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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-17
(45)【発行日】2023-11-28
(54)【発明の名称】撮像装置、撮像方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/60 20230101AFI20231120BHJP
   H04N 23/51 20230101ALI20231120BHJP
   H04N 23/53 20230101ALI20231120BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20231120BHJP
   G03B 7/00 20210101ALI20231120BHJP
   G03B 17/04 20210101ALI20231120BHJP
【FI】
H04N23/60
H04N23/51
H04N23/53
G03B17/02
G03B7/00
G03B17/04
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2022503614
(86)(22)【出願日】2021-02-22
(86)【国際出願番号】 JP2021006662
(87)【国際公開番号】W WO2021172286
(87)【国際公開日】2021-09-02
【審査請求日】2022-11-04
(31)【優先権主張番号】P 2020032003
(32)【優先日】2020-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三
(74)【代理人】
【識別番号】100170069
【弁理士】
【氏名又は名称】大原 一樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128635
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100140992
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲政
(72)【発明者】
【氏名】西山 幸徳
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 太郎
(72)【発明者】
【氏名】河口 武弘
(72)【発明者】
【氏名】島田 智大
【審査官】▲徳▼田 賢二
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-145761(JP,A)
【文献】特開2006-41621(JP,A)
【文献】特開2017-163586(JP,A)
【文献】特許第5233997(JP,B2)
【文献】特開2010-288307(JP,A)
【文献】特開2019-193131(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/60
H04N 23/51
H04N 23/53
G03B 17/02
G03B 7/00
G03B 17/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体の複数の面にそれぞれ設けられ、機能の割り当てが可能な複数の操作部と、使用される環境と前記複数の操作部への前記機能の割り当てとの関係を示す割当情報を記憶するメモリと、プロセッサと、撮像装置の動きを検出する動き検出センサを備える撮像装置であって、
前記プロセッサは、
前記撮像装置が使用される環境を判定する使用環境判定処理と、
前記使用環境判定処理の結果に応じて、前記複数の操作部への前記機能の割り当てを前記メモリの前記割当情報に基づいて設定する割当設定処理と、
前記動き検出センサの検出結果に応じて、前記使用環境判定処理と、
を行い、
前記操作部は、撮像方向に向けられる前記装置本体の面を正面とした場合に少なくとも前記装置本体の側面に設けられ、
前記メモリに記憶される前記割当情報は、前記動き検出センサの検出結果が閾値以下である場合には、前記側面に設けられた前記操作部に画質又は撮影条件を調節する機能を割り当てることが規定されている、
撮像装置。
【請求項2】
装置本体の複数の面にそれぞれ設けられ、機能の割り当てが可能な複数の操作部と、使用される環境と前記複数の操作部への前記機能の割り当てとの関係を示す割当情報を記憶するメモリと、プロセッサと、信号の入力及び/又は出力を行う接続手段を備える撮像装置であって、
前記プロセッサは、
前記撮像装置が使用される環境を判定する使用環境判定処理と、
前記使用環境判定処理の結果に応じて、前記複数の操作部への前記機能の割り当てを前記メモリの前記割当情報に基づいて設定する割当設定処理と、
前記接続手段への接続が行われているか否かを検出する接続検出処理と、
前記接続検出処理の結果に基づいて、前記使用環境判定処理と、
を行う撮像装置。
【請求項3】
前記撮像装置の姿勢を検出する姿勢検出センサを備え、
前記プロセッサは、
前記姿勢検出センサでの検出結果に応じて、前記使用環境判定処理を行う請求項1又は2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記操作部は、撮像方向に向けられる前記装置本体の面を正面とした場合に少なくとも前記装置本体の上面及び側面に設けられ、
前記メモリに記憶される前記割当情報は、前記姿勢検出センサが前記撮像装置の縦撮り姿勢を検出した場合には、前記上面に設けられた前記操作部に設定された機能を前記側面に設けられた前記操作部に遷移させることが規定されている請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記撮像装置の動きを検出する動き検出センサを備え、
前記プロセッサは、
前記動き検出センサの検出結果に応じて、前記使用環境判定処理を行う請求項2に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記操作部は、撮像方向に向けられる前記装置本体の面を正面とした場合に少なくとも前記装置本体の側面に設けられ、
前記メモリに記憶される前記割当情報は、前記動き検出センサの検出結果が閾値以下である場合には、前記側面に設けられた前記操作部に画質又は撮影条件を調節する機能を割り当てることが規定されている請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記接続手段は、外部機器を接続することが可能な端子である請求項2に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記操作部は、撮像方向に向けられる前記装置本体の面である正面に設けられ、
前記接続手段の一つである第1の接続手段は、前記装置本体の上面に設けられ、
