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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-17
(45)【発行日】2023-11-28
(54)【発明の名称】撮像装置及び撮像方法
(51)【国際特許分類】
   G03B 5/00 20210101AFI20231120BHJP
   G03B 17/55 20210101ALI20231120BHJP
   H02N 2/02 20060101ALI20231120BHJP
   H04N 23/50 20230101ALI20231120BHJP
   H04N 23/52 20230101ALI20231120BHJP
   H04N 23/54 20230101ALI20231120BHJP
   H04N 23/68 20230101ALI20231120BHJP
【FI】
G03B5/00 J
G03B17/55
H02N2/02
H04N23/50
H04N23/52
H04N23/54
H04N23/68
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020163229
(22)【出願日】2020-09-29
(65)【公開番号】P2022055674
(43)【公開日】2022-04-08
【審査請求日】2022-08-30
(73)【特許権者】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三
(74)【代理人】
【識別番号】100170069
【弁理士】
【氏名又は名称】大原 一樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128635
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100140992
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲政
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 優太
(72)【発明者】
【氏名】赤石 陽太
(72)【発明者】
【氏名】小林 俊輝
(72)【発明者】
【氏名】平川 友也
【審査官】登丸 久寿
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-035013(JP,A)
【文献】特開2012-226205(JP,A)
【文献】特開2008-220031(JP,A)
【文献】特開2019-145929(JP,A)
【文献】特開2006-345052(JP,A)
【文献】特開2018-098426(JP,A)
【文献】特開2017-173801(JP,A)
【文献】特開2008-064863(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 5/00
G03B 17/55
H02N 2/02
H04N 23/50
H04N 23/52
H04N 23/68
H04N 23/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影光学系で結像した像を光電変換する撮像素子と、
前記撮像素子を保持して前記撮影光学系の光軸と直交する方向に自由度を持つ可動部、前記可動部に対し前記撮像素子の受光面に対し反対側に配置された固定部、前記可動部を前記固定部に向かって付勢する付勢部材、前記可動部の前記固定部側の面に当接する振動子を有し、前記振動子を駆動させて前記可動部を前記光軸に直交する面内で移動させる複数の第1超音波モータからなる第1駆動部で構成される手振れ補正機構と、
前記第1駆動部を支持し、前記光軸の方向に沿って前記第1駆動部を移動させる第2駆動部と、
前記第2駆動部を駆動し、前記第1駆動部を前記付勢部材の付勢力に抗して、前記手振れ補正機構が機能する第1位置に移動させる制御、又は前記第2駆動部を駆動し、前記第1駆動部を、前記手振れ補正機構の機能が停止する第2位置に移動させる制御を行う制御部と、
を備える撮像装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第2駆動部を駆動し、前記第1駆動部を前記付勢部材の付勢力に抗して前記第1位置に移動させる第1状態と、前記第2駆動部を駆動し、前記第1駆動部を前記第2位置に移動させる第2状態とを切り替えて制御する請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記第1位置は、前記振動子を前記可動部の前記固定部側の面に当接させる位置である請求項1又は2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記第2位置は、前記撮像素子と前記固定部とを当接させる位置である請求項1又は2に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記第1状態は、前記手振れ補正機構が駆動している状態である請求項2に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記第2状態は、前記撮像装置の電源がオフの状態、又は前記手振れ補正機構が非駆動の状態である請求項2に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記振動子の先端を前記可動部に設けられた窪みに当接させる請求項1から6のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記第2駆動部は、第2超音波モータにより前記第1駆動部を移動させる請求項1から7のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記第2駆動部は、ギアモータにより前記第1駆動部を移動させる請求項1から8のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記付勢部材は、バネである請求項1から9のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記付勢部材は、磁気バネである請求項1から9のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項12】
