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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-16
(45)【発行日】2023-11-27
(54)【発明の名称】個包装体を製造する方法及び個包装体
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/15 20060101AFI20231117BHJP
【FI】
A61F13/15 220
A61F13/15 356
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020119416
(22)【出願日】2020-07-10
(65)【公開番号】P2022016119
(43)【公開日】2022-01-21
【審査請求日】2022-01-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100139022
【弁理士】
【氏名又は名称】小野田 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100192463
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 剛規
(74)【代理人】
【識別番号】100169328
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 健治
(72)【発明者】
【氏名】石川 青
(72)【発明者】
【氏名】黒田 賢一郎
【審査官】住永 知毅
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/235316(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/235326(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F13/15-13/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収性物品と、前記吸収性物品の着衣側の面に形成された着衣固定部と、前記着衣固定部の非吸収性物品側の面に配置された剥離シートと、前記剥離シートの非吸収性物品側の面に形成された本体固定部と、前記本体固定部の非吸収性物品側の面に配置された個包装シートと、を備える個包装体、を製造する方法であって、
前記吸収性物品は、長手方向、幅方向及び厚さ方向を有し、表面シートと、裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートとの間に位置する吸収体と、を備え、
前記吸収体は、前記長手方向及び前記幅方向のうちの一方である第1方向に並んだ複数の高剛性部と、隣り合う高剛性部の各々に隣接し、前記長手方向及び前記幅方向のうちの他方である第2方向に延びる低剛性部と、を含んでおり、
前記方法は、
前記吸収性物品を準備する準備工程であって、前記吸収性物品における非吸収性物品側の面には前記着衣固定部が形成され、前記着衣固定部における非吸収性物品側の面には前記剥離シートが配置されている、準備工程と、
準備された前記吸収性物品において、前記剥離シートの非吸収性物品側の面のうちの、前記低剛性部の少なくとも一部が前記厚さ方向に重なる位置に、前記本体固定部を形成すると共に、前記本体固定部の非吸収性物品側の面に前記個包装シートを配置する配置工程と、
平面視で、前記第1方向において、前記高剛性部に位置し、前記第2方向に沿って帯状に延びる折り部の位置で、前記吸収性物品を前記個包装シートと共に折り畳む折り畳み工程と、
を備え、
前記配置工程において、前記本体固定部は、前記剥離シートの非吸収性物品側の面のうちの、前記低剛性部と当該低剛性部の前記第1方向の両側に隣接する二つの前記高剛性部とに跨る領域が前記厚さ方向に重なる位置に形成され、
前記第1方向は、前記長手方向であり、前記第2方向は、前記幅方向であり、
前記吸収性物品は、前記幅方向の両側に延出する一対のウイング部を更に備え、
前記配置工程において、前記本体固定部は、平面視で、前記長手方向における前記一対のウイング部の位置よりも後側に形成され、
前記低剛性部は、平面視で、前記幅方向の中央部が、前記長手方向における前記一対のウイング部の位置よりも後側に位置し、
前記配置工程において、前記本体固定部は、平面視で、前記長手方向において、前記低剛性部の前記幅方向の前記中央部と前記厚さ方向に重なる位置に形成される、
方法。
【請求項2】
前記折り畳み工程は、平面視で、前記長手方向において、前記低剛性部の両側に隣接する二つの前記高剛性部の各々に位置し、前記幅方向に沿って延びる少なくとも二本の折り部の各々の位置で、前記吸収性物品を前記個包装シートと共に折り畳む工程を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記配置工程において、前記本体固定部は、平面視で、前記着衣固定部の無い領域と部分的に重なる位置に形成される、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記低剛性部の前記第1方向の長さは、前記高剛性部の前記厚さ方向の長さよりも大きい、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
吸収性物品と、前記吸収性物品の非吸収性物品側の面に形成された着衣固定部と、前記着衣固定部の非吸収性物品側の面に配置された剥離シートと、前記剥離シートの非吸収性物品側の面に形成された本体固定部と、前記本体固定部の非吸収性物品側の面に配置された個包装シートと、を備える個包装体であって、
前記吸収性物品は、長手方向、幅方向及び厚さ方向を有し、表面シートと、裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートとの間に位置する吸収体と、を備え、
前記吸収体は、前記長手方向及び前記幅方向のうちの一方である第1方向に並んだ複数の高剛性部と、隣り合う高剛性部の各々に隣接し、前記長手方向及び前記幅方向のうちの他方である第2方向に延びる低剛性部と、を含んでおり、
前記本体固定部は、前記剥離シートの非吸収性物品側の面のうちの、前記低剛性部の少なくとも一部が前記厚さ方向に重なる位置に形成されており、
前記個包装体は、平面視で、前記第1方向において、前記高剛性部に位置し、前記第2方向に沿って延びる折り部を有しており、前記折り部の位置で、前記吸収性物品が前記個包装シートと共に折り畳まれた構成を有し、
前記本体固定部は、前記剥離シートの非吸収性物品側の面のうちの、前記低剛性部と当該低剛性部の前記第1方向の両側に隣接する二つの前記高剛性部とに跨る領域が前記厚さ方向に重なる位置に配置され、
前記第1方向は、前記長手方向であり、前記第2方向は、前記幅方向であり、
前記吸収性物品は、前記幅方向の両側に延出する一対のウイング部を更に備え、
前記本体固定部は、平面視で、前記長手方向における前記一対のウイング部の位置よりも後側に配置され、
前記低剛性部は、平面視で、前記幅方向の中央部が、前記長手方向における前記一対のウイング部の位置よりも後側に位置し、
前記本体固定部は、平面視で、前記長手方向において、前記低剛性部の前記幅方向の前記中央部と前記厚さ方向に重なる位置に配置されている、
個包装体。
【請求項6】
前記個包装体は、展開状態において、平面視で、前記長手方向において、前記低剛性部の両側に隣接する二つの前記高剛性部の各々に位置し、前記幅方向に沿って延びる少なくとも二本の折り部を有しており、前記少なくとも二本の折り部の各々の位置で、前記吸収性物品が前記個包装シートと共に折り畳まれた構成を有する、
請求項に記載の個包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品を収納する個包装体を製造する方法及び吸収性物品を収納する個包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
着用者の身体に密着し易い吸収性物品が知られている。そのような吸収性物品では、吸収体における長手方向の途中の部分に、相対的に剛性の低い低剛性部を設け、その低剛性部で吸収体を曲げ易くすることで、吸収体、延いては吸収性物品を着用者の身体に密着し易くしている。なお、低剛性部の長手方向の両側には、相対的に剛性の高い高剛性部が存在する。
【0003】
例えば、特許文献1には、着用者の動作中にも身体に密着し続けることが可能な吸収性物品が開示されている。吸収性物品は、排泄口当接域の後方で幅方向に延びる第1曲部、第1曲部の後方で幅方向に延びる第2曲部、第1曲部の前方に隣接する第1領域、第2曲部の後方に隣接する第2領域、及び、第1曲部と第2曲部との間に位置する第1中間領域を備える。第1曲部及び第2曲部は、吸収性物品が厚み方向に曲がるように構成されている。第1中間領域の吸収材料の目付は、第1領域及び第2領域の吸収材料の目付よりも低い。したがって、この場合には、長手方向に並んだ第1領域、第1中間領域、及び第2領域のうち、第1中間領域が低剛性部であり、第1領域及び第2領域が高剛性部である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-209521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の吸収性物品では、例えば、幅方向に沿って帯状に延びる折り部が、長手方向に間隔を空けて設定される。そして、その折り部の位置で、吸収性物品が個包装シートと共に折り畳まれることで、個包装体が形成される。このとき、折り部を、平面視で、吸収体における低剛性部の位置に設けることが考えられる。その折り部の位置で、吸収性物品が折り畳まれると、低剛性部は相対的に変形し易いため、低剛性部やそれに対応する表面シートに折り癖がついてしまう。そうなると、個包装体を開封し吸収性物品を装着したとき、吸収体や表面シートの皺により、吸収性物品の肌面へのフィット性が低下し、表面シートが肌面に十分に接触できない箇所が生じてしまう。その結果、吸収性物品で、体液が肌面を伝わって吸収性物品の外側へ漏れる伝い漏れが生じるおそれがある。