前記メモリに記憶される前記割当情報は、前記第1の接続手段に外部機器が接続された場合には、前記正面に設けられた前記操作部に録画の機能を割り当てることが規定されている請求項2又は7に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記操作部は、撮像方向に向けられる前記装置本体の面を正面とした場合に少なくとも前記装置本体の背面に設けられ、
前記接続手段の一つである第2の接続手段は、前記装置本体の側面に設けられ、
前記メモリに記憶される前記割当情報は、前記第2の接続手段に外部機器が接続された場合には、前記背面に設けられた前記操作部に録画の機能を割り当てることが規定されている請求項2、7、又は8に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記接続手段は、無線通信による接続手段である請求項2又は7に記載の撮像装置。
【請求項11】
可動式の表示部を備え、
前記プロセッサは、
前記表示部の表示画面の方向を検知し、
前記表示画面の方向に基づいて、前記使用環境判定処理を行う請求項1から10のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記表示部は、チルト方向に前記表示画面の方向を変更させることが可能であり、
前記操作部は、撮像方向に向けられる前記装置本体の面を正面とした場合に少なくとも前記装置本体の背面及び上面に設けられ、
前記メモリに記憶される前記割当情報は、前記表示画面が閾値以上に前記上面の方向に向けられた場合には、前記背面に設けられた前記操作部に設定された機能を前記上面に設けられた前記操作部に遷移させることが規定されている請求項11に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記表示部は、自由に前記表示画面の方向を変更させることが可能であり、
前記操作部は、撮像方向に向けられる前記装置本体の面を正面とした場合に少なくとも、前記装置本体の背面、上面、第1の側面、及び前記第1の側面とは反対側の第2の側面にそれぞれに前記操作部が設けられ、
前記メモリに記憶される前記割当情報は、前記表示画面の方向に合わせて、前記背面に設けられた前記操作部に設定された機能を前記上面、前記第1の側面、又は前記第2の側面に設けられた前記操作部に遷移させることが規定されている請求項11に記載の撮像装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、
前記装置本体に設けられる表示部に、前記割当設定処理が行われたことを報知する報知表示を行わせる請求項1から13のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項15】
前記プロセッサは、前記割当情報をユーザからの指示に基づき生成及び/又は編集する請求項1から14のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項16】
装置本体の複数の面にそれぞれ設けられ、機能の割り当てが可能な複数の操作部と、使用される環境と前記複数の操作部への前記機能の割り当てとの関係を示す割当情報を記憶するメモリと、プロセッサと、撮像装置の動きを検出する動き検出センサを備え、前記操作部は、撮像方向に向けられる前記装置本体の面を正面とした場合に少なくとも前記装置本体の側面に設けられ、前記メモリに記憶される前記割当情報は、前記動き検出センサの検出結果が閾値以下である場合には、前記側面に設けられた前記操作部に画質又は撮影条件を調節する機能を割り当てることが規定されている、前記撮像装置を使用した撮像方法であって、
前記プロセッサは、
前記撮像装置が使用される環境を判定する使用環境判定処理工程と、
前記使用環境判定処理工程の結果に応じて、前記複数の操作部への前記機能の割り当てを前記メモリの前記割当情報に基づいて設定する割当設定処理工程と、
前記動き検出センサの検出結果に応じて、前記使用環境判定処理工程と、
を行う撮像方法。
【請求項17】
装置本体の複数の面にそれぞれ設けられ、機能の割り当てが可能な複数の操作部と、使用される環境と前記複数の操作部への前記機能の割り当てとの関係を示す割当情報を記憶するメモリと、プロセッサと、信号の入力及び/又は出力を行う接続手段と、を備える撮像装置を使用した撮像方法であって、
前記プロセッサは、
前記撮像装置が使用される環境を判定する使用環境判定処理工程と、
前記使用環境判定処理工程の結果に応じて、前記複数の操作部への前記機能の割り当てを前記メモリの前記割当情報に基づいて設定する割当設定処理工程と、
前記接続手段への接続が行われているか否かを検出する接続検出工程と、
前記接続検出工程の結果に基づいて、前記使用環境判定処理工程と、
を行う撮像方法。
【請求項18】
装置本体の複数の面にそれぞれ設けられ、機能の割り当てが可能な複数の操作部と、使用される環境と前記複数の操作部への前記機能の割り当てとの関係を示す割当情報を記憶するメモリと、プロセッサと、撮像装置の動きを検出する動き検出センサを備え、前記操作部は、撮像方向に向けられる前記装置本体の面を正面とした場合に少なくとも前記装置本体の側面に設けられ、前記メモリに記憶される前記割当情報は、前記動き検出センサの検出結果が閾値以下である場合には、前記側面に設けられた前記操作部に画質又は撮影条件を調節する機能を割り当てることが規定されている、前記撮像装置を使用した撮像方法を実行するプログラムであって、
前記プロセッサに、
前記撮像装置が使用される環境を判定する使用環境判定処理工程と、
前記使用環境判定処理工程の結果に応じて、前記複数の操作部への前記機能の割り当てを前記メモリの前記割当情報に基づいて設定する割当設定処理工程と、
前記動き検出センサの検出結果に応じて、前記使用環境判定処理工程と、
を行わせるプログラム。
【請求項19】
装置本体の複数の面にそれぞれ設けられ、機能の割り当てが可能な複数の操作部と、使用される環境と前記複数の操作部への前記機能の割り当てとの関係を示す割当情報を記憶するメモリと、プロセッサと、信号の入力及び/又は出力を行う接続手段と、を備える撮像装置を使用した撮像方法を実行するプログラムであって、
前記プロセッサに、
前記撮像装置が使用される環境を判定する使用環境判定処理工程と、
前記使用環境判定処理工程の結果に応じて、前記複数の操作部への前記機能の割り当てを前記メモリの前記割当情報に基づいて設定する割当設定処理工程と、
前記接続手段への接続が行われているか否かを検出する接続検出工程と、
前記接続検出工程の結果に基づいて、前記使用環境判定処理工程と、
を行わせるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置、撮像方法、及びプログラムに関し、特に撮像装置が有する操作部への機能の割り当ての技術に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像装置には、シャッタボタンを初めとして種々の機能を有する複数の操作部が設けられている。