更に、前記固定部に配置され、前記撮像素子を冷却する冷却装置とを備え、
前記撮像素子の受光面とは逆の背面には、板金が配置され、
前記第2位置である場合には、前記板金が前記固定部に接した状態で前記冷却装置が前記撮像素子を冷却する請求項1から11のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記板金は、前記撮像素子の受光面に対し反対側の面の面積と同一、又は小さい面積を有する請求項12に記載の撮像装置。
【請求項14】
前記撮像素子と前記板金との間に熱伝導性を有する基板を備える請求項12又は13に記載の撮像装置。
【請求項15】
前記冷却装置の発熱する表面に、強制冷却機構を設ける請求項12から14のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項16】
前記冷却装置の発熱する表面に、熱を輸送する熱輸送体の端部を設置し、前記熱輸送体の他方の端部に強制冷却機構を設ける請求項12から14のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項17】
前記強制冷却機構は、ヒートシンク及びファンで構成されている請求項15又は16に記載の撮像装置。
【請求項18】
前記撮像素子に固定される温度検知器を備える請求項1から17のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項19】
撮影光学系で結像した像を光電変換する撮像素子と、前記撮像素子を保持して前記撮影光学系の光軸と直交する方向に可動する可動部、前記可動部に対し前記撮像素子の背面側に配置された固定部、前記可動部を前記固定部に向かって付勢する付勢部材、前記可動部の前記固定部側の面に当接する振動子を有し、前記振動子を駆動させて前記可動部を前記光軸に直交する面内で移動させる複数の第1超音波モータからなる第1駆動部で構成される手振れ補正機構、前記第1駆動部を支持し、前記第1駆動部を前記光軸の方向に沿って移動させる第2駆動部と、を備える撮像装置の撮像方法であって、
前記第2駆動部を駆動し、前記第1駆動部を前記付勢部材の付勢力に抗して、前記手振れ補正機構が機能する第1位置に移動させて第1状態とするステップと、
前記第2駆動部を駆動し、前記第1駆動部を、前記手振れ補正機構の機能が停止する第2位置に移動させて第2状態とするステップと、
を含む撮像方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置及び撮像方法に関し、特に、手振れ補正機構を備える撮像装置及び撮像方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、手振れ補正機構を備える撮像装置において、撮像素子を冷却させることを目的とした技術が提案されている。
【0003】
特許文献1に記載された技術では、撮像素子が冷却装置で冷却される場合には、撮像素子は、光軸と垂直に交わる平面上においてアクチュエータにより移動させられ、冷却装置により冷却される位置に配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-345052号公報
【発明の概要】
【0005】
本開示の技術にかかる一つの実施形態は、手振れ補正機構を備える撮像装置及び撮像方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の態様である撮像装置は、撮影光学系で結像した像を光電変換する撮像素子と、撮像素子を保持して撮影光学系の光軸と直交する方向に自由度を持つ可動部、可動部に対し撮像素子の受光面に対し反対側に配置された固定部、可動部を固定部に向かって付勢する付勢部材、可動部の固定部側の面に当接する振動子を有し、振動子を駆動させて可動部を光軸に直交する面内で移動させる複数の第1超音波モータからなる第1駆動部で構成される手振れ補正機構と、第1駆動部を支持し、第1駆動部を駆動させて光軸の方向に沿って移動させる第2駆動部と、第2駆動部を駆動し、第1駆動部を付勢部材の付勢力に抗して第1位置に移動させる制御、又は第2駆動部を駆動し、第1駆動部を第2位置に移動させる制御を行う制御部と、を備える。
【0007】
好ましくは、制御部は、第2駆動部を駆動し、第1駆動部を付勢部材の付勢力に抗して第1位置に移動させる第1状態と、第2駆動部を駆動し、第1駆動部を第2位置に移動させる第2状態とを切り替えて制御する。
【0008】
好ましくは、第1位置は、振動子を可動部の固定部側の面に当接させる位置である。
【0009】
好ましくは、第2位置は、撮像素子と固定部とを当接させる位置である。
【0010】
好ましくは、第1状態は、手振れ補正機構が駆動している状態である。
【0011】
好ましくは、第2状態は、撮像装置の電源がオフの状態、又は手振れ補正機構が非駆動の状態である。