【0006】
そこで、折り部を、平面視で、吸収体における低剛性部ではなく、低剛性部に隣接する高剛性部の位置に設けることが考えられる。その折り部の位置で、吸収性物品が肌側の部分を内側にして折り畳まれると、吸収性物品にはある程度の厚みがあるので、外側の非肌側の部分には長手方向の外側に引き伸ばされるような力が働く。ところが、吸収性物品は長手方向にほとんど伸長しないため、吸収性物品には長手方向の内側に向かう応力が生じることになる。そして、その応力により、製造時や保管時において、相対的に変形し易い低剛性部は、長手方向に潰れたり、収縮したりする(以下、単に「収縮する」ともいう。)ように変形させられるおそれがある。そうなると、吸収性物品における低剛性部に対応する部分が長手方向に収縮させられてしまい、低剛性部やそれに対応する表面シートに、収縮による皺(例示:幅方向の皺)が生じるおそれがある。その場合、個包装体を開封し吸収性物品を装着したとき、吸収体や表面シートの皺により、吸収性物品の肌面へのフィット性が低下し、表面シートが肌面に十分に接触できない箇所から、伝い漏れが生じるおそれがある。更に、それらの皺により、吸収性物品への安心感や美観などが低下するおそれがある。そして、このことは、第1領域、第1中間領域、及び第2領域が幅方向に並び、折り部が、長手方向に沿って帯状に延び、長手方向に間隔を空けて設定される場合にも同様に起こり得る。
【0007】
本発明の目的は、吸収性物品における、着用者の身体への密着し易さを維持しつつ、伝い漏れを抑制すると共に、安心感や美観の低下を抑制することが可能な個包装体を製造する方法、及び、個包装体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る個包装体を製造する方法は次のとおりである。(1)吸収性物品と、前記吸収性物品の着衣側の面に形成された着衣固定部と、前記着衣固定部の非吸収性物品側の面に配置された剥離シートと、前記剥離シートの非吸収性物品側の面に形成された本体固定部と、前記本体固定部の非吸収性物品側の面に配置された個包装シートと、を備える個包装体、を製造する方法であって、前記吸収性物品は、長手方向、幅方向及び厚さ方向を有し、表面シートと、裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートとの間に位置する吸収体と、を備え、前記吸収体は、前記長手方向及び前記幅方向のうちの一方である第1方向に並んだ複数の高剛性部と、隣り合う高剛性部の各々に隣接し、前記長手方向及び前記幅方向のうちの他方である第2方向に延びる低剛性部と、を含んでおり、前記方法は、前記吸収性物品を準備する準備工程であって、前記吸収性物品における非吸収性物品側の面には前記着衣固定部が形成され、前記着衣固定部における非吸収性物品側の面には前記剥離シートが配置されている、準備工程と、準備された前記吸収性物品において、前記剥離シートの非吸収性物品側の面のうちの、前記低剛性部の少なくとも一部が前記厚さ方向に重なる位置に、前記本体固定部を形成すると共に、前記本体固定部の非吸収性物品側の面に前記個包装シートを配置する配置工程と、平面視で、前記第1方向において、前記高剛性部に位置し、前記第2方向に沿って帯状に延びる折り部の位置で、前記吸収性物品を前記個包装シートと共に折り畳む折り畳み工程と、を備える、方法。
【0009】
本発明に係る個包装体は次のとおりである。(2)吸収性物品と、前記吸収性物品の非吸収性物品側の面に形成された着衣固定部と、前記着衣固定部の非吸収性物品側の面に配置された剥離シートと、前記剥離シートの非吸収性物品側の面に形成された本体固定部と、前記本体固定部の非吸収性物品側の面に配置された個包装シートと、を備える個包装体であって、前記吸収性物品は、長手方向、幅方向及び厚さ方向を有し、表面シートと、裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートとの間に位置する吸収体と、を備え、前記吸収体は、前記長手方向及び前記幅方向のうちの一方である第1方向に並んだ複数の高剛性部と、隣り合う高剛性部の各々に隣接し、前記長手方向及び前記幅方向のうちの他方である第2方向に延びる低剛性部と、を含んでおり、前記本体固定部は、前記剥離シートの非吸収性物品側の面のうちの、前記低剛性部の少なくとも一部が前記厚さ方向に重なる位置に形成されており、前記個包装体は、平面視で、前記第1方向において、前記高剛性部に位置し、前記第2方向に沿って延びる折り部を有しており、前記折り部の位置で、前記吸収性物品が前記個包装シートと共に折り畳まれた構成を有する、個包装体。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、吸収性物品における、着用者の身体への密着し易さを維持しつつ、伝い漏れを抑制すると共に、安心感や美観の低下を抑制することが可能な個包装体を製造する方法、及び、個包装体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態に係る個包装体の構成例を示す平面図である。
図2図1のII-II線に沿う断面図である。
図3図1のIII-III線に沿う断面図である。
図4】実施形態に係る個包装体における吸収性物品の吸収体の構成例を示す平面図である。
図5】実施形態に係る個包装体の構成例を示す底面図である。
図6】実施形態に係る本体固定部と低剛性部との関係を示す模式図である。
図7】実施形態に係る個包装体の製造方法の途中工程の一例を示す平面図である。
図8】実施形態に係る個包装体の製造方法で完成した個包装体の一例を示す平面図である。
図9】他の実施形態に係る本体固定部と低剛性部との関係を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本実施形態は、以下の態様に関する。
[態様1]
吸収性物品と、前記吸収性物品の着衣側の面に形成された着衣固定部と、前記着衣固定部の非吸収性物品側の面に配置された剥離シートと、前記剥離シートの非吸収性物品側の面に形成された本体固定部と、前記本体固定部の非吸収性物品側の面に配置された個包装シートと、を備える個包装体、を製造する方法であって、前記吸収性物品は、長手方向、幅方向及び厚さ方向を有し、表面シートと、裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートとの間に位置する吸収体と、を備え、前記吸収体は、前記長手方向及び前記幅方向のうちの一方である第1方向に並んだ複数の高剛性部と、隣り合う高剛性部の各々に隣接し、前記長手方向及び前記幅方向のうちの他方である第2方向に延びる低剛性部と、を含んでおり、前記方法は、前記吸収性物品を準備する準備工程であって、前記吸収性物品における非吸収性物品側の面には前記着衣固定部が形成され、前記着衣固定部における非吸収性物品側の面には前記剥離シートが配置されている、準備工程と、準備された前記吸収性物品において、前記剥離シートの非吸収性物品側の面のうちの、前記低剛性部の少なくとも一部が前記厚さ方向に重なる位置に、前記本体固定部を形成すると共に、前記本体固定部の非吸収性物品側の面に前記個包装シートを配置する配置工程と、平面視で、前記第1方向において、前記高剛性部に位置し、前記第2方向に沿って帯状に延びる折り部の位置で、前記吸収性物品を前記個包装シートと共に折り畳む折り畳み工程と、を備える方法。
【0013】
本方法では、配置工程において、非吸収性物品側の面に着衣固定部と剥離シートとがこの順で設けられた吸収性物品において、剥離シートの非吸収性物品側の面のうちの、低剛性部の少なくとも一部が厚さ方向に重なる位置に、本体固定部が形成される。その本体固定部により、着衣固定部及び剥離シートを介して、吸収性物品における低剛性部に対応する部分を補強することができ、その剛性を高めることができる。それゆえ、折り畳み工程において、高剛性部に位置する折り部の位置で、吸収性物品を個包装シートと共に折り畳んでも、その吸収性物品の低剛性部に対応する部分が、第1方向(例示:長手方向)に潰れたり、収縮したりする(以下、単に「収縮する」ともいう。)ことを抑制できる。したがって、個包装体の製造時に、吸収体の低剛性部やそれに対応する表面シートに、収縮による皺(例示:幅方向の皺)が生じることを抑制できる。すなわち、着用者の身体への密着し易さを維持しつつ、伝い漏れを抑制できると共に、安心感や美観の低下を抑制できる個包装体を製造することが可能となる。
【0014】
[態様2]
前記配置工程において、前記本体固定部は、前記剥離シートの非吸収性物品側の面のうちの、前記低剛性部と当該低剛性部に隣接する前記高剛性部とに跨る領域が前記厚さ方向に重なる位置に形成される、態様1に記載の方法。