【0003】
特許文献1には、撮像装置の背面に設けられた十字カーソルボタンの上矢印ボタン、下矢印ボタン、左矢印ボタン、及び右矢印ボタンに割り当てられる機能を、デジタルカメラの回転姿勢に応じて変更する技術が記載されている。
【0004】
特許文献2には、撮像装置に備えられた互いに直行する2軸に回転可能な表示部の回転角度に応じて、撮像装置に備えられる十字キーを構成する各矢印に割り当てられる機能を変更する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2006-33724号公報
【文献】特開2006-279307号公報
【発明の概要】
【0006】
本開示の技術に係る一つの実施形態は、撮像装置の使用環境に応じて、操作部への機能の割り当てを変更することが可能な撮像装置、撮像方法、及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一の態様である撮像装置は、装置本体の複数の面にそれぞれ設けられ、機能の割り当てが可能な複数の操作部と、使用される環境と複数の操作部への機能の割り当てとの関係を示す割当情報を記憶するメモリと、プロセッサと、を備える撮像装置であって、プロセッサは、撮像装置が使用される環境を判定する使用環境判定処理と、使用環境判定処理の結果に応じて、複数の操作部への機能の割り当てをメモリの割当情報に基づいて設定する割当設定処理と、を行う。
【0008】
好ましくは、撮像装置の動きを検出する動き検出センサを備え、プロセッサは、動き検出センサの検出結果に応じて、使用環境判定処理を行う。
【0009】
好ましくは、操作部は、撮像方向に向けられる装置本体の面を正面とした場合に少なくとも装置本体の側面に設けられ、メモリに記憶される割当情報は、動き検出センサの検出結果が閾値以下である場合には、側面に設けられた操作部に画質又は撮影条件を調節する機能を割り当てることが規定されている。
【0010】
好ましくは、撮像装置の姿勢を検出する姿勢検出センサを備え、プロセッサは、姿勢検出センサでの検出結果に応じて、使用環境判定処理を行う。
【0011】
好ましくは、操作部は、撮像方向に向けられる装置本体の面を正面とした場合に少なくとも装置本体の上面及び側面に設けられ、メモリに記憶される割当情報は、姿勢検出センサが撮像装置の縦撮り姿勢を検出した場合には、上面に設けられた操作部に設定された機能を側面に設けられた操作部に遷移させることが規定されている。
【0012】
好ましくは、撮像装置は、信号の入力及び/又は出力を行う接続手段を備え、プロセッサは、接続手段への接続が行われているか否かを検出する接続検出処理を行い、接続検出処理の結果に基づいて、使用環境判定処理を行う。
【0013】
好ましくは、接続手段は、外部機器を接続することが可能な端子である。
【0014】
好ましくは、操作部は、撮像方向に向けられる装置本体の面である正面に設けられ、接続手段の一つである第1の接続手段は、装置本体の上面に設けられ、メモリに記憶される割当情報は、第1の接続手段に外部機器が接続された場合には、正面に設けられた操作部に録画の機能を割り当てることが規定されている。
【0015】
好ましくは、操作部は、撮像方向に向けられる装置本体の面を正面とした場合に少なくとも装置本体の背面に設けられ、接続手段の一つである第2の接続手段は、装置本体の側面に設けられ、メモリに記憶される割当情報は、第2の接続手段に外部機器が接続された場合には、背面に設けられた操作部に録画の機能を割り当てることが規定されている。
【0016】
好ましくは、接続手段は、無線通信による接続手段である。
【0017】
好ましくは、可動式の表示部を備え、プロセッサは、表示部の表示画面の方向を検知し、表示画面の方向に基づいて、使用環境判定処理を行う。
【0018】
好ましくは、表示部は、チルト方向に表示画面の方向を変更させることが可能であり、操作部は、撮像方向に向けられる装置本体の面を正面とした場合に少なくとも装置本体の背面及び上面に設けられ、メモリに記憶される割当情報は、表示画面が閾値以上に上面の方向に向けられた場合には、背面に設けられた操作部に設定された機能を上面に設けられた操作部に遷移させることが規定されている。
【0019】
好ましくは、表示部は、自由に表示画面の方向を変更させることが可能であり、操作部は、撮像方向に向けられる装置本体の面を正面とした場合に少なくとも、装置本体の背面、上面、第1の側面、及び第1の側面とは反対側の第2の側面にそれぞれに操作部が設けられ、メモリに記憶される割当情報は、表示画面の方向に合わせて、背面に設けられた操作部に設定された機能を上面、第1の側面、又は第2の側面に設けられた操作部に遷移させる。
【0020】
好ましくは、プロセッサは、装置本体に設けられる表示部に、割当設定処理が行われたことを報知する報知表示を行わせる。
【0021】
好ましくは、プロセッサは、割当情報をユーザからの指示に基づき生成及び/又は編集する。
【0022】
本発明の他の態様である撮像装置は、機能の割り当てが可能な少なくとも1つの操作部と、使用される環境と前記操作部への機能の割り当てとの関係を示す割当情報を記憶するメモリと、プロセッサと、信号の入力及び/又は出力を行う接続手段と、を備える撮像装置であって、プロセッサは、接続手段への接続が行われているか否かを検出する接続検出処理と、接続検出処理の結果に基づいて、撮像装置が使用される環境を判定する使用環境判定処理と、使用環境判定処理の結果に応じて、前記操作部への機能の割り当てをメモリの割当情報に基づいて設定する割当設定処理と、を行う。
【0023】
本発明の他の態様である撮像方法は、装置本体の複数の面にそれぞれ設けられ、機能の割り当てが可能な複数の操作部と、使用される環境と複数の操作部への機能の割り当てとの関係を示す割当情報を記憶するメモリと、プロセッサと、を備える撮像装置を使用した撮像方法であって、プロセッサは、撮像装置が使用される環境を判定する使用環境判定処理工程と、使用環境判定処理工程の結果に応じて、複数の操作部への機能の割り当てをメモリの割当情報に基づいて設定する割当設定処理工程と、を含む。
【0024】
本発明の他の態様である撮像方法は、機能の割り当てが可能な少なくとも1つの操作部と、使用される環境と前記操作部への機能の割り当てとの関係を示す割当情報を記憶するメモリと、プロセッサと、信号の入力及び/又は出力を行う接続手段と、を備える撮像装置を使用した撮像方法であって、プロセッサは、接続手段への接続が行われているか否かを検出する接続検出処理工程と、接続検出処理工程の結果に基づいて、撮像装置が使用される環境を判定する使用環境判定処理工程と、使用環境判定処理工程の結果に応じて、前記操作部への機能の割り当てをメモリの割当情報に基づいて設定する割当設定処理工程と、を含む。
【0025】