【0012】
好ましくは、制御部は、振動子の先端を可動部に設けられた窪みに当接させる。
【0013】
好ましくは、第2駆動部は、第2超音波モータにより第1駆動部を移動させる。
【0014】
好ましくは、第2駆動部は、ギアモータにより第1駆動部を移動させる。
【0015】
好ましくは、付勢部材は、バネである。
【0016】
好ましくは、付勢部材は、磁気バネである。
【0017】
好ましくは、更に、固定部に配置され、撮像素子を冷却する冷却装置とを備え、撮像素子の受光面とは逆の背面には、板金が配置され、第2位置である場合には、板金が固定部に接した状態で冷却装置が撮像素子を冷却する。
【0018】
好ましくは、板金は、撮像素子の受光面に対し反対側の面の面積と同一、又は小さい面積を有する。
【0019】
好ましくは、撮像素子と板金との間に熱伝導性を有する基板を備える。
【0020】
好ましくは、冷却装置の発熱する表面に、強制冷却機構を設ける。
【0021】
好ましくは、冷却装置の発熱する表面に、熱を輸送する熱輸送体の端部を設置し、熱輸送体の他方の端部に強制冷却機構を設ける。
【0022】
好ましくは、強制冷却機構は、ヒートシンク及びファンで構成されている。
【0023】
好ましくは、撮像素子に固定される温度検知器を備える。
【0024】
本発明の他の態様である撮像方法は、撮影光学系で結像した像を光電変換する撮像素子と、撮像素子を保持して撮影光学系の光軸と直交する方向に可動する可動部、可動部に対し撮像素子の背面側に配置された固定部、可動部を固定部に向かって付勢する付勢部材、可動部の固定部側の面に当接する振動子を有し、振動子を駆動させて可動部を光軸に直交する面内で移動させる複数の第1超音波モータからなる第1駆動部で構成される手振れ補正機構、第1駆動部を支持し、第1駆動部を光軸の方向に沿って移動させる第2駆動部と、を備える撮像装置の撮像方法であって、第1状態では、第2駆動部を駆動し、第1駆動部を付勢部材の付勢力に抗して第1位置に移動させるステップと、第2状態では、第2駆動部を駆動し、第1駆動部を第2位置に移動させるステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、手振れ補正機構を含む撮像ユニットを搭載する撮像装置の内部の概略図である。
図2図2は、撮像装置の内部構成の実施形態を示すブロック図である。
図3図3は、撮像ユニットを示す図である。
図4図4は、撮像ユニットを示す図である。
図5図5は、撮像ユニットを示す図である。
図6図6は、撮像素子部を説明する図である。
図7図7は、撮像素子部を説明する図である。
図8図8は、付勢部材に関して説明する図である。
図9図9は、付勢部材に関して説明する図である。
図10図10は、手振れ補正可動部の背面図である。
図11図11は、第1超音波モータ及び第2超音波モータを説明する図である。
図12図12は、第1超音波モータ及び第2超音波モータを説明する図である。
図13図13は、撮像ユニットの第1状態を示す図である。
図14図14は、撮像ユニットの第2状態を示す図である。
図15図15は、撮像装置を使用した撮像方法を示すフロー図である。
図16図16は、付勢部材をボイスコイルモータとした例を説明する図である。
図17図17は、付勢部材をボイスコイルモータとした例を説明する図である。
図18図18は、第2駆動部をギアモータとした例を説明する図である。
図19図19は、第2駆動部をギアモータとした例を説明する図である。
図20図20は、第2駆動部をギアモータとした例を説明する図である。
図21図21は、第2駆動部をギアモータとした例を説明する図である。
図22図22は、撮像ユニットを説明する図である。
図23図23は、撮像ユニットを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面にしたがって本発明に係る撮像装置及び撮像方法の好ましい実施の形態について説明する。
【0027】
近年、撮像装置によって長時間、高画質動画の撮影を行う場合がある。撮像装置は適切な温度範囲での使用が好ましい。高画質動画の撮影は消費電力が多く、撮像装置本体からの発熱により適切な温度範囲を超えてしまう。長時間の高画質動画撮影において、撮像装置は装置自身の保護や撮影者の安全のために、適切な温度範囲を超える場合には撮影を強制終了するなどの保護機能を働かせる。そのため、高画質動画の撮影において十分な撮影時間を確保することができないことがある。また、繰り返し撮影を行う場合に、前回使用した際に上昇した撮像装置の温度が、適切な範囲まで下がる時間間隔が無いときには、十分な撮影時間を確保することができない。更に、手振れ補正機能付き撮像装置においては、発熱する撮像素子が撮影時に常に浮動している状態であるため、構造上、撮像素子から発生した熱を放熱することが困難である。
【0028】
以上で説明した状況に鑑み、本実施の形態では、撮影が終了又は手振れ補正機能の使用後に、撮像素子を急速に冷却し、適切な温度範囲での撮影時間を確保することができる撮像装置及び撮像方法を提案する。
【0029】
図1は、手振れ補正機構を含む撮像ユニットを搭載する撮像装置の内部の概略図である。
【0030】
撮像装置10は、レンズ交換式のカメラであり、撮像装置本体2にアダプタ6を介して、撮影レンズ装置(撮影光学系)12を装着する。撮影レンズ装置12は、絞り8、レンズ群12A及び12Bを備える。光軸Lを有する撮影レンズ装置12は、被写体1で反射した光を結像させる。撮像装置本体2は接眼部4を備え、撮影者は、被写体1を撮影する場合には、接眼部4に接眼して被写体1の撮影を行う。
【0031】