本方法では、本体固定部は、剥離シートの非吸収性物品側の面のうちの、低剛性部と当該低剛性部に隣接する高剛性部とに跨る領域が厚さ方向に重なる位置に形成される。その本体固定部により、吸収性物品における低剛性部に対応する部分をより補強することができ、その剛性をより高めることができる。それにより、折り畳み工程において、高剛性部に位置する折り部の位置で、吸収性物品を個包装シートと共に折り畳んでも、吸収性物品の低剛性部に対応する部分が、第1方向(例示:長手方向)に収縮することをより抑制できる。したがって、個包装体の製造時に、吸収体の低剛性部やそれに対応する表面シートに、収縮による折り皺が生じることをより抑制できる。
【0015】
[態様3]
前記配置工程において、前記本体固定部は、前記剥離シートの非吸収性物品側の面のうちの、前記低剛性部と当該低剛性部の前記第1方向の両側に隣接する二つの前記高剛性部とに跨る領域が前記厚さ方向に重なる位置に形成される、態様1又は2に記載の方法。
本方法では、本体固定部は、剥離シートの非吸収性物品側の面のうちの、低剛性部と当該低剛性部の第1方向(例示:長手方向)の両側に隣接する二つの高剛性部とに跨る領域が厚さ方向に重なる位置に形成される。その本体固定部により、吸収性物品における低剛性部に対応する部分を更に補強することができ、その剛性を更に高めることができる。それにより、折り畳み工程において、高剛性部に位置する折り部の位置で、吸収性物品を個包装シートと共に折り畳んでも、吸収性物品における低剛性部に対応する部分が、第1方向に収縮することを更に抑制できる。したがって、個包装体の製造時に、吸収体の低剛性部やそれに対応する表面シートに、収縮による折り皺が生じることを更に抑制できる。
【0016】
[態様4]
前記折り畳み工程は、平面視で、前記長手方向において、前記低剛性部の両側に隣接する二つの前記高剛性部の各々に位置し、前記幅方向に沿って延びる少なくとも二本の折り部の各々の位置で、前記吸収性物品を前記個包装シートと共に折り畳む工程を含む、態様1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
本方法では、折り畳み工程において、低剛性部の両側に隣接する二つの高剛性部の各々に位置し、幅方向に沿って延びる少なくとも二本の折り部の各々の位置で、吸収性物品が個包装シートと共に折り畳まれる。ここで、本体固定部は、剥離シートの非吸収性物品側の面のうちの、低剛性部の少なくとも一部が厚さ方向に重なる位置に形成されている。すなわち、その本体固定部により、吸収性物品における低剛性部に対応する部分が補強され、その剛性が高められる。それゆえ、折り畳まれるとき、吸収性物品の低剛性部に対応する部分が、第1方向(例示:長手方向)に収縮することを抑制できる。よって、個包装体の製造時に、吸収体の低剛性部やそれに対応する表面シートに、収縮による折り皺が生じることを抑制できる。
【0017】
[態様5]
前記配置工程において、前記本体固定部は、平面視で、前記着衣固定部の無い領域と部分的に重なる位置に形成される、態様1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
本方法は、本体固定部は、平面視で、着衣固定部の無い領域と部分的に重なる位置に形成される。すなわち、本体固定部は、着衣固定部の存在で剛性が高くなる部分よりも、剛性が低くなる可能性のある着衣固定部の無い部分に対応する部分に形成される。それゆえ、折り畳まれるとき、吸収性物品における剛性の低い部分に対応する部分が、第1方向(例示:長手方向)に収縮することを抑制できる。よって、個包装体の製造時に、吸収体の低剛性部を含む剛性の低い部分やそれに対応する表面シートに、収縮による折り皺が生じることを抑制できる。
【0018】
[態様6]
前記低剛性部の前記第1方向の長さは、前記高剛性部の前記厚さ方向の長さよりも大きい、態様1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
本方法では、低剛性部の第1方向の長さは、高剛性部の厚さ方向の長さよりも大きくなっている。それにより、吸収性物品を着用者の身体に密着し易くできる。ただし、低剛性部の第1方向の長さが相対的に長いため、第2方向に沿って帯状に延びる折り部の位置で、吸収性物品を個包装シートと共に第1方向に折り畳むとき、低剛性部を挟んで隣り合う高剛性部同士が第1方向に衝突し難くなる。その結果、低剛性部やそれに対応する表面シートに、収縮による折り皺が生じるおそれがある。しかし、本方法では、既述のように、本体固定部により、その吸収性物品の低剛性部に対応する部分を補強することができ、その剛性を高めることができる。それゆえ、折り畳まれるとき、その吸収性物品の低剛性部に対応する部分が、長手方向に収縮すること、延いては皺が生じることを抑制できる。
【0019】
[態様7]
前記第1方向は、前記長手方向であり、前記第2方向は、前記幅方向である、態様1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
着用者の身体に密着し易い吸収性物品では、吸収体における長手方向の途中の部分に、相対的に剛性の低い低剛性部を設け、その低剛性部で吸収体を曲げ易くすることで、吸収体、延いては吸収性物品を着用者の身体に密着し易くしている。その場合、幅方向に沿って帯状に延びる折り部の位置で、吸収性物品が個包装シートと共に折り畳まれるとき、低剛性部やそれに対応する表面シートに、収縮による折り皺が生じるおそれがある。そこで、本方法では、第1方向を長手方向とし、第2方向を幅方向としている。そのため、既述のように、本体固定部により、その吸収性物品の低剛性部に対応する部分を補強することができ、その剛性を高めることができる。それゆえ、折り畳まれるとき、その吸収性物品の低剛性部に対応する部分が、長手方向に収縮すること、延いては皺が生じることを抑制できる。
【0020】
[態様8]
前記吸収性物品は、前記幅方向の両側に延出する一対のウイング部を更に備え、前記配置工程において、前記本体固定部は、平面視で、前記長手方向における前記一対のウイング部の位置よりも後側に形成される、態様7に記載の方法。
本方法では、本体固定部は、平面視で、長手方向における一対のウイング部の位置よりも後側に形成される。すなわち、本体固定部は、一対のウイング部の存在で剛性が高くなる部分よりも、剛性が低くなる可能性のある長手方向の後側に配置される。それゆえ、折り畳まれるとき、吸収性物品における低剛性部を含む剛性の低い部分に対応する部分が、長手方向に収縮することを抑制できる。したがって、吸収体の低剛性部を含む剛性の低い部分やそれに対応する表面シートに、収縮による折り皺が生じることを抑制できる。
【0021】
[態様9]
吸収性物品と、前記吸収性物品の非吸収性物品側の面に形成された着衣固定部と、前記着衣固定部の非吸収性物品側の面に配置された剥離シートと、前記剥離シートの非吸収性物品側の面に形成された本体固定部と、前記本体固定部の非吸収性物品側の面に配置された個包装シートと、を備える個包装体であって、前記吸収性物品は、長手方向、幅方向及び厚さ方向を有し、表面シートと、裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートとの間に位置する吸収体と、を備え、前記吸収体は、前記長手方向及び前記幅方向のうちの一方である第1方向に並んだ複数の高剛性部と、隣り合う高剛性部の各々に隣接し、前記長手方向及び前記幅方向のうちの他方である第2方向に延びる低剛性部と、を含んでおり、前記本体固定部は、前記剥離シートの非吸収性物品側の面のうちの、前記低剛性部の少なくとも一部が前記厚さ方向に重なる位置に形成されており、前記個包装体は、平面視で、前記第1方向において、前記高剛性部に位置し、前記第2方向に沿って延びる折り部を有しており、前記折り部の位置で、前記吸収性物品が前記個包装シートと共に折り畳まれた構成を有する、個包装体。
【0022】
本個包装体は、非吸収性物品側の面に着衣固定部と剥離シートとがこの順で設けられた吸収性物品において、剥離シートの非吸収性物品側の面のうちの、低剛性部の少なくとも一部が厚さ方向に重なる位置に、本体固定部が形成されている。その本体固定部により、着衣固定部及び剥離シートを介して、吸収性物品における低剛性部に対応する部分を補強することができ、その剛性を高めることができる。それゆえ、個包装シートと共に折り畳まれている吸収性物品の低剛性部に対応する部分が、第1方向(例示:長手方向)に収縮することを抑制できる。したがって、個包装体の保管時に、吸収体の低剛性部やそれに対応する表面シートに、収縮による折り皺が生じることを抑制できる。すなわち、着用者の身体への密着し易さを維持しつつ、伝い漏れを抑制できると共に、安心感や美観の低下を抑制できる個包装体を得ることが可能となる。
【0023】
[態様10]
前記本体固定部は、前記剥離シートの非吸収性物品側の面のうちの、前記低剛性部と当該低剛性部に隣接する前記高剛性部とに跨る領域が前記厚さ方向に重なる位置に配置されている、態様9に記載の個包装体。
本個包装体では、本体固定部は、剥離シートの非吸収性物品側の面のうちの、低剛性部と当該低剛性部に隣接する高剛性部とに跨る領域が厚さ方向に重なる位置に形成されている。その本体固定部により、吸収性物品における低剛性部に対応する部分をより補強することができ、その剛性をより高めることができる。それにより、個包装シートと共に折り畳まれている吸収性物品の低剛性部に対応する部分が、第1方向(例示:長手方向)に収縮することをより抑制できる。したがって、個包装体の保管時に、吸収体の低剛性部やそれに対応する表面シートに、収縮による折り皺が生じることをより抑制できる。