本発明の他の態様であるプログラムは、装置本体の複数の面にそれぞれ設けられ、機能の割り当てが可能な複数の操作部と、使用される環境と複数の操作部への機能の割り当てとの関係を示す割当情報を記憶するメモリと、プロセッサと、を備える撮像装置に撮像方法を実行させるプログラムであって、プロセッサは、撮像装置が使用される環境を判定する使用環境判定処理工程と、使用環境判定処理工程の結果に応じて、複数の操作部への機能の割り当てをメモリの割当情報に基づいて設定する割当設定処理工程と、を含む撮像方法を撮像装置に実行させる。
【0026】
本発明の他の態様であるプログラムは、機能の割り当てが可能な少なくとも1つの操作部と、使用される環境と前記操作部への機能の割り当てとの関係を示す割当情報を記憶するメモリと、プロセッサと、信号の入力及び/又は出力を行う接続手段と、を備える撮像装置に撮像方法を実行させるプログラムであって、プロセッサは、接続手段への接続が行われているか否かを検出する接続検出処理工程と、接続検出処理工程の結果に基づいて、撮像装置が使用される環境を判定する使用環境判定処理工程と、使用環境判定処理工程の結果に応じて、前記操作部への機能の割り当てをメモリの割当情報に基づいて設定する割当設定処理工程と、を含む撮像方法を撮像装置に実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、撮像装置の正面図である。
図2図2は、撮像装置の上面図である。
図3図3は、撮像装置の背面図である。
図4図4は、撮像装置の右側面図である。
図5図5は、撮像装置の左側面図である。
図6図6は、撮像装置の主な構成を示す図である。
図7図7は、撮像方法を説明するフロー図である。
図8図8は、割当情報の記憶構成例を示す図である。
図9図9は、撮像装置の使用環境No5を説明する図である。
図10図10は、撮像装置の使用環境No7を説明する図である。
図11図11は、撮像装置の使用環境No8を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付図面にしたがって本発明に係る撮像装置、撮像方法、及びプログラムの好ましい実施の形態について説明する。
【0029】
図1から図5は、本発明の一実施形態であるレンズ交換式の撮像装置を示す図である。以下では、レンズ交換式の撮像装置に関して説明する。しかしながら、本発明が適用される撮像装置は、レンズ交換式の撮像装置1に限定されるものではない。
【0030】
図1は撮像装置1の正面図であり、図2は撮像装置1の上面図である。撮像装置1は、交換式の撮像レンズ103と装置本体101から構成されている。装置本体101の正面にはレンズマウント105が備えられ、装置本体101にレンズマウント105を介して撮像レンズ103が装着される。装置本体101の正面には操作部265(図6を参照)の一部として、第1正面ファンクションボタン107、フロントダイヤル113が設けられる。第1正面ファンクションボタン107、フロントダイヤル113には、予め決められた機能又はユーザが設定した機能が割り当てられている。なお、装置本体101の正面には撮像レンズ103が装着されており、撮像時には装置本体101の正面は撮像方向(被写体)に向けられる。
【0031】
また、装置本体101の上面には操作部265(図6を参照)の一部として、シャッタボタン111、及び上面ダイヤル109が設けられている。また、装置本体101の上面には、サブモニタ117が設けられている。サブモニタ117は、例えばLCD(Liquid Crystal Display/液晶ディスプレイ)で構成される。サブモニタ117には、シャッタ速度、絞り値、感度、露出補正などの主要な撮像情報が表示される。装置本体101の上面には電子ビューファインダ(EVF:Electronic View Finder)119が設けられており、電子ビューファインダ119の上面にはホットシュ115が設けられている。ホットシュ115には、例えば外付けのフラッシュ、XLRアダプタ等が装着される。なお、ホットシュ115にはホットシュ端子115aが設けられおり、ホットシュ115に装着された機器と通信を行うことができる。また、端子接続検出部263(図6を参照)により、ホットシュ端子115aを介して、ホットシュ115に装着されたか否か、装着された機器の種類等を検出することが可能である。
【0032】
図3は、撮像装置1の背面図である。
【0033】
撮像装置1の装置本体101の背面は、可動式のメインモニタ(表示部)121を備える。また、撮像装置1の背面から電子ビューファインダ119の表示を見ることができる。装置本体101の背面は、操作部265の一部として、リアダイヤル125、第1背面ファンクションボタン127、フォーカスレバー129、メニュー/OKボタン131、表示/戻るボタン135、再生ボタン137を備える。
【0034】
電子ビューファインダ119には、ライブビューが表示され、イメージセンサで撮像された画像がリアルタイムに表示される。電子ビューファインダ119は、必要に応じてオン、オフでき、メインモニタ121への表示に切り換えられる。電子ビューファインダ119には、物体検出器で構成されるアイセンサ123が設けられており、ユーザ(撮影者)が電子ビューファインダ119に目を近づけると、アイセンサ123がユーザの顔を検知して、自動的に電子ビューファインダ119の表示が開始される。一方、アイセンサ123が撮影者の顔を検知しない場合には、電子ビューファインダ119の表示は停止され、メインモニタ121に表示が行われている。
【0035】
メインモニタ121は、例えばLCDで構成される。メインモニタ121は、各種設定を行う際のGUI(Graphical User Interface)として利用されるほか、撮像済み画像の再生用モニタとして利用される。また、撮像時には、必要に応じてライブビューが表示され、イメージセンサで撮像された画像がリアルタイムに表示される。
【0036】
リアダイヤル125、第1背面ファンクションボタン127、第2背面ファンクションボタン139には、予め決められた機能又はユーザが設定した機能が割り当てられる。フォーカスレバー129は、AFエリア(AF:Auto Focus)を選択するレバーである。メニュー/OKボタン131は、メニュー画面を呼び出すボタンである。メニュー/OKボタン131を押すと、メインモニタ121にメニュー画面が表示される。メニュー画面は、撮像装置1の各種設定を行うユーザーインターフェイスとなる。表示/戻るボタン135は、メインモニタ121の表示内容を切り換えるボタンである。再生ボタン137は、再生モードへの切り換えを指示するボタンである。撮像装置1は、撮像モードで起動し、再生ボタン137を押すと、再生モードに切り替わる。
【0037】
図4は、撮像装置1の右側面図である。なお、右側面(第1の側面)とは、ユーザが撮像装置1の横撮りにより撮影姿勢を取った場合のユーザの右手側にある撮像装置1の側面である。
【0038】