撮像素子16は、撮像装置本体2の光軸Lに垂直に交わる平面(Y-Z平面)に沿って受光面が配置されている。撮像素子16は、手振れ補正機構を含む撮像ユニット100に保持されている。また、撮像ユニット100は撮像素子16の冷却機能を有する。撮像ユニット100に含まれる駆動部58が制御部40に制御されることにより、手振れ補正機能及び冷却機能が実現される。
【0032】
[撮像装置の内部構成]
図2は、撮像装置10の内部構成の実施形態を示すブロック図である。この撮像装置10は、撮像した画像をメモリカード54に記録するもので、装置全体の動作は、制御部40(中央処理装置:CPU:Central Processing Unit)40によって統括制御される。
【0033】
撮像装置10には、シャッタボタン、電源/モードスイッチ、モードダイヤル、十字操作ボタン、等の操作部38が設けられている。この操作部38からの信号(指令)は制御部40に入力され、制御部40は入力信号に基づいて撮像装置10の各回路を制御し、撮像素子16の駆動制御、レンズ駆動制御、絞り駆動制御、撮像動作制御、画像処理制御、画像データの記録/再生制御、及び、画像モニタ30の表示制御などを行う。
【0034】
撮影レンズ装置12を通過した光束は、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)型のカラーイメージセンサである撮像素子16に結像される。なお、撮像素子16は、CMOS型に限らず、CCD(Charge Coupled Device)型、又は有機撮像素子など他の形式のイメージセンサでもよい。
【0035】
撮像素子16は、多数の受光素子(例えばフォトダイオード)が2次元配列されており、各受光素子の受光面に結像された被写体像は、その入射光量に応じた量の信号電圧(又は電荷)に変換(光電変換)され、撮像素子16内のA/D(Analog/Digital)変換器を介してデジタル信号に変換されて出力される。
【0036】
動画又は静止画の撮影時に撮像素子16から読み出された画像信号(画像データ)は、画像入力コントローラ22を介してメモリ(SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory))48に一時的に記憶される。
【0037】
また、フラッシュメモリ(Flash Memory)47は、カメラ制御プログラム、画像処理等に使用する各種のパラメータやテーブルが記憶されている。
【0038】
センサ66は、手振れセンサであり、撮像装置10の姿勢情報及び姿勢変化情報を検出する。センサ66は、例えばジャイロセンサで構成される。センサ66は、縦方向の手振れ量と横方向の手振れ量を検出するために例えば2つのジャイロセンサで構成され、検出された手振れ量(角速度)は制御部40に入力される。制御部40は駆動部58の第1駆動部60を制御して、手振れに応じた被写体像の移動をキャンセルするように撮像素子16を移動させることで手振れ補正を行う。
【0039】
冷却装置108及び強制冷却機構46は、制御部40により制御が行われる。制御部40の制御の下、冷却装置108及び強制冷却機構46は高温になった撮像素子16の冷却を行う。冷却装置108及び強制冷却機構46は、撮像素子16の位置に応じて作動してもよいし、操作部38からの指令の入力によって作動してもよい。
【0040】
温度検知器18は、撮像素子16の温度を計測し、制御部40に計測した温度出力する。温度検知器18は、例えばサーミスタ又はダイオードなどで構成される。温度検知器18は、制御部40の制御の下、常時又は予め決められたタイミングで撮像素子16の温度を測定する。温度検知器18は、撮像素子16の温度が適切に計測できる箇所に設けられる。なお温度検知器18は撮像素子16に内蔵することも可能である。
【0041】
駆動部58は、第1駆動部60と第2駆動部62とで構成される。駆動部58は、制御部40で制御され、撮像素子16を後で説明を行う第1位置と第2位置に移動させる。
【0042】
画像処理部24は、動画又は静止画の撮影時に画像入力コントローラ22を介して取得され、メモリ48に一時的に記憶された未処理の画像データを読み出す。画像処理部24は、読み出した画像データに対してオフセット処理、画素補間処理(位相差検出用画素、欠陥画素等の補間処理)、ホワイトバランス補正、感度補正を含むゲインコントロール処理、ガンマ補正処理、同時化処理(「デモザイク処理」ともいう)、輝度及び色差信号生成処理、輪郭強調処理、及び色補正等を行う。画像処理部24により処理された画像データであって、ライブビュー画像として処理された画像データは、VRAM(Video RAM Random access memory)50に入力される。
【0043】
VRAM50から読み出された画像データは、ビデオエンコーダ28においてエンコーディングされ、カメラ背面に設けられている画像モニタ30に出力される。これにより、被写体像を示すライブビュー画像が画像モニタ30に表示される。
【0044】
画像処理部24により処理された画像データであって、記録用の静止画又は動画として処理された画像データ(輝度データ(Y)及び色差データ(Cb),(Cr))は、再びメモリ
48に記憶される。
【0045】
圧縮伸張処理部26は、静止画又は動画の記録時に、画像処理部24により処理され、メモリ48に格納された輝度データ(Y)及び色差データ(Cb),(Cr)に対して圧縮処理を施す。圧縮された圧縮画像データは、メディアコントローラ52を介してメモリカード54に記録される。
【0046】
また、圧縮伸張処理部26は、再生モード時にメディアコントローラ52を介してメモリカード54から得た圧縮画像データに対して伸張処理を施す。メディアコントローラ52は、メモリカード54に対する圧縮画像データの記録及び読み出しなどを行う。
