工程が行われ、
前記1回目の成膜工程終了から前記2回目の成膜工程までの前記経過時間が、前記予め設定した時間に達していないとき、前記追加成膜工程が行なわれることなく、前記2回目の成膜工程が行われることを特徴とする成膜装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造工程における成膜方法と成膜装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置は、半導体基板上に種々の膜を積層し、所望の形状にパターニングすることを繰り返すことで製造される。半導体装置の製造工程の一つとして、減圧式化学気相成長装置を用いて、例えば層間絶縁膜としてリン、あるいはリンおよびボロンを含むシリコン酸化膜(PSG膜あるいはBPSG膜)を成膜する工程がある。
【0003】
ところで、この種の成膜装置の処理室内では半導体基板表面に所望の膜が堆積するだけでなく処理室内に不要な反応生成物も堆積し、パーティクル発生の原因となってしまう。パーティクルの発生は、半導体装置の製造において歩留まり低下を招き好ましくない。
【0004】
そこで、処理室の反応生成物を除去するクリーニングが必須となっている。一般的なクリーニング工程では、例えば特許文献1に記載されているように、ウエットクリーニング法やドライクリーニング法により処理室内に付着した反応生成物を除去した後、反応生成物のなくなった処理室内に薄く反応生成物を堆積させる、いわゆる空デポが行われている。この空デポは、処理室内に反応生成物が全く無いと、処理室内に反応生成物が付着している通常時の成膜条件と相違してしまい、所望の成膜を行うことができなくなるために行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】再公表WO98/01894号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、リンのような蒸気圧の高い元素を含む膜を成膜する場合、処理室内に付着する反応生成物の堆積量と無関係にパーティクルが発生してしまう。図4は、半導体装置の製造工場の中で駆動する1台の成膜装置において、PSG膜を繰り返し成膜したときの成膜回数に対して所定の面積の半導体基板上に発生したパーティクルの数をプロットしたグラフである。
【0007】
図4より、成膜回数が多くなるとパーティクルの数が増える場合が散見されるものの、成膜回数が多くなってもパーティクルの数が少ない場合や、逆に成膜回数が少ないにもかかわらずパーティクルの数が多い場合があり、成膜回数(反応生成物の堆積量)とパーティクルの数との間に関連性がないことがわかる。
【0008】
そのため、所定の成膜回数毎に処理室のクリーニングを行ったとしても、パーティクルの発生を抑えることができなかった。
【0009】
本発明はこのような実状に鑑み、リンを含む酸化膜を形成する場合に、パーティクルの発生の少ない成膜方法および成膜装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本願請求項1に係る発明は、半導体基板を載置した成膜装置の処理室内に反応ガスを導入して、該反応ガスから生成される膜を前記半導体基板表面に堆積させる成膜方法において、前記処理室内に第1の半導体基板を載置し、該第1の半導体基板の表面に、減圧下でリンを含む酸化膜を成膜する第1の工程と、前記第1の半導体基板を前記処理室から取り出す第2の工程と、前記処理室内に第2の半導体基板を載置し、該第2の半導体基板の表面に、減圧下でリンを含む酸化膜を成膜する第3の工程と、を含み、前記第1の工程から前記第3の工程までの経過時間が、予め設定した時間を超えるとき、前記処理室に前記第2の半導体基板を載置せずに、減圧下でリンを含む酸化膜を成膜する追加工程を行い、該追加工程を行った後、前記予め設定した時間に達しない経過時間で、前記第3の工程を行い、前記第1の工程から前記第3の工程までの経過時間が、前記予め設定した時間に達していないとき、前記追加工程を行うことなく前記第3の工程を行うことを特徴とする。