装置本体101の右側面にはリモートレリーズ端子145が備えられる。また、装置本体101の右側面には、操作部265の一部として右側面ファンクションボタン143が設けられている。右側面ファンクションボタン143には、予め決められた機能又はユーザが設定した機能が割り当てられている。リモートレリーズ端子145には、外付けのリモートレリーズ装置を接続することができる。
【0039】
図5は、撮像装置1の左側面図である。なお、左側面(第2の側面)とは、ユーザが撮像装置1の横撮りにより撮影姿勢を取った場合のユーザの左手側にある撮像装置1の側面である。
【0040】
装置本体101の左側面には、マイク端子151、ヘッドフォン端子153、USB端子155、HDMI(High-Definition Multimedia Interface:高精細度マルチメディアインターフェース)(登録商標)マイクロ端子157、ACアダプタ端子159が備えられている。撮像装置1は、マイク端子151を介して外付けのマイクが接続され、ヘッドフォン端子153を介して外付けのヘッドフォンが接続される。撮像装置1は、USB端子155を介してコンピュータに接続される。撮像装置1は、HDMIマイクロ端子157を介して、例えば外付けモニタに接続される。
【0041】
図6は、撮像装置1の主な構成を示す図である。なお、撮像装置1は、図6で示される構成以外も、公知の撮像装置が備える構成を備える。
【0042】
撮像装置1は、撮像レンズ103により被写体像(光学像)を撮像素子251に結像させる。撮像素子251は、多数の受光素子がマトリクス状に配列された受光面を備える。撮像素子251の受光面に結像された被写体像に対応する光が各受光素子によって受光され電気信号に変換される。撮像素子251の受光面上にはR(赤),G(緑),又はB(青)のカラーフィルタが設けられており、各色の信号に基づいて被写体のカラー画像を取得することができる。なお、撮像素子251としては、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)、CCD(Charge-Coupled Device)等の様々な光電変換素子を用いることができる。AFE253は撮像素子251から出力されるアナログ画像信号のノイズ除去、増幅等を行い、A/D変換器255は取り込んだアナログ画像信号を階調幅があるデジタル画像信号に変換する。A/D変換器255で変換されたデジタル画像信号は、デジタル信号処理部257に入力される。デジタル信号処理部257は、入力されたデジタル画像信号に対して、ガンマ補正、色信号分離、ホワイトバランス調整等を行う。
【0043】
CPU(プロセッサ)301は、撮像装置1の全般的な制御を行う。CPU301は、メモリ267から必要なプログラム及び各種制御に用いる情報を読み出して、CPU301で行われる各種処理及び各種制御を行う。メモリ267は、撮像装置1の内部メモリであり、撮像装置1の各種撮影(撮像)に必要なプログラムが記憶されている。また、メモリ267は、使用される環境と複数の操作部265への機能の割り当てとの関係を示す割当情報を記憶する。メモリ267に記憶される割当情報は、ユーザからの指示に基づいて生成及び編集が行われる。なお、割当情報に関しては後で詳しく説明する。
【0044】
CPU301は、主にデジタル信号処理部257、動き検出センサ259、姿勢検出センサ261、端子269、端子接続検出部263、操作部265、モニタ位置検出部271、メインモニタ121、メモリ267、割当設定部275、及び使用環境判定部273の制御行う。
【0045】
CPU301のハードウェア的な構造は、次に示すような各種のプロセッサ(processor)である。各種のプロセッサには、ソフトウェア(プログラム)を実行して各種の機能部として作用する汎用的なプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路などが含まれる。
【0046】
1つの機能部は、これら各種のプロセッサのうちの1つで構成されていてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサ(例えば、複数のFPGA、あるいはCPUとFPGAの組み合わせ)で構成されてもよい。また、複数の機能部を1つのプロセッサで構成してもよい。複数の機能部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアントやサーバなどのコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組合せで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の機能部として作用させる形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)などに代表されるように、複数の機能部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の機能部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサを1つ以上用いて構成される。
【0047】
使用環境判定部273は、撮像装置1が使用される環境を判定する(使用環境判定処理)。具体的には、使用環境判定部273は、動き検出センサ259、姿勢検出センサ261、端子接続検出部263、モニタ位置検出部271のうち少なくとも1つの検出結果に基づいて、撮像装置1が使用されている環境を判定する。
【0048】
割当設定部275は、使用環境判定部273で行われる使用環境判定処理の結果に応じて、複数の操作部265の機能の割り当てを、メモリ267に記憶されている割当情報に基づいて設定する。
【0049】
動き検出センサ259は、撮像装置1の動きを検出する。使用環境判定部273は、動き検出センサ259の検出結果に応じて、撮像装置1の使用環境の判定を行う。動き検出センサ259は、撮像装置1の動きを検出することができる公知のセンサで構成される。
【0050】
姿勢検出センサ261は、撮像装置1の姿勢を検出する。使用環境判定部273は、姿勢検出センサ261の検出結果に応じて、撮像装置1の使用環境の判定を行う。姿勢検出センサ261は、撮像装置1の姿勢を検出することができる公知のセンサで構成される。
【0051】
端子接続検出部263は、撮像装置1の端子(接続手段)269に接続されているか否かを検出することができる(接続検出処理)。また、端子接続検出部263は、端子269に接続された外部機器と通信が可能な場合には、接続された機器の種類等も検出することができる。例えば、端子接続検出部263は、ホットシュ115に装着された外部機器とホットシュ端子115aとで交信することにより、ホットシュ115への外部機器の装着及び装着された外部機器の特定を行う。なお、端子269は、図1図5で説明した各種の端子の総称であり、CPU301に接続される。具体的には、撮像装置1の端子269には、ホットシュ115、ホットシュ端子115a、リモートレリーズ端子145、マイク端子151、ヘッドフォン端子153、USB端子155、HDMIマイクロ端子157、ACアダプタ端子159が含まれる。また、図示は省略するが、無線通信により外部機器と接続を行う接続手段(例えばWi-fi(登録商標)やBluetooth(登録商標))も端子269に含まれる。