【0047】
上記実施形態において、各種の処理を実行する処理部(制御部40等)(processing unit)のハードウェア的な構造は、次に示すような各種のプロセッサ(processor)である。各種のプロセッサには、ソフトウェア(プログラム)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路などが含まれる。
【0048】
1つの処理部は、これら各種のプロセッサのうちの1つで構成されていてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサ(例えば、複数のFPGA、あるいはCPUとFPGAの組み合わせ)で構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアントやサーバなどのコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組合せで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System on Chip:SoC)などに代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサを1つ以上用いて構成される。
【0049】
更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)である。
【0050】
<撮像ユニット>
次に、撮像装置10が備える撮像ユニット100に関して説明する。
【0051】
図3図4、及び図5は、撮像装置10に搭載される撮像ユニット100を示す図である。図3は撮像ユニット100の分解図であり、図4は撮像ユニット100の正面斜視図であり、図5は撮像ユニット100の背面斜視図である。なお以下の説明では、正面とはマイナスX軸側(被写体側)から見た面であり、背面とはプラスX軸側(撮影者側)から見た面である。
【0052】
撮像ユニット100は、主に、第1手振れ補正固定部102、手振れ補正可動部104、撮像素子部150、第2手振れ補正固定部106、冷却装置108、第1超音波モータ114A~114C、第2超音波モータ120A~120C、ヒートシンク110、及びファン112を備える。第1手振れ補正固定部102、手振れ補正可動部104、第2手振れ補正固定部106、及び第1超音波モータ114A~114Cは手振れ補正機構を構成する。また、第1超音波モータ114A~114C及び第2超音波モータ120A~120Cは駆動部58を構成する。また、ヒートシンク110及びファン112は強制冷却機構46を構成する。
【0053】
第1手振れ補正固定部102は、L字形状の部材(図4参照)であり、第2手振れ補正固定部106と共に手振れ補正可動部104を挟むように設けられる。
【0054】
手振れ補正可動部104は、撮像素子16を含む撮像素子部150を保持している。また、手振れ補正可動部104は、3つの窪み部(窪み)118A~118Cを有する。プラスZ軸側(上側)には2つの窪み部118A及び118Bを有し、対向するマイナスZ軸側(下側)には一つの窪み部118Cを有している。窪み部118A~118Cは、後で説明する第1超音波モータ114A~114Cのそれぞれの振動子140A~140Cに当接される。手振れ補正可動部104は、振動子140A~140Cの先端が窪み部118A~118Cに接触することにより、光軸Lと垂直に交わる平面(Y-Z平面)方向に自由度を有し移動することができる。また、手振れ補正可動部104は、取付部154A及び154Bを備える(図3では省略している)。
【0055】
第2手振れ補正固定部106は、手振れ補正可動部104の背面に配置される。第2手振れ補正固定部106は、3つの窓部116A~116Cを有する。窓部116A~116Cは第2手振れ補正固定部106を貫通して設けられており、第1超音波モータ114A~114Cは窓部116A~116Cを突き抜ける。また、第2手振れ補正固定部106は、3つの脚部132A~132Cを備える。脚部132A~132Cの一つの端部は、第2手振れ補正固定部106に設けられ、他の端部は第1手振れ補正固定部102に設けられている。このように、第1手振れ補正固定部102と第2手振れ補正固定部106とは、脚部132A~132Cにより、手振れ補正可動部104が可動する空間を保持するように設けられている。また、第2手振れ補正固定部106は、熱伝送性を有し、撮像素子部150の熱を冷却装置108へ伝送することができる。
【0056】
第1超音波モータ114A~114Cは、第2手振れ補正固定部106が有する3つの窓部116A~116Cに対応して3つ備えられている。第1超音波モータ114A~114Cには第2超音波モータ120A~120Cがそれぞれ備えられている。なお、第1超音波モータ114A及び第2超音波モータ120A、第1超音波モータ114B及び第2超音波モータ120B、及び第1超音波モータ114C及び第2超音波モータ120Cの各々は駆動部58を構成する。なお、上記では3つの駆動部58が設けられている例を説明したが、駆動部58の数はこれに限定されない。駆動部58は、少なくとも2以上設けられていればよい。
【0057】
冷却装置108は、第2手振れ補正固定部106の背面に設けられている。冷却装置108は、冷却素子108B、板金108A及び板金108Cで構成される。冷却素子108Bは、例えばペルチェ素子で構成される。冷却素子108Bは、板金108Aと板金108Cとで挟まれている。冷却装置108は、冷却素子108Bに電流が流されることにより、板金108Aが吸熱側となり、板金108Cが放熱側となる。