【0024】
[態様11]
前記本体固定部は、前記剥離シートの非吸収性物品側の面のうちの、前記低剛性部と当該低剛性部の前記第1方向の両側に隣接する二つの前記高剛性部とに跨る領域が前記厚さ方向に重なる位置に配置されている、態様9又は10に記載の個包装体。
本個包装体では、本体固定部は、剥離シートの非吸収性物品側の面のうちの、低剛性部と当該低剛性部の第1方向(例示:長手方向)の両側に隣接する二つの高剛性部とに跨る領域が厚さ方向に重なる位置に形成されている。その本体固定部により、吸収性物品における低剛性部に対応する部分を更に補強することができ、その剛性を更に高めることができる。それにより、吸収性物品における低剛性部に対応する部分が、第1方向(例示:長手方向)に収縮することを更に抑制できる。したがって、個包装体の保管時に、吸収体の低剛性部やそれに対応する表面シートに、収縮による折り皺が生じることを更に抑制できる。
【0025】
[態様12]
前記個包装体は、展開状態において、平面視で、前記長手方向において、前記低剛性部の両側に隣接する二つの前記高剛性部の各々に位置し、前記幅方向に沿って延びる少なくとも二本の折り部を有しており、前記少なくとも二本の折り部の各々の位置で、前記吸収性物品が前記個包装シートと共に折り畳まれた構成を有する、態様9乃至11のいずれか一項に記載の個包装体。
本個包装体は、低剛性部の両側に隣接する二つの高剛性部の各々に位置し、幅方向に沿って延びる少なくとも二本の折り部の各々の位置で製品が折り畳まれている。ここで、本体固定部は、剥離シートの非吸収性物品側の面のうちの、低剛性部の少なくとも一部が厚さ方向に重なる位置に形成されている。すなわち、その本体固定部により、吸収性物品における低剛性部に対応する部分が補強され、その剛性が高められている。それゆえ、吸収性物品の低剛性部に対応する部分が、第1方向(例示:長手方向)に収縮することを抑制できる。したがって、個包装体の保管時に、吸収体の低剛性部やそれに対応する表面シートに、収縮による折り皺が生じることを抑制できる。
【0026】
[態様13]
前記第1方向は、前記長手方向であり、前記第2方向は、前記幅方向である、態様9乃至12のいずれか一項に記載の個包装体。
着用者の身体に密着し易い吸収性物品では、吸収体における長手方向の途中の部分に、相対的に剛性の低い低剛性部を設け、その低剛性部で吸収体を曲げ易くすることで、吸収体、延いては吸収性物品を着用者の身体に密着し易くしている。その場合、幅方向に沿って帯状に延びる折り部の位置で、個包装シートと共に折り畳まれた吸収性物品では、低剛性部やそれに対応する表面シートに、収縮による折り皺が生じるおそれがある。そこで、本個包装体では、第1方向を長手方向とし、第2方向を幅方向としている。そのため、既述のように、本体固定部により、その吸収性物品の低剛性部に対応する部分を補強されているので、その剛性が高められている。それゆえ、その吸収性物品の低剛性部に対応する部分が、長手方向に収縮すること、延いては皺が生じることを抑制できる。
【0027】
以下、本発明に係る個包装体を製造する方法及び個包装体の実施形態を説明する。
【0028】
まず、実施形態に係る個包装体について説明する。本実施形態では、個包装体に収納される吸収性物品として生理用ナプキンを例に挙げて個包装体を説明する。ただし、本発明において、吸収性物品の種類及び用途は上記の例に限定されるものではなく、本発明の主題の範囲を逸脱しない限り、他の吸収性物品でもよい。他の吸収性物品としては、例えばパンティライナー、軽失禁パッド、使い捨ておむつが挙げられる。
【0029】
図1図5は実施形態に係る個包装体50の構成例を示す図である。図1は展開された個包装体50の平面図であり、図2及び図3はそれぞれ図1のII-II線及びIII-III線に沿う断面図であり、図4は個包装体50における吸収性物品1の吸収体4の平面図であり、図5は展開された個包装体50の底面図である。個包装体50は、吸収性物品1と、吸収性物品1を包む個包装シート40(包装テープ41を含む)と、を備えている。
【0030】
吸収性物品1は、互いに直交する長手方向L、幅方向W及び厚さ方向Tを有する。図1に描かれた吸収性物品1では、図の上側及び下側をそれぞれ長手方向Lの前側及び後側とし、左側及び右側をそれぞれ幅方向Wの左側及び右側とし、紙面に対して手前側及び奥側をそれぞれ厚さ方向Tの上側及び下側とする。吸収性物品1は、幅方向Wの中心を通り長手方向Lに延びる長手方向中心線CL(仮想線)と、長手方向Lの中心を通り幅方向Wに延びる幅方向中心線CW(仮想線)とを有する。長手方向中心線CLに向かう向き及び側をそれぞれ幅方向Wの内向き及び内側とし、遠ざかる向き及び側をそれぞれ幅方向Wの外向き及び外側とする。一方、幅方向中心線CWに向かう向き及び側をそれぞれ長手方向Lの内向き及び内側とし、遠ざかる向き及び側をそれぞれ長手方向Lの外向き及び外側とする。長手方向L及び幅方向Wを含む平面上に置いた吸収性物品1を厚さ方向Tの上側から見ることを平面視といい、平面視で把握される形状を平面形状という。長手方向L及び幅方向Wを含む平面内の任意の方向を平面方向という。着用者が吸収性物品1を装着したとき、厚さ方向Tにて相対的に着用者の肌面に近い側及び遠い側となる側をそれぞれ肌側及び非肌側という。これら定義は、吸収性物品1の各資材や個包装シート40など、個包装体50に関連する各資材にも共通に用いられる。また、個包装体50における各資材において、対象資材における吸収性物品1に近い側を吸収性物品側、吸収性物品1から遠い側を非吸収性物品側ともいう。
【0031】
本実施形態では、吸収性物品1(ウイング部及びヒップフラップ部を除く)は、平面視にて、長手方向Lに長く幅方向Wに短い略矩形の形状を有し、長手方向Lの両端辺は略半円形の形状を有する。なお、吸収性物品1の形状は、長手方向Lに長く幅方向Wに短ければ特に制限されず、例えば角丸長方形、楕円形、瓢箪型及び砂時計型が挙げられる。吸収性物品1は、長手方向Lの中央又は前側にて、略矩形の形状の部分から幅方向Wの両外側に延出する一対のウイング部9を備える。ウイング部9は略台形の形状を有するが、例えば半円形や半楕円形でもよい。吸収性物品1は、長手方向Lの後側にて、略矩形の形状の部分から幅方向Wの両外側に延出する一対のヒップフラップ部14を備える。ヒップフラップ部14は略弓形の形状を有するが、例えば半円形や半楕円形でもよい。
【0032】
吸収性物品1は、表面シート2と、吸収体4と、裏面シート3と、を備え、本実施形態では、補助シート5を更に備える。表面シート2は、液透過性のシートであり、本実施形態では吸収性物品1の肌側の表面を構成する。補助シート5は、液透過性のシートであり、本実施形態では表面シート2の非肌側に積層される。吸収体4は、液吸収性及び液保持性の材料であり、補助シート5と裏面シート3との間に位置する。裏面シート3は、液不透過性のシートであり、本実施形態では吸収性物品1の非肌側の表面を構成する。したがって、吸収性物品1では、表面シート2と補助シート5と吸収体4と裏面シート3とが厚さ方向Tにこの順に積層される。なお、吸収性物品1は、裏面シート3の非肌側に外装シートを更に備えてもよい。
【0033】
吸収性物品1の非肌側(着衣側)の表面を構成する裏面シート3(又は外装シート)には、着衣固定部7が形成されている。着衣固定部7は、吸収性物品1を下着の肌側面に接着する粘着剤(例示:ホットメルト接着剤)である。本実施形態では、複数の着衣固定部7が、平面視で、吸収体4と重なる領域に、長手方向Lに沿って延び、幅方向Wに間隔を空けて並んで配置されている。複数の着衣固定部7の各々は、略矩形状であるが、その形状は任意である。
【0034】
また、本実施形態では、吸収性物品1の非肌側(着衣側)の表面を構成する裏面シート3(又は外装シート)には、一対の裏面着衣固定部8と、一対の裏面着衣固定部10と、が形成されている。一対の裏面着衣固定部8は、一対のウイング部9を下着の非肌側面に接着する粘着剤であり、一対のウイング部9における裏面シート3の非肌側の表面に配置されている。一対の裏面着衣固定部10は、一対のヒップフラップ部14を下着の非肌側面に接着する粘着剤であり、一対のヒップフラップ部14における裏面シート3の非肌側の表面に配置されている。裏面着衣固定部8及び裏面着衣固定部10は、略矩形状であるが、その形状は任意である。
【0035】
本実施形態では、吸収性物品1は、一対のサイドシート6を更に備える。一対のサイドシート6は、親水性又は撥水性のシートであり、本実施形態では補助シート5における幅方向Wの両側に位置する。一対のサイドシート6は、幅方向Wの内側に、長手方向Lに沿って延びる一対の防漏壁16を含んでいる。一対の防漏壁16の各々は、幅方向Wの外側の端部を固定端16E1とされ、補助シート5と接合し、内側の端部を自由端16E2とされ、部材と非接合である。防漏壁16は、自由端16E2に、長手方向Lに沿って延びる弾性部材を有してもよい。幅方向Wにおいて、表面シート2の幅方向Wの端縁2Eは、幅方向Wに対向する防漏壁16の固定端16E1及び自由端16E2から離間しており、したがって、平面視で、表面シート2と一対の防漏壁16との間に補助シート5が露出している。
【0036】