【0052】
モニタ位置検出部271は、メインモニタ121の位置を検出する。具体的にはモニタ位置検出部271は、メインモニタ121の表示画面が向いている方向を検出する。なお、メインモニタ121は、CPU301の制御の下、上述したようにライブビュー画像やメニュー画面を表示画面に表示する。また、上述したサブモニタ117及び電子ビューファインダ119も、CPU301の制御により表示が行われるが、図6での図示は省略する。
【0053】
操作部265は、上述した撮像装置1の各操作部の総称であり、CPU301に接続される。具体的には、操作部265には、第1正面ファンクションボタン107、フロントダイヤル113、シャッタボタン111、上面ダイヤル109、リアダイヤル125、第1背面ファンクションボタン127、第2背面ファンクションボタン139、フォーカスレバー129、メニュー/OKボタン131、表示/戻るボタン135、再生ボタン137、及び右側面ファンクションボタン143が含まれる。また、操作部265に割り当てられた機能は、割当設定部275により変更を行うことができる。
【0054】
次に、撮像装置1を使用した撮像方法(撮像方法を実行させるプログラム)について説明する。
【0055】
図7は、撮像方法を説明するフロー図である。
【0056】
先ず、撮像装置1の動きが動き検出センサ259で検出される(動き検出工程:ステップS10)。又は撮像装置1の姿勢が姿勢検出センサ261で検出される(姿勢検出工程:ステップS11)。又は、撮像装置1の端子269への接続状態を端子接続検出部263で検出される(接続検出処理工程:ステップS12)。又は、メインモニタ121の表示画面の方向をモニタ位置検出部271で検出される(モニタ位置検出工程:ステップS13)。なお、動き検出センサ259の検出結果(ステップS10)、姿勢検出センサ261の検出結果(ステップS11)、端子接続検出部263の検出結果(ステップS12)、及びモニタ位置検出部271の検出結果(ステップS13)のうち少なくとも一つに基づいて使用環境判定部273は使用環境を判定することができる。
【0057】
次に、使用環境判定部273により、使用環境判定処理工程(ステップS14)が行われる。使用環境判定部273は、取得した種々の検出結果に基づいて、メモリ267に記憶されている割当情報Tに規定されている使用環境のいずれかであるかを判定する。
【0058】
次に、割当設定部275により、割当設定処理工程が行われる(ステップS15)。割当設定部275は、使用環境判定処理の結果に応じて、操作部265への機能の割り当てをメモリ267に記憶されている割当情報Tに基づいて設定する。
【0059】
上述の各構成及び機能は、任意のハードウェア、ソフトウェア、或いは両者の組み合わせによって適宜実現可能である。例えば、上述の処理ステップ(処理手順)をコンピュータに実行させるプログラム、そのようなプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体(非一時的記録媒体)、或いはそのようなプログラムをインストール可能なコンピュータに対しても本発明を適用することが可能である。
【0060】
次に、割当情報Tの具体例について説明する。
【0061】
図8は、メモリ267に記憶されている割当情報Tの記憶構成例を示す図である。なお、図8に示した例では、端子接続検出部263で検出されるホットシュ(第1の接続手段)115への接続、HDMIマイクロ端子(第2の接続手段)157への接続、モニタ位置検出部271で検出されるメインモニタ121のチルト状態、姿勢検出センサ261及び動き検出センサ259として機能するジャイロセンサの検出結果に基づいて、使用環境判定部273は使用環境No1~No8の何れかであるかを判定する。そして、割当設定部275は、撮像装置1の操作部265として、第1背面ファンクションボタン127、第2背面ファンクションボタン139、シャッタボタン111、上面ダイヤル109、フロントダイヤル113、及び右側面ファンクションボタン143の機能の割り当てを行う。また、割当情報Tでは、撮像装置1の動画撮影モードにおける操作部265の機能の割り当てが規定されている。
【0062】
<使用環境No1>
使用環境判定部273は、ホットシュ115への接続、HDMIマイクロ端子157への接続がなく、メインモニタ121のチルトがなく、ジャイロセンサが回転状態を検出していない場合には、使用環境No1と判定する。使用環境No1は、通常の撮像装置1の使用環境である。
【0063】
割当設定部275は、使用環境判定部273により使用環境No1と判定されると、第1背面ファンクションボタン127にホワイトバランスの設定、第2背面ファンクションボタン139にマイクレベル設定、シャッタボタン111に録画、上面ダイヤル109にシャッタースピード設定、フロントダイヤル113にはISO感度設定の機能を割り当てる。また、割当設定部275は、右側面ファンクションボタン143には機能の割り当て無しとする。
【0064】
このように、操作部265に各種の機能の割り当てを行うことにより、撮像装置1が通常に使用される場合に、高い操作性を実現することができる。
【0065】
<使用環境No2>
使用環境判定部273は、使用環境No1と比較して端子接続検出部263がホットシュ115に小型タイプのXLRアダプタが接続されたことを検出した場合には、使用環境No2と判定する。なお、以下の説明では使用環境No1との相違点を主に説明する。
【0066】
割当設定部275は、使用環境判定部273により使用環境No2と判定されると、使用環境No1と同様に操作部265に機能を割り当てる。具体的には、割当設定部275は、第1背面ファンクションボタン127にホワイトバランスの設定、第2背面ファンクションボタン139にマイクレベル設定、シャッタボタン111に録画、上面ダイヤル109にシャッタースピード設定、フロントダイヤル113にはISO感度設定を割り当て、右側面ファンクションボタン143には機能の割り当て無しとする。使用環境No2では、ホットシュ115に小型のXLRアダプタが接続されており、小型のXLRアダプタであれば操作を行う場合に障害にはならない。したがって、割当設定部275は、使用環境No1と同様の機能の割り当てを操作部265に行う。
【0067】
<使用環境No3>
使用環境判定部273は、端子接続検出部263がホットシュ115に大型タイプのXLRアダプタが接続されたことを検出した場合には、使用環境No3と判定する。
【0068】