【0058】
ヒートシンク110及びファン112は、冷却装置108の背面に設けられる。ヒートシンク110及びファン112は、強制冷却機構46を構成し、冷却装置108の放熱側の板金108Cの強制冷却を行う。
【0059】
<撮像素子部>
次に、手振れ補正可動部104に保持される撮像素子部150に関して説明する。
【0060】
図6及び図7は、撮像素子部150を説明する図である。図6は、撮像素子部150の正面斜視図であり、また、図7は撮像素子部150の側面図である。
【0061】
撮像素子部150は、正面から順に撮像素子16、基板130、及び板金132を備える。基板130は、熱伝導性を有し、撮像素子16で発生した熱を板金132に伝えることができる。板金132は、手振れ補正可動部104から突き出るように設けられ、第1超音波モータ114A~114Cが第2位置の場合に、第2手振れ補正固定部106に接する(図14を参照)。板金132は、撮像素子16の受光面に対し反対側の面(背面)の面積と同一、又は小さい面積を有する。このように、板金132の表面の面積が撮像素子16の背面の面積と同一又は小さい面積を有することにより、板金132が撮像素子部150の移動の支障となることを抑制することができる。
【0062】
<付勢部材>
次に、手振れ補正可動部104を第2手振れ補正固定部106へ付勢する付勢部材に関して説明する。図8及び図9は、付勢部材に関して説明する図である。図8は、手振れ補正可動部104、撮像素子部150、及び第2手振れ補正固定部106の背面斜視図である。なお、図8では、手振れ補正可動部104は、透視図(2点鎖線で図示)で記載されている。
【0063】
付勢部材は、弾性体で構成されており、具体的にはバネ152A~152Bで構成されている。バネ152A~152Bは、第2手振れ補正固定部106の上側(プラスZ軸側)及び下側(マイナスZ軸側)に1つずつ設けられている。また、手振れ補正可動部104には、付勢部材を取り付ける取付部154A~154Bを有する。バネ152A~152Bは、取付部154A~154Bに取り付けられて、手振れ補正可動部104を第2手振れ補正固定部106に向かって付勢する。第1超音波モータ114A~114Cが第1位置にある場合には、手振れ補正可動部104が第2手振れ補正固定部106へ付勢される付勢力に抗するように、第1超音波モータ114A~114Cの振動子140A~140Cは窪み部118A~118Cに当接する。
【0064】
なお、上述した例では、バネ152A~152Bは2つ設けられているが、これに限定されるものではない。例えば、付勢部材は2つ以上設けられいればよい。
【0065】
以下に手振れ補正可動部104が有する窪み部118~118Cに関して説明する。図10は、手振れ補正可動部104の背面図である。手振れ補正可動部104は、図示するように、窪み部118A~118Cを有する。窪み部118A~118Cは、第1超音波モータ114A~114Cの振動子140A~140Cに向かって凹形状を有する。振動子140A~140Cが窪み部118A~118Cに当接することにより、第1超音波モータ114A~114Cが第1位置に位置する場合に、付勢部材の付勢力に抗した状態となる。また、手振れ補正可動部104は、第1超音波モータ114A~114Cの振動子140A~140Cが駆動されることにより、Y-Z平面内を移動することができる。制御部40が、センサ66から得た手振れに関する情報に基づいて、第1超音波モータ114A~114Cを制御することにより、手振れ防振作用を発現させることができる。
【0066】
<駆動部>
次に、駆動部58に関して説明する。前述したように駆動部58は第1駆動部60及び第2駆動部62で構成される。上述した例では、第1駆動部60は第1超音波モータ114A~114Cであり、第2駆動部62は第2超音波モータ120A~120Cである。
【0067】
図11及び図12は、駆動部58を構成する第1超音波モータ114A及び第2超音波モータ120Aを説明する図である。図11は第1超音波モータ114A及び第2超音波モータ120Aの正面斜視図であり、図12は、第1超音波モータ114A及び第2超音波モータ120Aの側面図である。なお、第1超音波モータ114B~114Cは第1超音波モータ114Aと同様の構成であり、第2超音波モータ120B~120Cは第2超音波モータ120Aと同様の構成であるので説明は省略する。
【0068】
第1超音波モータ114Aは、第2超音波モータ120Aに取り付けられているモータ保持部142Aで保持されいてる。したがって、第1超音波モータ114Aは、第2超音波モータ120Aに支持されると共に、第2超音波モータ120Aが駆動して移動することにより、矢印T(光軸L、Z軸)に沿った方向に移動する。このように、第1超音波モータ114Aを矢印T(光軸L、Z軸)に沿った方向に移動することにより、第1状態及び第2状態を制御することができるので、撮像素子16と光軸Lとの相対的な位置がずれる事を抑制することができる。
【0069】
第1超音波モータ114Aは、圧電素子を用いたリニア型超音波モータである。第1超音波モータ114Aは、内部にある圧電素子を20KHz以上の超音波領域で動作させる。そして、圧電素子を2軸の伸縮運動をさせ、振動子140A~140Cが楕円運動することで当接する手振れ補正可動部104を矢印Sの方向に移動させる。第1超音波モータ114A~114Cを適切な方向に取り付けることにより、手振れ補正可動部104を光軸Lと垂直に交わる平面方向に自由に移動させることができる。
【0070】