【0011】
本願請求項2に係る発明は、請求項1記載の成膜方法において、前記第2の工程後前記第3の工程まで、前記処理室を大気圧に維持することを特徴とする。
【0012】
本願請求項3に係る発明は、請求項1または2いずれか記載の成膜方法において、前記第1の工程と前記第3の工程との間に前記処理室内で発生するパーティクルの数が許容範囲内となるように、前記時間を設定することを特徴とする。
【0013】
本願請求項4に係る発明は、半導体基板を処理室に載置し、該処理室内に反応ガスを導入して、該反応ガスから生成される膜を前記半導体基板表面に堆積させる成膜装置において、減圧下でリンを含む酸化膜を形成する成膜手段と、該酸化膜の成膜工程を終了したときから経過時間を計測する計測手段とを備え、前記成膜手段による1回目の成膜工程終了から前記成膜手段による2回目の成膜工程までの前記計測手段により計測される前記経過時間が、予め設定した時間を超えるとき、前記成膜手段により前記処理室に半導体基板を載置せずに、減圧下でリンを含む酸化膜を形成する追加成膜工程が行われ、その後前記追加成膜工程終了から前記予め設定した時間に達しない前記経過時間で前記2回目の成膜工程が行われ、前記1回目の成膜工程終了から前記2回目の成膜工程までの前記経過時間が、前記予め設定した時間に達していないとき、前記追加成膜工程が行なわれることなく、前記2回目の成膜工程が行われることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の成膜方法は、前回の成膜工程の後経過した時間から、パーティクルの増加が予想される場合のみ空デポを行う構成とするため、処理室内に不要な反応生成物を生成させる工程を少なくすることができる。その結果、処理室のクリーニングの回数を増やす必要はなく、成膜装置の稼働を停止させる頻度が増加することがなく好ましい。
【0015】
また本発明の成膜方法によれば、蒸気圧の高いリンの蒸発を抑えることでパーティクルの発生を抑えられ、歩留まり良く半導体装置を製造することが可能となる。
【0016】
さらに本発明の成膜方法は、成膜工程と次の成膜工程の間の時間により、追加工程を行うか否かを判断することができ、非常に簡便な方法である。そのため、本発明の成膜装置は、成膜工程の終了時から時間を計測するタイマーを備えるだけでよく、成膜装置のコストアップを招くことはない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1の実施例の成膜装置を説明する図である。
図2】本発明の成膜方法を説明する図である。
図3】本発明の第1の実施例の成膜方法と従来の成膜方法との発生するパーティクルの数を比較するグラフである。
図4】従来の成膜装置において成膜回数に対して発生したパーティクルの数を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の成膜方法は、繰り返し成膜を行う際、その処理室において行われた前回の成膜工程と今回の成膜工程との間の経過時間、換言すると処理室の成膜後の放置時間に応じて、予め設定した時間が経過している場合には空デポを行った後に成膜を行い、その時間が経過していない場合には空デポを行わず成膜を行うことで、パーティクルの発生を抑えるための空デポによる不要な反応生成物の堆積は必要最小限とするように構成している。また本発明の成膜装置は、その時間の経過を計測するための手段を備える構成としている。以下、詳細に説明する。
【実施例1】
【0019】
本発明の第1の実施例について本発明の成膜装置を用いた成膜方法について説明する。図1は本実施例の成膜装置である減圧式化学気相成長装置を示す。一般的な減圧式化学気相成長装置同様、石英管1(処理室に相当)内に、石英ボート2に並べた半導体基板3を載置し、ガス供給装置4から所望のガスを石英管1内に導入するとともに、真空排気装置5により石英管1内を所望の圧力とし、さらにヒーター6により所望の温度として、半導体基板3表面に所望の膜を堆積させる。さらに本実施例の減圧式化学気相成長装置では、タイマー7を備えていることが一般的な減圧式化学気相成長装置と相違している。