使用環境No3では、ホットシュ115に大型のXLRアダプタが接続されているので、装置本体101の上面に設けられているシャッタボタン111及び上面ダイヤル109は操作しにくい操作部265となる。したがって、割当設定部275は、使用環境判定部273により使用環境No3と判定されると、使用頻度が高い録画の機能を装置本体101の正面に設けられているフロントダイヤル113に割り当てる。また、割当設定部275は、動画撮影の場合にはシャッタースピードの設定は、一旦設定をした後には変更する頻度は比較的少ないので、上面ダイヤル109にシャッタースピードの設定に変えてISO感度の設定の機能を割り当てる。
【0069】
このように、装置本体101の上面に大型のXLRアダプタが装着され、装置本体101の上面に設けられる操作部265への操作に障害が出てしまうような場合でも、使用頻度の高い機能を優先的に操作性の低下しない操作部265に割り当てることにより、操作性を低下させることなく撮影を行うことができる。
【0070】
<使用環境No4>
使用環境判定部273は、端子接続検出部263がホットシュ115に大型のXLRアダプタが接続されたことを検出し、HDMIマイクロ端子157においても接続が検出した場合、使用環境No4と判定する。
【0071】
使用環境No4では、ホットシュ115に大型のXLRアダプタが接続されているので、装置本体101の上面に設けられているシャッタボタン111及び上面ダイヤル109は操作しにくい操作部265となる。また、使用環境No4では、HDMIマイクロ端子157が接続され、装置本体101の左側面には外付けモニタが装着されているので、装置本体101の左側部分の操作部265も操作性が低下する。したがって、割当設定部275は、使用環境判定部273により使用環境No4と判定されると、録画の機能を第1背面ファンクションボタン127に割り当てる。また、割当設定部275は、上面ダイヤル109にホワイトバランスの調整機能を割り当てる。動画撮影の場合には、シャッタースピードは一度決定されると、動画撮影中に変更されることがないために、第1背面ファンクションボタン127に割り当てられていたホワイトバランス調整機能を上面ダイヤル109に割り当てる。
【0072】
このように、装置本体101の上面に大型のXLRアダプタが装着され、装置本体101の左側面に外付けモニタが装着され、装置本体101の上面及び左側に設けられた操作部265への操作に障害が出てしまうような場合でも、上述したように操作部265への機能の割り当ての変更を行うことによって操作性を低下させることなく撮影を行うことができる。
【0073】
<使用環境No5>
図9は、撮像装置1の使用環境No5を説明する図である。
【0074】
図9に示すように、使用環境No5では、撮像装置1はメインモニタ121の表示画面が撮像装置1の上面と同じ方向に向けられて使用され、いわゆるローアングルで撮像装置1が使用されている。この場合、使用環境判定部273は、モニタ位置検出部271がメインモニタ121の上面へのチルトを検出すると、使用環境No5と判定する。ここで、使用環境判定部273は、例えばモニタ位置検出部271が閾値β以上メインモニタ121が上面に向けられていることを検出した場合には、使用環境No5と判定する。
【0075】
使用環境No5では、メインモニタ121が撮像装置1の上面にチルトしていることからユーザは撮像装置1の上面から撮像装置1を見ていると考えられ、その場合に撮像装置1の上面の操作性は高くなる。したがって、割当設定部275は、装置本体101の上面に使用頻度の高い機能を優先的に割り当てる。具体的には、割当設定部275は、第1背面ファンクションボタン127に割り当てられていたホワイトバランスの調整機能を上面ダイヤル109に割り当て、上面ダイヤル109に割り当てられていたシャッタースピードの調整機能を第1背面ファンクションボタン127に割り当てる。
【0076】
このように、メインモニタ121が撮像装置1の上面にチルトされて、撮像装置1の上面からユーザが撮像装置1を見ていると考えられる場合には、装置本体101の上面に使用頻度の高い機能を優先的に割り当てることにより、操作性の低下を防ぐことができる。
【0077】
<使用環境No6>
使用環境判定部273は、端子接続検出部263がホットシュ115に小型のXLRアダプタが接続されたことを検出し、HDMIマイクロ端子157においても接続が検出し、モニタ位置検出部271がメインモニタ121の上面へのチルトを検出した場合、使用環境No6と判定する。
【0078】
使用環境No6では、ホットシュ115に小型のXLRアダプタが接続され、HDMIマイクロ端子157が接続され、撮像装置1の左側面には外付けモニタが装着されている。また、メインモニタ121が撮像装置1の上面を向いていることからユーザは撮像装置1の上面から撮像装置1を見ていると考えられる。この場合、装置本体101の背面は操作性が低下する。したがって、割当設定部275は、装置本体101の上面に使用頻度の高い機能を優先的に割り当てる。具体的には、割当設定部275は、第1背面ファンクションボタン127に割り当てられていたホワイトバランスの調整機能を上面ダイヤル109に割り当てる。また、割当設定部275は、使用環境No6においては操作性が低下してしまう、第1背面ファンクションボタン127及び第2背面ファンクションボタン139への機能の割り当ては行わない。
【0079】
このように、ホットシュ115に小型のXLRアダプタが接続され、HDMIマイクロ端子157が接続され、撮像装置1の左側面には外付けモニタが装着されている場合であっても、操作性が低下する第1背面ファンクションボタン127及び第2背面ファンクションボタン139への機能の割り当てを避け、使用頻度の多い機能を優先的に装置本体101の上面に割り当てることにより、操作性が低下することを防ぐことができる。
【0080】
<使用環境No7>
図10は、撮像装置1の使用環境No7を説明する図である。なお、図10には鉛直上向きと下向きを示している。
【0081】
図10に示すように、使用環境No7では撮像装置1を用いて縦撮りが行われる。この場合、使用環境判定部273は、ジャイロセンサが横撮りの場合(図1及び図3参照)から反時計回りに90°回転したことを検出すると、使用環境No7(縦撮り)と判定する。なお、縦撮りとは図10に示すように、装置本体101の右側面が鉛直上向きに位置し、左側面が鉛直下向きに位置する。
【0082】
使用環境No7では、図10に示すように、装置本体101を90°回転させた状態で撮影が行われる。したがって、割当設定部275は、横撮りの際にシャッタボタン111に割り当てられた録画の機能を、縦撮りの際に装置本体101の同様の箇所に位置する右側面ファンクションボタン143に割り当てる。
【0083】
このように、撮像装置1で縦撮りが行われた場合であっても、シャッタボタン111に割り当てられた録画の機能を、右側面ファンクションボタン143に割り当てることにより、操作性の低下を防ぐことができる。