本実施形態では、表面シート2は、長手方向Lに長く幅方向Wに短い略矩形の形状で、長手方向Lの両端辺が略半円形の形状を有する。表面シート2は、保水性繊維を含む第1繊維層2aと、保水性繊維及び疎水性繊維を含む第2繊維層2bと、を備える。第1繊維層2aの肌側の表面は、表面シート2の肌側の表面を構成し、非肌側の表面は、第2繊維層2bの肌側の表面に接する。第2繊維層2bの非肌側の表面は、表面シート2の非肌側の表面を構成する。なお、表面シート2は、第1繊維層2a及び第2繊維層2bのいずれか一層でもよく、他の繊維層を更に備える三層でもよい。また、第1繊維層2a及び第2繊維層2bの各々の構成繊維の種類は、表面シート2が液透過性シートになれば、上記の例に限定されない。
【0037】
補助シート5は、長手方向Lに長く幅方向Wに短い略矩形の形状で、長手方向Lの両端辺が略半円形の形状を有する。補助シート5は、表面シート2と比較して幅方向Wにやや大きい形状を有する。したがって、補助シート5の幅方向Wの長さ(幅)は、表面シート2の幅方向Wの長さ(幅)よりも大きい。そして、平面視で、補助シート5の幅方向Wの両端部の各々は、表面シート2の幅方向Wの両端縁2Eの各々の外側に延出している。したがって、補助シート5の幅方向Wの両端縁5Eの各々は、表面シート2の幅方向Wの両端縁2Eの外側に位置する。本実施形態では、補助シート5の幅方向Wの長さ(幅)は吸収体4の幅方向Wの長さ(幅)と概ね同じである。
【0038】
本実施形態では、表面シート2と補助シート5とは互いに接着剤(図示されず、例示:ホットメルト接着剤)で接合される。表面シート2では、幅方向Wの中央部は、接着剤で補助シート5に接合され、幅方向Wの両端部は、補助シート5に非接合である。中央部と両端部の各々とは、長手方向Lに沿って延びる仮想的な一対の境界線17の各々で区切られる。したがって、表面シート2の両端部の各々は、幅方向Wの内側の端縁を中央部の幅方向Wの端縁に連結されて固定端とされ、幅方向Wの外側の端縁(長手方向Lの両端部を除く)をどの部材にも接合されていない自由端とされる。
【0039】
そのため、表面シート2の両端部の各々は、自由端が厚さ方向Tに補助シート5に対して動き易くなるので、嵩高くなり易く、補助シート5から起立し得る構成である。そのため、表面シート2の両端部の各々は、中央部に対して堤のような形状になり易く、繊維密度が低くなり易い。それにより、表面シート2の両端部の各々は、表面シート2の中央部から端部へ拡散した体液を、表面の高さの差や、繊維密度の差により、幅方向Wの外側へ移行し難くすることができる。このように、吸収性物品1では、体液の量が多い場合でも体液の横漏れをより抑制できると共に、肌触りをより改善できる。
【0040】
本実施形態では、吸収体4は、平面視で長手方向Lに長い略矩形の形状で、長手方向Lの両端辺が略半円形の形状を有する。吸収体4は、吸収性コア4aとそれを被覆するコアラップ4bとを含んでいる。吸収体4の幅方向Wの長さ(幅)は、表面シート2の幅方向Wの長さ(幅)よりも大きい。したがって、平面視で、表面シート2の両端部は、吸収体4の幅方向Wの両端縁よりも内側に位置する。
【0041】
吸収体4は、長手方向L(第1方向)に並んだ複数の高剛性部HBと、隣り合う高剛性部HBの各々に隣接し、幅方向W(第2方向)に延びる低剛性部LBと、を含んでいる。ただし、高剛性部HB及び低剛性部LBは、それぞれ吸収体4における剛性が相対的に高い部分及び低い部分である。高剛性部HB及び低剛性部LBは、例えば、それぞれ坪量の多い部分(厚さが厚い部分)及び少ない部分(厚さが薄い部分)である(ただし、質量密度は概ね同じとする)。高剛性部HB及び低剛性部LBの他の例としては、高剛性部HBが吸収体4のエンボス部から構成されており、低剛性部LBが吸収体4の非エンボス部から構成されていてもよい。更に他の例としては、高剛性部HBが表面シート2と吸収体4とが圧搾された圧搾部から構成されており、低剛性部LBが表面シート2と吸収体4とが圧搾されていない非圧搾部から構成されていてもよい。あるいは、剛性として、剛軟度(JIS L 1096(織物及び編物の生地試験方法)又はJIS L 1085(不織布しん地試験方法)のガーレ法に準拠したガーレ剛軟度試験機で測定)を測定し、剛軟度の相対的な高低で剛性の相対的な高低を比較してもよい。ただし、高剛性部HBの坪量としては、例えば、250~900g/mが挙げられ、低剛性部LBの坪量としては、例えば、0~150g/mが挙げられる。両者の坪量の差が、100g/m程度あれば、吸収体4が低剛性部LBで変形し易くなり、着用者の身体に密着し易くなるが、その差が大きいほど皺は発生し易くなる。
【0042】
実施形態では、長手方向Lに並んだ高剛性部HB1及び高剛性部HB2と、隣り合う高剛性部HB1及び高剛性部HB2の各々に隣接し、幅方向Wに延びる低剛性部LBW1と、を含んでいる。ただし、高剛性部HB1は長手方向Lの前方に位置し、高剛性部HB2は長手方向Lの後方に位置している。低剛性部LBW1は、高剛性部HB1と高剛性部HB2との間で、吸収体4の幅方向Wの一方の端縁から他方の端縁まで延在している。低剛性部LBW1と高剛性部HB1との境界がBL11であり、低剛性部LBW2と高剛性部HB2との境界がBL12である。このような吸収性物品1は、使用時に、低剛性部LBW1が折れ曲がることにより、長手方向Lにおいて、吸収体4が着用者の肌面に沿って容易に変形できる。それにより、吸収性物品1を、着用者の身体に密着し易くでき、伝い漏れや横漏れを抑制できる。
【0043】
本実施形態では、吸収体4は、更に、高剛性部HB2の内部に、長手方向Lに間隔を空けて並んだ複数の低剛性部LBW2~LBW4と、低剛性部LBW1~LBW4を長手方向Lに貫く低剛性部LBLを含んでいる。低剛性部LBW2~LBW4は、幅方向Wに延在するが、幅方向Wの両外側には高剛性部HB2の一部が存在している。このような吸収性物品1は、使用時に、低剛性部LBW1~LBW4が折れ曲がることにより、長手方向Lにおいて、吸収体4が着用者の肌面に沿ってより容易に変形できると共に、低剛性部LBLが折れ曲がることにより、幅方向Wにおいて、吸収体4が着用者の肌面に沿って容易に変形できる。それにより、吸収性物品1を、着用者の身体により密着し易くでき、伝い漏れや横漏れをより抑制できる。
【0044】
本実施形態では、補助シート5及び一対のサイドシート6における非肌側の吸収体4に対向する部分と吸収体4の肌側の表面とは互いに所定パターンの接着剤(例示:ホットメルト接着剤)で接合される。補助シート5、一対のサイドシート6及び吸収体4における非肌側の裏面シート3に対向する部分は裏面シート3に所定のパターンの接着剤(例示:ホットメルト接着剤)や熱シールなどで接合される。
【0045】
本実施形態では、吸収性物品1は、圧搾部(圧搾溝)11a、11bと、一対の圧搾部(圧搾溝)12と、一対の圧搾部(圧搾溝)13a、13b、13cと、を更に備える。圧搾部11a、11bは、平面視で、それぞれ吸収体4の長手方向Lの前側及び後側の端部に位置する。一対の圧搾部12は、平面視で、吸収体4における排泄口当接域の幅方向Wの両外側の部分に間隔を空けて並び、長手方向Lに沿って連続的又は間欠的に延びている。ただし、排泄口当接域は、平面視で、吸収性物品1における着用者の排泄口が当接する領域であり、概ね一対のウイング部9の各々の間における吸収体4の幅方向Wの中央部が位置する領域である。一対の圧搾部13a、13b、13cは、平面視で、一対の圧搾部12の長手方向Lの後側の部分に幅方向Wに間隔を空けて並び、長手方向Lに沿って連続的又は間欠的に延びている。圧搾部11a、11b、12、13a、13b、13cは、表面シート2、補助シート5及び吸収体4(肌側のコアラップ4b及び吸収性コア4a)が厚さ方向Tに圧縮されて形成される。圧搾部11a、11b、12、13a、13b、13cの厚さ方向Tの底部は、吸収性コア4a内に位置するが、非肌側のコアラップ4bに達してもよい。本実施形態では、圧搾部11a、11b、12、13a、13b、13cの平面視の形状は線状だが、他の形状でもよい。また、圧搾部11a、11b、12、13a、13b、13cの少なくとも一つが無くてもよい。
【0046】
本実施形態では、吸収性物品1は、一対の圧搾部(圧搾溝)15a、15b、15cを更に備える。一対の圧搾部15a及び一対の圧搾部15cは、平面視で、一対の防漏壁16における幅方向Wの内側かつ長手方向Lの前側及び後側の部分に、長手方向Lに沿って連続的又は間欠的に延びている。一対の圧搾部15bは、平面視で、一対の防漏壁16における幅方向Wの外側かつ長手方向Lの中央部分に、長手方向Lに沿って連続的又は間欠的に延びている。圧搾部15a、15b、15cは、サイドシート6及び補助シート5が厚さ方向Tに圧縮されて形成される。圧搾部15a、15b、15cの厚さ方向Tの底部は、補助シート5の非肌側面に達しているが、達していなくてもよい。また、その低部は、吸収体4へ達していてもよい。本実施形態では、圧搾部15a、15b、15cの平面視の形状は菱形が並んだ形状だが、他の形状でもよい。また、圧搾部15a、15b、15cの少なくとも一つが無くてもよい。一対の圧搾部15bは、長手方向Lにおいて、少なくとも低剛性部LBW1と重なる位置に存在するので、吸収体4の低剛性部LBW1を含む領域における剛性を高めているとみることができる。
【0047】
着衣固定部7の非吸収性物品側の面、すなわち厚さ方向Tの下側の面には、剥離シート20が配置されている。剥離シート20は、吸収性物品1の使用時に下着の肌側面に接着するための着衣固定部7を保護する。一対の裏面着衣固定部8及び一対の裏面着衣固定部10の非吸収性物品側の面、すなわち厚さ方向Tの下側の面にも、剥離シート(図示されず)が配置される。剥離シート20で使用されるシートの坪量としては、例えば、30~40g/mが挙げられ、本実施形態では35g/mである。