【0020】
次に、図1に示す減圧式化学気相成長装置を用いて、リンを含む酸化膜としてPSG膜を形成する方法について説明する。
【0021】
(1回目の成膜工程)
1回目の成膜工程は、パーティクルの発生の少ない工程とする。まずNガスが供給され大気圧となっている石英管1内に、石英ボート2に並べた複数の半導体基板3を載置する。その後、真空排気装置5を用いて石英管1内のガスを排気し、所定の圧力まで減圧する。石英管1はヒーター6により所望の温度に加熱されている。
【0022】
次にガス供給装置4からNガスとOガスを石英管1内に供給し、その後さらにSiHガスとPHガスを石英管1内に供給する。石英管1内は、所望の圧力、温度に制御され、反応ガスが供給された状態となり、半導体基板3表面に反応ガスの熱分解により生成されるPSG膜が成長する(第1の工程に相当)。このとき石英管1の内壁にもPSG膜等の反応生成物が堆積する。
【0023】
所望の厚さのPSG膜が成長した後、SiHガスとPHガスの供給を停止し、次にNガスとOガスの供給を停止して、石英管1内から反応ガスを除去する。反応ガスの除去が終了した後、石英管1の減圧を停止し、石英管1内にNガスを供給して大気圧として、石英管1内から石英ボート2とともに半導体基板3を取り出す(第2の工程に相当)。
【0024】
このような成膜工程の中で、本実施例では、石英管1の真空引きを終了した時、換言すると石英管1を大気圧に戻す作業を開始した時から、タイマー7により時間の計測を開始する。
【0025】
半導体基板3を取り出した石英管1内に、再びNガスを供給し、真空排気装置5により減圧状態として、次の成膜工程を待つ。
【0026】
(2回目の成膜工程)
2回目の成膜工程は、タイマー7によって計測した時間により実行する工程が異なる。実行する工程は次のように決める。
【0027】
図2は、1回目の成膜工程から2回目の成膜工程までの経過時間と、2回目の成膜工程の際に発生するパーティクルの数の関係を示すグラフである。図2に示す例では、1回目の成膜工程終了後、石英管1を430℃、26.7Paで放置し、経過時間ごとに2回目の成膜工程で発生したパーティクルの数を示している。また経過時間は、1回目の成膜工程で成膜後に石英管1を大気圧に戻す作業を開始した時から2回目の成膜工程で石英管1内に半導体基板3を載置し、大気圧から減圧を開始した時までの時間としている。
【0028】
図2に示すグラフの縦軸のスケールは、図4で説明したグラフの縦軸のスケールと同じとし、点線は半導体装置の製造工程において許容可能なパーティクルの数を示している。図2に示すように経過時間が短いときには、パーティクルの発生が少なく、経過時間が長くなるとパーティクルの発生が多くなっている。
【0029】
そこで、例えば経過時間が20時間以内のときと、経過時間が20時間を超えるときとで2回目の成膜工程として実行する工程を変えることとする。
【0030】
(経過時間が20時間以内のとき)
経過時間が20時間以内のときには、図2から明らかなように発生するパーティクルの数は非常に少ない。そこで、2回目の成膜工程は、1回目の成膜工程と同じ工程を繰り返すことで成膜工程を終了する(追加工程のない第3の工程に相当)。
【0031】
その結果、2回目の成膜工程において、パーティクルの発生が少ない状態で成膜が完了する。
【0032】
(経過時間が20時間を超えるとき)
一方経過時間が20時間を超えるときには、発生するパーティクルの数が多くなる傾向にある。そのためパーティクルの発生を抑える工程を追加する。
【0033】
パーティクルは、経過時間が長くなるほど発生が多くなることから、パーティクルの発生は減圧下に放置されているPGS膜の表面から蒸気圧の高いリンが蒸発することに起因していると考えられる。そこで、石英管1(処理室)の表面を新たなPSG膜で被覆する工程(追加工程に相当)を行う。この工程は、いわゆる空デポ工程となる。
【0034】
その後、速やかに2回目の成膜工程として、1回目の成膜工程と同じ工程を繰り返し、成膜工程を終了する(追加工程を行う第3の工程に相当)。この2回目の成膜工程は、空デポ後の経過時間がわずかとなることから、パーティクルの発生を大幅に抑えることが可能となる。