【0084】
<使用環境No8>
図11は、撮像装置1の使用環境No8を説明する図である。
【0085】
図11に示すように、使用環境No8では、撮像装置1は三脚201に固定されリグが組まれる。撮像装置1にはケージ213が取り付けられ、ケージ213には外付け装置が取り付けられる。具体的には、ケージ213には、ガンマイク207と外付けモニタ209が取り付けられている。なお、ガンマイク207は、ホットシュ115に装着される大型のXLRアダプタにより撮像装置1に接続されている。また、外付けモニタ209は、HDMIマイクロ端子157を介して撮像装置1に接続される。ケージ213には、ロット203が取り付けられており、ロット203にはハンドル205が取り付けられている。撮像装置1の後方のロット203には、外付けバッテリ211が取り付けられている。ここで、ケージ213、ロット203、及びハンドル205によりリグが構成され、リグを組むことにより手振れ等が抑制された撮影を行うことができる。撮像装置1が三脚201に固定されると振動が抑制され、ジャイロセンサで検出される値も小さくなる。したがって、使用環境判定部273は、ジャイロセンサの値が閾値α以下である場合には、使用環境No8と判定する。なお、閾値αは撮像装置1の使用環境に応じて適宜決められる値である。また、期間tを設定し、期間tにおいて閾値α以下である場合に、使用環境判定部273は使用環境No8と判定してもよい。
【0086】
使用環境No8では、撮像装置1の後方に(図11参照)外付けバッテリ211や外付けモニタ209が取り付けられるので装置本体101の背面では操作性が低下する。したがって、割当設定部275は、第1背面ファンクションボタン127及び第2背面ファンクションボタン139には、機能の割り当てを行わない。一方で、装置本体101の側面では外付け装置が取り付けられていないので操作性は低下しない。したがって、割当設定部275は、右側面ファンクションボタン143にホワイトバランスの設定及びマイクレベル設定の機能を割り当てる。なお、右側面ファンクションボタン143では、1回の押下でホワイトバランスの設定の機能を行い、連続した2回の押下でマイクレベル設定の機能を行う。
【0087】
このように、撮像装置1が三脚201に固定されリグが組まれた状態で撮影される場合には、第1ファンクションボタン及び第2ファンクションボタンへは機能の割り当ては行わず、右側面ファンクションボタン143に画質や撮影(撮像)条件を調節する機能(例えば、ホワイトバランス)及びマイクレベル設定の機能を割り当てる。これにより、撮像装置1の操作性が低下することを防ぐことができる。
【0088】
以上で説明したように、割当情報Tには撮像装置1の使用環境No1~No8に各々について、動画撮影において操作性を低下させないように、第1背面ファンクションボタン127、第2背面ファンクションボタン139、シャッタボタン111、上面ダイヤル109、フロントダイヤル113、及び右側面ファンクションボタン143の機能の割り当てが行われる。
【0089】
なお、上述した割当情報Tは一例であり、割当情報Tには、他の使用環境及び他の態様による操作部265への機能の割り当てが規定されてもよい。
【0090】
<その他>
図9の説明では、撮像装置1のメインモニタ121がチルトする場合について説明をしたが、例えば撮像装置1のメインモニタ121の方向を自由に変えられる場合にも本発明は適用される。その場合には、装置本体101の正面、上面、背面、右側面、及び左側面にそれぞれ操作部265が設けられ、メインモニタ121の表示画面が向いている面と同じ面に、機能を遷移させる。例えば、初期状態(メインモニタ121の表示画面は背面方向を向いている)として、第1背面ファンクションボタン127にホワイトバランスの調整機能が割り当てられている場合に、メインモニタ121が装置本体101の正面に向けられると、第1正面ファンクションボタン107にホワイトバランスの調整機能が遷移する。これにより、ユーザはメインモニタ121の表示(例えばライブビュー表示)を見ながらホワイトバランスの調整を行うことができる。
【0091】
メインモニタ121には、割当設定処理が行われたことを示す報知表示が行われてもよい。例えば、図8に示した割当情報Tを使用した場合には、メインモニタ121に、第1背面ファンクションボタン127、第2背面ファンクションボタン139、シャッタボタン111、上面ダイヤル109、フロントダイヤル113、右側面ファンクションボタン143への機能の割り当てを表示する。これにより、ユーザは操作部265に割り当てられた機能を、メインモニタ121の表示を見ることにより知ることができる。なお、報知表示は単に変更したという表示だけでもよい。また、報知表示は割当設定処理の組合せの種類(図8であれば、「No1」など)でもよいし、それぞれの割当設定処理に設定することが出来る名称(例えば「夜間室内撮影」など)でもよいし、これらが併用されてもよい。それによりユーザが変更を理解しやすくなる。さらに、各機能の割り当てを表示してもよい。各機能の割り当ては一覧表示でもよいし、グラフィカルに表示した撮像装置の外観の各部分に、それぞれの割当設定を表示してもよい。各機能の割り当てを表示するときは、すべての割当情報を表示してもよいし、変更された割当情報のみを表示してもよい。これらの報知表示は、その表示内容をユーザが設定できても良く、より理解しやすい報知表示が可能になる。
【0092】
以上で本発明の例に関して説明してきたが、本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0093】
1 :撮像装置
101 :装置本体
103 :撮像レンズ
105 :レンズマウント
107 :第1正面ファンクションボタン
109 :上面ダイヤル
111 :シャッタボタン
113 :フロントダイヤル
115 :ホットシュ
115a :ホットシュ端子
117 :サブモニタ
119 :電子ビューファインダ
121 :メインモニタ
123 :アイセンサ
125 :リアダイヤル
127 :第1背面ファンクションボタン
129 :フォーカスレバー
131 :MENU/OKボタン
135 :表示/戻るボタン
137 :再生ボタン
139 :第2背面ファンクションボタン
143 :右側面ファンクションボタン
145 :リモートレリーズ端子
151 :マイク端子
153 :ヘッドフォン端子
155 :USB端子
157 :HDMIマイクロ端子
159 :ACアダプタ端子
251 :撮像素子
255 :A/D変換器
257 :デジタル信号処理部
259 :動き検出センサ
261 :姿勢検出センサ
263 :端子接続検出部
265 :操作部
267 :メモリ
269 :端子
271 :モニタ位置検出部
273 :使用環境判定部
275 :割当設定部
301 :CPU
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11