【0048】
剥離シート20の非吸収性物品側の面、すなわち厚さ方向Tの下側の面には、本体固定部23が形成されており、本実施形態では、更に、本体固定部21、22、24、25が形成されている。本体固定部21、22、23、24、25は、吸収性物品1を、個包装シート40に、剥離シート20及び着衣固定部7を介して仮固定する粘着剤(例示:ホットメルト接着剤)である。本体固定部21、22、23、24、25は、剥離シート20の幅方向Wの中央部に、長手方向Lに沿って間隔を空けて並ぶように配置されている。本体固定部21、22、23、24、25で使用される粘着剤の坪量としては、例えば、5~100g/mが挙げられ、5~50g/mが好ましく、個包装シート40よりも坪量が低いのがより好ましい。また、個包装シート40で使用されるシートとしては、例えばSMSや合成樹脂のフィルムが挙げられる。そのシートの坪量としては、例えば、10~20g/mが挙げられ、本実施形態では13~15g/mである。
【0049】
図6は、実施形態に係る本体固定部23と低剛性部LBW1との関係を示す模式図である。本体固定部23は、剥離シート20の非吸収性物品側の面、すなわち厚さ方向Tの下側の面のうちの、低剛性部LBW1の少なくとも一部が厚さ方向Tに重なる位置(領域)に形成されている。本実施形態では、本体固定部23は、低剛性部LBW1と当該低剛性部LBW1に隣接する高剛性部HB1とに跨る領域が厚さ方向Tに重なる位置(領域)に形成されている。その本体固定部23により、着衣固定部7及び剥離シート20を介して、吸収性物品1における低剛性部LBW1に対応する部分を補強でき、その剛性を高めることができる。
【0050】
本体固定部23は、図6に仮想線で示される本体固定部23a及び/又は本体固定部23bのように、平面視で、長手方向Lの後側及び/又は幅方向Wの外側に向かって低剛性部LBW1を跨ぐように延出していてもよい。すなわち、本体固定部23(23a及び/又は23b)は、剥離シート20の非吸収性物品側の面のうちの、低剛性部LBW1と当該低剛性部LBW1の長手方向Lの両側に隣接する二つの高剛性部HB1及び高剛性部HB2とに跨る領域が厚さ方向Tに重なる位置(領域)に形成されている。その本体固定部23(23a及び/又は23b)により、吸収性物品1における低剛性部LBW1に対応する部分を更に補強でき、その剛性を更に高めることができる。
【0051】
低剛性部LBW1と当該低剛性部LBW1に隣接する高剛性部HB1とに跨る領域が厚さ方向Tに重なる位置(領域)に形成される本体固定部23(23a及び/又は23b)の数及び面積は、この例に限定されない。補強や剛性向上の観点から、数は複数であってよく、面積はより大きくてもよい。また、その本体固定部23(23a及び/又は23b)の形状は、矩形状に限定されず、円形や楕円形や多角形など任意である。本体固定部21、22、24、25の形状についても同様である。なお、本実施形態では、低剛性部LBW2~LBW4は、幅方向Wの両外側に高剛性部HB2が存在するので、それらの周辺の部分は長手方向Lの剛性を有するため、平面視で、低剛性部LBW2~LBW4と厚さ方向Tに重なる位置に本体固定部を形成していない。ただし、補強や剛性向上の観点からそれらの位置に本体固定部を形成してもよい。
【0052】
図1に示す展開された状態の個包装体50は、平面視で、長手方向L(第1方向)において、高剛性部HBに位置し、幅方向W(第2方向)に沿って延びる一の又は複数の折り部を有している。吸収性物品1は、一の又は複数の折り部の位置で、個包装シート40と共に折り畳まれて、個包装体50となる。本実施形態では、平面視で、長手方向Lの後側から前側に向かって間隔を空けて並び、幅方向Wに沿って延びる幅方向第1折り部FW1、幅方向第2折り部FW2及び幅方向第3折り部FW3が設けられている。そして、吸収性物品1と個包装シート40とは、まず、幅方向第1折り部FW1よりも長手方向Lの後側の部分が幅方向第1折り部FW1の位置で折り畳まれる。次いで、幅方向第2折り部FW2よりも長手方向Lの後側の部分が幅方向第2折り部FW2の位置で折り畳まれる。その後、幅方向第3折り部FW3よりも長手方向Lの後側の部分が幅方向第3折り部FW3の位置で折り畳まれる。この場合、幅方向第1折り部FW1~幅方向第3折り部FW3を、平面視で、高剛性部HBに設け、低剛性部LBに設けていないので、折り部を低剛性部に設ける場合と比較して、低剛性部LBやそれに対応する表面シート2に折り癖がつくことを抑制できる。このように、吸収性物品1は、個包装シート40と共に、長手方向Lに四つ折りにされる。なお、吸収性物品1は、単独で、長手方向Lに四つ折りにされてもよい。また、吸収性物品1は、単独で又は個包装シート40と共に、長手方向Lに二つ折り又は三つ折りにされてもよい。
【0053】
また、本実施形態では、吸収性物品1と個包装シート40とが長手方向Lに複数回(例示:3回)折り畳まれる前に、吸収性物品1が幅方向Wに三つ折りにされる。すなわち、平面視で、幅方向Wの左側から右側に向かって間隔を空けて並び、長手方向Lに沿って延びる長手方向第1折り部FL1及び長手方向第2折り部FL2が設けられている。そして、吸収性物品1は、まず、長手方向第1折り部FL1よりも幅方向Wの左側の部分が長手方向第1折り部FL1の位置で折り畳まれる。次に(又は同時に)、長手方向第2折り部FL2よりも幅方向Wの右側の部分が長手方向第2折り部FL2の位置で折り畳まれる。このように、吸収性物品1は、幅方向Wに三つ折りにされる。なお、吸収性物品1は、個包装シート40と共に、幅方向Wに三つ折りにされてもよい。また、吸収性物品1は、幅方向Wに折り畳まれなくてもよい。
【0054】
吸収性物品1は厚さを有するため、折り畳むときの折り位置はある程度の幅(例示:吸収性物品1の厚さ程度)を有する。そのため、幅方向第1折り部FW1~幅方向第3折り部FW3は、長手方向Lにある程度の幅を有する帯状の領域となる。そして、最初の折り畳の折り位置となる幅方向第1折り部FW1の幅が最も小さく、最後の折り畳みの折り位置となる幅方向第3折り部FW3の幅が最も大きくなる。折り畳みの回数が増えるほど折り畳み対象の厚さが厚くなるからである。同様に、長手方向第1折り部FL1及び長手方向第2折り部FL2は、幅方向Wにある程度の幅を有する帯状の領域となる。なお、長手方向第1折り部FL1の幅と、長手方向第2折り部FL2の幅とは、概ね同じになる。
【0055】
この個包装体50は、非吸収性物品側の面に着衣固定部7と剥離シート20とがこの順で設けられた吸収性物品1にて、剥離シート20の非吸収性物品側の面のうちの、低剛性部LBW1の少なくとも一部が厚さ方向Tに重なる位置(領域)に、本体固定部23が形成されている。その本体固定部23により、着衣固定部7及び剥離シート20を介して、吸収性物品1における低剛性部LBW1に対応する部分を補強することができ、その剛性を高めることができる。それゆえ、個包装シート40と共に折り畳まれている吸収性物品1の低剛性部LBW1に対応する部分が、長手方向L(第1方向)に収縮することを抑制できる。したがって、個包装体50の保管時に、吸収体4の低剛性部LBW1やそれに対応する表面シート2に、収縮による折り皺が生じることを抑制できる。すなわち、着用者の身体への密着し易さを維持しつつ、伝い漏れを抑制できると共に、安心感や美観の低下を抑制できる個包装体を得ることが可能となる。
【0056】
この個包装体50では、本体固定部23は、剥離シート20の非吸収性物品側の面のうちの、低剛性部LBW1と当該低剛性部LBW1に隣接する高剛性部HB1とに跨る領域が厚さ方向Tに重なる位置(領域)に形成されている。その本体固定部23により、吸収性物品1における低剛性部LBW1に対応する部分をより補強することができ、その剛性をより高めることができる。それにより、個包装シート40と共に折り畳まれている吸収性物品1の低剛性部LBW1に対応する部分が、長手方向L(第1方向)に収縮することをより抑制できる。したがって、個包装体50の保管時に、吸収体4の低剛性部LBW1やそれに対応する表面シート2に、収縮による折り皺が生じることをより抑制できる。
【0057】
この個包装体50では、本体固定部23は、剥離シート20の非吸収性物品側の面のうちの、低剛性部LBW1と当該低剛性部LBW1の長手方向L(第1方向)の両側に隣接する二つの高剛性部HB1、HB2とに跨る領域が厚さ方向Tに重なる位置(領域)に形成される。その本体固定部23により、吸収性物品1における低剛性部LBW1に対応する部分を更に補強することができ、その剛性を更に高めることができる。それにより、吸収性物品1における低剛性部LBW1に対応する部分が、長手方向L(第1方向)に収縮することを更に抑制できる。
【0058】
この個包装体50は、低剛性部LBW1の両側に隣接する二つの高剛性部HB1、HB2の各々に位置し、幅方向Wに沿って延びる少なくとも二本の幅方向第2折り部FW2及び幅方向第3折り部FW3の各々の位置で吸収性物品1が個包装シート40と共に折り畳まれている。ここで、本体固定部23は、剥離シート20の非吸収性物品側の面のうちの、低剛性部LBW1の少なくとも一部が厚さ方向Tに重なる位置に形成されている。すなわち、その本体固定部23により、吸収性物品1における低剛性部LBW1に対応する部分が補強され、その剛性が高められている。それゆえ、吸収性物品1の低剛性部LBW1に対応する部分が、長手方向L(第1方向)に収縮することを更に抑制できる。
【0059】