【0035】
図3に本実施例の成膜方法と上述の従来の成膜方法とで発生するパーティクルの数を比較したグラフを示す。本実施例の成膜方法は、従来の成膜方法と比較して発生するパーティクルの数を低く抑えられている。
【0036】
以上のように、経過時間により実行する工程を変えることで、不要な空デポを行わずに発生するパーティクルの数を抑えることが可能となる。なお、上記実施例では、経過時間を20時間として処理工程を変更しているが、図2から明らかなように経過時間が20時間を超える場合であってもパーティクルの発生を抑えることができる。そのため、実行する工程を変えるための経過時間の設定は、製造する半導体装置において許容されるパーティクルの数を考慮し、適宜設定すればよい。
【実施例2】
【0037】
次に第2の実施例について説明する。上記第1の実施例では、1回目の成膜工程が終了した後、石英管1を大気圧に戻して半導体基板3を取り出した後、次の成膜工程まで石英管1を減圧状態としていた。ところでパーティクルの発生が、蒸気圧の高いリンの蒸発に起因すると考えると、減圧状態に放置することはパーティクルをより発生しやすくさせてしまうことになる。そこで、1回目の成膜工程を終了し、半導体基板3を取り出した後、石英管1内にNガスを供給し、大気圧の状態で維持して次の成膜工程を待つことで、パーティクルの発生を抑えることができる。
【0038】
本実施例においても、2回目の成膜工程で実行する工程を変えるための経過時間の設定は、許容されるパーティクルの発生数を考慮し、適宜設定すればよい。例えば、大気圧の状態を維持して次の成膜工程を待つことになるため、上記第1の実施例と比較して同じ時間経過した場合でもパーティクルの発生は少なくなる可能性がある。あるいは許容範囲を超えるパーティクルが発生するまでの経過時間が長くなる可能性がある。その場合は、実行する工程を変えるための経過時間を20時間より長く設定することが可能となる。
【実施例3】
【0039】
次に第3の実施例について説明する。上記第1の実施例および第2の実施例では、PSG膜を形成する場合について説明したが、蒸気圧の高いリンを含む膜としてBPSG膜であっても同様である。即ち、BPSG膜を形成するため、反応ガスとして、TEOS(テトラエトキシシラン)、PH(ホスフィン)、TMB(トリメチルボレート)を供給することで、半導体基板3表面に反応ガスの熱分解により生成されるBPSG膜を成長させることができる。このとき石英管1の内壁にもBPSG膜が反応生成物として堆積する。
【0040】
BPSG膜の場合も、タイマー7により時間を計測し、経過時間に応じて2回目の成膜工程として実行する工程を変えれば良い。この工程を変えるための経過時間の設定は、許容できるパーティクルの発生数を考慮し、適宜設定すればよい。
【0041】
以上本発明の実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものでないことは言うまでもない。上記実施例は、処理室として横型の石英管の場合を例にとり説明したが、処理室がこれに限定されるものではない。
【0042】
また経過時間について、1回目の成膜工程で成膜後に石英管1を大気圧に戻す作業を開始した時から2回目の成膜工程で石英管1内に半導体基板3を配置し、大気圧から減圧を開始する時までの時間として説明したが、これに限らず、所定の始点から所定の終点までを適宜設定し、その経過時間に応じたパーティクルの発生数を確認すれば、何ら問題はない。
【0043】
それにともないタイマーの設定も適宜設定すればよい。上記実施例のように、成膜装置のいずれかのシーケンスに連動して自動的に時間の計測を開始する構成としたり、手動で時間の計測を開始する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0044】
1: 石英管、2:石英ボート、3:半導体基板、4:ガス供給装置、5:真空排気装置、6:ヒーター、7:タイマー
図1
図2
図3
図4