第2超音波モータ120Aは、圧電素子の伸縮運動を利用した軸の自己潤滑作用によりリニアにモータ保持部142A~142Cを移動させることができる。第2超音波モータ120Aの圧電素子は、ユ二モルフ(板金とセラミック)又はバイモルフ型(セラミック同士)を使用することができる。
【0071】
<第1状態及び第2状態>
次に、撮像ユニット100の第1状態及び第2状態に関して説明する。撮像ユニット100は、制御部40の制御により、第1状態と第2状態とに制御される。具体的には、制御部40は、第2超音波モータ120A~120Cを駆動し、第1超音波モータ114A~114Cを付勢部材の付勢力に抗して第1位置に移動させる第1状態と、第2超音波モータ120A~120Cを駆動し、第1超音波モータ114A~114Cを第2位置に移動させる第2状態とを切り替えて制御する。ここで、第1状態は、手振れ補正機構が駆動している状態である。また、第2状態は、撮像装置10の電源がオフの状態、又は手振れ補正機構が非駆動の状態である。
【0072】
図13は、撮像ユニット100の第1状態を示す図であり、撮像ユニット100の側面図である。
【0073】
撮像ユニット100が第1状態の場合には、第1超音波モータ114A~114Cは、第1位置の位置に移動する。第1位置は、振動子140A~140Cを可動部の固定部側の面に当接させる位置である。このように、振動子140A~140Cを手振れ補正可動部104の一部(窪み部118A~118C)に当接させることにより、手振れ補正可動部104は、光軸Lに垂直な平面に沿った方向に自由に移動することできる。
【0074】
図14は、撮像ユニット100の第2状態を示す図であり、撮像ユニット100の側面図である。
【0075】
撮像ユニット100が第2状態の場合には、第1超音波モータ114A~114Cは、第2位置の位置に移動する。第2位置は、撮像素子部150の一部である板金132と第2手振れ補正固定部106とを当接させる位置である。このように、撮像素子部150の一部である板金132を第2手振れ補正固定部106に当接することにより、撮像素子16で発せられた熱を冷却装置108で冷却することができる。
【0076】
<撮像方法>
次に、撮像装置10を使用した撮像方法に関して説明する。
【0077】
図15は、撮像装置10を使用した撮像方法を示すフロー図である。
【0078】
先ず、操作部38の電源スイッチがユーザにより操作されることにより、制御部40に指令が入力され、制御部40により撮像装置10の電源がONにされる(ステップS10)。その後、制御部40は、手振れ補正機能を有効にするために、第2超音波モータ120A~120Cを駆動させて第1超音波モータ114A~114Cを第1位置に移動させる(第1状態)(ステップS11)。次に、ユーザにより撮像装置10を使用した撮影が行われる(ステップS12)。
【0079】
撮影の終了後、操作部38により、電源OFFの指令が制御部40に入力される(ステップS13)。また、ユーザの選択により操作部38から、手振れ補正機能OFFの指令が制御部40に入力される(ステップS13)。電源OFF又は手振れ補正機能OFF場合には、制御部40により、第2駆動部62が制御され、第1駆動部60を第2位置に移動させる(第2状態)(ステップS14)。そして制御部40により、冷却装置108及び強制冷却機構46のファン112を稼働させる(ステップS15)。次に、温度検知器18により、撮像素子16の温度が計測され、制御部40は設定された温度に撮像素子16の温度が下がっているか否かの判定を行う(ステップS16)。撮像素子16の温度が設定温度まで低下していない場合には、冷却装置108及びファン112の稼働を継続する(ステップS15)。また、制御部40は、操作部38を介して、再度の撮影開始の指示を受けたか否かを判定する(ステップS16)。再度撮影開始の指令が入力されていない場合には、冷却装置108及びファン112の稼働を継続する(ステップS15)。
【0080】
一方、撮像素子16の温度が設定温度まで低下した場合、制御部40は冷却装置108及びファン112を停止させる(ステップS17)。また、撮影開始の指令が入力された場合にも、制御部40は冷却装置108及びファン112を停止させる(ステップS17)。なお、冷却途中で撮影開始の指令が入力された場合には、撮像素子16の温度が十分に低下していない場合があり、その場合には、適切な温度範囲での撮影を所定の時間行うことができない。したがって、制御部40は、温度検知器18から撮像素子16の温度情報を取得し、撮影可能時間を算出し、画像モニタ30に撮影可能時間を表示する。これにより、ユーザは、撮影可能時間を認識することができる。
【0081】
上述の各構成及び機能は、任意のハードウェア、ソフトウェア、或いは両者の組み合わせによって適宜実現可能である。例えば、上述の処理ステップ(処理手順)をコンピュータに実行させるプログラム、そのようなプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体(非一時的記録媒体)、或いはそのようなプログラムをインストール可能なコンピュータに対しても本発明を適用することが可能である。
【0082】
以上で説明したように、本態様では制御部40の制御により、第2超音波モータ120A~120Cを駆動させて、第1超音波モータ114A~114Cの位置を第1位置又は第2の位置に移動させる。第1超音波モータ114A~114Cが第1位置に位置する場合には、手振れ補正可動部104が動き手振れ補正機能を実現される。また、第1超音波モータ114A~114Cが第2位置に位置する場合には、撮像素子16が発した熱を冷却装置108により冷却することができる。これにより、本態様は、手振れ補正機能を使用していない場合に、撮像素子16を急冷することができ、繰り返し撮影を行う場合に、撮像装置10が高温になることを抑制し、撮影時間を延ばすことができる。