着用者の身体に密着し易い吸収性物品1では、吸収体4における長手方向Lの途中の部分に、相対的に剛性の低い低剛性部LBW1を設け、低剛性部LBW1で吸収体4を曲げ易くすることで、吸収体4、延いては吸収性物品1を着用者の身体に密着し易くしている。その場合、幅方向Wに沿って帯状に延びる幅方向第2折り部FW2や幅方向第3折り部FW3の位置で、個包装シート40と共に折り畳まれている吸収性物品1では、低剛性部LBW1やそれに対応する表面シート2に、収縮による折り皺が生じるおそれがある。そこで、個包装体50では、第1方向を長手方向Lとし、第2方向を幅方向Wとしている。そのため、既述のように、本体固定部23により、その吸収性物品1の低剛性部LBW1に対応する部分を補強されているので、その剛性が高められている。それゆえ、その吸収性物品1の低剛性部LBW1に対応する部分が、長手方向Lに収縮すること、延いては皺が生じることを抑制できる。
【0060】
次に、実施形態に係る個包装体50を製造する方法について説明する。個包装体を製造する方法は、準備工程と、配置工程と、折り畳み工程と、を備えている。
【0061】
準備工程は、吸収性物品1を準備する。ここで、吸収性物品1における非吸収性物品側の面には、少なくとも着衣固定部7が形成され、着衣固定部7における非吸収性物品側の面には剥離シート20が配置されている。ただし、着衣固定部7が先に吸収性物品1上に形成され、着衣固定部7が形成された吸収性物品1上に剥離シート20が配置されてもよいし、着衣固定部7が先に剥離シート20上に形成され、着衣固定部7が形成された剥離シート20が吸収性物品1上に配置されてもよい。
【0062】
本実施形態では、剥離シート20に着衣固定部7を塗布し、その着衣固定部7が塗布された剥離シート20を、吸収性物品1における非吸収性物品側の面に配置する。ただし、吸収性物品1、着衣固定部7及び剥離シート20は、図1図6を用いて説明されたとおりである。なお、吸収性物品1における非吸収性物品側の面に着衣固定部7を塗布し、その塗布された着衣固定部7の非吸収性物品側の面に剥離シート20を配置してもよい。
【0063】
配置工程は、準備された吸収性物品1にて、剥離シート20の非吸収性物品側の面のうちの、低剛性部LBW1の少なくとも一部が厚さ方向Tに重なる位置(領域)に、本体固定部23を形成すると共に、本体固定部23の非吸収性物品側の面に個包装シート40を配置する。ただし、「本体固定部23を形成すると共に、本体固定部23の非吸収性物品側の面に個包装シート40を配置する」とは、本体固定部23が先に剥離シート20上に形成され、本体固定部23が形成された剥離シート20上に個包装シート40が配置される場合、及び、本体固定部23が先に個包装シート40上に形成され、本体固定部23が形成された個包装シート40が剥離シート20上に配置される場合の両方を含でおり、どちらの場合でもよいという意味である。
【0064】
本実施形態では、配置工程は、個包装シート40に本体固定部23を塗布し、その本体固定部23が塗布された個包装シート40を、低剛性部LBW1の少なくとも一部が厚さ方向Tに重なる位置(領域)に、本体固定部23が配置されるように、剥離シート20の非吸収性物品側の面に配置する。本実施形態では、本体固定部23と共に、本体固定部21、22、24、25も塗布される。この配置工程の状態は、図1及び図5の展開された状態の個包装体50(包装テープ41を除く)と同じである。本体固定部21~25、個包装シート40、低剛性部LBW1は、図1図6を用いて説明されたとおりである。なお、配置工程は、剥離シート20の非吸収性物品側の面のうちの、低剛性部LBW1の少なくとも一部が厚さ方向Tに重なる位置(領域)に、本体固定部23を塗布し、その塗布された本体固定部23の非吸収性物品側の面に個包装シート40を配置してもよい。
【0065】
折り畳み工程は、平面視で、長手方向Lにおいて、高剛性部HB1及び/又はHB2に位置し、幅方向Wに沿って帯状に延びる幅方向第1折り部FW1~幅方向第3折り部FW3のうちの少なくとも一つの位置で、吸収性物品1を個包装シート40と共に折り畳む。
【0066】
本実施形態では、折り畳み工程は、まず、図1及び図5の展開された状態の個包装体50を、長手方向第1折り部FL1及び長手方向第2折り部FL2の位置で吸収性物品1を折り畳む。その後、折り畳まれて露出した一対の裏面着衣固定部8及び一対の裏面着衣固定部10に、それらを上方から覆うように、それぞれ略矩形状の剥離シート31及び剥離シート32を配置する。図7は、実施形態に係る個包装体の製造方法の途中の工程の一例を示す平面図であり、長手方向第1折り部FL1及び長手方向第2折り部FL2の位置で吸収性物品1が折り畳まれ、剥離シート31、32が配置された状態を示している。なお、剥離シート31、32は一体の一枚のシートであってもよい。ただし長手方向第1折り部FL1及び長手方向第2折り部FL2は、図1図6を用いて説明されたとおりである。
【0067】
その後、本実施形態では、折り畳み工程は、高剛性部HB1、HB2に位置する幅方向第1折り部FW1~幅方向第3折り部FW3の位置で、吸収性物品1を個包装シート40と共に順に折り畳む。折り畳みの後、個包装体50において、幅方向Wの両端部に熱融着による融着部42を形成する。そして、折り畳まれた個包装シート40の長手方向Lの端部に包装テープ41(リードテープ)を張り付けて、個包装体50を封止する。図8は、実施形態に係る個包装体の製造方法で完成した個包装体50の一例を示す平面図であり、吸収性物品1が個包装シート40と共に、幅方向第1折り部FW1~幅方向第3折り部FW3の位置で順に折り畳まれて、個包装体50が完成した状態を示している。ただし、高剛性部HB1、HB2、幅方向第1折り部FW1~幅方向第3折り部FW3は、図1図6を用いて説明されたとおりである。
【0068】
以上の工程により、個包装体50が製造される。
【0069】
本方法では、配置工程で、非吸収性物品側の面に着衣固定部7と剥離シート20とが設けられた吸収性物品1に、剥離シート20の非吸収性物品側の面のうちの、低剛性部LBW1の少なくとも一部が厚さ方向Tに重なる位置に、本体固定部23が形成される。その本体固定部23により、着衣固定部7及び剥離シート20を介して、吸収性物品1における低剛性部LBW1に対応する部分を補強することができ、その剛性を高めることができる。よって、折り畳み工程で、高剛性部HB1又はHB2に位置する幅方向第1折り部FW1~幅方向第3折り部FW3の少なくとも一つの位置で、吸収性物品1と個包装シート40を折り畳んでも、吸収性物品1の低剛性部LBW1に対応する部分の、長手方向Lへの収縮を抑制できる。それゆえ、個包装体50の製造時に、吸収体4の低剛性部LBW1やそれに対応する表面シート2に、収縮による折り皺が生じることを抑制できる。すなわち、着用者の身体への密着し易さを維持しつつ、伝い漏れを抑制できると共に、安心感や美観の低下を抑制できる吸収性物品1を収納する個包装体50の製造が可能となる。
【0070】
本方法では好ましい態様として、本体固定部23が、剥離シート20の非吸収性物品側の面のうちの、低剛性部LBW1と当該低剛性部LBW1に隣接する高剛性部HB1又はHB2とに跨る領域が厚さ方向Tに重なる位置に形成される。その本体固定部23により、吸収性物品1における低剛性部LBW1に対応する部分をより補強することができ、その剛性をより高めることができる。それにより、折り畳み工程において、高剛性部HB1又はHB2に位置する幅方向第1折り部FW1~幅方向第3折り部FW3の少なくとも一つの位置で、吸収性物品を個包装シートと共に折り畳んでも、吸収性物品1の低剛性部LBW1に対応する部分が、長手方向Lに収縮することをより抑制できる。したがって、個包装体50の製造時に、吸収体4の低剛性部LBW1やそれに対応する表面シート2に、収縮による折り皺が生じることをより抑制できる。
【0071】
本方法では好ましい態様として、本体固定部23aは、剥離シート20の非吸収性物品側の面のうちの、低剛性部LBW1と当該低剛性部LBW1の長手方向Lの両側に隣接する二つの高剛性部HB1及びHB2とに跨る領域が厚さ方向Tに重なる位置に形成される。その本体固定部23aにより、吸収性物品1における低剛性部LBW1に対応する部分を更に補強することができ、その剛性を更に高めることができる。それにより、折り畳み工程において、高剛性部HB1及びHB2に位置する幅方向第1折り部FW1~幅方向第3折り部FW3の少なくとも一つの位置で、吸収性物品1を個包装シート40と共に折り畳んでも、吸収性物品1における低剛性部LBW1に対応する部分が、長手方向Lに収縮することを更に抑制できる。
【0072】
本方法では好ましい態様として、本体固定部23は、平面視で、着衣固定部7の無い領域と部分的に重なる位置に形成されている。すなわち、本体固定部23は、着衣固定部7の存在で剛性が高くなる部分よりも、剛性が低くなる可能性のある着衣固定部7の無い部分に対応する部分に形成されている。そのため、折り畳み工程において、吸収性物品1における剛性の低い部分に対応する部分が、長手方向Lに収縮することをより抑制できる。また、本体固定部23は、幅方向Wに隣り合う着衣固定部7と着衣固定部7に跨るように形成されている。そのため、吸収性物品1における剛性の低い部分に対応する部分が、幅方向Wに収縮することを抑制できる。
【0073】
本方法では好ましい態様として、折り畳み工程は、吸収性物品1を個包装シート40と共に折り畳んだ後、折り畳まれた個包装シート40の長手方向Lの端部に包装テープ41(リードテープ)を張り付ける工程を有している。そのとき、包装テープ41と低剛性部LBW1と本体固定部23が厚み方向Tに重なっている。それにより、吸収性物品1が個包装シート40と共に折り畳まれたとき、低剛性部LBW1や対応する表面シート2などに細かい皺が発生したとしても、包装テープ41の張り付け工程で、個包装体50がプレスされることで、本体固定部23で覆われた低剛性部LBW1や対応する表面シート2などの皺が延ばされるので、吸収性物品1での皺がより低減され、美観が向上する。
【0074】
本方法では好ましい態様として、本体固定部23は、平面視で、長手方向Lにおける一対のウイング部9の位置よりも後側に形成されている。すなわち、本体固定部23は、一対のウイング部9の存在で剛性が高くなる部分よりも、剛性が低くなる可能性のある長手方向Lの後側に配置される。それゆえ、折り畳み工程において、吸収性物品1における低剛性部LBW1を含む剛性の低い部分に対応する部分が、長手方向Lに収縮することを抑制できる。
【0075】
本方法では好ましい態様として、低剛性部LBW1の長手方向Lの長さは、高剛性部HB1、HB2の厚さ方向Tの長さ(厚さ)よりも大きい。それにより、吸収性物品1を着用者の身体に密着し易くできる。ただし、低剛性部LBW1の長手方向Lの長さが相対的に長いため、幅方向Wに沿って帯状に延びる幅方向第2折り部FW2の位置で、吸収性物品を個包装シート40と共に長手方向Lに折り畳むとき、低剛性部LBW1を挟んで隣り合う高剛性部HB1、HB2同士が長手方向Lに衝突し難くなる。すなわち、高剛性部HB1、HB2が低剛性部LBW1を長手方向Lに引っ張り難くなる。その結果、低剛性部LBW1やそれに対応する表面シート2に、収縮による折り皺が生じるおそれがある。しかし、本方法では、既述のように、本体固定部23により、その吸収性物品1の低剛性部LBW1に対応する部分を補強することができ、その剛性を高めることができる。そのため、吸収性物品1における剛性の低い部分に対応する部分が、長手方向Lに収縮することを抑制できる。
【0076】
本方法では好ましい態様として、折り畳み工程は、平面視で、長手方向Lにおいて、低剛性部LBW1の両側に隣接する二つの高剛性部HB1、HB2の各々に位置し、幅方向Wに沿って延びる少なくとも二本の幅方向第1折り部FW1~幅方向第3折り部FW3の各々の位置で、吸収性物品1を個包装シート40と共に折り畳でいる。ここで、本方法では、本体固定部23により、吸収性物品1における低剛性部LBW1に対応する部分が補強され、その剛性が高められている。そのため、複数の高剛性部HB1、HB2で折り畳まれても、吸収性物品1の低剛性部LBW1に対応する部分が、長手方向Lに収縮することを抑制できる。
【0077】
着用者の身体に密着し易い吸収性物品1では、吸収体4における長手方向Lの途中の部分に、相対的に剛性の低い低剛性部LBW1を設け、低剛性部LBW1で吸収体4を曲げ易くすることで、吸収体4、延いては吸収性物品1を着用者の身体に密着し易くしている。その場合、幅方向Wに沿って帯状に延びる幅方向第1折り部FW1~幅方向第3折り部FW3の少なくとも一つの位置で、吸収性物品1が折り畳まれるとき、低剛性部LBW1やそれに対応する表面シート2に、収縮による折り皺が生じるおそれがある。そこで、本方法の好ましい態様では、本体固定部23により、その吸収性物品1の低剛性部LBW1に対応する部分を補強することができ、その剛性を高めることができる。それゆえ、その吸収性物品1の低剛性部LBW1に対応する部分が、長手方向Lに収縮すること、延いては皺が生じることを抑制できる。
【0078】
上記実施形態では、吸収体4は、長手方向L(第1方向)に並んだ複数の高剛性部HB1、HB2と、隣り合う高剛性部HB1、HB2の各々に隣接し、幅方向W(第2方向)に延びる低剛性部LBW1と、を含む。剥離シート20の非吸収性物品側の面のうちの、低剛性部LBW1の少なくとも一部が厚さ方向Tに重なる位置に、本体固定部23が形成されている。そして、長手方向L(第1方向)において、高剛性部HB1、HB2に位置し、幅方向W(第2方向)に沿って帯状に延びる幅方向第1折り部FW1~幅方向第3折り部FW3の少なくとも一つの位置で、吸収性物品1が個包装シート40と共に折り畳まれている。しかし、本発明はこの例に限定されるものではなく、長手方向Lと幅方向Wとが逆であってもよい。図9は、そのような他の実施形態に係る本体固定部26と吸収体4の低剛性部LBとの関係を示す模式図である。ただし、吸収体4及び本体固定部26以外の各構成は、上述された実施形態(図1図8)と同様である(各構成の形状は適宜調整され得る)。
【0079】
吸収体4は、幅方向W(第1方向)に並んだ複数の高剛性部HBと、隣り合う高剛性部HBの各々に隣接し、長手方向L(第2方向)に延びる低剛性部LBLと、を含む。剥離シート20の非吸収性物品側の面のうちの、低剛性部LBLの少なくとも一部が厚さ方向Tに重なる位置に、本体固定部26(のうちの本体固定部26a)が形成されている。そして、幅方向W(第1方向)において、高剛性部HBに位置し、長手方向L(第2方向)に沿って帯状に延びる長手方向第1折り部FL1~長手方向第2折り部FL2の位置で、吸収性物品1が個包装シート40と共に折り畳まれている。
【0080】
この実施形態では、上記図1図8を用いて説明された実施形態とは、主に本体固定部及び吸収体の低剛性部に関して幅方向Wと長手方向Lとの関係が逆である。しかし、この実施形態でも、上記図1図8を用いて説明された実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0081】
各実施形態では、表面シート2における第1繊維層2aは保水性繊維を含んでおり、それにより表面シート2の肌触りを良好にできる。保水性繊維は、水分を吸収し、保持する性質(保水性)を有する繊維であれば、特に制限されない。保水性繊維としては、例えば、セルロース系繊維が挙げられる。本実施形態では、保水性繊維としてはコットンである。第2繊維層2bは、疎水性繊維と保水性繊維とを含んでいる。疎水性繊維は、疎水性を有する繊維であれば、特に制限されない。疎水性繊維としては、例えば、熱可塑性樹脂繊維が挙げられる。本実施形態では、疎水性繊維としては、PET/PE芯鞘型複合繊維である。保水性繊維については第1繊維層2aの保水性繊維と同様である。
【0082】
各実施形態では、補助シート5としては、液透過性であれば特に制限はないが、例えば、液透過性の不織布、例えば疎水性繊維の不織布が挙げられ、中でも熱可塑性樹脂繊維の不織布が好適に用いられる。また、表面シート2が保水性繊維、例えばコットンを含む場合には、補助シート5は、それ対応して、保水性繊維、例えばコットンを含んでもよい。そのような構成の吸収性物品1では、液拡散性の高い保水性繊維等が表面シート2の第1繊維層2aから第2繊維層2bを介して補助シート5まで連通している。そのため、それら繊維による体液の液拡散を利用することで、表面シート2から補助シート5を介して吸収体4へ体液をより安定的に移行させることができ、表面シート2の肌触りを良好にしつつ、吸収性能を向上させることができる。
【0083】
各実施形態では、吸収体4の吸収性コア4aとしては、液吸収性・液保持性を有すれば特に制限はないが、例えば、パルプ繊維のような吸水性繊維を含む液保持性物質、高吸収性ポリマー(SAP)のような吸水材が挙げられる。コアラップ4bとしては、吸収性コア4aの形態を保持できれば特に制限はないが、例えば、ティッシュのような親水性不織布を含む液透過性のシートが挙げられる。
【0084】
各実施形態では、サイドシート6としては、特に制限はないが、例えば、撥水処理を施した不織布や通気性を有する合成樹脂フィルムが挙げられる。また、裏面シート3としては、特に制限はないが、例えば、液不透過性の不織布や合成樹脂フィルム、これらの複合シートが挙げられる。本実施形態ではウイング部9はサイドシート6及び裏面シート3で形成されている。
【0085】
シートの厚さの測定は以下の方法で測定する。シートを10mm×10mmの大きさに切り出して試料とする。次に、試料の厚さ方向Tに平行な切断面を、デジタルマイクロスコープ(株式会社キーエンス製:VHX-100)を用いて、シートの切断面に対して垂直の方向からの拡大画像を撮影する。拡大画像は、シートの厚さ方向Tの全体が撮影可能となるような倍率に拡大された画像であり、倍率は、例えば20~50倍である。得られた3D画像から変換された2D画像において、シートの厚さを測定する。別々の3か所の切断面で測定した厚さの平均値をシートの厚さとする。
【0086】
シートの坪量については、シートを5cm×5cmの大きさに切り出して試料とし、100℃以上の雰囲気での乾燥処理後に質量を測定する。測定した質量を試料の面積で割り算して試料の坪量を算出する。10個の試料の坪量を平均した値をシートの坪量とする。シートの質量密度については、上記方法で求めたシートの各試料の秤量を、上記方法で求めたシートの各試料の厚みで割り算して算出する。
【0087】
本発明の個包装体を製造する方法及び個包装体は、上述した各実施形態に制限されることなく、本発明の目的、趣旨を逸脱しない範囲内において、適宜組合せや変更等が可能である。
【符号の説明】
【0088】
1 吸収性物品
4 吸収体
7 着衣固定部
20 剥離シート
23 本体固定部
40 個包装シート
LBW1 低剛性部
HB1、HB2 高剛性部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9