【0083】
なお、上述の実施形態では、強制冷却機構46を備えた撮像ユニット100に関して説明を行ったが、本発明はこれに限定されるものではない。ユーザが所望する冷却速度や撮像素子16の耐温度性に応じて、強制冷却機構46(ヒートシンク110及びファン112)を設けなくてもよい。
【0084】
<第1変形例>
第1変形例は、付勢部材がバネ152A~152Bに代えて磁気バネ(ボイスコイルモータ)で構成される。
【0085】
図16及び図17は、付勢部材をボイスコイルモータとした例を説明する図である。図16は、背面斜視図であり、図17は正面斜視図である。
【0086】
手振れ補正可動部104の背面には、3つのコイル160A~160Cが備えらている。また、第2手振れ補正固定部106には磁石166A~166Cが備えられている。コイル160A~160Cと対応する磁石166A~166Cにより、ボイスコイルモータを構成し、手振れ補正可動部104を第2手振れ補正固定部106に付勢力が働く。
【0087】
このように、付勢部材として、バネ152A~152Bに代えて磁気バネであるボイスコイルモータを使用することにより、バネ152A~152Bの劣化による付勢力の低下を防ぐことができる。
【0088】
<第2変形例>
第2変形例では、第2駆動部62を第2超音波モータ120A~120Cに代えて、ギアモータで構成される。
【0089】
図18図19図20、及び図21は、第2駆動部62をギアモータとした例を説明する図である。図18は、撮像ユニット(強制冷却機構46を除く)100の背面斜視図である。図19は、撮像ユニット100の背面図である。図20は、撮像ユニット100の平面図である。図21は、撮像ユニット100の側面図である。
【0090】
ギアモータ170A~170Cは、第1超音波モータ114A~114Cにそれぞれ備えられている。ギアモータ170A~170Cは、第1超音波モータ114A~114CのZ軸方向に移動させる。具体的にはギアモータ170A~170Cは、ギア172A~172Cを備え、ギア172A~172Cと第1超音波モータ114A~114Cの側面に設けられる溝(不図示)とが噛み合っている。これにより、ギアモータ170A~170Cの軸が回転してギア172A~172Cが回転して、第1超音波モータ114A~114CをプラスZ軸方向及びマイナスZ軸方向に移動させることができる。
【0091】
このように、第2駆動部62を第2超音波モータ120A~120Cに代えて、ギアモータ170A~170Cとした場合にも、第1超音波モータ114A~114CをX軸方向(光軸方向)に移動させることができる。
【0092】
<第3変形例>
第3変形例は、撮像ユニット100にヒートパイプ備える。
【0093】
図22及び図23は、本例の撮像ユニット100を説明する図である。
【0094】
図22は、撮像ユニット100の背面斜視図であり、図23は、撮像ユニット100の背面図である。
【0095】
撮像ユニット100は、3つのヒートパイプ180A~180Cを備える。ヒートパイプ180A~180Cは、熱を輸送する熱輸送体である。ヒートパイプ180A~180Cの端部は、冷却装置108の板金108Cに設置されている。また、ヒートパイプ180A~180Cの他方の端部は、ヒートシンク110に設置されている。これにより、冷却装置108で発せられた熱は、ヒートパイプ180A~180Cで輸送され、輸送先の強制冷却機構46により冷却を行うことができる。
【0096】
このように、ヒートパイプ180A~180Cを利用して、冷却装置108から発した熱を輸送し、輸送先の強制冷却機構46で冷却を行うことができる。これにより、強制冷却装置を冷却装置108の板金108Cに必ずしも備える必要はなく、撮像装置10の撮像装置本体2の内部の空間を有効に利用することができる。
【0097】
以上で本発明の例に関して説明してきたが、本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0098】
1 :被写体
2 :撮像装置本体
4 :接眼部
6 :アダプタ
8 :絞り
10 :撮像装置
12 :撮影レンズ装置
12A :レンズ群
16 :撮像素子
18 :温度検知器
22 :画像入力コントローラ
24 :画像処理部
26 :圧縮伸張処理部
28 :ビデオエンコーダ
30 :画像モニタ
38 :操作部
40 :制御部
46 :強制冷却機構
48 :メモリ
52 :メディアコントローラ
54 :メモリカード
58 :駆動部
60 :第1駆動部
62 :第2駆動部
66 :センサ
100 :撮像ユニット
102 :第1手振れ補正固定部
104 :手振れ補正可動部
106 :第2手振れ補正固定部
108 :冷却装置
108A :板金
108B :冷却素子
108C :板金
110 :ヒートシンク
112 :ファン
114A :第1超音波モータ
114B :第1超音波モータ
114C :第1超音波モータ
116A :窓部
116B :窓部
116C :窓部
118A :窪み部
118B :窪み部
118C :窪み部
120A :第2超音波モータ
120B :第2超音波モータ
120C :第2超音波モータ
130 :基板
132 :板金
132A :脚部
132B :脚部
132C :脚部
140A :振動子
140B :振動子
140C :振動子
150 :撮像素子部
152A :バネ
152B :バネ
154A :取付部
154B :取付部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23